説明

コード位置データ設定装置及びコード位置データ設定プログラム

【課題】 スキャニングしたコードから特定の情報を示すコードが含まれる位置を正確かつ簡単に設定する。
【解決手段】 コードが印字されたラベルから読取ったコードを示す第1のデータの入力をスキャナから受付け、特定の情報を示す第2のデータの入力をキーボードから受付ける。そして、第1のデータと第2のデータとを比較した比較結果に基づいて、第1のデータ内に第2のデータと一致するデータがあるか否かを判断し、一致するデータがあると判断したならば、第2のデータが第1のデータ内のいずれの位置に位置しているかを示すコード位置データを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャニングしたコードから特定の情報を示すコードの位置を設定するコード位置データ設定装置及びコード位置データ設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
食肉業者から牛肉を仕入れその仕入れた牛肉を仕分けして販売する場合、その牛肉に貼付された食肉標準物流バーコードに示されるとともにそのバーコードの下側に表記されている個体識別番号を仕分けた牛肉に貼付するラベルに表示する必要がある。このためラベルプリンタで商品の包装等に貼り付けられるラベルを発行する際には、オペレータは食肉標準物流バーコードの下側に表記されている数字を目視して個体識別番号を印字する印字桁の位置を入力し個体識別番号の印字桁位置を設定している。そして、このようにして設定された印字桁位置に基づいて食肉標準物流バーコードから個体識別番号を読取り、その読取った個体識別番号を新たなラベルに印字している。
【0003】
また、バーコード内に含まれる個体識別番号の先頭を示すために2から4桁のAIコードと呼ばれる識別子が付されることが多い。このためラベルプリンタのバーコードスキャナで食肉標準物流バーコードをスキャニングし、バーコードから読取ったデータのうちからAIコードをキーとして、個体識別番号を検索することも行われている。
【0004】
さらに個体識別番号の印字桁位置の入力と、AIコードをキーとする読取ったバーコード内のデータの検索をともに行って個体識別番号のバーコードの桁位置を設定することも行われている。
【0005】
なお、すでに発行済みの印字媒体上のバーコードを読取ってメモリー部で検索することにより同一のバーコードデータを有するプリセット登録データをメモリー部から読出すことによって、プリセット登録データの登録番号を明確に記憶していなくても、あるいは忘れてしまっても発行済みの印字媒体さえあればその複製を簡単に発行することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−292940
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、オペレータが目視にて個体識別番号の桁位置を設定するのでは、バーコードのバー下数字を視認するとき、又はオペレータが視認した印字桁位置の設定を行うために入力するときに視認間違い又は入力間違いが生じる可能性があるとともに目視にて印字桁を視認する必要があるためにオペレータの手間がかかっていた。
【0007】
また、個体識別番号の先頭を示すために付加されるAIコードをキーとして読取ったバーコードデータから検索するとオペレータの手間はかからない。しかしながらバーコードデータが示す番号とバー下数字の示す番号の対応位置がずれている場合があり、このように対応位置がずれていると、AIコードを正確に検索したとしてもバーコード内の個体識別番号の印字桁位置を正確に読取ることができない場合がある。
【0008】
さらに、オペレータの目視による個体識別番号の印字桁位置の設定とAIコードを用いた個体識別番号の桁位置の設定とを行う場合でも、オペレータの視認又は入力間違いが生じる可能性があり、又バーコードデータが示す番号とバー下数字の示す番号の対応位置がずれていると結局正確に個体識別番号の印字桁位置をバーコードから読取ることができない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スキャニングしたコードから特定の情報を示すコードが含まれる位置を正確かつ簡単に設定することができるコード位置データ設定装置及びコード位置データ設定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明は、コードが印字された媒体から読取ったコードを示す第1のデータの入力を例えばスキャナから受付ける第1の受付手段と、特定の情報を示す第2のデータの入力を例えばキーボードから受付ける第2の受付手段と、1の受付手段で入力を受付けた第1のデータと第2の受付手段で入力を受付けた第2のデータとを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に基づいて、第1のデータ内に第2のデータと一致するデータがあるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により一致するデータがあると判断されたならば、第2のデータが第1のデータ内のいずれの位置に位置しているかを示すコード位置データを設定する設定手段とを具備するコード位置データ設定装置である。
