説明

コネクタ

【目的】 本発明の目的は、フレキシブルな導電体が捩じられたとしても、当該導電体に対する接続を維持することが可能なコネクタを提供する。
【構成】 コネクタは、互いに対向するように配置されており且つフレキシブルな導電布を挟持可能な導電部200a、200bと、クリップバネ300とを備えている。導電部200aは、係止孔214aを有し、導電部200bは、槍状の係止突部231bを有している。導電部200a、200bが導電布を挟持した状態で、係止突部231bが導電布を貫通し、係止孔214aに挿入される。クリップバネ300は、導電布を挟持した導電部200a、200bを挟持する略C字状のバネ部である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電布等のフレキシブルな導電体に接続可能なコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコネクタとしては、開閉可能に連結された第1、第2プレートと、この第1プレートに固着された導電金属板とを備えたものがある。導電金属板には、ロケーティングテープ(フレキシブルな導電体)を貫通し、第2プレートに設けられた複数の孔に挿入される複数の爪部が設けられている(特許文献1参照)。すなわち、導電金属板の爪がロケーティングテープを貫通することにより、導電金属板がロケーティングテープに電気的に接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−135222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記コネクタは、第1プレートに設けられた係止爪が、第2プレートに設けられた係止孔に係止されることにより、導電金属板の爪がロケーティングテープを貫通し、第2プレートの孔に挿入された状態(すなわち、接続状態)が維持されるようになっている。ロケーティングテープはフレキシブルであるので、ロケーティングテープが捩じられると、係止爪が係止孔から外れ、接続状態が解除される恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、フレキシブルな導電体が捩じられたとしても、当該導電体に対する接続を維持することが可能なコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1コネクタは、互いに対向するように配置されており且つフレキシブルな導電体を挟持可能な第1、第2導電部と、付勢手段とを備えている。前記第1導電部は係止孔又は係止凹部を有している。前記第2導電部は、槍状の係止突部を有している。前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記係止突部が当該導電体を貫通し、前記係止孔又は係止凹部に挿入されている。前記付勢手段は、前記導電体を挟持した前記第1、第2導電部を挟持する略C字状のクランプ部を有している。
【0007】
本発明の第2コネクタは、互いに対向するように配置されており且つフレキシブルな導電体を挟持可能な第1、第2導電部と、前記第1、第2導電部が固着された第1、第2ボディと、付勢手段とを備えている。前記第1ボディ及び第1導電部の少なくとも一方は、係止孔又は係止凹部を有している。前記第2ボディ及び第2導電部の少なくとも一方は、槍状の係止突部を有している。前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記係止突部が当該導電体を貫通し、前記係止孔又は係止凹部に挿入されている。前記付勢手段は、前記導電体を挟持した前記第1、第2導電部を挟持する略C字状のクランプ部を有している。
【0008】
このような第1、第2コネクタによる場合、第1、第2導電部が導電体を挟持した状態で、前記係止突部が当該導電体を貫通し、前記係止孔又は係止凹部に挿入される。この第1、第2導電部がクランプ部に挟持されているので、導電体が捩じられたとしても、第1、第2導電部が導電体を挟持した状態で維持することが可能になる。しかも、係止突部が導電体を貫通し、前記係止孔又は係止凹部に挿入されているので、本第1、第2コネクタの導電体に対する引っ張り強度も向上させることができる。前記係止突部が前記係止孔又は係止凹部に挿入されるので、導電体が引っ張られることによる前記係止突部の変形を抑止することができる。
【0009】
前記第1コネクタは、前記第1、第2導電部が固着された第1、第2ボディを更に備えた構成とすることが可能である。この場合、前記第1、第2ボディに、前記付勢手段を収容する第1、第2収容凹部が設けられた構成とすることも可能である。また、前記第2コネクタも、前記第1、第2ボディに前記付勢手段を収容する第1、第2収容凹部が設けられた構成とすることが可能である。
【0010】
これらの態様の発明による場合、第1、第2ボディの第1、第2収容凹部に付勢手段が収容されているので、付勢手段に対する外部から干渉を防ぐことができる。よって、付勢手段が外部から干渉され、付勢手段の第1、第2導電部に対する挟持が不用意に外れるのを防止することができる。
【0011】
前記第1、第2コネクタは、第1係止手段を更に備えた構成とすることが可能である。前記第1、第2導電部は、前記導電体に当接可能な第1面と、その裏側の第2面とを更に有している。前記クランプ部は、前記第1、第2導電部の第2面に弾性的に当接する第1、第2アームを有している。前記第1係止手段は、前記第1、第2アームが前記第1、第2導電部の第2面に弾性的に当接した状態で当該第1、第2アームを係止可能になっている。このような態様の発明による場合、第1係止手段によりクランプ部の第1、第2アームが第1、第2導電部の第2面に弾性的に当接した状態で係止されるので、クランプ部の第1、第2導電部に対する保持力を更に向上させることができる。その結果、導電体に対する引っ張り強度も更に向上させることができる。
【0012】
前記第1係止手段は、前記第1、第2導電部に設けられ、前記第1、第2アームを係止する第1、第2段差部を有する構成とすることが可能である。このような態様の発明による場合、第1、第2アームが第1、第2段差部を乗り越えるだけで、当該第1、第2段差部に係止され、位置決め固定されるので、付勢手段の第1、第2導電部に対する取り付け及び取り外しが簡単になる。
【0013】
また、前記第1係止手段は、前記第1、第2導電部に設けられた第1、第2突部又は第1、第2孔部と、前記第1、第2アームに設けられた第1、第2孔部又は第1、第2突部とを有する構成とすることが可能である。この場合、前記第1、第2突部が前記第1、第2孔部に係止可能になっている。このような態様の発明による場合、前記第1、第2突部が前記第1、第2孔部に係止されるので、クランプ部の第1、第2導電部に対する保持力を更に向上させることができる。
【0014】
前記第1、第2導電部の少なくとも一方が、ケーブルに接続可能な接続部を更に有する構成とすることが可能である。このような態様の発明による場合、接続部にケーブルを接続することができるので、前記第1、第2コネクタの外部接続が容易になる。
【0015】
前記第1ボディは、ヒンジ軸又はヒンジ孔を有し、前記第2ボディは、ヒンジ孔又はヒンジ軸を有する構成とすることが可能である。前記ヒンジ軸が前記ヒンジ孔に嵌合している。前記ヒンジ軸は円筒状とすることができ、当該ヒンジ軸及びヒンジ孔を通じて前記ケーブルが挿入され、前記接続部に接続可能となっている。
【0016】
このような態様の発明による場合、ヒンジ軸及びヒンジ孔を通じて前記ケーブルが挿入され、接続部に接続することができるので、ケーブルの引き回しが容易になる。
【0017】
前記第1、第2導電部の少なくとも一方が、ケーブルを保持可能な保持部を更に有する構成とすることが可能である。このような態様の発明による場合、保持部によりケーブルが保持されるので、ケーブルの引っ張り強度を向上させることができる。
【0018】
前記第1、第2導電部の前記第1面には突起が設けられていることが好ましい。このような態様の発明による場合、第1、第2導電板の第1面の突起が導電体に各々接触するので、導電体に対する摩擦抵抗が増大し、導電体に対する引っ張り強度を向上させることができる。また、第1、第2導電板の第1面の突起が導電体に各々弾性的に接触するので、導電体に対する安定した接触抵抗値を得ることができる。よって、第1、第2コネクタの接続安定性の向上を図ることができる。
【0019】
前記突起は四角錐であることが好ましい。このような態様の発明による場合、突起の表面積が大きくなるので、導電体に対する摩擦抵抗を更に増大させ、導電体に対する引っ張り強度を更に向上させることができる。しかも、突起の表面積が大きくなることにより、更に導電体に対する安定した接触抵抗値を得ることができるので、第1、第2コネクタの接続安定性の向上を図ることができる。
【0020】
複数の前記係止突部が、前記第2導電部の第1面の両外側に配置された構成とすることが可能である。この場合、複数の前記係止孔又は係止凹部が、前記第1導電部の第1面の両端部に配置されている。
【0021】
