説明

コネクタ装置およびこれを用いた電力検出装置

【課題】電力出力装置側から電気的負荷側に対して、逆向きの電力が出力された場合であっても、当該電気的負荷に逆向きの電力が入力されることを防止し得るコネクタ装置を提供する。またかかるコネクタ装置を有効に活用し得る、電力検出装置を提供する。
【解決手段】第1コネクタ部と第2コネクタ部とを有し、第1コネクタ部は、電力入力端子および入力側グラウンド端子を有しており、第2コネクタ部は、電力出力端子および出力側グラウンド端子を有しており、前記電力入力端子と電力出力端子は、第1接続線により接続されており、前記入力側グラウンド端子と出力側グラウンド端子は、第2接続線により接続されており、前記第1接続線と第2接続線は、前記第2接続線から第1接続線の方向にのみ電流を流す整流素子を介して接続されているコネクタ装置とする。また当該コネクタ装置、電力出力装置、および電力検出手段を備えた電力検出装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力出力装置と電気的負荷を互いに接続するコネクタ装置、およびこれを用いた電力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばプロジェクタ用のDC(直流)ランプ等のような、電気的負荷に相当する製品の生産工程においては、品質管理の一環として、電力確認検査が広く行われている。この電力確認検査は、電気的負荷に対して所定電力を試験的に供給するとともに、そのときの電力状態を確認することにより、品質の良否を判別するものである。
【0003】
ここで上述した電力確認検査の実施態様の一例として、電気的負荷であるDCランプを検査対象とするものについて、図4を参照しながら具体的に説明する。図のように、電力確認検査を行うための電力検出装置101は、電源111および電力計112を備えており、これらは電源線(Ballast+Line)およびGND線(Ballast−Line)を通じて接続されている。また電力計112は、計測対象に接続するためのコネクタ112aを備えている。また検査対象としてのDCランプ102には、直流電力を受取るためのコネクタ102aが備えられている。
【0004】
なお各コネクタ(102a、112a)は、電源線側の端子である正極(+)端子、およびGND線側の端子である負極(−)端子を有している。そして互いに接続され合うコネクタ同士である102aと112aは、例えば凹凸の嵌め込み形状が用いられることにより、必ず正極端子同士および負極端子同士が接続されるようになっている。
【0005】
このような構成により、電力検出装置101のコネクタ112aにDCランプ102のコネクタ102aを取り付けて電源111から電力を供給し、そのときの電力状態を電力計112で確認することで、DCランプ102の品質の良否を判別することができる。より具体的には、電力計102の検出結果が異常(例えば、ある適正範囲に入っていなかった場合)であったならば、DCランプにおける抵抗値が異常であると認められ、ひいてはこのDCランプは102不良品であると判別される。逆に、検出結果が正常であったならば、良品であると判別される。
【0006】
【特許文献1】特開2006−011085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
DCランプのような電気的負荷では、電力が入力されるべき方向が決まっており、仮に逆向き(負極端子から正極端子に向かう方向)の電力が入力された場合には、ランプが破損する等の不具合が生ずるおそれがある。そこで上述したように、各コネクタが必ず正極端子同士および負極端子同士が接続されるようにすることで、DCランプに逆向きの電力が投入されることを、極力防止できるようになっている。
【0008】
しかし何らかの原因で、電力検出装置側から逆向きの電力が出力される事態、すなわち、上述したコネクタ112aにおける負極端子側から電力が出力されてしまう可能性がある。例えば一例を挙げると、上述の電力検出装置101において、コネクタ112aは、多数のDCランプのコネクタ102aとの間で着脱を繰り返す必要があるため、コネクタ112aが劣化することがある。
【0009】
そのとき、例えば図4に破線で示すポイントPにおいてコネクタ112aを取り外し、新たなコネクタ112aを電力計本体に付け替えて修復しようとする際、誤って逆向きに付けてしまうことが考えられる。そうすると、結果として、コネクタ112aの負極端子側から電力が出力されてしまうこととなる。
【0010】
このような状況でDCランプの電力確認検査を実行した場合、上述したようにDCランプが破損するおそれがある。また破損には至らなくとも、ダメージを受けたDCランプが製品として出荷されてしまった場合、事後的に不良品が多発することも想定され、その被害は甚大となる。
