説明

コンタクトプローブおよびプローブユニット

【課題】ピッチを狭小化し、繰り返しの使用による耐久性および耐熱性が高く、バネ性を有しながら、接触対象間で確実かつ良好な導通を得ることができるコンタクトプローブおよびプローブユニットを提供すること。
【解決手段】板厚が均一な略平板状をなし、異なる基板間を接続するコンタクトプローブ20と、コンタクトプローブ20を保持するプローブホルダ10と、を備えたプローブユニット1であって、コンタクトプローブ20は、一方の基板の電極と接触する第1接触部と、他方の基板の電極と接触する第2接触部と、第1および第2接触部を接続する接続部と、第1および第2接触部に加わる荷重によって弾性変形する弾性部と、弾性部の接続部との連結側と異なる側の端部に設けられ、第2接触部側と反対方向に突出してプローブホルダ10に取り付けられる取付部と、を有し、プローブホルダ10が、取付部を挟み込んで保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路基板間等の接続に用いられるコンタクトプローブおよびプローブユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路や液晶パネルなどの検査対象の導通状態検査や動作特性検査を行う際には、検査対象と検査用信号を出力する信号処理装置との間の電気的な接続を図るために、導電性のコンタクトプローブを複数収容するプローブユニットが用いられる。プローブユニットにおいては、近年の半導体集積回路や液晶パネルの高集積化、微細化の進展に伴い、コンタクトプローブ間のピッチを狭小化することにより、高集積化、微細化された検査対象にも適用可能な技術が進歩してきている。
【0003】
コンタクトプローブ間のピッチを狭小化する技術として、例えばコンタクトプローブの外部からの荷重に応じて屈曲可能な弾性を備えたワイヤー型のコンタクトプローブに関する技術が知られている。ワイヤー型のコンタクトプローブは、バネを用いたピン型のコンタクトプローブと比較して細径化が容易であるが、荷重が加わった時に撓む方向が揃っていないと、隣接するコンタクトプローブ同士が接触したり被接触体との接触にバラツキが生じたりしてしまう恐れがある。このため、コンタクトプローブにおいては、荷重によって撓む方向を一様に揃えるための様々な工夫が施されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
このうち、特許文献1では、接触体との接触間に湾曲した形状をなしてバネ性を有する複数のコンタクトプローブがテストボードに収容されたプローブユニットが開示されている。このコンタクトプローブでは、バネ性を有する部分が電気信号の導通部分と共通している。
【0005】
また、特許文献2では、コンタクトプローブに対してゴムまたは樹脂によって形成されるエラストマが設けられたプローブユニットが開示されている。このプローブユニットでは、コンタクトプローブと電極等との接触によってエラストマが弾性変形し、コンタクトプローブと電極との接触状態を維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−277665号公報
【特許文献2】特開2007−17444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1が開示するコンタクトプローブにおいて、バネ性を確保するにはコンタクトプローブ自体を長くしなければならず、電気抵抗が大きくなって導通性が悪くなるという問題があった。
【0008】
また、特許文献2が開示するコンタクトプローブでは、バネ性を確保するためにコンタクトプローブ自体を長くする必要はないものの、バネ性の確保のために用いるエラストマが、金属と比して繰り返しの使用による耐久性および耐熱性が低いという問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ピッチを狭小化し、繰り返しの使用による耐久性および耐熱性が高く、バネ性を有しながら、接触対象間で確実かつ良好な導通を得ることができるコンタクトプローブおよびプローブユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるプローブユニットは、板厚が均一な略平板状をなし、異なる基板間を接続するコンタクトプローブと、前記コンタクトプローブを保持するプローブホルダと、を備えたプローブユニットであって、前記コンタクトプローブは、一方の基板の電極と接触する第1接触部と、他方の基板の電極と接触する第2接触部と、前記第1接触部および前記第2接触部を接続する接続部と、前記第1接触部および前記第2接触部に加わる荷重によって弾性変形する弾性部と、前記弾性部の前記接続部との連結側と異なる側の端部に設けられ、前記第2接触部側と反対方向に突出して前記プローブホルダに取り付けられる取付部と、を有し、前記プローブホルダは、前記取付部を挟み込んで保持することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるプローブユニットは、