コントローラ及び情報処理システム
【課題】遊び量を調節することができるコントローラ及び情報処理システムを提供すること。
【解決手段】入力操作に応じた操作信号を情報処理装置に出力するコントローラは、入力操作を検出する操作子5と、操作子5の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備える。操作子5は、入力操作に応じて所定方向に変位する操作部51と、操作部51を所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段54と、操作部51の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した操作部51に当接して、操作部51の変位を規制する規制部524と、規制部524に当接してからの操作部51の変位に対して反力を発生させる反力発生手段56と、規制部524を前記可能範囲内で移動させる移動手段56とを備える。制御手段は、移動手段を制御する移動手段制御部と、反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備える。
【解決手段】入力操作に応じた操作信号を情報処理装置に出力するコントローラは、入力操作を検出する操作子5と、操作子5の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備える。操作子5は、入力操作に応じて所定方向に変位する操作部51と、操作部51を所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段54と、操作部51の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した操作部51に当接して、操作部51の変位を規制する規制部524と、規制部524に当接してからの操作部51の変位に対して反力を発生させる反力発生手段56と、規制部524を前記可能範囲内で移動させる移動手段56とを備える。制御手段は、移動手段を制御する移動手段制御部と、反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に接続され、当該情報処理装置に入力操作に応じた操作信号を出力するコントローラ、及び、当該コントローラを備えた情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PC(Personal Computer)やゲーム機等の情報処理装置に用いられるコントローラが知られている。このようなコントローラは、使用者によって操作され、当該操作に応じた操作信号を情報処理装置に出力することによって、当該情報処理装置に所定の処理を実行させる。例えば、このようなコントローラとして、例えば、ゲーム機に用いられる上下左右の方向キー及び複数の操作キーが配設されたコントローラ(例えば、特許文献1参照)、自動車ゲームに用いられるハンドル型のコントローラ(例えば、特許文献2参照)、及び、捻り動作及び曲げ動作を入力操作とするコントローラ(例えば、特許文献3参照)等が知られている。また、情報処理装置が、機械の動作を制御する制御装置として構成されている場合には、スティック型のコントローラ等が知られている。
【0003】
近年、このようなコントローラは、より現実的は操作感を実現可能に構成されてきており、使用者にとっての利便性が図られ、ゲームにおいてはより高い臨場感を操作者に提供している。すなわち、使用者がコントローラではなく、本物の道具を操作している操作感を実現したコントローラが知られている。このようなコントローラとして、釣りゲームを実行するゲーム機に用いられる、実際の釣具を模したコントローラが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
この特許文献4に記載のコントローラでは、通常状態でハンドルを回すと、駆動輪及びブレーキドラムは一体的に円滑に回転し、当該ブレーキドラムと摩擦糸との間では、ほとんど摩擦等が生じずに空回りする。また、負荷状態では、摩擦糸を引っ張る方向にモータが駆動し、当該摩擦糸に張力が付加されるので、回転しているブレーキドラムと摩擦糸との間に摩擦力が生じる。このため、駆動輪に負荷がかかることとなり、ハンドルの回転が重くなる。このように構成することにより、釣りゲームにおいては、魚を釣るときの現実的な感触をコントローラにて再現することができる。
【0005】
また、例えば、物体の硬さを表現可能に構成されたコントローラが知られている。このようなコントローラは、キーの入力方向に対する反力を生じさせるものであり、操作者がキーを入力する際に、表現する物体の硬さに応じて、例えば、硬い物を握ったり押したりする場合には、反力を強くし、また、柔らかい物を握ったり押したりする場合には、反力を弱くする。このような機構により、物体の硬さを表現することが可能となる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−290578号公報
【特許文献2】特開2002−224444号公報
【特許文献3】特開2004−167219号公報
【特許文献4】特開2000−296263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のコントローラでは、遊び量を可変にできないという課題がある。すなわち、前述の特許文献2、特許文献3及び特許文献4にそれぞれ記載のコントローラの場合には、遊び量が調節できないため、画像表示装置の画面上で操作する車や釣具が変わった場合でも、同じ操作感覚になってしまうという問題がある。また、物体の硬さを表現可能な前述のコントローラの場合には、遊び量が調節できないため、同じ硬さであっても大きさの異なる物体を表現することができないという問題がある。
このような問題から、遊び量を調節でき、実際の物体を操作しているような感覚を得られるコントローラが要望されてきた。
【0008】
本発明の目的は、遊び量を調節することができるコントローラ及び情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した目的を達成するために、本発明のコントローラは、情報処理装置に接続され、入力操作に応じた操作信号を前記情報処理装置に出力するコントローラであって、入力操作を検出する操作子と、前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、前記操作子は、前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、前記規制部を前記可能範囲内で移動させる移動手段とを備え、前記制御手段は、前記移動手段を制御する移動手段制御部と、前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
このようなコントローラとして、例えば、操作者によって把持され、手の各指による握り操作を検出するコントローラ等を挙げることができる。
本発明によれば、操作者が操作部に対して入力操作(具体的には、押圧操作)を行うと、当該操作部は所定方向に変位する。この変位の後、操作部が、当該操作部の可動範囲内に配置された規制部に当接し、さらに操作部に対する入力操作が行われ、当該操作部が所定方向に変位すると、規制部は当該所定方向に変位する。このような操作部の変位に対する反力を反力発生手段が発生させるので、当該操作部の所定方向への変位に対して抵抗が生じることとなる。ここで、反力発生手段は、反力発生手段制御部による制御下で駆動するので、当該反力発生手段制御部が、操作部を変位させる操作者の押圧力に抗する反力の大きさを調整することにより、操作部への入力操作に対する抵抗を大きくしたり小さくしたりすることができる。従って、操作者によって操作される操作部が、仮想の物体の表面を表している場合に、当該仮想の物体の硬さを表現することができる。
【0011】
一方、入力操作に応じて変位した操作部が当接する規制部は、移動手段により、当該操作部の可動範囲内の所定の位置に配置される。このため、移動手段制御部による制御下で、移動手段が駆動することにより、規制部を、当該可動範囲内の任意の位置に配置することができる。これによれば、反力発生手段による反力の発生開始位置である規制部の位置を任意に変更することができ、これにより、操作部が規制部に当接するまでの距離、すなわち、操作部の遊び量を調節することができる。従って、操作者によって操作される操作部が、仮想の物体の表面を表しているような場合には、規制部の位置を変更して遊び量を調整することにより、当該仮想の物体の大きさを表現することができる。
【0012】
本発明では、前記操作子は、前記操作部の変位に応じて移動する前記規制部の位置を検出する位置検出手段を備え、前記移動手段制御部は、前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置に応じて、前記移動手段を制御することが好ましい。
本発明によれば、位置検出手段により検出された規制部の位置に応じて、移動手段制御部は、移動手段の駆動を制御する。これによれば、移動手段が移動させた規制部の位置を、位置検出手段が検出し、当該規制部の位置を移動手段制御部にフィードバックさせることにより、移動手段制御部が、更に移動手段を駆動させるか否かを判定することができる。従って、操作部の可動範囲における規制部の配置位置の精度を高めることができる。
また、位置検出手段により規制部の位置を検出することにより、当該規制部に操作部が当接してからの当該操作部の変位量、すなわち、操作者による入力量を検出することができる。
【0013】
本発明では、前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置を、前記情報処理装置に出力する位置出力部を備えることが好ましい。
本発明によれば、前述のように、位置検出手段により、操作部の変位量(入力量)を検出することができる。従って、当該変位量(入力量)を、位置出力部が情報処理装置に出力することにより、操作者による操作部の入力状態を情報処理装置に適切に出力することができる。
【0014】
本発明では、前記操作子は、前記入力操作に応じて前記操作部に加えられる押圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記反力発生手段制御部は、前記圧力検出手段により検出された前記押圧力に基づいて、前記反力発生手段を制御することが好ましい。
本発明によれば、圧力検出手段によって検出される操作部に対する押圧力を取得することにより、反力発生手段制御部が、当該押圧力を指標として、反力発生手段で生じる反力を調整することができる。すなわち、発生させた反力の大きさ自体を直接検出することは困難であるが、圧力検出手段によって検出された押圧力と、当該押圧力が加わった際の規制部の位置とに基づいて、反力の大きさを把握することができ、これら押圧力及び規制部の位置を、反力発生手段制御部にフィードバックさせることにより、発生させる反力を調整することができる。従って、反力発生手段によって発生させる反力を精度よく調整することができる。
【0015】
本発明では、前記制御手段は、前記情報処理装置から出力される前記規制部の位置を示す位置情報及び前記反力の大きさを示す反力情報を取得する情報取得部を備え、前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することが好ましい。
【0016】
本発明によれば、情報処理装置から入力する位置情報及び反力情報に基づいて、移動手段制御部及び反力発生手段制御部が、移動手段及び反力発生手段をそれぞれ制御するので、当該情報処理装置により設定される遊び量及び反力を実現することができる。これによれば、例えば、情報処理装置にて所定の物体を表す画像を画像表示装置に出力して、当該画像を表示させつつ、当該物体に係る位置情報及び反力情報を、コントローラに出力することにより、操作者は、当該物体を観察しつつコントローラを操作して、当該物体をあたかも直接操作しているような現実感を得ることができる。また、このような位置情報及び反力情報を、情報処理装置がコントローラに出力することにより、コントローラ側での規制部の位置設定及び反力値設定の処理を簡略化することができる。
【0017】
本発明では、前記操作部を回動自在に支持する支持部を備え、前記規制部は、前記操作部と回動軸を同じとする筒状体に設けられ、前記移動手段及び前記反力発生手段は、前記筒状体を回動させることにより、前記規制部である前記当接部の位置を調整するとともに、当該筒状体に前記反力を付加させるアクチュエータであることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、操作部は、支持部によって回動自在に支持されているので、操作者による押圧力を受けると、支持部における支点を軸として回動する。この操作部と回動軸を同じとする筒状体には、前述の規制部が設けられているので、操作部が回動すると、当該操作部は、筒状体に設けられた規制部に当接する。この筒状体は、規制部に操作部が当接した上で、さらに操作部が回動した場合に、反力発生手段であるアクチュエータにより生じる反力を、操作部に伝達する。また、このアクチュエータは、移動手段でもあり、当該アクチュエータを駆動することにより、筒状体が回動し、当該筒状体に設けられた規制部の位置を変更する。
【0019】
これによれば、1つのアクチュエータの駆動により、規制部の位置変更、及び、操作部の回動に対する反力の発生を行うことができる。従って、操作子ひいてはコントローラの構成を簡略化することができる。また、このようなアクチュエータにより、筒状体に設けられた規制部の位置を簡易に変更することができる。さらに、操作者の入力操作に応じて操作部が直線運動する場合に比べて、当該操作部の移動範囲を小さくすることができるので、操作子ひいてはコントローラの小型化を図ることができる。
【0020】
本発明では、前記筒状体は、前記回動軸に沿う外周面に歯が形成されたギアで構成され、前記アクチュエータは、前記歯に噛合する他のギアが取り付けられるスピンドルを有することが好ましい。
ここで、他のギアを設けずに、アクチュエータにより規制部が設けられたギアを直接回動させる場合では、操作部、ギア及びアクチュエータが直線的に並ぶのに対し、本発明では、操作部の回動軸及びギアと、他のギア及びアクチュエータとが直線的に並ぶこととなる。これによれば、それぞれを分割することで、操作子ひいてはコントローラの小型化を図ることができる。
また、位置検出手段が設けられている場合には、ギアの回動角を検出することとなるが、このような場合に、ギアの回動軸と、スピンドルの回動軸とが異なるため、当該位置検出手段の設置を容易に行うことができる。従って、操作子の設計自由度を向上することができる。
【0021】
本発明では、前記操作子を内部に収納する筐体を備え、前記筐体内には、前記操作子が複数設けられ、前記操作部は、前記筐体の互いに対向する領域に、それぞれ露出して設けられていることが好ましい。
ここで、操作部が設けられる位置としては、操作者がコントローラを握った際に、親指と、人差し指及び中指の少なくともいずれかと、に対応する位置であることが好ましい。
また、互いに対向する領域とは、例えば、筐体が四角柱状に形成されている場合には、互いに対向する一対の面とすることができ、当該筐体が円柱状に形成されている場合には、筐体の軸方向の直交方向に対して交差する領域とすることができる。より具体的には、操作者側の領域、及び、当該操作者側とは反対側の領域とすることができる。
【0022】
本発明によれば、操作者により入力操作される操作部は、コントローラの筐体における互いに対向する面にそれぞれ露出して設けられている。ここで、操作子が設けられた筐体が、片手で握れる程度の寸法を有している場合には、それぞれの操作部は、親指、及び、他の指により操作されることとなる。これによれば、操作部に対する入力操作を容易に行うことができ、特に、一方の面に設けられた操作部が、人差し指及び中指の少なくともいずれかに対応する位置に設けられている場合には、当該入力操作を一層容易に行うことができる。また、仮想の物体を握る動作をコントローラに加えることで、操作部を操作することができるので、コントローラの表現力を向上することができる。
【0023】