前記係止突部には、かえりが設けられた構成とすることが可能である。このような態様の発明による場合、かえりにより、係止突部が導電体を貫通した状態から抜け難くなる。よって、導電体に対する引っ張り強度を更に向上させることができる。また、かえりが係止孔又は係止凹部に係止される場合には、第1、第2導電部の導電体に対する保持力を更に向上させることができる。
【0022】
前記第1、第2コネクタは、前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記第1ボディを前記第2ボディに係止させる第2係止手段を更に備えた構成とすることが可能である。例えば、前記第2係止手段は、前記第1、第2ボディの何れか一方に設けられた係止爪と、他方に設けられ且つ前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記係止爪を係止する係止孔又は係止凹部とを有する構成とすることが可能である。これらの発明の態様による場合、前記第2係止手段により、前記第1ボディが前記第2ボディに係止され、前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で維持される。

【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明の実施例1に係るコネクタの閉状態の正面、平面及び右側面を表した斜視図である。
【図1B】前記コネクタの閉状態の背面、平面及び左側面を表した斜視図である。
【図1C】前記コネクタの閉状態を示す平面図である。
【図1D】前記コネクタの閉状態を示す底面図である。
【図1E】前記コネクタの開状態の正面、平面及び右側面を表した斜視図である。
【図2A】前記コネクタの図1A中の2A−2A断面図である。
【図2B】前記コネクタの図1A中の2B−2B断面図である。
【図3A】前記コネクタの第1ボディ及びこれに取り付けられた第1導電部の正面、底面及び左側面を表した斜視図である。
【図3B】前記コネクタの第2ボディ及びこれに取り付けられた第2導電部の正面、平面及び右側面を表した斜視図である。
【図4】前記コネクタの正面、平面及び右側面を表した分解斜視図である。
【図5A】前記コネクタの第1ボディの背面、平面及び左側面を表した斜視図である。
【図5B】前記コネクタの第1ボディの背面、底面及び右側面を表した斜視図である。
【図6A】前記コネクタの第2ボディの背面、平面及び左側面を表した斜視図である。
【図6B】前記コネクタの第2ボディの背面、底面及び右側面を表した斜視図である。
【図7A】前記コネクタの第1導電部の背面、平面及び左側面を表した斜視図である。
【図7B】前記コネクタの第1導電部の背面、底面及び右側面を表した斜視図である。
【図8A】前記コネクタの第2導電部の背面、平面及び左側面を表した斜視図である。
【図8B】前記コネクタの第2導電部の背面、底面及び右側面を表した斜視図である。
【図9A】本発明の実施例2に係るコネクタの閉状態の正面、平面及び右側面を表した斜視図である。
【図9B】前記コネクタの開状態の正面、平面及び右側面を表した斜視図である。
【図10A】前記コネクタの正面、平面及び右側面を表した分解斜視図である。
【図10B】前記コネクタの正面、底面及び左側面を表した分解斜視図である。
【図11A】前記コネクタの第1ボディ及びこれに取り付けられた第1導電部の正面、底面及び左側面を表した斜視図である。
【図11B】前記コネクタの第2ボディ及びこれに取り付けられた第2導電部の正面、平面及び右側面を表した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例1及び2について説明する。
【実施例1】
【0025】
まず、本発明の実施例1に係るコネクタについて図1A〜図8Bを参照しつつ説明する。ここに掲げるコネクタは、図示しないフレキシブルな導電布(導電体)及びケーブルCに接続可能なコネクタである。このコネクタは、図1A〜図2Bに示すように、ボディ100a、100b(第1、第2ボディ)と、導電部200a、200b(第1、第2導電部)と、クリップバネ300(付勢手段)とを備えている。以下、前記コネクタの各部について詳しく説明する。なお、図1A、図2A及び図4中に、本実施例1における前後方向をD1、この前後方向D1に直交する幅方向をD2として示す。
【0026】
ボディ100aは、図3A、図4、図5A及び図5Bに示すように、絶縁樹脂製の射出成型品である。このボディ100aは、略矩形状のブロック110aと、一対のリング状のヒンジ凸部120aとを有している。ブロック110aの中央部には、矩形状の収容凹部111aが設けられている。この収容凹部111aは、ブロック110aを厚み方向に貫通すると共にブロック110aの前後方向D1の後側が開放されている。収容凹部111aの後端部の幅方向D2の両壁面には、押圧部111a1が懸架されている。この押圧部111a1の上面は、前後方向D1の後側に下り傾斜している。押圧部111a1は、導電部200aの後述する段差部240aの前後方向D1の後側に配置される。
【0027】
ブロック110aの先端部の収容凹部111aの外側部分には、当該ブロック110aを厚み方向に貫通する略矩形状の一対の貫通孔112aが設けられている。ブロック110aの貫通孔112aの外側部分には、当該ブロック110aを厚み方向に貫通する略矩形状の一対の係止スリット113aが設けられている。この係止スリット113aの内側の壁面には、図5Bに示すように、凸部114aが各々設けられている。ブロック110aの収容凹部111a及び貫通孔112aの前側部分には、矩形状の前側スリット115aが設けられている。ブロック110aの貫通孔112aの後側部分には、収容凹部111aに連通する一対のサイド凹部116aが設けられている。更に、ブロック110aの前後方向D1の後側の両角部には、ブロック110aとボディ100bの後述するヒンジ凸部120bとの干渉を避けるための一対の切欠き117aが設けられている。
【0028】
ブロック110aの後端部の切欠き117aの内側部分には、一対のヒンジ凸部120aが設けられている。ヒンジ凸部120aの外側部の中心部にはヒンジ孔121aが、当該ヒンジ凸部120aの内側部の中心部には挿入孔122aが設けられている。ヒンジ孔121aと挿入孔122aは、互いに軸心が一致し且つ連通している。このヒンジ孔121a及び挿入孔122aによりヒンジ凸部120aが幅方向D2に貫通されている。挿入孔122aの内径は、ヒンジ孔121aの内径よりも小さく、ケーブルCの外径よりも若干大きい。すなわち、図1Eに示すようにケーブルCがヒンジ孔121a及び挿入孔122aに挿入可能になっている。
【0029】
ボディ100bは、図3B、図4、図6A及び図6Bに示すように、絶縁樹脂製の射出成型品である。このボディ100bは、略矩形状のブロック110bと、一対のリング状のヒンジ凸部120bとを有している。ブロック110bの中央部には、矩形状の収容凹部111bが設けられている。この収容凹部111bは、ブロック110bを厚み方向に貫通すると共にブロック110bの前後方向D1の後側が開放されている。収容凹部111bの後端部の幅方向D2の両壁面には、押圧部111b1が懸架されている。この押圧部111b1の下面は、前後方向D1の後側に上り傾斜している。押圧部111b1は、導電部200bの後述する段差部240bの前後方向D1の後側に配置される。
【0030】
ブロック110bの先端部の収容凹部111bの外側部分には、当該ブロック110bを厚み方向に貫通する略矩形状の一対の前側係止孔112bが設けられている。この前側係止孔112bの内側の壁面には、図4及び図6Aに示すように、前側凸部113bが各々設けられている。ブロック110bの収容凹部111b及び前側係止孔112bの前側部分には、矩形状の前側スリット114bが設けられている。前側スリット114bの両端は前側係止孔112bに各々連通している。ブロック110bの中間部の収容凹部111bの外側部分には、当該収容凹部111bに連通する一対のサイド凹部115bが設けられている。更に、ブロック110bのサイド凹部115bの外側部分には、一対の略矩形状の後側係止孔116bが設けられている。この後側係止孔116bの内側の壁面には、図3Bに示すように、後側凸部117bが各々設けられている。ブロック110bの後側係止孔116bの後側部分には、ブロック110bとボディ100aのヒンジ凸部120aとの干渉を避けるための一対の窪み118bが設けられている。
【0031】
ブロック110bの窪み118bの外側部分には、一対のヒンジ凸部120bが設けられている。ヒンジ凸部120bの内面間の距離は、ヒンジ凸部120aの外面間の距離と略同じになっている。ヒンジ凸部120bの内面には、円筒状のヒンジ軸121bが突設されている。このヒンジ軸121bがヒンジ凸部120aのヒンジ孔121aに嵌合し、これによりボディ100a、100bが開閉可能にヒンジ結合されている。図1A及び図1Bにボディ100a、100bの閉状態(すなわち、本コネクタの閉状態)が示されており、図1Eにボディ100a、100bの開状態(すなわち、本コネクタの開状態)が示されている。また、ヒンジ凸部120bには、当該ヒンジ凸部120b及びヒンジ軸121bを幅方向D2に貫通する挿入孔122bが設けられている。挿入孔122bの内径は、ケーブルCの外径よりも若干大きい。すなわち、図1Eに示すようにケーブルCが挿入孔122bに挿入可能になっている。
