サンプルから分析物を単離する方法
本発明は:a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含む捕獲−粒子であり;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方はさらに、改変された孔隙率を有する架橋された領域を含む。捕獲粒子は、ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の大きさを備える。これらの粒子は、精製および診断法に有用である。捕獲粒子を備えるキットがまた記載される。
【発明の詳細な説明】
【関連特許出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2005年9月27日に出願された米国仮出願第60/720,466号、および2006年1月18日に出願された同第60/759,574号からの優先権を主張し、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
プロテオーム生体マーカーの価値および臨床的可能性に興味が高まっている(1)。医学界における通説は、疾患の処置が早いほど、治療成果はより高まるということである(2)。従って、初期の段階の新生物疾患に特異的な生体マーカー試験の、日常的な臨床利用可能性は、現在利用される治療法を使用してさえも、公衆衛生を劇的に改善する大いなる可能性を有する。例えば、臨床ガン専門医は、胸、肺、卵巣、および結腸の、転移前の固形腫瘍の生体マーカー検出が、生存において有意な改善を導き得ると期待する(2)。残念なことに、迅速な臨床的必要性にもかかわらず、過去10年間、組み合わされる全ての疾患カテゴリーについて、ほんの一握りの新規な生体マーカーが、日常的に臨床使用されるようになったのみである(3)。診断研究における多大な努力にもかかわらず、遅延された生体マーカーパイプラインが存続する。この不成功の原因は、生体マーカー開発パイプラインから、臨床的評価を開始するための、生体マーカーの同定および測定にわたる、基本的な技術的および生物学的障害から生じる。これらの主な障害のうちの2つは:
低量:疾患に関連する生体マーカーは、アルブミンのような高量のタンパク質を含む体液タンパク質の複雑な混合物内に、極めて低濃度に存在し得る。
不安定性:血液または他の体液が(例えば、静脈穿刺により)回収される直後に、タンパク質の分解が生じ得、これは内因性または外因性のプロテイナーゼにより媒介される。
【0003】
高感度なおよび特異的な生体マーカーは、非常に低量に存在することが予測される。臨床研究セットにおいて利用可能な少量の血液中に存在する稀有な候補生体マーカーの収率を富化するための新規な方法を開発する多大な必要性がある。候補生体マーカーは、非常に低濃度に存在することが予測され、そしてアルブミンのような10億倍過剰に存在する高量の血液タンパク質から分離されなくてはならない。転移前のガンのような初期の段階の疾患病変は、組織内に0.10mL未満の量で生じ得る。この容量から発生する全ての推定の生体マーカーが、5,000mLの全血液量内に均一に分散されると仮定すると、希釈係数は50,000である。また、疾患に特異的な、大部分の生理学的に関連するタンパク質は、細胞プロテオームの小さな亜群を構成し得ることを合理的に仮定し得る。従って、生体マーカー発見の最大の難関は、非関連タンパク質により大規模に占められる血液タンパク質の非常に濃縮された複雑な混合物内の、非常に稀有な候補タンパク質の単離である。従って、分析感度は生体マーカー発見および測定のための第1の難関である。低量のタンパク質検出の問題は、発見から日常的な測定におよぶ。発見の段階の間、プールされたサンプルを含む、血漿または血清の多容量が、分析のために利用可能であり得るようである。対照的に、一旦候補マーカーが臨床治験に進められると、個々の患者のアッセイに利用可能な血液の量は、1.0mL未満であり得る。これらの要素の全てを考慮して、候補マーカーを測定するために使用される分析基盤は、サブフェムトモルまたはアトモル濃度においてマーカー濃度を確実に検出するのに十分な検出感度を有しなくてはならない。
【0004】
さらに、候補血液生体マーカーは非常に壊れやすい。循環するタンパク質生体マーカーは、血液調達直後に迅速なタンパク質分解的切断および修飾を受ける。分解のレベルは、静脈穿刺直後の回収の様式および保存の状態に依存する。血清の回収について、タンパク質は、凝固カスケードにおける活性な酵素による切断に供される。凝固の間のインキュベーションの時間および温度、ならびに分離された血清のその後の保存の温度に依存して、様々なタンパク質分解フラグメントは非常に可変性であり得る(4)。血漿が回収される場合、凝固酵素活性は抑制されるが、内因性プロテイナーゼがなお活性であり得る。さらに、血漿安定化の手段に依存して(例えば、ヘパリン対クエン酸)、血漿タンパク質の有意な化学的改変があり得る。血漿または血清プロテオミクスマーカーの不確かな安定性は、候補タンパク質生体マーカーの臨床的検証の間に認識される偏向の主な原因であった(5)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施態様において、本発明は:a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含む捕獲−粒子を記載し;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方はさらに、改変された孔隙率を有する架橋された領域を含む。
