説明

コンパクチン水酸化能を有する株を構築する方法

本発明は、プラバスタチンの微生物を基にした生産の方法及び組成物に向けられる。本発明の組成物は、プラバスタチンの生産をもたらすコンパクチン(ML-236B)を効果的に水酸化し得る微生物の新規な菌株を含む。特に、本発明の微生物は、シトクロムP-450とfdxshe又はfdxshe様蛋白質の両方を発現するために、遺伝的に操作される。本発明は、さらに、高コレステロール血症及び高脂肪血症のような疾病の治療用のプラバスタチンの生産のための方法における、前述の微生物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、P-450シトクロムをコードする遺伝子に関連し、そして、その活性に必要な新規な蛋白質、すなわちfdxshe又はfdxshe様蛋白質に関する。本発明は、プラバスタチンの微生物を基にした生産の方法及び組成物に向けられる。本発明の組成物は、この遺伝子を含むベクター、発現系における前述のベクターの使用、及びプラバスタチンの生産をもたらすコンパクチン(ML-236B)を効果的に水酸化し得る微生物の新規な菌株を含む。特に、本発明の微生物は、シトクロムP-450と新たに発見されたfdxshe又はfdxshe様蛋白質の両方を発現するために、遺伝的に操作される。本発明は、さらに、高コレステロール血症及び高脂肪血症のような疾病の治療用のプラバスタチンの生産のための方法における、前述の微生物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
プラバスタチンは、コレステロール生合成における鍵酵素である、HMG-CoA レダクターゼ(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル コエンザイムA還元酵素)の阻害剤である。この酵素は、血漿コレステロール及び脂質レベルを著しく減少させ、そして、それによって高コレステロール血症及び高脂肪血症の治療に対してとても薬理学的に重要である[Serizawa et al., J. Antibiot., 36:887-891(1983);Serizawa et al., J. Antibiot., 36:918-920(1983);Serizawa et al., J. Antibiot.,36:604-607(1983);Tsujita et al., Biochim. Biophys. Acta, 877:50-60(1986);Arai et al., Ann. Rep. Sankyo Res. Lab., 40:1-38(1988);and Koga et al., Biochim. Biophys. Acta, 1045:115-120(1990).]。
【0003】
プラバスタチンは、糸状菌であるぺニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)によって生産される物質、ML-236B(コンパクチン)ナトリウムの微生物の水酸化によって得られる。この水酸化は、種々の特許[米国特許第5,179,013号明細書;第4,448,979号明細書;第4,346,227号明細書;第4,537,859号明細書;第6,566,120号明細書、第6,750,366号明細書;カナダ特許第1,150,170号明細書;第1,186,647号明細書;日本特許第58-10572号明細書;及びヨーロッパ特許第0605230号明細書]に記載されたように、ムコール(Mucor)、リゾープス(Rhizopus)、シンセファラストラム(Syncephalastrum)、カンニングハメラ(Cunninghamella)、モルチェレラ(Mortierella)のような菌類、並びにノカルジア(Nocardia)、アクチノマデューラ(Actinomadura)及びストレプトマイセス(Streptomyces)のような菌類の多くの異なる属によって、異なる程度で行われ得る。
【0004】
水酸化は、ストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)にて見出された、シトクロムP-450scaモノオキシゲナーゼ系によって触媒され、ML-236Bの6位で起こる[Matsuoka et al.,Eur.J.Biochem.,184:707-713(1989);and Serizawa,et al.,Biochimica et Biophysica Acta,1084:35-40(1991).]。シトクロムP-450scaは、P-450sca-1、P-450sca-2及びP-450sca-3の3つの型が存在するものとして特徴づけられ、米国特許第5,179,013号明細書によれば、水酸化過程工程に使用するのに適している。
【0005】
セリザワらは、ストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)から、P-450sca-2をコード化しているDNAをクローン化した[日本特許公開第6-70780号明細書;Watanabe et al.,Gene,163:81-85(1995).]。本遺伝子は、410アミノ酸蛋白質をコード化している1233 bpの転写解読枠を有する[Watanabe et al.,Gene,163:81-85(1995).]。2.8 kbのDNA挿入断片は、P-450sca-2遺伝子の5'-ノンコーディング領域の1 kbpとともに多コピー型プラスミドであるpIJ702中にクローン化され、そして、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21を形質転換するために用いられた。形質転換されたストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK21は、ストレプトマイセス・カルボフィラス(S. carbophilus)よりさらに速く、ML-236Bをプラバスタチンに変換した。“Watanabe, I. et al.,Gene 163:81-85(1995)”を参照のこと。
【0006】
ワタナベらは、P-450scaの発現が、転写の基質誘導に依存することを開示した。すなわち、ML-236B及びフェノバルビタールは、P-450の発現を30倍も高めることが見出された。これは、ノーザンブロッティングによって確認された。ML-236Bの不存在においては、転写を確認できず、ML-236Bが存在したときは、3つの転写物を確認した。転写のレベルは、基質が存在したとき、最大速度に至るまで6時間にわたって増加した。レギュレター様蛋白質及びプロモータ配列をコードした5'領域のDNA配列が公表された[Watanabe et al.,Gene 210,109-116(1998).]。
【0007】
ストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)における、シトクロムP-450sca-2をコード化している遺伝子の5'-ノンコーディング領域の長さ1 kbpは、基質誘導性である転写プロモータ活性を有する。本1 kbp領域が短くされたとき、転写プロモータは、誘導されることなく、適当な発現系で蛋白質の有意な発現を可能にした[米国特許第5,830,695号明細書]。
【0008】
セリザワとマツオカは、ストレプトマイセス・カルボフィラス(S. carbophilus)からNADH-シトクロム-P-450-レダクターゼを精製した。彼らは、精製したフラボ蛋白質(NADH-シトクロム-P-450-レダクターゼ)、NADH及び酸素の存在下での水酸化活性を試験官内で実証するために、精製したP-450sca蛋白質を用いた。彼らは、P-450sca及びNADH-シトクロム-P-450-レダクターゼが、試験官内で水酸化活性を再構成することを開示した。また、彼らは、ストレプトマイセス・カルボフィラス(S. carbophilus)における、鉄-硫黄蛋白質の存在の根拠を少しも得なかった。これらの知見に基づいて、セリザワとマツオカは、P-450scaシトクロム系を鉄-硫黄蛋白質を必要としない、真核生物のミクロソームシトクロム系で認められたそれらに類似した2つのコンポーネント系に分類した[Serizawa and Matsuoka, Biochem et Biophysica Acta, 1084:35-40(1991).]。
【0009】
本発明は、fdxshe又はfdxshe様蛋白質をコード化している遺伝子が、シトクロムP-450遺伝子から下流に位置づけられ、そして、P-450scaシトクロムの機能に必須であるという発見に基づく。上述のように、本P-450scaシトクロム系は、図4に図示したように、セリザワとマツオカによって述べられた2つのコンポーネント系とは異なり、3つのコンポーネント系である。
【発明の開示】
【0010】
[発明の要約]
