説明

コマーシャル検出方法および装置

【課題】録画ファイルの先頭や終端にCMの一部を残すことなく精度良くCM区間を抽出することができる。
【解決手段】制御部はCM区間の開始位置を示す無音区間の始点であるCM-in点の時間と、録画ファイルにある録画開始点(先頭)の時間とを比較する(S20)。次いで、制御部は、ステップS20で比較した結果の時間差分が所定時間未満か否かを判断する(S25)。ここで、最も録画ファイルの先頭に近いCM-in点と、録画ファイルの先頭の時間差が所定時間未満(例えば5秒)の場合には、録画ファイルの先頭から最初のCM-in点までの区間もCM区間とみなす。比較結果の時間差分が所定時間(例えば5秒)未満の場合、制御部はCM区間の開始位置を示すCM-in点の時間を録画ファイルの開始点の時間に変更する(S30)。次いで、制御部はステップS30で求めたCM区間の時間をCM区間リスト記憶部22のCM区間リストに上書きする(S35)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送中におけるコマーシャル(広告放送)を自動的に検出するためのコマーシャル検出方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送中におけるコマーシャル(一般にはCM(commercial message)の放送時刻は、大まかに決まってはいるものの、番組のスケジュールが緊急ニュースや番組自体の都合(特に生放送の場合)で変更されることが多いために、厳密には決められていない。そのため、特定の放送局について特定の時刻だけ受信し、特定のCMが放送されたかどうかをチェックするという方法では、CM放送区間を特定することができない。
そこで、テレビジョン放送におけるCMを自動的に検出してそのCMを自動的に同定する技術の実現が求められている。
従来、テレビジョン放送中におけるCMの放送区間を推定する方法の1つとして、無音区間を検出するコマーシャル検出装置が特許文献1に報告されている。
【0003】
特許文献1には、音声信号における無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として抽出し、1以上のCMが連続して存在する区間であるCM放映区間を判定し、CM放映区間内に含まれる全てのCM候補区間について、当該CM候補区間に引き続いて、CMとして考えられる時間間隔で無音区間が連続して配列しているかどうかを判定し、より多くのCM候補区間が連続するようにCM候補を抽出する。抽出された各CM候補に関し、当該CM候補の開始点及び終了点の近辺に映像信号におけるカット点があれば信頼度が高くなるように、かつ、当該CM候補の前後の少なくとも一方に他のCM候補が存在すれば信頼度が高くなるように信頼度を算出し、高い信頼度を得たCM候補を出力する、というコマーシャル検出装置が開示されている。
【0004】
従来のコマーシャル検出装置にあっては、CM検出アルゴリズムにより、音声信号から無音区間を抽出し、2つの無音区間の間隔が所定時間(15/30/60秒等)であり、かつ2つ以上連続していることを条件として、CM区間と見なしていた。
しかしながら、従来のコマーシャル検出装置にあっては、録画ファイルの先頭や終端に、CMの一部(中途半端に録画されたもの)が残ってしまう場合があったが、このようなCMの一部をCM検出アルゴリズムでは抽出できなかった。このため、自動CMカット編集を行った場合、編集後のファイルにはCMの一部が残ってしまうため、視聴上の印象が良くないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−47031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、録画ファイルの先頭や終端にCMの一部を残すことなく精度良くCM区間を抽出することが切望されている。
本発明は、録画ファイルの先頭や終端にCMの一部を残すことなく精度良くCM区間を抽出することができるコマーシャル検出方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出方法であって、前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画ステップと、前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出ステップと、前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定ステップと、前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定ステップと、前記判定されたCM区間の開始位置の時間と、録画ファイルにある録画開始点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの先頭から最初のCM区間の開始位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出方法であって、前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画ステップと、前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出ステップと、前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定ステップと、前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定ステップと、前記判定されたCM区間の終了位置の時間と、録画ファイルにある録画終了点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの終端から最後のCM区間の終了位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
