説明

コントローラー

【課題】部品点数を少なくした構成で、操作つまみが、無理な力を受けても、ボリュームに悪影響を与える力を加えることがなく、適正な位置に保持されるコントローラーを提供することを目的とする。
【解決手段】操作つまみ4とボリューム7を緩嵌状態に連結し、操作つまみ4の外周に外方に向くフランジ8を設け、ケース2の基板挿入口10にフランジ8より径の小さいつまみ挿通孔13aを有した前面板14と、前面板14との間に間隙をとって設けられボリューム用孔15を有した底面板16とからなる閉鎖プレート3を固定し、操作つまみ4を、フランジ8が閉鎖プレート4の間隙内に位置するようにして取り付けることにより、操作つまみ4が無理な力を受けても、ボリューム7に悪影響を与える力を加えることがなく、適正な位置に保持されることが、少ない部品点数で構成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボリュームを回転させて抵抗値を変化させることにより、電気機器の運転状態を変化させることができるコントローラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のコントローラーとして、ボリュームの抵抗値を変化させ、照明器具に供給する電力量を変化させて調光する調光器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の調光器は、箱体の内部に、回転式のボリュームおよび電気素子などが装着された制御手段としての制御基板が収納され、蓋体によって箱体を閉塞し、箱体と蓋体の間には、ボリュームの操作軸を挿通する挿通孔を有する中蓋が取り付けられ、操作軸には操作子が取り付けられ、さらに蓋体には、操作子を挿通する挿通孔を形成するとともに、プレートを取り付け、プレートには化粧プレートを取り付けた構成としたものである。
【特許文献1】特開平6−310285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のコントローラーでは、箱体の内部を中蓋によって閉塞し、それを蓋体によって閉塞し、さらに、これらをプレートと化粧プレートによって覆う構成で、部品点数が多くなり、また、ボリュームに操作子が取り付けられているので、操作子に無理な力が加わると、そのままボリュームにその力が加わってしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡単な構造で操作つまみは、無理な力を受けてもボリュームに悪影響を与える力を加えることがなく、かつ適正な位置に保持されることとなるコントローラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコントローラーは、上記目的を達成するために、電気機器の動作を制御する制御回路基板をケースにその前面の基板挿入口から収納し、前記制御回路基板に設けたボリュームを前記ケース外から操作するための操作つまみを前記ボリュームに取り付けたコントローラーであって、前記操作つまみと前記ボリュームを緩嵌状態に連結し、前記操作つまみの連結側端部の外周に外方に向くフランジを環状に設け、前記ケースの基板挿入口に閉鎖プレートを固定し、前記閉鎖プレートは、前記フランジより径の小さいつまみ挿通孔を有した前面板と、前記前面板との間に間隙をとって設けられ前記ボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した底面板とからなり、前記操作つまみを、前記フランジが前記閉鎖プレートの間隙内に位置するようにして取り付けるものである。
【0007】
また、他の手段は、閉鎖プレートは、ボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した1枚のプレートで、前記閉鎖プレートの前記ボリューム用孔の周囲を前面に対し段差状に一段低くした底面部を形成し、段差を形成する垂直部を切り欠いて操作つまみのフランジの挿入開口を形成してなるものである。
【0008】
また、他の手段は、操作つまみを挿通させるつまみ用孔を有し、ケースの前面側を覆い固定される化粧カバーの裏面に、閉鎖プレートの挿入開口に挿入されない側の操作つまみのフランジに当接するリブを設けたものである。
【0009】
また、他の手段は、操作つまみのフランジの外周端部に突起を設け、閉鎖プレートの裏面の前記突起の回動範囲に、前記突起の係合する溝を設けたものである。
【0010】
また、他の手段は、ケースの基板挿入口の対向する側端部と閉鎖プレートの対向する側端部とに、係止し合う複数対の係止突起と係止穴を設け、前記複数対の係止突起と係止穴は前記対向する側端部において非対称に配置されたものである。
