説明

コンテンツ再生装置

【課題】一つのコンテンツが複数の記録メディアに分割されて記録されている場合における、ユーザの利便性を向上させたい。
【解決手段】複数の装着部11、12は、記録メディアをそれぞれ装着可能である。制御部20は、複数の装着部11、12に装着されているすべての記録メディアに記録されているコンテンツのリストを表示装置に表示させる。制御部20は、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されている場合、複数の装着部11、12に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツが、連続に再生可能な部分であるとき、それらを一つのコンテンツとしてリスト表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録メディアに記録されているコンテンツを再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送の普及、インターネット回線のブロードバンド化などに伴い、動画像コンテンツの高画質化が進展している。それに伴いコンテンツファイルを記録するための記録メディアも大容量化してきている。たとえば、BD、HD DVDなどの光ディスクが普及してきている。また、iVDR(Information Versatile Disk for Removable usage)に準拠したリムーバブルHDDも実用化されている。コンテンツの記録再生装置は、複数のドライブを搭載したタイプが主流となっている。たとえば、光ディスクDとHDDを搭載したタイプが普及している(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−174390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のドライブを搭載した記録再生装置では、一つのコンテンツが複数の記録メディアに分割されて記録される場合がある。たとえば、地上デジタル放送で受信したコンテンツを記録する際、コンテンツ全編すべてを光ディスクに記録しきれない場合、残りの部分を内蔵のHDに記録する処理が行われる。このような場合、一つのプログラムが光ディスクとHDに分割されて記録されることになる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、一つのコンテンツが複数の記録メディアに分割されて記録されている場合における、ユーザの利便性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様のコンテンツ再生装置は、記録メディアをそれぞれ装着可能な複数の装着部と、複数の装着部に装着されているすべての記録メディアに記録されているコンテンツのリストを表示装置に表示させる制御部と、を備える。制御部は、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されている場合、複数の装着部に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツが、連続に再生可能な部分であるとき、それらを一つのコンテンツとしてリスト表示させる。
【0007】
本発明の別の態様もまた、コンテンツ再生装置である。この装置は、記録メディアをそれぞれ装着可能な複数の装着部と、複数の装着部に装着されている記録メディアごとに記録されている、コンテンツのリストを表示装置に表示させる制御部と、を備える。制御部は、リスト表示されているコンテンツのうち、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されているコンテンツについて、コンテンツ全編の残りの部分が別の記録メディアに記録されている場合、その旨を示す情報をリストに付加して表示させる。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録メディア、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一つのコンテンツが複数の記録メディアに分割されて記録されている場合における、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツ再生装置の構成を示す図である。
【図2】各記録メディアにコンテンツを記録するためのファイル構造を定義するためのフォーマットの第1例を示す図である。
【図3】各記録メディアにコンテンツを記録するためのファイル構造を定義するためのフォーマットの第2例を示す図である。
【図4】各記録メディアコンテンツを記録するためのファイル構造を定義するためのフォーマットの第3例を示す図である。
【図5】オーバーラップ記録を説明するための図である。