【0011】
第2の本発明は、コンピュータに、コードが印字された媒体から読取ったコードを示す第1のデータの入力を受付けさせる機能と、特定の情報を示す第2のデータの入力を受付けさせる機能と、第1のデータと第2のデータとを比較させる機能と、この比較させる機能による比較結果に基づいて、第1のデータ内に第2のデータと一致するデータがあるか否かを判断させる機能と、この機能により一致するデータがあると判断させたならば、第2のデータが第1のデータ内のいずれの位置に位置しているかを示すコード位置データを設定させる機能とを実現させるコード位置データ設定プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、スキャニングしたコードから特定の情報を示すコードが含まれる位置を正確かつ簡単に設定することができるコード位置データ設定装置及びコード位置データ設定プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されたラベルプリンタ1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、制御部本体を構成するCPU11、制御プログラムや固定データ等を記憶するフラッシュROM12、例えば販売する牛肉に関する単価、品質保持期限などの商品情報を商品番号に割り当てて管理するためのPLU(プライス・ルック・アップ)ファイル、後述するバーコード位置データ設定プログラム、各種設定を行うためのプログラム及びラベル発行のためのプログラム等を含む各種プログラム、ラベルの印字フォーマットデータを記憶するとともに、後述する桁位置を設定する桁位置設定部、ワークエリアを有するRAM13、ロードセルユニット14から重量データを取り込むための秤インタフェース15、上位装置からの各種設定データの送受信を行うためのネットワークインタフェース16、バーコードを読取るスキャナ17からの入力データを取り込むシリアルインタフェース18、置数キーやラベル発行キー等のキーを設けるキーボード19及び表示入力部20のタッチパネル20aからの入力データを取り込むキーコントローラ21、商品呼出し表示などの表示入力部20のLCD(液晶ディスプレイ)20bの各種設定画面表示及びLED22の表示を行う表示コントローラ23、ラベル発行を行うプリンタ24を制御するプリンタエンジン25、印字媒体であるラベルを発行する際に使用する透過,反射,温度等の各種センサ26とデータの受け渡しを行うI/Oポート27が設けられている。
【0014】
また、CPU11と、フラッシュROM12、RAM13、秤インタフェース15、ネットワークインタフェース16、シリアルインタフェース18、キーコントローラ21、表示コントローラ23、プリンタエンジン25、I/Oポート27とはバスラインによって接続されている。
【0015】
図2は個体識別番号が表記されたラベル31を示す図である。このラベル31は、例えば、スーパー等の販売店が食肉業者から牛肉を購入した際に、その牛肉に貼付されているものである。ラベル31には産地名、品名、品質保持期限、個体識別番号、シリアルNo、加工年月日、ロットNo、重量、保存温度、加工元などの情報が表記されている。また、ラベル31には2つのバーコード32,33が印字されている。品名「和牛 サーロイン」の下側に印字されているバーコード32には、個体識別番号の先頭を示すためのAIコードとともに個体識別番号を示すデータを含んで印字されている。これらをバーコードのバー下数字32aで説明すると、AIコードが「(251)」であり、個体識別番号がAIコードに続く「8888888888」である。この個体識別番号は、個体識別番号の欄に表記されている番号と同一なものとなっている。また、加工元を示す表記の上側に印字されているバーコード33には加工元を示すデータが印字されている。
【0016】
次に、CPU11がRAM13に記憶されたバーコード位置データ設定プログラムを実行したときのバーコード位置データ設定処理について説明する。食肉業者から購入した牛肉を仕分けして販売等する場合牛肉を仕分けした各包装に個体識別番号を表記する必要がある。このため個体識別番号を印字したラベルを発行する際に、例えば図2を参照して説明したラベル31のバーコード32のように個体識別番号を含むバーコードから正確かつ簡単に個体識別番号を読取る必要がある。バーコード位置データ設定処理は例えばラベル31のバーコード32から個体識別番号を正確かつ簡単に読取るために、バーコード内の個体識別番号が印字された桁位置を設定するための処理である。図3はバーコード位置データ設定処理の要部を示すフローチャートである。
【0017】
