説明

コーティング方法及びコーティング装置

【課題】進行中の手術(OR)を妨害することなく医療用内部人工器官をコーティングするために使用することができる単純でかつ容易に使用される方法及び装置が提供される。
【解決手段】コーティングされる表面を有する医療用インプラントが提供され、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する少なくとも1つの液体を含む弾性変形可能な転移手段と接触させられ、液体が、転移手段との接触により該転移手段から医療用インプラントの表面に転移させられ、特に使用の直前に、液体が、転移手段、好適には転移手段のチャネル、少なくとも1つのリザーバチャンバ、孔、繊維、及び/又は介在するスペースに導入されるか、又は転移手段が液体に浸漬させられ、液体が、転移手段から、好適には転移手段のチャネル、少なくとも1つのリザーバチャンバ、孔、繊維、及び/又は介在するスペースから、コーティングされる医療用インプラント表面へ転移させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用インプラント、好適には人工関節又は関節用固定具の少なくとも一部をコーティングする方法に関する。
【0002】
本発明は、前記方法を使用して、医療用インプラントの少なくとも一部をコーティングするための装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
医薬的作用物質による医療用インプラントのコーティングに対する注目が近年高まっている。インプラント材料表面の抗生物質保護は、このようなコーティング方法の主な用途である。
【0004】
内部人工器官のあらゆるインプラント、及び骨接合術のあらゆるインプラントには、微生物汚染のリスクが関係する。インプラント表面における微生物病原体の定着が成功すると、術後の骨炎又は骨髄炎の症状発現につながる恐れがある。骨炎又は骨髄炎は、患者にとって深刻な合併症であり、さらには、著しいコストに関係する。
【0005】
ゲンタマイシンがドーピングされたPMMA骨セメントは、セメント式内部人工器官において、長年医療現場で使用されており、大きな成功を収めている。骨セメントに含有される広帯域抗生物質、ゲンタマイシンは、骨セメントの表面を細菌感染から有効に保護する。
【0006】
非セメント式内部人工器官及び骨接合材料に関して、インプラント表面の局所的な抗生物質保護をも達成するために多くのアプローチが提案されている。
【0007】
例えば、低水溶性の抗生物質塩が、複数の特許文献に記載されている。典型的な目的のために、欧州特許出願公開第0623349号明細書、欧州特許出願公開第1470829号明細書、欧州特許出願公開第1374923号明細書、独国特許出願公開第10142465号明細書、及び独国特許出願公開第4404018号明細書をここで引用することができる。前記低水溶性の塩は、体液の作用の結果、そこに含まれる抗生物質を解放しながら溶解する。作用物質の長期の解放は有利である。しかしながら、前記塩の困難な製造は不利である。
【0008】
択一的に、水溶性の抗生物質塩を使用することも可能である。これは、インプラント表面への抗生物質の固定に関連する問題に関係する。
【0009】
ここまで説明したコーティングの大部分は、好適には、工業的条件の下での、コーティングされたインプラントの製造のために意図されている。これは、前記インプラントの工業的コーティングが、工業的製造が十分に高いスループットにより経済的であることを保証することができるように、大規模使用のために関連する幾つかの作用物質のみを用いることができることを意味する。
【0010】
しかしながら、特に抗生物質コーティングの場合には、MRSA及びMRSE等の、ますます蓋然的な耐性ステータス及び多耐性病原体のその後の増大した発現を考慮し、インプラント表面の有効初期抗生物質保護を保証するため、一段又は二段敗血症内部人工器官交換における修正内部人工器官のコーティングのために、手近に細菌に特に適応された抗生物質又は抗生物質の組合せを使用することが関心事である。
【0011】
医療用インプラントをコーティングする方法は比較的困難であるという点で、これは不都合である。可変短期適用は適していない。従って、様々なシナリオは、様々な患者の要求を満たすために様々なコーティングされた医療用インプラントの貯蓄を必要とする。これは、広範囲な貯蓄を必要とし、特定のケースのための非常なソリューションを回避する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0623349号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1470829号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1374923号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10142465号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第4404018号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の課題は、従来技術の欠点を克服することである。特に、この目的のために、進行中の手術(OR)を妨害することなく医療用内部人工器官をコーティングするために使用することができる単純でかつ容易に使用される方法及び装置が提供される。その目的は、同じ方法及び同じ装置を使用してできるだけ多くの異なる医療用インプラントをコーティングできるようにすることである。さらに、この方法及び装置は、医療ニーズ、特に患者のための適切な医療、に適合させることができるように、使用するために可変であるべきである。手術室において要求される清浄度は、考慮すべき別の要因である。
