コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法
本発明は、コロナ放電によって反応ガスをナノメートルサイズの均一な超微粒子に製造することができる、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法を開示する。本発明の超微粒子製造装置は、反応ガス供給装置によってノズルに反応ガスを供給して噴射する。電圧供給装置がノズルに高電圧を印加すると、ノズルではコロナ放電が起こって噴射される反応ガスを分解して多量の超微粒子を生成し、捕集板は超微粒子を捕集する。また、ダクトは、ノズルを取り囲んでノズルとの間に通路を形成し、ダクトの通路に供給されるシースガスは、ノズルと捕集板との間にガスカーテンを形成して超微粒子の流動を誘導する。ダクトの通路に他の反応ガスを供給した後、熱エネルギーを加えると、他の反応ガスが熱的化学反応を起こして多量の他の超微粒子を生成し、他の超微粒子はコロナ放電によって生成される超微粒子にコートされる。超微粒子と他の反応ガスをノズルの下流に位置している他のノズルによって噴射しながらコロナ放電を起こすと、超微粒子に、他の反応ガスから生成される他の超粒子がコートされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロナ放電によって反応ガスをナノメートルサイズの超微粒子に製造することが可能な、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナノメートルサイズの超微粒子は、火炎または炉などを用いて製造した後、フィルタによって捕集し或いは捕集板に付着させて得ている。ところが、このような技術は、高温で超微粒子を製造するため、多くのエネルギーがかかり、捕集率が低いという欠点がある。捕集に失敗したSiO2、Fe2O3などの金属酸化物の超微粒子は、環境を汚染させるという問題があるうえ、高温で超微粒子が引き付け合って凝集しながら特性を失ってしまうという問題を抱えている。
【0003】
一方、超微粒子の製造に用いられているコロナ放電は、気体中の放電の一形態であって、2つの電極の間に高電圧を印加すると、火花を発生する前に電場の強い部分のみが発光して伝導性を持つ現象を意味する。2つの電極が両方とも平板状または大径球状などを有する場合には、その電場は殆ど均一である。ところが、1つの電極または2つの電極が針状またはシリンダ状を有する場合には、その電極付近の電場が特に強くなって部分放電が起こる。コロナ放電によって放電する電子は、付近の空気分子と衝突して陽電荷を帯びる多量のイオンを生成する。電子と陽電荷のイオンに分離されている状態の気体は、プラズマと呼んでいる。
【0004】
コロナ放電が属するプラズマ技術は、ドライエッチング、CVD(ケミカル ベーパ デポジション)、プラズマ重合、表面改質、スパッタリング、空気浄化などに広範囲に用いられており、米国特許第5,015,845号、米国特許第5,247,842号、米国特許第5,523,566号、米国特許第5,873,523号に提示されている。
【0005】
ところが、針状またはシリンダ状電極を使用する従来のプラズマ技術においては、電極の設置によって装置の構造が複雑になるという問題がある。特に、針状電極の場合、長時間使用の際に劣化によって容易に断線し、断線が発生した電極の取替えによって作業性及び運転性が低下するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は上述したような従来の技術のいろんな問題点を解決するために創案されたもので、その目的とするところは、コロナ放電によって反応ガスをナノメートルサイズの均一な超微粒子に製造することが可能な、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、超微粒子の捕集率が非常に高い、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、異種の超微粒子を互いに付着させ或いは一つの超微粒子に他の一つの超微粒子を効率よくコートして製造することが可能な、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、反応ガス供給手段に連結され、反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される反応ガスをコロナ放電させて多量の超微粒子を生成する少なくとも一つのノズルと、ノズルにコロナ放電を起こす高電圧を印加するように接続される電源供給手段と、ノズルから離隔しており、ノズルのコロナ放電によって生成される超微粒子を捕集する捕集手段とからなるコロナ放電を用いた超微粒子製造装置にある。
【0009】
本発明の他の特徴は、電源供給手段によってノズルに高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、反応ガス供給手段によってノズルに反応ガスを供給する段階と、ノズルのコロナ放電領域に反応ガスを噴射して多量の超微粒子を生成する段階と、ノズルのコロナ放電領域を通過する超微粒子を捕集手段によって捕集する段階とを含んでなるコロナ放電を用いた超微粒子製造方法にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係るコロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係る超微粒子製造装置の基本となる第1実施例の構成を示す。図1を参照すると、第1実施例の超微粒子製造装置は、TTIP(Titanium tetraisopropoxide)、Ti(OC3H7)4)、TEOS(Tetraethoxyorthosilicate、Si(OCH2(H3)4)などの前駆体(Precursor)から得た多様な反応ガスを供給する反応ガス供給装置10を備える。
【0012】
反応ガス供給装置10は、反応ガスソースと、反応ガスソースに連結されて反応ガスを圧縮して供給するコンプレッサと、反応ガスの流量を制御して供給する質量流量計(MFC)とから構成することができる。前駆体から得た反応ガスの反応ガスソースは、前駆体を蓄えるリザーバ(Reservoir)と、リザーバから供給される前駆体を噴射するノズルと、ノズルから噴射される前駆体を加熱するヒーターとから構成することができる。コンプレッサ、質量流量計、リザーバ、ノズル及びヒーターの構成と作用は公知のことなので、ここではそれについての詳細な説明は省略する。反応ガスは、Ar、N2、Heなどのキャリアガスと混合して供給することができ、キャリアガスのキャリアガスソースはリザーバから構成することができる。
【0013】
一方、第1実施例の超微粒子製造装置は、反応ガス供給装置10とパイプライン12によって連結され、反応ガスを内部に流入させて噴射することが可能なノズル20を備える。ノズル20は孔22を有し、孔22の直径は約1mm以下である。ノズル10は、必要に応じて直径1mm以下の毛細管に代えてもよい。図1ではノズル20が断面円形のシリンダ型ノズルから構成されているが、これは例示的なものに過ぎず、ノズル20は反応ガスを内部に流入させて噴射することが可能な形状を持つ断面、例えばスリット型ノズルから構成されてもよい。
【0014】
電源供給装置30は、ノズル20に高電圧を印加するように接続されている。電源供給装置30は、図2aに示されているように6kv以上の直流定電圧を印加し、或いは図2b〜図2fに示されているようなパルスを持つ6kv以上の高電圧を印加する。ノズル20の先端24では、電源供給装置30による高電圧の印加によってコロナ放電が起こり、図1に破線で示されているように、ノズル20の先端24から部分放電によって約半径1mm以下のコロナ放電領域26が形成される。
【0015】
図1を再び参照すると、本発明の超微粒子製造装置は、コロナ放電によって生成される超微粒子Pを捕集し得るように接地されている捕集手段として捕集板40を備え、捕集板40は、ノズル20の孔22に対して所定の距離を置いて離隔している。捕集板40は、例えばシリコン基板、ガラス基板を使用することができるが、フィルタに代えてもよい。シリコンウェーハ上に超微粒子Pを捕集することによっては、半導体の製造工程に適用することができ、ガラス基板上に超微粒子Pを捕集することによっては、TFT−LCD(薄膜トランジスター液晶表示)、PDP(プラズマ表示パネル)、EL(エレクトロルミネッセンス)などの平面ディスプレイ装置の製造工程に適用することができる。捕集板40は、移送手段としてのコンベヤー42またはキャリッジに乗せて連続的または周期的に移送できる。
【0016】
図3は本発明に係る超微粒子製造装置の第2実施例の構成を示す。図3を参照すると、第2実施例の超微粒子製造装置は、第1実施例の超微粒子製造装置と同様の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30及び捕集板40を備える。捕集板40は、図1に示されているコンベヤー42によって連続的または周期的に移送できる。ノズル20は、シリンダ型ダクト50の内側に、ダクト50と同心を成すように収容されている。ノズル20の外面とダクト50の内面との間には通路52が形成されており、ノズル20の先端24はダクト50の外側に突出している。ダクト50の通路52には、例えばAr、N2などのシースガス(Sheath gas)を供給するシースガス供給装置60のパイプライン62が連結されている。シースガス供給装置60は、公知のリザーバ、コンプレッサ及び質量流量計から構成できる。ダクト50の通路52から排出されるシースガスは、図3に一点鎖で示されているように、ノズル20と捕集板40との間にガスカーテン(Gas curtain)64を形成する。
【0017】
図4は本発明に係る超微粒子製造装置の第3実施例の構成を示す。図4を参照すると、第3実施例の超微粒子製造装置は、第2実施例の超微粒子製造装置と同様の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30、捕集板40、ダクト50及びシースガス供給装置60を備える。
【0018】
