説明

コーティングされた大豆製品およびコーティング方法

コーティングされた大豆製品の水分レベルが、コーティングされていない大豆製品の水分レベルと実質的に同じである、大豆製品又は粉をコーティングする方法を記載する。また、本発明の方法を使用して製造されるコーティングされた大豆製品又はコーティングされた粉も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子のコーティング、特に大豆製品又は粉のコーティングに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2002年8月14日に出願された、米国仮出願第60/403597号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
食品産業におけるコーティング技術の使用は急速に増加している。これには、純粋な材料又は混合物を別の材料の中に入れてコーティングする又は閉じ込めることが必要である。コーティングされる又は閉じ込められる材料は、通常、液体であるが、固体又は気体とすることもできる。コーティングされた食品の数は、より費用効果の高い調製技術および材料の導入で、顕著に増加した。しかし、製造費用を低減し、食品用材料の数を増加する必要があるだけでなく、安定性、分散性、濡れ性、放出制御、および食品成分の送達に関する問題に対処する必要がある。
【0004】
コーティング技術によって食品産業に多くの利益がもたらされる。例えば、このような技術によって、香味、芳香、安定性、外観、栄養価、および食品の食感を改善することができる。また、それによって、食品成分を更に取扱い易くすること、更に溶解し易くすること、水分、熱、又は他の極端な条件から保護すること、および酸化に対する安定性を増大することができる。栄養価および感覚的な品質が必ず少なくとも元の食品に等しいことが重要である。また、食品用途では、安全で無毒の可食性コーティング材料を有することも重要である。
【0005】
特定の健康問題をターゲットにする栄養補助食品成分および製品は、ある一定のビタミンおよびミネラルが一因となる異臭を低減し、栄養分の徐放を可能にし、極端な温度および水分に対する安定性を向上させ、他の成分との望ましくない化学的相互作用を低減することができる。変色、油焼け、水の吸収、および酵母の増殖を抑制することができる。流動性を改善し、凝集やケーキングを低減することができる。コーティングされた膨張剤を使用して、ベーカリー製品の食感や外観を改善することができる。また、大豆ベースの製品などの栄養補助スナックも、押出し加工中、香味を保護するため、又は分散性若しくは濡れ性を改善するため、コーティングを使用してもよい。
【0006】
大豆製品を頻繁に摂取する人は、乳癌、大腸癌、肺癌、および前立腺癌を含む多くの種類の癌の割合が低い。また、これらの人は、心臓病の割合もずっと低い。研究により、大豆蛋白質を規定食に加えると、コレステロールレベルを劇的に低下させることができ、心臓病のリスクを顕著に低減できることが分かった。健康的な規定食の一部として、大豆食品は、糖尿病および腎臓病の抑制に役立つこともでき、骨粗鬆症のリスクを低減する場合もある。
【0007】
しかし、食品用途において、成分の送達および保護を改善すると同時に費用の問題に対処するため、コーティング技術を改善する必要がある。
【0008】
マイクロカプセル化は、固体、液体、又は気体の小粒子(概ね直径1〜1000ミクロン)が第2の材料に内包され、マイクロカプセルを形成する方法と定義されてきた(非特許文献1)。
【0009】
(非特許文献2)には、食品産業におけるカプセル化の概説が記載されている。
【0010】
1993年4月29日に公開された(特許文献1)には、水で戻したときに脂肪代替物として使用されてもよい、マイクロカプセル化された乾燥蛋白質食品が記載されている。
【0011】
1994年4月28日に公開された(特許文献2)には、可食性脂肪酸とグリセロール又はポリグリセロールとの部分エステルである、泡立て用又は空気混和用乳化剤などの脂質の性質を有する有機エステルから選択される食品改良用界面活性物質を含有する自由流動性の噴霧乾燥粉末製品が記載されている。
【0012】
粉末状又は顆粒状材料などの小さい固体粒子をコーティングする装置および方法が、1997年3月6日公開の、本願特許出願人に譲渡された(特許文献3)に記載されている。この方法には、コーティング材料を含む液体組成物(液体組成物は、溶液、スラリー、又は溶融物のいずれかである)を流量制限器に計量供給し、液体組成物の計量供給と同時に流量制限器を通してガス流を噴射し、流量制限器の出口に乱流ゾーンを作り出し、それによって液体組成物を霧化することが必要である。ガス流は、流量制限器を通して噴射する前に加熱される。固体粒子は、液体組成物の計量供給および加熱ガスの噴射と同時に乱流ゾーンに加えられ、固体粒子は霧化された液体組成物と混合される。乱流ゾーンにおける混合によって、固体粒子はコーティング材料でコーティングされる。
【0013】
本願特許出願人に付与された(特許文献4)には、(特許文献3)の装置、並びに、作物保護固体粒子をコーティングする方法における該装置の使用が開示されている。コーティングは水溶性であり、コーティング厚さは、厚さではなく重量パーセントで表されている。
【0014】
2000年1月18日にウィソン(Wysong)らに発行された米国特許公報(特許文献5)には、直径が0.5〜50μmの範囲の非水溶性コーティング材料でコーティングされた単核作物保護固体粒子を含む作物保護組成物が記載されている。この組成物は、コーティングされた粒子の凝集が実質的に生じない方法で製造される。
【0015】
出願人の譲受人の同時係属中の出願(出願番号第10/174,687、2002年6月19日出願、代理人整理番号BB−1879US NA)には、最大直径が0.5〜20.0mmの範囲の食品粒子を液体コーティング材料でドライコーティングする方法が開示されている。コーティングされた食品粒子は、コーティングされていない食品粒子の水分レベルと実質的に同じ水分レベルを有する。また、サイズが5μm〜5mmの範囲の凍結液体粒子を液体コーティング材料でカプセル化する方法も開示されている。
【0016】
本願明細書と同時に出願された、出願人の譲受人の同時係属中の仮出願(代理人整理番号CL2101、CL2148、CL2150,CL2178、およびPTIsp1255)には、本出願の対象が開示されており、これらの仮出願は、特に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
米国特許公報(特許文献6)、および米国特許公報(特許文献7)には、比較的大きいペレット、顆粒、および粒子を空気流中に浮遊させると同時に、液体の形態のコーティング材料を粒子と混合させる粒子コーティング方法が開示されている。
【0018】
2002年5月1日チェルクリ(Cherukuri)らに発行された米国特許公報(特許文献8)には、固体マトリックス添加剤が自由流動状態でスプレー噴射される、供給原料のカプセル化方法および装置が記載されている。
【0019】
(非特許文献3)には、食品成分のマイクロカプセル化技術の概説が記載されている。
【0020】
【特許文献1】国際公開第93/07761号パンフレット
【特許文献2】国際公開第94/08468号パンフレット
【特許文献3】国際公開第97/07879号パンフレット
【特許文献4】国際公開第97/07676号パンフレット
【特許文献5】米国特許第6,015,773号明細書
【特許文献6】米国特許第3,241,520号明細書
【特許文献7】米国特許第3,253,944号明細書
【特許文献8】米国特許第6,224,939B1号明細書
【特許文献9】米国特許第3,897,574号明細書
【特許文献10】米国特許第3,488,770号明細書
【特許文献11】米国特許第4,454,804号明細書
【非特許文献1】サングアンスリ(Sanguansri)ら、新規成分のマイクロカプセル化、研究報告:食品成分のマイクロカプセル化の研究の機会、食品科学オーストラリア、2001年5月(Microencapsulation for Innovative Ingredients A Scoping Study:Opportunities for Research into the Microencapsulation of Food Ingredients,Food Science Australia,May 2001)
【非特許文献2】ギブス(Gibbs)ら、国際食品科学および栄養誌、第50巻、213〜224頁(1999年)(International Journal of Food Sciences and Nutrition,vol.50:213−224(1999))
【非特許文献3】シャヒディ(Shahidi)ら、食品科学および栄養の批判的概説、33(6)、501〜547頁(1993年)(Critical Reviews in Food Science and Nutrition,33(6):501−547(1993))
【非特許文献4】キャンベル(Campbell)ら、(1985年)新規蛋白質食品、アルツシュルおよびウィルケ版、アカデミック・プレス、第5巻、10章、種子貯蔵蛋白質、302〜338頁((1985)in New Protein Foods,ed.by Altschul and Wilcke,Academic Press,Vol.5,Chapter 10,Seed Storage Proteins,pp302−338)
【非特許文献5】ホーラン(1985年)新規蛋白質食品、アルツシュルおよびウィルケ版、アカデミック・プレス、第1A巻、8章、367〜414頁(Horan(1985)in New Protein Foods,ed.by Altschul and Wilcke,Academic Press,Vol.1A,Chapter 8,pp367−414))
【非特許文献6】ロキー(1983年)飼料製造技術III、222〜237頁(Rokey(1983)Feed Manufacturing Technology III,222−237)
【非特許文献7】ハンター、R.S.(Hunter,R.S.)(1952年、「3つのフィルターを用いた光電三刺激値直読法」、回状429、米国商務省国立標準局)(1952,“Photoelectric Tristimulus Colorimetry with Three Filters”,Circ.C.429,U.S.Dept.Comm.Natl.Bur.Std.U.S.)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、