【図6】複数のプログラムがそれぞれ記録された複数の記録メディアの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る第1の表示方法の具体例1を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る第1の表示方法の具体例2を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る第2の表示方法の具体例1を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る第2の表示方法の具体例2を示す図である。
【図11】分割録画された複数のプログラムを連続再生する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係るコンテンツ再生装置100の構成を示す。当該コンテンツ再生装置100の適用例として、HDDを搭載したDVDレコーダ、HDDを搭載したブルーレイレコーダ、iVDRに準拠した複数のリムーバブルHDDを搭載したレコーダなどが該当する。以下、iVDRに準拠した複数のリムーバブルHDDを搭載したレコーダを想定して説明する。
【0012】
コンテンツ再生装置100は、装着部10、制御部20、および操作部40を備える。制御部20は、ファイル制御部21、再生制御部22、表示制御部23および着脱検出部24を含む。
【0013】
これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。なお、本実施の形態では主に、再生機能に注目するため、チューナ機能や録画機能に関する構成要素は省略して描いている。
【0014】
装着部10は、記録メディアをそれぞれ装着可能な複数の装着部を備える。図1では、二つの装着部(第1装着部11および第2装着部12)を備える例を描いている。もちろん、三つ以上の装着部を備えてもよい。
【0015】
制御部20は、コンテンツ再生装置100全体を統括的に制御する。ファイル制御部21は、複数の装着部に装着されている記録メディアに記録されているファイルの管理をする。記録メディアに記録されているコンテンツは、主に、動画コンテンツである。本実施の形態では、主に、テレビ放送を録画した番組コンテンツを想定するが、映画などがプリ記録されたパッケージコンテンツであってもよいし、インターネット等のネットワークを経由でダウンロードして記録した配信コンテンツであってもよい。これらのコンテンツは、コンテンツファイルとして記録メディアに記録されて、ファイル制御部21によって管理される。ファイル制御部21によるファイル制御の詳細は後述する。
【0016】
表示制御部23は、再生制御部22によって再生されたコンテンツを表示装置(たとえば、テレビ)に表示させる。また、表示制御部23は、複数の装着部に装着されている記録メディアに記録されている動画コンテンツのリスト(以下、録画リストと呼ぶ)を表示装置に表示させる。その際、表示制御部23は、二種類の表示方法を採用することができる。
【0017】
第1の表示方法は、個別表示である。第1の表示方法では、表示制御部23は、複数の装着部毎に、すなわち装着されている記録メディアごとに、録画リストを表示装置に表示させる。すなわち、表示制御部23は、二つの装着部を備えるコンテンツ再生装置100の場合、二つのリストを表示させる。それら二つのリストは、切り替え表示されてもよいし、一画面に表示されてもよい。
【0018】
第1の表示方法では、表示制御部23は、コンテンツ全編を複数の部分に分割記録したコンテンツ、すなわち、コンテンツ全編の残りの部分が別の記録メディアに記録されているコンテンツが含まれる場合、その旨を示す情報を、上記録画リストに付加して表示させる。たとえば、当該情報をアイコン、文字、または両者の組み合わせで表示させる。さらに、第1の表示方法では、表示制御部23は、上記コンテンツの全編の連続再生可能な残りの部分が、複数の装着部のうち別の装着部に装着されているか否かを示す情報を表示させる。たとえば、当該情報を上述した残り部分がある旨を示すアイコンの有効表示または無効表示により示してもよい。装着されている場合、有効表示し、装着されていない場合、無効表示する。
【0019】
第2の表示方法は、トータル表示である。第2の表示方法では、表示制御部23は、複数の装着部に装着されているすべての記録メディアに記録されている、すべてのコンテンツをまとめた一つの録画リストを表示装置に表示させる。その際、表示制御部23は、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されているコンテンツが含まれる場合であって、上記コンテンツの全編の連続再生可能な部分が複数の装着部に装着されている記録メディアに記録されているならば、それらを一つのコンテンツとして表示させる。第2の表示方法では、ユーザは、複数の装着部に装着されている複数の記録メディアに記録されている連続するコンテンツを、あたかも一つの記録メディアに記録されている、分割されていないコンテンツとして認識することができる。
【0020】
