説明

コンテンツデータ受信再生装置、コンテンツデータ送受信システム及びコンテンツデータ送受信方法

【課題】ストリーム配信されているコンテンツデータに含まれるコマーシャルデータをリアルタイムで除去することができるコンテンツデータ受信再生装置、コンテンツデータ送受信システム及び方法を提供する。
【解決手段】ストリーム配信されたパケットを順次受信して、1つのパケットを受信したときに当該1つのパケットのヘッダに含まれる識別データが当該1つのパケットに含まれている1つのコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合にバッファへの蓄積前又は後において当該1つのコンテンツデータを削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーム型のVOD(Video On Demand)方式により配信されるコンテンツを受信するコンテンツデータ受信再生装置、コンテンツデータ送受信システム及びコンテンツデータ送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送番組中のいわゆるコマーシャル部分を除去して本編部分のみを再生する例えばハードディスク内蔵のレコーダなどの装置が知られている。例えば特許文献1には、かかる処理を行うデジタル記録再生装置が開示されている。当該装置は、放送番組全体のデータを受信し、これをハードディスク等の記録媒体に記録する。次に、記録媒体に記録されたデータについて、いわゆるシーンチェンジの検出を行い、シーンチェンジの間隔が例えば15秒や30秒になる部分をコマーシャル部分と判別する。そして、その判別結果に基づいて本編部分のみを再生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−175710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、視聴者の要求に応じて映像や音声等からなるコンテンツをストリーム配信するビデオオンデマンド方式(以下、VOD方式と称する)が知られているが、特許文献1に開示されている装置は、VOD方式によってストリーム配信されているコンテンツのコマーシャル部分を除去することができないという問題があった。当該装置は、放送番組全体のデータを記録媒体に一旦記録し、その後にシーンチェンジ検出を行う構成なので、ストリーム配信されているコンテンツに含まれるコマーシャル部分をリアルタイムで除去することができなかった。
【0005】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、ストリーム配信されているコンテンツデータに含まれるコマーシャルデータをリアルタイムで除去することができるコンテンツデータ受信再生装置、コンテンツデータ送受信システム及びコンテンツデータ送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるコンテンツデータ受信再生装置は、サーバからストリーム配信されたパケットを通信網を介して順次受信する受信部と、前記受信部によって受信されたパケットに含まれるコンテンツデータを順次蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積されているコンテンツデータを順次取り出して再生する再生部と、を含むコンテンツデータ受信再生装置であって、前記受信部が1つのパケットを受信したときに当該1つのパケットのヘッダに含まれる識別データが当該1つのパケットに含まれている1つのコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に前記蓄積部への当該1つのコンテンツデータの蓄積前又は後において当該1つのコンテンツデータを削除するデータ削除部を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明によるコンテンツデータ送受信システムは、コンテンツ要求に応じてコンテンツデータを含むパケットを通信網を介してストリーム送信するサーバと、前記サーバによってストリーム送信されたパケットを前記通信網を介して順次受信して当該パケットに含まれるコンテンツデータを蓄積部に順次蓄積し前記蓄積部に蓄積されているコンテンツデータを順次取り出して再生するコンテンツデータ受信再生装置と、を含むコンテンツデータ送受信システムであって、前記コンテンツデータ受信再生装置は、前記受信部が1つのパケットを受信したときに当該1つのパケットのヘッダに含まれる識別データが当該1つのパケットに含まれている1つのコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に前記蓄積部への当該1つのコンテンツデータの蓄積前又は後において当該1つのコンテンツデータを削除するデータ削除部を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