説明

サイドターンシグナルランプ

【課題】ランプ小型化のために導光レンズ本体を巾狭に形成するが、所望の光量を確保できるサイドターンシグナルランプを提供する。
【解決手段】サイドミラーハウジング10の外側壁11に設けた左右に延びる開口部12からその前面側が係合して露呈するように配置された導光レンズ本体42と、導光レンズ本体42の光入射端部に正対配置された複数のLED32a,32b,32cと、を備えたサイドターンシグナルランプで、開口部12および導光レンズ本体12を巾狭に形成し、LED32a,32b,32cをランプ奥行き方向に並設し、導光レンズ本体42の光入射端部もランプ奥行き方向に厚肉に形成して、全てのLED32a,32b,32cの発光を導光レンズ本体42に入射させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサイドミラーに一体化されたサイドターンシグナルランプに係り、特に、光源として比較的安価なLED複数個を用いて所定の光量を確保できる小型のサイドターンシグナルランプに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術としては、下記特許文献1が知られている。ここには、サイドミラーハウジングの湾曲する外側壁に設けられた左右に延びる開口部にその湾曲する前面側が係合して露呈するように配置された幅広の導光レンズ本体と、前記導光レンズ本体の光入射端部に正対するように並列配置された光源である複数のLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-114309号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記した従来技術(特許文献1)では、ランプの所定光量を確保するために、光源として4個のLEDが使用されているが、導光レンズ本体(の光入射端部)の幅方向に4個のLEDが並設され、導光レンズ本体は比較的巾広に形成されている。
【0005】
このため、導光レンズ本体およびLEDを内部に収容するサイドターンシグナルランプが大型化し、サイドミラーハウジング内に収容するミラー本体やミラー本体駆動機構等の収容スペースが狭められて、それだけサイドミラーを設計する上でのレイアウトの自由度がなく、サイドミラーハウジングが比較的小さい小型の自動車には到底採用できないという問題があった。
【0006】
なお、光源として1個の高輝度LEDを採用すれば、導光レンズ本体の巾も狭くでき、ランプ本体の小型化が可能であるが、高輝度LEDは極めて高価で、近年のコスト削減というニーズに相反し、到底採用できるものではない。
【0007】
そこで、発明者が、ランプを組み付けるサイドミラーハウジング内を検討したところ、導光レンズ本体の前面側が露呈するハウジング先端側では、奥行きが小さく、その内側に収容されたミラー本体との干渉を避けるためには、導光レンズ本体先端側を厚肉に形成することはできない。一方、サイドミラーハウジングの車体への取り付け側であるハウジング基端側では、奥行きが大きく、導光レンズ本体を厚肉に形成したとしても、その内側に収容されたミラー本体やミラー本体駆動機構に対しても奥行き方向の余裕があることが確認された。
【0008】
そこで、発明者は、「導光レンズ本体全体を狭巾に形成すれば、それだけランプの巾を小さくできる。また、導光レンズ本体の基端部側(光入射端部側)を厚肉に形成するとともに、光源であるLEDを導光レンズ本体厚さ方向(ランプ奥行き方向)に並設したとしても、LEDや導光レンズ本体がハウジング内のミラー本体やミラー本体駆動機構等と干渉しないし、LEDが複数であるため、ランプの光量も低下しない。」ことを確認し、このたびの出願に至ったものである。
【0009】
本発明は、前記従来技術の問題点および発明者の前記した知見に基づいてなされたもので、その目的は、ランプの小型化のために導光レンズ本体を巾狭に形成するが、所望の光量を確保できるサイドターンシグナルランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、請求項1に係るサイドターンシグナルランプにおいては、サイドミラーハウジングの外側壁に設けられた左右方向に延びる開口部からその前面側が係合して露呈するように配置された導光レンズ本体と、前記外側壁の内側に露呈する前記導光レンズ本体の光入射端部に正対するように配置された光源である複数のLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記LEDをランプ奥行き方向に並設し、前記導光レンズ本体を正面視細紐状に形成された前記開口部に係合可能な巾狭に形成するとともに、前記導光レンズ本体の光入射端部を前記LED並設方向(ランプ奥行き方向)に厚肉に構成した。