電源供給装置30には第1可変抵抗器70が連結されており、第1可変抵抗器70はダクト50に接続されている。第1可変抵抗器70によって、電源供給装置30から印加される高電圧が降下し、これによりノズル20に印加される高電圧と同一極性の低電圧がダクト50に印加される。また、第1可変抵抗器70には、第1可変抵抗器70によって降下した電圧をさらに降下させる第2可変抵抗器72が連結されており、第2可変抵抗器72は接地されている。第1可変抵抗器70の抵抗値と第2可変抵抗器72の抵抗値とが同一であれば、ノズル20とダクト50との間に印加される電圧は、ダクト50と接地との間に印加される電圧と同一になる。
【0019】
第3実施例の超微粒子製造装置において、ノズル20とダクト50との間に電圧差が形成されるように、第1可変抵抗器70及び第2可変抵抗器72を使用しているが、第1及び第2可変抵抗器70、72の代わりに固定抵抗器を使用してもよい。また、一つの電源供給装置30と第1及び第2可変抵抗器70、72の代わりに、2つの電源供給装置を使用してもよい。この場合、一つの電源供給装置によってはノズル20に高電圧の電源を印加し、もう一つの電源供給装置によってはダクト50に低電圧の電源を印加する。
【0020】
次に、図5を参照して、本発明に係るコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法の第1実施例を説明する。第1〜第3実施例それぞれの超微粒子製造装置の作用は、部分的に異なる以外は基本的に同一なので、第1実施例の超微粒子製造方法は第3実施例の超微粒子製造装置の構成に基づいて説明する。
【0021】
まず、第3実施例のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置を準備する(S10)。第3実施例の超微粒子製造装置が準備されると、電源供給装置30によってノズル20に高電圧を印加してコロナ放電を発生させる(S12)。電源供給装置30によって、ノズル20には図2aに示されているように直流定電圧の高電圧が印加され、この高電圧は第1可変抵抗器70を介して低電圧に降下してダクト50に印加される。ノズル20の先端24では、電源供給装置30から印加される高電圧によってコロナ放電が起こり、コロナ放電によって、図1、図3及び図4に破線で示されているようにノズル20の先端24から略半径1mm以下のコロナ放電領域26が形成される。ノズル20のコロナ放電領域26では、高エネルギーを持つ多量のイオンと電子が生成される。図6に例示的に示されているノズルの電流−電圧特性曲線から、ノズル20に8〜10kv程度の高電圧を印加したときにコロナ放電が起こったことが分かる。
【0022】
次に、シースガス供給装置60によってダクト50の通路52にシースガスを供給すると、ダクト50の通路52に供給されるシースガスは、下流に流れて、図3及び図4に一点鎖線で示されているように、捕集板40とダクト50との間にコロナ放電領域26を取り囲むガスカーテン64を形成する(S14)。このガスカーテン64は、層流であり、ガスカーテン64の内側と外側間の流体の流れを遮断する。
【0023】
反応ガス供給装置10によってノズル20に反応ガスを供給すると(S16)、ノズル20の孔22を介してコロナ放電領域26に噴射される反応ガスは、高エネルギーのイオンによって分解されて数多くの超微粒子Pを生成する(S18)。このように本発明の超微粒子製造装置によって生成された超微粒子Pは、図7a及び図7bに示されている超微粒子のサイズ分布から分かるように、約10nm程度と極めて微細である。図7a及び図7bを参照すると、粒子直径DPが13.21nmのとき、幾何標準偏差σgは1.07であり、粒子直径Dpが8.77nmのとき、幾何標準偏差σgは1.04である。幾何標準偏差σgが1のとき、粒子直径が全く同一であることを示すので、本発明によってほぼ一定サイズの粒子が製造されることが分かる。また、超微粒子Pはイオンによって同一の極性に荷電されるので、超微粒子P間には電気的斥力が発生して凝集しない特性を持つ。超微粒子Pの温度は、コロナ放電領域26を外れると、常温に維持されるため、超微粒子P間の衝突による融合(Coalescence)は発生しない。
【0024】
次いで、シースガスによって形成されているガスカーテン64は、コロナ放電領域26を外れる超微粒子Pの拡散を防止し、超微粒子Pの流動を層流に誘導して超微粒子Pを捕集板40に捕集する(S20)。この際、ダクト50には、ノズル20に印加される高電圧と同一極性の低電圧が印加されているため、超微粒子Pが付着しない。したがって、超微粒子Pの損失が最小化されるので、捕集率を大きく高めることができる。
【0025】
一方、図1を参照すると、捕集板40は、コンベヤー42によって周期的に移送しながら超微粒子Pを捕集することができる。この場合、電源供給装置30は、捕集板40の移送周期に対応するように、図2b〜図2fに示されているようなパルスを持つ高電圧をノズル20に印加する。このような捕集板40の移送と超微粒子Pの捕集によっては、シリコン基板、ガラス基板に多様な形の金属酸化物を効率よくコートすることができる。
【0026】
図8は本発明に係る超微粒子製造装置の第4実施例を示す。図8を参照すると、第4実施例の超微粒子製造装置は、第1〜第3実施例の超微粒子製造装置の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30と同じ構成の第1及び第2反応ガス供給装置110、210、第1及び第2ノズル120、220、第1及び第2電源供給装置130、230を備える。第1ノズル120と第2ノズル220は、所定の距離を置いて対向するように離隔している。
【0027】
第1電源供給装置130と第2電源供給装置230は、第1ノズル120と第2ノズル220それぞれに反対極性の高電圧を印加し、第1ノズル120の先端124と第2ノズル220の先端224からコロナ放電が起こるようにする。例えば、第1電源供給装置130は第1ノズル120に陽極の高電圧を印加し、第2電源供給装置230は第2ノズル220に陰極の高電圧を印加する。第1反応ガス供給装置110と第2反応ガス供給装置210は、異種の第1及び第2反応ガスを、パイプライン112、212に連結されている第1ノズル120の孔122と第2ノズル220の孔222それぞれに供給する。第1ノズル120のコロナ放電領域126を通過する第1超微粒子P1は陽極に荷電され、第2ノズル220のコロナ放電領域226を通過する第2超微粒子P2は陰極に荷電される。陽極を帯びる第1超微粒子P1と、陰極を帯びる第2超微粒子P2とは、第1ノズル120と第2ノズル220間の中間領域で引き付け合う。したがって、第1超微粒子P1と第2超微粒子P2が一定の割合で混合されている超微粒子混合物を得ることができる。
【0028】
一方、第1ノズル120と第2ノズル220のいずれか一つ、例えば第2ノズル220は接地し、第2電源供給装置230は除去することができる。この場合、第1電源供給装置130によって第1ノズル120に高電圧が印加されると、第1ノズル120と第2ノズル220との間に高電位差が発生して第1ノズル120の先端124と第2ノズル220の先端224からコロナ放電が起こる。
【0029】
図9は本発明に係る超微粒子製造装置の第5実施例を示す。図9を参照すると、第5実施例の超微粒子製造装置は、第1〜第3実施例の超微粒子製造装置の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30、捕集板40と同じ構成の第1及び第2反応ガス供給装置310、360、ノズル320、電源供給装置330、捕集板340を備える。
【0030】
第1反応ガス供給装置310は、パイプライン312を介してノズル320の孔322に第1反応ガスを供給する。ノズル320は、ダクト350の内側上流に全て収容されている。ノズル320の外面とダクト350の内面との間に通路352が形成されており、ノズル320の下方にはダクト350によって取り囲まれる反応領域354が形成されている。第2反応ガス供給装置360は、パイプライン362を介してダクト350の通路352に第2反応ガスを供給する。
【0031】
電源供給装置330には第1可変抵抗器370が連結されており、第1可変抵抗器370はダクト350に接続されている。第1可変抵抗器370によって、電源供給装置330から印加される高電圧が降下し、これによりノズル320に印加される高電圧と同一極性の低電圧がダクト350に印加される。また、第1可変抵抗器370には、第1可変抵抗器370によって降下した電圧をさらに降下させる第2可変抵抗器372が連結されており、第2可変抵抗器372は接地されている。ノズル320の先端324を過ぎるダクト350の外面下部には、反応領域354で第1反応ガスから得られる第1超微粒子P1を第2反応ガスから得られる第2超微粒子P2によってコートし得るように、第2反応ガスに熱エネルギーを加える加熱手段としてヒーター380が設置されている。ヒーター380は、紫外線を放射する紫外線ランプ、または赤外線を放射する赤外線ランプに代えてもよい。
【0032】
このような構成を持つ第5実施例の超微粒子製造装置においては、ヒーター380の熱によって反応領域354を高温に維持すると、ダクト350の通路352を経て反応領域354に導入される第2反応ガスが熱的化学反応を起こす。ノズル320のコロナ放電領域326を経てダクト350の反応領域354に導入される第1超微粒子P1の表面には、熱的化学反応を起こした第2超微粒子P2がコートされる。第2超微粒子P2がコートされている第1超微粒子P1は、捕集板340に捕集される。この際、第1反応ガス供給装置310によって、ノズル320の孔322に例えばTEOSから得た第1反応ガスを供給し、第2反応ガス供給装置360によって、ダクト350の通路352にTTIPから得た第2反応ガスを供給すると、第1反応ガスによって生成されるSiO2に、第2反応ガスによって生成されるTiO2がコートされる。その結果、TiO2がコートされているSiO2を製造することができる。
【0033】
図10は本発明に係る超微粒子製造装置の第6実施例を示す。図10を参照すると、4つのノズル20a〜20dが中空状連結管28によって一体型に連結されており、連結管28は反応ガス供給装置10のパイプライン12に連結されている。電源供給装置10は、連結管28に高電圧を印加し、ノズル20a〜20dの先端24から離隔している捕集板40は接地されている。図10には4つのノズル20a〜20dが示されているが、ノズルの個数は必要に応じて加減することができる。捕集板40は、図1に示して説明したコンベヤー42によって連続的または周期的に移送することができる。
