説明

コーティングでカプセル化したω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステル

イソフラボンを含むコーティングでカプセル化したω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステル、ならびにイソフラボンを含むコーティングでカプセル化したω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルをコーティングすることによってこれらを作製する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソフラボンを含むコーティングでカプセル化したω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含む食用製品、このような製品を製造する方法ならびにこのような製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の脂質、油およびその他の脂肪性物質は、健康を改善する組成物の一部として頻繁に摂取される。このような組成物の例には、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルがある。ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸は、特定の位置に不飽和結合を有する多価不飽和脂肪酸であり、それが人の健康および/または外観(例えば肌の状態および/または肌の外観)に、実際のおよび/または知覚される効果をもたらすが、このことは科学文献および特許公報に広く記載されてきた。
【0003】
このようなω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルのうち、前記脂肪酸は、18−30個の炭素原子を有し、少なくとも3つの二重結合を含むことが好ましく、20−24個の炭素原子を有し、少なくとも3つの二重結合を含むことがより好ましい。これらのω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸は、遊離脂肪酸、そのC1からC6アルキルエステル、そのグリセリド(ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸が、必ずしもω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸とは限らないその他の脂肪酸と共に、そのジまたはトリグリセリド中に存在しているようなジおよびトリグリセリドを含めた、モノ、ジおよびトリグリセリドを含む)、そのリン脂質エステルまたはその混合物の形態を取ることができ、本明細書においてそれらの全てをまとめて、「ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステル」と称する。このようなω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルは、魚油、魚肝油および藻類などの海産油、ならびにルリジサなどの一部の特定の植物油から得ることができる。本発明における好ましいω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸(ならびにω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸に関して上で示したようなそれらの誘導体)は、DHA(ドコサヘキサエン酸)および/またはEPA(エイコサペンタエン酸)および/またはそれらのエステルを含む。
【0004】
いくつかの目的のために、例えば摂取によるスキンケア製品に関して、このようなω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルの、約200mgから5g、より好ましくは約400mgおよび4gの間、さらにより好ましくは400から1000mgの量を毎日摂取することが好ましい場合がある。これは、所望の純粋なω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルの量であるが、このような脂肪酸および/またはそれらのエステルは通常、(脂肪性の)組成物の一部として(例えば魚油または藻油、例えば20から40%のレベルで)市販されているので、このような組成物の毎日摂取するべき総量ははるかに多くなる。例えば、合わせて35%のある程度のEPAおよびDHAを含む魚油を使用して、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸のトリグリセリド660mgの1回分を摂取することを望む場合、このような摂取によるスキンケア製品は、毎日の用量として約1.9gのこうした魚油を含むはずである。
【0005】
例えば人の肌の健康および/または外観および/または状態のある種の側面に対して、有益な効果を有すると報告されている化合物の別の群には、イソフラボンがある。本発明におけるイソフラボンは、3−フェニル−4H−1−ベンゾピル−4−オン骨格を有する化合物であることが好ましく、これらはイソフラボン(アグリコン型を含む)および/またはβ−グルコシド型、アセチル型およびマロニル型、メチル化型、ならびにグリコシド型のようなその誘導体を含むことがより好ましい。これらを記載している参考文献には、例えば、Songら、1999年、Journal of Agricultural and Food Chemistry 47巻、1607−1610頁;Kudouら、1991年、Agricultural and Biological Chemistry 55巻:2227−2233頁;Wangら、1998年、Journal of the American Oil Chemists Society 75巻:337−341頁;ならびにChoiおよびRhee、J. of Med Food 9巻(1号)2006年、1−10頁がある。イソフラボンは、例えば、大豆、クローバースプラウトおよびヒヨコ豆などの複数種のマメ科植物、ならびにこれらに由来する製品(抽出物および濃縮物を含む)中に見出すことができる。本明細書において、上記の形態の全てをまとめて、「イソフラボン」と称する。本明細書におけるさらにより好ましいイソフラボンは、ホルモノネチン、ビオカニンA、ダイゼイン、ゲニステインおよびグリシテイン(ホルモノネチンおよびビオカニンAは、ダイゼインおよびゲニステインのメチル化型である)、ダイジン、ゲニスチン、グリシチンおよび/またはそれらの混合物を含む。
【0006】
いくつかの目的のために、例えば摂取によるスキンケア製品に関して、このようなイソフラボンの、(純粋なイソフラボンとして摂取する場合は)約10−100mg、好ましくは約20−100mg、より好ましくは20−80mgの量を毎日摂取することが好ましい場合がある。
【0007】
