説明

コンピュータプログラム

【課題】 複数の設定項目を個別的にロック可能としつつ、ユーザがロック解除を行う際の操作を簡単にする。
【解決手段】 コンピュータ15がドライバプログラム14を実行することで、処理部31〜34が実現される。設定変更処理部33は、ロック設定データ22cに基づき、設定項目ごとに、値の変更を禁止するか否かを判定する。表示制御部31は、ロック設定データにより値の変更が禁止される設定項目が含まれるタブ画面にのみロック解除ボタンを表示させる。そして、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われる認証に成功した場合には、表示制御部31は、いずれのタブ画面においてもロック解除ボタンを一時的に非表示にし、設定変更処理部33は、ロック設定データ22cを変更せずに、ロック設定データ22cでロックされている設定項目の値の変更を一時的に許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタドライバなどのコンピュータプログラムには、グラフィカルユーザインタフェース(以下、GUIという)を実現し、ユーザによる操作に従って各種設定を行うものがある。そのようなGUIにおいて、管理者のみが設定を変更できるようにするロック設定機能を有するものがある(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の第1の技術では、管理者のみに機能の使用を制限する場合にはロックファイルが作成され、制限が解除されると、ロックファイルが削除される。また、特許文献2に記載の第2の技術では、設定項目ごとに、ロック状態を示すアイコンが表示され、ロック状態の場合には、そのアイコンを操作して、その設定項目のロックを解除することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−216374号公報
【特許文献2】特開2004−192219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の第1の技術では、設定項目ごとにロックを行うことが困難である。
【0006】
一方、上述の第2の技術では、設定項目ごとにロックを行うことができるが、ユーザが複数の設定項目について値を入力した場合、それらの設定項目についてロックを解除するために、それらの設定項目の数と同一の回数だけ、ロック解除の操作を行う必要があり、ユーザの操作が煩雑となる。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、設定項目ごとにロックを行うことができるとともに、ユーザがロック解除を行う際の操作を簡単にすることができるコンピュータプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0009】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、(a)ユーザの操作を検出する操作検出部、(b)値の変更が禁止される設定項目を指定するロック設定データを参照し、操作検出部により検出された所定の操作のあった設定項目の値の変更が禁止されていない場合には、その操作のあった設定項目の値を別の値に変更し、その操作のあった設定項目の値の変更が禁止されている場合には、その操作のあった設定項目の値を別の値に変更しない設定変更処理部、(c)設定項目の入力部をそれぞれ含む複数のタブ画面のうちユーザに選択されたタブ画面を表示装置に表示させ、その複数のタブ画面のうち、ロック設定データにより値の変更が禁止される設定項目が少なくとも1つ含まれるタブ画面にのみ、値の変更の禁止を一時的に解除するロック解除ボタンを表示させる表示制御部、および(d)設定項目の値に基づいて周辺機器を制御する制御部として機能させる。そして、その表示制御部は、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われる認証に成功した場合にはいずれのタブ画面においてもロック解除ボタンを一時的に非表示にし、その設定変更処理部は、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われる認証に成功した場合には、ロック設定データを変更せずに、一時的に、ロック設定データにおいて値の変更が禁止されている設定項目のいずれについても、設定項目の入力部に対する操作により設定項目の値を別の値に変更可能とする。
【0010】
これにより、所定のユーザ権限(例えば管理者)を有さないユーザによる値の変更を禁止するロック設定機能において、設定項目ごとにロックを行うことができるとともに、ユーザがロック解除を行う際の操作を簡単にすることができる。
【0011】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、上記のコンピュータプログラムに加え、次のようにしてもよい。この場合、設定項目の入力部は、操作されるたびに設定項目の値が変更されるアイコン、入力フィールド、並びに、1または複数のラジオボタンのうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、上記のコンピュータプログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、表示制御部は、設定項目の入力部のうち、値の変更が禁止されている設定項目の入力部をグレイアウトさせる。
【0013】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、上記のコンピュータプログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、表示制御部は、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われるユーザ認証によりユーザが特定ユーザであると判定されたときから、当該コンピュータプログラムが終了するまでの期間のみ、いずれのタブ画面においてもロック解除ボタンを非表示にし、設定変更処理部は、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われるユーザ認証によりユーザが特定ユーザであると判定されたときから、当該コンピュータプログラムが終了するまでの期間のみ、ロック設定データにおいて値の変更が禁止されている設定項目のいずれについても、設定項目の入力部に対する操作により設定項目の値を別の値に変更可能とする。
【0014】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、上記のコンピュータプログラムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、設定項目は、印刷機能における設定項目である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、設定項目ごとに個別的にロックを行うことができるとともに、ユーザがロック解除を行う際の操作を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係るドライバプログラムをインストールされた端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るドライバプログラムをインストールされた端末装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】図1の端末装置において表示される複数のアイコンの例を示す図である。
【図4】図3(A)または図3(B)における用紙向き設定のアイコンに使用される複数のアイコン画像およびそれらの表示順序の例を示す図である。
【図5】図3(A)または図3(B)における部単位印刷設定のアイコンに使用される複数のアイコン画像およびそれらの表示順序の例を示す図である。
【図6】図3(A)または図3(B)におけるページ集約設定のアイコンに使用される複数のアイコン画像およびそれらの表示順序の例を示す図である。
【図7】ロック解除前の状態で、図3におけるウィンドウ41に表示される別のタブ画面の一例を示す図である。
【図8】ロック解除後の状態で、図3におけるウィンドウ41に表示される別のタブ画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態2における管理者設定ウィンドウの一例を示す図である。
【図10】図10は、実施の形態2におけるロック設定ウィンドウの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
実施の形態1.
