説明

コポリマー、増粘剤としてのその使用及びその製造方法

本発明は、コモノマーとして、重合された
(A)少なくとも1種のエチレン的に不飽和のモノ−又はジカルボン酸、
(B)一般式(I):
【化1】


(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は同一であり、及び水素、C1−C30−アルキル、C6−C30−アリール、及びC7−C30−アラルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は同一であり、及びC2−C10−アルキレン、C6−C10−アリーレン、及びC7−C10−アラルキレンから選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200から選ばれ、
mが、異なり、又は同一であり、及び1〜6から選ばれる)
の構造単位を、1分子当たり少なくとも1個有する、少なくとも1種のエチレン的に不飽和の化合物、
(C)少なくとも1種の更なるコモノマー
を含むコポリマーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コモノマーとして、重合された
(A)少なくとも1種のエチレン的に不飽和のモノ−又はジカルボン酸、
(B)一般式I:
【0002】
【化1】

【0003】
(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、同一であり、又は異なり、及び水素、C1−C30−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、C6−C30−アリール、及びC7−C30−アラルキルから選ばれ、
1が、同一であり、又は異なり、及びC2−C10−アルキレン、C6−C10−アリーレン、及びC7−C10−アラルキレンから選ばれ、
nが、同一であり、又は異なり、及び0〜200から選ばれ、
mが、同一であり、又は異なり、及び1〜6から選ばれる)
の構造単位を、1分子当たり少なくとも1個有する、少なくとも1種の(コ)ポリマー、
(C)少なくとも1種の更なるコモノマー
を含むコポリマーに関する。
【0004】
更に本発明は、本発明に従うコポリマーを増粘剤として、例えば洗剤、又はクリーナー中に使用する方法に関する。
【0005】
更に本発明は、特に本発明に従うコポリマーを製造するためのコモノマーとして適切な化合物(B)に関する。更に、本発明は、本発明に従う(コ)ポリマーを合成するために特に適切な化合物に関する。
【0006】
水性処方物、例えば洗剤及びクリーナー、印刷ペースト、又はボディーケア組成物及び化学製造物の粘度を調整するために、増粘剤(thickener)がしばしば使用される。増粘剤は、天然又は合成増粘剤であっても良い。公知の合成増粘剤は、多くの場合、アンモニアで中和された、アクリル酸のアクリルアミドとのコポリマーであり、これは少量の2不飽和(diunsaturated comonomer)、例えばメチレンビスアクリルアミドを重合して含んでいる。
【背景技術】
【0007】
公知の増粘剤の特性は、改良することができる。
【0008】
望ましくないことに、多くの場合、増粘剤の合成のために必要とされるホワイトオイルは、少なくとも比例的に、合成増粘剤中になお残っており、及び繊維材料、例えばテキスタイルへの適用時に残っており、これによって、堅牢性(fastness)と手触りが損なわれ得るものである。特に、分散染料(dispersion dyes)又は反応性染料に基づく印刷ペーストを使用することを所望する場合、従って、単純な洗浄によって増粘剤を除去することが望ましいが、ホワイトオイルを含む増粘剤を使用する場合、多くの場合に、これはうまくいかない。
【0009】
増粘剤の合成の次に、(例えば、増粘剤を乾燥させることにより、特にスプレー乾燥により)ホワイトオイルを除去するための試みがなされてきた。これは、いわゆる粉増粘剤を与えるが、粉増粘剤は、他の処方物中に必ずしも容易に攪拌できるものではない。
【0010】
会合性増粘剤(associative thickener)を使用することによって、ホワイトオイルの短所を回避する試みがなされてきた。会合性増粘剤は、水溶性ポリマーであり、及び界面活性剤−状の疎水性成分を有する(この界面活性剤−状の疎水性成分は、親水性の、特に水性の媒体中で、それら自体と、及び他の疎水性物質と相互作用し、特に結合することができ、及びネットワークを形成することができる)。得られた連合的ネットワークは、媒体を濃く(粘性に)し、又はゼラチン状にする。
【0011】
しかしながら、公知の会合性増粘剤は、なお改良可能なものである。特に、塩の安定性は多くの場合、なお不適切である。更に、液体洗剤の場合、多くの場合、透明性の改良が望まれる(透明性の改良は、商業上の良好な成功を容易化する)。
【0012】
特許文献1(WO99/65958)には、アルカリ−溶解性増粘剤が記載されており、これは、不飽和カルボン酸の、モノエチレン的に不飽和のモノマーの、及び疎水性のアルコキシル化されたマクロモノマーの反応生成物を含んでいる。モノエチレン的に不飽和のモノマーは、メチル基を含んでおり;これはメチルアクリレートが好ましい。これらのポリマーは、pHが4.5〜6.0の範囲であっても水溶性であるべきであり、そして従って、化粧品のために適切である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO99/65958
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、塩の高い含有量で洗浄特性が改良された、及び透明性が改良された洗剤(detergent)を提供することにある。更に、本発明の目的は、これにより所望の特性を得ることができる洗浄剤のための添加剤を提供することにある。更に本発明の目的は、この添加剤を製造するための方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、冒頭に定義したコポリマー(簡略化して、本発明に従うコポリマーとも称する)が見出された。本発明に従うコポリマーは、コモノマーとして、重合された
(A)少なくとも1種のエチレン的に不飽和のモノ−又はジカルボン酸、
(B)その詳細を以降に記載するが、簡略して化合物(B)又は本発明に従う化合物(B)とも称される、少なくとも1種の(コ)ポリマー、
(C)少なくとも1種の更なるコモノマー、
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
適切な、エチレン的に不飽和のモノ−又はジカルボン酸(A)は、例えば、エチレン的に単−及び多飽和したモノ−又はジカルボン酸、例えばソルビン酸、及び特に、モノエチレン的に不飽和のC3−C10−モノカルボン酸、モノエチレン的に不飽和のC4−C10−ジカルボン酸、及びこれらの低分子量無水物である。適切なモノエチレン的に不飽和のC4−C10−ジカルボン酸、及びこれらの低分子量無水物の例は、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、及び上述した化合物の2種以上の混合物である。適切なモノエチレン的に不飽和のC3−C10−モノカルボン酸の例は、エタクリン酸、(E)−及び(Z)−クロトン酸、及び好ましくはアクリル酸である。メタクリル酸が特に好ましい。
【0017】
本発明の一変形例では、モノエチレン的に不飽和のC3−C10−モノカルボン酸とモノエチレン的に不飽和のC4−C10−ジカルボン酸、又はその無水物、例えば(メト)アクリル酸及び無水マレイン酸の混合物が使用される。
【0018】
本発明に従うコポリマーは更に、少なくとも1種の化合物(B)を、共重合した状態で含む。1分子当たり、化合物(B)は、一般式I
【0019】
【化2】

【0020】
(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及び水素、及び好ましくはC6−C30−アリール、好ましくはC6−C14−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラセニル、2−アントラセニル、9−アントラセニル、C7−C30−アラルキル、好ましくはベンジル、
置換された、又は置換されていないC3−C10−シクロアルキル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルで、1つ以上の非隣接の酸素原子が、酸素又はN−H又はN−CH3で取り替えられても良く、記載しても良い例は、1,3−ジオキソラニル、1,3−オキサゾニル、好ましくは2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル、及び2,2−ジメチル−1,3−ジオキサニルであり、
及び特に、C1−C30−アルキル、好ましくはC1−C20−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、イソドデシル、n−テトラデシル、イソテトラデシル、n−ヘキサデシル、イソヘキサデシル、n−オクタデシル、イソオクタデシル、n−エイコシル、イソエイコシルから選ばれ、
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及びC6−C10−アリーレン、例えばオルトフェニレン、メタフェニレン、パラフェニレン、1,6−ナフチレン、1,7−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、又は1,8−ナフチレン、C7−C10−アラルキレン、例えば−CH(C65)−又は−CH2−CH(C65)−、
及び特に、置換された、又は好ましくは置換されていないC2−C10−アルキレン、例えば−CH2−、−CH(CH3)−、−CH(C25)−、−C(CH32−、−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、−CH(C25)−CH2−、−CH2−CH(C25)−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH28−、−(CH210−、好ましくは−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、極めて好ましくは−CH2−CH2−から選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200、好ましくは1〜150、特に好ましくは5〜50から選ばれ、
mが、1〜6、好ましくは4まで、特に好ましくは2までから選ばれる)
の構造単位を、少なくとも1個、例えば平均して1〜10個(数平均)、好ましくは5個以下、特に好ましくは2個以下含む。
【0021】
ここで、変数nは平均値であっても良い。
【0022】
化合物(B)は、ホモポリマーであっても良く、これはポリマー(B)と称されても良い。しかしながら、簡略してコポリマー(B)と称されるコポリマーは、好ましくは、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、交互コポリマー、又は好ましくはランダムコポリマーから選ばれる。化合物(B)は、1種以上の(コ)モノマー(この内少なくとも1種は一般式Iの構造単位を有する)の、例えばイオン性、例えばアニオン性(共)重合、又は好ましくはラジカル(共)重合(free-radical (co)polymerization)によって製造(調製)することができる。
【0023】
式Iの構造単位は、例えば以下の状態であることができる:
【0024】
m=1:
【0025】
【化3】

【0026】
m=2:
【0027】
【化4】

【0028】
m=3:
【0029】
【化5】

【0030】
本発明の一実施の形態では、化合物(B)は、不完全な変換の生成物によって汚染されている。ここで不完全な変換で、例えば以下の構造単位が形成されても良い:
【0031】
【化6】