【0034】
このような構成を持つ第6実施例の超微粒子製造装置では、電源供給装置10によって連結管28に高電圧が印加されると、ノズル20a〜20dそれぞれの先端24からコロナ放電が起こってコロナ放電領域26を形成するので、一つのノズルを使用するときより多量の超微粒子Pを生成することができる。第6実施例の超微粒子製造装置を構成するノズル20a〜20dは、第2〜第5実施例それぞれの超微粒子製造装置に適用することができる。
【0035】
図11は第7実施例の超微粒子製造装置を示す。図11を参照すると、第7実施例の超微粒子製造装置は、第1〜第3実施例の超微粒子製造装置の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30、捕集板40と同じ構成の第1及び第2反応ガス供給装置410、510、第1及び第2ノズル420、520、第1及び第2電源供給装置430、530、捕集板440を備える。
【0036】
第1ノズル420は、第2ノズル520の上流に位置するようにシリンダ型第1ダクト450の内側に全てが収容されている。第1ノズル420の外面と第1ダクト450の内面との間には通路452が形成されている。第1ダクト450の下流には上流より断面積が減少し、第1ノズル420のコロナ放電領域426を通過する第1超微粒子P1の排出を誘導するファネル(Funnel)454が形成されている。第2反応ガス供給装置510は、パイプライン512を介して第1ダクト450の通路452に第2反応ガスを供給する。
【0037】
第1電源供給装置430には第1可変抵抗器470が連結されており、第1可変抵抗器470は第1ダクト450に接続されている。第1可変抵抗器470によって、第1電源供給装置430から印加される高電圧が降下し、これにより第1ノズル420に印加される高電圧と同じ極性の低電圧が第1ダクト450に印加される。また、第1可変抵抗器470には、第1可変抵抗器470によって降下した電圧をさらに降下させる第2可変抵抗器472が連結されており、第2可変抵抗器472は接地されている。ファネル454の先端には絶縁カップリング456が取り付けられており、絶縁カップリング456には第1ノズル420と同軸を成すように第2ノズル520が取り付けられている。第2ノズル520の孔522を通じては、第1ダクト450の通路452に沿って流れる第1超微粒子P1と第2反応ガスが噴射される。第2電源供給装置530は、第2ノズル520に高電圧を印加して第2ノズル520の先端524からコロナ放電を起こす。そして、第2ノズル520の前方には、捕集板440が所定の距離を置いて離隔している。
【0038】
第1ダクト450と第2ノズル520は、シリンダ型第2ダクト550の内側に第2ダクト550と同心を成すように収容されている。第2ノズル520の外面と第2ダクト550の内面との間には通路552が形成されている。第2ノズル520の先端524は、第2ダクト550の外側に突出している。第2ダクト550の通路552には、シースガスを供給するシースガス供給装置560のパイプライン562が連結されている。第2電源供給装置530は、第1可変抵抗器470と同様に、第2ノズル520に印加される高電圧を降下させる第3可変抵抗器570が連結されており、第3可変抵抗器570は、第2ダクト550に接続されている。第3可変抵抗器570には、接地されている第4可変抵抗器572が連結されている。
【0039】
一方、第7実施例の超微粒子製造装置において、捕集板440は、図1に示して説明したコンベヤー42によって連続的または周期的に移送することができ、第1ノズル420と第2ノズル520は、図10に示して説明したノズル20a〜20dに代えることができる。また、第2ダクト550の通路552には、シースガスの代わりに第3反応ガスを供給し、第2ダクト550の外面にヒーターを設置して第3反応ガスに熱エネルギーを加えることができる。
【0040】
以下、図12を参照して、第7実施例の超微粒子製造装置による超微粒子製造方法の第2実施例を説明する。
【0041】
まず、第7実施例の超微粒子製造装置を準備する(S100)。第7実施例の超微粒子製造装置が準備されると、第1電源供給装置430によって第1ノズル420に高電圧を印加してコロナ放電を起こし(S102)、第1反応ガス供給装置410のパイプライン412を介して、第1ノズル420の孔422には例えばTEOSから得た第1反応ガスを供給する(S104)。第1ノズル420は、コロナ放電によって形成されているコロナ放電領域426に第1反応ガスを噴射し、第1反応ガスは、コロナ放電領域426でイオンによって分解されながら多量の第1超微粒子P1を生成する(S106)。この際、TEOSから得た第1反応ガスによっては、SiO2の第1超微粒子P1を得ることができる。
【0042】
次に、第2電源供給装置530によって第2ノズル520に高電圧を印加してコロナ放電を起こす(S108)。シースガス供給装置560のパイプライン562を介して第2ダクト550の通路552にシースガスを供給すると、第2ダクト550の通路552に供給されるシースガスは、下流に流れて、図11に一点鎖線で示されているように、捕集板540と第2ダクト550との間に第2ノズル520のコロナ放電領域526を取り囲むガスカーテン564を形成する(S110)。第2反応ガス供給装置510のパイプライン512を介して、第1ダクト450の通路452に例えばTTIPから得た第2反応ガスを供給すると、第1超微粒子P1と第2反応ガスは、第1ダクト450の通路452を通過しながら混合されて第2ノズル520の孔522に供給される(S112)。
また、第2ノズル520は、コロナ放電によって形成されているコロナ放電領域526に第1超微粒子P1と第2反応ガスの混合ガスを噴射する。この際、第2ノズル520のコロナ放電領域526を通過するSiO2の第1超微粒子P1は、さらにイオン化されずに荷電される。その電荷量は、レイリー電荷限界(Rayleigh Charge Limit)にまで達する高電荷を帯びる。そして、第2ノズル520のコロナ放電領域526を通過するTTIPから得た第2反応ガスによってはTiO2の第2超微粒子P2が生成され(S114)、TiO2の第2超微粒子P2はSiO2の第1超微粒子P1を核としてコートされる(S116)。その結果、TiO2がコートされているSiO2を製造することができる。最後に、第2超微粒子P2がコートされている第1超微粒子P1の流動は、ガスカーテン564によって誘導されて捕集板440上に捕集される(S118)。
【0043】
一方、第2ダクト550の通路552に第3反応ガスを供給し、第2ダクト550の外面にヒーターを設置して第3反応ガスに熱エネルギーを加えると、第3反応ガスの熱的化学反応によって生成される新しい超微粒子がTiO2にコートされる。したがって、多層コーティングの超微粒子を簡便に製造することができる。
【0044】
以上説明した実施例は、本発明によって超微粒子を製造する実施が可能な種々の実施例に過ぎず、本発明の権利範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。この分野の当業者であれば、本発明の技術的思想と特許請求の範囲を逸脱しない範疇内において、各種変更、変形または置換を加え得ることは勿論であり、それらについても本発明の範囲に属するものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述したように、本発明に係るコロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法によれば、コロナ放電によって反応ガスをナノメートルサイズの均一な超微粒子に製造することができ、超微粒子の捕集率を大きく高めることができる。また、異種の超微粒子を互いに付着させ或いは一つの超微粒子に他の一つの超微粒子を効率よくコートして新しい超微粒子を簡便且つ効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る超微粒子製造装置の第1実施例の構成を示す断面図である。
【図2a】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2b】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2c】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2d】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2e】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2f】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図3】本発明に係る超微粒子製造装置の第2実施例の構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係る超微粒子製造装置の第3実施例の構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る第3実施例の超微粒子製造装置による超微粒子製造方法の第1実施例を説明するために示す流れ図である。
【図6】本発明に係る超微粒子製造装置におけるノズルの電流−電圧特性曲線を示すグラフである。
【図7a】本発明に係る超微粒子製造装置によって製造した超微粒子の大きさ分布を示すグラフである。
【図7b】本発明に係る超微粒子製造装置によって製造した超微粒子の大きさ分布を示すグラフである。
【図8】本発明に係る超微粒子製造装置の第4実施例の構成を示す断面図である。
【図9】本発明に係る超微粒子製造装置の第5実施例の構成を示す断面図である。
【図10】本発明に係る超微粒子製造装置の第6実施例の構成を示す断面図である。
【図11】本発明に係る超微粒子製造装置の第7実施例の構成を示す断面図である。
