説明

コネクタ

【課題】ケーブル70と接続されるコンタクト20を有し、該コンタクト20が絶縁性のボディ40に保持され、該ボディ40が金属板からなるシェル80でシールドされたプラグ本体10を備え、該プラグ本体10の一部がオーバーモールドされているプラグにおいて、オーバーモールド加工を行う際に溶融樹脂がシェル80の不可避の隙間88,89から内側に流れ込むのを防ぎ、種々の不具合が生じるのを防ぐ。
【解決手段】ボディ40は、シェル80の隣接する側壁82と83,84間に形成される隙間88,89に嵌り込んで該隙間88,89を塞ぐシール部41,42を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルと接続されるコンタクトを有し、該コンタクトが、プラグ(コネクタ)のレセプタクル(相手方コネクタ)への挿入方向後側に形成するプラグの把持部と、該把持部から前記挿入方向前側に突出形成されてレセプタクルに挿入する前記把持部より薄い嵌合部とを有する絶縁性のボディに保持され、該ボディの把持部及び嵌合部が、金属板からなるシェルでシールドされたプラグ本体を備え、前記ケーブルの端部から前記プラグ本体の前記ボディの把持部を経て嵌合部の根元部までがオーバーモールドされているUSBコネクタプラグが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2001−517360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のプラグのシェルは、金属板を打ち抜き加工した後、打ち抜いた金属板を折り曲げ加工することによって形成されるが、折り曲げ加工を行う際にエッジを付けることは高度な技術を要しコスト面で合わないばかりでなく、材料が例えばステンレスであったり、板厚が薄ことなどで行えず、どうしても丸み(アール)が付く。このため、シェルのベースの延長部を折り立ててなる側板のうち、隣接する側板間に隙間が形成され、オーバーモールド加工(インサート成形)を行う際に溶融樹脂がシェルの隙間から内側に流れ込み、例えばコンタクトの可動部が可動しなくなるなどの不具合が生じやすいという課題があった。
【0004】
なお、シェルの隣接する側板がそれぞれベースの延長部を曲げ角度90°で折り立てられたものである場合に、その隣接する側板間に形成される隙間は最小となるが、この最小の隙間であっても溶融樹脂の流れ込みに対しては十分となる。増してや隣接する側板の一方がベースの延長部を曲げ角度90°で折り立てられたもので、他方がベースの延長部を90°より小さい曲げ角度で折り立てられたものである場合は、その隣接する側板間に形成される隙間は曲げ角度の差に比例して大きくなる。
【0005】
本発明の目的は、オーバーモールド加工を行う際に溶融樹脂がシェルの隙間から内側に流れ込むのを防ぎ、種々の不具合を生じるのを防ぐことができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明のコネクタは、ケーブルと接続されるコンタクトを有し、該コンタクトが絶縁性のボディに保持され、該ボディが金属板からなるシェルでシールドされたプラグ本体を備え、該プラグ本体の一部がオーバーモールドされているコネクタであって、前記シェルは、矩形状のベースと、該ベースの延長部を折り立ててなる複数の側板とを有し、前記ボディは、前記シェルの隣接する前記側板間に形成される隙間に嵌り込んで該隙間を塞ぐシール部を有する構成としたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明のコネクタプラグは、請求項1又は請求項2に記載の発明のコネクタにおいて、前記ボディは、コネクタの相手方コネクタへの挿入方向後側に形成するコネクタの把持部と、該把持部から前記挿入方向前側に突出形成されて相手方コネクタに挿入する前記把持部より薄い嵌合部とを有し、前記シェルは、前記把持部の前記挿入方向前側の前端面を覆う前側板と、前記把持部の前端面に隣接する左右側面に沿う左右側板と、前記前側板の延長部を折り曲げてなり前記嵌合部を覆う筒状部とを有し、前記シール部は、前記前側板と左右側板間に形成される隙間に嵌り込んで該隙間を塞ぎ、前記プラグ本体の前記ボディの把持部から嵌合部の根元部までがオーバーモールドされている構成としたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明のコネクタは、請求項1又は請求項2に記載の発明のコネクタにおいて、前記ボディの嵌合部を相手方コネクタに挿入したときに該相手方コネクタに係合させるラッチを有する構成としたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明のコネクタプラグは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の発明のコネクタにおいて、前記シェルは、前記ベースの前記挿入方向後側に位置する延長部でなり前記コンタクトに接続された前記ケーブルと結合する固定部を有し、前記ケーブルの端部から前記プラグ本体の前記ボディの把持部を経て嵌合部の根元部までがオーバーモールドされている構成としたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明のコネクタプラグは、請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の発明のコネクタにおいて、前記ベースと相対する他のベースと、該他のベースの延長部を折り立ててなり前記左右側板と重ね合う他の左右側板とを有し、前記シェルとで前記ボディの把持部の全周囲を覆う金属板からなるシェルカバーを備える構成としたものである。
【0011】
請求項6に記載の発明のコネクタは、請求項5に記載の発明のコネクタプラグにおいて、前記シェルカバーは、前記他のベースの前記挿入方向後側に位置する延長部でなり前記コンタクトに接続された前記ケーブルと結合する他の固定部を有する構成としたものである。
【0012】
請求項7に記載の発明のコネクタは、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の発明のコネクタにおいて、マイクロUSBコネクタ規格準拠のマイクロUSBプラグからなるものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、シェルの不可避の隙間をボディのシール部で塞ぐので、オーバーモールド加工を行う際に溶融樹脂がシェルの隙間から内側に流れ込むのを防ぐことができ、例えばコンタクトの可動部が可動しなくなる、ラッチを有する場合はその可動部も可動しなくなる、などの不具合が生じるのを防止することができるコネクタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1(A)は本発明の一実施の形態に係るコネクタの正面図、図1(B)は同コネクタの右側面図、図1(C)は同コネクタの底面図、図2(A)は同コネクタのオーバーモールドのみ半断面した状態の平面図、図2(B)は同コネクタのオーバーモールドのみ全断面した状態の右側面図、図3は同コネクタのプラグ本体の正面、平面及び右側面を示す斜視図(ケーブルは不図示)、図4は図3のA部拡大右側面図、図5は同コネクタのボディの正面、平面及び右側面を示す斜視図、図6は同コネクタの背面、平面及び左側面を示す斜視図、図7は同コネクタのボディの背面図、図8は図7のA部拡大図、図9(A)は図7のB−B線断面図、図9(B)は図7のC−C線断面図、図10は図7のD−D線断面図、図11は同コネクタの第1コンタクトの背面、平面及び左側面を示す斜視図、図12(A)は同コネクタの第1コンタクトの右側面図及び背面図、図12(B)は同コネクタの他の第1コンタクトの右側面図及び背面図、図12(C)は同コネクタの第2コンタクトの右側面図及び背面図、図13は同コネクタのシェルの正面、平面及び右側面を示す斜視図、図14(A)は同コネクタのシェルの正面図、図14(B)は同コネクタのシェルの平面図、図14(C)は同コネクタのシェルの側面図、図14(D)は図14(B)のA−A線断面図、図15(A)は同コネクタのシェルカバーの正面図、図15(B)は同コネクタのシェルカバーの平面図、図15(C)は同コネクタのシェルカバーの右側面図、図15(D)は図15(B)のA−A線断面図である。