例えば、人の健康、外観、肌の状態、身体機能または脳の機能の1つまたは複数の改善に関連する(または改善すると考えられる)特定の目的のために、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルならびにイソフラボンの両方を摂取することが望ましい可能性がある、と示唆する情報がある。場合によっては、これらに加えて、カロテノイド、ビタミンB(例えばB1、B2、B6、B12)、CまたはEの1つまたは複数が含まれることが有益である場合がある。したがって、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルならびにイソフラボンの両方を含む食用製品が望まれている。
【0008】
国際公開第2005/077521号は、咀嚼時に風味コアを分散させることを目的とした、被覆された球状のシームレス型充填カプセルを製造する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2005/077521号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Songら、1999年、Journal of Agricultural and Food Chemistry 47巻、1607−1610頁
【非特許文献2】Kudouら、1991年、Agricultural and Biological Chemistry 55巻:2227−2233頁
【非特許文献3】Wangら、1998年、Journal of the American Oil Chemists Society 75巻:337−341頁
【非特許文献4】ChoiおよびRhee、J. of Med Food 9巻(1号)2006年、1−10頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(発明の要旨)
したがって、例えば摂取によってスキンケアおよび/または肌の状態を促進することを目的とした、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステル(例えば製品1回分当たり、トリグリセリドエステルとして算出した場合、例えば0.4−5gの量で)ならびにイソフラボン(例えば製品1回分当たり1から500mgの量で)を含む食用製品が望まれている。好ましくは、このような食用製品は、潜在的な消費者(通常は女性)が、活性剤(ω−3油および/または植物エストロゲンと称されることがある)を摂取することによって肌の状態を改善する(例えば皺や小皺を減少させる)という概念にこの製品が当てはまると考えるような、および/または潜在的な消費者が、摂取によるスキンケア製品を使いたい場合、製品を見ただけで、このような食用製品を摂取することが楽しみになるようなフォーマットであるべきである。この製品は、(薬剤は、食品添加物ほどにはこの概念に合わないと考えられるので)薬剤よりはむしろ食品添加物の外観を有することが好ましい。
【0012】
このような食用製品は、製造が容易である(多額の設備投資および直接的な成分を使用する必要がない)ことも好ましい。好ましくは、この製品は、例えば粉末のような粒子形態で存在する場合、イソフラボン、カロテノイド、ビタミンB(例えばB1、B2、B6、B12)、Cを使用して製造することができるようなものにするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上に明示した目的は、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含む食用製品によって(少なくとも部分的に)達成できることが今や判明したところであり、前記食用製品は、1つまたは複数のコーティングカプセルを含み、前記カプセルは、コア、カプセル壁、および前記カプセル壁を少なくとも部分的に被覆するコーティングを含み、前記コアは、(コアに対して)重量で1−100%、好ましくは2−100%、より好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含み、前記コーティングはイソフラボンを含む。
【0014】
上記では、このようなイソフラボンは、カプセルのコーティング中にコアの重量の0.01−20%の量で、好ましくは0.02−10%、より好ましくは0.5−10%の量で存在することが好ましい場合がある。
【0015】
また、これらは、コーティングカプセルを調製する方法によって調製することができ、前記コーティングカプセルは、1−100%、好ましくは2−100%、より好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含むコア、カプセル壁、および前記カプセル壁の外側の前記カプセル壁を少なくとも部分的に被覆するコーティングを含み、前記コーティングはイソフラボンを含み、前記方法は、
−(コアに対して)重量で1−100%、好ましくは2−100%、より好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含むコアならびにカプセル壁を含むカプセルを提供するステップと、
−イソフラボンを含む1つまたは複数のコーティング層を塗付するステップ
とを含むことも見出された。
【0016】
上記の方法では、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含む食用カプセルは、例えば直径が2および10mmの間の食用のまたは摂取可能なカプセルを作製するための、当技術分野で公知のいずれかの適当な技術を用いて作製することができる。疎水性の物質をカプセル化することは十分立証されている。特定の技術(コーティングすると、例えば消費者が咀嚼した時に、特定の利点を有するシームレスカプセルが生成するので特定である)は、国際公開第2005/077521号に示されているが、(コアに対して)重量で1−100%、好ましくは2−100%、より好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルならびにカプセル壁を含むカプセルは、十分に当業者の技術の範囲に入るその他のいずれかの適当な技術で作製してもよい。
【0017】
本発明による製品および方法では、コアが100%未満のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含む場合、コア材料の残部は例えばトリグリセリドまたは脂溶性物質など、疎水性の物質を含むことが好ましい場合がある。
【0018】
