説明

コンテンツ配信装置、基地局、コンテンツ配信方法、およびコンテンツ配信システム

【課題】コンテンツの配信サービスが利用されることによるトラヒックの増加をなるべく低減させる技術を提供する。
【解決手段】ユーザー端末に30コンテンツを配信するコンテンツ配信装置100であって、ユーザー端末30と通信を行う基地局20のデータベース40に、インターネット網75を介して取得可能なコンテンツを保存させるコンテンツ保存部と、ユーザー端末30からコンテンツを要求された場合に、インターネット網75を介して当該コンテンツを取得して配信する代わりに、データベース40に保存されたコンテンツを配信させるコンテンツ配信部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信装置、基地局、コンテンツ配信方法、およびコンテンツ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線通信システムの利用者は、コンテンツの配信サービスを利用する場合、所有する無線端末(例えば、携帯電話)から、通信事業者のコアネットワークを経由してインターネットのウェブサイトに接続することによりコンテンツを取得できる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−263381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このとき、当該通信事業者の無線基地局とコアネットワーク間の伝送路(以下では「エントランス回線」とよぶ)、及びコアネットワークからインターネットへの接続伝送路(以下では「内部回線」とよぶ)には、配信サービスの利用者一人一人の無線端末毎に通信路が張られて、コンテンツが配信される。
【0005】
そのため、配信サービスを利用する無線端末の数に比例して、エントランス回線、及び内部回線のトラヒックが増加することになる。
【0006】
本発明は、上記の無線通信システムにおいて、コンテンツの配信サービスが利用されることによるトラヒックの増加をなるべく低減させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0008】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、ユーザー端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置であって、前記ユーザー端末と通信を行う基地局のデータベース(以下では「DB」ともいう)に、インターネット網を介して取得可能なコンテンツを保存させるコンテンツ保存部と、前記ユーザー端末からコンテンツを要求された場合に、インターネット網を介して当該コンテンツを取得して配信する代わりに、前記データベースに保存されたコンテンツを配信させるコンテンツ配信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記の無線通信システムにおいて、コンテンツの配信サービスが利用されることによるトラヒックの増加をなるべく低減させる技術を提供することができる。
【0010】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る基地局DBシステム1の概略構成の一例を示す図である。
【図2】制御装置(P−GW)100の機能構成の一例を示す図である。
【図3】基地局(eNB)20の機能構成の一例を示す図である。
【図4】本実施形態の基地局DBシステム1で実行される第1の配信処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図5】ダウンロード要求300の概略データ構造の一例を示す図である。
【図6】従来の基地局DBシステム1で実行される配信処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図7】本実施形態の基地局DBシステム1で実行される第2の配信処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図8】複数の端末30からコンテンツを要求された場合において、従来の基地局DBシステム1で実行される配信処理2の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図9】ダウンロード判定処理について詳細に説明するためのフロー図である。
【図10】登録情報400の概略データ構造の一例を示す図である。
【図11】基地局DB40内でのコンテンツの格納例を示す図である。
【図12】本実施形態の基地局DBシステム1で実行される、基地局DB40への保存処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図13】制御装置100で実行される、基地局DB40への保存処理を説明するための図である。
【図14】基地局20で実行される、基地局DB40への保存処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施例では、無線通信システムにおいて、コンテンツの配信サービスが利用されることによるトラヒックの増加をなるべく低減させることができる技術の例を説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態が適用された基地局DBシステム1の概略構成の一例を示す図である。
【0014】
図示するように、基地局DBシステム1は、コアネットワーク10と、基地局20と、端末(図示する例では、端末A、端末B、端末C)30と、基地局DB40と、コンテンツサーバー50と、を備える。
<端末30>
端末(UE:User Equipment)30は、基地局DBシステム1を利用するユーザーが携帯するユーザー端末(例えば、携帯電話)である。図示するように、各端末30(端末A、端末B、端末C)は、それぞれ、基地局20と無線通信によって各種データのやりとりを行う。
【0015】
なお、図示する例では、端末30の個数を3個としているが、これに限定されるものではない。
<基地局20>
基地局(eNB:evolved Node B)20は、電波が届く範囲(通信範囲)に存在する端末30と無線通信を行う基地局(所謂、無線基地局)である。図示する例では、基地局20は、端末30(端末A、端末B、端末C)からデータを受信すると、エントランス回線5を介して、コアネットワーク10へ送信する。また、基地局20は、コアネットワーク10からのデータを受信すると、通信中の端末30へ送信することができる。
【0016】
図2は、基地局20の機能構成の一例を示す図である。
【0017】
図示するように、基地局20は、アンテナ部210と、高周波部220と、変復調部230と、制御部240と、記憶部250と、外部インターフェイス部260と、を有する。
【0018】
アンテナ部210は、複数の周波数で構成される高周波(RF:Radio Frequency)信号(無線信号)の送受信を行う。
【0019】