【0016】
なお、以下の説明では特に断りがない場合、図3における矢印a−b方向をコネクの相手方コネクタへの挿抜方向となる前後方向(コネクタの長さ方向)、矢印c−d方向を前記挿抜方向と直交する方向のピッチ方向となる左右方向(コネクタの幅方向)、矢印e−f方向を前記挿抜方向とピッチ方向とに直交する方向となる上下方向(コネクタの厚み方向)として説明する。
【0017】
図1(A),図1(B),図1(C),図2(A),図2(B)において、符号1はマイクロUSBコネクタ規格準拠のマイクロUSBコネクタを、例えば携帯電話,デジタルカメラ,PDA,携帯音楽プレーヤなどに設けられる不図示のABタイプのレセプタクル(相手方コネクタ)とで構成するAタイプのマイクロUSBプラグ(ケーブルハーネス用)であって、図5,図6,図7に示すように複数のコンタクト20と複数のラッチ(ロックバネ)30とを絶縁性のボディ40に装着し、次にケーブル70の端部から引き出された複数のリード線71,72,73,74の末端を所定のコンタクト20の後側に半田付けで接続し、次に図3に示すようにシェル80とシェルカバー90とでボディ40をシールドして、ケーブル70の端部にプラグ本体10を組み立て、最後に射出成形用金型キャビティ内にプラグ本体10とこのプラグ本体10の後側から引き出されているケーブル70のある長さ(インサート品)を装填し、絶縁性の樹脂を注入してケーブル70の端部からプラグ本体10の後側把持部を経てプラグ本体10の前側嵌合部の根元部までを溶融樹脂で包んで固化させ、一体化するオーバーモールド加工(インサート成形)を行い、製品として完成するものである。
【0018】
また、符号2はプラグ1のオーバーモールド樹脂(外皮)であり、符号3はプラグ1の後側把持部周囲にあるオーバーモールド樹脂2の左右側面に設けられた滑り止めである。なお、プラグ1の後側把持部周囲にあるオーバーモールド樹脂2の上下面には、プラグ1がその相手コネクタであるレセプタクルに正規挿入されるようにプラグ1の種類や挿入方向を表示するアイコンなどの不図示の彫刻が付けられる。
【0019】
従って、プラグ1は、ケーブル70が接続される複数のコンタクト20と、複数のラッチ30と、これらコンタクト20及びラッチ30を保持する絶縁性のボディ40と、このボディ40を覆うシールド用のシェル80(2ピース構造)と、これら複数のコンタクト20、複数のラッチ30、ボディ40、シェル80を備えて構成されるプラグ本体10とケーブル70とに一体化して、ケーブル70の端部からプラグ本体10の後側把持部を経てプラグ本体10の前側嵌合部の根元部までを連続的に覆うオーバーモールド樹脂2と、を備えて構成される。
【0020】
このようにオーバーモールドされたプラグ1は、ケーブル70の耐屈曲性及び引張強度、プラグ本体10の堅牢性が向上し、ケーブル70を引張っての抜去や斜めにこじりながらの抜去などの不適正な抜去に強く、また、斜めにこじりながらの挿入や無理な押し込み挿入、逆挿入などの不適正な挿入に強く、ラフな取り扱いに強い。
【0021】
次に、プラグ1の各部品構成について説明する。
【0022】
コンタクト20は1番〜n番(本実施の形態では1番〜5番)コンタクト20a,20b,20c,20d,20eから構成され、図5において、右端が1番コンタクト20a、右から2番目,3番目,4番目が2番コンタクト20b,3番コンタクト20c,4番コンタクト20d、左端が5番コンタクト20eである。また、コンタクト20は後側の結線部形状が異なる2種類のコンタクト、すなわち図11,図12(A)に示す第1コンタクト及びこの第1コンタクトと同種類の図12(B)に示す他の第1コンタクトと、図12(C)に示す第2コンタクトの2種類を含み、2番,5番コンタクト20b,20eに第1コンタクトを用い、4番コンタクト20dに他の第1コンタクトを、1番,3番コンタクト20a,20cに第2コンタクトを用いる。このようなコンタクト20は良導電性の薄い金属平板を打ち抜き加工した後、打ち抜いた金属平板を折り曲げ加工することによって形成され、板厚方向(打ち抜き方向)をプラグ1の左右方向に一致させて使用するもので、プラグ1の前後方向に沿った長さと、左右方向に沿った幅と、上下方向に沿った高さとを有する。
【0023】
図11,図12(A),図12(B),図12(C)に示すように、コンタクト20は後側にボディ40に保持される保持部21を有し、前側にバネ部22を有する。保持部21は上部に抜け止め用の係合爪23を設ける。バネ部22は保持部21から前側に向かって延設され、後部の根元部(保持部21の前部)を支点に前部が上下方向に弾性変位可能な片持ち梁構造を有する。
【0024】
また、コンタクト20は前側にレセプタクルが備える不図示のコンタクトと接触させる接触部24を有し、後側にケーブル70と接続する端子部25を有する。接触部24はバネ部22の前端部から上方へ向かって突出されて山状に形成される。端子部25は保持部21から後側に向かって延設される。
【0025】
さらに、コンタクト20は端子部25に上下方向に沿ってV字状に開拡してリード線71,72,73,74が半田付けされる結線部を有する。結線部は開拡方向が上向きの第1結線部26及び他の第1結線部27と、開拡方向が下向きの第2結線部28の2種類を含む。
【0026】
第1結線部26は第1コンタクトである2番,5番コンタクト20b,20eに設けられ、端子部25の上部を略55°の曲げ角度で背面視で左斜めに曲げて設けた傾斜部25aから後側に向かって面一に延設した一方の斜辺26aと、一方の斜辺26aの下部から曲げ角度略70°の屈曲部26bを介して背面視で右斜め上方へ向かって延設した他方の斜辺26cとを有し、2番,5番コンタクト20b,20eの垂直な中心線上に中心を有して、背面視で端子部25の直上で上向きに略110°で開拡するV字形状に形成される。
【0027】
他の第1結線部27は他の第1コンタクトである4番コンタクト20dに設けられ、一方の斜辺27aの下部から曲げ角度略35°の屈曲部27bを介して他方の斜辺27cが背面視で右側に向かって略水平に延設され、各斜辺27a,27c間の開拡角度がやや大きいこと、他方の斜辺27cの幅がやや短いこと以外は第1結線部26と同じ構造を有する。
【0028】
第2結線部28は第2コンタクトである1番,3番コンタクト20a,20cに設けられ、端子部25の下部を略55°の曲げ角度で背面視で右斜めに曲げて設けた傾斜部25bから後側に向かって面一に延設した一方の斜辺28aと、一方の斜辺28aの上部から曲げ角度略70°の屈曲部28bを介して背面視で左斜め下方へ向かって延設した他方の斜辺28cとを有し、1番,3番コンタクト20a,20cの垂直な中心線上に中心を有して、背面視で端子部25の直下で下向きに略110°で開拡する逆V字形状に形成される。
