説明

コンテンツ記録装置及びテレビジョン受信装置

【課題】ユーザの録画予約操作を煩雑にすることなく、録画予約時にオートチャプターを設定した場合でも、確実な同時録画を可能にする。
【解決手段】コンテンツ記録装置は、入力された映像信号のうち所望のコンテンツの映像信号を記録するための信号処理を行う信号処理モジュールと、映像信号の特徴を解析処理することでチャプター点に関する情報を得るチャプター解析機能部と、録画予約情報よって指定されたコンテンツの映像信号を信号処理モジュールから記録部に与えて記録させると共に、チャプター点に関する情報を映像信号に対応させて記録部に与えて記録させる記録制御機能部とを有する制御モジュールとを具備し、制御モジュールは、記録制御機能部によって複数のコンテンツの記録部への記録が同時に行われる同時録画期間には、チャプター点に関する情報を映像信号に対応させて記録部に与えて記録させるチャプター処理を停止させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、録画予約情報に基づき番組を録画するコンテンツ記録装置及びテレビジョン受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のチューナを備えて、複数コンテンツを同時に受信可能なテレビジョン受信装置が商品化されている。更に、録画機能を有して、内蔵のHDDや外付けHDD等にコンテンツを録画可能なコンテンツ記録装置を内蔵したテレビジョン受信装置も商品化されている。
【0003】
コンテンツ記録装置を内蔵したテレビジョン受信装置においては、ユーザによる録画予約も可能である。ユーザは例えばEPG(電子番組ガイド)の表示を参照しながら、録画予約操作を行う。この操作に対応した録画予約情報がコンテンツ記録装置内に保存される録画予約リストに登録される。コンテンツ記録装置は、録画予約リストを参照し、録画予約リストによって指定されたコンテンツを受信して録画を行う。なお、コンテンツ記録装置においては、複数のコンテンツを同時に録画する同時録画機能を備えたものもある。
【0004】
また、従来のコンテンツ記録装置においては、オートチャプター機能を備えたものがある。オートチャプター機能は、録画時にチャプター(マーク)を自動的に録画データに挿入する機能であり、シーンの変化等を検出してチャプターを自動挿入することができる。
【0005】
コンテンツ記録装置において、オートチャプター機能を達成するためには、受信したコンテンツを解析し、例えばシーンチェンジ点やCM区間等の大きな変化のある箇所を特徴点として検出する処理が必要である。このため、オートチャプター機能の実現には、処理能力が比較的高いハードウェアが必要である。
【0006】
また、コンテンツ記録装置において複数のコンテンツの同時録画を可能にするためには、複数のチューナからの映像信号に対する映像信号処理及び記録処理を行う必要があり、高い処理能力のハードウェアが必要である。
【0007】
このように、複数コンテンツの同時録画機能及びオートチャプター機能の実現には、夫々高い処理能力のハードウェアが必要であり、ハードウェア規模の制限から、複数コンテンツの同時録画機能とオートチャプター機能とを同時に実現することが不可能なコンテンツ記録装置も存在する。
【0008】
このような装置において、録画予約に際してオートチャプターを設定するものとする。同時に録画されるコンテンツが1番組の場合には問題はない。しかし、録画時間が重複する複数のコンテンツについてオートチャプターを設定した場合には、重複した録画時間になるとハードウェアの制約から録画が正常に行われなくなることが考えられる。
【0009】
そこで、コンテンツ記録装置内にオートチャプターが設定可能な録画モジュールと、オートチャプターが設定不能な録画モジュールとの2つの録画モジュールを設けて、録画予約時にユーザに録画モジュールを選択させることで、正常な録画を可能にする方法が考えられる。
【0010】
しかしながら、この場合には、ユーザが録画モジュールを選択する必要があり、録画予約操作が煩雑になるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−118050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、ユーザの録画予約操作を煩雑にすることなく、録画予約時にオートチャプターを設定した場合でも、確実な同時録画を可能にすることができるコンテンツ記録装置及びテレビジョン受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態に係るコンテンツ記録装置は、入力された映像信号のうち所望のコンテンツの映像信号を記録するための信号処理を行う信号処理モジュールと、前記入力された映像信号の特徴を解析処理することでチャプター点に関する情報を得るチャプター解析機能部と、録画予約情報よって指定されたコンテンツの前記映像信号を前記信号処理モジュールから記録部に与えて記録させると共に、前記チャプター点に関する情報を前記映像信号に対応させて前記記録部に与えて記録させる記録制御機能部とを有する制御モジュールとを具備し、前記制御モジュールは、前記記録制御機能部によって複数のコンテンツの前記記録部への記録が同時に行われる同時録画期間には、前記チャプター点に関する情報を前記映像信号に対応させて前記記録部に与えて記録させるチャプター処理を停止させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコンテンツ記録装置が組み込まれたテレビジョン受信装置を示すブロック図。
【図2】録画設定表示を示す説明図。
【図3】録画予約リストの登録内容を説明するための説明図。
【図4】横軸に30分単位の時間をとり、太線によって各コンテンツ(xxx2〜xxxx5)の録画時間を示す説明図。
【図5】チャプター解析機能部16eによるオートチャプター処理を示すフローチャート。
【図6】タイムバー表示を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係るコンテンツ記録装置が組み込まれたテレビジョン受信装置を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、テレビジョン受信装置10は、地上アナログ/デジタル共用チューナー13a、地上デジタルチューナー13b及び地上デジタルチューナー13cを備えている。アンテナ11で受信された放送信号は、これらのチューナー13a〜13cに入力される。地上アナログ/デジタル共用チューナー13aは、制御モジュール16からの制御信号により、地上アナログ放送及び地上デジタル放送の放送信号から指定されたチャンネルの信号を選局する。地上デジタルチューナー13bは、制御モジュール16からの制御信号により、地上デジタル放送の放送信号から指定されたチャンネルの信号を選局する。同様に、地上デジタルチューナー13cは、制御モジュール16からの制御信号により、地上デジタル放送に対応した放送信号から指定されたチャンネルの信号を選局する。チューナ13a〜13cによって選局された放送信号は復調モジュール14に与えられる。
【0017】
復調モジュール14は、複数の放送方式に対応した復調処理が可能であり、チューナ13a〜13cの出力を復調する。例えば、復調モジュール14は、アナログ放送の放送信号についてはアナログ復調処理を行い、デジタル放送の放送信号についてはPSK(Phase Shift Keying)復調又はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調処理等のデジタル復調処理を行う。
【0018】
復調モジュール14は、チューナ13a〜13cの出力に対する復調処理によって、所望のコンテンツを含むトランスポートストリームを得る。つまり、復調モジュール14は、同時に、3つのチャンネル信号を復調することができる。
【0019】
なお、本実施の形態においては、3つのチューナ13a〜13cを備え、復調モジュール14が、同時に、3つのチャンネル信号を復調する例について説明するが、チューナを適宜の数設けることにより、復調モジュール14において同時に復調可能なチャンネル数は適宜設定可能である。また、図1では、チューナとして地上波用のチューナを採用した例を示しているが、衛星放送用、衛星通信用、CATV用のチューナ等の種々のチューナを採用してもよい。
【0020】
復調モジュール14からのトランスポートストリーム(以下、TSという)は、信号処理モジュール15に供給される。信号処理モジュール15は、制御モジュール16からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を得る。なお、信号処理モジュール15は、デジタル放送により送られているセクション情報等も取得するようになっている。
【0021】
信号処理モジュール15は、テレビ視聴時には、受信したデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部18及び音声処理モジュール21に出力する。また、信号処理モジュール15は、コンテンツ再生時には、記録部としての内蔵HDD23から再生信号が供給され、この再生信号に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理モジュール18及び音声処理モジュール21に出力する。
【0022】