上記の発明において、前記プローブホルダは、前記コンタクトプローブを収容する収容部が設けられた略平板状の収容部材と、前記取付部を収容して固定する穴部が設けられ、前記収容部材と着脱可能な略平板状の固定部材と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるプローブユニットは、上記の発明において、前記プローブホルダは、前記収容部材の底面と前記穴部の底部とによって前記取付部を挟み込むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるプローブユニットは、上記の発明において、前記プローブホルダは、前記収容部材の底面と前記固定部材の上面とによって前記取付部を挟み込むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかるプローブユニットは、上記の発明において、前記穴部は、前記固定部材の板厚方向に貫通し、前記プローブホルダは、前記収容部材の底面と前記他方の基板とによって前記取付部を挟み込むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかるコンタクトプローブは、板厚が均一な略平板状をなし、プローブホルダに保持された状態で異なる基板間を接続するコンタクトプローブであって、一方の基板の電極と接触する第1接触部と、他方の基板の電極と接触する第2接触部と、前記第1接触部および前記第2接触部を接続する接続部と、前記第1接触部および前記第2接触部に加わる荷重によって弾性変形する弾性部と、前記弾性部の前記接続部との連結側と異なる側の端部に設けられ、前記第2接触部側と反対方向に突出して前記プローブホルダに取り付けられる取付部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるコンタクトプローブおよびプローブユニットは、略平板状のプローブにおいて、同一のプローブ内で電気的導通を行なう部分とバネ性を有する部分とが異なる形状としたので、ピッチを狭小化し、繰り返しの使用による耐久性および耐熱性が高く、バネ性を有しながら、接触対象間で確実かつ良好な導通を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかるプローブユニットの構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すプローブユニットの要部の構成を示す分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態にかかるプローブユニットに用いられる半導体集積回路を示す斜視図である。
【図4】図4は、図1に示すプローブホルダの構成を示す分解斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態にかかるコンタクトプローブを示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態にかかるコンタクトプローブを示す側面図である。
【図7】図7は、図1に示すプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【図8】図8は、図1に示すプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【図9】図9は、図1に示すプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態の変形例1にかかるコンタクトプローブを示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態の変形例2にかかるコンタクトプローブを示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態の変形例3にかかるコンタクトプローブを示す側面図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態の変形例4にかかるコンタクトプローブを示す側面図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態の変形例5にかかるコンタクトプローブを示す斜視図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態の変形例6にかかるプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態の変形例7にかかるプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0019】
図1は、本実施の形態にかかるプローブユニットの構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すプローブユニットの要部の構成を示す分解斜視図である。図1,2に示すプローブユニット1は、検査対象物である半導体集積回路100の電気特性検査を行う際に使用する装置であって、半導体集積回路100と半導体集積回路100へ検査用信号を出力する回路基板30との間を電気的に接続する装置である。なお、本実施の形態において、半導体集積回路100は、図3に示すような電極101およびグランド電極102を有するQFN(Quad Flat Non‐leaded Package)であるものとして説明する。