請求項7記載の発明は、テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出装置であって、前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画手段と、前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出手段と、前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定手段と、前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定手段と、前記判定されたCM区間の開始位置の時間と、録画ファイルにある録画開始点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの先頭から最初のCM区間の開始位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項8記載の発明は、テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出装置であって、前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画手段と、前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出手段と、前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定手段と、前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定手段と、前記判定されたCM区間の終了位置の時間と、録画ファイルにある録画終了点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの終端から最後のCM区間の終了位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、録画ファイルの先頭や終端にCMの一部を残すことなく精度良くCM区間を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコマーシャル検出装置の構成について説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るコマーシャル検出装置に設けられた録画ファイル先頭/終端判定部21によるファイル先頭を対象にした動作概要について説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係るコマーシャル検出装置に設けられた録画ファイル先頭/終端判定部21によるファイル終端を対象にした動作概要について説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るコマーシャル検出装置に設けられた録画ファイル先頭/終端判定部21によるファイル先頭を対象にした動作について説明するための説明図(a)と、ファイル終端を対象にした動作について説明するための説明図(b)である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るコマーシャル検出装置の構成について説明するためのブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るコマーシャル検出装置に設けられた録画ファイル先頭/終端判定部32によるファイル先頭および終端を対象にした動作概要について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るコマーシャル検出装置11の構成について説明する。
このコマーシャル検出装置11は、アンテナ12を介してテレビジョン放送波を受信する受信部12からのビットストリーム(映像信号及び音声信号)、あるいは予め蓄積部14に蓄積された放送データ(映像信号及び音声信号)を入力とするものである。なお、このコマーシャル検出装置11では、放送波に含まれるCM区間を検出してそのCM区間の開始及び終了時刻を出力するので、また、映像信号と音声信号とを独立して処理するものの両者間の時刻同期は確立させる必要があるので、映像信号及び音声信号には、放送波における時刻タイミングを示す情報(タイムスタンプ)が付加されていることが好ましい。
【0015】
図1に示すコマーシャル検出装置11は、上述した受信部12、蓄積部14に加えて、ストリーム分離部15、音声解析部16、無音区間リスト記憶部17、CM候補判定部18、CM候補リスト記憶部19、CM区間判定部20、録画ファイル先頭/終端判定部21、CM区間リスト記憶部22を備えている。