【図12】本発明に係る第7実施例の超微粒子製造装置による超微粒子製造方法の第2実施例を説明するために示す流れ図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロナ放電によって反応ガスをナノメートルサイズの超微粒子に製造することが可能な、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナノメートルサイズの超微粒子は、火炎または炉などを用いて製造した後、フィルタによって捕集し或いは捕集板に付着させて得ている。ところが、このような技術は、高温で超微粒子を製造するため、多くのエネルギーがかかり、捕集率が低いという欠点がある。捕集に失敗したSiO2、Fe2O3などの金属酸化物の超微粒子は、環境を汚染させるという問題があるうえ、高温で超微粒子が引き付け合って凝集しながら特性を失ってしまうという問題を抱えている。
【0003】
一方、超微粒子の製造に用いられているコロナ放電は、気体中の放電の一形態であって、2つの電極の間に高電圧を印加すると、火花を発生する前に電場の強い部分のみが発光して伝導性を持つ現象を意味する。2つの電極が両方とも平板状または大径球状などを有する場合には、その電場は殆ど均一である。ところが、1つの電極または2つの電極が針状またはシリンダ状を有する場合には、その電極付近の電場が特に強くなって部分放電が起こる。コロナ放電によって放電する電子は、付近の空気分子と衝突して陽電荷を帯びる多量のイオンを生成する。電子と陽電荷のイオンに分離されている状態の気体は、プラズマと呼んでいる。
【0004】
コロナ放電が属するプラズマ技術は、ドライエッチング、CVD(ケミカル ベーパ デポジション)、プラズマ重合、表面改質、スパッタリング、空気浄化などに広範囲に用いられており、米国特許第5,015,845号、米国特許第5,247,842号、米国特許第5,523,566号、米国特許第5,873,523号に提示されている。
【0005】
ところが、針状またはシリンダ状電極を使用する従来のプラズマ技術においては、電極の設置によって装置の構造が複雑になるという問題がある。特に、針状電極の場合、長時間使用の際に劣化によって容易に断線し、断線が発生した電極の取替えによって作業性及び運転性が低下するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は上述したような従来の技術のいろんな問題点を解決するために創案されたもので、その目的とするところは、コロナ放電によって反応ガスをナノメートルサイズの均一な超微粒子に製造することが可能な、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、超微粒子の捕集率が非常に高い、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、異種の超微粒子を互いに付着させ或いは一つの超微粒子に他の一つの超微粒子を効率よくコートして製造することが可能な、コロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、反応ガス供給手段に連結され、反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される反応ガスをコロナ放電させて多量の超微粒子を生成する少なくとも一つのノズルと、ノズルにコロナ放電を起こす高電圧を印加するように接続される電源供給手段と、ノズルから離隔しており、ノズルのコロナ放電によって生成される超微粒子を捕集する捕集手段とからなるコロナ放電を用いた超微粒子製造装置にある。
【0009】
本発明の他の特徴は、電源供給手段によってノズルに高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、反応ガス供給手段によってノズルに反応ガスを供給する段階と、ノズルのコロナ放電領域に反応ガスを噴射して多量の超微粒子を生成する段階と、ノズルのコロナ放電領域を通過する超微粒子を捕集手段によって捕集する段階とを含んでなるコロナ放電を用いた超微粒子製造方法にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係るコロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明に係る超微粒子製造装置の基本となる第1実施例の構成を示す。図1を参照すると、第1実施例の超微粒子製造装置は、TTIP(Titanium tetraisopropoxide)、Ti(OC3H7)4)、TEOS(Tetraethoxyorthosilicate、Si(OCH2(H3)4)などの前駆体(Precursor)から得た多様な反応ガスを供給する反応ガス供給装置10を備える。
【0012】
反応ガス供給装置10は、反応ガスソースと、反応ガスソースに連結されて反応ガスを圧縮して供給するコンプレッサと、反応ガスの流量を制御して供給する質量流量計(MFC)とから構成することができる。前駆体から得た反応ガスの反応ガスソースは、前駆体を蓄えるリザーバ(Reservoir)と、リザーバから供給される前駆体を噴射するノズルと、ノズルから噴射される前駆体を加熱するヒーターとから構成することができる。コンプレッサ、質量流量計、リザーバ、ノズル及びヒーターの構成と作用は公知のことなので、ここではそれについての詳細な説明は省略する。反応ガスは、Ar、N2、Heなどのキャリアガスと混合して供給することができ、キャリアガスのキャリアガスソースはリザーバから構成することができる。
【0013】
一方、第1実施例の超微粒子製造装置は、反応ガス供給装置10とパイプライン12によって連結され、反応ガスを内部に流入させて噴射することが可能なノズル20を備える。ノズル20は孔22を有し、孔22の直径は約1mm以下である。ノズル10は、必要に応じて直径1mm以下の毛細管に代えてもよい。図1ではノズル20が断面円形のシリンダ型ノズルから構成されているが、これは例示的なものに過ぎず、ノズル20は反応ガスを内部に流入させて噴射することが可能な形状を持つ断面、例えばスリット型ノズルから構成されてもよい。
【0014】
電源供給装置30は、ノズル20に高電圧を印加するように接続されている。電源供給装置30は、図2aに示されているように6kv以上の直流定電圧を印加し、或いは図2b〜図2fに示されているようなパルスを持つ6kv以上の高電圧を印加する。ノズル20の先端24では、電源供給装置30による高電圧の印加によってコロナ放電が起こり、図1に破線で示されているように、ノズル20の先端24から部分放電によって約半径1mm以下のコロナ放電領域26が形成される。
【0015】
図1を再び参照すると、本発明の超微粒子製造装置は、コロナ放電によって生成される超微粒子Pを捕集し得るように接地されている捕集手段として捕集板40を備え、捕集板40は、ノズル20の孔22に対して所定の距離を置いて離隔している。捕集板40は、例えばシリコン基板、ガラス基板を使用することができるが、フィルタに代えてもよい。シリコンウェーハ上に超微粒子Pを捕集することによっては、半導体の製造工程に適用することができ、ガラス基板上に超微粒子Pを捕集することによっては、TFT−LCD(薄膜トランジスター液晶表示)、PDP(プラズマ表示パネル)、EL(エレクトロルミネッセンス)などの平面ディスプレイ装置の製造工程に適用することができる。捕集板40は、移送手段としてのコンベヤー42またはキャリッジに乗せて連続的または周期的に移送できる。
【0016】
図3は本発明に係る超微粒子製造装置の第2実施例の構成を示す。図3を参照すると、第2実施例の超微粒子製造装置は、第1実施例の超微粒子製造装置と同様の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30及び捕集板40を備える。捕集板40は、図1に示されているコンベヤー42によって連続的または周期的に移送できる。ノズル20は、シリンダ型ダクト50の内側に、ダクト50と同心を成すように収容されている。ノズル20の外面とダクト50の内面との間には通路52が形成されており、ノズル20の先端24はダクト50の外側に突出している。ダクト50の通路52には、例えばAr、N2などのシースガス(Sheath gas)を供給するシースガス供給装置60のパイプライン62が連結されている。シースガス供給装置60は、公知のリザーバ、コンプレッサ及び質量流量計から構成できる。ダクト50の通路52から排出されるシースガスは、図3に一点鎖で示されているように、ノズル20と捕集板40との間にガスカーテン(Gas curtain)64を形成する。
【0017】
図4は本発明に係る超微粒子製造装置の第3実施例の構成を示す。図4を参照すると、第3実施例の超微粒子製造装置は、第2実施例の超微粒子製造装置と同様の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30、捕集板40、ダクト50及びシースガス供給装置60を備える。
【0018】
電源供給装置30には第1可変抵抗器70が連結されており、第1可変抵抗器70はダクト50に接続されている。第1可変抵抗器70によって、電源供給装置30から印加される高電圧が降下し、これによりノズル20に印加される高電圧と同一極性の低電圧がダクト50に印加される。また、第1可変抵抗器70には、第1可変抵抗器70によって降下した電圧をさらに降下させる第2可変抵抗器72が連結されており、第2可変抵抗器72は接地されている。第1可変抵抗器70の抵抗値と第2可変抵抗器72の抵抗値とが同一であれば、ノズル20とダクト50との間に印加される電圧は、ダクト50と接地との間に印加される電圧と同一になる。
【0019】
第3実施例の超微粒子製造装置において、ノズル20とダクト50との間に電圧差が形成されるように、第1可変抵抗器70及び第2可変抵抗器72を使用しているが、第1及び第2可変抵抗器70、72の代わりに固定抵抗器を使用してもよい。また、一つの電源供給装置30と第1及び第2可変抵抗器70、72の代わりに、2つの電源供給装置を使用してもよい。この場合、一つの電源供給装置によってはノズル20に高電圧の電源を印加し、もう一つの電源供給装置によってはダクト50に低電圧の電源を印加する。
【0020】