【0029】
従って、第1コンタクトである2番,5番コンタクト20b,20e及び他の第1コンタクトである4番コンタクト20dは後側端部の上部に上向きに開拡するV字形状の第1結線部26及び第2結線部27を有して背面視の形状がY字形になり、第2コンタクトである1番,3番コンタクト20a,20cは後側端部の下部に下向きに開拡する逆V字形状の第2結線部28を有して背面視の形状が、2番,5番及び4番コンタクト20b,20e及び20dの背面視の形状と点対称の逆Y字形になる。
【0030】
続いて、ラッチ30は対称構造の左右一対で構成される。ラッチ30はコンタクト20の略2〜3倍の板厚を有するバネ用ステンレスなどの金属平板を打ち抜き加工した後、打ち抜いた金属平板を折り曲げ加工することによって形成され、コンタクト20と同様に板厚方向(打ち抜き方向)をプラグ1の左右方向に一致させて使用するもので、プラグ1の前後方向に沿った長さと、左右方向に沿った幅と、上下方向に沿った高さとを有する。
【0031】
図5,図6,図7,図10に示すように、ラッチ30は後側にボディ40に保持される保持部31を有し、前側にバネ部32を有する。保持部3は側面視で前側に向かって開口された略U字形状に形成されて下部に抜け止め用の係合爪33を設ける。バネ部32は保持部31の上片部から前側に向かって延設され、保持部31の上側片部の後部の根元部を支点に前部が上下方向に弾性変位可能な片持ち梁構造を有する。
【0032】
また、ラッチ30は前側にレセプタクルが備える不図示の係合部と係合させる係合部34を有し、左右対称構造の一対の回転規制部35,36の一方を一方のラッチ30の後側に設け、他方を他方のラッチ30の後側に設ける。係合部34はバネ部32の前端部から上方へ向かって突出されて山状に形成される。一方の回転規制部35は図5において左側のラッチ30の保持部31から後側に向かって面一に延設される垂直片35aと、垂直片35aの下部から背面視で右側に向かって略水平に延設される係合片35bとを有し、L形に形成され、他方の回転規制部36は図5において右側のラッチ30の保持部31から後側に向かって面一に延設される垂直片36aと、垂直片36aの下部から背面視で左側に向かって略水平に延設される係合片36bとを有し、一方の回転規制部35と左右対称のL形に形成される。
【0033】
従って、一対のラッチ30は後側の回転規制部形状のみが異なり、左右対称構造を有する。
【0034】
続いて、ボディ40は絶縁性の樹脂からなる射出成形品であり、図5,図6,図7,図9(A),図9(B),図10に示すように、後側にプラグ1を挿抜するときに手で把持される直方体形状の把持部40aを有し、前側にレセプタクルに挿入する嵌合部40bを有する。嵌合部40bは把持部40aより薄い直方体形状で、把持部40aの上下中間位置から前側に向かって一体に延設される。把持部40aの上面と嵌合部40bの上面との段差面となる嵌合部40bより上側の把持部40aの前端面は斜め後方に略45°で傾斜する傾斜面40cに形成される。
【0035】
また、ボディ40は、把持部40aの後部上面に形成される切り欠きでなり、第1結線部26に半田付けされるリード線72,74の末端を収容する上方と後方に開放された第1半田付け空間40dと、把持部40aの後部下面に形成される切り欠きでなり、第2結線部28に半田付けされるリード線71,73の末端を収容する下方と後方に開放された第2半田付け空間40eと、各空間40d,40eの間に形成される隔壁40fと、嵌合部40bの前部上面に形成される切り欠きでなり、レセプタクルに備えるコンタクトが挿入される上方と前方に開放された凹部40gとを有する。嵌合部40bの正面形状は凹部40gにより凹形に形成される。
【0036】
また、ボディ40は傾斜面40cの左右両側部に、シェル80の後述する隙間に嵌り込んで該隙間を塞ぐための左右のシール部41,42を有する。なお、シール部41,42の詳細は後述する。
【0037】
さらに、ボディ40はコンタクト20を装着する複数のコンタクト装着溝43を有するとともに、ラッチ30を装着する左右対称構造の一対のラッチ装着溝44a,44bを有する。コンタクト装着溝43はコンタクト20に対応して1番〜5番コンタクト装着溝43a,43b,43c,43d,43eから構成され、図5において、右端が1番コンタクト装着溝43a、右から2番目,3番目,4番目が2番コンタクト装着溝43b,3番コンタクト装着溝43c,4番コンタクト装着溝43d、左端が5番コンタクト装着溝43eである。また、コンタクト装着溝43はコンタクト20に対応して後側のコンタクト挿入口形状が異なる2種類のコンタクト装着溝、すなわち図6,図7に示すように背面視の形状が、第1コンタクト及び他の第1コンタクトに対応したY字形の第1コンタクト装着溝及び他の第1コンタクト装着溝と、第2コンタクトに対応した逆Y字形の第2コンタクト装着溝の2種類を含み、2番,5番コンタクト装着溝43b,43eに第1コンタクト装着溝を用い、4番コンタクト装着溝43dに他の第1コンタクト装着溝を、1番,3番コンタクト装着溝43a,43cに第2コンタクト装着溝を用いる。
【0038】
このようなコンタクト装着溝43はコンタクト20の板厚より僅かに大きい溝幅を有し、ボディ40の隔壁40fの幅内、かつ凹部40gの幅内で、左右方向に一定のピッチ間隔で並設され、隔壁40fの後端面から嵌合部40gの前端面にわたって前後方向に平行に延設されてボディ40の全長に形成され、ボディ40の後側から対応するコンタクト20の全長が挿入されて装着される。
【0039】
コンタクト装着溝43は後側にコンタクト20の保持部21を固定保持する保持部装着部44を有し、前側にコンタクト20のバネ部22を収容するバネ部装着部45を有する。保持部装着部44は周囲が把持部40aの樹脂で閉じられた孔構造を有する。バネ部装着部45は保持部装着部44から前側に向かって延設されて嵌合部40bに設けられ、前端部が嵌合部40bの前端面に開放され、上部が凹部40g内に開放される。
【0040】
また、コンタクト装着溝43は後側にコンタクト20の端子部25及び結線部を保持するコンタクト挿入口を有する。コンタクト挿入口は第1コンタクトである2番,5番コンタクト20b,20eを挿入する第1コンタクト挿入口46及び他の第1コンタクトである4番コンタクト20dを挿入する他の第1コンタクト挿入口47と、第2コンタクトである1番,3番コンタクト20a,20cを挿入する第2コンタクト挿入口48の2種類を含む。
【0041】
第1コンタクト挿入口46は2番,5番コンタクト20b,20eの背面視の形状に対応したY字形に形成され、第1コンタクト装着溝である2番,5番コンタクト装着溝43b,43eに設けられる。第1コンタクト挿入口46は2番,5番コンタクト装着溝43b,43eの保持部装着部44から後側に向かって延設されて隔壁40fに形成され、後端部が隔壁40fの後端面に開放され、上部が第1半田付け空間40dに開放されて隔壁40fの上面(第1半田付け空間40dの底面)に2番,5番コンタクト20b,20eの端子部25の上部の傾斜部25a及び第1結線部26を裏側(下側)から支持するV字形の第1溝49を形成する。
【0042】
