説明

コバルト含有合金による銅の選択的自己開始無電解キャッピング

本発明の実施形態は、一般的には、メッキ溶液の組成物、メッキ溶液を混合する方法及びメッキ溶液でキャッピング層を堆積させる方法を提供する。本明細書に記載されるメッキ溶液は、導電性特徴部上にキャッピング層を堆積させるために無電解堆積溶液として用いることができる。メッキ溶液はむしろ希釈溶液であり、導電性特徴部上で自己開始する強力な還元剤を含有する。メッキ溶液は、粒子を含まないキャッピング層を堆積させつつ導電層のためのインサイチュ洗浄プロセスを提供することができる。一実施形態においては、脱イオン水と、第1錯化剤を含む調整緩衝溶液、コバルト源と第2錯化剤を含むコバルト含有溶液、次亜リン酸塩源とボラン還元剤を含む緩衝化還元溶液とを合わせることを含む無電解堆積溶液を形成する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2004年10月7日出願の“コバルト含有合金の自己活性化無電解堆積法”と称する米国仮特許出願番号が不明のものと、2003年10月17日出願の“CoWP合金の自己活性化無電解堆積法”と称する米国仮特許出願第60/512,334号の恩典を主張し、これらの開示内容は共に本明細書に援用されている。
【発明の背景】
【0002】
発明の分野
[0002]本発明の実施形態は、一般的には、電子デバイスにおける導電層上にキャッピング層を堆積させる無電解堆積溶液を形成し用いるための組成物、キット及び方法、特に、銅の表面上にコバルト含有層を堆積させるための組成物、キット及び方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
[0003]銅がアルミニウムより抵抗が小さく(アルミニウムが室温で3.1μΩ-cmであるのに比べて1.67μΩ-cm)、電流容量が大きく、且つエレクトロマイグレーション抵抗が著しく大きいことから、銅とその合金はサブミクロンの相互接続技術の選択金属になった。これらの特性は、高レベルの集積化と高デバイス速度で受ける、より高い電流密度を支持するのに重要である。更に、銅は熱伝導性が良好であり、非常に純粋な状態で入手できる。
【0004】
[0004]しかしながら、銅は、銅を求めている様式のデバイスが所望のデバイス性能特性を満たしていることを確かめるために扱わなければならない一対の負の特性をもち、再現可能な結果をもたらすものである。第1の負の特性は、銅が基板上のケイ素、二酸化ケイ素、ほとんどの誘電材料を通して急速に拡散するという事実である。それ故、銅層を封入して層間の拡散を防止するためにバリア層が必要とされる。第2の負の特性は、銅が酸素にさらされるとすぐに酸化銅を形成することである。銅の酸化は、CMP後にさらされるバイア又はトレンチの表面のようなデバイスの他の領域に相互接続部が作られるインタフェースである表面上で特に重要である。金属層間のインタフェースで酸化銅が形成されると、抵抗(例えば、銅相互接続部)が増大するとともに形成されたデバイス内の回路全体の信頼性が低下することがある。1つの解決策は、銅拡散、エレクトロマイグレーション、酸化に対して効率のよいバリアを設ける銅表面上に金属合金を選択的に堆積させることである。これは、誘電材料に比べて、銅に対して選択的な無電解メッキプロセスを用いて最も容易に達成されると思われる。リン化タングステンコバルト(CoWP)のようなコバルト含有合金は、多くの又は全ての要求物を満たすために確立された物質であり、無電解堆積技術によって堆積させることができる。これらの物質は、一般的には、満足に触媒することができず、堆積を開始させることもできないので、標準的な無電解溶液を用いて銅上で無電解堆積させるのには問題があった。コバルト含有合金の堆積は電気化学的に(例えば、十分な負電圧を印加することによって)簡単に開始させることができるが、基板表面上に連続的な導電面が必要とされ、それはCu-CMPプロセス後には得られない。
【0005】
[0005]銅表面上で無電解堆積を開始させるために確立された方法は、置換メッキによって、銅の表面上に触媒金属の薄層を堆積させることである。しかしながら、触媒金属の堆積は、複数のステップ又は触媒コロイド化合物の使用を必要とするものである。触媒コロイド化合物は、基板表面上で誘電材料に付着し、キャッピング合金物質の望ましくない非選択的な堆積の結果になってしまう。金属合金キャッピング物質の非選択的堆積によって、表面汚染物質が生じるとともに短回路や他のデバイスの不規則性から最終的にデバイスが故障してしまう。
【0006】
[0006]従来技術は、コバルト含有キャッピング層が無電解メッキ溶液から堆積することを開示している。一般的には、メッキ溶液が濃縮されるほど、沈殿が形成しやすい。しかしながら、溶液中の個々の成分の割合が、堆積処理の間はよりゆっくりと消耗するので、化学濃度の高い(例えば、約0.05M〜1.0M)メッキ溶液が従来は望ましいものであった。低い化学濃度(例えば、<0.05M)を有するメッキ溶液は、堆積/メッキプロセスによって又は周囲酸素からの酸化によって、金属と還元剤を急速に消耗する傾向がある。
【0007】
[0007]従来技術には、一般的には、キャッピング層を堆積させる前に、銅導電層が、まず酸化物やポリマー残基のような様々な汚染物質を取り除くために洗浄され、その後、例えば、パラジウムによる、置換メッキによって活性化されるプロセスが記載されている。基板は、一般的には、キャッピング層を堆積させるために他のチャンバに搬送される前に、洗浄され活性化される。洗浄された銅表面は、洗浄チャンバと堆積チャンバの間を搬送されつつ更に酸化/汚染を受けやすい。それ故、頑丈な半導体デバイスを形成する場合、新しく洗浄された表面が大気にさらされる時間は重要であり得る。
【0008】
[0008]それ故、導電層上にバリア合金を選択的に堆積させるためのより簡単で、より頑丈で、より欠点のない方法が求められている。基板を直接空気にさらさないで、前洗浄とメッキプロセスを組み合わせる方法も求められている。
【発明の概要】
【0009】
[0009]一実施形態においては、無電解堆積溶液を形成する方法であって、第1pH値を有し且つ錯化剤(例えば、クエン酸塩、グリシン、DEA)の第1組合わせを含む調整緩衝溶液を形成するステップと、第2pH値を有し且つコバルト源、タングステン源、第2錯化剤を含むコバルト含有溶液を形成するステップと、第3pH値を有し且つ次亜リン酸塩源、ボラン還元剤、第3錯化剤を含む緩衝化還元溶液を形成するステップとを含む前記方法が提供される。前記方法は、更に、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、活性無電解堆積溶液を形成するステップを含んでいる。無電解堆積溶液は、約1mM〜約30mMのコバルト濃度範囲、約0.1mM〜約5mMのタングステン濃度範囲、約5mM〜約50mMの次亜リン酸塩濃度範囲、約5mM〜約50mMのボラン濃度範囲を含み、約8〜約10の範囲の全pH値を有する。
【0010】
[0010]他の実施形態においては、無電解堆積溶液を形成するためのキットであって、第1pH値を有し且つ第1錯化剤を含む調整緩衝溶液と、第2pH値を有し且つコバルト源、第2金属源、第2錯化剤を含むコバルト含有溶液と、第3pH値を有し且つ次亜リン酸塩源、ボラン還元剤、追加の還元剤を含む緩衝化還元溶液とを含む前記キットが提供される。前記キットは、更に、少なくとも調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、無電解堆積溶液を形成するための取扱説明書を含んでいる。
【0011】
[0011]他の実施形態においては、クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成するためのキットであって、第1pH値を有し且つクエン酸塩、アルカノールアミンを含む調整緩衝溶液と、第2pH値を有し且つコバルト源、第2金属源、クエン酸塩を含むコバルト含有溶液と、第3pH値を有し且つ次亜リン酸塩源、ボラン還元剤、クエン酸塩を含む緩衝化還元溶液とを含む前記キットが提供される。前記キットは、更に、少なくとも調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成するための取扱説明書を含んでいる。
【0012】
[0012]他の実施形態においては、無電解堆積プロセスによって基板表面上に配置された導電層上にコバルト含有層を堆積させる方法であって、第1容量の調整緩衝溶液、第2容量のコバルト含有溶液、第3容量の緩衝化還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、基板表面をメッキ溶液にさらすことによって導電層上にコバルト含有層を形成するステップとを含む前記方法が提供される。
【0013】
[0013]他の実施形態においては、メッキ溶液の組成物であって、約5mM〜約20mMの濃度範囲のコバルト源と、約0.2mM〜約5mMの濃度範囲のタングステン源と、約5mM〜約50mMの濃度範囲の次亜リン酸塩源と、約2mM〜約50mMの濃度範囲のボラン還元剤と、約90mM〜約200mMの濃度範囲のクエン酸塩と、約50mM〜約150mMの濃度範囲のアルカノールアミンと、約1mM〜約20mMの濃度範囲のホウ酸と、約50ppm以下の濃度範囲の界面活性化剤と、約8〜約10のpHを維持する濃度のpH調整剤とを含む前記組成物が提供される。任意に、前記組成物は、1つ以上の安定剤を約100ppm以下の濃度で含むことができる。
【0014】
[0014]他の実施形態においては、メッキ溶液の組成物であって、約5mM〜約20mMの濃度範囲のコバルト源と、約5mM以下の濃度範囲の第2金属源と、約5mM〜約50mMの濃度範囲の次亜リン酸塩源と、約2mM〜約50mMの濃度範囲のボラン還元剤と、約90mM〜約200mMの濃度範囲のクエン酸塩と、約50mM〜約150mMの濃度範囲のアルカノールアミンと、約1mM〜約20mMの濃度範囲のホウ酸と、約50ppm以下の濃度範囲の界面活性化剤と、約8〜約10のpHを維持する濃度のpH調整剤とを含む前記組成物が提供される。
【0015】
[0015]他の実施形態においては、無電解堆積プロセスによってコバルト含有層を堆積させる方法であって、基板上の導電層を活性化溶液にさらして、活性化した導電層を形成するステップと、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、活性化した導電層をメッキ溶液にさらして、コバルト含有層を堆積させるステップとを含む前記方法が提供される。
【0016】
[0016]他の実施形態においては、無電解堆積溶液を形成する方法であって、調整緩衝溶液を第1温度に維持するステップと、金属含有溶液を第2温度に維持するステップと、還元溶液を第3温度に維持するステップと、水を第4温度に維持するステップと、調整緩衝溶液、金属含有溶液、還元溶液、水を合わせて、第5温度の無電解堆積溶液を形成するステップとを含む前記方法が提供される。
【0017】
[0017]他の実施形態においては、無電解堆積溶液を形成する方法であって、水から酸素を除去して、約1ppm以下の酸素濃度を有するステップと、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水を合わせて、約3ppm以下の第2酸素濃度を有する無電解堆積溶液を形成するステップとを含む前記方法が提供される。
【0018】
[0018]他の実施形態においては、無電解堆積溶液を形成する方法であって、少なくとも2つの錯化剤を含む調整緩衝溶液を形成するステップと、コバルト含有溶液を形成するステップと、緩衝化還元溶液を形成するステップと、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、無電解堆積溶液を形成するステップとを含む前記方法が提供される。
【0019】
[0019]他の実施形態においては、クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成する方法であって、水、調整緩衝溶液、金属含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成するステップであって、調整緩衝溶液がクエン酸塩とアルカノールアミンを含み、金属含有溶液が金属源とクエン酸塩を含み、還元溶液が次亜リン酸塩源とクエン酸塩を含む、前記ステップを含む前記方法が提供される。ある態様においては、クエン酸塩をベースとした堆積溶液のクエン酸塩濃度は約50mM〜約300mMの範囲であり、金属源は約8mM〜約15mMの金属濃度を有する。クエン酸塩濃度と金属濃度は約8:1以上の割合であり、好ましくは約10:1以上、更に好ましくは約12:1以上である。
