サッシ
【課題】 召し合せ框の端部に取付けた気密部材と横框のタイト材との間に隙間が生じることがなく、気密性や水密性等に優れたサッシの提供。
【解決手段】 枠1と、枠1内に摺動可能に設けた障子2,3と、障子の召し合せ框4a,4bの端部に取付けた気密部材5a,5bとを備え、横框6a,6b,7a,7bはタイト材ホルダー8を有し、タイト材ホルダー8に枠のレール10a,10b,11a,11bに当接するタイト材9を保持してあり、気密部材5a,5bは、横框の内部に位置する縦壁12a,12bと、横框の外周側に位置する横壁13a,13bとを有し、タイト材9のヒレ片9aを縦壁と横壁との隙間14に差し入れ、タイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませてある。
【解決手段】 枠1と、枠1内に摺動可能に設けた障子2,3と、障子の召し合せ框4a,4bの端部に取付けた気密部材5a,5bとを備え、横框6a,6b,7a,7bはタイト材ホルダー8を有し、タイト材ホルダー8に枠のレール10a,10b,11a,11bに当接するタイト材9を保持してあり、気密部材5a,5bは、横框の内部に位置する縦壁12a,12bと、横框の外周側に位置する横壁13a,13bとを有し、タイト材9のヒレ片9aを縦壁と横壁との隙間14に差し入れ、タイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠と、枠内に摺動可能に設けた障子とを備えるサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
引違いサッシの障子は、図14に示すように、召し合せ框90の端部に樹脂製の気密部材91が取付けてあり、上框92と下框のレール呑み込み溝93の開口縁部にタイト材ホルダー94を設け、タイト材ホルダー94に上下枠のレールに当接するタイト材95を取付けてあり、気密部材91とタイト材95により気密性や水密性を確保している。高い気密性を確保する上で、タイト材95の端部が気密部材91にぴったり当接していることが望ましいが、タイト材95の取付け作業時などにタイト材95の端部位置がずれて気密部材91との間に隙間96ができ、気密性が低下することがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、召し合せ框の端部に取付けた気密部材と横框のタイト材との間に隙間が生じることがなく、気密性や水密性等に優れたサッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるサッシは、枠と、枠内に摺動可能に設けた障子と、障子の召し合せ框の端部に取付けた気密部材とを備え、横框はタイト材ホルダーを有し、タイト材ホルダーに枠のレールに当接するタイト材を保持してあり、気密部材は、横框の内部に位置する縦壁と、横框の外周側に位置する横壁とを有し、タイト材のヒレ片を縦壁と横壁との隙間に差し入れ、タイト材の端部を横壁の内周側に潜り込ませてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明によるサッシは、召し合せ框の端部に取付けた気密部材に、横框の内部に位置する縦壁と、横框の外周側に位置する横壁とを有し、タイト材のヒレ片を縦壁と横壁との隙間に差し入れ、タイト材の端部を横壁の内周側に潜り込ませたことで、タイト材の端部と気密部材との間に隙間が生ずることがないので、気密性や水密性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図3のA−A断面図である。
【図2】図3のB−B断面図である。
【図3】(a)は外障子の召し合せ框側の上側のコーナー部の平面図であり、(b)はその室内側正面図である。
【図4】外障子の召し合せ框上端部に取付けられる気密部材の斜視図である。
【図5】(a)は外障子の召し合せ框側の下側のコーナー部の室内側正面図であり、(b)はその底面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】図5のD−D断面図である。
【図8】外障子の召し合せ框下端部に取付けられる気密部材の斜視図である。
【図9】本発明のサッシの一実施形態を示す室外側正面図である。
【図10】同サッシの縦断面図である。
