説明

コネクタ

【課題】レバーのガタつきを最小限に抑えつつ相手側コネクタとの嵌合状態を確実にロックし得るコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタ100は、ロック部材140と、被規制部160と、ソレノイド170と、規制部材180とを備えている。ソレノイド170は、プランジャ176をY方向(所定方向)に沿って規制位置と解除位置との間で駆動する。規制部材180は、プランジャ176に支持されており、プランジャ176の駆動に応じてY方向に変位する。プランジャ176が解除位置から規制位置まで駆動されると、規制部材180の規制部182が被規制部160に受容され、それによってロック部材140によりコネクタ100と相手側コネクタ200との嵌合状態のロックを解除することが規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車への給電に用いられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
給電に用いられるコネクタには、大電流を供給するための電源ピン又は電源コンタクトが設けられている。給電の際、これら電源ピン又は電源コンタクトには大電流が流れていることから、給電中のコネクタとその相手側コネクタとの嵌合状態が解除されてしまうと非常に危険である。そのため、この種のコネクタには、通常、給電中における嵌合状態の解除を防ぐ機構が設けられている。
【0003】
かかる機構の設けられたコネクタとしては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。特許文献1のコネクタは、電磁コイルとその電磁コイルによって駆動されるプランジャとを有するプッシュ型のソレノイドを備えており、給電時にはプランジャを所定量突出させ、その突出したプランジャを操作レバーに形成された穴に挿入することによって、操作レバーの誤った操作を防止している。特許文献2のコネクタは、同様なプッシュ型ソレノイドを備えており、給電時にはプランジャを解除レバーに形成された穴に挿入することによって解除レバーを変位させないようにして、意図しないロック解除を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−188044号公報
【特許文献2】特開平7−85926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レバーを確実に変位不能とするためには、レバーに設けられた穴の形状及びサイズがプランジャの形状及びサイズとほぼ同じ程度でなければならない。さもないと、レバーがガタついてしまうためである。
【0006】
しかしながら、レバーの穴の形状及びサイズとプランジャの形状及びサイズとがほぼ同じ場合、ソレノイドの駆動の際にレバーの穴の位置がプランジャから少しでもずれてしまっていると、プランジャが穴に挿入されず、給電時にもかかわらずコネクタ間の嵌合状態が適切にロックされないといった問題が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、レバーのガタつきを最小限に抑えつつ相手側コネクタとの嵌合状態を確実にロックし得るコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のコネクタとして、
相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記相手側コネクタと前記コネクタとの嵌合状態において前記相手側コネクタに係合して前記嵌合状態をロックするロック部材と、
プランジャを有し且つ所定方向に沿って規制位置と解除位置との間で前記プランジャを駆動するソレノイドと、
規制部を有し且つ前記プランジャに支持された規制部材と、
前記プランジャが前記規制位置にあるとき前記規制部を受容することにより、前記ロック部材による前記ロックの解除を直接的に又は間接的に規制する被規制部と
を備えており、
前記規制部は、前記所定方向と交差する方向である交差方向に延びており、
前記被規制部は、前記プランジャが前記解除位置から前記規制位置まで駆動する際に、前記プランジャの駆動に応じて移動した前記規制部を前記所定方向に沿って受容する
コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記被規制部は、前記所定方向及び前記交差方向と直交する方向である移動規制方向に移動し始めることにより、前記ロックの解除がなされるように設けられており、
前記規制部の前記移動規制方向におけるサイズ及び形状は、前記規制部が前記被規制部に受容された際に前記被規制部の前記移動規制方向への移動を妨げるようにして決定されている
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