本発明では、カプセル壁材料は、室温で固体であるゲル形成性で薄膜形成性のタンパク質または多糖バイオポリマーを含むことが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による組成物は、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含み、このようなω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルのうち、前記脂肪酸は、18−30個の炭素原子を有し、少なくとも3つの二重結合を含むことが好ましく、20−24個の炭素原子を有し、少なくとも3つの二重結合を含むことがより好ましい。これらのω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸は、遊離脂肪酸、そのC1からC6アルキルエステル、そのグリセリド(ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸が、必ずしもω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸とは限らないその他の脂肪酸の次にそのジまたはトリグリセリド中に存在しているようなジおよびトリグリセリドを含めた、モノ、ジおよびトリグセリドを含む)、そのリン脂質エステルまたはその混合物の形態を取ることができ、本明細書においてそれらの全てをまとめて、「ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステル」と称する。このようなω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルは、魚油、魚肝油、および藻類などの海産油、ならびにルリジサなどの一部の特定の植物油から得ることができる。本発明における好ましいω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸(ならびにω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸に関して上で示したそれらの誘導体)は、DHA(ドコサヘキサエン酸)および/またはEPA(エイコサペンタエン酸)および/またはそれらのエステルを含む。また、本明細書では、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルの量が言及される時はいつでも、こうした量が、それをトリアシルグリセリドとして算出されるものとして理解されるべきである。
【0020】
本発明におけるイソフラボンは、3−フェニル−4H−1−ベンゾピル−4−オン骨格を有する化合物であることが好ましく、これらはイソフラボン(アグリコンの形態を含む)および/またはβ−グルコシド型、アセチル型およびマロニル型、メチル化型、ならびにグリコシド型のようなその誘導体を含むことがより好ましい。これらを記載している参考文献には、例えば、Songら、1999年、Journal of Agricultural and Food Chemistry 47巻、1607−1610頁;Kudouら、1991年、Agricultural and Biological Chemistry 55巻:2227−2233頁;Wangら、1998年、Journal of the American Oil Chemists Society 75巻:337−341頁;ならびにChoiおよびRhee、J. of Med Food 9巻(1号)2006年、1−10頁がある。イソフラボンは、例えば、大豆、クローバースプラウトおよびヒヨコ豆などの複数種のマメ科植物、ならびにこれらに由来する製品(抽出物および濃縮物を含む)中に見出すことができる。本明細書において、上記の形態の全てをまとめて、「イソフラボン」と称する。本明細書におけるさらにより好ましいイソフラボンは、ホルモノネチン、ビオカニンA、ダイゼイン、ゲニステインおよびグリシテイン(ホルモノネチンおよびビオカニンAは、ダイゼインおよびゲニステインのメチル化型である)、ダイジン、ゲニスチン、グリシチンおよび/またはそれらの混合物を含む。
【0021】
本明細書で「ビタミンC」と称する場合、アスコルビン酸およびアスコルビン酸の塩および/またはその原料などの、1つまたは複数のその塩および前駆体も含むものとして理解されるべきである。
【0022】
本明細書で「ビタミンB」と称する場合、B1、B2、B6およびB12のなどのビタミンB群の様々な構成員、ならびに/もしくはその前駆体および/またはその原料の1種または複数を含むものとして理解されるべきである。
【0023】
本明細書で「ビタミンE」と称する場合、酢酸トコフェロールなど、様々な形態のビタミンEの1種または複数、より具体的にはd−α−酢酸トコフェロール、ならびにこれらの化合物の原料も含むものとして理解されるべきである。
【0024】
本明細書で「カロテノイド」と称する場合、リコピン、β−カロテン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、α−カロテン、β−クリプトカンチン、カンタキサンチンの1種または複数を含むものとして理解されるべきである。特にこれらが、このようなカロテノイドの少なくとも1%を含む場合、カロテノイドの原料も含む。この例には、リコピンを多く含むトマト片がある。それは、マルトデキストリンのような担体などの補助成分と混合されるカロテノイドおよび/またはその原料も含む。
【0025】
コーティング方法は、国際公開第2005/077521号に示されているようなコーティング方法が好ましいが、継ぎ目のある従来のカプセルならびに国際公開第2005/077521号で言及されるような技術を用いて作製することができるシームレスカプセルにも適したいずれかの方法で行うことができる。より詳細には、このコーティング方法は、少なくとも1つの段階(好ましくは次の段階)を含むことが好ましい。
−コーティングされるカプセルを、糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムの濃縮水溶液を含む固着剤と接触させる段階、
−例えばパンニングマシンまたはタンブラー中で、任意選択で粒子状物質(イソフラボンを含んでいてもよい)を加えて密に混合する段階、続いて、
−こうして塗付されたコーティング層を乾燥させる段階。
【0026】
次いで、述べた通り、この一連の3つのステップは、所望のイソフラボンの全てがコーティングに存在するまで繰り返すことができる。
【0027】
上記では、糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムの濃縮溶液の量は、(コーティング段階ごとに)カプセル重量の(重量で)0.5%と10%の間、好ましくは1%と5%の間であるようにすることが好ましい。最終生成物(コーティングカプセル)では、糖および/またはポリオールの総量が、最終カプセルに対して重量で5および70%の間であることが好ましい場合がある。アラビアゴムの総量は、最終カプセルに対して、重量で1および20%の間であることが好ましい。
【0028】