ストリーム分離部15は、受信部13や蓄積部14から出力された音声と映像が多重化したビットストリームを音声と映像に分離し、分離した音声ビットストリームと映像ビットストリームとを音声解析部16へ出力する。
【0016】
音声解析部16は、音声信号における無音区間を検出する。
【0017】
無音区間リスト記憶部17は、音声解析部16で検出された無音区間のリストを記憶する。
CM候補判定部18は、音声解析部16で検出した無音区間について、2つの無音区間が、ある時間間隔(例えば15秒、30秒)離れて存在する区間を検出し、CM候補区間として判定して抽出する。
CM候補リスト記憶部19は、CM候補判定部18で抽出されたCM候補区間をCM候補リストとして記憶する。
CM区間判定部20は、CM候補判定部18で抽出した単一のCM候補同士を比較し、その連続性評価を実施して、複数個のCMが連続していると判断された場合に、その区間をCM区間とみなす(判断する)。
【0018】
録画ファイル先頭/終端判定部21は、録画ファイルの先頭/終端に近いCM-in点/CM-out点と、録画ファイルの先頭/終端との時間差を判定してCM区間を抽出する。
CM区間リスト記憶部22は、CM区間判定部20により判定されて抽出されたCM区間をCM区間リストとして記憶するとともに、録画ファイル先頭/終端判定部21で変更されたCM区間をCM区間リストとして更新して記憶する。
なお、上述した音声解析部16、CM候補判定部18、CM区間判定部20、録画ファイル先頭/終端判定部21におけるそれぞれの処理は、CPU、ROM、RAMを有する制御部(図示しない)により動作するものである。
【0019】
<録画ファイル先頭での処理>
次に、図2に示すフローチャートを参照して、コマーシャル検出装置11に設けられた録画ファイル先頭/終端判定部21での処理について説明する。なお、図2に示すフローチャートは、制御プログラムとして上記制御部(図示しない)により実行されることとする。
【0020】
まず、ステップS10では、制御部はCM区間リスト記憶部22からCM区間リストを読み込む。
次いで、ステップS15では、制御部はCM区間リストの先頭のCM区間を読み出す。
次いで、ステップS20では、制御部はCM区間の開始位置を示す無音区間の始点であるCM-in点の時間と、録画ファイルにある録画開始点(先頭)の時間とを比較する。
【0021】
次いで、ステップS25では、制御部は、ステップS20で比較した結果の時間差分が所定時間未満か否かを判断する。比較結果の時間差分が所定時間(例えば5秒)未満の場合には、ステップS30に進む。他方、比較結果の時間差分が所定時間以上の場合には、ステップS40に進む。
【0022】
図4(a)に示すように、最も録画ファイルの先頭に近いCM-in点と、録画ファイルの先頭の時間差が所定時間未満(例えば5秒)の場合には、録画ファイルの先頭から最初のCM-in点までの区間もCM区間とみなす。
そして、ステップS25での比較結果の時間差分が所定時間(例えば5秒)未満の場合、ステップS30では、制御部はCM区間の開始位置を示すCM-in点の時間を録画ファイルの開始点の時間に変更する。
このステップでの処理の結果、CM区間が上記時間差分(5秒未満)の時間だけ長く伸びることとなり、録画ファイルの先頭にCMの一部を残すことなく精度良くCM区間を抽出することができる。
次いで、ステップS35では、制御部はステップS30で求めたCM区間の時間をCM区間リスト記憶部22のCM区間リストに上書きする。
【0023】
他方、ステップS25での比較結果の時間差分が所定時間以上の場合、ステップS40では、制御部は全てのCM区間のCM-in点と録画開始点の時間を比較したか否かを判断する。全てのCM区間で上記比較が終了した場合には、処理を終了する。他方、全てのCM区間で上記比較が終了していない場合には、ステップS45に進む。
次いで、全てのCM区間で上記比較が終了していない場合には、ステップS45では、制御部はCM区間リスト記憶部22から次のCM区間を読み出し、ステップS20に戻り、処理を継続する。
【0024】
<録画ファイル終端での処理>
次に、図3に示すフローチャートを参照して、コマーシャル検出装置11に設けられた録画ファイル先頭/終端判定部21での処理について説明する。なお、図3に示すフローチャートは、制御プログラムとして上記制御部(図示しない)により実行されることとする。
【0025】
まず、ステップS50では、制御部はCM区間リスト記憶部22からCM区間リストを読み込む。
次いで、ステップS55では、制御部はCM区間リストの終端のCM区間を読み出す。
次いで、ステップS60では、制御部はCM区間の終了位置を示す無音区間の終点であるCM-out点の時間と、録画ファイルにある録画終了点(終端)の時間とを比較する。
【0026】
次いで、ステップS65では、制御部は、ステップS60で比較した結果の時間差分が所定時間未満か否かを判断する。比較結果の時間差分が所定時間(例えば30秒)未満の場合には、ステップS70に進む。他方、比較結果の時間差分が所定時間以上の場合には、ステップS80に進む。
【0027】
図4(b)に示すように、最も録画データの終端に近いCM-out点と、録画ファイルの終端の時間差が所定時間(例えば30秒)未満の場合には、最後のCM-out点から録画ファイルの終端までの区間もCM区間とみなす。
そして、ステップS65での比較結果の時間差分が所定時間(例えば30秒)未満の場合、ステップS70では、制御部はCM区間の終了位置を示すCM-out点の時間を録画ファイルの終了点の時間に変更する。
