説明

コリンエステラーゼ阻害剤を用いる睡眠障害の処置

本発明は、コリンエステラーゼ阻害剤を投与することによる、そして特に、ガランタミンもしくはその製薬学的に許容しうる塩を投与することによる睡眠障害の処置に関する。また特に、ニコチン性受容体で活性でありそしてブチルコリンエステラーゼによりもアセチルコリンエステラーゼに対して選択的であるコリンエステラーゼ阻害剤を睡眠障害を処置することに使用する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願へのクロスリファレンス】
【0001】
本願は、2003年8月13日に出願された米国仮出願第60/494,712号からの優先権を請求し、その内容はそれらの全部が引用することにより本明細書に組み込まれる。
[連邦政府による支援を受けた研究もしくは開発に関する記述]
以下に記述する本発明の研究および開発は、連邦政府による支援を受けなかった。
【技術分野】
【0002】
本発明は、コリンエステラーゼ阻害剤を投与することによる睡眠障害の処置に関する。特に、ニコチン性受容体で活性でありそしてブチリルコリンエステラーゼに対するよりもアセチルコリンエステラーゼに対して選択的であるコリンエステラーゼ阻害剤を睡眠障害を処置することに使用する。
【背景技術】
【0003】
第三級アルカロイドであるガランタミン(すぐ下に示す構造)は、コーカサススノードロップのガランサス・ウォロノウィ(Galanthus woronowi)の球根から単離されている(非特許文献1)。それはまた、一般的なスノードロップのガランサス・ニヴァリス(Galanthus nivalis)からも単離されている(非特許文献2)。
【0004】
【化1】

【0005】
ガランタミンの化学名は、[4aS−(4aα,6β,8aR)]−4a,5,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−3−メトキシ−11−メチル−6H−ベンゾフロ[3a,3,2−ef][2]ベンズアゼピン−6−オールであり;基本化合物およびその臭化水素酸塩の両方とも左旋性である。ガランタミンは、ニコチン性受容体部位で活性であるがムスカリン性受容体部位上ではそうでない周知のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。それはヒトにおける血液脳関門を通過することができ、そして治療的に有効な投薬量で重い副作用を与えない。
【0006】
アセチルコリンは睡眠において役割を果たすことが知られており、そしてREM睡眠の調節において一層特別な役割を有し得る(非特許文献3)。さらに、前脳基底部の高密度のコリン作動性神経支配に基づき、アセチルコリンは睡眠の開始および維持においても役割を果たすと考えられる(非特許文献4)。睡眠へのアセチルコリンの影響は、アルツハイマー病のようなアセチルコリン欠乏症の症状の下でもしくはニコチンへの被爆後のようなコリン作動性刺激の症状の下で見られることができる。
【0007】
睡眠異常は、過度の眠気もしくは不眠の申し立てと通常は関連する睡眠の慢性障害である。これらの睡眠異常のあるものは日周期の乱れ(例えば時差ぼけもしくは交代勤務)に起因し得るが、あるものは加速的事象(precipitating event)なしに眠りに落ちるか、眠ったままであるかもしくは眠りから起きる能力に関連する内因性障害に起因する。睡眠異常の他の形態は、睡眠を妨げる外部要因(すなわち、騒音、催眠剤依存性、高地)に関連する(非特許文献5)。
【0008】
回復推進睡眠の主要な特徴の1つは、REM睡眠の適切な期間を包含する睡眠構造の維持の必要性である。睡眠異常は、正常な睡眠構造の崩壊およびREM睡眠の喪失を特徴とすることが多い。皮質アセチルコリンは、覚醒時間中にそしてREM睡眠中に最大であることが報告されている(非特許文献6)。これは、減少したそして/もしくは断片化した睡眠を包含する崩壊した睡眠構造を特徴とする慢性睡眠障害が、アセチルコリンのCNSレベルを増加する薬剤による処置が可能であり得ることを示唆する。
【0009】
ガランタミンは、特許文献1においていびきおよび無呼吸のような睡眠呼吸障害の処置について記述されている。
【0010】
ガランタミンは、東欧圏諸国では麻酔実務におけるクラーレ拮抗剤として広く(非特許文献7による総説を参照)そしてまた西欧諸国でも実験的に(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10を参照)使用されている。
【0011】
ガランタミンは、顔面神経痛のような適応症に対して1970年代からドイツおよびオーストリアにおいてニヴァリン(Nivalin)TMとしてWaldheim(Sanochemia Gruppe)により市販されている。
【0012】
アルツハイマー認知症(AD)および関連認知症を処置する薬剤の製造のためのガランタミンもしくはアナログもしくはその製薬学的に許容しうる酸付加塩の使用は、特許文献2(特許文献3)に記述されている。この特許は、ガランタミンの可能な投与形態物の一般的な開示を有するのみである。
【0013】
特許文献4は、覚醒を増す量で投与する場合の、時差ぼけの処置のためのガランタミンを請求する。
【0014】
アルコール依存症を処置するためのガランタミンの使用および経皮治療システム(TTS)もしくはパッチによる投与は、特許文献5および特許文献6に開示される。同様に、経皮治療システム(TTS)もしくはパッチによる投与を用いるニコチン依存症の処置におけるガランタミンの使用は、特許文献7に開示される。神経ガス中毒の処置は、特許文献8に開示される。
【0015】
E.Snorrasonによる多数の出願は、躁病(特許文献9)、慢性疲労症候群(CFS)(特許文献10;特許文献11)、ベンゾジアゼピン処置の悪影響(特許文献12)を処置することおよび統合失調症の処置(特許文献13)用の薬剤の製造のためのガランタミン、そのアナログおよびその製薬学的に許容しうる塩の使用を開示する。これらの出願および特許において、例えば特許文献11において、ガランタミン臭化水素酸塩の多数の即時放出錠剤処方が示される。
【0016】
特許文献14は、直接圧縮により製造されるガランタミンの速溶性もしくは即時放出錠剤を開示する。これらおよび他の当該技術分野で既知の即時放出錠剤は、8時間の間隔で毎日2回(b.i.d.)もしくは3回(t.i.d.)投与される。有効成分の血漿レベルは、典型的に、急に上昇し(早いTmaxおよび比較的高いCmax)そして迅速に減少する(約6〜8時間後に深いトラフ(deep trough))。
【特許文献1】WO−97/22339明細書
【特許文献2】EP−0,236,684明細書
【特許文献3】US−4,663,318明細書
【特許文献4】米国特許第5,585,375号明細書
【特許文献5】EP−0,449,247明細書
【特許文献6】WO−94/16707明細書
【特許文献7】WO−94/16708明細書
【特許文献8】DE−4,342,174明細書
【特許文献9】US−5,336,675明細書
【特許文献10】EP−0,515,302明細書
【特許文献11】US−5,312,817明細書
【特許文献12】EP−0,515,301明細書
【特許文献13】US−5,633,238明細書
【特許文献14】WO−97/47304明細書
【非特許文献1】Proskurnina,N.F.and Yakoleva,A.P.1952,Alkaloids of Galanthus woronowi.II.Isolation of a new alkaloid.(ロシア語)Zh.Obschchei Khim.(J.Gen.Chem.)22,1899−1902
【非特許文献2】Boit,1954
【非特許文献3】Shiromani et al.Annu.Rev Pharmacol Toxicol.1987;27:137−56
