コンロ及びコンロ用の加熱装置
【課題】肉等の食材をヘルシーかつジューシーに焼いて調理できるコンロ用の加熱装置を提供する。
【解決手段】炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ用の加熱装置であって、上端開口の筒状胴部10の下端部に炭受け板12を有し、胴部内で燃焼室13を形成した金属板製の加熱器本体1と、上下端を開口し、燃焼室内の略中央部に配置して炭受け板から立設され、下端開口部から導入される水蒸気40を加熱する水蒸気加熱筒部2とを備える。加熱筒部の下端開口部に水蒸気誘導部を形成し、下部側に発生した水蒸気を加熱筒部内へ順次誘導して導入し、燃焼室の炭火の熱で300度〜400℃に加熱して過熱水蒸気化し、上端開口部から排出させる。この過熱水蒸気41と炭火で食材6を焼き上げて調理する。
【解決手段】炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ用の加熱装置であって、上端開口の筒状胴部10の下端部に炭受け板12を有し、胴部内で燃焼室13を形成した金属板製の加熱器本体1と、上下端を開口し、燃焼室内の略中央部に配置して炭受け板から立設され、下端開口部から導入される水蒸気40を加熱する水蒸気加熱筒部2とを備える。加熱筒部の下端開口部に水蒸気誘導部を形成し、下部側に発生した水蒸気を加熱筒部内へ順次誘導して導入し、燃焼室の炭火の熱で300度〜400℃に加熱して過熱水蒸気化し、上端開口部から排出させる。この過熱水蒸気41と炭火で食材6を焼き上げて調理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板製のコンロ及びコンロ用の加熱装置に関する。さらに詳しくは、炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ及びコンロ用の加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木炭その他の炭を燃料として使用する金属板製のコンロが一般に知られている。従来の金属板製のコンロは、一般に金属板製の外側器体内に耐火性の燃焼筒を設け、前記燃焼筒内に炭を収容して着火し、燃焼させるように構成してある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
上記特許文献1、2に記載のコンロによれば、炭火の有する遠赤外線効果により肉や魚等の食材を美味しく焼き上げて調理することができる。しかし、上記炭火コンロには次のような改良を加えるべき問題点を有している。
(1)例えば、肉等の食材を焼く場合、食材中に含まれている油(脂)を全て食材の内部に残したまま焼き上げるので、カロリー過多になる問題がある。
(2)例えば、特に肉厚の食材を焼く(加熱調理する)場合、中心部の温度が上昇するまで加熱した時に表面部は過加熱となり、食品の食感が損なわれると共に表面部に焦げが発生して硬くなる問題を有している。
【0004】
一方、近時においては過熱水蒸気を利用したレンジ型の加熱調理器が開発されている(例えば、特許文献3、4参照)。この加熱調理器は、水蒸気をさらに加熱し、100℃以上(例えば約300℃〜約400℃)の高温状態にした過熱水蒸気を利用し、食材を庫内に入れ、加熱調理するものである。
【0005】
上記特許文献3、4に記載の過熱調理器により、例えば肉等の食材を加熱調理すると、過熱水蒸気が食材の中心部まですばやく熱を伝え、食材内部の余分な脂(油)を溶かして流出し、ヘルシーに加熱調理することができる。この加熱調理器は好評を得ており、普及している。しかし、上記加熱調理器は高価であるのみならず、遠赤外線の効果は有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2926216号公報
【特許文献2】特許第3684923号公報
【特許文献3】特開平11−141881号公報
【特許文献4】特許第4222978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記したような実情に鑑みてなされたもので、炭火による遠赤外線効果及び過熱水蒸気の有する効果の両方の特性を活用して加熱調理でき、かつ、安価に量産できるコンロ及びコンロ用の加熱装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のうち、1つの発明(第1の発明)は、炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ用の加熱装置であって、
上端開口の筒状胴部の下端部に炭受け板を有し、前記胴部内で燃焼室を形成した金属板製の加熱器本体と、
上下端を開口し、前記燃焼室内の略中央部に配置して前記炭受け板から起立させて設けられ、下端開口部から導入される水蒸気を加熱する金属板製の水蒸気加熱筒部とを備え、
前記炭受け板は、所望数の空気導入孔を有し、
前記加熱筒部の下端開口部には、下部側に発生した水蒸気を前記加熱筒部内に案内して誘導する水蒸気誘導部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の加熱装置は、前記筒状胴部内に木炭,まめ炭,おが炭等の炭を収容し、着火して使用するものである。上記のように構成すると、燃焼室内の炭火の熱により前記加熱筒部は加熱されると共に前記熱の一部は空気導入孔を通じて加熱器本体の下方部側へも伝達される。したがって、加熱器本体の下部側へ水や湯を貯留しておくことにより、水等が加熱され、加熱器本体の下部側に水蒸気が発生する。この水蒸気は水蒸気誘導部で案内されて加熱筒部内へ誘導され、前記筒部を通過する間に筒部内で加熱され、高温(例えば約300℃〜約400℃)の過熱水蒸気となって前記筒部の上端開口部から上方へ拡散して排出される。
【0010】
したがって、加熱器本体の上部側に焼網等を載置し、前記網上に肉その他の食材を載せることにより、前記食材は炭火及び過熱水蒸気により加熱されて調理される。そして、食材は過熱水蒸気の作用により食材中に含まれている余分な脂(油)が溶かされて流出され、ヘルシーかつジューシーに焼き上げると共に炭火の遠赤外線効果により美味しさが増大してジューシーに調理される。このように、食材は過熱水蒸気及び炭火の相乗効果により、ヘルシーかつ表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げられる。
【0011】
