説明

コンテンツ配信装置及びプログラム

【課題】複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で映像等のコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、コンテンツ配信先のクライアント端末が増減した場合であっても使用可能な配信帯域の上限まで活用してコンテンツを配信する。
【解決手段】複数のクライアント端末9に同時にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置1において、配信サーバー3は、配信帯域の上限から配信データの再送に用いられる配信帯域を除いた残りの配信帯域を、コンテンツ配信中のクライアント数で除算して1クライアント当たりに使用可能な配信帯域を算出する。エンコードサーバー2は、映像音声信号を圧縮し、算出されたエンコードレートでコンテンツの配信データを生成し、配信サーバー3は、エンコードサーバー2がエンコードした配信データを配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年普及しているIP(Internet Protocol)ネットワークは、複数の端末が帯域を共有して伝送するベストエフォートネットワークであり、多くの端末が同時に伝送しているときにはネットワークが混雑し、各端末において所望のスループットを得られない場合もある。
【0003】
また、IPネットワーク上ではTCP(Transmission Control Protocol)方式を用いた伝送を行なうことが一般的である。TCPにより、伝送の開始、終了処理や、パケットロスの再送による回復処理などが行われ、送受信間端末間の正常なデータ伝送が保証される。送達確認の手順を伴うTCPはユニキャスト通信と呼ばれる1対1の通信を基本としており、1台のサーバーから複数台のクライアントに対して同一のデータを配信する際には、クライアント数に応じた配信帯域が必要となる。
【0004】
このようなIPネットワークを用いて、リアルタイムに映像を配信することが一般化している。映像データは容量が大きいため、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式に代表される圧縮技術により映像データを圧縮して伝送する。圧縮率を高くしてエンコードレートを小さくすれば、伝送データ量は減るものの映像の高解像度成分が失われ、映像品質は劣化する。
【0005】
少数台のサーバーから複数台のクライアント端末に映像を配信する場合、あらかじめサーバー側の持つ配信処理能力や帯域と、想定される接続クライアント数を勘案して、安定して伝送できるエンコードレートを事前に決めることが一般的である。
このような中で、ネットワークにおけるパケット廃棄率などからネットワーク状況を取得し、伝送する内容やクライアントの優先度に応じて伝送レートを調節する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第06/013618号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、配信するコンテンツの内容などから正確なクライアントの接続数をあらかじめ予測することは極めて困難であり、想定を超えてクライアント数が増大するケースもある。また、同一コンテンツであっても、配信を要求するクライアント数が時間ごとに大きく増減を繰り返す場合もある。このような場合、サーバー側の持つ帯域の上限やサーバーの処理能力を超えて映像を配信することはできないため、想定以上のクライアントを受け付けられないという問題があった。
【0008】
特許文献1の技術では、伝送状況の悪化を検出した場合に、伝送する内容や各クライアントの優先度にしたがって伝送量を下げる命令を送信して対応するものの、配信可能な帯域の上限まで活用する明確な伝送レート値の算出方法を提供するものではない。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で映像等のコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、コンテンツ配信先のクライアント端末が増減した場合であっても使用可能な配信帯域の上限まで活用してコンテンツを配信することができるコンテンツ配信装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1] 本発明の一態様は、複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で前記複数のクライアント端末に同時にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置において、エンコード処理を行ない、コンテンツの配信データを生成する複数のエンコード処理部と、前記ネットワークを介して接続される前記クライアント端末から配信要求信号及び配信終了要求信号を受信する配信要求受信部と、前記配信要求信号を受信してから前記配信終了要求信号を受信するまで前記配信要求信号の送信元のクライアント端末へ、前記配信要求信号により特定される前記エンコード処理部が生成した前記配信データを配信する伝送部と、前記配信要求受信部において受信した前記配信要求信号及び前記配信終了要求信号に基づいて配信中のクライアント数を前記エンコード処理部ごとにカウントするクライアント数カウント部と、前記クライアント数カウント部によってカウントされた前記エンコード処理部ごとのクライアント数に基づいて、前記伝送部から前記クライアント端末へ送信される前記配信データの合計の配信帯域が、前記複数のクライアント端末が共有する前記帯域における上限の配信帯域を超えないように前記複数のエンコード処理部それぞれにおいて生成する前記配信データのエンコードレートを算出するレート計算部と、を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置である。
この構成によれば、複数のクライアント端末に、複数のエンコード処理部により生成された異なる品質の配信データ、または、異なるチャンネルの配信データを同時に配信するコンテンツ配信装置は、各エンコード処理部により生成された配信データを配信中のクライアント数に基づき、配信データの配信帯域の合計が上限の配信帯域を超えないように、各エンコード処理部におけるエンコードレートを決定する。
これにより、複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で映像等のコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、コンテンツが配信されているクライアント数が増減した場合であっても、使用可能な配信帯域の上限まで活用してコンテンツを配信することができる。
【0011】
[2] 本発明の一態様は、上述したコンテンツ配信装置であって、前記複数のエンコード処理部は、他の前記エンコード処理部におけるエンコードレートと所定の比率の関係を有する異なるエンコードレートにより前記配信データを生成し、前記レート計算部は、前記エンコード処理部ごとのクライアント数に基づいて、前記所定の比率の関係を満たすように前記複数のエンコード処理部それぞれにおけるエンコードレートを算出する、ことを特徴とする。
この構成によれば、コンテンツ配信装置は、複数のクライアント端末に異なる品質によってコンテンツを配信しており、各品質のコンテンツを配信中のクライアント数に基づき、配信データの配信帯域の合計が上限の配信帯域を超えないように、相対的な品質が高いほど相対的に高いエンコードレートを算出する。