【0032】
導電部200aは、図3A、図4、図7A及び図7Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。この導電部200aは、メインプレート210aと、サイド係止片220a、前側プレート230aと、段差部240a(第1係止手段の第1段差部)と、一対の接続部250aと、一対の保持部260aとを有している。メインプレート210aは略矩形状の板であって、第1面211a(第1導電部の第1面)と、その裏側の第2面212a(第1導電部の第2面)とを有している。第1面211aは導電布に接触する部位である。第1面211aの中間部には、複数の四角錐状の突起213aが千鳥状に配設されている。メインプレート210aの幅方向D2の両端部(第1面211aの両端部)には、係止孔214aが2つずつ前後方向D1に並べて設けられている。このメインプレート210aは、図3Aに示すように、ボディ100aの内側面(ボディ100b対向面)上に収容凹部111aの前後方向D1の前側部分及び一対の貫通孔112aを覆うように配置されている。メインプレート210aの第2面212aの中央部は、収容凹部111aから外部に露出しており、メインプレート210aの第2面212aの幅方向D2の両端部は貫通孔112aから外部に露出している。メインプレート210aの係止孔214aは貫通孔112aに連通している。
【0033】
メインプレート210aの幅方向D2の両端には、一対のサイド係止片220aが設けられている。サイド係止片220aは、メインプレート210aに対して略直角に折り曲げられ且つ上側に延びている。サイド係止片220aの中央部には、略矩形状の係止孔221aが設けられている。サイド係止片220aがボディ100aの係止スリット113aに挿入される一方、ボディ100aの凸部114aがサイド係止片220aの係止孔221aに係止される。これにより、導電部200aがボディ100aの内側部に固着されている。
【0034】
メインプレート210aの先端には、前側プレート230aが設けられている。前側プレート230aは、メインプレート210aに対して略直角に折り曲げられ、サイド係止片220aと同方向に延びている。この前側プレート230aはボディ100aの前側スリット115aに挿入されている。
【0035】
メインプレート210aの後端には段差部240aが連設されている。段差部240aは、傾斜プレート241aと、アームプレート242aとを有している。傾斜プレート241aは、メインプレート210aに対して折り曲げられ、前後方向D1の後方に上り傾斜している(図2A参照)。傾斜プレート241aは、その幅方向D2の両端部がボディ100aのサイド凹部116aに収容され、中央部がボディ100aの収容凹部111aから外部に露出している。傾斜プレート241aの中央部には、突片241a1(第1突部)が設けられている。アームプレート242aは、傾斜プレート241aの後端中央部に連設され且つ前後方向D1の後方に下り傾斜した傾斜プレート241aよりも幅狭な矩形状の板である。アームプレート242aも、収容凹部111aから外部に露出している。
【0036】
段差部240aの後端部の両端には、円筒状に湾曲した板である一対の接続部250aが連設されている。接続部250aの外側には、円筒状に湾曲した板である保持部260aが連設されている。接続部250a及び保持部260aは、その軸心がボディ100aのヒンジ凸部120aのヒンジ孔121aと挿入孔122aの軸心と略一致するように当該ヒンジ凸部120aの間に配置されている。換言すると、接続部250a、保持部260a、ヒンジ孔121aと挿入孔122aは、幅方向D2に沿って配置され、互いに通じている。接続部250aの内径はケーブルCの芯線の外径よりも若干大きくなっている。保持部260aの内径はケーブルCの外径よりも若干大きくなっている。すなわち、図1Eに示すように、保持部260aにケーブルCが挿入可能であり、接続部250aにケーブルCの芯線が挿入可能になっている。
【0037】
導電部200bは、図3B、図4、図8A及び図8Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。この導電部200bは、メインプレート210bと、前側プレート220bと、一対のサイドプレート230bと、段差部240b(第1係止手段の第2段差部)と、一対のサイド係止片250bとを有している。メインプレート210bは略矩形状の板であって、第1面211b(第2導電部の第1面)と、その裏側の第2面212b(第2導電部の第2面)とを有している。第1面211bは導電布に接触する部位である。第1面211bには、複数の四角錐状の突起213bが千鳥状に配設されている。このメインプレート210bは、図3Bに示すように、ボディ100bの内側面(ボディ100a対向面)上に収容凹部111bの前後方向D1の前側部分を覆うように配置されている。メインプレート210bの第1面211bと、メインプレート210aの第1面211aとは互いに対向しており、第1面211b、211a間に導電布が挟持可能となっている。また、メインプレート210bの第2面212bの中央部は、収容凹部111bから外部に露出している。
【0038】
メインプレート210bの先端には、前側プレート220bが設けられている。前側プレート220bは、メインプレート210bに対して略直角に折り曲げられ且つ下側に延びている。この前側プレート220bはボディ100bの前側スリット114bに挿入されている。前側プレート220bの両端には、一対のサイドプレート230bが連設されている。このサイドプレート230bは、前側プレート220bに対して略直角に折り曲げられ、前後方向D1の後方に延びている。サイドプレート230bには、導電部200a側(上側)に延びる槍状の係止突部231bが2つずつ前後方向D1に並べて設けられている。係止突部231bはメインプレート210bの第1面211bの幅方向D2の両外側に配置され、導電部200aの係止孔214a及びボディ100aの貫通孔112aに各々挿入可能となっている(図2B参照)。サイドプレート230bは、図3Bに示すようにボディ100bの前側係止孔112bに各々挿入される一方、ボディ100bの前側凸部113bがサイドプレート230bの係止突部231bの間の部分(係止部232b)に各々係止される。
【0039】
メインプレート210bの後端には段差部240bが連設されている。段差部240bは、傾斜プレート241bと、水平プレート242bとを有している。傾斜プレート241bは、メインプレート210bに対して折り曲げられ、前後方向D1の後方に下り傾斜している(図2A参照)。傾斜プレート241bの中央部には、突片241b1(第2突部)が設けられている。水平プレート242bは、傾斜プレート241bの後端に連設され且つ前後方向D1の後方に延びる矩形状の板である。傾斜プレート241b及び水平プレート242bは、その幅方向D2の両端部がボディ100bのサイド凹部115bに収容され、中央部がボディ100bの収容凹部111bから外部に露出している。
【0040】
水平プレート242bの両端には、一対のサイド係止片250bが連設されている。サイド係止片250bは、水平プレート242bに対して略直角に折り曲げられ且つ且つ下側に延びている。サイド係止片250bの中央部には、略矩形状の係止孔251bが各々設けられている。サイド係止片250bが、図3Bに示すように、ボディ100bの後側係止孔116bに各々挿入される一方、ボディ100bの後側凸部117bがサイド係止片250bの係止孔251bに各々係止される。サイドプレート230b、サイド係止片220aが前側係止孔112b、後側係止孔116bに係止されることにより、導電部200bがボディ100bの内側部に固着されている。
【0041】
クリップバネ300(付勢手段のクランプ部)は、図1A〜図1D、図2A及び図4に示すように、略C字状の導電性を有する金属板である。このクリップバネ300は、第1、第2アーム310、320と、中間部330とを有している。中間部330は略矩形状の板部である。第1、第2アーム310、320は、基端部と、傾斜部と、先端部とを有する板部である。第1アーム310の先端から中間部330の後端面までの前後方向D1の距離はボディ100aの収容凹部111aの前後方向D1の長さ寸法より小さく、第2アーム320の先端から中間部330の後端面までの前後方向D1の距離はボディ100bの収容凹部111bの前後方向D1の長さ寸法より小さくなっている。また、第1、第2アーム310、320及び中間部330の幅方向D2の寸法が、ボディ100a、100bの収容凹部111a、111bの幅方向D2の寸法より小さくなっている。すなわち、第1、第2アーム310、320及び中間部330が、後述する係止状態で収容凹部111a、111bに収容可能となっている。
【0042】