先ずCPU11は設定モードとなっているか否かを判断する(ST101)。設定モードとなっていないと判断すると(ST101でNO)、CPU11は他のモードへ移行してそのモードに応じた処理を行う。設定モードとなっていると判断すると(ST101でYES)、続いてCPU11はバーコード位置データ設定モードとなっているか否かを判断する(ST102)。バーコード位置データ設定モードとなっていないと判断すると(ST102でNO)、CPU11は他の設定モードへ移行してその設定モードに応じた設定処理を行う。なお、このようにバーコード位置データ設定モードへの移行はオペレータによりタッチパネル20aの操作に基づいて行われる。
【0018】
バーコード位置データ設定モードとなっていると判断すると(ST102でYES)、CPU11はスキャナ17で読取られたバーコードデータの入力を受付ける(ST103,第1の受付手段)。このように入力を受付けたバーコードデータはRAM13の所定位置に記憶される。そして、CPU11はバーコードデータの入力は終了か否かを判断する(ST104)。この判断は例えばタッチパネル20aにスキャニングするバーコードは終了したことを確認するためのメッセージを表示し、その回答に基づいて判断される。バーコードデータの入力は終了でないと判断した場合は(ST104でNO)、CPU11は再びバーコードデータの入力を受付ける。このようにして入力を受付けたバーコードデータはRAM13の前回読取ったバーコードデータとは異なる位置に記憶される。このようにして、CPU11は少なくとも1つ以上のバーコードデータの入力を受付け、そのバーコードデータをRAM13の所定位置に記憶する。
【0019】
バーコードデータの入力は終了であると判断すると(ST104でYES)、CPU11は個体識別番号を示す10桁の数字の入力をキーボード19から受付ける(ST105,第2の受付手段)。この10桁の数字を示すデータはRAM13の所定位置に記憶される。そして、CPU11は個体識別番号の入力が終了したか否かを判断する(ST106)。この判断は例えばタッチパネル20aに個体識別番号の入力が終了したことを確認するためのメッセージを表示し、その回答に基づいて判断される。
【0020】
個体識別番号の入力が終了したと判断するまで個体識別番号の入力を受付け(ST106でNO)、個体識別番号の入力が終了したと判断すると(ST106でYES)、CPU11は、RAM13の所定位置に記憶したスキャナ17から入力を受付けたバーコードデータと、キーボード19から入力を受付けた個体識別番号を示すデータとを比較する(ST107,比較手段)。具体的には、個体識別番号を示すデータと一致するデータがスキャナ17から入力を受付けたバーコードデータ内にあるかについて調べるために各データが比較される。なお、各データの比較は、スキャナ17から入力を受付けたバーコードデータが複数RAM13に記憶されている場合は、個体識別番号を示すデータは各バーコードデータと比較が行われる。この比較の結果、個体識別番号を示すデータと一致するデータがバーコードデータ内にあった場合には、そのバーコードデータ及び個体識別番号と一致するデータの先頭の位置を示すコード位置データ、すなわち、桁位置を例えばRAM13に設けたテーブルに一時的に格納する。したがって、個体識別番号を示すデータと一致するデータがバーコードデータ内にあるものが1つである場合には、そのテーブルには1つのバーコードデータ及びコード位置データが記憶され、複数ある場合には複数のバーコードデータとそれぞれのコード位置データが記憶される。なお、個体識別番号を示すデータと一致するデータがバーコードデータ内にあるものが無かった場合にはそのテーブルにはバーコードデータ及びコード位置データは記憶されない。
【0021】
このRAM13に記憶したバーコードデータと個体識別番号を示すデータとを比較した結果、例えば上記のように作成されたテーブルに基づいて、CPU11は個体識別番号を示すデータと一致するデータがスキャナ17から入力を受付けたバーコードデータ内にあったか否かを判断する(ST108)。例えば上記テーブルが作成される場合であれば、そのテーブルにバーコードデータが記憶されているか否かにより判断される。一致するデータがあると判断すると(ST108でYES)、CPU11は、個体識別番号を示すデータと一致するデータがあったバーコードデータが2つ以上あるか否かを判断する(ST109)。例えば上記テーブルが作成される場合であれば、そのテーブルにバーコードデータが2つ以上記憶されているか否かにより判断される。なお、ステップST108のみでも判断手段を構成するが、ステップST109まで含めて判断手段として構成するようにしても良い。
【0022】
個体識別番号を示すデータと一致するデータを含むバーコードデータが2以上でないと判断すると(ST109でNO)、すなわち、当該バーコードデータは1つであると判断すると、CPU11はそのバーコードデータ内における個体識別番号の位置を示すコード位置データ、すなわち桁位置をRAM13の桁位置設定部に設定し(ST110)、そのバーコードデータを他のバーコードから識別するためにそのバーコードのバーコードフラグをRAM13の桁位置設定部に桁位置と関連付けて設定する(ST111)。バーコードフラグは、例えばバーコードデータの先頭の2桁のデータであり、バーコードの種別を示すものである。なお、ステップST110のみでも設定手段を構成するが、ステップST111まで含めて設定手段を構成するようにしても良い。