によるコンテンツデータ送受信方法は、コンテンツデータを含むパケットを通信網を介してストリーム送信するストリーム送信ステップと、前記ストリーム送信ステップにおいて送信されたパケットを前記通信網を介して順次受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信されたパケットに含まれるコンテンツデータを蓄積する蓄積ステップと、前記蓄積ステップにおいて蓄積されたコンテンツデータを順次取り出して再生する再生ステップと、を含むコンテンツデータ送受信方法であって、前記受信ステップにおいて1つのパケットを受信したときに当該1つのパケットのヘッダに含まれる識別データが当該1つのパケットに含まれている1つのコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に前記蓄積ステップにおける当該1つのコンテンツデータの蓄積前又は後において当該1つのコンテンツデータを削除するデータ削除ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるコンテンツデータ受信再生装置、コンテンツデータ送受信システム及びコンテンツデータ送受信方法によれば、ストリーム配信されているコンテンツデータに含まれるコマーシャルデータをリアルタイムで除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施例のコンテンツデータ受信再生装置の構成を、VODサーバ、通信網、出力部及びリモコンと共に示すブロック図である。
【図2】VODサーバからコンテンツデータ受信再生装置へ送信されるパケットの構成を示す図である。
【図3】コマーシャルデータ用のパケットのGOPヘッダを示す図である。
【図4】本編データ用のパケットのGOPヘッダを示す図である。
【図5】コンテンツ受信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】コンテンツデータ受信再生装置(STB)とVODサーバとの間のコンテンツ送受信処理を示すシーケンス図である。
【図7】(a)は、通常速度での送受信時におけるバッファ部と本編及びコマーシャル(CM)のデータとを示す図である。(b)は、CM削除時におけるバッファ部とこれらのデータとを示す図である。(c)は、バッファ蓄積量が所定の閾値データ量を下回った場合におけるバッファ部と本編のデータとを示す図である。(d)は、バッファ蓄積量が所定の閾値データ量を上回った場合におけるバッファ部と本編のデータとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施例のコンテンツデータ受信再生装置10の構成を、VODサーバ20、通信網30、出力部40及びリモコン50と共に示すブロック図である。コンテンツデータ受信再生装置10は、ユーザがリモコン50から発したコンテンツ受信指示に応じて、VODサーバ20から例えばインターネットなどの通信網30を介して映像等のコンテンツデータをパケットによりストリーム受信し、当該コンテンツデータに基づいて例えば液晶ディスプレイ等の出力部40に映像や音声を再生出力させる例えばセットトップボックス(STB:Set Top Box)などの受信装置である。以下、コンテンツデータ受信再生装置10をSTB10と称する。以下、STB10と、VODサーバ20と、通信網30と、出力部40と、リモコン50とを含むシステムをコンテンツデータ送受信システム1と称する。
【0013】
STB10は、操作信号受信部11と、コンテンツ要求送信部12と、コンテンツ受信部13と、バッファ部14と、CMデータ削除部15と、送信速度変更要求送信部16と、コンテンツ再生部17と、STB制御部18と、を含む。
【0014】
操作信号受信部11は、ユーザ操作によりリモコン50から無線送信された操作信号を受信する例えば赤外線受信モジュール等の受信装置である。操作信号は、例えば映像等のコンテンツを要求する信号などである。
【0015】
コンテンツ要求送信部12は、操作信号受信部11によって受信されたコンテンツ要求信号に応じて、通信網30を介してVODサーバ20へコンテンツ要求を送信する。
【0016】
コンテンツ受信部13は、VODサーバ20から当該コンテンツ要求に応じて送信されたコンテンツデータを通信網30を介して受信する。コンテンツデータは、VODサーバ20からパケットによりストリーム送信される。パケットには、コンテンツ本編のデータを含むもの(以下、本編パケットと称する)と、いわゆるコマーシャルのデータを含むもの(以下、CMパケットと称する)と、がある。
【0017】
バッファ部14は、コンテンツ受信部13によって受信された本編パケットに含まれるデータ(以下、本編データと称する)を順次蓄積する。また、バッファ部14は、コンテンツ受信部13によって受信されたCMパケットに含まれるデータ(以下、コマーシャルデータ又はCMデータと称する)を、CMデータ削除部15によって削除されるまで一時的に蓄積することもできる。バッファ部14は、例えばRAMやハードディスク等の記憶媒体であり、MPEG2規格のパケットデータを例えば10〜20分程度蓄積できる。