また、本発明の情報処理システムは、入力する操作信号に応じて情報を処理する情報処理装置と、当該情報処理装置に接続され、前記情報処理装置に入力操作に応じた前記操作信号を出力するコントローラとを備えた情報処理システムであって、前記コントローラは、入力操作を検出する操作子と、前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、前記操作子は、前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、前記規制部を前記操作部の変位可能範囲内での所定位置に移動させる移動手段とを備え、前記制御手段は、前記移動手段を制御する移動手段制御部と、前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備え、前記情報処理装置は、前記コントローラに対して、前記規制部の位置を示す位置情報と、前記反力の大きさを示す反力情報とを出力する情報出力部を備え、前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、情報処理装置から入力する位置情報及び反力情報に基づいて、移動手段及び反力発生手段の動作制御を行う前述のコントローラと、同様の効果を奏することができる。
すなわち、情報処理装置から入力する反力情報に基づいて、反力発生手段制御部が、反力発生手段の駆動を制御することにより、規制部に当接した上で更に変位する操作部に抗するように反力を発生させることができる。これによれば、当該反力が操作部の変位に対する抵抗となることにより、操作者があたかも触れている仮想の物体の硬さを表現することができる。
【0025】
また、同じく情報処理装置から入力する位置情報に基づいて、移動手段制御部が、移動手段の駆動を制御することにより、規制部の位置を変更することができるので、前述の反力の発生開始位置を調整することができる。従って、操作部の変位における遊び量を任意に設定することができ、これにより、当該仮想の物体の大きさを表現することができる。
さらに、情報処理装置から入力する反力情報及び位置情報に基づいて、反力発生手段制御部及び移動手段制御部が、それぞれ反力発生手段及び移動手段を制御するので、コントローラにおける制御処理、例えば、規制部の位置設定及び反力値設定等の処理を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔情報処理システム1の全体構成〕
図1は、本実施形態の情報処理システム1の構成を示す図である。
本実施形態の情報処理システム1は、図1に示すように、所定の情報を処理する情報処理装置2と、当該情報処理装置2による処理結果が表示される画像表示装置3と、情報処理装置2に接続され、当該情報処理装置2を操作するコントローラ4とを備えて構成されている。
このうち、画像表示装置3は、情報処理装置2から入力する画像情報に基づく画像を表示する。このような画像表示装置3として、液晶、プラズマ、有機EL(electro-luminescence)及びCRT(Cathode-ray tube)等の各種ディスプレイや、プロジェクタ等を挙げることができる。
【0027】
〔情報処理装置2の構成〕
情報処理装置2は、本実施形態ではゲーム機として構成され、後述するコントローラ4から入力する操作情報に応じてゲームプログラムを処理して、当該ゲームプログラムに係るゲームを進行させるものである。また、この情報処理装置2は、ディスク型記録媒体に記録された画像情報及び音声情報を再生可能に構成されている。そして、情報処理装置2は、処理結果を示す画像に係る画像情報、例えば、図1において画像表示装置3に示した画像に係る画像情報や、再生した画像情報をディスプレイに出力し、画像表示装置3により、当該画像情報に係る画像を表示させる。
【0028】
図2は、情報処理装置2の構成を示すブロック図である。
このような情報処理装置2は、図2に示すように、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等のディスク型記録媒体に対して、情報の読取及び記録を行う光学ドライブ21と、記憶手段としてのHDD(Hard Disc Drive)22と、これら光学ドライブ21及びHDD22を含む装置全体を制御する制御手段23とを備えて構成されている。
このうち、制御手段23は、CPU(Central Processing Unit)等が実装された回路基板として構成されている。このような制御手段23は、光学ドライブ21及びHDD22から読み出したプログラムを処理するプログラム処理部231と、後述するコントローラ4に設定情報を出力する設定情報出力部232と、当該コントローラ4からの操作情報が入力する操作情報入力部233とを備えて構成されている。
なお、設定情報出力部232は、本発明の情報出力部に相当する。
【0029】
プログラム処理部231は、前述のプログラムを処理する過程で、設定情報出力部232を介して、コントローラ4に設定情報を出力する。また、このプログラム処理部231は、操作情報入力部233を介してコントローラ4から入力する操作情報に基づいて、プログラムを処理する。
このような設定情報としては、コントローラ4の後述する操作子5の遊び量情報(後述するストッパ524の位置情報)や、トルク量情報(反力情報)を挙げることができる。また、操作情報としては、後に詳述するが、当該操作子5に対する操作者の押圧力情報、及び、ストッパ524の位置情報のほか、後述するコントローラ4の各把持部41,42の回動角に係る回動角情報、及び、これら把持部41,42間の距離情報とを挙げることができる。
【0030】
〔コントローラ4の構成〕
図3は、コントローラ4の内部構造を示す模式図である。
コントローラ4は、使用者による入力操作に応じた操作信号を、情報処理装置2に出力するものである。このコントローラ4は、使用者の両手で握るように保持され、当該使用者の握り動作を検出して、情報処理装置2に操作信号を出力するとともに、当該情報処理装置2から入力する情報に応じた物体の大きさ及び硬さを実現可能に構成されている。すなわち、コントローラ4は、情報処理装置2で所定のゲームプログラムが実行され、物体を握るような状況(図1に示した画像が表示される状況)で利用され、当該物体の硬さ及び大きさを実現するとともに、操作者の握り動作を検出する。
このコントローラ4は、図3に示すように、使用者の右手及び左手でそれぞれ把持される略円筒状の筐体である右側把持部41及び左側把持部42と、これら把持部41,42を回動自在に支持する略円筒状の接続部43とを備え、全体略H字状に形成されている。
【0031】
このうち、接続部43には、右側把持部41及び左側把持部42にそれぞれ接続される軸部431,432が設けられている。
また、接続部43内には、詳しい図示を省略するが、当該軸部431,432に接続され、かつ、左側把持部42に対する右側把持部41の回動角を検出する回動角センサ433(図8参照)と、当該右側把持部41及び左側把持部42の互いに近接及び離間する方向への進退量(距離)を検出するリニアセンサ434(図8参照)とが設けられている。
さらに、接続部43には、前述の情報処理装置2とケーブル435(図1参照)を介して接続され、当該情報処理装置2から入力する設定情報に基づいて、コントローラ4全体を制御するとともに、操作信号を出力する制御手段44(図8参照)が設けられている。なお、制御手段44の構成については、後に詳述する。
【0032】
右側把持部41及び左側把持部42には、接続部43の軸部431,432が回動自在に接続されるアナログセンサ411,421がそれぞれ設けられている。このアナログセンサ411,421は、それぞれ、軸部431,432との支点を中心とする半球状の回動範囲内での当該軸部431,432の回動角を検出する。そして、これらアナログセンサ411,421は、検出した軸部431,432の回動角を、接続部43に設けられた制御手段44に出力する。
【0033】
また、右側把持部41には、3つの操作子5(5T,5F,5L)が設けられている。これら操作子5のうち、操作子5Tの操作部51(図4参照)は、右側把持部41を操作者が保持した際に、操作者側に対向する面に設けられており、また、操作子5F,5Lの操作部51は、操作者側とは反対側の面に設けられている。具体的に、操作子5Tの操作部51は、右側把持部41を操作者が右手で握った際の親指に対応する位置に設けられており、操作子5F,5Lの操作部51は、それぞれ人差し指及び中指に対応する位置に設けられている。
【0034】
〔操作子5の構成〕
図4は、操作子5の構造を示す部分断面図である。また、図5〜図7は、操作子5の構造を示す分解斜視図である。
以下、操作子5について説明する。
操作子5は、操作者の入力操作による操作部51の入力量(押込量)を検出し、当該検出された入力量を前述の制御手段44に出力する。また、操作子5は、制御手段44から入力する制御信号に応じて当該操作者の入力操作に対する反力を発生させる。この操作子5は、図4〜図7に示すように、操作部51、2つのギア52,53、ばね54、ケース55、アクチュエータ56及びポテンショメータ57を備えて構成されている。
【0035】
〔操作部51の構成〕
操作部51は、後述するケース55の第二ケース552に形成された孔部55211(図6)に回動自在に支持される。この操作部51は、板状部511と、当該板状部511の背面側(操作者に対向する側とは反対側)に取り付けられる腕部512と、当該腕部512の先端に取り付けられる軸部513とを備えて構成されている。
板状部511は、右側把持部41に形成された図示しない開口から露出し、かつ、操作者の指が当接する部材である。この板状部511は、操作者から見て略矩形状に形成されており、当該操作者の指が当接する表面には、圧力センサ5111(図8参照)が設けられている。この圧力センサ5111は、前述の制御手段44に接続され、板状部511に加わる押圧力を検出して、当該制御手段44に出力する。
【0036】
腕部512は、前述のように、板状部511の背面側の面に、当該背面から面外方向に延出するように取り付けられた平板状の部材である。この腕部512の延出方向先端側には、当該延出方向に直交する方向に、腕部512を貫通する孔部5121が形成されており、当該孔部5121には、軸部513が挿通される。
また、腕部512の一方の面には、面外方向に突出する突起部5122(図5)が形成され、また、当該一方の面に対する反対側の面にも、同様に、面外方向に突出する突起部5123(図5及び図6)が形成されている。これらピン状の突起部5122,5123の軸方向は、孔部5121の中心軸方向に沿う方向であり、軸部513の軸方向に沿う方向に設定されている。
【0037】
突起部5122は、後述するギア52及び第一ケース551に対向する側に形成され、操作部51が軸部513の軸方向を中心として回動した際に、当該軸部513に軸支されるギア52に形成されたストッパ524(図5及び図6)に当接する。
突起部5123は、後述する第二ケース552に対向する側に形成され、軸部513の外周に巻き付けられた捻りコイルばね54の端部542(図5)が係合する。
【0038】
軸部513は、下方側、すなわち、腕部512における突起部5123が形成された側から孔部5121に挿入される。
この軸部513は、4段構造の円筒状部材として形成され、当該軸部513には、それぞれ径寸法の異なる第一〜第四円筒部5131〜5134(図5及び図7)が形成されている。
このうち、第一円筒部5131は、最も径寸法が小さく形成され、当該第一円筒部5131には、ギア52が回動自在に支持される。
第二円筒部5132は、孔部5121(図5及び図7)の形状に合わせて、略円筒の一部を軸方向に沿って切り欠いた形状を有し、当該孔部5121に嵌合される。
【0039】
第三円筒部5133は、最も径寸法が大きく形成され、上端が腕部512の突起部5123が形成された面に接着固定されるほか、下端が後述する第二ケース552の孔部55211(図6及び図7)端縁に当接する。また、この第三円筒部5133の外周には、後述する捻りコイルばね54のコイル部541が巻き付けられる。
第四円筒部5134は、第二ケース552の孔部55211(図6及び図7)に挿入される。これにより、操作部51は、当該第四円筒部5134(詳しくは、第四円筒部5134の軸方向)を中心として回動可能に設定される。
【0040】
〔ギア52の構成〕
ギア52は、本発明の筒状体及びギアに相当し、外周にギア53と噛合する歯5211が形成されたギア本体521と、当該ギア本体521において、操作部51の軸部513に対向する側とは反対側に突出し、かつ、ギア本体521と同じ中心軸を有する突起部522とを備えて構成されている。また、ギア52には、当該ギア52の軸方向に沿って形成され、軸部513の第一円筒部5131が挿入される孔部523(図6)が形成されている。
【0041】
このうち、突起部522は、ケース55を構成する第一ケース551に形成された孔部5511を介して、後述するポテンショメータ57の開口571に挿入される。この突起部522は、開口571の形状に応じて、先端側が略半円形状に切り欠かれており、当該切欠部分は、突起部522が当該開口571に挿入された際に補完され、これにより、ギア52の回転が適切にポテンショメータ57に伝達される。
また、ギア52の底面(操作部51の軸部513に対向する側の面)には、面外方向に突出する略直方体形状のストッパ524(図5及び図6)が、孔部523(図6)を外した位置に形成されている。このストッパ524には、操作部51の回動に伴って当該操作部51の突起部5122(図5)が当接し、当該操作部51の回動を規制する。
【0042】
すなわち、詳しくは後述するが、操作部51が、軸部513の第四円筒部5134を軸として回動した場合、当該操作部51の突起部5122(図5)がストッパ524(図5及び図6)に当接するまでは、後述するアクチュエータ56によって生じる反力は操作部51に伝達されない。この突起部5122がストッパ524に当接するまでの距離が、遊び量となる。
【0043】
一方、突起部5122がストッパ524に当接した状態で、操作部51が更に回動した場合には、当該突起部5122が、ストッパ524を押し込むことによりギア52を回動させる。この際、当該ギア52には、ギア53を介して後述するアクチュエータ56からの反力が伝達され、操作部51の回動に対する抵抗となる。
なお、ギア本体521底面からのストッパ524の突出寸法は、孔部5121(図5及び図7)から露出する軸部513の第二円筒部5132の突出方向の寸法より小さい。
【0044】
〔ギア53の構成〕
ギア53は、後述するアクチュエータ56のスピンドル561に取り付けられ、当該アクチュエータ56によって生じる回転力を、ギア52に伝達して、当該ギア52を回転させるものである。このギア53は、外周にギア52の歯5211に噛合する歯5311が形成されたギア本体531と、当該ギア本体531と同じ中心軸を有し、かつ、後述する第二ケース552側に突出した円筒部532とを備えている。また、このギア53には、当該ギア53の中心部分を貫通し、かつ、アクチュエータ56のスピンドル561が挿入される孔部533が形成されている。
このうち、円筒部532の側面には、孔部533にスピンドル561が挿入された際に、当該スピンドル561にギア53を固定するねじ(図示省略)が螺合するねじ孔5321が形成されている。
【0045】
〔捻りコイルばね54の構成〕
捻りコイルばね54は、本発明の付勢手段に相当し、当該捻りコイルばね54には、コイル部541と、当該コイル部541を挟む一対の端部542(図5及び図7),543とが形成されている。このうち、コイル部541は、前述のように、操作部51の軸部513を構成する第三円筒部5133に巻き付けられる。また、一対の端部542,543は、それぞれ鉤状に形成され、一方の端部542は、突起部5123(図5及び図6)と係合し、他方の端部543は、第二ケース552に係止される。このような捻りコイルばね54により、操作部51は、右側把持部41の外側、詳しくは、後述する第二ケース552の起立部55223側に付勢される。
【0046】
〔ケース55の構成〕
ケース55は、操作部51の腕部512の一部と、軸部513、ギア52,53及び捻りコイルばね54とを内部に収納するものであり、平面的に見て半円形と正方形とを組み合わせたような形状を有している。このケース55は、腕部512の突起部5122側に位置する第一ケース551と、突起部5123側に位置する第二ケース552とから構成されている。
このうち、第一ケース551は、断面略U字状に形成されており、当該第一ケース551には、ギア52の突起部522が挿通する略円形状の孔部5511が形成されている。この第一ケース551内には、軸部513の第一円筒部5131、第二円筒部5132、ギア52及びギア53のギア本体531が収納される。