【0011】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、電力出力装置側から電気的負荷側に対して、逆向きの電力が出力された場合であっても、当該電気的負荷に逆向きの電力が入力されることを防止し得るコネクタ装置の提供を目的とする。またかかるコネクタ装置を有効に活用し得る、電力検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明によるコネクタ装置は、第1コネクタ部と第2コネクタ部とを有し、該第1コネクタ部には、所定の電力を出力するための出力端子とグラウンド端子を備える電力出力装置が接続され、該第2コネクタ部には、正極端子と負極端子を備える電気的負荷が接続されることにより、前記電力出力装置と電気的負荷を互いに接続させるコネクタ装置であって、前記第1コネクタ部は、電力入力端子および入力側グラウンド端子を有しており、該電力入力端子には前記出力端子が、該入力側グラウンド端子には前記グラウンド端子が、各々接続されるものであり、前記第2コネクタ部は、電力出力端子および出力側グラウンド端子を有しており、該電力出力端子には前記正極端子が、該出力側グラウンド端子には前記負極端子が、各々接続されるものであり、前記電力入力端子と電力出力端子は、第1接続線により接続されており、前記入力側グラウンド端子と出力側グラウンド端子は、第2接続線により接続されており、前記第1接続線と第2接続線は、前記第2接続線から第1接続線の方向にのみ電流を流す整流素子を介して接続されている構成(第2の構成)とする。
【0013】
本構成によれば、電力出力装置側から電気的負荷側(下流側)に対して、正常な向きの電力が出力された場合には、整流素子は電流を通さないから、電気的負荷に電力を出力することができる。その一方、電力出力装置側から電気的負荷側に対して、逆向きの電力が出力された場合には、整流素子は電流を通すこととなる。
【0014】
そのため、整流素子の順方向(電流を通す方向)における電流の流れ易さを、電気的負荷よりも十分大きくしておくことで、当該電気的負荷に逆向きの電力が入力されることを防止し得る。またコネクタ装置は、電力出力装置と電気的負荷との間に介在しているから、例えば多数の電気的負荷との着脱を繰り返すことで第2コネクタ部が劣化したとしても、コネクタ装置のみを新しいものに取り替えれば良く、電力出力装置を修理する等の必要はない。
【0015】
なお、ここでの「グラウンド」とは、必ずしも接地電位には限られず、電力出力装置の出力電圧に比べて小さい電圧状態であればよい。また「第2接続線から第1接続線の方向にのみ電流を流す」という表現については、必ずしも厳密な意味には限定されず、本発明の主旨に反しない限り緩やかに解される。例えば、第1接続線から第2接続線の方向に僅かな電流(例えばダイオードに逆バイアスをかけたときに流れる小電流)が流れるものであっても本発明を構成し得る。
【0016】
また上記第2の構成において、前記整流素子は、アノードが前記第2接続線に、カソードが前記第1接続線に接続された、ダイオードである構成(第3の構成)としてもよい。本構成によれば、ダイオードが有する整流機能を利用して、上記第2の構成を容易に実現することが可能である。
【0017】
また上記第2または第3の構成において、前記電気的負荷は、前記正極端子側から負極端子側に電流を流す、DCランプである構成(第4の構成)としてもよい。本構成によれば、DCランプを電力出力装置に接続させる際、これらの間に当該コネクタ装置を介在させることで、DCランプに逆方向の電力が出力されることを防止することができる。
【0018】
また上記第2から第4の何れかの構成に係るコネクタ装置と、該コネクタ装置に接続された前記電力出力装置と、該電力出力装置が、前記第1コネクタ部側に出力している電力を検出する、電力検出手段と、を備え、前記第2コネクタ部に接続された前記電気的負荷に出力されている電力を検出する構成(第5の構成)の電力検出装置も有用である。
【0019】
本構成によれば、電気的負荷の電力を検出することにより、例えば電気的負荷が適正であるか否かを判断することが可能となる。またコネクタ装置が設けられていることにより、電気的負荷に逆方向の電力が出力されることを防止することが可能となる。
【0020】
また上記第5の構成において、前記電力出力装置は、前記出力端子と前記グラウンド端子が略短絡状態となったときに電力の出力を停止させる、ショートプロテクト手段を備えた構成(第6の構成)としてもよい。
【0021】