信号処理モジュール15は、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を制御モジュール16に出力する。制御モジュール16は、これら入力された情報に基づいてEPG,字幕を表示するため画像生成処理を行うことができる。OSD生成モジュール17は、制御モジュール16に制御されて、画像情報(OSD信号)を生成してグラフィック処理モジュール18に出力する。
【0023】
グラフィック処理モジュール18は、信号処理モジュール15から供給されるデジタルの映像信号と、OSD信号生成モジュール17からのOSD信号と、データ放送による画像データと、制御モジュール16により生成されたEPG,字幕信号とを合成して映像処理モジュール19に出力する。
【0024】
例えば、グラフィック処理モジュール18は、字幕放送による字幕を表示する場合には、制御モジュール16から出力される字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0025】
グラフィック処理モジュール18から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理モジュール19に供給される。映像処理モジュール19は、入力されたデジタルの映像信号を、映像表示器20で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器20に出力して映像表示させるとともに、外部に映像出力として出力する。
【0026】
また、音声処理モジュール21は、信号処理モジュール15から供給されたデジタルの音声信号を、スピーカ22で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ22に出力して音声再生させるとともに、外部に音声出力として出力する。
【0027】
制御モジュール16は、テレビジョン受信装置の各部を統括的に制御する。制御モジュール16は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、入力装置24から操作信号が供給され、操作信号に基づく操作内容が反映されるように各部を制御する。なお、入力装置24としては、例えばマウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチ及びレバー等を用いることができる。
【0028】
制御モジュール16は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)16aと、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)16bと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ16cとを利用している。
【0029】
本実施の形態においては、制御モジュール16は、録画機能とオートチャプター機能とを実現可能である。図1ではこれらの機能を達成する機能部として記録制御機能部16d及びチャプター解析機能部16eを示してある。
【0030】
記録制御機能部16dは、ユーザの録画予約操作に基づく録画予約情報を生成して、録画予約リストに登録する。録画予約リストは、例えば、不揮発性メモリ16c等に保持されている。記録制御機能部16dは録画予約リストの録画予約情報を読み出し、各部を制御して録画予約情報によって指定されたコンテンツを受信させると共に、内蔵HDD23を制御して、信号処理モジュール15からの当該コンテンツの映像信号を録画させる。なお、記録制御機能部16dは、同時に複数のコンテンツの録画が可能である。
【0031】
チャプター解析機能部16eは、信号処理モジュール15からの映像信号から特徴点(チャプター点)を解析する処理部である。チャプター解析機能部16eは、映像信号から例えばシーンチェンジ点やCM区間等の大きな変化のある箇所をチャプター点として抽出する。チャプター解析機能部16eは、抽出したチャプター点に関する情報を記録制御機能部16dに与える。チャプター解析機能部16eは、録画予約リストによって指定された期間においてチャプター点の抽出を行うようになっている。
【0032】
記録制御機能部16dは、コンテンツの録画に際して、チャプター解析機能部16eからのチャプター点に関する情報を、コンテンツの映像データに対応させて内蔵HDD23に記録するようになっている。
【0033】
