説明

コモンモードノイズフィルタ

【課題】非磁性体部を挟み込む2つの磁性体部に欠けを生じることを防止して、該欠けに依存してフィルタ特性が悪化することを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供する。
【解決手段】コモンモードノイズフィルタのフィルタ本体11は、非磁性体部12と、非磁性体部12を挟み込む第1磁性体部13及び第2磁性体部14と、非磁性体部12内の第1磁性体部側と前記第2磁性体部側に位置していて互いが非接触状態で向き合うように該非磁性体部12内に埋設された平面状の第1コイル導体部18及び第2コイル導体部19とを備えると共に、第1磁性体部13及び第2磁性体部14よりも高強度の非磁性材料から成り、且つ、該第1磁性体部13及び第2磁性体部14を挟み込んでフィルタ本体11の最も外側に位置する非磁性の第1保護部15及び第2保護部16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器においてノイズ対策デバイスとして用いられるコモンモードノイズフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
コモンモードノイズフィルタは、一般に、2つのコイルが埋設された非磁性体部を2つの磁性体部で挟み込んで構成されたフィルタ本体に、各コイルと導通する2対の外部端子を設けた構造を有している(特許文献1を参照)。
【0003】
前記非磁性体部がホウケイ酸ガラスから成り、前記各磁性体部がNi−Zn−Cn系フェライトから成る場合を例に挙げて説明すると、各磁性体部の強度(機械的強度)は非磁性体部の強度よりも劣るため、コモンモードノイズフィルタを回路基板等に搭載する過程や搬送する過程等において該コモンモードノイズフィルタに外力が付加されると、フィルタ本体の最も外側に位置する2つの磁性体部、特に各磁性体部の稜線に欠けを生じる恐れがある。この欠けは各磁性体部の体積減少に繋がるため、該欠けに基づく体積減少に依存してインピーダンス特性等のフィルタ特性の悪化を招来する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−340611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、非磁性体部を挟み込む2つの磁性体部に欠けを生じることを防止して、該欠けに依存してフィルタ特性が悪化することを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、非磁性体部と、前記非磁性体部を挟み込む第1磁性体部及び第2磁性体部と、前記非磁性体部内の前記第1磁性体部側と前記第2磁性体部側に位置していて互いが非接触状態で向き合うように該非磁性体部内に埋設された平面状の第1コイル導体部及び第2コイル導体部とを有するフィルタ本体を備えたコモンモードノイズフィルタにおいて、前記第1磁性体部及び第2磁性体部よりも高強度の非磁性材料から成り、且つ、該第1磁性体部及び第2磁性体部を挟み込んで前記フィルタ本体の最も外側に位置する非磁性の第1保護部及び第2保護部を備える、ことをその特徴とする。
【0007】
本発明のコモンモードノイズフィルタにあっては、第1磁性体部及び第2磁性体部それぞれの外面が該第1磁性体部及び第2磁性体部よりも高強度の第1保護部及び第2保護部によって覆われているので、コモンモードノイズフィルタを回路基板等に搭載する過程や搬送する過程等において該コモンモードノイズフィルタに外力が付加されても、第1磁性体部及び第2磁性体部、特に各磁性体の稜線に欠けが生じることを防止することができ、該欠けに基づく第1磁性体部及び第2磁性体部の体積減少に依存してインピーダンス特性等のフィルタ特性が悪化することを抑制できる。しかも、第1保護部及び第2保護部は非磁性材料から成るので、該第1保護部及び第2保護部の存在によってインピーダンス特性等のフィルタ特性が悪化することもない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、非磁性体部を挟み込む2つの磁性体部に欠けを生じることを防止して、該欠けに依存してフィルタ特性が悪化することを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供できる。