【0014】
あらゆる製造者からの極めて異なるインプラントを医薬製剤でコーティングするために、最小限の時間消費で、進行中の手術中のORスタッフによって使用することができる、できるだけ単純なコーティング方法を開発することも、本発明の課題である。さらに、あらゆる液体医薬製剤を用いてできるだけ少ない努力でOR条件下でインプラントをORスタッフがコーティングすることを可能にする単純なコーティング装置を開発することは、本発明の課題である。さらに、できるだけ噴霧又は液滴がORエリアを汚染することができないように、装置が設計される。別の課題は、装置が特に非セメント式内部人工器官及び骨接合材料のコーティングに適しているべきである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題は、コーティングされる表面を有する医療用インプラントが提供され、コーティングされる医療用インプラント表面が、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する少なくとも1つの液体を有する弾性変形可能な転移手段と接触させられ、これにより、転移手段との接触により液体が転移手段から医療用インプラント表面に転移されることによって解決される。接触は、好適には以下のように進行する。つまり、コーティングされる医療用インプラント表面が、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する少なくとも1つの液体を有する弾性変形可能な転移手段に対して押し付けられ及び/又は前記形式の弾性変形可能な転移手段上を摺動させられ、これにより、前記転移手段に対する押付け及び/又は前記転移手段上の摺動の間に液体が転移手段からコーティングされる医療用インプラント表面へ転移される。
【0016】
本発明による方法は、医療用インプラントを挿入する前に行われる。従って、前記方法は"生体外で(ex vivo)"進行する。
【0017】
本発明によれば、医薬的に活性の物質は、医薬的に有効な手段、又は薬理学的な効果を有する手段、及び薬理学的な効果を補助するか又はあらゆるその他の形式で生体の自然治癒力を補助する手段であると理解される。その例は、抗生物質、有機防腐剤、銅塩、酸化銅、ガリウム塩、ストロンチウム塩、リチウム塩、銀塩、酸化銀、ビスホスホネート、成長因子、ステロイドホルモン、非ステロイドホルモン、止血剤、抗炎症剤、プラスミド、コスミド、リニアDNA、及びこれらの混合物を含む。
【0018】
本発明の範囲は、液体が抗生物質の水溶液を含むこと、好適には、10.0〜88.0質量%の硫酸ゲンタマイシン含有量を有する水性硫酸ゲンタマイシン溶液が使用されることを規定することもでき、その場合、75.0〜80.0質量%の硫酸ゲンタマイシン含有量を有する硫酸ゲンタマイシン溶液を使用することが特に好適である。前記硫酸ゲンタマイシン溶液は、油性−粘性稠性を有しており、金属表面に極めて良好に付着する。
【0019】
これに関連して、本発明はさらに、一般的な医薬的安定剤が硫酸ゲンタマイシン溶液に含有されていることを規定することもできる。これらは、塗布される液体の耐久性及び使用適性を改善する。
【0020】
本発明は、液体又は液体の成分としての、硫酸トブラマイシン、硫酸アミカシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸シソマイシンの水溶液等の、他のアミノグリコシド系抗生物質溶液の使用も規定することができる。バンコマイシン、ダルババンシン、ラモプラニン、ダプトマイシン、モキシフロキサシン、クリンダマイシン、及びリンコマイシンの水溶液を使用することも適している。
【0021】
さらに、本発明の範囲は、液体として、様々な抗生物質の溶液の組合せの使用を規定することができる。その例は、硫酸ゲンタマイシンと塩酸バンコマイシンの2つの抗生物質の組合せ、ダプトマイシンと硫酸ゲンタマイシンの2つの抗生物質の組合せ、硫酸ゲンタマイシンとクリンダマイシンの2つの抗生物質の組合せ、及び硫酸ゲンタマイシンと、塩酸バンコマイシンと、塩酸クリンダマイシンの3つの抗生物質の組合せを含む。
【0022】
本発明はさらに、液体として使用される防腐剤溶液、特に、クロロヘキシジンジグルコネート、二酸化水素化オクテニジン、及びポリヘキサニドの溶液を規定することができる。
【0023】
発明の範囲は、液体が、溶媒として有機溶媒又は有機溶媒の組合せ又は有機溶媒と水の組合せを含有する、抗生物質及び防腐剤の溶液を含むことも包含する。これは、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等の低水溶性抗生物質塩が使用されることも許容する。さらに、水性懸濁液の形態の低水溶性抗生物質又は抗生物質塩を使用することもできる。
