説明

コンベア設備

【課題】被搬送物の傾斜搬送を衝撃を少なくして行え、被搬送物の傾斜搬送から水平状搬送への乗り移りも衝撃や騒音を少なくして円滑に行えるコンベア設備を提供する。
【解決手段】傾斜コンベア21と、傾斜コンベアの下端に連続した水平状コンベア31を有し、傾斜コンベアは被搬送物Aを間欠搬送可能な駆動式からなり、水平状コンベアは駆動式のベルトコンベア形式からなる。傾斜コンベアにおいて被搬送物群の傾斜搬送は、間欠搬送によって互いに衝突などすることなく、衝撃を少なくして行える。傾斜コンベアから水平状コンベアに供給される被搬送物は、傾斜コンベアの下端部分から間欠搬送により1個ずつ切り出すことができるとともに、角部を水平状コンベアのベルトにより受け止めることができ、傾斜搬送から水平状搬送への乗り移りは衝撃や騒音を少なくして円滑に行える。ベルトにより受け止めることで、たとえばローラ間に入り込むようなこともなく、水平状コンベアへの乗り移り(移載)は常に確実に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば主搬送経路上で搬送されている被搬送物を、この主搬送経路の側部外方に設けた分岐搬送経路に移す転換設備の前記分岐搬送経路などに採用し得るコンベア設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の設備、装置としては、次のような構成が提供されている。すなわち、荷物搭載用のパンを側方に傾斜させて、荷物を傾斜しているバッファーコンベア部の上部に落下させる。そしてバッファーコンベア部を、荷物が下流のフリーローラコンベア部に移載されるまでの一定時間だけ運転して、荷物を水平状のフリーローラコンベア部に移載するように構成されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第2521969号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】特開平5−719号公報
【特許文献3】実願昭54−83504号(実開昭56−3112号)のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来構成によると、バッファーコンベア部は、一定時間だけ運転させるものであるが、その一定時間は、パンから受け取った荷物をフリーローラコンベア部に移載させるまでの間であり、バッファーコンベア部では荷物が連続搬送されることになる。したがってバッファーコンベア部での連続搬送時に、荷物には衝撃が付与されることになり、以て衝撃を非常に嫌う荷物、たとえば食品などの荷物の搬送用には採用し難いものになる。
【0004】
また荷物は、バッファーコンベア部の傾斜終端部からフリーローラコンベア部の水平始端部へ、バッファーコンベア部の搬送速度で乗り移ることになり、その際に、荷物における前端下位の角部が水平始端部へ突っ込み状となって、搬送時以上の大きな衝撃や騒音が生じることになる。さらに、バッファーコンベア部の傾斜終端部に達した荷物の角部が、フリーローラコンベア部の水平始端部を形成するローラ間に入り込むときもあり、この場合には荷物のフリーローラコンベア部への移載が行えなくなる。
【0005】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、被搬送物の傾斜搬送を衝撃を少なくして行えるとともに、被搬送物の傾斜搬送から水平状搬送への乗り移りも衝撃や騒音を少なくして円滑に行えるコンベア設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載のコンベア設備は、傾斜コンベアと、この傾斜コンベアの下端に連続した水平状コンベアとを有し、傾斜コンベアは被搬送物を間欠搬送可能な駆動式からなり、水平状コンベアは駆動式のベルトコンベア形式からなることを特徴としたものである。
【0007】
したがって請求項1の発明によると、傾斜コンベアにおいて被搬送物群の搬送は、間欠搬送によって互いに衝突などすることなく行える。そして傾斜コンベアから水平状コンベアに供給される被搬送物は、傾斜コンベアの下端部分から間欠搬送により1個ずつ切り出されて、その角部が水平状コンベアのベルトにより受け止められることになる。さらにベルトにより受け止めることで、たとえばローラ間に入り込むようなこともない。
