説明

コードの乾燥処理方法と、その装置

【課題】 コードの乾燥処理における乾燥熱板へのコードの掛け渡しを簡単に行なえるようにして、コードの掛け替えに要する時間の短縮化を図り、コードの乾燥処理における作業性を向上させる。
【解決手段】 クリール台車1内の多数のリール1aから引き出された多数のコードCを主ガイド板21の開孔を通して帯状に引き揃えてインシュレーションヘッド6に供給掛け渡しして、この掛け渡しされたコードC上の上下動ローラ4を下降させることで、ローラ4によりコードCを熱板5に沿って押し下げるとともに、該熱板5に押し当てて、コードCを順次供給移動させることで、該コードCの乾燥を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードの乾燥処理技術に関し、さらに詳しくはタイヤ部材用コードとして使用されるレーヨン製コード等の吸湿性の高いコード(ナイロンも含む)の乾燥処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ部材用コード、とりわけカーカス材等に使用されるコードは、通常複数本引き揃えられてゴム被覆され、帯状コードとされる。このようなゴム被覆された帯状コード形成のためのコード処理方法や処理装置は従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、タイヤのカーカス材等に使用するコードとして従来一般に使用されるものは、ポリエステルやナイロン製のコードであるが、耐熱性や耐疲労性に優れることからレーヨン製のコードも乗用車用のラジアルタイヤ等のカーカス材として良く使用されている。しかしながら、レーヨン製のコードは吸水性が高く、吸水によりその強度が落ちるという欠点がある。このため、タイヤのカーカス材として使用するレーヨンコードはそのゴム被覆処理過程において良く乾燥処理させる必要がある。
【0004】
また、カーカス材用コードのゴム被覆処理装置におけるコード乾燥処理装置として、クリール台車内の多数のリールから引き出されてガイド板を通して繰り出し引き揃えられた多数本のコードを、多段式とされる多数の回転する温水式乾燥ドラム群の間を蛇行移動させながら通過させて、この間にコードの乾燥を行う乾燥処理装置が従来から知られている。
【特許文献1】特開2001-336078号公報(第1頁、第33図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から知られる上述のコードのゴム被覆処理装置は、カーカス材に使用されるコード0Cのゴム被覆処理に利用される装置であり、この装置は、図9に図示されるように、そのコード0Cの乾燥処理装置として、クリール台車01内に収納されたコード0Cが巻き付けられた多数のリール01aのそれぞれから引き出された多数本のコード0Cが、主ガイド板021および引き揃えローラ022を通して繰り出し引き揃えられ、引き揃えられたこの多数本のコード0Cが帯状をなして、ガイドローラ03にガイドされて多段式に設置された多数の回転する温水式乾燥ドラム群05間を蛇行移動しながら通過することで、該コード0Cが乾燥処理される処理方式を採用している。
【0006】
このゴム被覆処理装置におけるコードの乾燥処理装置は、既述したように温度調整された多段式に設置された多数の回転する温水式乾燥ドラムを備えるものであり、多数本のコードはその乾燥処理における蛇行移動のためにこれら多段式に設置された多数の乾燥ドラム間に交互にドラム掛けされており、多数本のコードの乾燥ドラムへの掛け渡し作業は時間を要する相当面倒なものである。
【0007】
そして、コードの処理において、1つのクリール台車内の収納コードが空になると、クリール台車の切換えがなされるが、クリール台車の切換えに際して乾燥ドラムへの多数本のコードの新たな掛け渡しが必要であり、この乾燥ドラムへのコードの掛け渡しは上述したように面倒なものであるから、この掛渡しに要する所要時間はおおよそ1時間にもなる。しかもクリール台車の切換え毎にこのような掛け渡し作業が繰り返し行なわれることになるから、クリール台車の切換えの作業性が悪く無駄な時間を費やすことになる。
【0008】
また、コードの乾燥処理作業中にコードが切れる所謂、糸切れ発生時には、例えば、繰り出されたコードが100本であるとして、その内の一本のコードが切れた場合であっても、残りの99本は回転する乾燥ドラムに巻き付いているので、切れたコードは次々に繰り出されることになり、気付いたときには切れたコードは混乱した状態となり、処理作業の中断に追い込まれることがあり、糸切れ修正作業には1時間程度の時間を要する。さらに、乾燥ドラムは温水による温度調整であるから、ドラム表面がコード乾燥のための必要な所定温度に昇温するまでに、2時間程度の時間を要するという問題があり、温水装置の大型化で対策するにはコストやスペース増大の影響が出る。
【0009】
