サッシ
【課題】 框の端部の加工を削減することができ、さらに竪框と横框とをがたつきなく容易に組立てることのできるサッシの提供。
【解決手段】 サッシ枠1と、サッシ枠内に取付けた障子2とを備え、障子は、竪框4a,4bと横框3a,3bを四周框組みした内部にパネル5を嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框3a,3bの端部を他方の框4a,4bの端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片6,7を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部8a,8bが凹ませて設けてあり、一方の框3a,3bの突片6は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部9を有し、気密材保持部8aが屈曲部9より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部8a,8bを同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框3a,3bの突片6を屈曲部9より切除してある。
【解決手段】 サッシ枠1と、サッシ枠内に取付けた障子2とを備え、障子は、竪框4a,4bと横框3a,3bを四周框組みした内部にパネル5を嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框3a,3bの端部を他方の框4a,4bの端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片6,7を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部8a,8bが凹ませて設けてあり、一方の框3a,3bの突片6は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部9を有し、気密材保持部8aが屈曲部9より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部8a,8bを同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框3a,3bの突片6を屈曲部9より切除してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子の組立て性を向上したサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
サッシの障子において、ガラス等のパネルの周縁部を框の溝に固定するために、框に予め取付けておく先付けビードが用いられることがあるが、先付けビードを取付けるための保持部90a,90bは、図17に示すように、竪框91及び横框92の室外側突片93,94に室内側に突出する形で形成してあって、横框92の端部を竪框91の端部に呑み込ませて接合するために、竪框91の端部においてビードの保持部90aと、パネルを室内側から支持する支持片95とを切除しなければならず、竪框91の端部の加工が面倒であった。また、図18に示すように、竪横框の接合部において、竪框91の室外側突片93の室内側面と横框92の室外側面との間、竪框91の室内側突片96の室外側面と横框92の室内側面との間にクリアランスZがあるため、横框92に室内外方向のガタが生じ、竪框91と横框92を正確に組立てるのが容易ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、框の端部の加工を削減することができ、さらに竪框と横框とをがたつきなく容易に組立てることのできるサッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるサッシは、サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框の突片を屈曲部より切除してあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明によるサッシは、サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、一方の框の突片が対向する他方の框の突片間に着脱自在に配置してあることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明によるサッシは、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、他方の框は、室内外方向の他方側に位置決め突片を有するとともに、一方側の突片の根元側に竪横框を組む際に一方の框を所定の位置に誘導する誘導傾斜面を有することを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明によるサッシは、請求項3記載の発明の構成に加え、位置決め突片は一方側の突片よりも短いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によるサッシは、竪横框の室内外方向の一方側の突片の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部が同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框の突片を屈曲部より切除する構成としたことで、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませるにあたり、他方の框の突片及び気密材保持部を切除する必要がなく、框の端部の加工を削減できる。
【0009】