【非特許文献4】Donnet A,Encephale.1993 May−Jun;19(3):237−40
【非特許文献5】International Classification of Sleep Disorders,1990
【非特許文献6】Vazquez J,Am J Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.2001 Feb;280(2):R598−601
【非特許文献7】Paskow、1986
【非特許文献8】Bretagne and Valetta,1965
【非特許文献9】Wislicki,1967
【非特許文献10】Consanitis,1971
【発明の開示】
【0017】
[発明の要約]
本発明は、有効量の製薬学的に許容しうるコリンエステラーゼ阻害剤もしくはそのプロドラッグを処置を必要とする患者に投与することを含んでなる、睡眠障害の処置の方法に関する。
[発明の詳細な記述]
本明細書において用いる場合、睡眠障害という用語は睡眠異常を意味する。特に、該方法は、ICSD−International classification of sleep disorders:Diagnostic and coding manual.Diagnostic Classification Steering Committee,Thorpy MJ,Chairman.Rochester,Minnesota:American Sleep Disorders Association,1990において分類されそして記述されている睡眠異常の処置に関する。本文脈において、睡眠障害という用語には、いびきもしくは睡眠時無呼吸のような睡眠呼吸障害、または時差ぼけもしくはアルコール依存症と関連する睡眠障害は包含されない。
【0018】
以下の表は、本発明において特に興味深い睡眠障害を記載する。
【0019】
【表1】

【0020】
特に、本発明は有効量の製薬学的に許容しうるコリンエステラーゼ阻害剤もしくはそのプロドラッグを処置を必要とする患者に投与することを含んでなる、睡眠障害の処置の方法に関し、ここで、該睡眠障害は不眠症、相遅滞(phase−lagging)よりなる群から選択される。
【0021】
本発明において、特定のコリンエステラーゼ阻害剤はガランタミンおよびガランタミン誘導体、ノルガランタミンおよびノルガランタミン誘導体、エピガランタミンおよびエピガランタミン誘導体、フィゾスチグミン、タクリンおよびタクリンアナログ、ファシキュリン、メトリホネート、ヘプチル−フィゾスチグミン、ノルピリドスチグミン、ノルネオスチグミンおよびフペルジン、エプチスチグミン(eptistigmine)、もしくはそのプロドラッグよりなる群から選択される。
【0022】
本発明に特に有益であるのは、ニコチン性受容体部位で実質的に選択的に活性であるコリンエステラーゼ阻害剤である。
【0023】
また、特に有用であるのは、ブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも10倍の選択性を有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。特に好ましいのは、ブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも20倍の選択性を有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。最も好ましいのは、ブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも40倍の選択性を有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。
【0024】
また、本発明において有用であるのは、健常成人への10mgの量での投与の際に、該成人からの赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼ活性の少なくとも40%の阻害をもたらし且つそこでブチリルコリンエステラーゼの実質的な阻害をもたらさないアセチルコリンエステラーゼ阻害剤ある。好ましくは、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、成人に10mgの量で投与した場合に、該成人からの赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼ活性の少なくとも50%の阻害をもたらすものである。
【0025】
本発明において有用なコリンエステラーゼ阻害剤は、ヒトにおける血液脳関門を通過することができるものである。好ましいのは、ヒトへの投与の際に該ヒトにおけるコルチゾールレベルを増加するものである。
【0026】
本発明において好ましいコリンエステラーゼ阻害剤は、ガランタミンまたはその塩、誘導体もしくは機能的同等物である。
【0027】
製薬学的に許容しうるコリンエステラーゼ阻害剤は、例えば、ガランタミンおよびガランタミン誘導体、ノルガランタミンおよびノルガランタミン誘導体、エピガランタミンおよびエピガランタミン誘導体、フィゾスチグミン、タクリンおよびタクリンアナログ、ファシクリン(fasciculin)、メトリホネート、ヘプチル−フィゾスチグミン、ノルピリドスチグミン、ノルネオスチグミンおよびフペルジン、もしくはそのプロドラッグである。コリンエステラーゼ阻害剤のあるものは、短い半減期などのようなある種の望ましくない性質を示す。ある場合には、そのような欠陥は、水における化合物の溶解性を高める(従って、注射溶液として化合物を調合することを可能にする)ための親水基の導入、血液脳関門を通過する化合物の能力を高めるためのエステル基のような親油基の導入のような、プロドラッグ構築のための周知の原則に従って、活性化合物のプロドラッグに化合物を改変することにより補うことができる。本発明に従って用いる現在好ましいコリンエステラーゼ阻害剤は、ガランタミンである。ガランタミンは、ニコチン性受容体部位でのみ実質的に作用する、すなわち、ブチリルコリンエステラーゼとは対照的にアセチルコリンエステラーゼに対する高い選択性を有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤として知られている。ガランタミンおよびガランタミン誘導体のさらに詳細な説明を以下に示す:
薬物動態学的研究は、最近、Thomsen,T.およびH.Kewitz.(Selective Inhibition of Human Acetylcholinesterase by Galantamine in vitro and in vivo.Life Sciences,Vol 46,pp.1553−1558(1990)、および同じ著者による、Galantamine Hydrobromide in a Long−Term Treatment of Alzheimer’s Disease.Dementia 1990,1:46−51)により行われている。
【0028】
ガランタミンが有する優れたそして驚くべき影響は、特性のその特異的プロフィールに起因すると考えられ、その既知のもののうち最も重要であるのは、以下のように要約することができる:
・ヒトにおける血液脳関門を通過する能力、
・ブチリルコリンエステラーゼとは対照的にアセチルコリンエステラーゼに対する高い選択性(Thomsen et al.によるインビトロ方法(以下参照)により測定した場合に約50倍)、
・少なくとも4時間、おそらく少なくとも6時間の有効濃度の期間を保証するために十分な排出半減期、
・治療濃度における比較的低い毒性、
・末梢副作用を低く保つために十分に低い用量で有効である能力。
【0029】
