説明

コネクタ装置

【課題】ハウジングを備えたコネクタ装置であって、全体の小型化及び構成部材数の低減を図ることができる構造をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、係止状態及び係止解除状態に選択的におくことができるものを提供する。
【解決手段】ハウジング(11)を部分的に覆う導電性シェル(14)に、ハウジング(11)に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板(40)における切欠き係合部(43)に係合してフレキシブル印刷配線基板(40)に対する係止状態をとる係止部(25),係止部(25)によるフレキシブル印刷配線基板(40)に対する係止状態を解除させる係止解除部(23)、及び、係止部(25)と係止解除部(23)とを連結する連結部(24)が、U字状を成すものとして一体的に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板(FPC)やフレキシブル平板状ケーブル(FFC)等の配線板状部材に設けられた接続端子部を、他の配線基板等とされる他の電気部品に電気的に連結するため、配線基板等に取り付けられて配線板状部材が差し込まれるものとして用いられ、差し込まれた配線板状部材にその離脱を阻止すべく係合する係止手段及び差し込まれた配線板状部材における接続端子部に接触接続されるコンタクトを含んで構成されるコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器に実装される比較的小型なフレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等の配線板状部材は、各種の電気部品が取り付けられる主配線基板との電気的連結が、当該主配線基板に電気的接続がなされて固定されるコネクタ装置が用いられて行われることが多い。このような配線板状部材の主配線基板との電気的連結にあたって用いられるコネクタ装置は、配線板状部材に設けられた接続端子部に接触接続される導電性のコンタクトを有していて、そのコンタクトを介して、配線板状部材に設けられた接続端子部を主配線基板に設けられた配線部に電気的に連結する。
【0003】
従来提案されている、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材の主配線基板との電気的連結に用いられるコネクタ装置は、配線板状部材が差し込まれる差込み部が設けられたものとされて主配線基板に配される、例えば、絶縁材料によって形成されたハウジングを有したものとされる。そして、例えば、ハウジングに配列配置されて設けられ、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、その配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々対応するものとなる複数のコンタクトと、複数のコンタクトについての特性インピーダンス調整に貢献するものとして、さらには、外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得るために、ハウジングを部分的もしくは全体的に覆うものとして配されて主配線基板に設けられた接地端子に連結される導電性シェルと、ハウジングに対して回動可能とされるとともに複数のコンタクトの夫々に係合して設けられ、回動せしめられるとき、複数のコンタクトに、複数の接続端子部に夫々接触接続された状態、あるいは、複数の接続端子部との接触接続から解放された状態をとらせるアクチュエータとを備えている。このようなもとで、複数のコンタクトが配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続された状態におかれることにより、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれる。
【0004】
さらに、従来提案されている配線板状部材の主配線基板との電気的接続に用いられるコネクタ装置の中には、上述のようなハウジングを有し、上述のような複数のコンタクト及び導電性シェルを備えてはいるが、ハウジングに対して回動可能に設けられるアクチュエータを備えていず、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、自動的に、ハウジング内に設けられた複数のコンタクトが差し込まれた配線板状部材に設けられた複数の接続端子部に夫々接触接続されるものもある。斯かるものにあっては、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに適正に差し込まれるだけで、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれる。
【0005】
このような従来提案されているコネクタ装置にあっては、ハウジングに対して回動可能に設けられるアクチュエータを備えたもの及び斯かるアクチュエータを備えていないもののいずれの場合にも、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材が、主配線基板に配されたハウジングに差込み部を通じて差し込まれて、ハウジングに配された複数のコンタクトが、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続され、それにより、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれるにあたり、配線板状部材がハウジングから不所望に離脱するような事態が回避されなくてはならない。当然のことながら、ハウジングに配された複数のコンタクトがハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続された状態が適正に維持されるためには、ハウジングに差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材が、その状態を安定に維持することができ、ハウジングから不所望に抜脱されるような事態をまねかないものとされることが必要とされるのである。
【0006】
そのため、前述のような、ハウジングを有し、複数のコンタクトと導電性シェルとハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータとを備えたコネクタ装置に属するものであって、ハウジング内に差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたコネクタ装置が従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、前述のような、ハウジングを有し、複数のコンタクトと導電性シェルとを備えてはいるが、ハウジングに対して回動可能とされるアクチュエータを備えていないコネクタ装置に属するものであって、ハウジング内に差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたコネクタ装置も従来提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
特許文献1に示されるコネクタ装置にあっては、導電性シェル(シールドプレート11)の一部にシーソーのように変位することができる係止手段(ロック部11c)が形成されており、この係止手段には、導電性シェルの内側に向かって屈曲した係止端部(爪部11d)が設けられている。そして、係止手段は、ハウジング(ハウジング3)に対して回動可能とされたアクチュエータ(アクチュエータ9)の回動操作に応じて変位する。
【0008】
このようなもとで、配線板状部材(FPC21)がハウジング内の受容空間(FPC受容空間34)に差し込まれた後に、アクチュエータの第1の方向への回動操作が行われると、ハウジング内に配された複数のコンタクト(第1コンタクト5,第2コンタクト6)が、アクチュエータに形成されたカム(カム部92,93)によって変位せしめられ、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、係止手段が、アクチュエータに形成されたカム(カム部94)によって変位せしめられ、それに設けられた係止端部をハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部(切欠21a)に係合させる。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、係止手段により係止されて、ハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におかれる。
【0009】