【0011】
また、他の手段は、閉鎖プレートの裏面に、前記閉鎖プレートの固定時に制御回路基板のプリント板に当接する基板押さえボスを設けたものである。
【0012】
また、他の手段は、化粧カバーの表面に貼付され制御内容等を印刷したフィルム状の化粧シートに、前記化粧カバーのつまみ用孔に対応する位置で前記つまみ用孔より径の小さい孔が形成されたものである。
【0013】
また、他の手段は、電気機器と制御回路基板とを導通接続するコネクターをケース内に収納しその接続口を前記ケース外に位置させて固定し、前記ケースの前記コネクター収納部分を裏面方向に段差状に突出させ、前記コネクターを接続口が前記ケース裏面の段差状に突出しない面側に向くように配設したものである。
【0014】
また、他の手段は、コネクターの接続口が向く方向のケース裏面に、コードクリップと、前記ケース裏面の側端部に段差状の突出方向に突壁を設けたものである。
【0015】
また、他の手段は、ケース裏面における突出部が前記ケース裏面の上部側に形成され、前記突出部の下面側で接続口を下方に向けてコネクターが配設されたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、操作つまみとボリュームを緩嵌状態に連結し、前記操作つまみの連結側端部の外周に外方に向くフランジを環状に設け、ケースの基板挿入口に閉鎖プレートを固定し、閉鎖プレートは、フランジより径の小さいつまみ挿通孔を有した前面板と、前面板との間に間隙をとって設けられボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した底面板とからなり、操作つまみを、フランジが閉鎖プレートの間隙内に位置するようにして取り付けることにより、操作つまみは、無理な力を受けてもボリュームに悪影響を与える力を加えることがなく、かつ適正な位置に保持されるという効果のあるコントローラーを提供することができる。
【0017】
また、閉鎖プレートは、ボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した1枚のプレートで、閉鎖プレートのボリューム用孔の周囲をに対し段差状に一段低くした低面部を形成し、段差を形成する垂直部を切り欠いて操作つまみのフランジの挿入開口を形成してなることにより、上記効果を少ない部品で達成することができる。
【0018】
また、操作つまみを挿通させるつまみ用孔を有し、ケースの前面側を覆い固定される化粧カバーの裏面に、閉鎖プレートの挿入開口に挿入されない側の操作つまみのフランジに当接するリブを設けたことにより、操作つまみに対する抜け止め効果が高まるとともに、操作つまみによる操作時にボリュームに良好な状態で操作力が加わる。
【0019】
また、操作つまみのフランジの外周端部に突起を設け、閉鎖プレートの裏面の前記突起の回動範囲に、前記突起の係合する溝を設けたことにより、コントローラー組立時、閉鎖プレートと操作つまみの取付け作業が安定した状態で容易にできる。
【0020】
また、ケースの基板挿入口の対向する側端部と閉鎖プレートの対向する側端部とに、係止し合う複数対の係止突起と係止穴を設け、前記複数対の係止突起と係止穴は前記対向する側端部において非対称に配置されたことにより、操作つまみのボリュームへの嵌合連結時に、間違った方向でボリュームに無理な力を加えることが防止できる。
【0021】
また、閉鎖プレートの裏面に、閉鎖プレートの固定時に制御回路基板のプリント板に当接する基板押さえボスを設けたことにより、ボリュームは、これ自体が取り付けられたプリント板が安定した状態に固定されているので、操作つまみの操作力を安定した状態で受けることができる。
【0022】
また、化粧カバーの表面に貼付され制御内容等を印刷したフィルム状の化粧シートに、化粧カバーのつまみ用孔に対応する位置でつまみ用孔より径の小さい孔が形成されたことにより、化粧カバーのつまみ用孔から侵入した埃等がボリュームの動作に支障を与えるのを阻止でき、また、化粧シートがその孔と化粧カバーのつまみ用孔とが若干ずれて貼付されても、つまみ用孔の縁部が露出しにくく、見栄えを維持することができる。
【0023】
また、電気機器と制御回路基板とを導通接続するコネクターをケース内に収納しその接続口をケース外に位置させて固定し、ケースのコネクター収納部分を裏面方向に段差状に突出させ、コネクターを接続口がケース裏面の段差状に突出しない面側に向くように配設したことにより、ケースから引き出すケーブルを、スイッチボックス内で引き回すことが可能となる。
【0024】
また、コネクターの接続口が向く方向のケース裏面に、コードクリップと、ケース裏面の側端部に段差状の突出方向に突壁を設けたことにより、コードクリップによってケーブルのコネクターへの接続を保持するとともに、コントローラー取付け時のねじ締めからケーブルを保護できる。
【0025】
また、ケース裏面における突出部がケース裏面の上部側に形成され、突出部の下面側で接続口を下方に向けてコネクターが配設されたことにより、万一、スイッチボックス内に水が侵入してケーブルを伝ったとしても、制御回路基板に伝っていくことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の請求項1記載のコントローラーは、操作つまみとボリュームを緩嵌状態に連結し、操作つまみの連結側端部の外周に外方に向くフランジを環状に設け、ケースの基板挿入口に閉鎖プレートを固定し、前記閉鎖プレートは、前記フランジより径の小さいつまみ挿通孔を有した前面板と、前記前面板との間に間隙をとって設けられ前記ボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した底面板とからなり、前記操作つまみを、前記フランジが前記閉鎖プレートの間隙内に位置するようにして取り付けるものであり、ボリュームは操作つまみに緩嵌状態に連結されているので、操作つまみに押す方向、引っ張る方向のいずれの方向に無理な力がかかっても、ボリュームに無理な力が加わらず、一方、操作つまみはボリューム側に押し込まれたり引き抜かれたりすることがないという作用を有する。
【0027】
また、請求項2記載のコントローラーは、閉鎖プレートは、ボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した1枚のプレートで、前記閉鎖プレートの前記ボリューム用孔の周囲を前面に対し段差状に一段低くした底面部を形成し、段差を形成する垂直部を切り欠いて操作つまみのフランジの挿入開口を形成してなるとしたものであり、1枚の閉鎖プレートで請求項1記載のコントローラーの作用を奏することができる。
【0028】
また、請求項3記載のコントローラーは、操作つまみを挿通させるつまみ用孔を有し、ケースの前面側を覆い固定される化粧カバーの裏面に、閉鎖プレートの挿入開口に挿入されない側の操作つまみのフランジに当接するリブを設けたものであり、化粧カバーのリブが挿入開口に挿入されていない側のフランジに当接することによって、操作つまみの全周にわたって抜け止めの作用が及ぶとともに、操作つまみの操作時に均一な操作力がボリュームに伝わる。
【0029】
また、請求項4記載のコントローラーは、操作つまみのフランジの外周端部に突起を設け、閉鎖プレートの裏面の前記突起の回動範囲に、前記突起の係合する溝を設けたものであり、コントローラーの組立時、操作つまみのフランジを閉鎖プレートの挿入開口に挿入した状態で操作つまみをボリュームに嵌合する際、突起と溝の係合により、操作つまみをボリュームと嵌合するおおよその位置に置くことができるとともに、外れにくい状態にして作業をすることができる。
【0030】
また、請求項5記載のコントローラーは、ケースの基板挿入口の対向する側端部と閉鎖プレートの対向する側端部とに、係止し合う複数対の係止突起と係止穴を設け、前記複数対の係止突起と係止穴は前記対向する側端部において非対称に配置されたものであり、操作つまみを閉鎖プレートと組み合わせた状態でボリュームに嵌合して連結するとき、間違った方向でその作業をすることが防止できる。
【0031】
また、請求項6記載のコントローラーは、閉鎖プレートの裏面に、前記閉鎖プレートの固定時に制御回路基板のプリント板に当接する基板押さえボスを設けたものであり、ボリュームを設けたプリント板が、閉鎖プレートの基板押さえボスによってがたつかないように安定した状態に取り付けられることとなる。
【0032】
また、請求項7記載のコントローラーは、化粧カバーの表面に貼付され制御内容等を印刷したフィルム状の化粧シートに、前記化粧カバーのつまみ用孔に対応する位置で前記つまみ用孔より径の小さい孔が形成されたものであり、化粧カバーのつまみ用孔からケース内に埃等が侵入するのを減少させることができる。
【0033】
また、請求項8記載のコントローラーは、電気機器と制御回路基板とを導通接続するコネクターをケース内に収納しその接続口を前記ケース外に位置させて固定し、前記ケースの前記コネクター収納部分を裏面方向に段差状に突出させ、前記コネクターを接続口が前記ケース裏面の段差状に突出しない面側に向くように配設したものであり、ケースを部分的に裏面側へ突出させることにより、制御回路基板にコネクターを介して接続されケース外に引き出すケーブルを、壁面等に埋め込んでコントローラーを収納取付けするスイッチボックス内において、挟み込んだりすることなく引き回すことができる。
