説明

コネクタ

【課題】リテーナを仮係止位置においてがたつきなく保持できるようにする。
【解決手段】リテーナ40の左右両端には、対をなす仮係止アーム50と本係止アーム55とが前後方向に間隔を開けてそれぞれ弾性撓み可能に設けられている。リテーナ40は、仮係止アーム50が仮係止部に係止することで端子金具がキャビティに挿抜することが許容される仮係止位置と、本係止アーム55が本係止部に係止することで抜け止め部45が端子金具に係止する本係止位置とでそれぞれ保持可能とされている。リテーナ40の左右両端にそれぞれ設けられた対をなす仮係止アーム50と本係止アーム55とは、左側と右側とで前後逆の位置に配されており、かつ仮係止アーム50の方が本係止アーム55と比べて撓み方向の曲げ剛性が高い形態で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リテーナを備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイドタイプのリテーナを備えたコネクタの一例として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
このものは、端子金具が挿入されるキャビティが複数列設されたハウジングと、このハウジングの側面において各キャビティを横切るようにして開口されたリテーナ装着孔と、端子金具に係止して抜け止めする抜け止め部を備えてリテーナ装着孔に差し込み可能なリテーナとが具備されており、リテーナの左右両端には、対をなす仮係止アームと本係止アームとが前後方向に間隔を開けてそれぞれ弾性撓み可能に設けられるとともに、リテーナ装着孔の左右両端面には、仮係止アームに係止する仮係止部と、この仮係止部よりも奥側において本係止アームに係止する本係止部とが設けられた構造である。
【0003】
そして、リテーナがリテーナ装着孔に差し込まれると、まず左右の仮係止アームが対応する仮係止部に弾性的に係止することで仮係止位置に保持され、この状態において各キャビティに対して端子金具が挿入される。続いてリテーナがさらに押し込まれると、左右の本係止アームが奥側にある本係止部に弾性的に係止することで本係止位置に保持され、リテーナの抜け止め部が挿入された端子金具に係止して抜け止めされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−50382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなコネクタにおいて、リテーナが仮係止位置に保持された状態では、リテーナのベース部はハウジングの側面から突出した状態にあるのが普通であり、そのため、取り回し中の電線や他の異物が、リテーナのベース部に対し前方又は後方から突き当たる可能性がある。
一方、リテーナが仮係止位置にある場合は、前後いずれか一方に配された仮係止アームが仮係止部に係止しているのに対して、他方に配された本係止アームは本係止部との間にクリアランスがある状態であるため、リテーナのベース部に対して前後いずれか一方向の突き当て力が作用したときには、仮係止アームが仮係止部に係止してリテーナが傾くことは規制されるものの、反対方向の突き当て力が作用したときには、本係止アームと本係止部との間にクリアランスがあることで、リテーナが傾くおそれがある。
【0006】
上記のようにリテーナが傾くと、仮係止アームが仮係止部から外れてリテーナの脱落を招いたり、係止が外れないまでも傾いた姿勢であるために、正規に本係止位置までに押し込めない等の不具合があり、その対策が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、リテーナを仮係止位置においてがたつきなく保持できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、端子金具が挿入されるキャビティが複数列設されたハウジングと、前記ハウジングの側面において前記各キャビティを横切るようにして開口されたリテーナ装着孔と、前記端子金具に係止して抜け止めする抜け止め部を備えて前記リテーナ装着孔に差し込み可能なリテーナとが具備され、前記リテーナの左右両端には、対をなす仮係止アームと本係止アームとが前後方向に間隔を開けてそれぞれ弾性撓み可能に設けられるとともに、前記リテーナ装着