第1の表示方法および第2の表示方法の両方にて、表示制御部23は、上記コンテンツ全編の残りの部分がコンテンツ全編の一部分より時間的に前に存在するか、後に存在するか、またはその前後に存在するかを示す情報を、上記録画リストに付加して表示させてもよい。当該情報を、上述した、残りの部分の存在を示すアイコンの態様、位置、数などにより示してもよい。
【0021】
ここで、上記コンテンツ全編の残りの部分とは、対象となる装着部に装着されていない記録メディアに記録されているコンテンツの一部分を指す。対象となる装着部とは、第1の表示方法では指定された一つの装着部であり、第2の表示方法では複数の装着部すべてである。
【0022】
なお、表示制御部23は、上記コンテンツ全編の残りの部分が上記コンテンツ全編の一部分より時間的に前に複数存在する場合、その数が認識可能な態様で上記情報を表示させてもよい。時間的に後に複数存在する場合も同様である。
【0023】
第1の表示方法および第2の表示方法の両方にて、表示制御部23は、上記コンテンツ全編の残りの部分が記録された記録メディアが、複数の装着部のうちの別の装着部に装着されているか否かを示す情報を表示させる。たとえば、当該情報を、上述した残りの部分の存在を示すアイコンの有効表示または無効表示により示してもよい。たとえば、装着されている場合、有効表示し、装着されていない場合、無効表示する。
【0024】
再生制御部22は、複数の装着部のいずれかに装着されている記録メディアに記録されているコンテンツを再生制御する。基本的に、再生制御部22は、ユーザ操作に起因した、操作部40からの再生指示や停止指示にしたがい、ファイル制御部21を介して、ユーザから指定されたコンテンツが格納されたコンテンツファイルからデータを読み出し、コンテンツの再生を行う再生制御をする。
【0025】
オプションとして第1の表示方法では、以下の再生制御を採用することができる。再生制御部22は、ある装着部に装着されている記録メディアに対する録画リストに表示されている、上記コンテンツ全編の一部が記録されたコンテンツの再生が指示された場合であって、別の装着部に装着されている記録メディアに上記コンテンツ全編の一部に時間的に連続する先の部分が記録されていれば、先の部分のコンテンツを再生し、続いて上記コンテンツ全編の一部を再生させる。すなわち、再生制御部22は、ある装着部に装着されている記録メディアに対する録画リストに表示されている、上記コンテンツ全編の一部分が記録されたコンテンツの再生が指示された場合でも、別の装着部に装着されている記録メディアに対する録画リストに表示されている、上記コンテンツ全編の別の部分が記録されたコンテンツの再生が指示された場合でも、これらの部分が連続するならば、時間的に先の部分から順に連続して再生させる。
【0026】
上記コンテンツ全編が三つ以上の部分に分割されて別々の記録メディアに記録され、かつそれら記録メディアの三つ以上が複数の装着部に装着されている場合、再生制御部22は、最も時間的に先の部分が記録されたコンテンツファイルを再生させる。
【0027】
この処理は、最も時間的に先の部分が記録されたコンテンツファイルが上記コンテンツ全編の先頭部分のファイルである場合、とくに有効である。上記コンテンツ全編のどの部分のコンテンツファイルの再生をユーザが指示した場合でも、上記コンテンツ全編の先頭から再生されることになる。
【0028】
なお、第2の表示方法では、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されている場合、複数の装着部に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツについて、それらが時間的に連続しているならば、一つのコンテンツとして表示される。ユーザがこのコンテンツの再生を指示した場合、再生制御部22は、このコンテンツファイルを構成している複数のコンテンツファイルのうち、最も時間的に先の部分から順にコンテンツを再生させる。この処理は、ユーザの操作認識と一致する処理である。
【0029】
着脱検出部24は、複数の装着部に対する記録メディアの装着および脱着を検出する。着脱検出部24は、記録メディアの装着または脱着を検出すると、ファイル制御部21に通知する。ファイル制御部21は、着脱検出部24からの検出通知により、複数の装着部に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツの変動を認識することができる。
【0030】
図2は、各記録メディアが記録しているコンテンツを記録するためのファイル構造の第1例を示す図である。記録メディアに記録された1つのコンテンツの単位を、以下、プログラムという。第1例では、メディアIDのみで、分割された録画されたコンテンツのリンクを検索する構造である。各記録メディアは、ユニークなメディアIDを持ち、自己が記録しているプログラムのリストを持つ。リストには、プログラムの登録数N(Nは0以上の整数)、登録されている各プログラムの識別情報(ここでは、プログラム番号)が記述される。記録メディアが複数の装着部のいずれかに装着されると、その記録メディアのリストがファイル制御部21に読み込まれる。