コネクタ装置の整流素子において、順方向のインピーダンスが十分小さい場合には、第1接続線と第2接続線は略短絡状態となる(ひいては、電力出力装置の出力端子とグラウンド端子が略短絡状態となる)可能性がある。そこで本構成によれば、このように略短絡状態となったときに電力の出力を停止させることができるので、各回路が大電流により破損するといった不具合を、極力防止することが可能となる。
【0022】
また、第1コネクタ部と第2コネクタ部とを有し、該第1コネクタ部には、所定の電力を出力するための出力端子とグラウンド端子を備える電力出力装置が接続され、該第2コネクタ部には、正極端子と負極端子を備えるとともに、該正極端子側から負極端子側に電流を流すDCランプが接続されることにより、前記電力出力装置とDCランプを互いに接続させるものであって、前記第1コネクタ部は、電力入力端子および入力側グラウンド端子を有しており、該電力入力端子には前記出力端子が、該入力側グラウンド端子には前記グラウンド端子が、各々接続されるものであり、前記第2コネクタ部は、電力出力端子および出力側グラウンド端子を有しており、該電力出力端子には前記正極端子が、該出力側グラウンド端子には前記負極端子が、各々接続されるものであり、前記電力入力端子と電力出力端子は、第1接続線により接続されており、前記入力側グラウンド端子と出力側グラウンド端子は、第2接続線により接続されており、前記第1接続線と第2接続線は、アノードが前記第2接続線に、カソードが前記第1接続線に接続された、ダイオードを介して接続されているコネクタ装置と;該コネクタ装置に接続された前記電力出力装置と;該電力出力装置が、前記第1コネクタ部側に出力している電力を検出する、電力検出手段と;を備え、前記第2コネクタ部に接続された前記DCランプに出力されている電力を検出する電力検出装置であって、前記電力出力装置は、前記出力端子と前記グラウンド端子が略短絡状態となったときに電力の出力を停止させる、ショートプロテクト手段を備えた構成(第1の構成)による電力検出装置であれば、上記第2から第6の構成に係る利点を享受することができる。
【0023】
また上記第5または第6の構成に係る電力検出装置における前記第2コネクタに、前記電気的負荷を接続する第1工程と、該接続のなされた状態において、前記電力検出手段に、前記電力出力装置が前記第1コネクタ側に出力している電力を検出させる第2工程と、該検出のなされた後、前記第1工程でなされた接続を解除させる第3工程と、を含む、前記電気的負荷の検査方法によれば、電気的負荷に逆向きの電力が流れ込む不具合を回避しつつ、電力確認検査を達成することが可能である。
【発明の効果】
【0024】
上述した通り本発明のコネクタ装置によれば、電力出力装置側から電気的負荷側(下流側)に対して、正常な向きの電力が出力された場合には、整流素子は電流を通さないから、電気的負荷に電力を出力することができる。その一方、電力出力装置側から電気的負荷側に対して、逆向きの電力が出力された場合には、整流素子は電流を通すこととなる。
【0025】
そのため、整流素子の順方向(電流を通す方向)における電流の流れ易さを、電気的負荷よりも十分大きくしておくことで、当該電気的負荷に逆向きの電力が入力されることを防止し得る。またコネクタ装置は、電力出力装置と電気的負荷との間に介在しているから、例えば多数の電気的負荷との着脱を繰り返すことで第2コネクタ部が劣化したとしても、コネクタ装置のみを新しいものに取り替えれば良く、電力出力装置を修理する等の必要はない。
【0026】
また本発明の電力検出装置によれば、電気的負荷の電力を検出することにより、例えば電気的負荷が適正であるか否かを判断することが可能となる。またコネクタ装置が設けられていることにより、電気的負荷に逆方向の電力が出力されることを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の一実施形態として、プロジェクタ用のDCランプに電力を投入してその電力状態を確認する検査(電力確認検査)に用いる、電力検出装置を挙げて以下に説明する。電力検出装置の模式的な構成図を、図1に示す。
【0028】
図1に示すように、電力検出装置1は、電源11、電力計12、およびコネクタ装置3を備えている。電源11は、所定の電力(例えば定電圧380V相当)を出力するための電力線(Ballast +Line)およびGND線(Ballast -Line)を有しており、不図示の電源スイッチがONとなっているときに、下流側に直流電力を供給する。
【0029】
また電源11は、その内部にLSP[ランプショートプロテクト]機能を実現するための回路が組み込まれている。このLSP機能は、電力線とグラウンド線が略短絡状態となったことを検出したときに電力の供給を停止させ、後段に接続されている回路を保護するものである。なおLSP機能を実現する回路としては、例えば図2に示すもの等が挙げられる。LSP機能自体は公知技術であるため、その詳細な説明は省略する。