【0047】
第二ケース552は、側面視階段状に形成され、当該第二ケース552には、捻りコイルばね54を収納する第一収納部5521と、ギア53を収納する第二収納部5522とが形成されている。
このうち、第一収納部5521は、階段状の低い位置(第一ケース551に対して離間する位置)に形成され、平面視略半円形状を有している。この第一収納部5521には、軸部513の第四円筒部5134が挿入される孔部55211(図6及び図7)が形成されている。この孔部55211の径寸法は、第二円筒部5132の径寸法と略同じに設定されている。また、この第一収納部5521の上端面55212、すなわち、第二収納部5522と高さ位置が異なり、かつ、腕部512に対向する上端面55212は、操作部51が回動する際に、当該腕部512が摺動する面である。
なお、この第一収納部5521内には、図示を省略するが、前述の捻りコイルばね54の端部543を係止する係止部が形成されている。
【0048】
第二収納部5522は、階段状の高い位置(第一ケース551に対して近接する位置)に形成され、平面視略正方形状を有している。この第二収納部5522内には、ギア53の円筒部532が収納される。
第二収納部5522には、ギア53の孔部533に挿入されるアクチュエータ56のスピンドル561が挿通する孔部55221(図5及び図6)が形成されている。また、この孔部55221を挟むように一対の孔部55222(図5及び図6)が形成されている。これら孔部55222は、第二収納部5522に、アクチュエータ56を固定するためのねじ(図示省略)が挿通する孔である。
【0049】
第二収納部5522において、第一収納部5521の上端面55212から起立する一対の起立部55223(図5及び図7),55224は、当該上端面55212に沿って摺動しつつ回動する操作部51の回動範囲を規定している。
すなわち、操作部51が操作者により操作されていない(操作部51が回動していない)場合には、当該操作部51の腕部512は、捻りコイルばね54の付勢力により、起立部55223に当接している。この状態から、操作部51が押圧されると、腕部512が上端面55212に沿って摺動しつつ、操作部51は、他方の起立部55224側に回動する。この起立部55223から起立部55224に至るまでの範囲が、操作部51の可動範囲である。
【0050】
〔アクチュエータ56の構成〕
アクチュエータ56は、第二収納部5522の下面側(第一ケース551に対向する側とは反対側)に取り付けられ、後述する制御手段44の制御下で、ケース55の内部に収納されたギア53を介してギア52を回動させ、ストッパ524の位置を調整することにより、操作部51の突起部5122がストッパ524に当接するまでの遊び量を調節して、物体の大きさを表現する。また、このアクチュエータ56は、ギア52のストッパ524に突起部5122が当接した際に、当該操作部51の回動方向とは反対方向に作用する反力を生じることにより、操作部51の回動に対する抵抗を生じさせ、物体の硬さを表現する。すなわち、アクチュエータ56は、本発明の移動手段及び反力発生手段に相当する。
【0051】
このアクチュエータ56は、第二収納部5522に形成された孔部55221を介して、ギア53の孔部533に挿入されるスピンドル561と、当該スピンドル561を回転させる駆動部(図示省略)と、当該駆動部を内部に収納する筐体562とを備えて構成されている。なお、制御手段44によるアクチュエータ56の動作制御については、後に詳述する。
【0052】
〔ポテンショメータ57の構成〕
ポテンショメータ57は、本発明の位置検出手段に相当し、ギア52の回動角を検出し、もってギア52に形成されたストッパ524の位置を検出する。このポテンショメータ57は、検出したギア52の回動角を、制御手段44に出力する。
このポテンショメータ57の略中央には、ギア52の突起部522が挿入される開口571が形成されている。
【0053】
〔制御手段44の構成〕
図8は、制御手段44の構成を示すブロック図である。
制御手段44は、前述のように、情報処理装置2から入力する設定情報に基づいて、コントローラ4全体の動作を制御するとともに、各種センサによって検出した操作者の操作状態を示す操作情報を、情報処理装置2に出力する。例えば、制御手段44は、情報処理装置2から入力する設定情報に基づいて、アクチュエータ56を駆動し、ギア52に形成されたストッパ524の位置や、当該アクチュエータ56によって生じる反力の大きさ(トルク量)を調節する。
このような制御手段44は、図8に示すように、設定情報取得部441、駆動条件設定部442、駆動状態取得部443、操作情報出力部444及び駆動制御部445を備えて構成されている。
【0054】
設定情報取得部441は、情報処理装置2から出力される前述の設定情報を取得する。この設定情報取得部441は、遊び量取得部4411と、トルク量取得部4412とを備えて構成されている。
遊び量取得部4411は、入力した設定情報から、前述の操作子5を構成する操作部51の突起部5122がギア52に形成されたストッパ524に当接するまでの操作部51の回動量に係る情報(遊び量情報)を取得する。
トルク量取得部4412は、入力した設定情報から、突起部5122がストッパ524に当接してからの操作部51の回動に対する反力となるアクチュエータ56のトルク量に係る情報(トルク量情報)を取得する。
【0055】
駆動条件設定部442は、コントローラ4の動作、特に操作子5の動作に係る各種設定を行う。この駆動条件設定部442は、ストッパ位置設定部4421と、トルク量設定部4422とを備えて構成されている。
ストッパ位置設定部4421は、取得された遊び量情報から、ギア52のストッパ524の位置を設定する。具体的に、ストッパ位置設定部4421は、当該遊び量情報に基づく位置にストッパ524が配置されるように、ギア52の回動角を設定する。
トルク量設定部4422は、取得されたトルク量情報に基づいて、ストッパ524に突起部5122が当接してからの操作部51の回動に対して、ギア52にギア53を介して伝達するトルク量を設定する。
【0056】
駆動状態取得部443は、各種センサから検出値を取得し、当該検出値を操作情報出力部444及び駆動制御部445に出力する。この駆動状態取得部443は、押圧力取得部4431、ギア回動角取得部4432、回動角取得部4433、距離取得部4434及び軸部回動角取得部4435を備えて構成されている。
押圧力取得部4431は、圧力センサ5111から、操作部51の板状部511に対する操作者の押圧力を取得する。
ギア回動角取得部4432は、ポテンショメータ57から、ギア52の回動角を取得する。
【0057】
回動角取得部4433は、コントローラ4の接続部43に設けられた回動角センサ433から、左側把持部42に対する右側把持部41の回動角を取得する。
距離取得部4434は、同様に、接続部43に設けられたリニアセンサ434から、左側把持部42に対する右側把持部41の距離を取得する。
軸部回動角取得部4435は、右側把持部41及び左側把持部42に設けられたアナログセンサ411,421から、接続部43の軸部431,432に対する右側把持部41及び左側把持部42の回動角を取得する。
【0058】
操作情報出力部444は、駆動状態取得部443により取得した各種情報を操作情報として、情報処理装置2に出力する。この操作情報出力部444は、押圧力出力部4441、ストッパ位置出力部4442、回動角出力部4443、距離出力部4444及び軸部回動角出力部4445を備えて構成されている。
このうち、押圧力出力部4441は、押圧力取得部4431により取得された押圧力を出力する。
【0059】
ストッパ位置出力部4442は、ギア回動角取得部4432により取得されたギア52の回動角からストッパ524の位置を算出し、当該ストッパ524の位置を示す情報(ストッパ位置情報)を出力する。
回動角出力部4443及び距離出力部4444は、それぞれ、回動角取得部4433及び距離取得部4434により取得された左側把持部42に対する右側把持部41の回動角及び距離を出力する。
軸部回動角出力部4445は、軸部回動角取得部4435により取得された軸部431,432に対する右側把持部41及び左側把持部42の回動角を出力する。
【0060】
駆動制御部445は、駆動条件設定部442で設定された駆動条件(ストッパ位置及びトルク量)、及び、駆動状態取得部443により取得された駆動状態(押圧力及びギア52の回動角)に基づいて、アクチュエータ56の駆動を制御する。すなわち、駆動制御部445は、本発明の移動手段制御部及び反力発生手段制御部に相当する。
具体的に、駆動制御部445は、遊び量情報に応じてストッパ位置設定部4421により設定された設定位置にストッパ524が位置するように、ギア53を介してギア52をアクチュエータ56により回動させる。
【0061】
また、駆動制御部445は、ギア回動角取得部4432により取得されたギア52の回動角に基づいて、ストッパ524が設定位置より押し込まれたと判定した場合には、トルク量設定部4422により設定されたトルク量に応じた反力を発生させ、操作部51の回動に対する抵抗を生じさせる。この際、駆動制御部445には、押圧力取得部4431により取得される操作者の押圧力がフィードバックされ、アクチュエータ56によって生じる反力の大きさの精度が高められている。
【0062】
〔アクチュエータ56の動作制御処理〕
図9は、制御手段44によるアクチュエータ56の動作制御処理の過程を示すフローチャートである。
制御手段44は、制御手段44を構成する図示しないROM(Read Only Memory)等の記憶手段に記憶された動作制御プログラムに沿って、以下に示す動作制御処理(ステップST01〜ST09)を実行することにより、アクチュエータ56の動作を制御する。
具体的に、動作制御処理では、図9に示すように、まず、制御手段44の設定情報取得部441が情報処理装置2から設定情報を取得する。そして、当該設定情報取得部441を構成する遊び量取得部4411が、受信した設定情報から、遊び量情報を取得し(遊び量情報取得ステップST01)、また、トルク量取得部4412が、トルク量情報を取得する(トルク量情報取得ステップST02)。
【0063】
次に、駆動条件設定部442のストッパ位置設定部4421が、取得された遊び量情報から、当該遊び量情報が示す遊び量となるべく、ギア52に形成されたストッパ524の設定位置、すなわち、ギア52の回動角を設定する(ストッパ位置設定ステップST03)。
また同様に、駆動条件設定部442のトルク量設定部4422は、取得されたトルク量情報に基づいて、駆動制御部445がアクチュエータ56を駆動させて反力を発生させる際のトルク量を設定する(トルク量設定ステップST04)。
この後、駆動制御部445が、アクチュエータ56を駆動させて、ギア53,52を回動させ、当該ギア52のストッパ524を、ステップST03で設定された設定位置に配置させる(ストッパ移動ステップST05)。
【0064】
図10は、初期位置に配置されたストッパ524と操作部51の突起部5122との位置関係を示す図である。また、図11は、設定位置に配置されたストッパと突起部5122との位置関係を示す図である。
具体的に、ステップST05では、ステップST03にて設定された回動角に応じて、駆動制御部445がアクチュエータ56を駆動して、ギア52を回動させることにより、ストッパ524は、図10に示す初期位置(捻りコイルばね54の付勢力により起立部55223に腕部512が当接している状態のストッパ524の位置)から、図11に示す設定位置に移動する。これにより、操作部51の突起部5122がストッパ524に当接するまでの距離である遊び量Lが、当該ストッパ524が移動した後の図11では、ストッパ524が突起部5122に近接する方向である矢印A1方向にギア52が回動したことにより小さくなる。逆に、図10に示した状態から、ストッパ524が突起部5122から離間する矢印A2方向にギア52が回動すると、図示は省略したが、当該遊び量Lは大きくなる。
【0065】
このように、操作子5の回動に対する抵抗が大きくなるまでの距離(遊び量L)を調整することができるので、コントローラ4を仮想の物体として操作者が握る際の当該物体の大きさを表現することができる。
なお、ステップST05により位置が変更される前のストッパ524の位置である初期位置は、第二ケース552の起立部55223,55224によって規定される操作部51の回動可能範囲の略中央に相当するように設定されている。
【0066】
図9に戻り、ステップST05の後、ステップST06では、駆動状態取得部443の押圧力取得部4431が、圧力センサ5111から、操作部51の板状部511に加えられた押圧力を取得する(圧力検出ステップST06)。
また同様に、駆動状態取得部443のギア回動角取得部4432が、ポテンショメータ57から、ギア52の回動角、詳述すると、ストッパ524が初期位置にある状態からのギア52の回動角を取得する(回動角検出ステップST07)。
【0067】
この後、駆動制御部445が、取得されたギア52の回動角に基づいて、当該ギア52のストッパ524に操作部51の突起部5122が当接し、さらに、当該突起部5122の押し込みによりストッパ524が移動したか否かを判定する(ストッパ移動判定ステップST08)。すなわち、このステップST08では、ストッパ524が突起部5122によって押し込まれることにより、ギア52が回動したか否かが判定される。
【0068】
図12は、操作部51の突起部5122が、ギア52のストッパ524に当接した状態を示す図である。
ここで、駆動制御部445が、ストッパ524は前述の設定位置から移動していないと判定した場合、すなわち、図12に示すように、操作部51が回動した場合でも、突起部5122がストッパ524を移動させる状態には至っていないと判定した場合には、ステップST06に戻り、押圧力及び回動角の取得を再度行う。
【0069】
図13は、操作部51の回動に伴って、突起部5122がギア52を回動させた状態を示す図である。
一方、駆動制御部445が、図12において示した状態を経て、図13に示すように、操作部51の回動によりストッパ524が移動したと判定した場合には、当該駆動制御部445は、ステップST04にて設定されたトルク量でアクチュエータ56を駆動する(反力発生ステップST09)。具体的に、駆動制御部445は、図13中矢印A2方向への操作部51及びギア52の回動に対して、アクチュエータ56により、矢印A1方向に作用する反力を生じさせる。この際、圧力センサ5111により検出され、押圧力取得部4431により取得された操作部51に対する操作者の押圧力の値と、設定されたトルク量に応じた反力の値とを比較しつつ、アクチュエータ56を駆動することにより、適切な大きさの反力を発生させることができる。このように生じた当該反力が、操作者による操作部51に対する入力操作の抵抗となるため、コントローラ4を仮想の物体として操作者が握る際の当該物体の硬さを表現することができる。
【0070】
以上の駆動制御処理(ST01〜ST09)を、各操作子5(5T,5F,5L)に対して行うことにより、それぞれの操作子5により、仮想の物体の大きさ及び硬さを表現することができる。なお、ポテンショメータ57により、突起部5122の押し込みによって矢印A2方向に移動したストッパ524の位置が、前述の設定位置に戻ったことが検出された場合には、駆動制御部445は、アクチュエータ56による反力の発生を停止し、当該ストッパ524の位置を設定位置に留める。この際、操作者の押圧力が、付勢手段である捻りコイルばね54の付勢力より小さくなれば、当該付勢力により、操作部51は元の位置、すなわち、第二ケース552の起立部55223に腕部512の端縁が当接する位置に戻る。
【0071】
〔実施形態の効果〕
以上説明した本実施形態の情報処理システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
すなわち、操作子5の操作部51が軸部513を中心として回動すると、当該操作部51の腕部512に形成された突起部5122が、ギア52に形成されたストッパ524に当接する。この状態から操作部51を更に回動させると、突起部5122がストッパ524を押し込み、ギア52が回動する。このギア52には、ギア53を介して、操作部51の押圧力に対する反力がアクチュエータ56から伝達される。そして、アクチュエータ56は、制御手段44の駆動制御部445により駆動制御され、当該駆動制御部445が、アクチュエータ56のトルク量を調整することにより、当該反力の大きさを変更することができる。ここで、右側把持部41は、右手で把持するように構成され、各操作子5(5T,5F,5L)は、右手の親指、人差し指及び中指に対応する位置に設けられているので、操作者は、右側把持部41を握るようにして各操作子5を操作する。