【0020】
[0020]他の実施形態においては、導電層を含む基板上に無電解堆積プロセスによってコバルト含有層を堆積させる方法であって、基板表面を調整緩衝溶液にさらして、洗浄した導電層を形成するステップと、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、洗浄した導電層をメッキ溶液にさらして、その上にコバルト含有層を堆積させるステップとを含む前記方法が提供される。
【0021】
[0021]他の実施形態においては、導電層を含む基板表面上に無電解堆積プロセスによってコバルト含有層を堆積させる方法であって、基板表面を緩衝化還元溶液にさらして、洗浄した導電層を形成するステップと、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、洗浄した導電層をメッキ溶液にさらして、その上にコバルト含有層を堆積させるステップとを含む前記方法が提供される。
【0022】
[0022]他の実施形態においては、無電解堆積溶液を形成するための装置であって、クエン酸塩を含む調整緩衝溶液を含む第1容器と、金属源とクエン酸塩を含む金属含有溶液を含む第2容器と、次亜リン酸塩源とクエン酸塩を含む緩衝化還元溶液を含む第3容器と、加熱した脱イオン化脱ガス水の水源と、第1、第2、第3容器と水源が液体で連通している第4容器であって、第4容器が無電解堆積溶液を含んでいる前記第4容器とを含む前記装置が提供される。一態様においては、前記装置は、消耗した無電解堆積溶液の金属濃度を低下させるのに用いられる加熱バッフルを含んでいる。
【0023】
[0023]他の実施形態においては、無電解堆積溶液を形成する方法であって、第1錯化剤を含む調整緩衝溶液を形成するステップと、コバルト源、タングステン源、第2錯化剤を含むコバルト含有溶液を形成するステップと、次亜リン酸塩源、ボラン還元剤を含む緩衝化還元溶液を形成するステップと、インライン混合システムにおいて加熱水、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、無電解堆積溶液を形成するステップと、無電解堆積溶液を形成した後、無電解堆積溶液を基板表面上に約60分以内、好ましくは約10分以内、更に好ましくは約2分以内の時間分散させるステップと、を含む前記方法が提供される。
【0024】
[0024]本発明の上記特徴が詳細に理解できるように、上で簡単に纏めた本発明のより詳しい説明を実施形態によって参照することができ、その一部は添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図は、本発明の典型的な実施形態だけを示しており、それ故、本発明の範囲を制限するものとみなしてはならず、本発明は、他の同等に有効な実施形態を許容することができる。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0025】
[0031]本明細書に用いられる語句は、特に定義されない限り当業者が理解するように当該技術において普通の通例の意味を示されなければならない。無電解堆積は、外部電流がない場合に化学還元によって、例えば、均質の還元剤の自己触媒酸化によって、本明細書では触媒的に活性な表面にわたって浴中の金属イオンから導電材料を堆積させることとして広く定義される。
【0026】
[0032]本発明の実施形態は、メッキ溶液の組成物及びキット、メッキ溶液を混合する方法、メッキ溶液を用いてキャッピング層を堆積させる方法を提供する。本明細書に記載されるメッキ溶液は、一般的には、導電性特徴部上にキャッピング層を堆積させる無電解堆積溶液として用いられる。一般的には、導電性特徴部は銅又は銅合金を含み、キャッピング層はコバルト含有物質を含んでいる。
【0027】
[0033]本発明の実施形態は、コバルト含有物質の無電解堆積に用いられる方法及び組成物を含んでいる。発明者らは、無電解メッキ溶液を形成し用いるコスト効率の良い方法を発見した。無電解堆積プロセスの間に、メッキした膜の中に取り込まれる粒子が、形成された半導体特徴部の品質を下げ得るので、メッキ溶液中での粒子形成は有利に回避される。メッキ溶液中で形成される粒子量を減少させつつ、低金属濃度(<0.05M)が得られる。高キレート化剤濃度も、特に、低い金属濃度に相対して、粒子形成の欠除によるものである。メッキ溶液が少量でインライン混合され、使用ポイントで消費されるまで、メッキ溶液の濃縮物は別々に維持される。各処理ステップ後、消耗したメッキ溶液は処分されるので、各基板は微粒子を含まないバージンメッキ溶液にさらされる。更に、粒子形成を避けるために、メッキ溶液の混合と使用の間の短い時間が最短に保持される。
【0028】
[0034]一般的には、使用の直前に混合する複数成分溶液から金属特徴部上で選択的堆積を可能にする自己開始化学とプロセスが発見された。各成分溶液は、各成分溶液の中の比較的高濃度の1つ以上のキレート化剤によって安定する。成分溶液は、加熱した脱ガス脱イオン水と、好ましくは合わせて混合される。加熱水は、慣用のヒータにおいて残留時間を必要とせずに合わせた成分溶液を急速に加熱する。慣用のヒータにおいて残留時間を排除することは、粒子を形成する極めて反応性の化学を含まずに堆積させるために、反応性の自己開始溶液を基板上に分配することを可能にする。高濃度のキレート化剤は、堆積制御を容易にするキレート化剤と金属との比を得るために合わせた成分溶液中で希釈される。重要な速度制限要因は、金属イオンと還元剤の単純な拡散が制限された反応よりもむしろ、高キレート化濃度であるような、下で詳述されるように、化学の組成物が配合される。
【0029】
[0035]堆積プロセスを開始する前に、基板は好ましくは、所望の洗浄液を用いてエクスサイチュか又はインサイチュで洗浄される。堆積後、基板は、洗浄されアニールプロセスを受けることができる。
【0030】
[0036]本発明の態様は、まず成分化学によって、次に、メッキ溶液と呼ばれる合わせた成分化学によって、次に、組成物を用いて無電解層を形成するために用いられるハードウエアとプロセスによって以下に記載される。
【0031】
[0037]好適実施形態においては、クエン酸塩のような主要な錯化剤は、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液のそれぞれに分配され、各溶液を濃縮物として供給させることができ、脱ガス熱湯脱イオン水で希釈することによって活性メッキ槽が調製される。すべての成分を合わせ混合したとき、クエン酸塩の絶対濃度があまり高くなければ、3つの成分すべての間に分配することによって最も容易に行うことができるように、コバルトイオン又は還元剤の全濃度が最終メッキ溶液の目標とされる濃度をかなり超えるという状態を避けることが有利である。本発明の一態様は、コバルト含有溶液のような単一成分にクエン酸塩を分離することから生じる粘度の差を減少させることによって成分を効果的に混合する方法である。
【0032】
[0038]一実施形態においては、メッキ溶液は、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水を共に混合することによって形成される。好ましくは、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液は、水と合わせたときに所望されるメッキ溶液を形成するそれぞれの濃縮成分溶液である。追加の水は、メッキ溶液容量の50%、好ましくは約60%、又は更に更に好ましくは約70%を超えて構成する。好ましくは、水は、脱イオン化され、脱ガスされ、加熱される。一機能においては、水は、各成分溶液をメッキ溶液の中で所望の濃度に希釈する。水を脱ガスすると、酸素と他のトラップされたガス(1種以上)の多くが除去される。水は混合したメッキ溶液よりも脱酸素するのが容易であり、水はメッキ溶液の主要成分なので、メッキ溶液の全体の酸素濃度が低下する。また、加熱水は成分溶液のそれぞれと混合したとき、熱エネルギーをメッキ溶液に伝達する。それ故、水は、堆積プロセスの間に基板表面上に分散されたときに到達する約5℃〜約10℃未満の所望温度に混合したメッキ溶液の温度を上げるのに十分な温度に加熱される。
【0033】
[0039]調整溶液はキレート化剤/錯化剤、pH緩衝化合物、pH調整化合物を含有する緩衝化溶液である。また、調整溶液は、基板表面の洗浄と銅イオンのキレート化を援助する化合物を含有する。コバルト含有溶液は、コバルト源、第2金属源、例えば、タングステン源又はモリブデン源、キレート化剤/錯化剤、任意の界面活性化剤、pH調整化合物を含有する水溶液である。緩衝化還元溶液は、キレート化剤/錯化剤、還元剤又は還元剤の混合物、任意の安定剤、pH調整化合物を含んでいる。還元剤は、メッキ溶液の中で金属イオンを化学的に還元(即ち、電子を移動させる)して、金属が堆積することを可能にする。好ましくは、還元剤は、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)による次亜リン酸の中和から得られた次亜リン酸塩である。次亜リン酸は、成長する合金層においてリン源として働く。活性化剤としてとみなされてもよい第2還元剤は、典型的には、反応性ホウ素-水素結合を含んでいる。第2還元剤の一実施例は、ジメチルアミンボラン錯体である。この共還元剤は非常に反応性であり、活性化層を必要とせずさらされた銅導体の表面上で金属イオンの還元を開始できるので重要である。ホウ素-水素含有活性化剤は、コバルト含有物質の堆積の間、次亜リン酸塩源と共還元剤として作用する。
【0034】
前洗浄
[0040]前洗浄プロセスは、コバルト含有物質を堆積させる前に、基板表面上で行われる。洗浄液は、表面を洗浄し前調整するために、基板表面上の全体に分配されるか噴霧される。洗浄プロセスは、続いての無電解堆積プロセスと同様の処理セルで行われるインサイチュプロセスであってもよい。或いは、基板は、続いての無電解堆積処理セルとは別の処理セルで前洗浄されてもよい。
【0035】
[0041]インサイチュ前洗浄プロセスの一実施形態においては、基板表面は、完全なメッキ溶液にさらされる前に、最初に調整緩衝溶液にさらされる。脱イオン水と合わせた調整緩衝溶液は、コバルト合金層の堆積の前に、表面を洗浄し前調整するために、基板表面上の全体に分配されるか噴霧される。調整緩衝溶液によって、酸化銅と汚染物質が除去される。他の実施例においては、基板表面は、まず、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、脱イオン水の混合物にさらされる。成分溶液から形成された前洗浄溶液にさらすことは、好ましくは、続いての堆積プロセスと同様のセルで行われる。それ故、メッキプロセスの前に、基板表面は、最小限の酸素含有環境にさらされる。洗浄プロセス後、洗浄された基板は、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、脱イオン水から構成されるメッキ溶液にさらされる。
【0036】
[0042]他の実施形態においては、基板表面は、メッキ溶液の成分溶液以外の前洗浄溶液で前洗浄される。前洗浄プロセスは、無電解堆積チャンバと同様のセルで又は異なるセルで行われてもよい。前洗浄プロセスは、通常、pHが約4以下、好ましくは約1.5〜約3の酸性前洗浄溶液を含んでいる。より激しく酸化した表面は、典型的には、より低いpH値でより積極的な洗浄を必要とした。前洗浄溶液は、カルボン酸又はカルボン酸塩、例えば、クエン酸塩、シュウ酸、グリシン、それらの塩やそれらの組合わせのような少なくとも1つのキレート化剤又は錯化剤を含有する。一実施例においては、前洗浄は約0.05M〜約0.5Mのクエン酸と任意で0.25Mまでのメタンスルホン酸を含有する。
【0037】
調整緩衝濃縮物
[0043]調整緩衝溶液はキレート化剤又は錯化剤、緩衝益、pH調整化合物、水を含有する濃縮物である。キレート化剤又は錯化剤は、通常、約200mM〜約2M、好ましくは約200mM〜約600mMの濃度で調整緩衝溶液中にある。錯化剤は、たいていアミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、アミノ酸、アミン、ジアミン、ポリアミン、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルコキシアミンのような官能基を有してもよい。錯化剤は、クエン酸、グリシン、エチレンジアミン(EDA)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、それらの誘導体、それらの塩、それらの組合わせを含むことができる。一実施形態においては、クエン酸又はそれぞれのクエン酸塩は、好ましい錯化剤である。他の実施形態においては、クエン酸やグリシンは、いずれも調整緩衝溶液中に含まれる。他の実施形態においては、クエン酸、DEA、グリシンが調整緩衝溶液中に含まれる。