【0030】
電力計12は、電流計ならびに電圧計に相当する機能を兼ね備えており、上流側から下流側に供給されている電力を検出する。また、上流側の電源11における電力線およびGND線に接続されている。また、下流側のコネクタ装置3におけるコネクタ3aと接続するためのコネクタ12aを有している。コネクタ12aの正極端子には電力線が接続されており、同じく負極端子にはGND線が接続されている。
【0031】
コネクタ装置3は、上流側の電力計12におけるコネクタ12aと着脱自在に接続可能なコネクタ3a、および、下流側のDCランプ2におけるコネクタ2aと着脱自在に接続可能なコネクタ3bを有している。またコネクタ3aの正極端子とコネクタ3bの正極端子は、第1接続線31により接続されており、コネクタ3aの負極端子とコネクタ3bの負極端子は、第2接続線32により接続されている。
【0032】
またさらに、第1接続線と第2接続線とは、アノードが第2接続線32に、カソードが第1接続線31に接続された、高耐圧ダイオード33を介して接続されている。この高耐圧ダイオード33は、第1接続線から第2接続線の方向にのみ電流を流す整流素子としての役割を果たす。
【0033】
なお高耐圧ダイオード33は、電源11の出力電圧程度の大きさの逆方向バイアスがかかっても、降伏しないものが採用されている。また順方向については、検査対象となる電気的負荷(ここではDCランプ2)に比べて、十分に電流の流れ易いものが採用されている。
【0034】
電力確認検査の対象となるDCランプ2は、正極端子および負極端子を備えたコネクタ2aを有している。またDCランプ2は、この正極端子側から入力された直流電力を用いて発光するものであり、回路上は電気的負荷(抵抗)と見ることもできる。なおDCランプ2は、電力が入力されるべき方向が決まっており、仮に逆向き(負極端子から正極端子に向かう方向)の電力が入力された場合には、破損する等の不具合を生ずるおそれがある。
【0035】
またそれぞれの装置もしくは検査対象を接続させるためのコネクタ(12a、3a、3b、2a)において、互いに接続し合うもの同士、すなわち、12aと3a、3bと2aの各々は、必ず正極(+)端子同士および負極(−)端子同士が接続し合うように配慮されている。これは、例えばコネクタにおいて、図3に示すような凹部および凸部を備えるものとし、接続時にこれらが嵌まり合うようにすることで実現されている。
【0036】
次に、上述した構成の電力検出装置1を用いた、DCランプ2に対する電力確認検査の工程について説明する。まず初めに、電源11における電源スイッチをOFFとした状態で、互いに対を成しているコネクタ同士(12aと3a、および、3bと2a)を接続させておく。
【0037】
その後、電源スイッチをONに切替えて、DCランプ2を含む下流側に直流電力を供給する。このとき、コネクタ装置3における高耐圧ダイオード33には、逆方向バイアスがかかる状態となるため殆ど電流が流れない。そのため電源11から供給された電力は、DCランプ2に投入されることとなる。
【0038】
そこでこの状態にて、電力計12の検出結果を確認することとする。なお電源11が定電圧電源であるとしたときの当該電圧をV、DCランプ2における抵抗をRとすると、電力計によれば、ほぼV2/R(=W)で表される電力が検出されることとなる。これにより、Wが予め設定された適正範囲を上回っていたり、逆に下回っていたりしたときは、DCランプ2は、その抵抗値に関して不良品であると確認でき、Wが適正範囲内であれば、良品であると確認できる。
【0039】
かかる確認工程が完了したら、DCランプ2をコネクタ装置3から取り外し、次に検査すべき別のDCランプ2を、コネクタ装置に接続する。以下同様に、電力確認とDCランプの着脱工程を繰り返すことで、複数のDCランプ2に対する電力確認検査を行うことが可能である。
【0040】
次に、何らかの原因によって、電力検出装置1の出力電力の向きが逆転している場合、すなわち、電力計12のコネクタ12aにおける負極端子側から電力が出力される場合について説明する。この場合、電力計12に接続されているコネクタ装置3においては、第2接続線32には電源11側から所定の電圧が印加される。
【0041】
そのため、高耐圧ダイオード33には順方向バイアスがかかることとなり、第1接続線31と第2接続線32は、略短絡状態となる。なおコネクタ装置3にDCランプ2が接続されていても、高耐圧ダイオード33はDCランプ2に比べて十分に電流を流し易いため、DCランプ2には殆ど電流は流れない。
【0042】
