コネクタ
【課題】電子機器への取付を容易に行って、防水性を確保することができると共にEMI対策を適正に行うことを可能にする。
【解決手段】本発明のコネクタ20は、筐体5内で電気及び電子機器に一端が接続されるケーブル4の他端に接続され、筐体5の貫通穴5aに挿通されて筐体5内から外部に突出して取付けられる。ケーブル4の他端に接続されて貫通穴5aから外部へ突出して筐体5に固定され、ノック機構20jを有する筐体側コネクタ20aと、筐体5から外部へ突出した筐体側コネクタ20aに接続し、この接続状態でノック機構20jに係合するノック機構20iと、このノック機構20iがノック機構20jに係合された状態でノック機構20iを筺体5外で被覆する傘型カバー部20gを有する外部側コネクタ20bとを備えて構成した。
【解決手段】本発明のコネクタ20は、筐体5内で電気及び電子機器に一端が接続されるケーブル4の他端に接続され、筐体5の貫通穴5aに挿通されて筐体5内から外部に突出して取付けられる。ケーブル4の他端に接続されて貫通穴5aから外部へ突出して筐体5に固定され、ノック機構20jを有する筐体側コネクタ20aと、筐体5から外部へ突出した筐体側コネクタ20aに接続し、この接続状態でノック機構20jに係合するノック機構20iと、このノック機構20iがノック機構20jに係合された状態でノック機構20iを筺体5外で被覆する傘型カバー部20gを有する外部側コネクタ20bとを備えて構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信基地局等の電子機器の筐体内部で環状のフェライトコアに挿通されたケーブルに接続され、電子機器の筐体に貫通穴を介して外部に突出して取付けられる、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気や電子機器の更なる増加によって電磁環境が悪化し、電子機器の誤動作が危惧されている。電子機器内部で発生した電磁ノイズは、電源ケーブル、コネクタケーブルなどの電気接続用のケーブルを通して外部に伝導又は輻射する。このノイズの発生によるEMI(Electromagnetic Interference:電波障害)の対策として、電子機器内部でケーブルに環状フェライトコアを挿通してノイズを抑制することが行われている。
【0003】
予め環状フェライトコアが挿通され、両端にコネクタが接続されたケーブルを電子機器の筐体内部に導入する場合、筐体に形成された貫通穴からケーブル及び環状フェライトコアを挿通する方法があるが、一般的に貫通穴よりも環状フェライトコアの方がサイズが大きいのでそのままでは環状フェライトコアを内部へ導入できない場合が多い。
【0004】
そこで、図10に示すように、まず、先端部にコネクタ(先端コネクタという)1が接続され、後端部に筐体側コネクタ2がフランジ3を介して接続されたケーブル4を、先端コネクタ1の方から電子機器筐体5の内外を貫通する貫通穴5aに挿通して電子機器内部へ導く。但し、先端コネクタ1は、電子機器内部の信号や電源などの接続コネクタに接続されるものであり、筐体側コネクタ2は金属製の筐体5の貫通穴5aの周囲壁面にフランジ3を介して取付けられるものである。
【0005】
次に、その内部に導かれたケーブル4に、環状フェライトコアを2分割した形状の割コア6a,6bを挿通状態に組み合わせて取付ける。このようにして、貫通穴5aよりも大きい環状フェライトコア6a,6bを筐体5の内部へ導入している。
【0006】
この他、図11に示すように、先端コネクタ1が未接続のケーブル4の先端を貫通穴5aから内部へ挿通し、この挿通されたケーブル4の先端から環状フェライトコア7を差込み、この後に先端コネクタ1をケーブル4の先端に半田付けで接続する方法もある。
【0007】
更には、図12に示すように、予め環状フェライトコア7が挿通されたケーブル9の後端部に接続されている筐体側コネクタ8aを、貫通穴5aから差し込んで外部へ突出させて筐体5に固定し、この固定された筐体側コネクタ8aに外部側コネクタ8bを差し込んで嵌合し電気的に接続する方法もある。この種のフェライトコアをケーブルに挿通した構成として特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−7836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した図10に示した従来構成では割コア6a,6bを用いるが、この割コア6a,6bによる環状フェライトコアはノイズ抑制能力が低いので適正なEMI対策が出来ないという問題がある。
【0010】
図11に示した従来構成は、ケーブル4の先端を貫通穴5aから電子機器内部へ挿通した後、ケーブル4の先端に先端コネクタ1を半田付けするが、この作業を電子機器内部で行わなければならないので作業性が悪く作業工数が掛かるという問題がある。
【0011】
図12に示した従来構成は次のような問題がある。電子機器が例えば通信基地局であって、この通信基地局が屋外で、図13に示すように筐体側コネクタ8a及び外部側コネクタ8bを上向きに設置されているとする。この場合、筐体側コネクタ8aと筐体5の内壁との間には防水のためOリング10が介在されるので、外部側コネクタ8bと筐体5との隙間から雨水11が入った場合、その雨水11はOリング10で止まり筐体5内部へは入らない。しかし、Oリング10から外部方向へ向かう隙間、即ち、筐体5と各コネクタ8a,コネクタ8bとの隙間に雨水11が溜まるため、筐体5が腐食して結果的に内部へ雨水11が入ってしまう。つまり、防水性の確保が難しいという問題がある。