【0023】
一方、個体識別番号を示すデータと一致するデータを含むバーコードデータが2つ以上であると判断すると(ST109でYES)、CPU11はLCD20bに個体識別番号の設定ができない旨を示すエラーメッセージを表示する(ST112)。1つのラベルに複数のバーコードが印字されている場合でも、そのバーコード内に印字される個体識別番号を示すデータはいずれかの1つのバーコードに印字されているため、2つ以上あった場合には他のデータが誤って読取られている場合もあるからである。
【0024】
バーコードデータと個体識別番号を示すデータとを比較した結果、一致するデータがないと判断した場合(ST108でNO)、バーコードフラグを設定した場合(ST111)、エラーメッセージをLCD20bに表示した場合(ST112)は、CPU11はRAM13に記憶されているスキャナ17から入力を受付けたバーコードデータ、キーボード19から入力を受付けた個体識別番号を示すデータ、ステップST107でこれらの各データを比較した結果を示すデータをクリアする(ST113)。これにより、バーコードデータと個体識別番号を示すデータとを比較した結果、一致するデータが無かった場合には全てのデータがクリアされ、一致するデータがあった場合にはステップST110,ST111により記憶された桁位置設定部に設定された桁位置のデータとバーコードフラグのデータ以外のデータはクリアされる。このようにデータをクリアすると、CPU11は処理をステップST101へ戻す。このようにしてバーコードから個体識別番号を読取るときの個体識別番号が印字された桁位置及びバーコードフラグがRAM13の桁位置設定部に設定される。
【0025】
次にラベルプリンタ1で食肉業者から購入した牛肉を仕分けして販売等する際のラベルを発行するときの作用について説明する。
オペレータは、先ず、図2を参照して説明した購入した牛肉に貼付されているラベル31から個体識別番号のバーコード内の桁位置をラベルプリンタ1に設定する必要がある。オペレータはタッチパネル20aを操作して、設定モードのうちからバーコード位置データ設定モードを呼び出す。そして、スキャナ17でラベル31に印字されているバーコード32、バーコード33を順次読取る。そして、ラベル31からバーコードを読取る作業は終了したことを示す入力した後、キーボード19の置数キーを用いて個体識別番号である8を10桁入力する。そして、オペレータは個体識別番号の数字の入力は終了したことを示す入力を行う。
【0026】
すると、ラベルプリンタ1は、入力された個体識別番号を示すデータが、スキャナ17から入力されたバーコード32を示すバーコードデータ、バーコード33を示すバーコードデータ内にあるかを調べるために各データを比較する。個体識別番号である8が10桁並べられたデータは、バーコード32を示すバーコードデータにはあるが、バーコード33を示すバーコードデータには無い。このため、バーコード32を示すバーコードデータ内の個体識別番号を示すデータの位置の先頭である11桁、及びバーコードフラグを示す先頭の2つのデータ「10」がRAM13の桁位置設定部に設定される。
【0027】
このように個体識別番号のバーコード32内の桁位置を設定すると、オペレータはタッチパネル20aを操作してラベルプリンタ1をラベル発行モードに移行する。ラベル発行モードでは、ラベルプリンタ1は例えば引継ぎラベル、個体番号ラベル、計量ラベル等のラベルを発行することができる。引継ぎラベルは店舗内で個体識別番号を記憶、仕分けた牛肉に貼付するラベルである。個体番号ラベルは店頭で販売するパックに計量ラベルと併せて貼付するラベルである。計量ラベルは店頭で販売するパックに貼付する個体識別番号を含む商品に関する情報を印字したラベルである。
【0028】
引継ラベルを発行する際には、オペレータはラベル発行モードから引継ぎラベルを発行するモードを選択し、スキャナ17でラベル31のバーコード32を読取るとともにラベルの発行枚数の入力や商品情報を呼び出すための入力等のラベル発行に必要な情報を入力する。そして例えばキーボード19のラベル発行キーが入力されると、引継ぎラベルの印字フォーマットを読み出すととともに印字データの処理が行われる。この印字データの処理において、スキャナ17から入力されたバーコードデータに含まれるデータのうち、いずれの桁位置から個体識別番号が始まっているかが桁位置設定部に設定された桁位置に基づいて判断され、その桁位置から10桁のデータが個体識別番号として取得される。このように取得された個体識別番号を示すデータ等が処理されてラベルに読み出した印字フォーマットで印字される。図4は、このようにして印字された引継ぎラベル41の一例を示す図である。引継ぎラベル41には産地名、仕分けた牛肉の部位等とともに個体識別番号41aが表記されている。この個体識別番号41aが示す番号はラベル31に表記されていたものと同じ個体識別番号となる。
【0029】