高周波部220は、アンテナ部210で受信された高周波信号を、周波数変換によってディジタル信号処理が可能なベースバンド受信信号に変換する。また、高周波部220は、ベースバンド送信信号を周波数変換して、高周波信号としてアンテナ部210へ送信する。
【0020】
変復調部230は、不図示の拡散符号発生器や乗算器によって、ベースバンド受信信号を復調(例えば、スペクトラム逆拡散)する。また、変復調部230は、送信データを変調してベースバンド送信信号を生成する。
【0021】
このように、アンテナ部210で受信された高周波信号(無線信号)は、高周波部220で周波数変換された後、変復調部230で復調され、受信データとして制御部240に入力される。
【0022】
一方、送信データは、制御部240から変復調部230に出力され、変復調部230で変調された後、高周波部220で高周波信号に変換され、アンテナ部210から出力される。
【0023】
なお、基地局20には、インターネット網75を介して取得可能なコンテンツを保存しておくためのデータベース(基地局DB40)が接続されている。
【0024】
制御部240は、基地局20全体、及び、基地局DB40を制御する。例えば、制御部240は、コアネットワーク10からの配信指示に基づき、基地局DB40に保存されたコンテンツを端末30へ転送(配信)する。
【0025】
記憶部250は、基地局20(主に、制御部240)で実行される各種処理に必要なデータを保存する。
【0026】
外部インターフェイス部260は、コアネットワーク10(具体的には、エントランス回線5を介して接続される転送装置110や移動管理装置120)とのデータのやりとりを制御する。
【0027】
ここで、エントランス回線5は、基地局20とコアネットワーク10の間の伝送路であり、制御信号やコンテンツ等の各種データを伝送する。
【0028】
なお、図示する例では、エントランス回線5を有線通信としているが、もちろん無線通信であってもよい。
【0029】
また、以上のように構成される基地局20は、例えば、不図示の、CPU、RAMやハードディスク等の記憶装置、コアネットワーク10と通信を行う通信装置、等を備えたコンピューターで実現される。
【0030】
例えば、図2に示す記憶部250は、ハードディスク等の記憶装置により実現可能であり、外部インターフェイス260は、通信装置により実現可能であり、制御部240は、ハードディスク等の記憶装置に記憶されている所定のプログラムをRAM等の記憶装置にロードしてCPUが実行することで実現可能である。
【0031】
また、基地局DB40は、一般的なデータベース(コンピューター)によって実現される。
<コアネットワーク10>
コアネットワーク10は、通信事業者が提供するネットワークであり、その通信事業者によって利用を許可されている端末30の通信について管理している。また、コアネットワーク10は、端末30を所有するユーザーに対して各種サービス(例えば、コンテンツの配信サービス)を提供する。
【0032】
例えば、コアネットワーク10は、制御装置100と、転送装置110と、移動管理装置120と、認証装置130と、を備える。
<制御装置100>
制御装置(P−GW:Packet Data Network Gateway)100は、コアネットワーク10全体を統括的に制御する。例えば、制御装置100の主な機能には、転送装置110とインターネット網75の間のパケット転送を制御する機能がある。また、制御装置100は、コンテンツの配信サービス等を提供する。
【0033】
図3は、制御装置100の機能構成の一例を示す図である。
【0034】
図示するように、制御装置100は、第1のインターフェイス部101と、第2のインターフェイス部102と、制御部103と、記憶部104と、ダウンロード先判定部105と、を有する。
【0035】
第1のインターフェイス部101は、コアネットワーク10内(具体的には、内部回線6を介して接続される転送装置110)とのデータのやりとりを制御する。
【0036】
第2のインターフェイス部102は、コアネットワーク10外(具体的には、内部回線6を介して接続されるインターネット網75)とのデータのやりとりを制御する。
【0037】
制御部103は、制御装置100全体を統括的に制御する。例えば、制御部103は、端末30からコンテンツを要求されると、インターネット網75に接続されたコンテンツサーバー50からコンテンツを取得して、端末30に向けて配信する。
【0038】
ただし、制御部103は、コンテンツサーバー50から取得したコンテンツを端末30に向けて配信する代わりに、基地局DB40に保存されたコンテンツを端末30に向けて配信させることもできる。
【0039】
記憶部104は、制御装置100で実行される各種処理に必要なデータ(例えば、後述する登録情報400)を保存する。
【0040】
ダウンロード先判定部105は、端末30からコンテンツを要求された場合に、そのコンテンツのダウンロード先を判定する。
【0041】
例えば、ダウンロード先判定部105は、端末30からコンテンツを要求されると、そのコンテンツが基地局DB40に保存されているか否か判別する。
【0042】
そして、ダウンロード先判定部105は、端末30から要求されたコンテンツが基地局DB40に保存されていない場合には、インターネット網75に接続されたコンテンツサーバー50をダウンロード先として決定する。
【0043】
一方、ダウンロード先判定部105は、端末30から要求されたコンテンツが基地局DB40に保存されている場合には、基地局DB40をダウンロード先として決定する。
【0044】
なお、以上のように構成される制御装置100は、例えば、不図示の、CPU、RAMやフラッシュメモリー等の記憶装置、LANケーブル等を接続する通信装置、等を備えたパケットデータ網ゲートウェイ(P−GW)で実現される。
【0045】
例えば、図3に示す記憶部104は、フラッシュメモリー等の記憶装置により実現可能であり、第1のインターフェイス101や第2のインターフェイス102は、通信装置により実現可能であり、制御部101やダウンロード先判定部105は、フラッシュメモリー等の記憶装置に記憶されている所定のプログラムをRAM等の記憶装置にロードしてCPUが実行することで実現可能である。
<転送装置110>
図1に戻り、転送装置(S−GW:Serving Gateway)110について説明する。
【0046】
転送装置110の主な機能には、例えば、コンテンツの転送を制御する機能がある。
【0047】
図示するように、転送装置110は、内部回線6を介して制御装置100に接続されるとともに、エントランス回線5を介して基地局20に接続される。また、転送装置110は、後述する移動管理装置120にも接続される。
【0048】
ここで、内部回線6は、コアネットワーク10内部の転送装置110と制御装置100をインターネット網75へ接続する伝送路であり、制御信号やコンテンツ等の各種データを伝送する。
【0049】
なお、図示する例では、内部回線6を有線通信としているが、もちろん無線通信であってもよい。
【0050】
