説明

コンピュータシステム、コンピュータ、本体端末及びプログラム

【課題】 コンピュータシステムにおいて、操作部や表示部が無駄にならないように構成を効率化すること。
【解決手段】 コンピュータ102のコンピュータ本体104は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及びネットワークに接続した本体端末106a〜106nのアイコンを表示するように表示部105を制御すると共に操作部103が選択したアプリケーションソフトウェアを実行する。表示部105が表示した本体端末106a〜106nのアイコンを操作部103が選択することによって、操作部103は前記選択した本体端末106a〜106nの操作部として機能すると共に、表示部105は前記選択した本体端末106a〜106nの表示部として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ本体の機能を有する本体端末とコンピュータとをネットワークに接続して利用するコンピュータシステム、前記コンピュータシステムに適したコンピュータ、本体端末及びこれらをコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のコンピュータをネットワークに接続して使用するコンピュータシステムが開発されている(特許文献1〜10参照)。
例えば、特許文献1〜6に開示されたコンピュータシステムにおいては、自身ではアプリケーションプログラムを有しない複数のクライアントコンピュータと、アプリケーションプログラムを有する1台のサーバコンピュータとをネットワークに接続し、前記各クライアントコンピュータを操作することによって前記サーバコンピュータに格納した各種のアプリケーションプログラムを該サーバコンピュータに実行させるように構成されている。
【0003】
このように、クライアントコンピュータとして、ハードディスクを有しない小型のクライアントコンピュータ(シンクライアント)を使用して、サーバコンピュータに格納されたアプリケーションソフトウェアをサーバコンピュータを実行させることができるため、多様なアプリケーションソフトウェアを高速に処理することが可能になり、システムの高機能化、システムの低コスト化、TCO(Total Cost of Ownership)の削減が可能になる等の効果がある。
【0004】
【特許文献1】特開2000−339064号公報
【特許文献2】特開2000−339245号公報
【特許文献3】特開2000−339246号公報
【特許文献4】特開2001−34551号公報
【特許文献5】特開2001−92550号公報
【特許文献6】特開2003−216433号公報
【特許文献7】特開平7−281974号公報
【特許文献8】特開平10−222478号公報
【特許文献9】特開平11−175468号公報
【特許文献10】特開2001−290783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のコンピュータシステムでは、ネットワークに接続された各コンピュータは、操作部や表示部を有するように構成されており、サーバコンピュータのようにコンピュータ本体は使用するものの、クライアントコンピュータの操作によって動作している間は前記操作部や表示部は使用しないため、これらの構成が無駄になる場合がある。また、操作部や表示部が一定の空間を占領するため、コンピュータシステムの設置領域を省スペース化できないという問題がある。また、通常は低機能な処理で十分な場合でも、必要により、高機能な処理を必要とする場合がある。
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑み成されたもので、操作部や表示部が無駄にならないように構成を効率化することを課題としている。
また、本発明は、省スペース化を可能にすることを課題としている。
また、本発明は、必要に応じて高機能化を可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う第1処理手段を有するコンピュータ本体を備えネットワークに接続して使用されるコンピュータと、処理を行う第2処理手段を有し前記ネットワークに接続して使用される本体端末とを備え、前記操作手段及び表示手段は、前記コンピュータ本体と本体端末のいずれかの操作手段及び表示手段として選択的に切り換えて使用されることを特徴とするコンピュータシステムが提供される。
コンピュータの操作手段及び表示手段は、前記コンピュータのコンピュータ本体と本体端末のいずれかの操作手段及び表示手段として選択的に切り換えて使用される。
【0008】
また、本発明によれば、操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う第1処理手段を有するコンピュータ本体を備えネットワークに接続して使用されるコンピュータと、処理を行う第2処理手段を有し前記ネットワークに接続して使用される本体端末とを備え、前記第1処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御すると共に、前記操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能することを特徴とするコンピュータシステムが提供される。
【0009】
コンピュータ本体の第1処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及びネットワークに接続した本体端末を表示するように表示手段を制御すると共に、操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行する。前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能する。
【0010】
ここで、前記コンピュータ本体は、更に第1記憶手段を有し、前記第1処理手段は、前記ネットワークに接続されたか否かを前記本体端末に問い合わせる接続問い合わせ信号を送信すると共に前記ネットワークに接続した旨の回答を受けた前記本体端末を表す接続情報を前記第1記憶手段に記憶し、前記ネットワークに接続した本体端末の第2処理手段は、前記接続問い合わせ信号を受信して、前記ネットワークに接続した旨を表す回答を前記コンピュータ本体に送信して成り、前記第1処理手段は、前記第1記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御するように構成してもよい。
【0011】
また、前記操作手段及び表示手段が前記コンピュータ本体の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した本体端末を選択した場合において、前記第1処理手段は、前記第1記憶手段に記憶した接続情報及び前記操作手段の操作内容を表す操作情報を前記選択した本体端末に送信すると共に、前記選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御し、前記本体端末は前記接続情報を記憶するための第2記憶手段を有し、前記選択した本体端末の第2処理手段は、前記操作情報に応じた処理を行うと共に、前記接続情報を参照して、前記コンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信することを特徴とするように構成してもよい。
【0012】
また、前記操作手段及び表示手段が前記選択した本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示したアプリケーションソフトウェアを選択した場合において、前記第1処理手段は、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記選択した本体端末に送信すると共に、前記選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御し、前記選択した本体端末の第2処理手段は、前記操作情報に応じて前記アプリケーションソフトウェアを実行処理すると共に、前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信するように構成してもよい。