【0032】
コポリマーとしてランダムコポリマーを使用することが所望される場合、一般式Iの構造単位の他に、コモノマー、(ここで、所望される任意のラジカル重合可能なコモノマー、例えば、ビニルアセテート、エチレン性不飽和カルボン酸、特にスチレン、ビニルエステル、特にビニルアセテート、エチレン的に不飽和のカルボン酸、特に(メト)アクリル酸、エチレン的に不飽和のカルボン酸、特に(メト)アクリル酸及び(メト)アクリロニトリル、及びマレイン酸無水物のC1−C10−アルキルエステル、ハロゲン含有コモノマー、例えばビニルクロリド又はビニリデンクロリド、及びα−オレフィン、例えば1−デセン、1−ヘキセン、イソブテン又は1−ドデセンが適切である)に帰すことができる少なくとも1種の構造単位を有するコポリマーを使用することが可能である。
【0033】
コポリマーとしてランダムコポリマーを使用することが望ましい場合、一般式Iの構造単位の他に、一般式II
【0034】
【化7】

【0035】
(但し、変数が、以下のように定義される:
2、R3が、同一であり、又は異なり、及びC1−C6−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル;好ましくはn−C1−C4−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチル、特に好ましくはメチルから選ばれ、
及び特に水素であり、
4が、C1−C6−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソ−アミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル;好ましくはn−C1−C4−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチル、特に好ましくはメチル、
及び特にCOOM又は水素であり、
Mが、置換されたアンモニウム、例えばメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エタノールアンモニウム、又は好ましくは置換されていないアンモニウム、及び特に水素及び金属カチオン、例えばアルカリ金属カチオン、例えばLi+、Na+、K+、Rb+、又はCs+、好ましくはNa+又はK+から選ばれる。Mは、アルカリ土類金属カチオンの半当量、例えばCa2+、又はMg2+であっても良い。)
の構造単位を少なくとも1つ有するコポリマーを使用することが可能である。
【0036】
本発明の一実施の形態では、R3はメチル、及びR2及びR4はそれぞれの場合において水素である。
【0037】
本発明の一実施の形態では、R2、R3及びR4はそれぞれの場合において水素である。
【0038】
本発明の一実施の形態では、R2及びR3はそれぞれの場合において水素であり、そしてR4はCOOMである。
【0039】
本発明の一実施の形態では、化合物(B)は、分子量Mwを、(例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定して)200〜100000g/molの範囲、好ましくは1000〜10000g/molの範囲、特に好ましくは5000g/mol以下の範囲に有する。
【0040】
本発明の一実施の形態では、化合物(B)は、(23℃で、THF/水混合物中、好ましくは水中2質量%のTHF中で測定して)Filentscherに従うK値を、8〜40の範囲に有する。
【0041】
本発明の一実施の形態では、化合物(B)は、多分散性Mw/Mnを、1〜4の範囲、好ましくは1.1〜2の範囲、及び特に好ましくは1.1〜1.5の範囲に有する。
【0042】
本発明の一実施の形態では、化合物(B)は、ヒドロキシル価が、DIN53240で測定して、1〜270mgKOH/gの範囲、好ましくは5〜10、特に好ましくは10〜70mgKOH/gの範囲の範囲である。
【0043】
本発明の一実施の形態では、本発明に従うコポリマーは、分子量Mwが、(例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定して)1000〜10000000g/molの範囲、好ましくは10000〜1000000g/molの範囲、特に好ましくは50000〜500000g/molの範囲である。
【0044】
本発明の一実施の形態では、本発明に従うコポリマーは、多分散性Mw/Mnが1〜10の範囲である。
【0045】
本発明の一実施の形態では、本発明に従うコポリマー中の、一般式Iの構造単位の、一般式IIの構造単位に対するモル割合は、0.01〜10の範囲、好ましくは0.05〜2の範囲、及び特に好ましくは0.1〜0.5の範囲である。
【0046】
本発明のある実施の形態では、一般式Iの少なくとも1つの構造単位が、本発明に従うコポリマーの骨格(backbone)に、式IIIa
【0047】
【化8】

又は式IIIb
【0048】
【化9】

【0049】
(但し、変数が、以下のように定義される:
Xが、単結合、N−H、及び好ましくは酸素から選ばれ、
tが、0と1から選ばれ、
wが、0と1から選ばれ、
2が、置換された、又は好ましくは置換されていないC1−C50−アルキレンで、1つ以上の非隣接のCH2基が、酸素によって取り替えられていても良い)
の基を介して結合している。適切な基A2の例は、C2−C10−アルキレン、好ましくは−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、特に好ましくは−CH2−CH2−、更に−CH2−CH2−O−、−CH(CH3)−CH2−O−、−CH2−CH(CH3)−O−、−[CH2−CH2−O−]y−、−[CH(CH3)−CH2−O−]y−、−[CH2−CH(CH3)−O−]y−、(但し、yが2〜20の範囲の整数、好ましくは2〜15、及び3〜10の範囲の整数である)。
【0050】
本発明に従うコポリマーは更に、少なくとも1種の更なるコポリマー(C)を共重合した状態で含む。適切なコモノマーは、コモノマー(A)及び(B)とフリーラジカル的に共重合可能な、エチレン的に不飽和の化合物である。記載しても良い例は:エチレン的に不飽和のモノ−又はジカルボン酸の、特に(メト)アクリル酸のC1−C10−アルキルエステル、ビニルアセテート、ビニル芳香族化合物、例えば特に、スチレン、及びα−メチルスチレン、α−オレフィン、例えば特に、C12−C20−α−オレフィン、更にビニルクロリド、アクリロニトリル及びN−ビニルピロリドンである。エチレン的に不飽和のモノカルボン酸のC1−C10−アルキルエステルの好ましい例は、メチル(メト)アクリレート、エチル(メト)アクリレート、n−ブチル(メト)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メト)アクリレートである。
【0051】
本発明の一実施の形態では、本発明に従うコポリマーは、少なくとも2種の異なる更なるコモノマー(C)を、共重合した状態で含む。本発明の他の実施の形態では、本発明に従うコポリマーは、正確に1種の更なるコモノマー(C)を、共重合した状態で含む。
【0052】
本発明の一実施の形態では、本発明に従うコポリマーは、
0.1〜99質量%、好ましくは5〜70質量%、特に好ましくは10〜50質量%のエチレン的に不飽和のモノ−又はジカルボン酸(A)、
0.001〜99質量%、好ましくは0.01〜50質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%の化合物(B)、
合計で0.1〜99質量%、好ましくは5〜80質量%、特に好ましくは30〜60質量%の(1種以上の)更なるコモノマー(C)、
を重合(共重合)した状態で含む。
【0053】
ここで、質量%のデーターは、各場合において、本発明に従う合計ポリマーに基いている。
【0054】
本発明は更に、本発明に従うコポリマーを、増粘剤として、特に会合性増粘剤として使用する方法を提供する。このことについて、本発明に従うコポリマーは、このポリマーが水性媒体中で、pHに強く依存した溶解度特性を有するという特性を利用する。従って、本発明の更なる局面は、本発明に従うコポリマーを、洗剤、及びクリーナー、及び化粧品中の添加剤として使用する方法である。テキスタイル基材を、本発明に従うコポリマーを使用して洗浄する方法も提供される。
【0055】
本発明は更に、本発明に従うコポリマーを少なくとも1種含む洗剤、及びクリーナー、及び化粧品をも提供する。このことについて、洗剤は主として、テキスタイルのための洗剤を意味するものと理解され、クリーナーは、硬質表面、例えば磁器、セラミック、ガラス、石、木材、及びコンクリートについてのものであると理解される。化粧品は、軟膏、ローション、ピール、及び化粧品として直接的に適切な他の製品を意味するのみならず、化粧品消費者商品の基礎として使用される製品をも意味すると理解される。
【0056】
このことについて、本発明に従うコポリマーは、遊離酸、又は部分的又は完全に中和された状態の、例えばアンモニアで部分的に又は完全に中和された状態の、アルカリ土類金属、又は好ましくはアルカリ金属カチオンの状態で使用することができる。好ましくは、本発明に従うコポリマーは、中和されていない状態で、すなわち遊離酸として使用され、そして中和は、洗浄又はクリーニング操作の前又は間に直接的に行なわれるだけである。
本発明に従う洗剤及びクリーナー、又は本発明に従う化粧品は、液体又は固体の状態で存在しても良い。
【0057】
本発明に従う固体洗剤は、好ましくは以下の成分を含む:
(a)0.05〜20質量%の、本発明に従う少なくとも1種のコポリマー、
(b)0.5〜40質量%の、少なくとも1種の、非イオン性の、アニオン性の、及び/又はカチオン性の界面活性剤、
(c)0.5〜50質量%の、無機ビルダー(inorganic builder)、
(d)0〜10質量%の、有機コビルダー(organic cobuilder)、及び
(e)0〜60質量%の、他の通常の成分、例えば増量剤、酵素、香水、錯化剤、防蝕剤、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、色移り防止剤、グレイ防止剤、土壌解放(soil release)ポリエステル、ファイバー及び着色防止添加剤、シリコーン、染料、殺菌剤、分解促進剤、及び/又は崩壊剤、
(ここで、成分(a)〜(e)の合計は100質量%であることが好ましい)。
【0058】
本発明に従う固体洗浄剤は粉、顆粒、押出し物、又はタブレットの状態で存在しても良い。
【0059】
本発明に従う液体洗剤処方物は、好ましくは、以下の組成を有する:
(a)0.05〜20質量%の、本発明に従う少なくとも1種のコポリマー、
(b)0.5〜40質量%の、少なくとも1種の、非イオン性の、アニオン性の、及び/又はカチオン性の界面活性剤、
(c)0〜20質量%の、無機ビルダー(inorganic builder)、
(d)0〜10質量%の、有機コビルダー、及び
(e)0〜60質量%の、他の通常の成分、例えば、炭酸ナトリウム、酵素、香水、錯化剤、防蝕剤、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、色移り防止剤、グレイ防止剤(further graying inhibitor)、土壌解放ポリエステル、ファイバー及び着色防止添加剤、シリコーン、染料、殺菌剤、有機溶媒、溶解性促進剤、ヒドロトロープ、増粘剤、及び/又はアルカノールアミン、及び
(f)0〜99.45質量%の水。
【0060】
適切な非イオン性界面活性剤(b)は、主として以下のものである:
−アルコキシル化したC8−C22−アルコール、例えば脂肪アルコールアルコキシレート、オキソアルコールアルコキシレート、及びガーベットアルコールアルコキシレート:アルコキシル化は、C2−C20−アルキレンオキシドを使用して、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシドを使用して行うことができる。ブロックコポリマー、又はランダムコポリマーが存在しても良い。アルコール1モル当たり、これらは通常、1〜50モル、好ましくは1〜20モルの少なくとも1種のアルキレンオキシドを含む。特に好ましいアルキレンオキシドは、エチレンオキシドである。アルコールは、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する。
−アルキルフェノールアルコキシレート、特にC6−C14−アルキル鎖及び5〜30モルのアルキレンオキシド/モルを含むアルキルフェノールエトキシレート。
−C8−C22−、好ましくはC10−C18−アルキル鎖、及び1〜20個、好ましくは1.1〜5個のグルコシド単位を含むアルキルポリグルコシド。
−N−アルキルグルカミド、脂肪酸アミドアルコキシレート、脂肪酸アルカノールアミドアルコキシレート、及び(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシドの)ブロックコポリマー。
【0061】
適切なアニオン性界面活性剤は、例えば:
−8〜22個、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する(脂肪)アルコールのサルフェート、特に、C9−C11−アルコールサルフェート、C12−C14−アルコールサルフェート、C12−C18−アルコールサルフェート、ラウリルサルフェート、セチルサルフェート、ミリスチルサルフェート、パルミチルサルフェート、ステアリルサルフェート、及びタロウ脂肪アルコールサルフェート。
−サルフェート化したアルコキシル化したC8−C22−アルコール(アルキルエーテルサルフェート):この種の化合物は例えば、最初にC8−C22−、好ましくはC10−C18−アルコール、例えば脂肪アルコールをアルコキシル化し、そして次にアルコキシル化生成物をサルフェート化することによって製造される。アルコキシル化のために、エチレンオキシドを使用することが好ましい。
−直鎖状C8−C20−アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、好ましくは直鎖状C9−C13−アルキルベンゼンスルホネート、及び−アルキルトルエンスルホネート。
−アルカンスルホネート、特にC8−C24−、好ましくはC10−C18−アルカンスルホネート。
−せっけん(soap)、例えばC8−C24−カルボン酸のNa及びK塩。
【0062】
アニオン性界面活性剤が好ましくは塩の状態で洗剤に加えられる。ここで適切なカチオンは、例えばアルカリ金属イオン、例えばナトリウム、カリウム及びリチウム、アンモニウム塩、例えばヒドロキシエチルアンモニウム、ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム、及びトリ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩である。
【0063】
記載しても良い特に適切なカチオン界面活性剤は:
− C7−C25−アルキルアミン;
− N,N−ジメチル−N−(ヒドロキシ−C7−C25−アルキル)アンモニウム塩;
− アルキル化剤で四級化されたモノ−及びジ−(C7−C25−アルキル)ジメチルアンモニウム化合物;
− エステルクアット(ester quat)、特に、C8−C22−カルボン酸でエステル化された、四級エステル化されたモノ−、ジ−及びトリアルカノールアミン;
−イミダゾリンクアット、特に、式VI又はVII
【0064】
【化10】

