説明

コントラスト向上フィルタ、及びこのフィルタを用いた画像表示装置

【課題】経時的な紫外線暴露によって、コントラスト向上層の着色や、或いはさらに近赤外線吸収機能等の色素によって実現する色素含有光吸収層の光吸収機能が劣化しないコントラスト向上フィルタと、これを用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】PDP用コントラスト向上フィルタは、紫外線吸収剤を含有しない透明基材上に、光透過部と光吸収部を有するコントラスト向上層が形成され、或いは更に色素を含有する色素含有光吸収層が形成され、コントラスト向上層の少なくとも光透過部が光重合性化合物と紫外線吸収剤と光重合開始剤として式[1]で表わされる化合物を含む樹脂組成物の硬化物からなる。


(式中、R1は芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R2〜R7はそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDPとも言う)等のディスプレイパネルの観察者側に配置することで、外光によってディスプレイパネルが表示する画像のコントラストが低下するのを防ぐコントラスト向上フィルタと、このフィルタを用いた画像表示装置とに関する。特に、経時的紫外線暴露に対する耐光性に優れたコントラスト向上フィルタと、これを用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイパネルの観察者側には、外光による画像のコントラスト低下を防ぐコントラスト向上フィルタ、ディスプレイパネルから放出される電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽フィルタ、近赤外線を遮蔽する近赤外線吸収フィルタ、ネオン光を遮蔽するネオン光吸収フィルタ、表示画像を好みの色調に調整する色補正フィルタ、或いは外光反射を防止する反射防止フィルタ等の各種フィルタが要求に応じて設けられている。
【0003】
PDP用コントラスト向上フィルタは、通常、樹脂フィルムからなる透明基材とコントラスト向上層とを少なくとも有する。コントラスト向上層は、通常、多数の帯状の光吸収部をストライプ状に配列して、光吸収部の間を光透過部とする。光吸収部で外光を吸収し、光透過部で画像光を透過させる。この様な、コントラスト向上層は、例えば、透明基材の面に、先ず、光吸収部の形状に対応する凹部を表面に多数有する透明樹脂層として、成形型と光硬化性樹脂とを用いて、紫外線など光照射による光硬化によって光透過部を形成し、次に、前記凹部の内部のみに、カーボンブラックを樹脂バインダ中に含む暗色インクを充填し固化させて、多数の光吸収部とすることで形成する。また、ネオン光吸収フィルタは、ネオン光吸収色素をバインダ樹脂中に含有させたネオン光吸収層で実現される。
【0004】
また、特にディスプレイパネル用のフィルタでは、複数のフィルタ機能を一枚のフィルタで実現することが、フィルタの薄型化、材料ロスや工程数削減による低コスト化などの点で望まれている。このため、コントラスト向上フィルタにおいても、コントラスト向上機能以外に、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色補正機能、反射防止機能等を、要求性能に応じて複合化したフィルタとすることが多い(特許文献1)。
【0005】
また、コントラスト向上フィルタ以外のフィルタでは、例えば、近赤外線吸収フィルタは、近赤外線色素をバインダ樹脂中に含有させた近赤外線吸収層で実現される。また、ネオン光吸収フィルタ、色補正フィルタも、近赤外線吸収フィルタと同様に、適応する吸収波長を有する色素をバインダ樹脂中に含有させた、色素含有光吸収層として実現される。
【0006】
ただ、コントラスト向上層は、その光透過部が透明樹脂層という樹脂から構成されるので、コントラスト向上フィルタを使用していると、経時的に劣化し着色(黄色味を帯びる)することがある。経時的な劣化は、使用環境下で晒される紫外線等によるものである。また、近赤外線吸収色素により実現される近赤外線吸収層も、経時的な紫外線暴露により劣化する。近赤外線吸収層が劣化すると、近赤外線吸収性能が低下する。
【0007】
そこで、本出願人は本発明出願時において未公開特許として、コントラスト向上層や近赤外線吸収層よりも観察者側の位置となる樹脂フィルムからなる透明基材中に、紫外線吸収剤を含有させた構成のコントラスト向上フィルタを提案している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−146073号公報
【特許文献2】特願2010−223956号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献2によるコントラスト向上フィルタは、透明基材として、紫外線吸収剤を含有する樹脂フィルムを使用することから、紫外線吸収剤を含有していない一般的な樹脂フィルムに対して材料費が高くなり、製品コスト高につながるという問題があった。
【0010】
すなわち、本発明の課題は、経時的な紫外線暴露によって、コントラスト向上層の着色や、或いはさらに近赤外線吸収機能等の色素によって実現する色素含有光吸収層の光吸収機能が劣化しないコントラスト向上フィルタを実現することである。また、このフィルタを用いた画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のコントラスト向上フィルタは、紫外線吸収剤を含有しない透明基材と、該透明基材の一方の面に形成され、面方向に間隔を空けて多数配置された光吸収部、及び該光吸収部の少なくとも間に設けられた光透過部を有するコントラスト向上層と、を有するコントラスト向上フィルタであって、前記光透過部が光重合性化合物と紫外線吸収剤と光重合開始剤とを含む樹脂組成物を光重合させて形成された硬化物からなり、前記光重合開始剤が下記式[1]で表わされる化合物であることを特徴とするものである。
【化1】

(式中、R1は芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R2〜R7はそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
【0012】
本発明の好ましい態様においては、上記式[1]で表わされる化合物が、下記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである。
【化2】

【0013】
本発明の好ましい態様においては、上記樹脂組成物が酸化防止剤をさらに含む。
【0014】
本発明の好ましい態様においては、上記光吸収部が、光重合性化合物と紫外線吸収剤と光重合開始剤と光吸収性色材を含む暗色樹脂組成物を光重合させて形成された硬化物からなり、前記暗色樹脂組成物中の前記光重合開始剤が上記式[1]又は上記式[2]で表わされる化合物である。
【0015】
本発明の好ましい態様においては、上記暗色樹脂組成物が酸化防止剤をさらに含む。
