コンクリート成型装置
【課題】 型枠の成型面に対する防食シートの装着作業を容易に行うことができるとともに、構成を簡素化して部品点数を低減し、製造を容易に行いコストを低減することができるコンクリート成型装置を提供する。
【解決手段】トンネル内に設けたガイドレール14,15に沿ってトンネル軸方向に移動される支持枠体22に対し、クラウン成型部41、側壁成型部42,44及び下端壁成型部48,50よりなる型枠40を装着する。前記下端壁成型部48の下方にシートロール支持手段61によって支持された防食シート65aの先端縁をシートクランプ機構71によってクランプする。前記シートクランプ機構71を前記型枠40の成型面40aに沿って巻き上げウインチ73及び巻き上げベルト72によって移動し、防食シート65aを成型面40aに装着する。
【解決手段】トンネル内に設けたガイドレール14,15に沿ってトンネル軸方向に移動される支持枠体22に対し、クラウン成型部41、側壁成型部42,44及び下端壁成型部48,50よりなる型枠40を装着する。前記下端壁成型部48の下方にシートロール支持手段61によって支持された防食シート65aの先端縁をシートクランプ機構71によってクランプする。前記シートクランプ機構71を前記型枠40の成型面40aに沿って巻き上げウインチ73及び巻き上げベルト72によって移動し、防食シート65aを成型面40aに装着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば上下水道トンネルあるいは車両が走行するトンネルの覆工コンクリートを防食シートでライニング施工したり、コンクリート製の仕切壁を防食シートでライニング施工したりするためのコンクリート成型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トンネルの内壁には鋼鉄製のセグメントよりなる一次覆工と、この一次覆工の表面にコンクリートにより形成された二次覆工が施されている。上水道のトンネルでは塩素ガスにより、下水道のトンネルでは硫化水素ガス等により二次覆工コンクリートが劣化するという問題がある。二次覆工コンクリートを保護するために、二次覆工コンクリートの内周面を耐食性材料で形成された防食シートで被覆するようになっている。
【0003】
防食シートを二次覆工コンクリート成型装置(セントル)の成型面上に人手によって装着する作業は非常に面倒であるので、これを解消するため、従来、特許文献1に開示された防食シートの施工装置が提案されている。この施工装置は、収縮及び拡開が可能であり、かつ拡開時には中央軸部から回りに拡がって先端の外周寸法とほぼ同寸法で、かつ、ほぼ同じ高さになるように構成されたシートリフトと、このシートリフトを拡開させる拡開手段を備えている。前記シートリフトは、トンネル軸の方向と合致するように配設されるガイドレールと、このガイドレールに沿って移動する留め具とを備え、防食シートを前記留め具で留めた状態で、前記トンネル軸の方向に移動され、前記二次覆工コンクリート成型装置の型枠の成型面に防食シートを装着するように構成されている。
【特許文献1】特許第3338878号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の防食シートの施工装置は、セントルとは別にシートリフトがガイドレールに沿ってセントル側に移動して、防食シートをセントルに装着する構成をとっているので、防食シートのセントルへの装着作業の時間を短縮することができないという問題があった。又、施工装置の部品点数が増大して、製造及び組み付け作業が面倒で、コストを低減することができないという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、型枠の成型面に対する防食シートの装着作業を容易に行うことができるとともに、構成を簡素化してコストを低減することができるコンクリート成型装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンクリートを成型する型枠と、この型枠をトンネル軸の方向と合致するように配設されたガイドレールに沿って移動可能に支持する支持枠体と、この支持枠体に設けられ、かつ、前記型枠を成型位置と、離型位置との間で切り換える切換機構と、防食シートの先端縁をクランプするシートクランプ機構と、前記支持枠体又は前記型枠に設けられ、かつ、前記シートクランプ機構を前記型枠の成型面に沿って移動させ、前記防食シートを該成型面に被覆するシート移動機構とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記シート移動機構は、前記シートクランプ機構を前記成型面に沿って移動させ、防食シートを前記成型面に被覆する移動索を備えた巻取手段であることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記型枠は、トンネルの内周面を成型可能にアーチ状に形成され、前記支持枠体にはシートクランプ機構を前記巻取手段により巻き取られた移動索を巻き戻しつつシート装着開始位置側に帰還させるための帰還索を備えた帰還手段が設けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記支持枠体の左右両側の下端部には、左右一対のガイドレールに沿って移動される車輪が設けられ、前記型枠はトンネルのクラウン部を成型するクラウン成型部と、このクラウン成型部の左右両側端縁に回動可能に連結された側壁成型部と、両側壁成型部の下端部にそれぞれ回動可能に連結された下端壁成型部とにより構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、複数の巻取手段により作動される前記移動索の先端部間に水平に架橋された取付バーと、この取付バーの複数箇所に装着されたクランプ機構とにより構成されていることを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記取付バーには、前記複数のクランプ機構を取付バーの長手方向に沿って位置調節し、防食シートに張力を付与するための張力付与機構が設けられていることを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、前記型枠の成型面に沿って転動するローラを有する走行用台車を備え、前記下端壁成型部が離型位置にあるときに前記側壁成型部と下端壁成型部との間に形成される隙間に位置して前記ローラを転動移動させる案内部材が設けられていることを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1において、前記型枠は、トンネルの底壁中央に仕切壁を成型可能な左右一対の仕切壁成型用の型枠であって、この型枠は前記支持枠体に対し昇降機構により昇降可能に、かつ水平移動機構により水平方向の往復動可能に構成され、前記両型枠の上部には、前記シートクランプ機構を上方向に引き上げる移動索を備えたシート移動機構がそれぞれ設けられていることを要旨とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項において、ロール状の防食シートを回転可能に支持するシートロール支持手段を備えていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、防食シートの先端縁をシートクランプ機構によりクランプした状態で、前記シート移動機構を作動させ、前記シートクランプ機構及び防食シートを前記型枠の成型面に沿って移動させ、防食シートを前記成型面に被覆することができる。このため、型枠の成型面に対する防食シートの装着作業を容易に行うことができるとともに、構成を簡素化してコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明を二次覆工コンクリート成型装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図13にしたがって説明する。
【0017】
図1に示すように、トンネル11の内周面には、鋼鉄製のアーチ状をなす一次覆工12が施され、底壁13には、トンネル軸方向と平行に左右一対のガイドレール14,15が敷設されている。
【0018】