【0031】
各プログラムは、主データファイルおよび副データファイルを持つ。主データファイルは、実際の動画コンテンツを格納したファイルである。副データファイルは、録画番組情報と分割録画情報を含む。録画番組情報は、録画番組に関する情報を記述したものであり、タイトル(title)、記録開始時間(start_time)、記録終了時間(end_time)、・・・を含む。分割録画情報は、分割録画に関する情報を記述したものであり、継続フラグ(cp_flg)、先行メディアID(cp_fmid)および後続メディアID(cp_pmid)を含む。第1例では、この三つの項目が分割録画情報に含まれる。
【0032】
継続フラグ(cp_flg)には、プログラムがコンテンツ全編を分割録画された部分であるか否か、プログラムが分割録画された部分である場合、残りの部分が時間的に前に存在するか、後に存在するか、前後に存在するかを示す情報がセットされる。たとえば、「0」がセットされている場合、分割録画されていない単独のプログラムであることを示し、「1」がセットされている場合、分割録画されているプログラムであり、残りの部分が時間的に後に存在することを示し、「2」がセットされている場合、分割録画されているプログラムであり、残りの部分が時間的に前に存在することを示し、および「3」がセットされている場合、分割録画されているプログラムであり、残りの部分が時間的に前後に存在することを示す。
【0033】
先行メディアID(cp_fmid)には、上記残りの部分が時間的に前に存在する場合に記述され、その部分のプログラムを記録している記録メディアの識別情報が記述される。後続メディアID(cp_pmid)には、上記残りの部分が時間的に後に存在する場合に記述され、その部分のプログラムを記録している記録メディアの識別情報が記述される。上記残りの部分が時間的に前後に存在する場合、それぞれの記録メディアの識別情報がそれぞれ記述される。
【0034】
ファイル制御部21は、この分割録画情報を参照して、分割録画されたプログラムのリンクを検索する。ファイル制御部21は、継続フラグ(cp_flg)を参照の結果、分割録画されているプログラムであり、上記残りの部分が時間的に後に存在する場合、後続メディアID(cp_pmid)に記述された識別情報を持つ記録メディアが、複数の装着部のいずれかに装着されているか否かを探索する。装着されている場合、その記録メディア内に、対象プログラムのファイル名と一致するファイル名のプログラムが存在するか否かを探索する。存在する場合、リンクが完成する。図2の例では、「PRO1234.AVS」を持つプログラムが探索されると、リンクが完成する。
【0035】
後続メディアID(cp_pmid)に記述された識別情報を持つ記録メディアが装着されていない場合、対象プログラムのファイル名と一致するファイル名のプログラムが存在しない場合、リンクが完成しない。なお、上記残りの部分が時間的に前に存在する場合、および前後に存在する場合も、同様に処理する。
【0036】
図3は、各記録メディアが記録しているコンテンツを記録するためのファイル構造の第2例を示す図である。第2例では、メディアIDおよびプログラムIDで、分割録画されたプログラムのリンクを検索する構造である。以下、第1例に係るファイル構造との相違点について説明する。第2例では、分割録画情報は、継続フラグ(cp_flg)、先行メディアID(cp_fmid)、先行プログラムID(cp_fpid)、後続メディアID(cp_pmid)および後続プログラムID(cp_ppid)を含む。第2例では、この五つの項目が分割録画情報に含まれる。
【0037】
先行プログラムID(cp_fpid)には、上記残りの部分が時間的に前に存在する場合に記述され、その部分を記録したプログラムの識別情報(ここでは、プログラム番号)が記述される。後続プログラムID(cp_ppid)には、上記残りの部分が時間的に後に存在する場合に記述され、その部分を記録したプログラムの識別情報が記述される。上記残りの部分が時間的に前後に存在する場合、それぞれの部分を記録したプログラムの識別情報がそれぞれ記述される。
【0038】
ファイル制御部21は、継続フラグ(cp_flg)を参照の結果、分割録画されているプログラムであり、上記残りの部分が時間的に後に存在する場合、後続メディアID(cp_pmid)に記述された識別情報を持つ記録媒体が、複数の装着部のいずれかに装着されているか否かを探索する。装着されている場合、その記録メディア内に、後続プログラムID(cp_ppid)に記述された識別情報を持つプログラムが存在するか否かを調査する。存在する場合、リンクが完成する。図3の例では、プログラム番号が「1234」のプログラムが存在する場合、リンクが完成する。
【0039】
後続メディアID(cp_pmid)に記述された識別情報を持つ記録メディアが装着されていない場合、または後続プログラムID(cp_ppid)に記述された識別情報を持つプログラムが存在しない場合、リンクが完成しない。なお、上記残りの部分が時間的に前に存在する場合、および前後に存在する場合も、同様に処理する。
