説明

コリオリ流量計を極低温で操作する方法および装置

【課題】極低温を含む広い温度範囲にわたって、正確な出力材料流量情報を生成するコリオリ流量計を提供する。
【解決手段】コリオリ流量計は、メモリに記憶された非線形補償情報を使用し(706)、極低温を含む全ての温度で正確な非線形温度補償材料流量出力情報を生成する(714)。一つの実施の形態においては、記憶された非線形情報は(706)、正確な温度補償材料流量出力情報を生成するために使用されるヤング率Eの測定値を表す。他の実施の形態においては、ヤング率Eの測定値を曲線近似し(703)、正確な非線形温度補償出力情報を生成するのに使用するのに記憶される非線形式を導出する(710)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温を含む広い温度範囲にわたってコリオリ流量計を操作するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、極低温で操作されるコリオリ流量計によって正確な出力温度補償流量情報を生成するための装置および方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
1985年1月1日に、J.E.スミスらに与えられた米国特許第4,491,025号、および1982年2月11日にJ.E.スミス与えられたRe.31,450号に開示されているように、コリオリ効果質量流量計を使用して質量流量および材料の流量に関するその他の情報を測定することは周知である。上述の流量計は、直線状または彎曲した構成を有する1つまたは複数の流管を備える。それぞれの流管の構成は、単純な曲げ、ねじれ、放射状、または結合型の、1組の固有振動モードを有する。各流管は、これらの固有モードの1つにおいて共振状態で振動するよう駆動される。材料の詰まった振動しているコリオリ流量計システムの固有振動モードは、流管と流管内を流れる材料との組み合わされた質量によって部分的に限定される。材料は流量計の入口側に接続された材料源から流量計内へ流れ込む。次いで、材料は1つまたは複数の流管に流れ込み、流量計を出て、流量計の出口側に接続されている材料目的位置へと向かう。
【0003】
ドライバが流管に振動力を加え、これにより流管が振動する。流量計内を通って流れる材料がない場合は、流管に沿う全ての点が同じ位相で振動する。材料が流れ始めると、コリオリの加速度により、流管に沿う各点は、流管に沿う他の点に対して異なる位相を持つことになる。流管の入口側の位相はドライバより遅れ、出口側の位相はドライバより進む。センサを流管の2つの異なった点に配置し、この2点での流管の運動を表す正弦波信号を生成させる。2つのセンサから受信された信号の位相差は、時間の単位で計算される。2つの信号の位相差は、1つまたは複数の流管を通って流れる材料の質量流量に比例する。
【0004】
材料の流量に関し正確な情報を生成するコリオリ流量計が、広く使われている。この情報は材料の質量流量および材料の密度を含む。コリオリ流量計のサイズは、流管の直径が0.16センチメートルのものから直径15センチメートルのものまである。これらの流量計は広範囲の材料流量に対して使用され、麻酔システムに使用されるような約毎分数滴のものから、石油のパイプラインや石油タンカの荷役に使用されるような毎分数トンのものまである。サイズにかかわらず、コリオリ流量計が使用される大部分の適用分野においては、最大誤差が0.10%などの、高度な精度が要求される。この精度は、現在使用されている多くのコリオリ流量計が各流量計の設計条件下で操作されている限りにおいては、達成可能である。
【0005】
コリオリ流量計にとって、動作温度が主要な条件である。コリオリ流量計の典型的な動作温度範囲は約33kから473k(−240℃から+200℃)である。この温度範囲で精度の高い出力情報を生成するコリオリ流量計を設計する場合は、コリオリ流量計内で生成される熱応力や、コリオリ流量計の内部部品間の温度差を考慮しなければならない。これらの部品が損傷されないよう、また、この熱膨張/収縮が流量計の出力精度に対して及ぼす影響を補償するよう、コリオリ流量計の様々な部品の熱膨張/収縮を設計段階で考慮する必要がある。
【0006】
コリオリ流量計の出力データのうち極めて重要なのは質量流量である。これは、コリオリ流量計によって生成される大部分のデータの精度が質量流量の精度に依存するためである。質量流量の精度は、質量流量を決定する場合に使用されるヤング率Eの精度に依存する。質量流量を正確に決定するには、コリオリ流量計が動作する温度範囲にわたってヤング率Eを精密に決定することが必要である。ヤング率Eの温度に伴う変化は、コリオリ流量計が動作する温度範囲にわたって線形であると想定されていることが多い。したがって、ヤング率Eは、典型的には、コリオリ流量計の測定温度を表す温度項Tを含む線形式を使って計算される。このEに対する線形式を使用して、質量流量を決定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の仮定は、ヤング率Eが温度に対して線形に変化する温度範囲については十分である。しかし、上記の仮定は、ヤング率Eを極低温(273kより低い温度)で決定する場合には有用ではない。ステンレス鋼のヤング率Eは、約100kから300kおよびそれ以上の範囲にわたり線形に変化するが、100kより低い温度などの極低温では非線形に変化することが、1981年3月の、HM.レッドベターによる「Journal of Applied Physics」の記事により知られている。
【0008】
極低温でヤング率Eが線形に変化するという仮定を用いると、許容不可能な精度のヤング率Eを計算することになってしまう。極低温でヤング率Eの線形式を使用するためには、計算したヤング率Eを、それぞれの異なる極低温について任意の量だけ変更し、ヤング率Eを、したがってコリオリ流量計の質量流量を満足な精度で決定する必要がある。しかし、この手順は手間がかかり、また少数の所定温度に限られる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記およびその他の問題点は、ヤング率Eを従来の温度範囲である−100℃から+200℃にわたって、また−100℃未満から−269℃までの極低温で、精度を保って計算する本発明による装置および方法により解決され、また当業界での進展が得られる。
【0010】
本発明による装置および方法は、ヤング率Eを4kから473kまでの広い温度範囲にわたって計算するステップを含む。これは、当該温度範囲でヤング率Eを表す予め測定されたデータに非線形曲線近似を適用することによって行われる。これは、この温度範囲でのヤング率Eの特性を表す非線形式を提供する。次いで、この非線形式は質量流量計算に使用されて、正確な質量流量を生成する。
【0011】
ヤング率Eの測定値の範囲に非線形曲線近似を受けさせるステップは、線形式および2次、3次、4次またはそれ以上の式を含む、ヤング率Eの複数の式を導出することを伴う。それぞれの次数の式は一意的である。1次の線形式はTの項を含む。2次式はTおよびTの項を含む。3次式はT、TおよびTの項を含む。4次式はT、T、TおよびTの項を含む。これらの式は、それぞれが生成する出力データの精度を決定するよう、比較され評価される。所望の精度を与える最低次数の式が使用される。極低温に対しては、高次の式になるにつれて、ヤング率Eの式の精度が高くなることが分かった。全ての式が、約−100℃までは、少なくとも0.15%の精度を有するヤング率Eを生成する。この温度より低くなると、1次の線形曲線近似の誤差は、5%を越える誤差という許容不可能なレベルまで、指数関数的に増加する。TおよびTを含む2次式は、約−150℃までは許容可能な結果を生ずる。それより低くなると、その誤差は3%を越えるまで指数関数的に増加する。T、TおよびTを含む3次式は、約−200℃までは許容可能な誤差率を有する。その誤差率は、−200℃より下の温度に対しては指数関数的に増加する。4次式は、約−200℃までは許容可能な誤差率を有するが、それより下の温度に対しては約1.5%の誤差率まで増加する。
【0012】
要するに、本発明による装置および方法は、ヤング率Eの測定値を使用して、これらの値に、線形1次線形式およびそれより高い次数の非線形式を生成する曲線近似操作を受けさせる。これらの式は、質量流量を決定するために使用する計算において、ヤング率Eの項に対して使用される。それぞれの式は、コリオリ流量計の動作温度の一意的な範囲に対して有益である。1次の線形式は、限られた範囲の動作温度に対して許容可能な精度を生じる。2次式は、それよりも広い範囲の動作温度に対して許容可能な結果を生じる。3次および4次式は、それぞれ、さらに広い範囲の動作温度に対して有益である。
【0013】
特徴
本発明の特徴は、
材料の流れを受け取りながら振動されるようになされた流管手段と、前記振動流管手段に結合されたピックオフから信号を受け取る計器電子回路とを備え、前記信号が前記ピックオフが結合されている前記流管手段の2点間の位相差を表示し、前記計器電子回路が温度センサから前記流管手段の動作温度Tを表示する信号を受け取るコリオリ流量計において、
前記計器電子回路が、
前記動作温度Tを、前記流管手段に対する非線形温度補償情報と関連付ける補償装置と、
前記非線形温度補償情報および前記ピックオフ信号を受け取り、前記非線形温度補償情報を定義された材料流量式に適用して、前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成する装置と、
を備える、コリオリ流量計を操作するための装置および方法を含む。
【0014】
他の特徴は、前記材料流量出力情報が、前記材料の流れの非線形の温度補償された質量流量
【0015】
【数1】