次に、前記一次覆工12の内周面に対し、二次覆工コンクリートを成型するための二次覆工コンクリート成型装置21について説明する。この成型装置21は、前記ガイドレール14,15によってトンネルの軸方向に案内される支持枠体22を備えている。この支持枠体22は、上部にほぼ水平に支持された上部枠体23と、この上部枠体23の左右両側寄りに下方に向けて連結された側部枠体24,25と、側部枠体24,25の下端部にそれぞれ複数箇所に装着された昇降機構26,27と、昇降機構26,27の下端部に装着され、かつ、前記ガイドレール14,15に沿って、案内移動される走行輪を備えた走行機構28,29と、前記側部枠体24,25の下端部間に架橋された連結枠30とによって構成されている。
【0019】
前記支持枠体22には、トンネルの二次覆工コンクリートを成型するためのアーチ状の成型面40aを有する型枠40が装着されている。この型枠40は、前記支持枠体22の上部枠体23の左右両側部に装着され、かつトンネルのクラウン部を成型する円弧状のクラウン成型部41と、前記クラウン成型部41の左右両側下端縁にヒンジ機構43,45を介して往復回動可能に装着され、かつトンネルの左右両側壁部を成型する側壁成型部42,44とを備えている。前記側壁成型部42,44は、該側壁成型部42,44と、前記側部枠体24,25の下端部間に架橋された長さ調節可能なターンバックル46,47によって、二次覆工コンクリートを成型する成型位置と、離型位置との間で切り換えられるようになっている。前記側壁成型部42,44の下端部には、ヒンジ機構49,51によりトンネルの下端壁を成型するための下端壁成型部48,50が回動可能に連結されている。そして、前記下端壁成型部48,50に取り付けられたブラケット52,52に前記ターンバックル46,47に連結されたフック53を係止することにより、下端壁成型部48,50が離型位置に保持され、フック53の係止を解除することにより下端壁成型部48,50を成型位置に移動可能である。
【0020】
この実施形態では前記ヒンジ機構43,45及びターンバックル46,47により側壁成型部42,44を成型位置と離型位置との間で切り換える切換機構が構成されている。又、ヒンジ機構49,51及びブラケット52、フック53により下端壁成型部48,50を成型位置と離型位置との間で切り換える切換機構が構成されている。
【0021】
図1及び図4に示すように、離型位置に保持された一方の下端壁成型部48の下方近傍に位置するように、前記底壁13の上面には、耐食性材料で形成された防食シート65aをロール状に巻いたシートロール65を所定位置において回転可能に支持するためのシートロール支持手段61が載置されている。このシートロール支持手段61は図4に示すように、前記底壁13の上面に支持される台座62と、この台座62の上面に円弧状に支持されたフレーム63と、このフレーム63に回転可能に支持された複数のローラ64とによって構成されている。
【0022】
次に、前記シートロール支持手段61に支持されたシートロール65から防食シート65aを巻き戻しながら、前記型枠40の成型面40aに装着するシート装着装置について説明する。
【0023】
このシート装着装置の概略構成を図12を中心に説明する。このシート装着装置は、前記防食シート65aの先端縁をクランプして、前記型枠40の成型面40a(図1参照)に沿って移動させるシートクランプ機構71と、このシートクランプ機構71を前記成型面40aに沿って移動する移動索としての複数の巻き上げベルト72と、前記支持枠体22の右側の側部枠体25(図1参照)の下端部に装設され、かつ前記巻き上げベルト72を巻き取りながら、前記シートクランプ機構71を型枠40の成型面40aに沿って案内移動させるための巻取手段としての二基の巻き上げウインチ73とを備えている。又、このシート装着装置は、前記シートクランプ機構71をシートの装着完了位置からシート装着開始位置へ帰還させるための帰還索としての帰還ベルト106と、前記支持枠体22の左側の側部枠体24(図1参照)の下端部に装設され、かつ前記帰還ベルト106を巻き取りながら、前記シートクランプ機構71を型枠40の成型面40aに沿って帰還させるための二基の帰還用ウインチ75とにより構成されている。
【0024】
次に、前記シートクランプ機構71の構成について説明する。
図2に示すように、シートクランプ機構71を構成する角パイプよりなる取付バー81の左右両側寄りの2箇所には図9,10,12に示すように型枠40の成型面40aに沿って移動される走行用台車82が装着されている。この走行用台車82は、前記取付バー81に嵌合され、かつ取付ボルト83によって所定位置に取り付けられた角パイプよりなる取付筒84と、この取付筒84に溶接によって連結されたブラケット85と、このブラケット85に回転可能に支持されたローラ86とによって構成されている。前記ブラケット85の先端部に連結ピン87によって前記巻き上げベルト72の一端部が連結されている。なお、前記ブラケット85には補助輪88が取り付けられている。
【0025】
次に、前記取付バー81に装着され、前記防食シート65aの先端縁をクランプするためのクランプ機構91について説明する。図11に示すように、前記取付バー81に対してその軸方向の移動可能に装着された角パイプよりなるホルダ92の下端部にブラケット93及び連結ピン94を介して取付アーム95が回動可能に連結されている。この取付アーム95には、クランプ板96が溶接によって取り付けられ、このクランプ板96と対応するようにクランプ板97がボルト98及びナット99によって、前記防食シート65aの先端縁をクランプするようになっている。
【0026】
前記クランプ機構91は、前記取付バー81上に2箇所に設けられており、それらの取付位置を調節して、前記防食シート65aに張力を付与するためのシート張力付与機構100が取付バー81に装着されている。図9に示すように、前記取付バー81の所定位置には係止金具101が取り付けられ、前記ホルダ92には、ブラケット102が取り付けられ、係止金具101とブラケット102の間には、ターンバックル103の両端が連結されている。そして、前記ターンバックル103を操作することにより、前記クランプ機構91を取付バー81に沿って水平方向に移動し、前記防食シート65aに張力を付与することができるようになっている。なお、前記取付バー81上には防食シート65aの弛みを防ぐための補助クランプ機構104が複数箇所に装着されている。
【0027】
前記取付バー81の外周面には複数箇所にブラケット105が取り付けられ、各ブラケット105には、前記シートクランプ機構71を防食シート65aの成型面40aへのシート装着完了位置、つまり巻き上げウインチ73によって移動された図5に示す位置から図4に示すシート装着開始位置へ前記成型面40aに沿って移動して帰還させる帰還ベルト106の一端が連結されている。前記帰還ベルト106の他端は前記帰還用ウインチ75の巻取軸に連結されている。そして、前記巻き上げウインチ73によって、巻き上げベルト72が巻き取られ、前記シートクランプ機構71が防食シート65aとともに、型枠40の成型面40aを案内移動される際には、帰還用ウインチ75の帰還ベルト106が巻き戻されるようになっている。反対に、帰還用ウインチ75によって、前記シートクランプ機構71がシート装着開始位置に帰還される場合には、巻き上げウインチ73によって巻き上げられていた巻き上げベルト72が巻き戻されるようになっている。
【0028】
この実施形態では前記帰還用ウインチ75及び帰還ベルト106によって前記シートクランプ機構71の帰還手段が構成されている。
次に、前記シート装着装置によって型枠40の成型面40aに装着された防食シート65aの両端縁を、型枠40に取り付けるための取付機構について説明する。
【0029】
図6に示すように、前記防食シート65aが型枠40の成型面40aに装着された状態においては、その後端縁はフリーの状態となるので、この後端面は、下端壁成型部48の下端部にブラケット110を介して取り付けられた取付板111に対し、取付機構112によって取り付けられるようになっている。図7に示すように前記取付機構112の連結ロッド113の基端部には蝶ナット114が螺合され、連結ロッド113の先端部にはクランプ金具115が取り付けられ、防食シート65aの後端縁をクランプするようになっている。そして、前記蝶ナット114を回動することによって、前記連結ロッド113及びクランプ金具115を図6,7において、斜め右下に引き込み、防食シート65aに張力を付与するようになっている。
【0030】