(a)流量制限器を通して液体コーティング材料を計量供給する工程、
(b)工程(a)と同時に、流量制限器を通してガス流を噴射し、(i)液体コーティング材料を霧化し、(ii)ガス流と霧化された液体コーティング材料との乱流を作り出す工程であって、ガス流が任意選択的に加熱される工程、
(c)工程(a)および(b)と同時に、大豆製品を乱流領域に加える工程であって、大豆製品が、霧化された液体コーティング材料と混合され、コーティングされた大豆製品を提供する工程、
を含む、大豆製品をコーティングする方法を包含する。
【0022】
第2の実施形態では、本発明は、工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰返す工程を包含し、液体コーティング材料は同じであるか、又は異なる。
【0023】
この方法は、大豆蛋白質単離物、大豆濃縮物、大豆ミール、大豆子葉繊維、脱皮大豆、大豆胚軸、大豆グリッツ、大豆チップ、大豆粉、組織状大豆蛋白質(textured soy protein)および大豆フレークなど、どの大豆製品でも実施することができる。
【0024】
別の態様では、液体コーティング材料は、甘味剤、食品用香味付与剤又は増強剤、食用色素、食品用芳香剤、凝固防止剤、保湿剤、抗微生物剤、酸化防止剤、表面改質剤、炭水化物、蛋白質、脂質、ミネラル、栄養補助剤、乳化剤、又はこれらの混合物よりなる群から選択される。
【0025】
更に別の態様では、本発明は、本発明の方法により製造されるコーティングされた大豆製品、このようなコーティングされた大豆製品の食品用途における使用、並びに、本発明の方法により製造されるコーティングされた大豆製品を含む食品、栄養補助食品、飲料、乳児用調合乳、ペットフード、および動物用飼料の使用を包含する。
【0026】
第3の実施形態では、本発明は、
(a)流量制限器を通して液体コーティング材料を計量供給する工程、
(b)工程(a)と同時に、流量制限器を通してガス流を噴射し、(i)液体コーティング材料を霧化し、(ii)ガス流と霧化された液体コーティング材料との乱流を作り出す工程であって、ガス流が任意選択的に加熱される工程、
(c)工程(a)および(c)と同時に、粉を乱流領域に加える工程であって、粉が、霧化された液体コーティング材料と混合され、コーティングされた粉を提供する工程、
を含む、粉をコーティングする方法を包含する。
【0027】
別の態様では、粉は、大豆粉、小麦粉、オート麦粉、ライ麦粉、大麦粉、米粉、雑穀粉、およびトウモロコシ粉よりなる群から選択される。
【0028】
更に別の態様では、液体コーティング材料は、甘味剤、食品用香味付与剤又は増強剤、食用色素、食品用芳香剤、凝固防止剤、保湿剤、抗微生物剤、酸化防止剤、表面改質剤、炭水化物、蛋白質、脂質、ミネラル、栄養補助剤、乳化剤、又はこれらの混合物よりなる群から選択される。
【0029】
更に他の態様では、本発明は、工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰返す工程を更に含み、液体コーティング材料は同じであるか、又は異なる。
【0030】
また、本発明の方法により製造されるコーティングされた粉、並びに、本発明の方法で製造されるこのようなコーティングされた粉を含む食品、焼いた食品、スナック食品も本発明の対象となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本明細書で参照する全ての特許、特許出願、および出版物は、参照によりそれらの内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
本開示の文脈では、多くの用語が使用される。
【0033】
本明細書で使用する場合、「大豆製品」の用語は、大豆加工に由来する任意の製品を指す。
【0034】
本明細書で使用する場合、「粉」の用語は、粗挽き粉を微粉砕したものを指し、食品粉と非食品粉の両方を包含する。
【0035】
本明細書で使用する場合、「コーティング」の用語は、少なくとも1種類の液体コーティング材料の1種類又は複数種類の粒子上への、および/又は1種類又は複数種類の粒子中へのある程度の付着、吸着、充填(loading)および/又は組込みを指す。コーティングは、どのような厚さであってもよく、必ずしも一様ではなく、表面全体が必ずしもコーティングされていない。本明細書で使用する場合、「ドライコーティング」の用語は、コーティングされる粒子がその乾燥形態でコーティングされるコーティング方法を指し、方法は、コーティング前に粒子を液体の連続相に分散させることを必要とせず、粒子は方法の終わりに、そのコーティングされていない形態と比較して、水分レベルが実質的に増加していない。「コーティング」および「ドライコーティング」の用語は、本明細書では互換的に使用される。本明細書で使用する場合、コーティングの用語は、コーティングされた粒子がコーティングを通しての酸化又は揮発性物質の拡散から保護されていることを必ずしも含意しない。
【0036】
本明細書で使用する場合、「水分レベル」の用語は、コーティング前後に食品粒子中に存在する水分(例えば、水又は溶媒)の量のことを言う。
【0037】
本明細書で使用する場合、「酸化」の用語は、ある元素の原子が電子を失い、それによって更に電気陽性になる方法を指す。元素の原子価はそれに対応して増大し、その結果、脂溶性ビタミンの破壊、天然色の損失、芳香および香味の低減又は変化、並びに毒性代謝産物の生成が起こる。
【0038】
本明細書で使用する場合、「サイズ」の用語は、コーティングされる粒子の最大直径又は最長軸を指す。
【0039】
本明細書で使用する場合、「揮発性物質」の用語は、比較的低温で容易に蒸発できる、即ち、迅速に蒸発する化合物又は材料を指す。「揮発性物質」は、例えば、食品内の揮発性芳香物質、食品中に拡散し、「異」味又は「異」臭を引き起こす場合がある環境中の揮発性物質、又は気体の形態の水分を指してもよい。
【0040】
本発明は、
(a)流量制限器を通して液体コーティング材料を計量供給する工程、
(b)工程(a)と同時に、流量制限器を通してガス流を噴射し、(i)液体コーティング材料を霧化し、(ii)ガス流と霧化された液体コーティング材料との乱流を作り出す工程であって、ガス流が任意選択的に加熱される工程、
(c)工程(a)および(b)と同時に、大豆製品を乱流領域に加える工程であって、大豆製品が、霧化された液体コーティング材料と乱流領域で混合され、コーティングされた大豆製品を提供する工程、
を含む、大豆製品をコーティングする方法を包含する。
【0041】
このため、コーティングされる粒子が十分にコーティングされるように、確実に処理槽内に長時間滞留するように、流動床内でバッチ式の逐次的コーティングが施される流動床装置とは異なり、本発明の方法は、このようなバッチ式の逐次的コーティングを必要とすることなく実施される。実際に、本発明の方法は、コーティングが起こる領域での滞留時間が極端に短い、実質的に「ワンパスの」方法と考えることができる。
【0042】
別の態様では、前述の方法は、工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰返す工程を更に含み、液体コーティング材料は同じであるか、又は異なる。
【0043】
このため、コーティングされた大豆製品を液体コーティング材料の組合せでコーティングし、分散性、濡れ性、酸化安定性を向上させ、貯蔵寿命を延ばすことができる。更に、香味、色、芳香などの独自の組合せを粒子上にコーティングすることができる。このように塗布される複数のコーティングによって、所望の色、香味、および新鮮さの態様を有するコーティングされた大豆製品を独自に作製することができ、その各コーティングは、粒子に後で塗布される層との混合が最小限であるという点で、元の完全性と機能を保持する能力を有する。
【0044】
更に、このような大豆製品を同じ液体コーティング材料で複数回、更にコーティングすることができ、特許請求する方法により、コーティング材料の厚さが特に制御されている大豆製品を得ることができる。同じ液体コーティング材料で複数回コーティングされているこのような大豆製品を、連続方法でコーティングすることができる。第1の装置の産出物を連続方法の第2の装置の供給に送給することによって、粒子に複数のコーティングを提供することもできる。
【0045】
本発明の方法には幾つかの利点がある。一般に、噴霧乾燥法に依存する現行のコーティング方法より、本発明の方法は費用効果が高いと考えられる。更に、特に重要な一態様では、本発明の方法には、連続方法として運転される融通性がある。更に、これは、大豆製品が本発明の装置を通過する間、同時に液体コーティングおよび乾燥工程が行われるドライコーティング方法であるため、全体的な粒子の品質が改善されると思われる。また、本発明でコーティングされた粒子が方法全体を通してそのモルフォロジー、構造的完全性、および粒度を保持することが観察されたという点で、大豆製品の粒子の全体的な品質も改善されている。そして重要なことには、コーティングされた粒子の初期水分レベルは、方法中、実質的に変化しない。換言すれば、コーティングされた大豆製品の水分レベルは、コーティングされていない大豆製品の水分レベルと実質的に同じである。水分を損失しておらず過乾燥状態になっていない、又は更に水分を更に吸収して湿ったり、水浸しになったり、又は凝集状態になっていないコーティングされた最終大豆製品が、本方法により得られることが望ましい。
【0046】
本発明の装置および方法の運転には固有の融通性があるため、注意深く制御された独自の特性を有する、高品質のコーティングされた大豆製品を製造することができる。例えば、コーティング液の濃度の値、固体粒子供給と液体コーティング供給の流量、液体供給と固体供給との比、および、ガス流の温度と速度は全て容易に変えることができ、特定の所望の特性を有するこのようなコーティングされた大豆製品粒子が得られる。
【0047】
コーティングされた大豆製品のサイズは、20.0mmを超えてはならない。サイズの下限は、コーティングされる大豆製品、製品の意図される用途、貯蔵条件、液体コーティング材料の種類などによって変わる。
【0048】
好適な液体コーティング材料は、任意の食品、栄養補助食品、飲料、および乳児用調合乳など、どの食品用途にも使用できるものである。ヒトが摂取することを意図された用途には、安全であると一般に認識されている材料(「GRAS」)を通常は利用すべきである。意図される用途が、ペットフード又は動物用飼料に組み込むことである場合、他の液体材料が好適なことがある。