次に、図5を参照して、本発明に係るコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法の第1実施例を説明する。第1〜第3実施例それぞれの超微粒子製造装置の作用は、部分的に異なる以外は基本的に同一なので、第1実施例の超微粒子製造方法は第3実施例の超微粒子製造装置の構成に基づいて説明する。
【0021】
まず、第3実施例のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置を準備する(S10)。第3実施例の超微粒子製造装置が準備されると、電源供給装置30によってノズル20に高電圧を印加してコロナ放電を発生させる(S12)。電源供給装置30によって、ノズル20には図2aに示されているように直流定電圧の高電圧が印加され、この高電圧は第1可変抵抗器70を介して低電圧に降下してダクト50に印加される。ノズル20の先端24では、電源供給装置30から印加される高電圧によってコロナ放電が起こり、コロナ放電によって、図1、図3及び図4に破線で示されているようにノズル20の先端24から略半径1mm以下のコロナ放電領域26が形成される。ノズル20のコロナ放電領域26では、高エネルギーを持つ多量のイオンと電子が生成される。図6に例示的に示されているノズルの電流−電圧特性曲線から、ノズル20に8〜10kv程度の高電圧を印加したときにコロナ放電が起こったことが分かる。
【0022】
次に、シースガス供給装置60によってダクト50の通路52にシースガスを供給すると、ダクト50の通路52に供給されるシースガスは、下流に流れて、図3及び図4に一点鎖線で示されているように、捕集板40とダクト50との間にコロナ放電領域26を取り囲むガスカーテン64を形成する(S14)。このガスカーテン64は、層流であり、ガスカーテン64の内側と外側間の流体の流れを遮断する。
【0023】
反応ガス供給装置10によってノズル20に反応ガスを供給すると(S16)、ノズル20の孔22を介してコロナ放電領域26に噴射される反応ガスは、高エネルギーのイオンによって分解されて数多くの超微粒子Pを生成する(S18)。このように本発明の超微粒子製造装置によって生成された超微粒子Pは、図7a及び図7bに示されている超微粒子のサイズ分布から分かるように、約10nm程度と極めて微細である。図7a及び図7bを参照すると、粒子直径DPが13.21nmのとき、幾何標準偏差σgは1.07であり、粒子直径Dpが8.77nmのとき、幾何標準偏差σgは1.04である。幾何標準偏差σgが1のとき、粒子直径が全く同一であることを示すので、本発明によってほぼ一定サイズの粒子が製造されることが分かる。また、超微粒子Pはイオンによって同一の極性に荷電されるので、超微粒子P間には電気的斥力が発生して凝集しない特性を持つ。超微粒子Pの温度は、コロナ放電領域26を外れると、常温に維持されるため、超微粒子P間の衝突による融合(Coalescence)は発生しない。
【0024】
次いで、シースガスによって形成されているガスカーテン64は、コロナ放電領域26を外れる超微粒子Pの拡散を防止し、超微粒子Pの流動を層流に誘導して超微粒子Pを捕集板40に捕集する(S20)。この際、ダクト50には、ノズル20に印加される高電圧と同一極性の低電圧が印加されているため、超微粒子Pが付着しない。したがって、超微粒子Pの損失が最小化されるので、捕集率を大きく高めることができる。
【0025】
一方、図1を参照すると、捕集板40は、コンベヤー42によって周期的に移送しながら超微粒子Pを捕集することができる。この場合、電源供給装置30は、捕集板40の移送周期に対応するように、図2b〜図2fに示されているようなパルスを持つ高電圧をノズル20に印加する。このような捕集板40の移送と超微粒子Pの捕集によっては、シリコン基板、ガラス基板に多様な形の金属酸化物を効率よくコートすることができる。
【0026】
図8は本発明に係る超微粒子製造装置の第4実施例を示す。図8を参照すると、第4実施例の超微粒子製造装置は、第1〜第3実施例の超微粒子製造装置の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30と同じ構成の第1及び第2反応ガス供給装置110、210、第1及び第2ノズル120、220、第1及び第2電源供給装置130、230を備える。第1ノズル120と第2ノズル220は、所定の距離を置いて対向するように離隔している。
【0027】
第1電源供給装置130と第2電源供給装置230は、第1ノズル120と第2ノズル220それぞれに反対極性の高電圧を印加し、第1ノズル120の先端124と第2ノズル220の先端224からコロナ放電が起こるようにする。例えば、第1電源供給装置130は第1ノズル120に陽極の高電圧を印加し、第2電源供給装置230は第2ノズル220に陰極の高電圧を印加する。第1反応ガス供給装置110と第2反応ガス供給装置210は、異種の第1及び第2反応ガスを、パイプライン112、212に連結されている第1ノズル120の孔122と第2ノズル220の孔222それぞれに供給する。第1ノズル120のコロナ放電領域126を通過する第1超微粒子P1は陽極に荷電され、第2ノズル220のコロナ放電領域226を通過する第2超微粒子P2は陰極に荷電される。陽極を帯びる第1超微粒子P1と、陰極を帯びる第2超微粒子P2とは、第1ノズル120と第2ノズル220間の中間領域で引き付け合う。したがって、第1超微粒子P1と第2超微粒子P2が一定の割合で混合されている超微粒子混合物を得ることができる。
【0028】
一方、第1ノズル120と第2ノズル220のいずれか一つ、例えば第2ノズル220は接地し、第2電源供給装置230は除去することができる。この場合、第1電源供給装置130によって第1ノズル120に高電圧が印加されると、第1ノズル120と第2ノズル220との間に高電位差が発生して第1ノズル120の先端124と第2ノズル220の先端224からコロナ放電が起こる。
【0029】
図9は本発明に係る超微粒子製造装置の第5実施例を示す。図9を参照すると、第5実施例の超微粒子製造装置は、第1〜第3実施例の超微粒子製造装置の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30、捕集板40と同じ構成の第1及び第2反応ガス供給装置310、360、ノズル320、電源供給装置330、捕集板340を備える。
【0030】
第1反応ガス供給装置310は、パイプライン312を介してノズル320の孔322に第1反応ガスを供給する。ノズル320は、ダクト350の内側上流に全て収容されている。ノズル320の外面とダクト350の内面との間に通路352が形成されており、ノズル320の下方にはダクト350によって取り囲まれる反応領域354が形成されている。第2反応ガス供給装置360は、パイプライン362を介してダクト350の通路352に第2反応ガスを供給する。
【0031】
電源供給装置330には第1可変抵抗器370が連結されており、第1可変抵抗器370はダクト350に接続されている。第1可変抵抗器370によって、電源供給装置330から印加される高電圧が降下し、これによりノズル320に印加される高電圧と同一極性の低電圧がダクト350に印加される。また、第1可変抵抗器370には、第1可変抵抗器370によって降下した電圧をさらに降下させる第2可変抵抗器372が連結されており、第2可変抵抗器372は接地されている。ノズル320の先端324を過ぎるダクト350の外面下部には、反応領域354で第1反応ガスから得られる第1超微粒子P1を第2反応ガスから得られる第2超微粒子P2によってコートし得るように、第2反応ガスに熱エネルギーを加える加熱手段としてヒーター380が設置されている。ヒーター380は、紫外線を放射する紫外線ランプ、または赤外線を放射する赤外線ランプに代えてもよい。
【0032】
このような構成を持つ第5実施例の超微粒子製造装置においては、ヒーター380の熱によって反応領域354を高温に維持すると、ダクト350の通路352を経て反応領域354に導入される第2反応ガスが熱的化学反応を起こす。ノズル320のコロナ放電領域326を経てダクト350の反応領域354に導入される第1超微粒子P1の表面には、熱的化学反応を起こした第2超微粒子P2がコートされる。第2超微粒子P2がコートされている第1超微粒子P1は、捕集板340に捕集される。この際、第1反応ガス供給装置310によって、ノズル320の孔322に例えばTEOSから得た第1反応ガスを供給し、第2反応ガス供給装置360によって、ダクト350の通路352にTTIPから得た第2反応ガスを供給すると、第1反応ガスによって生成されるSiO2に、第2反応ガスによって生成されるTiO2がコートされる。その結果、TiO2がコートされているSiO2を製造することができる。
【0033】
図10は本発明に係る超微粒子製造装置の第6実施例を示す。図10を参照すると、4つのノズル20a〜20dが中空状連結管28によって一体型に連結されており、連結管28は反応ガス供給装置10のパイプライン12に連結されている。電源供給装置10は、連結管28に高電圧を印加し、ノズル20a〜20dの先端24から離隔している捕集板40は接地されている。図10には4つのノズル20a〜20dが示されているが、ノズルの個数は必要に応じて加減することができる。捕集板40は、図1に示して説明したコンベヤー42によって連続的または周期的に移送することができる。
【0034】
このような構成を持つ第6実施例の超微粒子製造装置では、電源供給装置10によって連結管28に高電圧が印加されると、ノズル20a〜20dそれぞれの先端24からコロナ放電が起こってコロナ放電領域26を形成するので、一つのノズルを使用するときより多量の超微粒子Pを生成することができる。第6実施例の超微粒子製造装置を構成するノズル20a〜20dは、第2〜第5実施例それぞれの超微粒子製造装置に適用することができる。
【0035】
図11は第7実施例の超微粒子製造装置を示す。図11を参照すると、第7実施例の超微粒子製造装置は、第1〜第3実施例の超微粒子製造装置の反応ガス供給装置10、ノズル20、電源供給装置30、捕集板40と同じ構成の第1及び第2反応ガス供給装置410、510、第1及び第2ノズル420、520、第1及び第2電源供給装置430、530、捕集板440を備える。
【0036】