図5において、前記シートクランプ機構71のクランプ機構91によりクランプされていた防食シート65aの先端縁のクランプを解除すると、防食シート65aの先端縁はフリーの状態となる。この先端縁は後端縁と同様に図8に示すように下端壁成型部50に装着されたブラケット110及び取付板111に対して取付機構112によって取り付けられ、張力が付与されるようになっている。
【0031】
図4に示すように、前記側壁成型部42と下端壁成型部48の境界部には、ヒンジ機構49によって、下端壁成型部48が成型位置から離型位置へ移動された状態で隙間Gが形成される。前記シートクランプ機構71が移動する際に前記隙間Gに前記ローラ86が落ち込まないように、該ローラ86を案内移動する案内部材89が側壁成型部42の下端に取り付けられている。同様に側壁成型部44と下端壁成型部50によって形成される隙間Gにも図5に示すようにローラ86を案内移動する案内部材89が設けられている。
【0032】
次に、前記のように構成された成型装置21について、その動作を図13のフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、シートロール支持手段61のローラ64にシートロール65を載置(ステップS1)する。シートクランプ機構71により防食シート65aの先端縁をクランプする(ステップS2)。巻き上げウインチ73を作動して防食シート65aを型枠40の成型面40aに被覆する(ステップS3)。下端壁成型部48を離型位置から成型位置へ移動する(ステップS4)。防食シート65aのフリーとなった後端縁を取付機構112により下端壁成型部48の下端縁に取り付ける(ステップS5)。装着完了位置に移動されたシートクランプ機構71による防食シート65aの先端縁のクランプを解除する(ステップS6)。前記下端壁成型部50を離型位置から成型位置へ移動する(ステップS7)。防食シート65aのフリーとなった先端縁を取付機構112により下端壁成型部50の下端縁に取り付ける(ステップS8)。前記走行機構28,29を作動して成型装置21をガイドレール14,15に沿ってトンネル軸方向に移動し、成型装置21の型枠40を前記一次覆工12と対応する位置に移動する。一次覆工12と型枠40の成型面40aの端縁の開口部を図示しない成型板によって遮へいすると共に、前記型枠40に設けた図示しないコンクリートの注入口からコンクリートを成型用空間に注入して二次覆工コンクリートを打設する(ステップS9)。
【0033】
二次覆工コンクリートの硬化後に、側壁成型部42,44、下端壁成型部48,50を成型位置から離型位置へ移動する(ステップS10)。前記昇降機構26,27を作動してクラウン成型部41、側壁成型部42,44及び下端壁成型部48,50を下降する(ステップS11)。その後、走行機構28,29を作動して成型装置21を一次覆工12と対応するシート装置位置へ移動する(ステップS12)。さらに、前記帰還用ウインチ75及び巻き上げウインチ73を作動して、シートクランプ機構71をシート装着開始位置へ復帰する。
【0034】
上記実施形態の二次覆工コンクリート成型装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、前記下端壁成型部48の近傍に配置されたシートロール支持手段61に、シートロール65を支持するとともに、このシートロール65の防食シート65aの先端縁をシートクランプ機構71のクランプ機構91によってクランプし、巻き上げウインチ73を作動することにより、巻き上げベルト72を型枠40の成型面40aに沿って移動し、防食シート65aを成型面40aに装着するようにした。このため、型枠40の成型面40aに対する防食シート65aの装着作業を迅速に行うことができ、作業能率を向上することができる。
【0035】
(2)上記実施形態では、二次覆工コンクリート成型装置21に対して、前記シートクランプ機構71、巻き上げベルト72、巻き上げウインチ73、帰還ベルト106及び帰還用ウインチ75等を直接装着するようにしたので、従来の専用のシート施工装置の構成と比較して、部品点数を低減し、製造を容易に行いコストの低減を図ることができる。
【0036】
(3)上記実施形態では、支持枠体22に帰還用ウインチ75を設けて、帰還ベルト106を巻き上げることによりシート装着完了位置に移動されたシートクランプ機構71をシート装着開始位置に帰還させるようにしたので、シートクランプ機構71の帰還作業を迅速に行い、作業能率を向上することができる。
【0037】
(4)上記実施形態では、図12に示すように、前記取付バー81に対し2箇所にクランプ機構91を設け、両クランプ機構91を図9に示すようにシート張力付与機構100によって互いに離隔する方向への位置調整可能にした。このため、防食シート65aに所定の張力を付与することができ、型枠40の成型面40aに対する防食シート65aの装着を適正に行うことができる。
【0038】
(5)上記実施形態では、下端壁成型部48及び下端壁成型部50の離型状態において、側壁成型部42と下端壁成型部48及び側壁成型部44と下端壁成型部50によって形成される隙間に、走行用台車82のローラ86を案内移動する案内部材89を設けた。このため、シートクランプ機構71の走行用台車82の移動を円滑に行うことができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、この発明をトンネルの中央部に構築される仕切壁130の成型装置に具体化した第2の実施形態を図14〜図19に基づいて説明する。
【0040】
図14に示すように、支持枠体121は、左右一対の側枠122,123と、側枠122,123の上端部間に架橋された上部枠124と、前記側枠122、上部枠124の内側に装着された補強枠125,126とによって構成されている。前記側枠122,123の下端部には、前記走行機構28,29が装着されている。
【0041】
前記支持枠体121の内側には、左右一対の仕切壁成型用の型枠127,128が前記上部枠124に装着された昇降機構及び水平移動機構を構成するプレーントローリー付のチェーンブロック131(一箇所のみ図示)によって、昇降及び水平移動可能に装着されている。前記側枠122,123と型枠127,128の間には、上下2段に、ターンバックル133〜136が装着されている。又、型枠127,128の下端部には、仕切壁130の下端部を成型するための成型板137,138が装着されている。
【0042】
前記型枠127,128の上端部には、前記防食シート65aを装着するためのシート装着装置141がそれぞれ複数箇所(図16,18に一箇所のみ図示)に装着されている。このシート装着装置141は、前記上部枠124の所定位置に装着され、シートクランプ機構142を昇降動作させるためのウインチ143を備えている。前記シートクランプ機構142は防食シート65aの上端縁をクランプするように、前記クランプ機構91とほぼ同様に構成されている。
【0043】
前記型枠127,128の上端部には、シート装着装置141によって、上方へ移動された防食シート65aの上端縁をクランプして、型枠127,128の上端面に取り付けるための張力を付与可能な取付機構151が装着されている。又、前記型枠127,128の下端外側部には、防食シート65aの下端縁を型枠127,128の下端縁に取り付けるための張力を付与可能な取付機構162が装着されている。
【0044】
次に、前記のように構成した仕切壁のコンクリート成型装置についてその動作を説明する。
最初に、前記チェーンブロック131を作動して、図16に示すように、型枠127,128を上方へ移動すると共に、互いに離隔させる(ステップS1)。前記底壁13の上面に左右一対のシートロール支持手段61を前記型枠127,128の下方に位置するように配置する(ステップS2)。シート装着装置141を作動して、シートクランプ機構142を下降する(ステップS3)。防食シート65aの先端縁をシートクランプ機構142によってクランプする(ステップS4)。前記ウインチ143を作動して、シートクランプ機構142を上昇し、防食シート65aをシートロール65から巻き戻して、上方へ移動する(ステップS5)。シート取付機構151によって、防食シート65aの上端縁を型枠127,128の上端面に取り付ける(ステップS6)。シートクランプ機構142による防食シート65aのクランプを解除する(ステップS7)。防食シート65aの下端縁をシート取付機構162により型枠127,128の下端縁に取り付ける(ステップS8)。チェーンブロック131を作動して型枠127,128を図17に示すように、離型位置から成型位置へ移動する(ステップS9)。