第1、第2アーム310、320の基端部は、中間部330の上端に連設された板部であって、半球状の操作凸部312、322が設けられている。この操作凸部312、322が操作されることにより、クリップバネ300が弾性変形し、第1、第2アーム310、320が開くようになっている。第1、第2アーム310、320の傾斜部は、前記基端部に連設され且つ互いに近づく方向に傾斜した板部であって、矩形状の孔部311、321(付勢手段の第1、第2孔部)が設けられている。
【0043】
第1、第2アーム310、320の先端部は、前記傾斜部に連設された板部であって、互いに離れる方向に湾曲している。第1、第2アーム310、320の先端部の頂部間の距離は、導電部200aのメインプレート210aの厚み寸法と導電部200bのメインプレート210bの厚み寸法と導電布の厚み寸法との和よりも小さくなっている。導電部200aのメインプレート210aと導電部200bのメインプレート210bのとの間に導電布が挟持された状態で、第1、第2アーム310、320が収容凹部111a、111bに収容されると、第1、第2アーム310、320が押圧部111a1、111b1及び段差部240a、240bを乗り越え、メインプレート210a、210bの第2面212a、212bに弾性的に当接する。これにより、導電部200a、200bがクリップバネ300に弾性的に挟持される。この状態(係止状態)で、第1、第2アーム310、320の前記傾斜部が導電部200a、200bの段差部240a、240bに係止されると共に、段差部240a、240bの突片241a1、241b1が第1、第2アーム310、320の孔部311、321に係止される。
【0044】
以下、上述した構成のコネクタ(クリップバネ300の取り付け工程を除く。)の組み立て工程について詳しく説明する。まず、周知の射出成型法により作成されたボディ100aを用意すると共に、周知のプレス成型法により作成された導電部200aを用意する。その後、導電部200aのサイド係止片220aをボディ100aの係止スリット113aに各々挿入すると共に、導電部200aの前側プレート230aをボディ100aの前側スリット115aに挿入する。すると、係止スリット113a内の凸部114aがサイド係止片220aの係止孔221aに各々係止される。このとき、導電部200aのメインプレート210aがボディ100aの内側面(ボディ100b対向面)上に収容凹部111aの前側部分及び貫通孔112aを覆うように配置され、導電部200aの傾斜プレート241aの両端部がボディ100aのサイド凹部116aに各々収容される。また、導電部200aの接続部250a及び保持部260aがボディ100aのヒンジ凸部120aの間に配置される。
【0045】
その一方で、周知の射出成型法により作成されたボディ100bを用意すると共に、周知のプレス成型法により作成された導電部200bを用意する。その後、導電部200bの前側プレート220bをボディ100bの前側スリット114bに挿入し、導電部200bのサイドプレート230bをボディ100bの前側係止孔112bに各々挿入し、導電部200bのサイド係止片250bをボディ100bの後側係止孔116bに各々挿入する。すると、前側係止孔112b内の前側凸部113bがサイドプレート230bの係止部232bに各々係止されると共に、後側係止孔116b内の後側凸部117bがサイド係止片250bの係止孔251bに各々係止される。このとき、メインプレート210bがボディ100bの内側面上に収容凹部111bの前側部分を覆うように配置され、傾斜プレート241b及び水平プレート242b(段差部240b)の両端部がボディ100bのサイド凹部115bに収容される。
【0046】
その後、ボディ100bのヒンジ軸121bをボディ100aのヒンジ孔121aに各々嵌合させる。これにより、ボディ100a、100bが開閉可能にヒンジ結合される。
【0047】
その後、ボディ100a、100bを開状態とする。その後、ボディ100bの挿入孔122b、ボディ100aのヒンジ孔121aと挿入孔122a及び導電部200aの一方の保持部260aにケーブルCを挿入し、導電部200aの接続部250aの少なくとも一方にケーブルCの芯線を挿入する。その後、保持部260a及び接続部250aをかしめる。これにより、ケーブルCが保持部260aに保持され、芯線が接続部250aに保持され且つ電気接続される。その後、芯線と接続部250aとを半田接続しても良い。
【0048】
以下、本コネクタに導電布を接続する手順について説明すると共に、クリップバネ300の取り付け手順についても説明する。まず、開状態のボディ100a、100bの間に導電布を挿入する。その後、ボディ100a、100bを閉じる。すると、導電部200aのメインプレート210aと導電部200bのメインプレート210bとの間で導電布が挟まれる。このとき、導電部200bの係止突部231bが、導電布を貫通し、導電部200aの係止孔214a及びボディ100aの貫通孔112aに各々挿入される。
【0049】
その後、ボディ100a、100bの収容凹部111a、111bにクリップバネ300の第1、第2アーム310、320を挿入する。すると、第1、第2アーム310、320が収容凹部111a、111b内の押圧部111a1、111b1に押圧され、互いに離れる方向に弾性変形する。第1、第2アーム310、320が押圧部111a1、111b1及び導電部200a、200bの段差部240a、240bを乗り越えると、第1、第2アーム310、320の先端が導電部200a、200bのメインプレート210a、210bの第2面212a、212bに弾性的に当接する。このとき、第1、第2アーム310、320が導電部200a、200bの段差部240a、240bに係止されると共に、段差部240a、240bの突片241a1、241b1が第1、第2アーム310、320の孔部311、321に係止される。これにより、クリップバネ300が導電部200a、200bに取り付けられ、導電布を挟持した導電部200a、200bを弾性的に挟持する。
【0050】
クリップバネ300を取り外すときには、操作凸部312、322を押圧し、第1、第2アーム310、320を開くように弾性変形させる。これにより、第1、第2アーム310、320と段差部240a、240bとの係止が解除されると共に、段差部240a、240bの突片241a1、241b1と第1、第2アーム310、320の孔部311、321との係止が解除される。その後、クリップバネ300をボディ100a、100bの収容凹部111a、111bから引き抜く。
【0051】
その後、ボディ100a、100bを開く。すると、導電部200bの係止突部231bが、導電部200aの係止孔214a、ボディ100aの貫通孔112a及び導電布から各々抜ける。これにより、導電布を導電部200aのメインプレート210aと導電部200bのメインプレート210bとの間から引き抜くことができる。
【0052】
以上のようなコネクタによる場合、導電部200aのメインプレート210aと導電部200bのメインプレート210bとが導電布を挟持した状態で、導電部200bの係止突部231bが、導電布を貫通し、導電部200aの係止孔214a及びボディ100aの貫通孔112aに各々挿入されるようになっている。この導電部200a、200bがクリップバネ300に挟持されているので、導電布が捩じられたとしても、導電部200a、200bが導電布を挟持した状態を維持することができる。
【0053】
しかも、係止突部231bが導電布を貫通し、導電部200aの係止孔214aに挿入されているので、本コネクタの導電布に対する引っ張り強度を向上させることができる。係止突部231bが導電部200aの係止孔214aに挿入されるので、導電布が引っ張られることによる係止突部231bの変形を抑止することができる。また、導電部200a、200bの第1面211a、211bの突起213a、213bが導電布に弾性的に接触するようになっているので、導電部200a、200bの第1面211a、211bの導電布に対する接触面積を大きくすることができる。よって、導電部200a、200bの導電布に対する摩擦抵抗が増大し、この点でも本コネクタの導電布に対する引っ張り強度を向上させることができる。更に、導電部200a、200bの複数の四角錐状の突起213a、213bが、導電布に弾性的に接触することにより、導電布に対する安定した接触抵抗値を得ることができるので、本コネクタの接続安定性の向上を図ることができる。
【0054】
また、クリップバネ300がボディ100a、100bの収容凹部111a、111bに収容されているので、クリップバネ300がボディ100a、100bの外部から干渉されるのを防ぐことができる。よって、クリップバネ300が外部から干渉され、クリップバネ300の導電部200a、200bに対する挟持が不用意に外れるのを防止することができる。
【0055】
また、導電部200aと導電部200bとが導電布を挟持し、導電部200bの係止突部231bが導電布を貫通し、導電部200aの係止孔214a及びボディ100aの貫通孔112aに各々挿入されるだけであるので、クリップバネ300を取り外し、ボディ100a、100bを開くだけで、本コネクタと導電布との接続を簡単に解除することができる。よって、本コネクタは、導電布に対する接続位置を簡単に変更することが可能になるので、設計自由度の向上を図ることができる。また、クリップバネ300は、導電部200a、200bの段差部240a、240bを乗り越えるだけで、当該段差部240a、240bに係止され、位置決め固定されるので、クリップバネ300の導電部200a、200bに対する取り付け及び取り外しが簡単になる。