その後、係止手段に設けられた係止端部がハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部に係合したもとで、アクチュエータの第1の方向とは逆の第2の方向への回動操作が行われると、アクチュエータに形成されたカム(カム部94)が、係止手段に、それに設けられた係止端部の配線板状部材に設けられた係合部との係合を解除する状態をとることを許す。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、ハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【0010】
また、特許文献2に示されるコネクタ装置にあっては、ハウジング(ハウジング本体2)に、それに対して回動可能に設けられた導電性シェル(シェル4)が備えられている。そして、導電性シェルの一部に板ばね状の係止手段(足部46)が形成されており、この係止手段の先端部に導電性シェルの内側に向かう係止突起(係止突起44)が設けられている。
【0011】
このようなハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが、その全体がハウジングに近接することになる、ハウジングに対して伏した位置をとるもとで、配線板状部材(FPC)がハウジング内に差込み部(挿入口21)を通じて差し込まれると、ハウジング内に配された複数のコンタクト(コンタクト3(上部コンタクト31,下部コンタクト32))が、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、係止手段に設けられた係止突起が、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部(FPC係止孔FPC2)に係合する。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、係止手段により係止されて、ハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におかれる。
【0012】
その後、係止手段に設けられた係止突起がハウジング内に差し込まれた配線板状部材に設けられた係合部に係合したもとで、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが、ハウジングに対して起き上がった位置をとるべく回動操作されると、導電性シェルに形成された係止手段も導電性シェルに伴って変位し、それに設けられた係止突起が配線板状部材に設けられた係合部との係合を解除する。それにより、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材が、ハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−52993号公報 (段落0016,0017,0033〜0043、図1,5,6)
【特許文献2】特開2008−192574号公報 (段落0026,0027,0031〜00 34,図1〜6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述のような、フレキシブル印刷配線基板等の配線板状部材の主配線基板との電気的連結に用いられるコネクタ装置であって、ハウジング内に差し込まれた配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する係止手段を備えたものとして従来提案されているコネクタ装置にあっては、係止手段がハウジングに対して回動可能とされたアクチュエータの回動操作に応じて変位するものとされ、あるいは、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが備えられ、その導電性シェルの一部に係止手段が形成されている。
【0015】
このような、係止手段がハウジングに対して回動可能とされたアクチュエータの回動操作に応じて変位するものとされた従来のコネクタ装置の場合には、係止手段とアクチュエータとを個別に形成された別部材として備えることが必要とされ、そのことが、コネクタ装置の全体の小型化に対する障害と構成部材数の増加とをまねき、製造コストを嵩ませる要因となる。それに加えて、係止手段に配線板状部材に対する係止状態あるいは係止解除状態をとらせるにあたっては、アクチュエータをハウジングに対して回動させる操作が不可欠とされ、斯かる操作を行うための不所望なスペースをコネクタ装置の周囲に設けることが必要とされる。
【0016】
また、ハウジングに対して回動可能とされた導電性シェルが備えられ、その導電性シェルの一部に係止手段が形成された従来のコネクタ装置の場合には、導電性シェルがハウジングに対して回動可能とされるので、コネクタ装置の主配線基板への固定のために導電性シェルを利用することができず、別途、コネクタ装置を主配線基板に固定するための部材(ホールドダウン部材)を備えることが必要とされ、そのことが、コネクタ装置の全体の小型化に対する障害と構成部材数の増加とをまねき、製造コストを嵩ませる要因となる。
【0017】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等とされる配線板状部材の他の配線基板との電気的連結に用いられる、板状部材差込み部が設けられて他の配線基板に配されるハウジングと、ハウジングに配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆う導電性シェルとを備えたコネクタ装置であって、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、ハウジングからの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジングからの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができ、しかも、配線板状部材を係止状態から解放された状態におくにあたり、配線板状部材が電気的に連結される他の配線基板に不所望な外力を作用させないことになるものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項6までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係るコネクタ装置は、第1の相互対向側端部の一方側において開口する板状部材差込み部が設けられて配線基板に配されるハウジングと、各々がハウジング内に配される接触部とハウジングにおける第1の相互対向側端部の他方側から当該ハウジング外に導出される接続部とを備えて配列配置され、配線板状部材が板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、複数の接触部がハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続される複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆い、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に係合してその配線板状部材に対する係止状態をとる係止部,係止部の係止状態を解除すべく操作される係止解除部及び係止解除部と係止部とを連結する連結部が一体的に形成された導電性シェルとを備えて成り、係止解除部が、導電性シェルにおけるハウジングの第2の相互対向側端部の一つを覆う部分から第1の相互対向側端部の一方側へと伸び、連結部が係止解除部から屈曲して伸び、係止部が連結部から屈曲して第1の相互対向側端部の他方側に向かって伸びて、係止解除部,連結部及び係止部が、全体として導電性シェルに設けられたU字状部を成すものとされる。
【0019】
上述のような本発明に係るコネクタ装置にあっては、複数の接続端子部が設けられた配線板状部材が板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれると、それにより、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトの各々が備える複数の接触部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続されるとともに、導電性シェルに一体的に形成された係止部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材に対する係止状態をとる。その結果、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が、係止部により係止されてハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におかれ、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトの各々が備える複数の接触部が、当該配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続された状態が安定に維持される。