【0045】
次に、図14に示すように、型枠127,128の下端部に成型板137,138を装着する。又、図示しないが型枠127,128のトンネルの軸方向の両端部を成型板によって閉塞する。この状態で、型枠127,128の間に形成された成型空間に、コンクリートを流し込んで仕切壁130を成型する。(ステップS10)
次に、仕切壁130の硬化後に、防食シート65aの取付機構151及び取付機構162による取付を解除する(ステップS11)。型枠127,128を図18に示すように成型位置から離型位置へ移動する(ステップS12)。
【0046】
上述した第2の実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、支持枠体121の上部にシート装着装置141を設けるとともに、型枠127,128の上端部に、シート装着装置141によって引き上げられた防食シート65aの上端縁を取り付けるためのシート取付機構151を設け、下端縁に防食シート65aの下端縁を型枠127,128に取り付けるためのシート取付機構162を設けた。このため、型枠127,128に対する防食シート65aの装着作業を迅速に行うことができる。
【0047】
(2)上記実施形態では、支持枠体121に対しシート装着装置141を装着したので、支持枠体121と別体で設けられたシート施工装置によってシートを型枠127,128に装着するシート施工方法と比較して、部品点数を低減し、製造を容易に行いコストの低減を図ることができる。
【0048】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○前記各実施形態では、シートロール支持手段61を用いたが、これを省略してもよい。この場合には、作業者によって、底壁13の上面に支持されたシートロール65が巻き戻される。
【0049】
○図示しないが、前記巻き上げウインチ73に代えて、型枠40のトンネル軸方向の前後両端縁に設けられ、かつ防食シート65aを成型面40aに沿って移動させる自走式のシート移動機構を用いてもよい。
【0050】
○前記実施形態では、一次覆工12から離隔した位置において、型枠40の成型面40aに防食シート65aを装着するようにしたが、成型装置21を最初から一次覆工12と対応する位置に配置した状態で、防食シート65aの装着作業を行うことができるように構成してもよい。この場合には、シートクランプ機構71の移動がコンクリート成型空間に収容された鉄筋に干渉しないように該シートクランプ機構71を扁平な構成とするのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明をトンネル内の二次復興コンクリート成型装置に具体化した第1の実施形態を示す正面図。
【図2】コンクリート成型装置のシートクランプ機構と防食シートの関係を示す正面図。
【図3】巻き上げウインチによって、前記防食シートが型枠の成型面に装着された状態を示す部分側面図。
【図4】シートロール支持手段に支持されたシートロールと、シートクランプ機構及び、側壁成型部、下端壁成型部の関係を示す拡大正面図。
【図5】巻き上げウインチ、側壁成型部、下端壁成型部、シートクランプ機構及び巻き上げベルトの関係を示す拡大正面図。
【図6】下端壁成型部が成型位置に移動され防食シートが取付機構によって下端壁成型部の下端縁に装着された状態を示す拡大正面図。
【図7】取付機構の拡大正面図。
【図8】下端壁成型部が成型位置に移動され、防食シートの先端部が取付機構によって、下端壁成型部の下端縁に装着された状態を示す拡大正面図。
【図9】シートクランプ機構の部分拡大正面図。
【図10】シートクランプ機構の走行用台車を拡大して示す側面図。
【図11】取付バーに装着されたクランプ機構を拡大して示す側面図。
【図12】シートクランプ機構、巻き上げベルト、巻き上げウインチ、帰還用ウインチ、取付バー、走行用台車、クランプ機構及び帰還索の構成を簡略化して示す斜視図。
【図13】防食シートの装着動作を説明するフローチャート。
【図14】この発明のトンネル内の仕切壁のコンクリート成型装置に具体化した第2の実施形態を示す正面図。
【図15】図14のコンクリート成型装置の部分側面図。
【図16】コンクリート成型装置の左右の型枠を離隔した状態を示す正面図。
【図17】コンクリート成型装置の左右の型枠を成型位置に保持した状態を示す正面図。
【図18】コンクリート成型装置により仕切壁を成型した後、型枠を離型位置に移動した状態を示す正面図。
【図19】仕切壁用の型枠に防食シートを装着する動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0052】
G…隙間、11…トンネル、13…底壁、14,15…ガイドレール、22,121…支持枠体、26,27…昇降機構、40,127,128…型枠、40a…成型面、41…クラウン成型部、42,44…側壁成型部、48,50…下端壁成型部、61…シートロール支持手段、64,86…ローラ、65a…防食シート、71,142…シートクランプ機構、81…取付バー、82…走行用台車、89…案内部材、91…クランプ機構、130…仕切壁。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば上下水道トンネルあるいは車両が走行するトンネルの覆工コンクリートを防食シートでライニング施工したり、コンクリート製の仕切壁を防食シートでライニング施工したりするためのコンクリート成型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トンネルの内壁には鋼鉄製のセグメントよりなる一次覆工と、この一次覆工の表面にコンクリートにより形成された二次覆工が施されている。上水道のトンネルでは塩素ガスにより、下水道のトンネルでは硫化水素ガス等により二次覆工コンクリートが劣化するという問題がある。二次覆工コンクリートを保護するために、二次覆工コンクリートの内周面を耐食性材料で形成された防食シートで被覆するようになっている。
【0003】
防食シートを二次覆工コンクリート成型装置(セントル)の成型面上に人手によって装着する作業は非常に面倒であるので、これを解消するため、従来、特許文献1に開示された防食シートの施工装置が提案されている。この施工装置は、収縮及び拡開が可能であり、かつ拡開時には中央軸部から回りに拡がって先端の外周寸法とほぼ同寸法で、かつ、ほぼ同じ高さになるように構成されたシートリフトと、このシートリフトを拡開させる拡開手段を備えている。前記シートリフトは、トンネル軸の方向と合致するように配設されるガイドレールと、このガイドレールに沿って移動する留め具とを備え、防食シートを前記留め具で留めた状態で、前記トンネル軸の方向に移動され、前記二次覆工コンクリート成型装置の型枠の成型面に防食シートを装着するように構成されている。
【特許文献1】特許第3338878号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の防食シートの施工装置は、セントルとは別にシートリフトがガイドレールに沿ってセントル側に移動して、防食シートをセントルに装着する構成をとっているので、防食シートのセントルへの装着作業の時間を短縮することができないという問題があった。