説明

サンドペーパー作製方法およびサンドペーパー

【課題】砥粒の付着が均一で、しかも脱落し難いサンドペーパー作製方法およびサンドペーパーを提供する。
【解決手段】シート素材11は、上に網素材12が貼り合わされる。前記網素材は、紙、布、樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなる。前記シート素材および網素材は、接着剤が塗布される。前記シート素材および網素材は、下部に砥粒14が入れられている収容部の上を通過する際に、前記砥粒に高い静電気が印加される。前記収容部における砥粒は、前記高い静電気が印加されることによって舞い上がる。前記高い静電気により舞い上がった砥粒は、シート素材および網素材の上を覆うように付着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥粒の付着が均一で、しかも脱落し難いサンドペーパー作製方法およびサンドペーパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2002−66936号公報に記載されているワーク処理器具は、ワークを研削、研磨、バリ取り等の処理を行うものであり、シャンクに設けられている第1処理具と、前記第1処理具に対して着脱可能な第2処理具とからなり、第1処理具と第2処理具とを選択的に使用してワークを研削、研磨、バリ取り等の処理を効率よく処理することができる。また、ワークを研削、研磨、バリ取り等を行う処理装置は、サンドペーパーを取り付けたものが多く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−66936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ワークに対して研削、研磨、バリ取り等の処理を行うブラシ毛素材は、合成樹脂製ブラシ毛素材の中に砥粒等の粉末が混入されている。また、サンドペーパーは、シート素材の上に砥粒が均一に付着されている。しかし、前記ワークを研削、研磨、バリ取り等の処理を行う際に、前記ブラシ毛またはサンドペーパーは、何時でも、ワークのほぼ同じ場所に当たる場合が多い。その結果、前記ブラシ毛またはサンドペーパーは、同じ場所の一部分で砥粒が脱落し、他の部分に砥粒が残っていても、ブラシ毛またはサンドペーパーとして使用できない場合が多かった。
【0005】
前記ブラシ毛またはサンドペーパーに付着している砥粒は、通常、均一な厚さに付着されているため、一部分に剥がれた部分ができると、ブラシ毛またはサンドペーパーとして機能しない場合が多かった。
【0006】
以上のような課題を解決するために、本発明は、シート素材の上に網素材を張り合わせ、前記シート素材および網素材の表面または両面、および接着剤の内部にも、砥粒を形成することができるサンドペーパー作製方法およびサンドペーパーを提供することを目的とする。また、本発明は、前記シート素材も網状または織状にすることにより、前記シート素材および網素材の両方に砥粒を強力で厚く付着させることができるサンドペーパー作製方法およびサンドペーパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1発明)
第1発明のサンドペーパー作製方法は、紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、および金属の少なくとも1種類からなるシート素材の上に、紙、布、合成樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなる網素材を貼り合わせる工程と、前記シート素材および網素材に接着剤を塗布する工程と、砥粒が入れられた収容部に高い静電気を印加する工程と、前記収容部に収納された砥粒を前記高い静電気の印加によって舞い上がらせて、前記シート素材および網素材上に砥粒を付着する工程とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0008】
(第2発明)
第2発明のサンドペーパー作製方法におけるシート素材は、少なくとも1種類の前記部材が編み込まれていることを特徴とする。
【0009】
(第3発明)
第3発明のサンドペーパー作製方法は、砥粒が付着したシート素材および網素材に切断用のミシン目が入れられていることを特徴とする。
【0010】
(第4発明)
第4発明のサンドペーパー作製方法における砥粒は、ダイヤモンド、セラミックス、アルミナ、シリコン、ジルコニア、ジルコニウム、ガラス、エメリー、酸化セリウム、窒化ホウ素(CBN)、グリーンカーボン(GC)からなる少なくとも1種類であり、前記網素材およびシート素材の全面を覆うように取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
(第5発明)
第5発明のサンドペーパー作製方法における網素材は、少なくとも一本の線を編み込んみ、または縒り込んだものであることを特徴とする。
【0012】
(第6発明)