【0020】
プローブユニット1は、異なる二つの基板である半導体集積回路100および回路基板30の各電極に接触する導電性のコンタクトプローブ20(以下、単に「プローブ20」という)と、複数のプローブ20を所定のパターンにしたがって収容して保持するプローブホルダ10と、プローブホルダ10の底部に当接し、プローブ20を介して半導体集積回路100へ検査用信号を出力する回路基板30とを有する。
【0021】
回路基板30は、図2に示すように、プローブ20を介して半導体集積回路100へ検査用信号を出力するための電極31およびグランド電極32を有する。電極31およびグランド電極32は、プローブホルダ10に保持されたプローブ20に対応して回路基板30上に配設される。なお、プローブホルダ10と回路基板30とは、ネジ等によって接続されてもよく、接着剤またはシール部材によって接着されてもよい。すなわち、プローブホルダ10と回路基板30との接着形態は、プローブ20と、電極31およびグランド電極32との接触を妨げなければ、如何なる接着形態でもよい。
【0022】
図4は、プローブホルダ10の構成を示す分解斜視図である。プローブホルダ10は、樹脂、マシナブルセラミックなどの絶縁性材料を用いて形成され、プローブ20を収容する略平板状の収容部材10aと、プローブ20を固定し、収容部材10aと着脱可能な略平板状の固定部材10bと、を有する。
【0023】
収容部材10aは、複数のプローブ20を収容可能な収容空間が形成された収容部11と、各プローブ20を所定パターンで保持するためのスリット12(収容部)とを有する。スリット12は、グランド電極102に対応して設けられ、プローブホルダ10の上方から半導体集積回路100が近接した際に、各プローブ20が、グランド電極102と接触する位置に形成される。
【0024】
固定部材10bは、プローブ20を固定して保持するプローブ保持部13が、配設するプローブ20に対応して形成されている。プローブ保持部13は、プローブ20を保持して固定する穴部14と、プローブ20の少なくとも第2接触部22を挿通してプローブ20の配設位置がずれないよう保持する挿通部15とを有する。穴部14は、収容部11およびスリット12に挿通されたプローブ20の端部を収容する。また、挿通部15は、収容部11の所定位置にプローブ20の他方の先端部分が位置するようプローブ20を保持する。また、固定部材10bは、グランド電極102に対応してプローブ保持部16が設けられている。プローブ保持部16は、上述した穴部14および挿通部15と同様の構成をなし、スリット12に挿通されるプローブ20を保持する穴部17および挿通部18が形成されている。
【0025】
図5は、本実施の形態にかかるプローブ20を示す斜視図である。また、図6は、本実施の形態1にかかるプローブ20を示す側面図である。また、図7は、図1に示すプローブユニット1の要部の構成を示す部分断面図である。図5,6に示すプローブ20は、板厚が均一な略平板状であって、先端部で弧状をなす側面を有し、この側面で半導体集積回路100と接触する第1接触部21と、弧状をなす側面を有し、この側面で回路基板30と接触する第2接触部22と、第1接触部21および第2接触部22を接続する帯状の接続部23と、接続部23から延びて、第1接触部21と接する第1の平面Gと、第1の平面Gと平行であって、第2接触部22と接する第2の平面Gとの間に位置し、第1接触部21および第2接触部22に加わる荷重によって弾性変形する弾性部24と、弾性部24の接続部23との連結側と異なる側の端部に設けられ、第2接触部22と反対側に突出してプローブホルダ10に取り付けられる取付部25と、を備える。プローブ20は、銅、ニッケル、鉄、タングステン等の合金を用いて形成される。なお、弾性を有する金属材料を用いて成形した後、表面にめっき加工を施したものであってもよい。
【0026】
第2接触部22は、回路基板30と接触する側の外縁が弧状をなし、図7に示すように、プローブホルダ10に保持されて回路基板30の電極31に当接する。ここで、第2接触部22の外縁であって、固定部材10bおよび電極31にそれぞれ当接する接触箇所同士のうち、最短となる接触箇所同士を結ぶ外縁は、R形状をなしている。
【0027】
弾性部24は、図6に示すように、板厚方向に直交する幅W1が、接続部23の幅W2と比して小さい。このため、弾性部24は、第1接触部21または第2接触部22に加わる荷重に対して他の部分よりも弾性変形を生じやすい。また、弾性部24は、接続部23の湾曲態様と凹凸が逆の湾曲態様で接続部23から延びる。弾性部24は、凹凸が逆の湾曲部分を繰り返してジグザグ状に延びている。弾性部24は、平面G,Gと略直交する方向に往復して、平面G,Gと平行な方向に延びる形状をなす。なお、弾性部24の幅と接続部23の幅との比は、弾性部24が優先的に弾性変形可能であれば、如何なる比であってもよい。