上述したような状況の中で、クリール台車の切換えに伴う多数本のコードの掛け渡し作業等が短時間でなされ、乾燥処理装置におけるコード乾燥処理に必要な所要温度への昇温が短時間でなされ、また、コード乾燥処理作業中における所謂糸切れに際しての糸処理が問題なく容易になされ、しかも比較的簡単な構造の乾燥処理装置により行なわれる、特にレーヨンコードの乾燥処理に好適なコード乾燥処理方法と、そのための装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するためタイヤの部材用等に使用するコードの乾燥処理技術に関するものであり、請求項1に記載の発明は、コードがクリール台車からガイド板を通して繰り出し引き揃えられ、インシュレーションヘッドに供給され、該インシュレーションヘッドでゴム被覆処理される工程におけるコードの乾燥処理方法において、前記コードの乾燥処理は、前記ガイド板から繰り出し引き揃えられてインシュレーションヘッドに直接供給された前記コード上方のローラの下降移動に伴う該コードの熱板に沿った押し下げに基づく該コードの熱板への押し当によりなされるコードの乾燥処理方法であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記コードは、タイヤ部材用コードであるコード乾燥処理方法であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記コードは、レーヨンやナイロン等の吸湿性の高いコードであるコードの乾燥処理方法であることを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項4に記載の発明は、コードが巻き付けられた多数のリールを備えるクリール台車と、クリール台車から引き出された前記コードを繰り出し引き揃えてインシュレーションヘッドに供給する主ガイド板と、ガイドローラと、該ガイドローラとインシュレーションヘッド間に配置され、前記コードの乾燥処理が行われない時と前記コードの乾燥処理が行なわれる時とで選択的に用いられる熱板と、前記コードの乾燥処理が行なわれる時に熱板上方の位置から熱板下方の位置まで下降移動して、その下降移動において前記コードを前記熱板に沿って熱板下方の位置まで押し下げるとともに該熱板に押し当てるようにしたローラとを備えたコードの乾燥処理装置であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記熱板は湾曲面であるコード乾燥処理のための表面を備えたケース体からなり、該ケース体の内部に電熱式ヒータを備えているコードの乾燥処理装置であることを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項6に記載の発明は、前記熱板は固定状態である中央熱板と、該中央熱板を挟んで両側に位置する可動の熱板からなるコードの乾燥処理装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に係る発明は、コードがクリール台車からガイド板を通して繰り出し引き揃えられ、インシュレーションヘッドに供給され、該インシュレーションヘッドでゴム被覆処理される工程におけるコードの乾燥処理方法において、前記コードの乾燥処理は、前記ガイド板から繰り出し引き揃えられてインシュレーションヘッドに直接供給された前記コード上方のローラの下降移動に伴う該コードの熱板に沿った押し下げに基づく該コードの熱板への押し当てによりなされるから、ローラを下降移動させるだけで、コードを熱板に沿って押し下げかつ該熱板に押し当てることができるので、コードを乾燥ドラムに巻き付ける必要が排除されコード乾燥のための準備体制が短時間で整えられ、クリール台車の交換作業も短時間でスムースに行なわれるので、コード乾燥処理作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【0016】
また、コードは回転する乾燥ドラムに巻き付けられていないので、コードが切れる、所謂糸切れの発生においてもドラムをパスする必要がないので処理時間を非常に短くすることができる。そして、コードは絡まることがないので放置することができ、糸切れ時の処理のための時間を省略することが可能であり、糸切れの修復も簡単に行うことができる。
【0017】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記コードは、タイヤ部材用コードであるから、吸湿性のあるコード部材であってもタイヤ部材用コードとして好適な利用が図られる。
【0018】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の発明において、前記コードは、レーヨンやナイロン等の吸湿性の高いコードであるから、吸湿性の高いレーヨンコードやナイロンコードに効果的な乾燥処理が施されることで、カーカス材用等のコードとして優れた適性を備えたコードが提供される。
【0019】
本発明の請求項4に係る発明は、コードが巻き付けられた多数のリールを備えるクリール台車と、クリール台車から引き出された前記コードを繰り出し引き揃えてインシュレーションヘッドに供給する主ガイド板と、ガイドローラと、該ガイドローラとインシュレーションヘッド間に配置され、前記コードの乾燥処理が行われない時と前記コードの乾燥処理が行なわれる時とで選択的に用いられる熱板と、前記コードの乾燥処理が行われる時に熱板上方の位置から熱板下方の位置まで下降移動して、その下降移動において前記コードを前記熱板に沿って熱板下方の位置まで押し下げるとともに該熱板に押し当てるようにしたローラとを備えるから、コードの乾燥処理が行われる時は、単に、ローラを下降移動させればよく、ローラの下降移動によりコードが押し下げられ、このコードは熱板に沿ってかつ該熱板に押し当てられるから、簡単な操作によりきわめて短時間に乾燥処理のための準備体制を整えることができる。