粒子状の物質を用いるこのようなコーティングは、このような粒子状の物質をカプセルに固着するまたは「接着する」ことができる作用剤でカプセルを処理する際に適当な方法で達成することができる。このような固着剤の塗布は、粒子状の作用剤を適用する前にまたは同時に、もしくは後に、カプセルに塗布することができる。イソフラボンを塗布する前および/または同時に、固着剤をカプセルに塗布することが好ましい。好ましい固着剤は、糖および/またはポリオールおよび/またはゲル形成性もしくは増粘性バイオポリマーの水溶液を含む。固着剤としては、糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムが最も好ましい。したがって、前記固着剤は、糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムを含むことが好ましい。カプセルに接着されるイソフラボンの量に応じて、固着剤、続いてイソフラボンを添加する(または同時に、もしくはその前に添加して)複数のサイクルを通すことが望ましいことがある。ここでは、好ましいポリオールはマルチトールを含む。
【0029】
まだコーティングされていないカプセル上の第1の層として、特にかなりのゼラチン部分を含むカプセル壁の場合、少なくともカプセル壁上の第1のコーティング層は、溶液として、粒子状の粉末として、または両方が添加される、アラビアゴムを含む少なくとも1つの層を含む。これらは、例えば表面の粗化により、より良いコーティングをもたらすことができる。
【0030】
複数のコーティングステップを塗付する時、コーティングステップの間に、前のコーティングが完全に乾燥するまで、次のコーティングを適用するのを待つことが望ましいことがある(コーティングは、その他は周囲条件で空気により達成することができるように乾燥し、そのため、ある程度の残留水分を保持することができる。)。具体的には、これは、糖および/またはポリオールの複数のコーティング層を加える際に好ましい。このような糖および/またはポリオールおよび/または脂肪および/またはチョコレート(好ましくは室温で固体)の複数(例えば5−50)の層を加えることを行って、十分な機械堅牢性を達成することができる。
【0031】
1−100%、好ましくは2−100%、より好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含むコアを含むカプセルに関して、これらは、疎水性物質をカプセル化するための従来の技術、例えば所望の物質の市販のカプセル用に使用される、例えば複合コアセルベーション、押出し、溶融射出および共押出しなどの技術を用いて調製することができる。また、市販の魚油カプセルは、具体的には、これらのカプセル壁が、好ましくは60−100%の量でゼラチンを含む場合、この点(例えば軟性のカプセル)でコーティングに使用することができる。好ましい場合がある(または高品質のチュアブルカプセルを作製することを望む場合に好ましい)一実施形態では、まだコーティングされていないカプセルは、例えば国際公開第2005/077521号に示された通りに従って(すなわち、水浸状態での共押出し品を使用して)製造してもよい。
【0032】
より具体的には、カプセル壁を提供することは、コア材料およびカプセル壁材料を、共押出しノズルを通して共押出しすることによって達成されることが好ましく、この共押出しノズルは、カプセル壁材料のゲル形成タンパク質または多糖バイオポリマーのゲル化点をはるかに下回る、好ましくはそのゲル化点より少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも20℃低い温度の油浴に浸漬されており、このコア材料は内側ノズルを通して、およびカプセル壁材料(の水溶液)は共押出しノズルの外側ノズルを通して押出されている。言うまでもないが、カプセル壁材料(好ましくはコーティングされていないカプセルの重量で60−100%のゼラチンを含む水溶液)の供給は、このカプセル壁材料の前記ゲル形成タンパク質または多糖バイオポリマーのTgel以上で維持することが好ましい。新たなカプセルを得たら、カプセルが完全に乾燥する前に、(カプセル壁、つまり)互いに固着するのを防ぐために、運動させ続けることが好ましい。個々のカプセルが形成しやすくなるように、上記の方法で、共押出しノズルを1および100Hzの間、好ましくは5および50Hzの間の振動で、振動させることが好ましい。
【0033】
本発明の食用製品では、カプセル当たりのトリアシルグリセリドとして算出した前記コーティングカプセル中のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルの量が、5mgおよび5gの間であることが好ましい。この広い範囲は、消費者に与えたい用量だけでなく、この範囲をコーティングカプセル何個で達成しようとするかにもよる。この化合物の(完全な1回分の)好ましい実際の用量は、200mgおよび5gの間、より好ましくは400mgおよび4gの間である。分配されるべきカプセル数は、好ましくは1および100個の間、より好ましくは2および50個の間、さらにより好ましくは3および50個の間、最も好ましくは10および50個の間であることが好ましい。したがって、本発明の食用製品は、小分け品1個当たり1および100個の間、好ましくは2および50個の間、より好ましくは3および50個の間、最も好ましくは10および50個の間の本明細書に開示したコーティングされた食用カプセルを含む小分け製品であることが好ましい場合がある。好ましくは、この食用製品は、(上で示した、用量当たりの数で)本明細書に開示したコーティングカプセルからなる。カプセル当たりのω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルの好ましい量は、5から1000mg、より好ましくは10および200mgの間、最も好ましくは15および100mgの間である。これらの量の全ては、純粋な形態でのω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを指す。通常、これらは、こうしたω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含む脂肪性混合物、例えば、このようなω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを30または40%含み、その残部が主にその他の脂肪酸のトリグリセリドである魚油として商業的に応用されている。その結果、本発明による食用組成物およびコーティングカプセル中の脂肪性物質(例えばトリグリセリド)の総量は、このように比例して多くなる。
【0034】
同様に、本発明による食用製品中のカプセル当たりのイソフラボンの量は、例えばカプセル当たり0.05mgおよび500mgの間、より好ましくは0.1mgおよび100mgの間、さらにより好ましくは1および20mgの間の幅広いばらつきを示すことがある。(1回分量当たりのコーティングカプセルの数に対して、上記を参照)1回分量当たりのイソフラボンの総量は、好ましくは10および100mgの間、より好ましくは20および80mgの間である。カプセル当たりの好ましいイソフラボンの量は、0.1および100mgの間、より好ましくは0.5および20mgの間であることが好ましい。これも、やはり純粋なイソフラボンの量を指す。イソフラボンは、例えば、60、70または80%のイソフラボンを含む調製品として頻繁に提供され、したがって、本発明による食用組成物およびコーティングカプセル中のイソフラボン含有配合物の全固形分は、このように比例して多くなる。
