説明

コピーシステム及び該システムに使用されるプリンタ及びスキャナ

【課題】 ユーザの設定した画質でコピー出力するとともにコピー速度を速くする。
【解決手段】 スキャナユニット2にプリンタ4と接続するための汎用インターフェース5とコントローラユニット3と接続するための汎用インターフェース6を設け、ユーザが設定したコピーモードに応じて2つの汎用インターフェース5、6を使い分ける。標準画質モードの場合は汎用インターフェース5を使用したイメージデータを直接プリンタ4へ出力し、高画質モードの場合は汎用インターフェース6を使用してイメージデータをコントローラユニット3へ送って高画質にする処理を行ってからプリンタ4へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナで読み取った原稿のイメージデータをプリンタへ送信して印刷することにより原稿のコピーを行うコピーシステム及び該システムに使用されるプリンタ及びスキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナとプリンタを接続して容易にコピー動作を行うシステムが開発されているが、このようなシステムにおいては、スキャナとプリンタとは1つの汎用または専用のインターフェースで接続されている。特開平11−282641号公報に示されるマルチファンクションシステムでは、2つのインターフェースで接続されているが、このシステムでは、スキャナとプリンタとの間に設けられたIEEE1394バスは、パーソナルコンピュータとの接続を確立するためにのみ用いられ、スキャナとプリンタとの間で読み取られた画像データを送信するのには用いられない。
【特許文献1】特開平11−282641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来のスキャナとプリンタとで構成したコピーシステムにおいては、スキャナがプリンタと接続するためのインターフェースを1つしか持っていないために、スキャナがインターフェースにより直接プリンタに接続されている場合には、コピーの画質を向上させて出力することができないという問題があった。コピー画質を向上させて出力すること自体は、スキャナからのイメージデータをコントローラユニットで画像処理し、画像処理したイメージデータをプリンタへ出力することにより可能であるが、このようにコントローラユニットを介してイメージデータをプリンタへ出力すると、画質を向上させる必要のないイメージデータもコントローラユニットを介してプリンタへ送信することになるので、画質を向上させる必要のないイメージデータのコピー速度が遅らされるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、スキャナで読み取った原稿のイメージデータをプリンタへ送信して印刷することにより原稿のコピーを行うコピーシステムにおいて、イメージデータをスキャナからプリンタへ出力するための第1のインターフェースと、イメージデータをスキャナから制御装置へ出力するとともに該制御装置からプリンタへ出力するための第2のインターフェースとを備え、第1のインターフェース又は第2のインターフェースのいずれかを選択してイメージデータをプリンタへ送信することを特徴とするものである。
【0005】
上記構成に加えて、プリンタにおけるイメージデータの処理方法を設定する設定手段を備え、設定手段により設定された処理方法に応じて第1のインターフェース又は第2のインターフェースのいずれかを選択してイメージデータをプリンタへ送信するようにするとよい。
【0006】
また、制御装置にイメージデータに対して画像処理する機能を持たせ、設定手段をオペレータパネルとしてコピーモードを設定するようにする。さらに、設定手段により設定されるイメージデータの処理方法を、複数の原稿について個別的に設定し、制御装置に記憶するようにするとよい。
【0007】
さらに他の発明として、第1のインターフェース又は第2のインターフェースはプリンタの状態に応じて選択されるようにし、プリンタの状態をイメージデータを受信可能か否かとし、受信可能な場合は第1のインターフェースを選択してイメージデータをスキャナからプリンタへ直接送信し、受信不可能な場合は第2のインターフェースを選択してイメージデータをスキャナから制御装置へ送信し、さらに制御装置からプリンタへ送信するようにする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成の本発明によれば、プリンタにおけるイメージデータの処理方法に応じて第1のインターフェース又は第2のインターフェースのいずれかを選択してイメージデータをプリンタへ送信するようにしたことにより、第1のインターフェースを選択した場合は処理速度が速くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を図面に従って説明する。図1は本発明の第1の実施の形態のコピーシステムを示すブロック図である。図1において、第1の実施の形態のコピーシステム1は主に、スキャナユニット2とコントローラユニット3とプリンタ4とで構成される。スキャナユニット2には、共にイメージデータ出力用の汎用インターフェース5(第1のインターフェース)と汎用インターフェース6(第2のインターフェース)が実装されている。なおスキャナユニット2は、複数枚の原稿を頁単位で連続的に読み取ることのできるものである。