(作用)導光レンズ本体が巾狭に形成されているので、導光レンズ本体を備えたサイドターンシグナルランプは、その巾が狭められて小型化される。
【0011】
サイドミラー(サイドミラーハウジング)の車体への取り付け側であるハウジング基端側では、奥行き(厚み)が大きいので、ランプ奥行き方向に厚肉である導光レンズ本体の光入射端部やランプ奥行き方向に並設された複数のLEDが、ハウジング内側に収容されたミラー本体やミラー本体駆動機構と干渉することはない。
【0012】
また、ランプ奥行き方向に並設された複数のLEDと導光レンズ本体の光入射端部とは正対するので、各LEDの発光は、導光レンズ本体に効率よく入射し、導光レンズ本体内を導光され、導光レンズ本体先端部寄りの前面側所定位置から出射して、車両斜め後方に向かう所望の光量の配光を形成する。
【0013】
また、請求項2においては、請求項1に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記導光レンズ本体の肉厚を、その先端側に行くに従って薄肉となるように構成した。
(作用)サイドミラーハウジング内の奥行きは、ハウジング先端側に行くほど狭くなるが、導光レンズ本体の厚さが先端側に行くほど薄肉に形成されているので、サイドターンシグナルランプの奥行き(厚み)もハウジング先端側に行くほど小さく(薄く)なって、サイドターンシグナルランプはハウジング内側に収容されたサイドミラー本体と干渉しない。したがって、導光レンズ本体(サイドターンシグナルランプ)を、車両斜め後方に向かう配光の形成しやすい、サイドミラーハウジング先端部寄りに設けることができる。
【0014】
請求項3においては、請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記導光レンズ本体の裏面に、主にランプの奥行き方向前方に配置されたLEDからの入射光を反射して、導光レンズ本体前面側の長手方向先端部寄り所定位置から出射し車両斜め後方に向かう第1の配光を形成する第1の反射ステップと、主にランプの奥行き方向後方に配置されたLEDからの入射光を反射して、導光レンズ本体前面側の長手方向ほぼ中央位置から出射し車両斜め側方に向かう第2の配光を形成する第2の反射ステップを設けるように構成した。
(作用)主にランプの奥行き方向前方に配置されたLEDの発光は、導光レンズ本体に入射すると、導光レンズ本体前面で全反射されてレンズ先端側に導かれ、導光レンズ本体裏面に設けられた第1の反射ステップで反射されて、導光レンズ本体前面側の先端部寄り所定位置から出射して、車両斜め後方所定領域に向かう第1の配光を形成する。なお、導光レンズ本体内に導かれた光が導光レンズ本体外に出射するには、界面(導光レンズ本体前面)に対しての入射角が臨界角未満という条件が要求されるが、光出射部として構成したい導光レンズ本体前面所定位置の曲率が小さいために前記条件を満たさない場合は、前記条件を満たすように、該導光レンズ本体前面所定位置の曲率を大きくすることで、導光レンズ本体前面側の先端部寄り所定位置に設けた光出射部から確実に光を出射させることができる。
【0015】
一方、主にランプの奥行き方向後方に配置されたLEDの発光は、導光レンズ本体に入射すると、導光レンズ本体の裏面側に設けられた第2の反射ステップで反射されて、導光レンズ本体前面側の長手方向ほぼ中央所定位置から出射して、車両斜め側方所定領域に向かう第2の配光を形成する。このため、車両斜め後方所定領域に向かう第1の配光と、車両斜め側方所定領域に向かう第2の配光とが合成された配光となる。
【0016】
請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記導光レンズ本体は、その外周にスカート状延出部が一体的に形成されて、背面側が開口する容器状の導光レンズとして構成され、前記LEDは、接続端子を突出形成したプリント基板に搭載されて、LEDユニットアッシーとして一体化され、前記LEDユニットアッシーを収容し、サイドミラーハウジングへの取着用ブラケットが設けられた容器状のランプボディの外周縁部に、前記導光レンズのシール脚を構成する前記スカート状延出部の外周縁部が接合されて、ランプとして一体化されるように構成した。
(作用)導光レンズ本体とLEDとは、サイドターンシグナルランプとして一体化されているので、ブラケットをサイドミラーハウジングに取着することで、サイドミラーハウジングの外側壁の開口部から導光レンズ本体の前面側が露呈する適正位置に、サイドターンシグナルランプを組み付けることができる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係るサイドターンシグナルランプによれば、サイドターンシグナルランプが小型化されて、サイドミラーを設計する上でのレイアウトの自由度に優れるとともに、サイドターンシグナルランプが小型化されても所望の光量を確保できるので、サイドミラーが比較的大きい大型の自動車からサイドミラーが比較的小さい小型の自動車までの広範囲の車種に採用できる。