【0006】
本発明の他の実施態様において、分析物結合部分は、分析物を化学的にまたは静電的に結合および/または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含み得る。さらに、分析物結合部分は、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含み得る。捕獲−粒子はさらに、分析物結合部分に結合される分析物を含み得、当該分析物は:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0007】
他の実施態様において、分子ふるい部分は、内核を取り囲む外殻であり、当該内核は分析物結合部分を含む。さらなる実施態様において、約100μm未満の粒子の平均半径を有する。分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は:ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、N−アルキル置換ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ベンジルグルタミン酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(4−ビニルピリジン)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0008】
他の実施態様において、架橋された領域は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。他の実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、ヒドロゲルを含む。いくつかの実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約2〜約20nmの間の平均孔径を有する。他の実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約100nm未満の平均孔径を有する。
【0009】
他の実施態様において、捕獲−粒子は、物理的または化学的な処理に曝露される場合、結合されたまたは隔離された分析物を放出するか、容量を変化するか、またはその両方である。物理的または化学的な処理は:電荷、静水圧、pHにおける変化、温度における変化、酸性剤、塩基剤、UV、超音波、X線、またはそれらの組み合わせへの曝露を含む。
【0010】
他の実施態様において、捕獲−粒子は、アルブミンの実質的な取り込みを伴わずに1404Daペプチドを取り込む能力を有するか、インスリンを取り込む能力を有するか、またはその両方を有する。
【0011】
他の実施態様において、本発明は:a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含む捕獲−粒子を記載し;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を含む。さらなる実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、クラセリン、ウイルスタンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、高分子炭素、またはそれらの組み合わせを含む。他の実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は:強誘電性液晶エラストマー、圧電性高分子、「スマート」ゲル、セラミック合金、シリカ、炭素ナノチューブ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0012】
他の実施態様において、分析物結合部分は、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む。他の実施態様において、分析物結合部分が、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0013】
別の実施態様において、捕獲−粒子は、分析物結合部分に結合される分析物を含み、当該分析物は:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0014】
他の実施態様において、本発明は、サンプルから分析物を単離するための方法であり、分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径の分析物を結合するのに有効な条件下で接触する工程を包含する。他の実施態様において、分子ふるい材料は、物理的または化学的な処理に応じて、容量を拡大し得るか、容量を縮小し得るか、その有効な孔径を変化し得るか、またはその任意の組み合わせであり得る。物理的処理は、エネルギーを適用され得、そして方法はさらに、該分析物が当該材料を浸透することを許容するように当該分子ふるい材料を拡大するために有効である量において、当該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程をさらに包含する。物理的または化学的な処理が、熱、電気、磁性、超音波、圧力、放射、レーザー、浸透圧、pH、または酵素の処理を含み得る。
【0015】