【0020】
また、コードの乾燥処理が行われない時にはローラは前記上方位置に容易に移動させておくことができる。さらに、コードは熱板に押し当てられるから、多段の多数乾燥ドラムにコードを掛け渡す従来のものに比べてコード掛け渡しのための面倒な作業が排除され、また、コードが切れる、所謂糸切れにおいては、コードが回転乾燥ドラムに掛け渡される構造でないので絡まることが殆どなく、短時間に修複作業を行うことができる。
【0021】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記熱板は湾曲面であるコード乾燥処理のための表面を備えたケース体からなり、該ケース体の内部に電熱式ヒータを備えているから、熱板の乾燥処理のために供される湾曲面表面の所要温度までの昇温時間は非常に短く、コードの乾燥処理のための準備体制を早く整えることが可能となり、乾燥処理のための作業効率を大幅に向上させることができる。
【0022】
また、熱板の緩やかな湾曲面はコードの案内効果に優れるので、該湾曲面表面を通過するコードは滑らかにかつ良好な接触圧力を得て移動するので高い乾燥効果を上げることができる。また、糸切れの発生がなく乾燥効果もきわめてよい。さらに、電熱式ヒータの利用であるから、その構造は比較的簡単であり、しかも取り扱いが容易であり、昇温効果に優れている。
【0023】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5に記載の発明において、前記熱板は固定状態である中央熱板と、該中央熱板を挟んでその両側に位置する可動の熱板からなるので、前記ローラによるコードの熱板への押し当てが容易に、かつ適切になされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1ないし図8に基づいて本発明の実施例を説明する。
図1,3等には、本発明のレーヨンコード(ナイロンも含む)の乾燥処理に用いる処理装置の全体図が図示されている。
【0025】
カーカス材用レーヨンコードCの乾燥処理に用いる処理装置は、概ね、レーヨンコードCが巻かれた多数のリール1aがその内部に収納されるクリール台車1と、クリール台車1内部の多数のリール1aから引き出されたレーヨンコードCを乾燥処理のために繰り出し引き揃えて供給する引き揃え用ガイド手段2と、該ガイド手段2から供給されたレーヨンコードCをガイドするローラ3と、レーヨンコードCにゴム被覆を施すインシュレーションヘッド(INSヘッド)6と、ガイドローラ3の下方に配置される熱板5と、コードCの乾燥処理が行なわれない時、つまり、待機状態においてはガイドローラ3上方に位置してかつ該ローラ3と供給されたコードCを挟んで互いに対向することで該コードCを実質的にガイドし、コードCの乾燥処理が行われる時には、下降して該コードCを熱板5に押し当てる上下動ローラ4等とからなる。
【0026】
クリール台車1は略箱体の外形形状を呈しており、台車1の内部は密閉されており、該内部の水分をコントロールするための空調ダクト1bを備えている。台車1の内部には多数のレーヨンコードCが巻き付けられたリール1aが収納され、リール1aはその巻き出しが円滑になされるように方向付けられて、つまりその巻き出し口が引き揃えガイド手段2の主ガイド板21に対する円滑なコード供給の指向性もって位置付けられるように該箱体内部に収納配置されている。クリール台車1内部に収納配置されるリール1aの数は数十であるが、本実施例においては最大限100リールとされている。そして、1つのリール1aに巻かれるレーヨンコードCの長さはおおよそ8000mである。
【0027】
クリール台車1は移動可能であり、そのために車輪1cを備える。クリール台車1は適宜台数確保され、予めレーヨンコードCが満巻とされた多数のリール1aが収納配置された台車1が交代のために準備され、レーヨンコードCの多数リール1aが空になると直ちにクリール台車1の切換えがなされ、上述の予め準備されたレーヨンコードCが満巻された多数リール1aを備える新しい台車1と交換される。
【0028】
既述のように、クリール台車1内の多数のリール1aの引き出し口から引き出される多数本のレーヨンコードCは、巻取り装置7の巻取りにより引き出されるが、また引き出されたレーヨンコードCの弛みを防止して該コードCに所定の張力を付与するために各リール1aにおけるコードCの引き出しには適宜制動力が付与される構造とされている。
【0029】
クリール台車1内の多数リール1aから引き出された多数本のレーヨンコードCは、図4に図示される主ガイド板21の多数の小さな開孔21aを通して繰り出される。主ガイド板21は、略矩形状の外形を備える所定の厚みの板であり、その表面には、多数の縦横に整列されかつ精度高く加工された小さな開孔21aが設けられ、これら各開孔21aの1つ毎にクリール台車1内の各リール1aから引き出された1本のレーヨンコードCがそれぞれ通されるようになされている。