【0009】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(第1実施形態)の外観斜視図である。
【図2】図2(S11)は、図1のS11線に沿う断面図;図2(S12)は、図1のS12線に沿う断面図;図2(S13)は、図1のS13線に沿う断面図である。
【図3】図3は、図1に示したフィルタ本体を層単位で分解した斜視図である。
【図4】図4は、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(第2実施形態)のフィルタ本体を層単位で分解した斜視図である。
【図5】図5は、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(第3実施形態)のフィルタ本体を層単位で分解した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下に、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(第1実施形態)を、図1〜図3を引用して説明する。このコモンモードノイズフィルタは、図1に示したように、直方体形状のフィルタ本体11と、該フィルタ本体11の相対する2側面に設けられた第1〜第4外部端子23〜26とを備えている。
【0012】
フィルタ本体11を層単位で分解した図3から分かるように、該フィルタ本体11は、
・5枚の第1〜第5非磁性体層12-1〜12-5
・3枚の磁性体層13-1〜13-3
・3枚の磁性体層14-1〜14-3
・1枚の保護層15-1
・1枚の保護層16-1
・第1非磁性体層12-1と第2非磁性体層12-2との間に存する第1引出導体部17
・第2非磁性体層12-2と第3非磁性体層12-3との間に存する平面状の第1コイル導体 部18
・第3非磁性体層12-3と第4非磁性体層12-4との間に存する平面状の第2コイル導体 部19
・第4非磁性体層12-4と第5非磁性体12-5との間に存する第2引出導体部20
・第2非磁性体層12-2に設けられた第1ビア導体部21
・第4非磁性体層12-4に設けられた第2ビア導体部22
を有している。
【0013】
第1〜第5非磁性体層12-1〜12-5は公知の非磁性体材料、好ましくは低誘電率の誘電体材料、具体的にはホウケイ酸ガラス等のガラス、或いは、ガラスにシリカやアルミナ等を分散させたガラスセラミックス等から成る。また、各磁性体層13-1〜13-3及び14-1〜14-3は公知の磁性体材料、好ましくはNi−Zn−Cn系フェライト等のフェライト材料から成る。さらに、各保護層15-1及び16-1は各磁性体層13-1〜13-3及び14-1〜14-3よりも高強度(高機械的強度)の公知の非磁性体材料、好ましくは第1〜第5非磁性体層12-1〜12-5と同一の誘電体材料から成る。さらに、第1引出導体部17、第1コイル導体部18、第2コイル導体部19、第2引出導体部20、第1ビア導体部21及び第2ビア導体部22は公知の導体材料、好ましくは銀等の金属材料から成る。
【0014】
図3に示した5枚の第1〜第5非磁性体層12-1〜12-5は図2に示した非磁性体部12を構成し、3枚の磁性体層13-1〜13-3は図2に示した第1磁性体部13を構成し、3枚の磁性体層14-1〜14-3は図2に示した第2磁性体部14を構成しており、第1磁性体部13及び第2磁性体部14は非磁性体部12にそれぞれ密着した状態で該非磁性体部12を挟み込んでいる。
【0015】
また、図3に示した1枚の保護層15-1は図2に示した第1保護部15を構成し、1枚の保護層16-1は図2に示した第2保護部16を構成しており、非磁性の第1保護部15及び第2保護部16は第1磁性体部13及び第2磁性体部14にそれぞれ密着した状態で該第1磁性体部13及び第2磁性体部14を挟み込んでいてフィルタ本体11の最も外側に位置している。
【0016】
第1コイル導体部18及び第2コイル導体部19は、各々の線幅及び巻き数が略同じ渦巻き型を成している。第1コイル導体部18の一端18aは第1ビア導体部21を介して第1引出導体部17の一端17aに接続されており、該第1引出導体部17の他端17bの側縁と第1コイル導体部18の他端18bの側縁は非磁性体部12の相対する側面で露出している。第2コイル導体部19の一端19aは第2ビア導体部22を介して第2引出導体部20の一端20aに接続されており、該第2引出導体部20の他端20bの側縁と第2コイル導体部19の他端19bの側縁は非磁性体部12の相対する側面で露出している。