他の実施態様において、本発明の方法はさらに、当該捕獲−粒子の、前記分析物をそこに捕捉するのに有効な孔径を縮小、拡大、または変化するために有効である量において、当該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程を包含する。
【0016】
本発明の他の実施態様において、分子ふるい材料は、適用されるエネルギーに応じて、その有効な孔径を、縮小、拡大、または変化し得る高分子網目から構成される。
【0017】
他の実施態様において、高分子網目は、N−アルキル置換アクリルアミドを含む。他の実施態様において、捕獲−粒子は親和性リガンドをさらに含む。親和性リガンドは、抗体またはタンパク質、アプタマー、核酸、薬物、化学物質、代謝物、脂質、糖脂質、リン脂質、ポリペプチド、親和基、金属基、または任意のその組み合わせを含み得る。
【0018】
他の実施態様において、捕獲−粒子はさらに、検出可能な標識を含む。さらに、捕獲−粒子は、内核および外殻を含み得、ここで当該外殻は分子ふるい材料から構成される。内核は第2の分子ふるい材料および/または親和性リガンドを含み得る。
【0019】
他の実施態様において、方法は、少なくとも2つの異なるクラスの捕獲−粒子の使用を含む。各クラスは、異なる検出可能な標識を含み得る。本発明の他の実施態様において、方法は約100nm未満の大きさの直径である捕獲−粒子を使用する。
【0020】
別の実施態様において、本発明はサンプルから分析物を単離するための方法であり:
分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径および規定された親和性の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含し、ここで当該捕獲−粒子は、規定された粒径または分子量の分析物、および分析物と相互作用し得る親和性リガンドの通過を、排除または許容し得る、分子ふるい材料を含む。
【0021】
他の実施態様において、本発明は、サンプルから分析物を単離するための方法であり:分析物を含むサンプルと、液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含する。
【0022】
他の実施態様において、本発明は、疾患を診断する方法であり:a)分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量、粒径、または規定された親和性の分析物を選択的に結合するのに有効な条件下で、接触する工程、およびb)捕獲粒子に選択的に結合される分析物を同定する工程を包含し、ここでサンプル中の分析物の、同定された濃度での存在は、疾患状態に特徴的である。他の実施態様において、方法はさらに、以下:酵素結合免疫吸着法(ELISA)、分光法、放射性免疫アッセイ(RIA)、マイクロアレイ法、免疫蛍光、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびインサイチュハイブリダイゼーションからなる群より選択される方法を使用して分析物の存在を検出する工程を包含する。
【0023】
別の実施態様は、分析物を保存する方法を記載し:当該分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、当該捕獲−粒子は、a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含み;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える。
【0024】
他の実施態様において、本発明は、疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであり:当該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および当該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え;当該捕獲−粒子は:a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含み;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む。
【0025】
他の実施態様において、疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであり:当該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および当該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え;当該捕獲−粒子はa)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含み;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
1.生体マーカー富化および保存のためのナノ粒子技術
低量および保存の課題を直接取り組むために、本発明は、血漿のようなタンパク質の複雑な混合物に添加される場合、溶液中の選択されたクラスのタンパク質を採集する(集積する)「スマート」ナノ粒子を作製および評価することを目的とする。提供可能な技術は、大きさおよび/または親和性の両方に基づいて溶液中の分子を分別し得る独特な構造を有する、新規な多孔質採集粒子である。さらに、粒子の孔隙率は、捕獲された分析物(例えば、タンパク質)が分析のために後に放出され得るように熱的に改変可能であり得る(図1)。さらに、粒子内に捕獲されるタンパク質または化学実体は、酵素による分解または微生物増殖から保護され得る。