このように本実施形態では、電力検出装置1の出力電力の向きが逆転している場合であっても、DCランプ2に逆向きの電力が入力されることを防止することができ、DCランプ2の破損等の不具合を防止することが可能となっている。
【0043】
また先述の通り、電源11はLSP機能を備えていることから、高耐圧ダイオード33が略短絡状態となった場合には、電力の供給は停止される。その結果、大電流により各回路が破損するといった不具合を、極力防止することが可能となっている。
【0044】
以上に説明したように、本実施形態のコネクタ装置3は、コネクタ3a(第1コネクタ部)とコネクタ3b(第2コネクタ部)とを有している。また、コネクタ3aには、所定の電力を出力するための正極端子(出力端子)と負極端子(グラウンド端子)を備える電源11(電力出力装置)が接続され、コネクタ3bには、正極端子と負極端子を備えるDCランプ2(電気的負荷)が接続されることにより、電力出力装置1とDCランプ2を互いに接続させるものである。
【0045】
またコネクタ3aは、正極端子(電力入力端子)および負極端子(入力側グラウンド端子)を有しており、コネクタ3aの正極端子には電力出力装置1側の正極端子が、コネクタ3aの負極端子には電力出力装置1側の負極端子が、各々接続されるものである。またコネクタ3bは、正極端子(電力出力端子)および負極端子(出力側グラウンド端子)を有しており、コネクタ3bの正極端子にはDCランプの正極端子が、コネクタ3bの負極端子にはDCランプの負極端子が、各々接続されるものである。
【0046】
またコネクタ3aの正極端子とコネクタ3bの正極端子は、第1接続線31により接続されており、コネクタ3aの負極端子とコネクタ3bの負極端子は、第2接続線32により接続されている。また、第1接続線31と第2接続線32は、第2接続線32から第1接続線31の方向にのみ電流を流す整流素子(高耐圧ダイオード33)を介して接続されている。
【0047】
そのため当該コネクタ装置3によれば、電力出力装置1側からDCランプ2側(下流側)に対して、正常な向きの電力が出力された場合には、高耐圧ダイオード33は電流を通さないから、DCランプ2に電力を出力することができる。その一方、電力出力装置1側からDCランプ2側に対して、逆向きの電力が出力された場合には、高耐圧ダイオード33は電流を通すこととなる。
【0048】
また、高耐圧ダイオード33の順方向(電流を通す方向)における電流の流れ易さは、DCランプ2よりも十分大きいため、当該DCランプ2に逆向きの電力が入力されることが防止される。またコネクタ装置3は、電力出力装置1とDCランプ2との間に介在しているから、例えば多数のDCランプ2との着脱を繰り返すことでコネクタ3bが劣化したとしても、コネクタ装置3のみを新しいものに取り替えれば良く、電力出力装置1を修理する等の必要はない。
【0049】
また本実施形態を、DCランプ2に対して電力確認検査を行うための電力検出装置として見れば、本電力検出装置は、コネクタ装置3と、コネクタ装置3に接続された電源11(電力出力装置)を備えている。なお電力検出装置1は、コネクタ3a側に出力している電力を検出するための電力検出手段(電力計12)を備えている。
【0050】
そのため電力検出装置1によれば、DCランプ2の電力を検出することにより、DCランプ2の内部抵抗が適正であるか否かを判断することが可能となっている。またコネクタ装置3が設けられていることにより、DCランプ2に逆方向の電力が出力されることを防止することが可能となっている。
【0051】
その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、例えばDCランプの電力確認検査用の装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る、電力検出装置の構成図である。
【図2】LSP機能を実現するための回路の一例を示す図である。
【図3】一対のコネクタの形状を示す図である。
【図4】従来の電力検出装置の一例に係る構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1、101 電力検出装置
2、102 DCランプ(電気的負荷)
3 コネクタ装置
11、111 電源(電力出力装置)
12、112 電力計(電力検出手段)
31 第1接続線
32 第2接続線
33 高耐圧ダイオード(整流素子、ダイオード)
3a コネクタ装置における入力側のコネクタ(第1コネクタ部)
3b コネクタ装置における出力側のコネクタ(第2コネクタ部)
2a DCランプにおけるコネクタ
12a 電力計におけるコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタ部と第2コネクタ部とを有し、