以上のような転送装置110は、例えば、不図示の、CPU、RAMやフラッシュメモリー等の記憶装置、LANケーブル等を接続する通信装置、等を備えたサービングゲートウェイ(S−GW)で実現される。
<移動管理装置120>
次に、移動管理装置(MME:Mobile Management Entity)120について説明する。
【0051】
移動管理装置120は、移動通信用の交換機に相当する装置であり、基地局DBシステム1におけるネットワーク制御を行う。
【0052】
図示するように、移動管理装置120は、転送装置110に接続されるとともに、認証装置130に接続される。
【0053】
以上のような移動管理装置120は、例えば、不図示の、CPU、RAMやフラッシュメモリー等の記憶装置、LANケーブル等を接続する通信装置、等を備えたコンピューター(MME)で実現される。
<認証装置130>
次に、認証装置(HSS:Home Subscriber Server)130について説明する。
【0054】
認証装置130は、基地局DBシステム1を利用するユーザーについて認証(ユーザー認証)を行う。
【0055】
図示するように、認証装置130は、移動管理装置120に接続される。
【0056】
以上のような認証装置130は、例えば、不図示の、CPU、RAMやフラッシュメモリー等の記憶装置、LANケーブル等を接続する通信装置、等を備えたコンピューター(HSS)で実現される。
<コンテンツサーバー50>
次に、コンテンツサーバー50について説明する。
【0057】
コンテンツサーバー50は、各種コンテンツをユーザーに提供する。例えば、コンテンツサーバー50は、ユーザー(端末30)からの要求に応じて、音楽データ、画像データ、Webデータ、等の各種コンテンツを、インターネット網75を介して配信する。
【0058】
なお、図示する例では、インターネット網75に1台のコンテンツサーバー50が接続されているが、複数台のコンテンツサーバー50が接続されていてもよい。
【0059】
以上のようなコンテンツサーバー50は、例えば、不図示の、CPU、RAMやハードディスク等の記憶装置、LANケーブル等を接続する通信装置、等を備えた一般的なコンピューター(サーバー装置)で実現される。
【0060】
本実施形態が適用された基地局DBシステム1は、以上のような構成からなる。ただし、巡回管理システム1の構成はこれに限定されない。
【0061】
また、上記した各構成要素は、基地局DBシステム1の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。基地局DBシステム1の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0062】
次に、上記構成からなる基地局DBシステム1の特徴的な動作について説明する。
(本実施形態の第1の配信処理)
図4は、本実施形態の基地局DBシステム1で実行される第1の配信処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0063】
図示するように、本実施形態の第1の配信処理は、端末30から基地局20へ接続要求がされることにより開始される(S1)。
【0064】
具体的には、端末30は、コンテンツの配信(ダウンロード)を指示する操作がなされると、接続要求を無線信号によって出力する。このとき、基地局20は、接続要求の無線信号を受信して、端末30と基地局20間の無線区間を接続状態(RRC接続状態)とする。
【0065】
次に、端末30は、コアネットワーク10及びコンテンツサーバー50への接続の許可を得るために、基地局20、エントランス回線5、移動管理装置120を経由して、認証装置130と認証処理を行う(S2)。
【0066】
具体的には、端末30は、認証要求(端末30のユーザーを識別するためのユーザー識別情報を含む)を認証装置130に対して送信する。このとき、認証装置130は、記憶装置に格納されている登録情報400を参照して、接続の許可、拒否を判定し、その結果を端末30へ返す。
【0067】
ここで、接続が許可された場合には、端末30は、端末30からインターネット網75までの通信路を設定するため、基地局20、エントランス回線5を経由して、移動管理装置120にサービス要求を行う(S3)。
【0068】
移動管理装置120は、このサービス要求を受け付けると、通信路を設定するための通信路設定要求を転送装置110へ送信し(S4)、これを受けて、転送装置110も同様の通信路設定要求を制御装置100へ送信する(S5)。
【0069】
このとき、制御装置100の制御部103は、端末30と転送装置110の間の通信路(エントランス回線5と無線区間)Aと、転送装置110と制御装置100の間の通信路(内部回線6)Bと、制御装置100とインターネット網75の間の通信路(内部回線6)Cと、の設定を行う(S6)。
【0070】
なお、インターネット網75とコンテンツサーバー50の間の通信路は予め設定されているものとする。
【0071】
ところで、コンテンツサーバー50で提供されているコンテンツを端末30にダウンロードする場合には、端末30は、S6で設定された通信路Aを介して、転送装置110に対してダウンロード要求300を送信する(S7)。
【0072】
図5は、ダウンロード要求300の概略データ構造の一例を示す図である。
【0073】
図示するように、ダウンロード要求300には、送信元識別情報(ID)301と、接続基地局識別情報(ID)302と、ダウンロード要求先情報303と、が含まれる。
【0074】
ここで、送信元ID301には、ダウンロード要求300の送信元となる端末30を特定するための識別情報が含まれる。例えば、送信元ID301は、送信元の端末30に割り当てられているIPアドレス等の情報で構成される。
【0075】
また、接続基地局ID302には、ダウンロード要求300を送信した端末30が接続(捕捉)している基地局20を特定するための識別情報が含まれる。例えば、接続基地局ID302は、基地局20に割り当てられているIPアドレス等の情報で構成される。
【0076】
ダウンロード要求先情報303には、ダウンロード要求300の送信先となるコンテンツサーバー50を特定するための情報が含まれる。例えば、ダウンロード要求先情報303は、ダウンロード要求300の送信先となるコンテンツサーバー50に割り当てられているIPアドレス、URL(Unifrom Resource Locator)等の情報で構成される。なお、ダウンロード要求先情報303には、コンテンツ名を示す情報も含まれている。
【0077】
また、ダウンロード要求300は、S7での送信に先だって、端末30によって生成される。
【0078】
図4に戻り、ダウンロード要求300を受け付けた転送装置110は、S6で設定された通信路Bを介して、制御装置100に対して図5に示すようなダウンロード要求300を転送する(S8)。
【0079】
制御装置100は、ダウンロード要求300を受信すると、ダウンロード先の機器(コンテンツサーバー50又は基地局DB40)を判定する(S9)。
