説明

コンピュータシステム

【課題】電子制御装置の仕様を正確に決定可能なコンピュータシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】1つ以上の電子部品を備える製品に搭載されて当該電子部品を制御する電子制御装置の仕様を、コンピュータ上で自動的に決定するコンピュータシステムであって、製品に備えられる電子部品の型式情報を取得する型式取得手段と、型式情報に基づいて電子制御装置の仕様を決定する仕様決定手段とを備えるコンピュータシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムに関し、より特定的には、電子制御装置の仕様を決定するコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両を生産する工場等では、車両の仕向けなどに応じて、仕様および型式の異なる電子部品が各車両に取り付けられている。そのため当該電子部品を制御する制御装置には、当該電子部品の仕様に応じて、各々異なる制御ソフトウェアが書き込まれている。当該制御ソフトウェアの書き込み手法は様々であり、例えば、特許文献1に開示される車両用電子制御装置では無線通信によって制御ソフトウェアが書き込まれる手法が採用されている。
【0003】
ところで、従来、上記のように制御ソフトウェアを制御装置に書き込む場合において、上記のような電子部品、および当該電子部品の制御装置が各々に車両に組み付けられた後に、各電子部品から送信される電子部品の型式情報に基づいて、制御装置自身が制御ソフトウェアの仕様を自動的に確定するシステムが用いられている。当該システムでは、制御装置自身が、確定した仕様に応じた制御ソフトウェアを自らに書き込む。このようなシステムによれば、組み付け部品に応じて車両制御装置の制御ソフトウェアの仕様が自動的に変更される。そのため、複数の仕様に対して、各仕様に応じた制御ソフトウェアが書き込まれた複数種類の制御装置を用意しておく必要が無く、車両部品としての当該制御装置の在庫管理が容易となる。
【特許文献1】特開2003−108383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなシステムでは、作業者が本来車両に組み付けるべき電子部品と型式が異なる電子部品を、誤って車両に組み付けてしまった場合、当該電子部品の制御装置の仕様が誤って確定してしまう恐れがある。このように、制御装置の仕様が誤って確定してしまった場合、当該誤った仕様に応じた制御ソフトウェアが制御装置に書き込まれてしまい、本来行われるべき電子部品の制御が実行されなくなる可能性がある。
【0005】
本願発明は、上記問題に鑑みてなされた。すなわち、本願発明は、電子制御装置の仕様を正確に決定可能なコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は上記課題を解決すべく以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明は、1つ以上の電子部品を備える製品に搭載されて当該電子部品を制御する電子制御装置の仕様を、コンピュータ上で自動的に決定するコンピュータシステムであって、製品に備えられる電子部品の型式情報を取得する型式取得手段と、型式情報に基づいて電子制御装置の仕様を決定する仕様決定手段とを備えるコンピュータシステムである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、電子制御装置で用いられる制御ソフトウェアを、仕様決定手段により決定された仕様に応じて生成するソフトウェア生成手段をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第2の発明において、制御ソフトウェアは、仕様各々に共通して定義される標準モジュール、および仕様毎の相違に応じて各々個別に定義される差分モジュールにより構成されており、コンピュータシステムは、標準モジュール、および差分モジュールを記憶するモジュール記憶手段をさらに備え、ソフトウェア生成手段は、仕様に応じた標準モジュールおよび差分モジュールをモジュール記憶手段から読み出し、当該標準モジュールおよび差分モジュールに基づいて制御ソフトウェアを生成する。
【0009】
第4の発明は、第1の発明において、複数の仕様に各々対応し、且つ、電子制御装置で用いられる複数の制御ソフトウェアを記憶するソフトウェア記憶手段と、複数の制御ソフトウェアから、仕様決定手段により決定された仕様に対応する制御ソフトウェアを選択する、ソフトウェア選択手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、第2の発明または第4の発明において、制御装置と有線接続され、ソフトウェア生成手段により生成された制御ソフトウェア、またはソフトウェア選択手段により選択された制御ソフトウェアを、有線通信で制御装置に書き込む制御ソフトウェア書き込み手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
第6の発明は、第2の発明または第4の発明において、制御装置と無線通信接続され、ソフトウェア生成手段により生成された制御ソフトウェア、またはソフトウェア選択手段により選択された制御ソフトウェアを、無線通信で制御装置に書き込む制御ソフトウェア書き込み手段をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