【0049】
例えば、GRASとして認識されている幾つかの材料には、以下に限定されないが、多糖類/ハイドロコロイド(澱粉、寒天/アガロース、ペクチン/ポリペクテート、カラゲナン、および他のガムなど);蛋白質(ゼラチン、カゼイン、ゼイン、大豆およびアルブミンなど);脂肪および脂肪酸(モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、ラウリン酸、カプリン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸、およびそれらの塩など);セルロース誘導体;親水性および親油性ワックス(セラック、ポリエチレングリコール、カルナウバ蝋、又は蜜蝋など);糖誘導体などが挙げられる。
【0050】
このような液体コーティング材料の例には、以下に限定されないが、甘味剤、食品用香味付与剤又は増強剤、食用色素、食品用芳香剤、凝固防止剤、保湿剤、抗微生物剤、酸化防止剤、表面改質剤、炭水化物、蛋白質、脂質、ミネラル、栄養補助剤、乳化剤、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
甘味剤の例には、以下に限定されないが、サッカリン、シクラメート、モネリン、タウマチン、クルクリン、ミラクリン、ステビオサイド、フィロズルチン、グリシルリジン、ニトロアニリン、ジヒドロカルコン、ズルチン、スオサン、グアニジン、オキシム、二酸化オキサチアジノン(oxathiazinone dioxides)、アスパルテーム、およびアリテームなどの糖代替物が挙げられる。また、単糖類およびオリゴ糖類も挙げることができる。単糖類の例には、以下に限定されないが、ガラクトース、フルクトース、グルコース、スルボース、アガトース、タガトース、およびキシロースが挙げられる。オリゴ糖類としては、スクロース、ラクトース、ラクツロース、マルトース、イソマルトース、マルツロース、サッカロース、トレハロースを挙げることができる。同様に使用できる他の甘味剤には、以下に限定されないが、高フルクトースコーンシロップ又は糖アルコールが挙げられる。
【0052】
食品用香味付与剤又は増強剤の例には、以下に限定されないが、グルタミン酸一ナトリウム、マルトール、および5’−モノヌクレオチド(例えば、イノシンなど)等が挙げられる。
【0053】
食用色素の例には、以下に限定されないが、タートラジン、リボフラビン、クルクミン、ゼアキサンチン、β−カロテン、ビキシン、リコピン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、β−アポ−8’−カロテナール、カーモイシン、アマランス、ポンソー(Ponceau)4R(E124)、カルミン(Carmine)(E120)、アントシアニジン、エリスロシン、レッド(Red)2G、インジゴカルミン(Indigo Carmine)(E132)、パテントブルー(Patent Blue)V(E131)、ブリリアント・ブルー(Briliant blue)、クロロフィル、銅クロロフィリン錯体、グリーンS(E142)、およびブラックBN(E151)等が挙げられる。
【0054】
食品用芳香剤の例には、以下に限定されないが、カルボニル化合物、ピラノン、フラノン、チオール、チオエーテル、ジスルフィドおよびトリスルフィド、チオフェン、チアゾール、ピロール、ピリジン、ピラジン、フェノール、アルコール、炭化水素、エステル、ラクトン、テルペン、および揮発性イオウ化合物等が挙げられる。
【0055】
凝固防止剤の例には、以下に限定されないが、ヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、および炭酸マグネシウム等が挙げられる。
【0056】
保湿剤の例には、以下に限定されないが、1,2−プロパンジオール、グリセロール、マニトール、およびソルビトール等が挙げられる。
【0057】
抗微生物剤の例には、以下に限定されないが、安息香酸、PHBエステル、ソルビン酸、プロピオン酸、酢酸、亜硫酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウム、ジエチルピロカーボネート、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、亜硝酸塩、硝酸塩、抗生物質、ジフェニル、o−フェニルフェノール、およびチアベンダゾール等が挙げられる。
【0058】
酸化防止剤の例には、以下に限定されないが、トコフェロール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレート、オクチルガレート、ドデシルガレート、エトキシキン、アスコルビルパルミテート、およびアスコルビン酸等が挙げられる。
【0059】
表面改質剤の例には、以下に限定されないが、モノグリセリド、ジグリセリド、および誘導体、糖エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、およびステアリル−2−ラクチレート等が挙げられる。
【0060】
栄養補助剤の例には、以下に限定されないが、レチノール(ビタミンA)、カルシフェロール(ビタミンD)、トコフェロール(ビタミンE)、フィトメナジオン(ビタミンK1)、よりなる脂溶性ビタミン群、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ニコチンアミド(ナイアシン)、パントテイン酸、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン(ビタミンB12)、アスコルビン酸(ビタミンC)、および多価不飽和脂肪酸(PUFA)よりなる水溶性ビタミン群等よりなるビタミン群が挙げられる。
【0061】
液体コーティング材料中に使用できる他の炭化水素には、寒天、アルギン酸塩、カラゲナン、ファーセレラン(furcellaran)、アラビアゴム、ガティガム(ghatti gum)、トラガカントガム、カラヤガム、グアランガム、ローカストビーンガム、タマリンド粉、アラビノガラクタン、ペクチン、澱粉、加工澱粉、デキストリン、セルロース、セルロース誘導体、ヘミセルロース、キサンタンガム、スクレログルカン、デキストラン、およびポリビニルピロリドン等の多糖類が挙げられる。
【0062】
脂質の例には、以下に限定されないが、飽和および不飽和脂肪酸、モノアシルグルセロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール、リン脂質、糖脂質、ホスファチジル誘導体、グリセロール糖脂質(glycerolglycolipids)、スフィンゴ脂質、リポ蛋白、ジオール脂質、ワックス、およびクチン等が挙げられる。
【0063】
ミネラルの例には、以下に限定されないが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩化物、リン酸塩、鉄、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、バナジウム、クロム、セレン、モリブデン、ニッケル、ホウ素、シリカ、ケイ素、フッ素、ヨウ素、および砒素等の塩が挙げられる。
【0064】
本発明の方法は、大豆加工に由来するどの大豆製品でも実施することができる。大豆製品には、以下に限定されないが、大豆蛋白製品が挙げられる。大豆蛋白製品には3つの主な群がある。これらの群は、蛋白質含有量を基準にしており、40%〜90%超の範囲である。3つの基本的な大豆蛋白製品群は全て(全脂粉を除いて)、脱脂フレークに由来する。それらは、大豆粉およびグリッツ、大豆蛋白質濃縮物、および大豆蛋白質単離物である。大豆加工に由来する他の大豆製品には、大豆繊維、特に、大豆子葉繊維が挙げられる。
【0065】
また、豆全体を出発材料として利用する、伝統的な東洋の方法をベースにする特産品もある。
【0066】
例えば、大豆製品は、大豆蛋白質単離物、大豆濃縮物、大豆ミール、大豆子葉繊維、脱皮大豆、大豆胚軸、大豆グリッツ、大豆チップ、大豆粉、組織状大豆蛋白質、および大豆フレーク等よりなる群から選択することができる。追加の例を表1に記載する。
【0067】
【表1】

【0068】
「加工」は、表1に列記する製品を得るために使用される任意の物理的および化学的方法を指し、以下に限定されないが、丸ごとの種子又は種子の一部の加熱調質(heat conditioning)、フレーク化および粉砕、押出し、溶媒抽出、又は水に浸漬すること、および抽出が挙げられる。更に、「加工」には、丸ごとの種子又は種子の一部から大豆蛋白質を濃縮および単離するのに使用される方法、並びに、発酵大豆食品の調製における様々な伝統的な東洋の方法も挙げられる。これらの製品の多くについて、取引基準および規格(Trading Standards and Specifications)が確立された(米国油糧種子加工業者協会年鑑および取引規則(National Oilseed Processors Association Yearbook and Trading Rules 1991−1992)を参照されたい)。「高蛋白」又は「低蛋白」と称される製品は、これらの標準規格に記載されるものである。「NSI」は、アメリカ油化学会方法(American Oil Chemists’ Society Method)Ac4 41によって定義される水溶性窒素指数(Nitrogen Solubility Index)を指す。「KOH水溶性窒素量(KOH Nitrogen Solubility)」は、大豆ミール品質の指標であり、アラバ(Araba)およびデール(Dale)、「家禽学69:76〜83頁(1990年)(Poult.Sci.69:76−83(1990))」によって記載される条件下における0.036M KOH中に溶解できる窒素の量を指す。「ホワイト」フレークは、脱脂され、制御された湿熱で処理された、NSIが約85〜90のフレーク状の脱皮子葉を指す。また、この用語は、米国標準篩サイズ100番(No.100U.S.Standard Screen size)を通過するように粉砕された、類似のNSIを有する粉を指すことができる。「調理された」は、NSIが約20〜60の大豆蛋白製品、典型的には粉を指す。「トーストされた」は、NSIが20未満の大豆蛋白製品、典型的には粉を指す。「グリッツ」は、米国標準篩サイズ10番〜80番の、脱脂された脱皮子葉を指す。「大豆蛋白質濃縮物」は、脱脂された脱皮大豆から3つの基本的な方法、即ち、酸浸出(pH約4.5)、アルコール(約55〜80%)抽出、および水で抽出する前に湿熱で蛋白質を変性することにより製造される製品を指す。大豆蛋白質濃縮物の調製に典型的に使用される条件は、パス(Pass)、(1975年)米国特許公報(特許文献9);(非特許文献4)により記載されている。「押出し」は、材料の組織を変える手段として高温高圧を使用し、ジャケット付きオーガーに材料(グリッツ、粉、又は濃縮物)を通過させる方法を指す。「組織化」および「構造化」は、材料の物理的特性を改質するのに使用される押出し方法を指す。熱可塑性樹脂押出しを含む、これらの方法の特性は、以前に記載されている(アトキンソン(1970年)米国特許公報(特許文献10);(非特許文献5)。更に、大豆蛋白製品を含む複合食料混合物の押出し加工中に使用される条件は、以前に記載されている(非特許文献6);マッカロック(McCulloch)、米国特許公報(特許文献11))。