【図11】同サッシの横断面図である。
【図12】框がアルミ製の障子に取付けられる気密部材の例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)はE−E断面図である。
【図13】框がアルミ製の障子に取付けられる気密部材の他の例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)はF−F断面図である。
【図14】召し合せ框上端部に取付けられる気密部材の従来例を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図9〜11は、本発明のサッシの一実施形態であって、樹脂製の引違いサッシに適用した例を示している。本サッシは、躯体開口部15に取付けられる枠1と、上枠16と下枠17間に摺動可能に収めた外障子2及び内障子3を備えている。
【0008】
枠1は、図9に示すように、合成樹脂の押出材よりなる上枠16と下枠17と左右の竪枠18,18とを、端部を斜め45°に切断して突き合わせて溶着し、矩形に枠組みされている。枠1の内周側には、図10,11に示すように、室内外方向に間隔をあけて突出部19a,19bが四周連続して形成されており、上枠16と下枠17の突出部19a,19bは外障子2と内障子3を案内するレール10a,10b,11a,11bとなり、竪枠18の突出部19a,19bは、障子2,3を閉めたときに障子2,3の戸先框20a,20bと係合する係合部21a,21bとなっている。各突出部19a,19bは、見込み寸法が約10mmの矩形の中空状となっている。下枠のレール11a,11bには、図10に示すように、上端部に障子2,3の戸車22を受けるアルミ製のレール23が係合取付けされている。
上枠16には、図9,10に示すように、レール10a,10b間の内外障子2,3の召し合せ部の上方の位置に、風止め板24が取り付けてある。風止め板24は、上枠16の内周側面に当接して保持される基板25と、基板25より垂下するヒレ片26,26,…を左右方向に間隔をあけて複数有している。下枠17には、レール11a,11b間の内外障子2,3の召し合せ部の下方の位置に、止水部材27が取り付けてある。止水部材27は、下枠17の内周側面から浮かせて保持される基板28と、基板28より突出する複数のヒレ片29a,29bを有している。ヒレ片は、図5(b)に示すように、室内外方向のヒレ片29aと左右方向のヒレ片29bとがある。
【0009】
外障子2と内障子3は、図9〜11に示すように、合成樹脂の押出材よりなる上框6a,6bと下框7a,7bと戸先框20a,20bと召し合せ框4a,4bとを、端部を斜め45°に切断して突き合わせて溶着することで矩形に框組みし、その内側に複層ガラス30を納め、室外側に押縁31を取付けて複層ガラス30を保持してある。上框6a,6bと下框7a,7bと戸先框20a,20bは、断面形状が同一なものであり、外周側に枠1に向かって開放した溝部32を有し、溝部32の開放端側の室外側と室内側とにタイト材ホルダー8が設けてある。障子2,3は、矩形に框組みした後に上框6a,6bと戸先框20a,20bと下框7a,7bの室外側と室内側のタイト材ホルダー8にゴム質のタイト材9が連続して取付けられ、タイト材9のヒレ片9aが上枠16と下枠17のレール10a,10b,11a,11bと竪枠18の係合部21a,21bの室外側面と室内側面に当接することで、内外障子2,3と枠1の間をシールしている。
【0010】
外障子2の召し合せ框4aは、図11に示すように、外周側に開放した溝部33を有し、溝部33の開放端側に形成された鉤状の係合片34に係合して、カバー材35aが外周側面と室内側面とに跨って取付けてある。内障子3の召し合せ框4bも、外周側に開放した溝部33を有し、溝部33の開放端側に形成された鉤状の係合片34に係合して、カバー材35bが外周側面と室外側面とに跨って取付けてある。各カバー材35a,35bには、室内外方向に突出するヒレ片52a,52bを有しており、ヒレ片52a,52bが対向する他方の框に当接することで、内外障子の召し合せ框4a,4bの間をシールしている。
【0011】