第7の発明は、第1乃至第4の発明における製品を車両とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、電子部品と電子制御装置とを実際に接続することなく電子制御装置の仕様を決定できるため、電子制御装置の仕様を正確に決定可能である。
【0014】
第2の発明によれば、決定された仕様に応じた制御ソフトウェアが生成されるため、予め複数の仕様に各々対応する制御ソフトウェアを記憶させる必要がなく、設備や電子制御装置に要する記憶容量を低減することができる。
【0015】
第3の発明によれば、各仕様に共通する標準モジュールは1つだけ記憶していれば良いため、設備や電子制御装置に要する記憶容量を低減できる。
【0016】
第4の発明によれば、仕様に応じた制御ソフトウェアを簡単な処理で素早く用意することができる。
【0017】
第5の発明によれば、混信や傍受されることなく正確に制御ソフトウェアを電子制御装置に書き込むことができる。
【0018】
第6の発明によれば、コンピュータシステムと電子制御装置とを通信線で接続する工数、および当該通信線の用意を要せず、簡単に制御ソフトウェアを電子制御装置に書き込むことができる。
【0019】
第7の発明によれば、車両に搭載される車両用電子制御装置の仕様を正確に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係るコンピュータシステム1ついて図面に従って詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1を参照してコンピュータシステム1の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコンピュータシステム1の全体構成を示すブロック図である。
【0022】
コンピュータシステム1は、典型的には、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)などの処理装置、メモリなどの記憶装置、およびインターフェース回路などのハードウェアを備えたコンピュータシステムである。図1に示すように、コンピュータシステム1は、型式取得手段11、仕様決定手段12、ソフトウェア生成手段13、モジュール記憶手段14、およびソフトウェア書き込み手段15を備える。本発明の第1の実施の形態では、コンピュータシステム1が、電子制御装置100の仕様を決定し、当該仕様に応じた制御ソフトウェアを電子制御装置100に書き込む例について説明する。なお、電子制御装置100は、車両に搭載される電子部品の制御装置である。上記電子部品には複数の異なる型式が存在し、電子制御装置100は、後述のコンピュータシステム1の処理により、当該電子部品の型式に応じた各々異なる複数の仕様のうち何れか1つの仕様に設定される。
【0023】
型式取得手段11は、コンピュータシステム1により実行される機能の1つであって、電子制御装置100の制御対象である電子部品の型式を取得する機能である。型式取得手段11は、例えば、車両の生産設備から生産すべき車両の仕向けを受信し、当該仕向けの車両に組み付けられるべき電子部品の型式を記憶装置から読み出すなどして、電子部品の型式を取得する。型式取得手段11は、取得した電子部品の型式情報を示す型式コードを仕様決定手段へ渡す。
【0024】
仕様決定手段12は、コンピュータシステム1により実行される機能の1つであって、電子制御装置100の仕様を決定する機能である。仕様決定手段12は、型式取得手段11から取得した電子部品の型式コードを判別し、当該型式コードに基づいて電子制御装置100の仕様を決定する。仕様決定手段12は、決定した電子制御装置100の仕様をソフトウェア生成手段13へ渡す。
【0025】
ソフトウェア生成手段13は、コンピュータシステム1により実行される機能であって、電子制御装置100で用いられる制御ソフトウェアを生成する機能である。ソフトウェア生成手段13は、仕様決定手段12から取得した電子制御装置100の仕様に応じて、上記制御ソフトウェアを生成する。
【0026】
上記制御ソフトウェアは、標準モジュールおよび差分モジュールから構成される。標準モジュールは、制御ソフトウェアにおいて、電子制御装置100のとり得る複数の仕様の差異に関わらず共通して定義されるプログラムモジュールである。差分モジュールは、電子制御装置100のとり得る複数の仕様の差異に応じて個別に定義されるプログラムモジュールである。標準モジュールおよび差分モジュールは、何れもモジュール記憶手段14に記憶される。ソフトウェア生成手段13は、電子制御装置100の仕様に対応する標準モジュールおよび差分モジュールを各々モジュール記憶手段14から読み出し、標準モジュールおよび差分モジュールに基づいて制御ソフトウェアを生成する。ソフトウェア生成手段13は、生成した制御ソフトウェアをソフトウェア書き込み手段15に渡す。
【0027】
モジュール記憶手段14は、コンピュータシステム1により実現される機能であって、上記の通り、標準モジュールおよび差分モジュールを予め記憶する機能である。当該機能は、典型的には、コンピュータシステム1に備えられるメモリなどの記憶手段により実現される。
【0028】
ソフトウェア書き込み手段15は、コンピュータシステム1により実行される機能であって、ソフトウェア生成手段13により生成した制御ソフトウェアを電子制御装置100に書き込む機能である。コンピュータシステム1と電子制御装置100とは、例えば、シリアルケーブル等の通信線で有線接続されており、ソフトウェア書き込み手段15は、制御ソフトウェアを当該通信線を介して電子制御装置100に送信して書き込む。