又、施工装置の部品点数が増大して、製造及び組み付け作業が面倒で、コストを低減することができないという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、型枠の成型面に対する防食シートの装着作業を容易に行うことができるとともに、構成を簡素化してコストを低減することができるコンクリート成型装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンクリートを成型する型枠と、この型枠をトンネル軸の方向と合致するように配設されたガイドレールに沿って移動可能に支持する支持枠体と、この支持枠体に設けられ、かつ、前記型枠を成型位置と、離型位置との間で切り換える切換機構と、防食シートの先端縁をクランプするシートクランプ機構と、前記支持枠体又は前記型枠に設けられ、かつ、前記シートクランプ機構を前記型枠の成型面に沿って移動させ、前記防食シートを該成型面に被覆するシート移動機構とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記シート移動機構は、前記シートクランプ機構を前記成型面に沿って移動させ、防食シートを前記成型面に被覆する移動索を備えた巻取手段であることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記型枠は、トンネルの内周面を成型可能にアーチ状に形成され、前記支持枠体にはシートクランプ機構を前記巻取手段により巻き取られた移動索を巻き戻しつつシート装着開始位置側に帰還させるための帰還索を備えた帰還手段が設けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記支持枠体の左右両側の下端部には、左右一対のガイドレールに沿って移動される車輪が設けられ、前記型枠はトンネルのクラウン部を成型するクラウン成型部と、このクラウン成型部の左右両側端縁に回動可能に連結された側壁成型部と、両側壁成型部の下端部にそれぞれ回動可能に連結された下端壁成型部とにより構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、複数の巻取手段により作動される前記移動索の先端部間に水平に架橋された取付バーと、この取付バーの複数箇所に装着されたクランプ機構とにより構成されていることを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記取付バーには、前記複数のクランプ機構を取付バーの長手方向に沿って位置調節し、防食シートに張力を付与するための張力付与機構が設けられていることを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、前記型枠の成型面に沿って転動するローラを有する走行用台車を備え、前記下端壁成型部が離型位置にあるときに前記側壁成型部と下端壁成型部との間に形成される隙間に位置して前記ローラを転動移動させる案内部材が設けられていることを要旨とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1において、前記型枠は、トンネルの底壁中央に仕切壁を成型可能な左右一対の仕切壁成型用の型枠であって、この型枠は前記支持枠体に対し昇降機構により昇降可能に、かつ水平移動機構により水平方向の往復動可能に構成され、前記両型枠の上部には、前記シートクランプ機構を上方向に引き上げる移動索を備えたシート移動機構がそれぞれ設けられていることを要旨とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項において、ロール状の防食シートを回転可能に支持するシートロール支持手段を備えていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、防食シートの先端縁をシートクランプ機構によりクランプした状態で、前記シート移動機構を作動させ、前記シートクランプ機構及び防食シートを前記型枠の成型面に沿って移動させ、防食シートを前記成型面に被覆することができる。このため、型枠の成型面に対する防食シートの装着作業を容易に行うことができるとともに、構成を簡素化してコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明を二次覆工コンクリート成型装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図13にしたがって説明する。
【0017】
図1に示すように、トンネル11の内周面には、鋼鉄製のアーチ状をなす一次覆工12が施され、底壁13には、トンネル軸方向と平行に左右一対のガイドレール14,15が敷設されている。
【0018】
次に、前記一次覆工12の内周面に対し、二次覆工コンクリートを成型するための二次覆工コンクリート成型装置21について説明する。この成型装置21は、前記ガイドレール14,15によってトンネルの軸方向に案内される支持枠体22を備えている。この支持枠体22は、上部にほぼ水平に支持された上部枠体23と、この上部枠体23の左右両側寄りに下方に向けて連結された側部枠体24,25と、側部枠体24,25の下端部にそれぞれ複数箇所に装着された昇降機構26,27と、昇降機構26,27の下端部に装着され、かつ、前記ガイドレール14,15に沿って、案内移動される走行輪を備えた走行機構28,29と、前記側部枠体24,25の下端部間に架橋された連結枠30とによって構成されている。
【0019】
前記支持枠体22には、トンネルの二次覆工コンクリートを成型するためのアーチ状の成型面40aを有する型枠40が装着されている。この型枠40は、前記支持枠体22の上部枠体23の左右両側部に装着され、かつトンネルのクラウン部を成型する円弧状のクラウン成型部41と、前記クラウン成型部41の左右両側下端縁にヒンジ機構43,45を介して往復回動可能に装着され、かつトンネルの左右両側壁部を成型する側壁成型部42,44とを備えている。前記側壁成型部42,44は、該側壁成型部42,44と、前記側部枠体24,25の下端部間に架橋された長さ調節可能なターンバックル46,47によって、二次覆工コンクリートを成型する成型位置と、離型位置との間で切り換えられるようになっている。前記側壁成型部42,44の下端部には、ヒンジ機構49,51によりトンネルの下端壁を成型するための下端壁成型部48,50が回動可能に連結されている。そして、前記下端壁成型部48,50に取り付けられたブラケット52,52に前記ターンバックル46,47に連結されたフック53を係止することにより、下端壁成型部48,50が離型位置に保持され、フック53の係止を解除することにより下端壁成型部48,50を成型位置に移動可能である。
【0020】
この実施形態では前記ヒンジ機構43,45及びターンバックル46,47により側壁成型部42,44を成型位置と離型位置との間で切り換える切換機構が構成されている。又、ヒンジ機構49,51及びブラケット52、フック53により下端壁成型部48,50を成型位置と離型位置との間で切り換える切換機構が構成されている。
【0021】
図1及び図4に示すように、離型位置に保持された一方の下端壁成型部48の下方近傍に位置するように、前記底壁13の上面には、耐食性材料で形成された防食シート65aをロール状に巻いたシートロール65を所定位置において回転可能に支持するためのシートロール支持手段61が載置されている。このシートロール支持手段61は図4に示すように、前記底壁13の上面に支持される台座62と、この台座62の上面に円弧状に支持されたフレーム63と、このフレーム63に回転可能に支持された複数のローラ64とによって構成されている。
【0022】
次に、前記シートロール支持手段61に支持されたシートロール65から防食シート65aを巻き戻しながら、前記型枠40の成型面40aに装着するシート装着装置について説明する。
【0023】
このシート装着装置の概略構成を図12を中心に説明する。このシート装着装置は、前記防食シート65aの先端縁をクランプして、前記型枠40の成型面40a(図1参照)に沿って移動させるシートクランプ機構71と、このシートクランプ機構71を前記成型面40aに沿って移動する移動索としての複数の巻き上げベルト72と、前記支持枠体22の右側の側部枠体25(図1参照)の下端部に装設され、かつ前記巻き上げベルト72を巻き取りながら、前記シートクランプ機構71を型枠40の成型面40aに沿って案内移動させるための巻取手段としての二基の巻き上げウインチ73とを備えている。又、このシート装着装置は、前記シートクランプ機構71をシートの装着完了位置からシート装着開始位置へ帰還させるための帰還索としての帰還ベルト106と、前記支持枠体22の左側の側部枠体24(図1参照)の下端部に装設され、かつ前記帰還ベルト106を巻き取りながら、前記シートクランプ機構71を型枠40の成型面40aに沿って帰還させるための二基の帰還用ウインチ75とにより構成されている。
【0024】
次に、前記シートクランプ機構71の構成について説明する。
図2に示すように、シートクランプ機構71を構成する角パイプよりなる取付バー81の左右両側寄りの2箇所には図9,10,12に示すように型枠40の成型面40aに沿って移動される走行用台車82が装着されている。この走行用台車82は、前記取付バー81に嵌合され、かつ取付ボルト83によって所定位置に取り付けられた角パイプよりなる取付筒84と、この取付筒84に溶接によって連結されたブラケット85と、このブラケット85に回転可能に支持されたローラ86とによって構成されている。前記ブラケット85の先端部に連結ピン87によって前記巻き上げベルト72の一端部が連結されている。なお、前記ブラケット85には補助輪88が取り付けられている。
