説明

コークス炉燃焼室の温度測定装置および温度管理システム

【課題】 燃焼室フリュー列の任意のフリューの温度を測定可能として燃焼室フリュー列の温度バランスを把握することができる温度測定装置を提供する。
【解決手段】 コークス炉の炭化室に沿って多数配列された燃焼室フリュー列のうち、固定式の熱電対が取り付けられているフリューを除くフリューを測定対象とし挿脱自在に取り付けられる可搬式の熱電対11a〜11eと、可搬式のケース13内に設けられ、各可搬式熱電対から延設された補償導線12に個別に接続され可搬式熱電対11a〜11eによって生じた起電力を測温データに変換する変換器13bと、上記ケース13内に設けられ、変換器13bから出力された測温データを無線で送信するワイヤレスモデム13dと、ワイヤレスモデム13dから送信される測温データを固定局17で受信するワイヤレスモデム17aとを備えてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコークス炉燃焼室の温度を測定する温度測定装置およびその温度測定装置を用いた温度管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コークス炉燃焼室の温度を測定する方法として光高温計、放射温度計等の光学式温度計を用いた測定方法が知られている。この種の測定方法は、燃焼室頂部のフリュー蓋を外して燃焼室内の炉底温度を測定するというものであるが、ある時点での測定となるため、燃焼室内の温度を連続的に測定するには不向きであり、燃焼室の温度制御に反映させることができないという欠点がある。
【0003】
そこで、図7に示すように、燃焼室50の点検孔51から熱電対52を挿入し、ヘアピントップ53の下端から所定距離下方の高さにその熱電対52の先端を配置し、燃焼室50内の温度を測定する方法が提案されている。この熱電対52を用いた測定方法によれば、燃焼室50内の温度を連続して測定することができるため、燃焼室の温度制御に反映させることができコークス炉の乾留状況を管理することができるようになる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、図中54は燃焼室50と交互に配置されている炭化室である。
【特許文献1】特開昭55−129484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的にコークス炉は多数の炭化室を有していて、コークス製造は窯出しスケジュールに従い、数窯置きに石炭装入、乾留、コークス窯出しというサイクルを繰り返している。炭化室の温度は炭化室の両側にある燃焼室の温度を調整することによって管理されている。
【0006】
通常、燃焼室は炉団単位で燃焼制御されるので、炉幅方向に並んだ燃焼室は各燃焼室間で燃焼にばらつきがないことが望ましい。また、一つの燃焼室は炉長方向に並んだ複数のフリュー列からなり、効率良く乾留、窯出しができるよう炉長方向に向かって緩やかな温度勾配をつけるように調整している。炉長方向の燃焼もばらつきがないことが望ましい。
【0007】
燃焼室の炉長方向のフリュー温度分布にばらつきがあると、適性な温度勾配を保つことができずに、乾留不良による品質低下や、押詰まりによる操業トラブルを引き起こす可能性がある。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の炉温測定方法では、燃焼室フリュー列の一部のフリューを測定して燃焼室の温度として代表させるものであり、また、熱電対の測定位置は固定されているため、任意の燃焼室フリューの温度を測定することができず燃焼室における炉長方向の温度バランスを把握することもできない。
【0009】
また、窯を補修して実操業に入る前には低くなった炉温を徐々に上げていく必要があるが、炉長方向の温度バランスは通常状態で最適になるように調整しているので、全体のガス量を絞った状態では炉長方向の温度バランスを崩すことがある。適性なタイミングで昇温時の温度を管理していかないと品質低下や操業トラブルを引き起こすことになる。
【0010】
本発明は以上のような従来のコークス炉燃焼室の温度測定方法における課題を考慮してなされたものであり、燃焼室フリュー列の任意のフリュー温度を測定可能として燃焼室炉長方向の温度バランスを把握することができる温度測定装置を提供し、また、燃焼室の温度推移を操業条件と関連付けて把握することができる温度管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のコークス炉燃焼室の温度測定装置は、コークス炉の炭化室に沿って配列された燃焼室フリュー列のうち、測定対象となるフリューに対し挿脱自在に取り付けられる可搬式の熱電対と、可搬式のケース内に設けられ、各可搬式熱電対から延設された補償導線に個別に接続され可搬式熱電対によって生じた起電力を温度データに変換する変換器と、上記ケース内に設けられ、変換器から出力された温度データを無線で送信する送信手段と、送信手段から送信される温度データを受信する受信手段とを備えてなることを要旨とするものである。