【0030】
主ガイド板21の多数の小さな開孔21aの数は、クリール台車1内の多数のリール1aの数と等しいか、もしくは多少多めの数に設定されており、クリール台車1内収納の多数リール1aの数の多少の変化に対応可能とされている。主ガイド板21の多数の小さな開孔21aに1本づつ通され、該開孔21aを通して繰り出された多数本のコードCは引き揃え用ガイドローラ22を通過する。
【0031】
主ガイド板21の多数の小さな開孔21aを通して、さらに引き揃え用ガイドローラ22を通過した略等間隔に取り揃えられ帯状をなす多数本のレーヨンコードCは、コードCの乾燥処理が行われない時には、真っ直ぐに直接インシュレーションヘッド(INSヘッド)6まで掛け渡しされるようになされ(図1参照)、このために帯状をなす多数本のレーヨンコードCを案内するガイドローラ3,4が引き揃え用ガイドローラ22に隣接して設けられている。
【0032】
図1に図示されるように、ガイドローラ3,4は、掛け渡される帯状をなす多数本のレーヨンコードCを上下で挟むように配置された下方のローラ3と上方のローラ4からなり、上方のガイドローラ4はコードCの乾燥処理が行われないこの状態においては上述の上方位置にあるが、コードCの乾燥処理が行なわれる時には、後に詳しく説明されるが下降移動されるものであり、上下動する2本のローラ41,42として構成されている。
【0033】
下方のガイドローラ3は3本のローラからなり、これら3本のガイドローラ31,32,33は互いに同径でかつ同じ長さであり、しかも等間隔に配置され、これらローラ31,32,33間の間隔は、後述される熱板5の配置や上方のガイドローラ4の2本のローラ41,42の間隔やローラ径等との関連で決められている。
【0034】
3本のガイドローラ31,32,33は、図5の参照により理解できるように、中空のローラ体31a,32a,33aからなり、これら中空のローラ体31a,32a,33aがそれぞれ軸体31b,32b,33bに回転可能に嵌合支持される構造である。すなわち、中空ローラ体31a,32a,33aが、長手方向の一端部31b1,32b1,33b1を処理装置本体の壁部Aに固定しかつ処理装置の作業域を横断するように該壁部Aから突出した片持ち軸体31b,32b,33bにそれぞれ嵌合されて、その長手方向(軸方向)両端31c,32c,33cがボールベアリング31d,32d,33dを介して回転可能に支持された構造とされている。
【0035】
この下方ガイドローラ31,32,33は、後述される2本の上方ガイドローラである上下動ローラ41,42の下降移動に伴うコードCの乾燥処理時における熱板5に沿うレーヨンコードCの押し下げ移動と該熱板5への押し当てにおけるガイドを兼ねるものである。
【0036】
上方ガイドローラ4は既述のように、2本の上下動するローラ41,42からなり、これらローラ41,42は下方ガイドローラ31,32,33に比べて径の大きなローラ41,42であり、その長さは下方ガイドローラ31,32,33と略同じであり、2本の上下動ローラ41,42は互いに同径でかつ同じ長さである。
【0037】
これらローラ41,42は中空のローラ体41a,42aからなり、該中空ローラ体41a,42aが、長手方向一端部が摺動ブロック41e,42eに固定されかつ処理装置の作業域を横断するように突出する片持ち軸体41b,42bに嵌合されるとともに、その長手方向両端41c,42cがボールベアリング41d,42d等軸受を介して回転可能に支持された構造を備えており、これらローラ41,42はその上下動のために前記摺動ブロック41e,42eが処理装置本体の壁部Aに設けられたガイド部A2のガイド溝A1内に摺動嵌合されて上下に移動するようになされている。
【0038】
2本の上下動ローラ41,42の上方への移動は、手で持ち上げることでなされるが、場合によっては、摺動ブロック41e,42eの上部に設けられたフック41e1,42e1と、前記片持ち軸体41b,42bの他端延出軸部41b1,42b1に設けられたフック41b2,42b2に図示されない紐や細いワイヤ等を掛けて引上げることで前記2本のローラ41,42をガイド溝A1に沿って摺動ブロック41e,42eを介して上方移動することができる。また、2本の上下動ローラ41,42の下方への移動は、クリール台車1内のコードCの繰り出し制御により行なわれ、コードCの繰り出しに伴いガイド溝A1に沿って摺動ブロック41e,42eを介して下方移動することができる。
【0039】
図1の図示におけるガイドローラ4である2本の上下動ローラ41,42は、下方ガイドローラ3、すなわちガイドローラ31,32,33の上方に、また掛け渡されるレーヨンコードCの上方に配置されるが、この上方位置は、既述したようにレーヨンコードCの乾燥処理が行われない時に置かれる上方ガイドローラ4、すなわち、2本の上下動ローラ41,42の所謂待機位置であり、その意味では上下動ローラ41,42の収納位置もしくは初期位置とされるものでもある。
【0040】
