説明

コルゲートチューブ

【課題】スリットを閉じるためのロック構造の係止力が高いコルゲートチューブを提供する。
【解決手段】スリット18を挟んだ一方の側縁部には突条部11の端縁を内側に折り返した形状の係り壁部13が形成されているのに対し、スリット18を挟んだ他方の側縁部には突条部11内に入り込み係り壁部13を係止する係り受け壁15Cを有する突部15が形成されており、突部15は、突条部11の突出端面11Aの裏側に当接可能な円弧状頂面15Aを有し、係り受け壁15Cの円弧状頂面15Aに対する角度θ1を鋭角とすると共に、係り壁部13の突条部11の突出端面11Aに対する角度θ2を角度θ1と略同等もしくはそれよりも小さくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コルゲートチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に配索されるワイヤーハーネスの所要部分に保護材として外装されるコルゲートチューブとして、特許文献1に記載のものが知られている。このものは、周方向に延びる山部と谷部とを軸線方向に交互に設け、軸線方向に延びるスリット(割れ目)を有している。このコルゲートチューブはスリットを開くことによりワイヤーハーネスに側方から嵌め付けることができる。加えて、コルゲートチューブを外装したワイヤーハーネスが屈曲した際にスリットが開くのを防止するために、ロック構造が設けられている。
【0003】
ロック構造は、図9に示すコルゲートチューブ1の断面図において、スリットを挟んだ一方の側縁部に形成されたメス側ロック部2と、同他方の側縁部に形成されたオス側ロック部3とから構成される。メス側ロック部2及びオス側ロック部3は、共に山部4の延長線上に形成され、ともに外周に向かって凸となる断面コの字形状をなしている。オス側ロック部3はメス側ロック部2よりも一回り小さく形成されており、図10に示すように、オス側ロック部3に、メス側ロック部2が覆い被さることでスリットは閉鎖した状態にロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−136531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなロック構造によって大方はスリットの開きを防止できるものの、曲げ方向によっては口開きする虞があるため、更なる改良が必要とされている。例えば、図10に示すコルゲートチューブ1を、ロック構造とその反対側に形成された折れ部5を結ぶ線に対して平行となる軸Xを中心にオス側ロック部3の延出端3Aが内周側となるように湾曲させると、オス側ロック部3が軸中心側へと倒れ込み、メス側ロック部2がオス側ロック部3から外周側に逃げるように変形することで係止が外れ、その結果、コルゲートチューブ1が口開きする虞がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、スリットを閉じるためのロック構造の係止力が高いコルゲートチューブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、外周面に周方向に延びる複数の突条部が並列して配設され、軸方向に沿って延びるスリットを有してそのスリットから開き変形させうるようにした略筒状のコルゲートチューブであって、前記スリットを挟んだ一方の側縁部には前記突条部の端縁を内側に折り返した形状の係り壁部が形成されているのに対し、前記スリットを挟んだ他方の側縁部には前記突条部内に入り込み前記係り壁部を係止する係り受け壁を有する突部が形成されており、前記突部は、前記突条部の突出端面の裏側に当接可能な円弧状頂面を有し、前記係り受け壁の前記円弧状頂面に対する角度θ1を鋭角とすると共に、前記係り壁部の前記突条部の前記突出端面に対する角度θ2を前記角度θ1と略同等もしくはそれよりも小さくしたことに特徴を有する。
【0008】
このような構成によれば、係り受け壁の円弧状頂面に対する角度θ1を鋭角とし、係り壁部の突出端面に対する角度θ2が角度θ1と略同等もしくはそれよりも小さく形成されているから、係り壁部が係り受け壁に係止されることによりスリットが閉じた状態において、係り壁部は係り受け壁よりも軸中心側に入り込むように配される。よって、従来の例えばスリットを閉じた状態に係止した際に係り壁部が係り受け壁よりも外周側に配される場合と比較して、係り壁部を係り受け壁から外れにくくすることができるから、係止力を向上させることができる。以上のように、スリットが係り壁部と係り受け壁とからなるロック構造によって閉じた状態に係止された状態においては、当該スリットがより一層口開きしにくい構成とすることができる。
