コンバインの自動エンジン回転制御装置
【課題】自動エンジン回転制御機能を備えたコンバインにおいて、この機能を停止した際にエンジン回転数の急激な変化を回避しながら低速回転数に移行させる。
【解決手段】刈取・脱穀クラッチセンサがクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチが入り状態から切り状態に切り換え操作されると、アクセルレバーを手動変更操作するまでの間はエンジン回転数を元のまま維持するように制御する機能を前記コントローラ及びエンジンコントローラにもたせる。
【解決手段】刈取・脱穀クラッチセンサがクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチが入り状態から切り状態に切り換え操作されると、アクセルレバーを手動変更操作するまでの間はエンジン回転数を元のまま維持するように制御する機能を前記コントローラ及びエンジンコントローラにもたせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの自動エンジン回転制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンを動力源として走行、刈取脱穀、穀粒排出を行なうコンバインにおいて、作業を一時停止したときに、予め記憶しているアイドリング回転数に対応する位置まで自動でアクセルレバー手段を移動し、前記記憶しているアイドリング回転数になるまでの監視時間を予め設定し、監視時間の経過後に実際のエンジン回転数を検出し、該検出結果に基づきアクセルレバー手段を修正位置ずけして、記憶している前記アイドリング回転数にエンジン回転数を一致させるように調整する自動エンジン回転制御装置を設けたものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3769811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動エンジン回転制御装置を備えたコンバインで脱ぷの容易な穀稈の刈取作業をするにあたり、刈取作業終了後の畔際での旋回走行時にエンジン回転数を低下させ刈取部の回転数を低くしたい場合がある。
【0005】
本発明は、このような場合に対応するにあたり、自動エンジン回転制御装置を切りにした際にも、エンジン回転数の急激な低下を回避しながら安定した状態で低速回転に移行させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような従来技術のもつ問題点を解決するために、次の技術的手段を講じた。
【0007】
請求項1の発明は、走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作されると、前記アクセルレバーを手動変更操作するまでの間はエンジン回転数を元のまま維持するように制御する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置とする。
【0008】
請求項2の発明は、走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)を入り状態から切り状態に切り換え操作したときに、前記アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には現在のエンジン回転数を維持し、その差が所定回転数以下になった状態でエンジン回転数を目標回転数に切り換える機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、
前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作された場合に、前記アクセルレバーを手動変更するまで、又は、アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には、モニタ表示装置(37)に自動エンジン回転制御装置に基づきエンジン回転数が回転した状態でアクセルレバーを手動操作するとエンジン回転数を減少調節できる旨を表示する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、刈取作業中に自動エンジン回転制御装置を入り状態から切り状態に切り換えても、エンジン回転数の急激な変動を防止しながら刈取搬送部(8)の回転数を低速回転に安定して移行させることができる。
【0011】
請求項2の発明によると、刈取作業中に自動エンジン回転制御装置を入り状態から切り状態に切り換えても、エンジン回転数の急激な変動を防止しながら、刈取搬送部(8)の回転数を低速回転に移行させることができる。
【0012】
請求項2の発明によると、請求項1又は請求項2の発明の前記効果に加えて、モニタ表示装置(37)にエンジン回転数の変更方法を表示するので、低速回転への変速操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】コンバインの伝動展開図である。
【図4】制御ブロック図である。
【図5】制御フローチャートである。
【図6】制御フローチャートである。
【図7】制御フローチャートである。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】制御フローチャートである。
【図10】制御フローチャートである。
【図11】制御フローチャートである。
【図12】制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。
【0015】
まず、図1及び図2に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
【0016】
コンバイン1の走行車体2の下方には、左右一対のクローラ走行装置3,3を配設し、走行車体2上には、右側前部に操縦部4を、操縦部4の後方にグレンタンク6を、左側前部に脱穀部5を、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7をそれぞれ配設している。操縦部4及び脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引起しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0017】
次に、図3に基づきコンバインの伝動構成について説明する。
【0018】
エンジンEの出力軸11の左右一側から排出伝動装置12を経由して穀粒排出装置13を駆動し、グレンタンク6の穀粒を排出するようにしている。また、左右他側の出力軸11から走行ベルト伝動装置14を経て静油圧式の走行無段変速装置15に動力を伝達し、走行無段変速装置15を主変速レバー17(図1に示す)で手動変速した走行動力をミッションケース16内の走行伝動装置を経由して左右クローラ走行装置2,2に伝達している。
【0019】