【0017】
第1〜第4外部端子23〜26は公知の導体材料、好ましくは銀等の金属材料から成る。図1から分かるように、第1外部端子23と第3外部端子25はフィルタ本体11の一側面に間隔をおいて設けられ、第2外部端子24と第4外部端子26はフィルタ本体11の反対側の側面に間隔をおいて設けられている。
【0018】
詳しくは、第1外部端子23は、非磁性体部12の一側面から露出する第1引出導体部17の他端17bの側縁に接続され、第2外部端子24は、非磁性体部12の反対側の側面から露出する第1コイル導体部18の他端18bの側縁に接続されている。第3外部端子25は、非磁性体部12の一側面から露出する第2引出導体部20の他端20bの側縁に接続され、第4外部端子26は、非磁性体部12の反対側の側面から露出する第2コイル導体部19の他端19bの側縁に接続されている。
【0019】
ここで、前記コモンモードノイズフィルタの製法について簡単に説明する。前記コモンモードノイズフィルタを製造するときには、
・未焼成の第1引出導体部17が形成された未焼成の第1非磁性体層12-1
・未焼成の第1コイル導体部18及び第1ビア導体部21が形成された未焼成の第2非磁 性体層12-2
・未焼成の第2コイル導体部19が形成された未焼成の第3非磁性体層12-3
・未焼成の第2引出導体部20及び第2ビア導体部22が形成された未焼成の第4非磁性 体層12-4
・未焼成の第5非磁性体層12-5
・未焼成の各磁性体層13-1〜13-3及び14-1〜14-3
・未焼成の各保護層15-1及び16-1
を用意し、これらを図3に示した順序で積み重ねて全体を熱圧着し、熱圧着したものを所定温度で焼成(脱バインダー処理を含む)してフィルタ本体11を作製する。そして、フィルタ本体11の相対する2側面に未焼成の第1〜第4外部端子23〜26を形成して、これらを所定温度で焼成(脱バインダー処理を含む)する。必要に応じて、第1〜第4外部端子23〜26の表面に、電解メッキ法によってニッケル層を形成し、その上に電解メッキ法によってハンダ層を形成する。
【0020】
先に述べたように、第1引出導体部17は第1非磁性体層12-1と第2非磁性体層12-2との間に存在し、第1コイル導体部18は第2非磁性体層12-2と第3非磁性体層12-3との間に存在し、第2コイル導体部19は第3非磁性体層12-3と第4非磁性体層12-4との間に存在し、第2引出導体部20は第4非磁性体層12-4と第5非磁性体層12-5との間に存在する。
【0021】
そのため、第1コイル導体部18は非磁性体部12内の第1磁性体部13側に位置し、第2コイル部19は非磁性体部12内の第2磁性体部14側に位置していて、該第1コイル導体部18及び第2コイル導体部19は互いが非接触状態で向き合うように非磁性体部12内に埋設されている(図2(S11)を参照)。
【0022】
また、第1引出導体部17は他端17bの側縁(第1外部端子23との接続箇所)を除いて非磁性体部12内に埋設され、しかも、第2引出導体部20は他端20bの側縁(第3外部端子25との接続箇所)を除いて非磁性体部12内に埋設されている(図2(S12)を参照)。
【0023】
さらに、製造過程において積層したもの全体を熱圧着する関係から、第1コイル導体部18よりも第1磁性体部13に近い位置に存在する第1引出導体部17を覆う非磁性体部12の一部分12aは、第1磁性体部13に向けて隆起して該第1磁性体部13に食い込んでおり、しかも、第2コイル導体部19よりも第2磁性体部14に近い位置に存在する第2引出導体部20を覆う非磁性体部12の一部分12bは、第2磁性体部14に向けて隆起して該第2磁性体部14に食い込んでいる(図2(S12)を参照)。
【0024】