【0008】
また本発明の請求項2記載のコンベア設備は、上記した請求項1記載の構成において、傾斜コンベアは、被搬送物を間欠搬送可能な駆動式のベルトコンベア形式からなることを特徴としたものである。
【0009】
したがって請求項2の発明によると、傾斜コンベアにおける間欠搬送は、被搬送物を駆動式のベルトにより支持することによって、スリップやスリップ衝突などが生じない状態で行えることになる。
【0010】
そして本発明の請求項3記載のコンベア設備は、上記した請求項1または2記載の構成において、傾斜コンベアの上手には搬入手段が配設されるとともに、水平状コンベアの下手には搬出手段が配設され、前記搬入手段の終端部分に通過検出手段が、傾斜コンベアの下端部分に第1満了検出手段が、搬出手段の始端部分に第2満了検出手段が、それぞれ設けられ、第1満了検出手段が非検出で通過検出手段が検出のとき傾斜コンベアを駆動して搬入手段からの被搬送物を搬送するとともに、通過検出手段が非検出となることで傾斜コンベアを駆動停止するように構成し、第2満了検出手段が非検出のとき水平状コンベアを駆動するとともに、第2満了検出手段が非検出でかつ第1満了検出手段が検出のとき傾斜コンベアを駆動するように構成したことを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項3の発明によると、たとえば作業開始時などで、コンベア設備上に被搬送物が存在していない状態において、搬入手段の被搬送物を搬送して、傾斜コンベアの傾斜上端に移し得る。その際に、搬入手段を通過する被搬送物を通過検出手段により検出し、このとき、第1満了検出手段が非検出であることから傾斜コンベアを駆動し、以て搬入手段からの被搬送物を傾斜コンベアにより受け入れて搬送し得る。そして、被搬送物が傾斜コンベアの傾斜上端に移ることで、通過検出手段は非検出となり、以て傾斜コンベアを駆動停止して、傾斜コンベアによる被搬送物の搬送を停止させる。
【0012】
次の被搬送物を、搬入手段を通過する際に通過検出手段により検出することで、上述と同様にして傾斜コンベアの駆動、駆動停止を制御し得、以て受け入れた被搬送物を、傾斜コンベアにより搬送し始めの位置である傾斜上端の位置として、傾斜コンベアによる搬送を停止させる。このような搬送の繰り返しにより、傾斜コンベア上に複数の被搬送物をストレージした状態にし得る。
【0013】
傾斜コンベアの傾斜下端に達した被搬送物を第1満了検出手段により検出しており、このとき第2満了検出手段が非検出であることから、水平状コンベアを駆動させるとともに、傾斜コンベアを駆動し得、以て傾斜コンベア上の被搬送物群を搬送して、被搬送物を水平状コンベア上へ移したのち、この水平状コンベア上で搬送し得る。そして、水平状コンベアからの被搬送物を搬出手段に搬送し得る。このようにして搬出手段上に取り出した被搬送物を処理し、搬出手段上に溜まらないようにすることで、第2満了検出手段が非検出であることを継続する状態になり、以て傾斜コンベア上の被搬送物群を、水平状コンベアから搬出手段へと順次、切り出し状に搬送し得る。また搬出手段上に取り出した被搬送物が溜まって、第2満了検出手段が被搬送物を検出したとき、水平状コンベアと傾斜コンベアとを駆動停止させ、以て傾斜コンベア上から水平状コンベアへの被搬送物群の切り出し搬送や、水平状コンベアから搬出手段への搬送を停止し得る。
【0014】
さらに本発明の請求項4記載のコンベア設備は、上記した請求項3記載の構成において、傾斜コンベアの上端部分に物品検出手段が設けられ、この物品検出手段が検出状態において、第1満了検出手段が非検出で設定時間経過したとき、傾斜コンベアを駆動するように構成したことを特徴としたものである。
【0015】