【0020】
その後、係止部と共に導電性シェルに一体的に形成された係止解除部に、係止部の係止状態を解除するための操作、例えば、係止解除部をハウジングに向けて変位させる押圧操作が加えられると、変位する係止解除部が、連結部を介して係止部を変位させ、係止部にハウジングに差し込まれた配線板状部材との係合を解除させる。それにより、係止部がハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する係止状態を解除し、ハウジングから配線板状部材を意図的に抜脱させることができる状態が得られる。
【0021】
このような本発明に係るコネクタ装置における各部の機能あるいは役割は、より具体的には、例えば、次のように果たされる。
【0022】
本発明に係るコネクタ装置にあっては、係止部及び係止解除部が、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項2に記載されたもののように、夫々が弾性を有した可動部分を成すものとされ、さらに、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項3に記載されたもののように、係止部が、板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれる配線板状部材における係合部に係合する係合端部分を有して、連結部との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされ、また、係止解除部が、係止部に向かう方向の押圧操作が加えられる状態におかれる操作部分を有し、導電性シェルとの相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされる。それにより、例えば、係止解除部の操作部分に係止部に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、導電性シェルにおいて係止解除部,連結部及び係止部により形成されるU字状部の全体が容易に歪み変形を生じて、係止部の係合端部分が、板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合を解除し、また、係止解除部の操作部分に係止部に向かう方向の押圧操作が加えられなくなると、係止部及び係止解除部の夫々の弾性により、導電性シェルにおいて係止解除部,連結部及び係止部により形成されるU字状部が、全体的に元の位置へと復元変位する。
【0023】
斯かる際、係止部が、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項4に記載されたもののように、係止解除部の操作部分に押圧操作が加えられていないとき、ハウジングに設けられた位置規制部に接触して位置決めされ、係止解除部の操作部分に押圧操作が加えられるとき、ハウジングに設けられた当接部に当接したもとで係合端部分を導電性シェルにおける係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させる。そして、係止部は、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項5に記載されたもののように、ハウジングに設けられた位置規制部に接触して位置決めされるとき、係合端部分の先端部分をハウジングに設けられた板状部材差込み部内に位置させ、ハウジングに設けられた当接部に当接したもとで係合端部分を導電性シェルにおける係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させるとき、係合端部分の先端部分をハウジングに設けられた板状部材差込み部内から退去させる。
【0024】
それにより、係止部は、係止解除部の操作部分に押圧操作が加えられていないもとで、ハウジングに設けられた位置規制部に接触して位置決めされているとき、係合端部分に板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合状態をとらせ、また、係止解除部の操作部分に押圧操作が加えられて、ハウジングに設けられた当接部に当接したもとで、係合端部分を導電性シェルにおける係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させるとき、係合端部分を板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合状態から解放する。
【0025】
なお、ハウジング外に配される係止解除部は、配線板状部材がハウジングに差し込まれたもとで、係止部が配線板状部材に係合してその配線板状部材に対する係止状態をとるときと、係合部が配線板状部材に係合せず配線板状部材に対する係止状態をとらないときとで、異なった位置をとることになる。
【0026】
そして、本発明に係るコネクタ装置の一例にあっては、本願の特許請求の範囲における請求項6に記載されたもののように、係止部,係止解除部及び連結部の組が、導電性シェルにおけるハウジングの第2の相互対向側端部の夫々を覆う二カ所に一体的に形成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るコネクタ装置においては、上述のように、フレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等とされる配線板状部材が、板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトの各々が備える複数の接触部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続され、それとともに、導電性シェルに一体的に形成された係止部が、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材に対する係止状態をとる。その結果、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、係止部により係止されてハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におくことができ、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトが、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々電気的に接続された状態を安定に維持することができる。
【0028】
また、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が係止部により係止された状態におかれたもとで、係止部と共に導電性シェルに一体的に形成された係止解除部に、係止部の係止状態を解除するための操作が加えられると、それにより変位する係止解除部が、連結部を介して係止部を変位させ、係止部にハウジングに差し込まれた配線板状部材との係合を解除させる。その結果、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、係止部による係止状態から解放して、ハウジングから意図的に抜脱することができる状態におくことができる。
【0029】
従って、本発明に係るコネクタ装置によれば、係止部及び係止解除部とそれらを連結する連結部とが導電性シェルに一体的に形成された、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、ハウジングからの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジングからの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができる。
【0030】
さらに、導電性シェルに一体的に形成された係止解除部,連結部及び係止部が、全体としてU字状部を成すものとされていることにより、係止解除部に加える操作により係止解除部を比較的小規模に変位させることによって、連結部を介して係止部を比較的大規模に変位させることができることになり、係止解除部,連結部及び係止部の全体を小型化できるものとしたもとで、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する係止部による係止状態を確実に解除することができる。
【0031】
しかも、係止解除部が、導電性シェルにおけるハウジングの第2の相互対向側端部の一つを覆う部分から第1の相互対向側端部の一方側へと伸びるものとされているので、係止解除部に係止部による配線板状部材に対する係止状態を解除するための操作が加えられるとき、その操作は、例えば、ハウジングの第2の相互対向側端部の一つに押圧力を加えるが、ハウジングが配された配線基板には押圧力を加えないものとなり、その結果、配線板状部材を係止部による係止状態から解放された状態におくにあたり、配線板状部材が電気的に連結される配線基板に不所望な外力を作用させないことになる。