【0013】
また、前記本体端末は複数であり、前記操作手段及び表示手段が前記選択した本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、前記選択した本体端末の第2処理手段は、自身の前記第2記憶手段に記憶した接続情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記コンピュータ本体に処理依頼を送信し、前記他の選択した本体端末の第2処理手段は、前記操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、前記選択した本体端末から受信し自身の第2記憶手段に記憶した前記接続情報を参照して前記コンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信し、前記第1処理手段は、前記処理依頼を受けて、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記他の選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御するように構成してもよい。
【0014】
また、前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能する場合において、前記コンピュータ本体の第1処理手段は、所定タイミングで、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を検出して、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を表す情報を、前記接続情報を保有している本体端末に通知し、前記接続情報を保有している本体端末は、前記通知に基づいて、自身の第2記憶手段に記憶した接続情報に対して、新たに前記ネットワークに接続した本体端末の追加又は前記ネットワークから離脱した本体端末の削除を行うことにより、前記接続情報を更新するように構成してもよい。
また、前記接続情報を保有している本体端末は、所定タイミングで、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を検出して、自身の第2記憶手段に記憶した接続情報に対して、新たに前記ネットワークに接続した本体端末の追加又は前記ネットワークから離脱した本体端末の削除を行うことにより、前記接続情報を更新するように構成してもよい。
【0015】
また、本発明によれば、操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う処理手段を有するコンピュータ本体を備えると共にネットワークに接続して使用され、前記処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御すると共に、前記操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能することを特徴とするコンピュータが提供される。
【0016】
処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及びネットワークに接続した本体端末を表示するように表示手段を制御すると共に、操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能する。
【0017】
ここで、更に、記憶手段を有し、前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたか否かを前記本体端末に問い合わせる接続問い合わせ信号を送信すると共に前記ネットワークに接続した旨の回答を受けた本体端末を表す接続情報を前記記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御するように構成してもよい。
【0018】
また、前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、前記処理手段は、前記本体端末からの処理依頼を受けて、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記他の選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御するように構成してもよい。
【0019】
また、本発明によれば、処理を行う処理手段及びネットワークに接続された機器を表す接続情報を記憶するための記憶手段を有すると共にネットワークに接続して使用されて成り、前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたコンピュータの操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、前記記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記コンピュータのコンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信することを特徴とする本体端末が提供される。
【0020】
処理手段は、ネットワークに接続されたコンピュータの操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記コンピュータのコンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信する。
【0021】
ここで、前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示したアプリケーションソフトウェアを選択した場合において、前記処理手段は、前記操作情報に応じて前記アプリケーションソフトウェアを実行処理すると共に、前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信するように構成してもよい。
【0022】
また、前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、前記処理手段は、前記記憶手段に記憶した接続情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記コンピュータ本体に処理依頼を送信するように構成してもよい。
また、更に、アプリケーションプログラムを記憶した記憶手段を着脱自在に接続するための接続手段を有し、前記処理手段は、前記接続手段に接続された記憶手段に記憶したアプリケーションプログラムを実行するように構成してもよい。
【0023】
また、本発明によれば、コンピュータを、操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う処理手段を有するコンピュータ本体を備えると共にネットワークに接続して使用され、前記処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御すると共に、前記操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能させることを特徴とするプログラムが提供される。
【0024】
コンピュータは、プログラムを実行することにより、操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う処理手段を有するコンピュータ本体を備えると共にネットワークに接続して使用され、前記処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御すると共に、前記操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能させる。