そして、この2本の上下動ローラ41,42の前記待機位置は、3本の下方ガイドローラ31,32,33の中央ローラ32と、その左右両側のローラ31,33間の間隙の丁度中央上方の位置であり、この待機位置においては、これら上下動ローラ41,42はその一端41c,42cの摺動ブロック41e,42eを介して上述のガイド部A2のガイド溝A1上方で回転可能であるが上下移動不能に係止支持されている。係止手段は図示されないが適宜周知の手段が選択される。
【0041】
2本のガイドローラでもある上下動ローラ41,42はそれぞれ、レーヨンコードCの乾燥処理が行われる時には、ガイド部A2のガイド溝A1との上下移動不能とされる係止が解かれてクリール台車1内のコードCの繰り出しに伴いそれぞれのローラの一端41c,42cがガイド溝A1に沿って案内され図2に図示されるように下降移動し、この2本の上下動ローラ41,42の下降移動に伴い、帯状をなす多数本のレーヨンコードCを後述の熱板5に沿って押し下げかつ熱板5に押し当てることができるようになされている。
【0042】
レーヨンコードCの乾燥が行われない時には、2本の上下動ローラ41,42はそれぞれ手でもって上方へ引上げられ、該ローラはその一方の端41c,42cがガイド部A2のガイド溝A1に沿って摺動ブロック41eを介して案内されて、図1に図示される上述の上方の待機位置に収納されるようになされている。
【0043】
そして、2本の上下動ローラ41,42のそれぞれの上述の下降移動および上方待機位置への移動時には、3本の下方ガイドローラ31,32,33の中央ローラ32とその左右両側のローラ31,33の間隙を2本の上下動ローラ41,42がそれぞれ通過することになるので、これらの間隙はその移動時における通過を容易にするための十分な幅を備えるものとされている(図5参照)。なお、下方ガイドローラ3および上方ガイドローラ4である上下動ローラ41,42のローラ本数や、ローラの径、長さ、ローラ間隔等は適宜適切なものが選択される。この選択は熱板5の枚数設定との関連等が考慮されて決められる。
【0044】
3本の下方ガイドローラ31,32,33の下部には、既述のように熱板5が配置されるが、熱板5は3枚備えられており、これら3枚の熱板51,52,53は互いに等間隔に配置され、その中央の熱板52が丁度、3本の下方ガイドローラ31,32,33の中央ローラ32の真下に位置し、中央の熱板52はその位置が固定されている(図1参照)。
【0045】
左右両側の熱板51,53は、3本の下方ガイドローラ31,32,33の内の左右両側のガイドローラ31,33が丁度、中央熱板52とその両側の熱板51,53との間の間隙中央となる外側移動位置(図1における左右両側の熱板51,53の位置)と、中央熱板52に近接し左右両側のガイドローラ31,33のそれぞれの下方となる内側移動位置(図2における左右両側の熱板51,53の位置)との間で移動するようになされている。
【0046】
つまり、左右両側の熱板51,53は、図1に図示されるレーヨンコードCの乾燥処理が行われない時には前記外側移動位置に移動されており、また図2に図示されるレーヨンコードの乾燥処理が行われている時には前記内側移動位置に移動されているものである。
そして、左右両側の熱板51,53のそれぞれのコードCの乾燥処理を行う時の内側移動位置への移動は、上述の2本の上下動ローラ41,42が下降移動された後に行なわれるようになされている。
【0047】
2本の上下動ローラ41,42の下降移動に伴い中央熱板52と左右両側の熱板51,53との間の間隙において引き下げられた帯状をなす多数本の全てのレーヨンコードはそれぞれ、左右両側の熱板51,53の内側移動位置への移動において、下方ガイドローラ3のガイド作用が相俟って中央熱板52側へと押しやられ、中央熱板52と左右両側の熱板51,53の実質的な乾燥処理面である湾曲面51a,52a,53a(図6参照、図1も合わせ参照)へと押し当てられようになされている。
【0048】
左右両側の熱板51,53のそれぞれの中央熱板52側への近接移動と、中央熱板52から離れる離反移動は、その詳細な説明はなされるところでないが、手動式もしくは自動式のネジ送り装置等と適宜ガイド部材を利用した移動手段によることができ、いずれの移動手段においても通常知られる適宜移動手段の採用が可能である。
【0049】
そして、これら中央および左右両側の熱板52,51,53はそれぞれ図6(a)に図示される斜視図(熱板51は図示省略)から理解できるように、その外観は、正面視において略矩形状をなした所定の厚みのケース体50からなり、その外表面に緩やかな湾曲面51a,52a,52a,53aを備えている。中央の熱板52はその両側の外表面が湾曲面52a,52aとされ、左右両側の熱板51,53はその中央熱板52側に面する外表面のみが湾曲面51a,53aとして形成され、その反対側の面、すなわち、反中央熱板52側の外表面は平らな平面51b,53b(図1も参照)として形成されている。
【0050】