本発明の他の1つの発明(第2の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略逆円錐形の筒状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに他の1つの発明(第3の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略逆角錐形の筒状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらに他の1つの発明(第4の発明)は、第3の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略長方形断面に形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明のさらに他の1つの発明(第5の発明)は、第3の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略正方形断面に形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のさらに他の1つの発明(第6の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略円筒形の筒状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明のさらに他の1つの発明(第7の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略四角形の角筒状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明のさらに他の1つの発明(第8の発明)は、コンロであって、第1ないし第7のいずれかの発明の前記加熱装置と、金属板製の外側器体とを備え、
前記外側器体は、上端が開口されていると共に前記加熱器本体の前記筒状胴部と対応する形状に形成され、略上半部側に前記筒状胴部を嵌脱自在に嵌装させ得るように構成した筒状胴部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば次のような効果を奏する。
(1)過熱水蒸気及び炭火の相乗作用により、肉等の食材をヘルシーかつ表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げて調理することができる。
(2)肉厚の食材であっても、表面部に焦げが発生し、カリカリに硬くなって食感を損ねるのを防止して美味しく焼き上げ調理することができる。
(3)構成が簡単であり、安価に量産することができる。
(4)任意の金属板製の外側器体を用意することにより、簡単にコンロを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のコンロ用の加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図2】前記コンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は平面図、同図(c)は同図(a)のA−A線で切断し、その一部を示す断面図である。
【図3】図1に示す前記外側器体の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図4】図1に示すコンロに採用した水蒸気発生用の水入れ容器の一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図5】図1に示すコンロの使用状体及び作用を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態のコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図7】図6に示す前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態のコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は平面図である。
【図9】図8に示す前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図10】図9に示す前記外側器体の構成を概略的に示す平面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態のコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は平面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態を示す図であって、同図(a)はコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す縦断面図、同図(b)は同図(a)に示す前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明のコンロ及びコンロ用の加熱装置の実施形態の一例について説明する。
【0021】
図1ないし図5は本発明の一実施形態(実施形態1)を示す。図1ないし図5に示すように、実施形態1のコンロ用の加熱装置100は、加熱器本体1と、水蒸気加熱筒部2とを備える。
【0022】
加熱器本体1は、ステンレスその他の金属板で構成され、上端開口11の所望の径及び高さを有する筒状胴部10の下端部にステンレスその他の金属板製の炭受け板12を有し、胴部10内で燃焼室13が形成されている。実施形態1の炭受け板12は、胴部10と一体成形して設けてある。
実施形態1の前記胴部10は、下端部側から上端部側に次第に拡径するテーパーを付与した概略逆円錐形の筒状に形成されている。
【0023】
炭受け板12には、所望数の空気導入孔14が開設されている。実施形態1では適当な間隔を存して12個の空気導入孔14を設けた例が開示されているが、孔14の個数及び大きさは適当に決定する。この点については後述する各実施形態においても同様である。これにより、外部空気は前記孔14を通じて燃焼室13内に導入される。また、燃焼室13内の炭火の熱の一部は前記孔14を通じて本体1の下方部側へも伝達されるようになっている。
【0024】
実施形態1の炭受け板12は、中心部側から外側方向に向けて設けた適当数(図示では4本)のリブ状の凸条部15が板12と一体成形して設けてある。前記凸条部15は炭受け板12の補強用及び燃焼室13内へ収容される炭16(図5参照)の燃焼を良好にするために設けたものである。前記凸条部15は所望に応じて設けるもので、省略することもできる。この点については後述する各実施形態においても同様である。前記炭16としては、特に限定するものではないが、一般的には例えば木炭,まめ炭,おが炭等の炭が使用される。
【0025】