【0027】
この提案される技術は、血液、尿、および組織中の低量のタンパク質およびペプチドを富化、単離、および保存するための手段の必要性を取り組み得る。このような低量の分子は、小さな病変の状態についての最も特異的な情報を含むことが予期される。1つの実施態様において、提案される技術は、回収チューブに予め調合され得るスマートナノ粒子からなる。一旦ナノ粒子が体液、または例えば、組織溶解物内に懸濁されると、粒子は自動的に(一工程で)溶液中でアフィニティークロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーを行う。それゆえ、スマート粒子内に捕獲されるタンパク質および他の代謝物(候補生体マーカー)は、接着され、隔離され、そして実質的な分解から保護され得る。スマート粒子集団の孔径および親和性の特性を調節することにより、生体マーカーの非常に特異的なサブセットが捕獲され得、そして調達された液の全容量から富化され得る。このことは、低分子量のプロテオーム生体マーカーの室温保存および富化を可能にする。分析実験室への回収チューブの輸送後、ナノ粒子は容易に単離され得、それにより接着された/隔離された生体マーカー物資は、任意の分析技術を使用して、特徴づけのために放出され得る。代替の方法において、生体マーカーはナノ粒子の破壊的な処理を介して入手され得る。
【0028】
この技術は、低費用であり得、そして血液生体マーカーの均一な回収および迅速な保存のための日常的な臨床設定において適用可能であり得る。これは、大きな研究病院の環境を超え、そして個人開業に最も緊急に拡大適用され、ここではほとんどの患者が治療を受ける。大量の均一な1ミクロンの大きさの「スマート」ナノ粒子の製作は、確かに実現可能であるが、他の大きさのより大きなまたはより小さなものもまた可能であり、等しく適用可能である。以下に記載されるように、粒子は、血清のような、分子の複雑な混合物から分子の標識されたサブセットを捕獲、集積、および精製し得る。
【0029】
2.生体マーカー採集のためのスマート粒子の選択についての原理
熱応答性ポリマーゲルは一般に「スマートゲル」といわれ、そして局所的な溶液温度、pH、または外的エネルギー適用の変化に対して制御可能な、非線形的な応答を示す(6、7)。このようなポリマーは、ゲル容量の変化を導く熱動力学的に有利な相分離を受ける架橋された鎖から構成される(8、9)。ゲルは、容器の形状を呈するために大量に合成され得るか、または直径4nm〜100μmにわたる粒子中に合成され得る(10、11)。各場合において、材料の内部構造は、軟質な、多孔質構造を作製する柔軟な鎖から構成され、これは溶液の局所的な状態に従って可逆的に拡大または縮小され得る。「スマート」ポリマーの例は、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(pNIPAm)であり、これは水中で31℃の低臨界溶液温度(LCST)を有する(図2)(12)。この温度以下では、ポリマーマトリクスは、溶媒分子ともに膨張し、ここで水素結合が、ポリマー骨格に沿って水とアミド基との間に生じる(12)。温度がLCSTを超えて上昇するにつれ、水素結合は破壊され、そして水は内部マトリクスから排除され、一方疎水性相互作用がイソプロピル基間で顕著になり始め、全体の容量の減少を導く。この技術は、同定のための生体マーカーを分離するために適用され得る。
【0030】
本発明の1つの局面は、捕獲−粒子の分子ふるい部分を記載するのに対し、別の局面は分析物結合(バイト捕獲)部分に関連する。バイト捕獲と分子ふるいとを単一の粒子中に組あ合わせることは可能である。タンパク質の複雑な混合物を分画する一般的な手段は、親和性および分子の大きさに基づく2つのクラスの連続的なクロマトグラフィー工程を使用することである(14)。血漿のような複雑なおよび非常に濃縮された混合物の分析は通常、サンプルの希釈、ならびにクロマトグラフィーおよびゲル電気泳動の前の、アルブミンのような高量のタンパク質の除去から開始される。本明細書中に開示されるスマート粒子技術は、クロマトグラフィーまたは希釈の使用を伴わずに分離の両方の工程を達成する。より具体的には、付加される選択性は、生体マーカーの制限された集団を結合/隔離する粒子中へのバイト分子の添加を介して可能にされる。例えば、アクリル酸(AAc)は、粒子中に組込まれ得、そして調節可能な親和性樹脂として機能する。例えば、低いpH(3.5)において、粒子内のAAcは、優先的にプロトン化され、そのpHで正電荷を保有する。より高いpH条件下で、AAc分子は、部分的または優先的のいずれかで脱プロトン化され、これは内因性の、正に荷電されたタンパク質についての電荷ベースの親和性エレメントを作製する。マイクロゲルにAAcを組み込むことにより、電荷特性および粒子の孔系の両方が、血清のような複雑な混合物からタンパク質を二重に分画する手段を提供する。
【0031】
本発明の別の局面は、分析物の隔離/結合による保存を扱い、それゆえ、室温にて溶液中の分析物(例えば、候補生体マーカー)を安定化することを許容する。このことは、多孔質ナノ粒子内へのそれらの隔離により達成され得る。ナノ粒子内に隔離されたタンパク質または分子は、液相分解酵素による接近に利用可能でないと仮説される。このような酵素は、それらのより大きな大きさのために粒子の孔を浸透し得ないかもしれない。
【0032】