【0009】
前記スリットを挟んだ側縁部のうち前記係り壁部が形成された内周面には、当該係り壁部が前記突部の前記係り受け壁に係止された状態において前記突部が形成された前記スリット側の延出端に対向して配され、前記延出端が軸中心に向かって倒れ込むのを遮るように延びる倒れ防止壁が突設されていることが望ましい。
【0010】
コルゲートチューブ全体に曲げ等の外力が加わることによって、突部のスリット側の延出端が軸中心側へと倒れ込むと、それに連動して突部の係り受け壁がスリット側へと倒れ込み、係止された係り壁部が外れやすい状態となる。これに対して、スリットを挟んだ側縁部のうち係り壁部が形成された側の内周面に倒れ防止壁を設けることで、突部が形成された側の延出端が軸中心側へと倒れ込むのを阻止し、突部の係り受け壁がスリット側へと倒れ込むのを未然に阻止することができ、よって、係り受け壁に係止された係り壁部が外れやすい状態となるのを防止することができる。このように、突部のスリット側の延出端が軸中心側へ倒れ込むのを阻止する倒れ防止壁を形成することによっても、係り壁部の係り受け壁に対する係止力を高めることができる。
【0011】
隣り合う前記突条部の間は軸中心に向かって凸となる凹条部により連結され、隣り合う前記突部の間も同様に軸中心に向かって凸となる突部側凹部により連結されてなり、前記係り壁部が前記突部の前記係り受け壁に係止された状態において前記凹条部と前記突部側凹部とは重畳して配されるのであって、前記倒れ防止壁は、軸中心側に面する前記凹条部の頂部に突設されていてもよい。このような構成によれば、倒れ防止壁が凹条部の頂部に突設されているから、係り壁部が突部の係り受け壁に係止された状態において、倒れ防止壁に突部側凹部が突き当たり、突部側凹部によって連結された突部が軸中心側へと倒れ込むのを防止することができる。また、倒れ防止壁を内周側に凹となる突条部に設けずに凹条部にのみ設けることで、コルゲートチューブとしての可撓性を確保することができる。さらに、倒れ防止壁をコルゲートチューブの内周側に軸方向に連続して設けるよりも、凹条部のみに設けることで材料費を削減することができる。
【0012】
前記スリットと対向する位置に、軸方向に沿って断面V字状をなす折れ部が形成されていてもよい。このような配置とすれば、例えばブロー成形法等により樹脂成形する場合に、金型の抜き方向上都合がよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコルゲートチューブによれば、スリットを閉じるためのロック構造の係止力が高いコルゲートチューブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るコルゲートチューブの斜視図
【図2】コルゲートチューブを突条部上で周方向に沿って輪切りにした断面図
【図3】図2のロック構造部分の拡大図
【図4】コルゲートチューブを凹条部上で周方向に沿って輪切りにした断面図
【図5】スリットを開いた状態におけるコルゲートチューブの斜視図
【図6】スリットを閉じた状態に係止したコルゲートチューブの斜視図
【図7】図6の係止状態におけるコルゲートチューブを突条部上で周方向に沿って輪切りにした断面図
【図8】図7のロック構造部分の拡大図
【図9】従来例のコルゲートチューブの断面図
【図10】従来例のコルゲートチューブの係止状態における断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図8によって説明する。本実施形態に係るコルゲートチューブ10は、自動車等の車両に配索される図示しないワイヤーハーネスの所定位置に装着され、ワイヤーハーネスを包囲して保護するためのものである。
【0016】
コルゲートチューブ10は、合成樹脂製であって、図1に示すように全体として略円筒状をなしており、外周に向かって膨出し周方向に延びる突条部11が軸方向に沿って所定の等ピッチで並列配置されている。突条部11間は、内周に向かって凸となる凹条部12とされ、突条部11と凹条部12とが交互に配された蛇腹状をなし、図示しないワイヤーハーネスの配索経路に柔軟に追従できる可撓性を備えている。
【0017】