これによれば、操作者の入力操作によって変位する操作部51に対する反力の大きさを、表現したい仮想の物体に応じて調整することができる。従って、当該仮想の物体の硬さを表現することができる。
【0072】
また、ストッパ524の位置は、操作部51に対する反力の発生開始位置となり、当該ストッパ52に突起部5122が当接するまでの距離が遊び量となる。この遊び量は、アクチュエータ56がギア52を回動させ、ストッパ524の位置を変更することにより調整することができる。
これによれば、右側把持部41に対する握り動作によって操作される各操作子5の遊び量を、表現したい仮想の物体の大きさに応じて調整することにより、当該仮想の物体の大きさを表現することができる。従って、コントローラ4の汎用性を高めることができる。
【0073】
また、ギア52の回動角は、位置検出手段としてのポテンショメータ57によって検出され、ギア回動角取得部4432により、駆動制御部445に出力される。そして、駆動制御部445は、ギア52の回動角を参照しつつ、ストッパ524の位置調整を行うとともに、反力の発生を行う。
これによれば、アクチュエータ56の駆動によって回動するギア52の回動角を、駆動制御部445にフィードバックさせることにより、当該駆動制御部445によるアクチュエータ56の動作制御の正確性を向上することができる。従って、ギア52の回動角、及び、当該ギア52の回動に伴って移動するストッパ524の位置を正確に取得することができるとともに、ストッパ524の配置の精度を高めることができる。
【0074】
また、ギア回動角取得部4432によりポテンショメータ57から取得されたギア52の回動角に基づいて、ストッパ524の位置が算出され、当該ストッパ524の位置情報は、操作信号としてストッパ位置出力部4442により、情報処理装置2に出力される。
これによれば、情報処理装置2が、各操作子5の操作部51の入力量をコントローラ4から適切に取得することができ、当該情報処理装置2は、各操作部51の入力量に応じた処理、例えば、仮想の物体が握られて凹むような画像を表示するなどの処理を実行することができる。従って、情報処理装置2が、当該仮想の物体を実際に握っているかのような現実感を操作者に与えるような処理を実行することができ、コントローラ4の汎用性を高めることができる。
【0075】
また、操作部51において、操作者によって押圧される板状部511の表面には、圧力センサ5111が設けられている。この圧力センサ5111によって検出された押圧力は、押圧力取得部4431によって取得され、駆動制御部445にフィードバックされる。そして、当該駆動制御部445は、入力する押圧力を参照して、アクチュエータ56の駆動を制御する。
これによれば、操作部51に加わる押圧力を指標として、アクチュエータ56の駆動によって発生する反力の大きさを推し量ることができる。従って、当該反力の大きさの精度を向上することができる。
【0076】
また、情報処理装置2から入力する遊び量情報及びトルク量情報に基づいて、駆動条件設定部442のストッパ位置設定部4421及びトルク量設定部4422が、ストッパ524の設定位置及びトルク量を設定する。そして、駆動制御部445は、設定位置にストッパ524が位置するように、アクチュエータ56を駆動させるとともに、ストッパ524が操作部51によって押し込まれた場合には、設定されたトルク量でアクチュエータを駆動させ、当該操作部51の押圧力に対する反力を発生させる。
これによれば、情報処理装置2から出力される設定情報に基づいて、遊び量及びトルク量が設定されるので、コントローラ4での処理を簡略化することができる。また、表現したい仮想の物体の大きさに係る遊び量情報、及び、当該物体の硬さに係るトルク量情報を情報処理装置2が出力することにより、コントローラ4により当該物体を表現することができる。この際、情報処理装置2が当該物体に係る画像を画像表示装置3に表示させることにより、当該物体を操作している現実感を操作者に視覚的にも付与することができる。
【0077】
また、操作部51の突起部5122に当接して、当該操作部51の回動を規制するストッパ524は、当該操作部51と回動軸を同じとするギア52に形成されている。そして、アクチュエータ56は、当該ギア52を回動させることで、ストッパ524の位置を調整するとともに、当該ストッパ524が押し込まれた場合には、ギア52を回動させて反力を発生させる。
これによれば、ストッパ524の位置を調整して遊び量を調整する手段と、操作部51の変位に対する反力を発生させる手段とを別々に設ける必要をなくすことができる。従って、操作子5の構成を簡略化することができる。
また、操作部51は、第二ケース552に回動自在に支持されている。これによれば、操作部51が直線的に変位する場合に比べ、小さなスペースで大きな変位量を確保することができる。従って、操作子5ひいてはコントローラ4の小型化を図ることができる。
【0078】
また、操作部51及びギア52の回動軸と、当該ギア52に噛合するギア53及びアクチュエータ56のスピンドル561の回動軸とは、それぞれ異なる。
これによれば、アクチュエータ56が直接ギア52を駆動するように、操作部51の軸部513と、ギア52と、アクチュエータ56とが直線的に並ぶ構成に比べ、操作子5を小型化することができるほか、ギア52の回動角を検出するポテンショメータ57の設置を容易に行うことができる。従って、操作子5の組立を容易に行うことができるほか、当該操作子5の設計自由度を向上することができる。
【0079】
また、各操作子5(5T,5F,5L)のうち、操作子5Tの操作部51は、右側把持部41における操作者側に、また、操作子5F,5Lの操作部51は、右側把持部41における操作者とは反対側に、それぞれ露出して設けられている。詳述すると、右側把持部41を操作者が右手で把持した場合に、操作子5Tの操作部51は、当該右手の親指に対応する位置に配置され、操作子5F,5Lの操作部51は、それぞれ右手の人差し指及び中指に対応する位置に配置されている。
これによれば、操作者は、右側把持部41を握って操作することとなるので、各操作子5の入力操作を容易に行うことができ、ひいては、コントローラ4の操作性を向上することができる。また、物体を握る際には、主に親指、人差し指及び中指を用いて行うが、各操作子5の操作部51が、それぞれの指に対応する位置に配置されているので、仮想の物体を実際に操作しているという操作感を向上することができ、ひいては、コントローラ4による表現力を向上することができる。
【0080】
〔実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、操作部51は、第二ケース552に回動自在に支持され、操作者の押圧によって、操作部51の軸部513を軸として回動するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、操作部51の移動方向は、周方向に限らず、直線方向としてもよい。
【0081】
前記実施形態では、操作部51に当接して当該操作部51の変位(回動)を規制する規制部は、ギア52に形成されたストッパ524であるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、規制部は、操作部51が直線運動するのであれば、当該操作部51の可動範囲内に配置され、当該直線運動に対する抵抗となる反力の発生開始位置となるように構成されていれば、他の構成でもよい。
【0082】
前記実施形態では、規制部を移動させる移動手段と、反力を発生させる反力発生手段は、アクチュエータ56であるとしたが、本発明はこれに限らず、それぞれ別々に設けてもよい。例えば、操作部51が直線運動する場合であれば、規制部を押し込むように変位する操作部に対して反力を発生させる反力発生手段と、規制部及び反力発生手段をともに移動させる移動手段とを設けてもよい。
【0083】
前記実施形態では、駆動制御部445は、ギア52の回動角により、ストッパ524が移動したか否かを判定したが、圧力センサ5111によって検出された押圧力に基づいて、ストッパ524が移動したか否かを判定してもよい。これは、ストッパ524に突起部5122が当接してから更に操作部51が回動させる場合には、ギア52,53及びアクチュエータ56のスピンドル561が回動することとなり、操作部51の回動に対する抵抗が大きくなり、圧力センサ5111に課される押圧力が大きくなるためである。この押圧力の変化に基づいて、駆動制御部445が、ストッパ524が移動したか否かを判定するように構成することも可能である。
【0084】
前記実施形態では、操作子5は、位置検出手段として、ポテンショメータ57を備える構成としたが、本発明はこれに限らない。例えば、操作子5は、ポテンショメータ57に代えて、エンコーダを備える構成としてもよい。すなわち、位置検出手段は、ギア52の絶対位置が取得できれば他の構成としてもよい。
【0085】
前記実施形態では、各操作子5(5T,5F,5L)の操作部51は、コントローラ4の右側把持部41における親指、人差し指及び中指に対応する位置にそれぞれ設けられているとしたが、本発明はこれに限らず、操作部51の露出位置は、どこでもよい。また、右側把持部41に限らず、左側把持部42に設けてもよく、さらに、操作子5の数は適宜設定してよい。
【0086】
前記実施形態では、情報処理装置2は、ゲーム機として構成されていたが、本発明はこれ限らず、PC(Personal Computer)等で構成してもよい。すなわち、情報処理装置2が処理するプログラム等の情報は、ゲームプログラムに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、情報処理装置に接続され、所定の操作信号を出力するコントローラとして利用することができ、特にゲーム機に用いられるコントローラとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図。
【図2】前記実施形態における情報処理装置の構成を示すブロック図。
【図3】前記実施形態におけるコントローラの内部構造を示す模式図。
【図4】前記実施形態における操作子の構造を示す部分断面図。
【図5】前記実施形態における操作子の構造を示す分解斜視図。
【図6】前記実施形態における操作子の構造を示す分解斜視図。
【図7】前記実施形態における操作子の構造を示す分解斜視図。
【図8】前記実施形態における制御手段の構成を示すブロック図。
【図9】前記実施形態における動作制御処理の過程を示すフローチャート。
【図10】前記実施形態における突起部とストッパとの位置関係を示す図。
【図11】前記実施形態における突起部とストッパとの位置関係を示す図。
【図12】前記実施形態における突起部がストッパに当接した状態を示す図。
【図13】前記実施形態における突起部がギアを回動させた状態を示す図。
【符号の説明】
【0089】
1…情報処理システム、2…情報処理装置、4…コントローラ、5(5T,5F,5L)…操作子、41…右側把持部(筐体)、44…制御手段、51…操作部、52…ギア(筒状体)、54…捻りコイルばね(付勢手段)、56…アクチュエータ(移動手段、反力発生手段)、57…ポテンショメータ(位置検出手段)、232…設定情報出力部(情報出力部)、441…設定情報取得部(情報取得部)、445…駆動制御部(移動手段制御部、反力発生手段制御部)、524…ストッパ(規制部)、552…第二ケース(支持部)、4442…ストッパ位置出力部(位置出力部)、5111…圧力センサ(圧力検出手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に接続され、当該情報処理装置に入力操作に応じた操作信号を出力するコントローラ、及び、当該コントローラを備えた情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PC(Personal Computer)やゲーム機等の情報処理装置に用いられるコントローラが知られている。このようなコントローラは、使用者によって操作され、当該操作に応じた操作信号を情報処理装置に出力することによって、当該情報処理装置に所定の処理を実行させる。例えば、このようなコントローラとして、例えば、ゲーム機に用いられる上下左右の方向キー及び複数の操作キーが配設されたコントローラ(例えば、特許文献1参照)、自動車ゲームに用いられるハンドル型のコントローラ(例えば、特許文献2参照)、及び、捻り動作及び曲げ動作を入力操作とするコントローラ(例えば、特許文献3参照)等が知られている。また、情報処理装置が、機械の動作を制御する制御装置として構成されている場合には、スティック型のコントローラ等が知られている。
【0003】
近年、このようなコントローラは、より現実的は操作感を実現可能に構成されてきており、使用者にとっての利便性が図られ、ゲームにおいてはより高い臨場感を操作者に提供している。すなわち、使用者がコントローラではなく、本物の道具を操作している操作感を実現したコントローラが知られている。このようなコントローラとして、釣りゲームを実行するゲーム機に用いられる、実際の釣具を模したコントローラが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
この特許文献4に記載のコントローラでは、通常状態でハンドルを回すと、駆動輪及びブレーキドラムは一体的に円滑に回転し、当該ブレーキドラムと摩擦糸との間では、ほとんど摩擦等が生じずに空回りする。また、負荷状態では、摩擦糸を引っ張る方向にモータが駆動し、当該摩擦糸に張力が付加されるので、回転しているブレーキドラムと摩擦糸との間に摩擦力が生じる。このため、駆動輪に負荷がかかることとなり、ハンドルの回転が重くなる。このように構成することにより、釣りゲームにおいては、魚を釣るときの現実的な感触をコントローラにて再現することができる。
【0005】
また、例えば、物体の硬さを表現可能に構成されたコントローラが知られている。このようなコントローラは、キーの入力方向に対する反力を生じさせるものであり、操作者がキーを入力する際に、表現する物体の硬さに応じて、例えば、硬い物を握ったり押したりする場合には、反力を強くし、また、柔らかい物を握ったり押したりする場合には、反力を弱くする。このような機構により、物体の硬さを表現することが可能となる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−290578号公報
【特許文献2】特開2002−224444号公報
【特許文献3】特開2004−167219号公報
【特許文献4】特開2000−296263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のコントローラでは、遊び量を可変にできないという課題がある。すなわち、前述の特許文献2、特許文献3及び特許文献4にそれぞれ記載のコントローラの場合には、遊び量が調節できないため、画像表示装置の画面上で操作する車や釣具が変わった場合でも、同じ操作感覚になってしまうという問題がある。また、物体の硬さを表現可能な前述のコントローラの場合には、遊び量が調節できないため、同じ硬さであっても大きさの異なる物体を表現することができないという問題がある。
このような問題から、遊び量を調節でき、実際の物体を操作しているような感覚を得られるコントローラが要望されてきた。
【0008】
本発明の目的は、遊び量を調節することができるコントローラ及び情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した目的を達成するために、本発明のコントローラは、情報処理装置に接続され、入力操作に応じた操作信号を前記情報処理装置に出力するコントローラであって、入力操作を検出する操作子と、前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、前記操作子は、前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、前記規制部を前記可能範囲内で移動させる移動手段とを備え、前記制御手段は、前記移動手段を制御する移動手段制御部と、前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