【0040】
図4は、各記録メディアが記録しているコンテンツを記録するためのファイル構造の第3例を示す図である。第3例は、オーバーラップ記録に対応したものである。
【0041】
図5は、オーバーラップ記録を説明するための図である。ここでは、一つのコンテンツが主データファイル1と主データファイル2とに分割されて記録された例を描いている。その際、連続再生がシームレスに実現されるよう、主データファイル1と主データファイル2との境目部分のデータをオーバーラップさせて記録する。
【0042】
図4に戻る。第3例は、第2例を前提とする。以下、第2例に係るファイル構造との相違点について説明する。第3例では、分割録画情報は、継続フラグ(cp_flg)、先行メディアID(cp_fmid)、先行プログラムID(cp_fpid)、先行オフセット(cp_fooffset)、後続メディアID(cp_pmid)および後続プログラムID(cp_ppid)を含む。第3例では、分割録画情報にこの六つの項目が含まれる。
【0043】
先行オフセット(cp_foffset)は、先行プログラムのデータと自己のデータとがオーバーラップしているオフセット量を示す(図5参照)。オフセット量は、ブロック数、タイプスタンプ、バイト数などで記述される。再生制御部22は、分割録画されたプログラムを連続再生する際、このオフセット量を参照して、シームレスな連続再生を実現する。
【0044】
なお、図4、5では、主データファイル1と主データファイル2とに分割録画された際、後続の主データファイル2の分割録画情報に、先行オフセット(cp_foffset)を追加する例を示したが、その代わりにまたは追加的に、先行する主データファイル1の分割録画情報に、後続オフセット(cp_poffset)を追加してもよい。プログラムを、一つの主データファイルと、一つの副データファイルによって構成する例を示したが、一つのプログラムを構成する主データファイルは複数であってもよいし、副データファイルも複数であってもよい。
【0045】
以下、本発明の実施の形態に係る第1の表示方法および第2の表示方法の具体例について説明する。図6は、複数のプログラムがそれぞれ記録された複数の記録メディアの一例を示す。図6では、四つの記録メディアが存在する。それぞれの識別情報は、「ZZXX0」、「AX001」、「BH002」および「CJ003」である。
【0046】
記録メディア「ZZXX0」は、プログラムZ−1、プログラムKおよびプログラムLを記録する。記録メディア「AX001」は、プログラムA−1、プログラムBおよびプログラムZ−2を記録する。記録メディア「BH002」は、プログラムA−2、プログラムCおよびプログラムDを記録する。記録メディア「CJ003」は、プログラムA−3およびプログラムEを記録する。
【0047】
このうち、プログラムZは、記録メディア「ZZXX0」および記録メディア「AX001」に分割録画されている。プログラムAは、記録メディア「AX001」、記録メディア「BH002」および記録メディア「CJ003」に分割録画されている。以下、この状況を前提に、第1の表示方法および第2の表示方法の具体例について説明する。
【0048】
図7は、本発明の実施の形態に係る第1の表示方法の具体例1を示す図である。図8は、本発明の実施の形態に係る第1の表示方法の具体例2を示す図である。これらの例は、装着部1に記録メディア「AX001」が装着され、装着部2に記録メディア「BH002」が装着された状態を前提する。
【0049】
図7では、表示制御部23は、画面50内に、記録メディア「AX001」の録画リスト51を、図8では、記録メディア「BH002」の録画リスト55を表示させる。その際、分割録画されたプログラムについて、残りの部分が別の記録メディアに記録されている旨を示すアイコンを表示する。
【0050】
三つのファイルに分割録画されているプログラムAのうち、記録メディア「AX001」に記録されているプログラムA−1は、時間的に一番先の部分を記録したものである。したがって、時間的に後の部分を記録した二つのプログラム(プログラムA−2、プログラムA−3)が存在する。表示制御部23は、その存在を示すアイコン52、53を、プログラムAの番組情報に付加して表示させる。
【0051】
黒塗りされていないアイコン52は、装着部に装着されている記録メディア(ここでは、記録メディア「BH002」)に記録されていることを示している。黒塗りされているアイコン53は、装着部に装着されている記録メディア(ここでは、記録メディア「CJ003」)に記録されていることを示している。表示制御部23は、アイコン内に、別の記録メディアに記録された部分が時間的に前に存在する場合、「前」を、時間的に後に存在する場合、「後」を表示する。ここでは、後に二つ存在するため、「後1」、「後2」と表示している。なお、アイコン53およびアイコン54を一つのアイコンで表示してもよい。