【0012】
本発明の温度測定装置に従えば、燃焼室フリュー列のうち測定を所望するフリューに可搬式熱電対が取り付けられ、燃焼室の燃焼が開始されると、可搬式熱電対によってフリュー内の温度が検出され、発生した起電力は補償導線を通じて変換器に与えられる。変換器では上記起電力を温度データに変換して送信手段に与え、送信手段から無線送信された温度データは受信手段によって受信される。上記可搬式熱電対および上記ケースはセットとして炉幅方向にも炉長方向にも移動させることができ、それにより、任意の燃焼室のフリュー温度を測定することができるようになる。
【0013】
上記可搬式熱電対としては、二重シース構造からなる熱電対を用いることが好ましい。
【0014】
また、上記受信手段は、原料炭を貯蔵するコールビン近傍に設けることが好ましい。コールビンは通常、炉幅方向の略中央に配置されているため、受信手段をそのコールビン近傍に配置すれば、可搬式の熱電対およびケースの移動範囲の略中央に受信手段が位置することになり送信手段の出力は比較的小さいもので足りるようになる。
【0015】
本発明のコークス炉燃焼室の温度管理システムは、上記構成を有する温度測定装置と、受信手段を介して受信した温度データが与えられるコントローラと、このコントローラに接続される出力装置とを有し、上記コントローラは、受信した温度データとコークス炉操業における操業データとを関連付けて出力装置に出力する温度管理手段を備えてなることを要旨とするものである。
【0016】
本発明の温度管理システムに従えば、可搬式熱電対によって測定された燃焼室の温度が測温データとしてコントローラに与えられ、コントローラの温度管理手段は温度データを出力装置としての例えばパソコン端末の画面上に表示するため、可搬式熱電対が設置された燃焼室の温度をリアルタイムで監視することができる。また、温度データは操業データと関連付けられるため、例えば装入時の燃焼室温度、窯出し時の燃焼室温度等を容易に確認することができる。
【0017】
上記コントローラは、コークス炉の燃焼方式における燃焼と排気が切り替えられるタイミングに基づき、受信した温度データを燃焼から排気までの1サイクル分について平均し、平均温度データを出力装置に出力する平均温度算出手段を備えることができる。それにより、燃焼と排気を繰り返す燃焼方式により燃焼室フリュー内の温度が変動しても温度データが1サイクル分の平均温度として出力装置に出力されるため、燃焼室フリュー内の温度傾向を正確に把握することができるようになる。
【0018】
また、上記温度管理手段から出力される平均温度データ、および操業データと関連付けられた温度データを記憶する記憶装置を備えれば、この記憶装置をコークス炉操業の温度制御を行うためのデータベースとして使用することができるようになる。
【0019】
また、上記温度管理手段に与える操業データとしては、原料炭装入時刻,燃焼室における燃焼と排気の切替タイミング、窯出時刻、押出電力、原料炭性状等が示される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るコークス炉燃焼室の温度測定装置および温度管理システムによれば、燃焼室フリュー列の任意のフリュー温度を測定できるため、燃焼室フリュー列について温度バランスを把握することができる。
【0021】
また、記憶装置を備えた温度管理システムによれば、平均温度データ、および操業データと関連付けられた温度データがその記憶装置に蓄積されデータベースとして機能するため、燃焼室の温度傾向を把握することができ、燃焼室フリュー列の温度制御に反映させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に示した一実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る温度測定装置および温度管理システムが適用されるコークス炉の全体構成を示したものである。
【0024】
コークス炉1は、石炭が装入される炭化室2とその炭化室2を加熱する燃焼室3とが炉幅方向に交互に配置されて1つの炉が形成されている。
【0025】
燃焼室3の下方には蓄熱室4が設けられており、この蓄熱室4を介して燃料ガスと空気が燃焼室3に導入されるとともに、燃焼によって発生した排ガスをコークス側煙道5、押出側煙道6に案内するようになっている。
【0026】
炭化室2に装入された石炭は乾留終了後、押出側(P/S)から押出機によって反対側のコークス側(C/S)からコークス炉外に押し出される。
【0027】
各炭化室2の上部には上昇管7がそれぞれ配設され、各上昇管7はコレクチングメイン管8に接続されて集合するようになっており、乾留中に発生するCOGを回収している。