【0018】
請求項2によれば、サイドターンシグナルランプをサイドミラーハウジングの先端寄りに設けることで、車両斜め後方に向かう配光が確実に形成されて、車両斜め後方からの被視認性が高められる。
【0019】
請求項3によれば、車両斜め後方から斜め測方にかけての広い領域に配光されるので、被視認性が高められる。
【0020】
請求項4によれば、サイドターンシグナルランプをサイドミラーハウジング内所定位置に簡単に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図である。
【図2】同ランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)である。
【図3】同ランプの要部である導光レンズの正面斜視図である。
【図4】同導光レンズの背面斜視図である。
【図5】同ランプの縦断面図(図2に示す線V−Vに沿う断面図)である。
【図6】同ランプの縦断面図(図1に示す線VI−VIに沿う断面図)である。
【図7】導光レンズ本体の導光作用を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例であるサイドターンシグナルランプの水平断面図で、導光レンズ本体の導光作用を示す図である。
【図9】同ランプの縦断面図(図8に示す線IX−IXに沿う断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図7は本発明の第1の実施例を示し、図1は本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図、図2は同ランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3,4は同ランプの要部である導光レンズの斜視図、図5,6は同ランプの縦断面図、図7は導光レンズ本体の導光作用を示す図である。
【0024】
これらの図、特に図1,2において、符号10は、サイドミラー本体50を支持する合成樹脂製のサイドミラーハウジングで、ハウジング10の湾曲する外側壁11には、左右に延びる細紐状の巾狭(例えば6mm巾)の開口部12が設けられるとともに、外側壁11の開口部12内側には、図1に示すように、T字縦棒状部を横(T字横棒状部を縦)にした正面視T字形状の横長のサイドターンシグナルランプ20が組み付け一体化されている。
【0025】
サイドターンシグナルランプ20は、幅広の浅い容器状の基端部側22Aから幾分巾の狭い背面側に湾曲する平坦な先端部側22Bが連続する正面視T字形状の樹脂製ランプボディ22と、ランプボディ基端部側22Aの内部に収容されたLEDユニットアッシー30と、水平断面がハウジング10の湾曲する外側壁11に倣う湾曲形状で、ランプボディ22の形状に略整合する正面視T字形状に形成され、ランプボディ22の周縁部に溶着一体化された透明な樹脂製導光レンズ40を備えて構成されている。符号23は、ランプボディ22に延出形成されている屈曲ブラケットで、ブラケット23の先端部には、ハウジング10にランプ20を取り付けるための締結ねじ配設用のねじ挿通孔23aが設けられている。
【0026】
導光レンズ40は、図3,4に示すように、光源光の発光を効率よく入射させて導光して所定方向に出射配光する導光レンズ本体42を備え、導光レンズ本体42の外周には、スカート状延出部44が一体的に形成されて、導光レンズ40は、背面側が開口する容器状に構成されている。
【0027】
即ち、導光レンズ40は、図3に示すように、スカート状延出部44の上面に導光レンズ本体42の前面側42aが突出して延在し、ハウジング10の外側壁11内側にランプ20を組み付けると、図2、5,6に示すように、導光レンズ40(のスカート状延出部44)が外側壁11内側に沿って配置され、導光レンズ本体42の前面側42aが開口部12に係合して外側に露呈する形態となる。
【0028】
導光レンズ本体42は、ランプ奥行き方向Xおよびランプ上下巾方向Yに厚肉の横断面凸形に形成された基端部側42Aと、開口部12の巾に整合する横断面矩形に形成された先端部側42Bを備えている。
【0029】
基端部側42Aの端部は、図4,5に示すように、ランプ上下巾方向Yに矩形を2個重ね、さらにその上に矩形を1個重ね合わせた横断面凸形に形成されるとともに、基端部側42Aの端部の端面(各矩形の端面)には、球面状の光入射端面43a,43b,43cが形成されている。そして、基端部側42Aの横断面は、先端部側42Bに近づくほど、その厚さおよび巾が徐々に縮小されて、薄肉で所定の巾狭(例えば6mm巾)の横断面矩形状の先端部側42Bにつながっている。