孔の左右両端面には、前記仮係止アームに係止する仮係止部と、この仮係止部よりも前記リテーナの差込方向の奥側において前記本係止アームに係止する本係止部とが設けられ、前記リテーナは、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止することで前記端子金具が前記キャビティに挿抜することが許容される仮係止位置と、前記本係止アームが前記本係止部に係止することで前記抜け止め部が前記端子金具に係止する本係止位置とでそれぞれ保持可能とされているコネクタにおいて、前記リテーナの左右両端にそれぞれ設けられた対をなす仮係止アームと本係止アームとは、左側と右側とで前後逆の位置に配されており、かつ前記仮係止アームの方が前記本係止アームと比べて撓み方向の曲げ剛性が高い形態で形成されているところに特徴を有する。
【0008】
リテーナが仮係止位置に保持された状態において、前後方向に傾動させる外力が作用した場合、前後いずれの方向に傾こうとした場合も、左右いずれかの仮係止アームが対応する仮係止部に係止することで傾きが規制される。仮係止アームは本係止アームと比べて高い曲げ剛性を有するように形成されているから、高い係止力すなわち傾き規制力が得られる。
【0009】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記仮係止アームの方が前記本係止アームよりも幅広に形成されている。
(2)前記仮係止アームの方が前記本係止アームよりも撓み変位する部分の長さが短く形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リテーナを仮係止位置においてがたつきなく保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るリテーナの正面図
【図2】同平面図
【図3】図1のIII−III線端面図
【図4】リテーナの右端面図
【図5】リテーナが仮係止位置に保持されて雌端子が挿入される前の状態のコネクタの縦断面図
【図6】リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタの縦断面図
【図7】リテーナにおける左側の仮係止構造を示す断面図
【図8】その右側の仮係止構造を示す断面図
【図9】リテーナにおける左側の本係止構造を示す断面図
【図10】その右側の本係止構造を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図10に基づいて説明する。
この実施形態では雌側のコネクタを例示しており、同雌コネクタは、図5に示すように、雌側のコネクタハウジング20(以下、雌ハウジング20)と、雌ハウジング20に収容される雌側の端子金具10(以下、雌端子10)と、雌端子10を二次係止するためのリテーナ40とから構成されている。
【0013】
雌端子10は、導電性に優れた金属板をプレス加工することで形成され、内部に弾性接触片を収容した角筒形をなす接続部11を有し、同接続部11の後方に設けられたバレル12を圧着することにより電線wの端末に固定されている。
【0014】
雌ハウジング20は合成樹脂材によって横長のブロック状に形成されており、同雌ハウジング20内には、上記した雌端子10を収容する複数のキャビティ21が、左右方向に並びかつ上下二段に亘って形成されている。上記した各雌端子10は対応するキャビティ21内に後方から挿入され、正規位置まで押し込まれたところで、キャビティ21の底面に設けられたランス22が接続部11の下面に開口されたランス孔(図示せず)に嵌ることにより、弾性的に係止されるようになっている(一次係止)。
【0015】
雌ハウジング20には、上記のようにキャビティ21内で一次係止された各雌端子10に対しさらに二次係止して二重に抜け止めするためのサイドタイプのリテーナ40が装着可能となっている。そのため、雌ハウジング20の底面には、同リテーナ40を下方から挿入可能なリテーナ装着孔25が、全キャビティ21を横切るようにして開口形成されている。
【0016】
リテーナ40は合成樹脂製であって、図1ないし図4に示すように、左右方向に並んだ全キャビティ21を横切るだけの横幅を持った格子状をなす本体部41の左右両端面に、保持板42L,42Rが設けられた形状である。以下において、両保持板42L,42Rに共通した説明する場合には、単に保持板42として説明することがある。