請求項2記載の発明によるサッシは、竪横框の室内外方向の一方側の突片の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部が同一面上に配置してあり、一方の框の突片を対向する他方の框の突片間に着脱自在に配置したことで、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませるにあたり、他方の框の突片及び気密材保持部を切除する必要がない上に、一方の框の突片の端部を部分的に切除する必要もないため、框の端部の加工を一層削減できる。
【0010】
請求項3記載の発明によるサッシは、他方の框の突片と位置決め突片との間に一方の框の長手方向端部を挿入することで、竪横框をがたつきなく正確に連結することができ、尚且つ一方の框を挿入する際に他方の框の突片の根元側に設けた誘導傾斜面により一方の框が所定の位置に誘導されるため、竪横框の連結作業を容易に行える。
【0011】
請求項4記載の発明によるサッシは、位置決め突片を一方側の突片よりも短くしたことにより、一方側の突片と位置決め突片間に一方の框の長手方向端部を挿入するのが容易になり、竪横框の連結作業をより一層容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部を示す横断面図であって、(a)は接合前の状態、(b)は接合した状態を示している。
【図3】図2のA部の拡大図であって、竪横框を接合する際に横框が竪框の誘導傾斜面により誘導される様子を示している。
【図4】(a)は第1実施形態のサッシの障子を室外側から見た正面図であり、(b)は同障子を室内側から見た正面図である。
【図5】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部の分解斜視図である。
【図6】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部の斜視図である。
【図7】本発明のサッシの第1実施形態を示す縦断面図である。
【図8】本発明のサッシの第1実施形態を示す横断面図である。
【図9】パネルを納める前の状態における先付けビードの断面図である。
【図10】本発明のサッシの第2実施形態を示す縦断面図である。
【図11】本発明のサッシの第2実施形態を示す横断面図である。
【図12】同サッシの障子の竪横框の接合部を示す横断面図及び横框の断面図であって、(a)は接合前の状態、(b)は接合した状態を示している。
【図13】本発明のサッシの第3実施形態を示す縦断面図である。
【図14】本発明のサッシの第3実施形態を示す横断面図である。
【図15】同サッシの障子の竪横框の接合部を示す分解斜視図である。
【図16】同サッシの障子の竪横框の接合部を示す斜視図である。
【図17】(a)は従来のサッシの障子の竪横框の接合部を示す縦断面図であり、(b)は同横断面図である。
【図18】(a)は従来のサッシの障子の竪横框の接合部を拡大して示す横断面図であり、(b)はそのB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図7は、本発明の第1実施形態に係るサッシの縦断面図であり、図8は同サッシの横断面図である。このサッシは、躯体開口部に取付けられるサッシ枠1と、サッシ枠1内に開閉自在に取付けた障子2とを備えている。このサッシは、窓種としては突き出し窓であって、障子2は上部側を支点として室外側に突き出すように回動して開くようになっている。図8中の符号12は、障子2をサッシ枠1に開閉自在に取付けている金具である。
【0014】
サッシ枠1は、アルミニウム合金の押出形材で形成した上枠13と下枠14と左右の竪枠15a,15bとを方形に枠組みして構成してある。サッシ枠1には、障子2の室内側面の外周部に当接するタイト材16が取付けてある。
【0015】
障子2は、アルミニウム合金の押出形材で形成した上下の横框3a,3bと左右の竪框4a,4bとを四周框組みし、各框の内周側に形成された溝17内にガラス製のパネル5の周縁部を嵌め込んで固定したものとなっている。パネル5は、室外側が各框に取付けた先付けビード18により保持され、室内側は竪横の押縁19a,19bとシール20とにより保持されている。
【0016】
上側の横框3aは、図7に示すように、室外側に内周側に突出する室外側突片6を有している。室外側突片6は、根元側に室外側に向けて斜めに屈曲する屈曲部9を有しており、屈曲部9より先端側の垂直な室内側面に、先付けビード18を嵌合取付けするための気密材保持部8aが、アリ溝状に凹ませて設けてある。気密材保持部8aの深さは、1.5mmである。横框3aの室内側には、押縁19aを係合取付するための押縁取付部21を有し、横框3aの室内側壁22は外周部が室内側に僅かに突出するように段差部23が形成してある。
下側の横框3bは、上側の横框3aと同様に、室外側に内周側に突出する室外側突片6を有している。室外側突片6は、根元側に室外側に向けて斜めに屈曲する屈曲部9を有しており、屈曲部9より先端側の垂直な室内側面に、先付けビード18を嵌合取付けするための気密材保持部8aがアリ溝状に凹ませて設けてある。横框3bの室内側には、内周側に突出する室内側突片24を有し、室内側突片24の室外側面に、押縁19aを係合取付するための押縁取付部21を有している。横框3bの室内側壁22は、外周部が室内側に僅かに突出するように段差部23が形成してある。
上下の横框3a,3bには、竪枠4a,4bと連結するためのネジ25を挿入するタッピングホール26が室外側と室内側の2箇所に形成されている。
【0017】
竪框4a,4bは、図8に示すように、室外側に内周側に突出する室外側突片7を有し、室外側突片7は略フラットな板状となっており、その室内側面に先付けビード18を嵌合取付けするための気密材保持部8bがアリ溝状に凹ませて設けてある。室外側突片7の室内側面の根元側には、外周側に向かうにつれて次第に高くなるように傾斜した誘導傾斜面11を有する三角形断面の突起27が形成してある。竪框4a,4bの室内側には、室外側突片7よりも突出長さの短い位置決め突片10を有している。竪框4a,4bの内周側面28には、押縁19bの先端部が係止する突条29が設けてあり、位置決め突片10と突条29とに係止して押縁19bが取付けてある。