【0029】
次いで、本発明の第1の実施の形態に係るコンピュータシステム1により、車両に搭載される電子制御装置100の仕様が決定される様子について図2から図7を参照して説明する。
【0030】
先ず、電子制御装置100を搭載する車両の構成について、図2を参照して説明する。図2は、電子制御装置を搭載する車両の構成の一例を示す図である。図2に示す、メーター装置31、電子制御サスペンション32、およびオートエアコン33は、各々、車両に搭載される電子部品の一例である。また、図2に示す、メーター制御ECU51、運転支援ECU52、およびエアコン制御ECU53は、各々、車両に搭載される上記電子制御装置100の一例である。以下、メーター装置31、電子制御サスペンション32、およびオートエアコン33を総称して車載電子部品と呼称する。また、メーター制御ECU51、運転支援ECU52、およびエアコン制御ECU53を総称して車載電子制御装置と呼称する。
【0031】
上記メーター装置31、電子制御サスペンション32、オートエアコン33、メーター制御ECU51、運転支援ECU52、およびエアコン制御ECU53は、何れも車載ネットワーク回線40を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構成する。車載ネットワーク回線40は、典型的にはCAN(Controller Area Network)などの車両に搭載されるネットワークの通信回線である。
【0032】
メーター装置31は、車速などの車両情報を表示する表示装置である。一般的に、車両の仕向け国毎で法定速度などが異なるため、仕向け国に応じて、例えば、表示可能な最高速度などが各々異なる、複数の型式のメーター装置31の何れかが車両に搭載される。例えば、図3に示すように、メーター装置31には、仕向け国である日本、米国、欧州、および中国に各々対応した4つの型式J、U、E、およびCが存在する。図3は、メーター装置31の型式および当該型式に対応するメーター制御ECU51の仕様の一例を示す図である。型式コードMETは、メーター装置31の型式を示すデータである。例えば、型式コードMETの値としてJを示すデータは、日本仕様のメーター装置31に対応する。
【0033】
メーター制御ECU51は、メーター装置31を制御する電子制御装置である。メーター制御ECU51は、メーター装置31の型式に対応するよう日本仕様、米国仕様、欧州仕様、または中国仕様の何れかの仕様に設定されて動作する。図3に示すように、型式J、U、E、およびCのメーター装置31は、各々、日本仕様、米国仕様、欧州仕様、および中国仕様に設定されたメーター制御ECU51により制御される。
【0034】
電子制御サスペンション32は、油圧式のサスペンションを備え、当該サスペンションの油圧等を車両に作用する外力等に応じて電子制御して、当該サスペンションの弾性特性を変化させるサスペンション装置である。仕向け先毎に車両のサスペンションの特性に関するユーザーの嗜好が異なっているため、当該嗜好に合わせるべく、仕向け先に応じて上記油圧の初期値などが各々に異なる、複数の型式の電子制御サスペンション32の何れかが車両に搭載される。図4は、電子制御サスペンション32の型式および当該型式に対応する運転支援ECU52の仕様の一例を示す図である。例えば、図4に示すように、電子制御サスペンション32には、アジア、米国、および欧州に各々対応した3つの型式AS、U、Eが存在する。型式コードSUSは、電子制御サスペンション32の型式を示すデータである。例えば、型式コードSUSの値としてASを示すデータは、アジア仕様の電子制御サスペンション32に対応する。
【0035】
運転支援ECU52は、電子制御サスペンション32、車両のエンジン(図示せず)、および車両のブレーキ装置(図示せず)などを制御する電子制御装置である。運転支援ECU52は、電子制御サスペンション32の型式に対応するようアジア仕様、米国仕様、欧州仕様、または中国仕様の何れかの仕様に設定されて動作する。図4に示すように、型式、AS、U、およびEの電子制御サスペンション32は、各々、アジア仕様、米国仕様、および欧州仕様に設定された運転支援ECU52により制御される。
【0036】
オートエアコン33は、車両内外の温度等の環境情報を検知し、当該環境情報に応じて車内の温度を自動調整する空調装置である。例えば、寒冷地では冷房機能が不要であるなど、仕向け地域の気候毎に必要とされる空調機能が異なるため、仕向け地域などに応じて、空調機能の仕様が異なるオートエアコン33が車両に搭載される。図5は、オートエアコン33の型式および当該型式に対応するエアコン制御ECU53の仕様の一例を示す図である。図5に示すように、オートエアコン33には、一般地域および寒冷地に各々対応した2つの型式NRおよびCRが存在する。オートエアコン33は、型式コードAACの値を車載電子制御装置へ車載ネットワーク回線40を介して出力する。型式コードAACは、オートエアコン33の型式を示すデータである。例えば、型式コードAACの値としてCRを示すデータは、寒冷地仕様のオートエアコン33に対応する。
【0037】
エアコン制御ECU53はオートエアコン33を制御する電子制御装置である。エアコン制御ECU53は、オートエアコン33の型式に対応するよう一般地域仕様または寒冷地仕様の何れかの仕様に設定されて動作する。図5に示すように、型式NR、およびCRのオートエアコン33は、各々、一般地域仕様、および寒冷地仕様に設定されたエアコン制御ECU53により制御される。