【0038】
[0044]調整緩衝溶液は、一般的には、酸のそれぞれの塩を形成するために塩基性pH範囲に塩基性化酸を含有する。例えば、クエン酸は、クエン酸アンモニウム又はクエン酸テトラメチルアンモニアのようなクエン酸塩に変換される。クエン酸塩は、溶液を緩衝し、続いてのメッキ溶液中の金属イオンをキレート化又は錯化する。DEA又はTEAのようなアルカノールアミンは、pH調整剤、緩衝剤、キレート化剤/錯化剤、抗乾燥剤として機能する。抗乾燥剤としてアルカノールアミンは、メッキ溶液のたまりが乾燥し沈殿物を形成することから保持する。アルカノールアミンは、また、極性の小さい炭素含有誘電材料に関してメッキ槽の湿潤特性を改善すると考えられる。グリシンは、所望のpHで緩衝能を増加させるとともに銅表面から酸化第二銅と酸化第一銅双方のより完全な除去を確実にするために添加される。ホウ酸は、更に緩衝し、溶液の組成物を安定化するために添加することができる。ホウ酸は、ボラン還元剤を用いるメッキ溶液の続いての還元反応からの酸化副生成物である。それ故、調整緩衝溶液中にホウ酸を添加すると、新しい組成物と既にメッキが開始されているものとの反応性の標準化が援助される。
【0039】
[0045]一実施形態においては、pH調整剤は、約8〜約12、好ましくは約8〜約10、更に好ましくは約8.5〜約9.5のpH範囲を調整するために調整緩衝溶液に添加される。調整緩衝溶液が7容量等価物の脱イオン水と合わせると、約9.5のpHが得られる。pH調整剤は、アンモニア、アミン又は水酸化物、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム((CH)NOH、TMAH)、NHOH、TEA、DEA、それらの塩、それらの組合わせを含むことができる。
【0040】
[0046]一実施例においては、調整緩衝溶液は、約300mM〜約600mM、好ましくは約450mMのDEA濃度、約200mM〜約500mM、好ましくは約375mMのクエン酸濃度、約100mM〜約300mM、好ましくは約150mMのグリシン濃度、約10mM〜約100mMまで、好ましくは約50mMのホウ酸濃度、脱イオン水、約8〜約10まで、好ましくは約9〜約9.5まで、更に好ましくは約9.25のpHを有するのに十分なpH調整剤(例えば、TMAH)を含有する。
【0041】
[0047]他の実施例においては、調整緩衝溶液は、約800mM〜約1.2Mまで、好ましくは約1MのDEA濃度、約300mM〜約400mM、好ましくは約375mMのクエン酸濃度、約200mM〜約600mM、好ましくは約300mMのグリシン濃度、約80mM〜約120mM、好ましくは約100mMのホウ酸濃度、脱イオン水、約8〜約10、好ましくは約9〜約9.5、更に好ましくは約9.25のpHを有するのに十分なpH調整剤(例えば、TMAH)を含有する。
【0042】
コバルト含有濃縮物
[0048]一般的には、コバルト含有溶液は、コバルト源と、タングステン源又はモリブデン源のような第2金属源と、錯化剤又はキレート化剤と、pH調整剤と、任意の界面活性化剤と、他の任意の添加剤と、水とを含む濃縮物である。コバルト含有溶液は、約50mM〜約200mM、好ましくは約80mM〜約150mMの濃度範囲であってもよいコバルト源を含有する。コバルト源は、あらゆる水溶性コバルト源(例えば、Co2+)、例えば、硫酸コバルト(CoSO)、塩化コバルト(CoCl)、酢酸コバルト((CHCO)Co)、タングステン酸コバルト(CoWO)、それらの誘導体、それらの水和物、それらの組合わせを含むことができる。いくつかのコバルト源は、CoSO・7HO、CoCl・6HO、(CHCO)Co・4HOのような水和物誘導体を有する。一実施例においては、硫酸コバルトは、好ましいコバルト源である。例えば、CoSO・7HOは、約50mM〜約150mMの範囲の濃度でコバルト含有溶液中に存在することができる。他の実施例においては、CoCl・6HOは、約50mM〜約150mMの範囲の濃度でコバルト含有溶液中に存在することができる。
【0043】
[0049]コバルト含有溶液は、タングステン源又はモリブデン源のような第2金属源を含んでいる。タングステン源は、約0.5mM〜約50mM、好ましくは約1mM〜約30mM、更に好ましくは約10mM〜約30mMの範囲の濃度でコバルト含有溶液中にあってもよい。タングステン源は、タングステン酸(HWO)や様々なタングステン酸塩、例えば、酸化タングステンアンモニウム又はタングステン酸アンモニウム、タングステンコバルト(CoWO)、タングステン酸ナトリウム(NaWO)、タングステン酸カリウム(KWO)、他の水溶性WO2-源、それらの水和物、それらの誘導体及び/又はそれらの組合わせを含むことができる。一実施例においては、タングステン酸は、好ましいタングステン源であり、約10mM〜約30mMの範囲の濃度でコバルト含有溶液中に存在することができる。
【0044】
[0050]モリブデン源は、約20ppm〜約1,000ppm、好ましくは約50ppm〜約500ppm、更に好ましくは約100ppm〜約300ppmの濃度範囲でコバルト含有溶液中にあってもよい。モリブデン源は、三酸化モリブデン(MoO)や様々なモリブデン塩、例えば、モリブデン酸テトラメチルアンモニウム((MeN)MoO)、ジモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム(NaMoO)、モリブデン酸カリウム(KMoO)、他のMoO2-源、それらの水和物、それらの誘導体及び/又はそれらの組合わせを含むことができる。一実施例においては、三酸化モリブデンは好ましいモリブデン源であり、約100ppm〜約300ppmの範囲の濃度でコバルト含有溶液中に存在することができる。他の実施例においては、モリブデン酸テトラメチルアンモニウムは、酸化モリブデン(VI)と水酸化テトラメチルアンモニウムとを反応させることによって形成され、約100ppm〜約300ppmの範囲の濃度でコバルト含有溶液中に存在させることができる。
【0045】
[0051]錯化剤は、また、約100mM〜約750mM、好ましくは約200mM〜約500mMの範囲の濃度を有することができるコバルト含有溶液中に存在する。コバルト含有溶液中で、錯化剤又はキレート化剤は、コバルトイオン(Co2+)と錯体を形成する。錯化剤は、また、コバルト含有溶液中で緩衝特性を与えることができる。錯化剤は、一般的には、アミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、アミン、ジアミン、ポリアミンのような官能基を有してもよい。錯化剤は、カルボン酸、アミノ酸、アミン、例えば、クエン酸、グリシン、エチレンジアミン(EDA)、それらの誘導体、それらの塩、それらの組合わせを含むことができる。一実施形態においては、クエン酸は好ましい錯化剤である。例えば、クエン酸は、約200mM〜約500mMの範囲の濃度でコバルト含有溶液中に存在させることができる。他の実施例においては、グリシンは、約100mM〜約300mMの範囲の濃度で存在させることができる。
【0046】
[0052]pH調整剤、一般的には塩基は、コバルト含有溶液のpHを調整するために用いられる。一実施形態においては、pH調整剤は、約7〜約11、好ましくは約8〜約10、更に好ましくは約8.5〜約9.5の範囲にpHを調整するために濃縮物に添加される。pH調整剤は、水酸化テトラアルキルアンモニウム、好ましくは、水酸化テトラメチルアンモニウム((CH)NOH、TMAH)又はそれらの誘導体のような塩基を含むことができる。
【0047】
[0053]また、コバルト含有溶液に任意の界面活性化剤を添加することができる。界面活性化剤は、メッキ溶液と基板表面の間の表面張力を減少させる湿潤剤として作用する。界面活性化剤は、一般的には、約1,000ppm以下、好ましくは約500ppm以下、例えば、約100ppm〜約300ppmの濃度でコバルト含有溶液に添加される。界面活性化剤はイオン特性又は非イオン特性を有してもよい。好ましい界面活性化剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のような硫酸ドデシルを含んでいる。コバルト含有溶液中に用いることができる他の界面活性化剤は、グリコールエーテルをベースとした界面活性化剤(例えば、ポリエチレングリコール)を含んでいる。例えば、グリコールエーテルをベースとした界面活性化剤は、ダウケミカル社(DowChemical Company)から入手できるTRITON(登録商標)100のような、ポリオキシエチレン構成単位を含有することができる。他の有用な界面活性化剤は、リン酸塩単位、例えば、ロディア社(Rhodia,Inc.)から入手できるRHODAFAC(登録商標)RE-610のようなポリ(オキシエチレン)フェニルエーテルリン酸ナトリウムを含有することができる。界面活性化剤は、単一化合物又は種々の長さの炭化水素鎖を有する分子の化合物の混合物であってもよい。
【0048】
[0054]一実施例においては、コバルト含有溶液は、約80mM〜約120mM、好ましくは約100mMの濃度のCoCl・6HOと、約10mM〜約30mM、好ましくは約20mMの濃度のHWOと、約300mM〜約400mM、好ましくは約375mMの濃度のクエン酸と、約100ppm〜約300ppm、好ましくは約200ppmの濃度のSDSと、脱イオン水と約8〜約10、好ましくは約9〜約9.5、更に好ましくは約9.25のpHを有するのに十分なpH調整剤(例えば、TMAH)とを含んでいる。
【0049】
[0055]他の実施例においては、コバルト含有溶液は、約80mM〜約120mM、好ましくは約100mMの濃度のCoCl・6HOと、約50ppm〜約500ppm、好ましくは約200ppmの濃度のMoOと、約300mM〜約400mM、好ましくは約375mMの濃度のクエン酸と、約100ppm〜約300ppm、好ましくは約200ppmの濃度のSDSと、脱イオン水と約8〜約10、好ましくは約9〜約9.5、更に好ましくは約9.25のpHを有するのに十分なpH調整剤(例えば、TMAH)とを含んでいる。
【0050】
緩衝化還元濃縮物
[0056]緩衝化還元溶液は、次亜リン酸塩源、活性化剤又はボラン還元剤のような共還元剤、錯化剤/キレート化剤、pH調整剤、任意の安定剤、水を含有する濃縮物である。次亜リン酸塩源は、約50mM〜約500mM、好ましくは約100mM〜約300mMの濃度範囲で緩衝化還元溶液中にあってもよい。次亜リン酸塩源は、メッキプロセスの間、還元剤として作用し、メッキ溶液中に溶解した金属イオンを化学的に還元する。次亜リン酸塩源は、堆積したコバルト含有物質(例えば、CoP、CoWP又はCoWPB)のリン源であってもよい。次亜リン酸塩源は、次亜リン酸(HPO)、それらの塩及びそれらの組合わせより選ぶことができる。溶液中で解離すると、次亜リン酸塩源はHPO1-として存在し、Na1+、K1+、Ca2+、NH1+、(CH)1+(TMA)とそれらの組合わせを含む塩、好ましくは、次亜リン酸塩源は一塩基性次亜リン酸テトラメチルアンモニウム([(CH)N][HPO])である。一実施例においては、緩衝化還元溶液は、HPO(50容量%)から調製されて約200mM〜約300mMの次亜リン酸塩濃度を得る。
【0051】
[0057]緩衝化還元溶液は、また、活性化剤又はボラン還元剤のような共還元剤を約50mM〜約500mM、好ましくは約100mM〜約300mMの濃度で含有する。ボラン還元剤は、還元剤として、潜在的には堆積した合金中のホウ素源としての働きをする。ある実施例においては、本発明者らは、メッキ溶液が次亜リン酸塩源を含む場合、ホウ素は典型的にはコバルト含有物質に取り込まれないことがわかった。還元剤として、ボラン還元剤は、無電解メッキプロセスを開始するために、メッキ溶液中に溶解したイオンを化学的に還元する(即ち、電子を移す)。還元プロセスは、他の元素の中でも、コバルト、タングステン又はモリブデン、リンのような、コバルト含有合金の組成物を形成する種々の元素及び/又は化合物を堆積させる。
【0052】
[0058]ボラン還元剤は、アミン、ホスフィン、溶媒、ルイス塩基特性を有する他の化合物のような、少なくとも1つの供与配位子とボラン錯体形成することができる。溶液に溶解すると、ボラン錯体は、メッキ溶液中で解離するか又は配位子を交換することができる。本発明の実施形態に有用なボラン還元剤とボラン源は、ジメチルアミンボラン錯体((CH)NH・BH、DMAB)、トリメチルアミンボラン錯体((CH)N・BH、TMAB)、tert-ブチルアミンボラン錯体(BuNH・BH)、テトラヒドロフランボラン錯体(THF・BH)、ピリジンボラン錯体(CN・BH)、アンモニアボラン錯体(NH・BH)、ボラン(BH)、ジボラン(B)、それらの誘導体、それらの錯体、それらの組合わせを含んでいる。