上述した外観のケース体50を備える熱板5は電熱式のヒータプレートであり、熱板5はレーヨンコード乾燥処理のためにその表面温度が略105°Cに保たれる必要があることから、そのための十分な発熱容量の電熱ヒータを備えるものであり、熱板52は、上述の湾曲面52a,52aである表面を形成する2枚の金属製板が側板52cにより閉鎖されて互いに接合されたケース体50とされ、その内部に電熱式のヒータが備えられて形成されている。
【0051】
また、熱板51,53は、それぞれの湾曲面51a,53aである表面を形成する板と、それぞれの平らな表面51b,53bを形成する板が、側板51c,53c(図には53cのみ図示)により閉鎖されて互いに接合されてケース体とされ、その内部に電熱式のヒータが備えられて形成されている。本実施例における熱板51,52,53のケース体50の高さ方向長さは略1300mmとされている。
【0052】
熱板51,52,53の湾曲面51a,52a,53aへのレーヨンコードCの押し当ては上下動ローラ41,42の下降によりされるが、該ローラ41,42の下降作業時には左右両側の熱板51,53はそれぞれ外側移動位置に位置するが、中央熱板52は固定状態であるので中央熱板52の両湾曲面52a,52aに前記上下動ローラ41,42の下降作業時のローラ41,42が接触し、ローラ41,42と両湾曲面52a,52a間に挟まれたコードCが切れる等損傷して、ローラ41,42の下降作業が円滑に行なわれないことが考えられる。
【0053】
そこで、これを回避するために図6(b)に図示されるように、中央熱板52は、それぞれその外側にのみ湾曲面52a,52aを備える互いに接離自在とされる2枚の分割熱板52A,52Bからなるものとして、乾燥処理が行なわれている時には互いに両分割熱板52A,52Bは外側に移動するように離間され、コードCにそれぞれの湾曲面52a,52aを押し当てるようになす。
【0054】
また、乾燥処理が行われていない時には互いに両分割熱板52A,52Bは内側に移動されて接合され、それぞれの外側湾曲面52a,52aは中央に寄せられて実質的に引っ込められて、これにより上下動ローラ41,42の下降作業時に該ローラ41,42の湾曲面52a,52aへの接触が回避される構造の選択が可能である。分割熱板52A,52Bの接離自材とされる移動は、たとえば両分割熱板52A,52Bの入れ子式とされた上下の嵌合部52A1,52B1における出入を介したネジ利用の手動式移動手段等適宜手段が選択される。
【0055】
3枚の熱板51,52,53の湾曲表面51a,52a,53aへの押し当てにより乾燥処理された帯状をなす多数本の全てのレーヨンコードCが供給されるインシュレーションヘッド6は、図7に図示される構造を備え、そのヘッド本体61には、帯状をなす多数本の全ての供給されるレーヨンコードCの1本づつを通過させる多数の貫通小孔61aが設けられている。
【0056】
これら小孔61aは、実質同一平面上(図示紙面の略垂直方向平面)において互いに等間隔に並んでヘッド本体61を図示左右方向で横断するように貫通して設けられ、これら貫通小孔61aのコード導出口61a1側には図示紙面略垂直方向に所定長さで延びて後述される溶融ゴムの上下供給路であるゴム溜まり連通路61bにそれぞれ接続する開口62bを備える図7図示の断面V字型の長孔62aが形成された口金62が当接固定されている。
【0057】
つまり、インシュレーションヘッド本体61の紙面略垂直方向の同一平面上に並んで該本体61を左右方向に横断して各貫通小孔61a導出口61a1から1本づつ導出されたレーヨンコードCの複数本を十分に横並びで収納する前記略垂直方向の断面V字型長孔62aが形成された口金62が、複数個互いに連接され、しかもこれら口金62が該紙面の略垂直方向の同一平面上に並んでかつ貫通小孔61aの導出口61a1側に当接固定されて設けられている。これら口金62のそれぞれのV字型長孔62aに該長孔62aの開口62bを介して加熱溶融状態のゴムが供給されるゴム溜まり61dの上下連通路61bが連通されている。
【0058】
複数個の口金62のそれぞれにおいて、前記紙面略垂直方向に延びるV字型長孔62a内を横断するように通過する一平面上で並ぶ複数本の群分けレーヨンコードCの群にその図示上下面からゴム溜まり上下連通路61bを介して加熱溶融状態のゴムが供給されて、複数本の群分けレーヨンコードCの群に溶融状態のゴムが押出し被覆される。
【0059】
口金62先端の図示上下方向には狭いが紙面略垂直方向では長い、すなわち、前記断面V字形である長孔62aと略同じ長さの長い開口62cを通して複数本のレーヨンコードCが一平面に並んで同時にゴム被覆された所定幅の図8に図示される帯状コードC1が導出されるようになされている。導出されたこれら帯状コードC1の巻き取りのために本実施例においては図3に図示されるように5台の巻取り装置7が用意されている。
【0060】
レーヨンコードCの乾燥処理装置は概ね上述の構造を備えるものであり、以下の作業工程によりレーヨンコードCの乾燥処理が行なわれる。
【0061】
先ずレーヨンコードCの乾燥処理のための準備段階として、処理装置へのコードCの掛け渡しがなされる(図1参照)。このコードCの掛け渡しは、クリール台車1内のレーヨンコードCが巻き付けられた多数のリール1aから引き出された1本づつのレーヨンコードCが、主ガイド板21の多数の小さな開孔21aに1本づつ通され繰り出し、引き揃え用ガイドローラ22を通過して一平面上で互いに略等間隔に並ぶ帯状をなすように多数本の全てのレーヨンコードCが引き揃えられる。