【0034】
また、請求項9記載のコントローラーは、コネクターの接続口が向く方向のケース裏面に、コードクリップと、前記ケース裏面の側端部に段差状の突出方向に突壁を設けたものであり、コードクリップによって制御回路基板に導通接続したコネクターに大きな引張り力がかかるのを防止し、また、コントローラー取付け時にケースの側外方でねじ止めする際、突壁によってねじによるケーブルへの傷つけを防止する。
【0035】
また、請求項10記載のコントローラーは、ケース裏面における突出部が前記ケース裏面の上部側に形成され、前記突出部の下面側で接続口を下方に向けてコネクターが配設されたものであり、ケーブルが下方から上方に向いてコネクターに接続される。
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0037】
(実施の形態1)
コントローラー1は、図1に示す操作つまみ4を回すことによって,例えば、換気扇の風量を任意に変更することができる。コントローラー1は、ケース2、閉鎖プレート3、操作つまみ4、化粧カバー5、ケース2内に収納された制御回路基板6を主な構成要素としている。
【0038】
制御回路基板6には回転式のボリューム7が実装されており、はんだ付けにより制御回路基板6に固定されている。ボリューム7は円柱状に操作部7aが伸び、円柱状の先端部が軸方向に切り落とされてDカット状となっており、ケース2外から操作されるように操作つまみ4が緩嵌状態に連結され、操作つまみ4はDカット部により空回りすること確実に回転させることができる。また、操作つまみ4の連結側端部の外周に外方に向くフランジ8を環状に設け、フランジ8の外周端部の一箇所に突起9を設けている。
【0039】
ケース2には前面に基板挿入口10が形成され、そこから制御回路基板6を収納する。また、ケース2と基板挿入口10に固定される閉鎖プレート3との固定手段は、係止穴11と係止突起12との係止によるものとし、基板挿入口10の対向する側端部に係止穴11を設け、閉鎖プレート3の対向する側端部に係止突起12を設けている。係止穴11と係止突起12は対向する側端部において非対称に配置することによって、操作つまみ4を閉鎖プレート3と後述するように組み合わせた状態でボリューム7に嵌合して連結するとき、間違った方向でその作業をすることが防止できる。
【0040】
制御回路基板6を覆うようにケース2に固定される閉鎖プレート3は、図2に示すように、1個の部品にて構成されており、操作つまみ4に設けられたフランジ8より径の小さい半円状のつまみ挿通孔13aを有した前面板14と、前面板14との間に間隙をとって設けられ、ボリューム7の回転軸を通すボリューム用孔15を有した底面板16とからなり、底面板16はボリューム用孔15の周囲が前面に対し段差状に一段低くなった底面部となっており、段差を形成する垂直部を切り欠いて操作つまみ4のフランジ8の略1/2が挿入される挿入開口17を形成しており、さらに、つまみ挿通孔13aに連続してフランジ8より径の大きい半円状のフランジ挿通孔13bを形成することによって、操作つまみ4のフランジ8の略1/2を、閉鎖プレート3の前面板14側から前面板14と底面板16の間隙内に位置させることができる。
【0041】
また、図3に示すように、閉鎖プレート3の裏面には、閉鎖プレート3のケース2への固定時に制御回路基板6のプリント板18(図1参照)に当接する基板押さえボス19を設けており、この基板押さえボス19により、閉鎖プレート3を固定した際、制御回路基板6のプリント板18もケース2にがたつきがないように安定した状態で取り付けられることとなる。
【0042】
上記構成により、操作つまみ4は、ボリューム7に緩嵌状態に連結されているので、フランジ8が閉鎖プレート3の前面板14および底面板16に当接して回転軸方向への動きが規制され、操作つまみ4に押す方向、引っ張る方向のいずれの方向に無理な力がかかっても、ボリューム7に無理な力が加わらないため、ボリューム7を固定しているはんだの剥がれやプリント板18の損傷などの悪影響を受けることがなく、一方、操作つまみ4は、ボリューム7側に押し込まれたり、引き抜かれることによってボリューム7やプリント板18が露出することがない。また、閉鎖プレート3を1個の部品にて構成することができるため、部品点数を少なくすることによるコスト削減、および組み立て工程を簡易化することができる。
【0043】