したがって請求項4の発明によると、搬入コンベアから受け入れた複数個の被搬送物を、傾斜コンベアの傾斜上端側にストレージ状として、傾斜コンベアによる搬送を停止させたとき、傾斜コンベアの上端部分の被搬送物を物品検出手段により検出しているが、第1満了検出手段は非検出の状態にある。このような状態のまま或る設定時間が経過したとき、傾斜コンベアを回転駆動させて傾斜上端側にストレージ状にあった被搬送物群を下端側に搬送させる。そして、先頭の被搬送物を第1満了検出手段が検出することで、傾斜コンベアの搬送を停止させて、被搬送物群を傾斜下端側でストレージ状とし得る。
【発明の効果】
【0016】
上記した本発明の請求項1によると、傾斜コンベアにおいて被搬送物群の搬送は、間欠搬送によって互いに衝突などすることなく行え、以て傾斜搬送は衝撃を少なくして行うことができる。そして傾斜コンベアから水平状コンベアに供給される被搬送物は、傾斜コンベアの下端部分から間欠搬送により1個ずつ切り出すことができるとともに、その角部を水平状コンベアのベルトにより受け止めることができ、以て傾斜搬送から水平状搬送への乗り移りは衝撃や騒音を少なくして円滑に行うことができる。さらにベルトにより受け止めることで、たとえばローラ間に入り込むようなこともなく、水平状コンベアへの乗り移り(移載)は常に確実に行うことができる。
【0017】
また上記した本発明の請求項2によると、傾斜コンベアにおける間欠搬送は、被搬送物を駆動式のベルトにより支持することによって、スリップやスリップ衝突などが生じない状態で、騒音や衝撃を少なくして常に安定して行うことができる。
【0018】
そして上記した本発明の請求項3によると、たとえば作業開始時などで、コンベア設備上に被搬送物が存在していない状態において、搬入手段の被搬送物を搬送して、傾斜コンベアの傾斜上端に移すことができる。その際に、搬入手段を通過する被搬送物を通過検出手段により検出し、このとき、第1満了検出手段が非検出であることから傾斜コンベアを駆動でき、以て搬入手段からの被搬送物を傾斜コンベアにより受け入れて搬送できる。そして、被搬送物が傾斜コンベアの傾斜上端に移ることで、通過検出手段は非検出となり、以て傾斜コンベアを駆動停止して、傾斜コンベアによる被搬送物の搬送を停止できる。すなわち、搬入手段から受け入れた被搬送物を、傾斜コンベアにより搬送し始めの位置である傾斜上端の位置として、傾斜コンベアによる搬送を停止できる。
【0019】
次の被搬送物を、搬入手段を通過する際に通過検出手段により検出することで、上述と同様にして傾斜コンベアの駆動、駆動停止を制御でき、以て受け入れた被搬送物を、傾斜コンベアにより搬送し始めの位置である傾斜上端の位置として、傾斜コンベアによる搬送を停止できる。すなわち、傾斜コンベアによる搬送は、両被搬送物を同時に、かつ両被搬送物間に所定の隙間が生じる状態で、互いに衝突などすることなく行うことができる。このような搬送の繰り返しにより、傾斜コンベア上に複数の被搬送物をストレージした状態にできる。
【0020】
傾斜コンベアの傾斜下端に達した被搬送物を第1満了検出手段により検出しており、このとき第2満了検出手段が非検出であることから、水平状コンベアを駆動させるとともに、傾斜コンベアを駆動でき、以て傾斜コンベア上の被搬送物群を搬送して、被搬送物を水平状コンベア上へ移したのち、この水平状コンベア上で搬送できる。そして、水平状コンベアからの被搬送物を搬出手段に搬送できる。このようにして搬出手段上に取り出した被搬送物を処理し、搬出手段上に溜まらないようにすることで、第2満了検出手段が非検出であることを継続する状態になり、以て傾斜コンベア上の被搬送物群を、水平状コンベアから搬出手段へと順次、切り出し状に搬送できる。
【0021】
また搬出手段上に取り出した被搬送物が溜まって、第2満了検出手段が被搬送物を検出したとき、水平状コンベアと傾斜コンベアとの駆動を停止でき、以て傾斜コンベア上から水平状コンベアへの被搬送物群の切り出し搬送や、水平状コンベアから搬出手段への搬送を停止できる。このような切り出し搬送の繰り返しにより、傾斜コンベア上にストレージしていた被搬送物群を搬出手段上へと搬送できる。
【0022】