これにより、コンテンツを異なる品質によって配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、各品質のコンテンツが配信されているクライアント数が増減した場合であっても、相対的な品質を維持しながら、使用可能な配信帯域の上限まで活用してコンテンツを配信することができる。
【0012】
[3] 本発明の一態様は、上述したコンテンツ配信装置であって、前記複数のエンコード処理部は、それぞれ異なるチャンネルに対応し、前記レート計算部は、前記複数のエンコード処理部それぞれに対して同一のエンコードレートを算出する、ことを特徴とする。
この構成によれば、コンテンツ配信装置は、複数のクライアント端末に複数のチャンネルのコンテンツを配信しており、各チャンネルのコンテンツを配信中のクライアント数に基づき、配信データの配信帯域の合計が上限の配信帯域を超えないように、全てのチャンネルに対して同一のエンコードレートを算出する。
これにより、複数のチャンネルのコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、各コンテンツが配信されているクライアント数が増減した場合であっても、使用可能な配信帯域の上限まで活用し、いずれのチャンネルを視聴しているクライアントにも同等の品質によりコンテンツを配信することができる。
【0013】
[4] 本発明の一態様は、上述したコンテンツ配信装置であって、前記複数のエンコード処理部は、それぞれ異なるチャンネルの前記配信データを、他の前記エンコード処理部とは異なるエンコードレートにより生成し、前記レート計算部は、割り当てた配信帯域の合計が上限の配信帯域を超えないように前記複数のエンコード処理部に配信帯域を割り当て、前記エンコード処理部に割り当てた配信帯域と前記エンコード処理部のクライアント数とに基づいて前記複数のエンコード処理部それぞれにおけるエンコードレートを算出する、ことを特徴とする。
この構成によれば、コンテンツ配信装置は、複数のクライアント端末に複数のチャンネルのコンテンツを配信しており、全体として上限の配信帯域を超えないように各チャンネルに配信帯域を割り当てた後、各チャンネルについて、そのクライアント数に基づき、エンコードレートを算出する。
これにより、複数のチャンネルのコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、各コンテンツが配信されているクライアント数が増減した場合であっても、使用可能な配信帯域の上限まで活用して、クライアント数が少ないチャンネルほど高品質で、クライアント数が多いチャンネルほど低品質でコンテンツを配信することができる。
【0014】
[5] 本発明の一態様は、上述したコンテンツ配信装置であって、前記複数のエンコード処理部は、それぞれ異なるチャンネルの前記配信データを、他の前記エンコード処理部とは異なるエンコードレートにより生成し、前記レート計算部は、前記エンコード処理部ごとに与えられる所定の定数に前記エンコード処理部に対応するクライアント数を乗じた値に比例するように前記エンコード処理部ごとのエンコードレートを算出する、ことを特徴とする。
この構成によれば、コンテンツ配信装置は、複数のクライアント端末に複数のチャンネルのコンテンツを配信しており、上限の配信帯域を超えないように、チャンネルに対応した所定の定数と該チャンネルのクライアント数とを乗じた値に比例するよう各チャンネルのエンコードレートを算出する。
これにより、複数のチャンネルのコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、各コンテンツが配信されているクライアント数が増減した場合であっても、使用可能な配信帯域の上限まで活用して、クライアント数が多いチャンネルほど高品質で、クライアント数が少ないチャンネルほど低品質でコンテンツを配信することができる。
【0015】
[6] 本発明の一態様は、上述したコンテンツ配信装置であって、前記伝送部は、前記クライアント端末へ送達しなかった前記配信データを再送し、前記レート計算部は、前記上限の配信帯域に代えて、再送対象の未送信の前記配信データの配信帯域を前記上限の配信帯域から減算して得られた配信帯域を用いて前記エンコードレートを算出する、ことを特徴とする。
この構成によれば、上限の配信帯域の代わりに、上限の配信帯域から配信データの再送に用いられる配信帯域を除いた残りの配信帯域を用いてエンコードレートを算出する。
これにより、再送される配信データの帯域を確保しながら、使用可能な配信帯域の上限まで活用してコンテンツを配信することができる。
【0016】
[7] 本発明の一態様は、複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で前記複数のクライアント端末に同時にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置において、エンコード処理を行ない、コンテンツの配信データを生成する複数のエンコード処理部と、前記ネットワークを介して接続される前記クライアント端末から配信要求信号及び配信終了要求信号を受信する配信要求受信部と、前記配信要求信号を受信してから前記配信終了要求信号を受信するまで前記配信要求信号の送信元のクライアント端末へ、前記エンコード処理部が生成した前記配信データを配信するとともに、前記クライアント端末へ送達しなかった前記配信データを再送する伝送部と、前記配信要求受信部において受信した前記配信要求信号及び前記配信終了要求信号に基づいて配信中のクライアント数をカウントするクライアント数カウント部と、前記クライアント数カウント部によってカウントされたクライアント数に基づいて、前記伝送部から前記クライアント端末へ送信される前記配信データの合計の配信帯域が、前記複数のクライアント端末が共有する前記帯域における上限の配信帯域から未送信の再送対象の配信データを減算した帯域を超えないように前記エンコード処理部において生成する配信データのエンコードレートを算出するレート計算部と、を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置である。
この構成によれば、複数のクライアント端末に同時にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置は、配信データを配信中のクライアント数に基づき、配信データの配信帯域の合計が、配信帯域の上限から配信データの再送に用いられる配信帯域を除いた残りの配信帯域を超えないように、配信データのエンコードレートを決定する。
これにより、複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で映像等のコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、コンテンツが配信されているクライアント数が増減した場合であっても、再送される配信データの帯域を確保しながら、使用可能な配信帯域の上限まで活用してコンテンツを配信することができる。
【0017】
[8] 本発明の一態様は、コンピュータを、上述したコンテンツ配信装置として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
この構成によれば、複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で映像等のコンテンツを配信する際に、予めクライアント数を予測する必要なく、コンテンツ配信先のクライアントが増減した場合であっても使用可能な配信帯域の上限まで活用し、全てのクライアント端末に対してコンテンツの配信を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態によるコンテンツ配信装置の構成図である。