そして、図3に示すように、閉鎖プレート3の前面板14の裏面には、操作つまみ4に設けた突起9の回動範囲に、突起9の係合する溝20を設けることにより、コントローラー1の組立時、操作つまみ4のフランジ8を閉鎖プレート3の挿入開口17に挿入して組み合わせた状態で操作つまみ4をボリューム7に嵌合する際、突起9と溝20の係合によって、操作つまみ4をボリューム7と嵌合するおおよその位置に置くことができるとともに、外れにくい状態にして作業をすることができるため、組み立て作業が安定した状態で容易に行うことができる。
【0044】
また、図4に示すように、ケース2と閉鎖プレート3の前面を覆い、コントローラー1の外観として取り付けられる化粧カバー5は、操作つまみ4を挿通させるつまみ用孔21を有し、裏面に、閉鎖プレート3の挿入開口17に挿入されない側のフランジ8、すなわち、フランジ挿通孔13b側に位置するフランジ8の半円部に当接するリブ22を設けている。
【0045】
さらに、図5に示すように、化粧カバー5の表面に貼付され制御内容等を印刷したフィルム状の化粧シート23は、化粧カバー5のつまみ用孔21に対応する位置でつまみ用孔21より径の小さい孔24が形成されている。
【0046】
上記構成により、化粧カバー5のリブ22が挿入開口17に挿入されていない側のフランジ8に当接することによって、操作つまみ4の全周にわたって抜け止めの作用が及ぶとともに、操作つまみ4のフランジ8の面を回転軸に対して垂直な平面に保つことができるため、操作つまみ4の操作時に均一な操作力がボリューム7に伝わることとなる。
【0047】
また、化粧カバー5に貼付する化粧シート23の孔24を化粧カバー5のつまみ用孔21より小さくすることによって、化粧カバー5のつまみ用孔21からケース2内に埃等が侵入するのを減少させる効果が高まり、つまみ用孔21から侵入した埃等がボリューム7の動作に支障を与えるのを阻止できるとともに、化粧シート23がその孔24と化粧カバー5のつまみ用孔21とが若干ずれて貼付されても、つまみ用孔21の縁部が露出しにくく、見栄えを維持することができる。
【0048】
そして、コントローラー1により、例えば換気風量を調整される換気扇本体の制御回路部分とコントローラー1の制御回路基板6との導通は、両端にコネクターを有したケーブルを用いて行われる。
【0049】
図6に示すように、上記ケーブルのコネクターと接続するコントローラー1側のコネクター25は、ケース2内に収納して、その接続口26を前記ケース2外に位置させて固定され、ケース2のコネクター25の収納部分を、ケース裏面方向に段差状に突出する突出部27として形成し、ケース2裏面の上部側に位置させており、突出部27の下面側で接続口26を下方に向けてコネクター25が配設されている。
【0050】
また、コネクター25の接続口26が向く方向のケース2裏面に、コードクリップ28と、ケース2裏面の側端部に突出部27の突出方向に突壁29を有しており、コードクリップ28はねじ30により固定されており、コードクリップ28の両側方にはリブ31が設けられ、コードクリップ28がねじ30を軸中心として回転方向に動かないように規制している。
【0051】
上記構成により、コネクター25を収納している部分のケース2を部分的に裏面側へ突出させることにより、コネクター25を接続してケース2裏面のコードクリップ28でケーブルを固定すると、ケース2裏面の段差状になっている凹部にケーブルを引き廻すことになり、ケーブルがケース2裏面に安定して固定され、ケース2裏面の有効高さも低く抑えることができるため、壁面等に埋め込んでコントローラー1を収納取付けするスイッチボックス内において、挟み込んだりすることなく引き回すことができる。また、コネクター25の接続口26が下方に向いているため、ケーブルが下方から上方に向いてコネクター25に接続され、万一、スイッチボックス内に水が侵入してケーブルを伝ったとしても、制御回路基板6に伝っていくことがなくなる。さらに、回り防止をするコードクリップ28でケーブルを固定することによって、制御回路基板6に導通接続したコネクター25に大きな引張り力がかかるのを防止し、また、ケース2裏面の側端部に設けた突壁29によって、ケース2裏面でのケーブルの引き廻しの際、ケース2裏面からケーブルがはみ出すことを防ぐことができ、コントローラー1取付け時にケース2の側外方でねじ止めする際、ねじによるケーブルへの傷つけを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係るコントローラーは、操作つまみに無理な力を受けても、ボリュームに悪影響を与える力を加えることがなく、かつ適正な位置に保持することができるので、内部にボリュームを内蔵したコントローラーに広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1のコントローラーを示す分解斜視図