第6発明のサンドペーパーは、紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、および金属の少なくとも1種類からなるシート素材の上に、紙、布、樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなる網素材を貼り合わせた基材と、前記基材の上に塗布された接着剤と、高い静電気を印加した際に、舞い上がった砥粒が前記シート素材および網素材を覆うように付着されている砥粒層とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0013】
(第7発明)
第7発明のサンドペーパーにおいて、前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、ロール状に巻回されていることを特徴とする。
【0014】
(第8発明)
第8発明のサンドペーパーにおいて、前記基材は、前記砥粒層が接着剤により、両面に設けられていることを特徴とする。
【0015】
(第9発明)
第9発明のサンドペーパーにおいて、前記網素材は、シート素材に対して、斜めになるように設けられていることを特徴とする。
【0016】
(第10発明)
第10発明のサンドペーパーにおいて、前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、短冊状に切断され、または複数の切込みが入れられてシート状になっていることを特徴とする。
【0017】
(第11発明)
第11発明のサンドペーパーにおいて、前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、丸められて棒状に成形されていることを特徴とする。
【0018】
(第12発明)
第12発明のサンドペーパーにおいて、前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、複数本が丸められて一体に成形されていることを特徴とする。
【0019】
(第13発明)
第13発明のサンドペーパーにおいて、前記金属素材からなる網素材は、断面が丸、楕円、および多角形からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、砥粒に高い静電気を印加させて、シート素材および/または網素材に砥粒を混入させることができるため、寿命の長いサンドペーパーを得ることができる。
【0021】
本発明によれば、砥粒を接着剤により、シート素材および網素材の表面、および網目に砥粒を付着させるだけでなく、前記シート素材および網素材の間および素材自体の間等に付着させることができる。
【0022】
本発明によれば、前記シート素材および網素材の種類を選択すること、および前記素材の組み合わせにより、品質が高く、かつ、寿命の長いサンドペーパーを得ることができる。
【0023】
本発明によれば、サンドペーパーにミシン目を設けたため、ロール状に巻回しておけば、必要な時に、必要な大きさに切って使用することが容易にできる。
【0024】
本発明によれば、サンドペーパーを所定の幅に切断した短冊状のもの、丸めた棒状のもの、丸めて複数個束ねたもの、等シート状以外のものを容易に得ることができる。
【0025】
本発明によれば、網素材のメッシュを小さくすることにより、平面に付着させるより多くの砥粒をコーティングすることができる。
【0026】
本発明によれば、異なる粒径の砥粒を混合させておき、高い電圧を印加することにより、シート素材および/または網素材の一方の面または両方の面に付着させることができる。
【0027】
本発明によれば、網素材をシート素材に対して斜めにすることにより、ワークに対する研磨力あるいは当たり方を変えることができる。前記シート素材および/または網素材は、一方の面を直角にし、他方の面を斜めにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(イ)から(ハ)は本発明の第1実施例であり、シート素材に網素材を取り付け、これらの上、間に砥粒が付着している状態を説明するための概略図である。(実施例1)
【図2】(イ)から(ハ)は本発明のサンドペーパーを作製する方法であり、砥粒に高い静電気を印加して、シート素材および網素材に砥粒を付着させた状態を説明するための概略図である。
【図3】(イ)から(ハ)は本発明のサンドペーパーを切断して、各種製品を作製する例を説明する図である。
【図4】(イ)から(ニ)は本発明の第2実施例であり、シート素材に金網を取り付け、高い静電気の印加により、サンドペーパーを作製する状態を説明するための図である。(実施例2)
【図5】(イ)から(ヘ)は本発明の第3実施例であり、シート素材の両面に金網を取り付けたサンドペーパーを説明するための図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1発明)