【0062】
帯状をなす多数本の全てのレーヨンコードCが、3本の下方ガイドローラ31,32,33とその上方の2本の上方ガイドローラである径の大きな上下動ローラ41,42の間を通過して、直接インシュレーションヘッド6へと供給される。インシュレーションヘッド6に供給された帯状をなす多数本の全てのレーヨンコードCは、ヘッド本体61内の多数の一平面上に並んだ貫通小孔61aに通され、該小孔61aを通して導出されたコードCは、複数本づつに群分けされ、この群分け導出されたそれぞれのコードCの群毎にコードC先端が巻取り装置7へと掛け渡される(図3参照)。
【0063】
レーヨンコードCの掛け渡し作業が終了した段階で(勿論、この段階に限られるものではないが)、外側移動位置にある左右両側の熱板51,53が確認され、各熱板51,52,53の温度が乾燥における所要温度に達しており、またインシュレーションヘッド6のゴムが所望の溶融状態であるならば、下方ガイドローラ3の上方に位置する上方ガイドローラである2本の上下動ローラ41,42がガイド部A2のガイド溝A1上方における係止が解かれて、クリール台車1内のコードCの繰り出しに伴いガイド溝A1に沿って下方へと降ろされる。
【0064】
2本の上下動ローラ41,42はそれぞれ、下方ガイドローラ31,32,33間の間隙を通過して熱板51,52,53間の間隙に沿って下降する。この2本の上下動ローラ41,42のそれぞれの下降は帯状をなす多数の全てのレーヨンコードCを下方へ押し下げる下降であり、これら上下動ローラ41,42の下降に引きずられる帯状をなす多数本の全てのレーヨンコードCの下降は、前記3本の下方ガイドローラ31,32,33のガイド作用の下での熱板51,52,53のそれぞれの湾曲面51a,52a,53a間における円滑な下降である。
【0065】
2本の上下動ローラ41,42がそれぞれ熱板51,52,53の下方端より下方まで下降すると、つまり帯状をなす多数本の全てのレーヨンコードCの2本の上下動ローラ41,42に引きずられた位置が、熱板51,52,53の下方端より下方に達すると、クリール台車1内のコードCの繰り出しは停止され、上下動ローラ41,42はこの位置で回転可能だが上下移動不能にガイド溝A1に適宜係止手段により係止される。
【0066】
そして、上述の外側に移動された左右両側の2枚の熱板51,53は中央熱板52側へとそれぞれ移動され、この移動により帯状をなす多数本である全てのレーヨンコードCは、上述の3本の下方ガイドローラ31,32,33のガイド作用と相俟って3つの熱板51,52,53のそれぞれの湾曲面51a,52a,53aである表面に押し当てられる。この状態でコードCの乾燥処理のための準備は完了したことになる(図2参照)。
【0067】
準備完了に伴い巻取り装置7(図2,3参照)が回転駆動され、レーヨンコードCの巻取りが開始される。巻取り装置7による巻取りによりクリール台車1内の多数各リール1aからレーヨンコードCが連続的に引き出され、主ガイド板21の開孔21aから引き揃え用ガイドローラ22を通過して、上述の一平面上に等間隔で並ぶ帯状に引き揃えられた多数本の全てのレーヨンコードCは、次々に3本の下方ガイドローラ31,32,33の内の右側ローラ33にガイドされて3枚の熱板51,52,53の右側熱板53の湾曲表面53aに沿って押し当てられるように下方へ移動して行く。
【0068】
右側の熱板53aの下方へ移動した帯状をなす多数本の全てのレーヨンコードCは、該熱板53の下方端より下方に位置する右側の上下動ローラ42にガイドされ、その向きを上方に転じて中央熱板52の右側湾曲面52aに沿って押し当てられるように上昇移動し、中央熱板52上方の下方ガイドローラ3の中央ガイドローラ32にガイドされて再び下方に転じ、中央熱板52の左側湾曲面52aに沿って押し当てられるように下降移動し、さらに、左側の上下動ローラ41にガイドされて左側の熱板51の湾曲面51aに沿って押し当てられるように上昇移動し、この乾燥処理装置における移動過程において吸水性の高いレーヨンコードCの水分は目的の水分率まで下げられる(図2参照)。
【0069】
帯状をなす乾燥した多数本の全てのレーヨンコードCは、その後、下方ガイドローラ31,32,33の左側ガイドローラ31にガイドされて略水平に移動してインシュレーションヘッド6へと供給される。この時の多数の全てのレーヨンコードCによる帯状の帯幅、つまり所謂糸幅はおおよそ80mmである。
【0070】
インシュレーションヘッド6において、各レーヨンコードCは一平面状に並ぶ該ヘッド本体61の多数の貫通小孔61aに1本づつ通されており、貫通小孔61aの導出口から導出した一平面上に並ぶレーヨンコードCは、ヘッド6の口金62内において複数本の群毎に群分けされる。そして、これら群分けされたコードCに、図7の図示上下から溶融状態のゴムがゴム溜まり連通路61bを介して押出し供給され、複数本の群分けされた一平面上に並ぶレーヨンコードCに溶融ゴムが押出し被覆され、図7の図示において上下幅の狭い紙面略垂直方向に長い口金開口62cを通して複数本のレーヨンコードCが互いに等間隔で一平面上に並んで一体にゴム被覆された帯状コードC1(図8参照)として引き出される。