【0065】
(但し、変数が、以下のように定義される:
6が、同一であり、又は異なり、及びC1−C25−アルキル、又はC2−C25−アルケニルから選ばれ;
7が、C1−C4−アルキル、又はヒドロキシ−C1−C4−アルキル;
8が、C1−C4−アルキル、又はヒドロキシ−C1−C4−アルキル又は基R6−(CO)−Y−(CH2p−(Y−が、酸素又は−NH−あり;p:2又は3である)であり、ここで、R8がR6−(CO)−Y−(CH2p−である場合、R6はC7−C22−アルキルである)
の1−アルキルイミダソリニウム塩。
【0066】
適切な無機ビルダーは特に以下のものである:
− イオン−交換特性を有する、結晶性の及びアモルファスのアルミノケイ酸塩、例えば一級ゼオライト:種々のタイプのゼオライトが適切であり、特にそのNa形態中の、又はNaが他のカチオン、例えばLi、K、Ca、Mg又はアンモニウムのために、部分的に交換された形態中のゼオライトA、X、B、P、MAP及びHSが適切である、
− 結晶性シリケート、例えばジシリケート、及びシートシリケート、例えばσ−及び−β−Na2Si25。シリケートは、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩の状態で使用することができ、Na、Li及びMgシリケートが好ましい、
−アモルファスシリケート、例えばメタケイ酸ナトリウム、及びアモルファスジシリケート、
−カーボネート、及びハイドロージェンカーボネート:これらは、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩の状態で使用することができる。Na、Li及びMgカーボネートが好ましく、特にナトリウムカーボネート及び/又はナトリウムハイドロージェンカーボネートが好ましい、
−ポリフォスフェート、例えばペンタナトリウムトリフォスフェート。
【0067】
適切な有機コビルダーは主として以下のものである:
−低分子量カルボン酸、例えばクエン酸、疎水的に変性されたクエン酸、例えばアガリン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルタル酸、コハク酸、イミドジコハク酸、オキシジコハク酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、アルキル−及びアルキレンコハク酸、及びアミノポリカルボン酸、例えばニトリロトリ酢酸、β−アラニンジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、セリンジ酢酸、イソセリンジ酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸、エチレンジアミノジコハク酸、及びメチル−及びエチルグリシンジ酢酸。
【0068】
−オリゴマー性、及びポリマー性カルボン酸、例えばアクリル酸、及びアスパラギン酸、オリゴマレイン酸のホモポリマー、マレイン酸と、アクリル酸、メタクリル酸のコポリマー、又はC2−C22−オレフィン、例えばイソブテン、又は長鎖−オレフィンと、ビニルC1−C8−アルキルエーテル、ビニルアセテート、ビニルプロピネート、C1−C8−アルコール及び/又はスチレンの(メト)アクリル酸エステルのコポリマー、アクリル酸と、メタクリル酸、又はC2−C22−オレフィン、例えばイソブテン、又は長鎖α−オレフィン、特にC10−C22−α−オレフィン、ビニルC1−C8−アルキルエーテル、ビニルアセテート、ビニルプロピネート、C1−C8−アルコール及び/又はスチレンの(メト)アクリル酸エステルのコポリマー。アクリル酸のホモポリマー、及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマーが好ましい。オリゴマー性、及びポリマー性カルボン酸が、酸の状態、又はナトリウム塩として使用される。
【0069】
適切な漂白剤は、例えば、過酸化水素の無機塩への付加化合物、例えばナトリウムペルボレートモノハイドレート、ナトリウムペルボレートテトラハイドレート、及びナトリウムカーボネートペルハイドレート、及び過カルボン酸、例えばフタルイミドペルカプロ酸である。
【0070】
適切な漂白剤活性剤は、例えば、N,N,N‘,N‘−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ナトリウムp−ノナノニルオキシベンゼンスルホネート及びN−メチルモルホリニウムアセトニトリルメチルサルフェートである。
【0071】
洗剤に使用することが好ましい酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、及びペルオキシダーゼである。
【0072】
適切な色移り防止剤は、例えば、1−ビニルピロリドン、1−ビニルイミダゾール、又は4−ビニルピリジンN−オキシドのホモポリマー、コポリマー、及びグラフトポリマーである。クロロ酢酸と反応した4−ビニルピリジンのホモポリマーとコポリマーも色移り防止剤として適切である。
【0073】
それ自体が慣用の更なる洗剤成分は公知である。詳細な記載は、例えば、WO99/06524及びWO99/04313及び“Liquid Detergents”,Editor:Kuo−Yann Lai,Surfactant Sci.Ser.,Vol.67.Marcel Decker,New York.1997,page272−304に見出すことができる。
【0074】
更に、本発明に従うコポリマー、及び本発明に従うコポリマーの水性分散物又は水溶液を硬質表面のためのクリーナー中の増粘剤として使用できることがわかった。本発明は従って、本発明に従うコポリマー、及び本発明に従うコポリマーの水性分散物、又は水溶液を硬質表面のためのクリーナーのための添加剤として使用する方法を提供する。本発明は、更に、本発明に従うコポリマーを含む、硬質表面のためのクリーナーを提供する。本発明は更に、本発明に従うコポリマー、又は本発明に従うコポリマーの水性分散物、又は水溶液を使用して、硬質表面を洗浄する方法を提供する。
【0075】
硬質表面のためのクリーナーは、例えば金属、プラスチック、ガラス、及びセラミックの洗浄のためのクリーナー、フロアクリーナー、衛生クリーナー、家の及び商用の全目的クリーナー、工業クリーナー(車−洗浄プラント又は高圧クリーナー)、低温クリーナー、皿洗浄クリーナー、リンス助剤、殺菌クリーナー、食品及び飲料工業用のクリーナー、特にボトルクリーナーとして、搾乳場、醸造所、及び他の食料品製造の運営におけるCIPクリーナー(Cleaning−in−Place)としてのものを意味すると理解される。本発明に従うコポリマーを含むクリーナーは、硬質表面、例えばグラス、プラスチック及び金属を洗浄するために特に適切である。クリーナーは、アルカリ性、酸性又は中性であることができる。これらは通常、1種以上の界面活性剤を、約0.2〜50質量%の量で含む。これらはアニオン性、非アニオン性、又はカチオン性界面活性剤、及び相互に適合する界面活性剤の混合物、例えばアニオン性及び非イオン性の又はカチオン性及び非イオン性の界面活性剤の混合物であっても良い。アルカリ性クリーナーは、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、ナトリウムハイドロージェンカーボネート、カリウムハイドロージェンカーボネート、ナトリウムセスキカーボネート、カリウムセスキカーボネート、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、アミンベース、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア又はシリケートを、60質量%以下の量、ある場合には80質量%以下の量で含むことができる。本発明に従うクリーナーは、更に、クエン酸塩、グルコン酸塩、又は酒石酸塩を、80質量%以下の量で含むことができる。硬質表面のための、本発明に従うクリーナーは、固体状態であっても良く又は液体状態であっても良い。
【0076】
本発明の一実施の形態では、本発明に従うコポリマーは本発明に従う硬質表面用のクリーナー中に、0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜15質量%の量で含む。
【0077】
本発明は更に、本発明に従うコポリマーを少なくとも1種含む化粧品を提供する。本発明に従う化粧品は、例えばスキン、ヘア、角化した皮膚、指の爪、又は足指の爪、又は口腔ケアのために使用することができる。
【0078】
本発明に従う化粧品は、水性又は水性−アルコール性溶液の状態、又はO/W又はW/Oエマルジョンの状態が可能である。
【0079】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う化粧品は、シャンプー、クリーム、フォーム、スプレー(ポンプスプレー又はエアロゾル)、ゲル、ゲルスプレー、ローション、又はムースの状態であり、従って、通常の更なる助剤を使用して処方することができる。
【0080】
本発明に従う化粧品は、スキン化粧品、ヘア化粧品、調合薬、ハイジーン、又は調合薬組成物であっても良い。そのフィルム−形成特性のために、上述したコポリマーは、特にヘア化粧品及びスキン化粧品のための添加剤として適切である。
【0081】
本発明に従う化粧品は、スプレー、ゲル、フォーム、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁物、ローション、ミルク又はペーストの状態であることが好ましい。所望により、リポソーム又はミクロスフェアも使用することができる。
【0082】
本発明に従うコポリマーの他に、本発明に従う化粧品は、少なくとも1種の担体(carrier)を含むことができる。適切な担体の例は:
i)水、
ii)水−混和性有機溶媒、好ましくはC2−C4−アルカノール、特にエタノール、
iii)オイル、脂肪、ワックス、
iv)C6−C30−モノカルボン酸と一価−、二価−、又は三価−のアルコールのiii)とは異なるエステル、
v)飽和アクリル性、及び環式の炭化水素、
vi)脂肪酸、
vii)脂肪アルコール、
viii)推進ガス(propellant gas)
及びこれらの混合物である。
【0083】
担体の例は特に、低極性の炭化水素から選ばれるオイル及び脂肪、例えば鉱油;8個を超える炭素を有することが好ましい直鎖状構造の炭化水素、例えばテトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等、環式の炭化水素、例えばデカヒドロナフタレン、枝分かれした炭化水素;動物及び植物オイル、ワックス、ワックスエステル、ワセリン、エステル、好ましくは脂肪酸のエステル、例えばC1−C40−モノアルカノールとC1−C22−モノカルボン酸のエステル、例えばイソステアレート、n−プロピルミリステート、イソ−プロピルミリステート、n−プロピルパルミテート、イソプロピルパルミテート、ヘキサコサニルパルミテート、オクタコサニルパルミテート、トリアコンタニルパルミテート、ドトリアコンタニルパルミテート、テトラトリアコンタニルパルミテート、ヘキサンコサニルステアレート、オクタコサニルステアレート、トリアコンタニルステアレート、ドトリアコンタニルステアレート、テトラトリアコンタニルステアレート、サリシレート、例えばC1−C10−サリシレート、例えばオクチルサリシレート、ベンエートエステル、例えばC10−C15−アルキルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、他の化粧エステル、例えば脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、C10−C15−アルキルラクテート、及びこれらの混合物である。
【0084】
担体として適切なシリコーンオイルは、例えば、直鎖状ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチル−フェニルシロキサン)、環式シロキサン及びこれらの混合物である。ポリジメチルシロキサン及びポリ(メチルフェニルシロキサン)の数平均分子量は、好ましくは約1000〜150000g/molの範囲である。好ましい環式シロキサンは、4−〜8−員の環を有している。適切な環式シロキサンは、例えばcyclomethiconeの名称で市販されている。
【0085】
担体として好ましいオイル及び脂肪成分は、パラフィン、及びパラフィンオイル、ワセリン、天然脂肪、及びオイル、例えばキャスターオイル、大豆オイル、ピーナッツオイル、オリーブオイル、ひまわりオイル、セサミオイル、アボカドオイル、ココアバター、アーモンドオイル、杏仁オイル、キャスターオイル、肝油、ピッググリース、鯨ろう、鯨ろうオイル、マッコウ鯨オイル、小麦の胚種油、マカダミアナッツ油、月見草油、ホホバ油、脂肪アルコール、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、脂肪酸、例えばミリスチル酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びこれらとは異なる、飽和した、不飽和の、及び置換された脂肪酸;ワックス、例えば蜜ろう、カルナバワックス、カンデリラワックス、鯨ろう、及び上述したオイル及び脂肪成分の混合物から選ばれる。
【0086】
本発明に従うコポリマー及び担体の他に、本発明に従う化粧品は、次のものを含むことができる:美容上有効なケア物質及び活性成分、例えばAHA酸、フルーツ酸、セラミド、フィタントリオール、コラーゲン、ビタミン及びプロビタミン、例えばビタミンA、E及びC、レチノール、ビサボロール、パンテノール、乳化剤、及び共乳化剤、界面活性剤、防腐剤、香油、ヘアポリマー、ヘア及びスキンコンディショナー、グラフトポリマー、シリコーン化合物、水溶性、又は水分散性シリコーン含有ポリマー、天然及び合成の光防護剤、漂白剤、ゲル形成剤、ケア剤、着色剤、染料、顔料、マイクロ顔料、例えば酸化チタン又は酸化亜鉛、乳白剤、着色剤、なめし剤、コンシステンシー調整剤、保湿剤、リファッティング剤、コラーゲン、プロテイン加水分解剤、脂質、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、皮膚軟化剤、溶解促進剤、リペラント、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、コンシステンシー調整剤、可溶化剤、錯化剤、pH調整剤、反射剤、プロテイン及びプロテイン加水分解剤(例えば小麦、アーモンド、又はピープロテイン)及び軟化剤。
【0087】
本発明は、更に、化合物(B)を提供する。1分子当たり、本発明に従う化合物(B)は、一般式(I)、
【0088】
【化11】