さらに上記した本発明の請求項4によると、搬入コンベアから受け入れた複数個の被搬送物を、傾斜コンベアの傾斜上端側にストレージ状として、傾斜コンベアによる搬送を停止させた状態のまま或る設定時間が経過したとき、傾斜コンベアを回転駆動させて傾斜上端側にストレージ状にあった被搬送物群を下端側に搬送できる。そして、先頭の被搬送物を第1満了検出手段が検出することで、傾斜コンベアの搬送を停止させて、被搬送物群を傾斜下端側でストレージ状にできる。このような搬送制御によって、傾斜コンベアの傾斜上端側にストレージ状として留まろうとする単数または複数の被搬送物を、搬出手段側に効率よく搬送できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[実施の形態]
以下に、本発明の実施の形態を、たとえば主搬送経路上で搬送されている被搬送物を、この主搬送経路の側部外方に設けた分岐搬送経路に移したりするのに使用される転換設備に採用した状態として、図に基づいて説明する。
【0024】
図3、図4において、転換設備1は、支持体2群を循環移動させることで、始端部の支持体2群上に供給したケース状のコンテナ(被搬送物の一例)Aを主搬送経路5上で搬送し得るとともに、各支持体2に左右移動自在に設けた横押し体3を、搬送方向に移動しながら主搬送経路5を横切らせることで、横押し体3群をコンテナAに横押し作用させて、このコンテナAを、その向きを変えながら、主搬送経路5に対して左右に傾斜状で分岐移動させるように構成されている。
【0025】
このように分岐移動させたコンテナAを受け取って分岐搬送経路上で搬送するコンベア手段の一例として、主搬送経路5側から順に、分岐コンベア7と、カーブコンベア8と、直状のコンベア設備10とが設けられている。そしてコンベア設備10は、搬入コンベア(搬入手段の一例)11と、傾斜コンベア21と、水平状コンベア31と、搬出コンベア(搬出手段の一例)41とにより構成されている。
【0026】
ここで前記分岐コンベア7は駆動ローラ形式であって、主搬送経路5側から分岐される始端部を終端部に対して上位とした状態で所定の角度θで傾斜して形成されている。またカーブコンベア8は遊転ローラ形式であって、前記分岐コンベア7に連なる状態で所定の角度θで傾斜して形成されている。さらに搬入コンベア11はローラ形式であって、前記カーブコンベア8に連なる状態で所定の角度θで傾斜して形成されている。そして傾斜コンベア21は駆動式のベルトコンベア形式であって、前記搬入コンベア11に連なる状態で配設され、その際に前記コンベア7,8,11における所定の角度θに対して、少し急な角度θαで傾斜して形成されている。さらに水平状コンベア31は駆動式のベルトコンベア形式であり、前記傾斜コンベア21の下端に連続した状態で配設され、また搬出コンベア41はフリーローラ形式であって、水平状に近い緩やかな角度θβで傾斜して配設されている。
【0027】
図1〜図4において、前記搬入コンベア11は、左右一対のコンベアフレーム12と、コンベアフレーム12の長さ方向の複数箇所において両コンベアフレーム12間で支持されたローラ13などによってローラコンベア形式に構成されている。この搬入コンベア11は所定の角度θで傾斜しており、そしてローラ13群を駆動することで駆動搬送形式とされ、またはローラ13群を非駆動とすることで滑動搬送形式とされている。その際に、駆動制御やストッパ制御などによって、その終端部分から傾斜コンベア21へコンテナAを1個ずつ搬出するように構成されている。
【0028】
前記傾斜コンベア21は、傾斜した左右一対のコンベアフレーム22と、コンベアフレーム22の長さ方向における傾斜下端において両コンベアフレーム22間で回転自在に支持された駆動輪体23と、傾斜上端において両コンベアフレーム22間で回転自在に支持された従動輪体24と、両輪体23,24間に巻回された帯状の無端ベルト(ベルト)25と、無端ベルト25の上位移動部分を下方から受け止めるために両輪体23,24間の複数箇所において両コンベアフレーム22間で回転自在に支持された支持輪体26と、無端ベルト25の下位移動部分を下方から案内するために両輪体23,24間の複数箇所において両コンベアフレーム22間で回転自在に支持された案内輪体27と、前記駆動輪体23に連動すべくコンベアフレーム22に設けられた回転駆動装置28などによって構成されている。
【0029】