【0018】
先付けビード18は、パネル5を障子内に納める前に予め各框3a,3b,4a,4bに取付けられるものであって、ゴム等の弾力性を有する材料で形成され、図9に示すように、室外側面に各框の気密材保持部8a,8bに嵌め込む取付部30を有し、室内側には内周側から外周側に向けてのびるヒレ片31を有している。ヒレ片31は、パネル5を取付ける前の状態では本体部32から離間しており、パネル5を取付けると本体部32と密着する。
【0019】
横框3a,3bの気密材保持部8aと竪框4a,4bの気密材保持部8bとは、横框3a,3bの室外側突片6を屈曲部9で室外側に屈曲させたことにより、同一面上に配置されている。竪横框の接合部においては、図1と図2(a)及び図5に示すように、横框3a,3bの室外側突片6を竪框4a,4bの室外側突片7の突出長さhと同じ幅wだけ屈曲部9より切除し、室外側突片6,7同士が干渉しないようにしている。図1と図2(a)中のハッチング部分は、横框3a,3bの室外側突片6の切除部分を示している。横框3a,3bは、上述のように室外側突片6を所定の幅wだけ屈曲部9より切除した上で、図2(b)に示すように、長手方向の端部を竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10との間に呑み込ませて端面を竪框4a,4bの内周側面28に突き当て、外周側よりタッピングホール26に挿入したネジ25により竪框4a,4bと連結している。
【0020】
次に、障子2の組立て手順を説明する。横框3a,3bは、上述のように室外側突片6を所定の幅wだけ屈曲部9より切除し、竪框4a,4bは図5に示すように、位置決め突片10と押縁取付け用の突条29を端部より所定の幅だけ切除しておく。その後、図2(b)と図6に示すように、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの端部に内周側から呑み込ませると、横框3a,3bは竪框4a,4bの室外側突片7の先端部と同突片根元側の突起27と位置決め突片10とにより室内外方向に位置決めされる。このように位置決めされることで、横框3a,3bが室内外方向にずれたり傾いたりすることがなく、障子2を正確に組み立てることができる。また、竪框4a,4bの室外側突片7及び気密材保持部8bを切除しなくてよいため、框の端部加工を削減できる。さらに、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの端部に呑み込ませる際、図3に示すように、横框3a,3bの端部が竪框4a,4bの室外側突片7の根元側に形成された誘導傾斜面11に当接することで、横框3a,3bが室内外方向の所定の位置に誘導されるので、竪横框の連結作業が容易に行える。さらに図1に示すように、竪框4a,4bの位置決め突片10の端部が横框3a,3bの室内側壁に形成された段差部23に係止することにより、竪横框が上下方向に位置決めされる。そのように竪横框を位置決めしてネジ25で固定した後、障子2の外周コーナー部に樹脂製の安全キャップ31を竪框4a,4bの端部に嵌合させるなどして取付ける。
上述のように竪横框を四周框組みしたら、各框の気密材取付部8a,8bに先付けビード18をそれぞれ取付け、パネル5を納める。なお先付けビード18は、框を組む前に取付けておくこともできる。その後、各框に押縁19a,19bを取付け、押縁19a,19bとパネル5との間にシール20を充填してパネル5を固定する。
【0021】
以上に述べたように本サッシの障子2は、各框の室外側突片6,7に先付けビード取付用の気密材保持部8a,8bを凹ませて設け、横框3a,3bの室外側突片6を室外側に屈曲させて竪横框の気密材保持部8a,8bを同一面上に配置し、竪横框の接合部において横框3a,3bの室外側突片6を屈曲部9より切除する構成としたので、竪框4a,4bの室外側突片7及び気密材保持部8bを切除する必要がなく、框の端部の加工を削減できる。また、竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10とで横框3a,3bを室内外方向に位置決めするので、障子2を正確に組むことができる。しかも、竪框4a,4bの位置決め突片10を室外側突片7よりも短くしたことで、室外側突片7と位置決め突片10間に横框3a,3bの端部を容易に差し入れることができるため、竪横框が組み易くなっている。さらに、竪横框を組む際に竪框4a,4bの室外側突片7の根元側に設けた誘導傾斜面11により、横框3a,3bが室内外方向の所定の位置に誘導されるため、竪横框の連結作業の作業性を向上できる。先付けビード18が使用できるため、障子2の組立てが容易である。
【0022】
図10〜12は、本発明のサッシの第2実施形態を示している。第1実施形態のものでは、上下の横框3a,3bは何れも室内側に押縁19a,19aが取付けてあったが、本実施形態のものは図10に示すように、下側の横框3bにはパネル5の室内側を支持するパネル支持片33が横框3bと一体に形成され、上側の横框3aの室内側にのみ押縁19aを取付けている。横框3a,3bの室外側に、根元側に屈曲部9を有する室外側突片6を有し、室外側突片6の室内側面に気密材保持部8aが凹ませて設けてある点は、第1実施形態のものと同様である。パネル5は、複層ガラスになっている。
竪框4a,4bは、図11に示すように、室内側に位置決め突片10が室外側突片7と同じ長さだけ内周側に突出するように設けてあり、位置決め突片10の室外側に押縁19bを取付けてパネル5を固定している。室外側突片7の室内側面の先端側に気密材保持部8bが凹ませて設けてあり、根元側に誘導傾斜面11を有する突起27が設けてある点は、第1実施形態のものと同様である。横框3a,3bの気密材保持部8aと竪框4a,4bの気密材保持部8bとは、同一面上に配置されている。