さらに、候補生体マーカー分子の親和性捕獲および固定化は、酵素基質複合体が粒子内で機能的に形成し得ないように生体マーカー分子の3−D利用能を妨げる(図3)。この概念は、沈降または沈降固定によるタンパク質の安定化にいくらか類似する。キャピラリー電気泳動および分光配列決定を適用することで、本発明者らは、外因性セリンまたはメタロプロテイナーゼにより誘導される分解を研究し得、そして粒子中に捕獲されたタンパク質対溶液中に遊離するそれらの、フラグメント化の速度を比較し得る。公知のおよび予め特徴付けられた、または予め標識された規定された混合物から開始して、本発明者らはヒト血清および血漿参照サンプル内のタンパク質捕獲および安定化を進め得た。
【0033】
3.捕獲−粒子
本発明は、サンプルから分子種を分離および捕獲するための、方法および組成物を提供する。本発明の1つの実施態様において、規定された分子の大きさ、質量、および/または親和性特徴を有する分子種を特異的に捕獲する能力を有するスマート粒子は、様々な大きさを伴う、異なる複数の分子種を典型的に含むサンプルから目的の分子を単離するために使用される。粒子はサンプルに添加され得、次いで目的の分子種を捕獲するために利用され得る。
【0034】
粒子は、1つ以上の以下の機能性を有し得る:a)捕獲される分子の大きさ、質量、および/または親和性特性を選択する能力、ならびに/またはb)物理的または化学的な処理に応じて所望の分子を捕獲および/または放出する能力。粒子は、この課題を微量中で達成し得、親和性カラム、逆相カラム、ならびに他の標準的な精製試薬および装置を利用する従来の多段階の手順についての必要性を排除する。さらに、異なるクラスの捕獲−粒子が使用され得、それぞれは、それらが捕獲し得る分子種に関して異なる特性を有し、従って複数の種の全体的な抽出プロフィールを単一工程において行うことを可能にする。
【0035】
本発明の1つの局面は、液相捕獲−粒子、およびサンプルから分析物を単離するにおいてそれらを使用する方法を提供し、当該方法は、1つ以上の以下を含む工程:分析物を含むサンプルと液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が選択的におよび必要に応じて可逆的に、規定された分子量または粒径の分析物を捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含し、ここで当該捕獲−粒子は、規定された粒径または分子量の分析物を捕捉し得、必要に応じて放出し得る分子ふるい材料を含む。本発明の他の局面は、以下により詳細に記載されるように、不可逆的に分析物を補足する特定の捕獲−粒子を用いる。
【0036】
4.サンプル
任意のサンプルが制限なく利用され得、血液、血液成分、脳脊髄液、リンパ、細胞溶解物、組織溶解物、排泄物、尿、リンパ、腹水、精液、眼の硝子体などのような生物学的液体;土壌サンプルまたは抽出物、海洋、池、もしくは川の水のような環境的サンプル;給水塔および飲料水サンプル;化学合成反応由来のサンプル;食物サンプル;食品加工サンプル(例えば、鶏肉処理工場由来の)などが挙げられる。例えば、方法は、食品、飲料、水、および環境サンプル中の汚染を検出するために使用され得る。
【0037】
5.分析物
用語「分析物」は、目的の任意の分子をいい、有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。分析物は、制限されないが、細胞表面から流れる、細胞から放出される(例えば、エキソサイトーシス、溶解などにより)生体分子、代謝物、分解産物、プロテアーゼ消化産物などを包含する。本発明の1つの局面において、方法は、生物学的液体中の低分子量の分子、特に通常の糸球体(腎臓)濾過により身体から排除され、液体中で可溶性でありおよび浮遊するか、またはキャリアタンパク質と会合される分子(例えば、30,000ダルトン未満の分子)を捕捉することを利用する。概して、本発明は、制限されないが約60,000Da未満、約50,000Da未満、約40,000Da未満、約30,000Da未満、約20,000Da未満、約10,000Da未満、約8,000Da未満、約6,000Da未満、約4,000Da未満、約2,000Da未満、約1,000Da未満を含む、その検出が所望される目的の任意の分析物を捕獲するために使用され得、各記載された範囲内の全ての個々の値を含む。
【0038】
体液に関して、本発明の捕獲−粒子はまた、外因性分子、すなわち、サンプルが得られた被験体の身体に導入された分子を検出するために使用され得る。外因性分子は、被験体に積極的にまたは受動的に導入され得る。外因性分子の例としては、薬物、食品、タバコ、環境的産物、および汚染物(例えば、農薬、一酸化炭素など)、および任意の経路を介して被験体に入る本質的に任意の分子中に存在する、またはその形態における分子が挙げられる。外因性分子はまた、身体中でプロセスまたは転換される場合、それらの代謝物、副生成物、および分解産物を包含する。
【0039】
捕獲粒子は、インビボ、エクスビボ、およびインビトロを含む任意の環境において利用され得る。例えば、粒子はまた、インビボまたはエクスビボの情況において血液から毒素を清浄する道具として使用され得る。例えば、粒子は、血液からクレアチニンおよび尿素のような毒性の老廃物を除去するために利用され得、従来の透析についての必要性を置き換える。
【0040】
6.分子ふるい材料