内外障子2,3の召し合せ框4a,4bの上端部と下端部には、樹脂製の気密部材5a,5bが取付けてある。図1〜4は、外障子2の召し合せ框4aの上端部に取付けられる気密部材5aを示しており、この気密部材5aは、召し合せ框4a及び上框6aの内部に収容される断面U字状のレール摺接部36と、召し合せ框4aの外周側面に当接する外周当接部37と、上框6aの外周側縁部に当接するように室外側と室内側とに分割して形成された横壁13a,13bと、上下にスライド可能に組み込まれた外れ防止部材38とを有している。
レール摺接部36は、図2に示すように、上枠16のレール10aの室外側面と室内側面に摺接し、外障子2の室内外方向の振れを防止するものであり、レール摺接部36の内面にはレール10aの下面に当接するヒレ片39が下方より立ち上げて設けてある。レール摺接部36の縦壁12a,12bは、図1に示すように、上框6aの内部にのびており、縦壁12a,12bと横壁13a,13bとの間には隙間14が形成されている。図2に示すように、縦壁12a,12bの外側面には係合用の突起40が形成されており、この突起40を上框6aのタイト材ホルダー8の下に係合することで、気密部材5aを外れ止めしている。
上框6aのタイト材9は、図1,2と図3(a)に示すように、ヒレ片9aを気密部材5aの横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの間の隙間14に差し入れ、タイト材9の端部を横壁13a,13bの下に潜り込ませている。
外れ防止部材38は、外障子2を上枠16と下枠17のレール10a,11a間に建て込む際には下方にスライドしておき、外障子2をレール10a,10b間に建て込んだ後に、図1に示すように、レール10aの下面に近接するように上方にスライドしてネジ41で固定され、外障子2が浮き上がってレール間から脱落するのを規制する。
内障子3の召し合せ框4bの上端部にも、これと同様の気密部材5aが取付けてある。
【0012】
以上に述べたように、召し合せ框4a上端部に取付けられる気密部材5aに、上框6aの外周側に位置する横壁13a,13bと、上框6aの内部に位置する縦壁12a,12bを設け、横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの隙間14にヒレ片9aを差し入れて、上框6aのタイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませたことで、タイト材9の取付け時等にタイト材9がずれたり、タイト材9が縮んだりしても、タイト材9の端部と気密部材5aとの間に隙間が生ずることがないので、気密性、水密性、断熱性、遮音性といった各種性能を向上できる。また図3(a)に示すように、タイト材9の端部が気密部材5aの横壁13a,13bにより覆われるため、タイト材9の端部の損傷を防止できる。さらに、気密部材5aの横壁13bの水平な上面に風止め板24のヒレ片26が当接するため、内外障子2,3の召し合せ部の上方の気密性・水密性が向上する。
【0013】
図5〜9は、外障子2の召し合せ框4aの下端部に取付けられる気密部材5bを示している。この気密部材5bは、図7,8に示すように、召し合せ框4a及び下框7aの内部に下方より挿入される挿入部42a,42bと、召し合せ框4aの外周側面に当接する外周当接部43と、下框7aの外周側に位置するように室外側と室内側とに分割して形成された横壁13a,13bを有している。挿入部42a,42bの下部には、図6に示すように、下枠17のレール11aの幅よりも広い間隔で一対の縦壁12a,12bが形成され、縦壁12a,12bと横壁13a,13bとの間には隙間14が形成されている。また気密部材5bには、下枠17のレール11aとの間をシールするヒレ片44a,44bを有すると共に、室内側面に内障子3の召し合せ框4bとの間をシールするヒレ片44cを有している。この気密部材5bは、戸車22の高さ調整に合わせて上下方向に高さ調整を行い、召し合せ框4aに形成した上下方向の長孔45に挿入したネジ46で固定される。
下框7aのタイト材9は、図5(b)と図6,7に示すように、ヒレ片9aを気密部材5bの横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの隙間14に差し入れて、タイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませている。