第1発明のサンドペーパー作製方法は、シート素材上に網素材を貼り合わせる工程と、接着剤の塗布工程と、高い静電気を印加する工程と、砥粒を付着させる工程とから少なくとも構成されており、網素材の上部および側部、シート素材の上部に砥粒がしっかりと付着したサンドペーパーを得ることができる。前記シート素材は、紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、および金属の少なくとも1種類がロール状に巻回できるような厚さからなる。
【0030】
前記シート素材は、上に網素材が貼り合わされる。前記網素材は、紙、布、合成樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなるなる。たとえば、予め巻回されている前記シート素材および網素材は、シート状にして、接着剤が塗布される。前記シート素材および網素材は、たとえば、下部に砥粒が入れられている収容部の上を通過する際に、前記砥粒に高い静電気が印加される。前記収容部に収容されている砥粒は、前記高い静電気が印加されることによって舞い上がる。
【0031】
前記高い静電気により舞い上がった砥粒は、シート素材および網素材の上を覆うように付着する。また、前記砥粒は、静電気を帯びて舞い上がる際に、方向がほぼ一定になって、均一に前記シート素材および網素材に付着する。さらに、前記砥粒は、静電気の力を利用して前記シート素材および網素材に強力に付着させるため、網状部分を覆ってコーティングしたように隅々に形成される。前記接着剤は、厚めに塗布することで、前記高い静電気により舞い上がった砥粒が前記シート素材および網素材の内部および表面に付着する。このようにして作製されたサンドペーパーは、表面の砥粒が磨耗しても、高い静電気の印加により前記シート素材および網素材の内部に入り込んだ(食い込んだ)砥粒の部分を使用することができる。
【0032】
(第2発明)
第2発明のサンドペーパー作製方法において、前記シート素材は、一枚のシート状面材の代わりに、少なくとも1種類または複数種類の線状体からなる素材が編み込まれて面状体となったものである。たとえば、紙あるいは布、または、繊維状の合成樹脂は、線状体とした後、編まれた状態となってシート素材を形成している。前記編まれたシート素材は、それぞれの編み目の間に砥粒が入り込み、サンドペーパーの寿命を長くすることができる。
【0033】
(第3発明)
第3発明のサンドペーパー作製方法は、完成したサンドペーパーを所定の大きさに切り易いように前記砥粒が付着したシート素材および網素材に切断用のミシン目を入れている。前記ミシン目は、はさみ等の切断工具を使用することなく、前記サンドペーパーを所望の大きさに手で切ることが容易にできる。前記ミシン目の方向、たとえば、縦方向または横方向、あるいは本数等は、必要に応じて、任意の場所に設けられる。
【0034】
(第4発明)
第4発明のサンドペーパーに付着させる砥粒は、ダイヤモンド、セラミックス、アルミナ、シリコン、ジルコニア、ジルコニウム、ガラス、エメリー、酸化セリウム、窒化ホウ素(CBN)、グリーンカーボン(GC)からなる少なくとも1種類である。前記砥粒は、前記網素材およびシート素材の全面を覆うとともに、素材の交差する部分、あるいは狭い隅部分に渡って付着されている。
【0035】
(第5発明)
第5発明の網素材は、一本の線または複数の線を編み込んだもの、あるいは複数の線を縒って一本としたものである。特に、複数の線を編み込みまたは縒った網素材は、前記砥粒をシート素材と網素材の間、網素材と網素材の間に付着させ易い。
【0036】
(第6発明)
第6発明のサンドペーパーは、シート素材の上に網素材が貼り合わされた基材と、前記基材上に塗布された接着剤と、前記シート素材および網素材に付着された砥粒層とから少なくとも構成されている。前記シート素材は、たとえば、紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、および金属の少なくとも1種類からなり、ペーパー状をしている。前記網素材は、たとえば、紙、布、樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなる。前記基材は、前記シート素材の上に、前記網素材が貼り合わされて、シート状になっている。
【0037】
前記基材は、その上に接着剤が塗布されている。砥粒は、高い静電気、たとえば、6万ボルトDC、の印加により、舞い上がる。前記舞い上がった砥粒は、前記シート素材および網素材に付着されて砥粒層となる。前記砥粒層は、前記シート素材および網素材の全面を覆うだけでなく、編み目にも入り込み、サンドペーパーとしての品質を長時間保持するだけでなく、寿命を長く保持することができる。
【0038】
(第7発明)
第7発明のサンドペーパーは、基材がロール状に巻回されている。前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、ロール状に巻回されているため、必要な長さおよび/または大きさに切断して使用することができる。
【0039】
(第8発明)
第8発明のサンドペーパーは、基材に対して、前記砥粒層が接着剤により、両面に設けられている。前記基材は、網素材が両面に設けられ、前記基材および網素材に前記砥粒層が入り込むように設けられる。前記サンドペーパーは、両面に砥粒層が設けられているため、寿命を長くすることができる。