【0032】
それに加えて、本発明に係るコネクタ装置においては、配線板状部材がハウジングに差し込まれたもとで、導電性シェルに一体的に形成された係止部が配線板状部材に係合してその配線板状部材に対する係止状態をとるときと、係合部が配線板状部材に係合せず配線板状部材に対する係止状態をとらないときとで、係止部と共に導電性シェルに一体的に形成された係止解除部が、ハウジング外において異なった位置をとるものとされる。それにより、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が、ハウジング内における適正な位置に到達していて、係止部により係止されてハウジングからの不所望な抜脱が阻止されている状態に適正におかれていることについての、コネクタ装置の外部からの目視による迅速かつ正確な確認を、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す正面側から見た斜視図である。
【図2】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す背面側から見た斜視図である。
【図3】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す平面図である。
【図4】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す正面図である。
【図5】本発明に係るコネクタ装置の一例を示す底面図である。
【図6】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる導電性シェルを示す正面側から見た斜視図である。
【図7】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる導電性シェルを示す平面図である。
【図8】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる導電性シェルを示す正面図である。
【図9】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる導電性シェルを示す底面図である。
【図10】図3における X−X 線断面を示す断面図である。
【図11】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる係止部,連結部及び係止解除部の説明に供される一部破断部分斜視図である。
【図12】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられる係止部,連結部及び係止解除部の説明に供される一部破断部分斜視図である。
【図13】本発明に係るコネクタ装置の一例に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板を示す斜視図である。
【図14】本発明に係るコネクタ装置の一例にフレキシブル印刷配線基板が差し込まれた状態を示す斜視図である。
【図15】本発明に係るコネクタ装置の一例にフレキシブル印刷配線基板が差し込まれる直前の状態を示す部分断面図である。
【図16】本発明に係るコネクタ装置の一例に対してフレキシブル印刷配線基板が差し込み途中にある状態を示す部分断面図である。
【図17】本発明に係るコネクタ装置の一例に対するフレキシブル印刷配線基板の差込みが完了し、フレキシブル印刷配線基板が係止部により係止された状態を示す部分断面図である。
【図18】本発明に係るコネクタ装置の一例に備えられた係止解除部が係止部にフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除させた状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を実施するための形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
【実施例】
【0035】
図1(正面側から見た斜視図),図2(背面側から見た斜視図),図3(平面図),図4(正面図)及び図5(底面図)は、本発明に係るコネクタ装置の一例を示す。
【0036】
図1〜図5には、本発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10が示されており、図4は、コネクタ装置10の正面を示している。以下においては、図4に示されるコネクタ装置10の正面に向かって上側, 下側、左側及び右側を、夫々、上,下,左及び右、あるいは、上方、下方、左方、右方とする。
【0037】
図1〜図5に示されるコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング11を備えており、ハウジング11は、第1の相互対向側端部を成す正面側端部11a及び背面側端部11bと、第2の相互対向側端部を成す左側端部11c及び右側端部11dとを有している。そして、図1及び図4に示されるように、ハウジング11には、その正面側端部11aにおいて開口する板状部材差込み部12が、正面側端部11aからハウジング11の内部を背面側端部11bに向かって広がるものとされて設けられている。
【0038】
ハウジング11は、例えば、図示されていない配線基板に、下方部分となる底面部を対接させて配され、それにより、コネクタ装置10の全体が当該配線基板に取り付けられたものとされる。そして、板状部材差込み部12を通じて、例えば、後述されるフレキシブル印刷配線基板が、配線板状部材を成すものとして、ハウジング11に差し込まれる。
【0039】
ハウジング11には、各々が弾性導電材料で形成された複数のコンタクト13が、ハウジング11の長手方向(左右方向)に沿って配列配置されて設けられている。複数のコンタクト13の夫々は、図4及び図3における XーX 線断面を示す図10に示されるように、ハウジング11内に配される接触部13aと、図2及び図10に示されるように、ハウジング11の背面側端部11bからその外部に導出される接続部13bとを備えている。そして、接触部13aは、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板における接続端子部に、ハウジング11における底面部に対向する上方部分となる上面部側から当接して接触接続され、また、接続部13bは、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に、例えば、半田付けによって接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における複数の接続端子部が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
【0040】
また、コネクタ装置10は、ハウジング11の正面側端部11aにおける板状部材差込み部12が開口する部分及びその周囲部分,背面側端部11bの大部分及び底面部の一部分とを除いた残りの部分を覆う導電性シェル14を備えている。即ち、導電性シェル14は、ハウジング11を部分的に覆っているのであり、ハウジング11における左側端部11c及び右側端部11dの各々の大部分は、導電性シェル14によって覆われている。この導電性シェル14は、弾性を有した金属板が加工成形されて構成されており、複数のコンタクト13についての特性インピーダンス調整に貢献するため、さらには、コネクタ装置10についての外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、コネクタ装置10における外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得るためのものとして、備えられている。
【0041】
導電性シェル14は、図6(正面側から見た斜視図),図7(平面図),図8(正面図)及び図9(底面図)に示されるように、ハウジング11の上面部の大部分を覆う上方部分15,ハウジング11の底面部の一部分を覆う下方部分16,ハウジング11の左側端部11cの大部分を覆う左側面部分17、及び、ハウジング11の右側端部11dの大部分を覆う右側面部分18を有しており、コネクタ装置10の正面側に配されることになる正面部分19は開口部を形成している。下方部分16には、図10に示されるように、その背面側端縁部から導電性シェル14の内側に屈曲して正面部分19側へと伸びる接地用コンタクト20が、複数個設けられている。これら複数の接地用コンタクト20の夫々は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における接地接続部に、下方部分16側から当接して接触接続される。また、左側面部分17及び右側面部分18には、基板接続部21及び22が夫々設けられている。これらの基板接続部21及び22の夫々は、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子部に、例えば、半田付けされて接続される。