【0012】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、電子機器への取付を容易に行って、防水性を確保することができると共にEMI対策を適正に行うことができる、コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために本発明は、筐体内で電気及び電子機器に一端が接続されるケーブルの他端に接続され、筐体の貫通穴に挿通されて筐体内から外部に突出して取付けられるコネクタにおいて、前記ケーブルの他端に接続されて前記貫通穴から外部へ突出して前記筐体に固定される第1係合手段と、前記第1係合手段に係合された第2係合手段と、前記第2係合手段を被覆する被覆手段とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記被覆手段は、前記筐体との当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記筐体は、前記被覆手段の当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記被覆手段は、当該被覆手段が前記筐体に固定された状態にあって当該筐体と概略平行状態に周回するベローズを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記第1及び第2係合手段は、それぞれ押圧した際に互いにロックして係合する機構を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電子機器への取付を容易に行って、防水性を確保することができると共にEMI対策を適正に行うことができるコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係るコネクタの分解構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態のコネクタの分解構成を示す断面図である。
【図3】本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタのノック機構の構成を示し、(a)は断面図、(b)は端面側から見た図である。
【図4】本実施形態のコネクタにおける外部側コネクタのノック機構の構成を示し、(a)は断面図、(b)は端面側から見た図である。
【図5】本実施形態のコネクタを筐体に取り付けた状態の構成を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタに外部側コネクタを差し込む際のノック機構の連結状態を示す図である。
【図7】本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタ及び外部側コネクタが上向きに設置されている状態を示す断面図である。
【図8】ベローズを有する外部側コネクタの構成を示す斜視図である。
【図9】本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタの内壁面に傾斜がある際にベローズを有する外部側コネクタを取り付けた構成を示す断面図である。
【図10】従来のフェライトコアとして割コアを用いた際のコネクタの取り付け構成を示す斜視図である。
【図11】先端コネクタ未接続のケーブルに接続されたコネクタを筺体に取り付けた構成を示す斜視図である。
【図12】環状フェライトコアが挿通されたケーブルに接続された筐体側コネクタ及び外部側コネクタを筺体に取り付けた構成を示す断面図である。
【図13】従来の筐体側コネクタ及び外部側コネクタが上向きに設置されている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に本実施形態という)について詳細に説明する。
(本実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係るコネクタ20の構成を示す斜視図である。本実施形態に係るコネクタ20は、電気及び電子機器の筐体5の内部側から貫通穴5aに挿通されて外部側へ突出し、筐体5に固定される筐体側コネクタ20aと、筐体5の外部側に突き出た筐体側コネクタ20aに外部側から差し込まれて電気的に接続される外部側コネクタ20bとを備えて構成されている。
【0021】
筐体側コネクタ20aは、電気的な接続部分を有するコネクタ部20cと、コネクタ部20cの一端に固定された板状のフランジ部20dとを備え、フランジ部20dには四隅部分にネジ穴20eが形成されている。これらネジ穴20eは、筐体5の貫通穴5aの周囲に形成された4つのネジ穴5bと対向する位置に形成されている。また、筐体側コネクタ20aにはフランジ部20dを介して、電気接続用のケーブル4の一端が電気的に接続されており、ケーブル4の他端には電子機器内部の信号や電源などの接続コネクタに接続されるコネクタ(先端コネクタという)1が接続されている。また、ケーブル4には、電子機器内部で発生してケーブル4で伝送される電磁ノイズをEMIの基準値未満に抑制する環状フェライトコア7が挿通されている。この環状フェライトコア7の外径サイズは、貫通穴5aよりも大きいことを前提とする。
【0022】