このステップでの処理の結果、CM区間が上記時間差分(30秒未満)の時間だけ長く伸びることとなり、録画ファイルの終端にCMの一部を残すことなく精度良くCM区間を抽出することができる。
次いで、ステップS75では、制御部はステップS70で求めたCM区間の時間をCM区間リスト記憶部22のCM区間リストに上書きする。
【0028】
他方、ステップS65での比較結果の時間差分が所定時間以上の場合、ステップS80では、制御部は全てのCM区間のCM-out点と録画終了点の時間を比較したか否かを判断する。全てのCM区間で上記比較が終了した場合には、処理を終了する。他方、全てのCM区間で上記比較が終了していない場合には、ステップS85に進む。
次いで、全てのCM区間で上記比較が終了していない場合には、ステップS85では、制御部はCM区間リスト記憶部22から次のCM区間を読み出し、ステップS60に戻り、処理を継続する。
【0029】
<第2実施形態>
図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るコマーシャル検出装置31の構成について説明する。なお、図5に示す構成において、図1に示す構成と同一のものには同じ符号を付してあり、その説明を省略する。
録画ファイル先頭/終端判定部32は、録画ファイルの先頭/終端に近いCM-in点/CM-out点と、録画ファイルの先頭/終端との時間差を判定してCM区間を抽出する。
CM区間リスト記憶部33は、録画ファイル先頭/終端判定部32で変更されたCM区間をCM区間リストとして記憶する。
【0030】
<録画ファイルの先端/終端での処理>
次に、図6に示すフローチャートを参照して、コマーシャル検出装置31に設けられた録画ファイル先頭/終端判定部32での処理について説明する。なお、図6に示すフローチャートは、制御プログラムとして上記制御部(図示しない)により実行されることとする。
【0031】
まず、ステップS100では、制御部はCM区間判定部20からCM区間抽出結果を受信する。
次いで、ステップS105では、制御部はCM区間の開始位置を示す無音区間の始点であるCM-in点の時間と、録画ファイルにある録画開始点(先頭)の時間とを比較する。
【0032】
次いで、ステップS110では、制御部は、ステップS105で比較した結果の時間差分が所定時間未満か否かを判断する。比較結果の時間差分が所定時間(例えば5秒)未満の場合には、ステップS115に進む。他方、比較結果の時間差分が所定時間以上の場合には、ステップS120に進む。
【0033】
図4(a)に示すように、最も録画ファイルの先頭に近いCM-in点と、録画ファイルの先頭の時間差が所定時間未満(例えば5秒)の場合には、録画ファイルの先頭から最初のCM-in点までの区間もCM区間とみなす。
そして、ステップS110での比較結果の時間差分が所定時間(例えば5秒)未満の場合、ステップS115では、制御部はCM区間の開始位置を示すCM-in点の時間を録画ファイルの開始点の時間に変更する。
このステップでの処理の結果、CM区間が5秒未満の時間だけ長く伸びることとなる。
【0034】
他方、ステップS110での比較結果の時間差分が所定時間以上の場合、ステップS120では、制御部はCM区間の終了位置を示す無音区間の終点であるCM-out点の時間と、録画ファイルにある録画終了点(終端)の時間とを比較する。
【0035】
次いで、ステップS125では、制御部は、ステップS120で比較した結果の時間差分が所定時間未満か否かを判断する。比較結果の時間差分が所定時間(例えば30秒)未満の場合には、ステップS130に進む。他方、比較結果の時間差分が所定時間以上の場合には、ステップS135に進む。
【0036】
図4(b)に示すように、最も録画データの終端に近いCM-out点と、録画ファイルの終端の時間差が所定時間(例えば30秒)未満の場合には、最後のCM-out点から録画ファイルの終端までの区間もCM区間とみなす。
そして、ステップS125での比較結果の時間差分が所定時間(例えば30秒)未満の場合、ステップS130では、制御部はCM区間の終了位置を示すCM-out点の時間を録画ファイルの終了点の時間に変更する。
このステップでの処理の結果、CM区間が30秒未満の時間だけ長く伸びることとなる。
【0037】
次いで、ステップS135では、制御部はステップS115および130で求めたCM区間の時間をCM区間リスト記憶部22のCM区間リストとして登録する。
このステップでの処理の結果、録画ファイルの先頭部分に相当するCM区間が上記時間差分(5秒未満)の時間だけ長く伸びることとなり、他方、録画ファイルの終端部分に相当するCM区間が上記時間差分(30秒未満)の時間だけ長く伸びることとなるので、録画ファイルの先頭や終端にCMの一部を残すことなく精度良くCM区間を抽出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、テレビジョン放送を受信して蓄積することが可能なテレビジョン受信機、パーソナルコンピュータ、情報記録装置に利用できる。
【符号の説明】
【0039】
11 コマーシャル検出装置
13 受信部
14 蓄積部
15 ストリーム分離部
16 音声解析部
17 無音区間リスト記憶部
18 CM候補判定部
19 CM候補リスト記憶部
20 CM区間判定部
21 録画ファイル先頭/終端判定部
22 CM区間リスト記憶部
32 録画ファイル先頭/終端判定部