一方のリテーナ装着孔25は、リテーナ40の本体部41が挿入可能な本体部挿入孔26の左右両端に、リテーナ40の左右の保持板42L,42Rが挿入される保持板挿入溝27L,27Rが形成された構造である。同じく、両保持板挿入溝27L,27Rに共通した説明する場合には、単に保持板挿入溝27として説明することがある。
【0017】
リテーナ40はより詳細には、図1に示すように、本体部41における各格子43の内側の空間44が、下段側の各キャビティ21と連通可能となっているとともに、各格子43の下辺と上辺のそれぞれ上面には、下段または上段のキャビティ21内に挿入された雌端子10のあご部13にそれぞれ係止する抜け止め部45が形成されている。
【0018】
リテーナ40は、左右両端に設けられた保持板42L,42Rが、リテーナ装着孔25の左右の保持板挿入溝27L,27Rに挿入されて係止することで、後記する仮係止位置と本係止位置とでそれぞれ保持されるようになっている。
より詳細には、左右の保持板42L,42Rには、図3及び図4に示すように、前後2本の縦溝47,48が上縁から切り込み形成されることにより、各縦溝47,48の外側に、仮係止アーム50と本係止アーム55とが形成されている。
【0019】
仮係止アーム50と本係止アーム55とは、共に上端に外側を向いた鈎部51,56が形成された形状であって、それぞれの内側の縦溝47,48の底部付近を中心として、前後方向(図3,4の左右方向)に弾性撓み可能となっている。なお、各鈎部51,56の外側上部の角が傾斜面とされてガイド面52,57とされている。
ここで、仮係止アーム50と本係止アーム55とを比較すると、仮係止アーム50の方が本係止アーム55よりも幅広に形成されている。また、仮係止アーム50の内側の縦溝47の方が切り込み深さが浅くされていることで、仮係止アーム50の方が本係止アーム55より撓み変位する部分の長さが短く形成されている。端的には、仮係止アーム50の方が本係止アーム55と比べて、撓み方向の曲げ剛性が高い形態で形成されている。
【0020】
さらに特筆すべきは、正面から見た左側の保持板42Lと右側の保持板42Rとでは、仮係止アーム50と本係止アーム55の配設位置が前後逆とされている。詳細には、左側の保持板42Lでは、図3に示すように、仮係止アーム50が前側(同図の左側)に、本係止アーム55が後側にそれぞれ配されているのに対して、右側の保持板42Rでは、図4に示すように、仮係止アーム50が後側(同図の右側)に、本係止アーム55が前側にそれぞれ配されている。
【0021】
リテーナ装着孔25の左右両端に配された保持板挿入溝27L,27Rは、図7ないし図10に示すように、保持板42L,42Rの横幅がほぼ緊密に嵌る幅を持って、上方に切り込み形成されており、それぞれの上端側である奥側が、雌ハウジング20の前面または後面に開口した型抜き孔28L,28Rと連通している。
保持板挿入溝27の前縁と後縁とには、仮係止アーム50の鈎部51に係止する仮係止部30と、この仮係止部30よりも上方位置において本係止アーム55の鈎部56に係止する本係止部32とが設けられている。
【0022】
ただし上記のように、左右の保持板42L,42Rで仮係止アーム50と本係止アーム55が前後逆の位置に配されていることに対応して、左側の保持板挿入溝27Lでは、図7及び図9に示すように、仮係止部30が前縁(同図の左側縁)に、本係止部32が後縁にそれぞれ突出形成されているのに対して、右側の保持板挿入溝27Rでは、図8及び図10に示すように、仮係止部30が後縁(同図の右側縁)に、本係止部32が前縁にそれぞれ突出形成されている。
上記のような仮係止部30と本係止部32との形成形態に付随して、左側の保持板挿入溝27Lでは、型抜き孔28Lが雌ハウジング20の前面に開口し、また右側の保持板挿入溝27Rでは、型抜き孔28Rが雌ハウジング20の後面に開口した形態で形成されている。
なお、仮係止部30と本係止部32の下面側は、傾斜したガイド面31,33とされている。
【0023】