外部側コネクタ20bは、図示せぬ電源や他の電子機器に接続されるケーブル21に電気的に接続されたコネクタ部20fと、このコネクタ部20fを傘内に収容する傘型カバー部20gとを備えて構成されている。傘型カバー部20gの周回端面にはOリングやシリコーンゴム等のように柔軟性の有る防水部材20hが固着されている。コネクタ部20fは、図2の断面図に示すように、傘型カバー部20gの内側においてノック機構20iを備える。
【0023】
筐体側コネクタ20aのコネクタ部20cは、この内部にノック機構20jを備える。また、コネクタ部20cは、先端面に電気的に接続を行う金属製のピン20kを4本備える。更に詳細には、コネクタ部20cは、図3(a)の断面図及び(b)のコネクタ部20cを矢印Y1で示す端面側から見た図に示すように、円筒状を成し、この内部でノック機構20jを構成する円環形状部品20mがバネ部20nと連結されており、その円環形状部品20mを端面側からバネ部20nのバネ力に対向して押し込むと、バネ力に反発する反作用力が働くようになっている。また、円環形状部品20mの端面は鋸歯状になっている。更に円環形状部品20mとコネクタ部20cとの間の円環状の隙間には、円環に沿って複数の隙間20qを有するガイド部20pが介在されている。
【0024】
外部側コネクタ20bのコネクタ部20fは、図4(a)の断面図及び(b)のコネクタ部20fを矢印Y2で示す端面側から見た図に示すように、円筒状を成し、ノック機構20iを構成する円環形状部品20rが矢印Y3で示すように回動自在にコネクタ部20fの外周側に取付けられている。これはコネクタ部20fをシャープペンシルのようにノックすると円環形状部品20rが矢印Y3方向(時計回り方向)に回転するようになっている。
【0025】
円環形状部品20rの外周面には、筐体側コネクタ20aのガイド部20pの隙間20qに嵌合する4つの突起部20tが設けられている。また、円環形状部品20rの端面は、筐体側コネクタ20aの円環形状部品20mの鋸歯状の端面と噛合う鋸歯状となっている。更に、コネクタ部20fの端面側には、筐体側コネクタ20aの各ピン20kが挿入されて電気的に接続するための4つのピン穴20sが、各ピン20kの対向位置に形成されている。
(本実施形態の動作)
以下、本実施形態に係るコネクタ20の接続動作について、図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
最初に、図5に示すように、筐体5の内側から筐体側コネクタ20aを貫通穴5aに差し込んでフランジ部20dのネジ穴20eを筐体5のネジ穴5bに合わせ、これらネジ穴20e,5bに図示せぬネジを螺合して筐体側コネクタ20aを筐体5に固定する。
【0027】
次に、図6(a)に示すように、筐体側コネクタ20aの端面に、外部側コネクタ20bの端面を対向状態に合わせる。この際、ピン20kとピン20kとが対向状態となるようにする。この状態で、外部側コネクタ20bを、筐体側コネクタ20aのバネ部20nのバネ力に対向してノック状に押圧すると、外部側コネクタ20bの円環形状部品20rが回転する。この回転により、図6(b)に示すように、円環形状部品20rと円環形状部品20mとの鋸状の端面同士が噛合いながら、ピン穴20sにピン20kが差し込まれる。更に円環形状部品20rがバネ力に対向しながら回転すると、図6(c)に示すように、外部側コネクタ20bの突起部20tが筐体側コネクタ20aの隙間20qに嵌合してロックする。
【0028】
これによって、図5に示すように、外部側コネクタ20bが筐体側コネクタ20aに電気的に接続されて固定される。この際、外部側コネクタ20bの傘型カバー部20gの周回端面の防水部材20hが筐体5の外壁に密着するので、外部側コネクタ20bと筐体5との隙間が無くなり、雨水などの水が筐体5の内部に入ることはない。
【0029】
また、外部側コネクタ20bが筐体側コネクタ20aに固定された状態から、図6(d)に示すように、外部側コネクタ20bをバネ力に対向してノック状に押し込むと、円環形状部品20rが矢印Y3方向に若干回転して、バネ力で隙間20qから突起部20tが抜けてロックが外れ、ピン20kがピン穴20sから抜ける。これにより外部側コネクタ20bがロックの無い取外し可能な状態となる。
【0030】
ここで、防水部材20hは外部側コネクタ20bを筐体側コネクタ20aに固定した状態から取り外す際に、更にノック状に押し込み可能としなければならないので、取付け時の防水性を保持可能で尚且つ更なるノックが可能な厚みとする必要がある。
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係るコネクタ20は、筐体5内で電気及び電子機器に一端が電気的に接続されるケーブル4の他端に接続され、筐体5の貫通穴5aに挿通されて筐体5内から外部に突出して取付けられる。本実施形態の特徴は、ケーブル4の他端に接続されて貫通穴5aから外部へ突出して筐体5に固定され、第1係合手段としてのノック機構20jを有する筐体側コネクタ(第1コネクタ)20aと、筐体5から外部へ突出した筐体側コネクタ20aに電気的に接続し、この接続状態でノック機構20jに係合する第2係合手段としてのノック機構20iと、このノック機構20iがノック機構20jに係合された状態でノック機構20iを筺体5外で被覆する被覆手段としての傘型カバー部20gを有する外部側コネクタ(第2コネクタ)20bとを備えて構成したことにある。
【0031】