このように、前記コモンモードノイズフィルタにあっては、第1磁性体部13及び第2磁性体部14よりも高強度の材料から成り、且つ、該第1磁性体部13及び第2磁性体部14を挟み込んでフィルタ本体11の最も外側に位置する非磁性の第1保護部15及び第2保護部16を備えている。即ち、第1磁性体部13及び第2磁性体部14それぞれの外面が該第1磁性体部13及び第2磁性体部14よりも高強度の第1保護部15及び第2保護部16によって覆われているので、コモンモードノイズフィルタを回路基板等に搭載する過程や搬送する過程等において該コモンモードノイズフィルタに外力が付加されても、第1磁性体部13及び第2磁性体部14、特に各磁性体部13及び14の稜線に欠けが欠けを生じることを防止することができ、該欠けに基づく第1磁性体部13及び第2磁性体部14の体積減少に依存してインピーダンス特性等のフィルタ特性が悪化することを抑制できる。しかも、第1保護部15及び第2保護部16は非磁性材料から成るので、該第1保護部15及び第2保護部16の存在によってインピーダンス特性等のフィルタ特性が悪化することもない。
【0025】
また、前記コモンモードノイズフィルタにあっては、非磁性体部12が低誘電率の誘電体材料から成り、しかも、該非磁性体部12と同一の誘電体材料から成る第1保護部15及び第2保護部16がフィルタ本体11の最も外側に設けられていることから、第1保護部15及び第2保護部16の一方が回路基板等の表面と向き合うようにコモンモードノイズフィルタを実装したとき、該回路基板等の他の回路パターンから発生する磁界がコモンモードノイズフィルタの内部で発生する磁界に干渉することを抑制することができる。つまり、コモンモードノイズフィルタの内部で発生する磁界が外部磁界と相互干渉することを抑制して、フィルタ特性、特に高周波特性が悪化することを防止できる。加えて、製法上の観点からすれば、非磁性体部12を構成する第1〜第5非磁性体層12-1〜12-5と同じ層を第1保護部15及び第2保護部16を構成する各保護層15-1及び16-1に用いることができるので、該第1保護部15及び第2保護部16を構成するために異種材料の層を別途用意する手間が省ける利便性がある。
【0026】
さらに、前記コモンモードノイズフィルタにあっては、非磁性体部12と第1保護部15及び第2保護部16を形成する誘電体材料にホウケイ酸ガラスまたはガラスセラミックスを採用すれば、第1保護部15及び第2保護部16の誘電率をかなり下げることができるので、コモンモードノイズフィルタの内部で発生する磁界が外部磁界と相互干渉することをより効果的に抑制できる。加えて、製法上の観点からすれば、第1〜第4外部端子23〜26が銀等の金属材料から成る場合、該第1〜第4外部端子23〜26を、ホウケイ酸ガラスまたはガラスセラミックスから成る非磁性体部12と第1保護部15及び第2保護部16に強固に接合することが可能となると共に、製造後のコモンモードノイズフィルタから第1〜第4外部端子23〜26が剥離することも防止できる。
【0027】
[第2実施形態]
以下に、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(第2実施形態)を、図4を引用して説明する。このコモンモードノイズフィルタが前記コモンモードノイズフィルタ(第1実施形態)と異なるところは、
・第5非磁性体層12-5を排除して、4枚の第1〜第4非磁性体層12-1〜12-4によっ て図2に示した非磁性体部12を構成した点
・第2引出導体部20が第4非磁性体層12-4と磁性体層14-1との間に存在するように した点
にある。
【0028】
このコモンモードノイズフィルタにあっては、第5非磁性体層12-5を排除した関係から、図2(S12)に符号12bで示した部分が形成されなくなるが、前記コモンモードノイズフィルタ(第1実施形態)と同様の効果を得ることができる。
【0029】
[第3実施形態]
以下に、本発明を適用したコモンモードノイズフィルタ(第3実施形態)を、図4を引用して説明する。このコモンモードノイズフィルタが前記コモンモードノイズフィルタ(第1実施形態)と異なるところは、
・第1非磁性体層12-1と第5非磁性体層12-5を排除して、3枚の第2〜第4非磁性体 層12-2〜12-4によって図2に示した非磁性体部12を構成した点
・第1引出導体部17が磁性体層13-1と第2非磁性体層12-2との間に存在するように した点
・第2引出導体部20が第4非磁性体層12-4と磁性体層14-1との間に存在するように した点
にある。
【0030】
このコモンモードノイズフィルタにあっては、第1非磁性体層12-1と第5非磁性体層12-5を排除した関係から、図2(S12)に符号12a及び12bで示した部分が形成されなくなるが、前記コモンモードノイズフィルタ(第1実施形態)と同様の効果を得ることができる。
【0031】
[他の実施形態]