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1に係るドライバプログラムをインストールされた端末装置の構成を示すブロック図である。端末装置1は、例えばパーソナルコンピュータなどであり、端末装置1には、所定の通信路(周辺機器インタフェースケーブル、コンピュータネットワークなど)を介して画像形成装置2が接続されている。画像形成装置2は、印刷機能、画像読取機能およびファクシミリ送受信機能のうちの少なくとも1つを有する装置である。
【0020】
端末装置1は、入力装置11、表示装置12、通信装置13、データ格納装置14およびコンピュータ15を有する。
【0021】
入力装置11は、ユーザ操作を検出し電気信号として出力する装置である。入力装置11としては、キーボード、マウス、タッチパネルなどが使用される。
【0022】
表示装置12は、電気信号を入力されその電気信号に応じた画像を画面に表示する装置である。表示装置12としては、液晶ディスプレイなどが使用される。
【0023】
通信装置13は、所定の通信路を介して画像形成装置2などの周辺機器とデータ通信を行う装置である。通信装置13としては、周辺機器インタフェース、ネットワークインタフェースカードなどが使用される。
【0024】
データ格納装置14は、データおよびプログラムを格納する装置である。この実施の形態1では、データ格納装置14は、ドライバプログラム21、複数の設定項目の値を含む設定情報22およびアイコン画像データ23を格納している。データ格納装置14としては、ハードディスクドライバ、不揮発性メモリなどが使用される。アイコン画像データ23は、複数のアイコン画像の画像データであり、アイコン画像は、テキストおよび/またはイラストを含む画像である。
【0025】
設定情報22は、プロファイルデータ22a、プロファイル対応関係リスト22b、およびロック設定データ22cを含む。
【0026】
プロファイルデータ22aは、1または複数のプロファイルを含む。各プロファイルには、名称が付されており、1または複数の設定項目とそれぞれの設定項目の値が記述されている。
【0027】
プロファイル対応関係リスト22bは、アプリケーションの識別情報(ファイルパス、プログラム名など)と、そのアプリケーションに関連付けられているプロファイルの識別情報(プロファイルの名称など)とを有する。プロファイルは、プロファイルデータ22aに記述されているものである。
【0028】
ロック設定データ22cは、指定されたロック設定の状態を示すデータである。ロック設定は、(a)すべてのユーザが設定項目の値を変更可能である状態、(b)すべてのユーザが設定項目の値を変更不可である状態、(c)所定の一部の特定ユーザのみが設定項目の値を変更可能でありその他のユーザは設定項目の値を変更することができない状態の3つのうちのいずれかに指定されている。なお、プロファイルごとに異なる複数のロック設定データ22cを設けてもよいし、アプリケーションごとに異なる複数のロック設定データ22cを設けてもよい。さらに、ロック設定データは、値の変更が禁止される設定項目について、値の変更を特定ユーザのみに許可するか否かを示す制限解除情報を含む。たとえば、制限解除情報は、管理者のみに値の変更を許可することを示す。あるいは、制限解除情報は、特定のユーザグループに属するユーザのみに値の変更を許可することを示す。
【0029】
コンピュータ15は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備え、プログラムをRAMにロードし、CPUで実行することにより、各種処理部を実現する装置である。ドライバプログラム21がコンピュータ15で実行されることにより、表示処理部31、クリック検出部32、設定変更処理部33および制御部34が実現される。ドライバプログラム21は、コンピュータプログラムの一例である。
【0030】
表示処理部31は、設定項目の入力部をそれぞれ含む複数のタブ画面のうちユーザに選択されたタブ画面を表示装置12に表示させ、その複数のタブ画面のうち、ロック設定データにより値の変更が禁止される設定項目が少なくとも1つ含まれるタブ画面にのみ、値の変更の禁止を一時的に解除するロック解除ボタンを表示させる処理部である。表示制御部31は、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われるユーザ認証によりユーザが特定ユーザであると判定された場合にはいずれのタブ画面においてもロック解除ボタンを一時的に非表示にする。例えば、設定項目の入力部は、操作されるたびに設定項目の値が変更されるアイコン、値の入力フィールド、並びに、1または複数のラジオボタンのうちの少なくとも1つを含む。表示処理部31は、値の変更が禁止されている設定項目の入力部をグレイアウトさせる。また、表示処理部31は、アイコンを表示装置12に表示させるとともに、設定変更処理部33による設定項目の値の変更に応じて、表示装置12に表示されているアイコンのアイコン画像を、変更前の設定項目の値に対応するアイコン画像から変更後の設定項目の値に対応するアイコン画像へ切り替える。
【0031】
クリック検出部32は、表示装置12に表示されているアイコンへのクリック操作を検出する処理部である。
【0032】
設定変更処理部33は、クリック検出部32により1回のクリック操作が検出されると、その操作のあったアイコンに関連付けられている設定項目の値を別の値に変更する処理部である。設定変更処理部33は、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われる認証に成功した場合には、ロック設定データ22cを変更せずに、一時的に、ロック設定データにおいて値の変更が禁止されている設定項目のいずれについても、設定項目の入力部に対する操作により設定項目の値を別の値に変更可能とする。