【0069】
図1に大豆加工を表す。
【0070】
本明細書に記載する場合、「大豆子葉繊維材料」は、脱皮され、脱脂され、胚を除去された大豆の分画と定義され、大豆蛋白質の7Sおよび11S分画を組合せたものの等電点より実質的に高い、又は低いpH(大豆蛋白質の7S分画の等電点が4.5であり、大豆蛋白質の11S分画の等電点が5.3である場合、典型的には、pH6.0以上、又は3.0以下)を有する水溶液に不溶性である。本明細書で使用する場合、大豆子葉繊維材料には、純粋な大豆多糖類繊維(溶解性および不溶性繊維分画の両方)が包含されるが、また、大豆多糖類繊維と大豆蛋白質および他の微量構成要素(灰分および脂肪など)との組合せを含有する組成物も包含される。例えば、デュポン・プロテイン・テクノロジーズ社(DuPont Protein Technologies Inc.)から入手可能な、市販の大豆子葉繊維材料である、フィブリム(Fibrim)1450は、食物繊維(食物繊維として)80.6重量%、蛋白質(N×6.25%として)12.2重量%、灰分3.6重量%、脂肪(酸加水分解)0.9重量%、および他の微量構成要素を含有する。本明細書で使用する場合、「大豆子葉繊維材料」は、大豆の外皮の繊維を含まない。
【0071】
本発明に有用な大豆子葉繊維材料を市販の大豆粉、大豆グリッツ、大豆ミール、又は大豆フレークから製造してもよい。子葉繊維から蛋白質および水溶性炭水化物を抽出するため、大豆蛋白質の等電点(pH4.5)より実質的に高い、又は低いpHを有する水溶液で大豆粉、大豆グリッツ、大豆ミール、又は大豆フレークを抽出する。好ましくは、水性抽出剤のpHは、約pH6.0より高いか、又はpH3.0より低い。最も好ましくは、水性抽出剤は、pH8.0〜10.0の水性アルカリ溶液、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。或いは、好ましい水性抽出剤は、pH1.0〜3.0の酸溶液、好ましくは塩酸溶液である。
【0072】
子葉繊維材料から蛋白質および水溶性炭水化物を抽出した後、蛋白質および炭水化物を含有する液体抽出物を繊維材料から分離する。抽出物は、遠心分離およびろ過などの慣用的な分離方法で繊維材料から分離されてもよい。
【0073】
本発明で有用な大豆子葉繊維材料は市販されている。例えば、デュポン・プロテイン・テクノロジーズ(DuPont Protein Technologies)から入手可能なフィブリム(FIBRIM)(登録商標)1260およびフィブリム(FIBRIM)(登録商標)1450は、本発明に有用な大豆子葉繊維材料である。
【0074】
本発明の方法で製造されるコーティングされた大豆製品を様々な食品および飲料用途に組込むことができる。例えば、肉(挽肉、乳化された肉、マリネにされた肉、本発明のコーティングされた大豆製品を注入された肉など);栄養補助食品;飲料(栄養飲料、スポーツ飲料、蛋白質強化飲料、ジュース、牛乳、牛乳代替物、減量用飲料など);チーズ(ハードチーズおよびソフトチーズ、クリームチーズ、およびカッテージチーズなど);冷菓(アイスクリーム、アイスミルク、低脂肪冷菓、および非乳製品の冷菓など);ヨーグルト;スープ;プディング;ベーカリー製品;およびサラダドレッシング;並びに、ディップおよびスプレッド(マヨネーズなど);およびチップ用ディップ(chip dips);および棒状の食品などを挙げることができる。
【0075】
また、穀物食品、スナック食品、焼いた食品、揚げた食品、健康食品、乳児用調合乳、飲料、栄養補助食品、乳製品、ペットフード製品、又は動物用飼料などを挙げることができる。
【0076】
穀物食品は、穀粒の加工に由来する食品である。穀粒には、可食性穀粒(種子)を産するイネ科のあらゆる植物が挙げられる。最もよく食べられる穀粒は、大麦、トウモロコシ、雑穀、オーツ麦、キノア麦、米、ライ麦、モロコシ属、ライ小麦、小麦、およびワイルドライスである。穀物食品の例には、以下に限定されないが、全粒穀物、破砕された穀粒、グリッツ、粉、ふすま、胚芽、朝食用シリアル、押出し加工された食品、およびパスタ等が挙げられる。
【0077】
焼いた食品は、前述の穀物食品のいずれかを含み、焼かれているか、又は、焼くことに匹敵する方式で、即ち、熱に曝されて乾燥なる又は硬くなるように加工されたものである。焼いた食品の例には、以下に限定されないが、パン粉、焼いたスナック、ミニビスケット、ミニクラッカー、ミニクッキー、およびミニプレッツェルが挙げられる。
【0078】
スナック食品は、前述又は後述の食品のいずれかを含む。
【0079】
揚げた食品は、前述又は後述の揚げた食品のいずれかを含む。
【0080】
健康食品は、健康上の利益を付与する任意の食品である。油糧種子に由来する多くの食品は、健康食品と見なされてよい。大豆、亜麻仁、胡麻、カボチャ種子、ヒマワリ種子、若しくはこれらの種子から加工された食品を挙げることができ、又は、これらは食品に組み込まれる。例えば、大豆ナゲット、および大豆ナッツを挙げることができる。油糧種子由来の食品の他に、果実由来の食品(フルーツビッツ(fruit bits)、および乾燥ベリー類等)を挙げることができる。
【0081】
飲料は、飲用に適する任意の液体である。例えば、非炭酸ドリンク;炭酸ドリンク;果実ジュース(保存加工していないもの(fresh)、冷凍、缶入り、又は濃縮);静水又はソーダ水;フレーバーミルクドリンク又はプレーンミルクドリンクなどを挙げることができる。大人用および乳児用の栄養調合乳は当該技術分野で周知であり、市販されている(例えば、アボット・ラボラトリーズ、ロス・プロダクツ事業部(Ross Products Division,Abbott Laboratories)製の、シミラック(Similac)(登録商標)、エンシュア(Ensure)(登録商標)、ジェビティ(Jevity)(登録商標)、およびアリメンタム(Alimentum)(登録商標))。
【0082】
乳児用調合乳は、乳児および小児に与えられる液体、又は水を加えて戻される粉末である。それらは、母乳の代替物である。乳児用調合乳は乳児にとって唯一の栄養供給源であることが多いため、乳児用調合乳は乳児の規定食で特別な役割を果たす。依然として、母乳養育が乳児にとって最良の滋養物であるが、乳児用調合乳は、赤ちゃんが生き残るだけでなく成育するのに最良に十分に近い第2の物である。乳児用調合乳は、ますます母乳に近づいている。
【0083】
乳製品は、牛乳に由来する製品である。これらの製品には、以下に限定されないが、全乳、スキムミルク、発酵乳製品(ヨーグルト又は酸乳)、クリーム、バター、コンデンスミルク、粉ミルク、コーヒー用クリーム、アイスクリーム、チーズ、ホエイ製品、ラクトースなどが挙げられる。
【0084】
ペットフード製品は、犬、猫、鳥、爬虫類、魚、および齧歯動物等のペットに与えられることを意図された製品である。これらの製品には、前記の穀物食品および健康食品、並びに、肉および肉副産物、草および干草製品(以下に限定されないが、アルファルファ、オオアワガエリ、カニツリグサ又はスズメノチャヒキ等が挙げられる)を挙げることができる。
【0085】
動物用飼料は、七面鳥、鶏、畜牛、および豚等の動物に与えられることを意図された製品である。前記のペットフードと同様に、これらの製品には、前述の穀物食品および健康食品、肉および肉副産物、並びに、草および干草製品を挙げることができる。
【0086】
別の態様では、本発明には、本発明の方法を使用して製造されるコーティングされた大豆製品、並びに、本発明の方法で製造されるコーティングされた大豆製品の、食品成分、栄養補助食品成分、飲料成分、乳児用調合乳成分、ペットフード成分又は動物用飼料成分としての使用が包含される。
【0087】
更に他の態様では、本発明は、
(a)流量制限器を通して液体コーティング材料を計量供給する工程、
(b)工程(a)と同時に、流量制限器を通してガス流を噴射し、(i)液体コーティング材料を霧化し、(ii)ガス流と霧化された液体コーティング材料との乱流を作り出す工程であって、ガス流が任意選択的に加熱される工程、および、
(c)工程(a)および(c)と同時に、粉を乱流領域に加える工程であって、粉が、霧化された液体コーティング材料と乱流領域で混合され、コーティングされた粉を提供する工程、
を含む、粉をコーティングする方法を包含する。
【0088】
本発明のこの方法は、どの粉でも実施することができ、粉は食品の粉であっても、又は非食品の粉であってもよい。ほとんどの粉は、粒度が概ね10ミクロン〜1,000ミクロンの範囲である。ほとんどの食品粉は穀物から得られる。穀物は、ハイドロコロイドの2つの主な群、即ち、澱粉および微結晶性セルロースの供給源である。(ハイドロコロイドは、多糖類、即ち、繰返し糖単位を有する炭水化物ポリマーである)。微結晶性セルロースは、非繊維状の形態のセルロースである。これは水中に分散するが、溶解性ではない。ほとんどの場合、変性されていない、そのままの形態の微結晶性セルロースが非栄養充填剤、結合剤、および流動促進剤(flow aid)として使用される。
【0089】
本発明の方法を使用してコーティングできる粉の例には、以下に限定されないが、大豆粉、小麦粉、オート麦粉、ライ麦粉、大麦粉、米粉、雑穀粉、トウモロコシ粉、溶解性又は不溶性の食物繊維が挙げられる。溶解性繊維の一般的な供給源は、大麦、オート麦、リンゴ、豆、柑橘類、多くの野菜、エンドウ豆、オオバコ種子、カボチャなどである。不溶性繊維の一般的な供給源は、トウモロコシ、亜麻仁、全粒小麦、および全粒穀物製品などである。精製された穀粒は、繊維が除去されたものである。例えば、白色粉は、精製中に繊維が除去された全粒小麦粉である。
【0090】