他の第1コンタクト挿入口47は4番コンタクト20dの背面視の形状に対応したY字形に形成され、他の第1コンタクト装着溝である4番コンタクト装着溝43dに設けられる。他の第1コンタクト挿入口47は4番コンタクト装着溝43dの保持部装着部44から後側に向かって延設されて隔壁40fに形成され、後端部が隔壁40fの後端面に開放され、上部が第1半田付け空間40dに開放されて隔壁40fの上面に4番コンタクト20dの端子部25の上部の傾斜部25a及び他の第1結線部27を裏側から支持するV字形の他の第1溝50を形成する。
【0043】
第2コンタクト挿入口48は1番,3番コンタクト20a,20cの背面視の形状に対応した逆V字形に形成され、第2コンタクト装着溝である1番,3番コンタクト装着溝143a,43cに設けられる。第2コンタクト挿入口48は1番,3番コンタクト装着溝43a,43cの保持部装着部44から後側に向かって延設されて隔壁40fに形成され、後端部が隔壁40fの後端面に開放され、下部が第2半田付け空間40eに開放されて隔壁40fの下面(第2半田付け空間40eの天面)に1番,3番コンタクト20a,20cの端子部25の下部の傾斜部25b及び第2結線部28を裏側(上側)から支持する逆V字形の第2溝51を形成する。
【0044】
ここで、第1コンタクト装着溝である5番コンタクト装着溝43eは、第1コンタクト挿入口46の下部I字部(第1コンタクトである2番,5番コンタクト20b,20eの保持部21,バネ部22、接触部24,端子部25が挿入される部分)に、第2コンタクト挿入口48の上部I字部(第2コンタクトである1番,3番コンタクト20a,20cの保持部41,バネ部42、接触部43,端子部44が挿入される部分)を重ね合わせて、第2コンタクト挿入口48を有している。すなわちは5番コンタクト装着溝43eは第1コンタクト挿入口46と第2コンタクト挿入口48を兼ねた第1・第2コンタクト共通挿入口52を有するとともに、第1・第2コンタクト共通挿入口52の上部が第1半田付け空間40dに開放されて隔壁40fの上面に第1溝50を形成し、かつ第1・第2コンタクト共通挿入口52の下部が第2半田付け空間40eに開放されて隔壁40fの下面に第2溝51を形成する、第1コンタクト装着溝と第2コンタクト装着溝を兼ねる第1・第2コンタクト共通装着溝とし、第1コンタクトと第2コンタクトの全長が択一的に挿入可能である。
【0045】
ラッチ装着溝44a,44bはラッチ30の板厚より僅かに大きい溝幅を有し、ボディ40のコンタクト装着溝43を挟む左右両側部に設けられ、コンタクト装着溝43と平行に前後方向に延設され、ボディ40の後側から対応するラッチ30の全長が挿入されて装着される。
【0046】
ラッチ装着溝44a,44bはラッチ30の保持部31を固定保持する保持部装着部53を有し、前側にラッチ30のバネ部32を収容するバネ部装着部54を有する。保持部装着部53は周囲が把持部40aの樹脂で閉じられた孔構造を有する。バネ部装着部54は保持部装着部53から前側に向かって延設されて嵌合部40bの凹部40gより左右外側部に設けられ、上下部が嵌合部40bの上下面に開放され、前端部は嵌合部40bの前端面に達しておらず、少し後側に位置する。
【0047】
また、ラッチ装着溝44a,44bはラッチ30の回転規制部35,36を収容する左右対称構造の一対のラッチ挿入口55,56の一方を一方のラッチ装着溝44aの後側に設け、他方を他方のラッチ装着溝44bの後側に設ける。一方のラッチ挿入口55は図5において左側のラッチ30の回転規制部35の形状に対応したL形に形成され、図5において左側のラッチ装着溝44aの保持部装着部53から後側に向かって延設されて隔壁40fより左側に形成され、後端部がボディ40の後端面に開放され、下部がボディ40の下面に開放されてボディ40の後側下面に一方の回転規制部35の係合片35bを下側から当接させる係合面57を形成する。他方のラッチ挿入口44bは図5において右側のラッチ30の回転規制部36の形状に対応したL形に形成され、図5において右側のラッチ装着溝44bの保持部装着部53から後側に向かって延設されて隔壁40fより右側に形成され、後端部がボディ40の後端面に開放され、下部がボディ40の下面に開放されてボディ40の後側下面に他方の回転規制部36の係合片36bを下側から当接させる係合面58を形成する。
【0048】
そして、1番〜5番コンタクト20a,20b,20c,20d,20eの全長をボディ40の後側から第1,他の第1,第2コンタクト挿入口46,47,48を通して1番〜5番コンタクト装着溝43a,43b,43c,43d,43eに挿入し、ボディ40に複数のコンタクト20を左右方向に一定のピッチ間隔で並列に装着するとともに、左右一対のラッチ30の全長をボディ40の後側からラッチ挿入口55,56を通して左右一対のラッチ装着溝44a,44bに挿入し、ボディ40に一対のラッチ30を複数のコンタクト20を挟んで並列に装着する。
【0049】
装着状態ではコンタクト20は、保持部21が保持部装着部44に圧入されて係合爪23の把持部40aの樹脂への食い込みにより抜け止めされた状態でボディ40に固定保持され、バネ部22がバネ部装着部45に上下方向に弾性変位可能に収容され、接触部24が嵌合部40bの凹部40g内に左右方向に一定のピッチ間隔で並列に突出配置される。
【0050】
また、2番,5番コンタクト20b,20eの端子部25及び第1結線部26は端子部25の傾斜部25aの前端面が第1半田付け空間40dの前側の周壁面に当接した状態で2番,5番コンタクト装着溝43b,43eの第1コンタクト挿入口46に挿入配置され、端子部25の傾斜部25a及び第1結線部26の裏面が第1溝49によって裏側から支持され、表面が第1半田付け空間40dの下部に露出される。4番コンタクト20dの端子部25及び他の第1結線部27は端子部25の傾斜部25aの前端面が第1半田付け空間40dの前側の周壁面に当接した状態で4番コンタクト装着溝43dの他の第1コンタクト挿入口47に挿入配置され、端子部25の傾斜部25a及び他の第1結線部27の裏面が他の第1溝50によって裏側から支持され、表面が第1半田付け空間40dの下部に露出される。1番,3番コンタクト20a,20cの端子部25及び第2結線部28は端子部25の傾斜部25bの前端面が第2半田付け空間40eの前側の周壁面に当接した状態で1番,3番コンタクト装着溝43a,43cの第2コンタクト挿入口48に挿入配置され、端子部25の傾斜部25b及び第2結線部28の裏面が第2溝51によって裏側から支持され、表面が第2半田付け空間40eの上部に露出される。これにより、ピッチ方向に並設された複数のコンタクト20の後側にそれぞれの結線部26,27,28が上下2段で千鳥状に配置されるとともに、ピッチ方向一側の最外側の端コンタクトとしての5番コンタクト20eには、その1つ内側の4番コンタクト20dと同種類の第1コンタクトが配置される。5番コンタクト20eの第1結線部26は4番コンタクト20d側の一方の斜辺26aが4番コンタクト20dの他の第1結線部27の5番コンタクト20e側の他方の斜辺27cの上側に斜めに張り出される。
【0051】
このようにボディ40に装着されたコンタクト20へのリード線71,72,73,74の結線作業は、第1結線部26及び他の第1結線部27が上向きに開拡する状態(図7の状態)にボディ40を保持し、第1半田付け空間40d内で第1結線部26の上に対応するリード線72,74の末端(皮むき処理により絶縁性の外皮72b,74bが取り除かれた心線72a,74a)を載置して半田を付けることにより、2番,5番コンタクト20b,20eに対応するリード線72,74を接続するとともに、このときに他の第1結線部27にも半田を付けて4番,5番コンタクト20d,20eの第1結線部27,26同士を短絡する工程と、第2結線部28が上向きに開拡する状態(図7の状態からボディ40を裏返しにした状態)にボディ40を保持し、第2半田付け空間40e内で第2結線部28の上に対応するリード線71,73の末端(皮むき処理により絶縁性の外皮71b,73bが取り除かれた心線71a,73a)を載置して半田を付けることにより、1番,3番コンタクト20a,20cに対応するリード線71,73を接続する工程とによって行われる。