【0010】
汎用インターフェース5としてはIEEE1394インターフェースが使用され、IEEE1394ケーブル7によりプリンタ4に接続されている。汎用インターフェース6としてはUSB2.0インターフェースが使用され、USB2.0ケーブル8によりコントローラユニット3に接続されている。
【0011】
コントローラユニット3には、装置全体を制御するCPU9、スキャナユニット2から取得したイメージデータに対して各種の画像処理を行う画像処理部10、イメージデータを保存すると共に各種の設定事項を記憶する記憶部11、スキャナユニット2への読み取り要求とイメージデータの取得およびスキャナユニット2の状態を監視するスキャナ管理部12、プリンタ4への印刷データの転送およびプリンタ4の状態を監視するプリンタ管理部13とが具備されている。
【0012】
またコントローラユニット3にはオペレーションパネル14が接続されている。オペレーションパネル14はユーザがコピー開始の入力やコピー時の画質の設定等を行うためのもので、タッチパネル、表示パネル、キーボード等から構成される。
【0013】
さらにコントローラユニット3には汎用インターフェース15、16が設けられ、汎用インターフェース15、16としてはUSB2.0インターフェースが使用される。汎用インターフェース15はUSB2.0ケーブル8によりスキャナユニット2に接続され、汎用インターフェース16はUSB2.0ケーブル17によりプリンタ4に接続されている。
【0014】
プリンタ4はイメージデータを印刷する機能を有するもので、汎用インターフェース18、19が設けられている。汎用インターフェース18としてはIEEE1394インターフェースが使用され、IEEE1394ケーブル7によりスキャナユニット2に接続されている。汎用インターフェース19としてはUSB2.0インターフェースが使用され、USB2.0ケーブル17によりコントローラユニット3に接続されている。
【0015】
図2はオペレーションパネルを示す説明図である。図2において、オペレーションパネル14には、各種の設定項目、装置状態および実行結果を表示する表示部31、数値を入力するためのテンキー32、各種設定をキャンセルするためのキャンセルボタン33、各種設定メニューの遷移および選択のためのカーソルキー34、各種設定を選択した値に確定させるためのセレクトボタン35、設定メニューへ移行するためのメニューボタン36、白黒コピーを選択するための白黒コピー選択ボタン37、カラーコピーを選択するためのカラーコピー選択ボタン38、コピーを開始させるためのスタートボタン39およびコピーを中断させるためのストップボタン40が設けられている。
【0016】
次に第1の実施の形態の動作を説明する。図3は第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。第1の実施の形態の動作としてここではスキャナユニット2に実装されている2つの汎用インターフェース5、6をコピー画質に応じて使い分ける方法を説明する。
【0017】
ユーザはオペレーションパネル14を用いてコピーの画質を設定する。これについて図4にしたがって説明する。図4はオペレーションパネルの表示例を示す説明図である。まずオペレーションパネル14のメニューボタン36を押下する。すると、図4(a)に示すように、表示部31に各種の設定画面が表示され、図4(b)に示すように、縦方向のカーソルキー34で画質設定項目を選択し、セレクトボタン35で選択した項目を確定させる。すなわち、ここで画質モードの項目が確定されると、図4(c)に示すように、現状の画質モードが表示される。
【0018】
ここで図4(d)に示すように、横方向のカーソルキー34でいずれかの画質モードを選択し、セレクトボタン35で選択した画質モードを確定させる。例えば、「写真」を選択して確定させると、図4(e)に示すように、画質モードが「写真」に設定される。
【0019】
画質モードとしては、通常画質モードとして高速モードがあり、高画質モードとして、写真モード、カタログモード、テキストモードがある。通常画質モードはスキャナユニット2に標準実装されているもので、高画質モードは後述するようにコントローラユニット3で画像処理を行うものである。
【0020】
画質モードが設定された後、ユーザがスタートボタン39を押下することによりコピー動作が開始される(ステップ1)。設定された画質情報(設定画質モード)はコントローラユニット3へ送られ、CPU9は設定画質モードが高画質モードであるか否か判断する(ステップ2)。
【0021】
設定画質モードが高画質モードである場合、即ち、写真モード、カタログモードまたはテキストモードのいずれかである場合、コントローラユニット3のCPU9はスキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース6からのイメージデータの出力を指示する(ステップ3)。これによりスキャナユニット2は、原稿を読み取り、イメージデータを汎用インターフェース6から出力する。これによりコントローラユニット3は汎用インターフェース15を介してイメージデータを取得する(ステップ4)。