【0033】
制御部34は、設定項目の値に基づいて画像形成装置2を制御する処理部である。
【0034】
次に、上記装置の動作について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るドライバプログラムをインストールされた端末装置1の動作を説明するフローチャートである。
【0035】
まず、アイコンメニューの初期画面を表示するときに、表示処理部31は、このドライバプログラムを起動させたアプリケーションを特定し(ステップS1)、プロファイル対応関係リスト22bを参照してそのアプリケーションに関連付けられているプロファイルを特定し、そのプロファイルのプロファイルデータ22aをデータ格納装置14から読み出し、そのプロファイルにおける所定の複数の設定項目に設定されている現在の値を特定する(ステップS2)。
【0036】
また、表示処理部31は、ロック設定データ22cを読み出し、そのプロファイルに含まれる設定項目の値の変更が禁止されているか否かを判定する(ステップS3)。さらに、表示処理部31は、アプリケーションを実行させているユーザを特定するとともに、制限解除情報を参照し、アプリケーションを実行させているユーザが、制限解除情報に登録されている特定ユーザに該当するか否かを判定する。例えば、設定変更処理部33は、オペレーティングシステムに、そのアプリケーションを実行させているユーザを問い合わせて、その応答からそのユーザを特定する。
【0037】
そして、表示処理部31は、上述の複数の設定項目のそれぞれについての現在の値に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23をデータ格納装置14から読み出し(ステップS4)、複数の設定項目のそれぞれについての現在の値に対応するアイコン画像をそれぞれ有する複数のアイコンを表示装置12に表示させる(ステップS5)。これにより、タブ画面においてアイコンメニューが表示される。このように、設定項目に設定されている現在の値に対応したアイコン画像のアイコンが表示されるため、ユーザは、設定項目について現在設定されている値をただちに視認することができる。なお、表示されるアイコン画像は、プロファイルに含まれている設定項目に対応するものに限定されず、予め設定されている複数の設定項目に対応するものが表示される。このとき、プロファイルに含まれていない設定項目の値は所定のデフォルト値とみなされて、その値に対応するアイコン画像が選択される。
【0038】
ステップS4において、値の変更が禁止されている設定項目については、その設定項目の現在の値に対応するグレイアウトしたアイコン画像のアイコン画像データ23が読み出される。一方、その設定項目の値の変更が禁止されていない場合には、ステップS4において、例えば、カラーのアイコン画像のアイコン画像データ23が読み出される。つまり、値の変更が禁止されている場合とされていない場合とで、異なるアイコン画像のアイコン画像データ23が読み出される。ただし、アプリケーションを実行させているユーザが、制限解除情報に登録されている特定ユーザに該当する場合には、値の変更が禁止されている設定項目についても、その設定項目の値の変更が禁止されていない場合のアイコン画像のアイコン画像データ23が読み出される。
【0039】
さらに、表示処理部31は、そのタブ画面において表示されているアイコンのうち、値の変更が禁止されている設定項目のアイコン(つまり、グレイアウトされているアイコン)が存在するか否かを判定し(ステップS6)、値の変更が禁止されている設定項目のアイコンが表示されている場合には、そのタブ画面にロック解除ボタンを表示させる(ステップS7)。ロック解除ボタンは、値の変更が禁止されているすべての設定項目について、値の変更禁止(つまり、ロック)を一時的に解除するために操作されるボタンである。
【0040】
図3は、図1の端末装置1において表示される複数のアイコンの例を示す図である。図3(A)に示すアイコンメニューは、あるウィンドウ41内で1つのタブ画面51で表示されている。このアイコンメニューには、4つのアイコン52〜55が含まれている。アイコン52は、用紙向き設定のアイコンであり、アイコン53は、部単位印刷設定のアイコンであり、アイコン54は、ページ集約設定のアイコンであり、アイコン55は、カラーモード設定のアイコンである。アイコン52〜55に対応する設定項目の値の変更が禁止されていない場合、図3(A)に示すように、アイコン52〜55は、すべてグレイアウトされていない。一方、アイコン52〜54に対応する設定項目の値の変更が禁止されておらず、アイコン55に対応する設定項目の値の変更が禁止されている場合には、図3(B)に示すように、アイコン52〜54は、グレイアウトされず、アイコン55は、グレイアウトされる。さらに、タブ画面51に表示されるアイコン52〜55の少なくとも1つに対応する設定項目の値の変更が禁止されている場合には、図3(B)に示すように、ロック解除ボタン56がそのタブ画面51に表示される。
【0041】
用紙向き設定の値としては、「ポートレート」および「ランドスケープ」があり、「ポートレート」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23および「ランドスケープ」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23がデータ格納装置14に格納されている。それらのアイコン画像のうちの1つが用紙向き設定の現在の値に応じて選択されアイコン52に使用される。図3(A)および図3(B)に示すアイコンメニューでは、アイコン52に、「ポートレート」に対応するアイコン画像が使用されている。
【0042】