リテーナ40がリテーナ装着孔25に下方から挿入され、左右の保持板42L,42Rに設けられた仮係止アーム50が、対応する保持板挿入溝27L,27Rの仮係止部30に係止したところで、リテーナ40が仮係止位置に保持され、この仮係止位置では、図5に示すように、リテーナ40の本体部41に設けられた上下の抜け止め部45が、上下のキャビティ21の下方に退避し、雌端子10がキャビティ21内に挿入可能な状態にある。また、仮係止位置では、リテーナ40の下面部40Aが、雌ハウジング20の底面から突出した状態にある。
【0024】
リテーナ40が仮係止位置からさらに押し込まれて、左右の保持板42L,42Rに設けられた本係止アーム55が、対応する保持板挿入溝27L,27Rの本係止部32に係止したところで、リテーナ40が本係止位置に保持され、この本係止位置では、図6に示すように、リテーナ40の本体部41に設けられた上下の抜け止め部45が、上下のキャビティ21内に進入するようになっている。この本係止位置では、リテーナ40の下面が雌ハウジング20の底面と面一となった状態で、リテーナ装着孔25内にすっぽりと収容されるようになっている。
【0025】
続いて、雌コネクタの組み付けの手順について説明する。
まず、雌ハウジング20に対してリテーナ40を仮係止位置に組み付ける。それにはリテーナ40を雌ハウジング20の底面に開口されたリテーナ装着孔25に対して下方から挿入する。本体部41は本体部挿入孔26に、左右の保持板42L,42Rは保持板挿入溝27L,27Rにそれぞれ挿入され、特に保持板42L,42Rの仮係止アーム50が対応する仮係止部30に当たることで内方に撓み変位しつつ押し込まれ、本係止アーム55の鈎部56が本係止部32に当たるまで押し込まれたところで、仮係止アーム50の鈎部51が仮係止部30を通過し、それにより、図7及び図8に示すように、仮係止アーム50が復元変位して鈎部51が仮係止部30の上面に係止され、リテーナ40は、図5に示すように、仮係止位置に下方への抜け止めがなされた状態で保持される。
【0026】
このようにリテーナ40が仮係止位置に保持された状態から、図5の矢線に示すように、電線wの端末に接続された雌端子10が、雌ハウジング20の対応するキャビティ21に後方から挿入される。雌端子10はランス22を弾性撓みさせつつ押し込まれ、前壁21Aに当たる等の正規位置まで押し込まれたところで、ランス22が復動変位してランス孔に嵌ることにより、各雌端子10は抜け方向に一次係止される。
【0027】
全雌端子10の挿入が完了したら、仮係止位置にあるリテーナ40をさらに押し込む。それに伴い、保持板42L,42Rの本係止アーム55が対応する本係止部32に乗り上げて内方に撓み変位しつつ押し込まれ、本係止アーム55の鈎部56が本係止部32を通過したところで、図9及び図10に示すように、本係止アーム55が復元変位して鈎部56が本係止部32の上面に係止され、これによりリテーナ40は、図6に示すように、本係止位置に下方への抜け止めがなされた状態で保持される。
この本係止位置では、リテーナ40の本体部41に設けられた上下の抜け止め部45が対応するキャビティ21内に進入し、同キャビティ21内で一次係止されている雌端子10における接続部11のあご部13に係止し、これにより雌端子10は二次係止され、すなわち抜け方向に二重係止されることになる。
【0028】
ここで、上記した雌コネクタにおいて、リテーナ40が仮係止位置に保持された状態では、図5に示すように、リテーナ40の下面部40Aが雌ハウジング20の底面から突出した状態にあり、そのため例えば、雌端子10をキャビティ21に挿入する作業前や作業中に、取り回し中の電線wや他の異物がリテーナ40の突出した下面部40Aに引っ掛かったり突き当たったりして、リテーナ40に対してその上端側(奥側)が前方または後方に倒れるように傾かせる力が作用する可能性がある。
【0029】
しかしながら本実施形態では、左右の保持板42L,42Rにおいて、仮係止アーム50が前後逆の位置に設けられているから、例えば前方に傾こうとした場合は、図7に示すように、左側の保持板42Lの仮係止アーム50が対応する仮係止部30に係止し、本係止アーム55が本係止部32の下面に当たることと相俟って前方への傾きが規制される。一方、後方に傾こうとした場合は、図8に示すように、右側の保持板42Rの仮係止アーム50が対応する仮係止部30に係止し、本係止アーム55が本係止部32の下面に当たることと相俟って後方への傾きが規制される。すなわちリテーナ40は、前後いずれの方向についてもがたつきなく保持される。ここで、仮保持位置での傾き規制は、1本ずつの仮係止アーム50で賄うことになるが、仮係止アーム50は本係止アーム55と比べて高い曲げ剛性を有するように形成されているから、高い係止力が確保され、十分な規制力を得ることができる。