【図2】同実施形態によるエンコードサーバーの構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態による配信サーバーの構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態によるコンテンツ配信装置の配信処理フローを示す図である。
【図5】第2の実施形態によるコンテンツ配信装置の構成図である。
【図6】同実施形態による配信サーバーの構成を示すブロック図である。
【図7】同実施形態によるコンテンツ配信装置の接続先通知手順を示す図である。
【図8】第3の実施形態によるコンテンツ配信装置の構成図である。
【図9】同実施形態による配信サーバーの構成を示すブロック図である。
【図10】同実施形態による他の配信サーバーの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態によるコンテンツ配信装置1の構成を示すブロック図である。コンテンツ配信装置1は、複数のクライアント端末9に対して、同時に映像、音声などのコンテンツを配信する。同図に示すコンテンツ配信装置1は、コンテンツの映像や音声を符号化した映像音声信号を配信用に圧縮して配信データを生成するエンコードサーバー2と、エンコードサーバー2が生成した配信データを複数のクライアント端末9に配信する配信サーバー3とを備え、配信サーバー3とクライアント端末9とは、IP(Internet Protocol)網などのネットワークNを介して接続される。映像音声信号より生成される配信データのエンコードレートは、コンテンツ配信中のクライアント端末9の数に応じてエンコードサーバー2から配信サーバー3に指示される。以下、n台のクライアント端末9をそれぞれ、クライアント端末9−1〜9−nと記載する。
【0022】
コンテンツ配信装置1から配信可能な帯域には上限がある。例えば、配信サーバー3に実装されているネットワークインターフェースが、100Base−T イーサーネット(登録商標)であれば、100[Mbps(メガビット毎秒)]以上の配信はできない。このとき、従来のコンテンツ配信装置の場合、エンコードサーバーにおいて映像音声のエンコードレートを1[Mbps]の固定レートに圧縮していれば、プロトコルオーバヘッドや伝送量の時間的偏り等による伝送効率低下を無視できるとすると、100台のクライアント端末まで配信を行なうことができる。しかし、それ以上の数のクライアント端末からの配信要求を受けても、100台の上限を超えたクライアント端末には配信を行なうことはできない。本実施形態のコンテンツ配信装置1は、配信帯域の上限と、コンテンツ配信中のクライアント数とに応じてエンコードレートを変えることによって、1台のクライアント端末9あたりに配信するデータ量を調節し、クライアント数の増加に対応することができる。
【0023】
なお、配信帯域の上限は、物理的なインタフェース等のハードウェアの性能により定まる値であってもよく、物理的なインタフェース等のハードウェアの性能により定まる配信帯域内で配信者が意図的に設定した値であってもよい。この配信帯域の上限は、予め配信サーバー3に記憶させておく。
【0024】
図2は、図1に示すエンコードサーバー2の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、エンコードサーバー2は、レート指示受信部21、エンコード処理部22、及び、エンコードデータ送信部23を備えて構成される。
レート指示受信部21は、配信サーバー3からエンコードレートを示すレート指示値を受信する。エンコード処理部22は、外部装置等から入力された映像音声信号を記憶する記憶部20を備えており、レート指示受信部21が受信したレート指示値に従って映像音声信号を圧縮するエンコード処理を行い、エンコードデータを生成する。エンコードデータ送信部23は、エンコード処理部22が生成したエンコードデータを配信データとして配信サーバー3に出力する。
【0025】
図3は、図1に示す配信サーバー3の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、配信サーバー3は、配信要求受信部31、クライアント数カウント部32、レート計算部33、レート指示送信部34、配信データ受信部35、及び、伝送部36を備えて構成される。
配信要求受信部31は、クライアント端末9からコンテンツの配信要求信号及び配信終了要求信号を受信する。クライアント数カウント部32は、配信要求受信部31が受信した配信要求信号及び配信終了要求信号に基づいて、コンテンツ配信中のクライアント数をカウントする。レート計算部33は、クライアント数カウント部32がカウントしたクライアント数等に基づいて、エンコードレートを算出する。レート指示送信部34は、レート計算部33によって算出されたエンコードレートをレート指示値としてエンコードサーバー2に出力する。配信データ受信部35は、エンコードサーバー2から受信した配信データを伝送部36に出力する。伝送部36は、配信要求信号送信元のクライアント端末9へ配信要求信号を受信してから配信終了要求信号を受信するまでの間、配信データ受信部35から入力された配信データをユニキャストにより配信する。
【0026】
次に、本実施形態のコンテンツ配信装置1の処理について説明する。
図4は、コンテンツ配信装置1の配信処理フローを示す。
エンコードサーバー2のエンコード処理部22は、外部装置等から映像音声信号の入力が開始されると、この入力された映像音声信号を記憶部20に書き込んでいく(ステップS105)。
配信サーバー3の配信要求受信部31がクライアント端末9からコンテンツの配信を要求するための配信要求信号を受信すると(ステップS110:配信要求)、クライアント数カウント部32は、コンテンツ配信中のクライアント数に1を加算し、レート計算部33に出力する(ステップS115)。
【0027】
レート計算部33は、クライアント数カウント部32からクライアント数を受信すると、クライアント数等に基づいてエンコードレートを算出する(ステップS120)。この算出方法の詳細については後述する。レート指示送信部34は、レート計算部33が算出したエンコードレートを示すレート指示値をエンコードサーバー2に出力する(ステップS125)。
【0028】
エンコードサーバー2のレート指示受信部21は、配信サーバー3からレート指示値を受信し、エンコード処理部22に出力する(ステップS130)。エンコード処理部22は、記憶部20に記憶されている映像音声信号を配信用に圧縮し、レート指示値により指示されたエンコードレートで配信データを生成する(ステップS135)。エンコードデータ送信部23は、エンコード処理部22が生成した配信データを配信サーバー3に出力する(ステップS140)。
【0029】
配信サーバー3の配信データ受信部35は、エンコードサーバー2から配信データを受信し、伝送部36に出力する(ステップS145)。伝送部36は、新たに配信要求信号を受信したクライアント端末9、及び、すでにコンテンツを配信中のクライアント端末9に、配信データ受信部35から入力された配信データをユニキャストにより配信する(ステップS150)。以降、ステップS110からの処理を繰り返す。
【0030】
なお、配信サーバー3の配信要求受信部31が配信データを配信中のクライアント端末9からコンテンツの配信終了を要求するための配信終了要求信号を受信すると(ステップS110:配信終了要求)、伝送部36は、配信終了要求信号送信元のクライアント端末9への配信データの配信を終了する(ステップS155)。クライアント数カウント部32は、コンテンツ配信中のクライアント数に1を減算し、レート計算部33に出力する(ステップS115)。ステップS120以降の処理は、上記と同様である。ただし、ステップS150においては、配信を終了したクライアント端末9を除き、コンテンツ配信中のクライアント端末9に、ステップS145においてエンコードサーバー2から受信した配信データをユニキャストにより配信する。
【0031】