本実施の形態においては、制御モジュール16は、記録制御機能部16dにおいて複数の番組を同時に録画する同時録画の期間においては、録画予約リストのチャプターの指定に拘わらず、チャプター解析部16eによる解析処理を停止させると共に、同時録画が理由でオートチャプター機能を実行できない期間(以下、同時録画期間という)を示すチャプター禁止開始点及びチャプター禁止終了点の情報を記録制御機能部16dに与えるようになっている。なお、チャプター解析部16eが解析処理を停止することで、チャプター点を記録するチャプター処理も停止されることになる。
【0034】
記録制御機能部16dは、コンテンツの録画に際して、チャプター禁止開始点及び終了点に関する情報を、コンテンツの映像データに対応させて内蔵HDD23に記録するようになっている。
【0035】
制御モジュール16は、ユーザ操作を受け付けるためのメニュー表示等を表示させてGUI(Graphical User Interface)処理を行うための画像生成処理も行うようになっている。
【0036】
また、本実施の形態においては、制御モジュール16は、コンテンツの録画又は再生時に、記録したチャプター点並びにチャプター禁止開始及び終了点をコンテンツの再生時間に対応させて表示するタイムバー表示を表示させるための画像生成処理を行うようになっている。グラフィック処理モジュール18は、内蔵HDD23の再生信号に基づく映像信号が処理モジュール15から供給され、この再生信号に基づく画像とタイムバー表示とを合成する。
【0037】
なお、本実施の形態においては、録画先として内蔵HDD23に記録する例について説明するが、録画先として外部HDD、DVD媒体、メモリ媒体等を選択可能に構成することもできる。
【0038】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図2乃至図6を参照して説明する。
【0039】
いま、ユーザが録画予約を行うものとする。録画予約の操作方法としては種々の方法があり、例えば、EPGを利用する方法がある。ユーザはEPG表示を表示させるための操作を行う。制御モジュール16は、EPG表示のための画像生成処理を行う。これにより、グラフィック処理モジュール18は、EPG表示の映像信号を映像処理モジュール19に出力する。映像処理モジュール19は、映像表示器20の表示画面上に、EPG表示を表示させる。
【0040】
制御モジュール16は、EPG表示を利用したGUI処理によって、ユーザの録画予約のための選択操作を受け付ける。即ち、ユーザがEPG表示上のコンテンツを指定する操作によって、録画予約の対象となるコンテンツの指定が可能である。制御モジュール16は、録画予約の対象となるコンテンツが指定されると、当該コンテンツの録画設定のための録画設定表示を映像表示器20の表示画面上に表示させる。
【0041】
図2はこの録画設定表示を示す説明図である。図2の録画設定表示31は、録画設定のための各種メニュー表示32〜38を有している。各種メニュー表示32〜38に対するGUI操作によって、メニュー内容を切換えることができ、録画設定の内容を変更可能である。
【0042】
録画先設定メニュー表示32は、対象コンテンツの録画先を指定するものである。図2の例では、図示しないUSB(Universal Serial Bus)端子に接続された録画機器であるハードディスク1を指定することを示している。なお、内蔵HDD23を録画先とする場合には、例えば「内蔵HDD」等のメニュー内容を選択する。
【0043】
録画品質メニュー表示33は、コンテンツの録画品質を指定するものである。複数の録画品質から適宜の録画品質を選択することができ、図2ではXPという録画品質を指定していることを示している。なお、録画品質に応じて録画先の記録メディアにおいて録画可能な時間が決定されるので、制御モジュール16は、指定された録画品質に応じた録画可能時間を算出して、録画品質メニュー表示33において提示するようになっている。
【0044】
マイカテゴリメニュー表示34は、録画対象コンテンツをユーザの好みのカテゴリ(マイカテゴリ)に属するものとするか否かを指定するものである。図2ではマイカテゴリに指定しないことを示している。
【0045】
放送時間連動メニュー表示35は、録画時間を実際の放送時間に追随させて変化させるか否かを指定するものである。図2の例の「連動する」を指定すると、録画対象コンテンツの放送日時の直前に放送されるコンテンツの放送時間の延長により録画対象コンテンツの放送時間が変更になった場合、或いは、録画対象コンテンツの放送時間が延長になった場合等において、実際の放送時間に連動させて録画時間を変化させることができる。
【0046】
保護メニュー表示36は、録画したコンテンツを保護するか否かを設定するものである。持ち出し録画メニュー表示38は、録画コンテンツを外部メディアに記録可能にするか否かを指定するものである。
【0047】