【0025】
ここで、更にコンピュータを、前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたか否かを前記本体端末に問い合わせる接続問い合わせ信号を送信すると共に前記ネットワークに接続した旨の回答を受けた本体端末を表す接続情報を記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御するように機能させるようプログラムを構成してもよい。
【0026】
また、更にコンピュータを、前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、前記処理手段は、前記本体端末からの処理依頼を受けて、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記他の選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御するように機能させるようプログラムを構成してもよい。
【0027】
また、本発明によれば、コンピュータを、処理を行う処理手段を有すると共にネットワークに接続して使用されて成り、前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたコンピュータの操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、記憶手段に記憶されたネットワークに接続済みの機器を表す接続情報を参照して、前記コンピュータのコンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信するように機能させることを特徴とするプログラムが提供される。
【0028】
コンピュータは、プログラムを実行することにより、処理を行う処理手段を有すると共にネットワークに接続して使用されて成り、前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたコンピュータの操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、記憶手段に記憶されたネットワークに接続済みの機器を表す接続情報を参照して、前記コンピュータのコンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信するように機能させる。
【0029】
ここで、更にコンピュータを、前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示したアプリケーションソフトウェアを選択した場合において、前記処理手段は、前記操作情報に応じて前記アプリケーションソフトウェアを実行処理すると共に、前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信するように機能させるようプログラムを構成してもよい。
【0030】
また、更にコンピュータを、前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、前記処理手段は、前記記憶手段に記憶した接続情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記コンピュータ本体に処理依頼を送信するように機能させるようプログラムを構成してもよい。
【0031】
また、更にコンピュータを、前記処理手段は、接続手段に着脱自在に接続された記憶手段に記憶したアプリケーションプログラムを実行するように機能させるようプログラムを構成してもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明のコンピュータシステムによれば、操作手段や表示手段が無駄にならないように構成を効率化することが可能になる。また、省スペース化が可能になり、高速処理可能な本体端末を使用することによって必要に応じて高機能化が可能になるという効果を奏する。
また、本発明によれば、前記コンピュータシステムに適したコンピュータ、本体端末を提供することが可能になる。
また、本発明によれば、前記コンピュータシステム、コンピュータ及び本体端末をコンピュータで構成することが可能なプログラムを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るコンピュータシステム、コンピュータ、本体端末、及び、これらをコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムの構成図である。
【0034】
図1において、ネットワーク用信号伝送路101にはコンピュータ102及び複数の本体端末106a〜106nが接続されており、これにより、コンピュータ102及び複数の本体端末106a〜106nはネットワークに接続された構成となっている。
コンピュータ102は、キーボードやマウスを有し操作を行う操作手段としての操作部103、コンピュータ本体104、液晶表示装置(LCD)等によって構成され表示を行う表示手段としての表示部105を備えている。
【0035】
図2は、コンピュータ102の構成を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付している。
図2において、コンピュータ102のコンピュータ本体104には、操作部103及び表示部105が接続されている。コンピュータ本体104は、中央処理装置(CPU)201、磁気ディスク202、内部メモリ203、コンピュータ102をネットワーク用信号伝送路101に接続するネットワークインタフェース(I/F)204を備えている。
【0036】
磁気ディスク202には、コンピュータ102と本体端末106a〜106nとをネットワークに接続して管理するためのソフトウェア(管理ツール)やアプリケーションソフトウェア等のソフトウェアが記憶されており、又、新たに追加されたソフトウェアやデータが記憶される。磁気ディスク202からメモリ203に記憶された前記管理ツールをCPU201が実行することにより、コンピュータ102と複数の本体端末106a〜106nとをネットワークに接続して、コンピュータシステムを構築する。
【0037】
前記管理ツールとしては、電源起動時や所定タイミングで、ネットワーク接続検査用のブロードキャストパケットを送信して、新たにネットワーク接続された端本体末やネットワークから離脱した本体端末を検出するためのソフトウェア等が含まれる。
ここで、CPU201は磁気ディスク202に格納されたソフトウェアを実行することによって種々の処理を行う第1処理手段を構成し、磁気ディスク202及びメモリ203は第1記憶手段を構成し又、ネットワークI/F204はコンピュータ102とネットワークとの間で信号の送受信を行う第1送受信手段を構成している。
【0038】
図3は、本体端末の構成を示すブロック図であり、本体端末は、コンピュータから操作手段及び表示手段を省いたコンピュータ本体にほぼ相当する構成を有している。各本体端末106a〜106nは同一構成となっており、図3には本体端末106aの構成を代表的に示している。本体端末は、ネットワークに接続して使用する端末である。
尚、以下の説明において、本体端末106aの構成要素にはアルファベット「a」を、本体端末106bの構成要素にはアルファベット「b」を付して説明し、特に、本体端末a〜106nの全てを対象とする説明の場合には、アルファベット「a〜n」を付して説明する。
【0039】
本体端末106aは、中央処理装置(CPU)301a、USBインタフェース(I/F)302a、内部メモリ303a、本体端末106aをネットワーク用信号伝送路101に接続するネットワークインタフェース(I/F)304aを備えている。