【0028】
また、各炭化室2の上部には炉長方向に石炭を装入するための複数の装入孔9が配列され、各燃焼室3の上部には炉長方向に、各フリューの燃焼状態を確認するための複数のフリュー孔10が配列されている。
【0029】
図2は燃焼室フリュー列3Aを炉幅方向から見た側面図であり、プッシャ側の二つの燃焼室3に熱電対11a,11bが挿入され、中央部に一つの熱電対11cが挿入され、コークス側の二つの燃焼室3に熱電対11d,11eがそれぞれ挿入されている。これらの熱電対11a〜11eは測定時に取り付けられる可搬式のものである。
【0030】
上記各熱電対11a〜11eは補償導線12に接続され、この補償導線12は炉長方向に配索されて測定ボックス13に接続されている。
【0031】
図3は図2に示した熱電対11a〜11eの配置を平面から見たものである。
【0032】
炭化室2を挟んでその両側に配置されている燃焼室フリュー列3Aの温度を測定するため、一方の燃焼室フリュー列3Aには熱電対11a〜11eが取り付けられ、他方の燃焼室フリュー列3A′にはその熱電対11a〜11eと対向して熱電対11a′〜11e′が設けられている。なお、図3では熱電対11a〜11eの配置が明瞭になるように燃焼室フリュー列3Aおよび3A′は炉幅方向の次列で示している。
【0033】
熱電対11a〜11eは補償導線12を介し、11a′〜11e′は別の補償導線12′を介し、それぞれ上記測定ボックス13に接続されている。なお、図中、11f,11f′は従来から燃焼室3に設置されている固定式の熱電対である。本実施形態では10本の可搬式熱電対11a〜11eおよび11a′〜11e′と、2本の固定式熱電対11f,11f′を使用して燃焼室3の温度を測定する。
【0034】
図4は熱電対11aを代表してその構成を拡大して示したものであり、同図(a)はフリュー孔10の開口部に設けられるフリュー蓋を平面から示し、同図(b)は燃焼室3内に挿入された熱電対11aを示している。
【0035】
図4(a)において、フリュー孔10には通常、穴の空いていないフリュー蓋が取り付けられているが、本実施形態では、燃焼室温度を測定する際に上記フリュー蓋を、観察用孔14aと熱電対挿入孔14bが形成されているフリュー蓋14に交換する。
【0036】
図4(b)において、燃焼室3の上端部には上部水平煙道3aが連続しており、この上部水平煙道3aの上側から炉体上面15に点検孔3bが通じている。
【0037】
3cは点検孔3bの下端に相当するフリュートップであり、このフリュートップ3cに熱電対11aの先端が位置するように熱電対11aが設置される。
【0038】
本実施形態に使用する熱電対11aは、例えば岡崎製作所製の二重シース構造の高温用熱電対を使用することが好ましい。二重シース構造では熱電対線を収納した絶縁軸が内側シースと外側シースとによって二重に被覆されており、例えばφ6.4mmの熱電対線を二重シースしたものは一重シース構造のものに比べ寿命を約3倍延長させることができることが耐久試験で確認されている。
【0039】
また、従来の磁性管を保護管とする構造の固定式熱電対では略2m長さのものを燃焼室内に挿入しようとすると、燃焼室温度に慣らすのに20分程度の時間を費やす必要があったが、本実施形態の二重シース構造ではその慣らしを必要とせず即座に挿入することができるという利点がある。
【0040】
また、この熱電対11aは耐熱型の補償導線12に接続されるが、炉体上方を作業車が走行するため、その作業車と干渉しないように配索する必要がある。
【0041】
そこで、本実施形態では熱電対11aと補償導線12との間にカプラ16を介設するとともに、そのカプラ16の熱電対11a接続側のチューブ16aをL字状に湾曲させている。このように補償導線12を垂直に立ち上げず炉体上面に沿うようにして配索することにより、作業車との干渉を避けることができるようになっている。
【0042】
図2に戻って説明する。
【0043】
上記補償導線12が接続される測定ボックス(可搬式のケース)13は、持ち運びに容易なようにアルミ製のケースを有し、このケースは雰囲気温度が高くしかも粉塵の多い環境に耐えるように防塵、防滴構造となっている。また、ケース外壁には炉幅方向に延設されている手摺16に掛けることができるようにフック13aが備えられ、ケース内には各種機器を冷却するためのサーモクーラが内蔵されている。
【0044】
それにより、測定対象となる燃焼室を変更する場合には、熱電対11a〜11e、熱電対11a′〜11e′、補償導線12および12′および測定ボックス13をワンセットとして移動させることができるようになっている。
【0045】
なお、手摺16の近傍には炉幅方向に所定の間隔でコンセントが設けられているため、測定ボックス13の電源はそれらのコンセントのいずれかに接続することによって供給を受けることができる。
【0046】