【0016】
を含むことである。
他の特徴は、前記動作温度Tが測定され、前記計器電子回路のメモリに記憶されることである。
【0017】
他の特徴は、
複数の動作温度に対する前記非線形温度補償情報が、前記計器電子回路のメモリに記憶され、
前記計器電子回路が、前記コリオリ流量計についての非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成するよう前記の定義された材料流量式に使用するため、前記メモリから前記動作温度Tに対する前記温度補償情報を読み出すルックアップ装置をさらに備える
ことである。
【0018】
他の特徴は、前記非線形温度補償情報が、前記流管手段の所定範囲の温度でのヤング率Eの測定値を有することである。
他の特徴は、
前記非線形温度補償情報が、前記流管手段の所定範囲の温度でのヤング率Eの測定値を有し、
前記計器電子回路が、
前記動作温度Tに対するヤング率Eを生成し、
前記の非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成するよう解かれた前記の定義された式において前記の決定されたヤング率Eを使用する
ことである。
【0019】
他の特徴は、前記材料流量出力情報が、前記コリオリ流量計における前記材料の流れに対する非線形の温度補償された質量流量
【0020】
【数2】

【0021】
を含むことである。
他の特徴は、前記コリオリ流量計が、前記動作温度Tを使用して、前記動作温度Tに対応するヤング率Eの値を記憶する前記メモリのロケーションにアクセスし、前記メモリからヤング率Eの前記値を読み出して前記の定義された式を解くのに使用する方法および装置を含むことである。
【0022】
他の特徴は、
前記コリオリ流量計が、前記動作温度Tが前記メモリのロケーションに対応している場合に、前記アクセスしたロケーションからEの値を読み出す方法および装置であって、
前記装置が、受け取ったTの値が前記メモリのロケーションに対応していない場合を決定し、
前記装置が、前記受け取ったTの値に最も近いTの値に対応する前記メモリのロケーションを決定し、
前記装置が、前記受け取ったTの値に最も近いTの値を有する前記ロケーションに対するEの値を内挿することにより、前記受け取ったTの値に対するEの値を決定し、解かれた前記の定義された式においてTの前記内挿された値を使用して、前記の非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成する
方法および装置を含むことである。
【0023】
他の特徴は、
前記計器電子回路が、Tの関数として前記非線形温度補償情報に対する非線形式を記憶し、
前記の定義された式において前記非線形温度補償情報に対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計についての非線形の温度補償された流量出力情報を生成する
ことである。
【0024】
他の特徴は、前記計器電子回路が、Tの関数としてヤング率Eに対する非線形式を記憶し、前記の定義された式においてヤング率Eに対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成することである。
【0025】
他の特徴は、前記非線形の温度補償された流量出力情報を生成する前記方法および装置が、前記材料の流れに対する非線形の温度補償された質量流量
【0026】
【数3】