の構造単位を少なくとも1個有する。
【0089】
ここで変数は、上述のように定義される:
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及び水素、又は好ましくはC6−C30−アリール、好ましくはC6−C14−アリール、特にフェニル;C7−C30−アラルキル、好ましくはベンジル;C3−C10−シクロアルキル、特にシクロペンチル、又はシクロヘキシル、及び特にC1−C30−アルキル、好ましくはC1−C20−アルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及びC6−C10−アリーレン、好ましくはフェニレン、C7−C10−アラルキレン、例えば−CH(C65)−又は−CH2−CH(C65)−、及び特に、C2−C10−アルキレン、置換された、又は好ましくは無置換の、好ましくは−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、極めて好ましくは−CH2−CH2−から選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200、好ましくは1〜150、特に好ましくは5〜50から選ばれ、
mが、1〜6、好ましくは〜4、特に好ましくは〜2から選ばれる。
【0090】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う化合物(B)は、分子量Mwが、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定して、200〜100000g/mol、好ましくは〜10000g/mol、特に好ましくは〜5000g/molである。適切な標準は、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)である。
【0091】
本発明の一実施の形態では、化合物(B)は、Fikentscherに従うK値(K value)を、THF/水混合物(好ましくは、THF中2質量%溶液)中で23℃で測定して、8〜40の範囲に有する。
【0092】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う化合物(B)は、多分散性Mw/Mnを、1〜4の範囲、好ましくは1.1〜2の範囲、及び特に好ましくは1.1〜1.5の範囲に有する。
【0093】
本発明の一実施の形態では、一般式Iの少なくとも一つの構造単位が、式IIIa
【0094】
【化12】

又はIIIb
【0095】
【化13】

の基を介して、本発明に従うコポリマーの基礎骨格に結合している。
【0096】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う化合物(B)は、一般式IVa又はIVb
【0097】
【化14】