上記において、クライアント数カウント部32は、配信要求信号の受信、あるいは、配信終了要求信号の受信など、クライアント数に変化がある度にレート計算部33に出力しているが、3分毎などの所定時間毎に平均のクライアント数をレート計算部33に出力してもよい。この場合、所定時間の間、ステップS110〜S115までの処理を繰り返した後、カウントしたクライアント数の平均値をレート計算部33に出力する。
【0032】
続いて、ステップS120におけるエンコードレートの算出方法について詳細に説明する。レート計算部33は、コンテンツ配信装置1が配信可能な上限の配信帯域を超えないように、エンコードサーバー2のエンコード処理部22において生成する配信データのエンコードレートを算出する。例えば以下の式(1)により、エンコードレートを算出する。
【0033】
(エンコードレート)=(配信帯域の上限値)/(クライアント数) …(1)
【0034】
上記のようにエンコードレートを算出することにより、例えば、配信帯域の上限が100[Mbps]であり、100台のクライアント端末9がコンテンツの配信を要求している場合、1[Mbps]のエンコードレートで圧縮された配信データが各クライアント端末9に配信される。ここで、急激にクライアント数が増加し、200台のクライアント端末9が配信を要求してきた場合でも、0.5[Mbps]のエンコードレートで圧縮された配信データを各クライアント端末9に配信し、全てのクライアント端末9への配信を継続することができる。このように、想定を超えたクライアントが配信を要求してきた場合でも、クライアント数に応じたエンコードレートでコンテンツを配信するとともに、クライアントの接続要求を継続して受け付けることができるようになる。なお、エンコードレートに算出にあたっては、エンコードレートに上限を設け、クライアント数が少ない場合でも必要以上にエンコードレートが高くならないようにしてもよい。つまり、(レート計算部33が算出したエンコードレート)>(エンコードレートの上限値)である場合、レート指示送信部34は、レート指示値としてエンコードレートの上限値を設定し、エンコードサーバー2へ出力する。
【0035】
配信サーバー3の伝送部36は、各クライアント端末9において一部のデータを受信できなかったことを検出した場合に配信データを再送するようにしてもよい。例えば、伝送部36は、TCP(Transmission Control Protocol)の再送制御方式を適用し、配信した配信データに対するクライアント端末9からの応答を受信しなかった場合に、配信データの不達を検出することができる。また、クライアント端末9から再送対象の配信データを特定する情報を受信してもよい。
【0036】
この場合、レート計算部33は、配信データの再送に使用される帯域を考慮してエンコードレートを決定することで、より安定してクライアント端末9に配信データを配信することができる。具体的には、伝送部36において、各クライアント端末9−1、9−2、…、9−nに再送すべき現在未送信の配信データのデータ量(以下、「再送データ量」と記載)であるR1、R2、…、Rn[bps(ビット毎秒)]をカウントし、レート計算部33に通知する。レート計算部33は、以下の式(2)によりエンコードレートを算出する。
【0037】
(エンコードレート)=(配信帯域の上限値−R1−R2−…−Rn)/(クライアント数) …(2)
【0038】
上記のようにエンコードレートを算出することにより、各クライアント端末9に対して再送する配信データの分も含めて配信サーバー3からの出力が配信帯域の上限を超えることなく、クライアント数と各クライアント端末9の受信状況とに応じたエンコードレートで配信を継続することが可能となる。
【0039】
なお、各クライアント端末9への再送データ量が増大する場合、必要以上にエンコードレートが下がることを防ぐために、再送データ量に上限を設けてもよい。つまり、再送データ量R1、R2、…、Rnが上限を超えるときには、各クライアント端末9個別の問題により受信状況が悪化していると考え、該当するクライアント端末9に対し、配信タイムアウト、配信中止処理を行なう。この場合、配信サーバー3のクライアント数カウント部32は、配信中のクライアント数から1を減算し、図4のステップS120からの処理を行なう。
【0040】
また、エンコードレートの算出結果が、映像や音声などが正常に再生できる最低のエンコードレートを下回った場合、新たなクライアント端末9からの配信要求を拒否する。
なお、上記においては、配信帯域の上限、または、配信帯域の上限から再送データ量を減算した帯域を用いてエンコードレートを決定しているが、実際の配信サービスに適した多様な条件により、配信帯域の上限を超えないようにエンコードレートを決定することができる。
【0041】
また、上記においては、エンコードサーバー2と配信サーバー3とを別の装置として説明したが、エンコードサーバー2と配信サーバー3を1つのコンピュータ装置により実現してもよい。
【0042】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態によるコンテンツ配信装置4の構成を示すブロック図である。同図において、図1に示す第1の実施形態によるコンテンツ配信装置1と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
コンテンツ配信装置4は、複数のクライアント端末9に対して、内容は同一であるが、異なる品質の映像や音声などのコンテンツを配信する。同図に示すコンテンツ配信装置4は、エンコードサーバー2と配信サーバー5の組を複数備える。複数のエンコードサーバー2には同一の映像音声信号が入力され、各エンコードサーバー2は映像音声信号をコンテンツの品質に応じたエンコードレートで配信用に圧縮して配信データを生成する。コンテンツが映像である場合、高いエンコードレートであれば、高画質な映像が出力され、低いエンコードレートであれば低画質な映像となる。ここでは、低画質、中画質、高画質の3つの品質それぞれに対応したエンコードサーバー2と配信サーバー5の組を備える場合を説明する。以下、低画質、中画質、高画質の品質に対応したエンコードサーバー2、配信サーバー5をそれぞれ、エンコードサーバー2−1〜2−3、配信サーバー5−1〜5−3と記載する。各配信サーバー5−i(i=1、2、3)は、エンコードサーバー2−iが生成した配信データを複数のクライアント端末9に配信する。これにより、クライアント端末9には、接続先の配信サーバー5に応じた異なる品質の映像が配信される。
【0044】
また、各クライアント端末9は、ネットワークNを介してウェブサーバー8と接続される。ウェブサーバー8は、クライアント端末9から接続先問合せを受信し、クライアントへ配信すべきコンテンツの品質に基づいていずれかの配信サーバー5のアドレスを通知する。
【0045】
図6は、図5に示す配信サーバー5の内部構成を示すブロック図である。同図において、図3に示す第1の実施形態による配信サーバー3と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。配信サーバー5が第1の実施形態に示す配信サーバー3と異なる点は、クライアント数カウント部32に代えてクライアント数カウント部52を備える点、レート計算部33に代えてレート計算部53を備える点、外部クライアント数取得部57を備える点である。
【0046】
クライアント数カウント部52は、配信要求受信部31が受信した配信要求信号及び配信終了要求信号に基づいて、コンテンツ配信中のクライアント数をカウントし、カウントしたクライアント数をレート計算部53に出力するともに、他の配信サーバー5へ送信する。外部クライアント数取得部57は、他の配信サーバー5からクライアント数を受信する。レート計算部53は、クライアント数カウント部52がカウントしたクライアント数、外部クライアント数取得部57が他の配信サーバー5から受信したクライアント数等に基づいて、エンコードレートを算出する。