このように駆動式のベルトコンベア形式からなる傾斜コンベア21は、その回転駆動装置28が配線28Aを介して制御部50に接続されていることで、その駆動、駆動停止が制御部50によって制御され、以てコンテナAを間欠搬送可能に構成されている。
【0030】
前記水平状コンベア31は、水平状の左右一対のコンベアフレーム32と、コンベアフレーム32の長さ方向における終端において両コンベアフレーム32間で回転自在に支持された駆動輪体33と、始端において両コンベアフレーム32間で回転自在に支持された従動輪体34と、両輪体33,34間に巻回された帯状の無端ベルト(ベルト)35と、無端ベルト35の上位移動部分を下方から受け止めるために両輪体33,34間の複数箇所において両コンベアフレーム32間で回転自在に支持された支持輪体36と、無端ベルト35の下位移動部分を下方から案内するために両輪体33,34間の複数箇所において両コンベアフレーム32間で回転自在に支持された案内輪体37と、前記駆動輪体33に連動すべくコンベアフレーム32に設けられた回転駆動装置38などによって構成されている。
【0031】
このように駆動式のベルトコンベア形式からなる水平状コンベア31は、その回転駆動装置38が配線38Aを介して制御部50に接続されていることで、その駆動、駆動停止が制御部50によって制御され、以てコンテナAを間欠搬送可能に構成されている。
【0032】
前記搬出コンベア41は、左右一対のコンベアフレーム42と、コンベアフレーム42の長さ方向の複数箇所において両コンベアフレーム42間で遊転自在に支持されたローラ43などによってフリーローラ形式に構成されている。
【0033】
なお、分岐コンベア7、カーブコンベア8、搬入コンベア11、傾斜コンベア21、水平状コンベア31、搬出コンベア41は、脚体45などを介して床46上に所定の姿勢(角度など)で配設されている。
【0034】
前記搬入コンベア11の終端部分に通過検出手段51が、傾斜コンベア21の下端部分に第1満了検出手段52が、搬出コンベア41の始端部分に第2満了検出手段53が、それぞれ設けられるとともに、傾斜コンベア21の上端部分には物品検出手段54が設けられている。そして、これら検出手段51〜54は、それぞれ配線51A〜54Aを介して制御部50に接続されている。
【0035】
ここで制御部50においては、第1満了検出手段52が非検出で通過検出手段51が検出のとき、配線28Aを介しての指示により傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動して、搬入コンベア11からのコンテナAを傾斜コンベア21により搬送するとともに、通過検出手段51が非検出となることで、配線28Aを介しての指示により傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動停止して、傾斜コンベア21によるコンテナAの搬送を停止するように構成されている。
【0036】
また制御部50においては、第2満了検出手段53が非検出のとき、配線38Aを介しての指示により水平状コンベア31の回転駆動装置38を駆動して、水平状コンベア31からのコンテナAを搬出コンベア41に搬送するとともに、第2満了検出手段53が非検出でかつ第1満了検出手段52が検出のとき、配線28Aを介しての傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動して、傾斜コンベア21からのコンテナAを水平状コンベア31に搬送するように構成されている。
【0037】
さらに制御部50においては、物品検出手段54が検出状態において、第1満了検出手段52が非検出で設定時間経過したとき、配線28Aを介しての指示により傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動して、傾斜コンベア21上のコンテナAを第1満了検出手段52による検出位置まで搬送するように構成されている。
【0038】
以下に、上記した実施の形態における作用を説明する。