図5は上記測定ボックス13を用いた燃焼室温度管理システムの構成を示したものである。
【0047】
測定ボックス13には熱電対11a〜11eが変換器13bを介して接続されており、各変換器13bから出力される測定データはPLC(Programmable Logic Controller)13cに与えられる。
【0048】
なお、説明を簡単にするため、熱電対11a〜11eと構成が同じ熱電対11a′〜11f′および補償導線12′については説明を省略する。
【0049】
PLC13cはCPU(Central processing Unit)を備えており、予めプログラムされた処理内容に従って測定データを処理することが可能であるが、ここでは単に熱電対11a〜11eからの測定データを、ワイヤレスモデム(送信手段)13dに転送するだけである。ワイヤレスモデム13dは転送された測定データをアンテナ13eから送信するようになっている。
【0050】
送信された測定データはコールビン近傍(固定位置)に設置されている固定局17のワイヤレスモデム(受信手段)17aによって受信され、この受信された測定データはケーブル17bを通じ、炉に付帯する計算機室に配置されたコントローラ18に与えられる。
【0051】
原料炭を蓄え、装入車に供給するためのコールビンは、通常、コークス炉の炉幅方向略中央に位置しているため、固定局17をそのコールビン近傍に配置すれば、可搬式の熱電対をコークス炉の炉幅方向一方側の燃焼室に取り付けても、また、他方側の燃焼室に取り付けても測定ボックス13までの距離は略同じになるため、ワイヤレスモデム13dを比較的出力の低いもので構成することができるという利点がある。
【0052】
測定データはそのコントローラ18で処理され(後述する)、イーサーネット19に接続されているデータベース(記憶装置)20およびパソコン端末(出力装置)21に送られる。また、コントローラ18はDCS(Distributed Control System)22にも接続されているため、そのDCS22を通じて操業条件等のデータを取り込むことが可能である。
【0053】
次に、上記燃焼室温度管理システムの動作について図5を参照しつつ図6に従って説明する。
【0054】
なお、燃焼室の温度測定を行う前提として、パソコン端末21のキーボードから測定しようとする燃焼室番号、フリュー番号がそれぞれ入力され、測定対象の燃焼室フリューが特定されているものとする。
【0055】
図6において、熱電対11a〜11fから出力される起電力は各変換器13bによって燃焼室温度を表す温度データに変換され、ワイヤレスモデム13dから送信される。
【0056】
送信された温度データは固定局17のワイヤレスモデム17aによって受信され、ケーブル17bを通じてコントローラ18に与えられる。
【0057】
このコントローラ18には温度補正部18aが設けられ、まず温度データの補正が行われる。詳しくは、熱電対11a〜11fによって測定された燃焼室温度は炉底を測定したものではないため、温度データに補正係数を乗算する。
【0058】
上記補正係数は、炉底を測定することのできる放射温度計によって測定された実測測温データと、先に熱電対11a〜11fによって測定された測温データとの相関から求められたものであり予め内部メモリ18bに記憶されている。
【0059】
温度補正部18aは受信した温度データを補正した後、補正温度データをパソコン端末21の画面上にリアルタイムで表示する。それにより、燃焼室3内の現在の温度を画面上で監視することができる。
【0060】
一方、DCS22は固定式熱電対11fによって測定された燃焼室フリュー列中央部分の温度データおよび操業データを収集しており、これらの温度データ、操業データをコントローラ18の温度管理部18cに与えるようになっている。上記操業データとは、具体的には装入時刻、燃焼と排気の切替タイミング、窯出し時刻、押出電力、原料炭性状等である。なお、操業データはそのままパソコン端末21にも与えられ画面上に表示されるようになっている。
【0061】
また、窯出完了時には測定開始からの温度履歴と関連データを記載した帳票を出力するようになっている。
【0062】
上記操業データを受けることによって温度管理部(温度管理手段)18cは燃焼と排気の切替タイミングを知ることができ、そのタイミングを基準として測定データの平均処理を行うよう平均温度算出部(平均温度算出手段)18dに指令する。
【0063】
コークス炉の燃焼方式では20分置きに燃焼と排気を繰り返すという特徴があるため、各時点での測定データに基づいて燃焼室温度の傾向を監視するよりも燃焼/排気の1サイクル分(40分間)の平均値で燃焼室温度の傾向を監視した方が正確になる。
【0064】
そこで、平均温度算出部18dは熱電対11a〜11fによって刻々測定され、補正温度データについて40分の平均値を求め、その平均測温データをパソコン端末21の画面上に表示する。
【0065】