ガランタミンは、本発明の処置のための非常に望ましい薬剤であると考えられるはずである:ガランタミン臭化水素酸塩の排出半減期は4時間を越え;それは実質的に完全な腎排出を示す。代謝産物およびガランタミンの完全な排出は、72時間のうちに起こる。ガランタミンは麻酔学における抗クラーレ薬として約1958年以来東欧圏諸国において使用されており、そしてかなり多数の患者が肝臓毒性もしくは重度の副作用の報告症例なしにガランタミンで処置されている。第三級アミンでありそして脂溶性であるガランタミン臭化水素酸塩は、腸から迅速に吸収され、そして容易に血液脳関門を横断する。コリン作動性クリーゼに関連するもの以外の一般的な副作用は、吐き気もしくは嘔吐のいずれか、および軽い頭痛である。しかしながら、特に上記のような低用量で投薬を開始するように気を付ける場合、これらの副作用は稀である。
【0030】
ガランタミンは、酸付加塩、例えば臭化水素酸塩の形態で経口で好適に投与されることができるが、以下に記述するような、他の投与形態が可能であり、そして現実的である。
【0031】
ガランタミンは、ブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対するその高い選択性から明らかなように、ムスカリン性受容体部位での活性に実質的に影響がないので、それはブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対する低い選択性を有するコリンエステラーゼ阻害剤と関連する心臓への重度であることが多い副作用を引き起こさない。ガランタミンは、Thomsen,Life Sciences,Vol 46,pp.1553−1558(1990)により報告されるように、1に対して50のブチリルコリンエステラーゼへの影響に対するアセチルコリンエステラーゼへのインビトロ選択性を有する。
【0032】
上記に示すように、ガランタミンの量は、好ましくは、最初に非常に低い投薬量の効果の観察に基づいて個々に調整される。個人がアセチルコリンエステラーゼ阻害剤にどの程度感受性であるかに関してはかなりの差がある。従って、ガランタミンの量は低い投薬量、例えば1日当たり1mgで、好ましくは5mgで、しかし、必要に応じて、1日当たり0.1mgという低さでさえ開始する処方計画を用いて適当に調整され、該投薬量が最初の2時間以内に患者により良好な耐用性が示される場合、投薬量は例えば1日当たり3〜4回投与される投薬量当たり10mgまでまたはある重症例では3もしくは4回を超えて投与される1日当たり60mg以上まで増加される。
【0033】
睡眠障害を処置するためには、夜間に有効な血漿レベルを達成し、そして日中はレベルを下げることが望まれ得る。患者および介護者の利益のために、毎日1回だけ投与される必要がありそして8時間(夜間)〜16時間(日中)にわたって有効な血漿レベルをもたらす製薬学的投与形態物が非常に望ましい。
【0034】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の全ての種類の生命にかかわる用量依存的副作用のコリン作動性クリーゼは、なんとしても回避されるべきであるので、患者がアセチルコリンエステラーゼ阻害剤に非常に低い感受性を示す場合(この場合、1日当たり200mgのようなより高い用量を用いることができる)を除いて、上記のような低い投薬量で開始すること、そしてさらに1日当たり150mgを越えないこと、好ましくは1日当たり60mgを上回る投薬量を越えないことが推奨される。
【0035】
本発明の処置は、好ましくは、例えば3ヶ月のような、少なくとも2ヶ月間、もしくは症候群が消失するまで継続されるべきである。
【0036】
ガランタミンは、実際に、実施例に示す臨床例から生じるような顕著な結果を与えているものの、ガランタミン、ガランタミン塩およびガランタミン誘導体は、ガランタミン環系の特定の構造のために、顕著な効果にとって決定的な特定の性質を有することを除外することはできないが、ニコチン性受容体部位に対する高い選択性およびインビボで人における血液脳関門を通過する能力のその組み合わせに関してガランタミンの機能的同等物である他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤もまた、睡眠障害に対する効果および診療所における許容性の有用な組み合わせを示すと推測することは理にかなっている。
【0037】
上記のことに従って、ガランタミンの機能的同等物である化合物は、
・Thomsen et al.によるインビトロ方法(以下参照)により測定した場合に、ブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも10倍の選択性、好ましくは少なくとも20倍の選択性、より好ましくは少なくとも40倍の選択性、そして最も好ましくは少なくとも50倍の選択性を保有する、
・インビボでヒトにおける血液脳関門を通過することができる
化合物と本明細書において定義される。
【0038】
上記の定義から理解されるように、化合物はそれが上記の基準a)を満たすかどうかを決定するために明確なそして比較的短時間の試験(以下参照)に供することができる。次に、化合物がインビボでヒトにおける血液脳関門を通過するかどうかの可能性(基準b))をモデルにおいて評価することができる。1つのそのようなモデルは、ラットにインビボでアセチルコリンエステラーゼを与え、そして次に殺し、その際にラット脳のホモジネートをアセチルコリンエステラーゼ活性に関して調べ;次にその結果をアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で処置していないラット脳におけるアセチルコリンエステラーゼ活性と比較する全ラット脳モデルである。別のラットモデルは、処置の前後の同じラットにおけるインビボでの脳脊髄液中のアセチルコリンエステラーゼ活性の測定および比較であることができる。化合物が基準a)を満たし、そして血液脳関門を通過するその可能性が上記のラット脳モデルの1つにおいて立証された場合、それは候補薬剤である。毒性の初期決定は、ヒトにおける任意の効果を評価することができる前に場合において(in cases)必要であり;毒性のそのような初期決定は、それ自体既知である方法で薬理試験により行うことができる。薬理試験の後に、インビボでヒトにおける血液脳関門を通過する候補薬剤の能力を下記の方法により決定することができる。候補薬剤がこの能力を保有することが見出された場合、それは適切な試験(testing proper)に引き継がれることができる。場合により、候補薬剤は、Thomsen et al.により記述されるインビボ選択性試験およびそれがヒトにおけるコルチゾールレベルを増加するかどうかを決定するための試験のような、追加の短時間の試験に供することができる。これらの試験の両方とも、必須の特性であると思われるに違いないことに関して候補薬剤がガランタミンと同等の特性のスペクトルを有するかどうかのさらなる指標を与える。末梢副作用は、毒性が上記の薬理試験により最初に評価されているならば、実験的および倫理的観点から許容しうる、効果が臨床的に試験される場合に評価可能である。睡眠障害への候補薬剤の効果の最終評価に関して、評価の合理的なそして効率的な設計は、1人もしくは数人の患者への初期試験および初期試験が肯定的であれば、上記の最終的な二重盲検試験を含む。試験の全ての明確なそして短時間の特性、および特に初期スクリーニングの明確なインビトロ特性のために、ガランタミンの有用な機能的同等物を同定するための試験系は、当業者の範囲内である妥当なそして厄介でない日常業務である。
【0039】
本発明の方法において有用であるガランタミンの機能的同等物および誘導体は、ガランタミンについて本明細書に記載するのと同じ方法で用いられる。そのような機能的同等物もしくは誘導体の量が本明細書に言及される場合はいつでも、該量はアセチルコリンエステラーゼの阻害に関するガランタミン臭化水素酸塩の等効能量として、すなわち、Thomsen et alによる上記のインビトロ試験において該機能的同等物もしくは誘導体がもたらすのと同じアセチルコリンエステラーゼ阻害をもたらすガランタミン臭化水素酸塩の量として示される。