【0028】
また、弾性部24は、上述したように、第1接触部21と接する第1の平面Gと、第1の平面Gに平行であって、第2接触部22と接する第2の平面Gとの間に位置する。すなわち、弾性部24は、第2の平面Gから、弾性部24の第2の平面Gに最も遠い点までの距離d2が、第1の平面Gと第2の平面Gとの間の距離d1より小さくなるように湾曲されて形成される。これにより、図7に示すように、プローブ20がプローブホルダ10に保持された際に、プローブ20の配設高さが、第1接触部21で最も高くなる。このため、プローブ20の上方から検査対象を近づけた際に、弾性部24と接触することなく、第1接触部21と検査対象を接触させることができる。
【0029】
取付部25は、略矩形をなして幅方向(第2接触部22と反対側)に突出し、一部が突出方向に沿って切り欠かれている。取付部25は、この切り欠きによって、上述した第1の平面Gに垂直な方向に伸縮可能となる。なお、取付部25において、第1の平面Gに垂直な方向の距離d3は、図7に示す穴部14の深さより若干大きい程度であることが好ましい。
【0030】
また、取付部25は、図7に示すように、穴部14に収容された後、穴部14の上方から収容部材10aが載置されることによって、取付部25の突出部分が収容部材10aの底面および穴部14の底部によって挟み込まれる。これにより、プローブ20がプローブホルダ10に保持される。このとき、取付部25は、上述した切り欠き部分が変形して圧縮された状態となっており、プローブホルダ10に保持されたプローブ20の高さ方向(紙面の上下方向)が固定されている。
【0031】
また、プローブ20がプローブホルダ10に固定された状態において、第2接触部22は、挿通部15に挿通され、挿通部15の壁面に当接している。第2接触部22が挿通部15の壁面に当接することによって、接続部23の傾斜方向が固定される。これにより、第1接触部21の突出方向が決まる。したがって、第2接触部22の挿通部15の壁面に対する当接位置、角度を調節することによって、第1接触部21の突出方向を調節することができる。
【0032】
図8は、プローブユニット1の要部の構成を示す図であって、第1接触部21または第2接触部22に荷重が加わった状態を示す部分断面図である。図8に示すように、第1接触部21が半導体集積回路100の電極101と接触して荷重が加わると、弾性部24の湾曲部分が弾性変形する。ここで、破線Pは、半導体集積回路100から荷重が加わっていない状態でのプローブ20の位置を示している(図7参照)。
【0033】
第1接触部21に外部からの荷重が加わると、第1接触部21、第2接触部22(接続部23を含む)は弾性変形することなく、荷重に応じて電極101、電極31と当接しながら移動する。また、弾性部24は、接続部23および第2接触部22を介して伝達される荷重に応じて弾性変形を生ずる。なお、このときに流れる電流の大部分は、第1接触部21、接続部23および第2接触部22を流れる。
【0034】
図9は、プローブユニット1の要部の構成を示す部分断面図であって、第1接触部21に荷重が加わる前後の第1接触部21と電極101との接触状態および第2接触部22と電極31との接触状態を説明する図である。まず、図9(a)は、第1接触部21に対して半導体集積回路100の電極101が当接した状態(荷重が加わっていない状態)を示している。この場合の第1接触部21と電極101との接触点をS、第2接触部22と電極31との接触点をCとする。
【0035】
図9(a)において、半導体集積回路100が図中下方に移動すると、第1接触部21に荷重が加わり、第1接触部21が押し下げられる。この第1接触部21の移動によって第1接触部21の電極101および第2接触部22の電極31との接触点がそれぞれS,Cにずれる(図9(b))。なお、破線Pは、図9(a)に示す荷重が加わっていない状態でのプローブ20の位置を示し、破線Iは、図9(a)に示す半導体集積回路100の位置を示している。
【0036】
ここで、第1接触部21および第2接触部22は、各電極101,31の形成面に沿って接触点が移動する。このため、各接触部と対応する各電極との摩擦力等が小さく、接触部および電極それぞれの磨耗を抑制することが可能となる。なお、上述したプローブ20の配設および動作は、グランド電極102,32に対応して設けられたプローブ20でも同様である。
【0037】
上述した実施の形態によれば、略平板状の金属からなるプローブにおいて、同一プローブ内で電気的導通を行なう部分とバネ性を有する部分とが異なる形状としたので、ピッチを狭小化し、繰り返しの使用による耐久性および耐熱性が高く、バネ性の確保によって電気的な導通経路が長くなることなく、プローブの設計を行なうことができ、確実な電気的導通を行なうとともに、プローブのバネ性を確保することが可能となる。
【0038】