第1ノズル420は、第2ノズル520の上流に位置するようにシリンダ型第1ダクト450の内側に全てが収容されている。第1ノズル420の外面と第1ダクト450の内面との間には通路452が形成されている。第1ダクト450の下流には上流より断面積が減少し、第1ノズル420のコロナ放電領域426を通過する第1超微粒子P1の排出を誘導するファネル(Funnel)454が形成されている。第2反応ガス供給装置510は、パイプライン512を介して第1ダクト450の通路452に第2反応ガスを供給する。
【0037】
第1電源供給装置430には第1可変抵抗器470が連結されており、第1可変抵抗器470は第1ダクト450に接続されている。第1可変抵抗器470によって、第1電源供給装置430から印加される高電圧が降下し、これにより第1ノズル420に印加される高電圧と同じ極性の低電圧が第1ダクト450に印加される。また、第1可変抵抗器470には、第1可変抵抗器470によって降下した電圧をさらに降下させる第2可変抵抗器472が連結されており、第2可変抵抗器472は接地されている。ファネル454の先端には絶縁カップリング456が取り付けられており、絶縁カップリング456には第1ノズル420と同軸を成すように第2ノズル520が取り付けられている。第2ノズル520の孔522を通じては、第1ダクト450の通路452に沿って流れる第1超微粒子P1と第2反応ガスが噴射される。第2電源供給装置530は、第2ノズル520に高電圧を印加して第2ノズル520の先端524からコロナ放電を起こす。そして、第2ノズル520の前方には、捕集板440が所定の距離を置いて離隔している。
【0038】
第1ダクト450と第2ノズル520は、シリンダ型第2ダクト550の内側に第2ダクト550と同心を成すように収容されている。第2ノズル520の外面と第2ダクト550の内面との間には通路552が形成されている。第2ノズル520の先端524は、第2ダクト550の外側に突出している。第2ダクト550の通路552には、シースガスを供給するシースガス供給装置560のパイプライン562が連結されている。第2電源供給装置530は、第1可変抵抗器470と同様に、第2ノズル520に印加される高電圧を降下させる第3可変抵抗器570が連結されており、第3可変抵抗器570は、第2ダクト550に接続されている。第3可変抵抗器570には、接地されている第4可変抵抗器572が連結されている。
【0039】
一方、第7実施例の超微粒子製造装置において、捕集板440は、図1に示して説明したコンベヤー42によって連続的または周期的に移送することができ、第1ノズル420と第2ノズル520は、図10に示して説明したノズル20a〜20dに代えることができる。また、第2ダクト550の通路552には、シースガスの代わりに第3反応ガスを供給し、第2ダクト550の外面にヒーターを設置して第3反応ガスに熱エネルギーを加えることができる。
【0040】
以下、図12を参照して、第7実施例の超微粒子製造装置による超微粒子製造方法の第2実施例を説明する。
【0041】
まず、第7実施例の超微粒子製造装置を準備する(S100)。第7実施例の超微粒子製造装置が準備されると、第1電源供給装置430によって第1ノズル420に高電圧を印加してコロナ放電を起こし(S102)、第1反応ガス供給装置410のパイプライン412を介して、第1ノズル420の孔422には例えばTEOSから得た第1反応ガスを供給する(S104)。第1ノズル420は、コロナ放電によって形成されているコロナ放電領域426に第1反応ガスを噴射し、第1反応ガスは、コロナ放電領域426でイオンによって分解されながら多量の第1超微粒子P1を生成する(S106)。この際、TEOSから得た第1反応ガスによっては、SiO2の第1超微粒子P1を得ることができる。
【0042】
次に、第2電源供給装置530によって第2ノズル520に高電圧を印加してコロナ放電を起こす(S108)。シースガス供給装置560のパイプライン562を介して第2ダクト550の通路552にシースガスを供給すると、第2ダクト550の通路552に供給されるシースガスは、下流に流れて、図11に一点鎖線で示されているように、捕集板540と第2ダクト550との間に第2ノズル520のコロナ放電領域526を取り囲むガスカーテン564を形成する(S110)。第2反応ガス供給装置510のパイプライン512を介して、第1ダクト450の通路452に例えばTTIPから得た第2反応ガスを供給すると、第1超微粒子P1と第2反応ガスは、第1ダクト450の通路452を通過しながら混合されて第2ノズル520の孔522に供給される(S112)。
また、第2ノズル520は、コロナ放電によって形成されているコロナ放電領域526に第1超微粒子P1と第2反応ガスの混合ガスを噴射する。この際、第2ノズル520のコロナ放電領域526を通過するSiO2の第1超微粒子P1は、さらにイオン化されずに荷電される。その電荷量は、レイリー電荷限界(Rayleigh Charge Limit)にまで達する高電荷を帯びる。そして、第2ノズル520のコロナ放電領域526を通過するTTIPから得た第2反応ガスによってはTiO2の第2超微粒子P2が生成され(S114)、TiO2の第2超微粒子P2はSiO2の第1超微粒子P1を核としてコートされる(S116)。その結果、TiO2がコートされているSiO2を製造することができる。最後に、第2超微粒子P2がコートされている第1超微粒子P1の流動は、ガスカーテン564によって誘導されて捕集板440上に捕集される(S118)。
【0043】
一方、第2ダクト550の通路552に第3反応ガスを供給し、第2ダクト550の外面にヒーターを設置して第3反応ガスに熱エネルギーを加えると、第3反応ガスの熱的化学反応によって生成される新しい超微粒子がTiO2にコートされる。したがって、多層コーティングの超微粒子を簡便に製造することができる。
【0044】
以上説明した実施例は、本発明によって超微粒子を製造する実施が可能な種々の実施例に過ぎず、本発明の権利範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。この分野の当業者であれば、本発明の技術的思想と特許請求の範囲を逸脱しない範疇内において、各種変更、変形または置換を加え得ることは勿論であり、それらについても本発明の範囲に属するものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述したように、本発明に係るコロナ放電を用いた超微粒子製造装置及びその方法によれば、コロナ放電によって反応ガスをナノメートルサイズの均一な超微粒子に製造することができ、超微粒子の捕集率を大きく高めることができる。また、異種の超微粒子を互いに付着させ或いは一つの超微粒子に他の一つの超微粒子を効率よくコートして新しい超微粒子を簡便且つ効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る超微粒子製造装置の第1実施例の構成を示す断面図である。
【図2a】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2b】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2c】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2d】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2e】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図2f】本発明に係る超微粒子製造装置で電源供給装置によってノズルに印加される高電圧を説明するために示す図である。
【図3】本発明に係る超微粒子製造装置の第2実施例の構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係る超微粒子製造装置の第3実施例の構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る第3実施例の超微粒子製造装置による超微粒子製造方法の第1実施例を説明するために示す流れ図である。
【図6】本発明に係る超微粒子製造装置におけるノズルの電流−電圧特性曲線を示すグラフである。
【図7a】本発明に係る超微粒子製造装置によって製造した超微粒子の大きさ分布を示すグラフである。
【図7b】本発明に係る超微粒子製造装置によって製造した超微粒子の大きさ分布を示すグラフである。
【図8】本発明に係る超微粒子製造装置の第4実施例の構成を示す断面図である。
【図9】本発明に係る超微粒子製造装置の第5実施例の構成を示す断面図である。
【図10】本発明に係る超微粒子製造装置の第6実施例の構成を示す断面図である。
【図11】本発明に係る超微粒子製造装置の第7実施例の構成を示す断面図である。
【図12】本発明に係る第7実施例の超微粒子製造装置による超微粒子製造方法の第2実施例を説明するために示す流れ図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、
前記反応ガス供給手段に連結され、前記反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記反応ガスをコロナ放電させて多量の超微粒子を生成する少なくとも一つのノズルと、
前記ノズルにコロナ放電を起こす電圧を印加するように接続される電源供給手段と、
前記ノズルから離隔しており、前記ノズルのコロナ放電によって生成される前記超微粒子を捕集する捕集手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項2】
前記ノズルを取り囲んで前記ノズルとの間に通路を形成するように設置されるダクトと、前記ノズルと前記捕集手段との間に前記超微粒子の流動を誘導するガスカーテンを形成し得るように前記ダクトの通路にシースガスを供給するシースガス供給手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造装置。
【請求項3】
前記電源供給手段から印加される高電圧を低電圧に降下して前記ダクトに印加する第1可変抵抗器と、前記第1可変抵抗器に連結され、接地されている第2可変抵抗器とをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造装置。