【0018】
CMデータ削除部15は、コンテンツ受信部13がパケットを受信したときに、当該パケットのGOPヘッダに含まれる識別データが当該パケットに含まれているコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に、バッファ部14に一時的に蓄積されている当該コンテンツデータを削除する。
【0019】
また、CMデータ削除部15は、コンテンツ受信部13がパケットを受信したときに、当該パケットのGOPヘッダに含まれる識別データが当該パケットに含まれているコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に、当該コンテンツデータをバッファ部14に蓄積せずに削除することもできる。
【0020】
CMデータ削除部15は、当該判別をする毎に1つのコンテンツデータを削除しても良いし、複数の判別後に複数のコンテンツデータをまとめて削除しても良い。
【0021】
送信速度変更要求送信部(以下、変更要求送信部と称する)16は、バッファ部14に蓄積されているデータの量が所定の閾値データ量を下回ったと判別した場合に、コンテンツデータの送信速度を上昇させる要求(以下、送信速度上昇要求と称する)をVODサーバ20に送信する。閾値データ量は、バッファ部14の蓄積可能容量の例えば2割程度の量である。送信速度上昇要求は、通常送信時の例えば1.1〜2倍程度の速度での送信を要求するものである。通常時におけるVODサーバ20のコンテンツデータ送信量が例えば10Mbpsであれば、送信速度上昇要求においては、例えば13Mbpsでのコンテンツデータ送信を要求する。
【0022】
また、変更要求送信部16は、送信速度上昇要求後に、バッファ部14に蓄積されているデータの量が所定の閾値データ量を上回ったと判別した場合に、コンテンツデータの送信速度を通常に戻させる要求(以下、送信速度通常化要求と称する)をVODサーバ20に送信する。閾値データ量は、同様にバッファ部14の蓄積可能容量の例えば2割程度の量である。通常時におけるVODサーバ20のコンテンツデータ送信量が例えば10Mbpsであれば、送信速度通常化要求においては、例えば10Mbpsでのコンテンツデータ送信を要求する。
【0023】
コンテンツ再生部17は、バッファ部14に蓄積されている本編データを蓄積された順に取り出し、当該取り出した本編データに基づいて映像等を順次再生する。コンテンツ再生部17がバッファ部14から取り出す単位時間当たりの本編データの量は、コンテンツ受信部13が通常時においてVODサーバ20から単位時間当たりに受信するコンテンツデータの量と同量又はほぼ同量である。
【0024】
STB制御部18は、STB10に含まれる上記の各機能ブロックを制御する例えばCPUなどの処理装置である。上記の各機能ブロックは例えばマイクロプロセッサやメモリ等のハードウェア、及びこれらを機能させるソフトウェアなどによって適宜構成できる。
【0025】
VODサーバ20は、VOD方式すなわち、STB10からのコンテンツ配信要求に応じてコンテンツデータをパケットによりストリーム配信するサーバである。VODサーバ20は、コンテンツ記憶部21と、コンテンツ要求受信部22と、コンテンツ送信部23と、送信速度変更要求受信部24と、送信速度制御部25と、VOD制御部26と、を含む。
【0026】
コンテンツ記憶部21は、映像等のコンテンツを記憶する例えばハードディスク等の記憶媒体である。
【0027】
コンテンツ要求受信部22は、STB10のコンテンツ要求送信部12から送信されたコンテンツ要求を受信する。
【0028】
コンテンツ送信部23は、コンテンツ要求受信部22によって受信されたコンテンツ要求に応じて、当該コンテンツ要求が示すコンテンツに対応するコンテンツデータを通信網30を介して送信する。コンテンツ送信部23は、送信速度制御部25から通知された送信速度でコンテンツデータを送信する。
【0029】
送信速度変更要求受信部(以下、単に変更要求受信部と称する)24は、STB10の変更要求送信部16から送信された送信速度上昇要求及び送信速度通常化要求を通信網30を介して受信する。
【0030】
送信速度制御部25は、変更要求受信部24によって受信された送信速度上昇要求に応じて、コンテンツデータの送信速度を通常時よりも所定量だけ上昇させた送信速度をコンテンツ送信部23へ通知する。また、送信速度制御部25は、変更要求受信部24によって受信された送信速度通常化要求に応じて、コンテンツデータの送信速度を通常時に戻した送信速度をコンテンツ送信部23へ通知する。
【0031】
VOD制御部26は、VODサーバ20に含まれる上記の各機能ブロックを制御する例えばCPUなどの処理装置である。上記の各機能ブロックは例えばマイクロプロセッサやメモリ等のハードウェア、及びこれらを機能させるソフトウェアなどによって適宜構成できる。