実施形態1の胴部10の上端部側には、適当数の空気導入孔17が設けてある。前記孔17は胴部10の側方部側から燃焼室13内へ外部空気を導入するために設けたものである。前記孔は所望に応じて設けるものである。
【0026】
前記水蒸気加熱筒部2は、ステンレスその他の金属板で構成されている。前記加熱筒部2は、上下端を開口20,21し、燃焼室13内の中央部に配置して炭受け板12から起立して設けてある。加熱筒部2の高さは適当に設定される。実施形態1の前記加熱筒部2は、炭受け板12と一体成形して設けてある。これにより、実施形態1の加熱装置100は、加熱器本体1の筒状胴部と炭受け板12及び前記加熱筒部2を一枚の金属板で一体成形して構成されている。
【0027】
前記加熱筒部2は、筒部2の下端開口部21から導入される水蒸気を加熱して過熱水蒸気化するものである。加熱筒部2の下端開口部21には、炭受け板12の下部側に発生する水蒸気を加熱筒部2内の中央部側へ案内して誘導する水蒸気誘導部22が形成されている。前記水蒸気については追って説明する。
実施形態1の加熱筒部2は、適当な高さを有する概略円錐形状の筒状体で構成され、筒部2の開口下端部側で水蒸気誘導部22が形成されている。これにより、加熱器本体1の下部側に発生した水蒸気は誘導部22により案内されて筒部2内に順次誘導され、筒部2内を通過する間に燃焼室13内の炭火によって筒部内で加熱され、高温(例えば約300℃〜約400℃)の過熱水蒸気となって筒部の上端開口部20から上方へ拡散して順次排出される。そして、本発明は、上記過熱水蒸気と燃焼室13内の炭火を利用して食材を加熱し、調理するものである。
【0028】
実施形態1のコンロ用の加熱装置100は上記のように構成され、例えば、金属板製の外側器体3に嵌脱自在に嵌装してコンロが構成される。以下、その一例のコンロの構成等について説明する。
【0029】
金属板製の外側器体3は、上端が開口31されていると共に加熱器本体1の筒状胴部10と対応する形状に形成され、略上半部側に筒状胴部10を嵌脱自在に嵌装させ得るように構成した筒状胴部30と、この胴部30の下端に固定して設けた底板32とを備える。
【0030】
本実施形態の外側器体3の胴部30は、前記加熱器本体1の筒状胴部10の約2倍程度の高さを有する概略逆円錐形の筒状に形成されている。前記器体3の胴部30の略上半部は、加熱器本体1の胴部10と略対応する大きさ、かつ、胴部10に付与したテーパーの傾斜角度と対応する傾斜角度を付与した筒状に形成され、本体1を外側器体3の胴部30内に所定の位置まで嵌合(嵌挿)した時点で、本体1の胴部10の上端周縁部及び下端周縁部が外側器体3の胴部30の内周壁面に摺接して、その位置で本体1を嵌脱自在に係止させるように構成してある。これにより、加熱器本体1は、外側器体3の胴部30内の下半部側に適当な広さの空間部33を形成した状態で胴部30内に嵌脱自在に嵌合して係止させるように構成されている。
【0031】
外側器体3の胴部30の上端部側には、本体1を胴部30内に嵌合して係止させた状態で、本体1の空気導入孔17と対応する部位に位置させて所望数の空気導入孔34が設けてある。また、胴部30の下半部の適当な部位には、外部空気を胴部30の空間部33に導入する所望数の空気導入孔35が設けてある。
【0032】
外側器体3内の前記空間部33内には、水蒸気発生用の水(又は湯)を貯留する水入れ容器36が収容される。前記容器36は金属板その他の耐火性素材で適当な大きさに形成される。本実施形態の容器36はステンレスその他の金属板で適当な径及び大きさを有する円形受皿状に形成したものが開示されている。前記容器36内には適当量の水4(又は湯)が入れられる(図5参照)。
【0033】
なお、図示しないが、外側器体3の胴部30の適当部に提げ手を設けることができる。提げ手を設けることにより、コンロの持ち運び作業が容易になる。
【0034】
本実施形態1のコンロ用の加熱装置及び前記加熱装置を用いたコンロは上記のように構成したもので、次に使用方法の一例及び作用効果等について説明する。
【0035】
図1及び図5に示すように、水入れ容器36を底板32上に載置して外側器体3内に収容し、容器3内に適当量の飲用水その他の水4(又は湯)を入れる。次いで加熱器本体1の空気導入孔17を外側容器3の空気導入孔34と合致させて本体1を外側器体3の胴部30内に嵌装してコンロをセットする。この状態で本体1の燃焼室13内へ着火材(図示せず)を入れると共に、その上に炭16を積み重ねて収容し、着火材に火をつける。これにより、着火材の炎によって炭16に着火されて燃焼する。
【0036】
上記のように、炭16が燃焼すると、炭火の熱は上昇するが、同時に前記熱により加熱筒部2は加熱されると共に前記熱の一部は空気導入孔14を通じて容器36内の水4にも伝達される。したがって、水4が加熱され、図5に示すように、本体1の下部側に水蒸気40が発生する。この水蒸気40は誘導部22で案内されて加熱筒部2内へ誘導され、筒部2内で加熱され、高温(例えば約300℃〜約400℃)の過熱水蒸気41となる。この過熱水蒸気41は上昇して筒部2の上端開口部20から排出されて拡散して上昇する。
【0037】
そこで、適当な頃を見計らって、外側器体3上に焼網5を載置し、網5上に肉等の食材6を載せることにより、食材6は過熱水蒸気及び炭火により加熱されて調理される。そして、過熱水蒸気の作用により食材中に含まれている余分な脂(油)は溶かされて流出され、ヘルシー、かつ、ジューシーに焼き上げられると共に炭火の遠赤外線効果により美味しさが向上してジューシーに調理される。このように、食材6は過熱水蒸気と炭火との相乗効果により、ヘルシー、かつ、表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げて調理される。
【0038】
上記したように、実施形態1によれば、過熱水蒸気と炭火との相乗効果により、肉等の食材をヘルシー、かつ、表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げて調理することができる。
また、肉厚の食材であっても、表面部に焦げが発生し、硬くなって食感を損ねるのを防止して美味しく焼き上げて調理することができる。さらにまた、構成が簡素化されているので、生産コストを安くすることができる。
【0039】
図6は本発明の他の実施形態(実施形態2)のコンロ用の加熱装置を示す縦断面図、図7は図6の前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例を示す縦断面図である。なお、実施形態2において、実施形態1で既に説明した構成と共通する構成部等には同一符号を付して説明を省略する。この点については、後述する各実施形態においても同様である。実施形態2は加熱器本体の筒状胴部及び外側器体の筒状胴部の構成に特徴がある。