【0022】
コントローラユニット3では画像処理部10においてコピー画質を向上させるために必要な処理を行う(ステップ5)。即ち、写真モードである場合は、このモードに適したパラメータを用いて像域分離処理を行って画質を向上させる。カタログモードの場合はノイズ除去等を行い、またテキストモードの場合はエッジ強調処理等を行って、それぞれ画質を向上させる。
【0023】
イメージデータの画像処理が完了すると、CPU9は画像処理したイメージデータを汎用インターフェース16からUSB2.0ケーブル17を介してプリンタ4へ送出する(ステップ6)。プリンタ4では汎用インターフェース19を介してイメージデータを受け取り、画像処理された画質で印刷を行う。これによりユーザが設定した画質(高画質)のコピーが行われる。
【0024】
ステップ2においてCPU9が設定コピーモードが高画質モードでないと判断した場合、即ち、高速モードであると判断した場合、コントローラユニット3のCPU9はスキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース5からのイメージデータの出力を指示する(ステップ7)。これによりスキャナユニット2は、原稿を読み取り、読み取り後、スキャナユニット2が標準装備している画質の画像処理を行う(ステップ8)。この画像処理はステップ5におけるコントローラユニット3での画像処理よりも時間的に短時間で行うことができる。
【0025】
画像処理が終了すると、イメージデータを汎用インターフェース5からIEEE1394ケーブル7を介してプリンタ4へ出力する(ステップ9)。プリンタ4では汎用インターフェース18を介してイメージデータを受け取り、画像処理された画質で印刷を行う。これによりユーザが設定した画質(標準画質)のコピーが行われる。
【0026】
以上のように第1の実施の形態によれば、画質よりも速度を優先させる場合にはイメージデータをスキャナユニット2からダイレクトにプリンタ4へ送出するので、コントローラユニット3を経由した場合に比較してコピー速度が速くなる。また速度よりも画質を優先させる場合には、コントローラユニット3でイメージデータを高画質処理を行うので、イメージデータをスキャナユニット2からダイレクトにプリンタ4へ送出する場合に較べて高画質のコピーを行うことが可能である。即ち、ユーザの要望に即したコピーを行うことが可能になる効果を奏する。
【0027】
次に第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態によるコピーシステムの構成は図1に示す第1の実施の形態の構成と同様である。第2の実施の形態は、複数の原稿のコピーにおいて各ページの処理方法、即ち、各ページのカラーモードやコピーモード(画質モード)を一度に設定可能にし、各ページの処理方法によって2つの汎用インターフェースを使い分けるようにしたものである。
【0028】
第2の実施の形態の動作を図5に示すフローチャートにしたがって説明する。図5は第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。動作の説明にあたっては図1を流用する。
【0029】
まずユーザはオペレーションパネル14を用いてコピープログラムを作成する(ステップ11)。コピープログラム21は、これから実行するコピーに関する処理方法を記述したもので、図6に示す。同図に示すように、ページ欄22、カラーモード欄23、コピーモード欄24および画像処理パラメータ群25が設けられ、各ページごとにカラーモードおよびコピーモードが設定されている。
【0030】
カラーモード欄23の“RGB”は24bitのRGBイメージデータを用いたカラーコピーで、かつ高画質コピーを意味し、“MONO”は1bitの白黒イメージデータを用いた白黒コピーで、かつ標準画質コピーを意味し、“GRAY”は 8bitのGRAYイメージデータを用いた白黒コピーで、かつ高画質コピーを意味する。また図示していないが、“CMYK”は4bitのCMYKイメージデータを用いたカラーコピーで、かつ標準画質コピーを意味する。コピーモード欄24の“QUALITY”は高画質コピーを意味し、“NORMAL”は標準画質コピーを意味する。画像処理パラメータ群25は画質モードの設定値に対応した画像処理に必要なパラメータを示す。
【0031】
コピープログラム21は次にようにして作成される。これについて図7を用いて説明する。図7はコピープログラム作成処理を示す説明図である。図7はオペレーションパネル14の表示部31を示す。
【0032】
まずメニューボタン36で各種の設定項目を表示し、縦方向のスクロールキー34で設定項目を選択し、コピープログラムを選択して、セレクトボタン35でコピープログラムを確定する(図7(a)、(b)、(c))。つぎにテンキー32を用いて開始ページを入力し、セレクトボタン35で開始ページを確定させる(図7(d))。つぎにテンキー32を用いて終了ページを入力し、セレクトボタン35で終了ページを確定させる(図7(e))。
【0033】