【実施例2】
【0056】
次に、本発明の実施例2に係るコネクタについて図9A〜図11Bを参照しつつ説明する。ここに掲げるコネクタは、図示しないフレキシブルな導電布(導電体)及びケーブルCに接続可能なコネクタである。このコネクタは、図9A及び図9Bに示すように、ボディ400a、400b(第1、第2ボディ)と、導電部500a、500b(第1、第2導電部)と、クリップバネ600(付勢手段)とを備えている。以下、前記コネクタの各部について詳しく説明する。なお、図9A、図10A及び図10B中に、本実施例2における前後方向をD1、この前後方向D1に直交する幅方向をD2として示す。
【0057】
ボディ400aは、図9A〜11Aに示すように、絶縁樹脂製の射出成型品である。このボディ400aは、略矩形状のブロック410aと、一対のリング状のヒンジ凸部420aと、一対の係止部430aとを有している。ブロック410aの中央部には、矩形状の収容凹部411aが設けられている。この収容凹部411aは、ブロック410aを厚み方向に貫通すると共にブロック410aの前後方向D1の後側が開放されている。収容凹部411aの後端部の幅方向D2の両壁面には、押圧部411a1が懸架されている。この押圧部411a1の上面は、前後方向D1の後側に下り傾斜している。押圧部411a1は、導電部500aの後述する段差部540aの前後方向D1の後側に配置される。
【0058】
ブロック410aの先端部の下面には、図10Bに示すように、略矩形状の取付凹部412aが設けられている。ブロック410aの収容凹部411aの前後方向D1の前側部分には、取付凹部412aの底面からブロック410aの上面にかけて貫通する略矩形状のスリット413aが設けられている。また、ブロック410aのスリット413aの前側部分には、スリット413aに直交し且つ連通する略矩形状の横孔414aが設けられている。ブロック410aのスリット413aの外側部分には、円柱状の挿入穴415aが2つずつ幅方向D2に並べて設けられている。ブロック410aの取付凹部412aの幅方向D2の両端部の後側部分には、一対の係止スリット416aが設けられている。係止スリット416aの前後方向D1の前側の壁面には、図示しない凸部が各々設けられている。ブロック410aの収容凹部411aの幅方向D2の両壁部には、収容凹部411aに連通する一対のサイド凹部417aが設けられている。更に、ブロック410aの前後方向D1の後側の両角部には、ブロック410aとボディ400bの後述するヒンジ凸部420bとの干渉を避けるための一対の切欠き418aが設けられている。
【0059】
ブロック410aの後端部の切欠き418aの内側部分には、一対のヒンジ凸部420aが設けられている。ヒンジ凸部420aの構成は、実施例1のヒンジ凸部120aと略同じ構成となっている。図10A〜11A中の421aはヒンジ孔、422aは挿入孔である。よって、重複する説明は省略する。ヒンジ凸部420aの前後方向D1の前側には、略矩形状の凸部である係止部430a(第2係止手段)が連設されている。この係止凸部430aの外面には係止爪431aが設けられている。
【0060】
ボディ400bは、図9A〜10B及び図11Bに示すように、絶縁樹脂製の射出成型品である。このボディ400bは、略矩形状のブロック410bと、一対のリング状のヒンジ凸部420bと、一対の係止部430bとを有している。ブロック410bの中央部には、矩形状の収容凹部411bが設けられている。この収容凹部411bは、ブロック410bを厚み方向に貫通すると共にブロック410bの前後方向D1の後側が開放されている。収容凹部411bの後端部の幅方向D2の両壁面には、押圧部411b1が懸架されている。この押圧部411b1の下面は、前後方向D1の後側に上り傾斜している。押圧部411b1は、導電部500bの後述する段差部540bの前後方向D1の後側に配置される。
【0061】
ブロック410bの収容凹部411bの前後方向D1の前側部分には、当該ブロック410bを厚み方向に貫通する略矩形状の係止スリット412bが設けられている。この係止スリット412bの中央部の前後方向D1の後側の壁面には、図示しない凸部が設けられている。ブロック410bの収容凹部411bの幅方向D2の両壁部には、収容凹部411bに連通する一対のサイド凹部413bが設けられている。このサイド凹部413bは、前後方向D1の後方に下る段差部を有した形状となっている。
【0062】
ブロック410bの前後方向D1の後側の両角部には、一対のヒンジ凸部420bが設けられている。このブロック410bのヒンジ凸部420bの内側には、ブロック410bとボディ400aのヒンジ凸部420aとの干渉を避けるための一対の窪み414bが設けられている。
【0063】
ヒンジ凸部420bは、実施例1のヒンジ凸部120bと略同じ構成となっている。図10A、図10B及び図11B中の421bはヒンジ軸、422bは挿入孔である。よって、重複する説明は省略する。ヒンジ軸421bがヒンジ凸部420aのヒンジ孔421aに嵌合し、これによりボディ400a、400bが開閉可能にヒンジ結合されている。図9Aにボディ400a、400bの閉状態(すなわち、本コネクタの閉状態)が示されており、図9Bにボディ400a、400bの開状態(すなわち、本コネクタの開状態)が示されている。ヒンジ凸部420bの前後方向D1の前側には、略矩形状の凸部である係止部430b(第2係止手段)が連設されている。係止凸部430bの内面間の距離は、係止凸部430aの外面間の距離よりも若干小さくなっている。係止凸部430bには、当該係止凸部430bを幅方向D2に貫通する係止孔431bが設けられている。前記閉状態において、係止部430aの係止爪431aが係止孔431bに係止可能になっている。
【0064】
導電部500aは、図10A〜図11Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。この導電部500aは、メインプレート510aと、一対のサイド係止片520aと、前側係止片530aと、段差部540a(第1係止手段の第1段差部)と、一対の接続部550aと、一対の保持部560aとを有している。メインプレート510aは略矩形状の板であって、第1面511a(第1導電部の第1面)と、その裏側の第2面512a(第1導電部の第2面)とを有している。第1面511aは導電布に接触する部位である。第1面511aの中間部には、複数の四角錐状の突起513aが千鳥状に配設されている。このメインプレート510aは、図11Aに示すように、ボディ400aの取付凹部412aに収容され、収容凹部411aの前後方向D1の前側部分及び挿入穴415aを覆っている。メインプレート510aの幅方向D2の両端部(第1面511aの両端部)には、係止孔514aが2つずつ幅方向D2に並べて設けられている。この係止孔514aは挿入穴415aに各々連通している。メインプレート510aの第2面512aの中央部は、収容凹部411aから外部に露出している。
【0065】
メインプレート510aの先端の中央部には前側係止片530aが、メインプレート510aの後端の中央部には段差部540aが設けられている。メインプレート510aの後端の両端部には、一対のサイド係止片520aが設けられている。前側係止片530aはメインプレート510aに対して略直角に折り曲げられた略L字状の部材である。この前側係止片530aはボディ400aのスリット413aに挿入され、当該前側係止片530aの先端部が横孔414aに係止されている。サイド係止片520aは、メインプレート510aに対して略直角に折り曲げられ且つ上側に延びている。サイド係止片520aには、略矩形状の係止孔が設けられている。サイド係止片520aがボディ400aの係止スリット416aに挿入される一方、ボディ400aの係止スリット416a内の凸部がサイド係止片520aの係止孔に係止される。このように前側係止片530a、サイド係止片520aが、ボディ400aの横孔414a、係止スリット416aに各々係止されることにより、導電部500aがボディ400aの内側部に固着されている。
【0066】
段差部540aは、実施例1の段差部240aと略同じ構成である。図9B〜図11A中の541aは傾斜プレート、541a1は突片(第1突部)、542aはアームプレートである。よって、重複する説明は省略する。傾斜プレート541aは、幅方向D2の両端部がボディ400aのサイド凹部417aに収容され、中央部がボディ400aの収容凹部411aから外部に露出している。アームプレート542aも、収容凹部411aから外部に露出している。
【0067】
接続部550aは、実施例1の接続部250aと略同じ構成である。保持部560aは実施例1の保持部260aと略同じ構成である。したがって、重複する説明は省略する。
【0068】