【請求項4】
前記ノズルのチップは、前記ダクトの外側に突出しており、前記捕集手段を移送する移送手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造装置。
【請求項5】
第1反応ガスを供給する第1反応ガス供給手段と、
前記第1反応ガス供給手段に連結され、前記第1反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第1反応ガスをコロナ放電させて多量の第1超微粒子を生成する少なくとも一つの第1ノズルと、
前記第1ノズルにコロナ放電を起こす第1電圧を印加するように接続される第1電源供給手段と、
前記第1反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する第2反応ガス供給手段と、
前記第1ノズルと対向するように離隔されており、前記第2反応ガス供給手段に連結され、前記第2反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第2反応ガスをコロナ放電させて多量の第2超微粒子を生成する少なくとも一つの第2ノズルと、
前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間で前記第1超微粒子と前記第2超微粒子とがお互い付着できるように前記第2ノズルにコロナ放電を起こす第2電圧を印加するように接続される第2電源供給手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項6】
第1反応ガスを供給する第1反応ガス供給手段と、
前記第1反応ガス供給手段に連結され、前記第1反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第1反応ガスをコロナ放電させて多量の第1超微粒子を生成する少なくとも一つのノズルと、
前記ノズルにコロナ放電を起こす高電圧を印加するように接続される電源供給手段と、
前記ノズルを取り囲んで前記ノズルとの間に通路を形成するように設置されるダクトと、
前記ダクトの通路に、前記第1反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する第2反応ガス供給手段と、
前記ダクトの外面に設置され、前記第1超微粒子を前記第2反応ガスの熱的化学反応によって得られる多量の第2超微粒子によってコートし得るように前記第2反応ガスに熱エネルギーを提供する加熱手段と、
前記ダクトから離隔されており、前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子を捕集する捕集手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項7】
前記ノズルは、前記ダクトの通路に全て収容されることを特徴とする請求項6に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項8】
第1反応ガスを供給する第1反応ガス供給手段と、
前記第1反応ガス供給手段に連結され、前記第1反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される第1反応ガスをコロナ放電させて多量の第1超微粒子を生成する少なくとも一つの第1ノズルと、
前記第1ノズルにコロナ放電を起す第1高電圧を印加するように接続される第1電源供給手段と、
前記第1ノズルを取り囲んで前記第1ノズルとの間に通路を形成するように設置される第1ダクトと、
前記第1ダクトの通路に、前記第1反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する第2反応ガス供給手段と、
前記第1ダクトの先端に設置されており、前記第1超微粒子と前記第2反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第2反応ガスをコロナ放電させて多量の第2超微粒子を生成して前記第2超微粒子を前記第1超微粒子にコートする少なくとも一つの第2ノズルと、
前記第2ノズルにコロナ放電を起こす第2高電圧を印加するように接続される第2電源供給手段と、
前記第2ノズルと離隔しており、前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子を捕集する捕集手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項9】
前記第1ダクトと前記第2ノズルを取り囲んで前記第1ダクトと第2ノズルとの間に通路を形成するように設置される第2ダクトと、前記第2ノズルと前記捕集手段との間に、前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子の流動を誘導するガスカーテンを形成し得るように、前記第2ダクトの通路にシースガスを供給するシースガス供給手段とをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項10】
前記第1電源供給手段から印加される前記第1高電圧を第1低電圧に降下させて前記第1ダクトに印加する第1可変抵抗器と、前記第1可変抵抗器に連結され、接地されている第2可変抵抗器と、前記第2電源供給手段から印加される前記第2高電圧を第2低電圧に降下させて前記第2ダクトに印加する第3可変抵抗器と、前記第3可変抵抗器に連結され、接地されている第4可変抵抗器とをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項11】
前記第2ノズルのチップは前記第2ダクトの外側に突出しており、前記捕集手段を移送する移送手段をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項12】
電源供給手段によってノズルに高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、
反応ガス供給手段によって前記ノズルに反応ガスを供給する段階と、
前記ノズルのコロナ放電領域に前記反応ガスを噴射して多量の超微粒子を生成する段階と、
前記ノズルのコロナ放電領域を通過する前記超微粒子を捕集手段によって捕集する段階とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項13】
前記高電圧は、パルスを持つ高電圧であることを特徴とする、請求項12に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項14】
前記ノズルと前記捕集手段との間に、前記超微粒子の流動を誘導し得るようにシースガスによってガスカーテンを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項15】
前記ノズルから前記捕集手段へ流動する前記超微粒子の周囲に、前記反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する段階と、前記第2反応ガスに熱エネルギーを提供し、前記第2反応ガスの熱的化学反応によって多量の別の超微粒子を生成する段階と、前記超微粒子を前記別の超微粒子によってコートする段階とをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項16】
第1電源供給手段によって第1ノズルに第1高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、
前記第2電源供給手段によって、前記第1ノズルの下流に位置している第2ノズルに第2高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、
第1反応ガス供給手段によって前記第1ノズルに第1反応ガスを供給して前記第1ノズルのコロナ放電領域に噴射する段階と、
前記第1ノズルのコロナ放電領域に前記第1反応ガスを噴射して多量の第1超微粒子を生成する段階と、
第2反応ガス供給手段によって、前記第2ノズルに前記第1超微粒子と第2反応ガスとを混合して供給する段階と、
前記第2ノズルのコロナ放電領域に前記超微粒子と前記第2反応ガスとの混合ガスを噴射し、前記第2反応ガスから生成される多量の第2超微粒子によって前記第1超微粒子をコートする段階と、
前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子を捕集手段によって捕集する段階とを含んでなることを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法。
【請求項17】
前記第2ノズルと前記捕集手段との間に、前記超微粒子の流動を誘導し得るようにシースガスによるガスカーテンを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法。
【請求項18】
前記第1高電圧と前記第2高電圧は、パルスを持つ高電圧であることを特徴とする、請求項16に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法。
【請求項1】
反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、
前記反応ガス供給手段に連結され、前記反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記反応ガスをコロナ放電させて多量の超微粒子を生成する少なくとも一つのノズルと、
前記ノズルにコロナ放電を起こす電圧を印加するように接続される電源供給手段と、
前記ノズルから離隔しており、前記ノズルのコロナ放電によって生成される前記超微粒子を捕集する捕集手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項2】
前記ノズルを取り囲んで前記ノズルとの間に通路を形成するように設置されるダクトと、前記ノズルと前記捕集手段との間に前記超微粒子の流動を誘導するガスカーテンを形成し得るように前記ダクトの通路にシースガスを供給するシースガス供給手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造装置。
【請求項3】