【0027】
を生成することである。
他の特徴は、
前記非線形温度補償情報が、動作温度範囲に対するヤング率Eの測定値を含み、
前記計器電子回路が、
Eの前記測定値を曲線近似し、Tの関数として表されるEの前記非線形式を取得し、
前記の定義された式においてEに対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する前記非線形の温度補償された流量出力情報を生成する
ことである。
【0028】
他の特徴は、Eの前記測定値が前記計器電子回路のメモリに記憶されることである。
他の特徴は、前記計器電子回路が、前記動作温度Tを受取り、前記動作温度Tを前記式に適用して、前記の定義された材料流量式に使用する前記温度補償情報を生成し、前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成することである。
【0029】
他の特徴は、複数の温度のそれぞれに対するヤング率Eを含むデータを受取り、ヤング率Eの前記値に対するn次曲線近似(nは1より大きい)を実施して、前記温度補償出力情報を決定するのに使用する式を生成する方法および装置である。
【0030】
他の特徴は、前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の2次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された材料流量出力情報を決定するための前記式を生成することである。
【0031】
他の特徴は、前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の3次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された材料流量出力情報を決定するための前記式を生成することである。
【0032】
他の特徴は、前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の4次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された材料流量出力情報を決定するための前記式を生成することである。
【0033】
他の特徴は、前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の5次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された材料流量出力情報を決定するための前記式を生成することである。
【0034】
他の特徴は、
前記コリオリ流量計の流管手段のヤング率Eに対する線形温度補償を含む材料流量出力情報を受取り、前記コリオリ流量計の動作温度Tを受取り、前記コリオリ流量計の前記出力情報から前記線形温度補償を除去して、前記コリオリ流量計に非補償材料出力流量情報を提供し、前記の定義された式を使用して、前記材料に対する情報を前記動作温度Tおよび前記非線形温度補償情報と関連付ける方法および装置であって、
前記装置が、前記の定義された式を解いて、前記動作温度Tでの前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成する方法および装置である。
【0035】
他の特徴は、
前記の記憶された非線形温度補償情報が、動作温度Tの関数として表されるヤング率Eに対する複数の非線形式を含み、
前記計器電子回路が、前記動作温度Tを受取り、前記受取った動作温度Tを使用して、前記複数の非線形式のうちの1つを選択し、前記の定義された式においてEに対する前記の選択された非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流量出力情報を生成する
ことである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を実施するコリオリ流量計を示す。
【図2】異なる等級のステンレス鋼に対するヤング率Eの測定値の曲線を示す。
【図3】1次の線形式および2次の非線形式によって定義されるヤング率Eの測定値の曲線を表す曲線を示す。
【図4】線形式および複数の高次の非線形式によって定義されるヤング率Eの値の曲線を示す。
【図5】線形式および複数の高次の非線形式によって定義されるヤング率Eの値の曲線を示す。
【図6】図1の計器電子回路125の詳細を示す。
【図7】本発明の代替の実施の形態の方法および装置を示す流れ図である。
【図8】本発明の代替の実施の形態の方法および装置を示す流れ図である。
【図9】本発明の代替の実施の形態の方法および装置を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の上記およびその他の利点および特徴は、以下の記述を図面と合わせて読むことにより一層よく理解できるであろう。
図1の説明
図1は、コリオリ流量計100および関連する計器電子回路125を示す。コリオリ流量計100は、リード線114、116、117、118を介して計器電子回路125に接続され、出力経路126を介して密度、質量流量、体積流量、総質量流量、温度およびその他の情報を提供する。当業者には明らかであるが、本発明は、ドライバの数、ピックオフ・センサの数および振動の動作モードにかかわらず、任意の種類のコリオリ流量計によって使用可能である。
【0038】
コリオリ流量計100は、1対のフランジ109、111と、ドライバDと、ピックオフLPO、RPOと、流管101、102とを備える。ドライバDおよびピックオフLPO、RPOは、流管101、102に結合される。
【0039】
フランジ109、111は、マニホールド110、115に取付けられる。マニホールド110、115は、流管101、102に望ましくない振動が生じるのを防ぐよう両マニホールド110、115間に間隔を維持するスペーサ106の両端に取付けられる。測定中の材料を運ぶパイプライン・システム(図示せず)にコリオリ流量計100が挿入されると、材料はフランジ109を通ってコリオリ流量計100に入り、入口側のマニホールド110を通過し、ここで材料の流れは流管101、102の方に向かい、流管101、102を通って出口側のマニホールド115に戻り、ここでフランジ111を通ってコリオリ流量計100から出る。
【0040】
それぞれ曲げ軸W―WおよびW’―W’に関して実質的に同じ質量分布、慣性モーメントおよび弾性係数を有するように、流管101、102は選択され、プレート107A、107Bに適切に取付けられる。流管は、実質的に平行にマニホールドから外に向かって延びる。
【0041】
流管101、102は、それぞれの曲げ軸W、W’に関して逆相で且つ流量計のいわゆる第1の位相ずれ曲げモードで、ドライバDによって駆動される。ドライバDは、流管101に取付けられた磁石と流管102に取付けられた対向するコイルなどの、多くの周知の配置のいずれか1つを備える。両方の管を逆相で振動させるため、交流が対向するコイルを通る。適切な駆動信号が計器電子回路125によって経路116を介してドライバDに印加される。図1の説明はコリオリ流量計の動作の一例として提示されたにすぎず、本発明の教示を限定するものではない。
【0042】
計器電子回路125は、経路114、118上に現れる右の速度信号と左の速度信号を、それぞれピックオフLPO、RPOから受信する。計器電子回路125は、ドライバDに流管101、102を逆相に振動させる駆動信号を経路116上に生成する。本明細書に記述したように本発明は、複数のドライバに対して複数の駆動信号を生成することができる。振動している流管101、102を通る材料の流れは、左のピックオフLPOおよび右のピックオフRPOによって検出されるコリオリ応答を流管に生成する。2つのピックオフからの信号は、材料の流量の大きさに比例する位相差を有する。ピックオフの出力情報は計器電子回路125に導体114、118を介して印加され、計器電子回路25は、受取った情報を処理し、質量流量を含む材料流量に関する出力情報を経路126を介して提供する。
【0043】
熱センサRTDは、流管の温度を検出して、温度情報を経路117を介して計器電子回路に与える。該計器電子回路はこの温度情報を用いて、経路114、118を介してピックオフLPO、RPOから与えられる位相差情報に応答して生成される質量流量出力データを補償する。必要なのは、経路117を介して提供される温度情報を、質量流量の決定の要求精度0.10%となるように、質量流量の決定に利用することである。
【0044】
生成される質量流量が温度に対して線形に変化すると仮定されることが多い。この仮定は限られた温度範囲についてのみ正しい。極低温では、質量流量計算に対する温度変化の影響は線形ではない。極低温に対する線形変化を仮定するコリオリ流量計計算は、所望の精度0.10%ではなく、−190℃では約1.5%だけ誤った質量流量測定値をもたらす。本発明により提供される装置および方法により、コリオリ流量計の出力データは、極低温を含む広い温度範囲にわたって0.10%という許容可能な精度を有することができる。
【0045】
図2の説明
図2は、3つの等級のステンレス鋼、すなわち304、310、316の温度に対するヤング率Eの測定値プロット図である。これらのデータは、1981年3月、「Journal of Applied Physics」においてHM.レッドベターにより発表された論文、「低温でのステンレス鋼の弾性不変性(Stainless Steel Elastic Constance at Low Temperatures)」からのものである。温度は横座標にケルビンおよび摂氏で示されている。縦座標はギガパスカル(1パスカルは1ニュートン/平方メートルに等しい)でのヤング率Eの値を表す。ヤング率Eの温度に対する変化は、316ステンレス鋼については、100kから300kまでの範囲にわたって本質的に線形である。また、ヤング率Eの変化が100kより低い温度では非線形になることも分かる。
【0046】
図2の基となっているヤング率Eの測定値を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
表1は、図2に示す3つのステンレス鋼についての、任意の選択された温度でのヤング率Eの弾性定数の測定値を示す。左の列はKでの温度を表す。右の列はギガパスカルでの複合ヤング率Eを表す。
【0049】
これまで使用可能なコリオリ流量形は、ヤング率Eの、したがって質量流量計算の温度補償を、温度に対するヤング率Eの変化が線形であるとの仮定を用いて実施する。図2は、この仮定が、約100kと300kとの間の限られた範囲の温度においてのみ正しいことを示す。これらの仮定を用いたコリオリ流量計は、極低温については許容不可能な精度を有する出力データを生成する。本発明による方法および装置は、表1および図2のデータに対して高次非線形曲線近似を用いて、15kまでの極低温ばかりでなく300k以上の温度をも含む広い温度範囲にわたって精度の良いヤング率Eの値の非線形式を生成する。
【0050】
質量流量測定
以下、質量流量
【0051】
【数4】