【0035】
本発明による食用製品は、1および100個の間、好ましくは2および50個の間、より好ましくは3および50個の間、最も好ましくは10および50個の間の前記コーティングされた食用カプセルを、小分け品1個当たりに含む、より好ましくは小分け品1個当たりにつきその個数からなる小分け製品であることが好ましい。こうした小分け製品は、例えば食品添加物、例えば摂取によるスキンケア用の食品添加物として提供されてもよい。小分け製品は、小分け品それぞれが1つの単一の容器(例えばポット、ジャー、瓶、ブリスターパック)に入るように包装され、こうすることで所望量を簡単に服用できることが好ましい。
【0036】
ある種の健康効果もしくは利点、または肌の状態および/または外観に対する(実際のおよび/または知覚される)効果に関しては、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルならびにイソフラボンが特定の比率または互いに関連した量で存在することが好ましい場合がある。したがって、イソフラボンが存在する場合、本発明による食用製品中の前記コーティングカプセルに対して、イソフラボンと、トリアシルグリセリドとして算出した場合のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルとの重量比は、1:10000および1:5の間、好ましくは1:1000および1:10の間、より好ましくは1:100および1:10の間であることが好ましい場合がある。
【0037】
本発明による方法では、コーティングされるべきカプセルは、処理することができる限りは、好ましくはパンニングマシンで、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルの(食用の)カプセルを得ることができる任意の適当な技術を用いて提供することができる。パンニングマシンでの使用に関して、カプセル壁は、糖および/またはアラビアゴムコーティング層で処理することができるこうした材料であり、好ましくはこれらが濃縮水溶液(例えば上記の20重量%)で塗付される場合も好ましい。魚油カプセルは市販されており、本明細書に記載したようなコーティングにかけることができる。あるいは、(その他の方法で作製されるカプセルと比較して)シームレスのカプセルを得る特定の技術は、国際公開第2005/077521号に示されている。こうして調製されるカプセルは、咀嚼時に利点があり、一般的に、その他の手段で調製される、例えば継ぎ目のあるカプセルより、より良好な口当たりを与える。したがって、国際公開第2005/077521号に示されるような方法でコーティングされるカプセルを調製することが可能であり、これらは実際に好ましい。この文献は、材料、例えばカプセル壁材料の必要条件も示している。
【0038】
本発明では、食用製品のカプセルのカプセル壁材料は、室温で固体であるゲル形成性で薄膜形成性のタンパク質または多糖バイオポリマーを含むことが好ましい。この点で好ましいバイオポリマーには、(乾燥)カプセル壁に対して重量で60−100%の量で、好ましくは70−90%の量で、ゼラチン、アルギン酸、アルギン酸カルシウム、寒天、グアーガム、カラギーナン、ペクチンと混合したデンプン、ペクチンと混合したゼラチンがある。残部は、例えば可塑剤であってもよい。典型的な可塑剤はグリセロールである。ゼラチンは、本明細書で最も好ましいカプセル壁である。
【0039】
本発明による食用製品のコーティングカプセルに関して、コーティングが、アラビアゴムを含む1つまたは複数の層を含む、複数の層を含むことが好ましい。また、コーティングは、25℃で固体および乾燥形態の糖および/またはポリオールを含む1つまたは複数の層を含む、複数の層を含むことが好ましい場合がある。
【0040】
前に述べたように、この方法は、固着剤を用いたコーティングができることが好ましい。好ましくは、イソフラボンでコーティングする場合、塗付された後のコーティングがイソフラボンを含むこと、および好ましくは同じ層中のイソフラボンと、糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムおよび/または脂肪および/またはチョコレートとの重量比が、1:0.1および1:200の間になるような量で、例えば固着剤としての糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムおよび/または脂肪および/またはチョコレートをさらに含むことが好ましい場合がある。本明細書中において適したポリオールには、マルチトールおよび/またはキシリトールが含まれ、コーティングは、例えばキシリトール:マルチトールの比が10:1から1:10のキシリトールとマルチトールとの混合物および/または糖を含むことが好ましい。
【0041】
本発明による食用製品のコーティングカプセルはまた、ビタミンE、植物油および少しの香味料などの追加の成分を含んでもよい。このような成分を、コア中ならびにコーティング層中の両方に適用してもよい。したがって、カプセル壁またはコーティングは、無機物、ビタミンB、ビタミンC、カロテノイド、香味料、着色剤の1種または複数をさらに含むことが好ましい場合がある。
【0042】
食用組成物のコーティングされた食用カプセルは、ビタミンCをさらに含むことができる。本発明によるコーティングカプセルがビタミンCを含む場合、前記コーティングカプセルに対する、ビタミンCと、トリアシルグリセリドとして算出した場合のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルとの重量比は、1:200および1:0.1の間、好ましくは1:50および1:1の間であることが好ましい。ビタミンCが存在する場合、純粋なビタミンCとして算出した場合では、50および1000mgの間、好ましくは100および500mgの間(1回分量当たり:つまり、1および100の間であることが好ましい小分け品1個当たりのカプセルの数によって分割されるカプセル当たり)の量で存在することが好ましい。(存在する場合)カプセル当たりのビタミンCの好ましい量は、好ましくは0.2および50mgの間、より好ましくは1および10mgの間である。
【0043】
食用組成物のコーティングされた食用カプセルは、カロテノイドをさらに含むことができる。本発明によるコーティングカプセルが1種のカロテノイド(または複数種のカロテノイド)を含む場合、前記コーティングカプセルに対する、カロテノイドと、トリアシルグリセリドとして算出した場合のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルとの重量比は、1:10000および1:50の間、より好ましくは1:500および1:100の間であることが好ましい。カロテノイドが存在する場合、純粋なカロテノイドとして算出した場合、これらが1および10mg、好ましくは2および8mgの間の量(1回分量当たり:つまり、1および100の間であることが好ましい1回分当たりのカプセルの数によって分割されるカプセル当たり)で存在することが好ましい。(存在する場合)カプセル当たりのカロテノイドの好ましい量は、好ましくは0.01および2mgの間、より好ましくは0.02および0.5mgの間である。