操作された際に変位して前記ロック部材の前記相手側コネクタに対する係合を解除する解除操作部材を更に備えており、
前記被規制部は、前記解除操作部材に設けられており、
前記規制部は、前記プランジャが前記規制位置にあるとき、前記被規制部に受容されることにより前記解除操作部材の前記変位を規制し、それによって、前記ロック部材による前記ロックの解除を間接的に規制する
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第3のコネクタであって、
シェルを更に備えており、
前記ロック部材は、ロック軸部とロック部と被押圧部とを有していると共に、前記ロック軸部の回りに回動可能となるように前記シェルに保持されており、
前記ロック軸部は、前記ロック部と前記被押圧部との間に位置しており、
前記解除操作部材は、操作軸部と被操作部と押圧部とを有していると共に、前記操作軸部の回りに回動可能となるように前記シェルに保持されており、
前記操作軸部は、前記被操作部と前記押圧部との間に位置しており、
前記被操作部が操作されると、前記押圧部が前記被押圧部を押圧し、それによって前記相手側コネクタとの前記ロック部の係合が解除されるコネクタにおいて、
前記被規制部は、前記操作軸部に対してよりも前記押圧部に対して近い位置に設けられている
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第1乃至第4のいずれかのコネクタであって、
前記被規制部は、前記所定方向に凹んだ凹部である
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第5のコネクタであって、
前記規制部の前記被規制部への受容をガイドするガイド部を更に備えている
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第5又は第6のコネクタであって、
前記プランジャには、前記交差方向において前記プランジャを貫通する保持孔が形成されており、
前記規制部材は、前記保持孔に挿入支持されている
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第5乃至第7のいずれかのコネクタであって、
前記規制部材は、棒状形状を有している
コネクタを提供する。
【0016】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第8のコネクタであって、
前記交差方向は、前記所定方向と直交する方向である
コネクタを提供する。
【0017】
また、本発明は、第10のコネクタとして、第1乃至第9のいずれかのコネクタであって、
前記ソレノイドは、プル型ソレノイドであり、
前記プランジャは、前記解除位置にあるときには、前記規制位置にあるときと比較して前記所定方向の外側に突出している
コネクタを提供する。
【0018】
更に、本発明は、第11のコネクタとして、第1乃至第10のいずれかのコネクタであって、
前記プランジャの駆動に伴う前記規制部の移動を前記所定方向に向かうようにガイドするガイドプレートを更に備えている
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるコネクタにおいては、所定方向と交差する方向(交差方向)に延びる規制部を所定方向に沿って被規制部に受容させることとした。即ち、本発明のコネクタにおいて、被規制部に受容されるのは規制部の突端面ではなく側部となる。
【0020】
交差方向においては、規制部の側部を被規制部に対して相対的に大きくすることにより規制部を被規制部に受容させやすくすることができる一方、交差方向及び所定方向と直交する方向(即ち、ロック時において被規制部の移動を規制したい方向:移動規制方向)においては規制部のサイズと被規制部のサイズとを実質的に同じくするなどして、規制部が被規制部に受容された際におけるガタつきを抑えて被規制部の移動規制方向への移動を妨げるように規制部のサイズ及び形状を設定することもできる。そのため、本発明によれば、受容させた状態における解除操作部材等のガタつきを生じさせることなく、規制部と被規制部との位置的関係に対する要求を緩和させることができる。従って、本発明によれば、特許文献1や特許文献2のような問題は生じず、嵌合状態のロックの解除を適切にロックすることができる。
【0021】
特に、被規制部に規制部の受容をガイドするガイド斜面を形成することとすると、上記の位置的関係に対する要求を更に緩和することができる。
【0022】
また、ソレノイドとして、プル型ソレノイドを使用することとすると、例えば、シェルを嵌合方向に沿って2分割した場合に、シェルの片側にロックに係る機構を組み込みやすくなるといった利点がある。加えて、プル型ソレノイドは、ソレノイドとしては一般的であるのでプッシュ型ソレノイドと比較して入手しやすいという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態によるコネクタを示す斜視図である。