【0024】
本発明による方法の特に有利な改良は、液体が、コーティングされる医療用インプラント表面へ転移手段から、好適にはチャネル、少なくとも1つのリザーバチャンバ、孔、繊維、及び/又は転移手段の介在するスペースから転移されることを規定する。
【0025】
さらに、特に使用直前に、液体が転移手段、好適にはチャネル、少なくとも1つのリザーバチャンバ、孔、繊維、及び/又は転移手段の介在するスペースへ導入されるか、又は転移手段が液体に浸漬されることを規定することは、本発明のための特定の利点である。これは、方法の可変性を保証する。
【0026】
これに関して、本発明は、転移手段に導入される、治療シナリオに合致する液体、特に治療シナリオに合致する抗生物質又は抗生物質の混合物を規定することができる。従って、ある患者の特定の要求に適応されたソリューションを、医療用インプラントの実際のコーティングの直前に提供することができる。
【0027】
特に有利な方法は、液体が、コーティングされる医療用インプラント表面に全ての側において、環状の転移手段を使用して塗布されることを特徴とする。これは、多くの医療用インプラント、特に内部人工器官の特定の形状に対応する。
【0028】
液体による周囲環境の汚染を回避するために、本発明は、医療用インプラントを転移手段と接触させる前に、医療用インプラントが、転移手段が配置されている容器に導入され、医療用インプラントへの液体の転移後に容器から引き出されることを規定することができる。
【0029】
医療用インプラントへの液体の転移後に医療用インプラントの濡れた表面に粉末が塗布されること、好適には医療用インプラントが粉末に浸漬されることによって、別の改良が達成される。前記粉末は、例えば、少なくとも1つの医薬的に活性の物質又は少なくとも1つの骨成長刺激化合物を含むことができる。適切な粉末は、例えば骨成長を促進し、これにより、インプランテーションの成功を改善する。なぜならば、粉末は、形成される隣接する骨材料へのインプラントのより安定した結合を行うからである。
【0030】
本発明は、例えば弾性変形可能な転移手段に押し付け及び/又は弾性変形可能な転移手段上を摺動させ、粉末に浸漬させ及び/又は粉末に押し付けることによって、医療用インプラントを弾性変形可能な転移手段と接触させる前に、医療用インプラントが少なくとも1つの膜を押し通されるか又は少なくとも1つの膜が開放され、これにより、少なくとも1つの膜が少なくとも液体及び/又は粉末の一部をカバーし、好適には少なくとも1つの膜が容器内の粉末を封止する。膜は、使用前に液体及び/又は粉末の汚染を防止する。膜に穿孔することは、保護膜が使用の直前に初めて開放されることを保証する。この目的のために、膜の断片又はその他の部分が液体又は粉末に進入するか又は医療用インプラントに付着することができないように膜が構成されているべきである。
【0031】
本発明による別の改良は、治療シナリオに合致する粉末を提供することであることができる。
【0032】
本発明は、治療シナリオに合致する抗生物質又は抗生物質の混合物が粉末に導入されることを規定することもできる。これらの2つの手段は、個々の患者の実際の治療シナリオへの個々の適応を許容する。
【0033】
本発明の特に有利な改良は、粉末が、骨成長促進物質としての、リン酸カルシウム粉末、特に好適にはα−リン酸カルシウムとβ−リン酸カルシウムの混合物を含むことを特徴とする。特に医療用インプラントが容器から引き出される時に、好適にはこの目的のために設計されたワイパにおいて、転移された液体及び/又は粉末の一部がこすり落とされることにより、周囲環境を汚染する可能なリスクの低減と、しばしば高価なコーティング材料の節約とを、本発明によって達成することができる。これは、液体、及び適用可能であるならば粉末による、周囲環境、すなわち特にORエリアの汚染を回避又は少なくとも低減することができる。これは、特に抗生物質の使用時に推奨される。なぜならば、これにより、ORエリアにおける耐性病原体の発展が防止されるからである。
【0034】
コーティングされた領域及びコーティングの完了を可視化するために、本発明は、医療用インプラントのコーティングされた領域を色によって識別することができるように液体は着色されるように形成されることを規定することができる。
【0035】
これに関して、本発明は、コーティングされる領域のコーティングの完了が前記着色によって試験されることを規定することができる。
【0036】
本発明は、コーティングされるインプラントが、弾性変形可能な転移手段と繰り返し接触される、好適には弾性変形可能な転移手段に対して繰り返し押し付けられる及び/又は弾性変形可能な転移手段上を繰り返し摺動させられることを規定することもできる。
【0037】
本発明は、コーティングされる医療用インプラント表面の完全なコーティングが達成されるために必要なだけ頻繁に方法が繰り返されることを規定することもできる。特に、液体の着色及び前記着色によるコーティングの完了の試験に関連して、本発明によればこれは十分にコーティングされた医療用インプラントを得るために有利である。
【0038】
さらに、本発明は、医療用インプラントの表面の少なくとも50%、好適には医療用インプラントの表面の少なくとも80%、特に好適には90%がコーティングされることを規定することができる。