【0047】
次に、本実施形態のコンテンツ配信装置4の処理について説明する。
図7は、クライアント端末9への接続先通知手順を示す図である。
本実施形態において、各クライアント端末9が配信サーバー5にアクセスしてコンテンツの配信を要求する際に、ウェブサーバー8は、各クライアントについて定まる指標に従って接続先の配信サーバー5を決定する。具体的には、まず、クライアント端末9が、代表のウェブサーバー8にアクセスする(ステップS305)。ウェブサーバー8は、アクセス元のクライアント端末9について定まる指標に従って高画質、中画質、低画質のいずれの品質のコンテンツを送信するかを決定し、決定した品質のコンテンツを配信する配信サーバー5のアドレスを通知する(ステップS310)。例えば、配信開始後、接続してきたクライアント端末9が所定数aに達するまでは高画質、所定数αを超えて所定数β(>α)までは中画質、所定数βを超えた場合は低画質と決定する。あるいは、ウェブサーバー8は、各クライアントのIDに対応づけて接続優先権を記憶しておき、接続元のクライアント端末9から受信したクライアントのIDに対応して読み出した接続優先権が高い場合は高画質、標準の場合は中画質、低い場合は低画質と決定する。これ以外にも、任意の指標によって各クライアントに適用すべき品質を決定することができる。
【0048】
クライアント端末9は、ステップS310において通知されたアドレスを宛先として配信サーバー5にアクセスし、コンテンツの配信要求信号を送信する(ステップS315)。クライアント端末9からコンテンツの配信要求信号を受信した配信サーバー5は、配信データを配信する(ステップS320)。つまり、配信サーバー5のアドレスが、配信を要求する品質を示す情報として用いられ、いずれのエンコードサーバー2において生成された配信データを要求するかを特定する。
【0049】
次に、本実施形態のコンテンツ配信装置4の配信処理について説明する。
各画質のエンコードサーバー2及び配信サーバー5の組のそれぞれは、以下の点を除いて、図4に示す第1の実施形態と同様の処理を行なう。
ステップS115において、配信サーバー5のクライアント数カウント部52は、第1の実施形態のクライアント数カウント部32と同様に、配信要求受信部31が受信した配信要求信号及び配信終了要求信号に従ってクライアント数をカウントすると、カウントしたクライアント数をレート計算部53に出力するとともに、他の配信サーバー5に通知する。
【0050】
そして、ステップS120において、レート計算部53は、クライアント数カウント部52からカウントしたクライアント数が入力された場合、あるいは、外部クライアント数取得部57から他の配信サーバー5より受信したクライアント数が入力された場合に、これらのクライアント数等に基づいてエンコードレートを算出する。
【0051】
本実施形態のエンコードレートの算出方法について詳細に説明する。上述したように本実施形態では、各クライアントの指標に従って適切な品質のコンテンツを配信する。配信サーバー5はそれぞれの品質のコンテンツを配信するために十分な帯域を持っているが、コンテンツ配信装置4全体としての配信帯域の上限(L)がある。レート計算部53は、コンテンツ配信装置4が配信可能な上限の配信帯域を超えないように、各エンコードサーバー2のエンコード処理部22において生成する配信データのエンコードレートを算出する。
【0052】
ここで、低画質の映像が配信されるクライアント数をNx、中画質の映像が配信されるクライアント数をNy、高画質の映像が配信されるクライアント数をNzとし、低画質の映像のエンコードレートをx、また中画質の映像のエンコードレートをy、高画質の映像のエンコードレートをzとする(x<y<z)。
このとき、例えば以下の式(3)を満たすようにエンコードレートx,y,zを決定することにより、使用可能な配信帯域を全て有効に使いながら、それぞれのクライアントの持つ指標に適した画質の映像を配信することができる。
【0053】
L=Nx×x+Ny×y+Nz×z …(3)
【0054】
各配信サーバー5は、お互いのクライアント数を通知しあっており、レート計算部53は、クライアント数カウント部32、外部クライアント数取得部57から配信サーバー5−1、5−2、5−3においてカウントされたクライアント数Nx、Ny、Nzを取得している。レート計算部53は、予め決められたエンコードレートx,y,zの相互関係と、クライアント数Nx、Ny、Nzから、自配信サーバー5の品質に対応したエンコードレートを決定する。
【0055】
以下に、具体的なエンコードレートの算出例を説明する。例えば、コンテンツ配信装置4の配信帯域の上限Lが100[Mbps]であるとする。また、各クライアントの持つ指標に応じて段階的に高画質な映像を配信する場合に、中画質の映像エンコードレートy=2x、高画質の映像エンコードレートz=3xのように、予め各品質間のエンコードレートの関係が決められている。
【0056】
ある時点で、低画質映像を配信しているクライアント数Nx=300、中画質映像を配信しているクライアント数Ny=受信機200、高画質映像を配信しているクライアント数Nz=100の場合、式(3)に各クライアント数を代入して以下のように映像エンコードレートx,y,zが算出される。
【0057】
低画質の映像エンコードレートx=100[kbps]
中画質の映像エンコードレートy=200[kbps]
高画質の映像エンコードレートz=300[kbps]
【0058】
配信サーバー5−1は、低画質の映像エンコードレートxをエンコードサーバー2−1へ、配信サーバー5−2は、中画質の映像エンコードレートyをエンコードサーバー2−2へ、配信サーバー5−3は、低画質の映像エンコードレートzをエンコードサーバー2−3へ指示する。
【0059】
ここで、例えば低画質では満足できないクライアントが配信の要求を取りやめる、あるいは、料金を支払ってより高画質な映像の配信を要求するなどして、各画質の配信を要求するクライアント数がNx=50、Ny=150、Nz=50と急激に変化したとする。この場合、式(3)に各クライアント数を代入して以下のように映像エンコードレートx,y,zが算出される。
【0060】
低画質の映像エンコードレートx=200[kbps]
中画質の映像エンコードレートy=400[kbps]
高画質の映像エンコードレートz=600[kbps]
【0061】
このようにクライアント数が動的に変化しても、配信帯域を全て有効に使いながら、各クライアントが持つ指標に従って、相対的な画質を維持して映像を配信することができる。
【0062】
また、第1の実施形態と同様に、配信データの再送を考慮してエンコードレートを決定することで、より安定してクライアント端末9に配信データを配信することができる。つまり、第1の実施形態と同様、配信帯域の上限から再送データ量を減算することで、各クライアント端末9に対して必要となる再送データ分も含め、配信サーバー5−1〜5−3から出力される配信データの合計帯域が配信帯域の上限を超えることなく、配信データを配信することが可能である。
【0063】
具体的には、各配信サーバー5の伝送部36は、各クライアント端末9に対する再送データ量をレート計算部53に通知するとともに、クライアント数カウント部52に通知する。クライアント数カウント部52は、クライアント数と併せて再送データ量を他の配信サーバー5に通知する。各配信サーバー5の外部クライアント数取得部57は、他の配信サーバー5からクライアント数と再送データ量を受信し、レート計算部53に通知する。各配信サーバー5のレート計算部53は、配信帯域の上限(L)から自配信サーバー5の再送データ量と他の配信サーバー5から通知された再送データ量とを減算した帯域を、式(3)の左辺である配信帯域の上限(L)の代わりに用い、自配信サーバー5が配信する映像の品質に対応したエンコードレートを算出する。