【0030】
即ち、導光レンズ本体42の基端部側42Aの端部は、上下左右に並設された3個のLED32a,32b,32cに略対応する巾および厚さに相当する横断面凸形状に形成されるとともに、その巾および厚さが先端部側42Bとの分岐部まで徐々に縮小されて、1個のLEDに略対応する巾(例えば、6mm巾)および厚さに相当する横断面矩形の先端部側42Bに収斂している。
【0031】
一方、LEDユニットアッシー30は、幅広のプリント基板31に3個のLED32a,32b,32c、電子部品、一対の接続端子33等を搭載一体化した構造で、ランプボディ22の基端部側22Aの光源収容室23に収容されて、LED32a,32b,32cと導光レンズ本体42側の光入射端面43a,43b,43cとがそれぞれ正対するように配置されている。
【0032】
即ち、ランプ奥行き方向Xおよびランプ上下巾方向Yに並設された光源であるLED32a,32b,32cと、導光レンズ本体基端部42A側の光入射端面43a,43b,43cとがそれぞれ正対して、LED32a,32b,32cの発光が効率よく導光レンズ本体42に入射するように構成されている。
【0033】
具体的には、ランプボディ22に形成されている筒型コネクタ部24内の端子挿通孔25(図2参照)に接続端子33を挿通させることで、光源収容室23内所定位置にLEDユニットアッシー30が仮止めされる。そして、導光レンズ40(のスカート状延出部44)周縁に形成されているシール脚44aをランプボディ22の周縁部22aに溶着することで、導光レンズ40裏面側の一対の突起部48,48がLEDユニットアッシー30(のプリント基板31)を位置決め固定する。
【0034】
これにより、LEDユニットアッシー30の3個のLED32a,32b,32cが、導光レンズ本体42の3個の光入射端面43a,43b,43cに正対するように位置決め固定される。
【0035】
また、ランプボディ22の光源収容室23に収容されているLEDユニットアッシー30は、図2に示すように、導光レンズ40(スカート状延出部44)の幅広の基端部側44Aで覆われ、さらに導光レンズ40(スカート状延出部44)の幅広の基端部側44A全体がハウジング11の外側壁12で覆われるので、LED32a,32b,32cの発光が開口部12からハウジング11の外部に漏れることはない。
【0036】
また、図2に示すように、導光レンズ本体42は、基端部側42Aから先端部側42Bにかけて徐々に肉厚が薄くなるように形成され、ランプボディ22に導光レンズ40(導光レンズ本体42)を一体化したランプ20の奥行きも、サイドミラーハウジング10先端に対応する先端側にいくほど小さくなっている。
【0037】
このため、ハウジング10の内側に収容されたサイドミラー本体50と干渉しない範囲で、ランプ20をサイドミラーハウジング10の先端寄りに配置することができる。これにより、導光レンズ本体42の光出射部42a1をサイドミラーハウジング10の先端近くに配置でき、車両斜め後方からの被視認性に優れる。
【0038】
また、導光レンズ本体42の裏面側には、図2、4に示すように、光入射端面43a,43b,43cから導光レンズ本体42に入射したLED32a,32b,32cの光を全反射させるための反射ステップ45a,45b,45c・・・が形成されている。反射ステップ45a,45b,45c・・・は、導光レンズ本体42の先端部側にいくほど車軸に対する傾斜が小さくなるように設定されている。
【0039】
そして、導光レンズ本体42に入射した光の一部は、導光レンズ本体前面側42aの先端近くに設けた光出射部42a1から車両斜め後方に出射配光され、導光レンズ本体42に入射した光の一部は、導光レンズ本体前面側42aの長手方向略中央位置42a2から車両斜め側方に出射配光される。
【0040】
詳しくは、図7に示すように、主にランプ10の奥行き方向前方に配置されたLED32a,32bの発光が、光入射端面43a,43bから導光レンズ本体42に入射すると、導光レンズ本体前面側42aで全反射された後、導光レンズ本体42裏面に設けられた反射ステップ45eで反射されて、導光レンズ本体前面側42aの先端部寄り所定位置に設けた光出射部42a1から出射して、車両斜め後方所定領域(例えば車軸に対し略−5〜45度の角度範囲)に向かう第1の配光L1を形成する。
【0041】