【0038】
なお、従来、上記車載電子制御装置は、各々が制御対象とする車載電子部品の型式コードを、車載ネットワーク回線40を介して当該車載電子部品から受信して、当該型式コードに基づき自身の仕様を決定していたが、本発明の第1の実施の形態に係るコンピュータシステム1によれば、実際に車載電子制御装置と車載電子部品とを接続することなく車載電子制御装置の仕様を決定することが可能である(詳細は後述図6の説明において示す)。したがって、本願発明では、車載電子制御装置の仕様を決定するために、わざわざ実際に車載電子制御装置と車載電子部品とを接続して図2のような車載ネットワークを構成する必要は無い。すなわち、予め本発明に係るコンピュータシステム1により仕様が決定された電子制御装置を、車両に搭載して図2に例示する車載ネットワークを構成することができる。
【0039】
次いで、図6を参照してコンピュータシステム1が実行する処理について説明する。図6は、コンピュータシステム1が実行する処理の一例を示したフローチャートである。以下では、コンピュータシステム1が、メーター制御ECU51の仕様を決定し、当該仕様に応じた制御ソフトウェアを当該メーター制御ECU51に書き込む処理について説明する。なお、コンピュータシステム1は、自身がメーター制御ECU51とシリアルケーブルなどの通信線で通信接続された場合に図6に示すフローチャートの処理を開始する。
【0040】
ステップS1において、コンピュータシステム1は、型式コードMETの値を取得したか否かを判定する。一般的に、車両の製造工場などでは、車両に搭載すべき部品を作業者や作業ロボット等に指示するため、当該車両に搭載すべき部品を指示する指示装置が備えられており、コンピュータシステム1も当該指示設備から車両に搭載すべき部品の情報を取得する。具体的には、コンピュータシステム1は、当該メーター制御ECU51が搭載される車両に備えられるメーター装置31の型式を示す型式コードMETの値を、工場に備えられる上記指示設備などから受信する。コンピュータシステム1は、型式コードMETを取得した場合処理をステップS2へ進める。一方、コンピュータシステムは、型式コードMETを取得していない場合、処理をステップS1へ戻す。なお、本ステップS1の処理は型式取得手段11により実行される。
【0041】
コンピュータシステム1は、型式コードMETを取得すると以下に説明するステップS2乃至ステップS13の処理に基づいてメーター制御ECU51の仕様を決定する。
【0042】
ステップS2において、コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がJであるか否かを判定する。具体的には、コンピュータシステム1は、ステップS1において取得した型式コードMETの値がJであるか否かを判定する。コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がJである場合、処理をステップS3へ進める。一方、コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がJでない場合、処理をステップS5へ進める。
【0043】
ステップS3において、コンピュータシステム1は、メーター制御ECU51の仕様を日本仕様に決定する。ステップS3の処理を完了すると、コンピュータシステム1は、処理をステップS4へ進める。
【0044】
上記ステップS2およびステップS3の処理によれば、車両に搭載されるメーター装置31の型式がJである場合、実際にメーター装置31およびメーター制御ECU51を互いに接続することなく、メーター制御ECU51の仕様を日本仕様に決定することができる。なお、上記ステップS2およびステップS3の処理は、仕様決定手段12により実行される。
【0045】
ステップS4において、コンピュータシステム1は、日本仕様の制御ソフトウェアを生成する。
【0046】
具体的には、先ず、コンピュータシステム1は、記憶装置に記憶したモジュールテーブルに基づいて、日本仕様に対応する差分モジュールおよび標準モジュールを判別する。モジュールテーブルは、メーター制御ECU51の仕様と、差分モジュールおよび標準モジュールとの対応関係を示すデータテーブルである。図7はモジュールテーブルの一例を表した図である。図7に示すように、モジュールテーブルには、1列目の各行にメーター制御ECU51がとり得る仕様が定義される。また、モジュールテーブルの2列目には、1列目に示された仕様に対応する差分モジュールの名称および当該差分モジュールが記憶されている領域を示すアドレスなどが定義される。そして、モジュールテーブルの3行目には、1列目の各仕様何れにおいても用いられる標準モジュールの名称および当該差分モジュールが記憶されている領域を示すアドレスなどが定義される。例えば、図7において日本仕様に対応する差分モジュールは、モジュールa、モジュールb、およびモジュールcであり、メーター制御ECU51に用いられる標準モジュールはモジュールkである。
【0047】
次に、コンピュータシステム1は、判別した差分モジュールおよび標準モジュールをモジュール記憶手段14から読み出し、当該差分モジュールおよび当該標準モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。具体的には、コンピュータシステム1は、モジュールa、モジュールb、モジュールc、およびモジュールkを記憶手段から読み出し、各モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。上記の結合処理は、例えば、各プログラムモジュール間のリンクを定義する処理などを指す。