【0042】
上述のような複数の接地用コンタクト20及び基板接続部21及び22が設けられていることにより、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における接地接続部が、接地用コンタクト20及び基板接続部21及び22が形成された導電性シェル14を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子部に連結される。その際、基板接続部21及び22は、導電性シェル14に配線基板からの接地電位を与える役割を果たすとともに、コネクタ装置10の配線基板への取り付けに使用される。
【0043】
また、導電性シェル14には、図6に明瞭に示されるように、その左側面部分17から正面部分19の外方、即ち、ハウジング11の正面側端部11a側となる方向に伸びる係止解除部23,係止解除部23から右方に屈曲して伸びる連結部24、及び、連結部24から正面部分19側へと屈曲し、ハウジング11の背面側端部11bに向かうことになる方向に伸びる係止部25が、一体的に形成されており、さらに、その右側面部分18から正面部分19の外方、即ち、ハウジング11の正面側端部11a側となる方向に伸びる係止解除部26,係止解除部26から左方に屈曲して伸びる連結部27、及び、連結部27から正面部分19側へと屈曲し、ハウジング11の背面側端部11bに向かうことになる方向に伸びる係止部28が、一体的に形成されている。
【0044】
係止部25及び28の夫々は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板に係合して当該フレキシブル印刷配線基板に対する係合状態をとるものとして設けられており、係止解除部23及び26の夫々は、係止部25及び28の夫々のフレキシブル印刷配線基板に対する係合状態を解除すべく操作されるものとして設けられている。また、連結部24は、係止解除部23と係止部25とを連結するものとして設けられており、連結部27は、係止解除部26と係止部28とを連結するものとして設けられている。そして、係止解除部23,連結部24及び係止部25は、全体として、導電性シェル14に設けられたU字状部を成しており、また、係止解除部26,連結部27及び係止部28も、全体として、導電性シェル14に設けられたU字状部を成している。
【0045】
係止部25及び28の夫々は、導電性シェル14が弾性を有した金属板が加工成形されて構成されていることに基づき、弾性を有した可動部分を成している。そして、係止部25は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合する係合端部分25aを有し、連結部24との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされており、同様に、係止部28は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合する係合端部分28aを有し、連結部27との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされている。また、係止解除部23は、係止部25に向かう方向の押圧操作が加えられる状態におかれる操作部分23aを有し、導電性シェル14の左側面部分17との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされており、同様に、係止解除部26は、係止部28に向かう方向の押圧操作が加えられる状態におかれる操作部分26aを有し、導電性シェル14の右側面部分18との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされている。
【0046】
コネクタ装置10における左方端部を部分的に破断して示す図11に示されるように、係止部25は、係止解除部23の操作部分23aに押圧操作が加えられていないとき、ハウジング11に設けられた位置規制部30に接触して位置決めされ、係合端部分25aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させる。このようにして、係止部25がその係合端部分25aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させたもとで、フレキシブル印刷配線基板が板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれると、係止部25の係合端部分25aがその先端部分をフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合させ、それにより、係止部25がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとる。
【0047】
また、コネクタ装置10における左方端部を部分的に破断して示す図12に示されるように、係止解除部23の操作部分23aに、図12において矢印Fをもってあらわされる、係止部25に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、係止解除部23は、導電性シェル14における左側面部分17との相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部25が、ハウジング11に設けられた当接部31に当接したもとで、連結部24との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係合端部分25aを導電性シェル14における左側面部分17に近接する方向に移動させ、係合端部分25aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。このようにして、係止部25がその係合端部分25aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させるもとにあっては、係合端部分25aの先端部分とハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態はとられない。従って、係止部25がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとるもとで、係止解除部23の操作部分23aに係止部25に向かう方向の押圧操作が加えられるときには、係止部25のフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態が解除されることになる。
【0048】
また、係止部25と同様に、係止部28も、係止解除部26の操作部分26aに押圧操作が加えられていないとき、ハウジング11に設けられた、上述の位置規制部30に相当する位置規制部に接触して位置決めされ、係合端部分28aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させる。このようにして、係止部28がその係合端部分28aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置させたもとで、フレキシブル印刷配線基板が板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれると、係止部28の係合端部分28aがその先端部分をフレキシブル印刷配線基板における係合部に係合させ、それにより、係止部28がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとる。
【0049】
さらに、係止解除部26の操作部分26aに、係止部28に向かう方向の押圧操作が加えられるとき、係止解除部26は、導電性シェル14における右側面部分18との相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部28が、ハウジング11に設けられた、上述の当接部31に相当する当接部に当接したもとで、連結部27との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係合端部分28aを導電性シェル14における右側面部分18に近接する方向に移動させ、係合端部分28aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。このようにして、係止部28がその係合端部分28aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させるもとにあっては、係合端部分28aの先端部分とハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態はとられない。従って、係止部28がフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態をとるもとで、係止解除部26の操作部分26aに係止部28に向かう方向の押圧操作が加えられるときには、係止部28のフレキシブル印刷配線基板に対する係止状態が解除されることになる。