同様に、前述の液体コーティング材料のどれも、粉をコーティングするのに好適である。
【0091】
また、本発明の方法は、工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰返す工程を更に含み、液体コーティング材料は同じであるか、又は異なる。
【0092】
別の態様では、本発明は、本発明の方法で製造されるコーティングされた粉を含む食品を包含する。このような食品の例には、以下に限定されないが、焼いた食品、スナック食品が挙げられる。また、本発明の方法で製造されるコーティングされた粉を食品成分として使用することも本発明の範囲内に入る。
【0093】
本発明の方法の実施に使用する装置は、概ね、前述の共有の(特許文献3)に記載される通りである。本発明の装置は、図2に全体を10で示されている。
【0094】
本発明の装置は、図2および図3に12で示される第1のチャンバを備える。流量制限器14は、第1のチャンバの一端に配置される。流量制限器は、典型的には、図2および図3に示されるように、第1のチャンバの下流端部に配置される。流量制限器14は、図3の詳細図に示されるように、出口端部14aを有する。流量制限器は、第1のチャンバとは異なる要素として示されているが、必要に応じて、それと一体に形成されてもよい。本発明の流量制限器は、流量を制限し、それによって流量制限器を通過する流体の圧力を増大させる役割をする限り、様々な構成を有してもよい。典型的には、本発明の流量制限器はノズルである。
【0095】
図2および図3に示される第1の又は液体の入口ライン16は、液体組成物をチャンバに計量供給するため、第1のチャンバと流体連通して配置される。液体入口ライン16は、液体組成物を第1のチャンバ12に計量供給し、流量制限器14の出口、好ましくは、その軸方向長さに沿って見たとき流量制限器の中心を通過させる。液体組成物は、図2に示されるように、液体組成物を収容する貯蔵容器20から計量ポンプ18で液体入口ライン16を通して計量供給される。
【0096】
液体組成物は、コーティング材料として使用する材料が液体中に溶解している溶液であっても、又は、コーティング材料として使用する材料が液体中に溶解していないスラリー若しくはエマルションであってもよい。或いは、液体組成物は、コーティング材料として使用される溶融物であってもよい。溶融物は、融点又は融点より高温であるが、沸点より低温の任意の物質を意味する。これらのどの場合でも、液体組成物は、コーティング材料以外の構成成分を含んでもよい。液体組成物が溶融物である場合、液体組成物を溶融形態に維持するため、貯蔵容器20を液体組成物の溶融温度より高温に加熱しなければならないことに留意されたい。
【0097】
粒子をコーティングする装置は、図2および図3に示されるように、第1のチャンバと流体連通して配置される第2の又はガスの入口ライン22を更に備える。一般に、ガス入口ラインは、流量制限器の上流で第1のチャンバと流体連通して配置されなければならない。ガス入口ライン22は、流量制限器を通して第1のガス流を噴射し、ガス流の乱流を作り出す。乱流は、液体組成物に剪断力を加え、液体組成物を霧化させる。
【0098】
十分な強さを有するガスの乱流が、流量制限器の出口に確実に形成されるように、第1のガス流は、流量制限器に入る前に、ガスを少なくとも音速の半分か、又はそれより高速に加速させるのに十分なよどみ圧を有していなければならない。特定のガス流、例えば、空気又は窒素の音速は、ガス流の温度に依存する。これは、音速Cの式によって表される。
【0099】
【数1】

【0100】
(式中、
k=気体の比熱比、
g=重力加速度、
R=一般気体定数、
T=気体の絶対温度、
である。)
【0101】
このため、第1のガス流の加速度は、ガス流の温度に依存する。
【0102】
前述のように、液体組成物の霧化を引き起こすのは加圧ガスである。液体入口ライン内の液体組成物の圧力は、ガス流の系統圧力を克服するのに十分であればよい。液体入口ラインは、流量制限器14の上流に延びている軸方向長さを有することが好ましい。液体入口ラインが短すぎる場合、流量制限器が詰まる。
【0103】
また、本発明の装置は、流量制限器を通して噴射する前に、任意選択的に第1のガス流を加熱するため、第2の入口ラインに、および流量制限器の上流に配置される手段も備える。好ましくは、加熱手段は、図2に示されるような加熱器24を備える。或いは、加熱手段は、熱交換器、抵抗加熱器、電気加熱器、又は任意の種類の加熱装置を備えてもよい。加熱器24は、第2の入口ライン22に配置される。図2に示されるポンプ26によって、第1のガス流は加熱器24を通り、第1のチャンバ12に搬送される。溶融物をコーティング材料として使用する場合、確実に溶融物が粒子上で固化するように、ガス流を液体組成物の溶融温度くらいに加熱しなければならない。また、装置について前述したように、溶融物を使用する場合、噴射前に溶融物を供給する第1の入口ラインに補助的な熱を提供し、ラインの詰まりを防止することも役立つ。
【0104】
本発明の装置は、図2および図3に示される第1のチャンバを取囲む第2のチャンバ32を更に備える。第2のチャンバは、ガスの乱流を閉じ込める。本発明の装置は、図2および図3に示されるようなホッパ28を更に備える。ホッパ28は、ガスの乱流が作り出された第2のチャンバ32の領域に粒子を導入する。流量制限器の出口端部は、ホッパの下の第1のチャンバ内でホッパの中心線(即ち、ガスの乱流が作り出される領域)に位置決めされることが好ましい。これによって、確実に粒子がガスの乱流に直接導入される。前述のように、乱流は液体組成物に剪断力を加えて液体組成物を霧化させるため、これは重要である。また、粒子を最も容易に供給する構成を提供することによって、その操作性も向上する。更に、剪断力によって、霧化された液体組成物が分散されて粒子と混合し、乱流内で粒子をコーティングすることができる。ホッパ28は、図2に矢印29で示されるように、貯蔵容器30から直接供給されてもよい。本発明のホッパは、液体入口ライン16から乱流ゾーンに入る液体供給物に対して特定の割合で粒子を正確に計量供給する、計量供給装置を備えてもよい。この計量供給によって、粒子上のコーティングレベルが確立される。典型的には、本発明のホッパは、大気に開放されている。溶融物を使用する場合、粒子は周囲温度であることが好ましいが、それによって、最初は更に高温である溶融物が乱流ゾーンで粒子をコーティングした後、溶融物の固化が容易になるからである。
【0105】
本発明の装置は、第2のガス流を第2のチャンバに導入する入口34を更に備える。第2のガス流の入口は、好ましくは、第2のチャンバ32の上流端部に、又はその近傍に位置決めされる。第2のチャンバ32の出口は、図2に36で示されるような捕集容器に接続される。第2のガス流は、乱流の領域内でバッチ式に逐次的にコーティングする傾向を低減する役割をし、コーティングされた粒子を冷却し、図3に矢印31で表されるように捕集容器の方に搬送する。特に、溶液又はスラリーを使用する場合、溶液又はスラリーの固体は乱流ゾーンと容器との間で冷却され、粒子が容器に到達する時までに、溶液又はスラリーの固体を含む固体コーティングが粒子上に形成される。溶融物を使用する場合、液体組成物は乱流ゾーン内で冷却され、粒子が容器に到達する時までに、溶融物を含む固体コーティングが粒子上に形成される。第1のガス流、並びに第2のガス流は、捕集容器36の上部を通して排気される。
【0106】
図2および図3に示される構成では、入口34は、第2のガス流を第2のチャンバに供給する送風器(図示せず)に接続されてもよい。しかし、送風器および第2のチャンバ32はなくてもよく、第1のガス流を使用して粒子を冷却し、それを容器36に搬送してもよい。この場合、溶液若しくはスラリーからの固体、又は溶融物は、乱流ゾーンと捕集容器との間の大気中において粒子上で冷却され、固化し、コーティングされた粒子は捕集容器36内に落下する。
【0107】
乱流が作り出される第2のチャンバの領域の軸方向長さは、第2のチャンバの直径の約10倍であることが好ましい。これによって、流量制限器の出口の圧力を最小限にすることができる。粒子は、図2および図3に示されるように、好ましくはホッパの中心線に位置決めされる流量制限器の出口近傍で第2のチャンバ32に供給される。出口の圧力が大きすぎる場合、粒子はホッパに逆流する。
【0108】
第2のガス流の圧力は、コーティングされた粒子を乱流ゾーンから捕集ゾーンに搬送することを助けるのに十分でなければならないが、第1のガス流の圧力より低くなければならない。これは、粒子をコーティングするのに十分な程度の乱流を作り出すために、第1のガス流と第2のガス流との間に大きい相対速度差がなければならないからである。
【0109】
更に、本発明により、大豆製品又は粉を液体コーティング材料でドライコーティングする方法が提供される。本方法は、固体を液体から分離および/又はろ過することを必要とせずに、コーティングされる材料を装置に供給し、コーティングし、捕集する1工程方法を提供する。
【0110】
本発明の方法は、図2、3および4に表される装置を使用して実施されてもよいが、本発明の方法は、図示される装置に限定されないことを理解されたい。更に、本発明を1回通過又は循環すると、粒子は実質的に又は完全にコーティングされるが、液体コーティング材料の所望の厚さに応じて、2回以上通過させて追加のコーティング材料を粒子に付着させてもよいことに留意されたい。
【0111】
本方法は、液体組成物を、図2および図3に示されるような流量制限器14などの流量制限器に計量供給する工程を含む。装置について前述したように、液体組成物は溶液、スラリー、エマルション、又は溶融物であってよい。
【0112】
本発明の方法は、液体組成物を流量制限器に計量供給すると同時に、例えば、図2および図3に22で示されるようなガス入口ラインから流量制限器を通してガス流を噴射し、流量制限器の出口にガスの乱流を作り出すことを更に含む。乱流ゾーンの剪断力によって液体組成物が霧化する。
【0113】
ガス流は、流量制限器を通して噴射される前に制御される。図2に示される加熱器24のような加熱器で、ガス流を加熱してもよい。装置について前述したように、液体組成物が溶液又はスラリーである場合、溶液又はスラリーの液体を蒸発させ、溶液又はスラリーの固体を残存させるのに十分な温度にガス流を加熱する。液体組成物が溶融物である場合、液体組成物、特に、溶融物を液体(即ち、溶融物)の形態に保つため、ガス流を液体組成物の溶融温度くらいの温度に加熱しなければならない。また、装置について前述したように、溶融物を使用する場合、ラインの詰まりを防止するため、噴射前に溶融物を供給する第1の入口ラインに補助的な熱を提供することも役立つ。