また、出力軸11の左右他側から刈取・脱穀動力を取り出し、刈取・脱穀伝動装置18を経由して刈取搬送部8駆動用の静油圧式の刈取無段変速装置19へ伝達している。しかして、刈取無段変速装置19で変速された刈取動力が刈取伝動ケース8aの刈取出力軸8b、刈取動力伝動装置8cを経て刈取搬送部8の刈取入力軸20へ伝達され、刈取無段変速装置19で変速された動力により刈取搬送部8の穀稈引起し装置、刈刃装置、穀稈搬送装置等が駆動される。また、刈取伝動ケース8aのフィードチエン出力軸8dを経て脱穀部5のフィードチエン21に動力が伝達される構成である。
【0020】
また、刈取・脱穀伝動装置18の中途部から脱穀動力を脱穀伝動装置22に分岐し、脱穀伝動装置22から処理胴伝動装置22aを経由して二番処理胴24及び排塵処理胴25に動力を伝達している。また、脱穀伝動装置22の中途部から扱胴伝動装置22bを経由して扱胴26に動力を伝達し、脱穀伝動装置22の終端側部から排藁伝動装置22cを経由して排稾搬送装置23に動力を伝達している。
【0021】
また、刈取・脱穀伝動装置18の終端側から唐箕伝動装置22dを経由して唐箕27に動力を伝達している。また、刈取・脱穀伝動装置18の終端側から脱穀後部伝動装置22eを経由して一番揚穀装置28、第2唐箕29、二番揚穀装置30、排塵ファン31及び揺動選別棚32に動力を伝達している。また、脱穀後部伝動装置22eの終端側から排藁処理伝動装置22fを分岐し、排稾処理装置7へ動力を伝達している。
【0022】
次に、図4に基づきコンバイン1のアクセル制御装置について説明する。
【0023】
制御用コントローラ35の入力側には、自動エンジン回転制御スイッチSW1と、エンジン回転数増加調節スイッチSW2と、エンジン回転数減少調節スイッチSW3と、走行無段変速装置15変速用の主変速レバー17の変速位置を検出する主変速レバー位置検出センサSE1と、排出クラッチの入切を検出する排出クラッチ検出センサSE2と、刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチ検出センサSE3とを接続している。また、コントローラ35の出力側には、同期通信手段を経由してモニタ表示装置37を接続している。
【0024】
また、前記コントローラ35とエンジン回転数制御用のエンジンコントローラ36との間をCAN通信手段を介して接続し、エンジン回転数の指示及びエンジン回転数情報を伝達するようにしている。エンジンコントローラ36の入力側には、エンジン回転数センサSE4、エンジン回転数調節用のアクセルレバー(図示省略)の操作位置を検出するアクセルレバー位置検出センサSE5を接続している。
【0025】
前記自動エンジン回転制御スイッチSW1を入りにし自動エンジン回転制御モードに設定すると、コンバインの走行、刈取作業、穀粒排出作業の各作業状態に応じて、エンジンの出力を効率良く作動するようにエンジンの回転数制御が実行される。移動走行時には主変速レバー17の増減速操作に応じてエンジン回転数を自動的に増減調節し、刈取作業時や穀粒排出作業の作業時には、エンジン回転数を定格回転数に保持される。
【0026】
また、走行停止時における非作業時には、エンジン回転数を所定の低速回転数(例えば2000rpm)に保持し、また、走行停止時における非作業時に、駐車ブレーキぺダルを踏み込むと、エンジン回転数をアイドリング回転にし、また、走行停止状態の非作業時に、自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにすると、エンジン回転数をアイドリング回転にするようにしている。従って、各作業状態に応じて効率良いエンジン出力とすることができる。
【0027】
本制御は、前記自動エンジン回転制御装置を備えたコンバインにおいて、自動エンジン回転制御中に自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにしたときのエンジン回転数制御に関するもので、エンジンがコモンレール型なので、アクセルレバーの操作位置とエンジンの実回転数とが異なる場合があり、このような場合にエンジン回転数を高速回転数から低速回転数への移行を円滑にしようとするものである。
【0028】
コンバインの作業時に自動エンジン回転制御スイッチSW1を入り状態から切りにしたときに、アクセルレバーの目標回転数操作位置とエンジンコントローラ36の制御目標回転数とが異なる場合に、アクセルレバーの新たな操作位置への移動操作を検出するまではエンジンの回転数を現在のまま維持するようにしている。
【0029】
図5に示すように、本制御が開始すると、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りで、コントローラ35からの前回のエンジン回転数の指示が有効か否かを判定し(ステップS1)、Yesであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1がOFFか否かを判定し(ステップS2)、Noであると、自動エンジン回転制御を有効とし、前回のエンジン回転数による回転を継続する(ステップS3)。また、Yesであると、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS4)、Noであると、自動エンジン回転数制御を有効として前回のエンジン回転数を保持し(ステップS5)、Yesであると、自動エンジン回転制御を停止し、アクセルレバーの手動操作によるエンジン回転数調節に移行する。
【0030】
次に、図6に基づき他の実施例について説明する。
【0031】
本制御が開始すると、自動エンジン回転制御が有効で前回のエンジン回転数の指示中であるか否かを判定する(ステップS11)。Yesであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1がOFFか否かを判定する(ステップS12)。Noであると、自動エンジン回転制御を有効として継続する(ステップS13)。また、Yesであると、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS14)、Noであると、自動エンジン回転数制御を有効とし前回のエンジン回転数を維持する(ステップS15)。Yesであると、現在のエンジン回転数がエンジンコントローラ36の目標回転数と略等しいか否かを判定し(ステップS16)、Noであると、ステップS15に移行し、Yesであると、自動エンジン回転制御の実行を停止し、アクセルレバーの手動操作によるエンジン回転数の手動調節に移行する(ステップS17)。
【0032】
次に、他の実施例について説明する。
【0033】
図7に示すように、本制御が開始すると、自動エンジン回転制御が有効で前回のエンジン回転数の指示中か否かを判定し(ステップS21)、Noであると、後述のステップS28に移行する。Yesであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1がOFFか否かを判定する(ステップS22)。Noであると、自動エンジン回転制御を有効として継続する(ステップS23)。また、Yesであると、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS24)、Noであると、自動エンジン回転数制御を有効とし、前回のエンジン回転数を保持し(ステップS26)、モニタ表示要求をセットし、モニタ表示装置37に「自動エンジン回転制御中である。アクセルレバーの手動操作によるエンジン回転数調節を促す」旨の表示をする(ステップS27)。
