説明

コネクタ

【課題】本発明は別の部材を用いることなく、FPCを保持でき、安定した接続を得られる構造のコネクタを提供する。
【解決手段】本目的はFPC80に係止部82を設け、ハウジング12の嵌合口18内に係止部82と係合する凸部56を設け、FPC80挿入時には、挿入力が掛からない状態で挿入でき、回動部材16を回転することで、回動部材16がコンタクト14を弾性変形させて、コンタクト14の上側の接触部22がFPC80の接点に接触すると同時にFPC80を押し下げることで、FPC80の係止部82がハウジング12の凸部56と係合し、係合することでFPC80を保持できるようなコネクタ10によって達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話やノートパソコンやデジタルカメラ等の電気機器や電子機器に使用されるコネクタに関するもので、特に、別部材を使用することがなく、安定したフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)の接続を得られ、FPCの接点にダメージ(支障)を与えることのない構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のFPCを用いたコネクタは、前記FPCが挿入される反対側で回動部材を回転させて、回動部材の部位をコンタクトの部位に作用させることで、前記コンタクトと前記FPCとを接続させるもの(特許文献1)がある。このような構造のコンタクトと同様に作用するロック部材を用いて、前記FPCを保持する構造のもの(特許文献2)がある。また、前記ロック部材を用いることなく、コンタクトの接触部と反対側を鋭角にした突起を前記FPCに挿すことで保持力を上げる保持する構造のもの(特許文献4)がある。さらに、上下の接触部を千鳥に配置した構造のもの(特許文献3)がある。
下記に、回動部材タイプの文献として、特許文献1(特開2004−71160)、特許文献2(特開2004−221067)、特許文献3(特開2004−178959)、特許文献4(特開2007−227302)を挙げる。
【特許文献1】特開2004−71160の要約によると、本発明は、各部位の強度や仕様等を損なうことなく、スライダー16でFPC40又はFFCを確実にコンタクト14の接触部22に押圧することができ、作業性がよく、ピッチの狭小化や低背位化が可能なコネクタを提供することを目的とし、低背位化は、コンタクト14の接触部22と接続部24との間に弾性部34と支点部32とを設けるとともに接触部22と弾性部34と支点部32と接続部24とを略クランク形状に配置し、かつ、接続部24と対向する位置に弾性部34から延設された押受部20を設け、スライダー16に長手方向に連設した押圧部36を設け、押圧部36がコンタクト14の接続部22と押受部20との間で回動自在にスライダー16をハウジング12に装着することにより達成できる構造のコネクタが開示されている。
【特許文献2】特開2004−221067の要約によると、本発明は、少芯数のコネクタ10でも、要求されたFPC22の保持力を確保することができ、接続不良にも繋がらないコネクタ10を提供することを目的とし、FPC22と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、FPC22と接触する接触部30を有する所要数のコンタクト14と、このコンタクト14が保持・固定されるとともにFPC22が挿入される嵌合口24を有するハウジング12とを備えるコネクタ10において、FPC22に係止部54を設け、係止部54と係合する係合部56を有するロック部材20をハウジング12に装着し、ロック部材20の係合部56をFPC22の係止部54に係合させることによりFPC22がハウジング12から抜けないようにすることにより達成でき、更に前記係合部56に対応した位置に溝部57を設けることでより確実なロックができる構造のコネクタが開示されている。
【特許文献3】特開2004−178959の要約によると、FPCの上下面を逆に挿入しても、接続不良が発生することないコネクタを提供することを目的とし、FPCと着脱自在に嵌合するコネクタであって、FPCと接触する接触部を上下方向両側に有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともにFPCが挿入される嵌合口を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、FPCのコンタクトとの接点が千鳥に配列されている際に、コンタクトの上下方向の接触部を千鳥に配置することで達成できる構造のコネクタが開示されている。
【特許文献4】特開2007−227302の要約によると、不用意な抜けを確実に防止できる平型回路基板用電気コネクタを提供することを目的とし、金属板の板面を維持したまま該金属板を加工して得られる端子10が上記板面に直角な方向で間隔をもってハウジング1により複数保持され、該端子10はほぼ平行な二つの腕体11,12の対向縁に突部11A,12Aが形成され、二つの腕体の突部同士間距離を、端子に外力を加えることで弾性的に狭めることにより、上記突部同士間で平型回路基板Fを挟持して該平型回路基板と端子10とを電気的に接続せしめる電気コネクタにおいて、少なくとも一方の腕体の突部12Aが尖鋭部を形成している構造の平型回路基板用電気コネクタが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