本実施の形態においては、録画設定表示31には、オートチャプター設定メニュー表示37が設けられている。オートチャプター設定メニュー表示37は、オートチャプターを設定するか否かを指定するためのものであり、本実施の形態においては、オートチャプター設定メニュー表示37は、録画先、録画品質、放送時間等の状態に拘わらず、全ての録画対象コンテンツの録画設定時に表示されて、オートチャプターの設定をすることができるようになっている。
【0048】
即ち、本実施の形態においては、オートチャプターの設定が可能な場合と不可能な場合とに応じてユーザが録画操作を変更する必要はない。本実施の形態におけるハードウェア構成では、オートチャプターが不可能となる場合がある。しかし、ユーザはオートチャプターが可能か不可能かを判断する必要もなく、またオートチャプターを可能にするために録画設定を変更する必要もなく、単にオートチャプターを指定するか指定しないかを設定するのみでよい。このため、録画予約時におけるオートチャプターの設定操作が簡単である。
【0049】
なお、録画対象のコンテンツの種類に応じてチャプターの解析処理を変更することが考えられる。例えば、音楽の前後でチャプターを抽出したり、本編とその他の部分(CM等)との境界でチャプターを抽出することができる。図2の例においては、「本編」によって、本編とその他の部分との境界でチャプターを抽出する解析処理を選択することを示している。音楽の前後でチャプターを抽出する解析処理を選択する場合には、例えばオートチャプター設定メニュー表示37から「音楽」等を選択すればよい。また、オートチャプターが不要な場合には、例えばオートチャプター設定メニュー表示37から「しない」等を選択すればよい。
【0050】
また、本実施の形態においては、録画予約の時点で予約録画時間が重複する録画予約が存在する場合には、オートチャプター設定メニュー表示37の近傍において、「同時録画中は、オートチャプターは無効となる」旨のメッセージを表示させてもよい。
【0051】
ユーザが、設定完了ボタン39に対するGUI操作を行うことで、制御モジュール16の記録制御機能部16dは、録画設定表示31による設定に基づいて、録画予約情報を生成する。記録制御機能部16dは、生成した録画予約情報を録画予約リストに登録して、例えば不揮発性メモリ16cに記録する。
【0052】
図3は録画予約リストの登録内容を説明するための説明図である。
【0053】
図3の録画予約リストは各行が各コンテンツに対する録画予約情報を示しており、各コンテンツの録画時の録画設定を示している。図3のコンテンツxxxx1の録画設定は、図2の録画設定表示31に対応したものである。
【0054】
図3の例では、コンテンツ1の外に、コンテンツxxxx2〜xxxx5に対する録画設定を示している。コンテンツxxxx2〜xxx5の録画開始時刻〜終了時刻は、夫々11:00〜12:00、9:00〜10:00、09:30〜11:00、10:15〜10:45である。なお、録画開始時刻及び終了時刻は、EPG情報に基づいて取得することが可能である。コンテンツxxxx2〜xxxx5の録画には、いずれもオートチャプターが設定されている。
【0055】
図4は横軸に30分単位の時間をとり、太線によって各コンテンツ(xxx2〜xxxx5)の録画時間を示す説明図である。図4の録画時間は図3の録画予約リストに対応したものである。図4に示すように、録画予約リストによって、複数のコンテンツが同時に録画される同時録画状態が生じることが分かる。
【0056】
記録制御機能部16dは、録画予約リストに基づいて、コンテンツの予約録画を行う。即ち、記録制御機能部16dは、録画予約リストに登録されているコンテンツについての録画時間に到達すると、チューナ13a〜13cのいずれか1つのチューナに、録画対象のコンテンツの放送信号を選局させる。選局された放送信号は復調モジュール14において復調され、信号処理モジュール15によって映像信号に変換される。記録制御機能部16dは内蔵HDD23に、信号処理モジュール15からの録画対象コンテンツの映像信号を記録させる。
【0057】
この場合において、記録制御機能部16dは、オートチャプターが設定されている場合には、チャプター解析機能部16eの解析結果に応じてチャプターを映像信号に関連付けて記録するようになっている。
【0058】
即ち、チャプター解析機能部16eは、録画予約情報によってオートチャプターが設定されている場合には、チャプターの解析を行ってチャプター点に関する情報を記録制御機能部16dに与える。この場合において、本実施の形態においては、チャプター解析機能部16eは、記録制御機能部16dにおいて同時録画が行われているか否かに基づいて、チャプターの抽出を停止するようになっている。なお、チャプター解析機能部16eは、記録制御機能部16dからの情報によって同時録画状態になったか否かを認識可能である。