【0052】
ここで、図5,図6、図7,図8に示すように、ボディ40には、2番コンタクト装着溝43bの第1コンタクト挿入口46によって形成された第1溝49と4番コンタクト装着溝43dの他の第1コンタクト挿入口47によって形成された他の第1溝50の間に、これら第1溝49と他の第1溝50に支持される2番コンタクト20bの端子部25の上部の傾斜部25a及び第1結線部26と4番コンタクト20dの端子部25の上部の傾斜部25a及び他の第1結線部27の間から、これら傾斜部25a及び第1,他の第1結線部26,27よりも上側に突出する第1堤防59を有するとともに、1番,3番,5番コンタクト装着溝43a,43c,43eの第2コンタクト挿入口48によって形成された3本の第2溝51のそれぞれの間に、これら第2溝51に支持される1番,3番コンタクトの端子部25の下部の傾斜部25b及び第2結線部28の間と、3番コンタクトの端子部25の下部の傾斜部25b及び第2結線部28の5番コンタクト20e側から、これら傾斜部25b及び第2結線部28よりも下側に突出する第2堤防60を有する。第1堤防59は2番コンタクト20bの第1結線部26にリード線72の末端を半田付けするときに、この第1結線部26とこれに隣接する他の第1結線部27の相互間に半田ブリッジが生じるのを防止する。隣接する第2結線部28の相互間から突出された第2堤防60は1番コンタクト20aの第2結線部45及び3番コンタクト20cの第2結線部28にリード線71,73の末端を半田付けするときに、この隣接する第2結線部28の相互間に半田ブリッジが生じるのを防止する。また3番コンタクトの端子部25の下部の傾斜部25b及び第2結線部28の5番コンタクト20e側にある第2堤防60は3番コンタクト20cの第2結線部28にリード線73の末端を半田付けするときに、一部の半田が空の第2溝51から5番コンタクト装着溝43eの第1・第2コンタクト共通挿入口52に流れ込むのを防止する。
【0053】
また、第1堤防59の両側面は、この第1堤防59を挟んで隣接する一方の第1結線部26の他方の斜辺26c表面と他方の他の第1結線部27の一方の斜辺27a表面からこれら各斜辺26c,27aよりも急な傾斜角を持って立ち上がる斜面59a,59bに形成され、隣接する第2結線部28の相互間から突出された第2堤防60の両側面は、この第2堤防60を挟んで隣接する一方の第2結線部28の一方の斜辺28a表面と他方の第2結線部28の他方の斜辺28c表面からこれら各斜辺28a,28cよりも急な傾斜角を持って立ち上がる斜面60a,60bに形成され、これと同じ斜面60a,60bが3番コンタクトの端子部25の下部の傾斜部25b及び第2結線部28の5番コンタクト20e側にある第2堤防60の両側面にも形成される。
【0054】
さらに、ボディ40には、4番コンタクト装着溝43dの他の第1コンタクト挿入口47によって形成された他の第1溝50と5番コンタクト装着溝43eの第1コンタクト挿入口46によって形成された第1溝49の間には第1堤防59は有していない。これにより、5番コンタクト20eの第1結線部26にリード線74の末端を半田付けするときに、一部の半田を4番コンタクト20dの他の第1結線部27に流し込み、この一部の半田によって4番,5番コンタクト20d,20eの第1結線部27,26同士を短絡することができる。
【0055】
以上の構成においてプラグ1は、ピッチ方向に並設された複数のコンタクト20と、前記コンタクト20を保持する絶縁性のボディ40とを備え、前記コンタクト20は、レセプタクルが備えるコンタクトと接触させる接触部24と、前記ボディ40に保持される保持部21と、ケーブル70から引き出されたリード線71,72,73,74と接続する端子部25とを有し、前記端子部25は、プラグ1のレセプタクルへの挿抜方向と前記挿抜方向に直交する前記ピッチ方向とに直交するプラグ1の厚み方向に沿って開拡して前記リード線71,72,73,74が半田付けされる結線部26,27,28を有する。このように、結線部26,27,28がプラグ1の厚み方向に沿って開拡するので、溶融した半田が結線部から滴り落ちて隣接するコンタクト間に半田ブリッジを生じるのを防止しながら、リード線71,72,73,74の半田付け作業性を向上するとともに、半田付け強度を高めることができる。また、コンタクト20のピッチ間隔を拡げたり、結線部26,27,28の位置をプラグ1の厚み方向に離すことなく、従来と同等のプラグの大きさで結線部26,27,28をプラグ1の厚み方向に沿って開拡することができる。
【0056】
また、前記結線部26,27,28はV字状に形成されてプラグ1の厚み方向に沿って開拡している。結線部形状のV字化によって、溶融した半田が結線部26,27,28から滴り落ちて隣接するコンタクト間に半田ブリッジを生じるのを防止しながら、リード線71,72,73,74の半田付け作業性を向上するとともに、半田付け強度を高めることができる。また、コンタクト20のピッチ間隔を拡げたり、結線部26,27,28の位置をプラグ1の厚み方向に離すことなく、従来と同等のプラグの大きさで結線部形状をV字化することができる。
【0057】
また、前記コンタクト20は、プラグ1のレセプタクルへの挿入方向後側の上部に第1結線部26,27を有して前記挿入方向後側から見た形状がY字形の第1コンタクト20b,20d,20eと、前記挿入方向後側の下部に第2結線部28を有して前記挿入方向後側から見た形状が逆Y字形の第2コンタクト20a,20cの2種類を含み、前記第1コンタクト20b,20d,20eと第2コンタクト20a,20cが前記ピッチ方向に交互に配置されているので、コンタクト20にリード線71,72,73,74を千鳥状に接続することができ、コンタクト20の狭ピッチ化を図りながら、リード線71,72,73,74の線径を大径化することができ、小型・薄型で電気特性に優れた狭ピッチのプラグ1とすることができる。
【0058】
また、前記第1結線部26,27は、前記第1コンタクト20b,20d,20eの端子部25の上部を斜めに曲げた傾斜部25aから前記挿入方向後側へ延設された一方の斜辺26a,27aと、前記一方の斜辺26a,27aの下部から屈曲部26b,27bを介して斜め上方に延設された他方の斜辺26c,27cとを有し、前記第2結線部28は、前記第2コンタクト20a,20cの端子部25の下部を斜めに曲げた傾斜部25bから前記挿入方向後側へ延設された一方の斜辺28aと、前記一方の斜辺28aの上部から屈曲部28bを介して斜め下方に延設された他方の斜辺28cとを有するので、結線部形状をV字化したコンタクト20を従来と同じ製造方法で簡単、かつ安価に得ることができる。
【0059】
また、前記ピッチ方向一側の最外側の端コンタクト20eは、その1つ内側のコンタクト20dと同種類とし、前記端コンタクト20eとその1つ内側のコンタクト20dの結線部26,27同士が短絡されているので、部品数を増加させることなく、端コンタクト20eとその1つ内側のコンタクト20dの結線部26,27を半田付けで短絡させることができる。
