コールドプレートアセンブリおよびコールドプレートを通して流体を連通させる方法
【課題】コールドプレートアセンブリの幾何学的エンベロープを縮小するとともに、コールドプレートアセンブリの総部品数および重量を減少させる。
【解決手段】コールドプレートアセンブリを通して流体を連通させる方法は、上部流体通路Bフィン構造体46の層から、チャネルおよび中間仕切板48の入口開口部を通して連通し、流体通路A閉鎖バー50に設けられた傾斜面を下って下部流体通路Aフィン構造体52における下部仕切板54に隣接して流れる。
【解決手段】コールドプレートアセンブリを通して流体を連通させる方法は、上部流体通路Bフィン構造体46の層から、チャネルおよび中間仕切板48の入口開口部を通して連通し、流体通路A閉鎖バー50に設けられた傾斜面を下って下部流体通路Aフィン構造体52における下部仕切板54に隣接して流れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝達装置に関し、特にコールドプレートアセンブリに関する。
【0002】
本発明は、米国政府の援助を受けて、契約番号第NNJ06TA25C号に基づいて米国航空宇宙局とともになされたものである。従って、米国政府は、本発明に対して特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
マイクロプロセッサ、グラフィックスプロセッサおよび他のモジュールを含む高速電子部品の動作は熱を発生させる。この熱は効率的な動作のためには取り除く必要がある。熱を取り除くことにより、例えば、動作温度が低くなり、動作速度、計算機能力および信頼性が高くなる。
【0004】
コールドプレートは、取り付けられた部品に熱伝達機能を提供する液冷構造体である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コールドプレートに液体を連通させるヘッダは、一般に、メインコールドプレートに取りつけられた独立した部品である。ヘッダによって、全体的な幾何学的エンベロープが拡大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な形態によるコールドプレートを通して流体を連通させる方法は、内蔵のヘッダを通して流体を連通させることを含む。本発明の種々の特徴は、開示されている限定的でない実施例の以下の詳細な説明によって当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コールドプレートアセンブリと構造パネル全体の分解図である。
【図2】コールドプレートアセンブリの斜視図である。
【図3】コールドプレートアセンブリに内蔵されたヘッダを備える入口ポートを通る図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】コールドプレートアセンブリに内蔵されたヘッダを備える出口ポートの拡大図である。
【図5】図1のコールドプレートアセンブリと構造パネルの斜視図である。
【図6】図2の線6−6に沿った断面図である。
【図7】上部流体通路層におけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図8】上部流体通路層と下部流体通路層との間の中間仕切板におけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図9】下部流体通路層におけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図10】上部流体通路層の上の上部仕切板の高さにおけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図11】図2の線6−6に沿った内蔵されたヘッダの限定的でない他の実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、コールドプレートアセンブリ20を概略的に示している。コールドプレートアセンブリ20は、一般に、支持パネル22に取り付けられている。支持パネル22は、フレーム28とハニコムコアなどのコア30を間に挟む上部表面板24Aと下部表面板24Bとによって構成することができる。支持パネル22は、一般に、接着剤によって上部表面板24Aと下部表面板24Bとをフレーム28とコア30に接着することで組み立てられる。コールドプレートアセンブリ20は、締結具、接着剤、またはこれらの種々の組合せによって、支持パネル22以外の種々の部品にも取り付けることができる。
【0009】