内障子3の召し合せ框4bの下端部にも、これと同様の気密部材5bが取付けてある。
【0014】
以上に述べたように、召し合せ框4a下端部に取付けられる気密部材5bにも、下框7aの外周側に位置する横壁13a,13bと、下框7aの内部に位置する縦壁12a,12bを設け、横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの隙間14にヒレ片9aを差し入れて、下框7aのタイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませたことで、タイト材9の取付け時等にタイト材9がずれたり、タイト材9が縮んだりしても、タイト材9の端部と気密部材5bとの間に隙間が生ずることがなく、気密性や水密性等を向上できる。また、タイト材9の端部が気密部材5bの横壁13a,13bにより覆われるため、タイト材9の端部の損傷を防止できる。さらに、気密部材5bの横壁13bの水平な下面に止水部材27のヒレ片29a,29bが当接するため、内外障子2,3の下方の気密性・水密性が向上する。なお、室外側の横壁13aは、無くすことができる。
【0015】
これまで樹脂サッシについて説明したが、枠1と障子2,3の框がアルミ製のサッシや、枠1と障子2,3の框がアルミと樹脂の複合構造よりなるサッシにも本発明を適用することができる。
図12は、枠1と障子2,3の框がアルミ製の場合の、召し合せ框4b上端部に取付けられる気密部材5aの一例を示している。上框6bと召し合せ框4bとの接合は、上框6bの端部を召し合せ框4bの内周側の溝47内に呑み込ませ、上框6bの端面を召し合せ框4bの内周壁48に突き当て、召し合せ框4bに外周側から挿入したビス49を上框6bのタッピングホール50に捩じ込んで接合している。
気密部材5aは、召し合せ框4bの外周側面に当接する外周当接部37と、召し合せ框4b及び上框6bの内部に位置する縦壁12a,12bと、上框6bの外周側に位置する横壁13a,13bとを有しており、縦壁12a,12bと横壁13a,13bとの間には隙間14が形成されている。
上框6bは、室外側の壁の上端部にタイト材ホルダー8を設け、タイト材ホルダー8に上枠16のレール10bに当接するタイト材9が保持してあり、タイト材9はヒレ片9aを気密部材5aの縦壁12aと横壁13aとの間の隙間14に差し入れて、タイト材9の端部を横壁13aの内周側に潜り込ませている。そのため、タイト材9の位置がずれたりタイト材9が縮んだりしても、タイト材9の端部と気密部材5aとの間に隙間が開かず、気密性や水密性等が向上する。
【0016】
図13は、枠1と障子2,3の框がアルミ製の場合の、召し合せ框4b上端部に取付けられる気密部材5aの他の例を示している。この例では、気密部材5aにタイト材ホルダー部51を形成し、タイト材9の端部を召し合せ框4bの内周壁48を越えてさらに外周側までのばしている。タイト材9の端部を気密部材5aの横壁13aの内周側に潜り込ませている点は先の実施形態と同様であり、これによりタイト材9の端部と気密部材5aとの間に隙間が開かず、気密性や水密性等が向上する。
【0017】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。枠1や障子2,3の框の材質や断面形状、気密部材5a,5bの材質や細かい形状は、適宜変更することができる。横框のタイト材9は、ゴム質のものに限らず、モヘヤ状のものであってもよい。障子は一枚や三枚以上であってもよく、また、外障子2と内障子3のどちらか一方を枠1に固定した片引きサッシとすることもできる。また、障子が竪枠に沿って摺動するサッシにも適用することができ、その場合には引違いサッシの場合とは縦横の関係が入れ替わる。
【符号の説明】
【0018】
1 枠
2 外障子(障子)
3 内障子(障子)
4a,4b 召し合せ框
5a,5b 気密部材
6a,6b 上框(横框)
7a,7b 下框(横框)
8 タイト材ホルダー
9 タイト材
9a ヒレ片
10a,10b 上枠のレール
11a,11b 下枠のレール
12a,12b 縦壁
13a,13b 横壁
14 縦壁と横壁との隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠と、枠内に摺動可能に設けた障子とを備えるサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