【0040】
ブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の選択性は、上記の論文Selective Inhibition of Human Acetylcholinesterase by Galantamine in vitro and in vivo,Life Sciences,Vol 46,pp.1553−1558(1990)およびT.Thomsen,H.Kewitz and O.Pleul,J.Clin.Chem.Clin.Biochem.26 469−475(1988)にThomsenおよびKewitzにより記述されているようなインビトロおよびインビボ試験により決定することができる。Life Sciences,Vol 46,pp 1553−1558(1990)にThomsenおよびKewitzにより記述されているインビトロ試験は、基準a)と関連して上記にそしてブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対する選択性への数値(10倍、20倍、40倍)の言及が請求項においてなされる場合はいつでも参照されるものである。ThomsenおよびKewitzによれば、ガランタミン臭化水素酸塩は、記述する条件下で試験した場合に、50倍の選択性を示し;この選択性値は、インビトロ選択性が本明細書において説明される場合にはいつでも「不動点」として考えられ、そして他のコリンエステラーゼ阻害剤の選択性を決定する目的のために、ThomsenおよびKewitzにより記述される実験の任意の再現においてガランタミン臭化水素酸塩で規定するものである較正値として用いることができる。従って、この決定方法に関連して、好ましいアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、記述するインビトロ方法においてブチリルコリンエステラーゼとは対照的にアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも10倍の選択性、例えば、ブチリルコリンエステラーゼとは対照的にアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも20倍の選択性、例えばブチリルコリンエステラーゼとは対照的にアセチルコリンエステラーゼに対する少なくとも40倍の選択性を有するものである。
【0041】
候補薬剤のスクリーニングにおける実用的手段として用いることができる比較的容易な市販されている選択性試験は、本明細書において実施例1に記述する試験である。
【0042】
ヒトにおいてインビボで血液脳関門を通過する能力は、「聴性脳幹反応」と呼ぶことができる試験によるかもしくはCRH、ACTHおよびコルチゾールの測定に基づく試験によるいずれかにより評価することができる。これらの試験の背後にある論理的根拠およびそれらを行う方法を以下に説明する:
聴性脳幹反応試験は、躁鬱病(双極性)患者がコリン作動性の影響に過敏であるという観察結果に基づき、その1つの発現は、脳幹の聴覚系の核における、すなわち血液脳関門の「脳側」での聴性誘発電位の振幅の増加により評価されるような聴覚的シグナルへの過敏性である。この過敏性は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤のようなコリン作動薬で処理されない場合に正常なヒトにおけるよりも低い振幅;そして、もちろん、コリン作動薬が血液脳関門を通過することができそしてそれ故に脳幹の聴覚系の核に入るならば、コリン作動薬を与えた場合に振幅の非常に著しい増加で現れる。
【0043】
CRH(脳における視床下部から放出される副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、そしてそれは腺下垂体からACTHそして副腎髄質からコルチゾールの両方を放出する)およびACTH(副腎髄質からコルチゾールを放出する、副腎皮質刺激ホルモン)の測定に基づく他の試験は、アセチルコリンエステラーゼでの薬物処置の前後に健常人における血液中のCRH、ACTHおよびコルチゾール濃度を測定することにより実施される。薬物処置の後に全ての3つのホルモンの濃度が増加しているかもしくは少なくともCRHおよびコルチゾールが増加している場合、該アセチルコリンエステラーゼは中枢神経系において効果を有することが証明され、そしてそれはインビボ実験であるので、該アセチルコリンエステラーゼは血液脳関門を通過したことがさらに証明される。
【0044】
上記のように、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の選択性は、追加の特性化として、場合により、ガランタミンに対してThomsenおよびKewitzにより行われそして上記の文献Selective Inhibition of Human Acetylcholinesterase by Galantamine in vitro and in vivo,Life Sciences,Vol 46,pp.1553−1558(1990)に記述されているインビボ決定に関連して示すことができる。この決定に関連して、好ましいアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、健常成人への10mgの量での投与の際に、約2〜5分以内に該成人からの赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼ活性の少なくとも40%の阻害をもたらしそしてそこでブチリルコリンエステラーゼの実質的な阻害をもたらさないもの、例えば、健常成人に10mgの量で投与した場合に、約2〜5分以内に該成人からの赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼ活性の少なくとも50%の阻害をもたらすアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。ガランタミンについて、ThomsenおよびKewitzは、健常志願者における10mgのガランタミンi.v.の投与後2分以内に赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼの65%の阻害を見出し、一方、血漿におけるブチリルコリンエステラーゼの阻害は認められなかった。また、これらの決定は、本明細書の請求項において言及され、そしてガランタミン臭化水素酸塩と異なる候補薬剤の対応する選択性の評価に関連して、この実験の任意の再現においてガランタミン臭化水素酸塩で規定される「較正不動点」と考えられるべきである。
【0045】
上記のように、ガランタミン、ガランタミン塩およびガランタミン誘導体は、ガランタミン環系の特定の構造のために、本発明によって立証される顕著な効果にとって決定的な特定の性質を有する可能性がある。従って、本発明の一つの態様によれば、本発明の処置において有益でありそして有用であると考えられる化合物は、式I(式Iはまた、ガランタミン自体も表す)
【0046】
【化2】

【0047】
[式中、同じかもしくは異なることができるRおよびRは、各々、水素原子または低級アルカノイル基、例えばアセチル基のようなアシル基または直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルを表し;Rは場合によりハロゲン原子またはシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、アロイル、アロイルアルキルもしくはシアノ基で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、アルケニルもしくはアルカリール基であり;そしてRは四環式骨格の環炭素の少なくとも1つに結合している水素もしくはハロゲン原子を表し、ただし、Rが窒素原子に隣接する位置にある場合に、Rは好ましくはハロゲンと異なる]