部単位印刷設定の値としては、「ソート」および「コレート」があり、「ソート」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23および「コレート」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23がデータ格納装置14に格納されている。それらのアイコン画像のうちの1つが部単位印刷設定の現在の値に応じて選択されアイコン53に使用される。図3(A)および図3(B)に示すアイコンメニューでは、アイコン53に、「ソート」に対応するアイコン画像が使用されている。
【0043】
ページ集約設定の値としては、「集約なし」、「2UP」および「4UP」があり、「集約なし」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23、「2UP」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23、および「4UP」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23がデータ格納装置14に格納されている。それらのアイコン画像のうちの1つがページ集約設定の現在の値に応じて選択されアイコン54に使用される。図3(A)および図3(B)に示すアイコンメニューでは、アイコン54には、「集約なし」に対応するアイコン画像が使用されている。
【0044】
カラーモード設定の値としては、「カラー」および「モノクロ」があり、「カラー」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23、および「モノクロ」に対応するアイコン画像のアイコン画像データ23がデータ格納装置14に格納されている。それらのアイコン画像のうちの1つがカラーモード設定の現在の値に応じて選択されアイコン55に使用される。図3(A)および図3(B)に示すアイコンメニューでは、アイコン55には、「カラー」に対応するアイコン画像が使用されている。なお、図3(A)に示すアイコンメニューにおけるアイコン55は、白黒で描かれているが、実際には複数の色を使用したアイコン画像とされる。このため、ユーザは、カラーモード設定の値として「カラー」が設定されていることをただちに視認することができる。
【0045】
このように、アイコンメニューを含むタブ画面が表示された後、ユーザによる所定の操作が行われたか否かが監視される(ステップS8〜S11)。表示されているタブ画面を別のタブ画面へ切り換える場合には、別のタブがクリックされる。ロックを解除する場合には、ロック解除ボタン56がクリックされる。アイコンメニューにより設定項目の値を変更する場合には、アイコン52〜55がクリックされる。このプログラムを終了させる場合には(つまり、ウィンドウ41を閉じる場合には)、ウィンドウ41内のOKボタンがクリックされる。
【0046】
その後、ユーザが入力装置11を操作して、アイコン52〜55のいずれかに対してクリック操作を行うと、クリック検出部32は、入力装置11からの信号に基づいて、その操作を検出する(ステップS10)。
【0047】
クリック検出部32によりクリック操作が検出されると、設定変更処理部33は、クリックされたアイコンに関連付けられている設定項目の値の変更が禁止されているか否かを判定する(ステップS12)。さらに、設定変更処理部33は、アプリケーションを実行させているユーザを特定するとともに、制限解除情報を参照し、アプリケーションを実行させているユーザが、制限解除情報に登録されている特定ユーザに該当するか否かを判定する。例えば、設定変更処理部33は、オペレーティングシステムに、そのアプリケーションを実行させているユーザを問い合わせて、その応答からそのユーザを特定する。
【0048】
設定変更処理部33は、クリックされたアイコンに関連付けられている設定項目の値の変更が禁止されており、かつアプリケーションを実行させているユーザが、制限解除情報に登録されている特定ユーザに該当しないと判定した場合には、その設定項目の値を変更せずに、そのクリック操作に対する処理を終了させる。例えば、特定ユーザ以外のユーザがアプリケーションを実行させており、図3(B)に示すアイコンメニューで、グレイアウトされているアイコン55をクリックした場合には、アイコン55の設定項目の値は変更されない。
【0049】
一方、設定変更処理部33は、クリックされたアイコンに関連付けられている設定項目の値の変更が禁止されていないと判定した場合、およびクリックされたアイコンに関連付けられている設定項目の値の変更が禁止されているが、アプリケーションを実行させているユーザが、制限解除情報に登録されている特定ユーザに該当すると判定した場合には、クリックされたアイコンに関連付けられている設定項目の値を別の値に変更する(ステップS13)。例えば、図3(A)または図3(B)に示すアイコン52がクリックされた場合、アイコン52に関連付けられている用紙向き設定の値が、「ポートレート」から「ランドスケープ」に変更される。したがって、ユーザは、設定項目の複数の値のリストから所望の値を選択する操作をしなくても、クリック操作だけで別の値を選択することができる。
【0050】
また、クリック検出部32によりクリック操作が検出されると、表示処理部31は、設定変更処理部33による設定項目の値の変更に応じて、その操作があったアイコンのアイコン画像を、変更前の設定項目の値に対応するアイコン画像から変更後の設定項目の値に対応するアイコン画像へ切り替える(ステップS14)。例えば、図3(A)または図3(B)に示すアイコン52がクリックされた場合、アイコン52に関連付けられている用紙向き設定の値が「ポートレート」から「ランドスケープ」に変更されるため、アイコン52のアイコン画像が、「ポートレート」のアイコン画像から、「ランドスケープ」のアイコン画像へ変更される。