引違いサッシの障子は、図14に示すように、召し合せ框90の端部に樹脂製の気密部材91が取付けてあり、上框92と下框のレール呑み込み溝93の開口縁部にタイト材ホルダー94を設け、タイト材ホルダー94に上下枠のレールに当接するタイト材95を取付けてあり、気密部材91とタイト材95により気密性や水密性を確保している。高い気密性を確保する上で、タイト材95の端部が気密部材91にぴったり当接していることが望ましいが、タイト材95の取付け作業時などにタイト材95の端部位置がずれて気密部材91との間に隙間96ができ、気密性が低下することがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、召し合せ框の端部に取付けた気密部材と横框のタイト材との間に隙間が生じることがなく、気密性や水密性等に優れたサッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるサッシは、枠と、枠内に摺動可能に設けた障子と、障子の召し合せ框の端部に取付けた気密部材とを備え、横框はタイト材ホルダーを有し、タイト材ホルダーに枠のレールに当接するタイト材を保持してあり、気密部材は、横框の内部に位置する縦壁と、横框の外周側に位置する横壁とを有し、タイト材のヒレ片を縦壁と横壁との隙間に差し入れ、タイト材の端部を横壁の内周側に潜り込ませてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明によるサッシは、召し合せ框の端部に取付けた気密部材に、横框の内部に位置する縦壁と、横框の外周側に位置する横壁とを有し、タイト材のヒレ片を縦壁と横壁との隙間に差し入れ、タイト材の端部を横壁の内周側に潜り込ませたことで、タイト材の端部と気密部材との間に隙間が生ずることがないので、気密性や水密性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図3のA−A断面図である。
【図2】図3のB−B断面図である。
【図3】(a)は外障子の召し合せ框側の上側のコーナー部の平面図であり、(b)はその室内側正面図である。
【図4】外障子の召し合せ框上端部に取付けられる気密部材の斜視図である。
【図5】(a)は外障子の召し合せ框側の下側のコーナー部の室内側正面図であり、(b)はその底面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】図5のD−D断面図である。
【図8】外障子の召し合せ框下端部に取付けられる気密部材の斜視図である。
【図9】本発明のサッシの一実施形態を示す室外側正面図である。
【図10】同サッシの縦断面図である。
【図11】同サッシの横断面図である。
【図12】框がアルミ製の障子に取付けられる気密部材の例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)はE−E断面図である。
【図13】框がアルミ製の障子に取付けられる気密部材の他の例を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)はF−F断面図である。
【図14】召し合せ框上端部に取付けられる気密部材の従来例を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図9〜11は、本発明のサッシの一実施形態であって、樹脂製の引違いサッシに適用した例を示している。本サッシは、躯体開口部15に取付けられる枠1と、上枠16と下枠17間に摺動可能に収めた外障子2及び内障子3を備えている。
【0008】
枠1は、図9に示すように、合成樹脂の押出材よりなる上枠16と下枠17と左右の竪枠18,18とを、端部を斜め45°に切断して突き合わせて溶着し、矩形に枠組みされている。枠1の内周側には、図10,11に示すように、室内外方向に間隔をあけて突出部19a,19bが四周連続して形成されており、上枠16と下枠17の突出部19a,19bは外障子2と内障子3を案内するレール10a,10b,11a,11bとなり、竪枠18の突出部19a,19bは、障子2,3を閉めたときに障子2,3の戸先框20a,20bと係合する係合部21a,21bとなっている。各突出部19a,19bは、見込み寸法が約10mmの矩形の中空状となっている。下枠のレール11a,11bには、図10に示すように、上端部に障子2,3の戸車22を受けるアルミ製のレール23が係合取付けされている。