個体番号ラベルを発行する際は、オペレータはラベル発行モードから個体番号ラベルを発行するモードを選択し、スキャナ17でラベル31のバーコード32を読取るとともにラベルの発行枚数等のラベル発行に必要な情報を入力する。そして例えばキーボード19のラベル発行キーが入力されると、個体番号ラベルの印字フォーマットを読み出すととともに印字データの処理が行われる。この印字データの処理において、引継ぎラベル41の場合と同様に、スキャナ17から入力されたバーコードデータに含まれるデータのうち、いずれの桁位置から個体識別番号が始まっているかが桁位置設定部に設定された桁位置に基づいて判断され、その桁位置から10桁のデータが個体識別番号として取得される。このように取得された個体識別番号を示すデータ等が処理されてラベルに読み出した印字フォーマットで印字される。図5は、このようにして印字された個体番号ラベル42の一例を示す図である。個体番号ラベル42には、販売店のホームページのアドレス42aとともに個体識別番号42bが表記されている。この個体識別番号42bが示す番号はラベル31に表記されていたものと同じ個体識別番号となる。仕分けした牛肉を購入した消費者は表記されたアドレス42aに基づいて販売店のホームページにアクセスし、そのホームページ内で個体識別番号42bに基づいて生産者等を追跡することができる。
【0030】
計量ラベルを発行する際は、オペレータはラベル発行モードから計量ラベルを発行するモードを選択し、スキャナ17でラベルのバーコードを読取り、ロードセルユニット14に商品を載置して商品の重量を計量し、ラベルの発行枚数の入力や商品情報をPLUファイルから呼び出すための入力等のラベル発行に必要な情報を入力する。そして例えばキーボード19のラベル発行キーが入力されると、計量ラベルの印字フォーマットが読出されるととともに印字データの処理が行われる。この印字データの処理において、引継ぎラベル41の場合と同様に、スキャナ17から入力されたバーコードデータに含まれるデータのうち、いずれの桁位置から個体識別番号が始まっているかが桁位置設定部に設定された桁位置に基づいて判断され、その桁位置から10桁のデータが個体識別番号として取得される。このように取得された個体識別番号を示すデータ等が処理されてラベルに読出した印字フォーマットで印字される。図6はこのようにして印字された計量ラベル43の一例を示す図である。計量ラベル43には産地名、仕分けた牛肉の部位等の商品情報とともに個体識別番号43aが表記されている。この個体識別番号43aが示す番号はラベル31に表記されていたものと同じ個体識別番号となる。
【0031】
この実施の形態によると、オペレータはタッチパネル20aを操作してラベルプリンタ1をバーコード位置データ設定モードに移行した後、牛肉に貼付されたラベル31に印字された個体識別番号を示すデータが含まれるバーコード32をスキャナ17で読取り、キーボード19からラベル31に印字されている個体識別番号を入力する。すると、読取ったバーコード32が示すバーコードデータ内に個体識別番号を示すデータが含まれているため、その個体識別番号を示すデータがバーコード32内のいずれの位置にあるかを示すコード位置データ、具体的には個体識別番号の先頭の番号の桁数を示す桁位置がRAM13の桁位置設定部に設定される。このようにラベルプリンタ1には、個体識別番号をバーコードから読取るための桁位置が桁位置設定部に設定されるため、その後ラベル31が付された牛肉に関する引継ぎラベル41、個体番号ラベル42、計量ラベル43等のラベルを発行する際に、ラベル31に印字されたバーコード32を読取るだけで、RAM13の桁位置設定部に設定された桁位置に基づいて、バーコード32から正確かつ簡単に個体識別番号を読取ることができる。
【0032】
また、上述した説明では引継ぎラベル41、個体番号ラベル42、計量ラベル43等のラベルを発行する場合にラベル31から個体識別番号を読取る場合に、バーコード32のみを読取る場合で説明している。しかしながらラベル31にはバーコード33も印字されているため、オペレータは2つのバーコード32、33をスキャナ17で読取ってしまう場合も考えられる。このような場合においては、RAM13の桁位置設定部には桁位置を示すコード位置データに関連付けてバーコードフラグが設定されているため、バーコードフラグが示すバーコードデータの先頭2桁のデータに基づいて、個体識別番号を示すデータを含むバーコードデータがいずれであるかが判断される。したがって、複数のバーコード32、33を読取った場合にも、バーコード32から個体識別番号を正確かつ簡単に読取ることができる。
【0033】
さらに、コード位置データである桁位置をRAM13の桁位置設定部に設定する際に、オペレータはバーコード32のバー下数字として印字された個体識別番号の桁数を視認して入力するのではなくラベル31に表記された個体識別番号を入力するだけなので、桁数を入力する場合と比較して誤入力がされることを防止することができる。また、オペレータが誤って個体識別番号を入力したとしても、偶然が生じない限りバーコード32内に誤って入力された個体識別番号と同一のデータは存在しないため誤った個体識別番号が入力されたことを示すエラーメッセージがLCD20bに表示される。このエラーメッセージの表示によりオペレータは誤って個体識別番号を入力したことを確認できる。