この構成によれば、筐体5に筐体側コネクタ20aを内部から外部へ突出させて固定した後、突出した筐体側コネクタ20aに外部側コネクタ20bを差し込んで電気的に接続し、この際、筐体側コネクタ20aのノック機構20jに、外部側コネクタ20bのノック機構20iが係合するので、電子機器筐体5へのコネクタ20の取り付けを容易に行うことができる。
【0032】
更に説明すると、筐体5内においてケーブル4に挿通される環状フェライトコア7の外径サイズが筐体5の貫通穴5aよりも大きい場合でも、環状フェライトコア7を貫通穴5aに通さなくても、予め環状フェライトコア7をケーブル4に挿通しておき、この状態で筐体5内に環状フェライトコア7及びケーブル4を容易に収容することができる。更に、そのケーブル4に接続された筐体側コネクタ20aを筐体5に外部へ突出させて固定し、この固定された筐体側コネクタ20aに外部から外部側コネクタ20bを係合させればよいので、筐体5へのコネクタ20の取り付けを容易に行うことができる。
【0033】
また、環状フェライトコア7は、電子機器内部で発生してケーブル4で伝送される電磁ノイズをEMIの基準値未満に抑制するタイプのものなので、EMI対策は適正に行われている。
【0034】
更に、ノック機構20j,20iは、ノック機構20iをノック機構20jに向かってノック状に押圧した際にノック機構20jにロックして係合し、この係合状態から更にノック機構20iをノック状に押圧した際にロックが解除される機構となっている。従って、筐体側コネクタ20aに外部側コネクタ20bを取り付ける際に容易に行うことができる。
【0035】
更には、外部側コネクタ20bの傘型カバー部20gは、筐体5との当接面に弾性部材による防水部材20hが固着されているので、筐体側コネクタ20aに外部側コネクタ20bを取り付けた際に、傘型カバー部20gの防水部材20hが筐体5の外壁に固着して隙間が無くなり、これによって雨水等の水が傘型カバー部20gの内部に入ることを防止することができる。
【0036】
ここで、電子機器が例えば通信基地局であって、この通信基地局が屋外に、図7に示すように筐体側コネクタ20a及び外部側コネクタ20bが上向きに設置されているとする。この場合、外部側コネクタ20bと筐体5の外壁との間には防水部材20hが介在されるので、この防水部材20hと外壁との間に隙間が無くなり、雨水が入ることが無くなる。
【0037】
この防水部材20hに関しては、筐体5の傘型カバー部20gの周回端面の当接面に防水部材20hを固着しても、同様の防水効果を得ることができる。
【0038】
この他、図8に示すように、外部側コネクタ20bに蛇腹状のベローズ30を備えても良い。ベローズ30は、外部側コネクタ20bの傘型カバー部20gが筐体5に固定された状態にあって、筐体5と概略平行状態に周回する状態に傘型カバー部20gの途中位置に設けられる。
【0039】
このようにベローズ30が設けられた外部側コネクタ20bを用いた場合、図9に示すように、例えば筐体5の内壁に角度θ1の傾斜がついており、この内壁に筐体側コネクタ20aのフランジ20dが固定されたとする。この場合、筐体側コネクタ20aの筐体5の外側に突き出るコネクタ部20cは、筐体5の外壁面に対して斜めに突き出ることになる。
【0040】
ここで、このようなコネクタ部20cにベローズ30の無い外部側コネクタ20bを差し込んで係合させた場合、傘型カバー部20gの周回端面の防水部材20hが外壁面に対して斜めになるので、外壁面と防水部材20hとの間に隙間が生じ水が入ることになる。
【0041】
しかし、ベローズ30付の外部側コネクタ20bを用いれば、ベローズ30でその外部側コネクタ20bの傾斜を吸収することができるので、防水部材20hは外壁面に密着して付くことになる。これによって隙間は生じないので前述同様の防水効果を得ることが出来る。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲予測は上記実施形態に記載の範囲予測には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲予測に含まれ得ることが、特許請求の範囲予測の記載から明らかである。例えば電気自動車の充電ケーブル等への転用も可能である。
【符号の説明】
【0043】
1・・先端コネクタ、4,21・・ケーブル、5・・筐体、5a・・貫通穴、5b,20e・・ネジ穴、7・・環状フェライトコア、20a・・筐体側コネクタ、20b・・外部側コネクタ、20c,20f・・コネクタ部、20d・・フランジ部、20g・・傘型カバー部、20h・・防水部材、20g・・傘型カバー部、20j,20i・・ノック機構、20k・・ピン、20m,20r・・円環形状部品、20n・・バネ部、20q・・隙間、20p・・ガイド部、20t・・突起部、20s・・ピン穴、30・・ベローズ30
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信基地局等の電子機器の筐体内部で環状のフェライトコアに挿通されたケーブルに接続され、電子機器の筐体に貫通穴を介して外部に突出して取付けられる、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気や電子機器の更なる増加によって電磁環境が悪化し、電子機器の誤動作が危惧されている。電子機器内部で発生した電磁ノイズは、電源ケーブル、コネクタケーブルなどの電気接続用のケーブルを通して外部に伝導又は輻射する。このノイズの発生によるEMI(Electromagnetic Interference:電波障害)の対策として、電子機器内部でケーブルに環状フェライトコアを挿通してノイズを抑制することが行われている。