【図2】図1のコネクタの主部を切り欠いて示す図である。
【図3】図1のコネクタを示す斜視図である。ここで、第2シェルは外されており、給電コンタクト及び信号コンタクトやそれらに接続された線も外されている。プランジャは、解除位置にある。
【図4】図1のコネクタを示す斜視図である。ここで、第2シェルは外されており、給電コンタクト及び信号コンタクトやそれらに接続された線も外されている。プランジャは、規制位置にある。
【図5】図1のコネクタに含まれているソレノイド、規制部材及びガイドプレートからなるユニットを示す斜視図である。ここで、プランジャは解除位置にある。
【図6】図5のユニットを示す上面図である。
【図7】図5のユニットを示す斜視図である。ここで、プランジャは規制位置にある。
【図8】図3の被規制部と規制部材との関係を示す正面図である。
【図9】図8の被規制部の変形例を示す正面図である。
【図10】図1のコネクタと嵌合する相手側コネクタを示す斜視図である。
【図11】図10のコネクタの径方向中心を含む断面図である。
【図12】図1のコネクタと図10の相手側コネクタとの嵌合過程を部分的に切り欠いて示す図である。
【図13】図1のコネクタと図10の相手側コネクタとの嵌合状態を部分的に切り欠いて示す図である。
【図14】図1のコネクタと図10の相手側コネクタとの抜去過程を部分的に切り欠いて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1乃至図4に示されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ100は、給電側プラグコネクタであり、電気自動車などに設けられた図10及び図11の相手側コネクタ(受電側レセプタクルコネクタ)200と嵌合するものである。
【0025】
ここで、相手側コネクタ200は、図10及び図11に示されるように、絶縁体からなるハウジング210と、ハウジング210に保持された受電コンタクト220及び信号コンタクト240と、ハウジング210に形成された段差からなるロック係止部230とを備えている。信号コンタクト240には信号線250が接続されている。
【0026】
図1乃至図4に示されるように、本実施の形態によるコネクタ100は、絶縁体からなるハウジング110と、ハウジング110に保持された信号コンタクト120及び給電コンタクト(図示せず)と、コネクタ100の外殻を形成するシェル130と、コネクタ100と相手側コネクタ200との嵌合状態をロックするロック部材140と、ロック部材(ロックレバー)140によるロックの解除を操作するための解除操作部材(リリースレバー)150と、解除操作部材150に設けられた被規制部160と、電磁ロックを構成するソレノイド170と、嵌合状態においてソレノイド170によって変位させられ被規制部160の移動を規制する規制部材180と、規制部材180の移動をガイドするガイドプレート190とを備えている。ここで、被規制部160は、例えば、ロック部材140の設けられていてもよい。
【0027】
ハウジング110は、略円柱状の形状を有している。ハウジング110には、給電コンタクト(図示せず)を保持するための保持孔112と信号コンタクト120を保持するための保持孔114(図2参照)とが前端(嵌合端)から後方に向けて延びるようにして形成されている。給電コンタクト(図示せず)は相手側コネクタ200に対するコネクタ100の嵌合時に受電コンタクト220に接続して大電流を流すためのものであり、信号コンタクト120は同嵌合時に信号コンタクト240に接続して信号を伝達するためのものである。
【0028】
シェル130は、図1に示されるように、中心軸を通る面で2つに分割された第1シェル132及び第2シェル134をネジ止めすることにより構成されるものである。図2乃至図4から理解されるように、信号コンタクト120や給電コンタクト(図示せず)を保持したハウジング110やロック部材140などは、第1シェル132に組み込まれ、第2シェル134によってそれらを側方から覆うようにしてコネクタ100が構成される。図1乃至図4に示されるように、シェル130には、開口部136が形成されている。この開口部136は、シェル130のうち、相手側コネクタ200のハウジング210に挿入される部位に設けられている。図1及び図2に示されるように、シェル130の後端側には、給電時にユーザが握るグリップ138が形成されている。
【0029】