【0034】
上述した実施の形態では、コードとしてはバーコード、コード位置としてはバーコードの桁位置である場合について説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、2次元コード内に記憶されたデータのうち位置を特定したい特定の情報がある場合に、その特定の情報を入力する場合にも適用することができるものである。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態におけるラベルプリンタの要部構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態における個体識別番号が表記されたラベルを示す図。
【図3】同実施の形態におけるコード位置データ設定処理の要部を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態における引継ラベルの一例を示す図。
【図5】同実施の形態における個体識別番号ラベルの一例を示す図。
【図6】同実施の形態における計量ラベルの一例を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1…ラベルプリンタ,11…CPU,13…RAM,19…キーボード,20a…タッチパネル,24…プリンタ,31…ラベル,32,33…バーコード,32a…バー下数字,41…引継ぎラベル,41a,42b,43a…個体識別番号,42…個体番号ラベル,42a…アドレス,43…計量ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードが印字された媒体から読取ったコードを示す第1のデータの入力を受付ける第1の受付手段と、
特定の情報を示す第2のデータの入力を受付ける第2の受付手段と、
前記1の受付手段で入力を受付けた第1のデータと前記第2の受付手段で入力を受付けた第2のデータとを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1のデータ内に前記第2のデータと一致するデータがあるか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により一致するデータがあると判断されたならば、前記第2のデータが前記第1のデータ内のいずれの位置に位置しているかを示すコード位置データを設定する設定手段とを具備することを特徴とするコード位置データ設定装置。
【請求項2】
前記第1の受付手段はコードを識別するための識別コードを示す識別データが付加された第1のデータの入力を複数受付け、
前記比較手段は前記第1の受付手段で入力を受付けた複数の第1のデータそれぞれと前記第2の受付手段で入力を受付けた第2のデータとを比較し、
前記判断手段は、一致するデータがあると判断した場合に一致するデータがあると判断した第1のデータが2つ以上あるか否かをさらに判断し、
前記設定手段は、前記判断手段により一致するデータがあると判断された第1のデータが2以上でないと判断されたならば、前記一致すると判断された第1のデータに付加された識別データを前記コード位置データに関連付けて設定することを特徴とする請求項1に記載のコード位置データ設定装置。
【請求項3】
コンピュータに、
コードが印字された媒体から読取ったコードを示す第1のデータの入力を受付けさせる機能と、
特定の情報を示す第2のデータの入力を受付けさせる機能と、
前記第1のデータと前記第2のデータとを比較させる機能と、
前記比較させる機能による比較結果に基づいて、前記第1のデータ内に前記第2のデータと一致するデータがあるか否かを判断させる機能と、
この機能により一致するデータがあると判断させたならば、前記第2のデータが前記第1のデータ内のいずれの位置に位置しているかを示すコード位置データを設定させる機能とを実現させるコード位置データ設定プログラム。
【請求項4】
前記第1のデータの入力を受付けさせる機能は、コードを識別するための識別コードを示す識別データが付加された第1のデータの入力を複数受付けさせ、
前記比較させる機能は前記入力を受付けた複数の第1のデータそれぞれと前記第2のデータとを比較させ、
前記判断させる機能は、一致するデータがあると判断された場合に一致するデータがあると判断された第1のデータが2つ以上あるか否かをさらに判断させ、
前記設定させる機能は、前記判断させる機能により一致するデータがあると判断された第1のデータが2以上でないと判断させたならば、前記一致すると判断された第1のデータに付加された識別データを前記コード位置データに関連付けて設定させる請求項3に記載のコード位置データ設定プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−72499(P2007−72499A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255300(P2005−255300)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】