上枠16には、図9,10に示すように、レール10a,10b間の内外障子2,3の召し合せ部の上方の位置に、風止め板24が取り付けてある。風止め板24は、上枠16の内周側面に当接して保持される基板25と、基板25より垂下するヒレ片26,26,…を左右方向に間隔をあけて複数有している。下枠17には、レール11a,11b間の内外障子2,3の召し合せ部の下方の位置に、止水部材27が取り付けてある。止水部材27は、下枠17の内周側面から浮かせて保持される基板28と、基板28より突出する複数のヒレ片29a,29bを有している。ヒレ片は、図5(b)に示すように、室内外方向のヒレ片29aと左右方向のヒレ片29bとがある。
【0009】
外障子2と内障子3は、図9〜11に示すように、合成樹脂の押出材よりなる上框6a,6bと下框7a,7bと戸先框20a,20bと召し合せ框4a,4bとを、端部を斜め45°に切断して突き合わせて溶着することで矩形に框組みし、その内側に複層ガラス30を納め、室外側に押縁31を取付けて複層ガラス30を保持してある。上框6a,6bと下框7a,7bと戸先框20a,20bは、断面形状が同一なものであり、外周側に枠1に向かって開放した溝部32を有し、溝部32の開放端側の室外側と室内側とにタイト材ホルダー8が設けてある。障子2,3は、矩形に框組みした後に上框6a,6bと戸先框20a,20bと下框7a,7bの室外側と室内側のタイト材ホルダー8にゴム質のタイト材9が連続して取付けられ、タイト材9のヒレ片9aが上枠16と下枠17のレール10a,10b,11a,11bと竪枠18の係合部21a,21bの室外側面と室内側面に当接することで、内外障子2,3と枠1の間をシールしている。
【0010】
外障子2の召し合せ框4aは、図11に示すように、外周側に開放した溝部33を有し、溝部33の開放端側に形成された鉤状の係合片34に係合して、カバー材35aが外周側面と室内側面とに跨って取付けてある。内障子3の召し合せ框4bも、外周側に開放した溝部33を有し、溝部33の開放端側に形成された鉤状の係合片34に係合して、カバー材35bが外周側面と室外側面とに跨って取付けてある。各カバー材35a,35bには、室内外方向に突出するヒレ片52a,52bを有しており、ヒレ片52a,52bが対向する他方の框に当接することで、内外障子の召し合せ框4a,4bの間をシールしている。
【0011】
内外障子2,3の召し合せ框4a,4bの上端部と下端部には、樹脂製の気密部材5a,5bが取付けてある。図1〜4は、外障子2の召し合せ框4aの上端部に取付けられる気密部材5aを示しており、この気密部材5aは、召し合せ框4a及び上框6aの内部に収容される断面U字状のレール摺接部36と、召し合せ框4aの外周側面に当接する外周当接部37と、上框6aの外周側縁部に当接するように室外側と室内側とに分割して形成された横壁13a,13bと、上下にスライド可能に組み込まれた外れ防止部材38とを有している。
レール摺接部36は、図2に示すように、上枠16のレール10aの室外側面と室内側面に摺接し、外障子2の室内外方向の振れを防止するものであり、レール摺接部36の内面にはレール10aの下面に当接するヒレ片39が下方より立ち上げて設けてある。レール摺接部36の縦壁12a,12bは、図1に示すように、上框6aの内部にのびており、縦壁12a,12bと横壁13a,13bとの間には隙間14が形成されている。図2に示すように、縦壁12a,12bの外側面には係合用の突起40が形成されており、この突起40を上框6aのタイト材ホルダー8の下に係合することで、気密部材5aを外れ止めしている。
上框6aのタイト材9は、図1,2と図3(a)に示すように、ヒレ片9aを気密部材5aの横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの間の隙間14に差し入れ、タイト材9の端部を横壁13a,13bの下に潜り込ませている。