本発明の目的は、コンパクチンをプラバスタチンに変換するための効果的かつ効率的な方法を提供することである。
本発明の他の目的は、コンパクチンをプラバスタチンに変換するために、シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質の共発現を用いることである。
【0011】
本発明は、コンパクチン(ML-236B)を水酸化し、そして、それによってプラバスタチンを生産し得る新規な微生物を含む。本発明の微生物は、シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質の両方を発現するために、遺伝的に操作される。本発明は、フェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質と組み合わされたシトクロムP-450の共発現が、プラバスタチンの生産をも行う、という発見に基づく。
【0012】
本発明はさらに、プロモータ並びにシトクロムP-450及びフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコード化している核酸配列を含んでなる、1つ若しくはそれ以上のプラスミドによって宿主細胞を形質転換することを含んでなる、コンパクチン水酸化能を有する遺伝的に修飾した微生物を構築する方法を含む。
【0013】
本発明のもうひとつの態様は、ML-236Bを含む培養液中で、本発明の遺伝的に修飾した微生物を培養することを含んでなる、当業者に知られた発酵技術を用いてプラバスタチンを生産する方法を含み、その培養はシトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質が、プラバスタチンへのML-236Bの触媒変換の結果として発現される条件下でおこなわれる。
【0014】
本発明のさらにもうひとつの態様において、本方法はさらに、培養液からプラバスタチンを回収すること、及び高コレステロール血症及び高脂肪血症のようなコレステロール生合成に関連した疾患の治療におけるその使用、を含んでなり得る。
本発明はまた、fdxsheをコード化している新規な核酸分子を含む。
【0015】
本発明はまた、上記の核酸分子を含んでいるベクターを含む。
本発明はまた、fdxsheによりコード化された新規な蛋白質、及び上記のベクターを用いるその生産方法を含む。
上記及び本発明の他の目的、特徴及び利点は、次の明細書によって、より理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この明細書に述べたのは、遺伝的に操作された微生物におけるシトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質の共発現は、プラバスタチンを作るためにML-236B(コンパクチン)の水酸化を生じる、という発見である。以下に詳細を述べた本発明は、コレステロール生合成に関連した疾患の治療に用いるためのプラバスタチンの生産におけるそれらの使用だけでなく、前述の微生物について述べられる。前述の疾患は、高コレステロール血症又は高脂肪血症を含むが、これらに限られない。
【0017】
この明細書で使用される場合には、フェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質は、ストレプトマイセス・ヘルバチカス(Streptomyces helvaticus)のfdxshe遺伝子である。核酸分子が、シトクロムP-450転写解読枠から下流に位置した、188塩基対配列[図1の配列番号1を参照]に相当することを見出されている。
【0018】
この明細書で使用される場合には、ML-236Bは、ML-236及びそれについての塩を含む。好ましい態様として、ML-236は、ML-236ナトリウムである。この明細書で使用される場合には、プラバスタチンは、プラバスタチン及びそれについての塩を表す。好ましい態様として、プラバスタチンは、プラバスタチンナトリウムである。
【0019】
好ましくは、本ML-236B(コンパクチン)は、コンパクチンを生産する、例えば、微生物、例えば、菌類又は細菌、若しくはコンパクチンを生産する微生物の無細胞抽出物、若しくはコンパクチンを生産する微生物の前成長した培養物からの無細胞培養液、若しくはコンパクチンを含んでなる溶液、若しくは半純粋なコンパクチン、若しくは実質的に純粋なコンパクチン又はそれについての塩を供給することによってもたらされる。シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質が発現される条件下で培養することは、ML-236BをシトクロムP-450の触媒作用によりプラバスタチンに変換させること、そしてその後、培養液からプラバスタチンを回収することを可能とする。
【0020】
本発明は、シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコード化し得る、1つ若しくはそれ以上の発現ベクターで形質転換された微生物を含む。本発明の実施に用いられる発現ベクターの選択は、形質転換する微生物の種類に依存するであろう。例えば、複製、転写調節、翻訳制御などのために必要とされた発現ベクター配列が、形質転換のために選択された微生物と適合することは、きわめて重要である。細菌の発現ベクターは、バクテリオファージDNA又はプラスミドDNAに基づいたそれらを含むが、これらに限られない。そして、少数の例を挙げれば、放線菌(actinomycetes)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)及びバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)のような原核生物の形質転換に適しているそれらを含む。本発明の好ましい態様として、プラスミドpWHM-3のような放線菌(actinomycetes)適合性の発現ベクターが用いられる。
【0021】
本発明の発現ベクターは、所与の宿主中で必要な発現があればよく、それ以上のことは必要でないが、ビルトイン(built-in)選択基準が有用であり得るということはいうまでもない。上述の判断基準は、発現及び形質転換の選択性のような性質を宿主に与え、それによって表現型が修飾されるそれらを含む。適当な選択マーカー、すなわち宿主に特殊な表現型を与えているそれらは、チオストレプトン、アンピシリン、テトラサイクリン又はクロラムフェニコールに耐性を与えているそれらのような薬物耐性マーカー遺伝子を含む。しかし、多くの他の選択マーカーが用いられ得るということはいうまでもない。
【0022】
当業者によく知られている方法が、シトクロムP-450をコードしている配列、及び/又は、フェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコードしている配列、並びに、適切な転写及び翻訳制御配列を含む発現ベクターを構築するために用いられ得る。本発現ベクターを構築するために、シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコードしている核酸を含んでなるDNA断片が、適切な転写及び翻訳制御配列とともに発現ベクターに挿入される。前述の転写制御配列は、例えば、プロモータ配列を含む。前述の翻訳制御配列は、例えば、リボソーム結合配列を含む。
【0023】
本発明の態様として、シトクロムP-450をコードしている配列、及びフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコードしている配列が、単一ベクターに挿入される。あるいは、コードしている配列は、別々のベクターに挿入し、その後宿主細胞に共形質転換してもよい。発現ベクターへの核酸分子のクローニングに用いられ得る組換えDNA技術の当業者に一般的に知られている方法は、「Ausubel et al.(eds.), 1993, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY : and Kriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual, Stockton Press, NY.」に記載される。
【0024】
シトクロムP-450をコードしている配列については、前述の配列は、当業者に知られている様々な異なる方法を用いて、様々な異なる微生物に由来することができる。例えば、ゲノムDNAライブラリーは、標識シトクロムP-450プローブを用いてふるいにかけられ得る。ハイブリダイゼーション条件に関する手引きに関しては、例えば、「Ausubel et al.,supra.」を参照のこと。さらに、シトクロムP-450核酸配列は、明細書中に開示された既知のシトクロムP-450ヌクレオチド配列に基づいて設計された、2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRをおこなうことによって誘導され得る。