【図2】同コントローラーの閉鎖プレートを示す斜視図
【図3】同閉鎖プレートの裏面側を示す斜視図
【図4】同コントローラーの化粧カバーの裏面側を示す斜視図
【図5】同化粧カバーへの化粧シート貼付前を示す斜視図
【図6】同コントローラーの裏面側を示す斜視図
【符号の説明】
【0054】
1 コントローラー
2 ケース
3 閉鎖プレート
4 操作つまみ
5 化粧カバー
6 制御回路基板
7 ボリューム
8 フランジ
9 突起
10 基板挿入口
11 係止穴
12 係止突起
13a つまみ挿通孔
14 前面板
15 ボリューム用孔
16 底面板
17 挿入開口
18 プリント板
19 基板押さえボス
20 溝
21 つまみ用孔
22 リブ
23 化粧シート
24 孔
25 コネクター
26 接続口
27 突出部
28 コードクリップ
29 突壁
30 ねじ
31 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の動作を制御する制御回路基板をケースにその前面の基板挿入口から収納し、前記制御回路基板に設けたボリュームを前記ケース外から操作するための操作つまみを前記ボリュームに取り付けたコントローラーであって、前記操作つまみと前記ボリュームを緩嵌状態に連結し、前記操作つまみの連結側端部の外周に外方に向くフランジを環状に設け、前記ケースの基板挿入口に閉鎖プレートを固定し、前記閉鎖プレートは、前記フランジより径の小さいつまみ挿通孔を有した前面板と、前記前面板との間に間隙をとって設けられ前記ボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した底面板とからなり、前記操作つまみを、前記フランジが前記閉鎖プレートの間隙内に位置するようにして取り付けることを特徴とするコントローラー。
【請求項2】
閉鎖プレートは、ボリュームの回転軸を通すボリューム用孔を有した1枚のプレートで、前記閉鎖プレートの前記ボリューム用孔の周囲を前面に対し段差状に一段低くした底面部を形成し、段差を形成する垂直部を切り欠いて操作つまみのフランジの挿入開口を形成してなる請求項1記載のコントローラー。
【請求項3】
操作つまみを挿通させるつまみ用孔を有し、ケースの前面側を覆い固定される化粧カバーの裏面に、閉鎖プレートの挿入開口に挿入されない側の操作つまみのフランジに当接するリブを設けた請求項2記載のコントローラー。
【請求項4】
操作つまみのフランジの外周端部に突起を設け、閉鎖プレートの裏面の前記突起の回動範囲に、前記突起の係合する溝を設けた請求項2記載のコントローラー。
【請求項5】
ケースの基板挿入口の対向する側端部と閉鎖プレートの対向する側端部とに、係止し合う複数対の係止突起と係止穴を設け、前記複数対の係止突起と係止穴は前記対向する側端部において非対称に配置された請求項1〜4のいずれかに記載のコントローラー。
【請求項6】
閉鎖プレートの裏面に、前記閉鎖プレートの固定時に制御回路基板のプリント板に当接する基板押さえボスを設けた請求項1〜5のいずれかに記載のコントローラー。
【請求項7】
化粧カバーの表面に貼付され制御内容等を印刷したフィルム状の化粧シートに、前記化粧カバーのつまみ用孔に対応する位置で前記つまみ用孔より径の小さい孔が形成された請求項3記載のコントローラー。
【請求項8】
電気機器と制御回路基板とを導通接続するコネクターをケース内に収納しその接続口を前記ケース外に位置させて固定し、前記ケースの前記コネクター収納部分を裏面方向に段差状に突出させ、前記コネクターを接続口が前記ケース裏面の段差状に突出しない面側に向くように配設した請求項1または2記載のコントローラー。
【請求項9】
コネクターの接続口が向く方向のケース裏面に、コードクリップと、前記ケース裏面の側端部に段差状の突出方向に突壁を設けた請求項8記載のコントローラー。
【請求項10】
ケース裏面における突出部が前記ケース裏面の上部側に形成され、前記突出部の下面側で接続口を下方に向けてコネクターが配設された請求項10記載のコントローラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−135161(P2010−135161A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309398(P2008−309398)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】