33 CM区間リスト記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出方法であって、
前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画ステップと、
前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出ステップと、
前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定ステップと、
前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定ステップと、
前記判定されたCM区間の開始位置の時間と、録画ファイルにある録画開始点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの先頭から最初のCM区間の開始位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更ステップとを有することを特徴とするコマーシャル検出方法。
【請求項2】
前記CM区間変更ステップに用いる所定時間は5秒である、ことを特徴とする請求項1記載のコマーシャル検出方法。
【請求項3】
前記CM区間変更ステップは、前記変更したCM区間の時間をCM区間リストに上書きする、ことを特徴とする請求項1記載のコマーシャル検出方法。
【請求項4】
テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出方法であって、
前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画ステップと、
前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出ステップと、
前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定ステップと、
前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定ステップと、
前記判定されたCM区間の終了位置の時間と、録画ファイルにある録画終了点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの終端から最後のCM区間の終了位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更ステップとを有することを特徴とするコマーシャル検出方法。
【請求項5】
前記CM区間変更ステップに用いる所定時間は30秒である、ことを特徴とする請求項4記載のコマーシャル検出方法。
【請求項6】
前記CM区間変更ステップは、前記変更したCM区間の時間をCM区間リストに上書きする、ことを特徴とする請求項3記載のコマーシャル検出方法。
【請求項7】
テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出装置であって、
前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画手段と、
前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出手段と、
前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定手段と、
前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定手段と、
前記判定されたCM区間の開始位置の時間と、録画ファイルにある録画開始点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの先頭から最初のCM区間の開始位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更手段とを有することを特徴とするコマーシャル検出装置。
【請求項8】
テレビジョン放送に含まれるコマーシャル(以下、CMという)を検出するコマーシャル検出装置であって、
前記テレビジョン放送の音声信号および映像信号を録画ファイルとして録画する録画手段と、
前記テレビジョン放送の音声信号から無音区間を検出する無音区間検出手段と、
前記検出された前記無音区間から、2つの無音区間が所定の時間間隔で離れて存在する区間をCM候補区間として判定するCM候補判定手段と、
前記判定された前記CM候補区間に基づいて、1つ以上のコマーシャルが連続して存在する区間であるCM区間を判定するCM区間判定手段と、
前記判定されたCM区間の終了位置の時間と、録画ファイルにある録画終了点の時間との時間差分が所定時間未満の場合には、録画ファイルの終端から最後のCM区間の終了位置までの区間もCM区間とみなしてCM区間を変更するCM区間変更手段とを有することを特徴とするコマーシャル検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−74117(P2012−74117A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219717(P2010−219717)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(311012169)NECパーソナルコンピュータ株式会社 (116)
【Fターム(参考)】