本体端末106aには、USBI/F302aによって、USBメモリ305aが着脱自在に装着される。USBメモリ305aには、アプリケーションソフトウェアや本体端末106aをネットワークに接続するためのソフトウェア(基本ソフトウェア)が記憶されている。例えば、前記基本ソフトウェアとして、本体端末106aが電源起動時に、コンピュータ本体104からブロードキャストパケットを受信して、自身のMACアドレスをコンピュータ本体104に送信してネットワークに接続する処理等の所定の処理を行うソフトウェアや接続情報を更新する機能を実現するソフトウェア等が含まれる。
【0040】
尚、前記基本ソフトウェアは、各本体端末106a〜106nのメモリ303a〜303nに予め記憶しておいてもよく、あるいは、USBメモリ305a〜305nに記憶しておいて、各CPU301a〜301nが該基本ソフトウェアをメモリ303a〜303nに記憶させ後に実行するように構成してもよい。
CPU301aは、USBメモリ305aに記憶されたソフトウェアの中の実行に必要なソフトウェアをメモリ303aに記憶し、該メモリ303aに記憶したソフトウェアを実行することにより、後述する処理を行う。
【0041】
ここで、CPU301aはUSBメモリ305aに記憶されたソフトウェアを実行することによって種々の処理を行う第2処理手段を構成し、メモリ303a及びUSBメモリ305aは第2記憶手段を構成し又、ネットワークI/F304aは本体端末106aとネットワークとの間で信号の送受信を行う第2送受信手段を構成している。
他の本体端末106b〜106nは、本体端末106aと同一構成であり、操作手段及び表示手段を有しないコンピュータ本体と同様の構成である。尚、各本体端末106a〜106nに接続されるUSBメモリ305a〜305nに記憶されているアプリケーションソフトウェアは相互に異なるように構成されている。
【0042】
図4及び図5は、本実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を説明するための流れ図である。
また、図6〜図8は、本実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を説明するための図で、表示部105の表示を示している。
以下、図1〜図8を用いて、本実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を詳細に説明する。
尚、本体端末106a〜106nのうち、本体端末106a、106bを例にとって動作説明するが、他の本体端末も同様の動作を行う。
【0043】
図4において、コンピュータ102のCPU201は、コンピュータ102の電源が起動されて動作状態になると(ステップS401)、ネットワークI/F20及びネットワーク用信号伝送路101を介して本体端末106a〜106nに対し、ネットワークに接続したか否かを問い合わせる接続問い合わせ信号を送信する(ステップS404)。前記接続問い合わせ信号としてブロードキャスト(BC)パケットを用いることにより、ネットワーク用信号伝送路101に接続された全ての本体端末106a〜106nに対して、前記接続問い合わせ信号が送信される。
【0044】
本体端末106aのCPU301aは、本体端末106aの電源が起動されて動作状態になると(ステップS402)、前記基本ソフトウェアを実行することにより、ネットワークへの接続処理を行う。CPU301aは、ネットワークに接続した後、ネットワーク用信号伝送路101及びネットワークI/F304aを介して前記接続問い合わせ信号を受信すると、ネットワーク用信号伝送路101及びネットワークI/F304aを介してコンピュータ102(実質的にはコンピュータ本体104であり、以下、特に断らない限り同様である。)に対して、自身のMACアドレスを送信することにより、ネットワークに接続した旨を表す回答を送信する(ステップS405)。
【0045】
コンピュータ102のCPU201は、本体端末106aから、ネットワークに接続した旨を表す回答信号(本体端末106aのMACアドレスを表す信号)を受信すると、本体端末106aがネットワークに接続した旨を、ネットワークに接続した本体端末を表す接続情報としてメモリ203に記憶する(ステップS406)。
次に、CPU301aは、本体端末106aとネットワークを確立し、表示部105に、磁気ディスク202に格納されコンピュータ102(具体的にはコンピュータ本体104)自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアのアイコンを表示すると共に、ネットワークに接続済みの本体端末106(現時点では本体端末106aのみ)のアイコンを表示する(ステップS407)。
【0046】
同様に、本体端末106bのCPU301bは、本体端末106bの電源が起動されて動作状態になると(ステップS403)、ネットワークに接続処理を行う。CPU301bは、ネットワークに接続した後、ネットワーク用信号伝送路101及びネットワークI/F304bを介してコンピュータ102からの前記接続問い合わせ信号を受信すると、ネットワーク用信号伝送路101及びネットワークI/F304bを介してコンピュータ102に対して、自身のMACアドレスを送信することにより、ネットワークに接続した旨を表す回答を送信する(ステップS408)。
【0047】
コンピュータ102のCPU201は、本体端末106bから、ネットワークに接続した旨を表す回答信号(本体端末106bのMACアドレスを表す信号)を受信すると、本体端末106bが新たにネットワークに接続された旨をメモリ203に追加登録して、ネットワークに接続した本体端末を表す接続情報として本体端末106aのMACアドレスとともに記憶する(ステップS409)。これにより、メモリ203には、本体端末106a、106bがネットワークに接続した旨を表す接続情報が記憶される。
【0048】
次に、CPU201は、本体端末106bとネットワークを確立し、表示部105に、磁気ディスク202に格納されたコンピュータ本体104自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアのアイコンを表示すると共に、ネットワークに接続済みの本体端末106(現時点では本体端末106a及び本体端末106b)のアイコンを表示する(ステップS410)。
前記のようにして、本体端末106a〜106nが順次ネットワークに接続すると、コンピュータ102のCPU201は、ネットワークに接続された全ての本体端末106a〜106nを表す情報を含む接続情報を、コンピュータ102のメモリ203に記憶する。
【0049】
尚、各本体端末106a〜106nは、コンピュータ102がネットワークに接続されていることは、ブロードキャストパケットを受信したときに認識しているため、コンピュータ102を表す情報は前記接続情報に含めなくともよいが、どの機器がネットワークに接続済みなのかを管理しやすくする等のために、前記接続情報にコンピュータ102を表す情報を含めるようにしてもよい。
【0050】
CPU201は、前記接続情報を参照してネットワークに接続された本体端末を判別し、図6に示すように表示部105に、磁気ディスク202に格納されコンピュータ本体104自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェア(APS1a〜APS1n)のアイコン601a〜601nを表示すると共に、ネットワークに接続済みの本体端末106a〜106nのアイコン602a〜602nを表示する(ステップS410)。
【0051】
この状態では、操作部103及び表示部105は、各々、コンピュータ102の操作部、表示部として機能するため、操作部103を操作してアプリケーションソフトウェアのアイコン701a〜701nを選択することにより、磁気ディスク202に記憶され選択したアイコンに対応するアプリケーションソフトウェアをコンピュータ本体104に実行処理させ、その処理過程や結果等を表示部105に表示させることができる。