【0003】
予め環状フェライトコアが挿通され、両端にコネクタが接続されたケーブルを電子機器の筐体内部に導入する場合、筐体に形成された貫通穴からケーブル及び環状フェライトコアを挿通する方法があるが、一般的に貫通穴よりも環状フェライトコアの方がサイズが大きいのでそのままでは環状フェライトコアを内部へ導入できない場合が多い。
【0004】
そこで、図10に示すように、まず、先端部にコネクタ(先端コネクタという)1が接続され、後端部に筐体側コネクタ2がフランジ3を介して接続されたケーブル4を、先端コネクタ1の方から電子機器筐体5の内外を貫通する貫通穴5aに挿通して電子機器内部へ導く。但し、先端コネクタ1は、電子機器内部の信号や電源などの接続コネクタに接続されるものであり、筐体側コネクタ2は金属製の筐体5の貫通穴5aの周囲壁面にフランジ3を介して取付けられるものである。
【0005】
次に、その内部に導かれたケーブル4に、環状フェライトコアを2分割した形状の割コア6a,6bを挿通状態に組み合わせて取付ける。このようにして、貫通穴5aよりも大きい環状フェライトコア6a,6bを筐体5の内部へ導入している。
【0006】
この他、図11に示すように、先端コネクタ1が未接続のケーブル4の先端を貫通穴5aから内部へ挿通し、この挿通されたケーブル4の先端から環状フェライトコア7を差込み、この後に先端コネクタ1をケーブル4の先端に半田付けで接続する方法もある。
【0007】
更には、図12に示すように、予め環状フェライトコア7が挿通されたケーブル9の後端部に接続されている筐体側コネクタ8aを、貫通穴5aから差し込んで外部へ突出させて筐体5に固定し、この固定された筐体側コネクタ8aに外部側コネクタ8bを差し込んで嵌合し電気的に接続する方法もある。この種のフェライトコアをケーブルに挿通した構成として特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−7836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した図10に示した従来構成では割コア6a,6bを用いるが、この割コア6a,6bによる環状フェライトコアはノイズ抑制能力が低いので適正なEMI対策が出来ないという問題がある。
【0010】
図11に示した従来構成は、ケーブル4の先端を貫通穴5aから電子機器内部へ挿通した後、ケーブル4の先端に先端コネクタ1を半田付けするが、この作業を電子機器内部で行わなければならないので作業性が悪く作業工数が掛かるという問題がある。
【0011】
図12に示した従来構成は次のような問題がある。電子機器が例えば通信基地局であって、この通信基地局が屋外で、図13に示すように筐体側コネクタ8a及び外部側コネクタ8bを上向きに設置されているとする。この場合、筐体側コネクタ8aと筐体5の内壁との間には防水のためOリング10が介在されるので、外部側コネクタ8bと筐体5との隙間から雨水11が入った場合、その雨水11はOリング10で止まり筐体5内部へは入らない。しかし、Oリング10から外部方向へ向かう隙間、即ち、筐体5と各コネクタ8a,コネクタ8bとの隙間に雨水11が溜まるため、筐体5が腐食して結果的に内部へ雨水11が入ってしまう。つまり、防水性の確保が難しいという問題がある。
【0012】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、電子機器への取付を容易に行って、防水性を確保することができると共にEMI対策を適正に行うことができる、コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために本発明は、筐体内で電気及び電子機器に一端が接続されるケーブルの他端に接続され、筐体の貫通穴に挿通されて筐体内から外部に突出して取付けられるコネクタにおいて、前記ケーブルの他端に接続されて前記貫通穴から外部へ突出して前記筐体に固定される第1係合手段と、前記第1係合手段に係合された第2係合手段と、前記第2係合手段を被覆する被覆手段とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記被覆手段は、前記筐体との当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記筐体は、前記被覆手段の当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記被覆手段は、当該被覆手段が前記筐体に固定された状態にあって当該筐体と概略平行状態に周回するベローズを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記第1及び第2係合手段は、それぞれ押圧した際に互いにロックして係合する機構を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電子機器への取付を容易に行って、防水性を確保することができると共にEMI対策を適正に行うことができるコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係るコネクタの分解構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態のコネクタの分解構成を示す断面図である。