【0064】
なお、上記においては、配信帯域の上限、または、配信帯域の上限から再送データ量を減算した帯域を用いてエンコードレートを決定しており、また、計算例として具体的な数値で説明するための条件付けを行ったが、実際の配信サービスに適した多様な条件により、配信帯域の上限を超えないようにエンコードレートを決定することができる。
【0065】
なお、上記においては、エンコードサーバー2と配信サーバー5とを別の装置として説明したが、エンコードサーバー2と配信サーバー5を1つのコンピュータ装置により実現してもよい。
また、上記においては、各配信サーバー5−1〜5−3のレート計算部53がエンコードレートを算出していたが、複数の配信サーバー5のうち1台のみが外部クライアント数取得部57、レート計算部53及びレート指示送信部34を備え、レート計算部53が各品質のエンコードレートを算出し、レート指示送信部34が、各エンコードサーバー2に対して、対応する品質のエンコードレートを指示するようにしてもよい。
【0066】
また、上記においては、配信サーバー5を複数備えているが、配信サーバー5を1台のみ備える構成としてもよい。この場合、外部クライアント数取得部57は不要となる。配信サーバー5の配信要求受信部31は、要求する品質を特定する情報を含んだ配信要求信号を受信し、クライアント数カウント部52は、各品質についてクライアント数をカウントする。レート計算部53は、クライアント数カウント部52がカウントした各品質のクライアント数の入力を受け、上記と同様に、各品質についてのエンコードレートを算出する。レート指示送信部34は、各エンコードサーバー2に対して、対応する品質のエンコードレートを指示する。配信データ受信部35は、各エンコードサーバー2から配信データを受信し、伝送部36は、各エンコードサーバー2から受信した配信データのうち、配信要求信号により要求された品質の配信データをクライアント端末9に配信する。
【0067】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態によるコンテンツ配信装置6の構成を示すブロック図である。同図において、図5に示す第2の実施形態によるコンテンツ配信装置4と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
コンテンツ配信装置6は、複数のクライアント端末9に対して、複数チャンネルのコンテンツを配信する。同図に示すコンテンツ配信装置6は、エンコードサーバー2と配信サーバー7の組を複数備える。各配信サーバー7は、異なるチャンネルを配信するが、1台の配信サーバー7が複数のチャンネルを配信してもよく、1つのチャンネルが複数の配信サーバー7から配信されてもよい。ここでは便宜的に1台の配信サーバー7が1つのチャンネルを配信するものとして説明する。
【0069】
コンテンツ配信装置6は、コンテンツ配信を要求してきた複数の各クライアント端末9に対し、各配信サーバー7によりユニキャストで個別のチャンネルの配信データを配信する。以下、チャンネル(Ch.)1〜kに対応したエンコードサーバー2、配信サーバー7をそれぞれ、エンコードサーバー2−1〜2−k、配信サーバー7−1〜7−kと記載する。各配信サーバー7−i(i=1〜k)は、エンコードサーバー2−iが生成したチャンネルiの配信データを複数のクライアント端末9に配信する。これにより、クライアント端末9には、接続先の配信サーバー7に応じたチャンネルのコンテンツが配信される。
【0070】
また、各クライアント端末9は、ネットワークNを介してウェブサーバー8aと接続される。ウェブサーバー8aは、クライアント端末9から所望のチャンネルについての接続先問合せを受信し、このチャンネルのコンテンツを配信する配信サーバー7のアドレスを通知する。
【0071】
図9は、図8に示す配信サーバー7の内部構成を示すブロック図である。同図において、図3に示す第1の実施形態による配信サーバー3と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。配信サーバー7が第1の実施形態に示す配信サーバー3と異なる点は、クライアント数カウント部32に代えてクライアント数カウント部72を備える点、レート計算部33に代えてレート計算部73を備える点、外部クライアント数取得部77を備える点である。
【0072】
クライアント数カウント部72は、配信要求受信部31が受信したチャンネルの配信要求信号及び配信終了要求信号に基づいてコンテンツ配信中のクライアント数をチャンネル毎にカウントし、カウントしたチャンネル毎のクライアント数をレート計算部73に出力するともに、他の配信サーバー7へ送信する。外部クライアント数取得部77は、他の配信サーバー7から各チャンネルのクライアント数を受信する。レート計算部73は、クライアント数カウント部72がカウントしたチャンネル毎のクライアント数、外部クライアント数取得部77が他の配信サーバー7から受信した各チャンネルのクライアント数等に基づいて、エンコードレートを算出する。
【0073】
次に、本実施形態のコンテンツ配信装置6の処理について説明する。
まず、本実施形態のコンテンツ配信装置6による接続先通知手順は、以下の点を除いて、図7に示す第2の実施形態と同様の処理を行なう。
ステップS305において、クライアント端末9は、代表のウェブサーバー8aにアクセスし、配信を要求するチャンネルを特定する情報を送信する。ステップS310において、ウェブサーバー8aは、受信した情報により特定されるチャンネルの配信する配信サーバー7を特定し、この特定した配信サーバー7のアドレスを通知する。ステップS315において、クライアント端末9は、ウェブサーバー8aから通知されたアドレスを宛先として配信サーバー7にアクセスして所望チャンネルのコンテンツの配信要求信号を送信し、配信サーバー7は、要求されたチャンネルの配信データを配信する。従って、配信サーバー7のアドレスが、配信を要求するチャンネルを示す情報に相当する。なお、1台の配信サーバー7が複数チャンネルを配信する場合、クライアント端末9は、チャンネルを特定する情報を配信要求信号に明示的に設定して配信サーバー7へ送信し、配信サーバー7は、受信した情報により特定されるチャンネルの配信データを配信する。
【0074】
次に、本実施形態のコンテンツ配信装置6の配信処理について説明する。
各チャンネルのエンコードサーバー2及び配信サーバー7の組のそれぞれは、以下の点を除いて、図4に示す第1の実施形態と同様の処理を行なう。
【0075】
ステップS110において、配信要求受信部31は、クライアント端末9から所望チャンネルの配信要求信号、または、配信終了要求信号を受信する。ステップS115において、配信サーバー7のクライアント数カウント部72は、配信要求受信部31が受信した配信要求信号または配信終了要求信号に基づき、各チャンネルについてコンテンツ配信中のクライアント数をカウントする。つまり、配信要求信号を受信した場合、配信が要求されたチャンネルについてコンテンツ配信中のクライアント数に1を加算し、配信終了要求信号を受信した場合、配信終了要求信号送信元のクライアント端末9への配信を終了したチャンネルについてコンテンツ配信中のクライアント数から1を減算する。クライアント数カウント部72は、チャンネルと、このチャンネルについてカウントしたクライアント数とをレート計算部73に出力するとともに、他の配信サーバー7に通知する。
【0076】
ステップS120において、レート計算部73は、クライアント数カウント部72からチャンネルとクライアント数が入力された場合、あるいは、外部クライアント数取得部77から他の配信サーバー7より受信したチャンネルとクライアント数が入力された場合に、各チャンネルのクライアント数等に基づいてエンコードレートを算出する。