【0025】
次に、前記取付バー81に装着され、前記防食シート65aの先端縁をクランプするためのクランプ機構91について説明する。図11に示すように、前記取付バー81に対してその軸方向の移動可能に装着された角パイプよりなるホルダ92の下端部にブラケット93及び連結ピン94を介して取付アーム95が回動可能に連結されている。この取付アーム95には、クランプ板96が溶接によって取り付けられ、このクランプ板96と対応するようにクランプ板97がボルト98及びナット99によって、前記防食シート65aの先端縁をクランプするようになっている。
【0026】
前記クランプ機構91は、前記取付バー81上に2箇所に設けられており、それらの取付位置を調節して、前記防食シート65aに張力を付与するためのシート張力付与機構100が取付バー81に装着されている。図9に示すように、前記取付バー81の所定位置には係止金具101が取り付けられ、前記ホルダ92には、ブラケット102が取り付けられ、係止金具101とブラケット102の間には、ターンバックル103の両端が連結されている。そして、前記ターンバックル103を操作することにより、前記クランプ機構91を取付バー81に沿って水平方向に移動し、前記防食シート65aに張力を付与することができるようになっている。なお、前記取付バー81上には防食シート65aの弛みを防ぐための補助クランプ機構104が複数箇所に装着されている。
【0027】
前記取付バー81の外周面には複数箇所にブラケット105が取り付けられ、各ブラケット105には、前記シートクランプ機構71を防食シート65aの成型面40aへのシート装着完了位置、つまり巻き上げウインチ73によって移動された図5に示す位置から図4に示すシート装着開始位置へ前記成型面40aに沿って移動して帰還させる帰還ベルト106の一端が連結されている。前記帰還ベルト106の他端は前記帰還用ウインチ75の巻取軸に連結されている。そして、前記巻き上げウインチ73によって、巻き上げベルト72が巻き取られ、前記シートクランプ機構71が防食シート65aとともに、型枠40の成型面40aを案内移動される際には、帰還用ウインチ75の帰還ベルト106が巻き戻されるようになっている。反対に、帰還用ウインチ75によって、前記シートクランプ機構71がシート装着開始位置に帰還される場合には、巻き上げウインチ73によって巻き上げられていた巻き上げベルト72が巻き戻されるようになっている。
【0028】
この実施形態では前記帰還用ウインチ75及び帰還ベルト106によって前記シートクランプ機構71の帰還手段が構成されている。
次に、前記シート装着装置によって型枠40の成型面40aに装着された防食シート65aの両端縁を、型枠40に取り付けるための取付機構について説明する。
【0029】
図6に示すように、前記防食シート65aが型枠40の成型面40aに装着された状態においては、その後端縁はフリーの状態となるので、この後端面は、下端壁成型部48の下端部にブラケット110を介して取り付けられた取付板111に対し、取付機構112によって取り付けられるようになっている。図7に示すように前記取付機構112の連結ロッド113の基端部には蝶ナット114が螺合され、連結ロッド113の先端部にはクランプ金具115が取り付けられ、防食シート65aの後端縁をクランプするようになっている。そして、前記蝶ナット114を回動することによって、前記連結ロッド113及びクランプ金具115を図6,7において、斜め右下に引き込み、防食シート65aに張力を付与するようになっている。
【0030】
図5において、前記シートクランプ機構71のクランプ機構91によりクランプされていた防食シート65aの先端縁のクランプを解除すると、防食シート65aの先端縁はフリーの状態となる。この先端縁は後端縁と同様に図8に示すように下端壁成型部50に装着されたブラケット110及び取付板111に対して取付機構112によって取り付けられ、張力が付与されるようになっている。
【0031】
図4に示すように、前記側壁成型部42と下端壁成型部48の境界部には、ヒンジ機構49によって、下端壁成型部48が成型位置から離型位置へ移動された状態で隙間Gが形成される。前記シートクランプ機構71が移動する際に前記隙間Gに前記ローラ86が落ち込まないように、該ローラ86を案内移動する案内部材89が側壁成型部42の下端に取り付けられている。同様に側壁成型部44と下端壁成型部50によって形成される隙間Gにも図5に示すようにローラ86を案内移動する案内部材89が設けられている。
【0032】
次に、前記のように構成された成型装置21について、その動作を図13のフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、シートロール支持手段61のローラ64にシートロール65を載置(ステップS1)する。シートクランプ機構71により防食シート65aの先端縁をクランプする(ステップS2)。巻き上げウインチ73を作動して防食シート65aを型枠40の成型面40aに被覆する(ステップS3)。下端壁成型部48を離型位置から成型位置へ移動する(ステップS4)。防食シート65aのフリーとなった後端縁を取付機構112により下端壁成型部48の下端縁に取り付ける(ステップS5)。装着完了位置に移動されたシートクランプ機構71による防食シート65aの先端縁のクランプを解除する(ステップS6)。前記下端壁成型部50を離型位置から成型位置へ移動する(ステップS7)。防食シート65aのフリーとなった先端縁を取付機構112により下端壁成型部50の下端縁に取り付ける(ステップS8)。前記走行機構28,29を作動して成型装置21をガイドレール14,15に沿ってトンネル軸方向に移動し、成型装置21の型枠40を前記一次覆工12と対応する位置に移動する。一次覆工12と型枠40の成型面40aの端縁の開口部を図示しない成型板によって遮へいすると共に、前記型枠40に設けた図示しないコンクリートの注入口からコンクリートを成型用空間に注入して二次覆工コンクリートを打設する(ステップS9)。
【0033】
二次覆工コンクリートの硬化後に、側壁成型部42,44、下端壁成型部48,50を成型位置から離型位置へ移動する(ステップS10)。前記昇降機構26,27を作動してクラウン成型部41、側壁成型部42,44及び下端壁成型部48,50を下降する(ステップS11)。その後、走行機構28,29を作動して成型装置21を一次覆工12と対応するシート装置位置へ移動する(ステップS12)。さらに、前記帰還用ウインチ75及び巻き上げウインチ73を作動して、シートクランプ機構71をシート装着開始位置へ復帰する。
【0034】
上記実施形態の二次覆工コンクリート成型装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、前記下端壁成型部48の近傍に配置されたシートロール支持手段61に、シートロール65を支持するとともに、このシートロール65の防食シート65aの先端縁をシートクランプ機構71のクランプ機構91によってクランプし、巻き上げウインチ73を作動することにより、巻き上げベルト72を型枠40の成型面40aに沿って移動し、防食シート65aを成型面40aに装着するようにした。このため、型枠40の成型面40aに対する防食シート65aの装着作業を迅速に行うことができ、作業能率を向上することができる。
【0035】
(2)上記実施形態では、二次覆工コンクリート成型装置21に対して、前記シートクランプ機構71、巻き上げベルト72、巻き上げウインチ73、帰還ベルト106及び帰還用ウインチ75等を直接装着するようにしたので、従来の専用のシート施工装置の構成と比較して、部品点数を低減し、製造を容易に行いコストの低減を図ることができる。
【0036】
(3)上記実施形態では、支持枠体22に帰還用ウインチ75を設けて、帰還ベルト106を巻き上げることによりシート装着完了位置に移動されたシートクランプ機構71をシート装着開始位置に帰還させるようにしたので、シートクランプ機構71の帰還作業を迅速に行い、作業能率を向上することができる。
【0037】
(4)上記実施形態では、図12に示すように、前記取付バー81に対し2箇所にクランプ機構91を設け、両クランプ機構91を図9に示すようにシート張力付与機構100によって互いに離隔する方向への位置調整可能にした。このため、防食シート65aに所定の張力を付与することができ、型枠40の成型面40aに対する防食シート65aの装着を適正に行うことができる。