図2乃至図4に示されるように、ロック部材140は、ロック部142と、ロック軸部144と、被押圧部146とを有しており、ロック軸部144を中心として回動可能となるようにシェル130に支持されている。ロック部142は、ロック部材140の一端に形成されており、上方に突出した断面爪状の形状を有している。このロック部142は、コネクタ100と相手側コネクタ200との嵌合状態において、シェル130の開口部136を通って相手側コネクタ200のロック係止部230に係止し、嵌合状態をロックするためのものである(図2及び図13参照)。被押圧部146は、ロック部材140の他端に形成されている。即ち、ロック軸部144は、ロック部142と被押圧部146との間に位置している。このため、被押圧部146が押し上げられると、ロック部142が下がることとなる。なお、ロック部材140にはスプリング148が取り付けられている。このスプリング148は、ロック部142を開口部136から突出させるように常時付勢している。
【0030】
図2乃至図4に示されるように、解除操作部材150は、被操作部152と、操作軸部154と、押圧部156とを有しており、操作軸部154を中心として回動可能となるようにシェル130に支持されている。被操作部152は、解除操作部材150の一端に形成されている。被操作部152は、グリップ138の上方においてシェル130の外側に張り出しており、ユーザが押圧操作可能となっている。押圧部156は、解除操作部材150の他端に形成されている。即ち、操作軸部154は、被操作部152と押圧部156との間に位置している。このため、被操作部152が押し下げられると、押圧部156は上方へ移動する。本実施の形態による押圧部156は、被押圧部146の下側に位置している。従って、被操作部152を押圧すると、押圧部156が被押圧部146を押し上げ、それによってロック部142が下がり、ロックが解除される。
【0031】
本実施の形態による解除操作部材150の押圧部156として機能する一端は、−Z方向にも延びており、そこに−Y方向に凹んだ凹部からなる被規制部160が形成されている。この被規制部160のZ方向における移動を規制すると、押圧部156のZ方向における移動を規制することができる。本実施の形態による被規制部160は、操作軸部154に対してよりも押圧部156に対してより近い位置に設けられている。換言すると、被規制部160と押圧部156との間の距離は、被規制部160と操作軸部154との間の距離よりも短い。従って、押圧部156の移動を規制するために被規制部160に加える力を大きくする必要はない。
【0032】
この被規制部160のZ方向(移動規制方向)への移動を規制すると、押圧部156の上昇も規制され、ロックが解除されることはない。図8に示されるように、本実施の形態による被規制部160は、開口端を面取りされ、これによってガイド部162を構成している。具体的には、ガイド部162は、Y方向(所定方向)及びZ方向と斜交している。
【0033】
図5乃至図7に示されるように、ソレノイド170は、フレーム172と、フレーム172に保持されると共に給電時に通電される電磁コイル174と、電磁コイル174によってY方向に沿って解除位置(図3、図5及び図6)と規制位置(図4及び図7)との間で駆動されるプランジャ176とを備えている。本実施の形態によるソレノイド170は、プル型ソレノイドであり、プランジャ176の解除位置は、規制位置よりもY方向外側に位置している。即ち、プランジャ176は、解除位置にあるときには、規制位置にあるときと比較してY方向外側に突出している。このため、ロック部材140、解除操作部材150及びソレノイド170などの構成要素をすべて動作可能な状態で第1シェル132側に取り付けることができる。即ち、本実施の形態によるコネクタ100には、第1シェル132と第2シェル134とを組み合わせることで動作可能となるような構造物は設けられていない。このようにプル型ソレノイドを用いることとすると、第1シェル132側に構成要素を取り付けた後、第2シェル134で覆えばよいことから、組立が容易になる。
【0034】
図5に示されるように、プランジャ176には、X方向(交差方向)においてプランジャ176を貫通する保持孔178が形成されており、その保持孔178に対して棒状形状の規制部材180の被支持部184が挿入支持されている(図5及び図6参照)。なお、本実施の形態において規制部材180の延びる方向(即ち、保持孔178の貫通方向)はY方向と直交しているが、これらはY方向と交差していれば直交していなくともよい。
【0035】
図8に示されるように、規制部材180の規制部182の直径は、被規制部160のZ方向(移動規制方向)におけるサイズに実質的に等しい。一方、図3乃至図7に示されるように、規制部材180は、プランジャ176に支持された状態で、X方向に延びている。即ち、規制部材180の部位のうち規制部182として機能し得る部位のX方向におけるサイズは被規制部160のX方向におけるサイズよりも大きい。
【0036】
この規制部材180は、プランジャ176の駆動に応じて、Y方向に沿って移動する。ここで、ソレノイド170に駆動されるプランジャ176はY方向に沿って移動すると共に一般的には自身の軸の周りに回転してしまう可能性がある。即ち、プランジャ176に支持された規制部材180も回動してしまう可能性がある。本実施の形態においては、ガイドプレート190を設けることとし、規制部材180の規制部182の移動方向をY方向に沿うようにしている。