突条部11は、その突出端面11Aに向かって幅が狭くなる断面略台形状をなしており、周方向の一端は、図2及び図3に示すように、その端縁を内側に折り返すように軸中心側へと入り込んだ態様をなす係り壁部13とされている。係り壁部13は、図3に示すように、突条部11の端縁における突出端面11Aの接線aに対する角度θ1が鋭角となるように延出しており、後述する突部15に覆い被さるようにして突部15の一側壁である係り受け壁15Cに係止される。これにより、係り壁部13はコルゲートチューブ10の径方向に関して突出端面11Aよりも軸中心側に配されることとなる。一方、突条部11の周方向の他端は、軸中心側へと入り込むことなく、成形金型の抜き方向(図2及び図4の矢印方向)に沿うように閉じた閉壁14とされている。
【0018】
この係り壁部13と閉壁14との間において周方向に突条部11と連続する位置には、係り壁部13と共にロック構造を構成する係り受け壁15Cを有する突部15が形成されている。突部15は、各突条部11に対応するように軸方向に沿って同ピッチで並列配置されている。また、突部15は突条部11と同様に突出方向に向かって軸方向の幅が狭くなる断面略台形状をなしており、その全体が各突条部11の内側に収まるように当該突条部11よりも一回り小さく形成されている。突部15間は内周に向かって凸となる突部側凹部16により連結されており、係り壁部13が係り受け壁15Cに係止された状態では、この突部側凹部16に凹条部12が重畳して配される。突部15における円弧状頂面15Aの突部側凹部16からの突出高さは、突条部11における突出端面11Aの凹条部12からの突出高さと略同等とされ、この円弧状頂面15A及び突出端面11Aによって、コルゲートチューブ10全体における円弧状の外周面が構成されている。
【0019】
さて、突部15と係り壁部13との間は、両基端を平面で繋ぐ切断面17とされ、凹条部12及び突部側凹部16も同一面上に延設されている。この切断面17は、樹脂成形直後においては、突部15と係り壁部13とが切断面17により連結された状態であるが、その後、突部15の傾斜壁15B側の基端を軸方向に沿って切断することでスリット18が形成される。スリット18は、軸方向の全長に亘って直線状に設けられており、軸を挟んだ対向位置には、同じく軸方向に沿って断面V字状をなす折れ部19が設けられている。この折れ部19を軸として、コルゲートチューブ10は、図5に示すように開き変形することが可能となっている。
【0020】
突部15のうち、スリット18側に面する傾斜壁15Bは、図2に示すように、突条部11の閉壁14と同様に成形金型の抜き方向(図2及び図4の矢印方向)に沿って形成されており、その基端は突部側凹部16と同一面をなす突部側縁部20(突部15のスリット18側の延出端に相当する)を形成している(図5参照)。また、突部15の閉壁14側に面する係り受け壁15Cは、図2及び図3に示すように、閉壁14及び傾斜壁15Bと略平行をなし、同様に成形金型の抜き方向(図2及び図3の矢印方向)に沿って形成されている。なお、図3に示すように、円弧状頂面15Aの接線bに対して係り受け壁15Cがなす角度θ2は係り壁部13の傾斜角度θ1よりもやや小さく(θ1>θ2)、本実施形態では約45°に設定されている。これにより、係り受け壁15Cはコルゲートチューブ10の径方向に関して円弧状頂面15Aよりも軸中心側に配されることとなる。なお、係り受け壁15Cと閉壁14との間には、係り壁部13が係り受け壁15Cに係止された状態で係り壁部13の端縁から延びる切断面17を逃がす逃がし溝21が設けられている。
【0021】
図4及び図5に示すように、係り壁部13が形成された側の内周面においては、凹条部12の頂部12Aに倒れ防止部22が突設されている。倒れ防止部22は、図4に示すように周方向の断面が略三角形をなし、軸方向の幅は図5に示すように頂部12Aの幅と同じにされている。倒れ防止部22のうち、スリット18側に面する立壁22A(倒れ防止壁に相当する)は、スリット18側にやや傾斜して軸中心に向かって切り立ち、係り壁部13が突部15の係り受け壁15Cに係止された状態において突部側縁部20に対向して突部15が軸中心に向かって倒れ込むのを遮るように突設されている。
【0022】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用について説明する。コルゲートチューブ10は、所謂ブロー成形法によって製造される。具体的には、押出成形機から、軟化させた樹脂材からなる筒状の押出部材をブロー成形機に送り込み、当該押出部材の内部をほぼ気密に保った状態で加圧空気を送り込む。すると、押出部材がその外周に配されたブロー成形機の成形金型へと押圧され、成形面に沿って賦形することで、所望の形状のコルゲートチューブ10が得られる。成形されたコルゲートチューブ10は、切断面17における傾斜壁15Bの基端に沿って切断具により切断することで、軸方向に貫くスリット18が形成される。なお、押出成形機、ブロー成形機、及び治具については図示を省略する。