【0050】
図13は、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれる、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板の一例であるフレキシブル印刷配線基板40を示す。
【0051】
図13に示されるフレキシブル印刷配線基板40における一対の相互対向面の一方には、その一端部に各々が短冊状に形成された複数の接続端子部41が配列配置されて設けられており、また、図示が省略されているが、一対の相互対向面の他方には、平板状の接地接続部が設けられている。さらに、フレキシブル印刷配線基板40には、配列配置された複数の接続端子部41を挟んで相互対向する一対の側縁部に切欠き係合部43及び44が夫々形成されており、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43より先端側となる部分が端縁部46とされるとともに、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部44より先端側となる部分が端縁部47とされている。そして、フレキシブル印刷配線基板40においては、複数の接続端子部41及び接地接続部が設けられた部分と一対の切欠き係合部43及び44が形成された部分と端縁部46及び47とを残して、それら以外の部分がカバーフィルム45によって覆われている。
【0052】
図14は、図13に示されるフレキシブル印刷配線基板40が、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた状態を示す。ハウジング11に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板40は、配列配置された複数の接続端子部41が設けられた板面が、上方に向けられたもの、即ち、導電性シェル14の上方部分15側に向けられたものとされる。そして、コネクタ装置10における斯かるフレキシブル印刷配線基板40のハウジング11への差込みが適正に行われるときには、フレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が配列配置された部分の先端縁部が、ハウジング11の背面側端部11b と平行になるようにされる。
【0053】
図14に示されるようにフレキシブル印刷配線基板40がハウジング11に差し込まれた状態がとられるにあたっては、先ず、図15に示されるように、コネクタ装置10がそれにおける係止解除部23の操作部分23aに押圧操作が加えられていない状態に置かれたもとで、そのコネクタ装置10に対して、フレキシブル印刷配線基板40が、複数の接続端子部41が配列配置された部分の先端縁部を、コネクタ装置10におけるハウジング11の正面側端部11aに開口する板状部材差込み部12に対向させて配される。このとき、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部46及び切欠き係合部43がコネクタ装置10における係止部25に対応する位置をとるものとされ、また、図示が省略されているが、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部47及び切欠き係合部44がコネクタ装置10における係止部28に対応する位置をとるものとされる。
【0054】
次に、図16に示されるように、フレキシブル印刷配線基板40が、複数の接続端子部41が配列配置された部分の先端縁部を先頭にして、板状部材差込み部12を通じて、ハウジング11内へと差し込まれる。その際、フレキシブル印刷配線基板40における、その側端部に形成された切欠き係合部43より先端側となる端縁部46が、コネクタ装置10における係止部25の係合端部分25aに当接して、係止部25を連結部24との相互連結部分を揺動中心として揺動させ、係合端部分25aを導電性シェル14における左端面部分17に近接する方向へと移動させる。それにより、係合端部分25aは、その先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させて、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部46の側端面に当接させ、ハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板40の差込みを妨げない状態をとる。
【0055】
それとともに、図示は省略されているが、フレキシブル印刷配線基板40における、その側端部に形成された切欠き係合部44より先端側となる端縁部47も、コネクタ装置10における係止部28の係合端部分28aに当接して、係止部28を連結部27との相互連結部分を揺動中心として揺動させ、係合端部分28aを導電性シェル14における右端面部分18に近接する方向へと移動させる。それにより、係合端部分28aは、その先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させて、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部47の側端面に当接させ、ハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板40の差込みを妨げない状態をとる。
【0056】
このようにして、係止部25における係合端部分25aの先端部分がフレキシブル印刷配線基板40における端縁部46の側端面に当接するとともに、係止部28における係合端部分28aの先端部分がフレキシブル印刷配線基板40における端縁部47の側端面に当接するもとにあっては、係止解除部23が、その操作部分23aに係止部25に向かう方向の押圧操作が加えられたときと同様な位置に置かれ、また、係止解除部26が、その操作部分26aに係止部28に向かう方向の押圧操作が加えられたときと同様な位置に置かれる。
【0057】
続いて、フレキシブル印刷配線基板40が更にハウジング11内へと差し込まれ、ハウジング11内における予め設定された所定の位置に到達すると、フレキシブル印刷配線基板40のハウジング11に対する差込みが完了する。その際には、図17に示されるように、係止部25における係合端部分25aの先端部分が、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部46の側端面から外れて、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合し、また、図示は省略されているが、係止部28における係合端部分28aの先端部分が、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部47の側端面から外れて、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部44に係合する。
【0058】
このとき、係止部25は、自らが具える弾性によって、連結部24との相互連結部分を揺動中心とする復元揺動を行い、係合端部分25aの先端部分をフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合させる。同様に、係止部28も、自らが具える弾性によって、連結部27との相互連結部分を揺動中心とする復元揺動を行い、係合端部分28aの先端部分をフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部44に係合させる。それにより、係止解除部23が、その操作部分23aに押圧操作が加えられていないときの位置に戻り、また、係止解除部26が、その操作部分26aに押圧操作が加えられていないときの位置に戻る。
【0059】
その結果、係止部25及び28の夫々が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差込まれたフレキシブル印刷配線基板40に係合して、そのフレキシブル印刷配線基板40を係止し、それにより、フレキシブル印刷配線基板40のハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態が得られる。
【0060】