【0037】
図3に示されるように、プランジャ176が解除位置にあるとき、規制部材180は被規制部160から離れた状態ある。即ち、プランジャ176が解除位置にあるとき、規制部材180の規制部182は被規制部160の移動の妨げにはならない。プランジャ176が解除位置から規制位置(図4)まで駆動する際に、プランジャ176の駆動に応じて規制部材180の規制部182は被規制部160に受容される。このとき、解除操作部材150にはガイド部162が設けられていることから、規制部182のZ方向における位置と被規制部160のZ方向における位置とが僅かにズレていたとしても、規制部182はガイド部162によってガイドされ被規制部160内に受容されることができる。このように、規制部182が被規制部160に受容されると、解除操作部材150の変位が規制される。これにより、解除操作部材150の操作が不能となり、従って、コネクタ100と相手側コネクタ200との嵌合状態においてはロック部材140によるロックの解除が規制される。
【0038】
図8に示された被規制部160は、Z方向において一定のサイズを有している。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、図9に示されるように、被規制部160aは、ガイド部162aと連続している斜面であってもよい。かかる構成とすると、規制部材180の径が設計変更等で変動したとしてもロック解除の規制が適切になされることとなる。
【0039】
図12乃至図14を更に参照して、コネクタ100と相手側コネクタ200との嵌合抜去動作を説明する。
【0040】
図12に示されるように、コネクタ100を相手側コネクタ200に挿入すると、ロック部材140のロック部142はスプリング148の付勢に抗って、相手側コネクタ200のハウジング210の内壁212内に潜り込む。
【0041】
更に、コネクタ100の相手側コネクタ200への挿入が進み、図13に示されるようにコネクタ100と相手側コネクタ200とが完全に嵌合すると、ロック部142は、X方向において内壁212を超え、スプリング148により初期位置に復帰する。この状態においては、コネクタ100を相手側コネクタ200から抜去しようとしても、ロック部142がロック係止部230に係止することから嵌合状態はロックされている。このとき、ソレノイド170は通電状態にあり、プランジャ176は規制位置にある。従って、規制部182は被規制部160内に受容されており、解除操作部材150の変位は規制され、解除操作部材150の誤操作による意図しないロック解除が防止される。
【0042】
充電が終了し、コネクタ100を相手側コネクタ200から抜去する際には、ソレノイド170への通電が解除され、プランジャ176が解除位置に復帰する。これにより、規制部182が被規制部160から抜け出ることとなり、解除操作部材150の操作が可能となる。その状態において、被操作部152を押し下げると、押圧部156が被押圧部146押し上げ、それによってロック部142が押し下げられる。これにより、ロック部142のロック係止部230に対する係止が解除され、コネクタ100を相手側コネクタ200から抜去することができる。
【0043】
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、上述した実施の形態においては、嵌合方向がX方向であり、所定方向がそれと直交するY方向であったが、本発明はこれに限定されるわけではなく、例えば嵌合方向と所定方向とが平行であってもよい。
【0044】
また、上述した実施の形態ではプランジャ176と規制部材180とは別体であったが、これらを一体で形成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
100 コネクタ(給電側プラグコネクタ)
110 ハウジング
112 保持孔
114 保持孔
120 信号コンタクト
130 シェル
132 第1シェル
134 第2シェル
136 開口部
138 グリップ
140 ロック部材(ロックレバー)
142 ロック部
144 ロック軸部
146 被押圧部
148 スプリング
150,150a 解除操作部材(リリースレバー)
152 被操作部
154 操作軸部
156 押圧部
160,160a 被規制部
162,162a ガイド部
170 ソレノイド
172 フレーム
174 電磁コイル
176 プランジャ
178 保持孔
180 規制部材
182 規制部
184 被支持部
190 ガイドプレート
200 相手側コネクタ(受電側レセプタクルコネクタ)
210 ハウジング
212 内壁
220 受電コンタクト
230 ロック係止部