【0030】
このように、リテーナ40を仮係止位置においてがたつきなく保持できるから、仮係止アーム50が仮係止部30から外れてリテーナ40が脱落することを未然に防止できる。また、リテーナ40の係止が外れないまでも、仮係止位置に傾いた姿勢で保持されていると、雌端子10の挿入後に本係止位置に押し込む際に、抜け止め部45等が雌端子10と干渉して本係止位置まで押し込めないことがあるが、上記のようにがたつきなく保持できることで、リテーナ40を本係止位置まで正確に押し込むことができ、確実に二重係止を図ることができる。
【0031】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、仮係止アームの方が本係止アームと比べて撓み方向の曲げ剛性を高くする手段として、仮係止アームの方が幅広で、かつ撓み変位する部分の長さを短くしたが、幅広または短寸のいずれか一方のみを採用するようにしてもよい。
(2)仮係止アームの配設位置は、上記実施形態とは逆に、左側の保持板では後側、右側の保持板では前側に配するようにしてもよい。
【0032】
(3)リテーナは、ハウジングの底面に開口されたリテーナ装着孔に挿入されるものに限らず、要は、ハウジングに並設されたキャビティを横切るように配される本体部の両端に保持板が設けられた構造であって、ハウジングの天面等の他の側面側から挿入される形式のものであってもよい。
(4)さらに本発明は、雄端子が収容される雄ハウジングに対してリテーナを装着して二重係止を図るようにした雄側のコネクタにも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
10…雌端子(端子金具)
13…あご部
20…雌ハウジング(ハウジング)
21…キャビティ
25…リテーナ装着孔
27,27L,27R…保持板挿入溝
30…仮係止部
32…本係止部
40…リテーナ
42,42L,42R…保持板
45…抜け止め部
50…仮係止アーム
55…本係止アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子金具が挿入されるキャビティが複数列設されたハウジングと、前記ハウジングの側面において前記各キャビティを横切るようにして開口されたリテーナ装着孔と、前記端子金具に係止して抜け止めする抜け止め部を備えて前記リテーナ装着孔に差し込み可能なリテーナとが具備され、
前記リテーナの左右両端には、対をなす仮係止アームと本係止アームとが前後方向に間隔を開けてそれぞれ弾性撓み可能に設けられるとともに、
前記リテーナ装着孔の左右両端面には、前記仮係止アームに係止する仮係止部と、この仮係止部よりも前記リテーナの差込方向の奥側において前記本係止アームに係止する本係止部とが設けられ、
前記リテーナは、前記仮係止アームが前記仮係止部に係止することで前記端子金具が前記キャビティに挿抜することが許容される仮係止位置と、前記本係止アームが前記本係止部に係止することで前記抜け止め部が前記端子金具に係止する本係止位置とでそれぞれ保持可能とされているコネクタにおいて、
前記リテーナの左右両端にそれぞれ設けられた対をなす仮係止アームと本係止アームとは、左側と右側とで前後逆の位置に配されており、
かつ前記仮係止アームの方が前記本係止アームと比べて撓み方向の曲げ剛性が高い形態で形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記仮係止アームの方が前記本係止アームよりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記仮係止アームの方が前記本係止アームよりも撓み変位する部分の長さが短く形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−8516(P2013−8516A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139488(P2011−139488)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】