【0039】
方法の特に有利な改良は、医療用インプラントとして、非セメント式人工股関節、人工肩関節、人工肘関節、骨髄釘、骨接合プレートが使用されることを特徴とする。
【0040】
装置に関して、この装置が、転移手段をコーティングされる医療用インプラント表面と接触させた時、好適には転移手段に対して押し付けた時及び/又は転移手段上を摺動させた時に液体を医療用インプラントへ転移させることができるように、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する液体を有する弾性変形可能な転移手段を有することによって、課題が達成される。弾性変形可能な転移手段は好適には液体に浸漬される。
【0041】
これに関して、本発明は、転移手段が、医療用インプラントを導入及び抜出するための開口を有する容器に配置されることを規定することができる。容器の目的は液体の意図しない飛散を阻止するためである。
【0042】
これに関して、本発明は、開口が引抜き式蓋によって閉鎖されることを再び規定することができる。これは、装置の使用前に内容物の汚染が防止されることを許容する。
【0043】
本発明の特に有利な改良は、装置が、好適には開口の領域に配置された、特に開口を転移手段との間に配置されたワイパを有することを規定することができる。
【0044】
これに関して、本発明は、ワイパがディスク状であり、ディスクの上側と下側を接続する少なくとも1つの切欠を有することを規定することができる。
【0045】
択一的に、本発明は、ワイパが円錐のエンベロープ(an envelope of cone)又は半球面状に成形されており、円錐又は半球の先端は転移手段に向けられており、円錐又は半球は好適には、ワイパの上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠を有することを規定することができる。この手段によって、インプラントを引き出す間に転移手段から分離する恐れのあるあらゆる液滴又は粒子は、容器の内壁に衝突しかつワイパの下側に衝突し、これにより、液体による周囲環境の汚染が防止されるような形式でのみ移動することができる。
【0046】
特に有利な装置は、転移手段が孔を有しており、液体は、好適には溶液及び/又は懸濁液の形態で転移手段の孔に含有されていることを特徴とする。
【0047】
さらに、本発明は、転移手段が、液体をコーティングされる医療用インプラント表面へ転移させるために使用することができる少なくとも1つのローラ、少なくとも1つの回転可能な球体及び/又は少なくとも1つのスポンジを有することを規定することができる。
【0048】
本発明の特に好適な改良は、提供されるコーティングが医薬的に活性の用量を含むような形式で、医薬的に活性の物質が抗生物質及び/又は有機防腐剤を含有することを規定する。
【0049】
さらに、本発明は、装置が、真空源に接続することができかつ好適にはワイパと転移手段との間に配置された真空接続部を有することを規定することができる。これは、付加的に、液体及び/又は懸濁液の生じうる液滴の吸入により、薬剤による周囲環境の汚染が生じないことを保証することができる。
【0050】
別の改良によれば、本発明は、転移手段が親水性材料から製造されており、好適には少なくとも1つの他の部分、特に容器及び/又はワイパが疎水性材料から製造されていることを規定することができる。コーティングのために薬剤の水溶液及び/又は懸濁液を使用することが好ましい。転移手段が親水性材料から製造されているならば、水溶液及び/又は懸濁液は好適には、容器及びワイパの疎水性表面ではなく、多孔質親水性材料に配置される。この挙動により、水溶液及び/又は懸濁液で予め充填されたコーティング装置は、前記水溶液又は懸濁液の最小の体積でも働き、依然として保証されたコーティングを提供する。
【0051】
本発明は、ワイパが、生体適合性エラストマ、熱可塑性材料、金属箔、又は金属−エラストマ組合せ又は金属−プラスチック組合せから製造された複合材から形成されていることを規定することもできる。
【0052】
本発明の別の改良は、リングとしてのワイパを規定し、リングは、容器の中心に関して半径方向に配置された剛毛を含み、かつ適用可能であるならば、先端が転移手段の方向に配置された円錐を形成することができる。前記剛毛は、プラスチック材料から形成することができ、剛毛の機械的安定性及び係止は、前記剛毛が破断又は分離されないように十分に強くなっている。
【0053】
本発明は、弾性接続手段によって容器に接続されたローラ及び/又は球体としてのワイパを規定することもできる。
【0054】
さらに、本発明は、転移手段が多孔質であり、弾性であり、好適には多孔質親水性プラスチック材料から形成されていることを規定することができる。
【0055】
これに関して、本発明は、多孔質弾性転移手段が円錐のエンベロープ(an envelope of cone)又は平坦なディスク又はアーチ状であることを規定することができ、少なくとも1つの切欠が転移手段の上側を転移手段の下側に接続していることが好ましく、円錐のエンベロープの場合、円錐の先端はワイパの方向に配置されている。インプラントを、前記少なくとも1つの切欠を通じて装置に導入することができる。
【0056】