【0053】
[0059]一実施形態においては、ボラン還元剤は直接溶液に添加することができ、最初に、水又は有機溶媒、例えば、グリコールエーテル溶媒と混合することもできる。グリコールエーテル溶媒は、本明細書でPM溶媒とも呼ばれる、ダウケミカル社(DowChemical Company)からDowanolPM(登録商標)として入手できるプロピレングリコールメチルエーテルのような、グリコールエーテルファミリのメチル、エチル、プロピル、ブチル誘導体を含んでいる。
【0054】
[0060]錯化剤は、約100mM〜約750mM、好ましくは約200mM〜約500mMの濃度範囲で緩衝化還元溶液中に存在させることができる。続いてのメッキ溶液中で、錯化剤及び/又はキレート化剤は、コバルトイオン(例えば、Co2+)と錯体を形成する。錯化剤は、緩衝化還元溶液中で緩衝特性も与える。錯化剤は、アミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、アミン、ジアミン、ポリアミンを含んでいる。緩衝化還元溶液中に用いられる個々の錯化剤は、クエン酸、グリシン、エチレンジアミン(EDA)、それらの誘導体、それらの塩、それらの組合わせを含んでいる。一実施形態においては、クエン酸又はクエン酸塩が好ましい錯化剤である。例えば、コバルト含有溶液は、約200mM〜約600mMの範囲のクエン酸塩濃度を有してもよい。
【0055】
[0061]任意の安定剤は緩衝化還元溶液に添加することもできる。安定剤は、銅イオン(例えば、Cu1+又はCu2+)と選択的に錯体形成して溶液中での粒子核生成の傾向を低下させることができる。有用な安定剤は水溶媒であり、銅イオンを錯体形成するのに高い親和性を有する。緩衝化還元溶液中で、安定剤は、一般的には、約20ppm〜約250ppm、好ましくは約80ppm〜約120ppmの濃度を有する。好ましい安定剤は、約80ppm〜約120ppmの濃度のヒドロキシピリジン又はそれらの誘導体である。
【0056】
[0062]pH調整剤は、緩衝化還元溶液を、約7〜約12、好ましくは約8〜約10、更に好ましくは約8.5〜約9.5の範囲のpHに調整するために添加される。pH調整剤は、水酸化テトラアルキルアンモニウム、好ましくは、水酸化テトラメチルアンモニウム((CH)NOH、TMAH)又はそれらの誘導体のような塩基を含むことができる。緩衝化還元溶液に用いられるpH調整剤は、調整緩衝溶液及び/又はコバルト含有溶液中に用いられるpH調整剤と同じであっても異なってもよい。
【0057】
[0063]一実施例においては、緩衝化還元溶液は、約100mM〜約350mM、好ましくは約250mMの濃度のHPO(50%)と、約100mM〜約300mM、好ましくは約200mMの濃度のDMABと、約300mM〜約400mM、好ましくは約375mMの濃度のクエン酸と、約25ppm〜約300ppm、好ましくは約100ppmの濃度のヒドロキシピリジンと、脱イオン水と、約8〜約10、好ましくは約9〜約9.5、更に好ましくは約9.25のpHを与えるのに十分なpH調整剤(例えば、TMAH)とを含んでいる。
【0058】
メッキ溶液
[0064]メッキ溶液は、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を脱イオン水に合わせることによって形成することができる。メッキ溶液の組成物は、pH変動を減少させるとともに溶液の中の溶解した化学成分の維持を援助する緩衝剤を含んでいる。インライン混合においてメッキ溶液の成分を合わせることによる使用時混合は、これらの目標を達成させるのに効率のよい有効なプロセスである。
【0059】
[0065]一実施例においては、メッキ溶液は、1容量等価物の調整緩衝溶液と、コバルト含有溶液と、緩衝化還元溶液と、7容量等価物の脱イオン水とを含んでいる。即ち、調整緩衝溶液と、コバルト含有溶液と、緩衝化還元溶液と、脱イオン水との容量比は1:1:1:7である。他の実施例においては、メッキ溶液は、調整緩衝溶液と、コバルト含有溶液と、緩衝化還元溶液と、水との容量比は2:1:1:6を含んでいる。
【0060】
[0066]メッキ溶液を形成するのに用いられる水は、好ましくは脱ガスした脱イオン水である。水は、溶解した酸素濃度を低下させるために脱ガスされる。水の酸素濃度は、好ましくは約3ppm未満、好ましくは約1ppm以下である。好適実施形態においては、水は、最終のメッキ溶液の予想された温度よりも高い温度に加熱される。例えば、メッキ溶液の好ましい温度が約60℃〜約70℃である場合には、水の温度は約70℃〜約95℃、好ましくは約80℃〜約90℃に維持される。それ故、メッキ溶液を形成する一実施例においては、室温(約20℃)の調整緩衝溶液、室温(約20℃)のコバルト含有溶液、室温(約20℃)の緩衝化還元溶液、約80℃〜約90℃の水の場合、各成分溶液の容量比は1:1:1:7である。他の実施例においては、メッキ溶液は、約30℃以下の調整緩衝溶液、約30℃以下のコバルト含有溶液、約30℃以下の緩衝化還元溶液、約80℃〜約90℃の温度の水を合わせることによって形成される。
【0061】
[0067]メッキ槽を形成するために成分溶液を合わせる順序は変えることができる。好ましくは、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水は、基板表面上でメッキ溶液を堆積させる直前に、インライン混合によってブレンドされる。好適実施形態においては、まず調整緩衝溶液が水に添加され、次に連続して、コバルト含有溶液と緩衝化還元溶液が添加されて、メッキ溶液を形成する。他の実施形態においては、調整緩衝溶液とコバルト含有溶液が水に添加され、次に、緩衝化還元溶液が添加されて、メッキ溶液を形成する。代替的実施形態においては、調整緩衝溶液と緩衝化還元溶液が水に添加され、次に、コバルト含有溶液が添加されて、メッキ溶液を形成する。
【0062】
[0068]メッキ溶液は、窒素又はアルゴンのような不活性雰囲気下で維持される。メッキ溶液は、通常、コバルト含有層を堆積させるために用いられる1時間未満前に形成される。好ましくは、メッキ溶液は、堆積プロセスを行う約10分以内前に、例えば、約2分以内前に混合される。基板は、約80℃〜約85℃の温度を有するメッキ溶液に約1分〜約2分間さらされる。一般的には、約100ml〜約300mlのメッキ溶液は、厚さが約300オングストローム以下、好ましくは約200オングストローム以下のコバルト含有層を堆積させるために用いられる。ある適用においては、約100オングストローム以下の厚さが所望されることがある。
【0063】
[0069]一実施形態においては、メッキ溶液は、高濃度比のクエン酸塩と金属イオン、例えば、コバルやタングステンを有する。クエン酸塩濃度とコバルトやタングステン濃度は、少なくとも8:1、好ましくは10:1と15:1の間である。メッキ溶液の中で、クエン酸塩濃度は、金属濃度よりも堆積速度を制御すると考えられる。メッキ溶液が加温した温度のため、堆積プロセスが進行し、水はメッキ溶液から蒸発する。また、メッキ溶液はより濃縮される。しかしながら、メッキ溶液から水が蒸発するためにクエン酸塩濃度の増加が堆積反応を遅くし、反応は標準化する。
【0064】
[0070]メッキ溶液の中での粒子形成は、本発明の実施形態によるメッキプロセスの間、有利に回避される。低金属濃度は、メッキ溶液の中に形成された粒子量を減少させる。高キレート化剤濃度は、特に低金属濃度に相対して、粒子形成の欠除によるものである。更に、メッキ溶液の混合と使用の間の短い時間が最少限に保持たれる。また、メッキ溶液は少量でインライン混合され、使用時に消費される。それ故、消耗したメッキ溶液は各使用後処分され、各基板は粒子のないバージンメッキ溶液にさらされる。
【0065】
[0071]一実施例においては、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水を合わせ後のメッキ溶液の組成物は、約0.1mM〜約5mM、好ましくは約1mM〜約3mMの濃度範囲、更に好ましくは約2mMのタングステン源と、約1mM〜約30mM、好ましくは約5mM〜約15mMの濃度範囲、更に好ましくは約10mMのコバルト源と、約50mM〜約300mM、好ましくは約90mM〜約200mMの濃度範囲、更に好ましくは約150mMのクエン酸塩化合物と、約1mM〜約50mM、好ましくは約5mM〜約20mMの濃度範囲、更に好ましくは約10mMの任意のホウ酸と、約5mM〜約50mM、好ましくは約15mM〜約35mMの濃度範囲、更に好ましくは約25mMの次亜リン酸塩源と、約5mM〜約50mM、好ましくは約10mM〜約30mMの濃度範囲、更に好ましくは約20mMのボラン還元剤と、約50mM〜約200mM、好ましくは約80mM〜約120mMの濃度範囲、更に好ましくは約90mMでアルカノールアミンと、約10mM〜約80mM、好ましくは約20mM〜約60mMの濃度範囲、更に好ましくは約30mMのグリシンと、100ppm未満、好ましくは50ppm未満、更に好ましくは約20ppmの濃度の任意の界面活性化剤と、100ppm未満、好ましくは20ppm未満、更に好ましくは10ppmの濃度の任意の安定剤と、pHが約7〜約12、好ましくは約8〜約10、更に好ましくは約8.5〜約9.5の範囲、例えば約9.25の溶液を有するための濃度の少なくとも1つの塩基とを含んでいる。
【0066】
[0072]他の実施例においては、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水を合わせた後のメッキ溶液の組成物は、約0.1mM〜約5mM、好ましくは約1mM〜約3mMの濃度範囲、更に好ましくは約2mMのタングステン源と、約1mM〜約30mM、好ましくは約5mM〜約15mMの濃度範囲、更に好ましくは約10mMのコバルト源と、約50mM〜約300mM、好ましくは約90mM〜約200mMの濃度範囲、更に好ましくは約113mMのクエン酸塩化合物と、約1mM〜約50mM、好ましくは約5mM〜約20mMの濃度範囲、更に好ましくは約10mMの任意のホウ酸と、約5mM〜約50mM、好ましくは約15mM〜約35mMの濃度範囲、更に好ましくは約25mMの次亜リン酸塩源と、約5mM〜約50mM、好ましくは約10mM〜約30mMの濃度範囲、更に好ましくは約20mMのボラン還元剤と、約50mM〜約200mM、好ましくは約80mM〜約120mMの濃度範囲、更に好ましくは約100mMのアルカノールアミンと、約10mM〜約80mM、好ましくは約20mM〜約60mMの濃度範囲、更に好ましくは約30mMのグリシンと、100ppm未満、好ましくは50ppm未満、更に好ましくは約20ppmの濃度の任意の界面活性化剤と、100ppm未満、好ましくは20ppm未満、更に好ましくは10ppmの濃度の任意の安定剤と、pHが約7〜約12、好ましくは約8〜約10、更に好ましくは約8.5〜約9.5、例えば約9.25の範囲の溶液を有するための濃度の少なくとも1つの塩基とを含んでいる。
【0067】
[0073]他の実施例においては、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水を合わせた後のメッキ溶液の組成物は、約5mM〜約15mMの濃度のコバルト源と、約5mM以下の濃度の第2金属源(例えば、約2mMのタングステン又は約200ppmのモリブデン)と、約15mM〜約35mMの濃度の次亜リン酸塩源と、約10mM〜約30mMの濃度のボラン還元剤と、約90mM〜約200mMの濃度のクエン酸塩と、約50mM〜約200mMの濃度のアルカノールアミンと、約5mM〜約20mMの濃度のホウ酸と、100ppm以下の濃度の界面活性化剤と、約8〜約10、好ましくは約8.5〜約9.5のpHを維持するための濃度のpH調整剤とを含んでいる。
【0068】
[0074]メッキ溶液は、パッドルメッキ(例えば、フェースアップ)又は浸漬式(例えば、フェースダウン)プロセスを用いた無電解堆積プロセスを行うために用いることができる。フェースアップ、パッドル型メッキプロセスが好ましい。各成分溶液は、合わせて保存した場合よりも、長い貯蔵寿命を確実にするために、別々のびん又は容器で保存することができる。それ故、メッキ溶液キットは、メッキ溶液を形成するとともにコバルト含有層を堆積させるために用いることができる。メッキキットは、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液の1つ以上を含む別々のびんと、成分溶液と水、例えば、加熱され、脱ガスされ、脱イオンされた水とを合わせるとともに混合する方法を記載する取扱説明書とを含んでいる。