【0060】
また、前記コンタクト20は、リード線71,72,73,74の本数より1本多い数を有し、短絡される前記結線部26,27のうち前記端コンタクト20eの結線部26にのみリード線74が半田付けされているので、リード線71,72,73,74に接続されない余りのコンタクトを生じることがない。
【0061】
前記ボディ40は、前記挿入方向後側の上部及び下部に形成されて前記リード線71,72,73,74の末端を収容する第1半田付け空間40d及び第2半田付け空間40eと、前記第1半田付け空間40d及び第2半田付け空間40eの間に形成される隔壁40fと、前記隔壁40fの端面から前記挿入方向に延設してコンタクト20の全長を挿入可能な複数のコンタクト装着溝43とを有し、前記コンタクト装着溝43は、Y字形の第1コンタクト挿入口46,47を有して前記第1コンタクト20b,20d,20eの全長が挿入される第1コンタクト装着溝43b,43d,43eと、逆Y字形の第2コンタクト挿入口48を有して前記第2コンタクト20a,20cの全長が挿入される第2コンタクト装着溝43a,43cの2種類を含み、前記第1コンタクト装着溝43b,43d,43eと第2コンタクト装着溝43a,43cが前記ピッチ方向に交互に配置されているとともに、前記第1コンタクト装着溝43b,43d,43eは、前記第1コンタクト挿入口46,47上部が前記第1半田付け空間40dに開放されて前記隔壁40fの上面に前記第1結線部26,27を裏側から支持するV字形の第1溝49,50を形成し、前記第2コンタクト装着溝43a,43cは、前記第2コンタクト挿入口48下部が前記第2半田付け空間40eに開放されて前記隔壁40fの下面に前記第2結線部28を裏側から支持する逆V字形の第2溝51を形成しているので、結線部形状をV字化したコンタクト20の保持部21だけでなく端子部25及び結線部26,27,28を含めてボディ40に保持させることができ、結線部形状をV字化したコンタクト20の保持力を高めることができる。また、リード線71,72,73,74の半田付け空間40d,40eを結線部形状のV字化によって侵すことなく必要十分に確保しながら、結線部26,27,28を位置固定した状態でリード線71,72,73,74の半田付け空間40d,40eに位置精度良く露出することができ、リード線71,72,73,74の半田付け作業性をより向上するとともに、半田付け精度を高めることができる。
【0062】
前記端コンタクト20eのコンタクト装着溝43eは、前記第1コンタクト挿入口46と前記第2コンタクト挿入口48を兼ねる第1・第2コンタクト共通挿入口52を有するとともに、前記第1・第2コンタクト共通挿入口52上部が前記第1半田付け空間40dに開放されて前記隔壁40fの上面に前記第1溝49を形成し、かつ前記第1・第2コンタクト共通挿入口52下部が前記第2半田付け空間40eに開放されて前記隔壁40fの下面に前記第2溝51を形成する、前記第1コンタクト装着溝と第2コンタクト装着溝を兼ねる第1・第2コンタクト共通装着溝43eとし、前記第1・第2コンタクト共通装着溝43eに前記端コンタクト20eの全長が挿入されているので、端コンタクト20eが第1コンタクト、第2コンタクトの何れの種類でも対応することができ、設計の自由度を増やすことができる。
【0063】
また、前記ボディ40は、隣接する前記第1結線部26,27の間から第1結線部26,27より上側に突出させる第1堤防59と、隣接する前記第2結線部28の間から第2結線部28より下側に突出させる第2堤防60とを有するので、隣接する第1結線部26,27の間及び隣接する第2結線部28の間に半田ブリッジを生じるのを防止することができるので、隣接する第1結線部26,27の間隔及び隣接する第2結線部28の間隔は最小限で済む。これにより、結線部26,27,28を大きさを小さくすることなくコンタクト20のピッチ間隔を狭くすることができるので、プラグ1をより小型にすることができる。又は、コンタクト20のピッチ間隔を拡げることなく結線部26,27,28を大きさを大きくすることができ、リード線71,72,73,74の半付け作業性をより向上するとともに、半田付け強度をより高めることができる。
【0064】
また、前記第1堤防59の両側面は、隣接する一方の前記第1結線部27の一方の斜辺27a表面と他方の前記第1結線部26の他方の斜辺26c表面からこれら各斜辺27a,26cよりも急な傾斜角を持って立ち上がる斜面59a,59bに形成され、前記第2堤防60の両側面は、隣接する一方の前記第2結線部28の一方の斜辺28a表面と他方の前記第2結線部28の他方の斜辺28c表面からこれら各斜辺28a,28cよりも急な傾斜角を持って立ち上がる斜面60a,60bに形成されているので、第1堤防59及び第2堤防60を溶融した半田がより乗り越えにくくなり、高い半田ブリッジ防止効果を得ることができる。また、リード線71,72,73,74の末端を第1結線部26,27及び第2結線部28に載置する際に第1堤防59及び第2堤防60か障害とならないばかりか、第1堤防59の斜面59a,59b及び第2堤防60の斜面60a,60bがリード線71,72,73,74の末端の第1結線部26,27及び第2結線部28への導入ガイドとなり、リード線71,72,73,74の半付け作業性をより向上することができる。
【0065】
また、プラグ1はUSBコネクタの中で現時点で最も小型・薄形のマイクロUSBコネクタ規格準拠のマイクロUSBプラグであるが、その大きさを損なうことなく、コンタクト20の結線部形状のV字化によって、溶融した半田が結線部26,27,28から滴り落ちて隣接するコンタクト間に半田ブリッジを生じるのを防止しながら、リード線71,72,73,74の半田付け作業性を向上するとともに、半田付け強度を高めることができる。
【0066】
従ってプラグ1は、従来と同等の小型・薄形化を図りながら、溶融した半田が結線部26,27,28から滴り落ちて隣接するコンタクト間に半田ブリッジを生じるのを防止するとともに、リード線71,72,73,74を結線部26,27,28に作業性良く、かつ高い強度で半田付けすることができるコネクタを提供することができる。
【0067】
ところで、装着状態ではラッチ30は、保持部31が保持部装着部53に圧入されて係合爪33の把持部40aの樹脂への食い込みにより抜け止めされた状態で固定保持され、バネ部32がバネ部装着部54に上下方向に弾性変位可能に収容され、係合部34が嵌合部40bの凹部40gより左右外側部の左右両側上面に突出配置される。
【0068】
また、左側のラッチ30の回転規制部35は左側のラッチ装着溝44aのラッチ挿入口55に挿入配置され、係合片35bがボディ40の係合面57に下側から当接係合する。右側のラッチ30の回転規制部36は右側のラッチ装着溝44aのラッチ挿入口56に挿入配置され、係合片36bがボディ40の係合面58に下側から当接係合する。これにより、プラグ1のレセプタクルへの挿抜時にラッチ30が係合部34の押し下げに伴って図10の反時計方向に回転するのを規制し、保持部装着部53の周囲にある樹脂が削られてボディ40のラッチ保持力が低下することによるプラグ1のロック機能の低下を防止することができる。
【0069】