(1)前記[第1実施形態]では、3枚の磁性体層13-1〜13-3と第1引出導体部17との間に1枚の第1非磁性体層12-1を介装し、且つ、第2引出導体部20と3枚の磁性体層14-1〜14-3との間に1枚の第5非磁性体層12-5を介装したものを例示したが、3枚の磁性体層13-1〜13-3と第1引出導体部17との間に2枚以上の第1非磁性体層12-1を介装したり、第2引出導体部20と3枚の磁性体層14-1〜14-3との間に2枚以上の第5非磁性体層12-5を介装したりしても、前記同様の効果を得ることができる。
【0032】
(2)前記[第1実施形態]〜[第3実施形態]では、3枚の磁性体層13-1〜13-4によって第1磁性体部13を構成し、且つ、3枚の磁性体層14-1〜14-4によって第2磁性体部14を構成したものを示したが、各磁性体部13及び14を構成する磁性体層の層数を該磁性体層の厚さや各磁性体部13及び14の厚さ等に応じて任意に増減しても、前記同様の効果を得ることができる。
【0033】
(3)前記[第1実施形態]〜[第3実施形態]では、1枚の保護層15-1によって第1保護部15を構成し、且つ、1枚の保護層16-1によって第2保護部16を構成したものを示したが、各保護部15及び16を構成する保護層の層数を該保護層の厚さや各保護部15及び16の厚さ等に応じて任意に増減しても、前記同様の効果を得ることができる。
【0034】
(4)前記[第1実施形態]〜[第3実施形態]では、第1コイル導体部18及び第2コイル導体部19として所定線幅の直線状導体線が略直角の角部を介して渦巻き型となるようにしたものを示したが、所定線幅の直線状導体線が湾曲した角部を介して渦巻き型となるようにしたものや、所定線幅の導体線全てが湾曲していて渦巻き型となるようにしたものであっても、前記同様の効果を得ることができる。
【0035】
(5)前記[第1実施形態]〜[第3実施形態]では、コモンモードノイズフィルタとして1対のコイル導体部18及び19と該1対のコイル導体部18及び19に対応する2対の外部端子23〜26を有するものを示したが、フィルタ本体を横長に形成して2対のコイル導体を横並びに埋設し、且つ、該2対のコイル導体に対応する4対の外部端子を設けた2連タイプのコモンモードノイズフィルタを構成した場合、また、同様にして3連タイプ以上のコモンモードノイズフィルタを構成した場合でも、前記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0036】
11…フィルタ本体、12…非磁性体部、13…第1磁性体部、14…第2磁性体部、15…非磁性の第1保護部、16…非磁性の第2保護部、17…第1引出導体部、18…第1コイル導体部、19…第2コイル導体部、20…第2引出導体部、21…第1ビア導体部、22…第2ビア導体部、23…第1外部端子、24…第2外部端子、25…第3外部端子、26…第4外部端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性体部と、前記非磁性体部を挟み込む第1磁性体部及び第2磁性体部と、前記非磁性体部内の前記第1磁性体部側と前記第2磁性体部側に位置していて互いが非接触状態で向き合うように該非磁性体部内に埋設された平面状の第1コイル導体部及び第2コイル導体部とを有するフィルタ本体を備えたコモンモードノイズフィルタにおいて、
前記第1磁性体部及び第2磁性体部よりも高強度の非磁性材料から成り、且つ、該第1磁性体部及び第2磁性体部を挟み込んで前記フィルタ本体の最も外側に位置する非磁性の第1保護部及び第2保護部を備える、
ことを特徴とするコモンモードノイズフィルタ。
【請求項2】
前記非磁性体部は誘電体材料から成り、前記第1保護部及び第2保護部は該非磁性体部と同一の誘電体材料から成る、
ことを特徴とする請求項1に記載のコモンモードノイズフィルタ。
【請求項3】
前記誘電体材料は、ホウケイ酸ガラスまたはガラスセラミックスである、
ことを特徴とする請求項2に記載のコモンモードノイズフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−69754(P2012−69754A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213542(P2010−213542)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】