【0023】
次に、コルゲートチューブ10のワイヤーハーネスへの装着方法について説明する。まず、図5に示すように、折れ部19を軸としてスリット18を開く。次に、この開き変形した状態のコルゲートチューブ10を図示しないワイヤーハーネスに側方から被せるようにして嵌め付ける。切断面17と突部側縁部20とが近づくようにスリット18を閉じ、さらに係り壁部13を突部15に覆い被せると、図6ないし図8に示すように係り壁部13が突部15の係り受け壁15Cに引っ掛かることで係止される。この際、図8に示すように、係り壁部13の突出端面11Aの接線aとなす角度θ1が、係り受け壁15Cの円弧状頂面15Aの接線bとなす角度θ2よりも大きく形成されているから、係り壁部13は係り受け壁15Cに弾性変形させられることなく、自然状態で係止される。加えて、この係止状態において、係り壁部13は係り受け壁15Cよりも軸中心側に重畳している。このようにして、スリット18は閉じた状態に係止され、ワイヤーハーネスの外周にコルゲートチューブ10を装着することができる。
【0024】
以上説明したように本実施形態によれば、係り壁部13は図3に示すように、突条部11の突出端面11Aの接線aとなす角度θ1が鋭角となるように当該突条部11の端縁を内側に折り返して形成されており、係り壁部13を係止する係り受け壁15Cも突部15の円弧状頂面15Aの接線bに対する角度θ2が係り壁部13の上記角度θ1よりもやや小さく、約45°の鋭角をなして形成されている。これにより、係り壁部13が係り受け壁15Cに係止されると、図8に示すように、係り壁部13は係り受け壁15Cよりも軸中心側に巻き込まれるように重畳して配される。よって、図10に示す従来例のメス側ロック部2がオス側ロック部3よりも外周側に配される場合と比較して、図8に示す本実施形態のロック構造は係り壁部13が係り受け壁15Cよりも軸中心側に入り込んだ状態に係止するから、これらの係止を外れにくくすることができ、係止力を高めることができる。
【0025】
また、コルゲートチューブ10が図示しないワイヤーハーネスの動きに追従して、突部15の延出端である突部側縁部20が内周側となるように湾曲した場合、従来の例えば図10に示すロック構造においては、スリットが口開きする虞があった。しかしながら、本実施形態によれば、上述した係り壁部13を突部15の円弧状頂面15Aよりも軸中心側へと巻き込んで係り受け壁15Cに係止させる構成に加えて、倒れ防止部22を設けることで、さらに口開きしにくい構成としている。詳しく説明すると、コルゲートチューブ10に曲げ等の外力が加わり、特に図7に示すように、ロック構造と折れ部19を結ぶ線に対して平行をなす軸Yを中心に係り壁部13側が外周側となり、突部15の突部側縁部20側が内周側となるように湾曲した場合には、突部側縁部20が軸中心側へと倒れ込み、それに連動して係り壁部13が係止される係り受け壁15Cが外周に露出するように傾斜壁15B側に倒れ込むことで、係り壁部13の係り受け壁15Cに対する係止が外れやすい状態となる。これに対して、倒れ防止部22の立壁22Aは、突部側縁部20の倒れ込み方向を遮るように立設されているから、立壁22Aに倒れ込んだ突部側縁部20が突き当たることで、立壁22Aよりも軸中心側に突部側縁部20に追従した突部15が倒れ込むのを阻止することができる。このようにして、突部15の係り受け壁15Cが外周に露出する方向へと倒れ込み、係り壁部13が外れやすい状態となるのを阻止することで、より一層口開きしにくい構成としている。
【0026】
また、倒れ防止部22を突条部11の内周側に設けずに、凹条部12の頂部12Aにのみ設けることで、装着した図示しないワイヤーハーネスの配索経路に柔軟に追従できるコルゲートチューブ10としての可撓性を損なうことなく、突部側縁部20の倒れ込みを防止することができる。加えて、倒れ防止部22をコルゲートチューブ10の内周側に軸方向に連続して設ける場合と比較して、材料費低減に寄与することができる。
【0027】