を有する化合物、および臭化水素酸塩、塩酸塩、メチル硫酸塩もしくはメチオジドのようなその塩である。
【0048】
式Iの化合物において、アルキル部分は好ましくは1〜8個の炭素原子を含有し、ハロゲン原子は好ましくはフッ素、塩素もしくは臭素、特にフッ素もしくは塩素であり、アリール部分は好ましくはフェニルであり、シクロアルキル基は好ましくは3〜7員環、特にシクロプロピルもしくはシクロブチルであり、そしてヘテロアリール部分は好ましくは5〜8員環、例えばチエニル、フリル、ピリジル、ピロリルもしくはピリザニルである。
【0049】
式Iの化合物の中にはEP−A−236684に記述されているものがある。式Iの化合物は、EP−A−236684に記述されているものを包含する、通常の技術に従って製造することができる。
【0050】
ガランタミンとの構造類似性の観点から、本発明の方法において有用である有益な化合物であると考えられるより広範囲の化合物は、一般式II
【0051】
【化3】

【0052】
[式中、破線(−−−)は示す位置における場合により存在してもよい二重結合を表し、
およびRは、各々、水素、ヒドロキシル、アミノもしくはアルキルアミノ、シアノ、スルフヒドリル、1〜6個の炭素原子のアルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、Rで置換されたアリールオキシ、Rで置換されたアリールチオ、アラルコキシ、脂肪族もしくはアリールカルバミル基(ここで、脂肪族もしくはアリール部分はRで置換されるかもしくは非置換であることができる)、アラルキルチオ、Rで置換されたアラルコキシ、Rで置換されたアラルキルチオ、アリールオキシメチル、Rで置換されたアリールオキシメチル、アルカノイルオキシ、ヒドロキシで置換されたアルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、Rで置換されたベンゾイルオキシ、アリールオキシカルボニルおよびRで置換されたアリールオキシカルボニルよりなる群から独立して選択され、Rはまた14個までの炭素原子のアルキル、もしくはヒドロキシメチルであることもでき、Rはまたカルボキシメチルであることもでき、ただし、Rがヒドロキシメチルでない限り、RおよびRの少なくとも1つはヒドロキシ、アミノもしくはアルキルアミノであり、
は水素、1〜6個の炭素原子の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、シクロアルキルメチル、フェニル、Rで置換されたフェニル、アルキルフェニル、Rで置換されたアルキルフェニル、アルファ−もしくはベータ−フリル、アルファ−もしくはベータ−チエニル、テニル、ピリジル、ピラジニルおよびピリミジルから選択されるヘテロサイクリル、アルキル−ヘテロサイクリルまたはR’で置換されたヘテロサイクリル(ここで、R’はアルキルもしくはアルコキシである)であり、
各Rは水素、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、メルカプトアルキル、アリールオキシ、チアリルオキシ(thiaryloxy)、アルカリールオキシ、メルカプトアルカリール、ニトロ、アミノ、N−アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アルカリールアミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードおよびトリフルオロメチルから独立して選択され、
はRと同じ基から選択され、
は水素、ハロ、トリフルオロメチルもしくは1〜4個の炭素原子のアルキルであり、ただし、Rが7もしくは9位にある場合に、それは好ましくはハロではなく、
はRと同じ基から選択されるかもしくは1〜2個の炭素原子のヒドロキシアルキルであることができ、
は水素もしくはヒドロキシメチルであり、
は水素もしくは1〜6個の炭素原子のアルキルであり、またはRがヒドロキシルである場合に、RはRが水素でありそしてRが連結結合である式Iの部分であることができ;あるいは
およびRは一緒になってセミカルバゾンを形成することができ、
Xは酸素もしくはNRであり、
Yは窒素もしくはリンである]
のガランタミン誘導体およびそのメチレンジオキシ誘導体(ただし、XがOである場合に、RはRがメトキシである場合にメチルではなく、Rはヒドロキシであり、そして全てのRは水素である)、もしくはその製薬学的に許容しうる塩である。
【0053】
式IIのサブクラスおよび特定の化合物の例は、米国特許第6,150,354号(完全に記載されるように引用することにより本明細書に組み込まれる)に示され、それはまた化合物IIを製造する方法も開示する。
【0054】
ガランタミン、ガランタミン塩、ガランタミン誘導体およびガランタミン機能的同等物は、そのために適している場合、例えば1日当たり5〜150mg、例えば1日当たり10〜60mg、例えば1日当たり10〜50mg、例えば10〜40mgの投薬量で経口で投与することができ、該投薬量は患者および患者の応答に適応される。上記のように、処置は低い投薬量で開始されそして次に適当な投薬量が確立されるまで増加されるべきであることが多い。ガランタミン機能的同等物もしくはガランタミン誘導体の投薬量は、ガランタミン臭化水素酸塩の等効能量として表され、参照基準は、上記のThomsen et al.インビトロテストにおけるアセチルコリンエステラーゼを阻害する能力である。好ましくは、ガランタミンの経口の1日1回の投薬量(2001年7月26日に出願されそして完全に記載されるように引用することにより本明細書に組み込まれる米国特許出願第09/868,991号に開示されるもののような)を本発明において使用する。
【0055】
非経口投与範囲の例は、1日当たり0.1〜1000mg、例えば1日当たり5〜1000mg、例えば1日当たり10〜500mgであり、1日当たり50〜300mgを包含し;1日当たり10〜50mg、例えば1日当たり10〜30mgのような、より低い投薬量が好ましいことが多い。
【0056】
経口投与のために、ガランタミンまたはガランタミン塩もしくは誘導体または機能的同等物は、例えば、水性エタノールにおける水性懸濁剤もしくは液剤としてまたは錠剤もしくはカプセル剤のような固形組成物として調合することができる。経口投与のための懸濁剤もしくは液剤は、典型的に1〜50mg/ml、より一般的には5〜40mg/ml、例えば10〜40mg/ml、典型的には20〜30mg/mlのガランタミンの濃度ものである。1日当たり0.5〜5mg/kg体重の範囲への分割用量は有用であり、ある状況において、1日当たり0.1〜3mg/kg体重の範囲の分割用量もまた、有用であると判明し得る。投薬量の例は、1日当たり2000mgまで、例えば1日当たり0.1〜2000mg、もしくは1日当たり5〜2000mgである。記載されるべき他の範囲は、1日当たり100〜600mgもしくは1日当たり10〜500mg、例えば1日当たり10〜50もしくは10〜30mgである。典型的に、40〜100kgの体重の患者に1日当たり20〜100mgの投与量を、適切な場合にはそのような投薬量はこの範囲外の体重を有する患者に有用であると判明し得るが、投与してもよい。しかしながら、ある場合には、40〜100kgの体重の患者に1日当たり50〜300mgの投薬量もまた非常に有用であり得る。ある場合には、10mgという低いおよび200mgという高い投薬量が、この体重範囲のヒトに適切であり得る。
【0057】