続いて、図3,図13,図14(A),図14(B),図14(C),図14(D)に示すように、シェル80はコンタクト20よりやや厚い板厚を有するバネ用ステンレスなどの金属平板を打ち抜き加工した後、打ち抜いた金属平板を折り曲げ加工することによって形成され、ボディ40の把持部40aの上面を覆う矩形のベース81と、このベース81の延長部を折り立ててなる複数の側板とを有する。側板は、ベース81の前側縁から延長された延長部が、ボディ40の把持部40aの上面と嵌合部40bの上面との段差面となる嵌合部40bより上側の把持部40aの前端面が斜め後方に略45°で傾斜した傾斜面40cに沿うように、略45°の曲げ角度で曲げて折り立てられた前側板82と、ベース81の左右側縁から延長された延長部が、ボディ40の把持部40aの左右側面に沿うように略90°の曲げ角度で折り立てられた左右側板83,84とを含む。
【0070】
また、シェル80は、前側板82の前側縁からさらに延長されたベース81及び前側板82より幅広の延長部が、ボディ40の嵌合部40bの周側面に沿うように、四角筒形に折り曲げられた筒状部85と、ベース81の後側縁中央部から後側に連設片86を介して突出形成されたケーブル押さえ板87とを有する。
【0071】
さらに、シェル80は、左右側板83,84の前後2箇所から外側に切り起こし形成されたバネ片でなる係合爪83a,83b,84a,84bと、筒状部85の周壁上部の左右側部に開口形成されたラッチ窓85a,85bと、筒状部85の周壁下部の左右2箇所から下側に切り起こし形成された細長いバネ片でなるグランド用の接片85c,85dとを有する。
【0072】
ここで、打ち抜いた金属平板を折り曲げ加工してシェル80を形成する際、各折り曲げ部に丸み(アール)が付くため、ベース81の延長部を折り立ててなる側板のうち、前側板82の左右側縁とこの前側板82に隣接する左右側板83,84の前側縁との間に隙間88,89が形成され、しかも前側板82がベース81の延長部を曲げ角度45°で折り立てられ、左右側板83,84がベース81の延長部を曲げ角度90°で折り立てられたものであるため、隙間88,89はスリット状の細い隙間ではなく三角形状に大きく開く。
【0073】
ボディ40の前側とシェル80の後側を相対させた状態で、ボディ40をシェル80の内側に押し込みながら、ボディ40の嵌合部40aをシェル80の筒状部85に圧入することにより、ボディ40の外側にシェル80が装着される。
【0074】
装着状態ではシェル80は、ボディ40の嵌合部40aの周囲を筒状部85により覆い、嵌合部40aの凹部40gを覆うとともに、ボディ40の把持部40aの上面及び左右側面をベース81及び左右側板83,84で覆う。また、ボディ40の把持部40aの上面と嵌合部40bの上面との段差面となる嵌合部40bより上側の把持部40aの前端面が斜め後方に略45°で傾斜した傾斜面40cが前側板82によって覆われる。また、シェル80の連設片86及びケーブル押さえ板87はボディ40の後側上部からケーブル70の端部上表面に延出される。これにより、ボディ40の嵌合部40bは前側のみが開放され、この嵌合部40b内にコンタクト20の接触部24が左右方向には一定のピッチ間隔一定のピッチ間隔で並列に突出配置されるとともに、嵌合部40bの上部金属表面の左右側部に筒状部85の左右のラッチ窓85a,85bを通して左右のラッチ30の係合部34が突出配置される。
【0075】
そして、図3,図4,図5に示すように、前出のボディ40の左右のシール部41,42は、傾斜面40cの左右両側部から前側に向かって突出形成され、シェル80の隙間83,84の左右幅,上下幅に相当する厚み,高さを有するとともに、隙間83,84の前後幅よりやや長い長さを有する。また、左右方向で相対する左右のシール部41,42の内面41a,42aは平坦面に形成され、その相対する内面41a,42a間の距離はシェル80の前側板82の左右幅と略同じ寸法に設定される。左右のシール部41,42の外面41b,42bはボディ40の把持部40aの左右側面と面一である。
【0076】
このような左右のシール部41,42は、シェル80のボディ40への装着完了直前に、その前端側からシェル80の左右の隙間88,89に嵌り込み、装着が進むに伴って、その相対する内面41a,42aをシェル80の前側板82の左右端面と摺接しながら、さらにシェル80の左右の隙間88,89に嵌り込み、装着完了によってシェル80の左右の隙間88,89を完全に塞ぐ。これによって、プラグ1を製造する際の最終工程で行われるオーバーモールド加工時に、溶融樹脂がシェル80の左右の隙間88,89から内側に流れ込むのを防ぐことができ、例えば溶融樹脂がシェル80の左右の隙間88,89から内側のボディ40の嵌合部40bに流れ込み、コンタクト20のバネ部22及び接触部24やラッチ30のバネ部32及び係合部34が可動しなくなるなどの不具合を防止することができる。
【0077】
続いて、図3,図15(A),図15(B),図15(C),図15(D)に示すように、シェルカバー90はシェル80よりやや厚い板厚を有するバネ用ステンレスなどの金属平板を打ち抜き加工した後、打ち抜いた金属平板を折り曲げ加工することによって形成され、ボディ40の把持部40aの下面を覆う矩形の他のベース91と、この他のベース91の延長部を折り立ててなる複数の側板とを有する。側板は、他のベース91の左右側縁から延長された延長部が、シェル80の左右側板83,34の外面に沿うように略90°の曲げ角度で折り立てられた他の左右側板92,93とを含む。
【0078】
また、シェルカバー90は、他のベース91の後側縁中央部から後側に突出形成された連設片94の端部に上向きに開脚したU字形状のケーブル固定板95とを有する。さらに、シェルカバー90は、他の左右側板92,93の前後2箇所に開口形成された係合孔92a,92b,93a,93bを有する。
【0079】
シェル80が装着されたボディ40の下面とシェルカバー90の他のベース91内面を相対させた状態で、ボディ40をシェルカバー90の内側に押し込みながら、シェル80の左右側板83,84をシェルカバー90の他の左右側板92,93の内側に重ね合わせることにより、シェル80の係合爪83a,83b,84a,84bがシェルカバー90の係合孔92a,92b,93a,93bに嵌り込み、ボディ40外側にシェル80に対して結合固定された状態でシェルカバー90が装着される。
【0080】
装着状態ではシェルカバー90は、ボディ40の把持部40aの下面をシェル80のベース81と相対する他のベース91で覆い、シェル80とでボディ40の周囲全面を囲い、高いシールド効果を得るとともに、プラグ本体10の堅牢性を向上する。
【0081】
また、シェルカバー90の装着後、ケーブル固定板95の内側にケーブル70の端部を載置した状態で、ケーブル70の端部及びシェル80のケーブル押さえ板87を抱き込むようにケーブル固定板95をカシメ加工することにより、プラグ本体10の後側にケーブル70の端部が強固に結合固定される。
【0082】
以上の構成においてプラグ1は、ケーブル70と接続されるコンタクト20を有し、該コンタクト20が絶縁性のボディ40に保持され、該ボディ40が金属板からなるシェル80でシールドされたプラグ本体10を備え、該プラグ本体10の一部がオーバーモールドされているプラグであって、前記シェル80は、矩形状のベース81と、該ベース81の延長部を折り立ててなる複数の側板82,83,84とを有し、前記ボディ40は、前記シェル80の隣接する前記側板82と83,84間に形成される隙間88,89に嵌り込んで該隙間88,89を塞ぐシール部41,42を有する。
【0083】