【0069】
[0075]一実施形態においては、成分溶液のそれぞれ、即ち、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液は、同様の特徴、例えば、pHやキレート化剤/錯化剤を有する。好適実施形態においては、成分溶液のそれぞれは、同一のpH、又は約8.5〜約9.5の範囲、好ましくは約9.25のほぼ同じpHを有してもよい。また、成分溶液のそれぞれは、同一のキレート化剤/錯化剤、例えば、クエン酸から得られるクエン酸塩を有してもよい。しかしながら、調整緩衝溶液のpH値は、十分な量の水による希釈時に、混合物のpHが約9.25になるように選択することができる。例えば、これは調整緩衝溶液については約9.5のpHで開始することによって達成することができる。
【0070】
[0076]一実施形態においては、クエン酸塩は、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液のような各成分溶液又は濃縮物に存在させるのに好ましいキレート化剤である。クエン酸塩は、メッキ溶液を形成するために合わせられつつ個々の成分溶液のそれぞれを緩衝するのに重要な役割を果たしている。クエン酸塩は、一般的には、高濃度で水に難溶性である。また、成分溶液は比較的濃縮された溶液である。最終メッキ溶液の所望されるクエン酸塩濃度はかなりのものであるので、一般的には、単一成分溶液では、溶解したクエン酸塩すべてを完全に含むことはできない。それ故、クエン酸塩は、クエン酸塩沈殿物を形成しないことを確かめるために各成分溶液に溶解することができる。
【0071】
[0077]溶存酸素(O)を最少限にするためにメッキ溶液を脱ガスすることができる。脱ガスプロセスは、様々な段階の間、溶液のいずれかを処理して酸素濃度を低下させることを含んでいる。脱ガスプロセスの一部は、膜コンタクタシステム、超音波処理、加熱、不活性ガス(例えば、N又はAr)を溶液に通気すること、酸素スカベンジャーの添加及び/又はそれらの組合わせを含んでいる。膜コンタクタシステムは、通常は、水中の酸素濃度を低下させるためにのみ用いられる。膜コンタクタシステムは、疎水であり、一般的にはポリプロピレンのようなポリマーから製造される、微孔性の中空繊維を含んでいる。繊維は、液体の通過を可能にしないがガス拡散に選択的である。溶液が約3ppm未満、好ましくは約1ppm以下の酸素濃度を有するように、溶液(例えば、水、メッキ溶液、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液又は緩衝化還元溶液)のいずれもから酸素を除去することができる。本発明に有用な酸素スカベンジャーの実施例は、アスコルビン酸、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、エリソルビン酸、メチルエチルケトオキシム、カルボヒドラジド及び/又はそれらの組合せを含んでいる。メッキ溶液における酸素スカベンジャーの濃度は、約10ppm程度、通常は、約0.01mM〜約10mM、好ましくは約0.1mM〜約5mMであってもよい。一実施形態においては、アスコルビン酸は、約30mg/l〜約300mg/l、好ましくは約100mg/lの濃度でコバルト含有溶液中の酸素スカベンジャーとして用いられる。酸素スカベンジャーは、溶液のいいずれか又は全てであるが、好ましくは、緩衝化洗浄溶液に添加することができる。或いは、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液のような、成分溶液のそれぞれが不活性雰囲気(例えば、N又はAr)下で、脱ガスされ、予備包装され、密封することができる。
【0072】
[0078]本明細書に記載されたプロセスは、無電解堆積処理(EDP)を行うのに適した装置で行うことができる。適切な装置は、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から入手できるSLIMCELL(登録商標)処理プラットフォームを含んでいる。SLIMCELL(登録商標)プラットフォームは、例えば、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から入手できるEDPセルのような無電解プロセスによる導電材料を堆積させることができる総合処理チャンバを含んでいる。SLIMCELL(登録商標)プラットフォームは、一般的には、1つ以上のEDPセルと1つ以上の堆積前又は堆積後セル、例えば、スピン-リンス-ドライ(SRD)セル又はアニーリングチャンバを含んでいる。EDPプラットフォームとEDPセルの説明は、2003年10月15日出願の“無電解堆積にのための装置”と称する共同譲渡された米国仮特許出願第60/511,236号、2004年1月26日出願の“半導体ウエハ上の金属の無電解堆積のための装置”と称する米国仮特許出願第60/539,491号、2004年5月28日出願の“フェースアップ無電解メッキセル”と称する米国仮特許出願第60/575,553号、2004年5月28日出願の“フェースダウン無電解メッキセル”と称する米国仮特許出願第60/575,558号に見出され、これらの開示内容はそれぞれ特許請求の範囲の態様及びその中の説明と矛盾しない程度まで援用されている。溶液を様々な割合で合わせるために用いられる混合プロセスは、タンク混合、インライン混合及び/又はそれらの組合わせ、好ましくはインライン混合を含んでいる。
【0073】
[0079]図6は、一般的に、例示的な無電解メッキシステム400を示す概略図である。無電解メッキシステム400は、脱ガスされ予熱された脱イオン水と一連の無電解処理濃縮物から構成された無電解メッキ溶液の流れを、基板510を含むフェースアップ型の処理セル500に供給するように構成された無電解流体配管システム402を含んでいる。無電解メッキ溶液の成分の濃縮物は、調整緩衝濃縮物440、コバルト含有濃縮物450、緩衝化還元濃縮物460を含んでいる。基板支持体512は、処理セル500のほぼ中心位置に配置され、回転手段513をもつ。基板510の表面に、無電解メッキ溶液、インサイチュ洗浄溶液又は脱イオン水を分配するために、ノズル523のような液体入力が処理セル500に配置することができる。ノズル523は、基板510の中心に流体を分配するために基板510の中心上に配置されてもよく任意の位置に配置されてもよい。システム402の洗浄プロセスの間、残っているコンジットをパージするために、絶縁コンジット430、432、433、434をスリーウェイバルブ444、445、446に合わせて用いることができる。無電解メッキシステムと無電解流体配管システムのより詳しい説明は、2004年1月26日出願の“単一チャンバにおける無電解堆積の間に薄膜組成物を選択的に変えるための方法及び装置”と称する共同譲渡された米国仮特許出願第60/539,543号に記載され、特許請求した態様とその中の説明と矛盾しない程度まで援用されている。
【0074】
[0080]動作中、脱ガスされ予熱された脱イオン水414は、脱イオン水404をインライン脱気剤408を通って加熱源をもつ水の容器410に流すことによって調製される。脱イオン水404が脱気剤408を通ると、脱イオン水404に通常存在する溶存酸素(O)の量が減少する。脱気剤408は、好ましくは接触膜脱気剤であるが、超音波処理、加熱、不活性ガス(例えば、N又はAr)の通気、酸素スカベンジャーの添加、それらの組合わせを含む他の脱ガス処理も用いることができる。加熱源をもつ水の容器410は、予熱された脱イオン水414を約80℃〜約95℃の範囲の温度に加熱する。加熱源は、水の容器410(非金属容器)の外のマイクロ波加熱源、抵抗加熱素子又は、そこを通って流れた加熱液体をもつように構成された液体通路のような水タンクの内側及び/又は水タンクの周囲にある加熱素子、又は水を加熱するために知られている他の加熱方法であってもよい。一実施形態においては、定量ポンプ426は、インライン混合が生じる領域においては水の容器410から予熱された脱イオン水414を分配するために用いられる。
【0075】
[0081]脱ガスと予熱に加えて、予熱された脱イオン水414は、使用前に水素添加することもできる。水素の存在が堆積の間、開始時間を短縮するので、脱イオン水414が水素で飽和されてしまう。脱イオン水の水素添加は、水素ガスを通気することによって又は水の容器410に含まれている間に脱イオン水414を通って水素ガスを進めることによって行うことができる。脱ガスされ予熱された脱イオン水414は、メッキ溶液を希釈し加熱する双方の働きをする。
【0076】
[0082]無電解メッキ溶液は、脱イオン水と成分の濃縮物、特に、調整緩衝濃縮物440、コバルト含有濃縮物450、緩衝化還元濃縮物460をインライン混合することによって形成される。一実施形態においては、成分の濃縮物は脱イオン水と合わせ、基板510の前洗浄した表面上にコバルト含有層を堆積させるために用いられる。
【0077】
[0083]予熱された脱イオン水414の定量流れは、まず容器436に保存された調整緩衝濃縮物440の定量流れと合わせ混合される。定量ポンプ427は、ポイントAあたりで調整緩衝濃縮物440の所望される流量を分配するために用いられ、その後、インラインミキサ470が十分な混合を促進するために用いられる。コバルト含有濃縮物450の流れが、定量ポンプ428を用いて容器448から加えられ、加熱され脱ガスされた水と調整緩衝濃縮物440の定量流れと、インラインミキサ472を用いてポイントBあたりで混合される。
【0078】
[0084]最後に、容器458に保存された緩衝化還元濃縮物460の流れは、定量ポンプ429を用いてポイントCあたりで加えられ、最後のインライン混合デバイス474を通って混合されて、完全な混合メッキ溶液を供給する。一般的には、混合ポイントA、B、Cは、基板表面に近い。この混合した無電解メッキ溶液の流れは、メッキされるウエハ上に直接か又はより可撓性と正確さに対しては温度制御緩衝容器480に分配することができる。加熱された緩衝容器480は、温度を調節する外部加熱水ジャケットを用いることができる。加熱された緩衝容器480は、約60℃〜約70℃の範囲の温度、又はたいていは、水の裏側を流れる熱水によって制御されるのでウエハの表面上の標的メッキ温度よりも約5℃〜10℃低い温度に無電解メッキ溶液を維持する。
【0079】
[0085]他の実施形態においては、インサイチュ洗浄プロセスは、コバルト含有層を堆積させる前に、基板510の表面に施される。一実施例においては、インサイチュ洗浄プロセスは、調整緩衝濃縮物440と脱イオン水414とを合わせて洗浄溶液を形成することによって提供される。定量ポンプ427は、絶縁コンジット416に調整緩衝濃縮物440の所望の流量を分配するために用いられ、予熱された脱イオン水414の流れとポイントAあたりで合わせ、それによって、すでに特定された配合物に基づいた、典型的には約7:1と約3:1の間の所望の比をもつ希釈した調整緩衝溶液の流れを形成する。希釈した調整洗浄剤は、分散ノズルが表面全体を進む間に約60rpm以上で回転している。典型的な前洗浄時間は、約5秒〜約15秒の間の範囲にあり、その後、希釈した前洗浄の流れは緩衝容器から完全な混合メッキ槽の流れに切り替えられる。前に指定したように、緩衝容器内の希釈された完全なメッキ槽の混合物は、使用前の10分未満内に調製され、基板の裏面に衝突する熱水によって決められる所望のメッキ温度よりも約5℃〜約10℃低い温度に維持される。このインサイチュ洗浄順序の使用と関連した利点は、処理時間とリンスの大幅な短縮と酸性の前洗浄動作と関連した廃棄量とを含んでいる。堆積チャンバの外部で行うことができる酸性の前洗浄ステップとは対照的に、アルカリ性調整緩衝/洗浄剤をベースにした前洗浄ステップを、メッキの直前に堆積チャンバ内で行うことは好都合であり、従って、中間洗浄を省くことを可能にする。表面の銅の酸化を避けるために酸素をほとんど含まない環境でこのような前洗浄を行うことは特に重要である。銅の酸化と関連した抵抗増加を避けるために1ppm未満の酸素による脱ガスされ加熱された水を用いた希釈調整/洗浄剤の調製と約150ppm未満の酸素を含む環境での動作が好ましい。
【0080】
[0086]所望の膜を堆積させるためのより少ない容量のメッキ溶液の使用は、従来の無電解浴より多くの利点、例えば、基板ごとにより一貫して堆積した層やより有害でない廃棄物をもつ。一般的には、新たな量のメッキ溶液がそれぞれ連続の基板にさらされる。メッキ溶液中の個々の成分の濃度は、従来の無電解メッキ溶液と比較して希薄である。無電解堆積プロセスに対する従来の浴溶液は、各基板バッチの中の個々の基板が浴の中で各メッキ成分に比較的一貫してさらされるように各成分のより高い濃度に依存している。本発明の実施形態は、各基板が再現可能な濃度を有するバージンメッキ溶液にさらされるように少量のメッキ溶液に基板をさらすプロセスを提供する。