主搬送経路5上で搬送してきたコンテナAを、その向きを変えながら、主搬送経路5に対して左右に傾斜状で分岐移動させて分岐コンベア7上に移し得る。そしてコンテナAを、分岐コンベア7により駆動搬送してカーブコンベア8に移し、このカーブコンベア8によりカーブ経路上で滑動搬送し得る。次いでコンテナAを、カーブコンベア8から直状コンベア設備10の搬入コンベア11に移し、そして搬入コンベア11から傾斜コンベア21、水平状コンベア31、搬出コンベア41へと搬送し得る。
【0039】
前述した直状コンベア設備10での搬送は、傾斜コンベア21によるコンテナAの傾斜搬送を衝撃を少なくして行えるとともに、傾斜コンベア21による傾斜搬送から水平状コンベア31による水平状搬送へのコンテナAの乗り移りも衝撃や騒音を少なくして円滑に行えることになる。
【0040】
すなわち、たとえば作業開始時などで、コンベア設備10などの分岐搬送経路上にコンテナAが存在していない状態において、カーブコンベア8から搬入コンベア11に移された1個目(最初)のコンテナAは、ローラ13群を介して搬送され、その傾斜下端から傾斜コンベア21の傾斜上端に移される。その際に図5(a)に示すように、搬入コンベア11の傾斜下端を通過するコンテナAを通過検出手段51により検出し、このとき、第1満了検出手段52が非検出であることから、制御部50からの配線28Aを介しての指示により傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動し、以て搬入コンベア11からのコンテナAを傾斜コンベア21により受け入れて搬送し得る。
【0041】
そして図5(b)に示すように、コンテナAが傾斜コンベア21の傾斜上端に移ることで、通過検出手段51は非検出となり、以て配線28Aを介しての指示により傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動停止して、傾斜コンベア21によるコンテナAの搬送を停止させる。すなわち、搬入コンベア11から受け入れたコンテナAを、傾斜コンベア21により搬送し始めの位置である傾斜上端の位置として、傾斜コンベア21による搬送を停止させる。
【0042】
2個目(次)のコンテナAが、カーブコンベア8から搬入コンベア11に移され、そして図5(c)に示すように、搬入コンベア11の傾斜下端を通過する際に通過検出手段51により検出されることで、上述と同様にして、傾斜コンベア21の駆動、駆動停止を制御し得、以て図5(d)に示すように、搬入コンベア11から受け入れた2個目のコンテナAを、傾斜コンベア21により搬送し始めの位置である傾斜上端の位置として、傾斜コンベア21による搬送を停止させる。すなわち、傾斜コンベア21による搬送は、1個目のコンテナAと2個目のコンテナAを同時に、かつ両コンテナA間に所定の隙間Sが生じた状態で、互いに衝突などすることなく行える。
【0043】
このような搬送の繰り返しにより、図5(e)に示すように、傾斜コンベア21上に複数のコンテナAをストレージした状態にし得る。その際に傾斜コンベア21においては、上述したようにコンテナA群を同時に、かつ互いに衝突などすることなく搬送し得るとともに、その搬送は、後詰め方式の間欠搬送となり、以て傾斜搬送は衝撃を少なくして行えることになる。さらに傾斜コンベア21における間欠搬送は、コンテナAを無端ベルト25により支持した状態で、すなわち駆動式のベルトコンベア形式によりスリップやスリップ衝突などがより一層生じない状態で、騒音や衝撃を少なくして常に安定して行えることになる。
【0044】
図5(e)に示すように、傾斜コンベア21の傾斜下端に達した1個目のコンテナAを第1満了検出手段52により検出しており、このとき第2満了検出手段53が非検出であることから、制御部50からの配線38Aを介しての指示により水平状コンベア31の回転駆動装置38を駆動させるとともに、配線28Aを介しての指示により傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動し得、以て図6(a)に示すように、傾斜コンベア21上のコンテナA群を搬送して、1個目のコンテナAを水平状コンベア31上へ移したのち、この水平状コンベア31上で搬送し得る。そして、水平状コンベア31からの1個目のコンテナAを搬出コンベア41に搬送し得る。