また、各接触部が電極との接触に対して接触点を移動させるため、接触部と電極との間の摩擦を軽減し、接触部および電極の磨耗を抑制することができる。このとき、第2接触部において、電極と接触する側の端部がR形状をなすことによって、一段と効率よく第2接触部が電極面上を回転することができるため、電極の磨耗を一層抑制することが可能となる。
【0039】
また、取付部25が固定部材10bの穴部14に保持された場合に、第2接触部22が挿通部15に挿通され、挿通部15の壁面に当接することによって位置決めの効果を有するため、プローブ20をプローブユニット1の所定位置に容易に配設することができる。
【0040】
また、本実施の形態にかかるプローブによれば、取付部25が収容部材10aと穴部14との間で挟み込んで固定されており、プローブ20の交換を行う際、収容部材10aを固定部材10bから取り外し、固定部材10bからプローブ20を抜き差しするのみで容易にプローブの交換を行うことが可能である。
【0041】
なお、第1接触部21に対して重力以外の外力が加わっていない状態において、第2接触部22の側面が固定部材10bの壁面と当接するものとして説明したが、第2接触部22の電極31側に位置する側の少なくとも一点が固定部材10bと接触していればよい。
【0042】
上述した実施の形態1において、半導体集積回路が外部にリードを有しないQFNであるものとして説明してきたが、リードを有する半導体集積回路(Quad Flat Package:QFP)であってもよい。
【0043】
また、半導体集積回路において、中央部にグランド電極(グランド電極102)が配設されていない場合、プローブユニットとしてスリット12(穴部17および挿通部18)およびスリット12に配設されるプローブ20を設けない構成としてもよい。
【0044】
図10は、本実施の形態の変形例1にかかるプローブを示す斜視図である。なお、図5等で上述したプローブ20と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図10に示すプローブ20aのように、取付部25aが、湾曲部分を繰り返してジグザグ状をなしてもよい。このジグザグ状によって、上述した第1の平面Gに垂直な方向に伸縮可能となる。
【0045】
図11は、本実施の形態の変形例2にかかるプローブを示す斜視図である。なお、図5等で上述したプローブ20と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図11に示すプローブ20bは、取付部25bが、第2接触部22と反対方向に弧状に突出した形状をなしてもよい。この弧状によって、上述した第1の平面Gに垂直な方向に伸縮可能となる。
【0046】
図12は、本実施の形態の変形例3にかかるプローブを示す側面図である。なお、図6等で上述したプローブ20と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図12に示すプローブ20cは、板厚が均一な略平板状であって、上述した第1接触部21、第2接触部22および接続部23と、接続部23から延び、弧状に湾曲した形状をなして、第1接触部21および第2接触部22に加わる荷重によって弾性変形する弾性部24aと、弾性部24aの接続部23との連結側と異なる側の端部に設けられ、第2接触部22と反対側に突出してプローブホルダ10に取り付けられる取付部25と、を備える。プローブ20cは、プローブ20と同様、銅、ニッケル、鉄、タングステン等の合金を用いて形成される。なお、弾性を有する金属材料を用いて成形した後、表面にめっき加工を施したものであってもよい。
【0047】
弾性部24aは、図5に示す弾性部24と同様に、接続部23の幅と比して小さい幅を有する。また、弾性部24aの接続部23側と異なる側の端部側に設けられた取付部25が穴部14に収容されて取り付けられて、プローブ20cがプローブホルダ10に保持される。
【0048】
弾性部24aは、接続部23の外縁から板面に沿って延伸している。弾性部24aは、図6に示すプローブ20と同様に、第2の平面Gから、弾性部24aの第2の平面Gに最も遠い点までの距離d4が、第1の平面Gと第2の平面Gとの間の距離d1より小さくなるように形成される。
【0049】
図13は、本実施の形態の変形例4にかかるプローブを示す側面図である。なお、図6等で上述したプローブ20と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図13に示すプローブ20dは、板厚が均一な略平板状であって、上述した第1接触部21、第2接触部22および接続部23と、接続部23から延び、湾曲部分を繰り返してジグザグ状をなし、第1接触部21および第2接触部22に加わる荷重によって弾性変形する弾性部24bと、弾性部24bの接続部23との連結側と異なる側の端部に設けられ、第2接触部22と反対側に突出してプローブホルダ10に取り付けられる取付部25と、を備える。プローブ20dは、プローブ20と同様、銅、ニッケル、鉄、タングステン等の合金を用いて形成される。なお、弾性を有する金属材料を用いて成形した後、表面にめっき加工を施したものであってもよい。
【0050】