【0081】
[0087]また、本発明の実施形態は、使用されない成分の廃棄量を最少限にするためにメッキ溶液の中の低濃度の様々な成分を利用するものである。コバルト含有合金の十分な厚さが堆積されると、ほとんどのその他のメッキ溶液の成分も消費されるので廃棄量が減少する。廃棄流は、溶液の中の金属イオンが少ないため、従来の溶液よりも有害でない。一実施形態においては、消耗したメッキ溶液が加熱されたバッフル(例えば、約75℃〜約95℃)全体に分配されて、溶液から残りの金属原子を更にメッキする。金属イオンと還元剤の全て又は大部分が除去されると、溶液はイオン交換により精製され及び/又は無害の廃棄物として処分することができる。
【0082】
[0088]図1Aは、低k誘電材料のような、誘電材料8に配置された導電材料12を含む相互接続部6aを示す断面図である。導電材料12は、銅又は銅合金のような金属である。導電材料は、一般的には、電気メッキ、無電解メッキ、物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)、原子層成長法(ALD)及び/又はそれらの組合わせのような堆積プロセスによって堆積される。図1Aに示されるように、導電材料12は、例えば、化学的機械的メッキ(CMP)技術によって、すでに研磨又は水平にされてもよい。誘電材料8は層(図示せず)全体に、電極又は相互接続部のような特徴部を含むことができる。バリア層10は、誘電材料8を導電材料12から分離している。バリア層10は、タンタル、窒化タンタル、窒化ケイ素タンタル、チタン、窒化チタン、窒化タングステン、窒化ケイ素及び/又はそれらの組合わせのような物質を含み、通常は、PVD、ALD又はCVD技術で堆積する。
【0083】
[0089]相互接続部6aと、他の半導体特徴部は、基板表面上に形成される。本発明の実施形態が用いることができる基板は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ、窒化ケイ素、パターン形成された又はパターン形成されていないウエハのような半導体ウエハを含むが、それらに限定されない。表面は、むき出しのシリコンウエハ、膜、層、誘電性、導電性又はバリア特性をもつ物質を含むことができ、酸化アンモニウムやポリシリコンを含んでいる。基板は、銅特徴部を含むガラスフラットパネルディスプレイ型基板を含むことができる。表面は、平坦化(例えば、CMP)、メッキ(例えば、ECP)、エッチング、還元、酸化、水酸化、アニーリング、ベーキングを含む1つ以上のプロセスによって前処理することができる。基板表面は、その上に存在するあらゆる半導体特徴部を示すために本明細書に用いられ、バイア、トレンチ、デュアルダマシーン、コンタクト等の壁及び/又は底のような特徴部のさらされた表面が含まれる。
【0084】
[0090]図1Bは、導電材料12上に堆積したキャッピング層であるコバルト含有合金層14を含む相互接続部6bを示す断面図である。コバルト含有合金層14は、本発明の様々な実施形態に記載されるように、導電材料12をメッキ溶液にさらすことによって堆積する。コバルト含有合金層は、ほぼ原子層〜約500オングストローム、好ましくは約10オングストローム〜約300オングストローム、更に好ましくは約50オングストローム〜約200オングストロームの厚さで堆積する。コバルト含有合金層はいくつかのステップで堆積することができる。例えば、基板表面を第1量のメッキ溶液にさらして、第1厚さ(例えば、100オングストローム)を有する第一層を堆積させ、基板表面を第2量のメッキ溶液にさらして、第2厚さ(例えば、100オングストローム)を有する第2層を堆積させて、コバルト含有合金層全体を形成する。
【0085】
[0091]コバルト含有合金層は、コバルト、タングステン又はモリブデン、リン、ホウ素、それらの組合せを含有する様々な組成物を含むことができる。一般的には、コバルト含有合金は、約85%〜約95%の範囲のコバルト濃度、約1%〜約6%の範囲のタングステン濃度又は約1%〜約6%の範囲のモリブデン濃度、約1%〜約12%、好ましくは約3%〜約9%の範囲のリン濃度のような原子パーセントで組成物を有する。可変量のホウ素は、ボラン還元剤を含むため、本発明の方法で調製されたコバルト含有合金に存在することができる。ある実施形態においては、タングステンをモリブデンに置き換えると、コバルト含有合金の堆積プロセスの間、有利となることがある。
【0086】
[0092]コバルト含有合金層の中のリン及び/又はホウ素の濃度は、堆積したキャッピング層がどのようなアモルファスになるかに影響し得る。一般的には、キャッピング層がアモルファスになるにつれて、バリア特性(例えば、銅、酸素又は水が拡散しなくなる)が増大する。或いは、リン又はホウ素の作用は、キャッピング層を通って銅拡散を阻止する傾向がありうる、粒界の“スタッフィング”から生じるものである。
【0087】
[0093]一般的には、酸素はコバルト含有合金に故意でなく取込まれる。金属酸化物は、一般的には、コバルト含有合金の表面近傍にあり、0.5原子%未満の濃度を有する。導電材料12の表面近傍のコバルト含有合金は、0.05%未満の酸素濃度を有する。酸素濃度が増加するにつれてバリア特性や導電性が減少するので、コバルト含有合金の中のかなりの量の酸素は望ましくない。本発明のある実施形態においては、コバルト含有合金の酸素濃度は、約5×1018原子/cm〜約5×1019原子/cmの範囲に最少化される。より低い酸素濃度は、部分的には、コバルト含有合金のより効率の良い還元によるものであり、前駆物質、次亜リン酸塩源やボラン-塩基共還元剤と金属イオンと還元剤との比較的高い濃度比から生じる。
【0088】
[0094]図1Cによって示される代替的実施形態においては、コバルト含有合金14の堆積前に、開始層13は、パラジウム、白金、ルテニウム、オスミウム、ロジウム又はイリジウムのような触媒金属の置換メッキによってさらされた導電材料12上に形成することができる。洗浄とパラジウムによる銅の置換メッキの典型的な手順では、塩化パラジウム、硝酸パラジウム又は硫酸パラジウムのようなパラジウム塩の希釈水性酸溶液を用いる。適切な酸性活性化溶液の一実施例は、10%硝酸中約1mlの10質量%Pd(NO)を1リットルの脱イオン水に添加することによって調製される。他の実施例においては、活性化溶液は、約120ppmの塩化パラジウムと約1.5〜約3の範囲のpHを供給するのに十分な塩酸を含有する。活性化すべき基板は、活性化溶液に約30秒間、周囲温度でさらされる。
【0089】
[0095]粒子による堆積ハードウェアの汚染物質を避けるために、開始プロセスとコバルト含有合金堆積プロセスは、一般的には、別々に行われ及び/又は続いて錯化ステップとリンスステップが行われる。或いは、有意量の銅を置換せずに無電解メッキによって触媒金属を堆積させることができる。一実施形態においては、適切な金属前駆物質が、予備混合又はインライン混合されたコバルト含有溶液に加えられるので、開始と堆積が単一ステップで行うことができる。
【0090】
[0096]他の実施形態においては、基板は、基板表面を洗浄するとともに初期のプロセスのいずれかから残存する汚染物質を除去するために錯化剤溶液にさらされる。CMPプロセスと開始層13の堆積の間及び/又は開始層13の堆積とコバルト含有合金の堆積の間及び/又はCMPプロセスとコバルト含有合金の堆積の間に錯化剤溶液を基板にさらすことができる。錯化剤は、誘電表面と導電表面から銅(例えば、CuO又はCuO)又はPd2+のような金属イオンをキレート化し抽出するのに用いられる。一般的には、基板表面は、約5秒〜約60秒間、好ましくは約10秒〜約30秒間、錯化剤溶液にさらされる。錯化剤溶液は、錯化剤を含む水溶液である。錯化剤は、一般的には、アミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、アミン、ジアミン、ポリアミンのような機官能基を有してもよい。錯化剤は、クエン酸、グリシン、アミノ酸、EDA、それらの誘導体、それらの塩、それらの組合わせを含むことができる。一実施例においては、錯化剤溶液は、約50mM〜約200mMの範囲の濃度でクエン酸を含有し、TMAH又は(CH)NOHを添加してpH約3に調整される。
【0091】
[0097]他の実施形態においては、基板は、基板表面を更に洗浄するとともに初期プロセスのいずれかからの残存する汚染物質を除去するリンスプロセスにさらされる。リンスプロセスは、一般的には、CMPプロセス、開始層の堆積、コバルト含有合金層の堆積及び/又は錯化溶液にさらされるような各プロセスが続く。リンスプロセスは、脱イオン水で表面を洗うことを含んでいる。基板は、約1秒〜約30秒間、好ましくは約5秒〜10秒間リンスされる。
【0092】
[0098]図2は、バリア層30によって分けられた誘電材料28に配置された導電材料32を含有するデュアルダマシーン構造26を示す断面図である。コバルト含有合金層34は、本発明の様々な実施形態を用いることによって、デュアルダマシーン構造26における導電材料32上に堆積する。導電材料32の表面は、上記のように、貴金属で開始することができる。
【0093】
[0099]他の実施形態においては、コバルト含有合金は、別々の前洗浄又は活性化ステップを含まずに基板表面上に堆積する。このような場合には、混合溶液に存在する洗浄剤、緩衝剤、調整剤が、汚染物質の表面酸化物を除去するとともに一様なメッキと十分な付着を可能にするのに十分である。それ故、基板表面は、コバルト含有合金を堆積させる前に洗浄又は活性化される必要がない。コバルト含有合金の堆積の前に、基板表面は、一般的には、汚染物質、例えば、酸化物、酸化銅、BTA、界面活性剤の残留物、それらの誘導体、それらの組合わせを含有する。汚染物質は、前のCMPと後洗浄プロセスステップから残っている様々な残留物を含んでいる。それ故、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水を含有するメッキ溶液が直接基板表面上に用いられる。
【0094】
実施例
[00100]次の実施例においては、300mmシリコンAMAT MTC CD90E-テストパターンウエハを試料基板としてコバルト含有合金の無電解堆積に用いた。基板は、ライン、パッド、バイアのようなさらされた銅相互接続構造を含み、誘電体膜の中で電気的に絶縁されている。上記の実施形態に示されるように、基板表面をCMPプロセスで研磨され、続いて、無電解メッキプロセスによってCoWP合金膜で選択的に被覆した。メッキプロセスは、フェースアップ“パッドルメッキ”プロセスを用いた。連続した一様なコバルト含有膜は、図3に示される走査電子顕微鏡(SEM)からの画像で示されるように異なる銅表面上で選択的に成長した。
【0095】
[0100]図4においては、コバルトキャッピング層をもつ相互接続ラインの測定された電気的性能は、図5に示されるように、コバルト含有キャッピング層を含まない同様のライン構造と比較して、漏電に著しい違いがないことを示している。また、コバルトキャップドライン構造のライン抵抗は2%以下であり、あるとしても、コバルト含有キャッピング層を含まない同様のライン構造に比べた場合に増加する。堆積プロセスは、メッキ速度が約60オングストローム/分で厚さが約50オングストローム〜約300オングストロームのコバルト含有キャッピング層を堆積させるために制御することができる。メッキ速度は、より高いpHと温度で速度が増加するように、堆積溶液のpHと温度を調整することによって制御することができる。
【0096】
[00101]実施例においては、基板は、4つの主要なステップ:1)誘電表面上の酸化銅と残留物を除去するために表面を前洗浄するステップ;2)コバルト含有層を無電解メッキするステップ;3)表面上、特に誘電表面上の残留物を除去するために後洗浄するステップ;4)リンスと乾燥するステップで処理した。一実施例においては、ステップ1-4は、2つのセル構成を備えた1つのチャンバ内で実施した。チャンバを、約150ppm以下の酸素濃度を含む乾燥窒素で充填した。前洗浄ステップは、前洗浄セル内で室温(約20℃)で行った。基板を、さらされた銅構造がフェースアップするセルの内部のペデスタルに搬送した。基板の最上部の分配アームは、制御されたスイープ性能を有し、前洗浄溶液と脱イオン水を含むいくつかの化学注入口を保持した。基板は脱イオン水で湿潤した。次に、基板が120rpmで回転している間に前洗浄溶液を基板上に分配した。約30秒後、基板を脱イオン水ですすいだ。前洗浄水溶液は、pH値が約1.7〜約3.0のクエン酸を含有した。より強く酸化した表面は、典型的には、より低いpH値でより積極的な洗浄を必要とした。