【0044】
前に述べたように、シームレスカプセルを作製するための技術は、特にカプセルが、全体を飲み込むよりも咀嚼されることを意図して作製されるべき場合に、コーティングされるカプセルを作るための(例えば口当たりに対して)好ましい技術であることができる。この場合、コーティングはまた、(上述の技術を用いて達成することができる)シームレスコーティングであることが好ましい。
【0045】
カプセルの強度に関しては、カプセルは球状であることが好ましい。本明細書では、球状は最大直径と最小直径との間の比が1.3以下で表される。しかし、市販の魚油カプセルがコーティングされるものと考えられる場合、調製方法の理由から、これらの形は通常、より卵形である。したがって、(入手上の)便利さから、このような形も好ましい場合がある。
【0046】
多種多様なサイズが製造可能であるが、コーティングカプセルのそれぞれが0.02−5g、より好ましくは0.1−1gの重量を有することが好ましい。コーティングは、コーティングされていないカプセルの10および300%の間の重さであることができる。同様に、コーティングカプセルそれぞれが2から15mm、好ましくは3から10mmの直径を有することが好ましい場合がある。
【0047】
本発明において、コーティングの無いカプセルは5−400ミクロンのカプセル壁厚さを有し、コーティングの無いカプセルの直径は1−15、好ましくは3−7mmであり、カプセルの直径に対する壁厚の比は(乾燥している場合)0.005から0.05の範囲である。
【0048】
本発明はさらに、摂取によるスキンケア製品としての本発明による食用製品の使用に関する。さらに、本発明は女性による、好ましくは更年期以降の女性によるこうした使用に関する。本発明はまた、小皺および/または皺および/または年齢によるシミ(の可視度)を減少させるために、これらのどちらかまたは両方の使用に関する。
【実施例】
【0049】
実施例1
以下の方法で、市販の魚油(EPAおよびDHAを合わせて38%含み、α−酢酸トコフェロールとしてのビタミンEを加えた、ONC Unimeg−38、)用のゼラチンカプセルを調製した。
【0050】
ブタゼラチン(280Bloom、Symrise)および可塑剤としてのグリセロールをpH5.2の水に溶解し、80℃まで加熱、続いて45℃まで冷却して、カプセル壁溶液を調製した。
【0051】
魚油を内側ノズルに入れ、ゼラチン溶液を外側ノズルに入れて、水浸状態での共押出しノズル(内側ノズルの寸法1mm)を通して、魚油およびゼラチン溶液を供給した。ゼラチン溶液用の供給ラインを60−80℃で保持した。共押出しノズルを発振器に接続し、約13.8Hzの周波数でノズルを打った。約14℃の温度で維持した液体植物油で満たした浴に、ノズルを置いて浸した。
【0052】
流量は、魚油に対しては約55ml/分、ゼラチン溶液に対しては約19ml/分に設定した。発振器のノズルによって、液体が分散して魚油の個々の液滴になり、ゼラチン溶液の層でコーティングされた。冷却した油浴に浸漬することによって、ゼラチンは凝固してコーティング層を形成する。
【0053】
ノズルを調節して、約80−85mgの重量(まだ湿っている場合のサイズおよび重量)に対応する、直径が約5.5mmのゼラチン壁を有する魚油のカプセルを得た。
【0054】
こうして調製したカプセル化した魚油液滴を、ふるいにかけて油から取り出した。続いて、約4℃で1時間、カプセルを冷蔵庫に入れた。これに続いて、600rpmで30秒間遠心分離を行い、粘着している油を取り除いた。粘着性を減少させるために、約1重量%(カプセルに対して)のSiOを加えた(約0.2−0.3%の前記SiOがカプセル上に残存したことが分かった)。
【0055】
こうして調製されたカプセルを、回転乾燥機(18rpm)中で2時間、約160℃の温度の空気で空気乾燥した。こうして得られたカプセルは取扱いが安定していた。
【0056】
続いて、こうして得られたカプセル(コーティングされていない場合は2kg)を以下のステップに沿って、コーティングプロセス(バッチプロセス)にかけた。
−糖およびアラビアゴムの基層で(2回)コーティングし、ゼラチンの表面を粗面化し、こうしてさらなるコーティングを容易にするステップ。この目的のために、1つはアラビアゴム40%(wt)、もう1つは糖72%(wt)を含む2つの水溶液を調製し、次いでこれらの両方を48%で混合し、4%の水を加えた。コーティング層につき、前記混合溶液30mlをパンニングマシン中でカプセルに加え、続いて、アラビアゴム(約20%)と糖(約80%)の乾燥混合物をまぶし、こうした各コーティングの後10分で乾燥した;
−10の糖層でコーティングするステップ。この目的のために、約20−30mlの糖溶液(72%wt)をカプセルに加えた;
−イソフラボン(Novasoy70、ADM社から)、ビタミンCおよびリコピン(トマト由来、担体上に10%)を含む混合物の3つの層でコーティングするステップ。この目的のために、カプセルをまず、接着剤として糖およびアラビアゴム(糖40wt%およびアラビアゴム72wt%を含む水溶液30ml)の層で処理した。その後イソフラボン(10%)、ビタミンC(35%)およびリコピン(6%、Tomat−O−Red 10%、CWD、Lycored社から)、糖(24.5%)、アラビアゴム(24.5%)の乾燥粒子状混合物を、カプセルに噴霧し、次いで、これをさらに2回繰り返して、3つの層を得た;
−第2のコーティングステップ(糖層)と同様の方法で、30の糖の層でコーティングするステップ;
−光沢付与層(Quick Glanz H、セラックおよびカルナウバワックスを含む)でコーティングするステップおよび
−ラッカー層(Quick Lac、セラックを含む)および色を付ける着色層(アルコール中で分散)でコーティングするステップ。
【0057】
上記のコーティング層の全てを、周囲状況で1バッチ約2kgで、約30rpm、角度約20°でパンを回転させながらパンニングマシン中で塗付した。コーティング中、パンニングマシンを通して周囲温度の空気を吹き込んだ。第2の一連のコーティング(10の糖層)に対して、十分な時間をもって、糖を完全に乾燥(および次いで結晶化)させることができた。ラッカー層を噴霧して塗付する。
【0058】
糖コーティング層を塗付し、例えば包装および加工を容易にするためのさらなる強度を得たが、これらは層の数を省くまたは減らすことができる。
【0059】
得られたコーティングカプセルは球状カプセルの外観を有し、以下のような全体組成を有し、総重量は、1バッチ当たり2kgから1バッチ当たり約5.5kgに増加した。
【0060】
【表1】

【0061】
得られたカプセルが(この場合魚油としての)1製品中のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを、イソフラボン、ビタミンC、天然由来のリコピンおよびビタミンEと組み合わせて、物理的に安定した1つの製品とした。魚油、イソフラボン、ビタミンEおよびC、ならびにリコピンの摂取の所望のレベルに関して、このような球状のカプセルの1回分量は、例えば所望の総用量に対して10、20、30、40または50個とすることができる。