なお、光出射部42a1は、導光レンズ本体前面側42aの長手方向に延びる湾曲面に対し、その曲率をより大きくした湾曲面で構成されて、導光レンズ本体42内を全反射して導かれてきたLED32a,32bの光が該光出射部42a1において全反射することなく第1の配光L1として確実に出射できるように構成されている。特に、光出射部42a1の曲率は、導光レンズ本体前面側42a全体の曲率に比べて大きいため、第1の配光L1の角度範囲が、例えば、車軸に対し略−5〜45度と大きくなって、それだけ車両後方からの被視認性に優れる。
【0042】
一方、主にランプ10の奥行き方向後方に配置されたLED32cの発光が、光入射端面43cから導光レンズ本体42に入射すると、導光レンズ本体42の裏面側に設けられた反射ステップ45aで反射されて、導光レンズ本体前面側42aの長手方向ほぼ中央所定位置42a2から出射して、車両斜め側方所定領域(例えば車軸に対し略50〜80度の角度範囲)に向かう第2の配光L2を形成する。
【0043】
このため、ランプ10の配光としては、車両斜め後方所定領域に向かう第1の配光L1と、車両斜め側方所定領域に向かう第2の配光L2とが合成された配光となる。即ち、ランプ10の配光は、車軸に対し略−5〜80度の広範囲の領域に導かれるので、それだけランプ10点灯時の被視認性に優れる。
【0044】
また、導光レンズ本体42の裏面側には、反射ステップ45a,45b,45c・・・が連続して形成されているが、隣接する反射ステップ間には段差46が形成されており、それぞれの段差46で反射された光が導光レンズ本体前面側42aから出射することで、レンズ本体前面部42aには反射ステップ45a,45b,45c・・・に対応する矩形の連続模様が顕れる。
【0045】
さらに、各反射ステップ45a,45b,45c・・・の中央には、裏面側に突出する微小球状突起47が設けられており、この微小球状突起47で反射された光がレンズ本体前面部42aから出射することで、段差46によって形成される矩形連続模様の各矩形中央が点状に発光する斬新な連続模様が顕れる。
【0046】
また、導光レンズ40(スカート状延出部44)の幅広の基端部側44Aの前面側には、一対の裏面側突起部48,48および導光レンズ本体基端部側42Aそれぞれの厚肉部に対応する位置に凹部48a,48a,49が設けられているが、これらの凹部48a,48a,49は、素材である樹脂材料の節約、厚肉部におけるヒケ発生の防止、導光レンズ40(導光レンズ本体42)の成形に要する時間の短縮のために設けられている。
【0047】
図5,6における符号60は、スポンジやゴム等の弾性材で構成されたプロテクタで、導光レンズ本体前面部42aの周りにあって、導光レンズ40におけるスカート状延出部44とハウジング10の開口部12背面間に介在されて、ハウジング10と導光レンズ40(導光レンズ本体42)とをがたつかないように保持することで、振動により両者10,40(42)が直接当たって騒音が発生することがないように、また、両者10,40(42)間に隙間が形成されないように保持することで、風切り音が発生することがないように構成されている。
【0048】
また、図2に示すように、導光レンズ本体42とランプボディ22との間には、所定の隙間(密閉空間)が形成されており、これにより、非点灯時のサイドターンシグナルランプ20に奥行き感が生じる。
【0049】
図8,9は本発明の第2の実施例を示し、図8は、本発明の第2の実施例であるサイドターンシグナルランプの水平断面図、図9は、同ランプの縦断面図である。
【0050】
この第2の実施例のサイドターンシグナルランプ20Aでは、3個のLED32a,32b,32cがランプ奥行き方向(導光レンズ本体42の厚さ方向)に一列に配置されるとともに、導光レンズ本体42全体が、1個のLEDに対応する均一巾に形成されるとともに、導光レンズ本体42の光入射端部側(基端部側)42Aが、3個のLED32a,32b,32cに対応する横断面縦長(ランプ奥行き方向Xに縦長)矩形状に形成されて、光入射端面43a,43b,43cとLED32a,32b,32cが正対するように配置されている。
【0051】
そして、導光レンズ本体42の裏面側には、前記した第1の実施例と同様に、反射ステップ45a,45b,45c・・・が設けられていることに加えて、光入射端面43aに対応する位置に、導光レンズ本体42に入射したLED32cの光を全反射する反射ステップ45a1が新たに設けられている。
【0052】
このため、前記した第1の実施例と同様に、LED32a,LED32bの発光によって、第1の配光L1,第2の配光が形成されることに加えて、LED32cの発光によって、第3の配光L3が形成される。
【0053】
即ち、LED32cの発光が光入射端面43cから導光レンズ本体42に入射すると、導光レンズ本体42の裏面側に設けられた反射ステップ45a1で反射されて、導光レンズ本体前面側42aの長手方向基端部寄り所定位置42a3から出射して、車両側方所定領域(例えば、車軸に対し略80〜100度の角度範囲)に向かう第3の配光L3が形成される。