【0040】
(第9発明)
第9発明のサンドペーパーは、前記網素材がシート素材に対して、斜めになるように設けられている。前記網素材は、シート素材に対して、直角あるいは傾斜した角度に設けることにより、ワークに対する研磨力あるいは当たり方を変えることができる。
【0041】
(第10発明)
第10発明のサンドペーパーは、前記砥粒層が接着剤により付着された基材を短冊状に切断し、あるいは複数の切込みを入れたシート状にして使用することができる。前記短冊状サンドペーパーは、幅を狭くして、ほぼ棒状として使用することができる。また、前記サンドペーパーは、短冊の幅を少し広めて、矩形状にして使用することもできる。さらに、前記サンドペーパーは、複数の切り込みを入れたシート状にして使用することができる。
【0042】
(第11発明)
第11発明のサンドペーパーは、前記砥粒層が接着剤により付着された基材を短冊状(矩形状)に切断した後、丸めて棒状に成形することができる。前記矩形状基材は、必要に応じて、幅を任意に変えることにより、太さの異なる丸棒ブラシが得られる。
【0043】
(第12発明)
第12発明のサンドペーパーは、前記砥粒層が接着剤により付着された基材を丸めたものを、複数本を一体に成形して使用することができる。前記丸棒ブラシは、必要に応じて、芯を入れることができるとともに、複数を寄せ集めたブラシとすることもできる。
【0044】
(第13発明)
第13発明のサンドペーパーは、網素材が金属素材からなるものである。前記金属素材の断面は、丸、楕円、および多角形にすることができる。前記多角形からなる金属製網素材は、丸素材と比較して、砥粒層が磨耗しても、角部が表面に露出することにより、この部分においても、研磨を行うことができる。
【実施例1】
【0045】
図1(イ)から(ハ)は本発明の第1実施例であり、シート素材に網素材を取り付け、これらの上、間に砥粒が付着している状態を説明するための概略図である。図1(イ)から(ハ)は本発明の第1実施例であり、シート素材11に網素材12、たとえば、紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、あるいは金属の少なくとも1種類が一体に取り付けられている。前記網素材12は、前記紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、あるいは金属が網状に設けられている。
【0046】
前記シート素材11は、たとえば、ロール状に巻回できる薄さで板状のものである。また、前記シート素材11は、少なくとも一種類の前記部材を編んだものにすることもできる。前記編んだシート素材11は、その網目にも砥粒14を付着させることができ、サンドペーパーとしての寿命を長くすることができる。
【0047】
前記シート素材11は、1種類または複数種類のものを単線またはより線として編むことができる。前記シート素材11に付着させた網素材12は、単線あるいは縒った線とすることができる。特に、紙製のシート素材は、シート状紙を丸めた後、捩じり、その後、縒って一本の素材にした後、網素材12にすることができる。また、紙製素材は、紙をちぎり、切り、または破いて小片とした後、少量の接着剤を入れて所望の太さに縒った後、シート素材11または網素材12として作製される。
【0048】
前記網素材12は、たとえば、紙、布、樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類を網状にする。前記シート素材11は、前記網素材12を接着剤等によって取り付ける。本発明のサンドペーパーは、その後、図2に示す方法により、砥粒14を付着させる。前記砥粒14は、前記シート素材11の表面および網素材12の上部、あるいはこれらの間等にコーティングしたような状態で付着させることができる。
【0049】
図2(イ)から(ハ)は本発明のサンドペーパーを作製する方法であり、砥粒に高い静電気を印加して、シート素材および網素材に砥粒を付着させた状態を説明するための概略図である。図2(イ)において、基台21は、少なくとも3箇所に第1のスペーサー22、第2のスペーサー23、第3のスペーサー24が図示のような所定の間隔を置いて設けられている。前記シート素材11および網素材12は、それぞれ一体に取り付けられ、予め巻回されてロール状部材28となっている。
【0050】
前記ロール状部材28は、たとえば、網素材12を下に向けた状態で、引き出され、前記第1のスペーサー22、第2のスペーサー23、第3のスペーサー24上を通過する。前記第2のスペーサー23と第3のスペーサー24の間には、砥粒14を収納する収納室が構成されている。前記収納室は、上下に高い静電気を印加するための電極板または電極棒25、26が設けられている。一方、前記シート素材11および網素材12の下方には、接着剤を塗布する塗布装置27が設けられている。前記塗布装置27の位置は、図示されている場所に限定されず、前記収納室の前であれば良い。
【0051】