導電部500bは、図9B〜図10B及び図11Bに示すように、導電性を有する金属板で構成されている。この導電部500bは、メインプレート510bと、前側係止片520bと、一対のサイドプレート530bと、段差部540b(第1係止手段の第2段差部)とを有している。メインプレート510bは略矩形状の板であって、第1面511b(第2導電部の第1面)と、その裏側の第2面512b(第2導電部の第2面)とを有している。第1面511bは導電布に接触する部位である。第1面511bには、複数の四角錐状の突起513bが千鳥状に配設されている。このメインプレート510bは、図11Bに示すように、幅方向D2の両端部がボディ400bのサイド凹部413bに収容され、収容凹部411bの前後方向D1の前側部分を覆うように配置されている。メインプレート510bの第1面511bと、メインプレート510aの第1面511aとは互いに対向しており、第1面511b、511a間に導電布が挟持可能となっている。また、メインプレート510bの第2面512bの中央部は、収容凹部411bから外部に露出している。
【0069】
メインプレート510bの先端の中央部には前側係止片520bが設けられている。前側係止片520bは、メインプレート510bに対して略直角に折り曲げられ且つ下側に延びている。前側係止片520bには、略矩形状の係止孔が設けられている。前側係止片520bがボディ400bの係止スリット412bに挿入される一方、ボディ400bの係止スリット412b内の凸部が前側係止片520bの係止孔に係止される。メインプレート510bの先端の両端には、一対のサイドプレート530bが連設されている。このサイドプレート530bは、メインプレート510bに対して略直角に折り曲げられ、幅方向D2に延びている。サイドプレート530bの両端には一対の圧入片が設けられている。この圧入片の先端の間の距離は、係止スリット412bの幅方向D2の幅寸法よりも若干大きくなっている。すなわち、サイドプレート530bが前側係止片520bと共に、係止スリット412bに挿入され、前記圧入片が係止スリット412bの幅方向D2の両内壁面に係止される。このように前側係止片520b及びサイドプレート530bが係止スリット412bに係止されることにより、導電部500bがボディ400bの内側部に固着されている。
【0070】
サイドプレート530bには、導電部500a側(上側)に延びる槍状の係止突部531bが2つずつ幅方向D2に並べて設けられている。係止突部531bはメインプレート510bの第1面511bの幅方向D2の両外側に配置され、導電部500aの係止孔514a及びボディ400aの挿入穴415aに各々挿入可能となっている。
【0071】
段差部540bは実施例1の段差部240bと略同じ構成となっている。図10A、図10B及び図11B中の541bは傾斜プレート、541b1は突片(第2突部)、542bは水平プレートである。よって、重複する説明は省略する。傾斜プレート541b及び水平プレート542bは、その幅方向D2の両端部がメインプレート510bの両端部と共にボディ400bのサイド凹部413bに収容され、中央部がボディ400bの収容凹部411bから外部に露出している。
【0072】
クリップバネ600(付勢手段のクランプ部)は、図10A及び図10Bに示すように、略C字状の導電性を有する金属板である。このクリップバネ600は、第1、第2アーム610、620と、中間部630とを有している。中間部630は、略円弧状に湾曲した板部である。第1、第2アーム610、620は、操作凸部312、322を有していない点で実施例1の第1、第2アーム310、320と相違する以外、第1、第2アーム310、320と略同じ構成となっている。図10A及び図10B中の611、621は孔部(付勢手段の第1、第2孔部)である。
【0073】
以下、上述した構成のコネクタ(クリップバネ600の取り付け工程を除く。)の組み立て工程について詳しく説明する。まず、周知の射出成型法により作成されたボディ400aを用意すると共に、周知のプレス成型法により作成された導電部500aを用意する。その後、導電部500aの前側係止片530aをボディ400aのスリット413aに挿入し、当該前側係止片530aの先端部を横孔414aに係止させる。これと共に、導電部500aのサイド係止片520aをボディ400aの係止スリット416aに各々挿入する。すると、ボディ400aの係止スリット416a内の凸部がサイド係止片520aの係止孔に各々係止される。このとき、導電部500aのメインプレート510aがボディ400aの取付凹部412aに収容されると共に、導電部500aの傾斜プレート541aの両端部がボディ400aのサイド凹部417aに収容される。また、導電部500aの接続部550a及び保持部560aがボディ400aのヒンジ凸部420aの間に配置される。
【0074】
その一方で、周知の射出成型法により作成されたボディ400bを用意すると共に、周知のプレス成型法により作成された導電部500bを用意する。その後、導電部500bの前側係止片520b及びサイドプレート530bをボディ400bの係止スリット412bに圧入する。すると、ボディ400bの係止スリット412b内の凸部が前側係止片520bの係止孔に係止され、サイドプレート530bの圧入片が係止スリット412bの両内壁面に係止される。このとき、メインプレート510b及び段差部540bの両端部がボディ400bのサイド凹部413bに収容される。
【0075】
その後、ボディ400bのヒンジ軸421bをボディ400aのヒンジ孔421aに各々嵌合させる。これにより、ボディ400a、400bが開閉可能にヒンジ結合される。その後、ボディ400a、400bを開状態とし、実施例1と同様に、ケーブルCの芯線を接続部550aに電気接続すると共に、ケーブルCを保持部560aに保持させる。
【0076】
以下、本コネクタに導電布を接続する手順について説明すると共に、クリップバネ600の取り付け手順についても説明する。まず、開状態のボディ400a、400bの間に導電布を挿入する。その後、ボディ400a、400bを閉じる。すると、導電部500aのメインプレート510aと導電部500bのメインプレート510bとの間で導電布が挟まれる。このとき、導電部500bの係止突部531bが、導電布を貫通し、導電部500aの係止孔514a及びボディ400aの挿入穴415aに各々挿入される。これと共に、係止部430aの係止爪431aが係止部430bの係止孔431bに係止され、閉状態が仮固定される。
【0077】
その後、ボディ400a、400bの収容凹部411a、411bにクリップバネ600の第1、第2アーム610、620を挿入する。すると、第1、第2アーム610、620が収容凹部411a、411b内の押圧部411a1、411b1に押圧され、互いに離れる方向に弾性変形する。第1、第2アーム610、620が押圧部411a1、411b1及び導電部500a、500bの段差部540a、540bを乗り越えると、第1、第2アーム610、620の先端部が導電部500a、500bのメインプレート510a、510bの第2面512a、512bに弾性的に当接する。このとき、第1、第2アーム610、620が導電部500a、500bの段差部540a、540bに係止されると共に、段差部540a、540bの突片541a1、541b1が第1、第2アーム610、620の孔部611、621に係止される。これにより、クリップバネ600が導電部500a、500bに取り付けられ、導電布を挟持した導電部500a、500bを弾性的に挟持する。
【0078】
クリップバネ600を取り外すときには、第1、第2アーム610、620を開くように弾性変形させる。これにより、第1、第2アーム610、620と段差部540a、540bとの係止が解除されると共に、段差部540a、540bの突片541a1、541b1と第1、第2アーム610、620の孔部611、621との係止が解除される。その後、クリップバネ600をボディ400a、400bの収容凹部411a、411bから引き抜く。
【0079】
その後、ボディ400a、400bを開く。すると、導電部500bの係止突部531bが、導電部500aの係止孔514a、ボディ400aの挿入穴415a及び導電布から各々抜ける。これと共に、係止部430aの係止爪431aと、係止部430bの係止孔431bとの係止が解除される。これにより、導電布を導電部500aのメインプレート510aと導電部500bのメインプレート510bとの間から引き抜くことができる。
【0080】
以上のようなコネクタによる場合、実施例1のコネクタと同様の効果を得ることができる。しかも、係止部430a、430bがヒンジ部120a、120bの近傍に設けられているため、係止部430a、430bによる上記仮固定が誤って解除され難いというメリットを奏する。
【0081】
なお、本発明に係るコネクタは、上記実施例1及び2に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、本コネクタの設計変形例について詳しく説明する。
【0082】
上記実施例1及び2では、導電部200a、200b、500a、500bは、導電性を有する金属板で構成されているとしたが、導電性を有する素材で構成され、互いに対向するように配置され且つ導電布等のフレキシブルな導電体を挟持可能である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1、第2導電部は鋳造法により製造された導電金属を用いることができるし、樹脂体の外面に導電性を有する金属等を蒸着した部材を用いることも可能である。