【0032】
通信網30は、例えばインターネットなどの通信網である。出力部40は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置及び音声スピーカからなる。リモコン50は、ユーザによるコンテンツ要求等の入力を受け入れ、当該入力に応じた操作信号を例えば赤外線等によりSTB10の操作信号受信部11へ無線送信するリモートコントロール端末である。
【0033】
図2は、VODサーバ20からSTB10へ送信されるパケットの構成を示す図である。当該パケットは、MPEG2規格のフォーマットに従って構成されたGOP(Group Of Pictures)構造からなる。GOP構造からなる1つのパケットは、500ミリ秒分(15フレーム分)のデータを含んでいる。パケットは、フレームデータとGOPヘッダとからなる。フレームデータは、本編データ又はCMデータであり、Iフレーム、Pフレーム及びBフレームからなる。1つのパケット内のフレームの総数は15である。GOPヘッダは、当該パケットに関する種々の情報からなる。
【0034】
図3は、CMパケットのGOPヘッダを示す図である。CMパケットのGOPヘッダには、ユーザデータスタートコード及びユーザデータが含まれる。ユーザデータスタートコードは後続のデータがユーザデータであることを示す例えば0x000001B2などの固有のコードである。ユーザデータは、当該パケットがCMパケットであることを示す例えば0x01などの固有の識別データである。ユーザデータスタートコードは32ビット、ユーザデータは8ビットのデータである。GOPスタートコード(例えば0x000001B8)、タイムコード、クローズドGOP、ブロークンリンク及びエクステンションデータは、GOP規格の標準データであり、それぞれ、32ビット、25ビット、1ビット、1ビット、5ビットのデータである。
【0035】
図4は、本編パケットのGOPヘッダを示す図である。本編パケットのGOPヘッダには、GOPスタートコード、タイムコード、クローズドGOP、ブロークンリンク及びエクステンションデータが含まれるが、ユーザデータスタートコード及びユーザデータが含まれない。
【0036】
図5は、コンテンツ受信処理ルーチンを示すフローチャートである。図6は、STB10とVODサーバ20との間のコンテンツ送受信処理を示すシーケンス図である。以下、図5及び図6を参照しつつ、STB10によるコンテンツ受信処理について説明する。
【0037】
先ず、STB10の操作信号受信部11は、ユーザ操作によりリモコン50から無線送信されたコンテンツ要求信号を受信する(ステップS101及びS201)。次に、コンテンツ要求送信部12は、操作信号受信部11によって受信されたコンテンツ要求信号に応じて、通信網30を介してVODサーバ20へコンテンツ要求を送信する(ステップS102及びS202)。
【0038】
VODサーバ20のコンテンツ要求受信部22は、コンテンツ要求送信部12から送信されたコンテンツ要求を受信する(ステップS203)。コンテンツ送信部23は、コンテンツ要求受信部22によって受信されたコンテンツ要求に応じて、当該コンテンツ要求が示すコンテンツに対応するコンテンツデータをパケットによりストリーム配信する(ステップS204)。コンテンツ送信部23は、所定の通常速度でコンテンツデータを送信する。
【0039】
STB10のコンテンツ受信部13は、コンテンツ送信部23から送信されたパケットを通信網30を介して受信する(ステップS103及びS205)。バッファ部14は、コンテンツ受信部13によって受信された本編パケットに含まれる本編データを順次蓄積する(ステップS103)。また、バッファ部14は、コンテンツ受信部13によって受信されたCMパケットに含まれるCMデータを、CMデータ削除部15によって削除されるまで一時的に蓄積することもできる(ステップS103)。
【0040】
図7(a)は、通常速度での送受信時におけるバッファ部14と本編データ及びCMデータとを示す図である。本編データは「本編」、CMデータは「CM」として図示されている(図7(b)〜図7(d)においても同様である)。バッファ部14には、受信順に本編データが蓄積されている。バッファ部14に蓄積されている本編データは、蓄積順にコンテンツ再生部17(図1)によって取り出され、再生される。コンテンツ受信部13(図1)がCMデータを受信した場合には、これもバッファ部14に一時的に蓄積される。
【0041】
CMデータ削除部15は、コンテンツ受信部13がパケットを受信したときに、当該パケットのGOPヘッダにユーザデータスタートコードが含まれている場合にはユーザデータの内容を確認する。そして、CMデータ削除部15は、当該ユーザデータが例えば0x01などの特定の識別データであると判別した場合には、当該受信パケットがCMパケットであると判別し(ステップS104)、バッファ部14に一時的に蓄積されているデータのうちの当該CMパケットに対応するCMデータを削除する(ステップS105)。なお、パケットがCMパケットであること(パケットに含まれているコンテンツデータの内容がコマーシャルであること)を示す固有の識別データとして例えば0x01を用いることが、STB10及びVODサーバの各々において予め設定されている。