次に横方向のスクロールキー34で画質モードを選択し、セレクトキー35で画質モードを確定する(図7(f))。次に白黒コピー選択ボタン37またはカラーコピー選択ボタン38を押下することにより、カラーモードを確定させる(図7(g))。さらに設定動作を続行する場合には、図7(h)に示す画面においてYesボタンを押下すると、図7(c)に示す"開始ページ"入力待ちへ移行する。図7(h)に示す画面においてNoボタンを押下すると、コピー待機状態へ移行する。
【0034】
ユーザにより作成されたコピープログラム21は、コントローラユニット3内の記憶部11に記憶される(ステップ12)。これによりコピープログラム21が登録される。
【0035】
コピー待機状態に移行した後、セレクトボタン35の押下によりコピープログラム21に基づいてコピー動作が開始される(ステップ13)。コントローラユニット3のCPU9は、コピープログラム21を参照し(ステップ14)、第1ページのコピーにおいてイメージデータをコントローラユニット3へ送る必要があるかどうか、即ち、コピーモードが高画質モードであるか否か判断する(ステップ15)。
【0036】
コントローラユニット3内での画像処理が必要であると判断すると、コントローラユニット3のCPU9はスキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース6からのイメージデータの出力を指示する(ステップ16)。これによりスキャナユニット2は、原稿を読み取り、イメージデータを汎用インターフェース6から出力する。これによりコントローラユニット3は汎用インターフェース15を介してイメージデータを取得する(ステップ17)。
【0037】
コントローラユニット3では画像処理部10においてコピー画質を向上させるために必要な処理を行う(ステップ18)。即ち、第1の実施の形態と同様に、写真モードである場合は、このモードに適したパラメータを用いて像域分離処理を行って画質を向上させる。カタログモードの場合はノイズ除去等を行い、またテキストモードの場合はエッジ強調処理等を行って、それぞれ画質を向上させる。
【0038】
イメージデータの画像処理が完了すると、CPU9は画像処理したイメージデータを汎用インターフェース16からUSB2.0ケーブル17を介してプリンタ4へ送出する(ステップ19)。プリンタ4では汎用インターフェース19を介してイメージデータを受け取り、画像処理された画質で印刷を行う。またプリンタ4は、コピープログラム21で設定されている色の印刷を行う。例えば、図6示すコピープログラム21の第1ページでは“RGB”となっており、この場合は、階調再現性の高いRGBイメージデータをプリンタ4へ送出し、印刷を行う。これによりユーザが設定した画質(高画質)のコピーが行われる。
【0039】
次にコントローラユニット3のCPU9は全ての原稿の読み取りが終了したかどうか確認し(ステップ20)、まだ読み取るべき原稿が残っている場合には、ステップ14へ戻り、CPU9はコピープログラム21を参照し、次のページのコピーにおけるイメージデータの処理方法を取得する。
【0040】
ステップ15において、イメージデータをコントローラユニット3へ送る必要はない、即ち、コピーモードが標準画質モードであると判断した場合は、コントローラユニット3のCPU9はスキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース5からのイメージデータの出力を指示する(ステップ21)。これによりスキャナユニット2は、原稿を読み取り、読み取り後、スキャナユニット2が標準装備している画質の画像処理を行う(ステップ22)。この画像処理はステップ5におけるコントローラユニット3での画像処理よりも時間的に短時間で行うことができる。
【0041】
画像処理が終了すると、イメージデータを汎用インターフェース5からIEEE1394ケーブル7を介してプリンタ4へ出力する(ステップ23)。プリンタ4では汎用インターフェース18を介してイメージデータを受け取り、画像処理された画質で印刷を行う。またプリンタ4は、コピープログラム21で設定されている色の印刷を行う。例えば、図6に示すコピープログラム21の第4ページでは"MONO"となっており、この場合は白黒印刷を行う。これによりユーザが設定した画質(標準画質)のコピーが行われる。
【0042】
次にコントローラユニット3のCPU9は全ての原稿の読み取りが終了したかどうか確認し(ステップ20)、まだ読み取るべき原稿が残っている場合には、ステップ14へ戻り、以降のステップを繰り返す。ステップ20で全ての原稿を読み取ったことが確認されると、待機状態になる。
【0043】
以上のように第2の実施の形態では、予めコピープログラム21を作成し、作成したプログラムを参照してコピー処理ルートを変えるようにしたので、コピー動作の都度画質等を設定しなくても複数の原稿を連続してコピーすることが可能である。
【0044】
次に第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態によるコピーシステムの構成は図1に示す第1の実施の形態の構成と同様である。第3の実施の形態は、プリンタの状態によって2つの汎用インターフェースを使い分けることにより、プリンタが例えばウォーミングアップ処理中でイメージデータを受信不可能な場合であってもコピー速度の低下を最小限に抑えるようにしたものである。