本発明の捕獲−粒子は、分子ふるい材料(または分子ふるい部分)から構成され得る。これにより、材料は、多孔質、レタス様、ハチの巣状であるか、または規定された分子の質量または重さの分析物の、他の分子を排除しながらの通過を許容する。ふるい孔の大きさは、分析物が捕獲−粒子を浸透し得るか否かの決定因子である。粒子は、それ自体、任意の適切な大きさ、例えば、約10μm、約10μmと約1μmとの間、約1μmと約100nmとの間、約1nmと約100nmとの間、約5nmと約50nmとの間;約10nmと約20nmとの間;約10nmと約1nmとの間であり得、各記載される範囲内の全ての個々の値を含む。
【0041】
ふるい材料中の孔は、所望されない分子の排除に必要な直径に対して、提供される方法に基づいて設計され得る。約2〜約20nm、1nm〜1μm、1nm〜10nm、1nm〜50nm、10nm〜50nm、50nm〜100nm、10nm〜200nm、50nm〜500nm、1nm〜10nm、1nm〜5nm、および他の範囲の平均孔径が想定される。
【0042】
捕獲−粒子の必要に応じた特徴は、一旦分析物がふるい材料に入ると、これを「捕捉する」その能力である。捕捉することは、物理的または化学的な処理に応じて縮小および/または拡大し得るふるい材料を使用することにより達成され得る。例えば、材料は、化学的または物理的処理に供される場合、分析物を縮小あるいは縮ませ、それにより分析物を内部に捕捉する材料が使用され得る。このような材料はまた、「スマート材料」といわれ得、これは物理的または化学的な処理に供することにより、形状および大きさを変化する能力を有する。この特性を有する任意の材料が制限なく使用され得、例えば、ポリアクリルアミドおよびその誘導体(例えば、JonesおよびLyon、Macromolecules、36:1988〜1993、2003;JonesおよびLyon、Macromolecules、33:8310〜8306、2000)および他のN−アルキル置換アクリルアミド;ポリ(N−ビニルアルキルアミド);ポリ(メタクリル酸);ポリ(ベンジルグルタメート);ポリ(2−エチルアクリル酸);ポリ(4−ビニルピリジン);強誘電性液晶エラストマー;圧電性ポリマー;「スマート」ゲル、セラミクス、合金、およびポリマーなどが挙げられるが、これらに制限されない。例えば、Galaevら、835〜849頁;Zentel;850〜860頁;HarrisonおよびOunaies、860〜873頁;Encyclopedia of Smart Materialsにおいて、第1〜2巻、Schwartz、Melによる編集(c)2002 John Wiley & Sonsをまた参照のこと。捕獲−粒子は当該分野において知られるように、または上記の参考文献のいずれかにおいて記載されるように、日常的に調製され得る。
【0043】
本発明の1つの実施態様において、捕獲−粒子はポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)構成要素を何ら含まない。さらに、この実施態様における捕獲粒子はまた、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−コ−アクリル酸)を排除する。
【0044】
a.ふるい材料の物理的または化学的な処理
ふるい材料を縮小および/または拡大するために利用され得る物理的および/または化学的な処理は、熱、電気、磁性、超音波、圧力、放射、光線、浸透圧、pH、塩、酵素、酸化/還元、脱水/再水和、紫外線、照射、強い赤色光の処理を含み得る。
【0045】
ふるい材料は、可逆的にまたは不可逆的に縮小あるいは縮み得る。例えば、捕獲−粒子は溶液中に置かれ得、ここでは分析物は浸透され得、次いで分析物を捕獲するために不可逆的に縮み得る。このことは、目的が溶液から混入物を取り除くことである場合に有用であり得、そして捕獲された分析物の性質を分析する、またはさらに評価する必要がなく、従ってこれが拡大されることを要求しない。あるいは、不可逆的な捕獲−粒子は、粒子の完全性を破壊する超音波または他の破壊的な力により分解され得る。
【0046】
1つの実施態様において、捕獲−粒子は分析物の捕獲および/または隔離を許容するために拡大および縮小し得る。
【0047】
別の実施態様において、捕獲−粒子は、分析物の取り込みを増加または減少し得る任意の有意な程度に拡大または縮小されない。すなわち、粒子の容量が実質的に固定される。このような捕獲粒子の例としてはウイルスタンパク質、クラセリン(Clatherin)、炭素ナノチューブ、または以前に記載される拡大/縮小を許容しない種を含む粒子が挙げられる。クラセリンからの多角形の構造の調製を説明する例は、本明細書中に参考として援用される、Jaarsveldら、Biochemistry 1981、20、4129〜4135において記載される。
【0048】
7.分析物結合(親和性)部分
捕獲粒子は、選択的な分析物結合のために表面タンパク質特性を含み得るか、および/またはこのような結合特性を付与する部分の付着により改変され得る。
【0049】
捕獲−粒子はさらに、分析物を結合する、親和性リガンドあるいは「バイト」を含み得る。このような用語は、目的の分析物を特異的に付着し得る物質を言及し得る。典型的な例としては、抗体およびそれらの誘導体(例えば、Fabフラグメントおよび単鎖抗体);結合タンパク質(例えば、特異的なリガンドについての受容体またはそれらのフラグメント);結合対(例えば、ストレプトアビジン/ビオチン);基質;金属;キレート化剤;核酸;アプタマー;酵素結合ポケット;レクチン;および/または目的の分析物に特異的である親和性基が挙げられるが、これらに制限されない。用語「特異的」は、親和性リガンドが、サンプル中の目的の分析物を選択的に結合し、非標的分析物からそれを区別するために使用され得る。これが背景ノイズ(「非特異的結合」)を上回る分析物を検出するために使用され得るという意味において、これは特異的である。親和性リガンドは、これが、サンプル中の他の成分よりも、目的の分析物について高い親和性を有するように選択され得、分析物について、任意のネイティブな結合タンパク質と競合しないことを可能にする。