【0040】
図6,図7に示すように、実施形態2のコンロ用の加熱装置100Aは、加熱器本体1Aの筒状胴部10Aの高さを実施形態1の前記胴部10の高さより幾分短尺に形成してある。また、実施形態1の前記胴部10に設けた空気導入孔17は実施形態2では設けていない。
【0041】
図7に示すように、実施形態2の外側器体3Aの筒状胴部30の上端部側に形成した空気導入孔34は、実施形態1の胴部30に設けた空気導入孔34に比べて幾分上端部側に位置させて設けてある。そして、本体1Aの上端を前記孔34の下部側に位置させるようにして本体1Aを胴部30内へ嵌脱自在に嵌合係止して嵌装するように構成してある。他の構成は実施形態1と同様である。
【0042】
実施形態2は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0043】
図8ないし図10は本発明のさらに他の実施形態(実施形態3)を示す。実施形態3は加熱器本体の筒状胴部の形状及び外側器体の筒状胴部の形状等に特徴がある。
【0044】
図8に示すように、実施形態3のコンロ用の加熱装置100Bは、加熱器本体1Bの筒状胴部10Bを平面視において概略長方形、即ち、概略長方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。また、実施形態3の水蒸気加熱筒部2Bは、楕円形断面の変形状の概略円錐形状の筒状体で構成されている。
【0045】
また、図9,図10に示すように、実施形態3の外側器体3Bの筒状胴部30Bは、加熱器本体1Bの前記胴部10Bと対応する平面視形状の概略長方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。他の構成は実施形態1と同様である。
【0046】
実施形態3は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0047】
図11は本発明のさらに他の実施形態(実施形態4)を示す。実施形態4も実施形態3と同様に加熱器本体の筒状胴部の形状等に特徴がある。
【0048】
図11に示すように、実施形態4のコンロ用の加熱装置100Cは、加熱器本体1Cの筒状胴部10Cを平面視において概略正方形、即ち、概略正方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。
また、実施形態4の外側器体の筒状胴部は、図示しないが、前記胴部10Cと対応する平面視形状の概略正方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。他の構成は実施形態1と同様である。但し、実施形態1の前記胴部10に設けた空気導入孔17は、実施形態4では設けていない。
【0049】
実施形態4は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0050】
図12は本発明のさらに他の実施形態(実施形態5)を示す。実施形態5は加熱器本体の筒状胴部及び外側器の筒状胴部の構成に特徴がある。
【0051】
図12に示すように、実施形態5のコンロ用の加熱装置100Dは、加熱器本体1Dの筒状胴部10Dを概略円筒形の筒状に形成されている。前記胴部10Dは、上端周縁に沿わせて外側へ突出させるように形成した環状の水平フランジ18と、このフランジ18の外端周縁に沿わせて垂下形成した垂下フランジ19とを有している。
【0052】
また、図12(b)に示すように、実施形態5の外側器体3Dの筒状胴部30Dは、前記胴部10Dを嵌脱自在に嵌合し得る概略円筒形の筒状に形成されている。実施形態5は、加熱器本体1Dの前記胴部10Dを外側器体3Dの前記胴部30Dに嵌合して前記フランジ18を胴部30Dの上端に係合して嵌装し、コンロが構成される。他の構成は実施形態1と同様である。
【0053】
実施形態5は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0054】
実施形態5の前記本体1Dの前記胴部10Dは、上記したように概略円筒形の筒状に形成してあるが、前記胴部10Dは概略四角形の角筒状に形成する構成を採用してもよい。この構成を採用する場合には、外側器体3Dの前記胴部30Dも前記本体の前記胴部と対応した概略四角形の角筒状に形成する。
【0055】
なお、上記各実施形態では、水蒸気加熱筒部2を概略円錐形状の筒状体で構成したものを開示したが、四角形断面の概略角錐形状の筒状に形成することもできる。また、例えば、図8に示す実施形態3においては、前記加熱筒部2Bを断面長方形の概略角錐形状の筒状に形成する構成を採用してもよい。
【0056】
また、上記した各実施形態は一例として開示したもので、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想を越脱しない範囲において任意に変更可能なものである。
【符号の説明】
【0057】
1 加熱器本体
2 水蒸気加熱筒部
6 食材
10 筒状胴部
12 炭受け板
13 燃焼室
22 水蒸気誘導部
40 水蒸気
41 過熱水蒸気
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板製のコンロ及びコンロ用の加熱装置に関する。さらに詳しくは、炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ及びコンロ用の加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木炭その他の炭を燃料として使用する金属板製のコンロが一般に知られている。従来の金属板製のコンロは、一般に金属板製の外側器体内に耐火性の燃焼筒を設け、前記燃焼筒内に炭を収容して着火し、燃焼させるように構成してある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
上記特許文献1、2に記載のコンロによれば、炭火の有する遠赤外線効果により肉や魚等の食材を美味しく焼き上げて調理することができる。しかし、上記炭火コンロには次のような改良を加えるべき問題点を有している。
(1)例えば、肉等の食材を焼く場合、食材中に含まれている油(脂)を全て食材の内部に残したまま焼き上げるので、カロリー過多になる問題がある。
(2)例えば、特に肉厚の食材を焼く(加熱調理する)場合、中心部の温度が上昇するまで加熱した時に表面部は過加熱となり、食品の食感が損なわれると共に表面部に焦げが発生して硬くなる問題を有している。
【0004】
一方、近時においては過熱水蒸気を利用したレンジ型の加熱調理器が開発されている(例えば、特許文献3、4参照)。この加熱調理器は、水蒸気をさらに加熱し、100℃以上(例えば約300℃〜約400℃)の高温状態にした過熱水蒸気を利用し、食材を庫内に入れ、加熱調理するものである。