【0051】
このようにして、あるアイコンに対するクリック操作が検出されると、ロック設定データ22cにより値の変更が禁止されていない場合には、そのアイコンに対応する設定項目の値が変更され、それに伴ってアイコン画像も変更される。
【0052】
この実施の形態1では、クリック操作の検出で変更されていく設定項目の値の順序が予め設定されている。また、この実施の形態1では、あるアイコンへの所定の操作が検出される度に、設定項目の値が、所定の順序に従って変更されていき、その所定の順序の最後の値の次に、所定の順序の最初の値に戻される。
【0053】
図4は、図3(A)または図3(B)における用紙向き設定のアイコン52に使用される複数のアイコン画像およびそれらの表示順序の例を示す図である。用紙向き設定の値について「ポートレート」、「ランドスケープ」という順序が設定されている場合、用紙向き設定の値が、「ポートレート」、「ランドスケープ」、「ポートレート」、「ランドスケープ」、・・・という順番で変更される。このため、図4に示すように、アイコン52のアイコン画像は、「ポートレート」のアイコン画像52a、「ランドスケープ」のアイコン画像52b、「ポートレート」のアイコン画像52a、「ランドスケープ」のアイコン画像52b、・・・という順番で切り替えられる。
【0054】
図5は、図3(A)または図3(B)における部単位印刷設定のアイコン53に使用される複数のアイコン画像およびそれらの表示順序の例を示す図である。部単位設定の値について「ソート」、「コレート」という順序が設定されている場合、部単位設定の値が、「ソート」、「コレート」、「ソート」、「コレート」、・・・という順番で変更される。このため、図5に示すように、アイコン53のアイコン画像は、「ソート」のアイコン画像53a、「コレート」のアイコン画像53b、「ソート」のアイコン画像53a、「コレート」のアイコン画像53b、・・・という順番で切り替えられる。
【0055】
図6は、図3(A)または図3(B)におけるページ集約設定のアイコン54に使用される複数のアイコン画像およびそれらの表示順序の例を示す図である。ページ集約設定の値について「集約なし」、「2UP」、「4UP」という順序が設定されている場合、ページ集約設定の値が、「集約なし」、「2UP」、「4UP」、「集約なし」、「2UP」、「4UP」、・・・という順番で変更される。このため、図6に示すように、アイコン54のアイコン画像は、「集約なし」のアイコン画像54a、「2UP」のアイコン画像54b、「4UP」のアイコン画像54c、「集約なし」のアイコン画像54a、「2UP」のアイコン画像54b、「4UP」のアイコン画像54c、・・・という順番で切り替えられる。
【0056】
なお、カラー設定のアイコン55についても同様に、「カラー」、「白黒」という値の順序が設定されている。
【0057】
図2に戻り、アイコンメニューを含むタブ画面が表示された後、ユーザが入力装置11を操作して、ロック解除ボタン56に対してクリック操作を行うと、クリック検出部32は、入力装置11からの信号に基づいて、その操作を検出する(ステップS9)。
【0058】
クリック検出部32によりロック解除ボタン56へのクリックが検出されると、表示制御部31は、ロック解除パスワードを入力するための入力フィールドを有するウィンドウやダイアログを表示装置12に表示させ、その入力フィールドに対してパスワードが入力されると、図示せぬ認証処理部は、その入力されたパスワードが、所定のロック解除パスワードに一致するか否かを判定する(ステップS15)。そして、設定変更処理部33は、図示せぬ認証処理部による上述の認証に成功した場合には(ステップS16)、ロック設定データ22cを変更せずに、一時的に、値の変更が禁止されているすべての設定項目について、ロックを解除する(ステップS17)。これにより、値の変更が許可されるとともに、表示制御部31は、グレイアウトされていたアイコンのアイコン画像を、値の変更が許可されているときのアイコン画像に切り換え(ステップS18)、さらに、すべてのタブ画面におけるロック解除ボタンを消去する(ステップS19)。つまり、この1回のロック解除手続により、すべてのタブ画面においてロック解除ボタンは非表示とされる。一方、図示せぬ認証処理部による認証に成功しなかった場合には(ステップS16)、そのまま、ロック設定データ22cに従ったロック状態が継続する。
【0059】
また、アイコンメニューを含むタブ画面が表示された後、ユーザが入力装置11を操作して、別のタブに対してクリック操作を行うと、クリック検出部32は、入力装置11からの信号に基づいて、その操作を検出する(ステップS8)。
【0060】
クリック検出部32により別のタブへのクリックが検出されると、表示制御部31は、そのタブのタブ画面をウィンドウ41において表示させる(ステップS20)。このとき、表示制御部31は、そのタブ画面において表示される設定項目の入力部(上述のアイコン52〜55と同様のもの、ラジオボタン、数値の入力フィールドなど)のうち、値の変更が禁止されているもの(つまり、ロックされているもの)が少なくとも1つ存在するか否かを判定し、そのタブ画面において、値の変更が禁止されている設定項目の入力部が存在する場合のみ、そのタブ画面において、ロック解除ボタン56と同様のロック解除ボタンを表示させる。また、表示制御部31は、値の変更が禁止されている入力部をグレイアウトして表示させ、グレイアウトされている入力部に対して操作が行われても、設定変更処理部33は、その入力部に対応する設定項目の値を変更しない。
【0061】