【0016】
本発明の好ましい態様においては、さらに、色素を含有する色素含有光吸収層を有する。
【0017】
本発明の好ましい態様においては、上記色素含有光吸収層が近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、及び色補正機能から選ばれる1種以上の機能を担う層である。
【0018】
本発明の画像表示装置は、上記コントラスト向上フィルタを、ディスプレイパネルの観察者側に、上記色素含有光吸収層も有する形態では該色素含有光吸収層よりもコントラスト向上層を観察者側に位置させる向きで、備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
(1)本発明によるコントラスト向上フィルタによれば、コントラスト向上層自体が紫外線吸収剤を含有しているので、透明基材に紫外線吸収剤を含有させることなく、コントラスト向上層の紫外線暴露による経時的な着色を防止できる。また、紫外線吸収剤は透明基材に含有させる必要がないので、透明基材としてコスト高となる紫外線吸収剤入りの樹脂フィルムを使用する必要がなく、より低コストで実現できる。また、紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層を、別途追加する必要がないので、紫外線吸収層増加に伴う工程数増や製造費増が発生せず、コストを抑えたコントラスト向上フィルタとすることが出来る。(2)さらに、機能層として、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色補正機能などの色素含有光吸収層を備える形態でも、コントラスト向上層が含む紫外線吸収剤によって、これらの機能が紫外線によって経時的に低下するのを防げる。
【0020】
(3)本発明による画像表示装置によれば、経時的な紫外線暴露によって、コントラスト向上層が着色するのを防げ、また、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収、色補正機能等の色素を用いた色素含有光吸収層を備える場合でも、これらによる光吸収機能が紫外線によって経時的に低下するのを防げる。このため、経時的な表示画像の品質低下を防げる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によるコントラスト向上フィルタの一形態を例示する断面図。
【図2】本発明によるコントラスト向上フィルタの別の一形態(機能層あり)を例示する断面図。
【図3】本発明による画像表示装置の一形態を例示する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。本明細書において、「面方向」とは、コントラスト向上フィルタのシート面に平行な方向であって、言い換えると、コントラスト向上層の表裏面に平行な方向でもある。「機能層」とは、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、及び色補正機能以外の機能を担う層であり、色素含有光吸収層は機能層には含めないことにする。
【0023】
A.コントラスト向上フィルタ:
先ず、図1の断面図を参照して、本発明のコントラスト向上フィルタをその一実施形態例で説明する。図1に例示する形態の、本発明のコントラスト向上フィルタ10は、紫外線吸収剤を含有しない透明基材1と、透明基材1の一面(同図の場合は図面下方の面)に形成され、面方向に複数の溝が並設された光透過部2a、および光透過部2aの該溝内に形成された光吸収部2bを有するコントラスト向上層2とを有する。更に、同図の形態では、波長吸収機能層として、コントラスト向上層2に隣接して形成され、近赤外線吸収色素など色素を含む色素含有光吸収層3も有する。
【0024】
上記光透過部2aは、少なくとも紫外線吸収剤と光重合性化合物と上記式[1]で表わされる特定の光重合開始剤とを含む樹脂組成物を光重合させて形成した硬化物から構成された光学要素となっている。ただ、光透過部2aは光重合による硬化物であるため、紫外線吸収剤を含有させると、光重合させるときに使う紫外線は紫外線吸収剤で吸収される。このため、紫外線吸収剤で紫外線の一部或いはさらに全部が吸収されたとしても光重合して硬化物となる様に、本発明では、上記式[1]で表わされる特定の光重合開始剤を用いる。
【0025】
この様な構成とすることによって、紫外線吸収剤による紫外線吸収機能の付与と、光重合性化合物の硬化物としての光透過部2aの形成とを両立させることができる。このため、コントラスト向上層2自体が紫外線によって劣化し着色することを防げる。さらに、上記式[1]で表わされる光重合性化合物としては、上記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドを、好ましくは使用できる。
【0026】
また、図1に例示の実施形態例のコントラスト向上フィルタ10は、色素含有光吸収層3も備えた構成である。このように、色素含有光吸収層3を有する形態では、コントラスト向上フィルタ10を使用時は、もちろんのこと、コントラスト向上層2が色素含有光吸収層3に対する紫外線防御層となる様な向きで使用する。すなわち、コントラスト向上フィルタ10は、色素含有光吸収層3よりもコントラスト向上層2側を観察者V側に向けて使用する。この様にすることで、色素含有光吸収層3として、近赤外線吸収層、ネオン光吸収層、色補正層等を紫外線から保護することができる。
【0027】
また、図1の形態では、色素含有光吸収層3はコントラスト向上層2に接して形成されている形態であるが、コントラスト向上層2の少なくとも光透過部2aには光重合開始剤として上記特定の式[1]又は式[2]の化合物が使用されているので、光重合開始剤の残渣が、色素含有光吸収層3に移行しても、層中の色素を劣化させることがない。
【0028】
なお、紫外線で劣化する色素を含有する色素含有光吸収層3が存在しない構成の場合には、コントラスト向上フィルタ10の向きは、それが有する各層の目的機能に応じたものとなる。例えば、透明基材1とコントラスト向上層2とからなる構成の場合では、観察者V側をコントラスト向上層2側としても良いし、透明基材1側としてもよい。但し、後者の如く透明基材1側とすれば、透明基材1は保護層の機能を担うことができる。
【0029】
光吸収部2bは、通常、平面視形状が帯状で、その延在方向を互いに平行にして一定間隔で配置される。例えば、図1の断面図に例示のコントラスト向上層2では、光吸収部2bは断面形状が三角形状で、平面視形状が直線で、紙面手前から奥に向かって紙面に垂直に延在している。また、光透過部2aは図面左右方向において、光吸収部2bの間に存在すると共に、図面では光吸収部2bの三角形頂部の上側にも存在する。
【0030】