【0080】
例えば、制御装置100のダウンロード先判定部105は、端末30から要求されたコンテンツが基地局DB40に保存されていない場合には、ダウンロード要求先情報303で特定されるコンテンツサーバー50を、ダウンロード先の機器として決定する。
【0081】
一方、ダウンロード先判定部105は、端末30から要求されたコンテンツが基地局DB40に保存されている場合には、基地局DB40をダウンロード先の機器として決定する。
【0082】
ここで、基地局DB40がダウンロード先の機器として決定された場合には、制御装置100は、接続基地局ID302で特定される基地局20に接続された基地局DB40に向けて、配信指示を出力する(S10、S11)。
【0083】
具体的には、制御装置100は、S8で受信したダウンロード要求300を、接続基地局ID302で特定される基地局20に接続された基地局DB40に向けて送信する。
【0084】
このとき、基地局DB40は、ダウンロード要求300を受信すると、端末30から要求されたコンテンツを記憶領域から読み出し、接続された基地局20(すなわち、接続基地局ID302で特定される基地局20)へ送信する(S12)。
【0085】
それから、基地局20は、基地局DB40から送信されたコンテンツを、送信元ID301で特定される端末30へ転送する。
【0086】
以上の第1の配信処理により、本実施形態の基地局DBシステム1は、基地局DB40にコンテンツが保存されているときには、インターネット網75を介してコンテンツを取得せずに当該コンテンツを配信できるため、エントランス回線5および内部回線6のトラヒックの増加を抑えることができる。
【0087】
なお、上記した各処理単位は、基地局DBシステム1を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。基地局DBシステム1が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
(従来の配信処理1)
上記の第1の配信処理に対し、図6は、従来の基地局DBシステム1で実行される配信処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0088】
図示するように、従来の基地局DBシステム1では、基地局20にデータベース(本願の基地局DB40に相当するデータベース)は接続されていない。
【0089】
そのため、従来の配信処理1では、制御装置100は、端末30からコンテンツを要求される毎に、ネットワーク網75を介してコンテンツを取得し、内部回線6とエントランス回線5を経由して、そのコンテンツを配信していた。
【0090】
具体的には、図示するように、従来の配信処理1では、S21からS28までの処理(図4に示すS1〜S8と同様の処理)が実行された後に、S9のような処理を実行せずに、コンテンツサーバー50からコンテンツを取得し、端末30へ配信していた(S29、S30)。
【0091】
このような配信方法では、端末30からコンテンツを要求される毎に、内部回線6(S30の斜線の矢印)と、エントランス回線5(S30の黒塗りの矢印)がコンテンツ配信に利用される。そのため、本実施形態(本願)の第1の配信処理を実行する場合と比較して、内部回線6とエントランス回線5のトラヒックは増加する。
【0092】
以上のことから、本実施形態(本願)の配信方法(第1の配信処理)を採用することにより、エントランス回線5および内部回線6のトラヒックの増加を抑えることができるといえる。
(本実施形態の第2の配信処理)
次に、複数の端末30からコンテンツを要求された場合の配信処理(「第2の配信処理」という)について説明する。
【0093】
図7は、本実施形態の基地局DBシステム1で実行される第2の配信処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0094】
図示していないが、本実施形態の第2の配信処理では、端末30(端末A、端末B、端末C)ごとに、上記第1の配信処理のS1からS5までの処理が実行される。
【0095】
そして、図示するように、制御装置100の制御部103は、端末A30aと転送装置110の間の通信路(エントランス回線5と無線区間)Dと、転送装置110と制御装置100の間の通信路(内部回線6)Eと、制御装置100とインターネット網75の間の通信路(内部回線6)Eと、の設定を行う(S6a)。
【0096】
同様に、制御装置100の制御部103は、端末B30bと転送装置110の間の通信路(エントランス回線5と無線区間)Gと、転送装置110と制御装置100の間の通信路(内部回線6)Hと、制御装置100とインターネット網75の間の通信路(内部回線6)Iと、の設定を行う(S6b)。
【0097】
また、制御装置100の制御部103は、端末C30cと転送装置110の間の通信路(エントランス回線5と無線区間)Jと、転送装置110と制御装置100の間の通信路(内部回線6)Kと、制御装置100とインターネット網75の間の通信路(内部回線6)Lと、の設定を行う(S6c)。
【0098】
こうして、本実施形態の第2の配信処理では、端末30(端末A、端末B、端末C)ごとに、通信路が設定される。
【0099】
このとき、端末A30aから、通信路Dを介してダウンロード要求300が転送装置110に送信されると(S7a)、転送装置110は、S6aで設定された通信路Eを介して、制御装置100に対してダウンロード要求300を転送する(S8a)。
【0100】
制御装置100は、ダウンロード要求300を受信すると、ダウンロード先の機器(コンテンツサーバー50又は基地局DB40)を判定する(S9a)。
【0101】
例えば、制御装置100のダウンロード先判定部105は、端末A30aから要求されたコンテンツが基地局DB40に保存されていない場合には、ダウンロード要求先情報303で特定されるコンテンツサーバー50を、ダウンロード先の機器として決定する。
【0102】
一方、ダウンロード先判定部105は、端末A30aから要求されたコンテンツが基地局DB40に保存されている場合には、基地局DB40をダウンロード先の機器として決定する。
【0103】
ここで、基地局DB40がダウンロード先の機器として決定された場合には、制御装置100は、接続基地局ID302で特定される基地局20に接続された基地局DB40に向けて、配信指示を出力する(S10a、S11a)。
【0104】
具体的には、制御装置100は、S8aで受信したダウンロード要求300を、接続基地局ID302で特定される基地局20に接続された基地局DB40に向けて送信する。
【0105】
このとき、基地局DB40は、ダウンロード要求300を受信すると、端末A30aから要求されたコンテンツを記憶領域から読み出し、接続された基地局20(すなわち、接続基地局ID302で特定される基地局20)へ送信する(S12a)。
【0106】
それから、基地局20は、基地局DB40から送信されたコンテンツを、送信元ID301で特定される端末A30aへ転送する。
【0107】