本発明において有用なコリンエステラーゼ阻害剤はまた、製薬学的に許容しうる塩の形態で存在することもできる。薬剤における使用には、本発明の化合物の塩は無毒の「製薬学的に許容しうる塩」をさす(International J.Pharm.,1986,33,201−217;J.Pharm.Sci.,1997(Jan),66,1,1を参照)。しかしながら、当業者に周知である他の塩は、本発明の化合物のもしくはそれらの製薬学的に許容しうる塩の製造において有用であり得る。代表的な有機もしくは無機酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、サッカリン酸もしくはトリフルオロ酢酸が包含されるがこれらに限定されるものではない。代表的な有機もしくは無機塩基には、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカイン、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛のような塩基性もしくは陽イオン塩が包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0058】
本発明には、その範囲内にコリンエステラーゼ阻害剤のプロドラッグを投与することが包含される。一般に、そのようなプロドラッグは、必要な化合物にインビボで容易に転化可能である化合物の機能的誘導体である。従って、本発明の処置の方法において、「投与すること」という用語には、特に開示される化合物でのもしくは特に開示されない可能性があるが患者への投与後にインビボで特定の化合物に転化する化合物での記述する様々な障害の処置が包含されるものとする。適当なプロドラッグ誘導体の選択および製造についての通常の方法は、例えば、“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記述されている。
【0059】
ガランタミンおよびその酸付加塩は、結晶を形成する。それらは一般に室温で水に難溶性であり;従って、注入可能な組成物は通常は水性懸濁剤の形態である。必要に応じて、製薬学的に許容しうる懸濁補助(suspension aids)を用いることができる。典型的に、そのような懸濁剤は、0.1〜50mg/ml、例えば1〜50mg/ml、より一般的には5〜40mg/ml、例えば5〜30mg/mlもしくは10〜40mg/ml、例えば10〜30mg/ml、特に20〜30mg/mlのガランタミンの濃度で用いられる。上記のように、典型的な投薬量率(dosage rates)は、注射によりガランタミンを投与する場合、患者により1日当たり0.01〜20mgの範囲である。例えば、1日当たり0.5〜5mg/kg体重の範囲の分割用量は、有用であると判明し得る。典型的に、40〜100kgの体重の患者に1日当たり5〜50mgの投与量を、適切な場合にはそのような投薬量はこの範囲外の体重を有する患者に有用であると判明し得るが、投与してもよい。ある場合には、1日当たり5mgという低いおよび200mgという高い投薬量が、この体重範囲のヒトに適切であり得る。
【0060】
ガランタミンおよびその製薬学的に許容しうる酸付加塩、ならびにその誘導体および機能的同等物は、そのために適している場合、皮下、静脈内もしくは筋肉内注射により投与することができる。
【0061】
ガランタミンの非経口投薬量率はまた、患者の体重を参照することにより表すこともでき;この場合、通常の投薬量率は0.1〜4mg/kg体重であることが多い。デポー組成物は、1日当たり0.01〜5.0mg/kgの投薬量率を送達することが多い。
【0062】
錠剤もしくはカプセル剤を製造することにおいて、標準的な錠剤もしくはカプセル剤製造技術を用いることができる。所望に応じて、澱粉もしくはラクトースのような製薬学的に許容しうる担体をガランタミンもしくはガランタミン同等物錠剤を製造することに用いることができる。カプセル剤は、封入剤としてソフトゼラチンを用いて製造することができる。所望に応じて、そのようなカプセル剤は持続放出カプセル剤の形態であることができ、ここで、メインカプセルは、数時間の期間にわたって内容物を放出しそれにより患者の血液中のガランタミンもしくはその機能的同等物の一定レベルを維持するガランタミンもしくはその機能的同等物のマイクロカプセルを含有する。
【0063】
以下の特定の製剤は、本発明に従って用途を見出すことができる:
1日4回服用する0.1、1、2、5、10および25mgのガランタミン臭化水素酸塩もしくは機能的同等物を含有する錠剤もしくはカプセル剤、または同等の1日用量を送達する持続放出製剤。
【0064】
5mg/mlおよび25mg/mlの濃度で利用可能な経口投与用の液状製剤。
【0065】
ガランタミンおよび機能的同等物の他の興味深い投与形態は、座薬、徐放性硬膏剤および他のデポー組成物である。
【0066】
上記の投与形態の全ては、それ自体既知である方法で製造される。
【0067】
ガランタミンは高度の安全性を有すると考えられるはずであるが、処置した少人数の患者においてある種の副作用がある。これらは、約30%の症例における軽い吐き気(しかしながら、吐き気は約1週の処置後に消失する)、5〜10%の患者における嘔吐および目まい(同様に大部分の症例において約1週の処置後に消失する)および4〜6%の患者におけるさらに重い副作用である。これらのさらに重い副作用は、薬剤の効果を考慮すると許容しうると考えられるはずであり;しかしながら、不整脈を発症する疑いがある患者では、本発明の処置と組み合わせて例えばアトロピンを投与することが考えられるべきである。
【0068】
コリンエステラーゼ阻害剤、ガランタミン、ガランタミン塩およびガランタミン誘導体の投与形態は、経口的そして非経口的であることができる。投与は、患者の年齢および体重により、そして患者の日常生活ならびに疾患の重症度により決まる。
【0069】
非経口投与は、適当な注射、例えば静脈内、筋肉内、皮下、ならびに経皮もしくは直腸投与または例えば髄腔内(intrathetical)装置のような適当な送達装置の埋め込みを含んでなることができる。
【0070】
非経口用途の製剤は、液剤もしくは懸濁剤、経皮使用のための硬膏剤、または座薬であることができる。
【実施例】
【0071】
[実施例1]血液サンプルにおけるコリンエステラーゼ活性の試験
方法
コリンエステラーゼ阻害剤の活性および選択性を決定するためにSigma Diagnosticsから入手可能なSIGMA DIAGNOSTICS CHOLINESTERASE(PTC)キットを用いることができる。以下に、ニヴァリン(ガランタミン臭化水素酸塩)の活性および選択性の決定のためにキットを使用する方法を説明する。
【0072】
コリンエステラーゼアッセイに関与する反応は、以下のとおりである:
エステラーゼ
プロピオニルチオコリン+HO → プロピオン酸+チオコリン
チオコリン+5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸 →
5−チオ−2−ニトロ安息香酸
5−チオ−2−ニトロ安息香酸は、405nmで吸光度を測定することにより評価される。405nmでの吸光度の変化の割合は、コリンエステラーゼ活性に直接比例する。
【0073】
赤血球コリンエステラーゼの活性は、両方とも上記の方法により同時に測定される、血清中のブチリルコリンエステラーゼ(プソイドコリンエステラーゼ)および溶血した全血(溶血血液)におけるコリンエステラーゼの測定に基づいて計算され、そして式
HchE=(EchExHct)+(PchEx(1−Hct))
従って、
EchE=(HchE−(PchEx(1−Hct))/Hct
小数等量として表されるヘマトクリット値(すなわち、25%=0.25))
に従ってヘマトクリット値によって評価することができる。上記の式において、EChEは赤血球コリンエステラーゼ活性であり、PChEは血漿コリンエステラーゼ活性であり、HChEは溶血血液コリンエステラーゼ活性であり、そしてHctはサンプルのヘマトクリット値である。