これに関して、ワイパに形成された半径方向の切欠を有することが特に有利である。これにより、コーティングが完了した後にインプラントの外周面全体を拭い、コーティングされたインプラント表面から余分な量の溶液又は懸濁液を除去することができる。さらに、インプラントを液体から引き出す間に生じる恐れがある、液体の液滴又は粒子の解放を有効に防止することができる。これにより、周囲環境の汚染が大幅に防止される。
【0057】
本発明は、転移手段がリングであり、このリングは、中心に関して半径方向に配置された剛毛を有しており、これらの剛毛は、好適には、容器の内壁に対して垂直に突出するか又は容器の内壁に対して鋭角でワイパの方向に突出するように提供されていることを規定することもできる。
【0058】
さらに、本発明は、装置が、水溶液又は有機水溶液又は有機溶液、及び/又は少なくとも1つの薬剤の懸濁液によって充填されているか、又は最初は薬剤を含有していないことを規定することができる。
【0059】
本発明は、ワイパが、生体適合性エラストマ、熱可塑性材料、及び/又は金属箔、又は金属−エラストマ組合せ又は金属−プラスチック組合せから製造された複合材から形成されていることを規定することもできる。
【0060】
発明の範囲によれば、β−リン酸三カルシウム、α−リン酸三カルシウム、非晶質に形成されたリン酸カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸オクタカルシウム、ヒドロキシルアパタイト、フルオロアパタイト、硫酸カルシウム半水化物、硫酸カルシウム二水和物、無水硫酸カルシウム、粉末抗生物質、有機防腐剤、銅塩、酸化銅、ガリウム塩、ストロンチウム塩、リチウム塩、銀塩、酸化銀、ビスホスホネート、成長因子、ステロイドホルモン、非ステロイドホルモン、止血剤、消炎剤、プラスミド、コスミド、リニアDNA、及びこれらの混合物が粉末として使用される。粉末は、錯化剤、又は低水溶性複合剤を形成する塩、又はワイパからインプラント表面へ転移される薬剤を備えた塩を含むこともできる。つまり、粉末は、例えば、ゲンタマイシン又はその他の陽イオン抗生物質と共に低水溶性複合剤を形成するテイコプラニンを含むことができる。例えば、粉末は、脂肪酸の又はアルキル硫酸のN−メチルグルカンモニウム塩を含むことも適しており、これは、反復塩交換により、陽イオン抗生物質の水溶液に曝されると、低水溶性脂肪酸塩又は抗生物質のアルキル硫酸を形成することができる。この手段は、インプラント表面への、薬剤、特に抗生物質の低水溶性複合剤又は塩の提供を可能にする。
【0061】
水の存在において硬化する、非晶質に形成されたリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム半水化物等の、反応性無機粉末を使用することが特に有利である。つまり、安定したコーティングを形成することが可能である。例えば硫酸カルシウム半水化物が粉末として使用される場合、硫酸カルシウム半水化物に、核形成剤としての少量の硫酸カルシウム二水和物及び促進剤としての硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム又は硫酸カリウムを付加することにより、僅か数秒以内での硬化を達することができる。さらに、水性酸、特にリンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸の影響に曝した時に僅か数秒以内に硬化するβ−リン酸三カルシウム、α−リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウムの使用も有利である。
【0062】
本発明は、転移手段の使用が、手術中又は手術直前に塗布することができるコーティングを可能にする、という驚くべき発見に基づく。このことにより、コーティングは患者の個々の要求に適応させられる。さらに、転移手段の使用は、液体の飛散のリスクを低減し、これにより、周囲環境の汚染が防止される。これは、特に手術室における使用のために重要である。
【0063】
つまり、OR条件下での医薬製剤を備える医療用インプラントの迅速かつ簡単なコーティングのための本発明による方法が提供される。さらに、本発明による多くの改良は、ORエリアにおける薬剤の液滴又は飛沫の解放が大幅に防止されることを達成する。コーティング装置は、特に、非セメント式内部人工器官、非セメント式修正内部人工器官、及び骨接合材料の薬剤を用いた安価なコーティングのために設計されている。
【0064】
従って、製造中に極めて早期に医療用インプラントをコーティングするのではなく、挿入する直前に医療用インプラントをコーティングすることもできる。これにより、比較的短期作用型コーティングを使用することができる。さらに、依然として液体の層を使用することもでき、これは、新たな適用分野を開拓し、新たな作用物質を適用可能にする。
【0065】
装置を薬剤の溶液及び/又は懸濁液で予め充填することができ、ORスタッフは単に装置を開放することだけが必要であり、次いで即座にインプラントをコーティングすることに進むことができる。これに関して、前記コーティングの時間の消費は数秒であり、貴重なOR時間をこれにより節約することができる。
【0066】