小芯数のFPCコネクタにおいて、FPC保持力が十分で無い為に、FPCが抜けてしまう不具合が起こっていた。その防止策として、特許文献2のようなケーブルロック等の補助機構を使用する場合があった。この場合、ケーブルロック部のスペース分、コネクタが大きくなり、部品点数も増える為、コストも上昇する問題があった。さらに、特許文献4の構造のように、コンタクトの接触部と反対側のアーム部に鋭角な凸部を設け、FPCに突き刺し、その保持力を上昇させる構造があるが、この場合、FPC接触部の裏側(補強板)のダメージが大きく、最悪、嵌合不良を発生させ、かつ、FPCは真っ直ぐに引っ張られることが稀で、特許文献2のケーブルロックのような保持力はなく、FPCがコジられる(斜めに引っ張られる等)と抜け易いという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、別の部材を用いることなく、FPCを保持でき、FPCの接触部にダメージ(支障)を与えることなく、安定した接続を得られる構造のコネクタを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、請求項1記載のように、FPCが着脱自在に挿抜されるコネクタであって、前記FPCと接触する接触部と基板に接続する接続部を有する所要数のコンタクトと該コンタクトが挿入されるとともに配列・保持される挿入孔と前記FPCが挿入される嵌合口を有するハウジングと前記ハウジングの嵌合口の反対側に装着されるとともに前記コンタクトに作用することにより前記FPCに前記コンタクトを接触させる回動部材とを備えるコネクタにおいて、前記コンタクトは、第一コンタクトおよび/または第二コンタクトを含み、前記第一コンタクトは、一方端に前記接触部と他方端に押受部を有する第一片と他方端に前記接続部を有する第二片と前記接触部と前記接続部の間に位置するとともに前記第一片と前記第二片の他方端を連結する弾性部及び支点部とを有するとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部を略クランク形状に配置し、前記支点部から前記接触部と同じ方向に延設した延設部を有し、該延設部の先端に断面略三角形状をした突起を設けるとともに前記接触部と前記突起を千鳥に配置し、前記二コンタクトは、一方端に前記接触部と他方端に押受部を有する第一片と一方端に前記接続部を有する第二片と前記接触部と前記接続部の間に位置するとともに前記第一片と前記第二片の他方端を連結する弾性部及び支点部とを有するとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部を略コ字形状に配置し、前記接続部と前記支点部との間に断面略三角形状をした突起を設けるとともに前記接触部と前記突起を千鳥に配置し、前記回動部材には、長手方向に連設した細長形状をした押圧部を設けるとともに、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの各々の押受部と対応して係合する複数の係止孔を別個独立に形成して、隣接するコンタクト間に仕切り壁を配設し、前記押圧部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部に作用するように回動自在に前記ハウジングに装着し、前記回動部材の押圧部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部に作用すると、前記ハウジングに保持された前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接続部は変位せず、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部のみが前記押圧部によって押し上げられ、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの支点部を支点にし、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの弾性部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接触部側に傾くことによって、前記FPCを直に押圧することなく、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接触部が前記FPC側に変位し、押圧することにより前記FPCが下方変位して、前記FPCの接点に支障を与えることなく前記FPCに前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの突起が食い込み前記FPCの保持強度を補強することを特徴とするコネクタにすることにより達成できる。
【0006】
請求項2記載のコネクタは、前記第一コンタクトが挿入される挿入孔は、前記回動部材が装着される側から前記嵌合口側に向かう方向に貫通し、前記第一コンタクトの突起は前記挿入孔に挿入されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタにある。
また、請求項3記載のコネクタは、前記ハウジングには、全てのコンタクトに対応する位置に切欠部を設けることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタにある。
さらに、請求項4記載のコネクタは、前記第二コンタクトの支点部から前記押受部と同じ方向に延設した延設部を設け、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部の先端に突出部を設け、前記回動部材の押圧部が前記第一コンタクトの接続部または前記第二コンタクトの延設部から外れる方向へ移動しないようにすることを特徴とする請求項1〜3項のうちいずれか1項記載のコネクタにある。
さらにまた、請求項5記載のコネクタは、前記コンタクトとしては、前記第一コンタクトと前記第二コンタクトを用い、前記第一コンタクトと前記第二コンタクトを交互に千鳥に配置することを特徴とする請求項4項記載のコネクタにある。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタ10によると、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1記載のように、FPCが着脱自在に挿抜されるコネクタであって、前記FPCと接触する接触部と基板に接続する接続部を有する所要数のコンタクトと該コンタクトが挿入されるとともに配列・保持される挿入孔と前記FPCが挿入される嵌合口を有するハウジングと前記ハウジングの嵌合口の反対側に装着されるとともに前記コンタクトに作用することにより前記FPCに前記コンタクトを接触させる回動部材とを備えるコネクタにおいて、前記コンタクトは、第一コンタクトおよび/または第二コンタクトを含み、前記第一コンタクトは、一方端に前記接触部と他方端に押受部を有する第一片と他方端に前記接続部を有する第二片と前記接触部と前記接続部の間に位置するとともに前記第一片と前記第二片の他方端を連結する弾性部及び支点部とを有するとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部を略クランク形状に配置し、前記支点部から前記接触部と同じ方向に延設した延設部を有し、該延設部の先端に断面略三角形状をした突起を設けるとともに前記