【0034】
また、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS24)、Yesであると、現在のエンジン回転数がエンジンコントローラ36の目標回転数と略等しいか否かを判定し(ステップS25)、Noであると、ステップS26に移行する。また、Yesであると、自動エンジン回転制御の実行を停止し(ステップS28)、モニタ表示要求をリセットし、モニタ表示装置37に自動エンジン回転制御を停止した旨を表示する(ステップS29)。
【0035】
前記構成によると、作業中に自動エンジン回転制御を停止した際に、エンジン高速回転から低速回転への急激な変動を防止し、コンバインの作業部を安定した運転状態を継続することができる。また、コンバインで脱ぷの容易な穀稈の刈取作業の場合には、自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにし、エンジン回転数を低下させ刈取回転速度を低くしたいときがある。このような場合には、自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにすると、エンジンの回転数が急激に低下し、刈取搬送部8の回転数が急激に低下し作業の安定を損なう恐れがある。しかし、前記構成によるとこのような不具合を回避することができる。
【0036】
次に、他のエンジン回転数制御構成について説明する。
【0037】
この実施例は、自動エンジン回転制御装置を備えたコンバインにおいて、前記自動エンジン回転制御スイッチSW1を入りから切りにした場合におけるエンジンの低速回転数を、エンジン回転数増加調節スイッチSW2、あるいは、エンジン回転数減少調節スイッチSW3により調節しようとするものである。所定のスイッチ操作により、低速回転数調節モードに移行し、エンジン回転数増加調節スイッチSW2、あるいは、エンジン回転数減少調節スイッチSW3の操作により調節するものである。
【0038】
なお、単一のエンジン回転調節スイッチ(図示省略)を設け、このスイッチのON操作と、アクセルレバーを全閉鎖位置、全開位置、あるいは、これらの中間位置に操作することにより、アイドル回転数を高低に調節設定するようにしてもよい。
【0039】
自動エンジン回転制御装置では、コンバインが走行を停止している非作業状態では、エンジンの目標回転数を予め設定された所定のアイドリング回転数(例えば、2000rpm)に設定している。しかし、アイドリング回転数を所定回転数に固定したものであると、運転者がコンバインの種々の作業状態で適正なエンジン回転数とすることができず、例えば、エンジンの暖気促進運転、油圧装置の作動、バッテリへの充電、エアコンの作動等の種々の状態に適切に対応できない不具合が発生する。しかし、前記構成によると、種々の低速回転数に調節設定することができ、低速回転時の機体の共振を回避しながら適正な作業をすることができる。
【0040】
次に、図8及び図9に基づき他の実施例について説明する。
【0041】
自動刈取部上昇制御機能(コントローラ35の制御指令により、刈取搬送部8の前方に刈取穀稈がなくなると、刈取搬送部8を自動的に一定量上昇させたり、また、刈取搬送部8が下降状態で後進すると、刈取搬送部8を自動的に一定量上昇させる)を備え、コントローラ35及びエンジンコントローラ36の指令による自動エンジン回転制御装置を備え、コントローラ35とエンジンコントローラ36とを通信線で接続し必要な情報を送受信するコンバインにおいて、エンジンの運転中で、走行検出中で、刈取・脱穀クラッチの入り検出中で、負荷軽減選択スイッチSW4が入りのときに、刈取搬送部8の分草杆先端部に設けた左右刈取穀稈検出センサSE6,SE7が穀稈有り検出で、エンジンの負荷検出情報が所定値以上か、あるいは、エンジン回転数が所定値以下の場合には、コンバインを左右何れかに旋回させ、左右刈取穀稈検出センサSE6,SE7の何れかが穀稈なし検出をすると、旋回作動を停止して直進走行をするように制御し、オペレータの操作を不要にしながら、コンバインの刈取過負荷運転時に左右刈取条の何れか1条の刈取を停止し、エンジンの負荷軽減を図ろうとするものである。
【0042】
図8に示すように、コントローラ35の入力側には、刈取・脱穀クラッチ検出センサSE3、自動エンジン回転制御スイッチSW1、負荷軽減選択スイッチSW4、左刈取穀稈検出センサSE6、右刈取穀稈検出センサSE7、穀粒排出オーガの排出クラッチの入切を検出する排出クラッチ検出センサSE2、グレンタンク6の最下穀粒検出センサSE9、主変速レバー位置検出センサSE1、車速センサSE8、エンジン回転数センサSE4を、エンジン回転制御コントローラ35a及び旋回制御コントローラ35bに接続している。
【0043】
また、コントローラ35の出力側には、エンジン送信回路39を接続し、また、駆動手段を経由してブザー40、警報灯41、左サイドクラッチ42、右サイドクラッチ43、左右ブレーキ装置44を接続している。
【0044】
図9に示すように、刈取・脱穀クラッチが入りとなり(ステップS31)、車速センサSE8が走行検出し(ステップS32)、負荷軽減選択スイッチSW4が入りとなると(ステップS33)、車速が所定値より低い場合には(ステップS34)、エンジンの負荷検出値が所定値より高いか否かを判定する(アクセルレバーの操作位置とエンジン回転数から負荷の度合いを検出する。)(ステップS35)。
【0045】
Noであると、エンジン回転数が所定回転数より低いか否かを判定し(ステップS36)、Yesであると、左刈取穀稈検出センサSE6が入りで(ステップS37)、且つ、右刈取穀稈検出センサSE7が入りの場合には、過負荷状態と判定し(ステップS38)、過負荷運転回避ブザーにより警報し、過負荷回避警告灯を点灯し(ステップS39)、左右サイドクラッチの何れかに切り出力し、左右ブレーキの何れかに制動出力して旋回し、刈取穀稈条列を少なくし、過負荷刈取作業を回避する(ステップS40)。
【0046】
次に、図10に基づき他の実施例について説明する。
【0047】
前記自動エンジン回転制御装置を備え、前記自動刈取部の上昇機能を備え、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りのときに、走行無段変速装置15変速用の主変速レバー17の操作に応じてエンジンの回転数を増減速するコンバインにおいて、エンジンの運転中で、負荷軽減選択スイッチSW4が入りのときに、主変速レバー17の操作変化量を所定時間にわたり監視し、主変速レバー17の所定量以上の操作を主変速レバー位置検出センサSE1が検出したときには、エンジン回転数が主変速レバー17の操作位置から選択される制御目標回転数に至るまで所定時間をかけて通常変速速度よりもゆっくり変化させるようにしている。