該第1コネクタ部には、所定の電力を出力するための出力端子とグラウンド端子を備える電力出力装置が接続され、該第2コネクタ部には、正極端子と負極端子を備えるとともに、該正極端子側から負極端子側に電流を流すDCランプが接続されることにより、前記電力出力装置とDCランプを互いに接続させるものであって、
前記第1コネクタ部は、電力入力端子および入力側グラウンド端子を有しており、該電力入力端子には前記出力端子が、該入力側グラウンド端子には前記グラウンド端子が、各々接続されるものであり、
前記第2コネクタ部は、電力出力端子および出力側グラウンド端子を有しており、該電力出力端子には前記正極端子が、該出力側グラウンド端子には前記負極端子が、各々接続されるものであり、
前記電力入力端子と電力出力端子は、第1接続線により接続されており、
前記入力側グラウンド端子と出力側グラウンド端子は、第2接続線により接続されており、
前記第1接続線と第2接続線は、アノードが前記第2接続線に、カソードが前記第1接続線に接続された、ダイオードを介して接続されているコネクタ装置と;
該コネクタ装置に接続された前記電力出力装置と;
該電力出力装置が、前記第1コネクタ部側に出力している電力を検出する、電力検出手段と;を備え、
前記第2コネクタ部に接続された前記DCランプに出力されている電力を検出する電力検出装置であって、
前記電力出力装置は、
前記出力端子と前記グラウンド端子が略短絡状態となったときに電力の出力を停止させる、ショートプロテクト手段を備えたことを特徴とする電力検出装置。
【請求項2】
第1コネクタ部と第2コネクタ部とを有し、該第1コネクタ部には、所定の電力を出力するための出力端子とグラウンド端子を備える電力出力装置が接続され、該第2コネクタ部には、正極端子と負極端子を備える電気的負荷が接続されることにより、前記電力出力装置と電気的負荷を互いに接続させるコネクタ装置であって、
前記第1コネクタ部は、電力入力端子および入力側グラウンド端子を有しており、該電力入力端子には前記出力端子が、該入力側グラウンド端子には前記グラウンド端子が、各々接続されるものであり、
前記第2コネクタ部は、電力出力端子および出力側グラウンド端子を有しており、該電力出力端子には前記正極端子が、該出力側グラウンド端子には前記負極端子が、各々接続されるものであり、
前記電力入力端子と電力出力端子は、第1接続線により接続されており、前記入力側グラウンド端子と出力側グラウンド端子は、第2接続線により接続されており、前記第1接続線と第2接続線は、前記第2接続線から第1接続線の方向にのみ電流を流す整流素子を介して接続されていることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項3】
前記整流素子は、
アノードが前記第2接続線に、カソードが前記第1接続線に接続された、ダイオードであることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記電気的負荷は、
前記正極端子側から負極端子側に電流を流す、DCランプであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れかに記載のコネクタ装置と、
該コネクタ装置に接続された前記電力出力装置と、
該電力出力装置が、前記第1コネクタ部側に出力している電力を検出する、電力検出手段と、を備え、
前記第2コネクタ部に接続された前記電気的負荷に出力されている電力を検出することを特徴とする電力検出装置。
【請求項6】
前記電力出力装置は、
前記出力端子と前記グラウンド端子が略短絡状態となったときに電力の出力を停止させる、ショートプロテクト手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の電力検出装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の電力検出装置における前記第2コネクタに、前記電気的負荷を接続する第1工程と、
該接続のなされた状態において、前記電力検出手段に、前記電力出力装置が前記第1コネクタ側に出力している電力を検出させる第2工程と、
該検出のなされた後、前記第1工程でなされた接続を解除させる第3工程と、
を含むことを特徴とする、前記電気的負荷の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−103125(P2008−103125A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283207(P2006−283207)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】