また、温度管理部18cは、DCS22によって収集された操業データと熱電対11a〜11fによって測定された測定データとを関連付け、データベース20に格納する。
【0066】
したがってデータベース20には温度測定開始から窯出しまでの燃焼室温度の履歴が蓄積されることになる。この履歴はパソコン端末21からアクセスしてパソコン端末21の画面上に表示させることができるようになっている。
【0067】
なお、上記実施形態では測定点を増やすために従来から設けられている固定式熱電対も利用したが、可搬式熱電対だけで燃焼室温度を測定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明が適用されるコークス炉の構成を示す一部切欠きを有する斜視図である。
【図2】燃焼室に対する可搬式熱電対の配置を示した側面断面図である。
【図3】燃焼室に対する可搬式熱電対の配置を平面から示した説明図である。
【図4】(a)はフリュー孔に取り付けられるフリュー蓋の平面図、(b)は可搬式熱電対の拡大側面図である。
【図5】本発明に係る燃焼室温度管理システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る燃焼室温度管理システムの動作を説明するフロー図である。
【図7】従来の燃焼室温度測定方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1 コークス炉
2 炭化室
3 燃焼室
3a 上部水平煙道
3b 点検孔
3c フリュートップ
4 蓄熱室
5 コークス側煙道
6 押出側煙道
7 上昇管
8 コレクチングメイン管
9 装入孔
10 フリュー孔
11a〜11e,11a′〜11e′ 可搬式熱電対
11f,11f′ 固定式熱電対
12,12′ 補償導線
13 測定ボックス
13b 変換器
13c PLC
13d ワイヤレスモデム
14 フリュー蓋
15 炉体上面
16 カプラ
17 固定局
17a ワイヤレスモデム
18 コントローラ
19 イーサーネット
20 データベース
21 パソコン端末
22 DCS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コークス炉の炭化室に沿って配列された燃焼室フリュー列のうち、測定対象となるフリューに対し挿脱自在に取り付けられる可搬式の熱電対と、
可搬式のケース内に設けられ、各可搬式熱電対から延設された補償導線に個別に接続され上記可搬式熱電対によって生じた起電力を温度データに変換する変換器と、
上記ケース内に設けられ、上記変換器から出力された温度データを無線で送信する送信手段と、
上記送信手段から送信される温度データを受信する受信手段とを備えてなることを特徴とするコークス炉燃焼室の温度測定装置。
【請求項2】
上記可搬式熱電対として二重シース構造からなる熱電対が用いられる請求項1記載のコークス炉燃焼室の温度測定装置。
【請求項3】
上記受信手段が、原料炭を貯蔵するコールビン近傍に固定配置されている請求項1または2記載のコークス炉燃焼室の温度測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の温度測定装置と、
上記受信手段を介して受信した上記温度データが与えられるコントローラと、
このコントローラに接続される出力装置とを有し、
上記コントローラは、受信した上記温度データとコークス炉操業における操業データとを関連付けて上記出力装置に出力する温度管理手段を備えてなることを特徴とするコークス炉燃焼室の温度管理システム。
【請求項5】
上記コントローラは、コークス炉の燃焼方式における燃焼と排気が切り替えられるタイミングに基づき、受信した上記温度データを燃焼から排気までの1サイクル分について平均し、平均温度データを上記出力装置に出力する平均温度算出手段を備えてなる請求項4記載のコークス炉燃焼室の温度管理システム。
【請求項6】
上記温度管理手段から出力される平均温度データ、および操業データと関連付けられた温度データを記憶する記憶装置を有する請求項4または5記載のコークス炉燃焼室の温度管理システム。
【請求項7】
上記操業データとして原料炭装入時刻,燃焼室における燃焼と排気の切替タイミング、窯出時刻、押出電力、原料炭性状等が上記温度管理手段に与えられる請求項4〜6のいずれか1項に記載のコークス炉燃焼室の温度管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−70079(P2006−70079A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252010(P2004−252010)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000156961)関西熱化学株式会社 (117)
【Fターム(参考)】