【0048】
図10に示すように、エンジン運転状態で(ステップS61)、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りで(ステップS62)、負荷軽減選択スイッチSW4が入り状態であると(ステップS63)、主変速レバー17の操作変化量を監視する監視時間が経過したか否かを判定する(ステップS64)。Yesであると、後述のステップS67に移行する。Noであると、主変速レバー17の操作量が所定量以上か否かを判定し(ステップS65)、Yesであると、主変速レバー17の操作変化量より操作時間を算出し(ステップS66)、主変速レバー17の操作変化量の監視時間を初期化する(ステップS67)。
【0049】
次いで、主変速レバー17の制御目標操作位置と、主変速レバー17の現在の操作位置を記憶し(ステップS68)、エンジン回転数が変化する時間のカウント中か否かを判定し(ステップS69)、Yesであると、エンジン回転数の変化時間からエンジンの目標回転数を算出し(ステップS70)、エンジンの目標回転数を送信する(ステップS71)。
【0050】
なお、前記制御において、主変速レバー17の操作量の変化に応じてエンジンの目標回転数までの到達時間を可変にし、操作量が大きいほど到達時間を長く設定するようにしている。
【0051】
次に、図11に基づきグレンタンク6の穀粒を排出した後のエンジン回転数減速制御装置について説明する。
【0052】
エンジンが運転状態で(ステップS81)、排出クラッチが入り状態で(ステップS82)、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入り状態になると(ステップS83)、負荷軽減選択スイッチSW4の入り選択か否かを判定する(ステップS84)。Yesであると、穀粒排出終了監視時間のカウント処理を実行し(ステップS85)、グレンタンク6の最下穀粒検出センサSE9が排出完了を検出したか否かを判定し(ステップS86)、Noであると、排出終了監視時間を初期化する(ステップS87)。また、Yesであると、排出終了監視時間が経過したか否かを判定し(ステップS88)、Yesであると、エンジン回転数を最低目標回転数にセットし(ステップS89)、該エンジン最低目標回転数を送信し、エンジン回転数を最低目標回転数に設定する(ステップS90)。
【0053】
前記構成によると、省エネと環境に配慮しながらグレンタンク6の穀粒を排出することができる。
【0054】
次に、図12に基づき刈取作業時のエンジン低燃費制御について説明する。
【0055】
エンジンを運転状態で(ステップS101)、車速センサSE8が走行検出中であると(ステップS102)、刈取・脱穀クラッチが入りか否かを判定する(ステップS103)。Yesであると、作業時省エネ運転モードを解除し(ステップS104)、エンジン目標回転数を定格回転数に設定し、エンジン回転数の指示送信をする(ステップS105)。
【0056】
また、Noであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りか否かを判定し(ステップS106)、Noであると、作業時省エネ運転モードの記憶を解除する(ステップS108)。Yesであると、負荷軽減選択スイッチSW4が入りか否かを判定し(ステップS107)、Noであると、作業時省エネ運転モードの記憶を解除する(ステップS108)。また、Yesであると、所定走行距離のカウント処理を実行し(ステップS109)、作業時省エネ運転モードの記憶をしているか否かを判定し(ステップS110)、Yesであると、エンジン目標回転数を省エネ回転数に設定し送信指示する(ステップS111)。
【0057】
また、Noであると、左穀稈検出センサSE6がONか否かを判定し(ステップS112)、Yesであると、後述のステップS114に移行し、Noであると、右穀稈検出センサSE7がONか否かを判定する(ステップS113)。Yesであると、省エネ運転モードの実行許可を記憶し(ステップS114)、省エネ運転モードの開始距離をセットする。
【0058】
また、右穀稈検出センサSE7がONか否かを判定し(ステップS113)、Noであると、省エネ運転モードの実行許可の記憶があるか否かを判定し(ステップS116)、Yesであると、作業時省エネ運転モードを実行し(ステップS117)、省エネ運転の実行許可の記憶を解除する(ステップS118)。
【0059】
前記構成によると、コンバインの刈取作業時の省エネ運転をし、環境に配慮した刈取作業をすることができる。また、刈取作業から移動走行に移行したときに、エンジン回転数が自動的に適正に設定され円滑に走行することができる。
【符号の説明】
【0060】
3 走行装置
5 脱穀部
8 刈取搬送部
15 走行無段変速装置
17 主変速レバー
19 刈取無段変速装置
35 コントローラ
36 エンジンコントローラ
SW1 自動エンジン回転制御スイッチ
SE3 刈取・脱穀クラッチセンサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの自動エンジン回転制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンを動力源として走行、刈取脱穀、穀粒排出を行なうコンバインにおいて、作業を一時停止したときに、予め記憶しているアイドリング回転数に対応する位置まで自動でアクセルレバー手段を移動し、前記記憶しているアイドリング回転数になるまでの監視時間を予め設定し、監視時間の経過後に実際のエンジン回転数を検出し、該検出結果に基づきアクセルレバー手段を修正位置ずけして、記憶している前記アイドリング回転数にエンジン回転数を一致させるように調整する自動エンジン回転制御装置を設けたものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3769811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動エンジン回転制御装置を備えたコンバインで脱ぷの容易な穀稈の刈取作業をするにあたり、刈取作業終了後の畔際での旋回走行時にエンジン回転数を低下させ刈取部の回転数を低くしたい場合がある。
【0005】
本発明は、このような場合に対応するにあたり、自動エンジン回転制御装置を切りにした際にも、エンジン回転数の急激な低下を回避しながら安定した状態で低速回転に移行させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、このような従来技術のもつ問題点を解決するために、次の技術的手段を講じた。
【0007】
請求項1の発明は、走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作されると、前記アクセルレバーを手動変更操作するまでの間はエンジン回転数を元のまま維持するように制御する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置とする。