【0023】
横框3a,3bと竪框4a,4bとの接合は、第1実施形態の場合と同様に、横框3a,3bの室外側突片6を端面から竪框4a,4bの室外側突片7の突出長さ分だけ屈曲部9より切除した上で、図12(a),(b)に示すように、横框3a,3bの長手方向端部を竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10の間に挿入し、端面を竪框4a,4bの内周側面28に突き当て、外周側からのネジ25で固定する。
本実施形態のサッシも、竪框4a,4bの室外側突片7及び気密材保持部8bを切除する必要がなく、框の端部の加工を削減できる。また、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10の間に挿入する際、誘導傾斜面11により横框3a,3bが所定の位置に誘導され、且つ突起27により横框3a,3bの室内外方向のずれや傾きが規制されるため、竪横框の組立てを簡単に且つ正確に行うことができる。
【0024】
上記実施形態のように、上下の横框3a,3bの一方だけに押縁19aが設けられ、竪框4a,4bの位置決め突片10の突出長さが室外側突片7と同じ場合でも、パネル5の着脱を障子2をサッシ枠1に取付けたままの状態で行うことができる(第1実施形態のサッシは、四方の框全てが押縁形式となっているので、当然に障子2をサッシ枠1に取付けたままでパネル5の着脱が行える。)。
パネル5を障子2に納める場合について説明すると、上側の横框3aの押縁19aと左右竪框4a,4bの押縁19bを取外した状態で、パネル5を下側の横框3bの室内側のパネル支持片33よりも上に持ち上げ、パネル5の側縁部を竪框4a,4bの内周側に開口した溝17内に室内側から左右けんどん式に挿入する。その後、パネル5を下に下ろしてパネル5の下縁部を下側の横框3bの溝17に挿入する。その後、上側の横框3aと左右竪框4a,4bに押縁19a,19bをそれぞれ取付け、室内側からシール材20をパネル5の四周に装填する。
【0025】
上述のように、上側の横框3aに押縁19aを設けているのは、突き出し窓等の装飾窓においては障子2のサッシ枠1への着脱に手間がかかるため、障子2をサッシ枠1に取付けたままでパネル5の交換等が行えるようにするためであり、引き違いサッシでは障子2の着脱が容易で、障子2をサッシ枠1から取外して分解してパネル5の交換等を行えばよいため、上下の横框3a,3bのいずれにも室内側のパネル支持片33を一体的に設けてもよい。
【0026】
図13〜16は、本発明のサッシの第3実施形態を示している。本実施形態のものは、下側の横枠3bの室外側突片6が、押縁34として着脱自在に形成されている点が他の実施形態と異なっている。当該押縁34は、図15に示すように、左右の両端を垂直に切断して、図14に示すように、左右の竪枠4a,4bの室外側突片7,7の間に配置されている。横框3a,3bの室外側突片6に屈曲部9を設け、横框3a,3bの室外側突片6の気密材保持部8aと竪框4a,4bの室外側突片7の気密材保持部8bを同一面上に配置してある点は、第1及び第2実施形態のものと同様である。なお竪框4a,4bは、図14に示すように、位置決め突片10の突出長さを室外側突片7と同じ長さにしているが、第1実施形態のもののように(図8参照)、位置決め突片10の突出長さを室外側突片7よりも短くすることもできる。
本実施形態のものは、横框3bの室外側突片6を押縁34として横框3bと分離して形成したことで、室外側突片6の両端を屈曲部9より切除する必要がなく、押縁34と横框3bを所定の長さに単に切断するだけでよくなるので、框の端部加工をさらに削減できる。また押縁34を取外すことで、障子2をサッシ枠1に取付けたままの状態でパネル5の交換等を室外側の下方より左右けんどん式に行うことができる。
【0027】
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されない。実施形態のものは、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの端部に呑み込ませたものであって、横框3a,3bの室外側突片6を室外側に屈曲させ、竪横框の接合部において横框3a,3bの室外側突片6を屈曲部9より切除していたが、これとは逆に竪框4a,4bの室外側突片7を室外側に屈曲させ、竪横框の接合部において竪框4a,4bの室外側突片7を屈曲部より切除し、竪框4a,4bの端部を横框3a,3bの端部に呑み込ませたものであってもよい。先付けビード18を取付ける突片6,7は、必ずしも室外側に配置されている必要はなく、室内側に配置することもできる。先付けビード18と反対側のパネルの固定は、押縁19a,19bとシール20によるものに限らず、例えば框に一体成形した突片に後付けビードを取付けるようにしてもよい。横框の押縁19a又は34を設ける箇所は、上側の横框3aの室外側か室内側、下側の横框3bの室外側か室内側のうち何れであってもよく、また押縁19a,34を有しないものであってもよい。竪框4a,4bの室外側突片7の室内側面の突起27は、誘導傾斜面11を有する三角形状のものに限らず、誘導傾斜面11を有しない矩形状のものであってもよい。窓の種類としては、いかなる窓種にも対応可能であり、例えば回転窓、すべり出し窓、内倒し・外倒し窓等のスイング系の窓の他、嵌め殺し窓や、引き違い窓、片引き窓といったスライド系の窓にも適用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 サッシ枠
2 障子
3a,3b 横框(一方の框)
4a,4b 竪框(他方の框)
5 パネル
6 横框の室外側突片(突片)
7 竪框の室外側突片(突片)
8a,8b 気密材保持部
9 屈曲部
10 位置決め突片
11 誘導傾斜面