【0052】
の計算に使用するプロセスを記述する。コリオリ流量計に対する質量流量
【0053】
【数5】

【0054】
は、
【0055】
【数6】

【0056】
として表わされる。ただし、
A=計器構造に基づくコリオリ流量計定数
=温度の関数としてのヤング率E
Δt=材料流量期間でのピックオフの測定された時間遅延
Δt=ゼロ材料流量でのピックオフの測定された時間遅延
である。
【0057】
0℃でのヤング率Eは、1の正規化値を有する定数である。任意の温度でのEは、
【0058】
【数7】

【0059】
として表される。この式は、ヤング率Eに対する線形温度補償を提供する。ただし、Tは温度である。
式1の質量流量
【0060】
【数8】

【0061】
は、
【0062】
【数9】

【0063】
のように表される。
ヤング率E0℃の値は定数であるから、項E0℃およびAはそれぞれ定数であり、これらを組み合わせて、計器流量校正係数FCFと呼ぶ。したがって、式3の質量流量
【0064】
【数10】

【0065】
は、
【0066】
【数11】

【0067】
のように表される。
質量流量
【0068】
【数12】

【0069】
に対する線形温度補償を提供する式4の部分は、(1−0.00042T)である。この項は、任意の温度Tでのヤング率Eを表しており、温度に対するヤング率Eの線形変化に対して
【0070】
【数13】

【0071】
の決定を補償する。定数−0.00042は、実験室での測定から導出された測定値であり、図3の曲線301によって表されるTの1次線形値に対する最適適合係数を計算する。この項は、5℃から400℃までの温度の水およびダウサーム(Dow Therm)に対するテストから導出されたものである。
【0072】
この数字の精度のチェックとして、表1に示すヤング率Eに対する測定値を使用して、係数−0.00042の精度を検証することができる。これは、以下のようになされる。
【0073】
【数14】

【0074】
本願では、ヤング率Eの全ての値は正規化されて、0℃のヤング率Eの値に参照される。これは図3に記述されている。式7の上述の値0.00042は、式4、5、6の実験によって導出された値−0.0042により厳密にチェックされる。この値の若干の変動が、コリオリ流量計間の材料変動に起因して予測される。−0.00042という発表された値は、テストされた複数のコリオリ流量計の平均であると考えられる。
【0075】
極低温でのEの決定
コリオリ流量計によって提供される出力情報に対する極低温の影響を評価するためには、表1の実際の測定値に対する式6の線形補償式を使用して、予想ヤング率Eがどれだけかを知ることが有益である。表1の該当する値を内挿することにより、273kでのヤング率Eは、
【0076】
【数15】

【0077】
であることが分かる。これが、0℃でのヤング率Eの値である。
式6を使用すると、ヤング率Eは
【0078】
【数16】

【0079】
として計算される。
−184℃の極低温での材料温度に対する線形補償を有する動作中のコリオリ流量計からの実験データを使用すると、
式8から、−184℃でのEは、
【0080】
【数17】

【0081】
として表される。ただし、196.36GPa=E273kである。
式7を解くと、
【0082】
【数18】

【0083】
が得られる。しかし、表1からの内挿により、89°kでのEの値は、
【0084】
【数19】

【0085】
である。
したがって、ヤング率に対する式8の線形式を使用する従来の測定技術は、−184℃の極低温でのヤング率Eの推定値において、表1の測定値208.6GPaより+1.5%高い211.53GPaというEの値を生成する。これは、以下のように示される。
【0086】
【数20】

【0087】
一定温度の応用分野では、極低温での誤ったEの値を、流量校正係数FCFを調整することによって補償することができる。これは、単に測定値を1.5%だけ低減してコリオリ流量計出力データを修正することによってなされる。しかし、極低温を含む広い温度範囲にわたって0.10%の要求精度を有するヤング率Eの値を決定するためには、本発明による装置およびプロセスが好ましく、また使用できるものである。
【0088】
本発明の装置および方法は、極低温を含む任意の温度においてヤング率Eを正確に決定する。これは、表1のデータに非線形曲線近似を適用することによってなされる。この曲線近似は、極低温で0.10%の要求精度を有する出力データを生成する式を得るのに必要な2次、3次、4次またはそれ以上の高次の式を使用することを含む。
【0089】
図3の説明
ヤング率Eに対する1次および2次の式が図3に示してあり、ここでは、温度は横座標で示され、ヤング率Eは縦座標に正規化したフォーマットで示される。図3のデータは、0℃(273k)でのヤング率Eの値に正規化されている。つまり、1の値を有する縦座標が0℃において横座標と交叉する。0℃(273k)での316ステンレス鋼のヤング率Eの値は、表1の196.36ギガパスカルである。1.04などの、縦座標上のその他の点は、ヤング率Eの値が0℃でのヤング率Eの値の1.04倍である温度に対する曲線上の点において図3の曲線301、302と交叉する。
【0090】
図3は、従来の線形式(曲線301)の使用から得た、および表1のデータの2次曲線近似曲線(302)から得たヤング率Eの式(正規化されたもの)を示す。曲線301は、
【0091】
【数21】

【0092】
で表される直線である。ただし、
M=線301の傾き
T=動作温度
B=0℃の横座標での縦座標上の線301の交叉
である。線301は0℃に対して値1で縦座標と交叉する。
【0093】
Tは動作温度であり、線301の傾きは−0.00042である。線301に対する式は、
【0094】
【数22】

【0095】
で表される。ヤング率Eは、式14に動作温度Tを挿入することによって決定される。異なる温度に対して得られた結果が、直線301を規定する。線301は、約−50℃から+50℃までの範囲において、表1の実際のデータを表す図3のデータ点に一致する。−50℃より低い温度については、線301とプロットされたデータとの間の垂直方向の間隔が、温度の低下とともに増大する誤差を表すことが分かる。−190℃では、プロットされたデータは約1.063の相対ヤング率Eを示し、線301は約1.078の相対ヤング率Eを示す。これが、許容不可能な誤差である。
【0096】
曲線302は、表1のデータの2次曲線近似に対して得られた式である。この式は、
【0097】
【数23】