【0005】
上記特許文献3、4に記載の過熱調理器により、例えば肉等の食材を加熱調理すると、過熱水蒸気が食材の中心部まですばやく熱を伝え、食材内部の余分な脂(油)を溶かして流出し、ヘルシーに加熱調理することができる。この加熱調理器は好評を得ており、普及している。しかし、上記加熱調理器は高価であるのみならず、遠赤外線の効果は有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2926216号公報
【特許文献2】特許第3684923号公報
【特許文献3】特開平11−141881号公報
【特許文献4】特許第4222978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記したような実情に鑑みてなされたもので、炭火による遠赤外線効果及び過熱水蒸気の有する効果の両方の特性を活用して加熱調理でき、かつ、安価に量産できるコンロ及びコンロ用の加熱装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のうち、1つの発明(第1の発明)は、炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ用の加熱装置であって、
上端開口の筒状胴部の下端部に炭受け板を有し、前記胴部内で燃焼室を形成した金属板製の加熱器本体と、
上下端を開口し、前記燃焼室内の略中央部に配置して前記炭受け板から起立させて設けられ、下端開口部から導入される水蒸気を加熱する金属板製の水蒸気加熱筒部とを備え、
前記炭受け板は、所望数の空気導入孔を有し、
前記加熱筒部の下端開口部には、下部側に発生した水蒸気を前記加熱筒部内に案内して誘導する水蒸気誘導部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の加熱装置は、前記筒状胴部内に木炭,まめ炭,おが炭等の炭を収容し、着火して使用するものである。上記のように構成すると、燃焼室内の炭火の熱により前記加熱筒部は加熱されると共に前記熱の一部は空気導入孔を通じて加熱器本体の下方部側へも伝達される。したがって、加熱器本体の下部側へ水や湯を貯留しておくことにより、水等が加熱され、加熱器本体の下部側に水蒸気が発生する。この水蒸気は水蒸気誘導部で案内されて加熱筒部内へ誘導され、前記筒部を通過する間に筒部内で加熱され、高温(例えば約300℃〜約400℃)の過熱水蒸気となって前記筒部の上端開口部から上方へ拡散して排出される。
【0010】
したがって、加熱器本体の上部側に焼網等を載置し、前記網上に肉その他の食材を載せることにより、前記食材は炭火及び過熱水蒸気により加熱されて調理される。そして、食材は過熱水蒸気の作用により食材中に含まれている余分な脂(油)が溶かされて流出され、ヘルシーかつジューシーに焼き上げると共に炭火の遠赤外線効果により美味しさが増大してジューシーに調理される。このように、食材は過熱水蒸気及び炭火の相乗効果により、ヘルシーかつ表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げられる。
【0011】
本発明の他の1つの発明(第2の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略逆円錐形の筒状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに他の1つの発明(第3の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略逆角錐形の筒状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらに他の1つの発明(第4の発明)は、第3の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略長方形断面に形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明のさらに他の1つの発明(第5の発明)は、第3の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略正方形断面に形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のさらに他の1つの発明(第6の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略円筒形の筒状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明のさらに他の1つの発明(第7の発明)は、第1の発明のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略四角形の角筒状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明のさらに他の1つの発明(第8の発明)は、コンロであって、第1ないし第7のいずれかの発明の前記加熱装置と、金属板製の外側器体とを備え、
前記外側器体は、上端が開口されていると共に前記加熱器本体の前記筒状胴部と対応する形状に形成され、略上半部側に前記筒状胴部を嵌脱自在に嵌装させ得るように構成した筒状胴部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば次のような効果を奏する。
(1)過熱水蒸気及び炭火の相乗作用により、肉等の食材をヘルシーかつ表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げて調理することができる。
(2)肉厚の食材であっても、表面部に焦げが発生し、カリカリに硬くなって食感を損ねるのを防止して美味しく焼き上げ調理することができる。
(3)構成が簡単であり、安価に量産することができる。
(4)任意の金属板製の外側器体を用意することにより、簡単にコンロを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のコンロ用の加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図2】前記コンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は平面図、同図(c)は同図(a)のA−A線で切断し、その一部を示す断面図である。