コールドプレートアセンブリ20は、一般に、上部端面板40、上部仕切板42、流体通路B閉鎖バー44、(概略的に図示された)流体通路Bフィン構造体46、中間仕切板48、流体通路A閉鎖バー50、(概略的に図示された)流体通路Aフィン構造体52、下部仕切板54および下部端面板56を含む。限定的でない一実施例では、上部端面板40は、公称厚さ0.04インチ(1mm)の3004アルミニウム(3004 Aluminum)で製造可能であり、上部仕切板42は、公称厚さ0.016インチ(0.4mm)のCT−23などのろう付け材料またはマルチクラッド(Multiclad)合金で製造可能であり、流体通路B閉鎖バー44は、公称厚さ0.05インチ(1.3mm)の6951アルミニウム(6951 Aluminum)で製造可能であり、流体通路Bフィン構造体46は、公称厚さ0.005インチ(0.13mm)の6951アルミニウムで製造可能であり、中間仕切板48は、公称厚さ0.016インチ(0.4mm)のCT−23などのろう付け材料またはマルチクラッド合金で製造可能であり、流体通路A閉鎖バー50は、公称厚さ0.05インチ(1.3mm)の6951アルミニウムで製造可能であり、流体通路Aフィン構造体52は、公称厚さ0.005インチ(0.13mm)の6951アルミニウムで製造可能であり、下部仕切板54は、公称厚さ0.016インチ(0.4mm)のCT−23などのろう付け材料またはマルチクラッド合金で製造可能であり、下部端面板56は、公称厚さ0.04インチ(1mm)の3004アルミニウムで製造可能である。種々の材料および公称厚さを代わりに使用することもできる。
【0010】
仕切板42,48,54は、ろう付け工程中に溶解して板40〜56の間に一体のアセンブリを形成するろう付け合金を含む。他の接合方法または組立方法も代わりにもしくは追加で使用可能である。
【0011】
一般に、上部端面板40が上部仕切板42にろう付けされ、上部仕切板42が上部端面板40と流体通路B閉鎖バー44と流体通路Bフィン構造体46にろう付けされ、流体通路B閉鎖バー44が上部仕切板42と中間仕切板48にろう付けされ、流体通路Bフィン構造体46が上部仕切板42と中間仕切板48にろう付けされ、中間仕切板48が流体通路Bフィン構造体46と流体通路B閉鎖バー44と流体通路Aフィン構造体52と流体通路A閉鎖バー50にろう付けされ、流体通路A閉鎖バー50が中間仕切板48と下部仕切板54にろう付けされ、流体通路Aフィン構造体52が中間仕切板48と下部仕切板54にろう付けされ、下部仕切板54が流体通路Aフィン構造体52と流体通路A閉鎖バー50と下部端面板56にろう付けされるようにアセンブリが一体にろう付けされる。
【0012】
図2を参照すると、第1の入口ポート34A−1と第2の入口ポート34A−2とを備える入口ヘッダアセンブリ32Aが、コールドプレートアセンブリ20に流体を連通させる。第1の入口ポート34A−1と第2の入口ポート34A−2とは、最初は単一の層を通して第1の流体層および第2の流体層とそれぞれ流体的に連通している(図3参照)。一般的に知られているように(図5に概略的に示すように)流体装置38を通して流体を循環させるために、流体はそれぞれの流体層から第1の出口ポート34B−1と第2の出口ポート34B−2とを備える出口ヘッダアセンブリ34Bを通して連通する。ここでは出口ヘッダアセンブリ34Bの単一の出口ポートに関して詳細に説明するが、入口ヘッダアセンブリ32Aの少なくとも1つのポートもここで説明するように実質的に形成することができる。これに関する詳細な説明は省略する。
【0013】
図6を参照すると、第2の入口ポート34A−2(図3参照)は、出口ポート34B−2と連通する前に、まず下部流体層である通路Aと連通してから上部流体層である通路Bと連通する。すなわち、上部流体通路B層から流体出口ポート34B−2へ連通する流体は、実際には流体通路A閉鎖バー50内の下部流体通路A層に最初に連通するが、独立した流体層を定める流体通路Aフィン構造体52には連通しない。上部流体通路B層が内蔵のヘッダ流れのために必要なクリアランスを提供するので、下部流体通路A層は同様の流体通路を必要としない。
【0014】
上部流体通路Bフィン構造体46の層から、流体はチャネル44C(図7参照)および中間仕切板48の入口開口部48I(図8参照)を通して連通する。流体は、流体通路A閉鎖バー50に設けられた傾斜面50R(図9参照)を下って下部流体通路Aフィン構造体52における下部仕切板54に隣接して流れるように連通するが、流体通路A閉鎖バー50によって下部流体通路Aフィン構造体52から分離される。すなわち、流体通路A閉鎖バー50は、上部流体通路B層から流体流れを受け入れるが、この流体を下部流体通路Aフィン構造体52に連通させない。
【0015】
傾斜面50Rからの流体は、続いて、中間仕切板48の中間仕切板出口開口部48O(図8参照)を通して上向きに連通し、続いて、流体通路B閉鎖バー44に設けられた整列した出口44O(図7参照)に連通する。整列した出口44Oからの流体は、上部仕切板42の整列した開口部42O(図10参照)を通して連通し、上部端面板40に隣接して上部仕切板42に取り付けられた出口ポート34B−2を通して出る。
【0016】
他の限定的でない実施例では、傾斜面50Rがステップ50Sに置き換えられる(図11参照)。種々の他の幾何学的構成を代わりにあるいは追加して設けることもできる。
【0017】