【0098】
である。
曲線302は、曲線301より広い温度範囲にわたるヤング率Eの値を一層正確に表す曲線である。曲線301は、約−50℃から+50℃の範囲でのみ、ヤング率Eに対する表1のデータ点と一致する。それより低い温度では、曲線301とヤング率Eの測定値を表すデータとの間の差が、−50℃より低い温度から始まる増加分だけ誤りとなる。つまり、温度83kでの温度補償のために曲線301を使用する流量計は、0℃でのヤング率Eの値の約1.078/1.062=1.015だけ、すなわち1.5%倍だけ誤っている出力データを生成することになる。この誤差は大きすぎる。
【0099】
曲線302は非線形であり、50℃から−190℃までの温度範囲にわたって表1のデータと本質的に一致する。その温度補償に曲線302に対する多項式を使用する流量計は、約−190℃までの低さのコリオリ流量計温度について許容可能な精度の出力データを生成する。この範囲にわたって、曲線302に示す式を使用するコリオリ流量計によって生成される流量情報およびその他のデータは、0.10%という要求精度を有する。
【0100】
図4の説明
図4は、表1のデータの線形1次近似に対するヤング率Eの式のグラフ、および非線形の2次、3次、4次近似の式のグラフを含む。
【0101】
曲線401、402、403、404の式は、
【0102】
【数24】

【0103】
で表される。
曲線401は線形1次近似式を表し、−50℃およびそれより高い温度について許容可能誤差を生成する。曲線401は、約−50℃から始まってそれより低い温度で指数関数的に増加する誤差を有する。−250℃以下の極低温では、曲線401の誤差は5%より大きい。
【0104】
曲線402は非線形2次近似式を表し、約−120℃およびそれより高い温度についてかなり正確なデータを生成する。この温度より低くなると、曲線401の誤差は指数関数的に上昇し、約−250℃の温度で3%を越える誤差を生成する。
【0105】
曲線403は非線形3次近似式を表す。この3次近似は、約−200℃まで許容可能な精度を有するデータを生成する。この温度より低くなると、その誤差は許容不可能となり、約−250℃で2%に達する。
【0106】
曲線404は4次近似に対する非線形式を表す。この式は約−200℃まで良いデータを生成し、次いで急激に上昇し、約−250℃で1%を越える誤差を生成する。
実際、所与の応用例で使用される式は、コリオリ流量計を動作させるのが望ましい動作温度によって決定される。複雑さを最小限にとどめるためには、許容可能な精度の出力データを提供する最低次数の式を使用するものと予測される。したがって、1次線形式が0℃およびそれ以上の温度について使用可能である。曲線202の2次近似はやや低い温度に対して使用され、同様に、可能な最良精度の出力データを生成するような3次および4次近似などを使用される。
【0107】
図5の説明
図5は、図4に示す式よりも低い温度に対する非線形温度補償を提供する非線形式を示す。図4に示す式は、−200℃より低い温度では許容不可能な誤差を生成する。これは図3に示してあり、−200℃より低い温度に対するデータ点は、曲線302には含まれていない。同様に、図4に示す非線形式402、403、404は、−200℃より低い温度では許容不可能な誤差を生成する。これらの式に対する−200℃より低い図4のデータ点は、許容不可能な誤差を表している。
【0108】
しかし、コリオリ流量計の全ての応用例のうちの99.9%は、−200℃より大きい(高い)動作温度を有する。したがって、式402、403、404は、コリオリ流量計の全応用例のうちの99.9%について許容可能な精度の非線形温度補償を提供するのに使用可能である。使用される特定の式は、それぞれの応用例に対する動作温度Tに依存する。図5に示す式は、−213℃より低い温度に対して必要となるだけである。これは、液体水素、ヘリウム、ネオンを使用する応用例を含む。これらの応用例は、コリオリ流量計の全ての応用例の0.1%を表すにすぎない。図5に示す曲線501および502は、左側の−273℃から右側の+200℃までの範囲についてEの値を表す。図5に示す曲線は2つのセグメントを有する。第1のセグメントは502であり、−273℃から−213℃までの温度範囲を含む。第2のセグメントは501であり、−213℃から右の200℃までの温度範囲を含む。セグメント502は、導出された3次式
【0109】
【数25】

【0110】
を表す。この式は、−273℃から−213℃までの温度範囲に対するEの値を表す。この温度範囲に対する表1のデータ点は、セグメント502に対する式を導出した曲線近似操作に使用されたので、曲線セグメント502はこの温度範囲におけるヤング率Eの値の正確な表示である。
【0111】
曲線セグメント501は、−213℃から+200℃までの範囲のデータ点をカバーする。これらのデータ点の曲線近似に含まれる非線形4次式が、図5の右側に示され、これは図4に示す曲線404についての式と同じである。曲線セグメント501、502は、−273℃から+200℃までの全範囲にわたるヤング率Eの補償を正確な表示を提供する。使用の際、コリオリ流量計の動作温度Tの値が決定される。Tの値が−273℃から−213℃の範囲にある場合、セグメント502の3次式が使用される。Tの値が−213℃またはそれより高い範囲にわたる場合は、曲線セグメント501の4次式が使用される。これら2つの曲線セグメントにより、ヤング率Eの温度補償値が、−273℃から+200℃までの温度範囲について約0.10%を越えない誤差で得られる。これは、曲線セグメント501、502に対する式にTの値を代入し、得られた結果を表1のデータと比較することにより、図4の場合と同様の方式で検証される。
【0112】
図5の曲線の使用は、計器電子回路125が、曲線セグメント501、502についての式を記憶すること、および、コリオリ流量計の動作温度Tを決定して、決定した動作温度Tに対する非線形温度補償された質量流量
【0113】
【数26】

【0114】
の生成には、記憶した2つの式のうちのどちらを使用すべきか選択することを必要とする。
図6の説明
図6は、図1に示す計器電子回路要素125の更なる詳細を示す。図6には、計器電子回路125が、プロセッサ608、読出し専用メモリ(ROM)609、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)610、A/Dコンバータ601、603、D/Aコンバータ602を備えるものと示されている。A/Dコンバータ601は、経路114を介して左のピックオフLPOから、また経路118を介して右のピックオフRPOから信号を受信する。A/Dコンバータ601は、これらの信号をアナログからディジタルに変換し、その結果生じたディジタル情報を経路604を介してプロセッサ608へ送る。A/Dコンバータ603は、温度情報をRTD要素から経路117を介して受信し、この情報をアナログからディジタルに変換し、ディジタル出力を経路607を介してプロセッサ608へ送る。D/Aコンバータ602は、ディジタル駆動信号を経路606を介してプロセッサ608から受信し、それをアナログに変換し、アナログ駆動信号を経路116を介してドライバDに与えて流管101、102を逆相に振動させる。
【0115】
プロセッサ608は、計器電子回路125の機能を実施するために必要な、マイクロ・プロセッサ、プロセッサ・アレイまたは任意の処理機能を備えることができる。プロセッサ608は、経路611を介して、プロセッサ608がその機能を実施するために必要とする永久データおよびプログラミング情報を記憶するROM609に接続される。RAM610は、プロセッサ608がその機能を実施するために必要とするプログラム情報、揮発性データおよびその他の揮発性情報を含む揮発性情報を記憶する複数のセグメントを有する。この情報は、セグメント615に記憶されたΔtおよびΔt、セグメント612に記憶された
【0116】
【数27】

