説明

コラーゲン産生促進作用組成物、コラーゲン産生促進作用食品、コラーゲン産生促進作用皮膚外用、コラーゲン産生促進作用薬およびコラーゲン産生促進作用化粧料

【課題】コラーゲン産生促進作用を有するコラーゲン産生促進作用組成物を提供する。
【解決手段】少なくともマカエキスパウダを含有する。摂取によって濃度依存的なコラーゲン産生促進作用を有する。皮膚のしわやたるみの改善作用などの皮膚の弾力性低下改善作用を期待できる。サプリメントなどの機能性食品や皮膚外用、薬、化粧料として用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともマカを含有するコラーゲン産生促進作用組成物、コラーゲン産生促進作用食品、コラーゲン産生促進作用皮膚外用、コラーゲン産生促進作用薬およびコラーゲン産生促進作用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マカ(Lepidium meyenii-Walp,Cruciferae :Maca)は、南米ペルーなどの中央アンデスの標高4000〜4500m程度の地域で栽培されている根菜であり、アンデスの原住民の間で民間伝承薬として用いられ、滋養強壮、栄養不良、貧血症、不妊症あるいは精力減退症などへの有効性が知られている。
【0003】
そして、近年では、このマカを含有する種々の物質に、肌の若返り作用や、ヒアルロン酸蓄積促進作用を有することによる皮膚しわ改善、皮膚保湿性の増加および皮膚老化防止作用などを有することが知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【特許文献1】特開2005−000033号公報
【特許文献2】特開2003−238432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように、マカを含んだ物質に肌の若返り作用やヒアルロン酸蓄積促進作用などを有することが知られているに過ぎず、このマカの諸機能については未だ明確に解明されていないという問題を有している。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、コラーゲン産生促進作用を有するコラーゲン産生促進作用組成物、コラーゲン産生促進作用食品、コラーゲン産生促進作用皮膚外用、コラーゲン産生促進作用薬およびコラーゲン産生促進作用化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のコラーゲン産生促進作用組成物は、少なくともマカを含有し、コラーゲン産生促進作用を有するものである。
【0007】
請求項2記載のコラーゲン産生促進作用組成物は、請求項1記載のコラーゲン産生促進作用組成物において、皮膚の弾力性低下改善作用を有するものである。
【0008】
請求項3記載のコラーゲン産生促進作用組成物は、請求項1または2記載のコラーゲン産生促進作用組成物において、皮膚のしわ改善作用を有するものである。
【0009】
請求項4記載のコラーゲン産生促進作用組成物は、請求項1ないし3いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物において、皮膚のたるみ改善作用を有するものである。
【0010】
請求項5記載のコラーゲン産生促進作用食品は、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含むものである。
【0011】
請求項6記載のコラーゲン産生促進作用皮膚外用は、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含むものである。
【0012】
請求項7記載のコラーゲン産生促進作用薬は、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含むものである。
【0013】
請求項8記載のコラーゲン産生促進作用化粧料は、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含むものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のコラーゲン産生促進作用組成物によれば、少なくともマカを含有するので、コラーゲン産生促進作用を期待できる。
【0015】
請求項2記載のコラーゲン産生促進作用組成物によれば、請求項1記載のコラーゲン産生促進作用組成物の効果に加え、皮膚の弾力性低下改善作用を期待できる。
【0016】
請求項3記載のコラーゲン産生促進作用組成物によれば、請求項1または2記載のコラーゲン産生促進作用組成物の効果に加え、皮膚のしわ改善作用を期待できる。
【0017】
請求項4記載のコラーゲン産生促進作用組成物によれば、請求項1ないし3いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物の効果に加え、皮膚のたるみ改善作用を期待できる。
【0018】
請求項5記載のコラーゲン産生促進作用食品によれば、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む食品を食することにより、コラーゲン産生促進作用を期待できる。
【0019】
請求項6記載のコラーゲン産生促進作用皮膚外用によれば、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む皮膚外用を用いることにより、コラーゲン産生促進作用を期待できる。
【0020】
請求項7記載のコラーゲン産生促進作用薬によれば、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む薬を用いることにより、コラーゲン産生促進作用を期待できる。
【0021】
請求項8記載のコラーゲン産生促進作用化粧料によれば、請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む化粧料を用いることにより、コラーゲン産生促進作用を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態のコラーゲン産生促進作用組成物について説明する。
【0023】
まず、このコラーゲン産生促進作用組成物としては、摂取によって細胞にてコラーゲンが合成および生成される作用を有している。ここで、このコラーゲン(collagen)とは、ヒトやその他の動物の体皮、軟骨、腱などを構成する繊維状の硬蛋白質であって、特に皮膚の弾力性低下改善作用、すなわち皮膚のしわやたるみ改善作用を有する物質である。よって、このコラーゲンには、肌の若返り作用、すなわち皮膚保湿性の増加作用や皮膚老化防止作用などを有している。
【0024】
さらに、このコラーゲン産生促進作用組成物は、ハーブであるとともに生薬であるマカ(Lepidium meyenii-Walp,Cruciferae:Maca)を含有している。このマカは、南米ペルーなどの中央アンデスの標高4000〜4500m程度の地域で栽培されている根菜である。そして、このマカには、少なくともベンジル類グルコシノレートとベンジル類イソチオシアネートとのいずれか一方が含まれている。
【0025】
なお、ベンジル類グルコシノレートとしては、主にベンジルグルコシノレートや、パラヒドロキシベンジルグルコシノレート、パラメトキシベンジルグルコシノレートなどが考えられる。また、ベンジル類イソチオシアネートとしては、主にベンジルイソチオシアネートや、パラヒドロキシベンジルイソチオシアネート、パラメトキシベンジルイソチオシアネートなどが考えられる。
【0026】
さらに、このマカは、このマカの含水アルコール抽出エキス粉末であるマカエキス末としてのマカエキスパウダとしてコラーゲン産生促進作用組成物に含有されている。具体的に、このマカエキスパウダは、乾燥させたマカに、含水アルコールを加えて浸漬させてから抽出した溶液にデキストリンを加えた後に噴霧して乾燥させたパウダ状の粉末である。また、このマカエキスパウダには、質量比で約428mg/100gのベンジルグルコシノレートが含有されている。
【0027】
また、このコラーゲン産生促進作用組成物は、このコラーゲン産生促進作用組成物を含有するいわゆるサプリメントなどの機能性食品、皮膚外用、薬あるいは化粧料として用いることもできる。したがって、このコラーゲン産生促進作用組成物としては、機能性食品や、皮膚外用剤、医薬品、化粧品などとして適宜用いることもできる。
【0028】
このため、このコラーゲン産生促進作用組成物は、少なくともマカから抽出したエキス粉末であるマカエキスパウダを含有し、コラーゲン産生促進作用を有するものであることを特徴とし、コラーゲン産生促進のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品や皮膚外用剤、医療品、化粧品などとして用いられる。
【0029】
そして、このコラーゲン産生促進作用組成物を提供する形態としては、散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル、液剤、シロップ状のいずれであっても良く、これらは適宜助剤、賦香料とともに賦形されてもよい。用いられる賦形剤、希釈剤としては、ゼラチン、糖類、澱粉類、脂肪酸およびその塩、油脂、タルク、生理食塩水、その他のマスキング剤などが挙げられる。これらのものをそのまま服用してもよいが、各種料理品、菓子、キャンデなどの食品に混ぜて服用するのも好都合である。
【実施例】
【0030】
次に、マカエキスパウダによるコラーゲン産生促進作用の実施例を説明する。
【0031】
まず、試験方法について説明する。
【0032】
ヒト正常線維芽細胞(Detroit 551)を、10%FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)と、1%NEAA(Non-Essential Amino Acids:アルギニンなどの非必須アミノ酸)と、1mmol/Lピルビン酸ナトリウム(Na-pyruvate)とを含有したα−MEM(α-Minimum Essential Medium:アルファ変法イーグル培地)を用いて培養した。この後、この培地から、蛋白質の分解酵素であるトリプシン(trypsin)を使ってトリプシン処理して、培養したヒト正常線維芽細胞を回収した。
【0033】
次いで、この回収したヒト正常線維芽細胞を2×10cells/mLの濃度となるように、上述のアルファ変法イーグル培地で希釈してから、96wellマイクロプレートに、1つのwell(穴)当たり100μLずつ播種して一晩培養した。ここで、この96wellマイクロプレートとは、合計96個のwell(穴)が設けられているマイクロプレートである。
【0034】
そして、この培養が終了した後、培養したヒト正常線維芽細胞から培地を抜いて、0.5%FBSを含有したα−MEMに溶解させた各被験試料、すなわちマカエキスパウダやアセロラパウダ、アスコルビン酸リン酸マグネシウムのそれぞれを、各well毎に100μL添加して3日間培養した。
【0035】
この培養の後、各wellの培地中のコラーゲン量をELISA法(Enzyme Linked Immuno Sorbent Assay:酵素免疫測定法)にて測定した。
【0036】
ここで、コラーゲン産生促進作用の計算方法としては、コラーゲン産生促進率(%)={被験試料添加時のコラーゲン量(A)/被験試料無添加時のコラーゲン量(B)}×100とした。
【0037】
【表1】