【0059】
図5はチャプター解析機能部16eによるオートチャプター処理を示すフローチャートである。チャプター解析機能部16eは、各コンテンツについての録画時間に到達すると、図5のステップS1の処理を実行する。即ち、チャプター解析機能部16eは、録画予約リストを読込み、録画対象コンテンツの録画予約によってオートチャプターが設定されているか否かを判断する(ステップS2)。
【0060】
オートチャプターが設定されていない場合には、チャプター解析機能部16eはチャプターの抽出を行わず、記録制御機能部16dは、チャプターを記録することなく、コンテンツの録画を行う。オートチャプターが設定されている場合には、チャプター解析機能部16eはステップS3において同時録画が行われているか否かを判定する。同時録画が行われている場合には、チャプター解析機能部16eは、同時録画期間の開始を示すチャプター禁止開始点の情報を記録制御機能部16dに出力する(ステップS4)。
【0061】
例えばコンテンツxxxx5の録画開始時間においては、既にコンテンツxxxx4の録画が開始されている。従って、この場合には、コンテンツxxxx5の録画開始時において、チャプター禁止開始点の情報が記録制御機能部16dに出力される。こうして、記録制御機能部16dは、コンテンツxxxx5の録画開始時に映像信号に対応させてチャプター禁止開始点の情報を記録する。
【0062】
次のステップS5,S6において、チャプター解析機能部16eは、当該コンテンツに対する録画が終了したか否か、同時録画が終了したか否かを判定する。同時録画が終了する前に録画モードが終了すると、チャプター解析機能部16eは、ステップS7において同時録画期間の終了を示すチャプター禁止終了点の情報を発生して、記録制御機能部16dに与える。これにより、コンテンツxxxx5の録画終了時に映像信号に対応させてチャプター禁止終了点の情報が記録される。
【0063】
コンテンツxxxx4のように、録画開始時に同時録画状態であった場合であって録画開始後に同時録画が終了すると、チャプター解析機能部16eは、処理をステップS8に移行してチャプター禁止終了点の情報を発生する。これにより、コンテンツxxxx4については、録画開始から30分経過したタイミングの映像信号に対応させてチャプター禁止終了点の情報が記録される。
【0064】
同時録画状態が解消されると、処理がステップS9に移行して、オートチャプターが実施される。従って、コンテンツxxxx4については、10時以降オートチャプター処理が行われる。チャプター解析機能部16eは、映像信号から例えばシーンチェンジ点やCM区間等の大きな変化のある箇所をチャプター点として抽出する。抽出されたチャプター点に関する情報は、記録制御機能部16dに与えられる。これにより、記録制御機能部16dは、映像信号に対応させてチャプター点の情報を記録する。
【0065】
次のステップS10,S11において、チャプター解析機能部16eは、当該コンテンツに対する録画が終了したか否か、同時録画が開始されたか否かを判定する。当該コンテンツに対する録画の終了前に、同時録画が開始されると、チャプター解析機能部16eは、ステップS12において同時録画期間の開始を示すチャプター禁止開始点の情報を発生し、次のステップS13においてオートチャプターを禁止する。即ち、チャプター解析機能部16eはチャプターの解析処理を停止させる。これにより、コンテンツ記録装置の各部の処理能力を録画処理に割り当てることができ、同時録画を確実に実行することが可能となる。
【0066】
図4の例では、コンテンツxxxx4の録画開始から45分が経過した時点で、コンテンツxxxx5の同時録画が開始されるので、このタイミングにおいて、チャプター解析機能部16eは、チャプター禁止開始点の情報を発生すると共にチャプター解析を停止する。
【0067】
ステップS14,S15において、チャプター解析機能部16eは、当該コンテンツに対する録画が終了したか否か、同時録画が終了したか否かを判定する。同時録画の終了前に当該コンテンツに対する録画が終了すると、チャプター解析機能部16eは、ステップS16においてチャプター禁止終了点の情報を発生する。録画モードの終了前に同時録画が終了すると、チャプター解析機能部16eは、ステップS17において、チャプター禁止終了点を発生して処理をステップS9に戻し、オートチャプターを再開する。
【0068】
例えば、コンテンツxxxx3については、10:00になると、同時録画状態で録画が終了するので、録画終了時に、チャプター禁止終了点の情報が記録される。また、コンテンツxxxx4については、10:45になると、同時録画が終了するので、このタイミングでチャプター禁止終了点の情報が発生され、以後、オートチャプターが実行される。