18 先付けビード(気密材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子の組立て性を向上したサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
サッシの障子において、ガラス等のパネルの周縁部を框の溝に固定するために、框に予め取付けておく先付けビードが用いられることがあるが、先付けビードを取付けるための保持部90a,90bは、図17に示すように、竪框91及び横框92の室外側突片93,94に室内側に突出する形で形成してあって、横框92の端部を竪框91の端部に呑み込ませて接合するために、竪框91の端部においてビードの保持部90aと、パネルを室内側から支持する支持片95とを切除しなければならず、竪框91の端部の加工が面倒であった。また、図18に示すように、竪横框の接合部において、竪框91の室外側突片93の室内側面と横框92の室外側面との間、竪框91の室内側突片96の室外側面と横框92の室内側面との間にクリアランスZがあるため、横框92に室内外方向のガタが生じ、竪框91と横框92を正確に組立てるのが容易ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、框の端部の加工を削減することができ、さらに竪框と横框とをがたつきなく容易に組立てることのできるサッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるサッシは、サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框の突片を屈曲部より切除してあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明によるサッシは、サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、一方の框の突片が対向する他方の框の突片間に着脱自在に配置してあることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明によるサッシは、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、他方の框は、室内外方向の他方側に位置決め突片を有するとともに、一方側の突片の根元側に竪横框を組む際に一方の框を所定の位置に誘導する誘導傾斜面を有することを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明によるサッシは、請求項3記載の発明の構成に加え、位置決め突片は一方側の突片よりも短いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によるサッシは、竪横框の室内外方向の一方側の突片の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部が同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框の突片を屈曲部より切除する構成としたことで、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませるにあたり、他方の框の突片及び気密材保持部を切除する必要がなく、框の端部の加工を削減できる。
【0009】
請求項2記載の発明によるサッシは、竪横框の室内外方向の一方側の突片の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部が同一面上に配置してあり、一方の框の突片を対向する他方の框の突片間に着脱自在に配置したことで、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませるにあたり、他方の框の突片及び気密材保持部を切除する必要がない上に、一方の框の突片の端部を部分的に切除する必要もないため、框の端部の加工を一層削減できる。
【0010】
請求項3記載の発明によるサッシは、他方の框の突片と位置決め突片との間に一方の框の長手方向端部を挿入することで、竪横框をがたつきなく正確に連結することができ、尚且つ一方の框を挿入する際に他方の框の突片の根元側に設けた誘導傾斜面により一方の框が所定の位置に誘導されるため、竪横框の連結作業を容易に行える。
【0011】
請求項4記載の発明によるサッシは、位置決め突片を一方側の突片よりも短くしたことにより、一方側の突片と位置決め突片間に一方の框の長手方向端部を挿入するのが容易になり、竪横框の連結作業をより一層容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部を示す横断面図であって、(a)は接合前の状態、(b)は接合した状態を示している。
【図3】図2のA部の拡大図であって、竪横框を接合する際に横框が竪框の誘導傾斜面により誘導される様子を示している。
【図4】(a)は第1実施形態のサッシの障子を室外側から見た正面図であり、(b)は同障子を室内側から見た正面図である。
【図5】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部の分解斜視図である。
【図6】第1実施形態のサッシの竪横框の接合部の斜視図である。
【図7】本発明のサッシの第1実施形態を示す縦断面図である。
【図8】本発明のサッシの第1実施形態を示す横断面図である。
【図9】パネルを納める前の状態における先付けビードの断面図である。
【図10】本発明のサッシの第2実施形態を示す縦断面図である。
【図11】本発明のサッシの第2実施形態を示す横断面図である。
【図12】同サッシの障子の竪横框の接合部を示す横断面図及び横框の断面図であって、(a)は接合前の状態、(b)は接合した状態を示している。
【図13】本発明のサッシの第3実施形態を示す縦断面図である。
【図14】本発明のサッシの第3実施形態を示す横断面図である。