【0098】
(但し、R5が、メチル及び水素から選ばれ、及び他の変数が上記のように定義される)
の少なくとも1種のコモノマーを共重合した状態で含む。
【0099】
本発明は更に、本発明に従う化合物(B)を製造する方法を提供し、ここで、一般式IVa又はIVb
【0100】
【化15】

の少なくとも1種の(コ)モノマーが、好ましくはフリーラジカル的に重合され、このフリーラジカル的な重合は、好ましくは一般式Va〜Vc
【0101】
【化16】

【0102】
(但し、変数が以下のように定義される:
2、R3が、同一であり、又は異なり、及びC1−C6−アルキル、好ましくはn−C1−C4−アルキル、特に好ましくはメチル及び特に水素から選ばれ、
4が、C1−C6−アルキル、好ましくはn−C1−C4−アルキル、特に好ましくはメチル、好ましくはCOOM、及び特に水素であり、
Mが、置換された、又は好ましくは置換されていない、アンモニウム、水素、及び金属カチオン、特にアルカリ金属カチオン又は半当量(half equivalent)又はアルカリ土類カチオンから選ばれ、
5が、水素及びメチルから選ばれ、
tが、0と1から選ばれ、
wが、0と1から選ばれ、
2が、置換された、又は好ましくは置換されていないC1−C50−アルキレンで、1つ以上の非隣接のCH2基が、酸素によって取り替えられても良い。適切な基A2の例は、好ましくは、C2−C10−アルキレン、好ましくは−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、特に好ましくは−CH2−CH2−、更に−CH2−CH2−O−、−CH(CH3)−CH2−O−、−CH2−CH(CH3)−O−、−[CH2−CH2−O−]y−、−[CH(CH3)−CH2−O−]y−、−[CH2−CH(CH3)−O−]y−であり、ここでyは、2〜20の範囲の整数、好ましくは2〜15、及び特に3〜10の範囲の整数である)
の少なくとも1種のコモノマーの存在下に行なわれる。
【0103】
例えば、本発明に従う化合物(B)は、以下のように行うことができる。
【0104】
第1に、一般式VIa
【0105】
【化17】

【0106】
(但し、変数が上記に定義されたものであり、及びこの中で、m=1が選択される)
の化合物が製造される。このために、一般式R1−(O−A1n−OHの少なくとも1種の化合物がグリセロール又は好ましくはグリセロールの反応性誘導体、特にエピクロロヒドリンと反応される。ここで、一般式R1−(O−A1n−OHの化合物の、グリセロールの反応性誘導体、特にエピクロロヒドリンに対するモル割合は、好ましくは2:1として選択される。一般式I(但し、m>1である)の構造単位を有する化合物(B)を製造することが望まれる場合、更なるグリセロール又はグリセロールの更なる反応性誘導体が使用される。これは、一般式VI
【0107】
【化18】

【0108】
(但し、m>1である)
のこれらの化合物を与える。一般式VI又はVIaの化合物の製造は、例えば、100〜110℃の範囲の温度で行うことができる。一般式VIaの化合物の製造は、100℃未満の温度で行うこともできる。一般式VIの化合物中に望まれるmの値が高い程、高い温度(例えば120℃まで)が有利になる。
【0109】
一般式VI及びVIaの化合物の製造は、触媒の存在下に行うことができる。適切な触媒は、例えば、無機及び有機塩基である。エピクロロヒドリンが反応性グリセロール誘導体として使用される場合、塩基(base)は、触媒として作用するのみならず、形成されたHClを中和するためにも作用する。適切な無機塩基は、例えばアルカリ金属カーボネート、及び特にアルカリ金属ヒドロキシド、例えばNaOH及びKOHである。適切な有機塩基は、例えば第3級アミン、特にトリエチルアミン、及び[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABCO)、及びピリジン及びパラ−N,N−ジメチルアミノピリジンである。
【0110】
本発明の一実施の形態では、一般式VI又はVIaの化合物の製造は、溶媒中で行うことができる。適切な溶媒は、例えばエーテル、特に1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(“THF”)及びジ−n−ブチルエーテルである。更なる適切な溶媒は、n−ブチルアセテート(“ブチルアセテート”)、DMSO、N,N−ジメチルホルムアミド(“DMF”)及びN−メチルピロリドン、及び芳香族溶媒、例えばトルエンである。
【0111】
一般式VIの化合物の製造の間に水が除去される実施の形態では、脱水剤(water-withdrawing agent)、例えば分子篩、ナトリウムサルフェート、マグネシウムサルフェートを使用することができ、又形成された水は、共沸蒸留によって除去することができる。
【0112】
本発明の一実施の形態では、一般式VIの化合物への変換は、15分〜48時間、好ましくは1〜24時間、特に好ましくは3〜15時間の期間にわたって行われる。
【0113】
本発明の一実施の形態では、一般式VIの化合物への変換は段階的に行なわれ、そして所望のmに対応する数の段階で、段階的に行われる。ここで、グリセロール、特にエピクロロヒドリンの反応性誘導体は、その複数の段階(工程)で加えられる。段階的な反応のために、手順(処理)は、例えば、最初に、所定量の一般式R1−(O−A1n−OHの化合物を、グリセロールのモルの数の半分と、(好ましくはグリセロールの反応性誘導体、特にエピクロロヒドリンと)反応させることを含んでも良い。一般式R1−(O−A1n−OHの化合物のモル数の4分の1に相当する量のグリセロール又はグリセロールの反応性誘導体が次に加えられ、そして反応される。更なる段階を行うことが望まれる場合、一般式R1−(O−A1n−OHの化合物のモル数の8分の1に相当する量のグリセロール又はグリセロールの反応性誘導体が次に加えられ、そして反応される。それぞれの更なる段階で、一般式R1−(O−A1n−OHの化合物の加えられるモル数は、このように低減される。
【0114】
更なる段階では、一般式VIの化合物は、エチレン性二重結合を有する化合物と反応することができる。
【0115】
例えば、一般式VIの化合物を、エチレン的に不飽和のカルボン酸、又はエチレン的に不飽和のジカルボン酸の反応性が十分な誘導体と、例えば酸塩化物、又は酸無水物と、特に(メト)アクリル性無水物と反応させ、式IVa(但し、t=1、及び他の変数が上記に定義されたものである)の、本発明に従う化合物が得ることができる。
【0116】
【化19】

【0117】
本発明の一実施の形態では、一般式VIの化合物の、一般式IVの化合物への反応は、−20〜+70℃、好ましくは+15〜50℃の範囲の温度で行われる。
【0118】
本発明の一実施の形態では、一般式VIの化合物の、一般式IVの化合物への反応は、溶媒中で、又は溶媒の混合物中で行われる。適切な溶媒は、例えば、エーテル、特にテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、アセトン、又は無極性溶媒(非極性溶媒)、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(“DMF”)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又は炭化水素、例えばシクロヘキサンである。
【0119】
本発明の一実施の形態では、一般式VIの化合物の、一般式IVの化合物への反応は、触媒の存在下に行われる。適切な触媒は、例えば塩基、例えば水素化ナトリウム、及び特に、第3級アミン、例えばN,N−ジメチルアミノピリジンである。触媒は、通常、化学量論以下の量(substoichiometric amounts)で使用される。しかしながら、反応性酸誘導体として、酸ハロゲン化物を使用することが望まれる場合、過剰の塩基で処理することが可能である(この場合、塩基は同時に形成された酸を中和し、及び触媒として作用することができる)。
【0120】
本発明の一実施の形態では、一般式VIの化合物の、一般式IVの化合物への反応は、15分〜12時間、好ましくは1〜5時間の期間にわたり行われる。
【0121】
本発明の他の実施の形態では、一般式VIの化合物は、アセチレンと反応して、式IVa(但し、t=ゼロ、及び他の変数が上述したように定義される)の本発明に従う化合物が得られる。
【0122】
アセチレンとの反応のために、(好ましくは塩基性触媒から選ばれる)1種以上の触媒を使用することができる。KOHが特に適切である。
【0123】
アセチレンとの反応を、溶媒を使用して、又は溶媒を使用せずに行うことができる。適切な溶媒は、例えばN−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、トルエン、キシレン、THF及びジオキサンである。
【0124】
アセチレンとの反応を、例えば80〜160℃の範囲の温度、好ましくは約120℃、例えば110〜130℃の温度の範囲で行うことができる。
【0125】
アセチレンとの反応を大気圧で、又は圧力を上昇させて、例えば2〜30バールで行うことができる。
【0126】
本発明の一実施の形態では、アセチレンとの反応は、15分間〜48時間、好ましくは36時間以下の期間にわたり行われる。
【0127】
本発明の他の他の実施の形態では、一般式VIの化合物を、ジイソシアネート、例えばTMXDI(テトラメチルキシレンジイソシアネート)と反応させ、一般式IVb(その変数は上述したものである)に従う化合物を得る。
【0128】
【化20】