【図3】図1に示す前記外側器体の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図4】図1に示すコンロに採用した水蒸気発生用の水入れ容器の一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図5】図1に示すコンロの使用状体及び作用を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態のコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図7】図6に示す前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態のコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は平面図である。
【図9】図8に示す前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図10】図9に示す前記外側器体の構成を概略的に示す平面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態のコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は平面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態を示す図であって、同図(a)はコンロ用の加熱装置の構成を概略的に示す縦断面図、同図(b)は同図(a)に示す前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明のコンロ及びコンロ用の加熱装置の実施形態の一例について説明する。
【0021】
図1ないし図5は本発明の一実施形態(実施形態1)を示す。図1ないし図5に示すように、実施形態1のコンロ用の加熱装置100は、加熱器本体1と、水蒸気加熱筒部2とを備える。
【0022】
加熱器本体1は、ステンレスその他の金属板で構成され、上端開口11の所望の径及び高さを有する筒状胴部10の下端部にステンレスその他の金属板製の炭受け板12を有し、胴部10内で燃焼室13が形成されている。実施形態1の炭受け板12は、胴部10と一体成形して設けてある。
実施形態1の前記胴部10は、下端部側から上端部側に次第に拡径するテーパーを付与した概略逆円錐形の筒状に形成されている。
【0023】
炭受け板12には、所望数の空気導入孔14が開設されている。実施形態1では適当な間隔を存して12個の空気導入孔14を設けた例が開示されているが、孔14の個数及び大きさは適当に決定する。この点については後述する各実施形態においても同様である。これにより、外部空気は前記孔14を通じて燃焼室13内に導入される。また、燃焼室13内の炭火の熱の一部は前記孔14を通じて本体1の下方部側へも伝達されるようになっている。
【0024】
実施形態1の炭受け板12は、中心部側から外側方向に向けて設けた適当数(図示では4本)のリブ状の凸条部15が板12と一体成形して設けてある。前記凸条部15は炭受け板12の補強用及び燃焼室13内へ収容される炭16(図5参照)の燃焼を良好にするために設けたものである。前記凸条部15は所望に応じて設けるもので、省略することもできる。この点については後述する各実施形態においても同様である。前記炭16としては、特に限定するものではないが、一般的には例えば木炭,まめ炭,おが炭等の炭が使用される。
【0025】
実施形態1の胴部10の上端部側には、適当数の空気導入孔17が設けてある。前記孔17は胴部10の側方部側から燃焼室13内へ外部空気を導入するために設けたものである。前記孔は所望に応じて設けるものである。
【0026】
前記水蒸気加熱筒部2は、ステンレスその他の金属板で構成されている。前記加熱筒部2は、上下端を開口20,21し、燃焼室13内の中央部に配置して炭受け板12から起立して設けてある。加熱筒部2の高さは適当に設定される。実施形態1の前記加熱筒部2は、炭受け板12と一体成形して設けてある。これにより、実施形態1の加熱装置100は、加熱器本体1の筒状胴部と炭受け板12及び前記加熱筒部2を一枚の金属板で一体成形して構成されている。
【0027】
前記加熱筒部2は、筒部2の下端開口部21から導入される水蒸気を加熱して過熱水蒸気化するものである。加熱筒部2の下端開口部21には、炭受け板12の下部側に発生する水蒸気を加熱筒部2内の中央部側へ案内して誘導する水蒸気誘導部22が形成されている。前記水蒸気については追って説明する。
実施形態1の加熱筒部2は、適当な高さを有する概略円錐形状の筒状体で構成され、筒部2の開口下端部側で水蒸気誘導部22が形成されている。これにより、加熱器本体1の下部側に発生した水蒸気は誘導部22により案内されて筒部2内に順次誘導され、筒部2内を通過する間に燃焼室13内の炭火によって筒部内で加熱され、高温(例えば約300℃〜約400℃)の過熱水蒸気となって筒部の上端開口部20から上方へ拡散して順次排出される。そして、本発明は、上記過熱水蒸気と燃焼室13内の炭火を利用して食材を加熱し、調理するものである。
【0028】
実施形態1のコンロ用の加熱装置100は上記のように構成され、例えば、金属板製の外側器体3に嵌脱自在に嵌装してコンロが構成される。以下、その一例のコンロの構成等について説明する。
【0029】
金属板製の外側器体3は、上端が開口31されていると共に加熱器本体1の筒状胴部10と対応する形状に形成され、略上半部側に筒状胴部10を嵌脱自在に嵌装させ得るように構成した筒状胴部30と、この胴部30の下端に固定して設けた底板32とを備える。
【0030】
本実施形態の外側器体3の胴部30は、前記加熱器本体1の筒状胴部10の約2倍程度の高さを有する概略逆円錐形の筒状に形成されている。前記器体3の胴部30の略上半部は、加熱器本体1の胴部10と略対応する大きさ、かつ、胴部10に付与したテーパーの傾斜角度と対応する傾斜角度を付与した筒状に形成され、本体1を外側器体3の胴部30内に所定の位置まで嵌合(嵌挿)した時点で、本体1の胴部10の上端周縁部及び下端周縁部が外側器体3の胴部30の内周壁面に摺接して、その位置で本体1を嵌脱自在に係止させるように構成してある。これにより、加熱器本体1は、外側器体3の胴部30内の下半部側に適当な広さの空間部33を形成した状態で胴部30内に嵌脱自在に嵌合して係止させるように構成されている。
【0031】
外側器体3の胴部30の上端部側には、本体1を胴部30内に嵌合して係止させた状態で、本体1の空気導入孔17と対応する部位に位置させて所望数の空気導入孔34が設けてある。また、胴部30の下半部の適当な部位には、外部空気を胴部30の空間部33に導入する所望数の空気導入孔35が設けてある。
【0032】