上述のように、フレキシブル印刷配線基板40がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差込まれたもとで、係止部25における係合端部分25aの先端部分が、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合していないときと、切欠き係合部43に係合したときとで、係止解除部23がとる位置が異なるとともに、係止部28における係合端部分28aの先端部分が、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部44に係合していないときと、切欠き係合部44に係合したときとで、係止解除部26がとる位置が異なるので、係止部25及び28の夫々が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差込まれたフレキシブル印刷配線基板40に係合して、そのフレキシブル印刷配線基板40を係止している状態を、コネクタ装置10の外部から係止解除部23及び26を目視することにより容易に確認できることになる。
【0061】
このようにして、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40が、係止部25及び係止部28による係止状態におかれたもとにあっては、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13の夫々における接触部13aが、ハウジング11内において、複数の接続端子部41が設けられた板面が上方に向けられてハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41のうちの対応するものに、導電性シェル14の上方部分15側から当接して接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
【0062】
また、このとき、導電性シェル14の下方部分16から伸びてハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に位置するものとされた複数の接地用コンタクト20が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における接地接続部に、下方部分16側から当接して接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における接地接続部が、複数の接地用コンタクト20を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子部に連結される。
【0063】
その後、図18に示されるように、係止解除部23における操作部分23aに、図18において矢印Fをもってあらわされる、係止部25に向かう方向の押圧操作が加えられると、係止解除部23は、導電性シェル14における左側面部分17との相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部25が、ハウジング11に設けられた当接部31に当接したもとで、連結部24との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係合端部分25aを導電性シェル14における左側面部分17に近接する方向に移動させ、係合端部分25aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。それにより、係止部25における係合端部分25aの先端部分が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合しなくなり、係止部25のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態が解除される。
【0064】
同様に、係止解除部26における操作部分26aに、係止部28に向かう方向の押圧操作が加えられると、係止解除部26は、導電性シェル14における右側面部分18との相互連結部分を揺動中心として揺動し、それに伴って、係止部28が、ハウジング11に設けられた、上述の当接部31に当接したもとで、連結部27との相互連結部分を揺動中心として揺動して、係合端部分28aを導電性シェル14における右側面部分18に近接する方向に移動させ、係合端部分28aの先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させる。それにより、係止部28における係合端部分28aの先端部分が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部44に係合しなくなり、係止部28のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態が解除される。
【0065】
このようにして、係止部25及び28の夫々のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態が解除されると、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40をハウジング11から意図的に抜脱させることができる状態が得られる。
【0066】
上述のような本発明に係るコネクタ装置の一例を成すコネクタ装置10によれば、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板40が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるとき、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13の各々が備える複数の接触部13aが、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41に夫々接触接続され、それとともに、導電性シェル14に一体的に形成された係止部25及び28が、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40に係合して、当該フレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態をとる。その結果、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40を、係止部25及び28により係止されてハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態におくことができ、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13が、ハウジングに差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41に夫々電気的に接続された状態を安定に維持することができる。
【0067】
また、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40が係止部25及び28による係止状態におかれたもとで、係止部25及び28と共に導電性シェル14に一体的に形成された係止解除部23及び26に、係止部25及び28による係止状態を解除するための操作が加えられると、それにより変位する係止解除部23及び26が、連結部24及び27を介して係止部25及び28を変位させ、係止部25及び28にハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40との係合を解除させる。その結果、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40を、係止部25及び28による係止状態から解放して、ハウジング11から意図的に抜脱することができる状態におくことができる。
【0068】
従って、コネクタ装置10によれば、係止部25及び係止解除部23とそれらを連結する連結部24との組、及び、係止部28及び係止解除部26とそれらを連結する連結部27との組が、導電性シェル14に一体的に形成されて成る、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40を、ハウジング11からの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジング11からの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができる。
【0069】
さらに、導電性シェル14に一体的に形成された係止解除部23,連結部24及び係止部25の組と係止解除部26,連結部27及び係止部28の組との夫々が、全体としてU字状部を成すものとされていることにより、係止解除部23及び26の夫々に加える操作により係止解除部23及び26の夫々を比較的小規模に変位させることによって、連結部24及び27の夫々を介して係止部25及び28の夫々を比較的大規模に変位させることができることになり、係止解除部23,連結部24及び係止部25の組の全体及び係止解除部26,連結部27及び係止部28の組の全体を小型化できるものとしたもとで、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40に対する係止部25及び28による係止状態を確実に解除することができる。