【0074】
コリンエステラーゼ活性を評価する別の方法は、血漿コリンエステラーゼおよび精製された溶血赤血球におけるコリンエステラーゼを測定することである。これを行うことにより、値は直接得られる。
【0075】
3人の患者からの血液サンプルをSigma試験で試験する。試験は、ニヴァリンを加えなかったサンプルでそして1.25μg/mlのニヴァリンおよび2.5μg/mlをインビトロで加えたサンプルで実施する。結果を表1.1において以下に示す。
【0076】
【表2】

【0077】
結果は、ガランタミン臭化水素酸塩の増加する濃度とともに溶血血液コリンエステラーゼ活性の有意な減少を示し、一方、血清活性のデータは、ガランタミン臭化水素酸塩の添加への応答として統計的に有意な変化を示さず、これは、ブチリルコリンエステラーゼにではなくアセチルコリンエステラーゼに対するガランタミン臭化水素酸塩の高い選択性の指標となる。ブチリルコリンエステラーゼにではなく赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼに対する選択性は、ムスカリン性受容体部位でのアセチルコリンエステラーゼにではなくニコチン性受容体部位でのアセチルコリンエステラーゼに対する選択性を反映すると考えられる。
【0078】
この試験は、候補コリンエステラーゼ阻害剤のそれらの選択性に関するスクリーニングとして用いることができる。
[実施例2]睡眠障害のガランタミン処置
【0079】
特発性慢性不眠症のグループにおける睡眠ポリグラフ計(PSG)パラメーターへのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の効能のプロスペクティブ二重盲検プラシーボ対照平行グループ研究を行う。これらの被験体は、プラシーボ導入期間(run in period)中に睡眠衛生を教示される。PSGパラメーターはベースライン時に得られ、次に被験体を無作為に選び、そして4〜24mgのガランタミンもしくは別のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で数週の期間にわたって処置し、その後でPSGパラメーターを再び測定する。さらに、睡眠の質に関する患者日誌を記録する。有効な処置は、増加した睡眠効率、および増加したもしくは固まった量のREM睡眠、ならびに睡眠の質が改善されると被験体が感じることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の製薬学的に許容しうるコリンエステラーゼ阻害剤もしくはそのプロドラッグを処置を必要とする患者に投与することを含んでなる、睡眠障害の処置方法。
【請求項2】
睡眠障害が内因性睡眠障害、外因性睡眠障害および概日リズム睡眠障害よりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
睡眠障害が精神生理性不眠症、睡眠状態誤認、特発性不眠症、ナルコレプシー、反復性過眠症、特発性過眠症、外傷後過眠症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、中枢性肺胞低換気症候群、周期性四肢運動障害、不穏下肢症候群、内因性睡眠障害NOS、不適切な睡眠衛生、環境因性睡眠障害、高地不眠症、適応性睡眠障害、睡眠不足症候群、しつけ不足睡眠障害、睡眠開始随伴障害、食物アレルギー性不眠症、夜間摂食(飲水)症候群、催眠剤依存性睡眠障害、刺激剤依存性睡眠障害、毒物起因性睡眠障害、外因性睡眠障害NOS、時間帯域変化(時差ぼけ)症候群、交代勤務睡眠障害、不規則型睡眠覚醒パターン、睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間型睡眠覚醒障害および特定不能の概日リズム睡眠障害よりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
コリンエステラーゼ阻害剤がガランタミンおよびガランタミン誘導体、ノルガランタミンおよびノルガランタミン誘導体、エピガランタミンおよびエピガランタミン誘導体、フィゾスチグミン、タクリンおよびタクリンアナログ、ファシクリン(fasciculin)、メトリホネート、ヘプチル−フィゾスチグミン、ノルピリドスチグミン、ノルネオスチグミンおよびフペルジン、もしくはそのプロドラッグよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コリンエステラーゼ阻害剤がニコチン性受容体部位で実質的に選択的に活性であるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ブチリルコリンエステラーゼと対照的にアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも10倍の選択性を有するものである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ブチリルコリンエステラーゼと対照的にアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも20倍の選択性を有するものである請求項5に記載の方法。
【請求項8】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ブチリルコリンエステラーゼと対照的にアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも40倍の選択性を有するものである請求項5に記載の方法。
【請求項9】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、健常成人への10mgの量での投与の際に、該成人からの赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼ活性の少なくとも40%の阻害をもたらし且つそこでブチリルコリンエステラーゼの実質的な阻害をもたらさないものである請求項5に記載の方法。
【請求項10】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、成人に10mgの量で投与した場合に、該成人からの赤血球におけるアセチルコリンエステラーゼ活性の少なくとも50%の阻害をもたらすものである請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コリンエステラーゼ阻害剤が、ヒトにおける血液脳関門を通過することができるものである請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コリンエステラーゼ阻害剤が、ヒトへの投与の際に、ヒトにおけるコルチゾールレベルを増加させるものである請求項1に記載の方法。
【請求項13】
コリンエステラーゼ阻害剤がガランタミンまたはその塩、誘導体もしくは機能的同等物である請求項1に記載の方法。
【請求項14】
機能的同等物が、ブチリルコリンエステラーゼと対照的にアセチルコリンエステラーゼに対して少なくとも10倍の選択性を有する、血液脳関門を通過することができるアセチルコリンエステラーゼである化合物である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
有効量のガランタミンもしくはガランタミン塩もしくはガランタミン誘導体を処置を必要とする患者に投与することを含んでなる、睡眠障害の処置方法。
【請求項16】
化合物が一般式II
【化1】

[式中、破線(−−−)は示す位置における場合により存在してもよい二重結合を表し、