【0038】
この結果、表1に示すように、マカエキスパウダには、濃度依存的にコラーゲン産生促進作用があることが確認できた。したがって、このマカエキスパウダの摂取によって、コラーゲン産生促進作用、すなわち皮膚のしわやたるみの改善作用などの皮膚の弾力性低下改善作用を期待できることが分かった。
【0039】
なお、マカエキスパウダ中のコラーゲン産生促進作用を有する有効作用物質としては、ベンジルグルコシノレートおよびベンジルイソチオシアネートを主とするベンジル類グルコシノレートおよびベンジル類イソチオシアネートが考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともマカを含有し、コラーゲン産生促進作用を有する
ことを特徴としたコラーゲン産生促進作用組成物。
【請求項2】
皮膚の弾力性低下改善作用を有する
ことを特徴とした請求項1記載のコラーゲン産生促進作用組成物。
【請求項3】
皮膚のしわ改善作用を有する
ことを特徴とした請求項1または2記載のコラーゲン産生促進作用組成物。
【請求項4】
皮膚のたるみ改善作用を有する
ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む
ことを特徴としたコラーゲン産生促進作用食品。
【請求項6】
請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む
ことを特徴としたコラーゲン産生促進作用皮膚外用。
【請求項7】
請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む
ことを特徴としたコラーゲン産生促進作用薬。
【請求項8】
請求項1ないし4いずれか記載のコラーゲン産生促進作用組成物を含む
ことを特徴としたコラーゲン産生促進作用化粧料。

【公開番号】特開2006−327976(P2006−327976A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152593(P2005−152593)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(300022526)TOWA CORPORATION 株式会社 (8)
【Fターム(参考)】