光透過部2aと光吸収部2bの形状及び寸法例をここで示せば、光吸収部2bは、底辺20μm、高さが120μmの二等辺三角形の断面形状の柱状体である。多数の光吸収部2bはこの柱状体の延在方向を面方向に平行に多数互いに間隔を開けて一定の周期で配列されたものとなる。したがって、光吸収部2bの平面視形状は、直線が多数間隔を開けて一方向に配列したものとなる。光吸収部2bの配列周期は80μm(間隔が60μm)で、光透過部2aの厚みは200μmである。なお、本発明はここで例示した形状及び寸法に限定されるものではない。
【0031】
以下、各層毎に更に詳述する。
【0032】
〔透明基材〕
透明基材1としては、ガラス、樹脂等からなる透明な基材を使用できる。透明基材1の樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、或いはアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等である。これら樹脂は、フィルム、シート、板の形態で使用される。なお、「フィルム」、「シート」、「板」は通常厚みにより大まかに区別されるが、本発明では単に呼称上の違いのみであり、その意味の区別は特にない。なお、透明基材1の厚みは、樹脂シートの場合、例えば12〜500μmである。
【0033】
透明基材1には、物性改善など必要に応じて適宜、公知の各種添加剤を含有させても良い。例えば、帯電防止剤、充填剤などである。但し、紫外線吸収剤は含有させない。
【0034】
〔コントラスト向上層〕
コントラスト向上層2は、紫外線吸収剤を含有しない透明基材1の少なくとも一方の面に形成された紫外線吸収剤を含有する層であり、面方向に所定の間隔を空けて多数配置された光吸収部2bと、この光吸収部2bの少なくとも間に存在する紫外線吸収剤を含有する光透過部2aとからなる。光吸収部2bが外光を吸収し、光吸収部2bの間の光透過部2aが画像光の透過性を確保すると共に紫外線吸収剤含有する部分で、これらにより外光の影響を抑制して、コントラストを向上させると共に、紫外線を吸収する。
【0035】
コントラスト向上層2の厚さは、光透過部2aの厚さに等しく、光透過部2aの厚さは、通常、光吸収部2bの厚さ以上である。光透過部2aの厚さは、仕様にもよるが、例えば50〜300μm程度、好ましくは50〜250μm程度である。
【0036】
[光透過部]
光透過部2aは、少なくとも紫外線吸収剤と光重合性化合物と光重合開始剤を含む樹脂組成物を光重合させて硬化させることで、該樹脂組成物の硬化物として形成される、紫外線吸収機能を有する透明な光学要素である。また、光透過部2aでは、光重合開始剤として、下記式[1]で表わされる特定の化合物を用いる。
【化3】

(式中、R1は芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R2〜R7はそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
【0037】
また、上記式[1]で表わされる特定の化合物としては、具体的には、下記式[2]で表わされる化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドを好ましくは用いることができる。
【化4】

【0038】
上記光重合性化合物としては、光重合開始剤の存在下に、紫外線や可視光等の光照射による光重合によって硬化可能な化合物であれば特に制限はなく公知のものを適宜採用することができる。この様な光重合性化合物として、光照射により硬化可能な、プレポリマー(オリゴマーも包含する)及びモノマーの群から選ばれる1種又は2種以上が用いられる。光重合性化合物は、これらプレポリマー及びモノマーからの選ばれた1種又は2種以上と、光重合開始剤と紫外線吸収剤を混合した光重合性の樹脂組成物として用いられる。
【0039】
光重合開始剤の該樹脂組成物中に於ける添加量は、光重合性化合物全量に対して、1〜5質量%が好ましく、より好ましくは2〜3質量%である。光重合開始剤の添加量が1質量%未満であると、光重合性化合物を十分に光重合させることができず硬化が不十分となるおそれがあり、5質量%を超えると、コスト高となるおそれがある。また、色素含有光吸収層と接して形成する場合に、この層中の色素の劣化を助長する点でも好ましくない。
【0040】
上記光重合性化合物のプレポリマー、モノマーとしては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基を有する化合物を用いることができる。なお、例えば(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。また、以下の(メタ)アクリレートも同様に、アクリレート又はメタクリレートの意味である。また、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物を総称して、単にアクリレート(化合物)、アクリレート系化合物等とも呼ぶ。
【0041】
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等のアクリレート系プレポリマー等が使用できる。
【0042】
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、アクリレート系モノマーの場合で例示すれば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のアクリレート系モノマー、(メタ)アクリルアミド等がある。また、多官能モノマーとして、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等の2官能モノマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ
)アクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の多官能モノマー等がある。
【0043】
上記紫外線吸収剤としては、公知の化合物を使用することができる。この様な紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、ベンゾエート系等の有機系紫外線吸収剤、或いは、無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0044】
有機系紫外線吸収剤におけるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、もしくは2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0045】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、もしくは2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0046】