およびRは、各々、水素、ヒドロキシル、アミノもしくはアルキルアミノ、シアノ、スルフヒドリル、1〜6個の炭素原子のアルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、Rで置換されたアリールオキシ、Rで置換されたアリールチオ、アラルコキシ、脂肪族もしくはアリールカルバミル基(ここで、脂肪族もしくはアリール部分はRで置換されるかもしくは非置換であることができる)、アラルキルチオ、Rで置換されたアラルコキシ、Rで置換されたアラルキルチオ、アリールオキシメチル、Rで置換されたアリールオキシメチル、アルカノイルオキシ、ヒドロキシで置換されたアルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、Rで置換されたベンゾイルオキシ、アリールオキシカルボニルおよびRで置換されたアリールオキシカルボニルよりなる群から独立して選択され、Rはまた14個までの炭素原子のアルキル、もしくはヒドロキシメチルであることもでき、Rはまたカルボキシメチルであることもでき、ただし、Rがヒドロキシメチルでない限り、RおよびRの少なくとも1つはヒドロキシ、アミノもしくはアルキルアミノであり、
は水素、1〜6個の炭素原子の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、シクロアルキルメチル、フェニル、Rで置換されたフェニル、アルキルフェニル、Rで置換されたアルキルフェニル、アルファ−もしくはベータ−フリル、アルファ−もしくはベータ−チエニルまたはテニル、ピリジル、ピラジニルおよびピリミジルから選択されるヘテロサイクリル、アルキル−ヘテロサイクリルあるいはR’で置換されたヘテロサイクリル(ここで、R’はアルキルもしくはアルコキシである)であり、
各Rは水素、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、メルカプトアルキル、アリールオキシ、チアリルオキシ(thiaryloxy)、アルカリールオキシ、メルカプトアルカリール、ニトロ、アミノ、N−アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アルカリールアミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードおよびトリフルオロメチルから独立して選択され、
はRと同じ基から選択され、
は水素、ハロ、トリフルオロメチルもしくは1〜4個の炭素原子のアルキルであり、ただし、Rが7もしくは9位にある場合、それはハロではなく、
は水素もしくはヒドロキシメチルであり、
は水素もしくは1〜6個の炭素原子のアルキルであるか、またはRがヒドロキシルである場合に、RはRが水素でありそしてRが連結結合である式Iの部分であることができ;あるいは
およびRは一緒になってセミカルバゾンを形成することができ、
Xは酸素もしくはNRであり、
Yは窒素もしくはリンである]
のガランタミン誘導体およびそのメチレンジオキシ誘導体(ただし、XがOである場合に、RはRがメトキシである場合にメチルではなく、Rはヒドロキシであり、そして全てのRは水素である);ならびにそれらの製薬学的に許容しうる塩である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
化合物がガランタミンもしくはガランタミンの誘導体であり、そして式I
【化2】

[式中、同じかもしくは異なることができるRおよびRは、各々、水素原子または低級アルカノイル基、例えばアセチル基のようなアシル基または直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルを表し;
は場合によりハロゲン原子またはシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、アロイル、アロイルアルキルもしくはシアノ基で置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル、アルケニルもしくはアルカリール基であり;そして
は四環式骨格の環炭素の少なくとも1つに結合している水素もしくはハロゲン原子を表し、ただし、Rが窒素原子に隣接する位置にある場合、Rはハロゲンと異なる]
および臭化水素酸塩、塩酸塩、メチル硫酸塩もしくはメチオジドのようなその塩、を有する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ガランタミン塩がガランタミン臭化水素酸塩である請求項15に記載の方法。
【請求項19】
睡眠障害が精神生理性不眠症、睡眠状態誤認、特発性不眠症、ナルコレプシー、反復性過眠症、特発性過眠症、外傷後過眠症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、中枢性肺胞低換気症候群、周期性四肢運動障害、不穏下肢症候群、内因性睡眠障害NOS、不適切な睡眠衛生、環境因性睡眠障害、高地不眠症、適応性睡眠障害、睡眠不足症候群、しつけ不足睡眠障害、睡眠開始随伴障害、食物アレルギー性不眠症、夜間摂食(飲水)症候群、催眠剤依存性睡眠障害、刺激剤依存性睡眠障害、毒物起因性睡眠障害、外因性睡眠障害NOS、時間帯域変化(時差ぼけ)症候群、交代勤務睡眠障害、不規則型睡眠覚醒パターン、睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間型睡眠覚醒障害および特定不能の概日リズム睡眠障害よりなる群から選択される請求項15に記載の方法。
【請求項20】
ガランタミン誘導体がヒトにおける血液脳関門を越えることができるものである請求項15に記載の方法。
【請求項21】
コリンエステラーゼ阻害剤またはガランタミンもしくはガランタミン塩もしくはガランタミン誘導体が、錠剤、カプセル剤、有効成分のマイクロカプセルを含んでなる持続放出カプセル剤、液剤もしくは懸濁剤、経皮使用のための硬膏剤、または座薬である製薬学的組成物の形態で投与される請求項15に記載の方法。
【請求項22】
コリンエステラーゼ阻害剤またはガランタミンもしくはガランタミン塩もしくはガランタミン誘導体が、1日当たり0.1〜1,000mgのガランタミン臭化水素酸塩、例えば5〜1,000mgのガランタミン臭化水素酸塩と等効能である投薬量で非経口的に投与される請求項15に記載の方法。
【請求項23】
コリンエステラーゼ阻害剤が、1日当たり10〜500mgのガランタミン臭化水素酸塩、例えば1日当たり50〜300mgと等効能である投薬量で投与される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
コリンエステラーゼ阻害剤が、1日当たり10〜50、特に10〜30mgのガランタミン臭化水素酸塩と等効能である投薬量で投与される請求項22に記載の方法。
【請求項25】
コリンエステラーゼ阻害剤が、1日当たり5〜2000mgのガランタミン臭化水素酸塩と等効能である投薬量で経口的に投与される請求項1に記載の方法。
【請求項26】
コリンエステラーゼ阻害剤が、1日当たり10〜500mgのガランタミン臭化水素酸塩と等効能である投薬量で投与される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
コリンエステラーゼ阻害剤が、1日当たり10〜50mg、例えば10〜30mgのガランタミン臭化水素酸塩と等効能である投薬量で投与される請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2007−502297(P2007−502297A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523387(P2006−523387)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/026243
【国際公開番号】WO2005/016327
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】