接触部と前記突起を千鳥に配置し、前記二コンタクトは、一方端に前記接触部と他方端に押受部を有する第一片と一方端に前記接続部を有する第二片と前記接触部と前記接続部の間に位置するとともに前記第一片と前記第二片の他方端を連結する弾性部及び支点部とを有するとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部を略コ字形状に配置し、前記接続部と前記支点部との間に断面略三角形状をした突起を設けるとともに前記接触部と前記突起を千鳥に配置し、前記回動部材には、長手方向に連設した細長形状をした押圧部を設けるとともに、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの各々の押受部と対応して係合する複数の係止孔を別個独立に形成して、隣接するコンタクト間に仕切り壁を配設し、前記押圧部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部に作用するように回動自在に前記ハウジングに装着し、前記回動部材の押圧部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部に作用すると、前記ハウジングに保持された前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接続部は変位せず、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部のみが前記押圧部によって押し上げられ、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの支点部を支点にし、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの弾性部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接触部側に傾くことによって、前記FPCを直に押圧することなく、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接触部が前記FPC側に変位し、押圧することにより前記FPCが下方変位して、前記FPCの接点に支障を与えることなく前記FPCに前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの突起が食い込み前記FPCの保持強度を補強することを特徴とするコネクタにしているので、ZIF(ゼロ・インサーション・フォース)構造で、別の部材を用いないでもFPCを保持でき、かつ、FPCの接点にもダメージ(支障)を与えることがなく、安定した接続を得ることができ、コネクタの省スペース化も可能であり、さらに、FPCの挿入方向に対してFPCが波型に撓むことになるので保持力がアップする。
(2)請求項2記載のコネクタは、前記第一コンタクトが挿入される挿入孔は、前記回動部材が装着される側から前記嵌合口側に向かう方向に貫通し、前記第一コンタクトの突起は前記挿入孔に挿入されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタにしているので、ZIF(ゼロ・インサーション・フォース)構造で、別の部材を用いないでもFPCを保持でき、かつ、FPCの接点にもダメージ(支障)を与えることがなく、安定した接続を得ることができ、コネクタの省スペース化も可能であり、さらに、FPCの挿入方向に対してFPCが波型に撓むことになるので保持力がアップする。
(3)請求項3記載のコネクタは、前記ハウジングには、全てのコンタクトに対応する位置に切欠部を設けることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタにしているので、ZIF(ゼロ・インサーション・フォース)構造で、別の部材を用いないでもFPCを保持でき、かつ、FPCの接点にもダメージ(支障)を与えることがなく、安定した接続を得ることができ、コネクタの省スペース化も可能で、低背も可能であり、さらに、FPCの挿入方向に対してFPCが波型に撓むことになるので保持力がアップする。
(4)請求項4記載のコネクタは、前記第二コンタクトの支点部から前記押受部と同じ方向に延設した延設部を設け、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部の先端に突出部を設け、前記回動部材の押圧部が前記第一コンタクトの接続部または前記第二コンタクトの延設部から外れる方向へ移動しないようにすることを特徴とする請求項1〜3項のうちいずれか1項記載のコネクタにしているので、ZIF(ゼロ・インサーション・フォース)構造で、別の部材を用いないでもFPCを保持でき、かつ、FPCの接点にもダメージ(支障)を与えることがなく、安定した接続を得ることができ、コネクタの省スペース化も可能であり、さらに、FPCの挿入方向に対してFPCが波型に撓むことになるので保持力がアップする。
(5)請求項5記載のコネクタは、前記コンタクトとしては、前記第一コンタクトと前記第二コンタクトを用い、前記第一コンタクトと前記第二コンタクトを交互に千鳥に配置することを特徴とする請求項4項記載のコネクタにしているので、ZIF(ゼロ・インサーション・フォース)構造で、前記突起が前記FPCに刺さり易く、別の部材を用いないでもFPCを保持でき、かつ、FPCの接点にもダメージ(支障)を与えることがなく、安定した接続を得ることができ、コネクタの省スペース化も可能であり、また、FPCの挿入方向に対してFPCが波型に撓むことになるので保持力がアップし、さらに、嵌合口の長手方向に対してFPCが波型に撓むことになるので保持力がアップし、かつ、コジられても抜け難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A) 本発明のコネクタとFPCを嵌合口側の上方からみた斜視図である。(B) 本発明のコネクタとFPCを嵌合口と反対側の下方からみた斜視図である。