【0045】
即ち、プリンタがウォーミングアップ状態にあるときにはプリンタへはイメージデータを送信することができない。スキャナとプリンタが1つのインターフェースで直接接続されている場合には、プリンタでのウォーミングアップ処理の終了を待ってからスキャナからイメージデータをプリンタへ送信することになるので、コピー処理が遅らされることになる。第3の実施の形態はこれを解決するものである。
【0046】
第3の実施の形態の動作を図8に示すフローチャートにしたがって説明する。図8は第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。動作の説明にあたっては図1を流用する。
【0047】
まずユーザはオペレーションパネル14を用いてコピーの画質を設定する。これは第1の実施の形態の場合と同様に行う。またオペレーションパネル14のスタートボタン39を押下することによりコピー動作を開始させる。設定された画質情報(設定画質モード)はコントローラユニット3へ送られ、CPU9は設定画質モードが高画質モードであるか否か判断するとともに、スキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース5からのイメージデータの出力を指示する(ステップ31)。
【0048】
またコントローラユニット3のCPU9は、プリンタ管理部13を用いてプリンタ4の状態を取得する(ステップ32)。ここでCPU9はプリンタ4がウォーミングアップ中であるか否かを判断し(ステップ33)、プリンタ4がウォーミングアップ中である場合は、スキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース6からのイメージデータの出力を指示する(ステップ34)。
【0049】
これによりスキャナユニット2は、原稿を読み取り、イメージデータを汎用インターフェース6から出力する。これによりコントローラユニット3は汎用インターフェース15を介してイメージデータを取得する(ステップ35)。
【0050】
設定画質モードが高画質モードに設定されている場合(ステップ36)、コントローラユニット3では画像処理部10において上記実施の形態と同様にコピー画質を向上させるために必要な処理を行う(ステップ37)。画像処理を終了したイメージデータは記憶部11へ格納される(ステップ38)。また設定画質モードが標準画質モードに設定されている場合は、イメージデータは画像処理を行うことなく記憶部11へ格納される(ステップ38)。
【0051】
コントローラユニット3のCPU9は、次ページの読み取りを実行させる前に、プリンタ管理部13を用いて再度プリンタ4の状態を取得する(ステップ32)。ここでプリンタ4がウォーミングアップ中である場合は、上述したステップ34以降の動作を行う。
【0052】
ステップ33において、プリンタ4がウォーミングアップから復旧した場合、即ち、イメージデータを受信可能であると判定された場合は、記憶部11内にイメージデータが格納されているか確認し(ステップ39)、イメージデータが格納されている場合、CPU9は記憶部11内のイメージデータを汎用インターフェース16からUSB2.0ケーブル17を介してプリンタ4へ送出する(ステップ40)。プリンタ4では汎用インターフェース19を介してイメージデータを受け取り、ユーザが設定した画質で印刷を行う。これによりユーザが設定した画質のコピーが行われる。
【0053】
ステップ39において記憶部11にイメージデータが格納されていない場合は、コントローラユニット3のCPU9は設定画質モードが高画質モードであるか否か判断する(ステップ41)。CPU9が設定画質モードが高画質モードでないと判断した場合、即ち、標準画質であると判断した場合、スキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース5からのイメージデータの出力を指示する(ステップ42)。これによりスキャナユニット2は、原稿を読み取り、読み取り後、スキャナユニット2が標準装備している画質の画像処理を行う(ステップ43)。
【0054】
画像処理が終了すると、イメージデータを汎用インターフェース5からIEEE1394ケーブル7を介してプリンタ4へ出力する(ステップ44)。プリンタ4では汎用インターフェース18を介してイメージデータを受け取り、画像処理された画質で印刷を行う。これによりユーザが設定した画質(標準画質)のコピーが行われる。
【0055】
ステップ41においてCPU9が設定コピーモードが高画質モードであると判断した場合、CPU9はスキャナユニット2に対して読み取り開始の指示と汎用インターフェース6からのイメージデータの出力を指示する(ステップ45)。これによりスキャナユニット2は、原稿を読み取り、イメージデータを汎用インターフェース6から出力する。これによりコントローラユニット3は汎用インターフェース15を介してイメージデータを取得する(ステップ46)。
【0056】