【0069】
ところで、制御モジュール16は、コンテンツの録画中又は録画されたコンテンツの再生中において、録画の進捗状況や再生の進捗状況をユーザに分かりやすく提示するためのタイムバー表示を表示させることができる。
【0070】
図6はこのようなタイムバー表示を説明するための説明図である。グラフィック処理モジュール18は、信号処理モジュール15から録画中又は再生中のコンテンツの映像信号が与えられ、この映像信号に制御モジュール16からのタイムバー表示を合成して映像処理モジュール19に与える。こうして、映像表示器20の表示画面41上には、録画中又は再生中のコンテンツの映像が映出されると共に、タイムバー表示42も表示される。なお、図6のタイムバー表示42は、図4のコンテンツxxxx4の再生時の例を示している。
【0071】
タイムバー表示42の長手方向の全域が録画されるコンテンツの全番組時間又は再生するコンテンツの全番組時間に相当する。タイムバー表示42には、現在の再生位置(時間)を示すロケータ表示43が表示される。なお、録画中においては、ロケータ表示43は、コンテンツの全番組時間中における現在の録画位置(時間)を示す。
【0072】
上述したように、コンテンツxxxx4については、録画開始から30分間及び10時15分から30分間は、同時録画期間である。これらの期間の開始位置に相当するタイムバー表示42上には、チャプター禁止開始点表示44aが表示される。または、同時録画期間の終了位置に相当するタイムバー表示42上には、チャプター禁止終了点表示44bが表示される。また、制御モジュール16は、同時録画期間については他の部分とは異なる色(図6では斜線で示す)による同時録画期間表示44をタイムバー表示42上に表示させている。
【0073】
また、コンテンツxxxx4については、録画開始の30分経過後から15分間及び録画終了の15分前から録画終了までは、オートチャプターが実行される。制御モジュール16は、チャプター点において、チャプター点表示45を表示させる。
【0074】
なお、図6におけるタイムバー表示42、ロケータ表示43、同時録画期間表示44、チャプター禁止開始点表示44a、チャプター禁止終了点表示44b、チャプター点表示45の表示例は一例であり、各表示の仕方としては種々の方法が考えられる。タイムバー表示42上に、チャプター点の位置を表示すると共に、チャプター禁止開始点とチャプター禁止終了点との間の期間であって、同時録画を理由にチャプターが設定されない期間をユーザに提示可能であればよい。
【0075】
図6の表示を参照することで、ユーザは、同時録画を理由にチャプター点が設定されない期間が存在すること及びその期間を把握することができる。
【0076】
このように本実施の形態においては、同時録画期間を認識してオートチャプターの可否を自動的に判断してオートチャプターを実行しており、ハードウェア上の制約から、同時録画とオートチャプターとを無制限に実行することができない装置であっても、ユーザは現在の録画予約状態において、オートチャプターの設定が可能であるか否かを意識することなく、録画予約時にオートチャプターを設定することができる。これにより、オートチャプターの設定に関する煩雑な録画操作を簡単化することができる。
【0077】
また、仮に録画予約時に録画時間が重複する他の録画予約が存在することから、オートチャプターが不可能であることが分かっている場合であっても、ユーザはそのことを意識することなくオートチャプターの設定を行う可能性が高い。この場合において、録画予約が取り消されて同時録画が解消されると、本実施の形態においてはオートチャプターが実行されることになる。即ち、本実施の形態では、ユーザの簡単な操作で、可能な限りユーザが希望するオートチャプターを実現することができる。
【0078】
また、本実施の形態おいては、同時録画を理由にオートチャプターが実行されなかったことを、タイムバー表示によって表示することができ、ユーザの利便性に優れている。
【0079】
なお、上記各モジュールは、ハードウェアで実現するものであってもよく、CPU等を使ってソフトウェアで実現するものであってもよい。
【0080】
また、上記実施の形態は、コンテンツ記録装置をデジタルテレビジョン受信装置に適用した例について説明したが、HDDレコーダやDVDレコーダ等にも適用することができることは明らかである。
【0081】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0082】