【0052】
二つのファイルに分割録画されているプログラムZのうち、記録メディア「AX001」に記録されているプログラムZ−2は、時間的に後の部分を記録したものである。したがって、時間的に先の部分を記録した一つのプログラム(プログラムZ−1)が存在する。表示制御部23は、その存在を示すアイコン54を、プログラムZの番組情報に付加して表示させる。プログラムZ−1が記録された記録メディア「ZZXX0」は、装着部に装着されていないため、そのアイコン54は黒塗りされる。また、プログラムZ−1はプログラムZ−2より時間的に先であるため、アイコン54内に「前」が表示される。
【0053】
三つのファイルに分割録画されているプログラムAのうち、記録メディア「BH002」に記録されているプログラムA−2は、時間的に真ん中の部分を記録したものである。したがって、時間的に前の部分を記録したプログラムと、時間的に後の部分を記録した二つのプログラム(プログラムA−1、プログラムA−3)が存在する。表示制御部23は、その存在を示すアイコン56、57を、プログラムAの番組情報に付加して表示させる。
【0054】
プログラムA−1が記録された記録メディア「AX001」は、装着部に装着されているため、そのアイコン56は黒塗りされていない。また、プログラムA−1はプログラムA−2より時間的に先であるため、アイコン56内に「前」が表示される。プログラムA−3が記録された記録メディア「CJ003」は、装着部に装着されていないため、そのアイコン57は黒塗りされる。また、プログラムA−3はプログラムA−2より時間的に後であるため、アイコン57内に「後」が表示される。
【0055】
図9は、本発明の実施の形態に係る第2の表示方法の具体例1を示す図である。この例は、装着部1に記録メディア「AX001」が装着され、装着部2に記録メディア「BH002」が装着された状態を前提する。
【0056】
図9では、表示制御部23は、画面60内に、記録メディア「AX001」に記録されているプログラムと、記録メディア「BH002」に記録されているプログラムをまとめて、一つの録画リスト61で表示させる。その際、分割録画されたプログラムについて、残りの部分が、装着されていない別の記録メディアに記録されている旨を示すアイコンを表示する。
【0057】
三つのファイルに分割録画されているプログラムAのうち、記録メディア「AX001」に記録されているプログラムA−1と、記録メディア「BH002」に記録されているプログラムA−2は、一つにまとめられて表示される。ただし、プログラムA−3を記録している記録メディアは装着部に装着されていない。したがって、表示制御部23は、そのプログラムA−3の存在を示すアイコン62を、プログラムAの番組情報に付加して表示させる。プログラムA−3を記録している記録メディアは、装着部に装着されていないため、そのアイコン62は黒塗りされる。また、プログラムA−3はプログラムA−1およびプログラムA−2より時間的に後であるため、アイコン62内に「後」が表示される。
【0058】
二つのファイルに分割録画されているプログラムZのうち、記録メディア「AX001」に記録されているプログラムZ−2は、時間的に後の部分を記録したものである。したがって、時間的に先の部分を記録した一つのプログラム(プログラムZ−1)が存在する。表示制御部23は、その存在を示すアイコン63を、プログラムZの番組情報に付加して表示させる。プログラムZ−1が記録された記録メディア「ZZXX0」は、装着部に装着されていないため、そのアイコン63は黒塗りされる。また、プログラムZ−1はプログラムZ−2より時間的に先であるため、アイコン63内に「前」が表示される。
【0059】
図10は、本発明の実施の形態に係る第2の表示方法の具体例2を示す図である。この例は、装着部1に記録メディア「AX001」が装着され、装着部2に記録メディア「ZZXX0」が装着された状態を前提する。
【0060】
図10では、表示制御部23は、画面70内に、記録メディア「AX001」に記録されているプログラムと、記録メディア「ZZXX0」に記録されているプログラムをまとめて、一つの録画リスト71で表示させる。その際、分割録画されたプログラムについて、残りの部分が、装着されていない別の記録メディアに記録されている旨を示すアイコン72、73を表示する。
【0061】
プログラムAの番組情報の表示は、図7および図8に説明したものと同様であるため、その説明を省略する。二つのファイルに分割録画されているプログラムZのうち、プログラムZ−1は記録メディア「ZZXX0」に記録され、プログラムZ−2は記録メディア「AX001」に記録されている。したがって、コンテンツ全編のデータが、装着されている記録メディア内に存在することになる。表示制御部23は、記録メディア「ZZXX0」に記録されているプログラムZ−1と、記録メディア「AX001」に記録されているプログラムZ−2とを、一つにまとめて表示する。なお、プログラムZの残りの部分は存在しないため、アイコンは表示されない。
【0062】