内蔵のヘッダにより流体通路A閉鎖バーおよび流体通路B閉鎖バーの領域を使用して隣接する高さから流体を連通させることによって、これまでの外付けのヘッダの必要性がなくなる。つまり、流体は出口ポート34Bを通して出る前に上部流体層から下部流体層へと連通する。この構成により、傾斜面によって隣接する下部層に流体が戻るため、流体が出るのと同じ層に流体入口ポートを連通させることが可能になる。これにより、コールドプレートアセンブリ20の全体的な幾何学的エンベロープが縮小される。流体の入口および出口のための独立した外付けのヘッダアセンブリがないため外付けのヘッダ部品がなくなり、総部品数および重量が減少する。さらに、故障するおそれのある領域として外付けのヘッダ領域がなくなるので、構造的により強固なコールドプレートアセンブリが得られる。
【0018】
図面において対応部および相当部には同一番号を付している。また、特定の部品構成を実施例に開示したが、他の構成も本発明において有用である。
【0019】
特定のステップの順序を開示、説明および請求の範囲に記載したが、これらのステップは、特に記載がない限りどのような順序で実施してもよく、分割することも組み合わせることもでき、それでもなお本発明において有用である。
【0020】
上述の説明は限定的なものではなく、例示的なものである。種々の限定的でない実施例を開示したが、当業者であれば、上述の教示に照らした種々の改良および変更も添付の請求項の範囲内に含まれることが分かるであろう。よって、添付の請求項の範囲内であれば、具体的に記載された以外の方法で本発明を実施できる。このため、真の範囲および内容を判断するには添付の請求項の検討が必要である。
【符号の説明】
【0021】
20…コールドプレートアセンブリ
32A…入口ヘッダアセンブリ
34A−1…第1の入口ポート
34A−2…第2の入口ポート
34B…出口ヘッダアセンブリ
34B−1…第1の出口ポート
34B−2…第2の出口ポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝達装置に関し、特にコールドプレートアセンブリに関する。
【0002】
本発明は、米国政府の援助を受けて、契約番号第NNJ06TA25C号に基づいて米国航空宇宙局とともになされたものである。従って、米国政府は、本発明に対して特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
マイクロプロセッサ、グラフィックスプロセッサおよび他のモジュールを含む高速電子部品の動作は熱を発生させる。この熱は効率的な動作のためには取り除く必要がある。熱を取り除くことにより、例えば、動作温度が低くなり、動作速度、計算機能力および信頼性が高くなる。
【0004】
コールドプレートは、取り付けられた部品に熱伝達機能を提供する液冷構造体である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コールドプレートに液体を連通させるヘッダは、一般に、メインコールドプレートに取りつけられた独立した部品である。ヘッダによって、全体的な幾何学的エンベロープが拡大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な形態によるコールドプレートを通して流体を連通させる方法は、内蔵のヘッダを通して流体を連通させることを含む。本発明の種々の特徴は、開示されている限定的でない実施例の以下の詳細な説明によって当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コールドプレートアセンブリと構造パネル全体の分解図である。
【図2】コールドプレートアセンブリの斜視図である。
【図3】コールドプレートアセンブリに内蔵されたヘッダを備える入口ポートを通る図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】コールドプレートアセンブリに内蔵されたヘッダを備える出口ポートの拡大図である。
【図5】図1のコールドプレートアセンブリと構造パネルの斜視図である。
【図6】図2の線6−6に沿った断面図である。
【図7】上部流体通路層におけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図8】上部流体通路層と下部流体通路層との間の中間仕切板におけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図9】下部流体通路層におけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図10】上部流体通路層の上の上部仕切板の高さにおけるコールドプレートアセンブリの部分組立図である。
【図11】図2の線6−6に沿った内蔵されたヘッダの限定的でない他の実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、コールドプレートアセンブリ20を概略的に示している。コールドプレートアセンブリ20は、一般に、支持パネル22に取り付けられている。支持パネル22は、フレーム28とハニコムコアなどのコア30を間に挟む上部表面板24Aと下部表面板24Bとによって構成することができる。支持パネル22は、一般に、接着剤によって上部表面板24Aと下部表面板24Bとをフレーム28とコア30に接着することで組み立てられる。コールドプレートアセンブリ20は、締結具、接着剤、またはこれらの種々の組合せによって、支持パネル22以外の種々の部品にも取り付けることができる。