サリシレート系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、もしくはp−オクチルフェニルサリシレート等が挙げられる。ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、ヘキサデシル−2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、もしくは2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0047】
無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等の微粉末が挙げられる。
【0048】
紫外線吸収剤の吸収波長は、紫外線帯域の波長10〜380nmの全域に亘っていることが好ましい。紫外線吸収剤をコントラスト向上層2に含有させておくことで、コントラスト向上フィルタ10としての紫外線吸収性能を、波長10〜380nmの範囲において、紫外線の透過率が0.2%以下とすることが可能となる。
【0049】
紫外線吸収剤の添加量は、重合性化合物全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。紫外線吸収剤の添加量が10質量%を超えると、光重合を阻害するおそれがあり、0.1質量%未満であると、紫外線吸収効果が充分に得られないおそれがある。ただ、本発明では、どちらかと言うと厚みが厚く通常50μm以上になるコントラスト向上層2に紫外線吸収剤を含有させているので、厚みによって紫外線吸収性能を稼げるため、厚みの薄い層に含有させる場合にくらべて、体積割合は少なくできる。この為、光重合への阻害阻止と、紫外線吸収性能とのバランスは取り易い。
【0050】
紫外線吸収剤と光重合性化合物と上記特定の光重合開始剤とを含む樹脂組成物を、光重合させるには、紫外線や可視光を照射すると良い。ただ、光透過部2a或いは更に光吸収部2bを光重合させる際に、紫外線域での光線を利用する場合には、紫外線吸収剤で可視光域との境界波長380nm側の長波長側の紫外線は完全に吸収させずに、光重合に寄与できる程度に残しておいてもよい。また、光重合を380nm以上の可視光域の光線で行う場合は、この限りではない。
【0051】
この点、上記式[1]又は式[2]で表わされる化合物からなる光重合開始剤は、吸収波長領域が比較的広く、380nm未満の紫外線にも感度を有する上、380nm以上の可視光にも感度を有するので、光重合が可能となる。光重合は、紫外線、可視光線、或いは紫外線と可視光線、の照射で行う。
【0052】
樹脂組成物は、酸化防止剤をさらに含んでいることが好ましい。樹脂組成物に酸化防止剤を含ませることにより、可視光領域の色変化および近赤外領域の色変化をより抑制することができる。すなわち、紫外線と温度が要因で、光重合開始剤の残渣または光重合性化合物の残渣から酸が発生し、この酸により色素含有光吸収層の色素が酸化され、色素が劣化してしまうおそれがある。これに対し、樹脂組成物に酸化防止剤を含有させた場合には、酸化防止剤により色素含有光吸収層に含まれる色素の酸化を抑制することができるので、色素の劣化をより抑制でき、可視光領域の色変化および近赤外領域の色変化をより抑制することができる。
【0053】
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系の酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル等が挙げられる。
【0054】
アミン系酸化防止剤としては、オクチルジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0055】
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)等が挙げられる。リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト(TTP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)等が挙げられる。
【0056】
酸化防止剤の添加量は、光重合性化合物全量に対し、0.1〜2.0質量%であることが好ましい。酸化防止剤の添加量が0.1質量%未満であると、酸化防止剤を含有させる効果が充分に得られないおそれがあるからであり、2.0質量%を超えると、酸化防止剤が光透過部2aからブリードアウトするおそれがあるからである。
【0057】
[光吸収部]
光吸収部2bは外光を吸収する光学要素であり、光吸収性の暗色材料で形成することができる。暗色材料としては有機材料、無機材料、いずれでも良い。有機材料としては、光吸収性色材をバインダ樹脂に含有させた、塗料(乃至はインキ)等の暗色樹脂組成物を用いることができる。
【0058】
該光吸収性色材は、光吸収性が高く暗色の、つまり低明度の有彩色或いは無彩色を呈する暗色色材を用いることができる。暗色の代表例は黒色であり、無彩色の黒色が画像表示の色に影響を与えず、また外光吸収が大きい点で好ましい。又、低明度の有彩色としては、茶褐色、紺色、臙脂色、深緑色等が挙げられる。なお、暗色色材としては、公知の色材、黒色で言えば、例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄等の黒色顔料、アニリンブラック等の黒色染料などを用いれば良い。また、暗色色材としては、これら暗色色材でアクリル樹脂粒子等を暗色に着色した暗色の樹脂粒子などでもよい。また、青色、黄色、赤色などの有彩色の色材を複数種類用いて混色により、暗色材料を黒色など無彩色乃至は有彩色の暗色としても良い。光吸収性色材の添加量は、バインダ樹脂全量に対して例えば5〜100質量%とすることが可能である。
【0059】
バインダ樹脂の樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂でも良いが、固化が迅速などの点で、好ましくは、硬化性樹脂、それも、紫外線や電子線で硬化する光硬化性樹脂を用いるのが良い。光硬化性樹脂としては、光透過部2aで列記した光重合性化合物を用いることができる。
【0060】
光吸収部2bは暗色であるが故に、それ自体で相応の紫外線吸収性を有するので、更に光吸収部2bには紫外線吸収剤を含有させなくても良いが、紫外線吸収剤を含有させ、なお且つ光重合性化合物に光重合開始剤を加えて光重合させて形成する場合は、光重合開始剤には、光透過部2aの場合と同様に、上記式[1]乃至は上記式[2]の化合物を用いるのが好ましい。ただ、光吸収部2bを、紫外線吸収剤は含有させずに、光重合性化合物に光重合開始剤を加えて光重合させて、色素含有光吸収層3に接して形成する場合は、光重合開始剤には色素含有光吸収層3中の色素劣化を防ぐ意味で、上記式[1]乃至は上記式[2]の化合物を用いるのが好ましい。この場合、光重合開始剤の暗色樹脂組成物中に於ける添加量は、バインダ樹脂と光吸収性色材の合計量に対して、1〜5質量%が好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。光重合開始剤の添加量が1質量%未満であると、光重合性化合物を十分に光重合させることができず硬化が不十分となるおそれがあり、5質量%を超えると、コスト高となる上、ネオン光吸収色素の劣化を助長するおそれがある。