また、前記ボディ40は、プラグ1のレセプタクルへの挿入方向後側に形成するプラグ1の把持部40aと、該把持部40aから前記挿入方向前側に突出形成されてレセプタクルに挿入する前記把持部40aより薄い嵌合部40bとを有し、前記シェル80は、前記把持部40aの前記挿入方向前側の前端面40cを覆う前側板82と、前記把持部40aの前端面40cに隣接する左右側面に沿う左右側板83,84と、前記前側板82の延長部を折り曲げてなり前記嵌合部40bを覆う筒状部85とを有し、前記シール部41,42は、前記前側板82と左右側板83,84間に形成される隙間88,89に嵌り込んで該隙間88,89を塞ぎ、前記プラグ本体10の前記ボディ40の把持部40aから嵌合部40bの根元部までがオーバーモールドされている。
【0084】
また、前記ボディ40の嵌合部40bをレセプタクルに挿入したときに該レセプタクルに係合させるラッチ30を有する。
【0085】
また、前記シェル80は、前記ベース81の前記挿入方向後側に位置する延長部でなり前記コンタクト20に接続された前記ケーブル70と結合する固定部87を有し、前記ケーブル70の端部から前記プラグ本体10の前記ボディ40の把持部40aを経て嵌合部40bの根元部までがオーバーモールドされている。
【0086】
また、前記ベース81と相対する他のベース91と、該他のベース91の延長部を折り立ててなり前記左右側板82,84と重ね合う他の左右側板92,93とを有し、前記シェル80とで前記ボディ40の把持部40aの全周囲を覆う金属板からなるシェルカバー90を備える。
【0087】
また、前記シェルカバー90は、前記他のベース91の前記挿入方向後側に位置する延長部でなり前記コンタクト20に接続された前記ケーブル70と結合する他の固定部95を有する。
【0088】
従ってプラグ1は、シェル80の不可避の隙間88,89をボディ40のシール部41,42で塞ぐので、オーバーモールド加工を行う際に溶融樹脂がシェル80の隙間88,89から内側に流れ込むのを防ぐことができ、例えばコンタクト20やラッチ30の可動部が可動しなくなるなどの不具合が生じるのを防止することができるコネクタを提供することができる。
【0089】
以上、本実施の形態は本発明のコネクタ(プラグ)の好適な一実施の形態をマイクロUSBコネクタのプラグ1で説明したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】(A)は本発明の一実施の形態に係るコネクタの正面図、(B)は同コネクタの右側面図、(C)は同コネクタの底面図である。
【図2】(A)は同コネクタのオーバーモールドのみ半断面した状態の平面図、(B)は同コネクタのオーバーモールドのみ全断面した状態の右側面図である。
【図3】同コネクタのプラグ本体の正面、平面及び右側面を示す斜視図(ケーブルは不図示)である。
【図4】図3のA部拡大右側面図である。
【図5】同コネクタのボディの正面、平面及び右側面を示す斜視図である。
【図6】同コネクタの背面、平面及び左側面を示す斜視図である。
【図7】同コネクタのボディの背面図である。
【図8】図7のA部拡大図である。
【図9】(A)は図7のB−B線断面図、(B)は図7のC−C線断面図である。
【図10】図7のD−D線断面図である。
【図11】同コネクタの第1コンタクトの背面、平面及び左側面を示す斜視図である。
【図12】(A)は同コネクタの第1コンタクトの右側面図及び背面図、(B)は他の第1コンタクトの右側面図及び背面図、(C)は第2コンタクトの右側面図及び背面図である。
【図13】同コネクタのシェルの正面、平面及び右側面を示す斜視図である。
【図14】(A)は同コネクタのシェルの正面図、(B)はシェルの平面図、(C)はシェルの側面図、(D)は(B)のA−A線断面図である。
【図15】(A)は同コネクタのシェルカバーの正面図、(B)はシェルカバーの平面図、(C)はシェルカバーの右側面図、(D)は(B)のA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0091】
1 プラグ(マイクロUSBプラグ)
2 オーバーモールド樹脂
10 プラグ本体
20 コンタクト
30 ラッチ
40 ボディ
40a 把持部
40b 嵌合部
41,42 シール部
70 ケーブル
80 シェル
81 ベース
82 前側板
83,84 左右側板
85 筒状部
87 ケーブル押さえ板(固定部)
88,89 隙間
90 シェルカバー
91 他のベース
92,93 他の左右側板
95 ケーブル固定板(固定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルと接続されるコンタクトを有し、該コンタクトが絶縁性のボディに保持され、該ボディが金属板からなるシェルでシールドされたプラグ本体を備え、該プラグ本体の一部がオーバーモールドされているコネクタであって、前記シェルは、矩形状のベースと、該ベースの延長部を折り立ててなる複数の側板とを有し、前記ボディは、前記シェルの隣接する前記側板間に形成される隙間に嵌り込んで該隙間を塞ぐシール部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ボディは、コネクタの相手方コネクタへの挿入方向後側に形成するコネクタの把持部と、該把持部から前記挿入方向前側に突出形成されて相手方コネクタに挿入する前記把持部より薄い嵌合部とを有し、前記シェルは、前記把持部の前記挿入方向前側の前端面を覆う前側板と、前記把持部の前端面に隣接する左右側面に沿う左右側板と、前記前側板の延長部を折り曲げてなり前記嵌合部を覆う筒状部とを有し、前記シール部は、前記前側板と左右側板間に形成される隙間に嵌り込んで該隙間を塞ぎ、前記プラグ本体の前記ボディの把持部から嵌合部の根元部までがオーバーモールドされている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ボディの嵌合部を相手方コネクタに挿入したときに該相手方コネクタに係合させるラッチを有する請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記シェルは、前記ベースの前記挿入方向後側に位置する延長部でなり前記コンタクトに接続された前記ケーブルと結合する固定部を有し、前記ケーブルの端部から前記プラグ本体の前記ボディの把持部を経て嵌合部の根元部までがオーバーモールドされている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記ベースと相対する他のベースと、該他のベースの延長部を折り立ててなり前記左右側板と重ね合う他の左右側板とを有し、前記シェルとで前記ボディの把持部の全周囲を覆う金属板からなるシェルカバーを備える請求項2〜請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シェルカバーは、前記他のベースの前記挿入方向後側に位置する延長部でなり前記コンタクトに接続された前記ケーブルと結合する他の固定部を有する請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
マイクロUSBコネクタ規格準拠のマイクロUSBプラグからなる請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−9896(P2009−9896A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172303(P2007−172303)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】