【0038】
(5)上記実施形態では、下端壁成型部48及び下端壁成型部50の離型状態において、側壁成型部42と下端壁成型部48及び側壁成型部44と下端壁成型部50によって形成される隙間に、走行用台車82のローラ86を案内移動する案内部材89を設けた。このため、シートクランプ機構71の走行用台車82の移動を円滑に行うことができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、この発明をトンネルの中央部に構築される仕切壁130の成型装置に具体化した第2の実施形態を図14〜図19に基づいて説明する。
【0040】
図14に示すように、支持枠体121は、左右一対の側枠122,123と、側枠122,123の上端部間に架橋された上部枠124と、前記側枠122、上部枠124の内側に装着された補強枠125,126とによって構成されている。前記側枠122,123の下端部には、前記走行機構28,29が装着されている。
【0041】
前記支持枠体121の内側には、左右一対の仕切壁成型用の型枠127,128が前記上部枠124に装着された昇降機構及び水平移動機構を構成するプレーントローリー付のチェーンブロック131(一箇所のみ図示)によって、昇降及び水平移動可能に装着されている。前記側枠122,123と型枠127,128の間には、上下2段に、ターンバックル133〜136が装着されている。又、型枠127,128の下端部には、仕切壁130の下端部を成型するための成型板137,138が装着されている。
【0042】
前記型枠127,128の上端部には、前記防食シート65aを装着するためのシート装着装置141がそれぞれ複数箇所(図16,18に一箇所のみ図示)に装着されている。このシート装着装置141は、前記上部枠124の所定位置に装着され、シートクランプ機構142を昇降動作させるためのウインチ143を備えている。前記シートクランプ機構142は防食シート65aの上端縁をクランプするように、前記クランプ機構91とほぼ同様に構成されている。
【0043】
前記型枠127,128の上端部には、シート装着装置141によって、上方へ移動された防食シート65aの上端縁をクランプして、型枠127,128の上端面に取り付けるための張力を付与可能な取付機構151が装着されている。又、前記型枠127,128の下端外側部には、防食シート65aの下端縁を型枠127,128の下端縁に取り付けるための張力を付与可能な取付機構162が装着されている。
【0044】
次に、前記のように構成した仕切壁のコンクリート成型装置についてその動作を説明する。
最初に、前記チェーンブロック131を作動して、図16に示すように、型枠127,128を上方へ移動すると共に、互いに離隔させる(ステップS1)。前記底壁13の上面に左右一対のシートロール支持手段61を前記型枠127,128の下方に位置するように配置する(ステップS2)。シート装着装置141を作動して、シートクランプ機構142を下降する(ステップS3)。防食シート65aの先端縁をシートクランプ機構142によってクランプする(ステップS4)。前記ウインチ143を作動して、シートクランプ機構142を上昇し、防食シート65aをシートロール65から巻き戻して、上方へ移動する(ステップS5)。シート取付機構151によって、防食シート65aの上端縁を型枠127,128の上端面に取り付ける(ステップS6)。シートクランプ機構142による防食シート65aのクランプを解除する(ステップS7)。防食シート65aの下端縁をシート取付機構162により型枠127,128の下端縁に取り付ける(ステップS8)。チェーンブロック131を作動して型枠127,128を図17に示すように、離型位置から成型位置へ移動する(ステップS9)。
【0045】
次に、図14に示すように、型枠127,128の下端部に成型板137,138を装着する。又、図示しないが型枠127,128のトンネルの軸方向の両端部を成型板によって閉塞する。この状態で、型枠127,128の間に形成された成型空間に、コンクリートを流し込んで仕切壁130を成型する。(ステップS10)
次に、仕切壁130の硬化後に、防食シート65aの取付機構151及び取付機構162による取付を解除する(ステップS11)。型枠127,128を図18に示すように成型位置から離型位置へ移動する(ステップS12)。
【0046】
上述した第2の実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、支持枠体121の上部にシート装着装置141を設けるとともに、型枠127,128の上端部に、シート装着装置141によって引き上げられた防食シート65aの上端縁を取り付けるためのシート取付機構151を設け、下端縁に防食シート65aの下端縁を型枠127,128に取り付けるためのシート取付機構162を設けた。このため、型枠127,128に対する防食シート65aの装着作業を迅速に行うことができる。
【0047】
(2)上記実施形態では、支持枠体121に対しシート装着装置141を装着したので、支持枠体121と別体で設けられたシート施工装置によってシートを型枠127,128に装着するシート施工方法と比較して、部品点数を低減し、製造を容易に行いコストの低減を図ることができる。
【0048】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○前記各実施形態では、シートロール支持手段61を用いたが、これを省略してもよい。この場合には、作業者によって、底壁13の上面に支持されたシートロール65が巻き戻される。
【0049】
○図示しないが、前記巻き上げウインチ73に代えて、型枠40のトンネル軸方向の前後両端縁に設けられ、かつ防食シート65aを成型面40aに沿って移動させる自走式のシート移動機構を用いてもよい。
【0050】
○前記実施形態では、一次覆工12から離隔した位置において、型枠40の成型面40aに防食シート65aを装着するようにしたが、成型装置21を最初から一次覆工12と対応する位置に配置した状態で、防食シート65aの装着作業を行うことができるように構成してもよい。この場合には、シートクランプ機構71の移動がコンクリート成型空間に収容された鉄筋に干渉しないように該シートクランプ機構71を扁平な構成とするのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明をトンネル内の二次復興コンクリート成型装置に具体化した第1の実施形態を示す正面図。
【図2】コンクリート成型装置のシートクランプ機構と防食シートの関係を示す正面図。
【図3】巻き上げウインチによって、前記防食シートが型枠の成型面に装着された状態を示す部分側面図。
【図4】シートロール支持手段に支持されたシートロールと、シートクランプ機構及び、側壁成型部、下端壁成型部の関係を示す拡大正面図。
【図5】巻き上げウインチ、側壁成型部、下端壁成型部、シートクランプ機構及び巻き上げベルトの関係を示す拡大正面図。
【図6】下端壁成型部が成型位置に移動され防食シートが取付機構によって下端壁成型部の下端縁に装着された状態を示す拡大正面図。
【図7】取付機構の拡大正面図。
【図8】下端壁成型部が成型位置に移動され、防食シートの先端部が取付機構によって、下端壁成型部の下端縁に装着された状態を示す拡大正面図。
【図9】シートクランプ機構の部分拡大正面図。
【図10】シートクランプ機構の走行用台車を拡大して示す側面図。
【図11】取付バーに装着されたクランプ機構を拡大して示す側面図。
【図12】シートクランプ機構、巻き上げベルト、巻き上げウインチ、帰還用ウインチ、取付バー、走行用台車、クランプ機構及び帰還索の構成を簡略化して示す斜視図。
【図13】防食シートの装着動作を説明するフローチャート。
【図14】この発明のトンネル内の仕切壁のコンクリート成型装置に具体化した第2の実施形態を示す正面図。
【図15】図14のコンクリート成型装置の部分側面図。
【図16】コンクリート成型装置の左右の型枠を離隔した状態を示す正面図。
【図17】コンクリート成型装置の左右の型枠を成型位置に保持した状態を示す正面図。
【図18】コンクリート成型装置により仕切壁を成型した後、型枠を離型位置に移動した状態を示す正面図。