【0008】
請求項2の発明は、走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)を入り状態から切り状態に切り換え操作したときに、前記アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には現在のエンジン回転数を維持し、その差が所定回転数以下になった状態でエンジン回転数を目標回転数に切り換える機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、
前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作された場合に、前記アクセルレバーを手動変更するまで、又は、アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には、モニタ表示装置(37)に自動エンジン回転制御装置に基づきエンジン回転数が回転した状態でアクセルレバーを手動操作するとエンジン回転数を減少調節できる旨を表示する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、刈取作業中に自動エンジン回転制御装置を入り状態から切り状態に切り換えても、エンジン回転数の急激な変動を防止しながら刈取搬送部(8)の回転数を低速回転に安定して移行させることができる。
【0011】
請求項2の発明によると、刈取作業中に自動エンジン回転制御装置を入り状態から切り状態に切り換えても、エンジン回転数の急激な変動を防止しながら、刈取搬送部(8)の回転数を低速回転に移行させることができる。
【0012】
請求項2の発明によると、請求項1又は請求項2の発明の前記効果に加えて、モニタ表示装置(37)にエンジン回転数の変更方法を表示するので、低速回転への変速操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】コンバインの伝動展開図である。
【図4】制御ブロック図である。
【図5】制御フローチャートである。
【図6】制御フローチャートである。
【図7】制御フローチャートである。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】制御フローチャートである。
【図10】制御フローチャートである。
【図11】制御フローチャートである。
【図12】制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。
【0015】
まず、図1及び図2に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
【0016】
コンバイン1の走行車体2の下方には、左右一対のクローラ走行装置3,3を配設し、走行車体2上には、右側前部に操縦部4を、操縦部4の後方にグレンタンク6を、左側前部に脱穀部5を、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7をそれぞれ配設している。操縦部4及び脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引起しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0017】
次に、図3に基づきコンバインの伝動構成について説明する。
【0018】
エンジンEの出力軸11の左右一側から排出伝動装置12を経由して穀粒排出装置13を駆動し、グレンタンク6の穀粒を排出するようにしている。また、左右他側の出力軸11から走行ベルト伝動装置14を経て静油圧式の走行無段変速装置15に動力を伝達し、走行無段変速装置15を主変速レバー17(図1に示す)で手動変速した走行動力をミッションケース16内の走行伝動装置を経由して左右クローラ走行装置2,2に伝達している。
【0019】
また、出力軸11の左右他側から刈取・脱穀動力を取り出し、刈取・脱穀伝動装置18を経由して刈取搬送部8駆動用の静油圧式の刈取無段変速装置19へ伝達している。しかして、刈取無段変速装置19で変速された刈取動力が刈取伝動ケース8aの刈取出力軸8b、刈取動力伝動装置8cを経て刈取搬送部8の刈取入力軸20へ伝達され、刈取無段変速装置19で変速された動力により刈取搬送部8の穀稈引起し装置、刈刃装置、穀稈搬送装置等が駆動される。また、刈取伝動ケース8aのフィードチエン出力軸8dを経て脱穀部5のフィードチエン21に動力が伝達される構成である。
【0020】
また、刈取・脱穀伝動装置18の中途部から脱穀動力を脱穀伝動装置22に分岐し、脱穀伝動装置22から処理胴伝動装置22aを経由して二番処理胴24及び排塵処理胴25に動力を伝達している。また、脱穀伝動装置22の中途部から扱胴伝動装置22bを経由して扱胴26に動力を伝達し、脱穀伝動装置22の終端側部から排藁伝動装置22cを経由して排稾搬送装置23に動力を伝達している。
【0021】
また、刈取・脱穀伝動装置18の終端側から唐箕伝動装置22dを経由して唐箕27に動力を伝達している。また、刈取・脱穀伝動装置18の終端側から脱穀後部伝動装置22eを経由して一番揚穀装置28、第2唐箕29、二番揚穀装置30、排塵ファン31及び揺動選別棚32に動力を伝達している。また、脱穀後部伝動装置22eの終端側から排藁処理伝動装置22fを分岐し、排稾処理装置7へ動力を伝達している。
【0022】
次に、図4に基づきコンバイン1のアクセル制御装置について説明する。
【0023】
制御用コントローラ35の入力側には、自動エンジン回転制御スイッチSW1と、エンジン回転数増加調節スイッチSW2と、エンジン回転数減少調節スイッチSW3と、走行無段変速装置15変速用の主変速レバー17の変速位置を検出する主変速レバー位置検出センサSE1と、排出クラッチの入切を検出する排出クラッチ検出センサSE2と、刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチ検出センサSE3とを接続している。また、コントローラ35の出力側には、同期通信手段を経由してモニタ表示装置37を接続している。
【0024】
また、前記コントローラ35とエンジン回転数制御用のエンジンコントローラ36との間をCAN通信手段を介して接続し、エンジン回転数の指示及びエンジン回転数情報を伝達するようにしている。エンジンコントローラ36の入力側には、エンジン回転数センサSE4、エンジン回転数調節用のアクセルレバー(図示省略)の操作位置を検出するアクセルレバー位置検出センサSE5を接続している。
【0025】
前記自動エンジン回転制御スイッチSW1を入りにし自動エンジン回転制御モードに設定すると、コンバインの走行、刈取作業、穀粒排出作業の各作業状態に応じて、エンジンの出力を効率良く作動するようにエンジンの回転数制御が実行される。移動走行時には主変速レバー17の増減速操作に応じてエンジン回転数を自動的に増減調節し、刈取作業時や穀粒排出作業の作業時には、エンジン回転数を定格回転数に保持される。