240 信号コンタクト
250 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記相手側コネクタと前記コネクタとの嵌合状態において前記相手側コネクタに係合して前記嵌合状態をロックするロック部材と、
プランジャを有し且つ所定方向に沿って規制位置と解除位置との間で前記プランジャを駆動するソレノイドと、
規制部を有し且つ前記プランジャに支持された規制部材と、
前記プランジャが前記規制位置にあるとき前記規制部を受容することにより、前記ロック部材による前記ロックの解除を直接的に又は間接的に規制する被規制部と
を備えており、
前記規制部は、前記所定方向と交差する方向である交差方向に延びており、
前記被規制部は、前記プランジャが前記解除位置から前記規制位置まで駆動する際に、前記プランジャの駆動に応じて移動した前記規制部を前記所定方向に沿って受容する
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記被規制部は、前記所定方向及び前記交差方向と直交する方向である移動規制方向に移動し始めることにより、前記ロックの解除がなされるように設けられており、
前記規制部の前記移動規制方向におけるサイズ及び形状は、前記規制部が前記被規制部に受容された際に前記被規制部の前記移動規制方向への移動を妨げるようにして決定されている
コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタであって、
操作された際に変位して前記ロック部材の前記相手側コネクタに対する係合を解除する解除操作部材を更に備えており、
前記被規制部は、前記解除操作部材に設けられており、
前記規制部は、前記プランジャが前記規制位置にあるとき、前記被規制部に受容されることにより前記解除操作部材の前記変位を規制し、それによって、前記ロック部材による前記ロックの解除を間接的に規制する
コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタであって、
シェルを更に備えており、
前記ロック部材は、ロック軸部とロック部と被押圧部とを有していると共に、前記ロック軸部の回りに回動可能となるように前記シェルに保持されており、
前記ロック軸部は、前記ロック部と前記被押圧部との間に位置しており、
前記解除操作部材は、操作軸部と被操作部と押圧部とを有していると共に、前記操作軸部の回りに回動可能となるように前記シェルに保持されており、
前記操作軸部は、前記被操作部と前記押圧部との間に位置しており、
前記被操作部が操作されると、前記押圧部が前記被押圧部を押圧し、それによって前記相手側コネクタとの前記ロック部の係合が解除されるコネクタにおいて、
前記被規制部は、前記操作軸部に対してよりも前記押圧部に対して近い位置に設けられている
コネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコネクタであって、
前記被規制部は、前記所定方向に凹んだ凹部である
コネクタ。
【請求項6】
請求項5記載のコネクタであって、
前記規制部の前記被規制部への受容をガイドするガイド部を更に備えている
コネクタ。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載のコネクタであって、
前記プランジャには、前記交差方向において前記プランジャを貫通する保持孔が形成されており、
前記規制部材は、前記保持孔に挿入支持されている
コネクタ。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のコネクタであって、
前記規制部材は、棒状形状を有している
コネクタ。
【請求項9】
請求項8記載のコネクタであって、
前記交差方向は、前記所定方向と直交する方向である
コネクタ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のコネクタであって、
前記ソレノイドは、プル型ソレノイドであり、
前記プランジャは、前記解除位置にあるときには、前記規制位置にあるときと比較して前記所定方向の外側に突出している
コネクタ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のコネクタであって、
前記プランジャの駆動に伴う前記規制部の移動を前記所定方向に向かうようにガイドするガイドプレートを更に備えている
コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−156032(P2012−156032A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14781(P2011−14781)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】