【0054】
このため、ランプ20Aの配光としては、車両斜め後方所定領域に向かう第1の配光L1と、車両斜め側方所定領域に向かう第2の配光L2と、車両側方所定領域に向かう第3の配光L3が合成された配光となる。即ち、ランプ10Aの配光は、車軸に対し略−5〜100度という非常に広範囲の領域に導かれるので、ランプ20A点灯時の被視認性が一段と優れることになる。
【0055】
また、ランプボディ22の幅広の基端部側22Aは、導光レンズ本体42の厚肉に形成された基端部側42A1を収容できる十分な深さに形成されている。
【0056】
その他は、前記した第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。
【0057】
なお、前記した第1,第2の実施例では、ランプボディ22の内側にはアルミ蒸着面や反射塗装面等の反射面が設けられていないが、ランプボディ22の内側にアルミ蒸着面や反射塗装面等の反射面を設けて、導光レンズ本体42の裏面から漏れた光を導光レンズ本体42に戻すことで、LEDの発光をより効率よくサイドターンシグナルランプの配光として利用することもできる。
【符号の説明】
【0058】
X ランプ奥行き方向
Y ランプ上下巾方向
10 サイドミラーハウジング
11 ハウジングの外側壁
12 左右に延びる開口部
20,20A サイドターンシグナルランプ
22 ランプボディ
30 LEDユニットアッシー
31 プリント基板
32a,32b,32c 光源であるLED
33 接続端子
40 導光レンズ
42 導光レンズ本体
42a 導光レンズ本体の前面部
42A 導光レンズ本体の基端部側
42B 導光レンズ本体の先端部側
42a 導光レンズ本体前面側
42a1,42a2,42a3 導光レンズ本体の光出射部
43a,43b,43c 導光レンズ本体の光入射端面
44 スカート状延出部
44a シール脚
50 サイドミラー本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドミラーハウジングの外側壁に設けられた左右方向に延びる開口部からその前面側が係合して露呈するように配置された導光レンズ本体と、前記外側壁の内側に露呈する前記導光レンズ本体の光入射端部に正対するように配置された光源である複数のLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記LEDは、ランプ奥行き方向に並設され、前記導光レンズ本体は、正面視細紐状に形成された前記開口部に係合可能な巾狭に形成されるとともに、前記導光レンズ本体の光入射端部が前記LED並設方向(ランプ奥行き方向)に厚肉に構成されたことを特徴とするサイドターンシグナルランプ。
【請求項2】
前記導光レンズ本体は、その先端側に行くに従って薄肉に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項3】
前記導光レンズ本体の裏面には、主にランプの奥行き方向前方に配置されたLEDからの入射光を反射して、導光レンズ本体前面側の長手方向先端部寄り所定位置から出射し車両斜め後方に向かう第1の配光を形成する第1の反射ステップと、主にランプの奥行き方向後方に配置されたLEDからの入射光を反射して、導光レンズ本体前面側の長手方向ほぼ中央位置から出射し車両斜め側方に向かう第2の配光を形成する第2の反射ステップが設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項4】
前記導光レンズ本体は、その外周にスカート状延出部が一体的に形成されて、背面側が開口する容器状の導光レンズとして構成され、前記LEDは、接続端子を突出形成したプリント基板に搭載されて、LEDユニットアッシーとして一体化され、前記LEDユニットアッシーを収容し、サイドミラーハウジングへの取着用ブラケットが設けられた容器状のランプボディの外周縁部に、前記導光レンズのシール脚を構成する前記スカート状延出部の外周縁部が接合されて、ランプとして一体化されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサイドターンシグナルランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−54523(P2011−54523A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204657(P2009−204657)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】