【0052】
次に、図6の状態で、使用者が操作部103を操作することにより、操作部103が本体端末106aのアイコン602aをクリックして、本体端末106aを選択すると(ステップS411)、CPU201は、メモリ203に記憶している前記接続情報を本体端末106aに送信すると共に(ステップS412)、仲介処理を開始する(ステップS413)。
【0053】
ここで、仲介処理とは、操作部103及び表示部105が本体端末の操作部及び表示部として機能する場合に、操作部103及び表示部105と該本体端末との間の信号の送受信を仲介する処理をいう。例えば、操作部103及び表示部105が本体端末106aの操作部及び表示部として機能する場合、CPU201は、操作部103から入力された入力情報を本体端末106aに送信し、又、本体端末106aから出力された表示情報に対応する表示を行うように表示部105を制御するように機能する。
【0054】
本体端末106aのCPU301aは、ネットワーク用信号伝送路101及びネットワークI/F304aを介してコンピュータ102から前記接続情報を受信すると、前記接続情報をメモリ303aに記憶した後、表示処理を行う(ステップS414)。即ち、前記表示処理では、CPU301aは、前記接続情報を参照して、ネットワークに接続済みのコンピュータ102及び本体端末106a自身以外のネットワークに接続済み本体端末106b〜106nを判別し、前記ネットワークに接続済みの機器(この場合、コンピュータ102及び本体端末106a〜106n)及びUSBメモリ305aに格納され本体端末106a自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアを表示させるための表示情報をコンピュータ102に送信する(ステップS415)。
【0055】
コンピュータ102のCPU201は前記表示情報を受信すると、仲介処理を行うことにより、前記表示情報に対応する表示を行うように表示部105を制御する(ステップS413)。
これにより、表示部105には、図7に示すように、USBメモリ305aに格納され本体端末106a自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアAPS2a〜APS2nのアイコン701a〜701n、ネットワークに接続済みのコンピュータ102(実質的にはコンピュータ本体104を表しており、図8においても同様である。)、本体端末106a以外のネットワークに接続済み本体端末106b〜106nのアイコン602b〜602nが表示される。
【0056】
図7の状態で、使用者が操作部103を操作することにより、本体端末106a自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアAPS2a〜APS2nのアイコン701a〜701nのいずれかを操作部103が選択すると、CPU201は仲介処理を行うことにより、操作部103の操作内容を表す操作情報をCPU301aに送信する(ステップS416)。
【0057】
CPU301aは前記操作情報に応答して、選択されたアプリケーションソフトウェアを実行する(ステップS417)。以後、コンピュータ本体104(具体的にはCPU201)の仲介処理により、操作部103、表示部105は各々、本体端末106aの操作部、表示部として機能することになる。したがって、使用者は、表示部105を見ながら操作部103を操作することにより、操作部103、表示部105及び本体端末106aを有する1台のコンピュータを使用しているのと同様の処理を行わせることが可能になる。
【0058】
処理ステップ417におけるアプリケーションソフトウェアの実行処理を終了させると、コンピュータ102の仲介処理の下、表示部105には再び図7の表示が行われる。
また、図7の状態で、使用者が操作部103を操作することにより、コンピュータ102のアイコン702を選択すると、CPU301aはメモリ303aに記憶している前記接続情報を、ネットワーク用信号伝送路101を介してコンピュータ102に送信して、処理を終了する。
【0059】
コンピュータ102のCPU201は、本体端末106aから受信した前記接続情報をメモリ203に記憶すると共に、前記接続情報を参照して表示部105に、図6に示すように、磁気ディスク202に格納されコンピュータ本体104自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェア(APS1a〜APS1n)のアイコン601a〜601nを表示すると共に、ネットワークに接続済みの本体端末106a〜106nのアイコン602a〜602nを表示して、電源起動時の初期状態に戻る。
【0060】
一方、図7の状態から、操作部103が本体端末106bのアイコンをクリックすることによって本体端末103を選択すると(図6のステップS418)、CPU301aはメモリ303aに記憶している接続情報を、ネットワーク用信号伝送路101を介して本体端末106bに送信する(ステップS419)。同時に、CPU301aは、ネットワーク用信号伝送路101を介してコンピュータ102に、本体端末106bの仲介処理を行うように仲介処理依頼を行う(ステップS420)。
これにより、CPU201は、操作部103及び表示部105が本体端末106bの操作部、表示部として機能するように仲介処理を行い、操作部103から入力された操作情報を本体端末106bに送信し、又、本体端末106bから出力された表示情報に対応する表示を行うように表示部105を制御する(ステップS421)。
【0061】
一方、本体端末106bのCPU301bは、ネットワーク用信号伝送路101及びネットワークI/F304bを介して本体端末106aから前記接続情報を受信すると、前記接続情報をメモリ303bに記憶した後、表示処理を行う(ステップS422)。即ち、前記表示処理では、CPU301bは、前記接続情報を参照して、ネットワークに接続済みのコンピュータ102及び本体端末106b自身以外のネットワークに接続済み本体端末106a、106c〜106nを判別し、前記ネットワークに接続済みの機器(この場合、コンピュータ102及び本体端末106a、106c〜106n)及びUSBメモリ305bに格納され本体端末106b自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアを表示させるための表示情報をコンピュータ102に送信する(ステップS423)。
【0062】
コンピュータ102のCPU201は前記表示情報を受信すると、仲介処理を行うことにより、前記表示情報に対応する表示を行うように表示部105を制御する(ステップS421)。
これにより、表示部105には、図8に示すように、USBメモリ305bに格納され本体端末106b自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアAPS3a〜APS3nのアイコン801a〜801n、ネットワークに接続済みのコンピュータ102、本体端末106b以外のネットワークに接続済み本体端末106a、106c〜106nのアイコン602b〜602nが表示される。
【0063】
図8の状態で、使用者が操作部103を操作することにより、本体端末106b自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェアAPS3a〜APS3nのアイコン801a〜801nのいずれかを操作部103が選択すると、CPU201は仲介処理を行うことにより、操作部103の操作内容を表す操作情報をCPU301bに送信する(ステップS424)。
【0064】