コントローラユニット3では画像処理部10においてコピー画像を向上させるために必要な処理を行う(ステップ47)。イメージデータの画像処理が完了すると、CPU9は画像処理したイメージデータを汎用インターフェース16からUSB2.0ケーブル17を介してプリンタ4へ送出する(ステップ48)。プリンタ4では汎用インターフェース19を介してイメージデータを受け取り、画像処理された画質で印刷を行う。これによりユーザが設定した画質(高画質)のコピーが行われる。
【0057】
以上のように第3の実施の形態によれば、プリンタがウォーミングアップ中でイメージデータを受信不可の場合には、プリンタへの出力待ち状態のイメージデータをコントローラユニット内の記憶部に格納するので、プリンタのウォーミングアップ中であることによるコピー速度の低下を抑えることが可能となる。
【0058】
上記各実施の形態では、2つの汎用インターフェースとして、IEEE1394、UBS2.0を用いたが、その他としてUSB1.1、IEEE1284、あるいはLAN等のインターフェースを使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1の実施の形態のコピーシステムを示すブロック図である。
【図2】オペレーションパネルを示す説明図である。
【図3】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】オペレーションパネルの表示例を示す説明図である。
【図5】第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】コピープログラムを示す説明図である。
【図7】コピープログラム作成処理を示す説明図である。
【図8】第3の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 コピーシステム
2 スキャナユニット
3 コントローラユニット
4 プリンタ
5、6 汎用インターフェース
9 CPU
10 画像処理部
11 記憶部
13 プリンタ管理部
14 オペレーションパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャナで読み取った原稿のイメージデータをプリンタへ送信して印刷することにより原稿のコピーを行うコピーシステムにおいて、
前記イメージデータをスキャナからプリンタへ出力するための第1のインターフェースと、
前記イメージデータをスキャナから制御装置へ出力するとともに該制御装置からプリンタへ出力するための第2のインターフェースとを備え、
前記第1のインターフェース又は第2のインターフェースのいずれかを選択して前記イメージデータをプリンタへ送信することを特徴とするコピーシステム。
【請求項2】
プリンタにおけるイメージデータの処理方法を設定する設定手段を備え、
設定された処理方法に応じて前記第1のインターフェース又は第2のインターフェースのいずれかを選択して前記イメージデータをプリンタへ送信する請求項1記載のコピーシステム。
【請求項3】
前記制御装置はイメージデータに対して画像処理する機能を有し、
前記設定手段はオペレータパネルであり、コピーモードを設定する請求項2記載のコピーシステム。
【請求項4】
前記設定手段により設定されるイメージデータの処理方法は、複数の原稿について個別的に設定され、前記制御装置に記憶される請求項2記載のコピーシステム。
【請求項5】
前記第1のインターフェース又は第2のインターフェースはプリンタの状態に応じて選択される請求項1記載のコピーシステム。
【請求項6】
前記プリンタの状態はイメージデータを受信可能か否かであり、受信可能な場合は前記第1のインターフェースを選択してイメージデータをスキャナからプリンタへ直接送信し、受信不可能な場合は前記第2のインターフェースを選択してイメージデータをスキャナから前記制御装置へ送信し、さらに制御装置からプリンタへ送信する請求項5記載のコピーシステム。
【請求項7】
スキャナで読み取った原稿のイメージデータを印刷するプリンタにおいて、
前記イメージデータをスキャナから直接入力するための第1のインターフェースと、
前記イメージデータをスキャナから制御装置を介して入力するための第2のインターフェースとを備え、
前記第1のインターフェース又は第2のインターフェースのいずれかを選択して前記イメージデータを入力することを特徴とするプリンタ。
【請求項8】
読み取った原稿のイメージデータを印刷のためにプリンタへ送信するスキャナにおいて、
前記イメージデータをプリンタへ直接出力するための第1のインターフェースと、
前記イメージデータを制御装置を介してプリンタへ出力するための第2のインターフェースとを備え、
前記第1のインターフェース又は第2のインターフェースのいずれかを選択して前記イメージデータをプリンタへ送信することを特徴とするスキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−86635(P2006−86635A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267364(P2004−267364)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】