【0061】
一方、光吸収部2bが色素含有光吸収層3に接しない位置となり、なお且つ紫外線吸収剤を含有させない場合には、光重合開始剤としては、従来公知の化合物を使用しても良い。例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤などである。
【0062】
暗色樹脂組成物は、酸化防止剤をさらに含んでいることが好ましい。酸化防止剤としては、上記で説明した光透過部形成用の樹脂組成物に含まれる酸化防止剤と同様のものを用いることができるので、ここでは詳細な説明を省略する。暗色樹脂組成物に含まれる酸化防止剤は、光透過部用の樹脂組成物に含まれる酸化防止剤と同様の効果を奏するものである。
【0063】
酸化防止剤の添加量は、バインダ樹脂と光吸収性色材の合計量に対して、0.1〜2.0質量%であることが好ましい。酸化防止剤の添加量が0.1質量%未満であると、酸化防止剤を含有させる効果が得られないおそれがあるからであり、2.0質量%を超えると、酸化防止剤が光吸収部2bからブリードアウトするおそれがあるからである。
【0064】
[コントラスト向上層の形成法]
コントラスト向上層2自体の形成法は、従来公知の方法によれば良い。すなわち、コントラスト向上層2の形成は、光重合性化合物を光重合させて形成する、いわゆるフォトポリマー法(別名2P法)で形成する。フォトポリマー法では、シリンダ状の成形型を使用すれば、透明基材1を連続シートで供給しながら連続的に成形できる点で、生産性に優れる成形方法である。
【0065】
例えば、先ず最初に、2P法で透明基材1上に、成形型と光硬化性樹脂への紫外線など光照射による光硬化によって、光吸収部2bに対応する形状の溝を有する光透過部2aを形成する。次に、前記溝のみに、暗色材料の暗色インクをワイピング法で充填し固化させて光吸収部2bを形成して、コントラスト向上層2とする。
【0066】
〔色素含有光吸収層〕
色素含有光吸収層3は、機能層の一種であり、色素を含有し光を吸収させる層である。色素含有光吸収層3としては、例えば、近赤外線吸収色素を含有する近赤外線吸収層、ネオン光吸収色素を含有するネオン光吸収層、色補正色素を含有する色補正層などが挙げられる。これらによる近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色補正機能は、それぞれに対応する色素を同じ層に混在させることで、任意の1以上の機能を1層の色素含有光吸収層3で担うことも可能となる。また、他の機能層、例えば、粘着剤層と兼用することもある。
【0067】
色素含有光吸収層3は、吸収が望まれる波長域を吸収する色素を含む層として形成されるが、代表的には、色素をバインダ樹脂中に含有する層として形成される。
【0068】
近赤外線吸収層に用いる近赤外線吸収色素としては、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、フタロシアニン系化合物、ジイモニウム系化合物、ジチオニール錯体などの有機系色素、インジウム錫酸化物、チタン酸化物、セシウム含有タングステン酸化物などの無機系色素を1種又は2種以上併用する。併用では、例えばフタロシアニン系化合物とジイモニウム系化合物との併用が、特に、可視光に対する透明性、耐光性などの点で好ましい。
【0069】
ネオン光吸収層に用いるネオン光吸収色素としては、PDPから放射されるネオン光を吸収させる色素である。ネオン光吸収色素は、上記ネオン光の中心波長を590nmとすれば、該590nm付近に最大吸収ピークを有するものが好ましい。ネオン光吸収色素としては、具体的には、シアニン系色素、オキソノール系色素、メチン系色素、サブフタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素等のネオン光吸収色素が挙げられる。これらの色素は、1種単独使用、又は2種以上併用する。
【0070】
色補正層に用いる色補正色素は、コントラスト向上フィルタによる表示画像を好みの色調(天然色、或いは天然色から多少偏移した色) に補正する為の色素である。このような色補正色素としては、有機系色素、無機系色素などであり、具体的には、アントラキノン系、ナフタレン系、などが挙げられる。これらの色素は、1種単独使用、又は2種以上併用する。
【0071】
上記色素を含有させるバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。また、粘着剤層と兼用させるときは、バインダ樹脂として、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系等の粘着剤を用いることもできる。なお、光重合開始剤による色素劣化のおそれがある場合は、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂は避けるべきである。
【0072】
色素含有光吸収層中には、必要に応じて、公知の各種添加剤を添加しても良い。例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、充填剤などである。
【0073】
〔その他の層:機能層〕
本発明によるコントラスト向上フィルタ10は、上記した層以外のその他の層を適宜有しても良い。例えば機能層である。機能層は、従来公知のコントラスト向上フィルタなどディスプレイ前面用フィルタに於ける各種機能層を適宜採用できる。この様な機能層は、大別すると光学機能を担う光学機能層と、光学機能以外の機能を担う非光学機能層がある。光学機能層の例を挙げれば、上記色素含有光吸収層以外の層として、反射防止層(防眩、反射防止、防眩及び反射防止兼用のいずれか)がある。
【0074】
また、非光学機能層の例を挙げれば、ディスプレイパネルからの電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽層、表面を保護する表面保護層やハードコート層、帯電防止層、汚染防止層、耐衝撃層、2層間の物質移動を防ぐバリア層、2層間を密着させる接着剤層(含む粘着剤層)などがある。なお、光学機能層及び非光学機能層の夫々の各層は単層で機能を兼用する事もあり、光学機能層と非光学機能層間で兼用する事もある。また、機能層は、コントラスト向上層2に於ける光透過部2a、色素含有光吸収層3と兼用することもある。
【0075】
また、機能層は、透明基材1の他方の面(コントラスト向上層2が形成されていない側の面)、透明基材1とコントラスト向上層2との間、コントラスト向上層2と色素含有光吸収層3との間、色素含有光吸収層3の面、のいずれか1以上の位置に設けることができる。
【0076】
例えば、図2で例示するコントラスト向上フィルタ10は、透明基材1の図面上方である他方の面に、機能層4を有する形態例であり、機能層4は観察者V側の最外面に位置し、反射防止層、保護層等である。
【0077】