また、ステップS150において、伝送部36は、配信要求信号送信元のクライアント端末9に対して、配信が要求されたチャンネルの配信データを配信する。
【0077】
各配信サーバー7は映像を配信するための十分な帯域を持っているが、コンテンツ配信装置6全体としての配信帯域の上限(L)がある。レート計算部73は、コンテンツ配信装置6が配信可能な上限の配信帯域を超えないように、各エンコードサーバー2のエンコード処理部22において生成する配信データのエンコードレートを算出する。
【0078】
ここで、配信サーバー7の台数k=3、チャンネル1が配信されるクライアント数をN1、チャンネル2が配信されるクライアント数をN2、チャンネル3が配信されるクライアント数をN3とし、チャンネル1のエンコードレートをx、チャンネル2のエンコードレートをy、チャンネル3のエンコードレートをzとする。
このとき、例えば以下の式(4)を満たすようにエンコードレートx,y,zを決定することにより、使用可能な配信帯域を全て有効に使いながら、それぞれのチャンネルに適した画質の映像を配信することができる。
【0079】
L=N1×x+N2×y+N3×z …(4)
【0080】
各配信サーバー7は、お互いのチャンネルとクライアント数を通知しあっており、レート計算部73は、クライアント数カウント部72、外部クライアント数取得部77から各チャンネル1、2、3のクライアント数N1、N2、N3を取得している。レート計算部73は、予め決められたエンコードレートx,y,zの相互関係と、クライアント数N1、N2、N3から、各チャンネルのエンコードレートを決定することができる。
【0081】
例えば、x,y,zの相互関係として、x=y=zと規定すれば、チャンネルごとのクライアント数に関係なく、コンテンツ配信装置6の全クライアント数とコンテンツ配信装置6の上限帯域に応じた品質の映像が、いずれのチャンネルを視聴するクライアントに対しても提供される。
【0082】
あるいは、x=a/N1、y=b/N2、z=c/N3(a,b,cは相対的な比率)と規定すれば、各チャンネルを視聴するクライアント数に反比例した値でエンコードレートが決定される。従って、視聴者数が多いチャンネルほどエンコードレートは低くなり品質は劣化するが、視聴者数の少ないチャンネルに対してはエンコードレートを高くして高品質の映像を提供することができる。例えば、配信帯域の上限が6Mbpsであり、a:b:cが1:2:3である場合、チャンネル1全体には1Mbps、チャンネル2全体には2Mbps、チャンネル3全体には3Mbpsが割り当てられる。よって、チャンネル1のエンコードレートは1/N1[Mbps]、チャンネル2のエンコードレートは2/N2[Mbps]、チャンネル3のエンコードレートは3/N3[Mbps]となる。
a,b,cの値は、コンテンツの種類によって変化させることができる。例えば、より高画質な映像が要求されるスポーツ番組については割合を高く、映画やドラマであればスポーツ番組より低く、バラエティ番組ではさらに低くする。配信サーバー7のレート計算部73は、各チャンネルで配信されるコンテンツが変わるときに、a,b,cの比率を変化させる。
【0083】
逆に、x=a×N1、y=b×N2、z=c×N3(a,b,cは相対的な比率)と規定すれば、視聴者数が多いチャンネルほどエンコードレートは高くして高品質の映像を提供し、より多くのクライアントが満足するようにエンコードレートを調節することが可能である。しかしこの場合は、人気のチャンネルに対してクライアント数が増えるほど、さらに配信帯域を圧迫することになるので、クライアント数が増加するにつれてエンコードレートの増加量は急激に小さくなる。
【0084】
上記に示す方法では、定数値a,b,cの比率を調節することで、チャンネルごとの相対的な映像品質を設定することが可能となる。
また、第1の実施形態、第2の実施形態と同様に、配信データの再送を考慮してエンコードレートを決定することで、より安定してクライアント端末9に配信データを配信することができる。つまり、第2の実施形態と同様に、各配信サーバー7間において再送データ量を通知しあう。各配信サーバー7のレート計算部73は、配信帯域の上限(L)から自配信サーバー7の再送データ量と他の配信サーバー7から通知された再送データ量とを減算した帯域を、式(4)の左辺である配信帯域の上限(L)の代わりに用い、自配信サーバー7が配信するチャンネルのエンコードレートを算出する。これにより、各クライアント端末9に対して必要となる再送データ分も含めて、コンテンツ配信装置6から出力される配信データの合計帯域が配信帯域の上限を超えることなく、配信データを配信することが可能である。
【0085】
このように、クライアント数に応じてチャンネルごとのエンコードレートの決め方を変えることで、クライアントに対して、多様な方針で決定される品質による映像配信サービスを提供することができる。
【0086】
なお、上記においては、配信帯域の上限、または、配信帯域の上限から再送データ量を減算した帯域を用いてエンコードレートを決定しており、また、計算例として具体的な条件付けを行ったが、実際の配信サービスに適した多様な条件により、配信帯域の上限を超えないようにエンコードレートを決定することができる。
【0087】
なお、上記においては、エンコードサーバー2と配信サーバー7とを別の装置として説明したが、エンコードサーバー2と配信サーバー7を1つのコンピュータ装置により実現してもよい。
また、上記においては、各配信サーバー7−1〜7−kのレート計算部73がエンコードレートを算出していたが、複数の配信サーバー7のうち1台のみが外部クライアント数取得部77、レート計算部73及びレート指示送信部34を備え、レート計算部73が各チャンネルのエンコードレートを算出し、レート指示送信部34が、各エンコードサーバー2に対して、各チャンネルのエンコードレートを指示するようにしてもよい。
【0088】
また、上記においては、配信サーバー7を複数備えているが、配信サーバー7を1台のみ備える構成としてもよい。この場合、外部クライアント数取得部77は不要となる。配信サーバー7の配信要求受信部31は、要求するチャンネルを特定する情報を含んだ配信要求信号を受信し、クライアント数カウント部72は、各チャンネルについてクライアント数をカウントする。レート計算部73は、クライアント数カウント部72がカウントした各チャンネルのクライアント数の入力を受け、上記と同様に各チャンネルについてのエンコードレートを算出する。レート指示送信部34は、各エンコードサーバー2に対して、対応するチャンネルのエンコードレートを指示する。配信データ受信部35は、各エンコードサーバー2から配信データを受信し、伝送部36は、各エンコードサーバー2から受信した配信データのうち、配信要求信号により要求されたチャンネルの配信データをクライアント端末9に配信する。
【0089】
また上述した実施形態に示したように、全てのチャンネルのエンコードレートを特定のアルゴリズムで自動的に決めるのではなく、配信サーバー運用者が、ある特定のチャンネルのエンコードレートを明示的に指示して映像の品質を決定し、残りのチャンネルのエンコードレートは、余った帯域を使うように決定しても良い。これにより、例えば、映像監視システムに本実施形態のコンテンツ配信装置を適用する場合、監視者が手動により異常のあった映像に高いエンコードレートを設定し、重点的に監視するようなことも可能となる。
【0090】
図10は、このときに配信サーバー7に代えて用いる配信サーバー7aの構成を示す図である。同図に示す配信サーバー7aが図9に示す配信サーバー7と異なる点は、レート計算部73に変えてレート計算部73aを備える点、特定チャンネルに適用するエンコードレートの指示を外部から受信するレート受信部78を備える点である。配信サーバー7aのレート計算部73aは、入力された指示によって指定されたチャンネルについては指定のエンコードを用い、他の指定されなかったチャンネルについては、上記と同様に各チャンネルのエンコードレートを算出する。