外側器体3内の前記空間部33内には、水蒸気発生用の水(又は湯)を貯留する水入れ容器36が収容される。前記容器36は金属板その他の耐火性素材で適当な大きさに形成される。本実施形態の容器36はステンレスその他の金属板で適当な径及び大きさを有する円形受皿状に形成したものが開示されている。前記容器36内には適当量の水4(又は湯)が入れられる(図5参照)。
【0033】
なお、図示しないが、外側器体3の胴部30の適当部に提げ手を設けることができる。提げ手を設けることにより、コンロの持ち運び作業が容易になる。
【0034】
本実施形態1のコンロ用の加熱装置及び前記加熱装置を用いたコンロは上記のように構成したもので、次に使用方法の一例及び作用効果等について説明する。
【0035】
図1及び図5に示すように、水入れ容器36を底板32上に載置して外側器体3内に収容し、容器3内に適当量の飲用水その他の水4(又は湯)を入れる。次いで加熱器本体1の空気導入孔17を外側容器3の空気導入孔34と合致させて本体1を外側器体3の胴部30内に嵌装してコンロをセットする。この状態で本体1の燃焼室13内へ着火材(図示せず)を入れると共に、その上に炭16を積み重ねて収容し、着火材に火をつける。これにより、着火材の炎によって炭16に着火されて燃焼する。
【0036】
上記のように、炭16が燃焼すると、炭火の熱は上昇するが、同時に前記熱により加熱筒部2は加熱されると共に前記熱の一部は空気導入孔14を通じて容器36内の水4にも伝達される。したがって、水4が加熱され、図5に示すように、本体1の下部側に水蒸気40が発生する。この水蒸気40は誘導部22で案内されて加熱筒部2内へ誘導され、筒部2内で加熱され、高温(例えば約300℃〜約400℃)の過熱水蒸気41となる。この過熱水蒸気41は上昇して筒部2の上端開口部20から排出されて拡散して上昇する。
【0037】
そこで、適当な頃を見計らって、外側器体3上に焼網5を載置し、網5上に肉等の食材6を載せることにより、食材6は過熱水蒸気及び炭火により加熱されて調理される。そして、過熱水蒸気の作用により食材中に含まれている余分な脂(油)は溶かされて流出され、ヘルシー、かつ、ジューシーに焼き上げられると共に炭火の遠赤外線効果により美味しさが向上してジューシーに調理される。このように、食材6は過熱水蒸気と炭火との相乗効果により、ヘルシー、かつ、表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げて調理される。
【0038】
上記したように、実施形態1によれば、過熱水蒸気と炭火との相乗効果により、肉等の食材をヘルシー、かつ、表面部側から内部側までジューシーで美味しく焼き上げて調理することができる。
また、肉厚の食材であっても、表面部に焦げが発生し、硬くなって食感を損ねるのを防止して美味しく焼き上げて調理することができる。さらにまた、構成が簡素化されているので、生産コストを安くすることができる。
【0039】
図6は本発明の他の実施形態(実施形態2)のコンロ用の加熱装置を示す縦断面図、図7は図6の前記加熱装置を金属板製の外側器体に嵌装して構成したコンロの一例を示す縦断面図である。なお、実施形態2において、実施形態1で既に説明した構成と共通する構成部等には同一符号を付して説明を省略する。この点については、後述する各実施形態においても同様である。実施形態2は加熱器本体の筒状胴部及び外側器体の筒状胴部の構成に特徴がある。
【0040】
図6,図7に示すように、実施形態2のコンロ用の加熱装置100Aは、加熱器本体1Aの筒状胴部10Aの高さを実施形態1の前記胴部10の高さより幾分短尺に形成してある。また、実施形態1の前記胴部10に設けた空気導入孔17は実施形態2では設けていない。
【0041】
図7に示すように、実施形態2の外側器体3Aの筒状胴部30の上端部側に形成した空気導入孔34は、実施形態1の胴部30に設けた空気導入孔34に比べて幾分上端部側に位置させて設けてある。そして、本体1Aの上端を前記孔34の下部側に位置させるようにして本体1Aを胴部30内へ嵌脱自在に嵌合係止して嵌装するように構成してある。他の構成は実施形態1と同様である。
【0042】
実施形態2は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0043】
図8ないし図10は本発明のさらに他の実施形態(実施形態3)を示す。実施形態3は加熱器本体の筒状胴部の形状及び外側器体の筒状胴部の形状等に特徴がある。
【0044】
図8に示すように、実施形態3のコンロ用の加熱装置100Bは、加熱器本体1Bの筒状胴部10Bを平面視において概略長方形、即ち、概略長方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。また、実施形態3の水蒸気加熱筒部2Bは、楕円形断面の変形状の概略円錐形状の筒状体で構成されている。
【0045】
また、図9,図10に示すように、実施形態3の外側器体3Bの筒状胴部30Bは、加熱器本体1Bの前記胴部10Bと対応する平面視形状の概略長方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。他の構成は実施形態1と同様である。
【0046】
実施形態3は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0047】
図11は本発明のさらに他の実施形態(実施形態4)を示す。実施形態4も実施形態3と同様に加熱器本体の筒状胴部の形状等に特徴がある。
【0048】
図11に示すように、実施形態4のコンロ用の加熱装置100Cは、加熱器本体1Cの筒状胴部10Cを平面視において概略正方形、即ち、概略正方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。
また、実施形態4の外側器体の筒状胴部は、図示しないが、前記胴部10Cと対応する平面視形状の概略正方形断面の概略逆角錐形の筒状に形成されている。他の構成は実施形態1と同様である。但し、実施形態1の前記胴部10に設けた空気導入孔17は、実施形態4では設けていない。
【0049】
実施形態4は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0050】
図12は本発明のさらに他の実施形態(実施形態5)を示す。実施形態5は加熱器本体の筒状胴部及び外側器の筒状胴部の構成に特徴がある。
【0051】
図12に示すように、実施形態5のコンロ用の加熱装置100Dは、加熱器本体1Dの筒状胴部10Dを概略円筒形の筒状に形成されている。前記胴部10Dは、上端周縁に沿わせて外側へ突出させるように形成した環状の水平フランジ18と、このフランジ18の外端周縁に沿わせて垂下形成した垂下フランジ19とを有している。