このようなコントローラとして、例えば、操作者によって把持され、手の各指による握り操作を検出するコントローラ等を挙げることができる。
本発明によれば、操作者が操作部に対して入力操作(具体的には、押圧操作)を行うと、当該操作部は所定方向に変位する。この変位の後、操作部が、当該操作部の可動範囲内に配置された規制部に当接し、さらに操作部に対する入力操作が行われ、当該操作部が所定方向に変位すると、規制部は当該所定方向に変位する。このような操作部の変位に対する反力を反力発生手段が発生させるので、当該操作部の所定方向への変位に対して抵抗が生じることとなる。ここで、反力発生手段は、反力発生手段制御部による制御下で駆動するので、当該反力発生手段制御部が、操作部を変位させる操作者の押圧力に抗する反力の大きさを調整することにより、操作部への入力操作に対する抵抗を大きくしたり小さくしたりすることができる。従って、操作者によって操作される操作部が、仮想の物体の表面を表している場合に、当該仮想の物体の硬さを表現することができる。
【0011】
一方、入力操作に応じて変位した操作部が当接する規制部は、移動手段により、当該操作部の可動範囲内の所定の位置に配置される。このため、移動手段制御部による制御下で、移動手段が駆動することにより、規制部を、当該可動範囲内の任意の位置に配置することができる。これによれば、反力発生手段による反力の発生開始位置である規制部の位置を任意に変更することができ、これにより、操作部が規制部に当接するまでの距離、すなわち、操作部の遊び量を調節することができる。従って、操作者によって操作される操作部が、仮想の物体の表面を表しているような場合には、規制部の位置を変更して遊び量を調整することにより、当該仮想の物体の大きさを表現することができる。
【0012】
本発明では、前記操作子は、前記操作部の変位に応じて移動する前記規制部の位置を検出する位置検出手段を備え、前記移動手段制御部は、前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置に応じて、前記移動手段を制御することが好ましい。
本発明によれば、位置検出手段により検出された規制部の位置に応じて、移動手段制御部は、移動手段の駆動を制御する。これによれば、移動手段が移動させた規制部の位置を、位置検出手段が検出し、当該規制部の位置を移動手段制御部にフィードバックさせることにより、移動手段制御部が、更に移動手段を駆動させるか否かを判定することができる。従って、操作部の可動範囲における規制部の配置位置の精度を高めることができる。
また、位置検出手段により規制部の位置を検出することにより、当該規制部に操作部が当接してからの当該操作部の変位量、すなわち、操作者による入力量を検出することができる。
【0013】
本発明では、前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置を、前記情報処理装置に出力する位置出力部を備えることが好ましい。
本発明によれば、前述のように、位置検出手段により、操作部の変位量(入力量)を検出することができる。従って、当該変位量(入力量)を、位置出力部が情報処理装置に出力することにより、操作者による操作部の入力状態を情報処理装置に適切に出力することができる。
【0014】
本発明では、前記操作子は、前記入力操作に応じて前記操作部に加えられる押圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記反力発生手段制御部は、前記圧力検出手段により検出された前記押圧力に基づいて、前記反力発生手段を制御することが好ましい。
本発明によれば、圧力検出手段によって検出される操作部に対する押圧力を取得することにより、反力発生手段制御部が、当該押圧力を指標として、反力発生手段で生じる反力を調整することができる。すなわち、発生させた反力の大きさ自体を直接検出することは困難であるが、圧力検出手段によって検出された押圧力と、当該押圧力が加わった際の規制部の位置とに基づいて、反力の大きさを把握することができ、これら押圧力及び規制部の位置を、反力発生手段制御部にフィードバックさせることにより、発生させる反力を調整することができる。従って、反力発生手段によって発生させる反力を精度よく調整することができる。
【0015】
本発明では、前記制御手段は、前記情報処理装置から出力される前記規制部の位置を示す位置情報及び前記反力の大きさを示す反力情報を取得する情報取得部を備え、前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することが好ましい。
【0016】
本発明によれば、情報処理装置から入力する位置情報及び反力情報に基づいて、移動手段制御部及び反力発生手段制御部が、移動手段及び反力発生手段をそれぞれ制御するので、当該情報処理装置により設定される遊び量及び反力を実現することができる。これによれば、例えば、情報処理装置にて所定の物体を表す画像を画像表示装置に出力して、当該画像を表示させつつ、当該物体に係る位置情報及び反力情報を、コントローラに出力することにより、操作者は、当該物体を観察しつつコントローラを操作して、当該物体をあたかも直接操作しているような現実感を得ることができる。また、このような位置情報及び反力情報を、情報処理装置がコントローラに出力することにより、コントローラ側での規制部の位置設定及び反力値設定の処理を簡略化することができる。
【0017】
本発明では、前記操作部を回動自在に支持する支持部を備え、前記規制部は、前記操作部と回動軸を同じとする筒状体に設けられ、前記移動手段及び前記反力発生手段は、前記筒状体を回動させることにより、前記規制部である前記当接部の位置を調整するとともに、当該筒状体に前記反力を付加させるアクチュエータであることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、操作部は、支持部によって回動自在に支持されているので、操作者による押圧力を受けると、支持部における支点を軸として回動する。この操作部と回動軸を同じとする筒状体には、前述の規制部が設けられているので、操作部が回動すると、当該操作部は、筒状体に設けられた規制部に当接する。この筒状体は、規制部に操作部が当接した上で、さらに操作部が回動した場合に、反力発生手段であるアクチュエータにより生じる反力を、操作部に伝達する。また、このアクチュエータは、移動手段でもあり、当該アクチュエータを駆動することにより、筒状体が回動し、当該筒状体に設けられた規制部の位置を変更する。
【0019】
これによれば、1つのアクチュエータの駆動により、規制部の位置変更、及び、操作部の回動に対する反力の発生を行うことができる。従って、操作子ひいてはコントローラの構成を簡略化することができる。また、このようなアクチュエータにより、筒状体に設けられた規制部の位置を簡易に変更することができる。さらに、操作者の入力操作に応じて操作部が直線運動する場合に比べて、当該操作部の移動範囲を小さくすることができるので、操作子ひいてはコントローラの小型化を図ることができる。
【0020】
本発明では、前記筒状体は、前記回動軸に沿う外周面に歯が形成されたギアで構成され、前記アクチュエータは、前記歯に噛合する他のギアが取り付けられるスピンドルを有することが好ましい。
ここで、他のギアを設けずに、アクチュエータにより規制部が設けられたギアを直接回動させる場合では、操作部、ギア及びアクチュエータが直線的に並ぶのに対し、本発明では、操作部の回動軸及びギアと、他のギア及びアクチュエータとが直線的に並ぶこととなる。これによれば、それぞれを分割することで、操作子ひいてはコントローラの小型化を図ることができる。
また、位置検出手段が設けられている場合には、ギアの回動角を検出することとなるが、このような場合に、ギアの回動軸と、スピンドルの回動軸とが異なるため、当該位置検出手段の設置を容易に行うことができる。従って、操作子の設計自由度を向上することができる。
【0021】
本発明では、前記操作子を内部に収納する筐体を備え、前記筐体内には、前記操作子が複数設けられ、前記操作部は、前記筐体の互いに対向する領域に、それぞれ露出して設けられていることが好ましい。
ここで、操作部が設けられる位置としては、操作者がコントローラを握った際に、親指と、人差し指及び中指の少なくともいずれかと、に対応する位置であることが好ましい。
また、互いに対向する領域とは、例えば、筐体が四角柱状に形成されている場合には、互いに対向する一対の面とすることができ、当該筐体が円柱状に形成されている場合には、筐体の軸方向の直交方向に対して交差する領域とすることができる。より具体的には、操作者側の領域、及び、当該操作者側とは反対側の領域とすることができる。
【0022】
本発明によれば、操作者により入力操作される操作部は、コントローラの筐体における互いに対向する面にそれぞれ露出して設けられている。ここで、操作子が設けられた筐体が、片手で握れる程度の寸法を有している場合には、それぞれの操作部は、親指、及び、他の指により操作されることとなる。これによれば、操作部に対する入力操作を容易に行うことができ、特に、一方の面に設けられた操作部が、人差し指及び中指の少なくともいずれかに対応する位置に設けられている場合には、当該入力操作を一層容易に行うことができる。また、仮想の物体を握る動作をコントローラに加えることで、操作部を操作することができるので、コントローラの表現力を向上することができる。
【0023】
また、本発明の情報処理システムは、入力する操作信号に応じて情報を処理する情報処理装置と、当該情報処理装置に接続され、前記情報処理装置に入力操作に応じた前記操作信号を出力するコントローラとを備えた情報処理システムであって、前記コントローラは、入力操作を検出する操作子と、前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、前記操作子は、前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、前記規制部を前記操作部の変位可能範囲内での所定位置に移動させる移動手段とを備え、前記制御手段は、前記移動手段を制御する移動手段制御部と、前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備え、前記情報処理装置は、前記コントローラに対して、前記規制部の位置を示す位置情報と、前記反力の大きさを示す反力情報とを出力する情報出力部を備え、前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、情報処理装置から入力する位置情報及び反力情報に基づいて、移動手段及び反力発生手段の動作制御を行う前述のコントローラと、同様の効果を奏することができる。
すなわち、情報処理装置から入力する反力情報に基づいて、反力発生手段制御部が、反力発生手段の駆動を制御することにより、規制部に当接した上で更に変位する操作部に抗するように反力を発生させることができる。これによれば、当該反力が操作部の変位に対する抵抗となることにより、操作者があたかも触れている仮想の物体の硬さを表現することができる。
【0025】
また、同じく情報処理装置から入力する位置情報に基づいて、移動手段制御部が、移動手段の駆動を制御することにより、規制部の位置を変更することができるので、前述の反力の発生開始位置を調整することができる。従って、操作部の変位における遊び量を任意に設定することができ、これにより、当該仮想の物体の大きさを表現することができる。
さらに、情報処理装置から入力する反力情報及び位置情報に基づいて、反力発生手段制御部及び移動手段制御部が、それぞれ反力発生手段及び移動手段を制御するので、コントローラにおける制御処理、例えば、規制部の位置設定及び反力値設定等の処理を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔情報処理システム1の全体構成〕
図1は、本実施形態の情報処理システム1の構成を示す図である。
本実施形態の情報処理システム1は、図1に示すように、所定の情報を処理する情報処理装置2と、当該情報処理装置2による処理結果が表示される画像表示装置3と、情報処理装置2に接続され、当該情報処理装置2を操作するコントローラ4とを備えて構成されている。
このうち、画像表示装置3は、情報処理装置2から入力する画像情報に基づく画像を表示する。このような画像表示装置3として、液晶、プラズマ、有機EL(electro-luminescence)及びCRT(Cathode-ray tube)等の各種ディスプレイや、プロジェクタ等を挙げることができる。
【0027】
〔情報処理装置2の構成〕
情報処理装置2は、本実施形態ではゲーム機として構成され、後述するコントローラ4から入力する操作情報に応じてゲームプログラムを処理して、当該ゲームプログラムに係るゲームを進行させるものである。また、この情報処理装置2は、ディスク型記録媒体に記録された画像情報及び音声情報を再生可能に構成されている。そして、情報処理装置2は、処理結果を示す画像に係る画像情報、例えば、図1において画像表示装置3に示した画像に係る画像情報や、再生した画像情報をディスプレイに出力し、画像表示装置3により、当該画像情報に係る画像を表示させる。
【0028】
図2は、情報処理装置2の構成を示すブロック図である。
このような情報処理装置2は、図2に示すように、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等のディスク型記録媒体に対して、情報の読取及び記録を行う光学ドライブ21と、記憶手段としてのHDD(Hard Disc Drive)22と、これら光学ドライブ21及びHDD22を含む装置全体を制御する制御手段23とを備えて構成されている。
このうち、制御手段23は、CPU(Central Processing Unit)等が実装された回路基板として構成されている。このような制御手段23は、光学ドライブ21及びHDD22から読み出したプログラムを処理するプログラム処理部231と、後述するコントローラ4に設定情報を出力する設定情報出力部232と、当該コントローラ4からの操作情報が入力する操作情報入力部233とを備えて構成されている。
なお、設定情報出力部232は、本発明の情報出力部に相当する。
【0029】
プログラム処理部231は、前述のプログラムを処理する過程で、設定情報出力部232を介して、コントローラ4に設定情報を出力する。また、このプログラム処理部231は、操作情報入力部233を介してコントローラ4から入力する操作情報に基づいて、プログラムを処理する。
このような設定情報としては、コントローラ4の後述する操作子5の遊び量情報(後述するストッパ524の位置情報)や、トルク量情報(反力情報)を挙げることができる。また、操作情報としては、後に詳述するが、当該操作子5に対する操作者の押圧力情報、及び、ストッパ524の位置情報のほか、後述するコントローラ4の各把持部41,42の回動角に係る回動角情報、及び、これら把持部41,42間の距離情報とを挙げることができる。
【0030】
〔コントローラ4の構成〕
図3は、コントローラ4の内部構造を示す模式図である。
コントローラ4は、使用者による入力操作に応じた操作信号を、情報処理装置2に出力するものである。このコントローラ4は、使用者の両手で握るように保持され、当該使用者の握り動作を検出して、情報処理装置2に操作信号を出力するとともに、当該情報処理装置2から入力する情報に応じた物体の大きさ及び硬さを実現可能に構成されている。すなわち、コントローラ4は、情報処理装置2で所定のゲームプログラムが実行され、物体を握るような状況(図1に示した画像が表示される状況)で利用され、当該物体の硬さ及び大きさを実現するとともに、操作者の握り動作を検出する。
このコントローラ4は、図3に示すように、使用者の右手及び左手でそれぞれ把持される略円筒状の筐体である右側把持部41及び左側把持部42と、これら把持部41,42を回動自在に支持する略円筒状の接続部43とを備え、全体略H字状に形成されている。
【0031】
このうち、接続部43には、右側把持部41及び左側把持部42にそれぞれ接続される軸部431,432が設けられている。
また、接続部43内には、詳しい図示を省略するが、当該軸部431,432に接続され、かつ、左側把持部42に対する右側把持部41の回動角を検出する回動角センサ433(図8参照)と、当該右側把持部41及び左側把持部42の互いに近接及び離間する方向への進退量(距離)を検出するリニアセンサ434(図8参照)とが設けられている。