CPU301bは前記操作情報に応答して、選択されたアプリケーションソフトウェアを実行する(ステップS425)。以後、コンピュータ本体104の仲介処理により、操作部103、表示部105は各々、本体端末106bの操作部、表示部として機能することになる。したがって、使用者は、表示部105を見ながら操作部103を操作することにより、操作部103、表示部105及び本体端末106bを有する1台のコンピュータを使用しているのと同様の処理を行わせることが可能になる。
【0065】
処理ステップ425におけるアプリケーションソフトウェアの実行処理を終了させると、コンピュータ102の仲介処理の下、表示部105には再び図8の表示が行われる。
図8の状態で、使用者が操作部103を操作することによりコンピュータ102のアイコン702を選択すると(ステップS426)、CPU301bはメモリ303bに記憶している前記接続情報を、ネットワーク用信号伝送路101を介してコンピュータ102に送信し(ステップS427)、処理を終了する。
【0066】
コンピュータ102のCPU201は、本体端末106bから受信した前記接続情報をメモリ203に記憶すると共に、前記接続情報を参照して表示部105に、図6に示すように、磁気ディスク202に格納されコンピュータ本体104自身が直接実行可能なアプリケーションソフトウェア(APS1a〜APS1n)のアイコン601a〜601nを表示すると共に、ネットワークに接続済みの本体端末106a〜106nのアイコン602a〜602nを表示して、電源起動時の初期状態に戻る。
【0067】
以上述べたように、本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムは、操作を行う操作部103、表示を行う表示部105及び処理を行う第1処理手段としてのCPU201を有するコンピュータ本体104を備えネットワークに接続して使用されるコンピュータ102と、処理を行う第2処理手段としてのCPU301a〜301nを有し前記ネットワークに接続して使用される複数の本体端末106a〜106nとを備え、操作部103及び表示部105は、各々、コンピュータ本体104と本体端末106a〜106nのいずれかの操作手段及び表示手段として選択的に切り換えて使用されることを特徴としている。
【0068】
また、本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムは、操作を行う操作部103、表示を行う表示部105及び処理を行う第1処理手段としてのCPU201を有しネットワークに接続されるコンピュータ102と、処理を行う第2処理手段としてのCPU301a〜301nを有し前記ネットワークに接続して使用される複数の本体端末106a〜106nとを備え、CPU201は自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように表示部105を制御すると共に、操作部103が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、表示部105が表示した本体端末を操作部103が選択することによって、操作部103は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に表示部105は前記選択した本体端末の表示手段として機能することを特徴としている。
【0069】
したがって、コンピュータが有する操作部及び表示部を、一組として、本体端末の操作部及び表示部として使用するため、操作部や表示部が無駄にならないように構成を効率化することが可能になる。また、省スペース化を可能になり、高速処理可能な本体端末を使用することにより高機能化が可能になるという効果を奏する。
また、前記コンピュータシステムに適したコンピュータ、本体端末を提供することが可能になる。
【0070】
また、前記実施の形態では、ネットワークに接続されている機器(コンピュータ102、本体端末106a〜106n)のうち、操作部103及び表示部105の使用権を有する機器が、接続情報を保有するように構成している。したがって、最新の接続情報の存在場所が明確であるため、システム稼働中に、新たに他の本体端末がネットワークに接続した場合や既接続済みの本体端末がネットワークから離脱した場合等、システム構成に変動が生じた場合に、前記使用権を有する機器が保有する接続情報を最新情報に更新すればよいため、正確に接続情報を更新することが可能になる。
【0071】
この場合、新たな本体機器のネットワーク接続やネットワークからの離脱の検出はコンピュータが行い、その旨を、更新情報を保有する機器に送信して更新するように構成してもよく、あるいは、更新情報を保有する機器が新たなネットワーク接続やネットワークからの離脱の検出を行うと共に、接続情報を更新するように構成してもよい。
例えば、操作部103及び表示部105がいずれかの本体端末の操作部及び表示部として機能する場合において、コンピュータ本体104のCPU201は、所定タイミングで、新たにネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を検出して、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を表す情報を、前記接続情報を保有している本体端末に通知し、前記接続情報を保有している本体端末は、前記通知に基づいて、自身のメモリ303に記憶した接続情報に対して、新たに前記ネットワークに接続した本体端末の追加処理又は前記ネットワークから離脱した本体端末の削除処理を行うことにより、前記接続情報を更新して、前記ネットワークに接続された機器を表す接続情報を最新のものにするように構成してもよい。
【0072】
あるいは、前記接続情報を保有している本体端末のCPU301は、所定タイミングで、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を検出して、自身のメモリ303に記憶した接続情報に対して、新たに前記ネットワークに接続した本体端末の追加又は前記ネットワークから離脱した本体端末の削除を行うことにより、前記接続情報を更新して、前記ネットワークに接続された機器を表す接続情報を最新のものにするように構成してもよい。
【0073】
また、各本体端末106a〜106nとして、種々の処理能力を有するように選択しておくことにより、又、各本体端末に接続するUSBメモリ305a〜nに記憶されているアプリケーションソフトウェアを種々に選択することにより、使用者の要求に応じた種々のコンピュータを構築することが可能になる。
また、本体端末は複数の例で説明したが、1つであってもよい。
【0074】
また、コンピュータとして1つのコンピュータ102を使用した例で説明したが、複数のコンピュータを使用するように構成してもよい。この場合、各コンピュータが有する操作手段及び表示手段を本体端末の操作手段及び表示手段として選択的に切り換えて使用するように構成する。
また、ネットワークはLAN(Local Area Network)に限られず、インターネット等を用いたネットワークであってもよい。
前述した実施の形態によれば、前記コンピュータシステムに適したコンピュータ102、本体端末106a〜106n、これらをコンピュータに実現させるためのプログラムが提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