【図3】本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタのノック機構の構成を示し、(a)は断面図、(b)は端面側から見た図である。
【図4】本実施形態のコネクタにおける外部側コネクタのノック機構の構成を示し、(a)は断面図、(b)は端面側から見た図である。
【図5】本実施形態のコネクタを筐体に取り付けた状態の構成を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタに外部側コネクタを差し込む際のノック機構の連結状態を示す図である。
【図7】本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタ及び外部側コネクタが上向きに設置されている状態を示す断面図である。
【図8】ベローズを有する外部側コネクタの構成を示す斜視図である。
【図9】本実施形態のコネクタにおける筐体側コネクタの内壁面に傾斜がある際にベローズを有する外部側コネクタを取り付けた構成を示す断面図である。
【図10】従来のフェライトコアとして割コアを用いた際のコネクタの取り付け構成を示す斜視図である。
【図11】先端コネクタ未接続のケーブルに接続されたコネクタを筺体に取り付けた構成を示す斜視図である。
【図12】環状フェライトコアが挿通されたケーブルに接続された筐体側コネクタ及び外部側コネクタを筺体に取り付けた構成を示す断面図である。
【図13】従来の筐体側コネクタ及び外部側コネクタが上向きに設置されている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に本実施形態という)について詳細に説明する。
(本実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係るコネクタ20の構成を示す斜視図である。本実施形態に係るコネクタ20は、電気及び電子機器の筐体5の内部側から貫通穴5aに挿通されて外部側へ突出し、筐体5に固定される筐体側コネクタ20aと、筐体5の外部側に突き出た筐体側コネクタ20aに外部側から差し込まれて電気的に接続される外部側コネクタ20bとを備えて構成されている。
【0021】
筐体側コネクタ20aは、電気的な接続部分を有するコネクタ部20cと、コネクタ部20cの一端に固定された板状のフランジ部20dとを備え、フランジ部20dには四隅部分にネジ穴20eが形成されている。これらネジ穴20eは、筐体5の貫通穴5aの周囲に形成された4つのネジ穴5bと対向する位置に形成されている。また、筐体側コネクタ20aにはフランジ部20dを介して、電気接続用のケーブル4の一端が電気的に接続されており、ケーブル4の他端には電子機器内部の信号や電源などの接続コネクタに接続されるコネクタ(先端コネクタという)1が接続されている。また、ケーブル4には、電子機器内部で発生してケーブル4で伝送される電磁ノイズをEMIの基準値未満に抑制する環状フェライトコア7が挿通されている。この環状フェライトコア7の外径サイズは、貫通穴5aよりも大きいことを前提とする。
【0022】
外部側コネクタ20bは、図示せぬ電源や他の電子機器に接続されるケーブル21に電気的に接続されたコネクタ部20fと、このコネクタ部20fを傘内に収容する傘型カバー部20gとを備えて構成されている。傘型カバー部20gの周回端面にはOリングやシリコーンゴム等のように柔軟性の有る防水部材20hが固着されている。コネクタ部20fは、図2の断面図に示すように、傘型カバー部20gの内側においてノック機構20iを備える。
【0023】
筐体側コネクタ20aのコネクタ部20cは、この内部にノック機構20jを備える。また、コネクタ部20cは、先端面に電気的に接続を行う金属製のピン20kを4本備える。更に詳細には、コネクタ部20cは、図3(a)の断面図及び(b)のコネクタ部20cを矢印Y1で示す端面側から見た図に示すように、円筒状を成し、この内部でノック機構20jを構成する円環形状部品20mがバネ部20nと連結されており、その円環形状部品20mを端面側からバネ部20nのバネ力に対向して押し込むと、バネ力に反発する反作用力が働くようになっている。また、円環形状部品20mの端面は鋸歯状になっている。更に円環形状部品20mとコネクタ部20cとの間の円環状の隙間には、円環に沿って複数の隙間20qを有するガイド部20pが介在されている。
【0024】
外部側コネクタ20bのコネクタ部20fは、図4(a)の断面図及び(b)のコネクタ部20fを矢印Y2で示す端面側から見た図に示すように、円筒状を成し、ノック機構20iを構成する円環形状部品20rが矢印Y3で示すように回動自在にコネクタ部20fの外周側に取付けられている。これはコネクタ部20fをシャープペンシルのようにノックすると円環形状部品20rが矢印Y3方向(時計回り方向)に回転するようになっている。
【0025】
円環形状部品20rの外周面には、筐体側コネクタ20aのガイド部20pの隙間20qに嵌合する4つの突起部20tが設けられている。また、円環形状部品20rの端面は、筐体側コネクタ20aの円環形状部品20mの鋸歯状の端面と噛合う鋸歯状となっている。更に、コネクタ部20fの端面側には、筐体側コネクタ20aの各ピン20kが挿入されて電気的に接続するための4つのピン穴20sが、各ピン20kの対向位置に形成されている。
(本実施形態の動作)
以下、本実施形態に係るコネクタ20の接続動作について、図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