さらに、接続部43には、前述の情報処理装置2とケーブル435(図1参照)を介して接続され、当該情報処理装置2から入力する設定情報に基づいて、コントローラ4全体を制御するとともに、操作信号を出力する制御手段44(図8参照)が設けられている。なお、制御手段44の構成については、後に詳述する。
【0032】
右側把持部41及び左側把持部42には、接続部43の軸部431,432が回動自在に接続されるアナログセンサ411,421がそれぞれ設けられている。このアナログセンサ411,421は、それぞれ、軸部431,432との支点を中心とする半球状の回動範囲内での当該軸部431,432の回動角を検出する。そして、これらアナログセンサ411,421は、検出した軸部431,432の回動角を、接続部43に設けられた制御手段44に出力する。
【0033】
また、右側把持部41には、3つの操作子5(5T,5F,5L)が設けられている。これら操作子5のうち、操作子5Tの操作部51(図4参照)は、右側把持部41を操作者が保持した際に、操作者側に対向する面に設けられており、また、操作子5F,5Lの操作部51は、操作者側とは反対側の面に設けられている。具体的に、操作子5Tの操作部51は、右側把持部41を操作者が右手で握った際の親指に対応する位置に設けられており、操作子5F,5Lの操作部51は、それぞれ人差し指及び中指に対応する位置に設けられている。
【0034】
〔操作子5の構成〕
図4は、操作子5の構造を示す部分断面図である。また、図5〜図7は、操作子5の構造を示す分解斜視図である。
以下、操作子5について説明する。
操作子5は、操作者の入力操作による操作部51の入力量(押込量)を検出し、当該検出された入力量を前述の制御手段44に出力する。また、操作子5は、制御手段44から入力する制御信号に応じて当該操作者の入力操作に対する反力を発生させる。この操作子5は、図4〜図7に示すように、操作部51、2つのギア52,53、ばね54、ケース55、アクチュエータ56及びポテンショメータ57を備えて構成されている。
【0035】
〔操作部51の構成〕
操作部51は、後述するケース55の第二ケース552に形成された孔部55211(図6)に回動自在に支持される。この操作部51は、板状部511と、当該板状部511の背面側(操作者に対向する側とは反対側)に取り付けられる腕部512と、当該腕部512の先端に取り付けられる軸部513とを備えて構成されている。
板状部511は、右側把持部41に形成された図示しない開口から露出し、かつ、操作者の指が当接する部材である。この板状部511は、操作者から見て略矩形状に形成されており、当該操作者の指が当接する表面には、圧力センサ5111(図8参照)が設けられている。この圧力センサ5111は、前述の制御手段44に接続され、板状部511に加わる押圧力を検出して、当該制御手段44に出力する。
【0036】
腕部512は、前述のように、板状部511の背面側の面に、当該背面から面外方向に延出するように取り付けられた平板状の部材である。この腕部512の延出方向先端側には、当該延出方向に直交する方向に、腕部512を貫通する孔部5121が形成されており、当該孔部5121には、軸部513が挿通される。
また、腕部512の一方の面には、面外方向に突出する突起部5122(図5)が形成され、また、当該一方の面に対する反対側の面にも、同様に、面外方向に突出する突起部5123(図5及び図6)が形成されている。これらピン状の突起部5122,5123の軸方向は、孔部5121の中心軸方向に沿う方向であり、軸部513の軸方向に沿う方向に設定されている。
【0037】
突起部5122は、後述するギア52及び第一ケース551に対向する側に形成され、操作部51が軸部513の軸方向を中心として回動した際に、当該軸部513に軸支されるギア52に形成されたストッパ524(図5及び図6)に当接する。
突起部5123は、後述する第二ケース552に対向する側に形成され、軸部513の外周に巻き付けられた捻りコイルばね54の端部542(図5)が係合する。
【0038】
軸部513は、下方側、すなわち、腕部512における突起部5123が形成された側から孔部5121に挿入される。
この軸部513は、4段構造の円筒状部材として形成され、当該軸部513には、それぞれ径寸法の異なる第一〜第四円筒部5131〜5134(図5及び図7)が形成されている。
このうち、第一円筒部5131は、最も径寸法が小さく形成され、当該第一円筒部5131には、ギア52が回動自在に支持される。
第二円筒部5132は、孔部5121(図5及び図7)の形状に合わせて、略円筒の一部を軸方向に沿って切り欠いた形状を有し、当該孔部5121に嵌合される。
【0039】
第三円筒部5133は、最も径寸法が大きく形成され、上端が腕部512の突起部5123が形成された面に接着固定されるほか、下端が後述する第二ケース552の孔部55211(図6及び図7)端縁に当接する。また、この第三円筒部5133の外周には、後述する捻りコイルばね54のコイル部541が巻き付けられる。
第四円筒部5134は、第二ケース552の孔部55211(図6及び図7)に挿入される。これにより、操作部51は、当該第四円筒部5134(詳しくは、第四円筒部5134の軸方向)を中心として回動可能に設定される。
【0040】
〔ギア52の構成〕
ギア52は、本発明の筒状体及びギアに相当し、外周にギア53と噛合する歯5211が形成されたギア本体521と、当該ギア本体521において、操作部51の軸部513に対向する側とは反対側に突出し、かつ、ギア本体521と同じ中心軸を有する突起部522とを備えて構成されている。また、ギア52には、当該ギア52の軸方向に沿って形成され、軸部513の第一円筒部5131が挿入される孔部523(図6)が形成されている。
【0041】
このうち、突起部522は、ケース55を構成する第一ケース551に形成された孔部5511を介して、後述するポテンショメータ57の開口571に挿入される。この突起部522は、開口571の形状に応じて、先端側が略半円形状に切り欠かれており、当該切欠部分は、突起部522が当該開口571に挿入された際に補完され、これにより、ギア52の回転が適切にポテンショメータ57に伝達される。
また、ギア52の底面(操作部51の軸部513に対向する側の面)には、面外方向に突出する略直方体形状のストッパ524(図5及び図6)が、孔部523(図6)を外した位置に形成されている。このストッパ524には、操作部51の回動に伴って当該操作部51の突起部5122(図5)が当接し、当該操作部51の回動を規制する。
【0042】
すなわち、詳しくは後述するが、操作部51が、軸部513の第四円筒部5134を軸として回動した場合、当該操作部51の突起部5122(図5)がストッパ524(図5及び図6)に当接するまでは、後述するアクチュエータ56によって生じる反力は操作部51に伝達されない。この突起部5122がストッパ524に当接するまでの距離が、遊び量となる。
【0043】
一方、突起部5122がストッパ524に当接した状態で、操作部51が更に回動した場合には、当該突起部5122が、ストッパ524を押し込むことによりギア52を回動させる。この際、当該ギア52には、ギア53を介して後述するアクチュエータ56からの反力が伝達され、操作部51の回動に対する抵抗となる。
なお、ギア本体521底面からのストッパ524の突出寸法は、孔部5121(図5及び図7)から露出する軸部513の第二円筒部5132の突出方向の寸法より小さい。
【0044】
〔ギア53の構成〕
ギア53は、後述するアクチュエータ56のスピンドル561に取り付けられ、当該アクチュエータ56によって生じる回転力を、ギア52に伝達して、当該ギア52を回転させるものである。このギア53は、外周にギア52の歯5211に噛合する歯5311が形成されたギア本体531と、当該ギア本体531と同じ中心軸を有し、かつ、後述する第二ケース552側に突出した円筒部532とを備えている。また、このギア53には、当該ギア53の中心部分を貫通し、かつ、アクチュエータ56のスピンドル561が挿入される孔部533が形成されている。
このうち、円筒部532の側面には、孔部533にスピンドル561が挿入された際に、当該スピンドル561にギア53を固定するねじ(図示省略)が螺合するねじ孔5321が形成されている。
【0045】
〔捻りコイルばね54の構成〕
捻りコイルばね54は、本発明の付勢手段に相当し、当該捻りコイルばね54には、コイル部541と、当該コイル部541を挟む一対の端部542(図5及び図7),543とが形成されている。このうち、コイル部541は、前述のように、操作部51の軸部513を構成する第三円筒部5133に巻き付けられる。また、一対の端部542,543は、それぞれ鉤状に形成され、一方の端部542は、突起部5123(図5及び図6)と係合し、他方の端部543は、第二ケース552に係止される。このような捻りコイルばね54により、操作部51は、右側把持部41の外側、詳しくは、後述する第二ケース552の起立部55223側に付勢される。
【0046】
〔ケース55の構成〕
ケース55は、操作部51の腕部512の一部と、軸部513、ギア52,53及び捻りコイルばね54とを内部に収納するものであり、平面的に見て半円形と正方形とを組み合わせたような形状を有している。このケース55は、腕部512の突起部5122側に位置する第一ケース551と、突起部5123側に位置する第二ケース552とから構成されている。
このうち、第一ケース551は、断面略U字状に形成されており、当該第一ケース551には、ギア52の突起部522が挿通する略円形状の孔部5511が形成されている。この第一ケース551内には、軸部513の第一円筒部5131、第二円筒部5132、ギア52及びギア53のギア本体531が収納される。
【0047】
第二ケース552は、側面視階段状に形成され、当該第二ケース552には、捻りコイルばね54を収納する第一収納部5521と、ギア53を収納する第二収納部5522とが形成されている。
このうち、第一収納部5521は、階段状の低い位置(第一ケース551に対して離間する位置)に形成され、平面視略半円形状を有している。この第一収納部5521には、軸部513の第四円筒部5134が挿入される孔部55211(図6及び図7)が形成されている。この孔部55211の径寸法は、第二円筒部5132の径寸法と略同じに設定されている。また、この第一収納部5521の上端面55212、すなわち、第二収納部5522と高さ位置が異なり、かつ、腕部512に対向する上端面55212は、操作部51が回動する際に、当該腕部512が摺動する面である。
なお、この第一収納部5521内には、図示を省略するが、前述の捻りコイルばね54の端部543を係止する係止部が形成されている。
【0048】
第二収納部5522は、階段状の高い位置(第一ケース551に対して近接する位置)に形成され、平面視略正方形状を有している。この第二収納部5522内には、ギア53の円筒部532が収納される。
第二収納部5522には、ギア53の孔部533に挿入されるアクチュエータ56のスピンドル561が挿通する孔部55221(図5及び図6)が形成されている。また、この孔部55221を挟むように一対の孔部55222(図5及び図6)が形成されている。これら孔部55222は、第二収納部5522に、アクチュエータ56を固定するためのねじ(図示省略)が挿通する孔である。
【0049】
第二収納部5522において、第一収納部5521の上端面55212から起立する一対の起立部55223(図5及び図7),55224は、当該上端面55212に沿って摺動しつつ回動する操作部51の回動範囲を規定している。
すなわち、操作部51が操作者により操作されていない(操作部51が回動していない)場合には、当該操作部51の腕部512は、捻りコイルばね54の付勢力により、起立部55223に当接している。この状態から、操作部51が押圧されると、腕部512が上端面55212に沿って摺動しつつ、操作部51は、他方の起立部55224側に回動する。この起立部55223から起立部55224に至るまでの範囲が、操作部51の可動範囲である。
【0050】
〔アクチュエータ56の構成〕
アクチュエータ56は、第二収納部5522の下面側(第一ケース551に対向する側とは反対側)に取り付けられ、後述する制御手段44の制御下で、ケース55の内部に収納されたギア53を介してギア52を回動させ、ストッパ524の位置を調整することにより、操作部51の突起部5122がストッパ524に当接するまでの遊び量を調節して、物体の大きさを表現する。また、このアクチュエータ56は、ギア52のストッパ524に突起部5122が当接した際に、当該操作部51の回動方向とは反対方向に作用する反力を生じることにより、操作部51の回動に対する抵抗を生じさせ、物体の硬さを表現する。すなわち、アクチュエータ56は、本発明の移動手段及び反力発生手段に相当する。
【0051】
このアクチュエータ56は、第二収納部5522に形成された孔部55221を介して、ギア53の孔部533に挿入されるスピンドル561と、当該スピンドル561を回転させる駆動部(図示省略)と、当該駆動部を内部に収納する筐体562とを備えて構成されている。なお、制御手段44によるアクチュエータ56の動作制御については、後に詳述する。
【0052】
〔ポテンショメータ57の構成〕
ポテンショメータ57は、本発明の位置検出手段に相当し、ギア52の回動角を検出し、もってギア52に形成されたストッパ524の位置を検出する。このポテンショメータ57は、検出したギア52の回動角を、制御手段44に出力する。
このポテンショメータ57の略中央には、ギア52の突起部522が挿入される開口571が形成されている。
【0053】
〔制御手段44の構成〕
図8は、制御手段44の構成を示すブロック図である。
制御手段44は、前述のように、情報処理装置2から入力する設定情報に基づいて、コントローラ4全体の動作を制御するとともに、各種センサによって検出した操作者の操作状態を示す操作情報を、情報処理装置2に出力する。例えば、制御手段44は、情報処理装置2から入力する設定情報に基づいて、アクチュエータ56を駆動し、ギア52に形成されたストッパ524の位置や、当該アクチュエータ56によって生じる反力の大きさ(トルク量)を調節する。
このような制御手段44は、図8に示すように、設定情報取得部441、駆動条件設定部442、駆動状態取得部443、操作情報出力部444及び駆動制御部445を備えて構成されている。
【0054】
設定情報取得部441は、情報処理装置2から出力される前述の設定情報を取得する。この設定情報取得部441は、遊び量取得部4411と、トルク量取得部4412とを備えて構成されている。
遊び量取得部4411は、入力した設定情報から、前述の操作子5を構成する操作部51の突起部5122がギア52に形成されたストッパ524に当接するまでの操作部51の回動量に係る情報(遊び量情報)を取得する。
トルク量取得部4412は、入力した設定情報から、突起部5122がストッパ524に当接してからの操作部51の回動に対する反力となるアクチュエータ56のトルク量に係る情報(トルク量情報)を取得する。
【0055】
駆動条件設定部442は、コントローラ4の動作、特に操作子5の動作に係る各種設定を行う。この駆動条件設定部442は、ストッパ位置設定部4421と、トルク量設定部4422とを備えて構成されている。
ストッパ位置設定部4421は、取得された遊び量情報から、ギア52のストッパ524の位置を設定する。具体的に、ストッパ位置設定部4421は、当該遊び量情報に基づく位置にストッパ524が配置されるように、ギア52の回動角を設定する。
トルク量設定部4422は、取得されたトルク量情報に基づいて、ストッパ524に突起部5122が当接してからの操作部51の回動に対して、ギア52にギア53を介して伝達するトルク量を設定する。
【0056】
駆動状態取得部443は、各種センサから検出値を取得し、当該検出値を操作情報出力部444及び駆動制御部445に出力する。この駆動状態取得部443は、押圧力取得部4431、ギア回動角取得部4432、回動角取得部4433、距離取得部4434及び軸部回動角取得部4435を備えて構成されている。
押圧力取得部4431は、圧力センサ5111から、操作部51の板状部511に対する操作者の押圧力を取得する。
ギア回動角取得部4432は、ポテンショメータ57から、ギア52の回動角を取得する。
【0057】