図11は、分割録画された複数のプログラムを連続再生する手順を示すフローチャートである。再生制御部22は、ユーザ操作に起因して、操作部40から再生指示を受け付ける(S10)。ファイル制御部21は、再生指示されたプログラムの分割録画情報に含まれる継続フラグ(cp_flg)を参照し、そのプログラムに先行する分割録画されたプログラムが存在するか否か判定する(S11)。
【0063】
再生指示されたプログラムに先行する分割録画されたプログラムが存在する場合(S11のY)、ファイル制御部21は、着脱検出部24からの検出信号をもとに、再生指示されたプログラムを記録している記録メディアが装着されている装着部以外の装着部に、別の記録メディアが装着されているか否か判定する(S12)。別の記録メディアが装着されている場合(S12のY)、ファイル制御部21は、再生指示されたプログラムの分割録画情報に含まれる先行メディアID(cp_fmid)に記述された識別情報を持つ記録メディアが装着されているか否か判定する(S13)。
【0064】
当該識別情報を持つ記録メディアが装着されている場合(S13のY)、ファイル制御部21は、当該記録メディア内に、再生指示されたプログラムに先行する分割録画されたプログラムが存在するか否か判定する(S14)。当該記録メディア内に、先行する分割録画されたプログラムが存在する場合(S14のY)、ファイル制御部21は、再生対象のプログラムを、再生指示されたプログラムから、その先行する分割録画されたプログラムに変更する(S15)。再生制御部22は、その変更されたプログラムを再生させる(S16)。
【0065】
ステップS11にて再生指示されたプログラムに先行する分割録画されたプログラムが存在しない場合(S11のN)、ステップS12にて別の記録メディアが装着されていない場合(S12のN)、ステップS13にて当該識別情報を持つ記録メディアが装着されていない場合(S13のN)、および当該記録メディア内に、先行する分割録画されたプログラムが存在しない場合(S14のN)、再生制御部22は、再生指示されたプログラムを再生させる(S16)。
【0066】
その後、ファイル制御部21は、再生中のプログラムの分割録画情報に含まれる継続フラグ(cp_flg)を参照し、そのプログラムに後続する分割録画されたプログラムが存在するか否か判定する(S17)。
【0067】
再生中のプログラムに後続する分割録画されたプログラムが存在する場合(S17のY)、ファイル制御部21は、着脱検出部24からの検出信号をもとに、再生中のプログラムを記録している記録メディアが装着されている装着部以外の装着部に、別の記録メディアが装着されているか否か判定する(S18)。別の記録メディアが装着されている場合(S18のY)、ファイル制御部21は、再生中のプログラムの分割録画情報に含まれる後続メディアID(cp_pmid)に記述された識別情報を持つ記録メディアが装着されているか否か判定する(S19)。
【0068】
当該識別情報を持つ記録メディアが装着されている場合(S19のY)、ファイル制御部21は、当該記録メディア内に、再生中のプログラムに後続する分割録画されたプログラムが存在するか否か判定する(S20)。当該記録メディア内に、後続する分割録画されたプログラムが存在する場合(S20のY)、ファイル制御部21は、再生対象のプログラムを、再生中のプログラムから、その再生終了とともに、その後続する分割録画されたプログラムに変更する(S15)。再生制御部22は、その変更されたプログラムを再生させる(S16)。
【0069】
ステップS17にて再生中のプログラムに分割録画されたプログラムが存在しない場合(S17のN)、ステップS18にて別の記録メディアが装着されていない場合(S18のN)、ステップS19にて当該識別情報を持つ記録メディアが装着されていない場合(S19のN)、および当該記録メディア内に、後続する分割録画されたプログラムが存在しない場合(S20のN)、再生制御部22は、再生中のプログラムの再生が終了するとともに、再生処理を終了する。
【0070】
なお、ステップS11とステップS12の処理の順番、およびステップS17の処理とステップS18の処理の順番は逆であってもよい。
【0071】
以上説明したように本実施の形態によれば、一つのコンテンツが複数の記録メディアに分割されて記録されている場合における、ユーザの利便性を向上させることができる。すなわち、記録メディアに記録されているコンテンツのリストを表示する際、分割されて記録されているコンテンツについて、その残りの部分を記録したコンテンツファイルの存在をユーザに認識させることにより、ユーザの利便性を向上させることができる。ユーザは、その残りの部分を記録したコンテンツファイルが記録されている記録メディアを空き装着部に装着することにより、シームレスな連続再生を実現することができる。
【0072】
その際、そのコンテンツファイルを記録している記録メディアが他の装着部に装着されているか否か、そのコンテンツファイルが自己のコンテンツファイルに対して、時間的に前の部分を記録したものか後の部分を記録したものかを、ユーザに認識させることにより、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0073】