【0045】
このようにして搬出コンベア41上に取り出されたコンテナAを処理し、搬出コンベア41上に貯まらないようにすることで、第2満了検出手段53が非検出であることを継続する状態になり、以て傾斜コンベア21上のコンテナA群を、水平状コンベア31から搬出コンベア41へと順次、切り出し状に搬送し得る。
【0046】
また搬出コンベア41上に取り出されたコンテナAが溜まって、図6(b)に示すように、第2満了検出手段53がコンテナAを検出したとき、制御部50からの配線38Aを介しての指示により水平状コンベア31の回転駆動装置38を駆動停止させるとともに、配線28Aを介しての指示により傾斜コンベア21の回転駆動装置28を駆動停止させ、以て傾斜コンベア21上から水平状コンベア31へのコンテナA群の切り出し搬送や、水平状コンベア31から搬出コンベア41への搬送を停止し得る。
【0047】
上述したような切り出し搬送の繰り返しにより、図5(e)に示すように傾斜コンベア21上にストレージしていたコンテナA群を、図6(a)に示すように搬出コンベア41上へと搬送し得る。その際に、少し急な角度θαの傾斜コンベア21から水平状コンベア31に供給されるコンテナAは、傾斜コンベア21の下端部分から1個ずつ切り出され、図1の仮想線に示すように、その角部が水平状コンベア31の無端ベルト35により受け止められることから、傾斜搬送から水平状搬送への乗り移りは衝撃や騒音を少なくして円滑に行えることになる。さらに無端ベルト35により受け止めることで、たとえばローラ間に入り込むようなこともなく、水平状コンベア31への乗り移り(移載)は常に確実に行えることになる。
【0048】
たとえば、図5(d)から図5(e)の間においては、図7(a)に示すように、搬入コンベア11から受け入れた複数個のコンテナAを、傾斜コンベア21の傾斜上端側にストレージ状として、傾斜コンベア21による搬送を停止させた状態となる。このとき、傾斜コンベア21の上端部分のコンテナAを物品検出手段54により検出しているが、第1満了検出手段52は非検出の状態にある。
【0049】
このような状態のまま或る設定時間が経過したとき、制御部50から配線28Aを介して傾斜コンベア21の回転駆動装置28に駆動指示が出され、以て傾斜コンベア21を回転駆動させて、傾斜上端側にストレージ状にあったコンテナA群を下端側に搬送させる。このような傾斜コンベア21による搬送は、コンテナA群を無端ベルト25により支持した状態で同時に、かつコンテナA間に所定の隙間Sが生じた状態で、互いに衝突などすることなく、すなわち駆動式のベルトコンベア形式によりスリップやスリップ衝突などが生じない状態で、騒音や衝撃を少なくして常に安定して行えることになる。
【0050】
そして、先頭のコンテナAを第1満了検出手段52が検出することで、制御部50から配線28Aを介して傾斜コンベア21の回転駆動装置28に駆動停止指示が出され、以て図7(b)に示すように、傾斜コンベア21の搬送を停止させて、コンテナA群を傾斜下端側でストレージ状とし得る。これにより、前述した図5(e)に示す状態のようにし得、傾斜コンベア21上のコンテナA群を搬送して、コンテナAを水平状コンベア31上へ移したのち、この水平状コンベア31上で搬送し得、そしてコンテナAを、水平状コンベア31から搬出コンベア41に搬送し得ることになる。
【0051】
以上のような搬送制御によって、傾斜コンベア21の傾斜上端側にストレージ状として留まろうとする単数または複数のコンテナAを、搬出コンベア41側に効率よく搬送し得ることになる。
【0052】
なおコンベア設備10においては、その運転時におけるコンテナAの搬送頻度などによって、種々な搬送形態となる。すなわち、たとえば図7(b)に示す状態において、傾斜コンベア21上から水平状コンベア31へのコンテナA群の切り出し搬送を行うと同時に、搬入コンベア11から傾斜コンベア21へのコンテナAの搬送を行うことで、図7(c)に示すように、傾斜コンベア21は、その中間にスペースが生じた状態で、傾斜上端部分と傾斜下端部分においてコンテナAの支持搬送を行える。このような搬送は、やがて図7(d)に示す状態で停止され、以てスペースを解消する搬送を行うことで、図7(b)に示す状態となる。