【0009】
コールドプレートアセンブリ20は、一般に、上部端面板40、上部仕切板42、流体通路B閉鎖バー44、(概略的に図示された)流体通路Bフィン構造体46、中間仕切板48、流体通路A閉鎖バー50、(概略的に図示された)流体通路Aフィン構造体52、下部仕切板54および下部端面板56を含む。限定的でない一実施例では、上部端面板40は、公称厚さ0.04インチ(1mm)の3004アルミニウム(3004 Aluminum)で製造可能であり、上部仕切板42は、公称厚さ0.016インチ(0.4mm)のCT−23などのろう付け材料またはマルチクラッド(Multiclad)合金で製造可能であり、流体通路B閉鎖バー44は、公称厚さ0.05インチ(1.3mm)の6951アルミニウム(6951 Aluminum)で製造可能であり、流体通路Bフィン構造体46は、公称厚さ0.005インチ(0.13mm)の6951アルミニウムで製造可能であり、中間仕切板48は、公称厚さ0.016インチ(0.4mm)のCT−23などのろう付け材料またはマルチクラッド合金で製造可能であり、流体通路A閉鎖バー50は、公称厚さ0.05インチ(1.3mm)の6951アルミニウムで製造可能であり、流体通路Aフィン構造体52は、公称厚さ0.005インチ(0.13mm)の6951アルミニウムで製造可能であり、下部仕切板54は、公称厚さ0.016インチ(0.4mm)のCT−23などのろう付け材料またはマルチクラッド合金で製造可能であり、下部端面板56は、公称厚さ0.04インチ(1mm)の3004アルミニウムで製造可能である。種々の材料および公称厚さを代わりに使用することもできる。
【0010】
仕切板42,48,54は、ろう付け工程中に溶解して板40〜56の間に一体のアセンブリを形成するろう付け合金を含む。他の接合方法または組立方法も代わりにもしくは追加で使用可能である。
【0011】
一般に、上部端面板40が上部仕切板42にろう付けされ、上部仕切板42が上部端面板40と流体通路B閉鎖バー44と流体通路Bフィン構造体46にろう付けされ、流体通路B閉鎖バー44が上部仕切板42と中間仕切板48にろう付けされ、流体通路Bフィン構造体46が上部仕切板42と中間仕切板48にろう付けされ、中間仕切板48が流体通路Bフィン構造体46と流体通路B閉鎖バー44と流体通路Aフィン構造体52と流体通路A閉鎖バー50にろう付けされ、流体通路A閉鎖バー50が中間仕切板48と下部仕切板54にろう付けされ、流体通路Aフィン構造体52が中間仕切板48と下部仕切板54にろう付けされ、下部仕切板54が流体通路Aフィン構造体52と流体通路A閉鎖バー50と下部端面板56にろう付けされるようにアセンブリが一体にろう付けされる。
【0012】
図2を参照すると、第1の入口ポート34A−1と第2の入口ポート34A−2とを備える入口ヘッダアセンブリ32Aが、コールドプレートアセンブリ20に流体を連通させる。第1の入口ポート34A−1と第2の入口ポート34A−2とは、最初は単一の層を通して第1の流体層および第2の流体層とそれぞれ流体的に連通している(図3参照)。一般的に知られているように(図5に概略的に示すように)流体装置38を通して流体を循環させるために、流体はそれぞれの流体層から第1の出口ポート34B−1と第2の出口ポート34B−2とを備える出口ヘッダアセンブリ34Bを通して連通する。ここでは出口ヘッダアセンブリ34Bの単一の出口ポートに関して詳細に説明するが、入口ヘッダアセンブリ32Aの少なくとも1つのポートもここで説明するように実質的に形成することができる。これに関する詳細な説明は省略する。
【0013】
図6を参照すると、第2の入口ポート34A−2(図3参照)は、出口ポート34B−2と連通する前に、まず下部流体層である通路Aと連通してから上部流体層である通路Bと連通する。すなわち、上部流体通路B層から流体出口ポート34B−2へ連通する流体は、実際には流体通路A閉鎖バー50内の下部流体通路A層に最初に連通するが、独立した流体層を定める流体通路Aフィン構造体52には連通しない。上部流体通路B層が内蔵のヘッダ流れのために必要なクリアランスを提供するので、下部流体通路A層は同様の流体通路を必要としない。
【0014】
上部流体通路Bフィン構造体46の層から、流体はチャネル44C(図7参照)および中間仕切板48の入口開口部48I(図8参照)を通して連通する。流体は、流体通路A閉鎖バー50に設けられた傾斜面50R(図9参照)を下って下部流体通路Aフィン構造体52における下部仕切板54に隣接して流れるように連通するが、流体通路A閉鎖バー50によって下部流体通路Aフィン構造体52から分離される。すなわち、流体通路A閉鎖バー50は、上部流体通路B層から流体流れを受け入れるが、この流体を下部流体通路Aフィン構造体52に連通させない。
【0015】
傾斜面50Rからの流体は、続いて、中間仕切板48の中間仕切板出口開口部48O(図8参照)を通して上向きに連通し、続いて、流体通路B閉鎖バー44に設けられた整列した出口44O(図7参照)に連通する。整列した出口44Oからの流体は、上部仕切板42の整列した開口部42O(図10参照)を通して連通し、上部端面板40に隣接して上部仕切板42に取り付けられた出口ポート34B−2を通して出る。