【0026】
また、走行停止時における非作業時には、エンジン回転数を所定の低速回転数(例えば2000rpm)に保持し、また、走行停止時における非作業時に、駐車ブレーキぺダルを踏み込むと、エンジン回転数をアイドリング回転にし、また、走行停止状態の非作業時に、自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにすると、エンジン回転数をアイドリング回転にするようにしている。従って、各作業状態に応じて効率良いエンジン出力とすることができる。
【0027】
本制御は、前記自動エンジン回転制御装置を備えたコンバインにおいて、自動エンジン回転制御中に自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにしたときのエンジン回転数制御に関するもので、エンジンがコモンレール型なので、アクセルレバーの操作位置とエンジンの実回転数とが異なる場合があり、このような場合にエンジン回転数を高速回転数から低速回転数への移行を円滑にしようとするものである。
【0028】
コンバインの作業時に自動エンジン回転制御スイッチSW1を入り状態から切りにしたときに、アクセルレバーの目標回転数操作位置とエンジンコントローラ36の制御目標回転数とが異なる場合に、アクセルレバーの新たな操作位置への移動操作を検出するまではエンジンの回転数を現在のまま維持するようにしている。
【0029】
図5に示すように、本制御が開始すると、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りで、コントローラ35からの前回のエンジン回転数の指示が有効か否かを判定し(ステップS1)、Yesであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1がOFFか否かを判定し(ステップS2)、Noであると、自動エンジン回転制御を有効とし、前回のエンジン回転数による回転を継続する(ステップS3)。また、Yesであると、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS4)、Noであると、自動エンジン回転数制御を有効として前回のエンジン回転数を保持し(ステップS5)、Yesであると、自動エンジン回転制御を停止し、アクセルレバーの手動操作によるエンジン回転数調節に移行する。
【0030】
次に、図6に基づき他の実施例について説明する。
【0031】
本制御が開始すると、自動エンジン回転制御が有効で前回のエンジン回転数の指示中であるか否かを判定する(ステップS11)。Yesであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1がOFFか否かを判定する(ステップS12)。Noであると、自動エンジン回転制御を有効として継続する(ステップS13)。また、Yesであると、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS14)、Noであると、自動エンジン回転数制御を有効とし前回のエンジン回転数を維持する(ステップS15)。Yesであると、現在のエンジン回転数がエンジンコントローラ36の目標回転数と略等しいか否かを判定し(ステップS16)、Noであると、ステップS15に移行し、Yesであると、自動エンジン回転制御の実行を停止し、アクセルレバーの手動操作によるエンジン回転数の手動調節に移行する(ステップS17)。
【0032】
次に、他の実施例について説明する。
【0033】
図7に示すように、本制御が開始すると、自動エンジン回転制御が有効で前回のエンジン回転数の指示中か否かを判定し(ステップS21)、Noであると、後述のステップS28に移行する。Yesであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1がOFFか否かを判定する(ステップS22)。Noであると、自動エンジン回転制御を有効として継続する(ステップS23)。また、Yesであると、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS24)、Noであると、自動エンジン回転数制御を有効とし、前回のエンジン回転数を保持し(ステップS26)、モニタ表示要求をセットし、モニタ表示装置37に「自動エンジン回転制御中である。アクセルレバーの手動操作によるエンジン回転数調節を促す」旨の表示をする(ステップS27)。
【0034】
また、アクセルレバーの手動操作の有無を判定し(ステップS24)、Yesであると、現在のエンジン回転数がエンジンコントローラ36の目標回転数と略等しいか否かを判定し(ステップS25)、Noであると、ステップS26に移行する。また、Yesであると、自動エンジン回転制御の実行を停止し(ステップS28)、モニタ表示要求をリセットし、モニタ表示装置37に自動エンジン回転制御を停止した旨を表示する(ステップS29)。
【0035】
前記構成によると、作業中に自動エンジン回転制御を停止した際に、エンジン高速回転から低速回転への急激な変動を防止し、コンバインの作業部を安定した運転状態を継続することができる。また、コンバインで脱ぷの容易な穀稈の刈取作業の場合には、自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにし、エンジン回転数を低下させ刈取回転速度を低くしたいときがある。このような場合には、自動エンジン回転制御スイッチSW1を切りにすると、エンジンの回転数が急激に低下し、刈取搬送部8の回転数が急激に低下し作業の安定を損なう恐れがある。しかし、前記構成によるとこのような不具合を回避することができる。
【0036】
次に、他のエンジン回転数制御構成について説明する。
【0037】
この実施例は、自動エンジン回転制御装置を備えたコンバインにおいて、前記自動エンジン回転制御スイッチSW1を入りから切りにした場合におけるエンジンの低速回転数を、エンジン回転数増加調節スイッチSW2、あるいは、エンジン回転数減少調節スイッチSW3により調節しようとするものである。所定のスイッチ操作により、低速回転数調節モードに移行し、エンジン回転数増加調節スイッチSW2、あるいは、エンジン回転数減少調節スイッチSW3の操作により調節するものである。
【0038】
なお、単一のエンジン回転調節スイッチ(図示省略)を設け、このスイッチのON操作と、アクセルレバーを全閉鎖位置、全開位置、あるいは、これらの中間位置に操作することにより、アイドル回転数を高低に調節設定するようにしてもよい。
【0039】