択一的に、予め充填されていない装置に、薬剤の溶液又は懸濁液の噴射によりまさに手術室において1つ又は2つ以上の薬剤を提供することも可能である。抗生物質コーティングの場合、これは、既存の耐性条件に基づく抗生物質又は抗生物質の組合せの適切な選択を可能にし、これにより、コーティングが抗生物質感受性パターンに合致することを保証する。
【0067】
予め充填されていない装置に、手術前にそれぞれの病院薬局において薬剤の適切な溶液又は懸濁液を充填することも可能であり、手術中に遅れることなくコーティングを行うことができる。
【0068】
これに関して、医薬的に活性の物質として、薬剤のグループの少なくとも1つのメンバー、例えば、抗生物質、有機防腐剤、銅塩、酸化銅、ガリウム塩、ストロンチウム塩、リチウム塩、銀塩、酸化銀、ビスホスホネート、成長因子、ステロイドホルモン、非ステロイドホルモン、止血剤、消炎剤、プラスミド、コスミド、リニアDNA、及びこれらの混合物を使用することは特に適切である。
【0069】
初期抗生物質保護のためには、インプラント表面に24〜72時間、十分に高い濃度の1つ又は複数の抗生物質を有すると十分である。従って、医療用インプラントの十分な一時的な局所的抗生物質保護を、単なる水溶性抗生物質の局所的導入によって達成することもできる。
【0070】
装置は、薬品として又は医薬品として提供することができる。
【0071】
本発明による装置と、医療用インプラントとの組合せも提供することができる。前記組合せは、装置とインプラントとによって形成され、前記組合せは、0.1秒の最短寿命を有する。組合せはコーティングプロセスの間に生じる。
【0072】
発明の典型的な実施の形態を、発明の範囲を制限することなく、2つの概略的な図面に基づき以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】容器における本発明による転移手段の概略的な断面図である。
【図2】本発明による装置の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、本発明による装置1の概略的な断面図を示している。装置1は、上部において開放したジャーの形態の容器4を有する。容器4の側壁は、円筒状で均一な厚さを有している。開口の領域、つまり開口のすぐ下方において容器の内部にワイパ6が配置されており、このワイパ6は、中央の円形の開口を除き、開口をほぼ完全に閉鎖している。
【0075】
容器4の底及び側壁、及びワイパ6は、疎水性材料から製造されているか又は疎水性層でコーティングされている。ワイパ6の円形の開口から、ワイパ6には、8つの方向にスリット又は切欠が形成されている。
【0076】
8つのスリット若しくは切欠(図示せず)は、容器4の側壁まで完全には延びておらず、これは、ワイパ6を通って医療用インプラントの導入を可能にすることを意味する。つまり、ワイパ6は、医療用インプラントを引き出す際、又は導入するか又は引き出す際、医療用インプラントを拭う8つのフレキシブルなセグメントを有しており、これは、これらのセグメントがインプラントの表面上を摺動することを意味する。ワイパ6の円形の開口の直径は、導入される医療用インプラントの断面よりも小さい。これは、特に医療用インプラントが引き出される時に、ワイパ6が医療用インプラントの実質的に全表面に亘って摺動し、これにより、拭うことを保証する。
【0077】
スリットも配置されている転移手段8は、容器4の内部に配置されている。転移手段8は、スポンジ等のフレキシブルな多孔質材料から製造されている。転移手段8には、抗生物質を含む水溶液が吸収されている。容器4及びワイパ6の疎水性により、水溶液は主として転移手段8に配置される。
【0078】
図示された装置1は、本発明による方法を実施するために使用することができる。転移手段8には、医療用インプラントをコーティングするために使用される、少なくとも1つの医薬的に有効な物質を含有する水溶液が吸収されている。転移手段8は、接続部(図示せず)を通じて液体を吸収することができる。択一的に、転移手段8には、ワイパ6における円形の開口又はワイパ6を貫通する注射器を用いて充填することができる。
【0079】
医療用インプラント(図示せず)は、転移手段8に接触するようにワイパ6を通って押し込まれる。医療用インプラントを介して転移手段8に加えられる圧力により、医療用インプラントは、転移手段8においてこの目的のために設計された裂け目(breaches)を押し通るだけでなく、転移手段8に含有されていた液体が、転移手段8から押し出され、医療用インプラントの表面に塗布される。
【0080】
医療用インプラントの表面がコーティングされると、医療用インプラントは容器4から引き出される。医療用インプラントのコーティングされた表面は、この過程でワイパ6を通って引き出される。これにより、余分な液体が医療用インプラントの表面から拭い落とされ、滴下して転移手段へ戻る。従って、容器4から引き出された医療用インプラントはもはや滴下しない。さらに、転移手段8の傾斜は液体が飛散するのを防止する。転移手段の傾斜は、円錐のエンベロープとして提供されており、その先端はワイパ6の方向に向けられている。これらの2つの手段により、液体が周囲環境を汚染することが防止される。次いで、液体でコーティングされた医療用インプラントは手術において使用することができる。
【0081】