【0114】
また、本発明の方法は、液体組成物の計量供給およびガス流の噴射と同時に、粒子を乱流ゾーンに加える工程も含む。これによって、粒子が霧化された液体組成物と乱流ゾーンで混合される。乱流ゾーンにおけるこのような混合により、粒子は液体コーティング材料でコーティングされる。粒子は、好ましくは、乱流ゾーンで加えられる粒子と液体との比を調節するように計量供給される。これによって、粒子のコーティングのレベルが確立される。溶液又はスラリーを使用する場合、加熱されたガス流の熱は、溶液又はスラリーの液体を蒸発させる役割をし、溶液又はスラリーの固体が残存し、粒子がコーティングされる。そして、乱流ゾーンにおける混合により、粒子は溶液又はスラリーから残存する固体でコーティングされる。溶融物を使用する場合、粒子は乱流ゾーンにおける混合により、溶融物でコーティングされる。粒度は20.0mmを超えてはならない。
【0115】
前述のように、乱流の領域である乱流ゾーンは、流量制限器を通して高圧のガスを噴射することによって形成される。装置に関して前述したように、流量制限器の出口に十分な強さを有する乱流ゾーンが確実に形成されるように、ガス流は、噴射前に少なくとも音速の半分に加速されることが好ましい。
【0116】
粒子の乱流ゾーンにおける滞留時間は、第1のチャンバの幾何学的形状、およびガス入口ラインから噴射するガスの量によって決定される。乱流ゾーン内における粒子の平均滞留時間は、好ましくは250ミリ秒未満である。更に好ましくは、乱流ゾーン内における粒子の平均滞留時間は、25〜250ミリ秒の範囲である。乱流ゾーンの作用のため、短い滞留時間を達成することができる。本発明の方法では滞留時間が短く、粒子をコーティングする時間、従って費用が低減されるため、慣用的なコーティング方法と比較して有利である。典型的には、粒子は、図2および図3に示されるようなホッパ28などの、大気に開放されているホッパから供給される。装置について前述したように、液体組成物が溶融物である場合、粒子は周囲温度であることが好ましいが、それによって、溶融物(最初は更に高温である)が乱流ゾーンで粒子をコーティングした後、溶融物の固化が容易になるからである。
【0117】
本発明の方法は、コーティングされた粒子を冷却し、搬送するため、別のガス流を乱流ゾーンの上流に加える工程を更に含んでもよい。この別のガス流は、図2および図3に示されるような第2のチャンバ32などのチャンバを通して加えられる。装置について前述したように、第2のガス流の圧力は、コーティングされた粒子を乱流ゾーンから捕集容器に搬送するのを助けるのに十分でなければならないが、コーティングを達成するため第1のガス流の圧力より低くなければならない。溶液又はスラリーを使用する場合、溶液又はスラリーの固体は、乱流ゾーンと捕集容器(前述の捕集ゾーン36など)との間の第2のチャンバ内において、粒子上で冷却され、固化する。溶融物を使用する場合、溶融物は、乱流ゾーンと捕集容器との間の第2のチャンバ内において、粒子上で冷却され、固化する。第2のチャンバが備えられていない場合、固体又は溶融物は、乱流ゾーンと捕集容器との間の大気中において、粒子上で冷却され、固化し、コーティングされた粒子は容器内に落下する。
【0118】
コーティング材料は、概ね本質的に液体であり、単一又は複数の化学組成物とすることができる。このため、それらは、純粋な液体、溶液、懸濁液、エマルション、溶融ポリマー、および樹脂等であってよい。これらの材料は、概ね、粘度が1〜2,000センチポアズの範囲である。塗布されるコーティングは、化学組成に応じて、本質的に、親水性、疎水性、又は両性とすることができる。2種以上のコーティングを塗布する場合、それは、前のコーティングに付着する別のシェル、又はコーティングされる材料の表面の個々の粒子とすることができる。また、これらの材料は、それらがコーティングする材料の粘度を増大させるか、又は固体若しくは半固体の材料に変化させるような反応性を有してもよい。選択された材料上に形成されるコーティングが前述の範囲内にあるように、コーティング材料は、コーティングが分子レベルから成長できるように、分子レベルで分散できなければならない。
【0119】
図2、3および4に示される装置は、多くの方法に使用できる。このような方法の1つは、大豆製品又は粉を香味料、および着色料等でコーティングする方法である。この方法では、大豆製品又は粉は装置に入り、大豆製品又は粉をコーティングするのに使用される材料がホッパを通して装置に供給され、高剪断力/乱流ゾーンに入る。得られる霧化されたコーティング材料は、空気で装置内を移送される時、大豆製品又は粉の表面をコーティングする。コーティング混合物中の揮発性物質(例えば、水)が、数ミリ秒内で蒸発するように、方法の温度は、方法の運転圧力における溶媒の蒸気温度より少なくとも5℃高い。そして、方法の一端から他端まで実質的に正味の水分増加がないように、コーティングされた大豆製品又は粉を実質的に乾燥状態で装置の外に移送する。105℃で運転されるセンコ水分計(Cenco moisture balance)で、正味の水分増加を測定する。このため、材料のコーティングおよび乾燥は、単一の工程で達成される。これは、大豆製品又は粉の品質を維持するために重要であり、粒子が均一にコーティングされると、比較的高温に過度に暴露されても材料は劣化せず、粒子は凝集したり、又は容器の側面に付着しない。更に、コーティングされた大豆製品又は粉の水分レベルは、コーティングされていない大豆製品又は粉の水分レベルと実質的に同じである。
【0120】
粒子の表面に溶液、スラリー、又はエマルションのコーティングを施すことによって生じる残留揮発性物質を除去するため、対流乾燥方法を使用する。この方法設計により、濡れた粒子は付着し得る壁に到達できず、そのため、系の清浄さが改善され、また再循環系を備えてもよく、これは、さもなければ起こり得る粒子間の付着又は粒子と壁との付着を低減できる。この方法は、以下に限定されないが、フラッシュ乾燥、空気コンベア乾燥、および噴霧乾燥、又はこれらの組合せなどの多くの方法から選択されてもよい。乾燥のための滞留時間は、概ね1分未満、好ましくはミリ秒の時間枠内である。
【0121】
図4に示されるように、図2および図3の装置は、代替の構成を有することができる。固体は、ホッパ43を通って装置に入る。液体が高剪断力/乱流ゾーンに出るように、液体は装置の上部に配置される液体入口管42を通して加えられる。高温のガスは、ノズル41を通ってチャンバ44に入る。チャンバ44から流出する生成物は、捕集器40に出る。この構成によって、コーティングに使用する液体をより速く変えることができ、維持費用が安くなる。
【実施例】
【0122】
本発明を以下の実施例で更に説明するが、それらは、説明のために記載され、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0123】
実施例に従って製造したコーティング層について、コーティングされた粒子の質量に対するそれらの寄与率を計算した。コーティングレベルは、物質収支に基づいて決定された。
【0124】
(実施例1)
(分散性を改善するための、単離大豆蛋白質粒子のスクロースによるコーティング)
スクロースコーティングされた蛋白質粒子を単一のコーティングおよび乾燥方法で製造するため、単離大豆蛋白質の調製物(「ISP」、スプロ(Supro)500E、ミズーリ州セントルイス、デュポン・プロテイン・テクノロジーズ(DuPont Protein Technologies,St.Louis,MO))を1層のスクロースでコーティングした。図4に示される装置は、直径32mm、長さ300mmの混合チャンバを有し、ノズルのど10mm、中心液体供給管の外径6.5mmおよび内径4.8mmであった。装置は、固体粒子を計量供給するため、シングルスクリュ計量フィーダ(アキュレート(AccuRate))又は振動フィーダ(シントロン(Syntron))を有する。液体を計量供給するため、蠕動ポンプに6.5mmのタイゴン(Tygon)エラストマーチュービングを嵌めた。スプロ(Supro)500Eを更に処理することなく使用し、938グラム/分で系に計量供給した。蠕動計量ポンプを使用して、食品用スクロースの溶液(84%w/w水溶液)を中心管に94グラム/分で計量供給した。空気は345KPaでノズルに供給され、ノズルで316℃であった。空気を使用してスクロース溶液を霧化させ、混合ゾーンで負圧を作り出してスプロ(Supro)500Eの添加を誘導し、スプロ(Supro)500Eから残留水分を蒸発させるため、熱を提供した。混合/乾燥の生成物を直ぐにポリエステルツイルのバッグフィルタに捕集した。生成物は、コーティングされた粒子の最終質量の7.8%に等しいスクロースのコーティングを有した。コーティング前の粒子と比較すると、(センコ水分計(Cenco moisture balance)で測定される場合)残留水分の増加はなかった。スクロースコーティングされたISPは、コーティングされていないISP出発材料の乾燥流動特性を保持し、液体媒体中における分散性が改善されていた。
【0125】
コーティングされた粒子とコーティングされていない粒子の水中における分散の完全さを基準にして、粒子の分散性を評価した。簡潔には、その方法は以下の通りである。試験される粒子5グラムをビーカー中の水150mLに加え、混合物を20秒まで高速で撹拌した。撹拌の時間全体を通して分散の程度を評価した。表2に示すように、20秒で完全に分散した粒子のサンプルに分散評点4.0を付け、20秒未満で分散したサンプルに評点4〜5を付けた。20秒撹拌しても完全に分散しなかった粒子のサンプルに、表2に従い、0〜4の範囲の分散性の値を付けた。
【0126】
【表2】

【0127】
コーティング方法の出発材料として使用されたコーティングされていないISPの分散性評点は、2.3であった。重量の7.8%のスクロースでコーティングされた粒子の分散性評点は改善され、2.8であった。
【0128】
(実施例2〜5)
(分散性を改善するため、および酸化に対するバリアを提供するための、単離大豆蛋白質粒子の様々な量のスクロースによるコーティング)
実施例1の装置および方法を使用し、スクロースコーティングされた単離大豆蛋白質粒子の追加のロットを調製した。最終生成物中のスクロース量は異なるが、これは方法の運転パラメータを変更することによって達成された。方法の変更、およびこのように形成された生成物中のスクロースの量を表3に列記する。