【0025】
本発明の好ましい態様として、シトクロムP-450をコードしている配列は、アクチノミセス(actinomycetes)と明らかに区別できない菌株、好ましくは、ストレプトマイセス(Streptomyces) と明らかに区別できない菌株、より好ましくは、ストレプトマイセス・カルボフィラス(S.carbophilus)又はストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus) と明らかに区別できない菌株から単離される。「Watanabe et al., Gene, 163:81-85(1995).」を参照のこと。
【0026】
フェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコードしている配列について言うと、前述の配列はまた、シトクロムP-450をコードしている配列の単離のための上述した方法を用いて、様々な異なる微生物から誘導され得る。ストレプトマイセス・グリセオラス(S.griseolus)の3Fe-4S、ストレプトマイセス・ナタレンシス(S.natalensis)のPimF蛋白質、及びストレプトマイセス・ジアスタチカス(S.diastaticus)のRimH蛋白質のようないくつかの型のフェレドキシンが知られており、そして、発現ベクターの構築に用いられ得る。加えて、以下に記載された新規なフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコードしている配列が、発現ベクターの構築に用いられ得る。
【0027】
本発明は、ストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)由来の新規なフェレドキシン遺伝子を提供する。新規な遺伝子は、ストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)におけるシトクロムP-450遺伝子の下流から、同定されて、そしてクローン化された。そして、fdxsheと呼ばれる。本発明のクローン化したfdxshe遺伝子は、長さ188 bpであり、ストレプトマイセス・グリセオラス(S.griseolus)SauCのフェレドキシンと80%以上の相同性を、そして、ストレプトマイセス・ナタレンシス(S.natalensis)のPimF又はストレプトマイセス・ジアスタチカス(S.diastaticus)のRimHのフェレドキシンと70%以上の相同性を示す。fdxsheのヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列が、図1に示される。
【0028】
本発明のfdxsheヌクレオチド配列は、次のことを含む:(a)図1に示したDNA配列;(b)図1に示したアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;(c) (i) ストリンジェントな条件の下、例えば、65℃にて、0.5Mのリン酸水素ナトリウム溶液(NaHPO4)、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTA中で、フィルター結合したDNAにハイブリダイゼーション及び68℃にて、0.1XのSSC/0.1%のSDS中で洗浄(Ausubel F. M. et al., eds., 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. I Green Publishing Associates, Inc., and John Wiley & sons, Inc., New York, at p. 2.10.3)といった条件下で、(a)又は(b)で説明したヌクレオチド配列にハイブリダイズし、そして、(ii)機能的に等価遺伝子生産物をコードする、いくつかのヌクレオチド配列。
【0029】
本発明はまた、例えば、fdxshe遺伝子調節に(fdxshe遺伝子核酸配列の増幅におけるアンチセンスプライマーのために、及び/又は、として)有用なfdxsheアンチセンス分子としてコードし又は作用し得る核酸分子を含む。本発明はまた、変異体fdxshe、fdxsheのペプチド断片、切断したfdxshe、及びfdxshe融合蛋白質をコードする、ヌクレオチド配列を含む。
【0030】
本発明はまた、次のことを含む。(a) 上述のfdxshe配列、及び/又は、それらの相補体(例えば、アンチセンス、RNAi)のいくつかを含むDNAベクター;(b)fdxsheをコードしている配列の発現を方向づける調節要素と作用可能に結合する、上述のfdxshe配列のいくつかを含むDNA発現ベクター;及び(c) 宿主細胞において、fdxsheをコードしている配列の発現を方向づける調節要素と作用可能に結合する、上述のfdxshe配列のいくつかを含む遺伝的に操作した宿主細胞。この明細書で使用される場合には、調節要素は、誘導性及び非誘導性プロモータ、オペレータ、及び当業者に知られている遺伝子発現を駆動及び調節する他の要素を含むが、これらに限られない。
【0031】
図1は、fdxshe蛋白質の推定アミノ酸配列を示す。本発明のfdxsheアミノ酸配列は、図1に示したアミノ酸配列を含む。本発明はまた、図1に記載したヌクレオチド配列によってコードされたfdxsheと機能的に等しい蛋白質を含む。機能的に等しいとはどういうことかというと、シトクロムP-450と協同して、プラバスタチンへのML-236Bの変換を触媒する能力を含む(が、これに限られない)、いくつかの基準によって判断される。前述の機能的に等しいfdxshe蛋白質は、上記したfdxsheヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列内で、アミノ酸残基の付加又は置換をおこなう蛋白質を含むが、これに限られない。ただし、機能的に等しい遺伝子産物を生産するようなサイレントチェンジで終わる。
【0032】
シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコードしている配列の発現は、選択された特定微生物における機能に関して、当業者に知られているいくつかの調節プロモータによって調節され得る。前述のプロモータは、誘導的又は構成的であり得る。最大転写が成し遂げられ得るため、低活性よりむしろ著しく高活性でプロモータを用いることが、一般に好ましい。前述のプロモータは、lac、tac、cat、xyl、ptipA、tsr又はpkgプロモータを含むが、これらに限られない。
【0033】
本発明の態様として、アクチノミセテス(actinomycetes)、好ましくは、ストレプトマイセス(Streptomyces)、より好ましくは、ストレプトマイセス・カルボフィラス(S.carbophilus)又はストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)のシトクロムP-450 ORFに直ちに隣接して位置し、機能的に作用するプロモータが、用いられ得る。5’領域及びP-450 ORFに隣接したおよそ1キロベースは、この遺伝子のための全プロモータ領域を必ずしも含まない。
【0034】
そして、米国特許第5,830,695号明細書(“‘695の特許”)によれば、本プロモータ領域のDNAは、およそ1 Kbより著しく短く、好ましくは、およそ160 bpより長く、より好ましくは、およそ300 bpより長くあり得る。本発明のプロモータは、結果として生じるプロモータが依然として必要なプロモータ活性を示すならば、最初の5’プロモータから要求されるだけ変化し得る。‘695の特許は、シトクロムP-450、及び/又は、フェレドキシン若しくはフェレドキシン様蛋白質の発現に利用され得る様々な大きさのプロモータを開示するために、引用により、明細書に含まれる。
【0035】
加えて、次の方法は、本発明の発現ベクター中への挿入ためのプロモータ活性を有するDNA配列を同定するために用いられ得る。転写プロモータ活性のためにDNA配列を同定又は試験するために、(i)組換え発現ベクターは、適した蛋白質をコードするDNAが推定プロモータDNAと作用可能に連結され、適したベクター、例えば、放線菌(actinomycetes)プラスミド pIJ702又はpWHM-3[Katz, E., et al.,(1983), J. Gen. Microbiol., 129, 2703-2714]中に挿入されるように構築される。そしてその後、(ii)ベクターを安定に複製させる適当な宿主細胞、例えば、ベクターpIJ702又はpWHM-3を用いるときはストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)が、ベクターで形質転換される。