【図2】(A) FPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第一コンタクト部分で断面した断面図である。(B) FPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第二コンタクト部分で断面した断面図である。(C) FPCが挿入され、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第一コンタクト部分で断面した断面図である。(D) FPCが挿入され、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第二コンタクト部分で断面した断面図である。(E) FPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ある第一コンタクト部分で断面した断面図である。(F) FPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ある第二コンタクト部分で断面した断面図である。
【図3】(A) 第一コンタクトの斜視図である。(B) 第二コンタクトの斜視図である。
【図4】(A) 嵌合口側上方よりみたハウジングの斜視図である。(B) 嵌合口と反対側下方よりみたハウジングの斜視図である。
【図5】回動部材の斜視図である。
【図6】(A) FPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が開いた状態で、ハウジングと回動部材を除いた第一コンタクトと第二コンタクトだけの斜視図である。(B) FPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ハウジングと回動部材を除いた第一コンタクトと第二コンタクトだけを嵌合口方向上方よりみた斜視図である。(C) FPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ハウジングと回動部材を除いた第一コンタクトと第二コンタクトだけを第一コンタクトの接続部方向下方よりみた斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特徴は、FPC80が着脱自在に挿抜されるコネクタ10であって、前記FPC80と接触する接触部22と基板に接続する接続部30を有する所要数のコンタクトと該コンタクトが挿入されるとともに配列・保持される挿入孔52と前記FPC80が挿入される嵌合口18を有するハウジング12と前記ハウジング12の嵌合口80の反対側に装着されるとともに前記コンタクトに作用することにより前記FPC80に前記コンタクトを接触させる回動部材16とを備えるコネクタ10において、前記コンタクトは、第一コンタクト14および/または第二コンタクト15を含み、前記第一コンタクト14は、一方端に前記接触部22と他方端に押受部24を有する第一片20と他方端に前記接続部30を有する第二片28と前記接触部22と前記接続部30の間に位置するとともに前記第一片20と前記第二片28の他方端を連結する弾性部36及び支点部38とを有するとともに前記接触部22と前記弾性部36と前記支点部38と前記接続部30を略クランク形状に配置し、前記支点部38から前記接触部22と同じ方向に延設した延設部32を有し、該延設部32の先端に断面略三角形状をした突起40を設けるとともに前記接触部22と前記突起40を千鳥に配置し、前記二コンタクト15は、一方端に前記接触部22と他方端に押受部24を有する第一片20と一方端に前記接続部30を有する第二片28と前記接触部22と前記接続部30の間に位置するとともに前記第一片20と前記第二片28の他方端を連結する弾性部36及び支点部38とを有するとともに前記接触部22と前記弾性部36と前記支点部38と前記接続部30を略コ字形状に配置し、前記接続部30と前記支点部38との間に断面略三角形状をした突起40を設けるとともに前記接触部22と前記突起40を千鳥に配置し、前記回動部材16には、長手方向に連設した細長形状をした押圧部46を設けるとともに、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の各々の押受部24と対応して係合する複数の係止孔44を別個独立に形成して、隣接するコンタクト間に仕切り壁48を配設し、前記押圧部46が前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の押受部24に作用するように回動自在に前記ハウジング12に装着し、前記回動部材16の押圧部46が前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の押受部24に作用すると、前記ハウジング12に保持された前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の接続部30は変位せず、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の押受部24のみが前記押圧部46によって押し上げられ、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の支点部38を支点にし、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の弾性部38が前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の接触部22側に傾くことによって、前記FPC80を直に押圧することなく、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の接触部22が前記FPC80側に変位し、押圧することにより前記FPC80が下方変位して、前記FPC80の接点82に支障を与えることなく前記FPC80に前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の突起40が食い込み前記FPC80の保持強度を補強することを特徴とするコネクタ10である。
つまり、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト15の接触部22と対応する側に、断面略三角形状をした前記突起40を設け、前記接触部22と前記突起40を千鳥に配置し、前記回動部材16が回転し、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト15を弾性変形することで、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト15の接触部22が前記FPC80を下側に押圧することにより前記突起40が前記FPC80に刺さることで前記FPC80の保持力を向上させたものである。
【0010】