自動エンジン回転制御装置では、コンバインが走行を停止している非作業状態では、エンジンの目標回転数を予め設定された所定のアイドリング回転数(例えば、2000rpm)に設定している。しかし、アイドリング回転数を所定回転数に固定したものであると、運転者がコンバインの種々の作業状態で適正なエンジン回転数とすることができず、例えば、エンジンの暖気促進運転、油圧装置の作動、バッテリへの充電、エアコンの作動等の種々の状態に適切に対応できない不具合が発生する。しかし、前記構成によると、種々の低速回転数に調節設定することができ、低速回転時の機体の共振を回避しながら適正な作業をすることができる。
【0040】
次に、図8及び図9に基づき他の実施例について説明する。
【0041】
自動刈取部上昇制御機能(コントローラ35の制御指令により、刈取搬送部8の前方に刈取穀稈がなくなると、刈取搬送部8を自動的に一定量上昇させたり、また、刈取搬送部8が下降状態で後進すると、刈取搬送部8を自動的に一定量上昇させる)を備え、コントローラ35及びエンジンコントローラ36の指令による自動エンジン回転制御装置を備え、コントローラ35とエンジンコントローラ36とを通信線で接続し必要な情報を送受信するコンバインにおいて、エンジンの運転中で、走行検出中で、刈取・脱穀クラッチの入り検出中で、負荷軽減選択スイッチSW4が入りのときに、刈取搬送部8の分草杆先端部に設けた左右刈取穀稈検出センサSE6,SE7が穀稈有り検出で、エンジンの負荷検出情報が所定値以上か、あるいは、エンジン回転数が所定値以下の場合には、コンバインを左右何れかに旋回させ、左右刈取穀稈検出センサSE6,SE7の何れかが穀稈なし検出をすると、旋回作動を停止して直進走行をするように制御し、オペレータの操作を不要にしながら、コンバインの刈取過負荷運転時に左右刈取条の何れか1条の刈取を停止し、エンジンの負荷軽減を図ろうとするものである。
【0042】
図8に示すように、コントローラ35の入力側には、刈取・脱穀クラッチ検出センサSE3、自動エンジン回転制御スイッチSW1、負荷軽減選択スイッチSW4、左刈取穀稈検出センサSE6、右刈取穀稈検出センサSE7、穀粒排出オーガの排出クラッチの入切を検出する排出クラッチ検出センサSE2、グレンタンク6の最下穀粒検出センサSE9、主変速レバー位置検出センサSE1、車速センサSE8、エンジン回転数センサSE4を、エンジン回転制御コントローラ35a及び旋回制御コントローラ35bに接続している。
【0043】
また、コントローラ35の出力側には、エンジン送信回路39を接続し、また、駆動手段を経由してブザー40、警報灯41、左サイドクラッチ42、右サイドクラッチ43、左右ブレーキ装置44を接続している。
【0044】
図9に示すように、刈取・脱穀クラッチが入りとなり(ステップS31)、車速センサSE8が走行検出し(ステップS32)、負荷軽減選択スイッチSW4が入りとなると(ステップS33)、車速が所定値より低い場合には(ステップS34)、エンジンの負荷検出値が所定値より高いか否かを判定する(アクセルレバーの操作位置とエンジン回転数から負荷の度合いを検出する。)(ステップS35)。
【0045】
Noであると、エンジン回転数が所定回転数より低いか否かを判定し(ステップS36)、Yesであると、左刈取穀稈検出センサSE6が入りで(ステップS37)、且つ、右刈取穀稈検出センサSE7が入りの場合には、過負荷状態と判定し(ステップS38)、過負荷運転回避ブザーにより警報し、過負荷回避警告灯を点灯し(ステップS39)、左右サイドクラッチの何れかに切り出力し、左右ブレーキの何れかに制動出力して旋回し、刈取穀稈条列を少なくし、過負荷刈取作業を回避する(ステップS40)。
【0046】
次に、図10に基づき他の実施例について説明する。
【0047】
前記自動エンジン回転制御装置を備え、前記自動刈取部の上昇機能を備え、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りのときに、走行無段変速装置15変速用の主変速レバー17の操作に応じてエンジンの回転数を増減速するコンバインにおいて、エンジンの運転中で、負荷軽減選択スイッチSW4が入りのときに、主変速レバー17の操作変化量を所定時間にわたり監視し、主変速レバー17の所定量以上の操作を主変速レバー位置検出センサSE1が検出したときには、エンジン回転数が主変速レバー17の操作位置から選択される制御目標回転数に至るまで所定時間をかけて通常変速速度よりもゆっくり変化させるようにしている。
【0048】
図10に示すように、エンジン運転状態で(ステップS61)、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りで(ステップS62)、負荷軽減選択スイッチSW4が入り状態であると(ステップS63)、主変速レバー17の操作変化量を監視する監視時間が経過したか否かを判定する(ステップS64)。Yesであると、後述のステップS67に移行する。Noであると、主変速レバー17の操作量が所定量以上か否かを判定し(ステップS65)、Yesであると、主変速レバー17の操作変化量より操作時間を算出し(ステップS66)、主変速レバー17の操作変化量の監視時間を初期化する(ステップS67)。
【0049】
次いで、主変速レバー17の制御目標操作位置と、主変速レバー17の現在の操作位置を記憶し(ステップS68)、エンジン回転数が変化する時間のカウント中か否かを判定し(ステップS69)、Yesであると、エンジン回転数の変化時間からエンジンの目標回転数を算出し(ステップS70)、エンジンの目標回転数を送信する(ステップS71)。
【0050】
なお、前記制御において、主変速レバー17の操作量の変化に応じてエンジンの目標回転数までの到達時間を可変にし、操作量が大きいほど到達時間を長く設定するようにしている。
【0051】
次に、図11に基づきグレンタンク6の穀粒を排出した後のエンジン回転数減速制御装置について説明する。
【0052】
エンジンが運転状態で(ステップS81)、排出クラッチが入り状態で(ステップS82)、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入り状態になると(ステップS83)、負荷軽減選択スイッチSW4の入り選択か否かを判定する(ステップS84)。Yesであると、穀粒排出終了監視時間のカウント処理を実行し(ステップS85)、グレンタンク6の最下穀粒検出センサSE9が排出完了を検出したか否かを判定し(ステップS86)、Noであると、排出終了監視時間を初期化する(ステップS87)。また、Yesであると、排出終了監視時間が経過したか否かを判定し(ステップS88)、Yesであると、エンジン回転数を最低目標回転数にセットし(ステップS89)、該エンジン最低目標回転数を送信し、エンジン回転数を最低目標回転数に設定する(ステップS90)。
【0053】
前記構成によると、省エネと環境に配慮しながらグレンタンク6の穀粒を排出することができる。
【0054】
次に、図12に基づき刈取作業時のエンジン低燃費制御について説明する。
【0055】
エンジンを運転状態で(ステップS101)、車速センサSE8が走行検出中であると(ステップS102)、刈取・脱穀クラッチが入りか否かを判定する(ステップS103)。Yesであると、作業時省エネ運転モードを解除し(ステップS104)、エンジン目標回転数を定格回転数に設定し、エンジン回転数の指示送信をする(ステップS105)。