また、端末B30bや端末C30cからダウンロード要求300が転送装置110に送信された場合にも(S7b、S7c)、上記のS8a〜S12aと同様の処理(すなわち、S8b〜S12b、S8c〜S12c)が端末(端末B、端末C)ごとに実行される。
【0108】
こうして、各端末30(端末A、端末B、端末C)は、それぞれ、インターネット網75を介してコンテンツを取得する代わりに、基地局DB40からコンテンツを取得(ダウンロード)することができる。
【0109】
そのため、各端末30(端末A、端末B、端末C)がコンテンツを取得する毎に、エントランス回線5および内部回線6を利用する必要はなくなり、基地局20より上位のネットワーク(すなわち、エントランス回線5および内部回線6)のトラヒックの増加を抑えることができる。
【0110】
また、一般的には、以上のような配信サービスを利用する端末30の数に比例して、エントランス回線5、及び内部回線6のトラヒックが増加することになる。しかし、本実施形態の配信方法を採用すれば、配信サービスを利用する端末30の数が増加しても、エントランス回線5、及び内部回線6のトラヒックが増加するとは限らない。むしろ、配信サービスを利用する端末30の数が増加するほど、エントランス回線5および内部回線6のトラヒックの増加を抑える効果は大きくなる。
【0111】
なお、上記した各処理単位は、基地局DBシステム1を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。基地局DBシステム1が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
(従来の配信処理2)
上記の第2の配信処理に対し、図8は、複数の端末30からコンテンツを要求された場合において、従来の基地局DBシステム1で実行される配信処理2の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0112】
上述したように、従来の基地局DBシステム1では、基地局20にデータベース(本願の基地局DB40に相当するデータベース)は接続されていない。
【0113】
そのため、従来の配信処理2では、制御装置100は、各端末30(端末A、端末B、端末C)からコンテンツを要求される毎に、ネットワーク網75を介してコンテンツを取得し、内部回線6とエントランス回線5を経由して、そのコンテンツを配信することになる。
【0114】
例えば、端末A30aにコンテンツを配信する場合、従来の配信処理2では、図示するように、S26aからS28aまでの処理(図7に示すS6a〜S8aと同様の処理)が実行された後に、S9のような処理を実行せずに、コンテンツサーバー50からコンテンツを取得し、端末A30aへ配信する(S29a、S30a)。
【0115】
これと同様に、端末B30bにコンテンツを配信する場合にも、従来の配信処理2では、図示するように、S26bからS28bまでの処理(図7に示すS6a〜S8aと同様の処理)が実行された後に、S9のような処理を実行せずに、コンテンツサーバー50からコンテンツを取得し、端末B30bへ配信する(S29b、S30b)。
【0116】
また、端末C30cにコンテンツを配信する場合にも、従来の配信処理2では、図示するように、S26cからS28cまでの処理(図7に示すS6a〜S8aと同様の処理)が実行された後に、S9のような処理を実行せずに、コンテンツサーバー50からコンテンツを取得し、端末C30cへ配信する(S29c、S30c)。
【0117】
このような配信方法では、各端末30(端末A、端末B、端末C)からコンテンツを要求される毎に、内部回線6(S30a、S30b、S30cの斜線の矢印)と、エントランス回線5(S30a、S30b、S30cの黒塗りの矢印)がコンテンツ配信に利用される。そのため、従来の配信方法2では、内部回線6とエントランス回線5のトラヒックは、端末30の数に比例して増加することになる。
【0118】
以上のことから、本実施形態(本願)の配信方法(第2の配信処理)を採用することにより、複数の端末30からコンテンツをダウンロードする場合には、単一の端末30からコンテンツをダウンロードする場合よりも、効果的に、エントランス回線5および内部回線6のトラヒックの増加を抑えることができるといえる。
(ダウンロード先判定処理)
次に、上記第1の配信処理でのダウンロード判定処理S9、上記第2の配信処理でのダウンロード判定処理(S9a、S9b、S9c)について、詳細に説明する。
【0119】
図9は、ダウンロード判定処理について詳細に説明するためのフロー図である。
【0120】
図示するように、制御装置100のダウンロード先判定部105は、転送装置110からダウンロード要求300を受信するまで待機している(S101;No)。
【0121】
そして、ダウンロード先判定部105は、ダウンロード要求300を受信すると(S101;Yes、S8)、端末30から要求されているコンテンツが、基地局DB40に存在するか否か判別する(S102、S9)。
【0122】
具体的には、ダウンロード先判定部105は、記憶部104に格納されている登録情報400を読み出して、端末30から要求されているコンテンツ(すなわち、ダウンロード要求300のダウンロード要求先情報303で特定されるコンテンツサーバー50とコンテンツ名)が登録されているか否か判別する。
【0123】
ここで、図10は、登録情報400の概略データ構造の一例を示す図である。
【0124】
登録情報400は、基地局20(基地局20を特定する接続基地局ID401)ごとに生成され、記憶部104に格納されている。
【0125】
そして、図示するように、各登録情報400は、基地局DB40に保存されているコンテンツ(コンテンツ名402)ごとのレコード406からなる。各レコード406には、コンテンツ名402と、オリジナルデータの位置情報403と、基地局DB40内での位置情報404と、アクセス回数405と、が対応付けて格納される。
【0126】
コンテンツ名402には、基地局DB40に保存されているコンテンツの名称が含まれる。例えば、コンテンツ名402は、「コンテンツ1」、「コンテンツ2」といった形式の文字列からなる。
【0127】
オリジナルデータの位置情報403には、基地局DB40に保存されているコンテンツのオリジナルデータ(すなわち、コンテンツサーバー50で提供しているコンテンツ)の位置情報が含まれる。例えば、オリジナルデータの位置情報403は、オリジナルデータを提供しているコンテンツサーバー50に割り当てられたIPアドレス、URL等を示す文字列からなる。
【0128】
基地局DB40内での位置情報404には、基地局DB40に保存されているコンテンツの基地局DB40内での位置情報が含まれる。例えば、基地局DB40内での位置情報404は、「Z://aaa/bbb/」といったコンテンツの保存場所を表す文字列からなる。
【0129】
なお、図11は、基地局DB40内でのコンテンツの格納例を示す図である。図示するように、例えば、各コンテンツは、基地局DB40内において階層的に保存される。
【0130】