図1から図5に基づいて、本発明のコネクタ10の一実施例について説明する。
図1(A)は本発明のコネクタとFPCを嵌合口側の上方からみた斜視図であり、(B)は本発明のコネクタとFPCを嵌合口と反対側の下方からみた斜視図である。図2(A)はFPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第一コンタクト部分で断面した断面図であり、(B)はFPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第二コンタクト部分で断面した断面図であり、(C)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第一コンタクト部分で断面した断面図であり、(D)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が開いた状態で、ある第二コンタクト部分で断面した断面図であり、(E)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ある第一コンタクト部分で断面した断面図であり、(F)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ある第二コンタクト部分で断面した断面図である。図3(A)は第一コンタクトの斜視図であり、(B)は第二コンタクトの斜視図である。図4(A)は嵌合口側上方よりみたハウジングの斜視図であり、(B)は嵌合口と反対側下方よりみたハウジングの斜視図である。図5は回動部材の斜視図である。図6(A)はFPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が開いた状態で、ハウジングと回動部材を除いた第一コンタクトと第二コンタクトだけの斜視図であり、(B)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ハウジングと回動部材を除いた第一コンタクトと第二コンタクトだけを嵌合口方向上方よりみた斜視図であり、(C)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ハウジングと回動部材を除いた第一コンタクトと第二コンタクトだけを第一コンタクトの接続部方向下方よりみた斜視図である。
【0011】
本発明のコネクタ10は、主にハウジング12とコンタクト(第一コンタクト14および/または第二コンタクト16を含み)と回動部材18とを備えている。本実施例は、2種類の第一コンタクト14と第二コンタクト15を千鳥に配列したもので説明する。
【0012】
構成部品を説明する前に、FPC80について説明する。前記FPC80には、主に第一コンタクト14及び第二コンタクト15の接触部22と接触する接点82と該接点82から回路へ繋がるパターンとを備えている。図1のように、本実施例では前記FPC80の接点82は千鳥に配置した。
【0013】
図に基づいて本発明のコネクタ10の構成部品について説明する。まず、2種類のコンタクト(第一コンタクト14及び第二コンタクト15)について説明する。前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。本実施例では、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15は前記ハウジング12の挿入孔52内に挿入される。
【0014】
まず、第一コンタクト14について説明する。
前記第一コンタクト14は、少なくとも一方端に接触部22と他方端に押受部24とを有する第一片20と、一方端に突起40と他方端に接続部30を有する第二片28と、前記接触部22と前記接続部30の間に位置するとともに前記第一片20と前記第二片28を連結する弾性部36及び支点部38とを有している。つまり、前記第一コンタクト14は、図3(A)のように、前記支点部38から前記接触部22と同一方向側に延設した延設部32が設けられるとともにその先端に突起40を有した略逆倒H字形状をしており、上接点になっており、前記第一片20の接触部22と前記弾性部36と前記支点部38と前記接続部30は略クランク形状に配置されている。また、前記第一コンタクト14の接触部22と突起40は、千鳥に配列されている。また、前記第一コンタクト14の接触部22と突起40とを、千鳥に配列することで、前記FPC80の挿入方向に対して、前記FPC80が波型に撓むことになるので保持力がアップする。
【0015】
本実施例では、前記固定部20は前記第一コンタクト14の支点部38近傍に設けている。前記固定部20の位置や大きさは、前記第一コンタクト14の保持力や接続安定性等を考慮して適宜設計している。
【0016】
前記接触部22は、前記FPC80と接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部30は本実施例では図1(B)のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。また、前記突起40は、前記FPC80に刺さり易いように、断面略三角形状にしている。
【0017】
前記第一コンタクト14の前記支点部38と前記弾性部36と前記押受部24とは、前記FPC80が挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC80が前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入された後に、前記回動部材16の押圧部46が前記第一コンタクト14の押受部24を押圧するように回動(本実施例では接続部30と押受部24との間で回動)すると、前記押受部24が前記押圧部46によって押し上げられることで前記第一コンタクト14の支点部38を支点にし、前記第一コンタクト14の弾性部36が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC80に押圧される。前記支点部38と前記弾性部36と前記押受部24の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。
【0018】
次に、第二コンタクト15について説明する。