【0036】
形質転換は、形質転換株が、例えば、放線菌(Streptomycete)である時、Hopwoodらの方法[c.f. Hopwood, D. A., et al.,(1985), “Genetic Manipulation of Streptomyces : A Laboratory Manual”, The John Innes Foundation, Norwich, UK]に従って行われ得る。プロモータ活性を測定するために用いる遺伝子が、形質転換に先立って、通常、宿主において、存在又は発現されるべきではないことはいうまでもない。
【0037】
転写のレベルは、例えば、ノーザンブロット法又はRNA-PCR[Polymerase Chain Reaction, c.f. Innis, M. A., et al.,(1990), ”PCR PROTOCOLS”,Academic Press, New York]によって容易に確認され得る。生産物の発現レベルは、生産された蛋白質の生理活性を測定することによって確認され得る。すなわち、例えば、組換えDNAベクターは、一定の活性を有する蛋白質(例えば、酵素)でコードしているDNAが、例えば連結によって、推定プロモータの3’末端に作用可能に結合されることによって作成され得る。推定プロモータに結合したORFの発現レベルは、その後、発現産物に適した方法で測定され得る。
【0038】
発現産物を測定する方法が、関連産物に特異的に適応させ得るということはいうまでもない。例えば、推定プロモータは、作用可能に薬物耐性遺伝子、例えばクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子[c.f. Gorman, C. M., et al.,(1982), Mol. Cell. Biol., 2, 1044-1051]、又はルシフェラーゼ遺伝子[c.f. de Wet, J. R., et al,(1987), Mol. Cell. Biol., 7, 725-7371] に連結させ得る。そしてそれは、当業者によく知られている方法によって検出され得る。発現産物の活性を介して発現を測定する他の方法がまた、用いられ得る。
【0039】
発現を測定するもうひとつの方法は、例えば、適当な抗体を用いて産物を認識する手段である。適した測定技術は、相互作用を測定することが望ましい方法であるか、そして、抗体又は抗原が何らかの方法で標識されるかどうかによって、ラジオ・イムノアッセイ[c.f. Berson, R. S., et al,(1973), ”Methods in Investigative and Diagnostic Endocrinology”, Vol. 2A, 2B, North-Holland Publishing Co., Amsterdam]、エンザイム・イムノアッセイ[c.f. Engvall, E.,(1980), Methods in Enzymology, 70(A), 419-439]、ウエスタンブロッティング[c.f. Harlow, E., et al.,(1988), ”Antibodies-A Laboratory Manual”,p.471, Cold Spring Harbor Laboratory, New York]、及び免疫沈降[c.f. Kessler, S. W., et al.,(1981), ”Methods in Enzymology”, 73(B), 442-459]を含む。いずれにしても、それは、これらの技術についての現行の検討は完全ではなく、そして他の方法が当業者にとって容易に明らかであろうことはいうまでもない。
【0040】
前述の発現ベクターが、シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質をコードし、そして、プラスミドがストレプトマイセス・リビダンス(S.lividans)と適合する場合には、プラスミドは、シトクロムP-450又はフェレドキシンを生産しないストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)株に導入され、形質転換株は、その後、ML-236Bの存在中で培養され得る。生じたプラバスタチンの量は、その後、推定プロモータによって活性化されたシトクロムP-450、及び/又は、フェレドキシンとフェレドキシン様プロモータの発現レベルを示す。
【0041】
かつては、本発明のプロモータとして用いることを意図したDNAがプロモータとして必要な活性を有し、その後それが、シトクロムP-450、及び/又は、フェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質の発現のための発現ベクターを構築するために用いられ得ることが立証されている。前述のように、シトクロムP-450sca-2は好ましい発現産物であり、適当なベクターはpSCA1013-DELTA.(1013/428)であり、そして上述のベクターはストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)TK-21から単離し得る。
【0042】
プロモータの配列、フェレドキシン若しくはフェレドキシン様蛋白質をコードしている配列(例えば、fdxshe)、又はシトクロムP-450をコードしている配列に対する修飾は、一般的に形質転換手順を通じて生じ得る、又は、例えば制限部位を導入させるためのような便宜のために作られ得る。このように、本発明は、欠失、逆位、挿入、及び置換を通じて変化し得る、プロモータ、フェレドキシン又はシトクロムP-450を予見する。好ましくは、本発明のプロモータ、フェレドキシン及びシトクロムP-450は、それらが関連する分子の適切な部位と非常に高い配列相同性を分担する。
【0043】
それらに影響を及ぼす配列と手段の他の相違点と変化は、当業者にとって容易に明らかであろうし、そして本発明はそれらの全てを予見する。自然の変化によるものとは異なる上述の方法で変化する、本発明のプロモータ、フェレドキシン及びシトクロムP-450はまた、突然変異体としてこの明細書に言及される。それゆえ、突然変異体と変異体は両方とも、それらがプラバスタチンを作るためにML-236B(コンパクチン)を水酸化し得る微生物の生産に帰するため共に作用するならば、予見される。
【0044】
必要に応じて、いくつかのクローン化されたヌクレオチド配列は、例えば、マクサム-ギルバート化学修飾法[Maxam, A. M., and Gilbert, W.,(1980), Methods in Enzymology, 65, 499-599]、又はM13ファージを用いるジデオキシ法[Messing, J., and Vieira, J.,(1982), Gene, 19, 269-276]によって確認され得る。
【0045】
さらに、“発現産物(expression product)”、“蛋白質(protein)”、及び“ポリペプチド(polypeptide)”といった語句は、一般的に互換性があり、そして、そのような認識でこの明細書で用いられることはいうまでもない。ある状況では、最初のDNAから翻訳されるポリペプチドは最終産物ではなくて、最終産物の中間体である。そして、翻訳後修飾が必要な産物を得るために要求される。P-450sca-2の場合、鉄は、最終発現産物を生成するために蛋白質のヘム環中に取り込まれる必要がある。このように、“発現産物(expression product)”、“蛋白質(protein)”、及び“ポリペプチド(polypeptide)”といった語句が、この明細書中で同義に用いられる一方で、語句の違いは、適切な場面で当業者によって認識され得る。
【0046】
シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質を発現するために設計された適切な発現ベクターの構築の後、上述のベクターは適当な宿主に形質転換される。 好ましい宿主は、放線菌類(actinomycetes)及び子嚢菌類(ascomycota)を含む。しかし、例えばエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)及びバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)のような、他の原核生物及び真核生物がまた、利用され得る、本発明の特定の態様において、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)TK-21及びぺニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)が形質転換される。