【図15】同サッシの障子の竪横框の接合部を示す分解斜視図である。
【図16】同サッシの障子の竪横框の接合部を示す斜視図である。
【図17】(a)は従来のサッシの障子の竪横框の接合部を示す縦断面図であり、(b)は同横断面図である。
【図18】(a)は従来のサッシの障子の竪横框の接合部を拡大して示す横断面図であり、(b)はそのB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図7は、本発明の第1実施形態に係るサッシの縦断面図であり、図8は同サッシの横断面図である。このサッシは、躯体開口部に取付けられるサッシ枠1と、サッシ枠1内に開閉自在に取付けた障子2とを備えている。このサッシは、窓種としては突き出し窓であって、障子2は上部側を支点として室外側に突き出すように回動して開くようになっている。図8中の符号12は、障子2をサッシ枠1に開閉自在に取付けている金具である。
【0014】
サッシ枠1は、アルミニウム合金の押出形材で形成した上枠13と下枠14と左右の竪枠15a,15bとを方形に枠組みして構成してある。サッシ枠1には、障子2の室内側面の外周部に当接するタイト材16が取付けてある。
【0015】
障子2は、アルミニウム合金の押出形材で形成した上下の横框3a,3bと左右の竪框4a,4bとを四周框組みし、各框の内周側に形成された溝17内にガラス製のパネル5の周縁部を嵌め込んで固定したものとなっている。パネル5は、室外側が各框に取付けた先付けビード18により保持され、室内側は竪横の押縁19a,19bとシール20とにより保持されている。
【0016】
上側の横框3aは、図7に示すように、室外側に内周側に突出する室外側突片6を有している。室外側突片6は、根元側に室外側に向けて斜めに屈曲する屈曲部9を有しており、屈曲部9より先端側の垂直な室内側面に、先付けビード18を嵌合取付けするための気密材保持部8aが、アリ溝状に凹ませて設けてある。気密材保持部8aの深さは、1.5mmである。横框3aの室内側には、押縁19aを係合取付するための押縁取付部21を有し、横框3aの室内側壁22は外周部が室内側に僅かに突出するように段差部23が形成してある。
下側の横框3bは、上側の横框3aと同様に、室外側に内周側に突出する室外側突片6を有している。室外側突片6は、根元側に室外側に向けて斜めに屈曲する屈曲部9を有しており、屈曲部9より先端側の垂直な室内側面に、先付けビード18を嵌合取付けするための気密材保持部8aがアリ溝状に凹ませて設けてある。横框3bの室内側には、内周側に突出する室内側突片24を有し、室内側突片24の室外側面に、押縁19aを係合取付するための押縁取付部21を有している。横框3bの室内側壁22は、外周部が室内側に僅かに突出するように段差部23が形成してある。
上下の横框3a,3bには、竪枠4a,4bと連結するためのネジ25を挿入するタッピングホール26が室外側と室内側の2箇所に形成されている。
【0017】
竪框4a,4bは、図8に示すように、室外側に内周側に突出する室外側突片7を有し、室外側突片7は略フラットな板状となっており、その室内側面に先付けビード18を嵌合取付けするための気密材保持部8bがアリ溝状に凹ませて設けてある。室外側突片7の室内側面の根元側には、外周側に向かうにつれて次第に高くなるように傾斜した誘導傾斜面11を有する三角形断面の突起27が形成してある。竪框4a,4bの室内側には、室外側突片7よりも突出長さの短い位置決め突片10を有している。竪框4a,4bの内周側面28には、押縁19bの先端部が係止する突条29が設けてあり、位置決め突片10と突条29とに係止して押縁19bが取付けてある。
【0018】
先付けビード18は、パネル5を障子内に納める前に予め各框3a,3b,4a,4bに取付けられるものであって、ゴム等の弾力性を有する材料で形成され、図9に示すように、室外側面に各框の気密材保持部8a,8bに嵌め込む取付部30を有し、室内側には内周側から外周側に向けてのびるヒレ片31を有している。ヒレ片31は、パネル5を取付ける前の状態では本体部32から離間しており、パネル5を取付けると本体部32と密着する。
【0019】
横框3a,3bの気密材保持部8aと竪框4a,4bの気密材保持部8bとは、横框3a,3bの室外側突片6を屈曲部9で室外側に屈曲させたことにより、同一面上に配置されている。竪横框の接合部においては、図1と図2(a)及び図5に示すように、横框3a,3bの室外側突片6を竪框4a,4bの室外側突片7の突出長さhと同じ幅wだけ屈曲部9より切除し、室外側突片6,7同士が干渉しないようにしている。図1と図2(a)中のハッチング部分は、横框3a,3bの室外側突片6の切除部分を示している。横框3a,3bは、上述のように室外側突片6を所定の幅wだけ屈曲部9より切除した上で、図2(b)に示すように、長手方向の端部を竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10との間に呑み込ませて端面を竪框4a,4bの内周側面28に突き当て、外周側よりタッピングホール26に挿入したネジ25により竪框4a,4bと連結している。
【0020】