そして、基地局DB40内での位置情報404には、図示するような、各コンテンツの保存場所を表す階層構造等が含まれる。
【0131】
図10に戻り、アクセス回数405には、端末30からダウンロードを要求された回数を示す情報が含まれる。例えば、アクセス回数405には、「21」、「14」といった文字列からなる。
【0132】
S102では、以上のような登録情報400を用いて、端末30から要求されたコンテンツが基地局DB40に存在するか否か判別される。
【0133】
例えば、まず、ダウンロード先判定部105は、S101で受信したダウンロード要求300から、接続基地局ID302と、ダウンロード要求先情報303と、を抽出する。
【0134】
それから、ダウンロード先判定部105は、抽出した接続基地局ID302に対応する接続基地局ID401を有する登録情報400を、記憶部104から読み出す。
【0135】
そして、ダウンロード先判定部105は、抽出したダウンロード要求先情報303から、端末30から要求されているコンテンツ名と、ダウンロード要求先のコンテンツサーバー50を特定可能な情報(IPアドレス、URL等)と、を特定する。
【0136】
それから、ダウンロード先判定部105は、端末30から要求されているコンテンツ名をコンテンツ名402に有し、かつ、ダウンロード要求先のコンテンツサーバー50を特定可能な情報(IPアドレス、URL等)をオリジナルデータの位置情報403に有するレコード406を登録情報400から検索する。
【0137】
このとき、ダウンロード先判定部105は、検索したレコード406が存在する場合には、端末30が捕捉している基地局20に接続された基地局DB40に、ダウンロード要求されたコンテンツ(コピーされたコンテンツ)が存在すると判定する。
【0138】
この場合には(S102;Yes)、ダウンロード先判定部105は、処理をS103へ移行して、端末30が捕捉している基地局20に接続された基地局DB40を、ダウンロード先として決定する(S103)。
【0139】
一方、ダウンロード先判定部105は、検索したレコード406が存在しない場合には、端末30が捕捉している基地局20に接続された基地局DB40に、ダウンロード要求されたコンテンツ(コピーされたコンテンツ)は存在しないと判定する。
【0140】
この場合には(S102;No)、ダウンロード先判定部105は、処理をS104へ移行して、ダウンロード要求先情報303で特定されるコンテンツサーバー50を、ダウンロード先として決定する(S104)。
【0141】
そして、S103、S104の処理を終えると、ダウンロード先判定部105は、本フローを終了する。
【0142】
以上のようなダウンロード先判定処理が制御装置100で実行されることにより、端末30(ユーザー)から要求されたコンテンツが基地局DBに存在するか否かに応じて、コンテンツのダウンロード先を変更することができる。
【0143】
なお、上記した各処理単位は、制御装置100を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。制御装置100が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
(システム全体:基地局DB40への保存処理)
ところで、上記実施形態では、コンテンツサーバー50から取得可能なコンテンツを、基地局DB40に保存(コピー)するタイミングについては何も言及していない。
【0144】
例えば、以下のような処理(基地局DB40への保存処理)を実行することによって、コンテンツサーバー50から取得可能なコンテンツを、効率よく基地局DB40に保存(コピー)することができる。
【0145】
図12は、本実施形態の基地局DBシステム1で実行される、基地局DB40への保存処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0146】
上述したS9(もちろん、S9a、S9b、S9cも含む)において、端末30から要求されたコンテンツが、基地局DB40に存在しないと判定された場合に、本シーケンスは開始される。
【0147】
本シーケンスが開始されると、制御装置100の制御部103は、コンテンツのダウンロードを要求してきた端末30が捕捉している基地局20に対して、フォルダ作成要求を送信する(S40)。
【0148】
このとき、基地局20は、フォルダ作成要求を受信すると、受信したフォルダ作成要求を、基地局20に接続された基地局DB40へ転送する(S41)。
【0149】
それから、基地局DB40は、端末30から要求されたコンテンツ(コンテンツサーバー50で提供されているオリジナルデータ)を基地局DB40へコピーするためのフォルダを作成する(S42)。すなわち、基地局DB40は、端末30から要求されたコンテンツをコピー(保存)するための記憶領域を確保する。
【0150】
なお、基地局20では、S41の処理を実行後、フォルダ作成が完了した旨を制御装置100へ通知する(S43)。
【0151】
このとき、制御装置100は、従来技術のS29、S30と同様に、端末30から要求されたコンテンツを、インターネット網75を介して取得し、基地局20へ送信する(S44、S45)。
【0152】
そして、基地局20は、制御装置100から送信されたコンテンツを受信すると、受信したコンテンツを端末30へ配信する(S45)。
【0153】
これとともに、基地局20は、制御装置100から受信したコンテンツを、接続された基地局DB40へ転送する(S46、S47)。
【0154】
基地局DB40は、基地局20から転送されたコンテンツを、S42で作成されたフォルダ(確保された記憶領域)に保存する(S48)。
【0155】
それから、基地局20は、S45でのコンテンツの配信が完了すると(S49)、登録情報400を更新するための情報を制御装置100へ通知する(S50)。
【0156】
具体的には、基地局20は、基地局IDと、コンテンツの基地局DB40内での保存場所を示す情報と、を制御装置100へ送信する。
【0157】
S50の通知を受けた制御装置100の制御部103は、基地局20から送信された情報に基づいて、登録情報400を更新する(S51)。
【0158】
具体的には、制御部103は、基地局20から送信された基地局IDを接続基地局ID401に有する登録情報400に、新たなレコード406を追加する。
【0159】
なお、追加するレコード406に含める各情報(402〜405)は、基地局20から送信された情報、S8で受信したダウンロード要求300、に基づいて決定される。
【0160】
以上の基地局DB40への格納処理により、本実施形態の基地局DBシステム1は、コンテンツサーバー50から端末30にコンテンツを配信するタイミングで、そのコンテンツを基地局DB40に保存することができる。
【0161】
また、基地局DB40にコンテンツを追加(保存)する毎に、登録情報400を更新しているため、制御装置100では、常に基地局DB40の最新情報を保持しておくことができる。
【0162】