【0050】
親和性リガンドは、任意の適切な様式において、捕獲−粒子と会合され得る。例えば、それらは、その周りで捕獲−粒子を形成するためにふるい材料が重層または沈着/核形成され得る核として使用され得;それらは、粒子を形成する前にふるい材料に直接的に
取り込まれ得(すなわち、ここではリガンドは、ふるい材料の成分である);それらはふるい材料の孔表面に通常結合され得る(共有結合的にまたは非共有結合的に);などである。親和性リガンドはまた、リガンドを収容するのに十分大きい孔隙率を達成するために適切な物理的または化学的な処理を介してふるい材料を拡大し、次いでこれが粒子中に入るのに有効な条件下でふるい材料とリガンドとを接触することにより、捕獲粒子中に負荷され得る。一旦粒子が親和性リガンドとともに負荷されると、これは、適切な物理的または化学的な処理により縮められ得、それによりふるい材料の孔隙率を減少し、そのため標的分析物はなお粒子を浸透し得るが、より大きな分析物は排除される。ふるい孔隙率は、親和性リガンド負荷工程の後に、親和性リガンドの分散をブロックするのに十分に小さい孔径に減少され得、親和性リガンドをふるい材料に連結することを不必要にする。しかし、所望であれば、結合プロセスが、これをふるい材料に連結するために使用され得る。
【0051】
親和性リガンドでバイトされた捕獲−粒子は、分析物の大きさまたは質量についての選択に加えて、分析物選択工程を提供する。例えば、捕獲−粒子は、分析物がその中に浸透することを可能にするために拡大され得、次いで分析物はさらに、捕獲−粒子と会合される親和性リガンドに特異的に結合するその能力により選択され得る。結合工程が達成された後(例えば、平衡が達成された後)、粒子は、分離され、そして未結合の非標的分析物を除去するための洗浄工程に供され、次いで必要に応じて化学的または物理的な処理により縮められる。
【0052】
捕獲−粒子はまた、親和性部分として抗体をさらに含み得る。他の候補親和性部分としては、可溶性受容体、ポリアミンアナログ、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAiポリヌクレオチド、リボザイムなどが挙げられる。抗体および可溶性の受容体は、それらが目的の分析物を標的する親和性の部分として特に興味深い。
【0053】
i.抗体
親和性部分としては、抗体および分析物を特異的に結合するそれらの機能的等価物が挙げられる。「免疫グロブリン」および「抗体」は、交換可能におよびそれらの最も広い意味において、本明細書中で使用される。従って、それらは、無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無傷の抗体から構成される多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および抗体フラグメントを、それらが所望の生物学的活性を示す限り包含する。
【0054】
抗体の重鎖および軽鎖の可変領域は、同種の抗体の特定のエピトープを認識するか、またはそれに結合する。用語「エピトープ」は、免疫グロブリンの可変領域を結合する抗原上の特異的な結合部位または抗原決定子をいうために使用される。エピトープは、線状、すなわち、アミノ酸残基の配列、免疫グロブリンが3−D構造を認識するような配座、またはそれらの組み合わせから構成され得る。
【0055】
ii.モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体
本発明の免疫グロブリンは、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、および当該分野において周知の任意の方法により生成され得る。
【0056】
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連の抗原およびアジュバントの複数の皮下(sc)、腹腔内(ip)、または筋肉内(im)注射により動物に若起される。免疫される種において免疫原性であるタンパク質に関連の抗原を結合させることは有用であり得る。さらに、ミョウバンのような凝集剤が、免疫応答を増強するために適切に使用される。
【0057】
用語「モノクローナル抗体」は、実質的に相同な抗体の集団から得られる抗体をいう。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して指向される。さらに、異なる決定子に対して指向される異なる抗体を、典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、このようなモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定子に対して指向される。
【0058】
それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが他の免疫グロブリンにより未汚染でありながら、合成され得るという点で有利である。例えば、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法によりまたは組換えDNA法により生成され得る。モノクローナル抗体はまた、ファージ抗体ライブラリーから単離され得る。