【0042】
また、CMデータ削除部15は、コンテンツ受信部13がパケットを受信したときに、当該パケットのGOPヘッダに含まれる識別データが例えば0x01などの特定の識別データであることによって、当該パケットに含まれているコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に、当該コンテンツデータをバッファ部14に蓄積せずに削除することもできる。
【0043】
CMデータ削除部15は、受信パケットのGOPヘッダにユーザデータが含まれていない場合には、当該受信パケットが本編パケットであると判別し(ステップS104)、本編パケットについては削除しない。
【0044】
図7(b)は、CM削除時におけるバッファ部14と本編データ及びCMデータとを示す図である。バッファ部14には本編データと共にCMデータも一時的に蓄積されている。CMデータは、CMデータ削除部15(図1)によってバッファ部14から削除される。
【0045】
変更要求送信部16は、バッファ部14に蓄積されているデータの量が所定の閾値データ量を下回ったと判別した場合に(ステップS106及びS208)、コンテンツデータの送信速度を上昇させる送信速度上昇要求をVODサーバ20に送信する(ステップS107及びS209)。VODサーバ20の変更要求受信部24は、STB10の変更要求送信部16から送信された送信速度上昇要求を通信網30を介して受信する(ステップS210)。
【0046】
送信速度制御部25は、変更要求受信部24によって受信された送信速度上昇要求に応じて、コンテンツデータの送信速度を通常時よりも所定量だけ増加させた送信速度をコンテンツ送信部23へ通知する(ステップS211)。以降、コンテンツ送信部23は、送信速度制御部25から通知された当該送信速度でコンテンツデータを送信する。
【0047】
図7(c)は、バッファ蓄積量が所定の閾値データ量を下回った場合におけるバッファ部14と本編データとを示す図である。CMデータがCMデータ削除部15(図1)によって削除され、且つ本編データが蓄積順にコンテンツ再生部17(図1)によって取り出されるので、図7(a)に示される場合と比較してバッファ部14に蓄積されている本編データが減少している。VODサーバ20のコンテンツ送信部23がコンテンツデータの送信速度を上げているので、STB10のコンテンツ受信部13(図1)は、通常時に比較してより多くの本編データP1を受信する。
【0048】
STB10の変更要求送信部16は、送信速度上昇要求後に、バッファ部14に蓄積されているデータの量が所定の閾値データ量を上回ったと判別した場合に(ステップS108及びS212)、コンテンツデータの送信速度を通常時の送信速度に戻す送信速度通常化要求をVODサーバ20に送信する(ステップS109及びS213)。VODサーバ20の変更要求受信部24は、STB10の変更要求送信部16から送信された送信速度通常化要求を通信網30を介して受信する(ステップS214)。
【0049】
送信速度制御部25は、変更要求受信部24によって受信された送信速度通常化要求に応じて、コンテンツデータの送信速度を通常時に戻した送信速度をコンテンツ送信部23へ通知する(ステップS215)。以降、コンテンツ送信部23は、送信速度制御部25から通知された当該送信速度でコンテンツデータを送信する。
【0050】
図7(d)は、バッファ蓄積量が所定の閾値データ量を上回った場合におけるバッファ部14と本編データとを示す図である。STB10の変更要求送信部16がVODサーバ20へ送信速度上昇要求を送信した後には、コンテンツ受信部13(図1)が通常時に比較してより多くの本編データP1(図7(c))を受信するので、バッファ部14には、図7(a)に示される場合と比較してより多くの本編データが蓄積されている。変更要求送信部16が送信速度通常化要求をVODサーバ20に送信した後には、コンテンツ受信部13(図1)が通常時と同量の本編データP2を受信するので、バッファ部14内の本編データ蓄積量は一定に保たれる。
【0051】
STB制御部18が、コンテンツデータの全てを受信したと判別した場合には(ステップS110)、コンテンツ受信処理を終了する。STB制御部18が、コンテンツデータの全てを受信していないと判別した場合には(ステップS110)、コンテンツ受信処理(ステップS103〜S110)を継続する。
【0052】