前記第二コンタクト15は、少なくとも一方端に接触部22と他方端に押受部24とを有する第一片20と、一方端に接続部30を有する第二片28と、前記接触部22と前記接続部30の間に位置するとともに前記第一片20と前記第二片28を連結する弾性部36及び支点部38と前記接触部22に対向する側で前記接続部30と前記支点部38との間に突起40とを有している。つまり、前記第二コンタクト15は図示はしないが略逆倒h形状をし、前記第一片20の接触部22と前記弾性部36と前記支点部38と前記接続部30は略コ字形状に配置されている。本実施例では、前記第二コンタクト15は、図3(B)のように、前記支点部38から前記押受部24と同一方向側に延設した延設部32が設けられた略逆倒H字形状をしており、上接点になっており、前記第一片20の接触部22と前記弾性部36と前記支点部38と前記接続部30は略コ字形状に配置されている。また、前記第二コンタクト15の接触部22と突起40は、千鳥に配列されている。また、前記第二コンタクト15の接触部22と突起40とを、千鳥に配列するで、前記FPC80の挿入方向に対して前記FPC80が波型に撓むことになるので保持力がアップする。
【0019】
本実施例では、前記固定部20は前記第二コンタクト15の支点部38近傍で、前記延設部32に設けている。前記固定部20の位置や大きさは、前記第二コンタクト15の保持力や接続安定性等を考慮して適宜設計している。
【0020】
前記接触部22は、前記FPC80と接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部30は本実施例では図1(B)のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。また、前記突起40は、前記FPC80に刺さり易いように、断面略三角形状にしている。
【0021】
前記第二コンタクト15の前記支点部38と前記弾性部36と前記押受部24とは、前記FPC80が挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC80が前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入された後に、前記回動部材16の押圧部46が前記第二コンタクト14の押受部24を押圧するように回動(本実施例では延設部32と押受部24との間で回動(図示はしないが略逆倒h形状の場合は押受部24とハウジング12との間で回動))すると、前記押受部24が前記押圧部46によって押し上げられることで前記第二コンタクト15の支点部38を支点にし、前記第二コンタクト14の弾性部36が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC80に押圧される。前記支点部38と前記弾性部36と前記押受部24の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。押圧部46の回動する部分は関係なく、押圧部46で押受部24を押圧できればよい。
【0022】
さらに、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15のいずれか一方若しくは両方の押受部24の先端に膨れ防止手段を設けることが好ましい。前記回動部材16の押圧部46を前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24を押圧するように回動させるとき、前記回動部材16の回動に対する反発力が強い為に、前記回動部材16の中央部が膨れる傾向があるが、前記膨れ防止手段を設けることにより、かかる傾向を防ぐようにすることができるためである。さらに、前記膨れ防止手段として、前記押受部24の先端に突出部26を設けることがより好適である。前記突出部26の大きさは、上記役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、前記回動部材16の押圧部46が引っ掛かる程度に適宜設計する。
【0023】
次に、回動部材16について説明する。この回動部材16は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記回動部材16は主に操作部42とハウジング12に回動可能に装着される軸部分と前記コンタクト14の押受部24が入る係止孔44と押受部24を押圧する押圧部46とを備えている。前記軸は、回動部材16を回動するための支点であり、ハウジング12の長手方向両側に回動部材16が回動可能に適宜装着されている。
【0024】
前記押圧部46は、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24に押し付ける部分であり、その形状としては細長形状にする。前記押圧部46の形状は、本実施例では楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、前記回動部材16を回動させ、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24を押圧しように回転させる(本実施例では、前記第一コンタクト14の押受部24と接続部30及び前記第二コンタクト15の押受部24と延設部32との間で回転させる)ことで、前記押圧部46の大きさの変化により前記コンタクト14の押受部24が持ち上げられ、前記FPC80に前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の接触部22側を押し付けている。前記押圧部46の形状としては、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24を押圧するように回転(本実施例では、前記第一コンタクト14の押受部24と接続部30及び前記第二コンタクト15の押受部24と延設部32との間で回転)でき、長軸と短軸といった大きさの違いにより前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24を押し上げられれば、如何なるものでもよい。
【0025】
また、前記回動部材16を回動した際に、前記回動部材16の回動に対する反発力が強く、前記回動部材16の中央部が膨れてしまうことを防ぐようにする為に、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24が入る係止孔44が別個独立に設けられている。別個独立に設けることで、結果的に隣接する前記第一コンタクト14と第二コンタクト15との間には、仕切り壁48が設けられることになり、前記係止孔44を別個独立に設け、かつ、前記仕切り壁48を設けることで、前記回動部材16の強度アップや回動時の変形を防止している。