【0047】
放線菌(actinomycete)用の適当な形質転換法は、リゾチームを用いるスフェロプラスト中で放線菌(actinomycetes)培養物を作ることを含んでなる。組換えDNAベクター及びポリエチレングリコールを含む緩衝溶液が、例えば、Thompson又はHopwood [c.f. Thompson, C. J., et al.,(1982), J. Bacteriol., 151, 668-677 or Hopwood, D. A., et al.,(1985), “Genetic Manipulation of Streptomyces: A Laboratory Manual”, The John Innes Foundation, Norwich]のどちらかの方法を使って、宿主細胞に発現ベクターを導入するために、その後加えられる。本発明の非限定的な態様において、チオストレプトン耐性遺伝子が、発現ベクタープラスミドにおいて選択マーカーとして用いられる[c.f. Hopwood, D. A., et al.,(1987), “Methods in Enzymology” 153, 116, Academic Press, New York]。
【0048】
エシェリヒア・コリ(E. coli)の形質転換が、本発明のプロモータの制御の下、産物を発現するために要求されるとすれば、適当な一般的方法は1つである。そして、それは適切な組換えDNAベクターが応答能のある細胞に加えられるというものである。応答能のある細胞は、一般的に塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び塩化ルビジウムのような塩の存在中で調製される[c.f. Hanahan, D., (1983), J. Mol. Biol. 166, 557-580]。
【0049】
代替法は、電気穿孔法を含んでなる。それは宿主エシェリヒア・コリ(E. coli)及び発現ベクターを含んでなる懸濁液に加える高電圧パルスの使用を伴う。そして、それによって、細胞へのベクターの取り込みを引き起こす[Electroporation: Dower, W. J., et al.,(1988), Nucleic Acid Res., 16, 6127 and Calvin, N. M., et al.,(1988), J. Bacteriol., 170, 2796]。
【0050】
バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)が、宿主細胞として予定される場合であれば、適当な方法は1つである。そして、それは宿主細胞がリゾチームを用いてプロトプラスト中に作られるというものである。組換えDNAベクター及びポリエチレングリコールを含む緩衝溶液が、その後プロトプラストに加えられ、電気穿孔法(前掲)による宿主細胞中へのベクターの取り込みに続く[Cheng, S., et al.,(1979), Mol. Gen. Genet., 168, 111]。好ましい態様において、薬剤耐性マーカー(例えば、クロラムフェニコール耐性)が、形質転換細胞系の選択的なマーカーとして用いられる。しかし、多くの他の選択的なマーカーが用いられ得ることはいうまでもない。
【0051】
宿主にかかわらず、望ましい形質転換株が当業者によく知られている方法を用いて培養され得るし、望ましいポリペプチドが細胞内の若しくは細胞外のいずれか一方、又は両方の培養によって生産される。培養に用いられる培養液は、適切な宿主細胞に一般に用いられる様々なタイプから適当に選択され得る。一般に、特定の宿主のために通常受け入れられるそれらの培養条件はまた、例えば、ポリペプチドの性質によって必要とされるいくつかの修飾を条件として、望ましいポリペプチドの発現に用いられ得る。さらに、発現ベクターは誘導性プロモータを含む場合には、クローン化された遺伝子の発現を誘発し得る化合物を加える必要があり得る。
【0052】
用いられる特定の培養技術は、本発明に重大な意味をもつものではない。そして、培養のために一般に用いられるどのような技術でも本発明のために等しく用いられ得る。一般に、用いられる技術は、産業効率を考慮して選ばれるであろう。典型的な放線菌(actinomycete)の栄養物は、吸収できる炭素源として用いるために、炭素源として用いるためのブドウ糖、ショ糖、澱粉、グリセロール、水飴、糖蜜及び大豆油を含む。吸収できる窒素源の例は、大豆粉、小麦麦芽、肉抽出物、ペプトン、コーンスティープリカー、乾燥酵母及び硫酸アンモニウムを含む。上記に加えて、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム又はリン酸塩のような無機塩類、及び微生物の成長を促進するか、望ましいポリペプチドの生産を増進するための添加物がまた、必要に応じて組合せて適切に用いられ得る。
【0053】
さらに、問題の宿主に一般的に適切な培養技術はまた、形質転換した微生物に適用できる。そして、産業規模での生産に適当な、液体培養及び液内培養のような方法を含む。培養条件は、特に一般に禁忌徴候を示されない又はこの明細書に指定されない限り、20℃〜37℃、好ましくは26℃〜28℃の温度を必要とする。発現産物、例えばシトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質は、本発明のプロモータの制御下で、一般に細胞内又は細胞外で、そして時折両方で生産される。
【0054】
本発明の別の態様において、シトクロムP-450及びフェレドキシンは、様々な方法、例えば、当業者によく知られている、特にポリペプチドの物理的又は化学的性質に依存する上記の方法で、単離、精製、及び回収され得る。ポリペプチドが外部で発現される場合には、ポリペプチドは、例えば、細胞を除去するために、培養液を遠心分離することにより生じる上澄みから、単離、精製、そして回収され得る。
【0055】
細胞内に蓄積したシトクロムP-450及びフェレドキシン蛋白質を単離及び精製するために、細胞は、最初にプロテアーゼ阻害剤を含む溶液中で懸濁され、そしてその後、例えば一般に当業者に知られているもの、例えば、超音波ホモジナイザーのような手段を用いてホモジナイズされる。
【0056】
本発明の説明のために一般的には必要ではないけれども、望ましいポリペプチドの単離、精製及び収集の特定方法の例が、蛋白質沈降、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む、液体クロマトグラフィーの様々な適当なタイプ、透析、及びそれについての組み合わせのような技術を含むことはいうまでもない。
【0057】
いずれにしても、望ましいポリペプチドが、本発明を用いることにより高い収率かつ高い純度において産業規模で簡単に生産され得ることはいうまでもない。未精製、又は部分的に精製された準備サンプルを用いることにより、本発明の宿主細胞を形質転換することにより生産されたシトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質を利用することが可能であることはまた、いうまでもない。シトクロムP-450とフェレドキシン又はフェレドキシン様蛋白質は、上述のような方法で、組換え型ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)から得られうるし、例えば、プラバスタチンの生産において直接用いられ得る。
【0058】
本発明のいくつかの方法よって生じるプラバスタチンは、セリザワらの方法[c.f. Serizawa, N., et al.,(1983), J. Antibiotics, 36, 608]によって回収され得る。特定の態様において、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21が、このような方法に用いられ得る。
【0059】
この発明はさらに、本発明の方法と組成物を用いて調製した、プラバスタチン又はそれのフラグメントを含んでなる医薬品組成物、及び薬剤的に許容し得るキャリアを提供する。
【0060】
キャリアは、この明細書で使用される場合、薬剤的に許容し得るキャリア、賦形剤、又は安定剤を含み、それらは、用いる投与量及び濃度に影響をうける細胞又は哺乳類に対して非中毒性である。多くの場合、薬剤的に許容し得るキャリアは、水溶性のpH緩衝液である。
【0061】