【0117】
の式の情報、セグメント613に記憶されたヤング率Eの測定値、セグメント614に記憶された、ヤング率Eから導出された非線形式、セグメント617に記憶された動作温度T、及び、セグメント618に記憶された流量校正係数FCFを含む。
【0118】
本発明による方法および装置は多くの代替方式により機能することができるが、特に、例示する少なくとも3つの可能な代替の実施形態がある。後に図7で記述する第1の実施形態では、表1に示すEの測定値を記憶し、Tの関数としてヤング率Eの式を導出するため、曲線近似操作において使用する。この場合、Eの測定値をセグメント613に記憶し、Eに対する1つまたは複数の非線形式を記憶するセグメント614と結合して使用する。図8に示す代替応用例では、表1に示す測定データの曲線近似を使用せず、その代りに、セグメント613に記憶されたデータが、式1に使用するEの値に対しルックアップテーブルに基づいて使用される。セグメント613の記憶データに明示的に含まれていない中間温度に対するヤング率Eを決定するために、内挿が用いられる。図9に示す代替の形態では、セグメント612および613に記憶されたデータは、既存のコリオリ流量計の線形の補償された出力データに適用される曲線近似操作に使用され、そこでは、生成された質量流量を補正し、補正された非線形の温度補償された質量流量が提供される。その他の応用例においては、セグメント613に記憶されたEの測定値は必要とされず、その代り、使用すべき適用可能なEの非線形式を流量計から独立に導出してセグメント614に記憶する。次いで、この導出された方程式または式を上述のように使用して温度補償された質量流量を導出する。
【0119】
プロセッサ608は、コリオリ流量計の動作温度に対するヤング率Eの情報の生成や、この生成されたヤング率Eの情報を使用しての質量流量の決定などの必要な機能を実施するため、ROM609およびRAM610を含む接続された要素と相互作用する。その結果プロセッサ608によって生成された出力情報は、経路126を介して、この出力情報の受取りに応答して所要のシステム機能を実施するデータ利用回路(図示せず)に与えられる。
【0120】
これまで、極低温を含む低い温度までの広い温度範囲にわたるヤング率Eの正確な値を提供するために式1のEの値として使用できる式を生成するよう、表1に示す測定されたヤング率E情報が非線形曲線近似当てはめをどう受けるかについて記述してきた。表1に示すデータを、非線形曲線近似操作によって代数形式に変換する必要はない。その代りに、表1に示すデータは、式1に使用するヤング率Eの情報を提供するよう、テーブル参照に基づいて使用される。この表1に示す情報を、表1に具体的には示していない測定温度に使用することもできる。これは、測定値よりも高いおよび低い温度でのヤング率Eの値、およびこれらの温度でのEの値を使用する内挿のプロセスを伴う。次いで、測定温度に対するヤング率Eが、隣接する高い温度と低い温度との間の測定温度を内挿することによって得られる。こうして、40kおよび60kの温度の316鋼に対するヤング率Eが表1に示される。動作温度が50kの場合、温度50kに対するヤング率Eは、60kに対するEの値と40kに対するEの値の間の差を決定し、次いでこの差の2分の1を40kに対するEの値に加算して50kに対するEの正確な値に達する外挿によって得られる。
【0121】
図7の説明
図7は、本発明の可能な例示の第1の実施の形態を実施する方法および装置を説明している。ステップ701では、表1に示すデータが当該温度範囲について測定され、RAM610に記録される。このデータは、ステップ703において、プロセッサ608により、ステップ701のヤング率Eの測定値に対する曲線近似操作を受ける。ステップ703のデータは、温度の関数としてヤング率Eに対する非線形式を導出するため、ステップ706で使用される。温度はステップ708で読まれる。ステップ710において、Eに対する非線形式が、温度補償質量流量を導出するのに使用される
【0122】
【数28】

【0123】
に挿入される。ステップ712において、ステップ710で示す式を解くことによって質量流量が決定され、ステップ714において、計器電子回路125は、導出された温度補償質量流量を経路126を介して利用回路(図示せず)に出力する。所望ならば、ステップ710で使用するためRAM610に記憶されている導出された式に対して、オフラインでステップ701、703を実施することもできる。
【0124】
図8の説明
図8は、曲線近似を使用せず、その代りに、RAM610のセグメント613に記憶されたデータに対してテーブル参照に基づいて、適用可能なヤング率Eを導出する方法および装置を示す。このプロセスはステップ801から開始し、ここでは、当該温度範囲にわたる表1に示すEの個別の測定値が、RAM610によって受取られ、またはそこに記録される。温度はステップ803で読まれる。ステップ803の温度は、ステップ701によって記録されたデータにアクセスするため使用される。この温度が表1に示す記憶された温度と一致すると、適用可能なヤング率Eが直接決定される。ステップ803の温度が表1に示す記憶された温度に正確には一致しない場合は、内挿プロセスがプロセッサ608によって使用されて、適用可能なヤング率Eが決定される。ステップ806で決定されたヤング率Eは、ステップ808に示す
【0125】
【数29】

【0126】
質量流量式に挿入されたものである。ステップ808の式はステップ810で解かれ、温度補償された質量流量が導出される。この温度補償された質量流量は、ステップ812おいて、計器電子回路によって経路126を介して利用回路(図示せず)に出力される。
【0127】
図9の説明
図9は、既存のコリオリ流量計に対する線形の補償された質量流量を受取って処理し、非線形の温度補償された質量流量を導出することによる方法および装置を開示する。このプロセスはステップ901から開始し、ここで、表1のデータがRAMセグメント613に入力される。次いで、このデータは、ステップ903において、プロセッサ608による曲線近似操作を受け、ステップ906において温度Tの関数としてEに対する非線形式が導出される。温度Tは、ステップ908においてRAMセグメント617から読み出される。流量計の線形の補償された質量流量出力は、ステップ911で受取られる。ステップ913において、ステップ911の補償された質量流量が、プロセッサ608による処理を受け、ここで、流量計に対する補償されない質量流量を決定するよう、流量計の線形補償が除去される。ステップ906で導出された線形でない式は、温度補償を提供するようステップ19の質量流量式に挿入される。ステップ917においては、ステップ915の質量流量式が解かれて、コリオリ流量計に対する温度補償された質量流量が導出される。次いで、この温度補償された質量流量は、ステップ919において、コリオリ流量計によって経路126を介して利用回路(図示せず)に出力される。
【0128】
線形補償は除去され、非線形補償が以下の処理ステップおよび式、すなわち
【0129】
【数30】