【0052】
また、図12(b)に示すように、実施形態5の外側器体3Dの筒状胴部30Dは、前記胴部10Dを嵌脱自在に嵌合し得る概略円筒形の筒状に形成されている。実施形態5は、加熱器本体1Dの前記胴部10Dを外側器体3Dの前記胴部30Dに嵌合して前記フランジ18を胴部30Dの上端に係合して嵌装し、コンロが構成される。他の構成は実施形態1と同様である。
【0053】
実施形態5は上記のように構成され、実施形態1と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0054】
実施形態5の前記本体1Dの前記胴部10Dは、上記したように概略円筒形の筒状に形成してあるが、前記胴部10Dは概略四角形の角筒状に形成する構成を採用してもよい。この構成を採用する場合には、外側器体3Dの前記胴部30Dも前記本体の前記胴部と対応した概略四角形の角筒状に形成する。
【0055】
なお、上記各実施形態では、水蒸気加熱筒部2を概略円錐形状の筒状体で構成したものを開示したが、四角形断面の概略角錐形状の筒状に形成することもできる。また、例えば、図8に示す実施形態3においては、前記加熱筒部2Bを断面長方形の概略角錐形状の筒状に形成する構成を採用してもよい。
【0056】
また、上記した各実施形態は一例として開示したもので、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想を越脱しない範囲において任意に変更可能なものである。
【符号の説明】
【0057】
1 加熱器本体
2 水蒸気加熱筒部
6 食材
10 筒状胴部
12 炭受け板
13 燃焼室
22 水蒸気誘導部
40 水蒸気
41 過熱水蒸気
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ用の加熱装置であって、
上端開口の筒状胴部の下端部に炭受け板を有し、前記胴部内で燃焼室を形成した金属板製の加熱器本体と、
上下端を開口し、前記燃焼室内の略中央部に配置して前記炭受け板から起立させて設けられ、下端開口部から導入される水蒸気を加熱する金属板製の水蒸気加熱筒部とを備え、
前記炭受け板は、所望数の空気導入孔を有し、
前記加熱筒部の下端開口部には、下部側に発生した水蒸気を前記加熱筒部内に案内して誘導する水蒸気誘導部が形成されている
ことを特徴とする、コンロ用の加熱装置。
【請求項2】
前記筒状胴部は、概略逆円錐形の筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項3】
前記筒状胴部は、概略逆角錐形の筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項4】
請求項3に記載のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略長方形断面に形成されていることを特徴とする、コンロ用の加熱装置。
【請求項5】
請求項3に記載のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略正方形断面に形成されていることを特徴とする、コンロ用の加熱装置。
【請求項6】
前記筒状胴部は、概略円筒形の筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項7】
前記筒状胴部は、概略四角形の角筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の前記加熱装置と、金属板製の外側器体とを備え、
前記外側器体は、上端が開口されていると共に前記加熱器本体の前記筒状胴部と対応する形状に形成され、略上半部側に前記筒状胴部を嵌脱自在に嵌装させ得るように構成した筒状胴部を有していることを特徴とする、コンロ。
【請求項1】
炭火及び過熱水蒸気を利用して加熱調理するコンロ用の加熱装置であって、
上端開口の筒状胴部の下端部に炭受け板を有し、前記胴部内で燃焼室を形成した金属板製の加熱器本体と、
上下端を開口し、前記燃焼室内の略中央部に配置して前記炭受け板から起立させて設けられ、下端開口部から導入される水蒸気を加熱する金属板製の水蒸気加熱筒部とを備え、
前記炭受け板は、所望数の空気導入孔を有し、
前記加熱筒部の下端開口部には、下部側に発生した水蒸気を前記加熱筒部内に案内して誘導する水蒸気誘導部が形成されている
ことを特徴とする、コンロ用の加熱装置。
【請求項2】
前記筒状胴部は、概略逆円錐形の筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項3】
前記筒状胴部は、概略逆角錐形の筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項4】
請求項3に記載のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略長方形断面に形成されていることを特徴とする、コンロ用の加熱装置。
【請求項5】
請求項3に記載のコンロ用の加熱装置において、前記筒状胴部は、概略正方形断面に形成されていることを特徴とする、コンロ用の加熱装置。
【請求項6】
前記筒状胴部は、概略円筒形の筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項7】
前記筒状胴部は、概略四角形の角筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンロ用の加熱装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の前記加熱装置と、金属板製の外側器体とを備え、
前記外側器体は、上端が開口されていると共に前記加熱器本体の前記筒状胴部と対応する形状に形成され、略上半部側に前記筒状胴部を嵌脱自在に嵌装させ得るように構成した筒状胴部を有していることを特徴とする、コンロ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−45465(P2011−45465A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195095(P2009−195095)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(593081062)株式会社三和金属 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(593081062)株式会社三和金属 (1)
【Fターム(参考)】
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