図7は、ロック解除前の状態で、図3におけるウィンドウ41に表示される別のタブ画面の一例を示す図である。図7に示すように、設定項目「印刷の向き」がロックされていない場合には、別のタブ画面111において、グレイアウトされていない入力部121が表示される。入力部121は、ラジオボタンとチェックボックスを含む。また、設定項目「両面印刷」がロックされている場合には、別のタブ画面111において、グレイアウトされている入力部122が表示される。入力部122は、ラジオボタンとチェックボックスを含む。また、設定項目「部数」がロックされていない場合には、別のタブ画面111において、グレイアウトされていない入力部123が表示される。入力部123は、数値を入力するための入力フィールドを含む。また、設定項目「カラーモード」がロックされている場合には、別のタブ画面111において、グレイアウトされている入力部124が表示される。入力部124は、ラジオボタンとチェックボックスを含む。さらに、ロックされている設定項目があるため、ロック解除ボタン125が表示される。
【0062】
一方、このタブ画面または他のタブ画面において、ロック解除ボタンが操作されて、ユーザ認証が既に成功している場合には、表示制御部31は、このタブ画面にロック解除ボタンを表示させない。また、ユーザ認証が既に成功している場合には、表示制御部31は、ロック設定データ22cにおいて値の変更が禁止されている入力部についても、グレイアウトせずに表示させる。そして、その入力部に対して操作が行われた場合には、設定変更処理部33は、その操作に従って、その入力部に対応する設定項目の値を変更する。図8は、ロック解除後の状態で、図3におけるウィンドウ41に表示される別のタブ画面の一例を示す図である。この場合、図8に示すように、別のタブ画面111において、グレイアウトされていない入力部121〜124が表示され、ロック解除ボタン125は表示されない。
【0063】
図7および図8におけるグレイアウトされていない入力部は操作可能であり、その入力部に対する操作が検出されると、設定変更処理部33は、その操作に従って設定項目の値を変更する。
【0064】
そして、図2に戻り、終了操作が行われた後(ステップS11)、上述のようにして設定項目の値が設定されている状態で、印刷要求が発生すると、制御部34は、そのときの設定項目の値を応じた印刷データを生成し、通信装置13を介して、画像形成装置2へ送信する。したがって、画像形成装置2では、印刷機能についての複数の設定項目について、上述のようにして設定された値を反映した印刷処理が実行される。
【0065】
なお、上述のロック解除ボタンが操作され認証に成功した場合でも、ロック設定データ22cは変更されないため、ロック解除は、このプログラム21が終了するまでは有効であるが、次回、このプログラム21が起動されるときには、ロック設定データ22cにおいて値の変更が禁止されている設定項目は、ロック設定データ22cに従って、ロック状態とされる。もちろん、その後、ロック解除ボタンが操作されユーザ認証に成功すれば、上述の場合と同様に、ロックが解除される。
【0066】
以上のように、上記実施の形態1によれば、端末装置1において、コンピュータ15がドライバプログラム14を実行することで、表示処理部31、クリック検出部32、設定変更処理部33および制御部34が実現される。設定変更処理部33は、値の変更が禁止される設定項目を指定するロック設定データ22cを参照し、クリック検出部32により検出された所定の操作のあった設定項目の値の変更が禁止されていない場合には、その操作のあった設定項目の値を別の値に変更し、その操作のあった設定項目の値の変更が禁止されている場合には、その操作のあった設定項目の値を別の値に変更しない。また、表示制御部31は、設定項目の入力部をそれぞれ含む複数のタブ画面のうちユーザに選択されたタブ画面を表示装置12に表示させ、その複数のタブ画面のうち、ロック設定データ22cにより値の変更が禁止される設定項目が少なくとも1つ含まれるタブ画面にのみ、値の変更の禁止を一時的に解除するロック解除ボタンを表示させる。そして、ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われる認証に成功した場合のみ、表示制御部31は、いずれのタブ画面においてもロック解除ボタンを一時的に非表示にし、設定変更処理部33は、ロック設定データ22cを変更せずに、一時的に、ロック設定データ22cにおいて値の変更が禁止されている設定項目のいずれについても、設定項目の入力部に対する操作により設定項目の値を別の値に変更可能とする。
【0067】
これにより、ロックされている設定項目が存在するタブ画面にのみロック解除ボタンが表示され、ロック解除ボタンを操作し認証を1度行うだけですべての設定項目について一括してロックを解除することができる。したがって、所定のユーザ権限(例えば管理者)を有さないユーザによる値の変更を禁止するロック設定機能において、設定項目ごとにロックを行うことができるとともに、ユーザがロック解除を行う際の操作を簡単にすることができる。また、ロック解除する必要がない場合には、タブ画面にロック解除ボタンが表示されないため、ユーザは、ロック解除の操作を行えるか否かをただちに認識することができる。また、ロック解除の操作を行ってもロック設定データ22cが変更されずに一時的にロックが解除されるのみであり、プログラム21の次回起動時にはロック設定データ22cが反映されるため、ロック解除後にロックの再設定を行う必要がない。
【0068】
また、上記実施の形態1によれば、制御部34は、設定項目の値に基づいて画像形成装置2を制御する。そして、表示処理部31は、画像形成装置2のある機能における複数の設定項目にそれぞれ関連付けられている複数のアイコン52〜55を表示させる。
【0069】
これにより、画像形成装置2のドライバにおいて設定可能な複数の設定項目の値を、簡単な操作でまとめて設定することができる。
【0070】
実施の形態2.