【0129】
本発明の一実施の形態では、式IVbの、本発明に従う化合物の製造は、触媒の存在下、例えば有機スズ化合物の存在下、特にDBTL(ジ−n−ブチルチンジラウレート)の存在下に行うことができる。
【0130】
本発明の一実施の形態では、式IVbの、本発明に従う化合物の製造は、溶媒の存在下に行うことができる。適切なものは、例えば、環式、及び非環式のエーテル、例えばTHF、1,4−ジオキサン及びジ−n−ブチルエーテル、及びアセトン、及び非極性溶媒、例えばシクロヘキサンである。
【0131】
本発明の一実施の形態では、式IVbの、本発明に従う化合物の製造は、20〜100℃、好ましくは20〜80℃の範囲の温度で行うことができる。
【0132】
本発明の一実施の形態では、式IVbの、本発明に従う化合物の製造は、1〜10時間、好ましくは2〜5時間の範囲の反応時間で行うことができる。
【0133】
1が水素である、本発明に従うこれらの化合物を製造することが望まれる場合、R1として(次の反応工程で、例えば酸性の水性条件下に切断される)保護基(protective group)、例えばアセテート保護基を最初に導入することが好ましい。
【0134】
他の好ましい保護基は、アセタール、及びケタール基で、例えば以下のものが例示される。
【0135】
【化21】

【0136】
一般式IVの、本発明に従う化合物を、アセタール又はケタール保護基の基礎上に形成することが所望される場合、出発材料は、好ましくはアセタール化又はケタール化したチオール、例えばアセタール化又はケタール化したグリセロール、又はアセタール化又はケタール化したトリメチロールプロパンである。反応は、エピクロロヒドリンを使用して、上述した条件下に1回以上行なわれ、枝分れした分子が得られる。得られた分子を、例えば酸塩化物、又は酸無水物、又はエチレン性不飽和カルボン酸の他の適切な誘導体と反応させて、一般式IVaの化合物を得ることができ、又適切なジイソシアネートと反応させて一般式IVbの化合物を得ることができる。所望により、弱酸性条件下での加水分解を使用して、アセタール基又はケタール基を裂き(開裂し)、R1=水素の本発明に従う化合物を得ることができる。
【0137】
特に好ましいケタール保護基は、イソプロピリデン保護基である。
【0138】
当然、上述した各工程段階の後に、1つ以上の精製操作を行うことも可能である。従って、例えば、形成されたハロゲン化物を、例えばろ過によって除去することが好ましい。更に、例えば、揮発性の不純物を除去するために、減圧下で乾燥することが好ましい。
【0139】
本発明は、更に、本発明に従うコポリマーを製造する方法を提供する。
【0140】
本発明に従うコポリマーの、本発明に従う製造方法は、一般式IVa及び/又はIVbの化合物、及びコモノマー(A)及びコモノマー(C)と適切な開始剤との、好ましくはラジカル共重合を引き起こすことによって行うことができ、この反応は、適切であれば、一般式Va〜Vc
【0141】
【化22】

【0142】
(但し、変数が、以下のように定義される:
2、R3が、同一であり、又は異なり、及びC1−C6−アルキル、好ましくはn−C1−C4−アルキル、特に好ましくはメチル、及び特に水素から選ばれ、
4が、C1−C6−アルキル、n−C1−C4−アルキル、特に好ましくはメチル、好ましくはCOOM、及び特に水素であり、
Mが、置換された、又は好ましくは置換されていない、アンモニウム、水素、及び金属カチオン、特にアルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンの半当量から選ばれる)
の少なくとも1種のコモノマーの存在下に行なわれる。
【0143】
適切な開始剤は特に、遊離基開始剤(フリーラジカル開始剤)、例えば有機過酸化物、特に、少なくとも1つのtert−ブチル基又は少なくとも1つのtert−アミル基を有する有機過酸化物、及びアゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である。適切なものはまた、酸化還元開始剤、例えば過酸化水素、又はナトリウムペルオキシドサルフェート、又は上述した過酸化物の一つと還元剤の組合せである。適切な還元剤は、例えば:アスコルビン酸、酒石酸、ナトリウムビスルフィット、カリウムビスルフィット、Fe(II)塩、例えばFeSO4又はFe(II)のキレートのアルカリ金属塩である。更に、無機化酸化物、例えばカリウムペルオキソサルフェート、及びナトリウムペルジサルフェートが適切である。
【0144】
一般式IVa及び/又はIVbの共重合(本発明では、本発明に従う共重合とも称される)による、本発明に従うコポリマーの本発明に従う製造方法は、例えば少なくとも1種の溶媒を使用して行うことができる。適切な溶媒は、例えば:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、トルエン、又は無極性溶媒、例えばシクロヘキサンであっても良い。
【0145】
本発明の一実施の形態では、水が適切な溶媒である。本発明に従う共重合を無機過酸化物を使用して開始させることが望まれる場合には、このことが特に該当する。
【0146】
本発明の他の実施の形態では、本発明に従う共重合は、溶媒を使用することなく行われる。
【0147】
本発明の一実施の形態では、全コモノマーに対して、60〜95質量%の範囲、好ましくは70〜80質量%の範囲のコモノマーが、本発明の従う共重合の開始時に、1種以上のコモノマーの濃度として選ばれる。本発明に従う共重合は、バルク重合として、すなわち溶媒を加えることなく行うこともできる。
【0148】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う共重合は、エマルジョン重合として行われる。
【0149】
本発明に従う共重合は、連続法として、半連続法として、又は非連続法として行うことができる。
【0150】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う(共)重合は、60〜90℃の温度で行われる。
【0151】
本発明に従う方法を行うことによって、本発明に従うコポリマーが得られる。
【0152】
本発明は、更に、一般式IVa
【0153】
【化23】

【0154】
(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及び水素、又は好ましくはC6−C30−アリール、C6−C14−アリール、特にフェニル;C7−C30−アラルキル、好ましくはベンジル;C3−C10−シクロアルキル、好ましくはシクロペンチル、又はシクロヘキシル、及び特にC1−C30−アルキル、好ましくはC1−C20−アルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及びC6−C10−アリーレン、好ましくはフェニレン、C7−C10−アラルキレン、例えば−CH(C65)−又は−CH2−CH(C65)−、から選ばれ、及び特に、置換された、又は好ましくは置換されていないC2−C10−アルキレン、好ましくは−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、極めて好ましくは−CH2−CH2−から選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200、好ましくは1〜150、特に好ましくは5〜50から選ばれ、
mが1〜6、好ましくは〜4、特に好ましくは〜2から選ばれ、
5が、水素及びメチルから選ばれ、
tが、0と1から選ばれ、
wが、0と1から選ばれ、
2が、置換された、又は好ましくは置換されていないC1−C50−アルキレンで、1つ以上の非隣接のCH2基が、酸素によって取り替えられても良いものから選ばれる。特に適切な基A2の例は、C2−C10−アルキレン、好ましくは、−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、特に好ましくは−CH2−CH2−、更に−CH2−CH2−O−、−CH(CH3)−CH2−O−、−CH2−CH(CH3)−O−、−[CH2−CH2−O−]y−、−[CH(CH3)−CH2−O−]y−、−[CH2−CH(CH3)−O−]y−で、ここでyは、2〜20の範囲の整数、好ましくは2〜15、及び特に3〜10の範囲の整数である。)
の化合物を提供する。
【0155】
本発明は更に、一般式IVb
【0156】
【化24】

の化合物を提供する。ここで、変数は以下のように定義される:
【0157】
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及び水素、又は好ましくはC6−C30−アリール、好ましくはC6−C14−アリール、特にフェニル;C1−C30−アルキル、好ましくはベンジル;C3−C10−シクロアルキル、好ましくはシクロペンチル、又はシクロヘキシル、及び特にC1−C30−アルキル、好ましくはC1−C20−アルキルから選ばれ;
1が、異なり、又は好ましくは同一であり、及びC6−C10−アリーレン、好ましくはフェニレン、C7−C10−アラルキレン、例えば−CH(C65)−、又は−CH2−CH(C65)−、及び特に置換された、又は好ましくは置換されていないC2−C10−アルキレン、好ましくは−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、極めて好ましくは−CH2−CH2−から選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200、好ましくは1〜150、特に好ましくは5〜50から選ばれ、
mが、1〜6、好ましくは〜5、特に好ましくは2〜4から選ばれ、
5が、水素及びメチルから選ばれる。
【0158】
一般式IVa及びIVbの、本発明に従う化合物が極めて適切であり、例えば、本発明に従う化合物(B)を製造するために適切である。その製造は、例えば上述した方法によって行われる。
【0159】
以下に実施例を使用して本発明を説明する。
【0160】
概論:式VI及びIVの化合物の合成を溶媒中で行い、これを標準的な方法で乾燥させた。分子量の測定を、DMAC(溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド)中GPCによって行った(標準:PMMA)。ジオキサンは、他に記載がなければ、常に1,4−ジキサンを意味するものとして理解される。(共)重合を、保護ガス雰囲気(乾燥窒素)下に行った。
【0161】
%のデーターは、他に記載がなければ、常に質量%を意味する。
【0162】
I.一般式VIの化合物の製造
I.1 本発明に従う化合物VI.1の製造
1150mlのジオキサン中の、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル、CH3−(CH217−O−(CH2CH2−O)25Hの400g(0.29モル)の溶液を、最初に(滴下漏斗、磁気攪拌器、及び還流冷却器を備えた)2リットルフラスコに導入した。攪拌しながら、25gのKOHペレットを加えた。この混合物を105℃に加熱し、そして次に50mlのジオキサンに溶解した14g(0.15モル)のエピクロロヒドリンを、15分の期間にわたって滴下させて加えた。この間、赤−茶色であったこの混合物を、105℃で15時間の期間にわたり攪拌し、そして次に室温にまで冷却した。得られた沈殿物をろ過し、そして30mbarでジオキサンを蒸留除去した。これにより、本発明に従う化合物VI.1、ビスコース薄茶色オイル(viscose pale brown oil)が得られ、これを、MS(MaldiTOF)及びGPCによって特徴付けた。Mn:3200g/mol、Mw:4200g/mol。
【0163】
【化25】