最初に、図5に示すように、筐体5の内側から筐体側コネクタ20aを貫通穴5aに差し込んでフランジ部20dのネジ穴20eを筐体5のネジ穴5bに合わせ、これらネジ穴20e,5bに図示せぬネジを螺合して筐体側コネクタ20aを筐体5に固定する。
【0027】
次に、図6(a)に示すように、筐体側コネクタ20aの端面に、外部側コネクタ20bの端面を対向状態に合わせる。この際、ピン20kとピン20kとが対向状態となるようにする。この状態で、外部側コネクタ20bを、筐体側コネクタ20aのバネ部20nのバネ力に対向してノック状に押圧すると、外部側コネクタ20bの円環形状部品20rが回転する。この回転により、図6(b)に示すように、円環形状部品20rと円環形状部品20mとの鋸状の端面同士が噛合いながら、ピン穴20sにピン20kが差し込まれる。更に円環形状部品20rがバネ力に対向しながら回転すると、図6(c)に示すように、外部側コネクタ20bの突起部20tが筐体側コネクタ20aの隙間20qに嵌合してロックする。
【0028】
これによって、図5に示すように、外部側コネクタ20bが筐体側コネクタ20aに電気的に接続されて固定される。この際、外部側コネクタ20bの傘型カバー部20gの周回端面の防水部材20hが筐体5の外壁に密着するので、外部側コネクタ20bと筐体5との隙間が無くなり、雨水などの水が筐体5の内部に入ることはない。
【0029】
また、外部側コネクタ20bが筐体側コネクタ20aに固定された状態から、図6(d)に示すように、外部側コネクタ20bをバネ力に対向してノック状に押し込むと、円環形状部品20rが矢印Y3方向に若干回転して、バネ力で隙間20qから突起部20tが抜けてロックが外れ、ピン20kがピン穴20sから抜ける。これにより外部側コネクタ20bがロックの無い取外し可能な状態となる。
【0030】
ここで、防水部材20hは外部側コネクタ20bを筐体側コネクタ20aに固定した状態から取り外す際に、更にノック状に押し込み可能としなければならないので、取付け時の防水性を保持可能で尚且つ更なるノックが可能な厚みとする必要がある。
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係るコネクタ20は、筐体5内で電気及び電子機器に一端が電気的に接続されるケーブル4の他端に接続され、筐体5の貫通穴5aに挿通されて筐体5内から外部に突出して取付けられる。本実施形態の特徴は、ケーブル4の他端に接続されて貫通穴5aから外部へ突出して筐体5に固定され、第1係合手段としてのノック機構20jを有する筐体側コネクタ(第1コネクタ)20aと、筐体5から外部へ突出した筐体側コネクタ20aに電気的に接続し、この接続状態でノック機構20jに係合する第2係合手段としてのノック機構20iと、このノック機構20iがノック機構20jに係合された状態でノック機構20iを筺体5外で被覆する被覆手段としての傘型カバー部20gを有する外部側コネクタ(第2コネクタ)20bとを備えて構成したことにある。
【0031】
この構成によれば、筐体5に筐体側コネクタ20aを内部から外部へ突出させて固定した後、突出した筐体側コネクタ20aに外部側コネクタ20bを差し込んで電気的に接続し、この際、筐体側コネクタ20aのノック機構20jに、外部側コネクタ20bのノック機構20iが係合するので、電子機器筐体5へのコネクタ20の取り付けを容易に行うことができる。
【0032】
更に説明すると、筐体5内においてケーブル4に挿通される環状フェライトコア7の外径サイズが筐体5の貫通穴5aよりも大きい場合でも、環状フェライトコア7を貫通穴5aに通さなくても、予め環状フェライトコア7をケーブル4に挿通しておき、この状態で筐体5内に環状フェライトコア7及びケーブル4を容易に収容することができる。更に、そのケーブル4に接続された筐体側コネクタ20aを筐体5に外部へ突出させて固定し、この固定された筐体側コネクタ20aに外部から外部側コネクタ20bを係合させればよいので、筐体5へのコネクタ20の取り付けを容易に行うことができる。
【0033】
また、環状フェライトコア7は、電子機器内部で発生してケーブル4で伝送される電磁ノイズをEMIの基準値未満に抑制するタイプのものなので、EMI対策は適正に行われている。
【0034】
更に、ノック機構20j,20iは、ノック機構20iをノック機構20jに向かってノック状に押圧した際にノック機構20jにロックして係合し、この係合状態から更にノック機構20iをノック状に押圧した際にロックが解除される機構となっている。従って、筐体側コネクタ20aに外部側コネクタ20bを取り付ける際に容易に行うことができる。
【0035】
更には、外部側コネクタ20bの傘型カバー部20gは、筐体5との当接面に弾性部材による防水部材20hが固着されているので、筐体側コネクタ20aに外部側コネクタ20bを取り付けた際に、傘型カバー部20gの防水部材20hが筐体5の外壁に固着して隙間が無くなり、これによって雨水等の水が傘型カバー部20gの内部に入ることを防止することができる。
【0036】
ここで、電子機器が例えば通信基地局であって、この通信基地局が屋外に、図7に示すように筐体側コネクタ20a及び外部側コネクタ20bが上向きに設置されているとする。この場合、外部側コネクタ20bと筐体5の外壁との間には防水部材20hが介在されるので、この防水部材20hと外壁との間に隙間が無くなり、雨水が入ることが無くなる。
【0037】