次に、障子2の組立て手順を説明する。横框3a,3bは、上述のように室外側突片6を所定の幅wだけ屈曲部9より切除し、竪框4a,4bは図5に示すように、位置決め突片10と押縁取付け用の突条29を端部より所定の幅だけ切除しておく。その後、図2(b)と図6に示すように、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの端部に内周側から呑み込ませると、横框3a,3bは竪框4a,4bの室外側突片7の先端部と同突片根元側の突起27と位置決め突片10とにより室内外方向に位置決めされる。このように位置決めされることで、横框3a,3bが室内外方向にずれたり傾いたりすることがなく、障子2を正確に組み立てることができる。また、竪框4a,4bの室外側突片7及び気密材保持部8bを切除しなくてよいため、框の端部加工を削減できる。さらに、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの端部に呑み込ませる際、図3に示すように、横框3a,3bの端部が竪框4a,4bの室外側突片7の根元側に形成された誘導傾斜面11に当接することで、横框3a,3bが室内外方向の所定の位置に誘導されるので、竪横框の連結作業が容易に行える。さらに図1に示すように、竪框4a,4bの位置決め突片10の端部が横框3a,3bの室内側壁に形成された段差部23に係止することにより、竪横框が上下方向に位置決めされる。そのように竪横框を位置決めしてネジ25で固定した後、障子2の外周コーナー部に樹脂製の安全キャップ31を竪框4a,4bの端部に嵌合させるなどして取付ける。
上述のように竪横框を四周框組みしたら、各框の気密材取付部8a,8bに先付けビード18をそれぞれ取付け、パネル5を納める。なお先付けビード18は、框を組む前に取付けておくこともできる。その後、各框に押縁19a,19bを取付け、押縁19a,19bとパネル5との間にシール20を充填してパネル5を固定する。
【0021】
以上に述べたように本サッシの障子2は、各框の室外側突片6,7に先付けビード取付用の気密材保持部8a,8bを凹ませて設け、横框3a,3bの室外側突片6を室外側に屈曲させて竪横框の気密材保持部8a,8bを同一面上に配置し、竪横框の接合部において横框3a,3bの室外側突片6を屈曲部9より切除する構成としたので、竪框4a,4bの室外側突片7及び気密材保持部8bを切除する必要がなく、框の端部の加工を削減できる。また、竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10とで横框3a,3bを室内外方向に位置決めするので、障子2を正確に組むことができる。しかも、竪框4a,4bの位置決め突片10を室外側突片7よりも短くしたことで、室外側突片7と位置決め突片10間に横框3a,3bの端部を容易に差し入れることができるため、竪横框が組み易くなっている。さらに、竪横框を組む際に竪框4a,4bの室外側突片7の根元側に設けた誘導傾斜面11により、横框3a,3bが室内外方向の所定の位置に誘導されるため、竪横框の連結作業の作業性を向上できる。先付けビード18が使用できるため、障子2の組立てが容易である。
【0022】
図10〜12は、本発明のサッシの第2実施形態を示している。第1実施形態のものでは、上下の横框3a,3bは何れも室内側に押縁19a,19aが取付けてあったが、本実施形態のものは図10に示すように、下側の横框3bにはパネル5の室内側を支持するパネル支持片33が横框3bと一体に形成され、上側の横框3aの室内側にのみ押縁19aを取付けている。横框3a,3bの室外側に、根元側に屈曲部9を有する室外側突片6を有し、室外側突片6の室内側面に気密材保持部8aが凹ませて設けてある点は、第1実施形態のものと同様である。パネル5は、複層ガラスになっている。
竪框4a,4bは、図11に示すように、室内側に位置決め突片10が室外側突片7と同じ長さだけ内周側に突出するように設けてあり、位置決め突片10の室外側に押縁19bを取付けてパネル5を固定している。室外側突片7の室内側面の先端側に気密材保持部8bが凹ませて設けてあり、根元側に誘導傾斜面11を有する突起27が設けてある点は、第1実施形態のものと同様である。横框3a,3bの気密材保持部8aと竪框4a,4bの気密材保持部8bとは、同一面上に配置されている。
【0023】
横框3a,3bと竪框4a,4bとの接合は、第1実施形態の場合と同様に、横框3a,3bの室外側突片6を端面から竪框4a,4bの室外側突片7の突出長さ分だけ屈曲部9より切除した上で、図12(a),(b)に示すように、横框3a,3bの長手方向端部を竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10の間に挿入し、端面を竪框4a,4bの内周側面28に突き当て、外周側からのネジ25で固定する。
本実施形態のサッシも、竪框4a,4bの室外側突片7及び気密材保持部8bを切除する必要がなく、框の端部の加工を削減できる。また、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの室外側突片7と位置決め突片10の間に挿入する際、誘導傾斜面11により横框3a,3bが所定の位置に誘導され、且つ突起27により横框3a,3bの室内外方向のずれや傾きが規制されるため、竪横框の組立てを簡単に且つ正確に行うことができる。
【0024】
上記実施形態のように、上下の横框3a,3bの一方だけに押縁19aが設けられ、竪框4a,4bの位置決め突片10の突出長さが室外側突片7と同じ場合でも、パネル5の着脱を障子2をサッシ枠1に取付けたままの状態で行うことができる(第1実施形態のサッシは、四方の框全てが押縁形式となっているので、当然に障子2をサッシ枠1に取付けたままでパネル5の着脱が行える。)。
パネル5を障子2に納める場合について説明すると、上側の横框3aの押縁19aと左右竪框4a,4bの押縁19bを取外した状態で、パネル5を下側の横框3bの室内側のパネル支持片33よりも上に持ち上げ、パネル5の側縁部を竪框4a,4bの内周側に開口した溝17内に室内側から左右けんどん式に挿入する。その後、パネル5を下に下ろしてパネル5の下縁部を下側の横框3bの溝17に挿入する。その後、上側の横框3aと左右竪框4a,4bに押縁19a,19bをそれぞれ取付け、室内側からシール材20をパネル5の四周に装填する。
【0025】
上述のように、上側の横框3aに押縁19aを設けているのは、突き出し窓等の装飾窓においては障子2のサッシ枠1への着脱に手間がかかるため、障子2をサッシ枠1に取付けたままでパネル5の交換等が行えるようにするためであり、引き違いサッシでは障子2の着脱が容易で、障子2をサッシ枠1から取外して分解してパネル5の交換等を行えばよいため、上下の横框3a,3bのいずれにも室内側のパネル支持片33を一体的に設けてもよい。