学校や企業等をはじめとして、コンピュータと、一又は複数の本体端末とをネットワークに接続して使用可能な環境下で用いる種々のコンピュータシステム、前記コンピュータシステムに適したコンピュータ、本体端末、プログラムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコンピュータのブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る本体端末のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を説明するための流れ図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を説明するための流れ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を説明するための図で、表示部の表示を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を説明するための図で、表示部の表示を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るコンピュータシステムの動作を説明するための図で、表示部の表示を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
101・・ネットワーク用信号伝送路
102・・・コンピュータ
103・・・操作手段としての操作部
104・・・コンピュータ本体
105・・・表示手段としての表示部
106a〜106n・・・本体端末
201・・・第1処理手段としてのCPU
202・・・第1記憶手段を構成する磁気ディスク
203・・・第1記憶手段を構成するメモリ
204・・・第1送受信手段としてのをネットワークインタフェース
301a・・・第2記憶手段としてのCPU
302a・・・USBインタフェース
303a・・・第2記憶手段を構成するメモリ
304a・・・第2送受信手段としてのネットワークインタフェース
305a・・・第2記憶手段を構成するUSBメモリ
601a〜601n、602a〜602n、701a〜701n、702、801a〜801n・・・アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う第1処理手段を有するコンピュータ本体を備えネットワークに接続して使用されるコンピュータと、
処理を行う第2処理手段を有し前記ネットワークに接続して使用される本体端末とを備え、
前記操作手段及び表示手段は、前記コンピュータ本体と本体端末のいずれかの操作手段及び表示手段として選択的に切り換えて使用されることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う第1処理手段を有するコンピュータ本体を備えネットワークに接続して使用されるコンピュータと、
処理を行う第2処理手段を有し前記ネットワークに接続して使用される本体端末とを備え、
前記第1処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御すると共に、前記操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、
前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項3】
前記コンピュータ本体は、更に第1記憶手段を有し、
前記第1処理手段は、前記ネットワークに接続されたか否かを前記本体端末に問い合わせる接続問い合わせ信号を送信すると共に前記ネットワークに接続した旨の回答を受けた前記本体端末を表す接続情報を前記第1記憶手段に記憶し、
前記ネットワークに接続した本体端末の第2処理手段は、前記接続問い合わせ信号を受信して、前記ネットワークに接続した旨を表す回答を前記コンピュータ本体に送信して成り、
前記第1処理手段は、前記第1記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項2記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記操作手段及び表示手段が前記コンピュータ本体の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した本体端末を選択した場合において、
前記第1処理手段は、前記第1記憶手段に記憶した接続情報及び前記操作手段の操作内容を表す操作情報を前記選択した本体端末に送信すると共に、前記選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御し、
前記本体端末は前記接続情報を記憶するための第2記憶手段を有し、前記選択した本体端末の第2処理手段は、前記操作情報に応じた処理を行うと共に、前記接続情報を参照して、前記コンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信することを特徴とする請求項2又は3記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記操作手段及び表示手段が前記選択した本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示したアプリケーションソフトウェアを選択した場合において、
前記第1処理手段は、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記選択した本体端末に送信すると共に、前記選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御し、
前記選択した本体端末の第2処理手段は、前記操作情報に応じて前記アプリケーションソフトウェアを実行処理すると共に、前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記本体端末は複数であり、前記操作手段及び表示手段が前記選択した本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、
前記選択した本体端末の第2処理手段は、自身の前記第2記憶手段に記憶した接続情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記コンピュータ本体に処理依頼を送信し、
前記他の選択した本体端末の第2処理手段は、前記操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、前記選択した本体端末から受信し自身の第2記憶手段に記憶した前記接続情報を参照して前記コンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信し、
前記第1処理手段は、前記処理依頼を受けて、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記他の選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能する場合において、
前記コンピュータ本体の第1処理手段は、所定タイミングで、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を検出して、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を表す情報を、前記接続情報を保有している本体端末に通知し、
前記接続情報を保有している本体端末は、前記通知に基づいて、自身の第2記憶手段に記憶した接続情報に対して、新たに前記ネットワークに接続した本体端末の追加又は前記ネットワークから離脱した本体端末の削除を行うことにより、前記接続情報を更新することを特徴とする請求項4乃至6のいずか一に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記接続情報を保有している本体端末は、所定タイミングで、新たに前記ネットワークに接続又は前記ネットワークから離脱した本体端末を検出して、自身の第2記憶手段に記憶した接続情報に対して、新たに前記ネットワークに接続した本体端末の追加又は前記ネットワークから離脱した本体端末の削除を行うことにより、前記接続情報を更新することを特徴とする請求項4乃至6のいずか一に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う処理手段を有するコンピュータ本体を備えると共にネットワークに接続して使用され、