回動角取得部4433は、コントローラ4の接続部43に設けられた回動角センサ433から、左側把持部42に対する右側把持部41の回動角を取得する。
距離取得部4434は、同様に、接続部43に設けられたリニアセンサ434から、左側把持部42に対する右側把持部41の距離を取得する。
軸部回動角取得部4435は、右側把持部41及び左側把持部42に設けられたアナログセンサ411,421から、接続部43の軸部431,432に対する右側把持部41及び左側把持部42の回動角を取得する。
【0058】
操作情報出力部444は、駆動状態取得部443により取得した各種情報を操作情報として、情報処理装置2に出力する。この操作情報出力部444は、押圧力出力部4441、ストッパ位置出力部4442、回動角出力部4443、距離出力部4444及び軸部回動角出力部4445を備えて構成されている。
このうち、押圧力出力部4441は、押圧力取得部4431により取得された押圧力を出力する。
【0059】
ストッパ位置出力部4442は、ギア回動角取得部4432により取得されたギア52の回動角からストッパ524の位置を算出し、当該ストッパ524の位置を示す情報(ストッパ位置情報)を出力する。
回動角出力部4443及び距離出力部4444は、それぞれ、回動角取得部4433及び距離取得部4434により取得された左側把持部42に対する右側把持部41の回動角及び距離を出力する。
軸部回動角出力部4445は、軸部回動角取得部4435により取得された軸部431,432に対する右側把持部41及び左側把持部42の回動角を出力する。
【0060】
駆動制御部445は、駆動条件設定部442で設定された駆動条件(ストッパ位置及びトルク量)、及び、駆動状態取得部443により取得された駆動状態(押圧力及びギア52の回動角)に基づいて、アクチュエータ56の駆動を制御する。すなわち、駆動制御部445は、本発明の移動手段制御部及び反力発生手段制御部に相当する。
具体的に、駆動制御部445は、遊び量情報に応じてストッパ位置設定部4421により設定された設定位置にストッパ524が位置するように、ギア53を介してギア52をアクチュエータ56により回動させる。
【0061】
また、駆動制御部445は、ギア回動角取得部4432により取得されたギア52の回動角に基づいて、ストッパ524が設定位置より押し込まれたと判定した場合には、トルク量設定部4422により設定されたトルク量に応じた反力を発生させ、操作部51の回動に対する抵抗を生じさせる。この際、駆動制御部445には、押圧力取得部4431により取得される操作者の押圧力がフィードバックされ、アクチュエータ56によって生じる反力の大きさの精度が高められている。
【0062】
〔アクチュエータ56の動作制御処理〕
図9は、制御手段44によるアクチュエータ56の動作制御処理の過程を示すフローチャートである。
制御手段44は、制御手段44を構成する図示しないROM(Read Only Memory)等の記憶手段に記憶された動作制御プログラムに沿って、以下に示す動作制御処理(ステップST01〜ST09)を実行することにより、アクチュエータ56の動作を制御する。
具体的に、動作制御処理では、図9に示すように、まず、制御手段44の設定情報取得部441が情報処理装置2から設定情報を取得する。そして、当該設定情報取得部441を構成する遊び量取得部4411が、受信した設定情報から、遊び量情報を取得し(遊び量情報取得ステップST01)、また、トルク量取得部4412が、トルク量情報を取得する(トルク量情報取得ステップST02)。
【0063】
次に、駆動条件設定部442のストッパ位置設定部4421が、取得された遊び量情報から、当該遊び量情報が示す遊び量となるべく、ギア52に形成されたストッパ524の設定位置、すなわち、ギア52の回動角を設定する(ストッパ位置設定ステップST03)。
また同様に、駆動条件設定部442のトルク量設定部4422は、取得されたトルク量情報に基づいて、駆動制御部445がアクチュエータ56を駆動させて反力を発生させる際のトルク量を設定する(トルク量設定ステップST04)。
この後、駆動制御部445が、アクチュエータ56を駆動させて、ギア53,52を回動させ、当該ギア52のストッパ524を、ステップST03で設定された設定位置に配置させる(ストッパ移動ステップST05)。
【0064】
図10は、初期位置に配置されたストッパ524と操作部51の突起部5122との位置関係を示す図である。また、図11は、設定位置に配置されたストッパと突起部5122との位置関係を示す図である。
具体的に、ステップST05では、ステップST03にて設定された回動角に応じて、駆動制御部445がアクチュエータ56を駆動して、ギア52を回動させることにより、ストッパ524は、図10に示す初期位置(捻りコイルばね54の付勢力により起立部55223に腕部512が当接している状態のストッパ524の位置)から、図11に示す設定位置に移動する。これにより、操作部51の突起部5122がストッパ524に当接するまでの距離である遊び量Lが、当該ストッパ524が移動した後の図11では、ストッパ524が突起部5122に近接する方向である矢印A1方向にギア52が回動したことにより小さくなる。逆に、図10に示した状態から、ストッパ524が突起部5122から離間する矢印A2方向にギア52が回動すると、図示は省略したが、当該遊び量Lは大きくなる。
【0065】
このように、操作子5の回動に対する抵抗が大きくなるまでの距離(遊び量L)を調整することができるので、コントローラ4を仮想の物体として操作者が握る際の当該物体の大きさを表現することができる。
なお、ステップST05により位置が変更される前のストッパ524の位置である初期位置は、第二ケース552の起立部55223,55224によって規定される操作部51の回動可能範囲の略中央に相当するように設定されている。
【0066】
図9に戻り、ステップST05の後、ステップST06では、駆動状態取得部443の押圧力取得部4431が、圧力センサ5111から、操作部51の板状部511に加えられた押圧力を取得する(圧力検出ステップST06)。
また同様に、駆動状態取得部443のギア回動角取得部4432が、ポテンショメータ57から、ギア52の回動角、詳述すると、ストッパ524が初期位置にある状態からのギア52の回動角を取得する(回動角検出ステップST07)。
【0067】
この後、駆動制御部445が、取得されたギア52の回動角に基づいて、当該ギア52のストッパ524に操作部51の突起部5122が当接し、さらに、当該突起部5122の押し込みによりストッパ524が移動したか否かを判定する(ストッパ移動判定ステップST08)。すなわち、このステップST08では、ストッパ524が突起部5122によって押し込まれることにより、ギア52が回動したか否かが判定される。
【0068】
図12は、操作部51の突起部5122が、ギア52のストッパ524に当接した状態を示す図である。
ここで、駆動制御部445が、ストッパ524は前述の設定位置から移動していないと判定した場合、すなわち、図12に示すように、操作部51が回動した場合でも、突起部5122がストッパ524を移動させる状態には至っていないと判定した場合には、ステップST06に戻り、押圧力及び回動角の取得を再度行う。
【0069】
図13は、操作部51の回動に伴って、突起部5122がギア52を回動させた状態を示す図である。
一方、駆動制御部445が、図12において示した状態を経て、図13に示すように、操作部51の回動によりストッパ524が移動したと判定した場合には、当該駆動制御部445は、ステップST04にて設定されたトルク量でアクチュエータ56を駆動する(反力発生ステップST09)。具体的に、駆動制御部445は、図13中矢印A2方向への操作部51及びギア52の回動に対して、アクチュエータ56により、矢印A1方向に作用する反力を生じさせる。この際、圧力センサ5111により検出され、押圧力取得部4431により取得された操作部51に対する操作者の押圧力の値と、設定されたトルク量に応じた反力の値とを比較しつつ、アクチュエータ56を駆動することにより、適切な大きさの反力を発生させることができる。このように生じた当該反力が、操作者による操作部51に対する入力操作の抵抗となるため、コントローラ4を仮想の物体として操作者が握る際の当該物体の硬さを表現することができる。
【0070】
以上の駆動制御処理(ST01〜ST09)を、各操作子5(5T,5F,5L)に対して行うことにより、それぞれの操作子5により、仮想の物体の大きさ及び硬さを表現することができる。なお、ポテンショメータ57により、突起部5122の押し込みによって矢印A2方向に移動したストッパ524の位置が、前述の設定位置に戻ったことが検出された場合には、駆動制御部445は、アクチュエータ56による反力の発生を停止し、当該ストッパ524の位置を設定位置に留める。この際、操作者の押圧力が、付勢手段である捻りコイルばね54の付勢力より小さくなれば、当該付勢力により、操作部51は元の位置、すなわち、第二ケース552の起立部55223に腕部512の端縁が当接する位置に戻る。
【0071】
〔実施形態の効果〕
以上説明した本実施形態の情報処理システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
すなわち、操作子5の操作部51が軸部513を中心として回動すると、当該操作部51の腕部512に形成された突起部5122が、ギア52に形成されたストッパ524に当接する。この状態から操作部51を更に回動させると、突起部5122がストッパ524を押し込み、ギア52が回動する。このギア52には、ギア53を介して、操作部51の押圧力に対する反力がアクチュエータ56から伝達される。そして、アクチュエータ56は、制御手段44の駆動制御部445により駆動制御され、当該駆動制御部445が、アクチュエータ56のトルク量を調整することにより、当該反力の大きさを変更することができる。ここで、右側把持部41は、右手で把持するように構成され、各操作子5(5T,5F,5L)は、右手の親指、人差し指及び中指に対応する位置に設けられているので、操作者は、右側把持部41を握るようにして各操作子5を操作する。
これによれば、操作者の入力操作によって変位する操作部51に対する反力の大きさを、表現したい仮想の物体に応じて調整することができる。従って、当該仮想の物体の硬さを表現することができる。
【0072】
また、ストッパ524の位置は、操作部51に対する反力の発生開始位置となり、当該ストッパ52に突起部5122が当接するまでの距離が遊び量となる。この遊び量は、アクチュエータ56がギア52を回動させ、ストッパ524の位置を変更することにより調整することができる。
これによれば、右側把持部41に対する握り動作によって操作される各操作子5の遊び量を、表現したい仮想の物体の大きさに応じて調整することにより、当該仮想の物体の大きさを表現することができる。従って、コントローラ4の汎用性を高めることができる。
【0073】
また、ギア52の回動角は、位置検出手段としてのポテンショメータ57によって検出され、ギア回動角取得部4432により、駆動制御部445に出力される。そして、駆動制御部445は、ギア52の回動角を参照しつつ、ストッパ524の位置調整を行うとともに、反力の発生を行う。
これによれば、アクチュエータ56の駆動によって回動するギア52の回動角を、駆動制御部445にフィードバックさせることにより、当該駆動制御部445によるアクチュエータ56の動作制御の正確性を向上することができる。従って、ギア52の回動角、及び、当該ギア52の回動に伴って移動するストッパ524の位置を正確に取得することができるとともに、ストッパ524の配置の精度を高めることができる。
【0074】
また、ギア回動角取得部4432によりポテンショメータ57から取得されたギア52の回動角に基づいて、ストッパ524の位置が算出され、当該ストッパ524の位置情報は、操作信号としてストッパ位置出力部4442により、情報処理装置2に出力される。
これによれば、情報処理装置2が、各操作子5の操作部51の入力量をコントローラ4から適切に取得することができ、当該情報処理装置2は、各操作部51の入力量に応じた処理、例えば、仮想の物体が握られて凹むような画像を表示するなどの処理を実行することができる。従って、情報処理装置2が、当該仮想の物体を実際に握っているかのような現実感を操作者に与えるような処理を実行することができ、コントローラ4の汎用性を高めることができる。
【0075】
また、操作部51において、操作者によって押圧される板状部511の表面には、圧力センサ5111が設けられている。この圧力センサ5111によって検出された押圧力は、押圧力取得部4431によって取得され、駆動制御部445にフィードバックされる。そして、当該駆動制御部445は、入力する押圧力を参照して、アクチュエータ56の駆動を制御する。
これによれば、操作部51に加わる押圧力を指標として、アクチュエータ56の駆動によって発生する反力の大きさを推し量ることができる。従って、当該反力の大きさの精度を向上することができる。
【0076】
また、情報処理装置2から入力する遊び量情報及びトルク量情報に基づいて、駆動条件設定部442のストッパ位置設定部4421及びトルク量設定部4422が、ストッパ524の設定位置及びトルク量を設定する。そして、駆動制御部445は、設定位置にストッパ524が位置するように、アクチュエータ56を駆動させるとともに、ストッパ524が操作部51によって押し込まれた場合には、設定されたトルク量でアクチュエータを駆動させ、当該操作部51の押圧力に対する反力を発生させる。
これによれば、情報処理装置2から出力される設定情報に基づいて、遊び量及びトルク量が設定されるので、コントローラ4での処理を簡略化することができる。また、表現したい仮想の物体の大きさに係る遊び量情報、及び、当該物体の硬さに係るトルク量情報を情報処理装置2が出力することにより、コントローラ4により当該物体を表現することができる。この際、情報処理装置2が当該物体に係る画像を画像表示装置3に表示させることにより、当該物体を操作している現実感を操作者に視覚的にも付与することができる。
【0077】
また、操作部51の突起部5122に当接して、当該操作部51の回動を規制するストッパ524は、当該操作部51と回動軸を同じとするギア52に形成されている。そして、アクチュエータ56は、当該ギア52を回動させることで、ストッパ524の位置を調整するとともに、当該ストッパ524が押し込まれた場合には、ギア52を回動させて反力を発生させる。
これによれば、ストッパ524の位置を調整して遊び量を調整する手段と、操作部51の変位に対する反力を発生させる手段とを別々に設ける必要をなくすことができる。従って、操作子5の構成を簡略化することができる。
また、操作部51は、第二ケース552に回動自在に支持されている。これによれば、操作部51が直線的に変位する場合に比べ、小さなスペースで大きな変位量を確保することができる。従って、操作子5ひいてはコントローラ4の小型化を図ることができる。
【0078】
また、操作部51及びギア52の回動軸と、当該ギア52に噛合するギア53及びアクチュエータ56のスピンドル561の回動軸とは、それぞれ異なる。
これによれば、アクチュエータ56が直接ギア52を駆動するように、操作部51の軸部513と、ギア52と、アクチュエータ56とが直線的に並ぶ構成に比べ、操作子5を小型化することができるほか、ギア52の回動角を検出するポテンショメータ57の設置を容易に行うことができる。従って、操作子5の組立を容易に行うことができるほか、当該操作子5の設計自由度を向上することができる。
【0079】
また、各操作子5(5T,5F,5L)のうち、操作子5Tの操作部51は、右側把持部41における操作者側に、また、操作子5F,5Lの操作部51は、右側把持部41における操作者とは反対側に、それぞれ露出して設けられている。詳述すると、右側把持部41を操作者が右手で把持した場合に、操作子5Tの操作部51は、当該右手の親指に対応する位置に配置され、操作子5F,5Lの操作部51は、それぞれ右手の人差し指及び中指に対応する位置に配置されている。
これによれば、操作者は、右側把持部41を握って操作することとなるので、各操作子5の入力操作を容易に行うことができ、ひいては、コントローラ4の操作性を向上することができる。また、物体を握る際には、主に親指、人差し指及び中指を用いて行うが、各操作子5の操作部51が、それぞれの指に対応する位置に配置されているので、仮想の物体を実際に操作しているという操作感を向上することができ、ひいては、コントローラ4による表現力を向上することができる。