10…テレビジョン受信装置、13a〜13c…チューナ、14…復調モジュール、15…信号処理モジュール、16…制御モジュール、16d…記録制御機能部、16e…チャプター解析機能部、18…グラフィック処理モジュール、19…映像処理モジュール、23…内蔵HDD。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像信号のうち所望のコンテンツの映像信号を記録するための信号処理を行う信号処理モジュールと、
前記入力された映像信号の特徴を解析処理することでチャプター点に関する情報を得るチャプター解析機能部と、録画予約情報よって指定されたコンテンツの前記映像信号を前記信号処理モジュールから記録部に与えて記録させると共に、前記チャプター点に関する情報を前記映像信号に対応させて前記記録部に与えて記録させる記録制御機能部とを有する制御モジュールと
を具備し、
前記制御モジュールは、前記記録制御機能部によって複数のコンテンツの前記記録部への記録が同時に行われる同時録画期間には、前記チャプター点に関する情報を前記映像信号に対応させて前記記録部に与えて記録させるチャプター処理を停止させる
ことを特徴とするコンテンツ記録装置。
【請求項2】
前記制御モジュールは、前記チャプター処理を停止させた期間を示す表示を行うための表示制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記コンテンツの時間位置を示す前記チャプター点の表示と前記チャプター処理を停止させた期間を示す表示とを同時に表示させることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記記録機能制御部は、ユーザの録画予約操作に基づいて前記録画予約情報を生成すると共に、予約録画時間が重複する録画予約が既に存在することからチャプターを記録することができないことが録画予約時に予想される場合でも、前記録画予約時にはユーザの録画予約操作に基づいてチャプターを記録するための録画予約情報を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
前記記録機能制御部は、録画予約時に予約録画時間が重複する録画予約が既に存在する場合には、チャプターを記録することができないことを示すメッセージを表示するための表示制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
前記制御モジュールは、前記同時録画期間が終了すると、停止させていた前記チャプター処理を再開させるよう制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のコンテンツ記録装置。
【請求項7】
入力された映像信号のうち所望のコンテンツの映像信号を記録するための信号処理を行う信号処理モジュールと、
前記入力された映像信号の特徴を解析処理することでチャプター点に関する情報を得るチャプター解析機能部と、録画予約情報よって指定されたコンテンツの前記映像信号を前記信号処理モジュールから記録部に与えて記録させると共に、前記チャプター点に関する情報を前記映像信号に対応させて前記記録部に与えて記録させる記録制御機能部とを有する制御モジュールと
を具備し、
前記制御モジュールは、前記録画予約情報によって前記チャプター点の記録が指定されているコンテンツについて前記記録制御機能部によって前記チャプター点に関する情報が記録されない場合には、前記チャプター点の記録がされない期間を示す表示を行うための表示制御を行う
ことを特徴とするコンテンツ記録装置。
【請求項8】
放送信号を受信するチューナの出力を復調して映像信号を出力する復調モジュールと、
前記復調モジュールからの映像信号のうち所望のコンテンツの映像信号を記録するための信号処理を行う信号処理モジュールと、
前記入力された映像信号の特徴を解析処理することでチャプター点に関する情報を得るチャプター解析機能部と、録画予約情報よって指定されたコンテンツの前記映像信号を前記信号処理モジュールから記録部に与えて記録させると共に、前記チャプター点に関する情報を前記映像信号に対応させて前記記録部に与えて記録させる記録制御機能部とを有し、前記記録制御機能部によって複数のコンテンツの前記記録部への記録が同時に行われる同時録画期間には、前記チャプター点に関する情報を前記映像信号に対応させて前記記録部に与えて記録させるチャプター処理を停止させる制御モジュールと、
を具備したことを特徴とするテレビジョン受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−223458(P2011−223458A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92433(P2010−92433)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】