前記ロール状部材28から引き出されたシート素材11および網素材12は、最初、下方から接着剤27が塗布される。前記シート素材11および網素材12は、スペーサー22、23、24上に沿って移動し、砥粒14が収納されている収納室の上部を通過する。前記収納室の上下に設けられた電極25、26には、たとえば、6万ボルトの静電気が印加される。前記静電気の印加により、前記収納室に収納されていた砥粒14は、パウダー状に舞い上がり、前記シート素材11および網素材12を覆うようにコーティングされる。前記静電気は、6万ボルトと高いため、前記砥粒14を舞い上がる際のエネルギーによって、前記シー素素材11および網素材12の隙間および幾重にも積層して付着され、密度の高い砥粒層ができる。
【0052】
図2(イ)に示す図は、サンドペーパーの一面に下方から砥粒を付着させる場合についてのみ記載されているが、前記サンドペーパーの両面に設けることができる。また、前記サンドペーパーは、縦方向にして、一方または他方から静電気を印加して、砥粒を付着させることができる。
【0053】
図2(ロ)において、サンドペーパーは、シート素材11、網素材12、砥粒層14′から構成されている。また、図2(ハ)において、サンドペーパーは、シート素材11、11′網素材12、砥粒層14′から構成されている。前記シート素材11′は、網素材12と異なった素材、または網方とすることができる。
【0054】
図3(イ)から(ハ)は本発明のサンドペーパーを切断して、各種製品を作製する例を説明する図である。図3(イ)において、図2に示すサンドペーパーは、短冊状に切断されている。前記短冊状サンドペーパー31は、複数個をそれぞれ二つ折りにして、チャンネル部材(図示されていない)で挟持することにより、チャンネルブラシができる。また、前記短冊状サンドペーパー31は、デッキに植設することにより、植え込みブラシができる。
【0055】
図3(ロ)において、図3(イ)より幅広のサンドペーパーを複数巻回して棒状ブラシ33にしている。前記サンドペーパーは、巻回を1回とすることもできる。前記棒状ブラシ33は、全表面に砥粒32が付着している。図3(ハ)において、図3(ロ)により丸められた棒状ブラシ33が複数本束ねられた棒状ブラシ35となっている。前記棒状ブラシ35は、複数本が束ねられ、その周囲に砥粒36が付着している。
【実施例2】
【0056】
図4(イ)から(ニ)は本発明の第2実施例であり、シート素材に金網を取り付け、高い静電気の印加により、サンドペーパーを作製する状態を説明するための図である。図4(イ)において、シート素材41は、金網42が取り付けられている。図4(ロ)において、前記シート素材41および金網42は、接着剤43が塗布される。図4(ハ)において、前記シート素材41、金網42、および接着剤43は、図2に示すように、高い静電気によって砥粒を舞い上がらせ、その勢いで前記シート素材41および金網42の上、それぞれの間等にコーティングするように付着させる。
【0057】
前記金網42は、単線、縒り線以外に、金属素材の断面を多角形にしたものを使用することができる。前記多角形からなる金網42は、丸素材と比較して、砥粒層が磨耗しても、素材の角部が表面に露出することにより、この部分においても、研磨を行うことができる。
【実施例3】
【0058】
図5は(イ)から(ヘ)は本発明の第3実施例であり、シート素材の両面に金網を取り付けたサンドペーパーを説明するための図である。図5(イ)および(ロ)において、シート素材51は、上面および下面に素材の端部と平行な網素材52および53が設けられている。図5(イ)から(ヘ)は、砥粒が省略されている。
【0059】
図5(ハ)および(ニ)において、シート素材51は、上面および下面に素材の端面と斜めに網素材54および55が設けられている。前記図は、砥粒が省略されている。前記サンドペーパーは、網素材54、55が斜めになっているため、図5(イ)、(ロ)とワークに対する研磨力または当たりを変えることができる。
【0060】
図5(ホ)および(ヘ)において、シート素材51は、上面に平行な網素材56と、裏面に斜めの網素材57が設けられている。前記サンドペーパーは、表と裏によって、ワークに対する研磨力または当たりを変えている。図5(イ)から(ヘ)は、実施例2の金属線で説明したが、図1に示すシート素材および網素材とすることができる。
【0061】
紙素材は、シート状部材を丸めた後、捻じり、縒ってブラシ毛とすることができる。また、前記紙素材は、シート状部材を短冊状に切断し、前記同様に丸め、捻じり、縒りを加えてブラシ毛とすることができる。前記斜めの網素材は、角度を任意に変えることができる。
【0062】
本発明に使用する砥粒は、ダイヤモンド、セラミックス、アルミナ、シリコン、ジルコニア、ジルコニウム、ガラス、エメリー、酸化セリウム、窒化ホウ素(CBN)、グリーンカーボン(GC)からなる少なくとも1種類である。前記ダイヤモンドは、通常、人工的に作製された工業ダイヤモンドである。