【0048】
コンピュータシステム1は、上記ステップS4の処理を完了するとステップS13へ処理を進める。なお、本ステップS4の処理は、ソフトウェア生成手段13により実行される。
【0049】
上記ステップS4の処理によれば、ステップS3において決定された仕様に応じた制御ソフトウェアを生成することができる。このように、制御ソフトウェアを仕様毎に異なるプログラムモジュールと各仕様に共通するプログラムモジュールに分けておき、必要に応じて制御ソフトウェアを生成することにより、各仕様に応じた制御ソフトウェアを全て予め記憶しておく場合に比べ、コンピュータシステム1に要する記憶容量を低減することができる。
【0050】
ステップS5において、コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がUであるか否かを判定する。具体的には、コンピュータシステム1は、ステップS1において取得した型式コードMETの値がUであるか否かを判定する。コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がUである場合、処理をステップS6へ進める。一方、コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がUでない場合、処理をステップS8へ進める。
【0051】
ステップS6において、コンピュータシステム1は、メーター制御ECU51の仕様を米国仕様に決定する。ステップS3の処理を完了すると、コンピュータシステム1は、処理をステップS7へ進める。
【0052】
上記ステップS5およびステップS6の処理によれば、車両に搭載されるメーター装置31の型式がUである場合、実際にメーター装置31およびメーター制御ECU51を互いに接続することなく、メーター制御ECU51の仕様を米国仕様に決定することができる。なお、上記ステップS5およびステップS6の処理は、仕様決定手段12により実行される。
【0053】
ステップS7において、コンピュータシステム1は、米国仕様の制御ソフトウェアを生成する。
【0054】
具体的には、先ず、コンピュータシステム1は、記憶装置に記憶したモジュールテーブルに基づいて、米国仕様に対応する差分モジュールおよび標準モジュールを判別する。次に、コンピュータシステム1は、判別した差分モジュールおよび標準モジュールをモジュール記憶手段14から読み出し、当該差分モジュールおよび当該標準モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。具体的には、コンピュータシステム1は、モジュールd、モジュールe、モジュールf、およびモジュールkを記憶手段から読み出し、各モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。
【0055】
コンピュータシステム1は、上記ステップS7の処理を完了するとステップS13へ処理を進める。なお、本ステップS7の処理は、ソフトウェア生成手段13により実行される。
【0056】
上記ステップS7の処理によれば、ステップS6において決定された仕様に応じた制御ソフトウェアを生成することができる。
【0057】
ステップS8において、コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がEであるか否かを判定する。具体的には、コンピュータシステム1は、ステップS1において取得した型式コードMETの値がEであるか否かを判定する。コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がEである場合、処理をステップS9へ進める。一方、コンピュータシステム1は、型式コードMETの値がEでない場合、処理をステップS11へ進める。
【0058】
ステップS9において、コンピュータシステム1は、メーター制御ECU51の仕様を欧州仕様に決定する。ステップS3の処理を完了すると、コンピュータシステム1は、処理をステップS10へ進める。
【0059】
上記ステップS8およびステップS9の処理によれば、車両に搭載されるメーター装置31の型式がEである場合、実際にメーター装置31およびメーター制御ECU51を互いに接続することなく、メーター制御ECU51の仕様を欧州仕様に決定することができる。なお、上記ステップS8およびステップS9の処理は、仕様決定手段12により実行される。
【0060】
ステップS10において、コンピュータシステム1は、欧州仕様の制御ソフトウェアを生成する。
【0061】
具体的には、先ず、コンピュータシステム1は、記憶装置に記憶したモジュールテーブルに基づいて、欧州仕様に対応する差分モジュールおよび標準モジュールを判別する。次に、コンピュータシステム1は、判別した差分モジュールおよび標準モジュールをモジュール記憶手段14から読み出し、当該差分モジュールおよび当該標準モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。具体的には、コンピュータシステム1は、モジュールg、モジュールh、モジュールi、およびモジュールkを記憶手段から読み出し、各モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。コンピュータシステム1は、上記ステップS10の処理を完了するとステップS13へ処理を進める。なお、本ステップS10の処理は、ソフトウェア生成手段13により実行される。