外れ防止部材38は、外障子2を上枠16と下枠17のレール10a,11a間に建て込む際には下方にスライドしておき、外障子2をレール10a,10b間に建て込んだ後に、図1に示すように、レール10aの下面に近接するように上方にスライドしてネジ41で固定され、外障子2が浮き上がってレール間から脱落するのを規制する。
内障子3の召し合せ框4bの上端部にも、これと同様の気密部材5aが取付けてある。
【0012】
以上に述べたように、召し合せ框4a上端部に取付けられる気密部材5aに、上框6aの外周側に位置する横壁13a,13bと、上框6aの内部に位置する縦壁12a,12bを設け、横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの隙間14にヒレ片9aを差し入れて、上框6aのタイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませたことで、タイト材9の取付け時等にタイト材9がずれたり、タイト材9が縮んだりしても、タイト材9の端部と気密部材5aとの間に隙間が生ずることがないので、気密性、水密性、断熱性、遮音性といった各種性能を向上できる。また図3(a)に示すように、タイト材9の端部が気密部材5aの横壁13a,13bにより覆われるため、タイト材9の端部の損傷を防止できる。さらに、気密部材5aの横壁13bの水平な上面に風止め板24のヒレ片26が当接するため、内外障子2,3の召し合せ部の上方の気密性・水密性が向上する。
【0013】
図5〜9は、外障子2の召し合せ框4aの下端部に取付けられる気密部材5bを示している。この気密部材5bは、図7,8に示すように、召し合せ框4a及び下框7aの内部に下方より挿入される挿入部42a,42bと、召し合せ框4aの外周側面に当接する外周当接部43と、下框7aの外周側に位置するように室外側と室内側とに分割して形成された横壁13a,13bを有している。挿入部42a,42bの下部には、図6に示すように、下枠17のレール11aの幅よりも広い間隔で一対の縦壁12a,12bが形成され、縦壁12a,12bと横壁13a,13bとの間には隙間14が形成されている。また気密部材5bには、下枠17のレール11aとの間をシールするヒレ片44a,44bを有すると共に、室内側面に内障子3の召し合せ框4bとの間をシールするヒレ片44cを有している。この気密部材5bは、戸車22の高さ調整に合わせて上下方向に高さ調整を行い、召し合せ框4aに形成した上下方向の長孔45に挿入したネジ46で固定される。
下框7aのタイト材9は、図5(b)と図6,7に示すように、ヒレ片9aを気密部材5bの横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの隙間14に差し入れて、タイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませている。
内障子3の召し合せ框4bの下端部にも、これと同様の気密部材5bが取付けてある。
【0014】
以上に述べたように、召し合せ框4a下端部に取付けられる気密部材5bにも、下框7aの外周側に位置する横壁13a,13bと、下框7aの内部に位置する縦壁12a,12bを設け、横壁13a,13bと縦壁12a,12bとの隙間14にヒレ片9aを差し入れて、下框7aのタイト材9の端部を横壁13a,13bの内周側に潜り込ませたことで、タイト材9の取付け時等にタイト材9がずれたり、タイト材9が縮んだりしても、タイト材9の端部と気密部材5bとの間に隙間が生ずることがなく、気密性や水密性等を向上できる。また、タイト材9の端部が気密部材5bの横壁13a,13bにより覆われるため、タイト材9の端部の損傷を防止できる。さらに、気密部材5bの横壁13bの水平な下面に止水部材27のヒレ片29a,29bが当接するため、内外障子2,3の下方の気密性・水密性が向上する。なお、室外側の横壁13aは、無くすことができる。
【0015】
これまで樹脂サッシについて説明したが、枠1と障子2,3の框がアルミ製のサッシや、枠1と障子2,3の框がアルミと樹脂の複合構造よりなるサッシにも本発明を適用することができる。
図12は、枠1と障子2,3の框がアルミ製の場合の、召し合せ框4b上端部に取付けられる気密部材5aの一例を示している。上框6bと召し合せ框4bとの接合は、上框6bの端部を召し合せ框4bの内周側の溝47内に呑み込ませ、上框6bの端面を召し合せ框4bの内周壁48に突き当て、召し合せ框4bに外周側から挿入したビス49を上框6bのタッピングホール50に捩じ込んで接合している。