上記したように、本実施例のSTB10は、受信パケットのヘッダに含まれる識別データに基づいて当該受信パケットが本編パケットであるかCMパケットであるかを判別し、CMパケットであると判別した場合には、当該CMパケットに含まれていたCMデータをバッファ内から削除する。また、本実施例のSTB10は、受信パケットのヘッダに含まれる識別データに基づいて当該受信パケットが本編パケットであるかCMパケットであるかを判別し、CMパケットであると判別した場合には、当該CMパケットに含まれているCMデータをバッファに蓄積せずに削除することができる。これにより、ストリーム配信されているコンテンツデータのうちのCMデータをリアルタイムで削除することができ、コンテンツデータを受信しつつ本編のみを再生することができる。
【0053】
CMデータが削除又は削除された場合でも、バッファ部14内の本編データは再生のために順次取り出されるので、バッファ部14内の本編データは一時的に減少し、アンダーフローが生じることが考えられる。そこで、STB10は、バッファ部14内の本編データ蓄積量が所定の下限値を下回った場合に、コンテンツデータの送信速度を上昇させる要求をVODサーバ20に送信する。これにより、STB10は、通常時に比較して多くのコンテンツデータを受信するので、バッファ部14内の本編データ量の減少分を補うことができる。
【0054】
上記処理によって単位時間当たりのコンテンツデータの受信量が増加すると、バッファ部14のオーバーフローが生じることが考えられる。そこで、STB10は、バッファ部14内の本編データ蓄積量が所定の上限値を上回った場合に、コンテンツデータの送信速度を通常時の送信速度に戻させる要求をVODサーバ20に送信する。これにより、STB10は、通常時と同量の本編データを受信するので、バッファ部14内の本編データ蓄積量は一定に保たれる。これ以降も、上記と同様の処理がなされるので、STB10は、オーバーフローもアンダーフローも生じさせずに、コンテンツデータを受信しつつ本編のみを再生することができる。
【0055】
MPEG2規格のフォーマットに従って構成されたパケットを用いる場合には、そのGOPヘッダ内に当該パケットが本編パケットであるかCMパケットであるかを識別するための識別データをVODサーバ20が含めてSTB10に送信する。当該識別データとしては、例えば0x01などのユーザデータを用いることができる。かかる識別データによって、STB10は、受信パケットが本編パケットであるかCMパケットであるかを判別できる。
【符号の説明】
【0056】
1 コンテンツデータ送受信システム
10 コンテンツデータ受信再生装置(STB)
11 操作信号受信部
12 コンテンツ要求送信部
13 コンテンツ受信部(受信部)
14 バッファ部(蓄積部)
15 CMデータ削除部(データ削除部)
16 送信速度変更要求送信部(変更要求送信部)
17 コンテンツ再生部(再生部)
18 STB制御部
20 VODサーバ
21 コンテンツ記憶部
22 コンテンツ要求受信部
23 コンテンツ送信部
24 送信速度変更要求受信部(変更要求受信部)
25 送信速度制御部
30 通信網
40 出力部
50 リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバからストリーム配信されたパケットを通信網を介して順次受信する受信部と、
前記受信部によって受信されたパケットに含まれるコンテンツデータを順次蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部に蓄積されているコンテンツデータを順次取り出して再生する再生部と、を含むコンテンツデータ受信再生装置であって、
前記受信部が1つのパケットを受信したときに当該1つのパケットのヘッダに含まれる識別データが当該1つのパケットに含まれている1つのコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に前記蓄積部への当該1つのコンテンツデータの蓄積前又は後において当該1つのコンテンツデータを削除するデータ削除部を含むことを特徴とするコンテンツデータ受信再生装置。
【請求項2】
前記蓄積部における前記コンテンツデータの蓄積量と所定量とを比較してその結果に基づいて前記サーバへ前記パケットの送信速度の変更要求を送信する変更要求送信部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツデータ受信再生装置。
【請求項3】
前記変更要求送信部は、前記蓄積量が前記所定量を下回ったと判別した場合に前記送信速度を上昇させる要求を送信することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツデータ受信再生装置。
【請求項4】
前記変更要求送信部は、前記蓄積量が前記所定量を上回ったと判別した場合に前記送信速度を上昇前の送信速度に戻させる要求を送信することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツデータ受信再生装置。
【請求項5】
前記パケットはMPEG2規格のフォーマットに従って構成されたGOP構造からなり、
前記ヘッダはGOPヘッダであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のコンテンツデータ受信再生装置。