弾性部24bは、図5に示す弾性部24と同様に、接続部23の幅と比して小さい幅を有する。また、弾性部24bの接続部23側と異なる側の端部は、直線状をなして延びおり、この直線状部分の先端部が穴部14に差し込んで取り付けられて、プローブ20dがプローブホルダ10に保持される。
【0051】
弾性部24bは、接続部23の外縁から板面に沿って延伸して形成される。また、弾性部24bは、接続部23の湾曲態様と凹凸が逆の湾曲態様で接続部23から延びる。弾性部24bは、凹凸が逆の湾曲部分を繰り返してジグザグ状に延びている。弾性部24bは、平面G,Gと平行な方向に往復して、平面G,Gと垂直な方向に延びる形状をなす。弾性部24bは、図6に示すプローブ20と同様に、第2の平面Gから、弾性部24bの第2の平面Gに最も遠い点までの距離d5が、第1の平面Gと第2の平面Gとの間の距離d1より小さくなるように湾曲されて形成される。
【0052】
図14は、本実施の形態の変形例5にかかるプローブを示す斜視図である。なお、図5等で上述したプローブ20と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図14に示すプローブ20eは、板厚が均一な略平板状であって、上述した第1接触部21、第2接触部22および接続部23と、第2接触部22から延び、弧状をなし、第1接触部21および第2接触部22に加わる荷重によって弾性変形する弾性部24cと、弾性部24cの接続部23との連結側と異なる側の端部に設けられ、第2接触部22と反対側に突出してプローブホルダ10に取り付けられる取付部25と、を備える。プローブ20eは、プローブ20と同様、銅、ニッケル、鉄、タングステン等の合金を用いて形成される。なお、弾性を有する金属材料を用いて成形した後、表面にめっき加工を施したものであってもよい。
【0053】
プローブ20eは、図7に示すようにプローブ20eがプローブホルダ10に配設された際、第1接触部21の高さより、弾性部24cの高さが高くなる。すなわち、図6等に示した第2の平面Gから、弾性部24cの第2の平面Gに最も遠い点までの距離が、第1の平面Gと第2の平面Gとの間の距離d1より大きくなっている。プローブ20eは、弾性部の高さに制限がない場合、収容部11に収容するプローブに対して適用可能である。
【0054】
図15は、本実施の形態の変形例6にかかるプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。なお、図7等で上述したプローブユニットと同じ構成要素には同じ符号を付してある。変形例6にかかるプローブ20fは、板厚が均一な略平板状であって、上述した第1接触部21、第2接触部22、接続部23および弾性部24と、弾性部24の接続部23との連結側と異なる側の端部に設けられ、プローブホルダ10に取り付けられる取付部25cと、を備える。プローブ20fは、収容部材10dと固定部材10eとからなるプローブホルダ10cによって保持される。プローブ20fは、プローブ20と同様、銅、ニッケル、鉄、タングステン等の合金を用いて形成される。なお、弾性を有する金属材料を用いて成形した後、表面にめっき加工を施したものであってもよい。
【0055】
取付部25cは、弾性部24の端部から延伸されてなる第1取付部25dと、第1取付部25dの延伸方向と垂直な方向(板面の幅方向)に突出する第2取付部25eと、からなる。
【0056】
固定部材10eには、上述した第1取付部25dを収容する穴部14aが形成されている。プローブ20fは、第1取付部25dがこの穴部14aに収容されるとともに、第2取付部25eが収容部材10dの底面と固定部材10eの上面との間に挟み込まれることによってプローブホルダ10cに保持される。このとき、第1取付部25dの先端から第2取付部25eの突出端部までの距離は、穴部14aの深さ以下であることが好ましい。また、収容部材10dは、プローブ20が取り付けられた状態において、少なくとも第1接触部21が上面から突出するような板厚となるように形成される。
【0057】
図16は、本実施の形態の変形例7にかかるプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。なお、図7等で上述したプローブユニットと同じ構成要素には同じ符号を付してある。変形例7にかかるプローブ20gは、板厚が均一な略平板状であって、上述した第1接触部21、第2接触部22、接続部23および弾性部24と、弾性部24の接続部23との連結側と異なる側の端部に設けられ、プローブホルダ10fに取り付けられる取付部25fと、を備える。プローブ20gは、上述した収容部材10aと、固定部材10gとからなるプローブホルダ10fおよび回路基板30aによって保持される。プローブ20gは、プローブ20と同様、銅、ニッケル、鉄、タングステン等の合金を用いて形成される。また、回路基板30aに形成される電極31aは、上述した回路基板30の電極31と比して外縁側に延伸されている。なお、弾性を有する金属材料を用いて成形した後、表面にめっき加工を施したものであってもよい。
【0058】
固定部材10gは、取付部25fを収容する穴部14bが形成されている。この穴部14bは、固定部材10gの厚さ方向に貫通している。