なお、上記した各処理単位は、基地局DBシステム1を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。基地局DBシステム1が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
(制御装置:基地局DB40への保存処理)
次に、上記の基地局DB40への保存処理における、制御装置100で実行される処理について説明する。
【0163】
図13は、制御装置100で実行される、基地局DB40への保存処理を説明するための図である。
【0164】
図示するように、制御装置100の制御部103は、上述したS104の処理(すなわち、コンテンツサーバー50がダウンロード先として決定された)後に、本フローを開始する。
【0165】
本フローを開始すると、制御部103は、コンテンツのダウンロードを要求してきた端末30が捕捉している基地局20に対して、フォルダ作成要求を送信する(S105)。
【0166】
それから、制御部103は、フォルダ作成が完了した旨を基地局20から通知されるまで待機する(S106;No)。
【0167】
そして、制御部103は、フォルダ作成が完了した旨を基地局20から通知されると(S106;Yes)、S101で受信したダウンロード要求先情報303で特定されるコンテンツサーバー50に対してダウンロードの要求をし、端末30から希望されたコンテンツを、インターネット網75を介して取得し、端末30へ配信する(S107)。
【0168】
それから、制御部103は、登録情報400を更新するための情報(上述のS50で通知される情報)を基地局20から通知されるまで待機する(S108;No)。
【0169】
そして、制御部103は、登録情報400を更新するための情報が基地局20から通知されると(S108;Yes)、上記S51で説明したように、基地局20から送信された情報に基づいて、登録情報400を更新する(SS109)。
【0170】
そして、S109の処理を終えると、制御部103は、本フローを終了する。
【0171】
以上のような基地局DB40への保存処理が制御装置100で実行されることにより、制御装置100は、基地局DB40へコンテンツを保存することができる。
【0172】
なお、上記した各処理単位は、制御装置100を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。制御装置100が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
(基地局:基地局DB40への保存処理)
次に、上記の基地局DB40への保存処理における、基地局20で実行される処理について説明する。
【0173】
図14は、基地局20で実行される、基地局DB40への保存処理を説明するための図である。
【0174】
図示するように、基地局20は、上述したS105で、制御装置100からのフォルダ作成要求を受信するまで待機する(S201;No)。
【0175】
そして、基地局20は、フォルダ作成要求を受信すると(S201;Yes)、受信したフォルダ作成要求を、接続された基地局DB40へ転送する(S202)。
【0176】
それから、基地局20は、フォルダ作成が完了した旨を制御装置100へ通知する(S203)。
【0177】
その後、基地局20は、制御装置100から配信用のコンテンツが送られてくるまで待機する(S204;No)。
【0178】
そして、基地局20は、制御装置100からのコンテンツを受信すると(S204;Yes)、受信したコンテンツを端末30へ配信する。
【0179】
これとともに、基地局20は、制御装置100から受信したコンテンツを、接続された基地局DB40へ転送する(S205)。
【0180】
それから、基地局20は、コンテンツの端末30への配信が完了するまで待機する(S206;No)。
【0181】
そして、基地局20は、コンテンツの端末30への配信が完了すると(S206;Yes)、登録情報400を更新するための情報を制御装置100へ通知する(S207)。
【0182】
S207の処理を終えると、基地局20は、本フローを終了する。
【0183】
以上のような基地局DB40への保存処理(転送処理)が基地局20で実行されることにより、基地局20は、コンテンツを端末30に配信できるとともに、基地局DB40へコンテンツを転送することができる。
【0184】
なお、上記した各処理単位は、基地局20を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。基地局20が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0185】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
【0186】
例えば、基地局DB40に保存しておくコンテンツには、上記の音楽データ、画像データ、Webデータに限られず、基地局20が設置される地域毎に、その地域に関連する地図データ、ニュース、観光情報、天気予報、交通情報、グルメ情報、等も含まれる。
【0187】
また、基地局DB40に保存しておくコンテンツを定期的に更新するようにしてもよい。これにより、コンテンツサーバー50で提供されている最新のコンテンツを基地局DB40に保存しておくことができる。また、天気情報やニュース等のように頻繁に更新されるコンテンツと、地図情報等のように更新周期が長いコンテンツと、を区別して管理するようにしてもよい。
【0188】
また、制御装置100は、コンテンツごとのアクセス回数(ダウンロード要求回数)を管理しておき、所定の閾値を超えた場合に、そのコンテンツを基地局DB40へ保存させるようにしてもよい。
【0189】
また、制御装置100は、基地局DB40の空き容量について管理しておき、その空き容量が所定の閾値を下回る場合には、新規にコンテンツを保存させないようにしてもよい。もちろん、基地局DB40の空き容量が所定の閾値まで回復した場合には、新規のコンテンツを基地局DB40へ保存させるようにしてもよい。
【0190】
また、図10に示すように、登録情報400にコンテンツごとのアクセス回数405を登録しておき、制御装置100は、基地局DB40の空き容量が所定の閾値を下回る場合には、アクセス回数405の少ないコンテンツから削除させるようにしてもよい。これとともに、制御装置100は、基地局DB40から削除されたコンテンツに対応するレコード406を、登録情報400から削除しておけばよい。
【0191】
なお、例えば、上記した実施例および変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0192】
また、上記実施例の構成の一部を他の変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、上記実施例の構成に他の変形例の構成を加えることも可能である。また、上記実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0193】