【0026】
図13〜16は、本発明のサッシの第3実施形態を示している。本実施形態のものは、下側の横枠3bの室外側突片6が、押縁34として着脱自在に形成されている点が他の実施形態と異なっている。当該押縁34は、図15に示すように、左右の両端を垂直に切断して、図14に示すように、左右の竪枠4a,4bの室外側突片7,7の間に配置されている。横框3a,3bの室外側突片6に屈曲部9を設け、横框3a,3bの室外側突片6の気密材保持部8aと竪框4a,4bの室外側突片7の気密材保持部8bを同一面上に配置してある点は、第1及び第2実施形態のものと同様である。なお竪框4a,4bは、図14に示すように、位置決め突片10の突出長さを室外側突片7と同じ長さにしているが、第1実施形態のもののように(図8参照)、位置決め突片10の突出長さを室外側突片7よりも短くすることもできる。
本実施形態のものは、横框3bの室外側突片6を押縁34として横框3bと分離して形成したことで、室外側突片6の両端を屈曲部9より切除する必要がなく、押縁34と横框3bを所定の長さに単に切断するだけでよくなるので、框の端部加工をさらに削減できる。また押縁34を取外すことで、障子2をサッシ枠1に取付けたままの状態でパネル5の交換等を室外側の下方より左右けんどん式に行うことができる。
【0027】
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されない。実施形態のものは、横框3a,3bの端部を竪框4a,4bの端部に呑み込ませたものであって、横框3a,3bの室外側突片6を室外側に屈曲させ、竪横框の接合部において横框3a,3bの室外側突片6を屈曲部9より切除していたが、これとは逆に竪框4a,4bの室外側突片7を室外側に屈曲させ、竪横框の接合部において竪框4a,4bの室外側突片7を屈曲部より切除し、竪框4a,4bの端部を横框3a,3bの端部に呑み込ませたものであってもよい。先付けビード18を取付ける突片6,7は、必ずしも室外側に配置されている必要はなく、室内側に配置することもできる。先付けビード18と反対側のパネルの固定は、押縁19a,19bとシール20によるものに限らず、例えば框に一体成形した突片に後付けビードを取付けるようにしてもよい。横框の押縁19a又は34を設ける箇所は、上側の横框3aの室外側か室内側、下側の横框3bの室外側か室内側のうち何れであってもよく、また押縁19a,34を有しないものであってもよい。竪框4a,4bの室外側突片7の室内側面の突起27は、誘導傾斜面11を有する三角形状のものに限らず、誘導傾斜面11を有しない矩形状のものであってもよい。窓の種類としては、いかなる窓種にも対応可能であり、例えば回転窓、すべり出し窓、内倒し・外倒し窓等のスイング系の窓の他、嵌め殺し窓や、引き違い窓、片引き窓といったスライド系の窓にも適用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 サッシ枠
2 障子
3a,3b 横框(一方の框)
4a,4b 竪框(他方の框)
5 パネル
6 横框の室外側突片(突片)
7 竪框の室外側突片(突片)
8a,8b 気密材保持部
9 屈曲部
10 位置決め突片
11 誘導傾斜面
18 先付けビード(気密材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框の突片を屈曲部より切除してあることを特徴とするサッシ。
【請求項2】
サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、一方の框の突片が対向する他方の框の突片間に着脱自在に配置してあることを特徴とするサッシ。
【請求項3】
他方の框は、室内外方向の他方側に位置決め突片を有するとともに、一方側の突片の根元側に竪横框を組む際に一方の框を所定の位置に誘導する誘導傾斜面を有することを特徴とする請求項1又は2記載のサッシ。
【請求項4】
位置決め突片は一方側の突片よりも短いことを特徴とする請求項3記載のサッシ。
【請求項1】
サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、竪横框の接合部において一方の框の突片を屈曲部より切除してあることを特徴とするサッシ。
【請求項2】
サッシ枠と、サッシ枠内に取付けた障子とを備え、障子は、竪框と横框を四周框組みした内部にパネルを嵌め込んであり、竪框と横框とは、一方の框の端部を他方の框の端部に呑み込ませて接合してあり、竪框と横框は、室内外方向の一方側に内周側に突出する突片を有し、突片は、室内外方向の他方側面に気密材保持部が凹ませて設けてあり、一方の框の突片は、室内外方向の一方側に屈曲する屈曲部を有し、気密材保持部が屈曲部より先端側に設けてあり、竪横框の気密材保持部を同一面上に配置してあり、一方の框の突片が対向する他方の框の突片間に着脱自在に配置してあることを特徴とするサッシ。
【請求項3】
他方の框は、室内外方向の他方側に位置決め突片を有するとともに、一方側の突片の根元側に竪横框を組む際に一方の框を所定の位置に誘導する誘導傾斜面を有することを特徴とする請求項1又は2記載のサッシ。
【請求項4】
位置決め突片は一方側の突片よりも短いことを特徴とする請求項3記載のサッシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−150910(P2010−150910A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256727(P2009−256727)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
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