生理学的に許容し得るキャリアの例は、緩衝液(例えば、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸);アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(およそ10残基未満)ポリペプチド;蛋白質(例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、又はリジン); ブドウ糖、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類 及び他の糖質;キレート剤(例えば、EDTA);;糖アルコール類(例えばマンニトール又はソルビトール);対イオンを形成する塩(例えば、ナトリウム);及び/又は、非イオン性界面活性剤(例えば、TWEEN(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(登録商標)を含む。
【0062】
有効成分はまた、コロイド薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェアー、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、及びナノカプセル)又はマクロエマルジョンにおいて、例えば、それぞれ、界面重合(例えば、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル)、及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルによって調製したマイクロカプセルに包括され得る。生体内投与に用いられる製剤は、無菌でなければならない。これは、無菌濾過膜を通す濾過によって、すぐに成し遂げられる。徐放性製剤が、場合によっては調製され得る。徐放性製剤の適当な例は、抗体を含む固形の疎水性ポリマーの半透性の基質を含む。
【0063】
そして基質は、例えば、フィルム又はマイクロカプセルのような形作られた商品の形である。徐放性基質の例は、ポリエステル類、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリル酸塩)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919明細書)、L-グルタミン酸及びガンマ・エチル-L-グルタミン酸塩の共重合体、非分解性エチレン酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸共重合体(例えば、LUPRON DEPOT(登録商標):乳酸-グリコール酸共重合体と酢酸ロイプロイドから成る注射可能なーマイクロスフェア)、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸を含む。エチレン酢酸ビニルと乳酸-グリコール酸のようなポリマーが、100日以上、分子の放出を可能にする一方で、特定のヒドロゲルは、より短い時間、蛋白質を放出する。
【0064】
治療は、動物の疾病の治療を意味し、そして、次のことを含む。 (1) 哺乳類で生じる疾病を予防すること、それは、まだ経験又は疾病の症状を露呈していないが、疾病にかかりやすくし得る(例えば、臨床的な症状の発生の予防)ものである。(2)疾病を抑制すること(例えば、その進展を止めること)、又は(3)疾病を軽減すること(例えば、疾病の症状の軽減をもたらすこと)。
【0065】
本発明の特定の態様において、本発明の方法及び組成物を用いて調製されたプラバスタチンは、コレステロール生合成に関連する疾患を治療するために用いられる。前述の疾患は、高コレステロール血症と高脂血症を含むが、これらに限られない。
疾病の治療のための効果的な量は、必要とされる哺乳類に投与されるとき、上述したように、その病気の治療に効果を与えるのに十分である量を意味する。
いずれにしても、望ましいプラバスタチンが、本発明を用いることにより高い収率かつ高い純度において産業規模で簡単に生産され得ることはいうまでもない。
【0066】
特定の好ましい態様に言及することにより発明を記述したが、他の態様は、本明細書の考慮によって、当業者に明らかであろう。いかなる方法、製剤、溶液などでも、特に明示されないが、この引用によりその全体に組み込まれている「Molecular Cloning-A Laboratory Handbook」(上記)に見出され得る。本発明はさらに、本発明の化合物の製剤を詳細に記述する次の諸例により明示される。原料と方法の両方に対しての多くの変更が、本発明の範囲から外れることなく、実行され得ることは、当業者に明らかであろう。
【実施例】
【0067】
例1:比較例
この例は、フェレドキシン又はフェレドキシン様遺伝子なしでストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21中にシトクロムP-450遺伝子を形質転換することは、コンパクチンのプラバスタチンへの水酸化を引き起こすために十分ではないことを説明する。
【0068】
pWHM-CytP450sheプラスミドの構築:
全DNAは、酵母及びグラム陽性細菌のために改変したPUREGENE DNA 単離キットを用いて、ストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)から抽出された。CytP450she遺伝子は、遺伝子銀行配列、E06907及びE13579に基づいた、合成オリゴヌクレオチドプライマー 5’TAT AAG CTT TGC GGT AGA CCG CCG CCT TTC 3’及び5’TTT CTA GAC CAG GTG ACC GGG AGT TCG TTG 3’を用いて、PCR増幅された。PCRフラグメントは、PCR混合物(V遺伝子PCR精製キット:V-gene PCR Purification Kit)から精製され、そして、生産者(MBI Fermentas)によって推奨される緩衝液と酵素を用いて、37℃で2時間、HindIII 及びEcoRI 制限酵素で消化された。
【0069】
消化反応の産物は、TAE 溶液を入れたサブマリンタイプの電気泳動タンク中の1%w/vアガロースゲル上でアガロースゲル電気泳動によって分離され、そして、100Vで3時間移動された。適切な1.2 kbフラグメントを含むアガロース切片は、ゲルから切除された。そして、DNAは、V遺伝子DNAゲル抽出キット(V-gene DNA Gel Extraction Kit)を用いてゲルから抽出された。精製及び消化したPCRフラグメントは、PWHM-3(Vara et al, 1989)ベクター中に連結された(HindIII 及びEcoRIで切断し、PCRフラグメント精製と同様に精製された)。
【0070】
連結混合物は、BIO-RAD社の微量超音波電気穿孔装置(BIO-RAD MicroPulser Electroporation Apparatus)を用いて、エシェリヒア・コリ(E. coli)XL1-blue細胞に電気穿孔され、そして、LB培養液を含むアンピシリン上に置かれた。アンピシリン耐性コロニーは、単離され、そしてアンピシリンを100μg/ml含むLB培養液で終夜、成長させられた。終夜の培養から、プラスミドDNAは、“V-gene Rapid Plasmid DNA Daily Mini-prep Kit”を用いて抽出された。抽出したプラスミドDNAは、EcoRI及びHindIII で消化され、そして、TAE緩衝液中の1%アガロースゲル上で移動させられた。望ましい大きさに作られたインサートを含むプラスミド構築物が、選択され、配列を決定され、後の作業に用いられた(pWHM-CytP450she)。
【0071】
pWHM-CytP450she構築物のストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21中への形質転換:
プラスミド構築物は、“Hopwood(1985)”に記載したように、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21プロトプラスト中に形質転換された。そして、R2YE培養液を含むチオストレプトン上で選択された。チオストレプトン耐性コロニーは、R2YEを含むペトリ皿からチオストレプトンを分離するために転写され、そして、28℃で芽胞形成された。胞子は、10%グリセロールで各々のペトリ皿から別々に洗浄され、そして、使用するまで−20℃で保存された。各々から、0.5 mLの胞子懸濁液が、25μg/gのチオストレプトンを含む100 mLのYEME培養液(Hopwoodら(1985))を接種するために用いられ、そして、3日間成長させられた。
【0072】
プラスミドDNAは、精製され、EcoRI及びHindIII で消化され、そして、アガロースゲル上で分離された。すべての試験したプラスミド構築物は、予想した制限パターンを示した。試験した胞子懸濁液のひとつが、選択され、後の作業に用いられた。
【0073】
pWHM-cytP450she構築物を保有するストレプトマイミセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21のコンパクチン水酸化試験:
あらかじめ、選択した胞子懸濁液が、50 mLのPSI培養液(2%グルコース、0.5%大豆荒粉、0.5%大豆ペプトン、0.01%リン酸水素カリウム、及び0.1%炭酸カルシウム)を接種するために用いられた。そして、28℃において300 rpmで連続的なオービタルを形成する振とうによって2日間、インキュベートされた。
【0074】
この前培養物は、接種物の10%を用いる、50 mLのPSF-2培養液(1.8%グルコース、5%大豆荒粉、0.4%CSL、及び0.3%炭酸カルシウム、pH=7.2)を接種するために用いられた。培養物は、30〜40時間、成長させられた。そして、40mg/mlのコンパクチン-ナトリウム溶液1 mLが、発酵のために加えられた。発酵は、さらに24〜48時間、進行させるために放置された。試料は、その後回収され、高速液体クロマトグラフィーによって分析された。プラバスタチン生産量は、0〜3μg/gであった。
【0075】
例2:
この例は、フェレドキシン又はフェレドキシン様遺伝子を有するストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21中にシトクロムP-450遺伝子を形質転換することは、コンパクチンのプラバスタチンへの水酸化を引き起こすために十分であることを説明する。
【0076】
インバースPCRによるフェレドキシン遺伝子の単離:
全DNAは、酵母とグラム陽性細菌のために改変された”PUREGENE DNA Isolation Kit”を用いて、ストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)から抽出された。ゲノム
DNAは、BamHIで消化され、10倍に希釈され、そして自己連結した。連結混合PCRを使用することは、プライマー:5’CGA ACT CCC GGT CAC CTG GTG ACC G3’及び 5’GTC ATG CGG CGA CGC GTC CCG TGC T3’を用いてされた。PCR産物は、0.7%アガロースゲル上で分離され、そして、たった1つのPCR産物が認められた。本PCR産物は、配列決定された:図1(配列番号1)を参照のこと。
【0077】
ORFは、ストレプトマイセス・グリセオラス(S.griseolus)フェレドキシン-1(suaB)遺伝子と70%の同一性を示す、cytP450she遺伝子から下流で確認された。そして、それは“fdxshe”と称された。
【0078】
pWHM-cytP450she-fdxshe構築物の構築:
配列情報に基づいて、新しいプライマーは設計され、fdxshe終止コドンの下流に位置づけられた。5’TAT AAG CTT TGC GGT AGA CCG CCG CCT TTC 3’及び新しく設計された5’AAA GAA TTC GTG ACC GAT CCG CTG TGA CGC C3’プライマーを用いて、cytP450sheと新しく同定されたfdxsheは、ストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)ゲノムDNAから一緒に増幅された。望ましい大きさのPCRフラグメントは、例1のようにpWHM-3ベクター中にクローンされた。
【0079】
pWHM-cytP450she-fdxshe構築物のストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21中への形質転換:
プラスミド構築物は、例1に記載されたものと同じ方法で、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21において形質転換された。胞子は、調製され、そして、望ましい大きさのインサートは、例1で行われたものと同じ方法で選択された。
【0080】
pWHM-cytP450she-fdxshe構築物を保有しているストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans) TK-21のコンパクチン水酸化試験:
あらかじめ選択した胞子懸濁液が、PSI及びPSF-2を接種するために用いられた。発酵は、例1に記載したように行われた。pWHM-cytP450she-fdxshe プラスミドを保有するストレプトマイセス・リビダンス(S.lividans)コロニーのプラバスタチン生産量は、478〜502μg/gであった。
【0081】
例3:
この例は、fdxshe又はfdxshe様遺伝子を有するストレプトマイセス・リビダンス(S. lividans) TK-21中にシトクロムP-450遺伝子を形質転換することは、コンパクチンのプラバスタチンへの水酸化を引き起こすために十分であることを説明する。
【0082】
pWHM-cytP450she-fdxshe構築物のストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)中への形質転換:
pWHM-cytP450she-fdxsheプラスミド構築物(例2に記載された)は、エレクトロポーションによってストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)のプロトプラストに形質転換された。プロトプラストは、細胞がTEMEの代わりにISP-2培養液において28℃で48時間、成長されたことを除いては、“Bibbら(1978)”によって記載されたとおりに調製された。プロトプラストは、エレクトロポーションの前に10%ショ糖溶液中で洗浄された。
【0083】
エレクトロポーションは、2 mmのギャップエレクトロポーションチャンバー (BIO-RAD社製)で、以下のパラメータ設定で行われた:マイクロパルサーエレクトロポーション装置(BIO-RAD社製)において、1.5kV、600Ω、10μF。形質転換されたプロトプラストは、ISP-2培養液+10%ショ糖において28℃で24時間、再生された。そしてその後、50 mg/mlのチオストレプトン溶液を15μl含むSNA培養液5 mlでオーバレイされた。寒天重層の凝固の後、培養は28度で続けられた。
【0084】
再生された形質転換株コロニーは、5〜7日後に発生した。成長しているコロニーは、ISP-2培養液+25μg/mlのチオストレプトンに移された。そして、さらに5〜7日間成長された。まだ成長しているコロニーは、後の段階で用いられた。選択されたコロニーは、ISP-2培養液+25μg/mlのチオストレプトン中で成長された。そして、プラスミドDNAは、菌糸から精製され、制限消化によって試験された。単離したプラスミドDNAsは、最初のpWHM-cytP450she-fdxshe構築物と似かよった制限パターンを示した。
【0085】
pWHM-cytP450she-fdxshe構築物を保有しているストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)のコンパクチン水酸化試験:
2つのあらかじめ選択したコロニーは、PSI及びPSF-2培養液に接種するために用いられた。発酵は、例1に記載されたとおりに行われた。pWHM-cytP450she-fdxsheプラスミドを保有するストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)コロニーのプラバスタチン生成速度は、cytP450sca-fdxshe構築物を保有していなかった最初の株では、プラバスタチン生成がわずか114-116 μg/g/2hであったのと比較して、212-263 μg/g/2hであった。
【0086】
例4:
開始コドン(ATG)から終止コドン(TGA)まで、cytP450she ORFは、PCR増幅され、そして、pgkプロモータとtrpCターミネーター間でpBC-Hygroベクター(Silar, FGN 42:73)のMCS中にクローン化された。開始コドン(ATG)から終止コドン(TGA)まで、fdxshe ORFは、PCR増幅され、そして、pgkプロモータとtrpCターミネーター間でpBC-Phleoベクター(Silar, FGN 42:73)のMCS中に、クローン化された。構築物は、制限酵素消化によって試験され、そして、望ましいフラグメントサイズを示す適切なクローンがさらに、配列決定することによって試験された。期待されるDNA配列によるクローンが、選択され、そして、後の段階で用いられた。
【0087】
両方の構築物が、順次に、それぞれ200 μg/mlヒグロマイシン及び500 μg/mlフレオマイシンを選択して、ぺニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)プロトプラスト中に形質転換された。ヒグロマイシンとフレオマイシンの両方に耐性を示す分離された副産物が、選択され、そして、コンパクチンナトリウム摂食1回投与後に、コンパクチンのプラバスタチン変換の試験をした。コンパクチンをプラバスタチンに変換し得る分離された副産物は、さらに試験された。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、fdxsheの核酸及びアミノ酸配列を示す(配列番号1)。