この防水部材20hに関しては、筐体5の傘型カバー部20gの周回端面の当接面に防水部材20hを固着しても、同様の防水効果を得ることができる。
【0038】
この他、図8に示すように、外部側コネクタ20bに蛇腹状のベローズ30を備えても良い。ベローズ30は、外部側コネクタ20bの傘型カバー部20gが筐体5に固定された状態にあって、筐体5と概略平行状態に周回する状態に傘型カバー部20gの途中位置に設けられる。
【0039】
このようにベローズ30が設けられた外部側コネクタ20bを用いた場合、図9に示すように、例えば筐体5の内壁に角度θ1の傾斜がついており、この内壁に筐体側コネクタ20aのフランジ20dが固定されたとする。この場合、筐体側コネクタ20aの筐体5の外側に突き出るコネクタ部20cは、筐体5の外壁面に対して斜めに突き出ることになる。
【0040】
ここで、このようなコネクタ部20cにベローズ30の無い外部側コネクタ20bを差し込んで係合させた場合、傘型カバー部20gの周回端面の防水部材20hが外壁面に対して斜めになるので、外壁面と防水部材20hとの間に隙間が生じ水が入ることになる。
【0041】
しかし、ベローズ30付の外部側コネクタ20bを用いれば、ベローズ30でその外部側コネクタ20bの傾斜を吸収することができるので、防水部材20hは外壁面に密着して付くことになる。これによって隙間は生じないので前述同様の防水効果を得ることが出来る。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲予測は上記実施形態に記載の範囲予測には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲予測に含まれ得ることが、特許請求の範囲予測の記載から明らかである。例えば電気自動車の充電ケーブル等への転用も可能である。
【符号の説明】
【0043】
1・・先端コネクタ、4,21・・ケーブル、5・・筐体、5a・・貫通穴、5b,20e・・ネジ穴、7・・環状フェライトコア、20a・・筐体側コネクタ、20b・・外部側コネクタ、20c,20f・・コネクタ部、20d・・フランジ部、20g・・傘型カバー部、20h・・防水部材、20g・・傘型カバー部、20j,20i・・ノック機構、20k・・ピン、20m,20r・・円環形状部品、20n・・バネ部、20q・・隙間、20p・・ガイド部、20t・・突起部、20s・・ピン穴、30・・ベローズ30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内で電気及び電子機器に一端が接続されるケーブルの他端に接続され、筐体の貫通穴に挿通されて筐体内から外部に突出して取付けられるコネクタにおいて、
前記ケーブルの他端に接続されて前記貫通穴から外部へ突出して前記筐体に固定される第1係合手段と、
前記第1係合手段に係合された第2係合手段と、
前記第2係合手段を被覆する被覆手段と
を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記被覆手段は、前記筐体との当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記筐体は、前記被覆手段の当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記被覆手段は、当該被覆手段が前記筐体に固定された状態にあって当該筐体と概略平行状態に周回するベローズを備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1及び第2係合手段は、それぞれ押圧した際に互いにロックして係合する機構を有することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項1】
筐体内で電気及び電子機器に一端が接続されるケーブルの他端に接続され、筐体の貫通穴に挿通されて筐体内から外部に突出して取付けられるコネクタにおいて、
前記ケーブルの他端に接続されて前記貫通穴から外部へ突出して前記筐体に固定される第1係合手段と、
前記第1係合手段に係合された第2係合手段と、
前記第2係合手段を被覆する被覆手段と
を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記被覆手段は、前記筐体との当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記筐体は、前記被覆手段の当接面に弾性部材による防水部材が固着されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記被覆手段は、当該被覆手段が前記筐体に固定された状態にあって当該筐体と概略平行状態に周回するベローズを備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1及び第2係合手段は、それぞれ押圧した際に互いにロックして係合する機構を有することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−41684(P2013−41684A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176214(P2011−176214)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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