【0063】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、持許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明のサンドペーパーの作製方法およびサンドペーパーは、砥粒の付着を高い静電気の印加によって行っているため、付着量および付着の際の砥粒の向き等が通常のものと異なっているため、磨耗の状態等が明らかに異なるものである。
【符号の説明】
【0064】
11・・・シート素材
12・・・網素材
13・・・接着剤
14・・・砥粒
21・・・基台
22、23、24・・・スペーサー
25、26・・・電極
27・・・接着剤
28・・・ロール状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、および金属の少なくとも1種類からなるシート素材の上に、紙、布、合成樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなる網素材を貼り合わせる工程と、
前記シート素材および網素材に接着剤を塗布する工程と、
砥粒が入れられた収容部に高い静電気を印加する工程と、
前記収容部に収納された砥粒を前記高い静電気の印加によって舞い上がらせて、前記シート素材および網素材上に砥粒を付着する工程と、
から少なくとも構成されていることを特徴とするサンドペーパー作製方法。
【請求項2】
シート素材は、少なくとも1種類の前記部材が編み込まれていることを特徴とする請求項1に記載されたサンドペーパー作製方法。
【請求項3】
前記砥粒が付着したシート素材および網素材に切断用のミシン目が入れられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたサンドペーパー作製方法。
【請求項4】
前記砥粒は、ダイヤモンド、セラミックス、アルミナ、シリコン、ジルコニア、ジルコニウム、ガラス、エメリー、酸化セリウム、窒化ホウ素(CBN)、グリーンカーボン(GC)からなる少なくとも1種類であり、前記網素材およびシート素材の全面を覆うように取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載されたサンドペーパー作製方法。
【請求項5】
網素材は、少なくとも一本の線を編み込んみ、または縒り込んだものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載されたサンドペーパー作製方法。
【請求項6】
紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、および金属の少なくとも1種類からなるシート素材の上に、紙、布、樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなる網素材を貼り合わせた基材と、
前記基材の上に塗布された接着剤と、
高い静電気を印加した際に、舞い上がった砥粒が前記シート素材および網素材を覆うように付着されている砥粒層と、
から少なくとも構成されていることを特徴とするサンドペーパー。
【請求項7】
前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、ロール状に巻回されていることを特徴とする請求項6に記載されたサンドペーパー。
【請求項8】
前記基材は、前記砥粒層が接着剤により、両面に設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載されたサンドペーパー。
【請求項9】
前記網素材は、シート素材に対して、斜めになるように設けられていることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載されたサンドペーパー。
【請求項10】
前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、短冊状に切断され、または複数の切込みが入れられてシート状になっていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載されたサンドペーパー。
【請求項11】
前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、丸められて棒状に成形されていることを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載されたサンドペーパー。
【請求項12】
前記砥粒層が接着剤により付着された基材は、複数本が丸められて一体に成形されていることを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載されたサンドペーパー。
【請求項13】
前記金属素材からなる網素材は、断面が丸、楕円、および多角形からなることを特徴とする請求項6から請求項12のいずれか1項に記載されたサンドペーパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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