【0071】
本発明の実施の形態2では、ドライバプログラム21を起動させたユーザが特定ユーザ(管理者ユーザ、所定のユーザグループのユーザなど)である場合のみ、そのユーザによる所定の操作が入力装置11で検出されると、表示制御部31は、管理者設定ウィンドウを表示装置12に表示させる。管理者設定ウィンドウでは、特定ユーザのみが各種設定を行うことができる。なお、実施の形態2におけるドライバプログラム21を含む端末装置1の構成は、実施の形態1と同様であるが、実施の形態2では、ドライバプログラム21を実行することにより、以下の機能が追加される。
【0072】
図9は、実施の形態2における管理者設定ウィンドウの一例を示す図である。図9に示す管理者設定ウィンドウでは、クイック設定タブ(つまり、タブ画面51)を表示するか否かを設定するチェックボックス、クイック設定タブが表示される場合において、他のタブの表示を許可するか否かを設定するためのチェックボックス、およびクイック設定タブが表示される場合において、クイック設定タブをデフォルトで表示されるタブとするか否かを設定するためのチェックボックスが表示される。さらに、管理者設定ウィンドウには、各設定項目についてのロックの設定および解除を行うためのロック設定ウィンドウを表示させるためのロック設定ボタン141が表示される。
【0073】
ロック設定ボタン141に対するクリック操作が入力装置11で検出されると、表示制御部31は、ロック設定ウィンドウを表示装置12に表示させる。ロック設定ウィンドウでは、各設定項目についてのロックの設定および解除を行うことができる。
【0074】
図10は、実施の形態2におけるロック設定ウィンドウの一例を示す図である。図10に示すロック設定ウィンドウでは、各設定項目についてのロックの設定および解除を設定するためのチェックボックスが表示される。図10では、設定項目「カラーモード」、設定項目「エコプリント」、設定項目「両面印刷」、設定項目「ページ集約」、設定項目「アプリケーションプロファイル」、設定項目「ジョブ保存タブ」、設定項目「セキュリティウォーターマーク」および設定項目「パスワード設定」についてのチェックボックスが表示される。
【0075】
設定項目「カラーモード」のチェックボックスがチェックされると、設定項目「カラーモード」の値が「白黒」とされた状態でこの設定項目がロックされる。設定項目「エコプリント」のチェックボックスがチェックされると、設定項目「エコプリント」の値が「オン」とされた状態でこの設定項目がロックされる。設定項目「エコプリント」の値が「オン」であると、消費トナー量を減少させて印刷が行われる。設定項目「両面印刷」のチェックボックスがチェックされると、設定項目「両面印刷」の値が「オン」とされた状態でこの設定項目がロックされる。設定項目「両面印刷」の値が「オン」であると、両面印刷で印刷が行われる。設定項目「ページ集約」のチェックボックスがチェックされると、設定項目「ページ集約」が「オン」とされた状態でこの設定項目がロックされる。設定項目「ページ集約」の値が「オン」であると、ページ集約で印刷が行われる。
【0076】
設定項目「アプリケーションプロファイル」のチェックボックスがチェックされると、設定項目「アプリケーションプロファイル」が「オン」とされた状態でこの設定項目がロックされる。設定項目「アプリケーションプロファイル」の値が「オン」であると、アプリケーションごとにプロファイルを設定することが可能となる。設定項目「ジョブ保存タブ」のチェックボックスがチェックされると、設定項目「ジョブ保存タブ」が「固定」とされた状態でこの設定項目がロックされる。設定項目「ジョブ保存タブ」の値が「固定」であると、ジョブ保存タブにおける設定値が固定されたままロックされる。設定項目「セキュリティウォーターマーク」のチェックボックスがチェックされると、設定項目「セキュリティウォーターマーク」が「固定」とされた状態でこの設定項目がロックされる。設定項目「セキュリティウォーターマーク」の値が「固定」であると、設定項目「セキュリティウォーターマーク」の現時点の設定値が固定されたままロックされる。設定項目「パスワード設定」のチェックボックスがチェックされると、ロック解除のための認証処理が上述のロック解除と同様にして行われ、認証に成功すると、ロック解除のためのパスワードを設定または変更可能となる。
【0077】
ロック設定ウィンドウにおいてロック設定が変更されると、その変更に応じて、ロック設定データ22cが変更される。
【0078】
以上のように、上記実施の形態2によれば、特定のユーザのみが、ロック設定を変更することができる。
【0079】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0080】
例えば、上記各実施の形態において、ロックされていないアイコン52〜55が操作され、設定項目の値の順序の最後になった後、その順序の最後から最初へ向かって値を変更させていくようにしてもよい。
【0081】
また、上記各実施の形態において、図3に示すアイコンメニューにおけるアイコンの数は4つであるが、4つに限定されるものではなく、1〜3個、5個以上のいずれかでもよい。また、設定項目の種類も、図3に示す場合のものに限定されるものではない。また、アイコンメニューに表示されるアイコンのうち、操作される頻度が低いものを、他の設定項目のアイコンに自動的に変更するようにしてもよい。
【0082】
また、上記各実施の形態においては1つの設定項目について2または3個の許容値があるが、1つの設定項目について4つ以上の許容値(つまり4種類以上のアイコン画像)があってもよい。