【0083】
上記実施例1及び2では、導電部200a、500aのメインプレート210a、510aに係止孔214a、514aが、導電部200b、500bのサイドプレート230b、530bに係止突部231b、531bが設けられているとしたが、これに限定されるものではない。係止孔は第1導電部及び第1ボディの少なくとも一方の任意の箇所に設けることが可能であり、槍状の係止突部は第2導電部及び第2ボディの少なくとも一方の前記係止孔に挿入可能な箇所に設けることが可能である。また、前記係止孔は係止凹部とすることが可能である。
【0084】
更に、係止突部には、かえりを設けることが可能である。この場合、前記係止突部及びかえりが導電布等のフレキシブルな導電体を貫通することで、前記かえりが導電体からの抜けを防止する役割を果たす。よって、係止凸部が導電体から抜け難くなるので、本コネクタの導電体に対する引っ張り強度を更に向上させることができる。また、前記かえりが前記係止孔又は係止凹部に係止される構成とすることも可能である。この場合、かえりが前記係止孔又は係止凹部に係止されることにより、前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で維持されるので、本コネクタの導電体に対する引っ張り強度を更に向上させることができる。
【0085】
上記実施例1及び2では、導電部200a、200b、500a、500bの第1面211a、211b、511a、511bには、四角錐状の突起214a、214b、514a、514bが設けられているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1、第2導電部が導電体に面接触するだけで、電気的導通を図れる場合には、突起を省略することが可能である。また、突起の形状としては、四角錐だけに限定されるものではなく、三角錐、おろし金のような切り上げ片等の様々な凸形状とすることが可能である。
【0086】
上記実施例1及び2では、導電部200a、500aが接続部250a、550aを有するとしたが、これに限定されるものではない。接続部については、第1、第2導電部の少なくとも一方に設けられていれば良く、ケーブルに接続可能な部位である限りその形状を任意に設計変更することが可能である。上記実施例1及び2では、導電部200a、500aが保持部260a、560aを有するとしたが、これに限定されるものではない。保持部については、第1、第2導電部の少なくとも一方に設けられていれば良く、ケーブルを保持可能な部位である限りその形状を任意に設計変更することが可能である。なお、本発明に係るコネクタがケーブルに接続されない場合には、接続部は省略可能である。また、本発明に係るコネクタがケーブルに接続されない場合、又は接続部及びその他の部材がケーブルに強度を持って固定される場合には、保持部を省略することが可能である。
【0087】
上記実施例1及び2では、クリップバネ300、600は略C字状の導電板であるとしたが、導電体を挟持した第1、第2導電部を挟持する略C字状のクランプ部を有している限り任意に設計変更することが可能である。クリップバネ300、600は導電性を有している必要はなく、樹脂製の略C字状のクランプ部を有する構成とすることが可能である。また、クリップバネ300、600は、導電部200a、200b、500a、500bを直接的に挟持するとしたが、間接的に挟持する構成とすることが可能である。例えば、クリップバネ300、600がボディ100a、100b、400a、400bを挟持することで、導電部200a、200b、500a、500bを挟持する構成とすることが可能である。
【0088】
上記実施例1及び2では、第1係止手段は、第1、第2アーム310、320、610、620が係止可能な導電部200a、200b、500a、500bの段差部240a、240b、540a、540bと、段差部240a、240b、540a、540bの突片241a1、241b1、541a1、541b1と、突片241a1、241b1、541a1、541b1が係止される第1、第2アーム310、320、610、620の孔部311、321、611、621とを有するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1係止手段は、段差部のみとすることが可能である。また、第1係止手段は、第1、第2導電部に設けられた第1、第2突部又は第1、第2孔部と、第1、第2アームに設けられた第1、第2孔部又は第1、第2突部とを有し、前記第1、第2突部が前記第1、第2孔部に係止可能になっている構成とすることが可能である。また、前記係止手段は、第1、第2導電部に設けられ、第1、第2アームを係止可能な凹部とすることも可能である。更に、第1、第2ボディに付勢手段を係止する第1係止手段を設けることが可能である。
【0089】
上記実施例1及び2では、ボディ100a、100b、400a、400bが開閉可能にヒンジ結合されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1、第2ボディは、第1、第2導電部が固着された別体とし、第1、第2導電部が付勢手段に挟持されることにより、組み合わせられる構成とすることが可能である。また、第1、第2ボディは省略可能である。この場合、第1、第2導電部が開閉可能にヒンジ結合されるように設計変更することが可能である。勿論、第1、第2導電部を別体のままとし、付勢手段の挟持により組み合わせられる構成とすることも可能である。
【0090】
上記実施例1及び2では、ボディ100a、100b、400a、400bに収容凹部111a、111b、411a、411bが設けられているとしたが、これに限定されるものではない。上述したように第1、第2ボディを介して付勢手段が第1、第2導電部を間接的に挟持する構成である場合には、収容凹部は不要である。また、上記実施例1及び2では、収容凹部111a、111b、411a、411bにクリップバネ300全体が収容されるとしたが、収容凹部はクリップバネ等の付勢手段を部分的に収容する形状とすることも可能である。
【0091】
上記実施例1及び2では、ボディ100a、400aのヒンジ凸部120a、420aには、ヒンジ孔121a、421a及び挿入孔122a、422aが設けられているとしたが、少なくともヒンジ孔が設けられていれば良い。ケーブルCが接続部に別の箇所から接続される場合には、ヒンジ孔を省略することができる。また、上記実施例1及び2では、ボディ100b、400bのヒンジ凸部120b、420bには、当該ヒンジ凸部120b、420b及びヒンジ軸121b、421bを幅方向D2に貫通する挿入孔122b、422bが設けられているとしたが、これに限定されるものではない。ケーブルCが接続部に別の箇所から接続される場合には、挿入孔を省略することができる。また、ヒンジ凸部120a、420aにヒンジ軸を設け、ヒンジ凸部120b、420bにヒンジ孔を設けることが可能である。なお、上述の通り、第1、第2ボディがヒンジ結合されない場合には、ヒンジ凸部、ヒンジ孔及びヒンジ軸は省略することができる。また、ヒンジ凸部、ヒンジ孔及びヒンジ軸を第1、第2導電部に設け、当該第1、第2導電部を上述の如くヒンジ結合することも可能である。
【0092】
上記実施例2では、第2係止手段は、ヒンジ凸部420aの前側に設けられた係止部430aと、係止凸部430aの外面に設けられた係止爪431aと、ヒンジ凸部420bの前側に設けられた係止部430bと、係止凸部430bに設けられた係止孔431bとを有するとしたが、第1、第2導電部が導電体を挟持した状態で、前記第1ボディを前記第2ボディに係止させ得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第2係止手段は、前記第2係止手段は、前記第1、第2ボディの何れか一方に設けられた係止爪と、他方に設けられ且つ前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記係止爪を係止する係止孔又は係止凹部とを有する構成とすることが可能である。
【0093】
なお、上記実施例1及び2では、本コネクタの各部を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。また、上記実施例1及び2では、フレキシブルな導電体として、導電布を例に挙げて説明したが、導電シートやロケーティングテープ等とすることも可能である。
【符号の説明】
【0094】
100a・・・・ボディ(第1ボディ)
110a・・・ブロック
111a・・収容凹部(第1収容凹部)
120a・・・ヒンジ凸部
121a・・ヒンジ孔
122a・・挿入孔
100b・・・・ボディ(第2ボディ)
110b・・・ブロック
111b・・収容凹部(第1収容凹部)
120b・・・ヒンジ凸部
121b・・ヒンジ軸
122b・・挿入孔
200a・・・・導電部(第1導電部)
210a・・・メインプレート
211a・・第1面(第1導電部の第1面)
212a・・第2面(第1導電部の第2面)