【0016】
他の限定的でない実施例では、傾斜面50Rがステップ50Sに置き換えられる(図11参照)。種々の他の幾何学的構成を代わりにあるいは追加して設けることもできる。
【0017】
内蔵のヘッダにより流体通路A閉鎖バーおよび流体通路B閉鎖バーの領域を使用して隣接する高さから流体を連通させることによって、これまでの外付けのヘッダの必要性がなくなる。つまり、流体は出口ポート34Bを通して出る前に上部流体層から下部流体層へと連通する。この構成により、傾斜面によって隣接する下部層に流体が戻るため、流体が出るのと同じ層に流体入口ポートを連通させることが可能になる。これにより、コールドプレートアセンブリ20の全体的な幾何学的エンベロープが縮小される。流体の入口および出口のための独立した外付けのヘッダアセンブリがないため外付けのヘッダ部品がなくなり、総部品数および重量が減少する。さらに、故障するおそれのある領域として外付けのヘッダ領域がなくなるので、構造的により強固なコールドプレートアセンブリが得られる。
【0018】
図面において対応部および相当部には同一番号を付している。また、特定の部品構成を実施例に開示したが、他の構成も本発明において有用である。
【0019】
特定のステップの順序を開示、説明および請求の範囲に記載したが、これらのステップは、特に記載がない限りどのような順序で実施してもよく、分割することも組み合わせることもでき、それでもなお本発明において有用である。
【0020】
上述の説明は限定的なものではなく、例示的なものである。種々の限定的でない実施例を開示したが、当業者であれば、上述の教示に照らした種々の改良および変更も添付の請求項の範囲内に含まれることが分かるであろう。よって、添付の請求項の範囲内であれば、具体的に記載された以外の方法で本発明を実施できる。このため、真の範囲および内容を判断するには添付の請求項の検討が必要である。
【符号の説明】
【0021】
20…コールドプレートアセンブリ
32A…入口ヘッダアセンブリ
34A−1…第1の入口ポート
34A−2…第2の入口ポート
34B…出口ヘッダアセンブリ
34B−1…第1の出口ポート
34B−2…第2の出口ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポートを備える内蔵のヘッダを有し、前記流体ポートは、流体通路Aフィン構造体を含む第1の層における流体通路閉鎖バーに設けられた流体出口を通して、流体通路Bフィン構造体を含む第2の層における流体通路Bフィン構造体と流体的に連通していることを特徴とするコールドプレートアセンブリ。
【請求項2】
前記流体出口は、傾斜面を含むことを特徴とする請求項1記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項3】
前記流体出口はステップ付きの面を含むことを特徴とする請求項1記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項4】
ポートと、
前記ポートに取り付けられた上部端面板と、
上部端面板に取り付けられるとともに、前記ポートと連通する開口部を含む上部仕切板と、
上部仕切板に取り付けられているとともに、流体通路Bフィン構造体と流体通路Bチャネルとを含む流体通路B閉鎖バーと、
流体通路Aフィン構造体を含むとともに、流体通路Bチャネルと連通する流体通路A閉鎖バー出口を定める流体通路A閉鎖バーと、
流体通路B閉鎖バーと流体通路A閉鎖バーとの間に取り付けられているとともに、流体通路A閉鎖バー出口と連通する第1の開口部と、前記ポートと連通する第2の開口部と、を含む中間仕切板と、を備えることを特徴とするコールドプレートアセンブリ。
【請求項5】
流体通路A閉鎖バー出口は、傾斜面を含むことを特徴とする請求項4記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項6】
前記流体通路A閉鎖バー出口は、ステップ付きの面を含むことを特徴とする請求項4記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項7】
下部仕切板が、中間仕切板の反対側で流体通路A閉鎖バーに取り付けられていることを特徴とする請求項4記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項8】
下部仕切板に取り付けられた下部端面板をさらに含むことを特徴とする請求項7記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項9】
コールドプレートに内蔵されたヘッダを通して流体を連通させることを含み、内蔵されたヘッダは、流体出口と共通のコールドプレートの層を通る流体入口を通して流体を連通させることを特徴とするコールドプレートを通して流体を連通させる方法。
【請求項10】
