説明

コネクタ装置

【課題】接触端子が確実に回路基板に接続されるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】コネクタ装置は、本体部と本体部の一端から延出して相手コネクタに嵌合する嵌合部とを備える回路基板と、前記回路基板に接続され、相手コネクタの相手端子と接触するための複数の接触端子と、を含み、前記コネクタ装置は、前記接触端子を保持する絶縁本体を備え、前記接触端子は、前記回路基板に接続するテール部と、前記嵌合部に配置される接触部と、前記テール部と接触部とを連接する連接部と、を含み、前記接触端子の連接部が前記絶縁本体に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に回路基板を配置するコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1を参照すると、従来のコネクタ装置は内部に回路基板を備え、前記回路基板には複数の導電パッドと、導電パッドの後方にある接触端子と、が配置され、前記接触端子は回路基板に接続するための接続部と、前記回路基板に露出し相手コネクタの相手接触端子に接続する接触部と、を含む。該コネクタ装置は、導電パッドが一般的なコネクタのような金属板からなる導電端子に代わることにより製造コストを低減でき、また、回路基板の厚さが薄いので、コネクタ装置の小型化に有利になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/93136号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記複数の接触端子は回路基板に直接接続するので、半田付けする時に各接触端子が回路基板にそれぞれ半田付けされ、接触端子の位置決めが難しくなる恐れがあった。また、半田付けされた接触端子は相手コネクタの相手接触端子に接続する時に変位を生じ易い問題がある。従って、新たなコネクタ装置を開発することが必要である。
【0005】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、接触端子が確実に回路基板に接続されるコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタ装置は、本体部と本体部の一端から延出して相手コネクタに嵌合する嵌合部とを備える回路基板と、前記回路基板に接続し、相手コネクタの相手端子と接触するための複数の接触端子と、を含み、前記コネクタ装置は、前記接触端子を保持する絶縁本体を備え、前記接触端子は、前記回路基板に接続するテール部と、前記嵌合部に配置される接触部と、前記テール部と接触部とを連接する連接部と、を含み、前記接触端子の連接部が前記絶縁本体に保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
従来技術に比べ、本発明は以下の利点を有する。接触端子の連接部が絶縁本体に列をなして保持されることにより、接触端子の回路基板に接続する時の位置決めが容易になり、接触端子を確実に回路基板に接続させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るコネクタ装置の組立斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタ装置の部分分解図である。
【図3】本発明に係るコネクタ装置の分解図である。
【図4】図3に示すコネクタ装置のほかの角度から見た分解図である。
【図5】図1に示すコネクタ装置のA−A線に沿った断面図である。
【図6】本発明に係るコネクタ装置の他の実施形態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1乃至図5を参照すると、本発明の実施状態について説明している。コネクタ装置100は、回路基板1と、回路基板1に実装される接触端子2と、絶縁本体3と、前記回路基板1と絶縁本体3とを覆った蓋部材4と、を含む。
【0010】
図3及び図4を参照すると、前記回路基板1は、本体部10と、本体部10の一端から延在して相手コネクタ(図示せず)に嵌合する嵌合部11と、を含む。前記本体部10の上面には金属製の半田パッド12がインサート成型により並設され、嵌合部11の上面には金属製の導電パッド13がインサート成型により並設され、また、嵌合部11上の導電パッド13の後端には複数の収容溝14が一列で形成される。
【0011】
接触端子2は、回路基板1の半田パッド12に接続するテール部23と、前記収容溝14に収容される弾性的な接触部21と、テール部23と接触部21とを連接する連接部22と、を含み、連接部22は接触部21の一端から上向きに延出してから後向きに延出するように形成され、前記テール部23は連接部22の後端から下向きに折れ曲ってから後向きに延出するように形成される。相手コネクタに嵌合するときに、前記接触部21は収容溝14内で上下方向の変位を生じる。
【0012】
接触端子2の連接部22が絶縁本体3に保持され、絶縁本体3に連接部22を収容する保持溝32が設けられ、連接部22の両側に複数の突起225が形成され、これらの突起225により連接部22が保持溝32に係合して保持される。絶縁本体3の先端には保持溝32に連通して接触端子2の接触部21に対応する開放溝33が設けられ、前記開放溝33により接触部21の弾性的な変形のための空間を提供できる。
【0013】
前記接触端子2と導電パッド13との配列はUSB3.0の規格に準拠しており、接触端子2の接触部21と導電パッド13とは、相手コネクタとの嵌合方向に沿う向きで嵌合部11の上面に二列で配置される。
【0014】
前記蓋部材4は、絶縁本体3と回路基板1とを収容する収容空間42を形成しており、蓋部材4により絶縁本体3と回路基板1とを保持している。
【0015】
図1乃至図5を参照すると、コネクタ装置100は、接触端子2と導電パッド13とが直接回路基板1に実装され、導電パッド13が一般的な端子に代わることによって製造コストが低減でき、導電パッド13が回路基板1に半田付けされるので変形を低減できる。回路基板1の厚さが薄いので、コネクタ装置100の小型化に有利になっている。
【0016】
組み立てる時に、まず、接触端子2が絶縁本体3に位置決めされて保持され、接触端子2と絶縁本体3との組立体が回路基板1に実装され、これによって、接触端子2を回路基板1に接続する操作の位置決めが容易になり、また、前記接触端子2の連接部22が絶縁本体3に保持されるので、相手コネクタと嵌合する時に連接部22の変形を防止できる。
【0017】
本発明に係るコネクタ装置100の接触端子2が絶縁本体3に組み込まれて装着されているが、勿論、他の実施状態において、例えば、図6を参照すると、接触端子2′の連接部が絶縁本体3′にインサート成型されてもよく、絶縁本体3′の接触端子2′の接触部21′に対応する箇所に開口部が形成されている。
【0018】
以上本発明について最良の実施の形態を参照して詳細に説明したが、実施形態はあくまでも例示的なものであり、これらに限定されない。また上述の説明は、本発明に基づきなしうる細部の修正或は変更など、いずれも本発明の請求範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0019】
100 コネクタ装置
1、1′ 回路基板
10 本体部
11 嵌合部
12 半田パッド
13 導電パッド
14 収容溝
2、2′ 接触端子
21、21′ 接触部
22 連接部
225 突起
23 テール部
3、3′ 絶縁本体
32 保持溝
33 開放溝
4、4′ 蓋部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、本体部の一端から延出して相手コネクタに嵌合する嵌合部と、を備える回路基板と、
前記回路基板に接続され相手コネクタの相手端子と接触するための複数の接触端子と、
を含むコネクタ装置において、
前記コネクタ装置は、前記接触端子を保持する絶縁本体を備え、
前記接触端子は、前記回路基板に接続するテール部と、前記嵌合部に配置される接触部と、前記テール部と接触部とを連接する連接部と、を含み、
前記接触端子の連接部が前記絶縁本体に保持されることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記回路基板の嵌合部に、相手コネクタに嵌合する導電パッドが配置されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記接触端子の接触部と導電パッドとが、前記嵌合部の上面に二列で配置されることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記絶縁本体には前記接触端子の連接部を保持するための保持溝が形成され、前記連接部には前記保持溝に係合するための突起が形成されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記接触端子の連接部がインサート成型により前記絶縁本体に保持されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記絶縁本体に、前記接触端子の接触部に対応する開放溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−278005(P2010−278005A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120591(P2010−120591)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】