【0091】
例えば、チャンネル1にエンコードαを用いるよう指示が入力された場合、式(4)は、以下の式(5)ようになる。
【0092】
L=N1×α+N2×y+N3×z …(5)
【0093】
各配信サーバー7aは、お互いのチャンネルとクライアント数を通知しあっており、レート計算部73aは、クライアント数カウント部72、外部クライアント数取得部77から各チャンネルのクライアント数N1、N2、N3を取得している。よって、レート計算部73aは、予め決められた各チャンネルのエンコードレートy,zの相互関係と、各チャンネル1、2、3のクライアント数N1、N2、N3から、チャンネル2、3のエンコードレートy、zを決定することができる。
【0094】
なお、上述のエンコードサーバー2、配信サーバー3、5、7、7a、ウェブサーバー8、8aは、内部にコンピュータシステムを有している。そして、エンコードサーバー2の各部、配信サーバー3、5、7、7aの各部、及び、ウェブサーバー8、8aの動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0095】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0096】
1、4、6…コンテンツ配信装置
2、2−1、2−2、2−3…エンコードサーバー
3、5、5−1〜5−3、7、7−1〜7−3、7a…配信サーバー
8、8a…ウェブサーバー
9、9−1〜9−n…クライアント端末
20…記憶部
21…レート指示受信部
22…エンコード処理部
23…エンコードデータ送信部
31…配信要求受信部
32、52、72…クライアント数カウント部
33、53、73、73a…レート計算部
34…レート指示送信部
35…配信データ受信部
36…伝送部
57、77…外部クライアント数取得部
78…レート受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で前記複数のクライアント端末に同時にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置において、
エンコード処理を行ない、コンテンツの配信データを生成する複数のエンコード処理部と、
前記ネットワークを介して接続される前記クライアント端末から配信要求信号及び配信終了要求信号を受信する配信要求受信部と、
前記配信要求信号を受信してから前記配信終了要求信号を受信するまで前記配信要求信号の送信元のクライアント端末へ、前記配信要求信号により特定される前記エンコード処理部が生成した前記配信データを配信する伝送部と、
前記配信要求受信部において受信した前記配信要求信号及び前記配信終了要求信号に基づいて配信中のクライアント数を前記エンコード処理部ごとにカウントするクライアント数カウント部と、
前記クライアント数カウント部によってカウントされた前記エンコード処理部ごとのクライアント数に基づいて、前記伝送部から前記クライアント端末へ送信される前記配信データの合計の配信帯域が、前記複数のクライアント端末が共有する前記帯域における上限の配信帯域を超えないように前記複数のエンコード処理部それぞれにおいて生成する前記配信データのエンコードレートを算出するレート計算部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項2】
前記複数のエンコード処理部は、他の前記エンコード処理部におけるエンコードレートと所定の比率の関係を有する異なるエンコードレートにより前記配信データを生成し、
前記レート計算部は、前記エンコード処理部ごとのクライアント数に基づいて、前記所定の比率の関係を満たすように前記複数のエンコード処理部それぞれにおけるエンコードレートを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項3】
前記複数のエンコード処理部は、それぞれ異なるチャンネルに対応し、
前記レート計算部は、前記複数のエンコード処理部それぞれに対して同一のエンコードレートを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項4】
前記複数のエンコード処理部は、それぞれ異なるチャンネルの前記配信データを、他の前記エンコード処理部とは異なるエンコードレートにより生成し、
前記レート計算部は、割り当てた配信帯域の合計が上限の配信帯域を超えないように前記複数のエンコード処理部に配信帯域を割り当て、前記エンコード処理部に割り当てた配信帯域と前記エンコード処理部のクライアント数とに基づいて前記複数のエンコード処理部それぞれにおけるエンコードレートを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項5】
前記複数のエンコード処理部は、それぞれ異なるチャンネルの前記配信データを、他の前記エンコード処理部とは異なるエンコードレートにより生成し、
前記レート計算部は、前記エンコード処理部ごとに与えられる所定の定数に前記エンコード処理部に対応するクライアント数を乗じた値に比例するように前記エンコード処理部ごとのエンコードレートを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項6】
前記伝送部は、前記クライアント端末へ送達しなかった前記配信データを再送し、
前記レート計算部は、前記上限の配信帯域に代えて、再送対象の未送信の前記配信データの配信帯域を前記上限の配信帯域から減算して得られた配信帯域を用いて前記エンコードレートを算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項7】
複数のクライアント端末が帯域を共有するネットワーク上で前記複数のクライアント端末に同時にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置において、
エンコード処理を行ない、コンテンツの配信データを生成する複数のエンコード処理部と、
前記ネットワークを介して接続される前記クライアント端末から配信要求信号及び配信終了要求信号を受信する配信要求受信部と、
前記配信要求信号を受信してから前記配信終了要求信号を受信するまで前記配信要求信号の送信元のクライアント端末へ、前記エンコード処理部が生成した前記配信データを配信するとともに、前記クライアント端末へ送達しなかった前記配信データを再送する伝送部と、
前記配信要求受信部において受信した前記配信要求信号及び前記配信終了要求信号に基づいて配信中のクライアント数をカウントするクライアント数カウント部と、
前記クライアント数カウント部によってカウントされたクライアント数に基づいて、前記伝送部から前記クライアント端末へ送信される前記配信データの合計の配信帯域が、前記複数のクライアント端末が共有する前記帯域における上限の配信帯域から未送信の再送対象の配信データを減算した帯域を超えないように前記エンコード処理部において生成する配信データのエンコードレートを算出するレート計算部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項8】
コンピュータを、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコンテンツ配信装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−4969(P2012−4969A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139762(P2010−139762)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】