傾斜面に沿って第2の層から第1の層に流体を導くことをさらに含み、第1の層は、入口ポートを通して最初に流体を受け取り、第2の層は、続いて第1の層から流体を受け取ることを特徴とする請求項9記載のコールドプレートを通して流体を連通させる方法。
【請求項11】
ステップ付きの面に沿って第2の層から第1の層に流体を導くことをさらに含み、第1の層は、入口ポートを通して最初に流体を受け取り、第2の層は、続いて第1の層から流体を受け取ることを特徴とする請求項9記載のコールドプレートを通して流体を連通させる方法。
【請求項1】
流体ポートを備える内蔵のヘッダを有し、前記流体ポートは、流体通路Aフィン構造体を含む第1の層における流体通路閉鎖バーに設けられた流体出口を通して、流体通路Bフィン構造体を含む第2の層における流体通路Bフィン構造体と流体的に連通していることを特徴とするコールドプレートアセンブリ。
【請求項2】
前記流体出口は、傾斜面を含むことを特徴とする請求項1記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項3】
前記流体出口はステップ付きの面を含むことを特徴とする請求項1記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項4】
ポートと、
前記ポートに取り付けられた上部端面板と、
上部端面板に取り付けられるとともに、前記ポートと連通する開口部を含む上部仕切板と、
上部仕切板に取り付けられているとともに、流体通路Bフィン構造体と流体通路Bチャネルとを含む流体通路B閉鎖バーと、
流体通路Aフィン構造体を含むとともに、流体通路Bチャネルと連通する流体通路A閉鎖バー出口を定める流体通路A閉鎖バーと、
流体通路B閉鎖バーと流体通路A閉鎖バーとの間に取り付けられているとともに、流体通路A閉鎖バー出口と連通する第1の開口部と、前記ポートと連通する第2の開口部と、を含む中間仕切板と、を備えることを特徴とするコールドプレートアセンブリ。
【請求項5】
流体通路A閉鎖バー出口は、傾斜面を含むことを特徴とする請求項4記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項6】
前記流体通路A閉鎖バー出口は、ステップ付きの面を含むことを特徴とする請求項4記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項7】
下部仕切板が、中間仕切板の反対側で流体通路A閉鎖バーに取り付けられていることを特徴とする請求項4記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項8】
下部仕切板に取り付けられた下部端面板をさらに含むことを特徴とする請求項7記載のコールドプレートアセンブリ。
【請求項9】
コールドプレートに内蔵されたヘッダを通して流体を連通させることを含み、内蔵されたヘッダは、流体出口と共通のコールドプレートの層を通る流体入口を通して流体を連通させることを特徴とするコールドプレートを通して流体を連通させる方法。
【請求項10】
傾斜面に沿って第2の層から第1の層に流体を導くことをさらに含み、第1の層は、入口ポートを通して最初に流体を受け取り、第2の層は、続いて第1の層から流体を受け取ることを特徴とする請求項9記載のコールドプレートを通して流体を連通させる方法。
【請求項11】
ステップ付きの面に沿って第2の層から第1の層に流体を導くことをさらに含み、第1の層は、入口ポートを通して最初に流体を受け取り、第2の層は、続いて第1の層から流体を受け取ることを特徴とする請求項9記載のコールドプレートを通して流体を連通させる方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−211192(P2011−211192A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54000(P2011−54000)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(500107762)ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション (165)
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Hamilton Road, Windsor Locks, CT 06096−1010, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(500107762)ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション (165)
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Hamilton Road, Windsor Locks, CT 06096−1010, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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