【0062】
上記ステップS10の処理によれば、ステップS9において決定された仕様に応じた制御ソフトウェアを生成することができる。
【0063】
ステップS11において、コンピュータシステム1は、メーター制御ECU51の仕様を中国仕様に決定する。ステップS3の処理を完了すると、コンピュータシステム1は、処理をステップS12へ進める。
【0064】
ステップS12において、コンピュータシステム1は、中国仕様の制御ソフトウェアを生成する。
【0065】
具体的には、先ず、コンピュータシステム1は、記憶装置に記憶したモジュールテーブルに基づいて、中国仕様に対応する差分モジュールおよび標準モジュールを判別する。次に、コンピュータシステム1は、判別した差分モジュールおよび標準モジュールをモジュール記憶手段14から読み出し、当該差分モジュールおよび当該標準モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。具体的には、コンピュータシステム1は、モジュールj、およびモジュールkを記憶手段から読み出し、各モジュールを結合して制御ソフトウェアを生成する。コンピュータシステム1は、上記ステップS12の処理を完了するとステップS13へ処理を進める。なお、本ステップS12の処理は、ソフトウェア生成手段13により実行される。
【0066】
上記ステップS12の処理によれば、ステップS11において決定された仕様に応じた制御ソフトウェアを生成することができる。
【0067】
ステップS13において、コンピュータシステム1は、制御ソフトウェアを書き込む。具体的には、コンピュータシステム1は、上記ステップS4、ステップS7、ステップS10、またはステップS12の何れかの処理において生成された制御ソフトウェアを、通信線を介して有線通信でメーター装置31に送信して書き込む。ステップS13の処理を完了すると、コンピュータシステム1は、図6のフローチャートの処理を完了する。なお、本ステップS13の処理は、ソフトウェア書き込み手段15により実行される。
【0068】
上述の図6に示す処理によれば、コンピュータシステム1は、メーター制御ECU51の仕様を実際にメーター装置31およびメーター制御ECU51を互いに接続することなく、メーター制御ECU51の仕様を欧州仕様に決定することができる。
【0069】
上記に説明したコンピュータシステム1の処理は、メーター制御ECU51以外の車載電子制御装置の仕様を決定する場合にも適用可能である。例えば、ステップS2、ステップS5、およびステップS8の処理において、型式コードMETに代えて型式コードSUSを判別する処理を行えば、電子制御サスペンション32の型式に応じて運転支援ECU52の仕様を決定し、当該仕様に対応した制御ソフトウェアを運転支援ECU52に書き込むことができる。なお、エアコン制御ECU53についても上記と同様にして、型式コードAACに基づいてエアコン制御ECU53の仕様決定および制御ソフトウェアの書き込みを行うことができる。
【0070】
以上説明したように、本発明に係るコンピュータシステム1によれば、電子部品と電子制御装置とを実際に接続することなく、当該電子制御装置の仕様を決定し、当該仕様に応じた制御ソフトウェアを当該電子制御装置に書き込むことができる。そのため、作業者によって誤った型式の部品が電子制御装置に組み付けられて、当該電子制御装置が自身の仕様を誤って決定することがなく、正確に電子制御装置の仕様を決定することができる。
【0071】
なお、上記に説明したコンピュータシステム1のステップS1からステップS12の処理は、例えば、コンピュータシステム1上において、図2に示す車載ネットワークを模した仮想的な車載ネットワークを構築し、当該仮想車載ネットワークにおいて実際のメーター制御ECU51が従来実行していた、自身の仕様を決定する処理をシミュレートさせることで容易に実装することができる。
【0072】
また、上記第1の実施形態では、コンピュータシステム1において、標準モジュールおよび差分モジュールをプログラムモジュールとして取り扱う構成について説明したが、標準モジュールおよび差分モジュールは制御ソフトウェアを構成可能な形態であれば任意の形態で取り扱って良い。例えば、標準モジュールおよび差分モジュールは各々プログラムのソースコードであっても構わない。上記モジュールをソースコードとした場合、モジュール記憶手段14は上記標準モジュールおよび差分モジュールに各々対応するソースコードを予め記憶し、モジュール生成手段は当該ソースコードを読み出し、コンパイルすることにより、制御ソフトウェアを生成することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、コンピュータシステム1が制御ソフトウェアを生成して電子制御装置に書き込む例について説明したが、コンピュータシステム1は予め各仕様に応じた制御ソフトウェアを記憶しておき、決定した仕様に適合する制御ソフトウェアを選択して、当該選択した制御ソフトウェアを電子制御装置に書き込みしても構わない。
【0074】
先ず、第2の実施形態に係る、コンピュータシステム2の構成について説明する。図8は第2の実施形態に係る、コンピュータシステム2の全体構成を示すブロック図である。コンピュータシステム2は、第1の実施形態に係るコンピュータシステム1におけるモジュール記憶手段14に代えてソフトウェア記憶手段24を、ソフトウェア生成手段13に代えてソフトウェア選択手段23を備える。他の構成については、第1の実施形態に係るコンピュータシステム1と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