また、上記の各構成、機能、処理部、等は、それらの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0194】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0195】
1 基地局DBシステム
5 エントランス回線
6 内部回線
10 コアネットワーク
20 基地局(eNB)
30 端末(UE)
40 基地局DB
50 コンテンツサーバー
75 インターネット網
100 制御装置(P−GW)
101 第1のインターフェイス部
102 第2のインターフェイス部
103 制御部
104 記憶部
105 ダウンロード先判定部
110 転送装置(S−GW)
120 移動管理装置(MME)
130 認証装置(HSS)
210 アンテナ部
220 高周波部
230 変復調部
240 制御部
250 記憶部
260 外部インターフェイス部
300 ダウンロード要求
400 登録情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置であって、
前記ユーザー端末と通信を行う基地局のデータベースに、インターネット網を介して取得可能なコンテンツを保存させるコンテンツ保存部と、
前記ユーザー端末からコンテンツを要求された場合に、インターネット網を介して当該コンテンツを取得して配信する代わりに、前記データベースに保存されたコンテンツを配信させるコンテンツ配信部と、を備える、
ことを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ配信装置であって、
前記コンテンツ配信部は、
前記ユーザー端末から要求されたコンテンツが前記データベースに保存されていない場合には、前記インターネット網を介して当該コンテンツを取得して、前記基地局との間の伝送路を介して配信し、
前記ユーザー端末から要求されたコンテンツが前記データベースに保存されている場合には、当該データベースに保存されたコンテンツを配信させる、
ことを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項3】
請求項2に記載のコンテンツ配信装置であって、
前記コンテンツ保存部は、
前記コンテンツ配信部によりインターネット網を介して取得されたコンテンツが、前記ユーザー端末へ配信されるタイミングで、当該コンテンツを前記データベースに保存させる、
ことを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項4】
コンテンツの配信サービスを提供する通信システムに接続された基地局であって、
インターネット網を介して取得可能なコンテンツを保存しておくためのデータベースが接続されており、
ユーザー端末から前記通信システムに対してコンテンツが要求された場合に、当該通信システムからの配信指示に基づき、前記データベースに保存されたコンテンツを当該ユーザー端末へ転送するコンテンツ転送部を備える、
ことを特徴とする基地局。
【請求項5】
請求項4に記載の基地局であって、
前記コンテンツ転送部は、
前記ユーザー端末から前記通信システムへ要求されたコンテンツが前記データベースに保存されていない場合には、前記インターネット網を介して取得され、前記通信システムとの間の伝送路を介して送られてきたコンテンツを、前記ユーザー端末へ転送し、
前記ユーザー端末から前記通信システムへ要求されたコンテンツが前記データベースに保存されている場合には、当該データベースに保存されたコンテンツを前記ユーザー端末へ転送する、
ことを特徴とする基地局。
【請求項6】
請求項5に記載の基地局であって、
前記通信システムでインターネット網を介して取得されたコンテンツが、前記ユーザー端末へ転送されるタイミングで、当該コンテンツを前記データベースに保存しておくコンテンツ保存部を備える、
ことを特徴とする基地局。
【請求項7】
ユーザー端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、
前記ユーザー端末と通信を行う基地局のデータベースに、インターネット網を介して取得可能なコンテンツを保存させるコンテンツ保存ステップと、
前記ユーザー端末からコンテンツを要求された場合に、インターネット網を介して当該コンテンツを取得して配信する代わりに、前記データベースに保存されたコンテンツを配信させるコンテンツ配信ステップと、を行う、
ことを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項8】
請求項7に記載のコンテンツ配信方法であって、
前記コンテンツ配信ステップでは、
前記ユーザー端末から要求されたコンテンツが前記データベースに保存されていない場合には、前記インターネット網を介して当該コンテンツを取得して、前記基地局との間の伝送路を介して配信し、
前記ユーザー端末から要求されたコンテンツが前記データベースに保存されている場合には、当該データベースに保存されたコンテンツを配信させる、
ことを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項9】
請求項8に記載のコンテンツ配信方法であって、
前記コンテンツ保存ステップでは、
前記コンテンツ配信ステップでインターネット網を介して取得されたコンテンツが、前記ユーザー端末へ配信されるタイミングで、当該コンテンツを前記データベースに保存させる、
ことを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項10】
ユーザー端末と、当該ユーザー端末と通信を行う基地局と、当該ユーザー端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置と、を備えるコンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信装置は、
前記基地局に接続されたデータベースに、インターネット網を介して取得可能なコンテンツを保存させるコンテンツ保存部を備え、
前記ユーザー端末は、
コンテンツを要求するコンテンツ要求部を備え、
前記コンテンツ配信装置は、
前記ユーザー端末からコンテンツを要求された場合に、インターネット網を介して当該コンテンツを取得して配信する代わりに、前記データベースに保存されたコンテンツについての配信指示を出力するコンテンツ配信部を、さらに備え、
前記基地局は、
前記コンテンツ配信装置からの配信指示に基づき、前記データベースに保存されたコンテンツを前記ユーザー端末へ転送するコンテンツ転送部を備える、
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−48385(P2013−48385A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186442(P2011−186442)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】