【図19】仕切壁用の型枠に防食シートを装着する動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0052】
G…隙間、11…トンネル、13…底壁、14,15…ガイドレール、22,121…支持枠体、26,27…昇降機構、40,127,128…型枠、40a…成型面、41…クラウン成型部、42,44…側壁成型部、48,50…下端壁成型部、61…シートロール支持手段、64,86…ローラ、65a…防食シート、71,142…シートクランプ機構、81…取付バー、82…走行用台車、89…案内部材、91…クランプ機構、130…仕切壁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートを成型する型枠と、
この型枠をトンネル軸の方向と合致するように配設されたガイドレールに沿って移動可能に支持する支持枠体と、
この支持枠体に設けられ、かつ、前記型枠を成型位置と、離型位置との間で切り換える切換機構と、
防食シートの先端縁をクランプするシートクランプ機構と、
前記支持枠体又は前記型枠に設けられ、かつ、前記シートクランプ機構を前記型枠の成型面に沿って移動させ、前記防食シートを該成型面に被覆するシート移動機構と
を備えたことを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項2】
請求項1において、前記シート移動機構は、前記シートクランプ機構を前記成型面に沿って移動させ、防食シートを前記成型面に被覆する移動索を備えた巻取手段であることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項3】
請求項2において、前記型枠は、トンネルの内周面を成型可能にアーチ状に形成され、前記支持枠体にはシートクランプ機構を前記巻取手段により巻き取られた移動索を巻き戻しつつシート装着開始位置側に帰還させるための帰還索を備えた帰還手段が設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記支持枠体の左右両側の下端部には、左右一対のガイドレールに沿って移動される車輪が設けられ、前記型枠はトンネルのクラウン部を成型するクラウン成型部と、このクラウン成型部の左右両側端縁に回動可能に連結された側壁成型部と、両側壁成型部の下端部にそれぞれ回動可能に連結された下端壁成型部とにより構成されていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、複数の巻取手段により作動される前記移動索の先端部間に水平に架橋された取付バーと、この取付バーの複数箇所に装着されたクランプ機構とにより構成されていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項6】
請求項5において、前記取付バーには、前記複数のクランプ機構を取付バーの長手方向に沿って位置調節し、防食シートに張力を付与するための張力付与機構が設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、前記型枠の成型面に沿って転動するローラを有する走行用台車を備え、前記下端壁成型部が離型位置にあるときに前記側壁成型部と下端壁成型部との間に形成される隙間に位置して前記ローラを転動移動させる案内部材が設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項8】
請求項1において、前記型枠は、トンネルの底壁中央に仕切壁を成型可能な左右一対の仕切壁成型用の型枠であって、この型枠は前記支持枠体に対し昇降機構により昇降可能に、かつ水平移動機構により水平方向の往復動可能に構成され、前記両型枠の上部には、前記シートクランプ機構を上方向に引き上げる移動索を備えたシート移動機構がそれぞれ設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項において、ロール状の防食シートを回転可能に支持するシートロール支持手段を備えていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項1】
コンクリートを成型する型枠と、
この型枠をトンネル軸の方向と合致するように配設されたガイドレールに沿って移動可能に支持する支持枠体と、
この支持枠体に設けられ、かつ、前記型枠を成型位置と、離型位置との間で切り換える切換機構と、
防食シートの先端縁をクランプするシートクランプ機構と、
前記支持枠体又は前記型枠に設けられ、かつ、前記シートクランプ機構を前記型枠の成型面に沿って移動させ、前記防食シートを該成型面に被覆するシート移動機構と
を備えたことを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項2】
請求項1において、前記シート移動機構は、前記シートクランプ機構を前記成型面に沿って移動させ、防食シートを前記成型面に被覆する移動索を備えた巻取手段であることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項3】
請求項2において、前記型枠は、トンネルの内周面を成型可能にアーチ状に形成され、前記支持枠体にはシートクランプ機構を前記巻取手段により巻き取られた移動索を巻き戻しつつシート装着開始位置側に帰還させるための帰還索を備えた帰還手段が設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記支持枠体の左右両側の下端部には、左右一対のガイドレールに沿って移動される車輪が設けられ、前記型枠はトンネルのクラウン部を成型するクラウン成型部と、このクラウン成型部の左右両側端縁に回動可能に連結された側壁成型部と、両側壁成型部の下端部にそれぞれ回動可能に連結された下端壁成型部とにより構成されていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、複数の巻取手段により作動される前記移動索の先端部間に水平に架橋された取付バーと、この取付バーの複数箇所に装着されたクランプ機構とにより構成されていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項6】
請求項5において、前記取付バーには、前記複数のクランプ機構を取付バーの長手方向に沿って位置調節し、防食シートに張力を付与するための張力付与機構が設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか一項において、前記シートクランプ機構は、前記型枠の成型面に沿って転動するローラを有する走行用台車を備え、前記下端壁成型部が離型位置にあるときに前記側壁成型部と下端壁成型部との間に形成される隙間に位置して前記ローラを転動移動させる案内部材が設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項8】
請求項1において、前記型枠は、トンネルの底壁中央に仕切壁を成型可能な左右一対の仕切壁成型用の型枠であって、この型枠は前記支持枠体に対し昇降機構により昇降可能に、かつ水平移動機構により水平方向の往復動可能に構成され、前記両型枠の上部には、前記シートクランプ機構を上方向に引き上げる移動索を備えたシート移動機構がそれぞれ設けられていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項において、ロール状の防食シートを回転可能に支持するシートロール支持手段を備えていることを特徴とするコンクリート成型装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−183328(P2006−183328A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378202(P2004−378202)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000158725)岐阜工業株式会社 (56)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000158725)岐阜工業株式会社 (56)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】
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