装着部に装着されている、分割されて記録された複数のコンテンツファイルのいずれの再生指示が出された場合も、時間的に先の部分を記録したコンテンツファイルを再生することにより、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0074】
また、分割されて記録された複数のコンテンツファイルが別々の記録メディアに記録されている場合であって、それら記録メディアの少なくとも二つが装着部に装着されている場合、装着されている記録メディアにそれぞれ記録されているコンテンツファイルを一つのものとして、リスト表示することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0076】
上述した実施の形態では、一つのコンテンツが複数の記録メディアに分割されて記録されている場合として、分割録画の例を説明した。この点、分割録画に限るものではない。パッケージコンテンツであっても、一つの長編映画が前編と後編に分割されて記録されたり、テレビシリーズのドラマの全話が複数の記録メディアに分割されて記録されることがある。本発明の実施の形態はこのような例にも適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 コンテンツ再生装置、 10 装着部、 11 第1装着部、 12 第2装着部、 20 制御部、 21 ファイル制御部、 22 再生制御部、 23 表示制御部、 24 着脱検出部、 40 操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録メディアをそれぞれ装着可能な複数の装着部と、
前記複数の装着部に装着されているすべての記録メディアに記録されているコンテンツのリストを表示装置に表示させる制御部と、を備え、
前記制御部は、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されている場合、前記複数の装着部に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツが、連続に再生可能な部分であるとき、それらを一つのコンテンツとしてリスト表示させるコンテンツ再生装置。
【請求項2】
記録メディアをそれぞれ装着可能な複数の装着部と、
前記複数の装着部ごとに、装着されている記録メディアに記録されている、コンテンツのリストを表示装置に表示させる制御部と、を備え、
前記制御部は、リスト表示されているコンテンツのうち、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されているコンテンツについて、前記コンテンツ全編の残りの部分が別の記録メディアに記録されている場合、その旨を示す情報を前記リストに付加して表示させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、リスト表示されているコンテンツのうち、コンテンツ全編が複数の部分に分割され、それぞれ別の記録メディアに記録されている前記コンテンツについて、前記コンテンツ全編の残りの部分が前記コンテンツ全編の一部分より時間的に前に存在するか、後に存在するか、またはその前後に存在するかを示す情報を、前記リストに付加して表示させることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記コンテンツ全編の残りの部分であって、かつ、連続に再生可能な部分が記録された記録メディアが、前記複数の装着部のうちの別の装着部に装着されているか否かを示す情報を、前記リストに付加して表示させることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記制御部は、ある装着部に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツのリストに表示されている、前記コンテンツ全編の一部分が記録されたコンテンツの再生が指示され、別の装着部に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツが、前記コンテンツ全編の一部分に時間的に連続する先の部分が記録されている場合、前記別の装着部に装着されている記録メディアに記録されているコンテンツを再生した後、前記再生が指示されたコンテンツを再生させることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−123980(P2011−123980A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283341(P2009−283341)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】