また、図3で例示するプラズマディスプレイ装置100中に於けるコントラスト向上フィルタ10は、色素含有光吸収層3が粘着剤層としての機能を兼用する形態である。また、同図では、透明基材1の図面上方である他方の面に、反射防止層等としての機能層4も有する形態例でもある。
【0078】
B.画像表示装置:
本発明による画像表示装置は、図3の実施形態例で示す画像表示装置100の様に、上記の様なコントラスト向上フィルタ10を、ディスプレイパネル20の観察者V側の面に、色素含有光吸収層3を有する形態なので色素含有光吸収層3よりもコントラスト向上層2を観察者V側に位置させる向きで、配置した構成の画像表示装置である。
【0079】
ディスプレイパネル20には、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル、EL(電界発光)パネルなど、公知の各種ディスプレイパネルを採用することができる。
【0080】
なお、画像表示装置100は、ディスプレイパネル20、コントラスト向上フィルタ10以外に、ディスプレイ駆動回路、該駆動回路とディスプレイパネルとを接続する配線、これらを一体化してパネルモジュール化するシャーシ乃至はフレーム、さらに、ディスプレイ装置の用途に応じて、例えば、テレビジョン受像機の場合はチューナ等の各種入出力部品など、公知の各種部品、これらを収納する筐体(キャビネット)等を備えることができる。これらのその他の構成要素は、特に制限はなく、用途に応じたものとなる。
【0081】
この様な構成画像表示装置100とすることによって、前記したコントラスト向上フィルタ10に基づく効果が得られる。その結果、コントラスト向上フィルタ10が備えるコントラスト向上層2或いは更に色素含有光吸収層が、紫外線で経時的に劣化しないので、経時的な表示画像の品質低下が少ないディスプレイ装置となる。
【0082】
C.変形形態:
本発明による、コントラスト向上フィルタ10、それを用いた画像表示装置100は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、上記説明した以外のその構成要素を含んでも良い。また、上記説明した構成要素についても、上記以外の変形形態としても良い。
【0083】
例えば、光吸収部2bの断面形状は、図1例示の実施形態では全周囲が直線からなる三角形状であり、楔形状でもあったが、その他の形状でも良い。また、断面形状が、台形形状、五角形形状、六角形形状等でも良い。或いは、三角形や台形等の両方又は片方の斜辺が、折れ線化又は曲線化した形状(光吸収部2bの外側に向かって凸形状或いは凹形状)等でも良い。
【0084】
光吸収部2bの透明基材層1側(図1では上側)が光吸収部2bの外側に向かって凸形状に尖点のない滑らかな連続曲線で丸みを帯びた形状であっても良い。また、図1では、光吸収部2bは二等辺三角形形状の楔形状であり、楔形状の先端の向きは、図1の様に観察者V側としてもよく、この逆にしても良い。また、コントラスト向上層2と透明基材1との向きは、図1では、透明基材1側を観察者V側で例示したが、この逆でも良い。また、図1などでは、光吸収部2bは立体視で柱状物で、その延在方向を面方向に平行に、間隔を空けて多数配置した構成例であったが、光吸収部2bは面方向に格子状に構成されていてもよい。
【0085】
以上の様に、光吸収部2bの断面形状、光吸収部2bと光透過部2aとの形状関係を種々調整することで、ディスプレイパネルからの画像光の進行方向を調整して視野角を調整したり、外光の各種角度成分に対する光吸収量を調整したりすることができる。
【0086】
また、コントラスト向上層2はコントラストの向上効果を有し得るが、この他、画像光を正面方向など視野角を特定の方向に絞って出光することも可能であり、この機能のみに注目すれば、覗き見防止フィルタとしての機能も有し得る。
【0087】
D.用途:
本発明によるコントラスト向上フィルタは、各種画像表示装置に於けるディスプレイパネルの観察者側に配置される用途に好適に使用される。該ディスプレイパネルは、例えば、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル、EL(電界発光)パネルなどであり、なかでもプラズマディスプレイパネルは好適なパネルの一つである。
【0088】
このような本発明による画像表示装置は、テレビジョン受像機、測定機器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器、電話機、電子看板、遊戯機器、デジタルフォトフレーム、携帯情報端末等の画像表示装置として好適である。
【実施例】
【0089】
以下、本発明を実施例、及び比較例によって詳述する。
【0090】
《実施例1》
図1に例示する様な構成で、色素含有光吸収層3は機能層の粘着剤層を兼用する層として設けた、コントラスト向上フィルタ10を次の様にして作製した。
【0091】
<光透過部形成用の樹脂組成物の調製>
温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート20質量部、メトキシポリエチレングリコール(分子量400、東邦化学工業株式会社製、商品名:メトキシPEG400)5質量部を加え、40℃以下に保ちながら滴下ロートよりペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部を20分かけて滴下した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部及び触媒としてオクチル酸スズ0.0002質量部を加え80℃に昇温し、2時間保温しウレタン化反応を続け、ウレタンアクリレートAを得た。
【0092】
そして、このウレタンアクリレートA50質量部、および多官能アクリレートモノマーとしてジメチロールトリシクロデカンジアクリレート50質量部を混合したアクリレート系光重合性化合物混合物に、光重合開始剤として、前記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)819、BASF社製)2.0質量部、および紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN(登録商標)109、BASF社製)0.5質量部を混合して均一化し、光透過部形成用の樹脂組成物を調整した。
【0093】
<光吸収部形成用の暗色樹脂組成物の調製>
上記光透過部形成用の樹脂組成物と同様のアクリレート系光重合性化合物混合物を84質量部、光吸収性色材としてカーボンブラック含有の平均粒径4.0μmのアクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)16質量部、および光重合開始剤として前記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)819、BASF社製)3.0質量部、および紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN(登録商標)109、BASF社製)0.5質量部を混合して均一化し、光吸収部形成用の暗色樹脂組成物を調整した。