また、図2に示すように、係り壁部13と突部15の係り受け壁15Cとからなるロック構造及び折れ部19を、図9の従来例のメス側ロック部2とオス側ロック部3とからなるロック構造及び折れ部5の位置に対して、それぞれ左回りに45°回転させた位置にずらして形成している。これにより、ブロー成形における金型の抜き方向を変えることなく、本実施形態の係り壁部13及び突部15形状を成形し、且つこれらロック構造と折れ部19との相対位置を維持することができる。具体的には、閉壁14と突部15の傾斜壁15B及び係り受け壁15Cを金型の抜き方向(図2及び図4の矢印方向)に沿うように形成することで、突出端面11A及び円弧状頂面15Aよりも軸中心側へと入り込むような係り壁部13及び係り受け壁15Cの成形を可能にしている。
【0028】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0029】
(1)上記一実施形態において、スリット18はコルゲートチューブ10の全長に亘って形成されていたが、これに限られず、例えばスリットが部分的に形成されていているものにも本発明は適用できる。
【0030】
(2)上記一実施形態において、倒れ防止部22が形成されたコルゲートチューブ10を例示したが、これに限られず、倒れ防止部22が形成されていなくてもよい。本発明の係り壁部13と突部15の係り受け壁15Cによるロック構造によれば、倒れ防止部22を設けずとも、係止力を高めることが可能である。
【0031】
(3)上記一実施形態において、係り受け壁15Cの突部15の接線bとなす角度θ2は、係り壁部13の突条部11の接線aとなす角度θ1よりも小さく形成されていたが、これに限られず、角度θ2が角度θ1と略同等の角度をなすように形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1,10…コルゲートチューブ
2…メス側ロック部
3…オス側ロック部
4…山部
5…折れ部
11…突条部
11A…突出端面
12…凹条部
12A…頂部
13…係り壁部
14…閉壁
15…突部
15A…円弧状頂面
15B…傾斜壁
15C…係り受け壁
16…突部側凹部
17…切断面
18…スリット
19…折れ部
20…突部側縁部
21…逃がし溝
22…倒れ防止部
22A…立壁(倒れ防止壁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に周方向に延びる複数の突条部が並列して配設され、軸方向に沿って延びるスリットを有してそのスリットから開き変形させうるようにした略筒状のコルゲートチューブであって、
前記スリットを挟んだ一方の側縁部には前記突条部の端縁を内側に折り返した形状の係り壁部が形成されているのに対し、前記スリットを挟んだ他方の側縁部には前記突条部内に入り込み前記係り壁部を係止する係り受け壁を有する突部が形成されており、
前記突部は、前記突条部の突出端面の裏側に当接可能な円弧状頂面を有し、
前記係り受け壁の前記円弧状頂面に対する角度θ1を鋭角とすると共に、前記係り壁部の前記突条部の前記突出端面に対する角度θ2を前記角度θ1と略同等もしくはそれよりも小さくしたことを特徴とするコルゲートチューブ。
【請求項2】
前記スリットを挟んだ側縁部のうち前記係り壁部が形成された内周面には、当該係り壁部が前記突部の前記係り受け壁に係止された状態において前記突部が形成された前記スリット側の延出端に対向して配され、前記延出端が軸中心に向かって倒れ込むのを遮るように延びる倒れ防止壁が突設されていることを特徴とする請求項1に記載のコルゲートチューブ。
【請求項3】
隣り合う前記突条部の間は軸中心に向かって凸となる凹条部により連結され、隣り合う前記突部の間も同様に軸中心に向かって凸となる突部側凹部により連結されてなり、前記係り壁部が前記突部の前記係り受け壁に係止された状態において前記凹条部と前記突部側凹部とは重畳して配されるのであって、
前記倒れ防止壁は、軸中心側に面する前記凹条部の頂部に突設されていることを特徴とする請求項2に記載のコルゲートチューブ。
【請求項4】
前記スリットと対向する位置に、軸方向に沿って断面V字状をなす折れ部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコルゲートチューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−239498(P2011−239498A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106505(P2010−106505)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】