【0129】
【表3】

【0130】
単離大豆蛋白質粒子上に積層されたスクロースコーティングは、最終生成物の約0.5%〜23%の範囲であった。これらの実施例から、方法の運転パラメータを変化させるだけで、広範囲のスクロース分画をコーティングとしてISP粒子上に沈着できることが実証される。コーティング方法の出発材料として使用されるコーティングされていないISPの分散性評点は、2.3であった。これらの実施例において、スクロースでコーティングされた粒子の分散性評点は、測定の結果、3.8の高さであった。
【0131】
スクロースコーティングによってISP粒子上に提供される酸化に対する安定化の実証を、材料中に形成されるヘキサナールの測定によって試みた。ヘキサナールは、単離大豆蛋白質分画中に保持される残留油の酸化によって形成される。水素炎イオン化検出器を採用するガスクロマトグラフィーで、ヘキサナール含有量を測定した。ピーク面積は、コーティングされていないサンプル、およびスクロースで様々なレベルにコーティングされたサンプルの分析で検出器の描いた線の積分から得られた。全てのサンプルは、コーティング後、および4.4℃と43.3℃で3週間貯蔵した後に評価された。結果を表4に表す。
【0132】
【表4】

【0133】
前述の材料は、ISPのスクロースによるコーティングが異臭の発現に対して効果があったかどうかを決定するため、訓練された感覚/臭気パネルによる試験を行った。パネルは、コーティングに関わらず、4.4℃で3週間貯蔵した後、材料の臭気の差を検出しなかった。
【0134】
表4に表される結果、並びに、感覚パネルの結果は、ISPの望ましくない属性の発現を抑えるスクロースコーティングの能力に関して不確かであったが、更に極端な又は更に長時間の条件下でサンプルを定温放置すると、先行する実施例で記載されるようなサンプルの差が実証されると考えられる。
【0135】
(実施例6)
(分散性を改善するために、多層のスクロースでコーティングされた単離大豆蛋白質粒子の調製)
前記の実施例1で調製された、スクロースコーティングされた単離大豆蛋白質を本発明のコーティング方法の固体供給材料として使用し、多層のスクロースを有する粒子を製造した。装置は、実施例1に記載の通りであったが、以下の運転に関する変更があった。乾燥ガスとして使用した空気のノズル温度は320℃であった。スクロースコーティングされた単離大豆蛋白質粒子を1067g/分の速度で装置に計量供給した。食品用スクロースの溶液(84%w/w水溶液)を91g/分の速度、および95℃の温度で装置に計量供給した。ドライコーティングされた粒子を実施例1に記載のように捕集した。得られた粒子は、スクロースの第1の内部コーティングとスクロースの第2の外部コーティングとを有し、これは完成した生成物の14.0%を構成した。コーティングされた単離大豆蛋白質粒子を本発明の方法に繰返し通過させることによって、様々な量の多数のコーティングを製造することが可能である。多重コーティングされた粒子の分散性評点は、3.0であった。
【0136】
(実施例7〜8)
(粒子の白色度を向上させるため、1層のTiOで更にコーティングされた、スクロースコーティング単離大豆蛋白質粒子)
実施例7。前記の実施例2で調製された、スクロースコーティングされた単離大豆蛋白質を本発明のコーティング方法の固体供給材料として使用し、TiOの外側層を有するスクロースコーティングされた粒子を製造した。装置は、実施例1に記載の通りであったが、以下の運転に関する変更があった。乾燥ガスとして使用した空気のノズル温度は315℃であった。スクロースでコーティングされた単離大豆蛋白質粒子を828g/分の速度で装置に計量供給した。TiOのスラリー(顔料用材料の72%w/w水系スラリー、本願特許出願人)を49g/分の速度、および22℃の温度で装置に計量供給した。ドライコーティングされた粒子を実施例1に記載のように捕集した。得られた粒子は、スクロースの第1の内部コーティングとTiOの第2の外部コーティングとを有し、これは完成した生成物の4.1%を構成した。
【0137】
実施例8。前記の実施例1で調製された、スクロースコーティングされた単離大豆蛋白質を本発明のコーティング方法の固体供給材料として使用し、TiOの外側層を有するスクロースコーティングされた粒子を製造した。装置は、実施例1に記載の通りであったが、以下の運転に関する変更があった。乾燥ガスとして使用した空気のノズル温度は302℃であった。スクロースコーティングされた単離大豆蛋白質粒子を884g/分の速度で装置に計量供給した。TiOのスラリー(顔料用材料の72%w/w水系スラリー、本願特許出願人)を87g/分の速度、および22℃の温度で装置に計量供給した。ドライコーティングされた粒子を実施例1に記載のように捕集した。得られた粒子は、スクロースの第1の内部コーティングとTiOの第2の外部コーティングとを有し、これは完成した生成物の6.6%を構成した。
【0138】
ハンター色彩計(Hunter colorimeter)(バージニア州レストン、ハンター・アソシエーツ・ラボラトリー(Hunter Associates Laboratory,Reston,VA))を使用し、(非特許文献7)に記載のように粒子の白色度を決定した。2つの異なる温度で3週間定温放置した後、粒子の5%w/wスラリーを使用した。コーティングされていないISPの2つの別々のロットを対照サンプルとして試験した。これらの決定結果を表5に表す。粒子をTiOでコーティングするとISP粒子の白色度が明白に改善されることが結論付けられた。
【0139】
【表5】

【0140】
これらのサンプルで実証されるように、方法の運転パラメータを変えることにより、様々な量の白色化剤で粒子をコーティングすることができる。
【0141】
(実施例9〜17)
(酸化に対するバリアーを提供するための、単離大豆蛋白質の蛋白質によるコーティング)
実施例1に記載の装置および方法を使用し、乾燥した蛋白質の外部層を有する単離大豆蛋白質粒子の多くの異なる調製物を製造した。外部蛋白質層は、水分および酸化に対するバリアーの役割をした。蛋白質は溶液として塗布され、蠕動ポンプで装置に計量供給された。3種類の異なる蛋白質材料をコーティングとして使用した。実施例9、10、および11で製造される材料には、ゼラチン(ペンシルバニア州ウエスト・チェスター、レイナー・デイビス・ゼラチン)(Leiner Davis Gelatin,West Chester,PA)を26%w/w水溶液として提供した。ゼイン(F400トウモロコシゼイン、ニューヨーク州タカホー、フリーマン・インダストリー(Freeman Industries,Tuclkahoe,NY))をエタノール90%/水10%中に溶解させた20%溶液として提供し、実施例12および13の材料の製造に使用した。実施例14〜17で製造される材料には、カゼイン(無脂肪ドライミルク粉末低温加工Aグレード、ミズーリ州セントルイス、T.C.ジャコビー社)(Non Fat Dry Milk Powder Low Heat A Grade、T.C.Jacoby&Co.Inc.,St Louis,MO)を20%w/w水溶液として提供した。実施例9〜13では、スプロ(Supro)500Eを更に処理することなく使用した。実施例14〜17では、スプロ(Supro)670E(ミズーリ州セントルイス、デュポン・プロテイン・テクノロジーズ社(DuPont Protein Technologies,St.Louis,MO))を更に処理することなく使用した。装置およびドライコーティングされた粒子の捕集は、実施例1に記載の通りである。方法の運転パラメータを変更することにより、バリア層として異なる量の蛋白質を有する粒子を製造した。方法の変更および外部コーティングとして送給された蛋白質の量を表6に列記する。
【0142】
【表6】

【0143】
これらの実施例から、単離大豆蛋白質に外部コーティングとして様々な量の蛋白質を塗布し、様々な厚さおよび組成の酸化−水分バリア層を有する粒子を作り出すことができることが実証される。
【0144】
先行する実施例に記載されるように、ISP粒子を蛋白質でコーティングするとISP中の残留油は酸化劣化から保護される。
【0145】
(実施例18〜28)
(単離大豆蛋白質粒子の脂質によるコーティング)
実施例1に記載の装置および方法を使用し、脂質コーティングされた単離大豆蛋白質粒子の多数の異なる調製物を製造した。外部脂質層は、分散性の補助、又は水分に対するバリアの役割をした。脂質は、純粋な液体として塗布され、蠕動ポンプで装置に計量供給された。実施例18〜28では、スプロ(Supro)500Eを更に処理することなく使用した。3種類の異なる脂質材料をコーティングとして使用した。実施例18〜23の材料の製造では、レシチン(メタリンDA51、ドイツ、フライジング、デグサ・テクスチュラント・システムズ)(Metarin DA51,Degussa Texturant Systems,Freising,Germany)を使用した。実施例24〜26の材料の製造では、ドゥルケックス(DURKEX)(高安定性植物油、オランダ、ヴォルマーフェーア、ローダース・クロックラーン(Loders Croklaan,Wormerveer,Netherlands)製)を使用した。実施例27および28の材料の製造では、ドリテックス(Dritex)(高融点脂肪、テネシー州コルドバ、ACHフード社(ACH Food Companies,Cordova,TN)製)を使用した。ドライコーティングされた粒子の捕集は、実施例1に記載の通りであった。方法の運転パラメータを変更することにより、バリア層として異なる量の脂質を有する粒子を製造した。方法の変更および外部コーティングとして送給された脂質の量を表7に列記する。
【0146】
【表7】

【0147】
これらの実施例から、単離大豆蛋白質粒子に外部コーティングとして様々な量の脂質を塗布できることが実証される。
【0148】
レシチン又はドゥルケックス(DURKEX)でコーティングされた粒子の、コーティングされていないISP出発材料と比較した分散性の改善を試験した。実施例1〜5のスクロースコーティングされたISP粒子について前述したように、分散性を決定した。脂質コーティングされた粒子の分散性の測定結果を表8に表す。
【0149】
【表8】

【0150】
表8に報告される結果から、レシチン又はドゥルケックス(DURKEX)でISP粒子をコーティングすると分散性が改善されたことが実証される。
【0151】