【0056】
また、Noであると、自動エンジン回転制御スイッチSW1が入りか否かを判定し(ステップS106)、Noであると、作業時省エネ運転モードの記憶を解除する(ステップS108)。Yesであると、負荷軽減選択スイッチSW4が入りか否かを判定し(ステップS107)、Noであると、作業時省エネ運転モードの記憶を解除する(ステップS108)。また、Yesであると、所定走行距離のカウント処理を実行し(ステップS109)、作業時省エネ運転モードの記憶をしているか否かを判定し(ステップS110)、Yesであると、エンジン目標回転数を省エネ回転数に設定し送信指示する(ステップS111)。
【0057】
また、Noであると、左穀稈検出センサSE6がONか否かを判定し(ステップS112)、Yesであると、後述のステップS114に移行し、Noであると、右穀稈検出センサSE7がONか否かを判定する(ステップS113)。Yesであると、省エネ運転モードの実行許可を記憶し(ステップS114)、省エネ運転モードの開始距離をセットする。
【0058】
また、右穀稈検出センサSE7がONか否かを判定し(ステップS113)、Noであると、省エネ運転モードの実行許可の記憶があるか否かを判定し(ステップS116)、Yesであると、作業時省エネ運転モードを実行し(ステップS117)、省エネ運転の実行許可の記憶を解除する(ステップS118)。
【0059】
前記構成によると、コンバインの刈取作業時の省エネ運転をし、環境に配慮した刈取作業をすることができる。また、刈取作業から移動走行に移行したときに、エンジン回転数が自動的に適正に設定され円滑に走行することができる。
【符号の説明】
【0060】
3 走行装置
5 脱穀部
8 刈取搬送部
15 走行無段変速装置
17 主変速レバー
19 刈取無段変速装置
35 コントローラ
36 エンジンコントローラ
SW1 自動エンジン回転制御スイッチ
SE3 刈取・脱穀クラッチセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作されると、前記アクセルレバーを手動変更操作するまでの間はエンジン回転数を元のまま維持するように制御する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置。
【請求項2】
走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)を入り状態から切り状態に切り換え操作したときに、前記アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には現在のエンジン回転数を維持し、その差が所定回転数以下になった状態でエンジン回転数を目標回転数に切り換える機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の発明において、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作された場合に、前記アクセルレバーを手動変更するまで、又は、アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には、モニタ表示装置(37)に、自動エンジン回転制御装置に基づきエンジン回転数が回転し、アクセルレバーを手動操作すると、エンジン回転数を減少調節できる旨を表示する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置。
【請求項1】
走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作されると、前記アクセルレバーを手動変更操作するまでの間はエンジン回転数を元のまま維持するように制御する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置。
【請求項2】
走行装置(3,3)、刈取搬送部(8)を駆動するエンジンを備えたコンバインにおいて、前記刈取搬送部(8)の刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)と、エンジンの回転数を手動調節するアクセルレバーと、該刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)の検出情報が入力され、且つ、刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)のクラッチ入り検出時にはエンジンの回転数を増加調節し、クラッチ切り検出時にはエンジンの回転数を減少調節する自動エンジン回転制御を実行するコントローラ(35)と、エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラ(36)と、前記コントローラ(35)とエンジンコントローラ(36)との間を通信する通信手段と、前記コントローラ(35)の自動エンジン回転制御を入切をする自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)とを設け、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)を入り状態から切り状態に切り換え操作したときに、前記アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には現在のエンジン回転数を維持し、その差が所定回転数以下になった状態でエンジン回転数を目標回転数に切り換える機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の発明において、前記刈取・脱穀クラッチセンサ(SE3)がクラッチ入り検出状態で且つ前記自動エンジン回転制御スイッチ(SW1)が入り状態から切り状態に切り換え操作された場合に、前記アクセルレバーを手動変更するまで、又は、アクセルレバーの操作位置のエンジン回転数とエンジンコントローラ(36)の目標回転数とに所定回転数以上の差がある場合には、モニタ表示装置(37)に、自動エンジン回転制御装置に基づきエンジン回転数が回転し、アクセルレバーを手動操作すると、エンジン回転数を減少調節できる旨を表示する機能を前記コントローラ(35)及びエンジンコントローラ(36)にもたせたことを特徴とするコンバインの自動エンジン回転制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−193739(P2011−193739A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61021(P2010−61021)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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