【0062】
実施例2
コーティングしていないカプセルを、実施例1と同様の方法で、および実施例1と同様の組成物を用いて作製した。これらのカプセルを実施例1と同様の方法でコーティングした。実施例2のコーティング組成物は、実施例2に関しては、リコピンおよびビタミンCがコーティング層中に存在しない点と、糖の代わりにマルチトールおよびキシリトールの組合せを用いた点で、実施例1とは異なっていた。
【0063】
カプセル(コーティングされていない場合で2kg)に、以下のステップに沿ってコーティングを行った。
−マルチトールおよびアラビアゴムの基層でコーティングし、ゼラチンの表面を粗面化し、こうしてさらなるコーティングを容易にするステップ。この目的のために、アラビアゴムおよびマルチトールを含む水溶液を調製した(総固形分50%、その10%がアラビアゴムおよび40%がマルチトール)。前記混合溶液約39gをパンニングマシン中でカプセルに加え、続いて、125gのQuick Coat Maltitol(A.Wolf社から)をまぶし、こうした各コーティングの後10分間乾燥した;
−15のマルチトール層でコーティングするステップ。この目的のために、層当たり約40−45g、マルチトール(65重量%)およびアラビアゴム(3%)の溶液を、25−30℃で空気乾燥しながら、カプセルに加えた。
−イソフラボンを含む混合物の3層でコーティングするステップ。この目的のために、カプセルを3層:まず、約25gの溶液を噴霧し、次いでイソフラボン(18%)の粒子状の混合物約120gおよびQuick Coat(マルチトール82%がベース、A.Wolf社から)を適用し、続いて40gの溶液および360gのQuick Coat Xylitol(A.Wolf社から)の1つの密封層でコーティングし、各コーティング層の間に空気乾燥を行った;
−キシリトールの38層でコーティングするステップ。これは71%のXylisorb700(Roquette社から)、4%のアラビアゴム溶液40%、および25%の水を含む組成物(層当たり約30ml)を用いて行った。層の間で、2−4層ごとに空気乾燥を適用した。
−水に、キシリトール(68%)、二酸化チタン(1%)および着色剤(2%)を含む組成物の7層(層当たり約40g)でコーティングし、色を付けるステップ;
−光沢付与層の2つの層(Quick Glanz H、セラックおよびカルナウバワックスを含む)でコーティングするステップ、
−ラッカー層(Quick Lac、セラックを含む)および色を付ける層(アルコール中で分散される)着色層でコーティングするステップ。
【0064】
得られた全体組成は、糖をキシリトールおよびマルチトールの組合せ(約3/4がキシリトール、1/4がマルチトール)と置き換え、ビタミンCおよびリコピンが存在しないこと以外は、実施例1の表と同様であった。
【0065】
全体的外観は、実施例1に従って調製したコーティングカプセルと同様であった。
【0066】
実施例3
20−65歳の10名の女性の審査員を、ω−3油および植物エストロゲンに関して、活性剤の摂取によって肌の状態を改善する(皺および小皺を減少させる)概念について、数行の書面のテキストで試験した。
【0067】
次いで、女性は、魚油約1.8g(約37%のDHA/EPAを含む)および大豆イソフラボン40mg(Novasoy70)の両方を含む、計量済みの一人分の2つの製品フォーマット:
−実施例2に従って調製された32個のコーティングカプセル(以下の表2では「caps」)を含むカップ
−魚油約1.8gおよびその中に分散した大豆イソフラボン約40mg(以下の表では「liq.」)を含むカップ
を与えられた。
【0068】
その後、女性に、両方のサンプルを同時に見た時に、以下の3つの質問に対して、1が「全くない」(つまり否定的である)、および10が「極めて良い」(つまり非常に肯定的である)を意味する10段階で各フォーマットに点数をつけるように尋ねた。
−Q1:これらの製品を見ただけで、この製品が、あなたが説明されたこの概念にどれくらい合うと思いますか?
−Q2:これらの製品を見ただけで、摂取してみたいとどれくらい思いますか?
−Q3:これらの製品を見ただけで、毎日摂取することがどれくらい簡単だと思いますか?
前記段階評価での結果を表2に示した。
【0069】
【表2】

【0070】
実施例4
実施例1に記載したようなゼラチンカプセル(未コーティング)を、チョコレートを含むコーティングでコーティングした。
【0071】
このために、こうして得られたカプセル(コーティングされていない場合で2kg)を以下のステップに沿ってコーティングプロセス(バッチプロセス)にかけた。
−アラビアゴムおよびイソマルトの基層でコーティングする(ゼラチンの表面を粗面化し、こうしてさらなるコーティングを容易にする)ステップ。この目的のために、1つはアラビアゴム40%(wt)、もう1つはイソマルト65%(wt)を含む2つの水溶液を調製し、次いでこれらを水(アラビアゴム25%、水13.5%およびイソマルト61.5%の溶液)と混合した。前記混合溶液40gのコーティング層をパンニングマシン中のカプセルに加え、続いて、アラビアゴム(20%)とイソマルト(80%)の乾燥混合物125gをまぶし、続いてこうしたコーティングの後10分乾燥した;
−Isomalt GS(Palatinit GmbH社から)を含む15層でコーティングするステップ。この目的のために、各ステップ用に、Isomalt GS約64%およびアラビアゴム4%の溶液約35mlをカプセルに加え、続いて各ステップの後に空気乾燥を行った;
−チョコレート活性混合物を調製するステップ。混合およびローラー精練(18μ未満)による:MaltisorbP200(マルチトール)46%、カカオマス13%、ココアバター16%、全脂粉乳25%。この混合物の90%をココアバター9.5%およびレシチン0.5%で(7時間)精練した。上記のマルチトール−チョコレート58%、アスコルビン酸ナトリウム14.5%、アスコルビン酸4.5%、イソフラボン5%、Tomat−O−Red2.5%、CWD10%、ココアバター15%、香料0.5%を含む混合物を調製した。コーティングしていないカプセル2000gのバッチで、上記チョコレート活性混合物1325gを、完全な混合物が得られるまで、いくつかのステップでコーティングした;
−第1のコーティングステップと同様の方法で、アラビアゴムおよびイソマルトの中間体コーティングでコーティングするステップ;
−第2のコーティングステップ(糖層)と同様の方法で、IsomaltGSの30層でコーティングするステップ、
−光沢付与層(Quick Glanz H、セラックおよびカルナウバワックスを含む)でコーティングするステップ、および
−ラッカー層(Quick Lac、セラックを含む)および色を付ける着色層(アルコール中で分散)でコーティングするステップ。
【0072】