【0071】
本発明は上述の構造を備えるから、以下のような作用効果を奏するものである。
乾燥処理装置の熱板5に電熱式のヒータプレートを使用するので、レーヨンコードCの乾燥処理に必要な温度である105°Cまでの昇温時間が短く、従来の温水使用の乾燥ドラムにおける略2時間から僅か1分程度と大幅に短縮される。
【0072】
真っ直ぐな状態に掛け渡しされたレーヨンコードCを、上下動ローラ41,42の下降により熱板5に押し当て掛け渡すことができるから、乾燥処理のためのコードCの掛け渡しが簡単であり、コードCの掛け渡しのための時間が大幅に短縮される。したがって、クリール台車1の交換のための作業も10分程度で行うことができ、従来の1時間程度必要であった作業時間と比較して大幅な時間短縮を図ることが可能となる。
【0073】
糸切れ時には、熱板5は回転せず、従来の乾燥ドラムのような回転するドラムが使用されていないので、切れた糸が巻き出されることがなく絡まることはない。したがって、切れた糸の処理のための時間が節約される。また、糸切れの修復もコードが絡まるものでないから僅か5分程度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明のレーヨンコードの乾燥処理装置の概要を示す図であり、コードの乾燥が行なわれていない状態を示す図である。
【図2】本発明のレーヨンコードの乾燥処理装置の概要を示す図であり、コードの乾燥実施時の状態図である。
【図3】本発明のレーヨンコードの乾燥処理装置の概要を示す図であり、図2における状態に相当する上面図である。
【図4】本発明の主ガイド板の正面図である。
【図5】本発明のレーヨンコードの乾燥装置における主要構造部を示す図である。
【図6】本発明の熱板の斜視図である。(a)は本実施態様の熱板であり、(b)は別の実施態様の熱板である。
【図7】本発明のインシュレーションヘッドの構造を一部断面で示す斜視図である。機能説明も兼ねた図である。
【図8】本発明のゴム被覆された複数本のコードからなる帯状コードを示す図である。
【図9】従来のコード乾燥処理装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1・・・クリール台車、1a・・・リール、2・・・引き揃え用ガイド手段、21・・・主ガイド板、22・・・引き揃え用ガイドローラ、3,31,32,33・・・ガイドローラ、4,41,42・・・上下動ローラ、5,51,52,53・・・熱板、51a,52a,53a・・・湾曲面、6・・・インシュレーションヘッド、7・・・巻取りドラム、C・・・、コード、C1・・・ゴム被覆された帯状コード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードがクリール台車からガイド板を通して繰り出し引き揃えられ、インシュレーションヘッドに供給され、該インシュレーションヘッドでゴム被覆処理される工程におけるコードの乾燥処理方法において、
前記コードの乾燥処理は、前記ガイド板から繰り出し引き揃えられてインシュレーションヘッドに直接供給された前記コード上方のローラの下降移動に伴う該コードの熱板に沿った押し下げに基づく該コードの熱板への押し当てによりなされることを特徴とするコードの乾燥処理方法。
【請求項2】
前記コードは、タイヤ部材用コードであることを特徴とする前記請求項1記載のコードの乾燥処理方法。
【請求項3】
前記コードは、レーヨンやナイロン等の吸湿性の高いコードであることを特徴とする前記請求項1または請求項2記載のコードの乾燥処理方法。
【請求項4】
コードが巻き付けられた多数のリールを備えるクリール台車と、クリール台車から引き出された前記コードを繰り出し引き揃えてインシュレーションヘッドに供給する主ガイド板と、ガイドローラと、該ガイドローラとインシュレーションヘッド間に配置され、前記コードの乾燥処理が行われない時と前記コードの乾燥処理が行われる時とで選択的に用いられる熱板と、前記コードの乾燥処理が行なわれる時に熱板上方の位置から熱板下方の位置まで下降移動して、その下降移動において前記コードを前記熱板に沿って熱板下方の位置まで押し下げるとともに該熱板に押し当てるようにしたローラとを備えたことを特徴とするコードの乾燥処理装置。
【請求項5】
前記熱板は湾曲面であるコード乾燥処理のための表面を備えたケース体からなり、該ケース体の内部に電熱式ヒータを備えていることを特徴とする前記請求項4記載のコードの乾燥処理装置。
【請求項6】
前記熱板は固定状態である中央熱板と、該中央熱板を挟んで両側に位置する可動の熱板からなる前記請求項4または請求項5記載のコードの乾燥処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−32897(P2007−32897A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214908(P2005−214908)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】