【0059】
取付部25fは、弾性部24の端部から延伸された長さが固定部材10gの厚さと同等または若干大きく、第2接触部22と異なる側に略矩形をなして突出している。また、取付部25fは、一部が突出方向に沿って切り欠かれている。取付部25fは、この切り欠きによって、上述した第1の平面Gに垂直な方向に伸縮可能となる。
【0060】
プローブ20gは、図16に示すように、取付部25fがこの穴部14aに収容された際、取付部25fの端部が固定部材10gを貫通して回路基板30aの電極31aに接触する。プローブ20gは、取付部25fが穴部14bに収容された状態で、収容部材10aと回路基板30a(電極31a)との間に挟み込まれることによって保持される。
【0061】
上述した変形例7のように、取付部25f側でも回路基板30aの電極31aと接触してもよい。取付部25fと電極31aとの接触によって、万が一、弾性部24に電気信号が流れた場合であっても、信号の反射をなくして損失を防止することができ、特に高周波の信号の場合に有効である。
【0062】
以上のように、本発明にかかるコンタクトプローブおよびプローブユニットは、ピッチを狭小化し、繰り返しの使用による耐久性および耐熱性が高く、バネ性を有しながら、接触対象間で確実かつ良好な導通を得る場合に有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 プローブユニット
10,10c,10f プローブホルダ
10a,10d 収容部材
10b,10e,10g 固定部材
11 収容部
12 スリット
13,16 プローブ保持部
14,17 穴部
15,18 挿通部
20,20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g プローブ
21 第1接触部
22 第2接触部
23 接続部
24,24a,24b,24c 弾性部
25,25a,25b,25c,25f 取付部
25d 第1取付部
25e 第2取付部
30,30a 回路基板
31,31a,101 電極
32,102 グランド電極
100 半導体集積回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板厚が均一な略平板状をなし、異なる基板間を接続するコンタクトプローブと、前記コンタクトプローブを保持するプローブホルダと、を備えたプローブユニットであって、
前記コンタクトプローブは、
一方の基板の電極と接触する第1接触部と、
他方の基板の電極と接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部を接続する接続部と、
前記第1接触部および前記第2接触部に加わる荷重によって弾性変形する弾性部と、
前記弾性部の前記接続部との連結側と異なる側の端部に設けられ、前記第2接触部側と反対方向に突出して前記プローブホルダに取り付けられる取付部と、
を有し、
前記プローブホルダは、前記取付部を挟み込んで保持することを特徴とするプローブユニット。
【請求項2】
前記プローブホルダは、
前記コンタクトプローブを収容する収容部が設けられた略平板状の収容部材と、
前記取付部を収容して固定する穴部が設けられ、前記収容部材と着脱可能な略平板状の固定部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のプローブユニット。
【請求項3】
前記プローブホルダは、前記収容部材の底面と前記穴部の底部とによって前記取付部を挟み込むことを特徴とする請求項2に記載のプローブユニット。
【請求項4】
前記プローブホルダは、前記収容部材の底面と前記固定部材の上面とによって前記取付部を挟み込むことを特徴とする請求項2に記載のプローブユニット。
【請求項5】
前記穴部は、前記固定部材の板厚方向に貫通し、
前記プローブホルダは、前記収容部材の底面と前記他方の基板とによって前記取付部を挟み込むことを特徴とする請求項2に記載のプローブユニット。
【請求項6】
板厚が均一な略平板状をなし、プローブホルダに保持された状態で異なる基板間を接続するコンタクトプローブであって、
一方の基板の電極と接触する第1接触部と、
他方の基板の電極と接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部を接続する接続部と、
前記第1接触部および前記第2接触部に加わる荷重によって弾性変形する弾性部と、
前記弾性部の前記接続部との連結側と異なる側の端部に設けられ、前記第2接触部側と反対方向に突出して前記プローブホルダに取り付けられる取付部と、
を備えたことを特徴とするコンタクトプローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−61188(P2013−61188A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198755(P2011−198755)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】