図2は、本発明による方法のための、本発明による第2の装置11の概略的な斜視図を示している。装置11は、容器14と、この容器14を上部において完全に閉鎖するワイパ16とを有する。フレキシブルなワイパ16は6つのスリット若しくは切欠17を有しており、これらのスリット若しくは切欠は、ワイパ16の上側を容器14の内側に面したワイパ16の底側に接続しており、これにより、スリット17に沿ってワイパ16を通って医療用インプラント(図示せず)を容器14の内部に導入することができ、この状況においてワイパ16は折り畳まれる。
【0082】
容器14の内側には、転移手段(図示せず)が配置されており、この転移手段は、回転可能なローラから構成されており、ローラの表面には液体層が提供されており、この液体層を、医療用インプラントをコーティングするために使用することができる。液体容器はローラに液体を再供給する。医療用インプラントがワイパ16を通って容器14の内部に押し込まれると、転移手段のローラは医療用インプラントの表面に液体を転移させ、これにより、医療用インプラントをコーティングする。
【0083】
ワイパ16は、医療用インプラントの表面から余分な液体が拭い落とされることを保証する。
【0084】
本発明による方法のための液体の製造の例、及び本発明による装置の別の例が、以下に示される。
【実施例】
【0085】
実施例1:硫酸ゲンタマイシンを含有するコーティング溶液の製造
合計で16.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)が室温で4.0mlの発熱物質無しの滅菌水と混合された。室温で、24時間、電磁撹拌機によって撹拌した後、油性−粘性の黄色溶液が形成された。これにより、医療用インプラントをコーティングするための液体としての硫酸ゲンタマイシンを含有するコーティング溶液が得られた。
【0086】
実施例2:硫酸ゲンタマイシン及び塩酸クリンダマイシンの二成分組合せを含有するコーティング溶液の製造
合計で12.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)が、室温で、4.0gの塩酸クリンダマイシン(Sigma-Aldrich)及び4.0mlの発熱物質なしの滅菌水と混合された。室温で、24時間、電磁撹拌機で撹拌した後、油性−粘性の黄色溶液が形成された。
【0087】
実施例3:硫酸ゲンタマイシン、塩酸クリンダマイシン、及び塩酸バンコマイシンの三成分組合せを含有するコーティング溶液の製造
合計で4.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)、4.0gの塩酸クリンダマイシン(Sigma-Aldrich)、及び4.0gの塩酸バンコマイシン(Sigma-Aldrich)が、室温で、8.0mlの発熱物質なしの滅菌水と混合された。室温で、24時間、電磁撹拌機で撹拌した後、粘性の黄色溶液が形成された。
【0088】
実施例4:コーティングされたインプラントの製造
上記実施例のコーティング溶液のそれぞれ5mlを抜き取るために、慣用の10mlプラスチック注射器が使用された。次いで、4mlの対応する作用物質溶液を、本発明による装置の多孔質転移手段へ注入するために、充填されたプラスチック注射器が使用された。これにより、作用物質溶液は、多孔質転移手段に吸収される。
【0089】
その後、慣用のZweymueller人工股関節は、ステムの端部の直前まで、本発明による予備充填された装置に、短時間だけ浸漬され、即座に抜き出される。これにより、Zweymueller人工股関節は、ステムの表面において作用物質溶液の粘性の膜が提供される。
【0090】
前記明細書、請求の範囲、図面、及び典型的な実施の形態に開示された発明の特徴は、単独で、またあらゆる組合せでの発明の様々な実施の形態の実施にとって必須であることができる。
【符号の説明】
【0091】
1,11 装置、 4,14 容器、 6,16 ワイパ、 8 転移手段、 17 スリット又は切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングする方法において、
コーティングされる表面を有する医療用インプラントが提供され、
医療用インプラントのコーティングされる表面が、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する少なくとも1つの液体を含む弾性変形可能な転移手段と接触させられ、液体が、転移手段との接触により該転移手段から医療用インプラントの表面に転移させられ、特に医療用インプラントの使用の直前に、液体が転移手段、好適には転移手段のチャネル、少なくとも1つのリザーバチャンバ、孔、繊維、及び/又は介在するスペースに導入されるか又は転移手段が液体に浸漬させられ、液体が、転移手段、好適には転移手段のチャネル、少なくとも1つのリザーバチャンバ、孔、繊維、及び/又は介在するスペースから、医療用インプラントのコーティングされる表面へ転移させられることを特徴とする、医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングする方法。
【請求項2】
環状の転移手段を用いて、医療用インプラントのコーティングされる表面に、全ての側において液体を塗布する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