【0094】
<コントラスト向上層の形成>
透明基材1として、厚みが100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、品番A4300)の片面に、光透過部形成用の樹脂組成物を用いて、成形金型で連続賦型加工を行うとともに、紫外線源(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製、Dバルブ、波長350nm〜450nm近辺の出力が強い)にて紫外線(と可視光)を照射して、光透過部を形成するとともに、光透過部の表面に間隔を空けて並列して楔形の溝を多数形成した。
【0095】
次いで、上記で得られた光吸収部形成用の暗色樹脂組成物を、楔形の溝に充填し、金属製のドクターブレードで余分の暗色樹脂組成物を掻き取った後、上記と同じ紫外線源(Dバルブ)にて紫外線(と可視光)を照射して暗色樹脂組成物を硬化させることにより、光吸収部2bを形成し、コントラスト向上層2を得た。
【0096】
<色素含有光吸収層の形成>
アクリル系粘着剤(感圧性粘着剤「オリバイン(登録商標)」BPS6271:商品名、固形分27%、東洋インキ製造株式会社製)99.7質量部、および硬化剤(BXX5627:商品名、東洋インキ製造株式会社製)0.3質量部に、近赤外線吸収色素として、フタロシアニン系化合物(IR12:商品名、株式会社日本触媒製)0.05質量部、フタロシアニン系化合物(IR14:商品名、株式会社日本触媒製)0.02質量部、及びジインモニウム系化合物(IRG−068:商品名、株式会社日本触媒製)0.03質量部を配合した。更に、ネオン光吸収色素(TAP2:商品名、山田化学工業株式会社製)を0.01質量部配合した。更に、紫外線吸収剤として、Cyasorb(登録商標)UV24(サイテック社製)を4質量部、光安定剤として、TINUVINN(登録商標)144(BASF社製)を2質量部、調色色素として、KAYASET(日本化薬株式会社製)を0.1質量部、及び、層状粘土鉱物として、クニピア(登録商標)D36(クニミネ工業株式会社製)を0.05質量部配合し、混合物を得た。この混合物を十分攪拌させて色素含有光吸収層形成用の樹脂組成物を作製した。
【0097】
この樹脂組成物を厚さ38μmの中剥離性離型フィルム(東洋紡績株式会社製、E7007)上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃、2分間乾燥させ塗膜を形成した後、この塗膜上に38μmの軽剥離性離型フィルム(東洋紡績株式会社製、E7005)をラミネートし、離型フィルム間に設けられた粘着性を有する光学フィルタ層を作製した。
【0098】
<コントラスト向上フィルタの作製>
上記光学フィルタ層の軽剥離性離型フィルムを剥がし、上記コントラスト向上層2の表面と貼合することで、目的とするコントラスト向上フィルタを作製した。
【0099】
《比較例1》
実施例1において、光透過部形成用の樹脂組成物、及び光吸収部形成用の暗色樹脂組成物において、光重合開始剤を、下記式[3]で表わされる、1−ビドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア(登録商標)184、BASF社製)に変更(光透過部形成用の樹脂組成物では2.0質量部、光吸収部形成用の暗色樹脂組成物では5.0質量部)した以外、実施例1と同様の方法でコントラスト向上フィルタの作製を試みた。しかし、含有する紫外線吸収剤の影響で、光重合が不完全で充分に硬化したコントラスト向上層2が得られなかった。この為、この後の色素含有光吸収層の積層は行わなかった。
【化5】

【0100】
《性能評価》
実施例1のコントラスト向上フィルタを用いて、色素含有光吸収層の耐久性を評価した。評価は、耐光性試験で行った。そして、試験開始前と試験後との間での、近赤外線吸収機能とネオン光吸収機能とは透過率の変化量で、色補正機能はフィルタの透過色度の色味の変化度合いで調べた。
【0101】
<耐光性試験>
耐光性試験は、耐光性試験機(アトラス・サンテストXLS+、株式会社東京精機製作所社製)を用いて行われた。具体的には、出力550W/m2のキセノンランプをコントラスト向上フィルタに照射し、かつ63℃の環境下に140時間放置した。
【0102】
<分光評価および透過色度評価>
上記試験前後の透過率を、分光光度計(製品名:UV2200、株式会社島津製作所製)を用いて測定し、近赤外線吸収機能は近赤外線吸収帯域の代表波長として波長900nmでの透過率の変化で評価した。ネオン光吸収機能はネオン光吸収帯域の略中心波長である波長592nmでの透過率の変化で評価した。なお、透過率の試験前後の変化量は、下記式により求めた。
透過率の変化量=試験後の透過率(%)−試験前の透過率(%)
【0103】
また、上記試験後の透過色度を、上記分光光度計を用いて測定し、色味の変化として、JIS Z8701に準拠して透過色度(Δx,Δy)に於けるΔx及びΔyの変化も算出した。
【0104】
結果を表1に示す。
【表1】

【0105】
表1に示す様に、耐光性試験後でも、実施例1は、近赤外線吸収性能が波長900nmでの透過率が0.7%上昇する程度に留まり、またネオン光吸収性能が波長592nmでの透過率が2.8%上昇する程度に留まった。
【0106】
また、色味の変化も、Δx及びΔy共にその変化量が、実施例1は0.005以下の範囲あり、これは長期使用しても色変化が小さい観点から好ましいものである。
【0107】
《実施例2》
実施例2においては、実施例1の光透過部形成用の樹脂組成物を以下の樹脂組成物に代えた以外、実施例1と同様の方法でコントラスト向上フィルタの作製を試みた。
【0108】
<光透過部形成用の樹脂組成物の調製>
実施例2においては、実施例1で作製したウレタンアクリレートおよびジメチロールトリシクロデカンジアクリレートからなるアクリレート系光重合性化合物混合物100質量部に、光重合開始剤として、前記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)819、BASF社製)3.0質量部、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN(登録商標)109、BASF社製)0.5質量部および酸化防止剤として、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス(登録商標)1010、BASF株式会社製)1.0質量部を混合して均一化し、光透過部形成用の樹脂組成物を調整した。
【0109】
《実施例3》
実施例3においては、実施例1の光透過部形成用の樹脂組成物を以下の樹脂組成物に代えた以外、実施例1と同様の方法でコントラスト向上フィルタの作製を試みた。
【0110】
<光透過部形成用の樹脂組成物の調製>