213a・・突起
214a・・係止孔
220a・・・サイド係止片
230a・・・前側プレート
240a・・・段差部(係止手段の第1段差部)
241a1・突片(係止手段の第1突部)
250a・・・接続部
260a・・・保持部
200b・・・・導電部(第2導電部)
210b・・・メインプレート
211b・・第1面(第2導電部の第1面)
212b・・第2面(第2導電部の第2面)
213b・・突起
220b・・・前側プレート
230b・・・サイドプレート
231b・・係止突部
240b・・・段差部(係止手段の第2段差部)
241b1・突片(係止手段の第2突部)
250b・・・サイド係止片
300・・・・・クリップバネ(付勢手段のクランプ部)
310・・・・第1アーム
311・・・孔部((係止手段の第1孔部)
320・・・・第2アーム
321・・・孔部((係止手段の第2孔部)
400a・・・・ボディ(第1ボディ)
410a・・・ブロック
411a・・収容凹部(第1収容凹部)
420a・・・ヒンジ凸部
421a・・ヒンジ孔
422a・・挿入孔
430a・・・係止部(第2係止手段)
431a・・係止爪
400b・・・・ボディ(第2ボディ)
410b・・・ブロック
411b・・収容凹部(第1収容凹部)
420b・・・ヒンジ凸部
421b・・ヒンジ軸
422b・・挿入孔
430b・・・係止部(第2係止手段)
431b・・係止孔
500a・・・・導電部(第1導電部)
510a・・・メインプレート
511a・・第1面(第1導電部の第1面)
512a・・第2面(第1導電部の第2面)
513a・・突起
514a・・係止孔
520a・・・サイド係止片
530a・・・前側係止片
540a・・・段差部(係止手段の第1段差部)
541a1・突片(係止手段の第1突部)
550a・・・接続部
560a・・・保持部
500b・・・・導電部(第2導電部)
510b・・・メインプレート
511b・・第1面(第2導電部の第1面)
512b・・第2面(第2導電部の第2面)
513b・・突起
520b・・・前側係止片
530b・・・サイドプレート
531b・・係止突部
540b・・・段差部(係止手段の第2段差部)
541b1・突片(係止手段の第2突部)
600・・・・・クリップバネ(付勢手段のクランプ部)
610・・・・第1アーム
611・・・孔部((係止手段の第1孔部)
620・・・・第2アーム
621・・・孔部((係止手段の第2孔部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するように配置されており且つフレキシブルな導電体を挟持可能な第1、第2導電部と、
付勢手段とを備えており、
前記第1導電部は、係止孔又は係止凹部を有しており、
前記第2導電部は、槍状の係止突部を有しており、
前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記係止突部が当該導電体を貫通し、前記係止孔又は係止凹部に挿入されており、
前記付勢手段は、前記導電体を挟持した前記第1、第2導電部を挟持する略C字状のクランプ部を有しているコネクタ。
【請求項2】
互いに対向するように配置されており且つフレキシブルな導電体を挟持可能な第1、第2導電部と、
前記第1、第2導電部が固着された第1、第2ボディと、
付勢手段とを備えており、
前記第1ボディ及び第1導電部の少なくとも一方は、係止孔又は係止凹部を有しており、
前記第2ボディ及び第2導電部の少なくとも一方は、槍状の係止突部を有しており、
前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記係止突部が当該導電体を貫通し、前記係止孔又は係止凹部に挿入されており、
前記付勢手段は、前記導電体を挟持した前記第1、第2導電部を挟持する略C字状のクランプ部を有しているコネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2導電部が固着された第1、第2ボディを更に備えており、
前記第1、第2ボディには、前記付勢手段を収容する第1、第2収容凹部が設けられているコネクタ。
【請求項4】
請求項2記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2ボディには、前記付勢手段を収容する第1、第2収容凹部が設けられているコネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載のコネクタにおいて、
第1係止手段を更に備え、
前記第1、第2導電部は、前記導電体に当接可能な第1面と、その裏側の第2面とを更に有しており、
前記クランプ部は、前記第1、第2導電部の第2面に弾性的に当接する第1、第2アームを有しており、
前記第1係止手段は、前記第1、第2アームが前記第1、第2導電部の第2面に弾性的に当接した状態で当該第1、第2アームを係止可能になっているコネクタ。
【請求項6】
請求項5記載のコネクタにおいて、
前記第1係止手段は、前記第1、第2導電部に設けられ、前記第1、第2アームを係止する第1、第2段差部を有しているコネクタ。
【請求項7】
請求項5又は6記載のコネクタにおいて、
前記第1係止手段は、前記第1、第2導電部に設けられた第1、第2突部又は第1、第2孔部と、
前記第1、第2アームに設けられた第1、第2孔部又は第1、第2突部とを有しており、
前記第1、第2突部が前記第1、第2孔部に係止可能になっているコネクタ。
【請求項8】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2導電部の少なくとも一方が、ケーブルに接続可能な接続部を更に有しているコネクタ。
【請求項9】
請求項8記載のコネクタにおいて、
開閉可能にヒンジ結合されており且つ内側部分に前記第1、第2導電部が固着された第1、第2ボディを更に備えており、
前記第1ボディは、ヒンジ軸又はヒンジ孔を有し、
前記第2ボディは、ヒンジ孔又はヒンジ軸を有しており、
前記ヒンジ軸が前記ヒンジ孔に嵌合しており、
前記ヒンジ軸は円筒状であり、当該ヒンジ軸及びヒンジ孔を通じて前記ケーブルが挿入され、前記接続部に接続可能となっているコネクタ。
【請求項10】
請求項2記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2導電部の少なくとも一方が、ケーブルに接続可能な接続部を更に有しているコネクタ。
【請求項11】
請求項10記載のコネクタにおいて、
前記第1ボディは、ヒンジ軸又はヒンジ孔を有し、
前記第2ボディは、ヒンジ孔又はヒンジ軸を有しており、
前記ヒンジ軸が前記ヒンジ孔に嵌合しており、
前記ヒンジ軸は円筒状であり、当該ヒンジ軸及びヒンジ孔を通じて前記ケーブルが挿入され、前記接続部に接続可能となっているコネクタ。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2導電部の少なくとも一方が、ケーブルを保持可能な保持部を更に有しているコネクタ。
【請求項13】
請求項5乃至7の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2導電部の前記第1面には突起が設けられているコネクタ。
【請求項14】
請求項13記載のコネクタにおいて、
前記突起は四角錐であるコネクタ。
【請求項15】
請求項5乃至7の何れかに記載のコネクタにおいて、
複数の前記係止突部が、前記第2導電部の第1面の両外側に配置されており、
複数の前記係止孔又は係止凹部が、前記第1導電部の第1面の両端部に配置されているコネクタ。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記係止突部には、かえりが設けられているコネクタ。
【請求項17】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2導電部が固着された第1、第2ボディと、
前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記第1ボディを前記第2ボディに係止させる第2係止手段とを更に備えているコネクタ。
【請求項18】
請求項2記載のコネクタにおいて、
前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記第1ボディを前記第2ボディに係止させる第2係止手段を更に備えているコネクタ。
【請求項19】
請求項17又は18記載のコネクタにおいて、
前記第2係止手段は、前記第1、第2ボディの何れか一方に設けられた係止爪と、他方に設けられ且つ前記第1、第2導電部が前記導電体を挟持した状態で、前記係止爪を係止する係止孔又は係止凹部とを有しているコネクタ。


【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate


【公開番号】特開2012−169051(P2012−169051A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26703(P2011−26703)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】