医療用インプラントを転移手段と接触させる前に、内部に前記転移手段が配置されている容器に、医療用インプラントを導入し、該医療用インプラントへの液体の転移後に該医療用インプラントを容器から引き出す、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
医療用インプラントへの液体の転移後に該医療用インプラントの濡れた表面に粉末が塗布され、好適には、医療用インプラントが粉末に浸漬され、該粉末は好適には少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
特に容器から医療用インプラントを引き出す際に、転移された液体及び/又は粉末の部分をワイパにおいて拭い落とし、該ワイパはこの目的のために設計されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
医療用インプラントのコーティングされた部分を色によって識別することができるように液体が着色されるように該液体を形成する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
医療用インプラントの表面の少なくとも50%、好適には医療用インプラントの表面の少なくとも80%、特に好適には90%をコーティングする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法によって医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングするための装置(1,11)において、
弾性変形可能な転移手段(8)が設けられており、該転移手段(8)が、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する液体を含んでおり、コーティングされる医療用インプラント表面と転移手段(8)が接触させられた時に液体を医療用インプラントへ転移させることができるようになっており、転移手段(8)が、医療用インプラントを導入及び抜出するための開口を有する容器(4,14)内に配置されており、転移手段(8)が孔を有しており、液体が、転移手段(8)の孔に、好適には溶液及び/又は懸濁液の形態で含有されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法によって医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングするための装置(1,11)。
【請求項9】
前記開口が、引抜き式蓋によって閉鎖されている、請求項8記載の装置(1,11)。
【請求項10】
好適には開口の領域、特に開口と転移手段(8)との間に配置されているワイパ(6,16)が設けられている、請求項8又は9記載の装置(1,11)。
【請求項11】
前記ワイパ(6,16)がディスク状であり、ディスク(6)の上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠(17)を有する、請求項10記載の装置(1,11)。
【請求項12】
ワイパ(6,16)が、円錐のエンベロープ(16)又は半球面のような形状であり、円錐又は半球の先端が転移手段(8)に向けられており、円錐のエンベロープ(16)又は半球が、好適には、ワイパ(6,16)の上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠を有する、請求項10記載の装置(1,11)。
【請求項13】
転移手段(8)が、コーティングされる医療用インプラント表面に液体を転移するために使用することができる少なくとも1つのローラ、少なくとも1つの回転可能な球体、及び/又は少なくとも1つのスポンジを含む、請求項8から12までのいずれか1項記載の装置(1,11)。
【請求項14】
提供されるコーティングが医薬的に活性の用量を含有するように医薬的に活性の物質が抗生物質及び/又は有機防腐剤を含有する、請求項8から13までのいずれか1項記載の装置(1,11)。
【請求項15】
転移手段(8)が親水性材料から製造されており、好適には少なくとも1つの他の部分、特に容器(4,14)及び/又はワイパ(6,16)が疎水性材料から製造されている、請求項8から14までのいずれか1項記載の装置(1,11)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−130707(P2012−130707A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−281615(P2011−281615)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(508316210)ヘレーウス メディカル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (21)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Medical GmbH
【住所又は居所原語表記】Philipp−Reis−Str. 8/13, D−61273 Wehrheim, Germany
【Fターム(参考)】