上記のコーティング層の全てを、1バッチ約2kgで、約30rpm、角度約20°でパンを回転させながらパンニングマシン中で塗布した。
【0073】
実施例5
実施例4と同様の方法で、精練およびローラー精練したチョコレートの代わりに、2200gのMaltisorb P200、650gのココアバター(ローラー精練した)の混合物を含むコーティングカプセルを作製し、それに425gのココアバターおよび14gのレシチンを加えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のコーティングされた食用カプセルを含み、前記カプセルは、コア、カプセル壁、および前記カプセル壁を少なくとも部分的に被覆するコーティングを含み、前記コアは(コアに対して)重量で1−100%、好ましくは2−100%、より好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含み、前記コーティングはイソフラボンを含む、ω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含む食用製品。
【請求項2】
前記コーティングカプセル中の、カプセル当たりのトリアシルグリセリドとして算出したω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルの量が、5mgおよび1000mgの間、好ましくは10と200mgの間、より好ましくは15および100mgの間である、請求項1に記載の食用製品。
【請求項3】
コーティングカプセル当たりのイソフラボンの量が、0.1mgおよび100mgの間、好ましくは0.5および20mgの間である、請求項1または2のいずれかに記載の食用製品。
【請求項4】
前記コーティングカプセルに対して、イソフラボンと、トリアシルグリセリドとして算出した場合のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルとの重量比が、1:10000および1:5の間、好ましくは1:1000および1:10の間である、請求項1から3のいずれかに記載の食用製品。
【請求項5】
前記コーティングカプセル壁が、カプセル壁に対して60−100重量%の量で、好ましくは70−90重量%の量で、ゼラチン、アルギン酸、アルギン酸カルシウム、寒天、グアーガム、カラギーナン、ペクチンと混合したデンプンの1種を含む、ゲル形成性で薄膜形成性のバイオポリマーを含む、請求項1から4のいずれかに記載の食用製品。
【請求項6】
コーティングが、25℃で固体である乾燥形態の糖および/またはポリオールおよび/または脂肪および/またはチョコレートを含む1つまたは複数の層を含む、複数の層を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の食用製品。
【請求項7】
イソフラボンを含むコーティングが、好ましくはイソフラボンと、同じ層中の糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムおよび/または脂肪および/またはチョコレートとの重量比が、1:0.1および1:200の間になるような量で、糖および/またはポリオールおよび/またはアラビアゴムおよび/または脂肪および/またはチョコレートをさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載の食用製品。
【請求項8】
コアが、カロテノイド、ビタミンE、植物油、香味料の1種または複数をさらに含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の食用製品。
【請求項9】
カプセル壁またはコーティングが、無機物、ビタミンB、ビタミンC、カロテノイド、香味料、着色剤の1種または複数をさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載の食用製品。
【請求項10】
コーティングカプセルのそれぞれが0.02−5gの重量を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の食用製品。
【請求項11】
コーティングカプセルのそれぞれが2から15mm、好ましくは3から10mmの直径を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の食用製品。
【請求項12】
前記食用製品が、1および100個の間、好ましくは2および50個の間、より好ましくは3および50個の間、最も好ましくは10および50個の間の前記コーティングされた食用カプセルを、小分け品1個当たりに含む、好ましくは小分け品1個当たりにつきその個数からなる小分け製品である、請求項1から10のいずれかに記載の食用製品。
【請求項13】
コーティングカプセルが、1−100%、好ましくは2−200%、さらに好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含むコア、カプセル壁、ならびに前記カプセル壁の外側の前記カプセル壁を少なくとも部分的に被覆するコーティングを含み、前記コーティングがイソフラボンを含み、
−(コアに対して)重量で1−100%、好ましくは2−200%、より好ましくは10−100%のω−3脂肪酸および/またはω−6脂肪酸および/またはそれらのエステルを含むコアならびにカプセル壁を含むカプセルを提供するステップと、
−イソフラボンを含む1つまたは複数のコーティング層を適用するステップ
とを含む、コーティングカプセルを調製する方法。
【請求項14】
カプセルを提供するステップが、コア材料およびカプセル壁材料を、共押出しノズルを通して共押出しすることによって達成され、前記共押出しノズルが、カプセル壁の薄膜形成性のタンパク質または多糖バイオポリマーのゲル化点より少なくとも10℃(好ましくは少なくとも20℃)低い温度の油浴に浸漬されており、コア材料が内側ノズルを通して、およびカプセル壁材料が共押出しノズルの外側ノズルを通して押出される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
摂取によるスキンケア製品としての、請求項1から12のいずれかに記載の食用製品の使用。
【請求項16】
女性による、好ましくは更年期以降の女性による、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
小皺および/または皺および/または年齢によるシミ(の可視度)を減少させるための、請求項15または16に記載の使用。

【公表番号】特表2011−500043(P2011−500043A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529342(P2010−529342)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063527
【国際公開番号】WO2009/050101
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】