【0053】
上記した実施の形態では、傾斜コンベア21として、コンテナAを間欠搬送可能な駆動式のベルトコンベア形式が示されているが、これはコンテナAを間欠搬送可能な駆動式のローラコンベア形式であってもよい。
【0054】
上記した実施の形態では、被搬送物としてコンテナAが示されているが、これは種々な被搬送物に対応し得るものである。
上記した実施の形態において、検出手段51〜54は光電式やリミットスイッチ式などから構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態を示し、コンベア設備の縦断側面図である。
【図2】同コンベア設備の一部切り欠き平面図である。
【図3】同コンベア設備を組み込んだ転換設備の概略側面図である。
【図4】同コンベア設備を組み込んだ転換設備の概略平面図である。
【図5】同コンベア設備の作用を示し、(a)〜(e)はストレージ状搬送時の概略側面図である。
【図6】同コンベア設備の作用を示し、(a)〜(b)は切り出し搬送時の概略側面図である。
【図7】同コンベア設備の作用を示し、(a)〜(d)は別の搬送形態での概略側面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 転換設備
2 支持体
3 横押し体
5 主搬送経路
7 分岐コンベア
8 カーブコンベア
10 コンベア設備
11 搬入コンベア(搬入手段)
13 ローラ
21 傾斜コンベア
23 駆動輪体
24 従動輪体
25 無端ベルト(ベルト)
28 回転駆動装置
28A 配線
31 水平状コンベア
33 駆動輪体
34 従動輪体
35 無端ベルト(ベルト)
38 回転駆動装置
38A 配線
41 搬出コンベア(搬出手段)
43 ローラ
50 制御部
51 通過検出手段
51A 配線
52 第1満了検出手段
52A 配線
53 第2満了検出手段
53A 配線
54 物品検出手段
54A 配線
A コンテナ(被搬送物)
θ 所定の角度
θα 少し急な角度
θβ 緩やかな角度
S 所定の隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜コンベアと、この傾斜コンベアの下端に連続した水平状コンベアとを有し、傾斜コンベアは被搬送物を間欠搬送可能な駆動式からなり、水平状コンベアは駆動式のベルトコンベア形式からなることを特徴とするコンベア設備。
【請求項2】
傾斜コンベアは、被搬送物を間欠搬送可能な駆動式のベルトコンベア形式からなることを特徴とする請求項1記載のコンベア設備。
【請求項3】
傾斜コンベアの上手には搬入手段が配設されるとともに、水平状コンベアの下手には搬出手段が配設され、前記搬入手段の終端部分に通過検出手段が、傾斜コンベアの下端部分に第1満了検出手段が、搬出手段の始端部分に第2満了検出手段が、それぞれ設けられ、第1満了検出手段が非検出で通過検出手段が検出のとき傾斜コンベアを駆動して搬入手段からの被搬送物を搬送するとともに、通過検出手段が非検出となることで傾斜コンベアを駆動停止するように構成し、第2満了検出手段が非検出のとき水平状コンベアを駆動するとともに、第2満了検出手段が非検出でかつ第1満了検出手段が検出のとき傾斜コンベアを駆動するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載のコンベア設備。
【請求項4】
傾斜コンベアの上端部分に物品検出手段が設けられ、この物品検出手段が検出状態において、第1満了検出手段が非検出で設定時間経過したとき、傾斜コンベアを駆動するように構成したことを特徴とする請求項3記載のコンベア設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−137591(P2007−137591A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333464(P2005−333464)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】