【請求項6】
コンテンツ要求に応じてコンテンツデータを含むパケットを通信網を介してストリーム送信するサーバと、前記サーバによってストリーム送信されたパケットを前記通信網を介して順次受信して当該パケットに含まれるコンテンツデータを蓄積部に順次蓄積し前記蓄積部に蓄積されているコンテンツデータを順次取り出して再生するコンテンツデータ受信再生装置と、を含むコンテンツデータ送受信システムであって、
前記コンテンツデータ受信再生装置は、前記受信部が1つのパケットを受信したときに当該1つのパケットのヘッダに含まれる識別データが当該1つのパケットに含まれている1つのコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に前記蓄積部への当該1つのコンテンツデータの蓄積前又は後において当該1つのコンテンツデータを削除するデータ削除部を含むことを特徴とするコンテンツデータ送受信システム。
【請求項7】
前記コンテンツデータ受信再生装置は、前記蓄積部における前記コンテンツデータの蓄積量と所定量とを比較してその結果に基づいて前記サーバへ前記パケットの送信速度の変更要求を送信する変更要求送信部を更に含み、
前記サーバは、当該要求に応じて前記送信速度を変更する送信速度制御部を更に含むことを特徴とする請求項6に記載のコンテンツデータ送受信システム。
【請求項8】
前記変更要求送信部は、前記蓄積量が前記所定量を下回ったと判別した場合に前記送信速度を上昇させる要求を送信し、
前記送信速度制御部は、当該要求に応じて前記送信速度を上げることを特徴とする請求項7に記載のコンテンツデータ送受信システム。
【請求項9】
前記変更要求送信部は、前記蓄積量が前記所定量を上回ったと判別した場合に前記送信速度を上昇前の送信速度に戻させる要求を送信し、
前記送信速度制御部は、当該要求に応じて前記送信速度を上昇前の送信速度に戻すことを特徴とする請求項8に記載のコンテンツデータ送受信システム。
【請求項10】
前記パケットはMPEG2規格のフォーマットに従って構成されたGOP構造からなり、
前記ヘッダはGOPヘッダであり、
前記サーバは、前記GOPヘッダに前記識別データを含めることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1つに記載のコンテンツデータ送受信システム。
【請求項11】
コンテンツデータを含むパケットを通信網を介してストリーム送信するストリーム送信ステップと、
前記ストリーム送信ステップにおいて送信されたパケットを前記通信網を介して順次受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信されたパケットに含まれるコンテンツデータを蓄積する蓄積ステップと、
前記蓄積ステップにおいて蓄積されたコンテンツデータを順次取り出して再生する再生ステップと、を含むコンテンツデータ送受信方法であって、
前記受信ステップにおいて1つのパケットを受信したときに当該1つのパケットのヘッダに含まれる識別データが当該1つのパケットに含まれている1つのコンテンツデータの内容がコマーシャルであることを示すと判別した場合に前記蓄積ステップにおける当該1つのコンテンツデータの蓄積前又は後において当該1つのコンテンツデータを削除するデータ削除ステップと、を含むことを特徴とするコンテンツデータ送受信方法。
【請求項12】
前記蓄積ステップにおいて蓄積された前記コンテンツデータの蓄積量と所定量とを比較してその結果に基づいて前記パケットの送信速度を変更する送信速度変更ステップを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のコンテンツデータ送受信方法。
【請求項13】
前記送信速度変更ステップにおいては、前記蓄積量が前記所定量を下回ったと判別した場合に前記送信速度を上昇させることを特徴とする請求項12に記載のコンテンツデータ送受信方法。
【請求項14】
前記送信速度変更ステップにおいては、前記蓄積量が前記所定量を上回ったと判別した場合に前記送信速度を上昇前の送信速度に戻すことを特徴とする請求項13に記載のコンテンツデータ送受信方法。
【請求項15】
前記パケットはMPEG2規格のフォーマットに従って構成されたGOP構造からなり、
前記ヘッダはGOPヘッダであり、
前記ストリーム送信ステップにおいては、前記GOPヘッダに前記識別データを含めることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1つに記載のコンテンツデータ送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−19270(P2012−19270A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153817(P2010−153817)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】