前記処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御すると共に、前記操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、
前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能することを特徴とするコンピュータ。
【請求項10】
更に、記憶手段を有し、
前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたか否かを前記本体端末に問い合わせる接続問い合わせ信号を送信すると共に前記ネットワークに接続した旨の回答を受けた本体端末を表す接続情報を前記記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項9記載のコンピュータ。
【請求項11】
前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、
前記処理手段は、前記本体端末からの処理依頼を受けて、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記他の選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項9又は10記載のコンピュータ。
【請求項12】
処理を行う処理手段及びネットワークに接続された機器を表す接続情報を記憶するための記憶手段を有すると共にネットワークに接続して使用されて成り、
前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたコンピュータの操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、前記記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記コンピュータのコンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信することを特徴とする本体端末。
【請求項13】
前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示したアプリケーションソフトウェアを選択した場合において、
前記処理手段は、前記操作情報に応じて前記アプリケーションソフトウェアを実行処理すると共に、前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信することを特徴とする請求項12記載の本体端末。
【請求項14】
前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、
前記処理手段は、前記記憶手段に記憶した接続情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記コンピュータ本体に処理依頼を送信することを特徴とする請求項12又は13記載の本体端末。
【請求項15】
更に、アプリケーションプログラムを記憶した記憶手段を着脱自在に接続するための接続手段を有し、前記処理手段は、前記接続手段に接続された記憶手段に記憶したアプリケーションプログラムを実行することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一に記載の本体端末。
【請求項16】
コンピュータを、
操作を行う操作手段、表示を行う表示手段及び処理を行う処理手段を有するコンピュータ本体を備えると共にネットワークに接続して使用され、
前記処理手段は、自身が実行可能なアプリケーションソフトウェア及び前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御すると共に、前記操作手段が選択したアプリケーションソフトウェアを実行し、
前記表示手段が表示した本体端末を前記操作手段が選択することによって、前記操作手段は前記選択した本体端末の操作手段として機能すると共に前記表示手段は前記選択した本体端末の表示手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
更にコンピュータを、
前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたか否かを前記本体端末に問い合わせる接続問い合わせ信号を送信すると共に前記ネットワークに接続した旨の回答を受けた本体端末を表す接続情報を記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した接続情報を参照して、前記ネットワークに接続した本体端末を表示するように前記表示手段を制御するように機能させることを特徴とする請求項16記載のプログラム。
【請求項18】
更にコンピュータを、
前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、
前記処理手段は、前記本体端末からの処理依頼を受けて、前記操作手段の操作内容に応じた操作情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記他の選択した本体端末からの表示情報に応じた表示を行うように前記表示手段を制御するように機能させることを特徴とする請求項16又は17記載のプログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
処理を行う処理手段を有すると共にネットワークに接続して使用されて成り、
前記処理手段は、前記ネットワークに接続されたコンピュータの操作手段の操作内容を表す操作情報に応じた処理を行うと共に、記憶手段に記憶されたネットワークに接続済みの機器を表す接続情報を参照して、前記コンピュータのコンピュータ本体、前記ネットワークに接続した他の本体端末及び自身が実行可能なアプリケーションソフトウェアを表すと共に前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信するように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
更にコンピュータを、
前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示したアプリケーションソフトウェアを選択した場合において、
前記処理手段は、前記操作情報に応じて前記アプリケーションソフトウェアを実行処理すると共に、前記処理に応じた表示内容を表す表示情報を前記コンピュータ本体に送信するように機能させることを特徴とする請求項19記載の本体端末。
【請求項21】
更にコンピュータを、
前記操作手段及び表示手段が前記本体端末の操作手段及び表示手段として機能するときに、前記操作手段が前記表示手段に表示した他の本体端末を選択した場合において、
前記処理手段は、前記記憶手段に記憶した接続情報を前記他の選択した本体端末に送信すると共に、前記コンピュータ本体に処理依頼を送信するように機能させることを特徴とする請求項19又は20記載のプログラム。
【請求項22】
更にコンピュータを、
前記処理手段は、接続手段に着脱自在に接続された記憶手段に記憶したアプリケーションプログラムを実行するように機能させることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−86852(P2007−86852A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271460(P2005−271460)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000002842)株式会社高岳製作所 (72)
【出願人】(303030151)株式会社ミントウェーブ (2)
【Fターム(参考)】