実施例3においては、実施例1で作製したウレタンアクリレートおよびジメチロールトリシクロデカンジアクリレートからなるアクリレート系光重合性化合物混合物100質量部に、光重合開始剤として、前記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)819、BASF社製)3.0質量部、および紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN(登録商標)109、BASF社製)0.5質量部を混合して均一化し、光透過部形成用の樹脂組成物を調整した。
【0111】
《実施例4》
実施例4においては、実施例1の光透過部形成用の樹脂組成物を以下の樹脂組成物に代えた以外、実施例1と同様の方法でコントラスト向上フィルタの作製を試みた。
【0112】
<光透過部形成用の樹脂組成物の調製>
実施例4においては、実施例1で作製したウレタンアクリレートおよびジメチロールトリシクロデカンジアクリレートからなるアクリレート系光重合性化合物混合物100質量部に、光重合開始剤として、前記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)819、BASF社製)3.0質量部、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN(登録商標)109、BASF社製)1.0質量部および酸化防止剤として、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス(登録商標)1010、BASF株式会社製)1.0質量部を混合して均一化し、光透過部形成用の樹脂組成物を調整した。
【0113】
《実施例5》
実施例5においては、実施例1の光透過部形成用の樹脂組成物を以下の樹脂組成物に代えた以外、実施例1と同様の方法でコントラスト向上フィルタの作製を試みた。
【0114】
<光透過部形成用の樹脂組成物の調製>
実施例5においては、実施例1で作製したウレタンアクリレートおよびジメチロールトリシクロデカンジアクリレートからなるアクリレート系光重合性化合物混合物100質量部に、光重合開始剤として、前記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)819、BASF社製)3.0質量部、および紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN(登録商標)109、BASF社製)1.0質量部を混合して均一化し、光透過部形成用の樹脂組成物を調整した。
【0115】
《性能評価》
実施例2〜実施例5のコントラスト向上フィルタを用いて、色素含有光吸収層の耐久性を評価した。評価は、耐光性試験で行った。そして、試験開始前と試験後との間でのフィルタの透過色度の色味の変化度合いで調べた。
【0116】
<耐光性試験>
耐光性試験は、耐光性試験機(Ci4000、Atlas Material Testing Technology LLC社製)を用いて行われた。具体的には、出力550W/m2のキセノンランプをコントラスト向上フィルタに照射し、かつ63℃の環境下に140時間放置した。
【0117】
<透過色度評価>
上記試験前後の透過色度を、上記した分光光度計を用いて測定し、色味の変化として、JIS Z8701に準拠して透過色度(Δx,Δy)に於けるΔx及びΔyの変化を算出した。
【0118】
結果を表2に示す。
【表2】

【0119】
表2に示す様に、酸化防止剤を添加した実施例2および4のコントラスト向上フィルタは、酸化防止剤を添加していない実施例3および実施例5のコントラスト向上フィルタに比べて、ΔxおよびΔyが共に小さかった。この結果から、酸化防止剤を添加すると、色変化をより抑制できることが確認された。
【符号の説明】
【0120】
1 透明基材
2 コントラスト向上層
2a 光吸収部
2b 光透過部
3 色素含有光吸収層(波長吸収機能層)
4 機能層
10 コントラスト向上フィルタ
20 ディスプレイパネル
100 画像表示装置
V 観察者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線吸収剤を含有しない透明基材と、前記透明基材の一方の面に形成され、面方向に間隔を空けて多数配置された光吸収部、及び前記光吸収部の少なくとも間に設けられた光透過部を有するコントラスト向上層と、を有するコントラスト向上フィルタであって、
前記光透過部が光重合性化合物と紫外線吸収剤と光重合開始剤とを含む樹脂組成物を光重合させて形成された硬化物からなり、前記光重合開始剤が下記式[1]で表わされる化合物である、コントラスト向上フィルタ。
【化1】

(式中、R1は芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R2〜R7はそれぞれ独立して
直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
【請求項2】
上記式[1]で表わされる化合物が、下記式[2]で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである、請求項1に記載のコントラスト向上フィルタ。
【化2】

【請求項3】
前記樹脂組成物が酸化防止剤をさらに含む、請求項1又は2に記載のコントラスト向上フィルタ。
【請求項4】
上記光吸収部が、光重合性化合物と紫外線吸収剤と光重合開始剤と光吸収性色材を含む暗色樹脂組成物を光重合させて形成された硬化物からなり、前記暗色樹脂組成物中の前記光重合開始剤が上記式[1]又は上記式[2]で表わされる化合物である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコントラスト向上フィルタ。
【請求項5】
前記暗色樹脂組成物が酸化防止剤をさらに含む、請求項4に記載のコントラスト向上フィルタ。
【請求項6】
さらに、色素を含有する色素含有光吸収層を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコントラスト向上フィルタ。
【請求項7】
前記色素含有光吸収層が近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、及び色補正機能から選ばれる1種以上の機能を担う層である、請求項6に記載のコントラスト向上フィルタ。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコントラスト向上フィルタを、ディスプレイパネルの観察者側に備える、画像表示装置。
【請求項9】
請求項6又は7に記載のコントラスト向上フィルタを、前記色素含有光吸収層よりもコントラスト向上層を観察者側に位置させる向きで、備える、画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−194522(P2012−194522A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196366(P2011−196366)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】