【0080】
〔実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、操作部51は、第二ケース552に回動自在に支持され、操作者の押圧によって、操作部51の軸部513を軸として回動するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、操作部51の移動方向は、周方向に限らず、直線方向としてもよい。
【0081】
前記実施形態では、操作部51に当接して当該操作部51の変位(回動)を規制する規制部は、ギア52に形成されたストッパ524であるとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、規制部は、操作部51が直線運動するのであれば、当該操作部51の可動範囲内に配置され、当該直線運動に対する抵抗となる反力の発生開始位置となるように構成されていれば、他の構成でもよい。
【0082】
前記実施形態では、規制部を移動させる移動手段と、反力を発生させる反力発生手段は、アクチュエータ56であるとしたが、本発明はこれに限らず、それぞれ別々に設けてもよい。例えば、操作部51が直線運動する場合であれば、規制部を押し込むように変位する操作部に対して反力を発生させる反力発生手段と、規制部及び反力発生手段をともに移動させる移動手段とを設けてもよい。
【0083】
前記実施形態では、駆動制御部445は、ギア52の回動角により、ストッパ524が移動したか否かを判定したが、圧力センサ5111によって検出された押圧力に基づいて、ストッパ524が移動したか否かを判定してもよい。これは、ストッパ524に突起部5122が当接してから更に操作部51が回動させる場合には、ギア52,53及びアクチュエータ56のスピンドル561が回動することとなり、操作部51の回動に対する抵抗が大きくなり、圧力センサ5111に課される押圧力が大きくなるためである。この押圧力の変化に基づいて、駆動制御部445が、ストッパ524が移動したか否かを判定するように構成することも可能である。
【0084】
前記実施形態では、操作子5は、位置検出手段として、ポテンショメータ57を備える構成としたが、本発明はこれに限らない。例えば、操作子5は、ポテンショメータ57に代えて、エンコーダを備える構成としてもよい。すなわち、位置検出手段は、ギア52の絶対位置が取得できれば他の構成としてもよい。
【0085】
前記実施形態では、各操作子5(5T,5F,5L)の操作部51は、コントローラ4の右側把持部41における親指、人差し指及び中指に対応する位置にそれぞれ設けられているとしたが、本発明はこれに限らず、操作部51の露出位置は、どこでもよい。また、右側把持部41に限らず、左側把持部42に設けてもよく、さらに、操作子5の数は適宜設定してよい。
【0086】
前記実施形態では、情報処理装置2は、ゲーム機として構成されていたが、本発明はこれ限らず、PC(Personal Computer)等で構成してもよい。すなわち、情報処理装置2が処理するプログラム等の情報は、ゲームプログラムに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、情報処理装置に接続され、所定の操作信号を出力するコントローラとして利用することができ、特にゲーム機に用いられるコントローラとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図。
【図2】前記実施形態における情報処理装置の構成を示すブロック図。
【図3】前記実施形態におけるコントローラの内部構造を示す模式図。
【図4】前記実施形態における操作子の構造を示す部分断面図。
【図5】前記実施形態における操作子の構造を示す分解斜視図。
【図6】前記実施形態における操作子の構造を示す分解斜視図。
【図7】前記実施形態における操作子の構造を示す分解斜視図。
【図8】前記実施形態における制御手段の構成を示すブロック図。
【図9】前記実施形態における動作制御処理の過程を示すフローチャート。
【図10】前記実施形態における突起部とストッパとの位置関係を示す図。
【図11】前記実施形態における突起部とストッパとの位置関係を示す図。
【図12】前記実施形態における突起部がストッパに当接した状態を示す図。
【図13】前記実施形態における突起部がギアを回動させた状態を示す図。
【符号の説明】
【0089】
1…情報処理システム、2…情報処理装置、4…コントローラ、5(5T,5F,5L)…操作子、41…右側把持部(筐体)、44…制御手段、51…操作部、52…ギア(筒状体)、54…捻りコイルばね(付勢手段)、56…アクチュエータ(移動手段、反力発生手段)、57…ポテンショメータ(位置検出手段)、232…設定情報出力部(情報出力部)、441…設定情報取得部(情報取得部)、445…駆動制御部(移動手段制御部、反力発生手段制御部)、524…ストッパ(規制部)、552…第二ケース(支持部)、4442…ストッパ位置出力部(位置出力部)、5111…圧力センサ(圧力検出手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に接続され、入力操作に応じた操作信号を前記情報処理装置に出力するコントローラであって、
入力操作を検出する操作子と、
前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、
前記操作子は、
前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、
前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、
前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、
前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、
前記規制部を前記可能範囲内で移動させる移動手段とを備え、
前記制御手段は、
前記移動手段を制御する移動手段制御部と、
前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備えることを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記操作子は、
前記操作部の変位に応じて移動する前記規制部の位置を検出する位置検出手段を備え、
前記移動手段制御部は、
前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置に応じて、前記移動手段を制御することを特徴とするコントローラ。
【請求項3】
請求項2に記載のコントローラにおいて、
前記制御手段は、
前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置を、前記情報処理装置に出力する位置出力部を備えることを特徴とするコントローラ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記操作子は、
前記入力操作に応じて前記操作部に加えられる押圧力を検出する圧力検出手段を備え、
前記反力発生手段制御部は、
前記圧力検出手段により検出された前記押圧力に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とするコントローラ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記制御手段は、
前記情報処理装置から出力される前記規制部の位置を示す位置情報及び前記反力の大きさを示す反力情報を取得する情報取得部を備え、
前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、
前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とするコントローラ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記操作部を回動自在に支持する支持部を備え、
前記規制部は、前記操作部と回動軸を同じとする筒状体に設けられ、
前記移動手段及び前記反力発生手段は、前記筒状体を回動させることにより、前記規制部である前記当接部の位置を調整するとともに、当該筒状体に前記反力を付加させるアクチュエータであることを特徴とするコントローラ。
【請求項7】
請求項6に記載のコントローラにおいて、
前記筒状体は、前記回動軸に沿う外周面に歯が形成されたギアで構成され、
前記アクチュエータは、前記歯に噛合する他のギアが取り付けられるスピンドルを有することを特徴とするコントローラ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記操作子を内部に収納する筐体を備え、
前記筐体内には、前記操作子が複数設けられ、
前記操作部は、前記筐体の互いに対向する領域に、それぞれ露出して設けられていることを特徴とするコントローラ。
【請求項9】
入力する操作信号に応じて情報を処理する情報処理装置と、当該情報処理装置に接続され、前記情報処理装置に入力操作に応じた前記操作信号を出力するコントローラとを備えた情報処理システムであって、
前記コントローラは、
入力操作を検出する操作子と、
前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、
前記操作子は、
前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、
前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、
前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、
前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、
前記規制部を前記操作部の変位可能範囲内での所定位置に移動させる移動手段とを備え、
前記制御手段は、
前記移動手段を制御する移動手段制御部と、
前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記コントローラに対して、前記規制部の位置を示す位置情報と、前記反力の大きさを示す反力情報とを出力する情報出力部を備え、
前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、
前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とする情報処理システム。
【請求項1】
情報処理装置に接続され、入力操作に応じた操作信号を前記情報処理装置に出力するコントローラであって、
入力操作を検出する操作子と、
前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、
前記操作子は、
前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、
前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、
前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、
前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、
前記規制部を前記可能範囲内で移動させる移動手段とを備え、
前記制御手段は、
前記移動手段を制御する移動手段制御部と、
前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備えることを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記操作子は、
前記操作部の変位に応じて移動する前記規制部の位置を検出する位置検出手段を備え、
前記移動手段制御部は、
前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置に応じて、前記移動手段を制御することを特徴とするコントローラ。
【請求項3】
請求項2に記載のコントローラにおいて、
前記制御手段は、
前記位置検出手段により検出された前記規制部の位置を、前記情報処理装置に出力する位置出力部を備えることを特徴とするコントローラ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記操作子は、
前記入力操作に応じて前記操作部に加えられる押圧力を検出する圧力検出手段を備え、
前記反力発生手段制御部は、
前記圧力検出手段により検出された前記押圧力に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とするコントローラ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記制御手段は、
前記情報処理装置から出力される前記規制部の位置を示す位置情報及び前記反力の大きさを示す反力情報を取得する情報取得部を備え、
前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、
前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とするコントローラ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記操作部を回動自在に支持する支持部を備え、
前記規制部は、前記操作部と回動軸を同じとする筒状体に設けられ、
前記移動手段及び前記反力発生手段は、前記筒状体を回動させることにより、前記規制部である前記当接部の位置を調整するとともに、当該筒状体に前記反力を付加させるアクチュエータであることを特徴とするコントローラ。
【請求項7】
請求項6に記載のコントローラにおいて、
前記筒状体は、前記回動軸に沿う外周面に歯が形成されたギアで構成され、
前記アクチュエータは、前記歯に噛合する他のギアが取り付けられるスピンドルを有することを特徴とするコントローラ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記操作子を内部に収納する筐体を備え、
前記筐体内には、前記操作子が複数設けられ、
前記操作部は、前記筐体の互いに対向する領域に、それぞれ露出して設けられていることを特徴とするコントローラ。
【請求項9】
入力する操作信号に応じて情報を処理する情報処理装置と、当該情報処理装置に接続され、前記情報処理装置に入力操作に応じた前記操作信号を出力するコントローラとを備えた情報処理システムであって、
前記コントローラは、
入力操作を検出する操作子と、
前記操作子の動作を制御するとともに、当該操作子に対する入力操作に応じた操作信号を出力する制御手段とを備え、
前記操作子は、
前記入力操作に応じて所定方向に変位する操作部と、
前記操作部を前記所定方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、
前記操作部の可動範囲内の所定位置に配置され、変位した前記操作部に当接して、当該操作部の変位を規制する規制部と、
前記規制部に当接してからの前記操作部の変位に対して反力を発生させる反力発生手段と、
前記規制部を前記操作部の変位可能範囲内での所定位置に移動させる移動手段とを備え、
前記制御手段は、
前記移動手段を制御する移動手段制御部と、
前記反力発生手段を制御する反力発生手段制御部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記コントローラに対して、前記規制部の位置を示す位置情報と、前記反力の大きさを示す反力情報とを出力する情報出力部を備え、
前記移動手段制御部は、前記位置情報に基づいて、前記移動手段を制御し、
前記反力発生手段制御部は、前記反力情報に基づいて、前記反力発生手段を制御することを特徴とする情報処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−173186(P2008−173186A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7345(P2007−7345)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]