【0026】
さらに、前記操作部42は、前記回動部材16を回動させる際に、指や治具等で押す部分である。前記操作部42の形状・大きさは、指や治具等で押せればよく、コネクタの小型化や強度や加工性や操作性等を考慮して適宜設計する。
【0027】
次に、ハウジング12について説明する。このハウジング12は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ハウジング12には、前記FPC80が挿入される嵌合口18が設けられている。前記嵌合口18は、前記FPC80の大きさに沿うようにしている。
【0028】
前記ハウジング12には、所要数のコンタクトが装着される挿入孔52が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。前記ハウジング12の挿入孔52は、前記回動部材16が装着される側から前記嵌合口18側に向かう方向または前記嵌合口18側から前記回動部材16が装着される側方向に設けられている。前記第一コンタクト14の延設部32(突起40)は前記挿入孔52に挿入されただけで、保持(固定)されていない。
【0029】
長手方向両側には、前記回動部材16の軸が回動可能に装着される軸受部が設けられている。この軸受部の形状や大きさは、回動部材16の軸が回動できるように装着されていれば如何なるものでもよく、この役割やハウジング12の強度や大きさ等を考慮して適宜設計する。
【0030】
前記ハウジング12は、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の第一片20の接触部22を被覆する天井部50を備えている。前記ハウジング12には、前記天井部50に連設し、かつ、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24側に、前記回動部材16の押圧部46によって前記第一コンタクト14及び第二コンタクト15の押受部24が押し上げられて上方変位する際、前記押受部24の上方変位を妨げることがないように、全てのコンタクト14、15に対応する位置に、一つの切欠部54が設けられている。前記切欠部54は、前記押受部24の上方変位を妨げなければ、如何なる形状・大きさでもよいが、その役割や強度や加工性やコネクタの小型化等を考慮して適宜設計する。前記ハウジング12の嵌合口18の外周には、FPC80等の接続対象物が入り易いように誘い部を設けることが望ましい。
【0031】
ここで、前記FPC80の保持方法について説明する。
第一に、前記FPC80を前記嵌合口18内に挿入する。
第二に、前記回動部材16を回動させると、次のような作用が生じ、前記FPC80が保持される。
前記回動部材16の押圧部46が前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の押受部24に作用すると、前記ハウジング12に保持された前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の接続部30は変位せず、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の押受部24のみが前記押圧部46によって押し上げられ、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の支点部38を支点にし、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の弾性部38が前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の接触部22側に傾くことによって、前記FPC80を直に押圧することなく、前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の接触部22が前記FPC80側に変位し、押圧することにより前記FPC80が下方変位して、前記FPC80の接点82に支障を与えることなく、前記FPC80に前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の突起40が食い込み前記FPC80の保持強度を補強する。つまり、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト15の接触部22と対応する側に、断面略三角形状をした前記突起40を設け、前記接触部22と前記突起40を千鳥に配置し、前記回動部材16が回転し、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト15を弾性変形することで、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト15の接触部22が前記FPC80を下側に押圧することにより前記突起40が前記FPC80の接点部分の裏側部分でないところに刺さることで前記FPC80の保持力を向上させたものである。
【0032】
前記突起40を前記第一コンタクト14および/または前記第二コンタクト15の作用を利用して、前記FPC80に刺すためには、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト15の両方を使用し、かつ、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト15を千鳥に配置することが望ましい。このようにすることで、前記第一コンタクト14の接触部22が前記FPC80を押圧すると前記第二コンタクト15の突起40に刺さり易く、前記第二コンタクト15の接触部22が前記FPC80を押圧すると前記第一コンタクト14の突起40に刺さり易くできる。それは、つまり、前記第一コンタクト14の接触部40と前記第二コンタクト15の突起40及び前記第二コンタクト15の接触部22と前記第一コンタクト14の突起40とは、同一行に位置するためである。また、2種類のコンタクト14、15を千鳥に配置することで、前記嵌合口18の長手方向に対して前記FPC80が波型に撓むことになるので保持力がさらにアップし、かつ、コジられても抜け難くなる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の活用例としては、携帯電話やノートパソコンやデジタルカメラ等の電気機器や電子機器に使用されるコネクタ10に活用され、特に、別部材を使用することがなく、安定したFPC80の接続を得られ、FPC80の接点にダメージ(支障)を与えることのない構造に関するものである。