ソフトウェア選択手段23は、コンピュータシステム1により実行される機能であって、仕様決定手段12に決定された仕様に適合する制御ソフトウェアをソフトウェア記憶手段24から読み出してソフトウェア書き込み手段に渡す機能である。
【0076】
ソフトウェア記憶手段24は、コンピュータシステム1により実現される機能であって、電子制御装置100のとり得る複数の仕様に各々対応した複数の制御ソフトウェアを予め記憶する機能である。
【0077】
次いで、コンピュータシステム2が実行する処理について図9を参照して説明する。図9は、コンピュータシステム2が実行する処理の一例を示したフローチャートである。図9に示すフローチャートの処理は、図6に示すフローチャートのステップS4、ステップS7、ステップS10、ステップS12、およびステップS13における処理を、各々、以下に説明するステップS24、ステップS27、ステップS30、ステップS32、およびステップS33の処理に置き換えたものである。したがって、図9のフローチャートにおいて、図6のフローチャート同様の処理を行うステップについては図6と同様の符号を付して説明を省略する。
【0078】
ステップS24において、コンピュータシステム2は、日本仕様の制御ソフトウェアを読み出す。具体的には、コンピュータシステム2は、予めソフトウェア記憶手段24に記憶された日本仕様の制御ソフトウェアを当該ソフトウェア記憶手段24から読み出す。ステップS24の処理を完了すると、コンピュータシステム2は、処理をステップS33へ進める。
【0079】
ステップS27において、コンピュータシステム2は、米国仕様の制御ソフトウェアを読み出す。具体的には、コンピュータシステム2は、予めソフトウェア記憶手段24に記憶された米国仕様の制御ソフトウェアを当該ソフトウェア記憶手段24から読み出す。ステップS27の処理を完了すると、コンピュータシステム2は、処理をステップS33へ進める。
【0080】
ステップS30において、コンピュータシステム2は、欧州仕様の制御ソフトウェアを読み出す。具体的には、コンピュータシステム2は、予めソフトウェア記憶手段24に記憶された欧州仕様の制御ソフトウェアを当該ソフトウェア記憶手段24から読み出す。ステップS30の処理を完了すると、コンピュータシステム2は、処理をステップS33へ進める。
【0081】
ステップS32において、コンピュータシステム2は、中国仕様の制御ソフトウェアを読み出す。具体的には、コンピュータシステム2は、予めソフトウェア記憶手段24に記憶された中国仕様の制御ソフトウェアを当該ソフトウェア記憶手段24から読み出す。ステップS32の処理を完了すると、コンピュータシステム2は、処理をステップS33へ進める。
【0082】
ステップS33において、コンピュータシステム2は、上記ステップS24、ステップS27、ステップS30、およびステップS32の何れかの処理で読み出した制御ソフトウェアをメーター装置31に送信して書き込む。ステップS13の処理を完了すると、コンピュータシステム2は、図9のフローチャートの処理を完了する。
【0083】
なお、上記ステップS24、ステップS27、ステップS30、およびステップS32の処理は何れもソフトウェア選択手段23により実行される。また、上記ステップS33の処理はソフトウェア書き込み手段15により実行される。
【0084】
上記の通り、第2の実施形態に係るコンピュータシステム2は、制御ソフトウェアを予め記憶しているため、第1の実施形態に係るコンピュータシステム1に比べ、簡単な処理で素早く電子制御装置100に当該制御ソフトウェアを書き込むことができる。
【0085】
なお、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、コンピュータシステム1と電子制御装置とが有線接続され、有線通信により制御ソフトウェアが電子制御装置に書き込まれる例について説明したが、コンピュータシステム1と電子制御装置とは、従来既知の任意の通信手段により接続されて、当該通信手段を介して制御ソフトウェアの書き込みを行う構成としても構わない。例えば、コンピュータシステム1と電子制御装置とが互いに無線通信接続され、無線通信により制御ソフトウェアが当該電子制御装置に書き込まれる構成としても構わない。
【0086】
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、車載電子制御装置の仕様が各々1つの車載電子部品の型式に対応して変更される例を示したが、車載電子制御装置の仕様が複数の車載電子部品の型式の組み合わせに応じて変更される場合にも適用可能である。
【0087】
具体的には、メーター装置31の仕様を、型式コードMETおよび型式コードAACの組み合わせから決定する場合にも適用可能である。このような場合、例えば、図6の処理において、ステップS3とステップS4との間で型式コードAACの値がCRであるか否かを判定する処理ステップを追加する。当該処理ステップにより型式コードMETの値がJであり、且つ、型式コードAACの値がCRであると判定した場合、コンピュータシステム1は、メーター制御ECU51の仕様を、日本仕様、米国仕様、欧州仕様、および中国仕様の何れとも異なる日本国内寒冷地仕様に決定可能である。
【0088】