前記電源供給手段から印加される高電圧を低電圧に降下して前記ダクトに印加する第1可変抵抗器と、前記第1可変抵抗器に連結され、接地されている第2可変抵抗器とをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造装置。
【請求項4】
前記ノズルのチップは、前記ダクトの外側に突出しており、前記捕集手段を移送する移送手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造装置。
【請求項5】
第1反応ガスを供給する第1反応ガス供給手段と、
前記第1反応ガス供給手段に連結され、前記第1反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第1反応ガスをコロナ放電させて多量の第1超微粒子を生成する少なくとも一つの第1ノズルと、
前記第1ノズルにコロナ放電を起こす第1電圧を印加するように接続される第1電源供給手段と、
前記第1反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する第2反応ガス供給手段と、
前記第1ノズルと対向するように離隔されており、前記第2反応ガス供給手段に連結され、前記第2反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第2反応ガスをコロナ放電させて多量の第2超微粒子を生成する少なくとも一つの第2ノズルと、
前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間で前記第1超微粒子と前記第2超微粒子とがお互い付着できるように前記第2ノズルにコロナ放電を起こす第2電圧を印加するように接続される第2電源供給手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項6】
第1反応ガスを供給する第1反応ガス供給手段と、
前記第1反応ガス供給手段に連結され、前記第1反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第1反応ガスをコロナ放電させて多量の第1超微粒子を生成する少なくとも一つのノズルと、
前記ノズルにコロナ放電を起こす高電圧を印加するように接続される電源供給手段と、
前記ノズルを取り囲んで前記ノズルとの間に通路を形成するように設置されるダクトと、
前記ダクトの通路に、前記第1反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する第2反応ガス供給手段と、
前記ダクトの外面に設置され、前記第1超微粒子を前記第2反応ガスの熱的化学反応によって得られる多量の第2超微粒子によってコートし得るように前記第2反応ガスに熱エネルギーを提供する加熱手段と、
前記ダクトから離隔されており、前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子を捕集する捕集手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項7】
前記ノズルは、前記ダクトの通路に全て収容されることを特徴とする請求項6に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項8】
第1反応ガスを供給する第1反応ガス供給手段と、
前記第1反応ガス供給手段に連結され、前記第1反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される第1反応ガスをコロナ放電させて多量の第1超微粒子を生成する少なくとも一つの第1ノズルと、
前記第1ノズルにコロナ放電を起す第1高電圧を印加するように接続される第1電源供給手段と、
前記第1ノズルを取り囲んで前記第1ノズルとの間に通路を形成するように設置される第1ダクトと、
前記第1ダクトの通路に、前記第1反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する第2反応ガス供給手段と、
前記第1ダクトの先端に設置されており、前記第1超微粒子と前記第2反応ガスを内部に流入させて噴射し、噴射される前記第2反応ガスをコロナ放電させて多量の第2超微粒子を生成して前記第2超微粒子を前記第1超微粒子にコートする少なくとも一つの第2ノズルと、
前記第2ノズルにコロナ放電を起こす第2高電圧を印加するように接続される第2電源供給手段と、
前記第2ノズルと離隔しており、前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子を捕集する捕集手段とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項9】
前記第1ダクトと前記第2ノズルを取り囲んで前記第1ダクトと第2ノズルとの間に通路を形成するように設置される第2ダクトと、前記第2ノズルと前記捕集手段との間に、前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子の流動を誘導するガスカーテンを形成し得るように、前記第2ダクトの通路にシースガスを供給するシースガス供給手段とをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項10】
前記第1電源供給手段から印加される前記第1高電圧を第1低電圧に降下させて前記第1ダクトに印加する第1可変抵抗器と、前記第1可変抵抗器に連結され、接地されている第2可変抵抗器と、前記第2電源供給手段から印加される前記第2高電圧を第2低電圧に降下させて前記第2ダクトに印加する第3可変抵抗器と、前記第3可変抵抗器に連結され、接地されている第4可変抵抗器とをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項11】
前記第2ノズルのチップは前記第2ダクトの外側に突出しており、前記捕集手段を移送する移送手段をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造装置。
【請求項12】
電源供給手段によってノズルに高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、
反応ガス供給手段によって前記ノズルに反応ガスを供給する段階と、
前記ノズルのコロナ放電領域に前記反応ガスを噴射して多量の超微粒子を生成する段階と、
前記ノズルのコロナ放電領域を通過する前記超微粒子を捕集手段によって捕集する段階とを含むことを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項13】
前記高電圧は、パルスを持つ高電圧であることを特徴とする、請求項12に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項14】
前記ノズルと前記捕集手段との間に、前記超微粒子の流動を誘導し得るようにシースガスによってガスカーテンを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項15】
前記ノズルから前記捕集手段へ流動する前記超微粒子の周囲に、前記反応ガスとは異なる第2反応ガスを供給する段階と、前記第2反応ガスに熱エネルギーを提供し、前記第2反応ガスの熱的化学反応によって多量の別の超微粒子を生成する段階と、前記超微粒子を前記別の超微粒子によってコートする段階とをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のコロナ放電を用いた超微粒子製造方法。
【請求項16】
第1電源供給手段によって第1ノズルに第1高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、
前記第2電源供給手段によって、前記第1ノズルの下流に位置している第2ノズルに第2高電圧を印加してコロナ放電を起こす段階と、
第1反応ガス供給手段によって前記第1ノズルに第1反応ガスを供給して前記第1ノズルのコロナ放電領域に噴射する段階と、
前記第1ノズルのコロナ放電領域に前記第1反応ガスを噴射して多量の第1超微粒子を生成する段階と、
第2反応ガス供給手段によって、前記第2ノズルに前記第1超微粒子と第2反応ガスとを混合して供給する段階と、
前記第2ノズルのコロナ放電領域に前記超微粒子と前記第2反応ガスとの混合ガスを噴射し、前記第2反応ガスから生成される多量の第2超微粒子によって前記第1超微粒子をコートする段階と、
前記第2超微粒子がコートされている前記第1超微粒子を捕集手段によって捕集する段階とを含んでなることを特徴とするコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法。
【請求項17】
前記第2ノズルと前記捕集手段との間に、前記超微粒子の流動を誘導し得るようにシースガスによるガスカーテンを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法。
【請求項18】
前記第1高電圧と前記第2高電圧は、パルスを持つ高電圧であることを特徴とする、請求項16に記載のコロナ放電を用いた超微粒子の製造方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−525321(P2007−525321A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500685(P2007−500685)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000530
【国際公開番号】WO2005/082539
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506289549)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000530
【国際公開番号】WO2005/082539
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506289549)
【Fターム(参考)】
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