【0097】
[00102]その後、基板は、脱イオン水が基板の裏側に接触するペデスタルの中央に流れ込んだ熱い拡散プレート(図示せず)に送られる。前洗浄ステップが行われた後、基板を同様の窒素環境下で維持されるメッキセルに搬送した。拡散プレートに流れ込んでいる温度制御された熱い脱イオン水によって、基板の熱が供給され、基板の裏面に化学汚染物質がさらされることが避けられた。基板温度は、約70℃と約85℃の間、好ましくは約80℃の温度に維持された。次に、上記のように使用時インライン混合キットにより調製されたメッキ溶液を基板表面に分配した。メッキ溶液は、約80℃と約95℃の間、好ましくは約85℃の温度に維持された脱ガスされた熱い脱イオン水と混合されたあらゆる調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を含有した。調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、水は、2:1:1:6の容量比であった。
【0098】
[00103]混合したメッキ溶液を、基板表面上に分配する前に、約60℃と約70℃の間、好ましくは約65℃の温度で、約10分間、好ましくは約2分以内連続的に維持された500ml容器内に保持した。メッキ溶液に用いられる熱い脱イオン水を、約2ppm以下の酸素濃度に脱ガスした。緩衝化還元溶液、調整緩衝溶液、熱い脱イオン水を合わせた後、コバルト含有溶液と加えた。混合溶液のこの順序は、メッキ溶液内のコバルト粒子形成を回避するのを援助するために用いた。基板を堆積セルに搬送し、回転しつつ拡散プレートを通る熱水と直接接触するように下げた。メッキ溶液を約7秒間、基板表面に分配し、基板を約30rpm〜約100rpmの速度で回転して、基板表面全体にメッキ溶液を急速に且つ一様に分配した。基板の回転速度を約10rpm未満に下げ、約30秒〜約70秒の間、メッキした。
【0099】
[00104]単一分配プロセスについては、約150mlのメッキ溶液が用いてコバルト含有層を形成し、ある場合、複数の分配、例えば、3分配には、合計で約250mlのメッキ溶液を用いてコバルト含有層を形成した。厚さが約100オングストローム以上のコバルト含有層を形成するために、メッキ溶液の複数の分配が水の蒸発の影響を回避することによって堆積プロセスを向上させることがわかった。
【0100】
[00105]脱イオン水のリンスを各メッキプロセスの最後に実施し、基板をほぼ室温に平衡にするために、脱イオン水リンスステップの最後近くにペデスタルから持ち上げた。基板が約120rpmで回転する間、後洗浄溶液を室温で基板表面の最上部に分配した。好ましい後洗浄溶液は、脱イオン水中メタンスルホン酸(MSA)を、約10mM〜約50mMの濃度範囲、好ましくは約20mMを含有する。続いて、基板を脱イオン水ですすぎ、乾燥した。
【0101】
[00106]上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の更に多くの実施形態を本発明の基本的範囲から逸脱しないで構成することができ、本発明の範囲は以下の特許請求によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1A】図1Aは、本明細書に記載される実施形態によって相互接続部をキャッピングする段階を示す図である。
【図1B】図1Bは、本明細書に記載される実施形態によって相互接続部をキャッピングする段階を示す図である。
【図1C】図1Cは、本明細書に記載される実施形態によって相互接続部をキャッピングする段階を示す図である。
【図2】図2は、本明細書に記載される以下の他の実施形態によって形成されたコバルト含有キャッピング層を持つデュアルダマシーン構造を示す図である。
【図3】図3は、本明細書に記載される様々な実施形態によって成長したコバルト含有膜の走査電子顕微鏡からの画像を示す写真である。
【図4】図4は、相互接続ライン上のコバルト含有キャッピング層の漏電を示すグラフである。
【図5】図5は、相互接続ライン上でのコバルト含有キャッピング層の抵抗増加を示すグラフである。
【図6】図6は、本明細書に記載される様々な実施形態によって、コバルト含有膜を堆積させるために用いられる無電解メッキシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
【0103】
8…誘電材料、10…バリア層、12…導電材料、13…開始層、14…コバルト含有合金層、26…デュアルダマシーン構造、28…誘電材料、30…バリア層、32…導電材料、400…無電解メッキシステム、402…無電解流体配管システム、404…脱イオン水、408…脱気剤、410…水の容器、414…脱ガス水、427…ポンプ、428…ポンプ、430、432、433、434…絶縁コンジット、440…調整緩衝濃縮物、448…容器、450…コバルト含有濃縮物、458…容器、460…緩衝化還元濃縮物、472…インラインミキサ、474…インライン混合デバイス、480…緩衝剤容器、500…処理セル、510…基板、512…基板支持体、523…ノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無電解堆積溶液を形成する方法であって、
第1pH値を有し且つ第1錯化剤を含む調整緩衝溶液を形成するステップと、
第2pH値を有し且つコバルト源、タングステン源、第2錯化剤を含むコバルト含有溶液を形成するステップと、
第3pH値を有し且つ次亜リン酸塩源、ボラン還元剤を含む緩衝化還元溶液を形成するステップと、
該調整緩衝溶液、該コバルト含有溶液、該緩衝化還元溶液を合わせて、
約1mM〜約30mMのコバルト濃度範囲と、
約0.1mM〜約5mMのタングステン濃度範囲と、
約5mM〜約50mMの次亜リン酸塩濃度範囲と、
約5mM〜約50mMのボラン濃度範囲と、
約8〜約10の範囲の全pH値と、
を含む無電解堆積溶液を形成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項2】
該緩衝化還元溶液が、更に第3錯化剤を含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該第1錯化剤、該第2錯化剤、該第3錯化剤が、独立してクエン酸、クエン酸塩、グリシン、アルカノールアミン、それらの誘導体、それらの塩及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
該第1錯化剤、該第2錯化剤、該第3錯化剤がクエン酸塩である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
該無電解堆積溶液が約50mM〜約300mMの範囲のクエン酸塩濃度を有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該第1pH値、該第2pH値、該第3pH値がほぼ同一であり、約8〜約10の範囲にある、請求項3記載の方法。
【請求項7】
水と、該調整緩衝溶液、該コバルト含有溶液、該緩衝化還元溶液と合わせて、該無電解堆積溶液を形成する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
該水が、該緩衝化還元溶液より高い水温である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
該水温が約70℃〜約95℃である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
該無電解堆積溶液が、約50℃〜約80℃の温度を有する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
該水が約1ppm以下の酸素濃度を有する、請求項7記載の方法。
【請求項12】
該無電解堆積溶液が約3ppm以下の酸素濃度を有する、請求項7記載の方法。
【請求項13】
無電解堆積溶液を形成するためのキットであって、
第1pH値を有し且つ第1錯化剤を含む調整緩衝溶液と、
第2pH値を有し且つコバルト源、第2金属源、第2錯化剤を含むコバルト含有溶液と、
第3pH値を有し且つ次亜リン酸塩源、ボラン還元剤を含む緩衝化還元溶液と、
少なくとも調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、無電解堆積溶液を形成するための取扱説明書と、
を含む前記キット。
【請求項14】
該第2金属源が、タングステン源又はモリブデン源からなる群より選ばれる、請求項13記載のキット。
【請求項15】
該第2金属源がタングステン源であり、該コバルト含有溶液中の濃度が約1mM〜約30mMの範囲にある、請求項14記載のキット。
【請求項16】
該第2金属源がモリブデン源であり、該コバルト含有溶液中の濃度が約100ppm〜約300ppmの範囲にある、請求項14記載のキット。
【請求項17】
該コバルト源の該コバルト含有溶液中の濃度が約50mM〜約150mMの範囲にある、請求項15記載のキット。
【請求項18】
該次亜リン酸塩源の該緩衝化還元溶液中の濃度が約200mM〜約300mMの範囲にある、請求項17記載のキット。
【請求項19】
該ボラン還元剤の該緩衝化還元溶液中の濃度が約100mM〜約300mMである、請求項18記載のキット。
【請求項20】
該緩衝化還元溶液が、更に第3錯化剤を含んでいる、請求項19記載のキット。
【請求項21】
該第1錯化剤、該第2錯化剤、該第3錯化剤が、独立してクエン酸、クエン酸塩、グリシン、アルカノールアミン、それらの誘導体、それらの塩及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項20記載のキット。
【請求項22】
該第1錯化剤、該第2錯化剤、該第3錯化剤がクエン酸塩である、請求項21記載のキット。
【請求項23】
該調整緩衝溶液、該コバルト含有溶液、該緩衝化還元溶液がそれぞれ約200mM〜約500mMの範囲のクエン酸塩濃度を有する、請求項22記載のキット。
【請求項24】
該第1pH値、該第2pH値、該第3pH値がほぼ同一であり、約8〜約10の範囲にある、請求項23記載のキット。
【請求項25】
クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成するためのキットであって、
第1pH値を有し且つクエン酸塩、アルカノールアミンを含む調整緩衝溶液と、
第2pH値を有し且つコバルト源、第2金属源、クエン酸塩を含むコバルト含有溶液と、
第3pH値を有し且つ次亜リン酸塩源、ボラン還元剤、クエン酸塩を含む緩衝化還元溶液と、
少なくとも該調整緩衝溶液、該コバルト含有溶液、該緩衝化還元溶液を合わせて、クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成するための取扱説明書と、
を含む前記キット。
【請求項26】
該クエン酸塩をベースとした堆積溶液のクエン酸塩濃度が、約50mM〜約300mMの範囲にある、請求項25記載のキット。
【請求項27】
該コバルト源と該第2金属源の合わせた金属濃度が約8mM〜約15mMの範囲にある、請求項26記載のキット。
【請求項28】
該クエン酸塩濃度と該合わせた金属濃度が約8:1以上のモル比である、請求項27記載のキット。
【請求項29】
該モル比が約10:1以上である、請求項28記載のキット。
【請求項30】
該モル比が約12:1以上である、請求項29記載のキット。
【請求項31】
無電解堆積プロセスによって基板表面上に配置された導電層上にコバルト含有層を堆積させる方法であって、
第1容量の調整緩衝溶液、第2容量のコバルト含有溶液、第3容量の緩衝化還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、
該基板表面をメッキ溶液にさらすことによって該導電層上にコバルト含有層を形成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項32】
該メッキ溶液が、更に第4容量の水を含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
該第4容量の水がメッキ溶液温度より高い水温を有する、請求項32記載の方法。
【請求項34】
該水温が、約70℃〜約95℃の範囲にある、請求項33記載の方法。
【請求項35】
該メッキ溶液温度が、約50℃〜約80℃の範囲にある、請求項34記載の方法。
【請求項36】