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、コンピュータシステム1が車両に搭載される電子制御装置の仕様を決定し、当該仕様に応じた制御ソフトウェアを書き込む例について説明したが、コンピュータシステム1が仕様の決定および制御ソフトウェアを書き込む対象は車両に搭載される電子制御装置に限らない。例えば、コンピュータシステム1は、車両以外の家電製品などに搭載される電子制御装置の仕様を決定し、当該電子制御装置に当該仕様に応じた制御ソフトウェアを書き込みしても構わない。
【0089】
上記実施の形態で説明した構成は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を制限するものではない。本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本願発明のコンピュータシステムは、電子制御装置の仕様を正確に決定可能なコンピュータシステム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1の実施形態に係る、コンピュータシステム1の全体構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態に係る、電子制御装置を搭載する車両の構成の一例を示す図
【図3】第1の実施形態に係る、メーター装置31の仕様および対応型式の一例を示す図
【図4】第1の実施形態に係る、電子制御サスペンション32の仕様および対応型式の一例を示す図
【図5】第1の実施形態に係る、オートエアコン33の仕様および対応型式の一例を示す図
【図6】第1の実施形態に係る、コンピュータシステム1が実行する処理の一例を示したフローチャート
【図7】第1の実施形態に係る、モジュールテーブルの一例を表した図
【図8】第2の実施形態に係る、コンピュータシステム2の全体構成を示すブロック図
【図9】第2の実施形態に係る、コンピュータシステム2が実行する処理の一例を示したフローチャート
【符号の説明】
【0092】
1、2 コンピュータシステム
11 型式取得手段
12 仕様決定手段
13 ソフトウェア生成手段
14 モジュール記憶手段
15 ソフトウェア書き込み手段
23 ソフトウェア選択手段
24 ソフトウェア記憶手段
31 メーター装置
32 電子制御サスペンション
33 オートエアコン
40 車載ネットワーク回線
51 メーター制御ECU
52 運転支援ECU
53 エアコン制御ECU
100 電子制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の電子部品を備える製品に搭載されて当該電子部品を制御する電子制御装置の仕様を、コンピュータ上で自動的に決定するコンピュータシステムであって、
前記製品に備えられる前記電子部品の型式情報を取得する型式取得手段と、
前記型式情報に基づいて前記電子制御装置の仕様を決定する仕様決定手段とを備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記電子制御装置で用いられる制御ソフトウェアを、前記仕様決定手段により決定された前記仕様に応じて生成するソフトウェア生成手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記制御ソフトウェアは、前記仕様各々に共通して定義される標準モジュール、および前記仕様毎の相違に応じて各々個別に定義される差分モジュールにより構成されており、
前記コンピュータシステムは、前記標準モジュール、および前記差分モジュールを記憶するモジュール記憶手段をさらに備え、
前記ソフトウェア生成手段は、前記仕様に応じた前記標準モジュールおよび前記差分モジュールを前記モジュール記憶手段から読み出し、当該標準モジュールおよび差分モジュールに基づいて前記制御ソフトウェアを生成する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
複数の前記仕様に各々対応し、且つ、前記電子制御装置で用いられる複数の制御ソフトウェアを記憶するソフトウェア記憶手段と、
前記複数の制御ソフトウェアから、前記仕様決定手段により決定された前記仕様に対応する制御ソフトウェアを選択する、ソフトウェア選択手段とをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記制御装置と有線接続され、前記ソフトウェア生成手段により生成された制御ソフトウェア、または前記ソフトウェア選択手段により選択された制御ソフトウェアを、有線通信で前記制御装置に書き込む制御ソフトウェア書き込み手段をさらに備えることを特徴とする、請求項2または請求項4の何れか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記制御装置と無線通信接続され、前記ソフトウェア生成手段により生成された制御ソフトウェア、または前記ソフトウェア選択手段により選択された制御ソフトウェアを、無線通信で前記制御装置に書き込む制御ソフトウェア書き込み手段をさらに備えることを特徴とする、請求項2または請求項4の何れか1項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記製品は車両である、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のコンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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