実施例27および28で製造されたISP粒子のコーティングに使用された高融点脂肪は、ISPを水分から保護した。水分バリアの有効性は、蛋白質の水への分散が異なり、温度に依存することによって実証された。高融点脂肪コーティングされた粒子(約1g)を室温でビーカー中の水150mlに入れた。脂肪コーティングされた粒子の一部は水面に浮かんだが、残りは水面下に沈んだ。ビーカーを穏やかに振盪させ、5分間観察した。水の外観に実質的な変化は観察されなかった。水が濁らなかったため、粒子中の大豆蛋白質は脂肪バリアによって水から保護されることが結論付けられた。同様に、高融点脂肪コーティングされた粒子を90℃の水に加えた。数秒以内に、粒子は水に分散し、水は濁ってオフホワイトになった。脂肪で大豆蛋白質を水から保護することは、脂肪バリアの融点(70℃)より高温では不可能であることが結論付けられた。このため、脂肪を溶融させる温度では、蛋白質が水に送達された。
【0152】
(実施例29)
(穀物粉の赤色顔料によるコーティング)
着色された焼いた食品を調製するのに好適な赤色に着色された粉を製造するため、小麦粉(ゴールド・メダル・オール・パーパス、ミネソタ州ミネアポリス、ゼネラル・ミルズ社)(Gold Medal All Purpose,General Mills,Inc.,Minneapolis,MN)を赤色染料でコーティングした。装置および方法は実施例1に記載の通りであったが、運転に関する以下の変更があった。乾燥ガスとして窒素を使用し、ノズルの上流で300℃に加熱した。粉粒子を500g/分の速度で装置に計量供給した。「カーディナル・レッド(Cardinal Red)」リット(Rit)(登録商標)染料(ニュージャージー州イングルウッド・クリフス、ユニレバー・ベストフーズ、ノースアメリカ(Unilever Bestfoods,North America,Englewood Cliffs,NJ))を赤色染料濃度が30%w/wの水溶液になるように溶解させることにより、赤色染料の溶液を調製した。染料溶液を25g/分の速度、および22℃の温度で装置に計量供給した。ドライコーティングされた粒子をシングルバッグ集塵装置(single bag dust collector)に捕集した。着色された粉は、明るい赤色材料であり、粒度分布および水分含有量は出発材料と区別できなかった。
【0153】
(実施例30)
(穀物粉の青色顔料によるコーティング)
着色された焼いた食品を調製するのに好適な青色に着色された粉を製造するため、小麦粉(ゴールド・メダル・オール・パーパス、ミネソタ州ミネアポリス、ゼネラル・ミルズ社)(Gold Medal All Purpose,General Mills,Inc.,Minneapolis,MN)を青色染料でコーティングした。装置および方法は実施例1に記載の通りであったが、運転に関する以下の変更があった。乾燥ガスとして窒素を使用し、ノズルの上流で300℃に加熱した。粉粒子を500g/分の速度で装置に計量供給した。「デニム・ブルー(Denim Blue)」リット(Rit)(登録商標)染料(ニュージャージー州イングルウッド・クリフス、ユニレバー・ベストフーズ、ノースアメリカ(Unilever Bestfoods,North America,Englewood Cliffs,NJ))を濃度が30%w/wの水溶液になるように溶解させることにより、青色染料の溶液を調製した。染料溶液を25g/分の速度、および22℃の温度で装置に計量供給した。ドライコーティングした粒子をシングルバッグ集塵装置(single bag dust collector)に捕集した。粉は、明るい青色材料であり、粒度分布および水分含有量は出発材料と区別できなかった。
【0154】
(実施例31)
(分散性を改善するための、大豆粉のスクロースによるコーティング)
分散性を改善するため、大豆粉(ミズーリ州セントルイス、デュポン・プロテイン・テクノロジーズ(DuPont Protein Technologies,St.Louis,MO))をスクロースでコーティングした。装置および方法は実施例1に記載の通りであったが、運転に関する以下の変更があった。乾燥ガスとして空気を使用し、ノズルの上流で239℃に加熱した。大豆粉粒子を950g/分の速度で装置に計量供給した。食品用スクロースの溶液(84%w/w、水溶液)を114g/分の速度、および95℃の温度で装置に計量供給した。ドライコーティングされた粒子をシングルバッグ集塵装置(single bag dust collector)に捕集した。コーティングされた粉は、コーティングされていない大豆粉出発材料の乾燥流動特性を保持し、実施例1に記載の方法で測定すると、水中における分散性は改善されていた。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1A】大豆蛋白質加工を表す図である。
【図1B】大豆蛋白質加工を表す図である。
【図2】本発明の装置の一部の概略図である。
【図3】図2に示される装置の一部の破断拡大断面図である。
【図4】図2および図3に示される装置の代替の構成を表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆製品をコーティングする方法であって、
(a)流量制限器を通して液体コーティング材料を計量供給する工程、
(b)工程(a)と同時に、前記流量制限器を通してガス流を噴射し、(i)前記液体コーティング材料を霧化し、(ii)前記ガス流と前記霧化された液体コーティングとの乱流を作り出す工程であって、前記ガス流が任意選択的に加熱される工程、および、
(c)工程(a)および(b)と同時に、大豆製品を前記乱流領域に加える工程であって、前記大豆製品が、前記霧化された液体コーティング材料と混合され、コーティングされた大豆製品を提供する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記大豆製品が、大豆蛋白質単離物、大豆濃縮物、大豆ミール、大豆子葉繊維、脱皮大豆、大豆胚軸、大豆グリッツ、大豆チップ、大豆粉、組織状大豆蛋白質、および大豆フレークよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体コーティング材料が、甘味剤、食品用香味付与剤又は増強剤、食用色素、食品用芳香剤、凝固防止剤、保湿剤、抗微生物剤、酸化防止剤、表面改質剤、炭水化物、蛋白質、脂質、ミネラル、栄養補助剤、乳化剤、又はこれらの混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰返す工程を更に含み、前記液体コーティング材料が同じであるか又は異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品を含む食品。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品を含む栄養補助食品。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品を含む飲料。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品を含む乳児用調合乳。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品を含むペットフード。
【請求項11】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品を含む動物用飼料。
【請求項12】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた大豆製品の、食品成分、栄養補助食品成分、飲料成分、乳児用調合乳成分、ペットフード成分、又は動物用飼料成分としての使用。
【請求項13】
粉をコーティングする方法であって、
(a)流量制限器を通して液体コーティング材料を計量供給する工程、
(b)工程(a)と同時に、前記流量制限器を通してガス流を噴射し、(i)前記液体コーティング材料を霧化し、(ii)前記ガス流と前記霧化された液体コーティング材料との乱流を作り出す工程であって、前記ガス流が任意選択的に加熱される工程、および、
(c)工程(a)および(b)と同時に、粉を前記乱流領域に加える工程であって、前記粉が、前記霧化された液体コーティング材料と混合され、コーティングされた粉を提供する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記粉が、大豆粉、小麦粉、オート麦粉、ライ麦粉、大麦粉、米粉、雑穀粉、トウモロコシ粉および充填剤粉よりなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記液体コーティング材料が、甘味剤、食品用香味付与剤又は増強剤、食用色素、食品用芳香剤、凝固防止剤、保湿剤、抗微生物剤、酸化防止剤、表面改質剤、炭水化物、蛋白質、脂質、ミネラル、栄養補助剤、乳化剤、又はこれらの混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰返す工程を更に含み、前記液体コーティング材料が同じであるか又は異なることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた粉。
【請求項18】
請求項13から16のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた粉を含む食品。
【請求項19】
請求項13から16のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた粉を含む焼いた食品。
【請求項20】
請求項13から16のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた粉を含むスナック食品。
【請求項21】
請求項13から16のいずれか一項に記載の方法で製造されるコーティングされた粉の食品成分としての使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−504411(P2006−504411A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−529557(P2004−529557)
【出願日】平成15年8月14日(2003.8.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/025884
【国際公開番号】WO2004/016288
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】