【符号の説明】
【0034】
10 コネクタ
12 ハウジング
14 コンタクト
16 回動部材
18 嵌合口
20 第一片
22 第一接触部
24 押受部
26 突出部
28 第二片
30 接続部
32 延設部
34 固定部
36 弾性部
38 支点部
40 第二接触部
42 操作部
44 係止孔
46 押圧部
48 仕切り壁
50 天井部
52 挿入孔
54 切欠部
56 凸部
58 固定タブ
80 FPC(フレキシブルプリント基板)
82 係止部
84 接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント基板が着脱自在に挿抜されるコネクタであって、
前記フレキシブルプリント基板と接触する接触部と基板に接続する接続部を有する所要数のコンタクトと該コンタクトが挿入されるとともに配列・保持される挿入孔と前記フレキシブルプリント基板が挿入される嵌合口を有するハウジングと前記ハウジングの嵌合口の反対側に装着されるとともに前記コンタクトに作用することにより前記フレキシブルプリント基板に前記コンタクトを接触させる回動部材とを備えるコネクタにおいて、
前記コンタクトは、第一コンタクトおよび/または第二コンタクトを含み、
前記第一コンタクトは、一方端に前記接触部と他方端に押受部を有する第一片と他方端に前記接続部を有する第二片と前記接触部と前記接続部の間に位置するとともに前記第一片と前記第二片の他方端を連結する弾性部及び支点部とを有するとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部を略クランク形状に配置し、前記支点部から前記接触部と同じ方向に延設した延設部を有し、該延設部の先端に断面略三角形状をした突起を設けるとともに前記接触部と前記突起を千鳥に配置し、
前記二コンタクトは、一方端に前記接触部と他方端に押受部を有する第一片と一方端に前記接続部を有する第二片と前記接触部と前記接続部の間に位置するとともに前記第一片と前記第二片の他方端を連結する弾性部及び支点部とを有するとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部を略コ字形状に配置し、前記接続部と前記支点部との間に断面略三角形状をした突起を設けるとともに前記接触部と前記突起を千鳥に配置し、
前記回動部材には、長手方向に連設した細長形状をした押圧部を設けるとともに、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの各々の押受部と対応して係合する複数の係止孔を別個独立に形成して、隣接するコンタクト間に仕切り壁を配設し、前記押圧部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部に作用するように回動自在に前記ハウジングに装着し、
前記回動部材の押圧部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部に作用すると、前記ハウジングに保持された前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接続部は変位せず、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部のみが前記押圧部によって押し上げられ、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの支点部を支点にし、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの弾性部が前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接触部側に傾くことによって、前記フレキシブルプリント基板を直に押圧することなく、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの接触部が前記フレキシブルプリント基板側に変位し、押圧することにより前記フレキシブルプリント基板が下方変位して、前記フレキシブルプリント基板の接点に支障を与えることなく前記フレキシブルプリント基板に前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの突起が食い込み前記フレキシブルプリント基板の保持強度を補強することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第一コンタクトが挿入される挿入孔は、前記回動部材が装着される側から前記嵌合口側に向かう方向に貫通し、前記第一コンタクトの突起は前記挿入孔に挿入されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングには、全てのコンタクトに対応する位置に切欠部を設けることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第二コンタクトの支点部から前記押受部と同じ方向に延設した延設部を設け、前記第一コンタクトおよび/または前記第二コンタクトの押受部の先端に突出部を設け、前記回動部材の押圧部が前記第一コンタクトの接続部または前記第二コンタクトの延設部から外れる方向へ移動しないようにすることを特徴とする請求項1〜3項のうちいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトとしては、前記第一コンタクトと前記第二コンタクトを用い、前記第一コンタクトと前記第二コンタクトを交互に千鳥に配置することを特徴とする請求項4項記載のコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−171034(P2011−171034A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32090(P2010−32090)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000208835)第一電子工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】