気密部材5aは、召し合せ框4bの外周側面に当接する外周当接部37と、召し合せ框4b及び上框6bの内部に位置する縦壁12a,12bと、上框6bの外周側に位置する横壁13a,13bとを有しており、縦壁12a,12bと横壁13a,13bとの間には隙間14が形成されている。
上框6bは、室外側の壁の上端部にタイト材ホルダー8を設け、タイト材ホルダー8に上枠16のレール10bに当接するタイト材9が保持してあり、タイト材9はヒレ片9aを気密部材5aの縦壁12aと横壁13aとの間の隙間14に差し入れて、タイト材9の端部を横壁13aの内周側に潜り込ませている。そのため、タイト材9の位置がずれたりタイト材9が縮んだりしても、タイト材9の端部と気密部材5aとの間に隙間が開かず、気密性や水密性等が向上する。
【0016】
図13は、枠1と障子2,3の框がアルミ製の場合の、召し合せ框4b上端部に取付けられる気密部材5aの他の例を示している。この例では、気密部材5aにタイト材ホルダー部51を形成し、タイト材9の端部を召し合せ框4bの内周壁48を越えてさらに外周側までのばしている。タイト材9の端部を気密部材5aの横壁13aの内周側に潜り込ませている点は先の実施形態と同様であり、これによりタイト材9の端部と気密部材5aとの間に隙間が開かず、気密性や水密性等が向上する。
【0017】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。枠1や障子2,3の框の材質や断面形状、気密部材5a,5bの材質や細かい形状は、適宜変更することができる。横框のタイト材9は、ゴム質のものに限らず、モヘヤ状のものであってもよい。障子は一枚や三枚以上であってもよく、また、外障子2と内障子3のどちらか一方を枠1に固定した片引きサッシとすることもできる。また、障子が竪枠に沿って摺動するサッシにも適用することができ、その場合には引違いサッシの場合とは縦横の関係が入れ替わる。
【符号の説明】
【0018】
1 枠
2 外障子(障子)
3 内障子(障子)
4a,4b 召し合せ框
5a,5b 気密部材
6a,6b 上框(横框)
7a,7b 下框(横框)
8 タイト材ホルダー
9 タイト材
9a ヒレ片
10a,10b 上枠のレール
11a,11b 下枠のレール
12a,12b 縦壁
13a,13b 横壁
14 縦壁と横壁との隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠と、枠内に摺動可能に設けた障子と、障子の召し合せ框の端部に取付けた気密部材とを備え、横框はタイト材ホルダーを有し、タイト材ホルダーに枠のレールに当接するタイト材を保持してあり、気密部材は、横框の内部に位置する縦壁と、横框の外周側に位置する横壁とを有し、タイト材のヒレ片を縦壁と横壁との隙間に差し入れ、タイト材の端部を横壁の内周側に潜り込ませてあることを特徴とするサッシ。
【請求項1】
枠と、枠内に摺動可能に設けた障子と、障子の召し合せ框の端部に取付けた気密部材とを備え、横框はタイト材ホルダーを有し、タイト材ホルダーに枠のレールに当接するタイト材を保持してあり、気密部材は、横框の内部に位置する縦壁と、横框の外周側に位置する横壁とを有し、タイト材のヒレ片を縦壁と横壁との隙間に差し入れ、タイト材の端部を横壁の内周側に潜り込ませてあることを特徴とするサッシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−87561(P2013−87561A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231242(P2011−231242)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【出願人】(300088186)株式会社エクセルシャノン (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【出願人】(300088186)株式会社エクセルシャノン (30)
【Fターム(参考)】
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