【0130】
を使用して加えられる。
上記において、
【0131】
【数31】

【0132】
は流量計の線形補償された
【0133】
【数32】

【0134】
であり、ENLは使用されるべき曲線近似非線形式であり、(1−0.00042T)は除去されるべき線形補償である。
明らかに理解されるように、特許請求された発明は、好ましい実施の形態の記述のみに限定されるものではなく、発明概念の範囲および趣旨内での他の修正および代替形態を包含するものである。たとえば、本発明は二重の彎曲した管のコリオリ流量計の一部を備えるものとして開示されたが、理解されるように、本発明はこれに限定されるものではなく、直線状、不規則または湾曲状の構成の単一の管を含む、その他の種類のコリオリ流量計との使用も可能である。また、ここで示されたEの補正された値は、密度の決定その他の流量計計算にも使用可能である。また、表1のデータは、RAM610に記憶される必要はなく、オフラインで記憶しておいて必要に応じて検索ベースで使用され得る。表1のデータの曲線近似は、オフラインまたはオンラインで実施可能である。曲線近似は周知であり、マイクロソフト・エクセルのソフトウェアによって実施可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された流体流量出力情報を導出するための流体の流れを有する前記コリオリ流量計を備える装置を操作する方法であって、
前記コリオリ流量計の流管手段の動作温度Tを測定するステップと、
流管の構成材料の所定の温度範囲に対するヤング率Eの測定値を含む非線形温度補償情報を記憶するステップと、
前記流体についての情報を前記動作温度Tおよび前記非線形温度補償情報と関連付ける式を定義するステップと、
前記定義された式を解いて、前記動作温度Tでの前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された流体流量出力情報であって、前記流体の流れに対する非線形の温度補償された質量流量
【数1】

を含む流体流量出力情報を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
測定された前記動作温度Tを前記コリオリ流量計のメモリに記憶するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非線形温度補償情報を前記メモリに記憶するステップと、
前記動作温度Tでの前記コリオリ流量計に対する前記非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するよう、前記の定義された式での使用のために前記メモリから、前記流管の構成材料に対する前記非線形温度補償情報を読み出すステップと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記非線形温度補償情報をメモリに記憶する前記ステップが、前記流管の構成材料の所定範囲の温度に対するヤング率Eの測定値を記憶するステップを含み、
前記方法が、
前記動作温度Tに対するEを決定するステップと、
前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するために解いた前記の定義された式で、前記決定されたEを使用するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の定義された式を解く前記ステップが、前記コリオリ流量計の材料流量に対する非線形の温度補償された質量流量
【数2】

を決定するステップを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記の決定されたEを使用する前記ステップが、
前記動作温度Tを使用して、前記動作温度Tに対応するEの値を記憶する前記メモリのロケーションにアクセスするステップと、
前記メモリからEの前記値を読み出して、前記の定義された式を解くのに使用するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
使用して読み出す前記ステップが、
前記動作温度Tが前記メモリのロケーションに対応している場合に、前記のアクセスしたロケーションからEの値を読み出すステップを含み、
前記方法が、
受け取ったTの値が前記メモリのロケーションに対応していないことを決定するステップと、
前記受け取ったTの値に最も近いTの値に対応する前記メモリのロケーションを決定するステップと、
前記受け取ったTの値に最も近いTの値を有する前記ロケーションに対するEの値を内挿することにより、前記受け取ったTの値に対するEの値を決定するステップと、
前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するように解かれた前記の定義された式でTの前記内挿した値を使用するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
解く前記ステップが、
Tに応じて、前記流管の構成材料に対する前記非線形温度補償情報に対する非線形式を取得するステップと、
前記の定義された式において前記非線形温度補償情報に対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計についての前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
取得して使用する前記ステップが、
Tの関数としてヤング率Eに対する非線形式を取得するステップと、
前記の定義された式においてヤング率Eに対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された材料流量出力情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記の非線形の温度補償された流量出力情報を決定する前記ステップが、前記流体流量に対する非線形の温度補償された質量流量
【数3】

を決定するステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記流管の構成材料に対する前記非線形温度補償情報が、前記流管手段の複数の測定された動作温度Tでのヤング率Eの測定値を含み、
前記方法が、
Eの前記測定値を曲線近似し、Tの関数として表されるEの前記非線形式を取得するステップと、
前記の定義された式においてヤング率Eに対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計についての前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
Eの前記測定値がコリオリ流量計のメモリに記憶されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記動作温度Tを受け取るステップと、
前記動作温度Tを前記式に適用して、前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
曲線近似する前記ステップが、ヤング率Eの前記値についてn次曲線近似(ここで、nは1より大きい)を実施して、前記温度補償情報を決定するための式を生成することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
曲線近似する前記ステップが、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するよう前記式において使用するためにヤング率Eの前記値に対して2次曲線近似を実施することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
曲線近似する前記ステップが、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するよう前記式において使用するためにヤング率Eの前記値に対して3次曲線近似を実施することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
曲線近似する前記ステップが、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するよう前記式において使用するためにヤング率Eの前記値に対して4次曲線近似を実施することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
曲線近似する前記ステップが、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するよう前記式において使用するためにヤング率Eの前記値に対して5次曲線近似を実施することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記コリオリ流量計の前記流管の構成材料のヤング率Eに対する線形温度補償を具現する流体流量出力情報を受け取るステップと、
前記コリオリ流量計の動作温度Tを受け取るステップと、
前記コリオリ流量計の前記出力情報から前記線形温度補償を除去して、前記コリオリ流量計に非補償の流体流量出力情報を提供するステップと、
前記流体に対する情報を、前記動作温度Tと前記流管の構成材料に対する前記非線形温度補償情報とに関連付ける前記の定義された式を使用するステップと、
前記の定義された式を解いて、前記動作温度Tでの前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記流管の構成材料に対する前記の記憶された非線形温度補償情報が、動作温度Tの関数として表されるヤング率Eに対する複数の非線形式を含み、
前記方法が、
前記動作温度Tを受け取るステップと、
前記の受取った動作温度Tを使用して、前記複数の非線形式のうちの1つを選択するステップと、
前記の定義された式においてヤング率Eに対する前記の選択された非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
流体流量を受け取りながら振動させられるようになされた流管手段(102、103)と、前記の振動する流管手段に結合されたピックオフ(RPO、LPO)から信号を受信する計器電子回路(125)とを備え、前記信号が、前記ピックオフが結合されている前記流管手段の2点間の位相差を表示し、前記計器電子回路が温度センサ(RTD)から前記流管手段の動作温度Tを表示する信号を受信するコリオリ流量計において、
前記計器電子回路が、
前記コリオリ流量計における流管の構成材料の所定の温度範囲に対するヤング率Eの測定値を含む非線形温度補償情報を記憶するメモリと、
前記動作温度Tを前記非線形温度補償情報と関連付ける補償装置(608、609、610)と、
前記非線形温度補償情報および前記ピックオフ信号(608)を受け取り、前記流管の構成材料に対する前記非線形温度補償情報を、定義された流体流量式に適用して、前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された流体流量出力情報(714、812、919)であって、前記流体流量の非線形の温度補償された質量流量
【数4】