該第1容量、該第2容量、該第3容量、該第4容量が約1:1:1:7のおよその容量比で合わせられる、請求項35記載の方法。
【請求項37】
メッキ溶液の組成物であって、
約5mM〜約15mMの濃度範囲のコバルト源と、
約1mM〜約3mMの濃度範囲のタングステン源と、
約15mM〜約35mMの濃度範囲の次亜リン酸塩源と、
約10mM〜約30mMの濃度範囲のボラン還元剤と、
約90mM〜約200mMの濃度範囲のクエン酸塩と、
約50mM〜約150mMの濃度範囲のアルカノールアミンと、
約5mM〜約20mMの濃度範囲のホウ酸と、
約100ppm以下の濃度範囲の界面活性化剤と、
約8〜約10のpHを維持する濃度のpH調整剤と、
を含む前記組成物。
【請求項38】
該メッキ溶液の酸素濃度が3ppm以下である、請求項37記載の組成物。
【請求項39】
該アルカノールアミンが、DEA、TEA、それらの誘導体及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項38記載の組成物。
【請求項40】
該コバルト源が、CoSO、CoCl、酢酸コバルト、水溶性Co2+源、それらの誘導体、それらの水和物及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項39記載の組成物。
【請求項41】
該タングステン源が、酸化タングステンアンモニウム、タングステン酸、水溶性WO2-源、それらの誘導体及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項40記載の組成物。
【請求項42】
該ボラン還元剤が、DMAB、TMAB、t-BuNH・BH、THF・BH、CN・BH、NH・BH、ボラン、ジボラン、それらの誘導体、それらの錯体及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項41記載の組成物。
【請求項43】
該界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、それらの塩又はそれらの誘導体を含んでいる、請求項42記載の組成物。
【請求項44】
メッキ溶液の組成物であって、
約5mM〜約15mMの濃度範囲のコバルト源と、
約5mM以下の濃度範囲の第2金属源と、
約15mM〜約35mMの濃度範囲の次亜リン酸塩源と、
約10mM〜約30mMの濃度範囲のボラン還元剤と、
約90mM〜約200mMの濃度範囲のクエン酸塩と、
約50mM〜約200mMの濃度範囲のアルカノールアミンと、
約5mM〜約200mMの濃度範囲のホウ酸と、
約100ppm以下の濃度範囲の界面活性化剤と、
約8〜約10のpHを維持する濃度のpH調整剤と、
を含む前記組成物。
【請求項45】
該第2金属源が、タングステン源又はモリブデン源からなる群より選ばれる、請求項44記載の組成物。
【請求項46】
該第2金属源がタングステン源であり、約1mM〜約3mMの濃度を有する、請求項45記載の組成物。
【請求項47】
該第2金属源がモリブデン源であり、約50ppm〜約500ppmの濃度を有する、請求項45記載の組成物。
【請求項48】
無電解堆積プロセスによってコバルト含有層を堆積させる方法であって、
基板上の導電層を活性化溶液にさらして、活性化した導電層を形成するステップと、
加熱水、調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、
該活性化した導電層を該メッキ溶液にさらして、該コバルト含有層を堆積させるステップと、
を含む前記方法。
【請求項49】
該活性化溶液がパラジウム源を含んでいる、請求項48記載の方法。
【請求項50】
無電解堆積溶液を形成する方法であって、
調整緩衝溶液を第1温度に維持するステップと、
金属含有溶液を第2温度に維持するステップと、
還元溶液を第3温度に維持するステップと、
水を第4温度に維持するステップと、
該調整緩衝溶液、該金属含有溶液、該還元溶液、該水を合わせて、第5温度の無電解堆積溶液を形成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項51】
該第1温度、該第2温度、該第3温度がほぼ同一である、請求項50記載の方法。
【請求項52】
該第1温度、該第2温度、該第3温度が約30℃以下である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
該第4温度が該5温度より高い、請求項50記載の方法。
【請求項54】
該第4温度が約75℃〜約95℃の範囲にある、請求項53記載の方法。
【請求項55】
該第5温度が約55℃〜約75℃の範囲にある、請求項54記載の方法。
【請求項56】
無電解堆積溶液を形成する方法であって、
水から酸素を除去して、約1ppm以下の酸素濃度を有するステップと、
調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液、該水を合わせて、約3ppm以下の第2酸素濃度を有する無電解堆積溶液を形成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項57】
無電解堆積溶液を形成する方法であって、
少なくとも2つの錯化剤を含む調整緩衝溶液を形成するステップと、
コバルト含有溶液を形成するステップと、
緩衝化還元溶液を形成するステップと、
加熱した水、該調整緩衝溶液、該コバルト含有溶液、該緩衝化還元溶液を合わせて、無電解堆積溶液を形成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項58】
該少なくとも2つの錯化剤が、カルボン酸、アルカノールアミン、アミノ酸、それらの塩、それらの誘導体及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項57記載の方法。
【請求項59】
該少なくとも2つの錯化剤が、クエン酸塩、DEA、TEA、グリシン、それらの誘導体及びそれらの組合わせかならなる群より選ばれる、請求項68記載の方法。
【請求項60】
クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成する方法であって、
水、調整緩衝溶液、金属含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、クエン酸塩をベースとした堆積溶液を形成するステップであって、該調整緩衝溶液がクエン酸塩とアルカノールアミンを含み、該金属含有溶液が金属源とクエン酸塩を含み、該還元溶液が次亜リン酸塩源とクエン酸塩を含む、前記ステップを含む前記方法。
【請求項61】
該クエン酸塩をベースとした堆積溶液のクエン酸塩濃度が約50mM〜約300mMの範囲にある、請求項60記載の方法。
【請求項62】
該金属源の該クエン酸塩をベースとした堆積溶液中の金属濃度が約8mM〜約15mMの範囲にある、請求項61記載の方法。
【請求項63】
該クエン酸濃度と該金属濃度のモル比が約8:1以上である、請求項62記載の方法。
【請求項64】
該モル比が約10:1以上である、請求項63記載の方法。
【請求項65】
該モル比が約12:1以上である、請求項64記載の方法。
【請求項66】
導電層を含む基板上に無電解堆積プロセスによってコバルト含有層を堆積させる方法であって、
該基板表面を調整緩衝溶液にさらして、洗浄した導電層を形成するステップと、
該調整緩衝溶液、コバルト含有溶液、還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、
該洗浄した導電層を該メッキ溶液にさらして、その上に該コバルト含有層を堆積させるステップと、
を含む前記方法。
【請求項67】
該調整緩衝溶液が少なくとも2つの錯化剤を含んでいる、請求項66記載の方法。
【請求項68】
該少なくとも2つの錯化剤が、カルボン酸、アルカノールアミン、アミノ酸、それらの塩、それらの誘導体及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項67記載の方法。
【請求項69】
該少なくとも2つの錯化剤が、クエン酸塩、DEA、TEA、グリシン、それらの誘導体及びそれらの組合わせからなる群より選ばれる、請求項68記載の方法。
【請求項70】
導電層を含む基板表面上に無電解堆積プロセスによってコバルト含有層を堆積させる方法であって、
該基板表面をコバルト含有溶液にさらして、洗浄した導電層を形成するステップと、
加熱した水、調整緩衝溶液、該コバルト含有溶液、緩衝化還元溶液を合わせて、メッキ溶液を形成するステップと、
該洗浄した導電層を該メッキ溶液にさらして、その上にコバルト含有層を堆積させるステップと、
を含む前記方法。
【請求項71】
該緩衝化還元溶液が、約200mM〜約300mMの範囲の次亜リン酸塩源濃度を有する、請求項70記載の方法。
【請求項72】
緩衝化還元溶液が、約100mM〜約300mMの範囲のボラン還元剤濃度を有する、請求項71記載の方法。
【請求項73】
無電解堆積溶液を形成するための装置であって、
クエン酸塩を含む調整緩衝溶液を含む第1容器と、
金属源とクエン酸塩を含む金属含有溶液を含む第2容器と、
次亜リン酸塩源とクエン酸塩を含む緩衝化還元溶液を含む第3容器と、
加熱した脱イオン化脱ガス水の水源と、
第1容器、第2容器、第3容器と該水源が液体で連通している第4容器であって、該第4容器が無電解堆積溶液を含んでいる前記第4容器と、
を含む前記装置。
【請求項74】
該第4容器と液体で連通しているノズルであって、該ノズルが基板表面の上に位置している前記ノズルを更に含む、請求項73記載の装置。
【請求項75】
消耗した無電解堆積溶液の金属濃度を低下させるのに用いられる加熱バッフルを更に含んでいる、請求項74記載の装置。
【請求項76】
少なくとも1つのインラインミキサが該第1容器と該第4容器との間に位置している、請求項76記載の装置。
【請求項77】
少なくとも3つのインラインミキサが該第1容器と該第4容器との間に位置している、請求項76記載の装置。
【請求項78】
無電解堆積溶液を形成する方法であって、
金属含有濃縮物を第1温度で維持するステップと、
還元濃縮物を第2温度で維持するステップと、
水を第4温度で維持するステップと、
該金属含有濃縮物、該還元濃縮物、該水を合わせて、無電解堆積溶液を第4温度で形成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項79】
該第1温度と該第2温度がほぼ同一である、請求項78記載の方法。
【請求項80】
該第1温度と該第2温度が約30℃以下である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
該第3温度が該第4温度より高い、請求項78記載の方法。
【請求項82】
該第3温度が約75℃〜約95℃の範囲にある、請求項81記載の方法。
【請求項83】
該第4温度が約55℃〜約75℃の範囲にある、請求項82記載の方法。
【請求項84】
無電解堆積溶液を形成する方法であって、
第1錯化剤を含む調整緩衝溶液を形成するステップと、
コバルト源、タングステン源、第2錯化剤を含むコバルト含有溶液を形成するステップと、
次亜リン酸塩源、ボラン還元剤を含む緩衝化還元溶液を形成するステップと、
インライン混合システムにおいて加熱した水、該調整緩衝溶液、該コバルト含有溶液、該緩衝化還元溶液を合わせて、該無電解堆積溶液を形成するステップと、
該無電解堆積溶液を形成した後、該無電解堆積溶液を基板表面に約60分以内の時間内に分散させるステップと、
を含む前記方法。
【請求項85】
該時間が約10分以内である、請求項84記載の方法。
【請求項86】
該時間が約2分以内である、請求項85記載の方法。
【請求項87】
該無電解堆積溶液にさらされる前に、該基板が前洗浄プロセスにさらされる、請求項84記載の方法。
【請求項88】
該前洗浄プロセスが第1セル内で行われ、該無電解堆積溶液が第2セルに分散される、請求項87記載の方法。
【請求項89】
該前洗浄プロセスがクエン酸塩を含んでいる、請求項88記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−509235(P2007−509235A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535421(P2006−535421)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/034449
【国際公開番号】WO2005/038085
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】