【0164】
I.2 本発明に従う化合物VI.2の製造
1150mlのジオキサン中の、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Mw=750g/mol、n=16)の400g(0.53モル)の溶液を、最初に(滴下漏斗、磁気攪拌器、及び還流冷却器を備えた)2リットルフラスコに導入した。攪拌しながら、30gのKOHペレットを加えた。この混合物を105℃に加熱し、そして次に50mlのジオキサンに溶解した25g(0.26モル)のエピクロロヒドリンを、30分の期間にわたって滴下させて加えた。このようにして得られる混合物を、105℃で15時間の期間にわたり攪拌し、そして次に室温にまで冷却した。得られた沈殿物をろ過し、そして30mbarでジオキサンを蒸留除去した。これにより、本発明に従う化合物VI.2、ビスコース黄色オイルが得られ、これを、MS(MaldiTOF)及びGPCによって特徴付けた。Mn:1800g/mol、Mw:2400g/mol。
【0165】
【化26】

【0166】
I.3 本発明に従う化合物VI.3の製造
1600mlのジオキサン中の、365g(1.04mol)のH−(OCH2CH27−O−n−C1225(Mw=490g/mol、n=7)の溶液を、最初に(滴下漏斗、磁気攪拌器、及び還流冷却器を備えた)2リットルフラスコに導入した。攪拌しながら、67gのKOHペレットを加えた。この混合物を105℃に加熱し、そして次に100mlのジオキサンに溶解した35g(0.37モル)のエピクロロヒドリンを、30分の期間にわたって滴下させて加えた。このようにして得られる混合物を、105℃で15時間の期間にわたり攪拌し、そして次に室温にまで冷却した。得られた沈殿物をろ過し、そして30mbarでジオキサンを蒸留除去した。これにより、本発明に従う化合物VI.3、黄色オイルが得られ、これを、MS(MaldiTOF)及びGPCによって特徴付けた。Mn:1470g/mol、Mw:1940g/mol。
【0167】
【化27】

【0168】
I.4 本発明に従う化合物VI.4の製造
1600mlのジオキサン中の、700g(0.93mol)のH−(OCH2CH216−OCH3(Mw=750g/mol、n=16)の溶液を、最初に(滴下漏斗、磁気攪拌器、及び還流冷却器を備えた)4リットルフラスコに導入した。攪拌しながら、224gのKOHペレットを加えた。この混合物を105℃に加熱し、そして次に175mlのジオキサンに溶解した43g(0.45モル)のエピクロロヒドリンを、30分の期間にわたって滴下させて加えた。このようにして得られる混合物を、2時間の期間にわたり攪拌し、そして次に、100mlのジオキサン中の21g(0.23モル)のエピクロロヒドリンを、30分の期間にわたって滴下して加えた。このようにして得られる混合物を、2時間の期間にわたり攪拌し、そして次に、50mlのジオキサン中の10.8g(0.115モル)の更なるエピクロロヒドリンを、15分の期間にわたって滴下して加えた。この混合物を150℃で15時間、攪拌し、そして次に室温にまで冷却した。得られた沈殿物をろ過し、そして30mbarでジオキサンを蒸留除去した。これにより、本発明に従う化合物VI.4、黄色オイルが得られ、これを、MS(MaldiTOF)及びGPCによって特徴付けた。Mn:2400g/mol、Mw:3100g/mol。
【0169】
【化28】

【0170】
II.一般式IVの、本発明に従う化合物の製造
II.1 本発明に従う化合物VI.1からの、本発明に従う化合物IV.1の製造
800mlのTHF中の、200gの化合物VI.1の溶液を、最初に(滴下漏斗、及び磁気攪拌器を備えた)2000mlのフラスコに導入した。この混合物を室温で20分間、攪拌し、そして50mgのパラ−N,N−ジメチルアミノピリジンを加えた。次に、15分間の期間にわたり、50mlのTHFに溶解した、15.5gのメタクリル無水物の溶液を滴下して加えた。少量の沈澱物の形成が観察された。この混合物を室温で、更に3時間にわたり攪拌し、沈澱物をろ過して分離し、そして次にTHFを室温で、及び減圧して蒸留除去した。これにより、本発明に従う化合物IV.1が、茶色のオイルとして得られ、これを、MALDI−TOF及びGPCによって特徴付けた。
【0171】
II.2 本発明に従う化合物VI.2からの、本発明に従う化合物IV.2の製造
800mlのTHF中の、200gの化合物VI.2の溶液を、最初に(滴下漏斗、及び磁気攪拌器を備えた)2lのフラスコに導入した。この混合物を室温で20分間、攪拌し、そして50mgのパラ−N,N−ジメチルアミノピリジンを加えた。次に、15分間の期間にわたり、50mlのTHFに溶解した、9gのメタクリル無水物の溶液を滴下して加えた。少量の沈澱物の形成が観察された。この混合物を室温で、更に3時間にわたり攪拌し、沈澱物をろ過して分離し、そして次にTHFを室温で、及び減圧して蒸留除去した。これにより、本発明に従う化合物IV.2が、茶色の固体として得られた。
【0172】
II.3 本発明に従う化合物VI.3からの、本発明に従う化合物IV.3の製造
600mlのTHF中の、200gの化合物VI.3の溶液を、最初に(滴下漏斗、及び磁気攪拌器を備えた)1lのフラスコに導入した。この混合物を室温で20分間、攪拌し、そして50mgのパラ−N,N−ジメチルアミノピリジンを加えた。次に、20分間の期間にわたり、50mlのTHFに溶解した、19gのメタクリル無水物の溶液を滴下して加えた。この混合物を室温で、更に3時間にわたり攪拌し、そしてろ過し、そして次にTHFを室温で、及び減圧して蒸留除去した。これにより、本発明に従う化合物IV.3が得られ、これを、MALDI−TOFによって特徴付けた。
【0173】
II.4 本発明に従う化合物VI.4からの、本発明に従う化合物IV.4の製造
本発明に従う1000gの化合物VI.4、及び10gのKOHを、最初に、窒素(2バール)で不活性にした2.5lのオートクレーブに導入し、そして次に120℃に加熱した。次にアセチレンを注入して圧力を20バールにし、そして反応混合物を120℃及び20バールで、合計で85lのアセチレンが吸収されるまで攪拌した。次にこの混合物を室温にまで冷却し、そして減圧し、及び60℃で3時間、攪拌させながら加熱した後、残留物を脱ガスし、そしてオートクレーブから取り出した。化合物IV.4を1H−NMRスペクトロスコピーによって特徴付けた。
【0174】
【化29】

【0175】
III.本発明に従うコポリマーの製造
概論:
本発明に従う分散したコポリマーを、本発明に従う化合物IV.1〜IV.3から製造した。本発明に従う、これらの分散したコポリマーの洗剤及びクリーナーへの適用について、及び化粧品への適用について、本発明を、以下の適用実施例を使用して更に詳細に説明する。
【0176】
III.1 本発明に従うコポリマーの製造(CP.1)
エマルジョンE.3.1を製造した。該エマルジョンE.3.1は、以下のものから構成されていた。
220gの完全に脱塩した水(脱塩水)
137.3gのメタクリル酸(A.1)
155.3gのエチルアクリレート(C.1)
164.4gのn−ブチルアクリレート(C.2)
12.5gの本発明に従う化合物IV.1(B.1)
12.32gのラウリルエーテルサルフェートの28%水溶液(乳化剤Emul.1として)
8.63gの0.4%のアスコルビン酸水溶液
【0177】
アンカー攪拌器(175rpm)、還流冷却器、内部感温素子、及び計量ステーションを備えた2リットルのHWS容器から成る攪拌装置内に、675.9gの脱塩した水(demin.water)、0.2gの4質量%の[FeK2(EDTA)]溶液(EDTA=エチレンジアミンテトラアセテート)、及び12.3gのラウリルエーテルサルフェートの28質量%水溶液を初期投入として一緒に混合した。この混合物を75℃で加熱した。次に9.2gの1質量%の過酸化水素水溶液を加えた。次に、75℃で更に攪拌させながら、50%のエマルジョンE.3.1を計量導入した。次に、この反応混合物を65℃に冷却した。65℃で、残りのエマルジョンE.3.1を計量導入した。この混合物を65℃で、23分間にわたって攪拌した。6.6gの7質量%のNa228水溶液、及び86.2gの0.4%濃度(strength)のアスコルビン酸溶液を次に計量導入した。次に反応混合物を室温にまで冷却した。これにより、固体含有量が31%の、本発明に従うコポリマーCP.1の水性分散物が得られた。
【0178】
III.2 本発明に従うコポリマーCP.2〜CP.10の製造
本発明に従うコポリマーCP.2〜CP.10に関するデーターを表1に示す。CP.2〜CP.10を製造するために、手順は、コモノマーの割合を変化させたこと以外は、III.1に記載したようであった。更に、表1に示した種類と量の乳化剤を使用した。乳化剤Emul.2は、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルNa塩を意味すると理解される。供給材料の量的なデーターは、反応性モノマーの100部に対する質量部(100モノマー当たりの部;pphm)で与えられている。分散を特徴付けるために、以下の値を測定した:
【0179】
固体含有量「固体(solids)」:対象となる分散物を、140℃で30分間、乾燥させ、そして乾燥した残留物の最初の質量に対する割合から、固体含有量をパーセントで測定した。
【0180】
粒子径:対象の分散物を、水を使用して、0.01%にまで希釈し、そして“Malvern InstrumentsからのHigh Performance Particle Sizer5001”(HPPS)内で光散乱を使用して、粒子径を測定した。
【0181】
LT値:対象の分散物を、水を使用して、0.01%にまで希釈し、そして分散物の光透過性(LT)を、(粒子径の測定として)Hach DR/2010内で、純粋と比較して光学的に測定した。
【0182】
表1:本発明に従うCP.1〜CP.7の合成、組成、及び特性
【0183】
【表1】