を含む流体流量出力情報を生成する装置(614)と、
を備えるコリオリ流量計。
【請求項22】
前記動作温度Tを測定して前記計器電子回路のメモリ(617)に記憶することを特徴とする、請求項21に記載のコリオリ流量計。
【請求項23】
複数の動作温度に対する、前記流管の構成材料に対する前記非線形温度補償情報(614)が、前記計器電子回路のメモリに記憶され、
前記計器電子回路が、前記コリオリ流量計についての非線形の温度補償された流体流量出力情報(812)を生成するよう、前記の定義された材料流量式で使用するために、前記メモリから前記動作温度Tに対する前記温度補償情報(803)を読み出すルックアップ装置をさらに備える
ことを特徴とする、請求項22に記載のコリオリ流量計。
【請求項24】
前記非線形温度補償情報が、前記流管手段の所定範囲の温度に対するヤング率Eの測定値(801)を有し、
前記計器電子回路が、
前記動作温度Tに対するヤング率E(806)を生成する装置と、
前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報(812)を生成するよう解かれた前記の定義された式において、前記の決定されたヤング率Eを使用する装置と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項23に記載のコリオリ流量計。
【請求項25】
前記流体流量出力情報が、前記コリオリ流量計における前記流体流量に対する非線形の温度補償された質量流量
【数5】

(810)を含むことを特徴とする、請求項24に記載のコリオリ流量計。
【請求項26】
前記コリオリ流量計が、
前記動作温度Tを使用して、前記動作温度Tに対応するヤング率Eの値を記憶する前記メモリのロケーションにアクセスする装置(610)と、
前記の定義された式を解くのに使用するために、前記メモリからヤング率Eの前記値を読み出す装置(610)と、
を備えることを特徴とする、請求項26に記載のコリオリ流量計。
【請求項27】
前記動作温度Tが前記メモリのロケーションに対応している場合に、前記のアクセスされたロケーションからEの値を読み出す装置(608、610)を備え、
前記装置(608、610)が、受け取ったTの値が前記メモリのロケーションに対応していない場合を決定し、
前記装置(608、610)が、前記受け取ったTの値に最も近いTの値に対応する前記メモリのロケーションを決定し、
前記装置(608、610)が、前記受け取ったTの値に最も近いTの値を有する前記ロケーションに対するEの値を内挿することにより、前記受け取ったTの値に対するEの値を決定し、解かれた前記の定義された式においてTの前記の内挿された値を使用して、前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成する
ことを特徴とする、請求項26記載のコリオリ流量計。
【請求項28】
前記計器電子回路が、
Tの関数として前記非線形温度補償情報に対する非線形式を記憶する装置(706)と、
前記の定義された式において前記非線形温度補償情報に対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計についての非線形の温度補償された流量出力情報を生成する装置(714)と、
を備えることを特徴とする、請求項21に記載のコリオリ流量計。
【請求項29】
前記計器電子回路が、
Tの関数としてヤング率Eに対する非線形式を記憶する前記装置(706)と、
前記の定義された式においてヤング率Eに対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成する装置(710)と、
を備えることを特徴とする、請求項28に記載のコリオリ流量計。
【請求項30】
前記の非線形の温度補償された流量出力情報を生成する前記装置が、前記流体流量に対する非線形の温度補償された質量流量
【数6】

を生成する装置(712)を備えることを特徴とする、請求項29に記載のコリオリ流量計。
【請求項31】
前記非線形温度補償情報が、動作温度範囲に対するヤング率E(710)の測定値を含み、
前記計器電子回路が、
Eの前記測定値を曲線近似し、Tの関数として表されるEの前記非線形式を取得する装置(706)と、
前記の定義された式においてEに対する前記非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成する装置(714)と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項21に記載のコリオリ流量計。
【請求項32】
Eの前記測定値が前記計器電子回路のメモリ(613)に記憶されることを特徴とする、請求項31に記載のコリオリ流量計。
【請求項33】
前記動作温度Tを受取り、前記動作温度Tを前記式(710)に適用して、前記の定義された式に使用する前記温度補償情報を生成し、前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された流体流量出力情報(714)を生成する、前記計器電子回路における回路をさらに備える、請求項31に記載の計器電子回路。
【請求項34】
複数の温度のそれぞれについてのヤング率Eを含むデータを受取り、ヤング率Eの前記値についてn次曲線近似を実施して(ここで、nは1より大きい)、前記温度補償出力情報(714)を決定するのに使用する式を生成する装置(701、703)をさらに備える、請求項31に記載の計器電子回路。
【請求項35】
前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の2次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するための前記式を生成する回路(706)を備える、請求項31に記載の計器電子回路。
【請求項36】
前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の3次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するための前記式を生成する回路(706)を備える、請求項31に記載の計器電子回路。
【請求項37】
前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の4次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するための前記式を生成する回路(706)を備える、請求項31に記載の計器電子回路。
【請求項38】
前記計器電子回路が、ヤング率Eの前記値の5次形状近似を生成して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を決定するための前記式を生成する回路(706)を備える、請求項31に記載の計器電子回路。
【請求項39】
前記コリオリ流量計の流管手段を具体化する材料のヤング率Eに対する線形温度補償を含む流体流量出力情報を受け取る装置(901)と、
前記コリオリ流量計の動作温度Tを受け取る装置(908)と、
前記コリオリ流量計の前記出力情報から前記線形温度補償を除去して、前記コリオリ流量計に対する非補償流体流量出力流量情報(915)を提供する装置(913)と、
前記流体に対する情報を前記動作温度Tと前記非線形温度補償情報とに関連付ける前記の定義された式を使用する装置(917)と、
前記の定義された式を解いて、前記動作温度Tでの前記コリオリ流量計に対する非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成する前記装置(917)と、
をさらに備える、請求項21に記載のコリオリ流量計。
【請求項40】
前記の記憶された非線形温度補償情報が、動作温度Tの関数として表されるヤング率Eに関する複数の非線形式を含み、
前記計器電子回路が、
前記動作温度Tを受け取る装置(908)と、
前記受取った動作温度Tを使用して、前記複数の非線形式のうちの1つを選択する装置(911、913)と、
前記の定義された式においてEに対する前記選択された非線形式を使用して、前記コリオリ流量計に対する前記の非線形の温度補償された流体流量出力情報を生成する装置(917、919)と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項21に記載のコリオリ流量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−191315(P2011−191315A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108269(P2011−108269)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【分割の表示】特願2001−569230(P2001−569230)の分割
【原出願日】平成13年1月22日(2001.1.22)
【出願人】(592225504)マイクロ・モーション・インコーポレーテッド (95)
【氏名又は名称原語表記】Micro Motion Incorporated
【Fターム(参考)】