【図2】図2は、プラバスタチン及びコンパクチンの量の測定を示す:バーは、異なったプラスミド構築物を有するストレプトマイセス・リビダンス(S. lividans)株又はストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)による一晩中の培養の後に、残存しているコンパクチンの可溶性型(コンパクチン-OH)及び生産されたプラバスタチンを表す。
【図3】図3は、pWHM-cytP450she-fdxsheプラスミドのある状態、及び、ない状態の、ストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)コロニーのプラバスタチン生産速度を示す。
【図4】図4は、フェレドキシンのない状態でのコンパクチン水酸化の2つのコンポーネントモデル、及びフェレドキシンのある状態での本発明のコンパクチン水酸化の新規な3つのコンポーネントモデルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1の核酸配列を含んでなる核酸分子。
【請求項2】
配列番号1と少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項1の核酸分子。
【請求項3】
配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1の核酸分子。
【請求項4】
配列番号1と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項1の核酸分子。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の核酸分子をコードする、又は核酸分子に対するアンチセンスとして作用する核酸分子。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項記載の核酸配列に対してハイブリダイズする核酸分子。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項記載のポリヌクレオチドを含んでなるベクター。
【請求項8】
請求項7のベクターを含んでなる宿主細胞。
【請求項9】
前記核酸分子によって暗号化された本蛋白質が発現される試験管内条件下で請求項8の宿主細胞を培養し、そして、培養物から蛋白質を回収することを含んでなるポリペプチドの生産方法。
【請求項10】
配列番号1におけるアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性を有する、ポリペプチド分子。
【請求項11】
配列番号1におけるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する、ポリペプチド分子。
【請求項12】
配列番号1におけるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、ポリペプチド分子。
【請求項13】
プロモータDNA配列、シトクロム P-450をコードする遺伝子、及びfdxsheをコードする遺伝子を含むプラスミド構築物で、宿主を形質転換することによって、コンパクチン水酸化能を有する遺伝的に修飾した株を構築する方法。
【請求項14】
前記宿主が、原核生物の宿主及び真核生物の宿主から成る群から選択される、請求項13における方法。
【請求項15】
前記原核生物が放線菌である、請求項14における方法。
【請求項16】
前記放線菌がストレプトマイセス(Streptomyces)である、請求項15における方法。
【請求項17】
前記ストレプトマイセス(Streptomyces)が、ストレプトマイセス・リビダンス(S.lividans)、ストレプトマイセス・カルボフィラス(S.carbophilus)及びストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)から成る群から選択される、請求項16の方法。
【請求項18】
前記原核生物の宿主が、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)及びバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)から成る群から選択される、請求項14の方法。
【請求項19】
前記真核生物の宿主が菌類である、請求項14の方法。
【請求項20】
前記菌類がぺニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)である、請求項19の方法。
【請求項21】
前記ぺニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)宿主が、ML-236B(コンパクチン)生産株である、請求項20の方法。
【請求項22】
前記プラスミドが、pWHM-3及びpSCAから成る群から選択される、請求項13の方法。
【請求項23】
前記プラスミドが、多コピー型プラスミドである、請求項13の方法。
【請求項24】
前記多コピー型プラスミドがPIJ702である、請求項23の方法。
【請求項25】
前記シトクロム P-450をコードする遺伝子が、放線菌から得られる、請求項13の方法。
【請求項26】
前記シトクロム P-450をコードする遺伝子が、ストレプトマイセス(Streptomyces)から得られる、請求項13の方法。
【請求項27】
前記シトクロム P-450をコードする遺伝子が、ストレプトマイセス・リビダンス(S.lividans)、ストレプトマイセス・カルボフィラス(S.carbophilus)及びストレプトマイセス・ヘルバチカス(S.helvaticus)から成る群から選択される、請求項26の方法。
【請求項28】
ストレプトマイセス・カルボフィラス(S.carbophilus)から得た前記シトクロム P-450が、cytP-450sca-1、cytP-450sca-2、及びcytP-450sca-3の群から選択される、請求項27の方法。
【請求項29】
前記プロモータDNA配列が、本シトクロム P-450をコードする遺伝子と作用可能に連結される、請求項13の方法。
【請求項30】
前記fdxshe遺伝子が、配列番号1の核酸配列を有する、請求項13の方法。
【請求項31】
前記fdxshe遺伝子が、配列番号1の核酸配列と80%の配列同一性を有する、請求項13の方法。
【請求項32】
前記fdxshe遺伝子が、配列番号1の核酸配列と85%の配列同一性を有する、請求項13の方法。
【請求項33】
前記fdxshe遺伝子が、配列番号1の核酸配列と90%の配列同一性を有する、請求項13の方法。
【請求項34】
前記fdxshe遺伝子が、配列番号1の核酸配列と95%の配列同一性を有する、請求項13の方法。
【請求項35】
前記fdxshe遺伝子が、配列番号1のアミノ酸配列をコード化する、請求項13の方法。
【請求項36】
ML-236Bがプラバスタチンを産生ために水酸化される条件下で、請求項13〜35の方法により生産された遺伝的に修飾された株を培養し、そして、前記プラバスタチンを回収することを含んでなるプラバスタチンを生産する方法。
【請求項37】
前記ML-236Bが培地で生産される、請求項36の方法。
【請求項38】
前記ML-236Bが、前記宿主と共培養されるぺニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)によって生産される、請求項36の方法。
【請求項39】
前記遺伝的変異株が、ML-236Bを生産するぺニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)である、請求項36の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2008−521448(P2008−521448A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544624(P2007−544624)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/044208
【国際公開番号】WO2006/076094
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(501309071)テバ ジョジセルジャール ザ−トケルエン ムケド レ−スベニュタ−ルシャシャ−グ (30)
【Fターム(参考)】