【0184】
IV. 液体洗剤中の、本発明に従うコポリマーの試験
適用試験のために、表2に示すように、本発明に従うコポリマーを液体洗剤のためのストック処方物中に攪拌導入し、そして増粘効果を試験した。ストック処方物は、以下のストック処方物から選択した。
【0185】
ストック処方物1:
以下のものを一緒に混合した:
13.0gのパラ−n−C10−C13−アルキル−C64−SO3H、
7.5gのCH3(CH211−(O−CH2CH27−OH
8.5gのココナッツ脂肪酸(脂肪酸混合物)
4.4gのKOH
3.0gのナトリウムシトレートジハイドレート
8.0gの1,2−プロピレングリコール
2.0gのエタノール
そして水を使用して90gまで補給する。
【0186】
ストック処方物2:
以下のものを一緒に混合した:
17.9gのパラ−n−C10−C13−アルキル−C64−SO3H、
20.0gのCH3(CH211−(O−CH2CH27−OH
8.5gのココナッツ脂肪酸(脂肪酸混合物)
5.0gのKOH
3.0gのナトリウムシトレートジハイドレート
8.0gの1,2−プロピレングリコール
2.0gのエタノール
そして水を使用して90gまで補給する。
【0187】
ストック処方物3:
以下のものを一緒に混合した:
13.4gのパラ−n−C10−C13−アルキル−C64−SO3H、
10.0gのCH3(CH211−(O−CH2CH27−OH
8.5gのココナッツ脂肪酸(脂肪酸混合物)
4.4gのKOH
3.0gのナトリウムシトレートジハイドレート
8.0gの1,2−プロピレングリコール
2.0gのエタノール
そして水を使用して90gまで補給する。
【0188】
一般的な手順:
90gのストック処方物、本発明に従うコポリマーの水性分散物、及び水を混合し、これにより、表2に示すように、本発明に従う液体洗剤LD.1〜LD.7が得られた。本発明に従う液体洗剤を室温で5時間、保持し、そして次に適用特性を試験した。結果を表2にまとめた。
【0189】
参照処方物として、各場合において、対象のストック処方物を、水を使用して100gに希釈した。
【0190】
表2:本発明に従う液体洗剤の適用試験
【0191】
【表2】

【0192】
Brookfield viscometer model RV−03を使用し、20℃でスピンドルNo.62を使用し、1分当たり20回転の回転速度で、DIN51550、DIN53018、DIN53019に従って、手順を考慮して粘度を測定した。増粘していない参照処方物の粘度を表1、比較例1〜3に見出すことができる。
【0193】
本発明に従う液体洗剤の透明度を定量化するために、Dr.LangeからのLICO200を使用して、440nmで、23℃で、透過率を測定した。増粘していない参照処方物の透過度、及び本発明に従う液体洗剤の透過度は、97〜100%の同じ範囲であった。本発明に従うコポリマーの添加は、本発明に従う液体洗剤に曇りを発生させなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コモノマーとして、重合された
(A)少なくとも1種のエチレン的に不飽和のモノ−又はジカルボン酸、
(B)一般式(I):
【化1】

(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は同一であり、及び水素、C1−C30−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、C6−C30−アリール、及びC7−C30−アラルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は同一であり、及びC2−C10−アルキレン、C6−C10−アリーレン、及びC7−C10−アラルキレンから選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200から選ばれ、
mが、異なり、又は同一であり、及び1〜6から選ばれる)
の構造単位を、1分子当たり少なくとも1個有する、少なくとも1種のエチレン的に不飽和の化合物、
(C)少なくとも1種の更なるコモノマー
を含むコポリマー。
【請求項2】
一般式(II)
【化2】

(但し、変数が、以下のように定義される:
2、R3が、異なり、又は同一であり、及びC1−C6−アルキル、及び水素から選ばれ、
4が、C1−C6−アルキル、COOM又は水素であり、
Mが、置換された、又は置換されていない、アンモニウム、水素、及び金属カチオンから選ばれる)
の構造単位を少なくとも1個有することを特徴とする請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
化合物(B)が、分子量Mwを200〜100000g/molの範囲に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のコポリマー。
【請求項4】
化合物(B)が、Fikentscherに基づくK値を、水/THF混合物中で測定して、8〜40の範囲に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコポリマー。
【請求項5】
式Iの構造単位の、式IIの構造単位に対するモル割合が、0.01〜10の範囲であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のコポリマー。
【請求項6】
一般式Iの少なくとも1個の構造単位が、式IIIa
【化3】

又はIIIb
【化4】

(但し、変数が、以下のように定義される:
Xが、単結合、酸素、及びN−Hから選ばれ、
tが、0と1から選ばれ、
wが、0と1から選ばれ、
2が、置換された、又は置換されていないC1−C50−アルキレンで、1つ以上の非隣接のCH2基が、酸素によって取り替えられても良い)
の基を介して、前記コポリマーの基礎骨格に結合していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のコポリマー。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のコポリマーを増粘剤として使用する方法。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか1項に記載の少なくとも1種のコポリマーを含む、洗剤、又はクリーナー、又は化粧品。
【請求項9】
一般式(I):
【化5】

(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は同一であり、及び水素、C1−C30−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、C6−C30−アリール、及びC7−C30−アラルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は同一であり、及びC2−C10−アルキレン、C6−C10−アリーレン、及びC7−C10−アラルキレンから選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200から選ばれ、
mが、異なり、又は同一であり、及び1〜6から選ばれる)
の構造単位を、1分子当たり少なくとも1個有する化合物(B)。
【請求項10】
分子量Mwを200〜100000g/molの範囲に有することを特徴とする請求項9に記載の化合物(B)。
【請求項11】
一般式IVa又はIVb、
【化6】

(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は同一であり、及び水素、C1−C30−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、C6−C30−アリール、及びC7−C30−アラルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は同一であり、及びC2−C10−アルキレン、C6−C10−アリーレン、及びC7−C10−アラルキレンから選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200から選ばれ、
mが、異なり、又は同一であり、及び1〜6から選ばれ、
5が、水素及びメチルから選ばれ、
tが、0と1から選ばれ、
wが、0と1から選ばれ、
Xが、単結合、酸素、及びN−Hから選ばれ、
2が、置換された、又は置換されていないC1−C50−アルキレンで、1つ以上の非隣接のCH2基が、酸素によって取り替えられても良い)
の少なくとも1種のコモノマーを共重合された状態で含む請求項9又は10の何れかに記載の化合物(B)。
【請求項12】
一般式IVa又はIVb
【化7】

の少なくとも1種の(コ)モノマーが、任意に、一般式Va〜Vc
【化8】

(但し、変数が、以下のように定義される:
2、R3が、同一であり、又は異なり、及びC1−C6−アルキル、及び水素から選ばれ、
4が、C1−C6−アルキル、COOM又は水素であり、
Mが、置換された、又は置換されていない、アンモニウム、水素、及び金属カチオンから選ばれ、
5が、水素及びメチルから選ばれ、
tが、0と1から選ばれ、
wが、0と1から選ばれ、
Xが、単結合、酸素、及びN−Hから選ばれ、
2が、置換された、又は置換されていないC1−C50−アルキレンで、1つ以上の非隣接のCH2基が、酸素によって取り替えられても良い)
の少なくとも1種のコモノマーの存在下にフリーラジカル的に重合されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の(コ)ポリマーを製造する方法。
【請求項13】
一般式IVa
【化9】

(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は同一であり、及び水素、C1−C30−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、C6−C30−アリール、及びC7−C30−アラルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は同一であり、及びC2−C10−アルキレン、C6−C10−アリーレン、及びC7−C10−アラルキレンから選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200から選ばれ、
mが、異なり、又は同一であり、及び1〜6から選ばれ、
tが、0と1から選ばれ、
wが、0と1から選ばれ、
Xが、単結合、酸素、及びN−Hから選ばれ、
2が、置換された、又は置換されていないC1−C50−アルキレンで、1つ以上の非隣接のCH2基が、酸素によって取り替えられても良く、
5が、水素及びメチルから選ばれる)
の化合物。
【請求項14】
一般式IVb
【化10】

(但し、変数が、以下のように定義される:
1が、異なり、又は同一であり、及び水素、C1−C30−アルキル、C3−C10−シクロアルキル、C6−C30−アリール、及びC7−C30−アラルキルから選ばれ、
1が、異なり、又は同一であり、及びC2−C10−アルキレン、C6−C10−アリーレン、及びC7−C10−アラルキレンから選ばれ、
nが、異なり、又は同一であり、及び0〜200から選ばれ、
mが、異なり、又は同一であり、及び1〜6から選ばれ、
5が、水素及びメチルから選ばれる)
の化合物。

【公表番号】特表2012−532975(P2012−532975A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519983(P2012−519983)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059848
【国際公開番号】WO2011/006838
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】