【0070】
しかも、係止解除部23が、導電性シェル14における左側面部分17から正面部分19の外方、即ち、ハウジング11の正面側端部11a側となる方向に伸びるものとされ、また、係止解除部26が、導電性シェル14における右側面部分18 から正面部分19の外方、即ち、ハウジング11の正面側端部11a側となる方向に伸びるものとされているので、係止解除部23及び26の夫々に係止部25及び28によるフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態を解除するための操作が加えられるとき、その操作は、ハウジング11の左側端部11c及び右側端部11dの夫々に押圧力を加えるが、ハウジング11が配された配線基板には押圧力を加えないものとなり、その結果、フレキシブル印刷配線基板40を係止部25及び28による係止状態から解放された状態におくにあたり、フレキシブル印刷配線基板40が電気的に連結される配線基板に不所望な外力を作用させないことになる。
【0071】
なお、上述した実施例では、コンタクト13におけるフレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41と接触する接触部13aが、導電性シェル14における上方部分15側からハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に突出するように配置されているため、フレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41を上方に向けて板状部材差込み部12へ挿入する構成としているが、コンタクト13におけるフレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41と接触する接触部13aを、導電性シェル14における下方部分16側からハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内に突出するように配置して、フレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41を下方に向けて板状部材差込み部12へ挿入する構成としてもよい。また、上述した実施例では、導電性シェル14に一体的に形成された係止解除部23,連結部24及び係止部25の組と係止解除部26,連結部27及び係止部28の組とをハウジング11の正面側端部11a側に配置し、係止部25及び28をハウジング11の正面側端部11a側からハウジング11内に延出するものとしているが、係止解除部23,連結部24及び係止部25の組と係止解除部26,連結部27及び係止部28の組とをハウジング11の背面側端部11b側に配置し、係止部25及び28をハウジング11の背面側端部11b側からハウジング11内に延出するものとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のような本発明に係るコネクタ装置は、例えば、フレキシブル印刷配線基板等とされる配線板状部材の他の配線基板との電気的連結に用いられる、板状部材差込み部が設けられたハウジングと、ハウジング内に配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、ハウジングを部分的に覆う導電性シェルとを備えたコネクタ装置であって、全体の小型化を図ることができるとともに構成部材数を低減することができる構造をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材を、ハウジングからの不所望な抜脱が確実に阻止される係止状態、及び、その係止状態から解放されてハウジングからの意図的な抜脱が可能とされる状態に選択的におくことができ、しかも、配線板状部材を係止状態から解放された状態におくにあたり、配線板状部材が電気的に連結される他の配線基板に不所望な外力を作用させないことになるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【符号の説明】
【0073】
10・・・コネクタ装置, 11・・・ハウジング, 11a・・・正面側端部, 11b・・・背面側端部, 11c・・・左側端部, 11d・・・右側端部, 12・・・板状部材差込み部, 13・・・コンタクト, 14・・・導電性シェル, 15・・・上方部分, 16・・・下方部分, 17・・・左側面部分, 18・・・右側面部分, 19・・・正面部分, 20・・・接地用コンタクト, 21,22・・・基板接続部, 23,26・・・係止解除部, 23a,26a・・・操作部分, 24,27・・・連結部, 25,28・・・係止部, 25a,28a・・・係合端部分, 30・・・位置規制部, 31・・・当接部, 40・・・フレキシブル印刷配線基板, 41・・・接続端子部, 43,44・・・切欠き係合部, 45・・・カバーフィルム, 46,47・・・端縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の相互対向側端部の一方側において開口する板状部材差込み部が設けられて配線基板に配されるハウジングと、
各々が上記ハウジング内に配される接触部と上記第1の相互対向側端部の他方側からハウジング外に導出される接続部とを備えて配列配置され、配線板状部材が上記板状部材差込み部を通じて上記ハウジングに差し込まれるとき、上記複数の接触部が上記ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接続端子部に夫々接触接続される複数のコンタクトと、
上記ハウジングを部分的に覆い、上記ハウジングに差し込まれた配線板状部材に係合して該配線板状部材に対する係止状態をとる係止部,該係止部の係止状態を解除すべく操作される係止解除部及び該係止解除部と上記係止部とを連結する連結部が一体的に形成された導電性シェルと、
を備えて成り、
上記係止解除部が、上記導電性シェルにおける上記ハウジングの第2の相互対向側端部の一つを覆う部分から上記第1の相互対向側端部の一方側へと伸び、上記連結部が上記係止解除部から屈曲して伸び、上記係止部が上記連結部から屈曲して上記第1の相互対向側端部の他方側に向かって伸びて、上記係止解除部,上記連結部及び上記係止部が、全体として上記導電性シェルに設けられたU字状部を成すことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
上記係止部及び上記係止解除部の夫々が弾性を有した可動部分を成すことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記係止部が、上記板状部材差込み部を通じて上記ハウジングに差し込まれる配線板状部材における係合部に係合する係合端部分を有し、上記連結部との相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされ、上記係止解除部が、上記係止部に向かう方向の押圧操作が加えられる状態におかれる操作部分を有し、上記導電性シェルとの相互連結部分を揺動中心として揺動し得るものとされることを特徴とする請求項2記載のコネクタ装置。
【請求項4】
上記係止部が、上記係止解除部の操作部分に押圧操作が加えられていないとき、上記ハウジングに設けられた位置規制部に接触して位置決めされ、上記係止解除部の操作部分に押圧操作が加えられるとき、上記ハウジングに設けられた当接部に当接したもとで上記係合端部分を上記導電性シェルにおける上記係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させることを特徴とする請求項3記載のコネクタ装置。
【請求項5】
上記係止部が、上記ハウジングに設けられた位置規制部に接触して位置決めされるとき、上記係合端部分の先端部分を上記ハウジングに設けられた板状部材差込み部内に位置させ、上記ハウジングに設けられた当接部に当接したもとで上記係合端部分を上記導電性シェルにおける上記係止解除部との連結部分に近接する方向に移動させるとき、上記係合端部分の先端部分を上記ハウジングに設けられた板状部材差込み部内から退去させることを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上記係止部,上記係止解除部及び上記連結部の組が、上記導電性シェルにおける上記ハウジングの第2の相互対向側端部の他の一つを覆う部分にも一体的に形成されたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−79624(P2012−79624A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225857(P2010−225857)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(394009278)株式会社アイペックス (148)
【Fターム(参考)】