【0083】
また、上記各実施の形態において、アイコンへのクリックによりそのアイコンに関連付けられている設定項目の値が変更されたことに起因して、他のアイコンに関連付けられている設定項目の許容値のいずれかが選択できなくなった場合には、その許容値が、上述の設定項目の値の順序から除かれるようにしてもよい。
【0084】
また、上記各実施の形態において、設定項目の値を変更させる操作としてクリック操作が使用されているが、クリック操作はシングルクリックとしても、ダブルクリックとしてもよい。また、その操作として、各種マウスジェスチャー、各種フィンガージェスチャーなどを使用してもよい。
【0085】
なお、上記各実施の形態では、ある設定項目についての複数の許容値に対応して複数のアイコン画像が用意されている。そして、その複数のアイコン画像は、互いに異なる画像とされている。これにより、ユーザは、現在設定されている設定項目の値を、アイコン画像によりただちに視認することができる。
【0086】
また、上記各実施の形態において、ロック解除のための認証としてパスワード認証を行っているが、その代わりに、ICカードなどの特定機器を使用した機器認証(つまり、正規の機器が提示されたか否かに基づき行う認証)、ユーザの生体情報を利用した認証などを行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば、周辺機器のドライバにおける設定項目の値の変更禁止に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
2 画像形成装置(周辺機器の一例)
12 表示装置
14 データ格納装置
15 コンピュータ
21 ドライバプログラム(コンピュータプログラムの一例)
22a プロファイルデータ
22c ロック設定データ
31 表示処理部
32 クリック検出部(操作検出部の一例)
33 設定変更処理部(設定変更処理部の一例)
34 制御部
51,111 タブ画面
52〜55 アイコン(設定項目の入力部の一例)
56,125 ロック解除ボタン
121〜124 設定項目の入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作を検出する操作検出部、
値の変更が禁止される設定項目を指定するロック設定データを参照し、前記操作検出部により検出された所定の操作のあった設定項目の値の変更が禁止されていない場合には、その操作のあった設定項目の値を別の値に変更し、その操作のあった設定項目の値の変更が禁止されている場合には、前記操作のあった設定項目の値を別の値に変更しない設定変更処理部、および
前記設定項目の入力部をそれぞれ含む複数のタブ画面のうちユーザに選択されたタブ画面を表示装置に表示させ、前記複数のタブ画面のうち、前記ロック設定データにより値の変更が禁止される設定項目が少なくとも1つ含まれるタブ画面にのみ、値の変更の禁止を一時的に解除するロック解除ボタンを表示させる表示制御部、および
前記設定項目の値に基づいて周辺機器を制御する制御部
として機能させ、
前記表示制御部は、前記ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われる認証に成功した場合にはいずれのタブ画面においても前記ロック解除ボタンを一時的に非表示にし、
前記設定変更処理部は、前記ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われる認証に成功した場合には、前記ロック設定データを変更せずに、一時的に、前記ロック設定データにおいて値の変更が禁止されている設定項目のいずれについても、前記設定項目の入力部に対する操作により設定項目の値を別の値に変更可能とすること、
を特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記設定項目の入力部は、操作されるたびに前記設定項目の値が変更されるアイコン、入力フィールド、並びに、1または複数のラジオボタンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記設定項目の入力部のうち、値の変更が禁止されている設定項目の入力部をグレイアウトさせることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われるユーザ認証により前記ユーザが特定ユーザであると判定されたときから、当該コンピュータプログラムが終了するまでの期間のみ、いずれのタブ画面においても前記ロック解除ボタンを非表示にし、
前記設定変更処理部は、前記ロック解除ボタンに対するユーザの操作に伴い行われるユーザ認証により前記ユーザが特定ユーザであると判定されたときから、当該コンピュータプログラムが終了するまでの期間のみ、前記ロック設定データにおいて値の変更が禁止されている設定項目のいずれについても、前記設定項目の入力部に対する操作により設定項目の値を別の値に変更可能とすること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記設定項目は、印刷機能における設定項目であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−28403(P2011−28403A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171629(P2009−171629)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】