【0059】
iii.抗体フラグメント
「抗体フラグメント」は、無傷の抗体の部分、好ましくはその抗原結合領域または可変領域を含む。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、二重特異性抗体の最小単位(diabody)、線状抗体、単鎖抗体分子、および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。
【0060】
種々の技術が、抗体フラグメントの生成のために開発されている。伝統的に、これらのフラグメントは目的の抗体のタンパク質分解を介して得られる。当該分野において周知である2つの分解方法論としては、パパイン分解およびペプシン処理が挙げられる。抗体フラグメントは現在さらに、組換え宿主細胞により直接的に生成され得る。
【0061】
iv.二重特異性抗体
本発明の二重特異性抗体は、2つの抗原結合部位を伴う小さな抗体フラグメントである、各フラグメントは、同じポリペプチド鎖内に軽鎖可変ドメインに連結された重鎖可変ドメインを含む。短かすぎて同じ鎖状の2つのドメイン間での対合を許容しないリンカーを使用することにより、ドメインは、別の鎖の相補的なドメインと対合することを余儀なくされ、そして2つの抗原結合部位を作製する。
【0062】
二重特異性抗体を作製するための方法は、当該分野において周知である。完全長の二重特異性抗体の伝統的な生成は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づき、ここでは2つの鎖は異なる特異性を有する。しかし、二重特異性抗体はまた、ロイシンジッパーを使用して生成され得る。
【0063】
捕獲−粒子はまた、検出可能な標識をさらに含み得る。用語「検出可能な標識」により、任意の手段により検出され得る任意の部分または物質が意味される。これらとしては、量子ドット、蛍光標識、酵素、磁性粒子などが挙げられる。検出可能な標識は、捕獲−粒子の任意の領域と会合され得、その孔および外部表面を包含する。検出可能な標識は、多くの方法において有用であり、異なるクラスの捕獲−粒子を分別するための方法を包含する。例えば、異なるクラスの捕獲−粒子が生成され得、ここでは各クラスは異なる特性を保有し(例えば、異なる孔径および/または異なる親和性リガンド)、そしてそれぞれは、各クラスの粒子と会合される、異なる検出可能な標識を保有する。このことは、粒子のクラスの特性(例えば、特異的な抗原に結合し得る)が、それが保持する検出可能な標識を決定することにより同定されることを可能にする。例えば、PSAについての単鎖抗体を伴う粒子は、FITCで標識され得、[α]−メチルアシル−CoAラセマーゼ(AMACR)についての抗体を含有する粒子が、TRITCで標識され得る。捕捉工程を行った後、粒子は、蛍光活性化セルソーティングを使用してフローサイトメトリーにより分別され得、AMACRを含有する粒子からHAを含有する粒子を分離する。
【0064】
8.精製法
本発明の捕獲粒子は、サンプルから目的の分析物を単離するための精製プロトコルにおいて使用され得る。上記のように、捕獲粒子は、大きさおよび親和性に基づく分析物の精製を許容し、そして本発明は、目的の分析物を保存および研究するために、サンプルからの目的の分析物の迅速な単離を許容する。これらの分析物は、サンプル中の酵素または他の分子からの分解を防止するために、捕獲粒子中に保存される。
【0065】
9.診断法
本発明はまた、規定された分子量、粒径、または規定された親和性の分析物を、捕獲−粒子が選択的に結合するために有効な条件下で、分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを接触し、次いで捕獲粒子に選択的に結合される分析物を同定することにより、疾患を診断する方法を包含する。同定された濃度でのサンプル中の分生物の存在は、疾患状態の特徴である。分析物の存在を検出することは、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、分光法、放射性免疫アッセイ(RIA)、マイクロアレイ法、免疫蛍光、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびインサイチュハイブリダイゼーションのような当業者に周知の方法を使用して行われ得た。
【0066】
10.キット
あるキットの実施態様において、捕獲粒子は、精製および診断の方法における使用に適切な形態において提供される。キットは一般に、捕獲粒子、ならびに説明書、および精製または診断の方法を行うために必要な物質を提供する。これらのキットは、サンプルを保存する医療機関における医師による、または血清分析物の精製および単離を開始するその他の人による使用について想定される。
【0067】
上述で引用された全ての刊行物の開示は、それぞれが個別に参考として援用されるのと同じ程度に、それらの全体が本明細書中に参考として明らかに援用される。
【0068】
いくつかの実施態様において、捕獲−粒子は分子ふるい部分および分析物結合部分を含み、ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施態様において、捕獲粒子は、分子ふるい部分および分析物結合部分を含み、ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きな分子を排除するのに十分な孔の寸法を含む。
【0070】
1つの実施態様において、当該分析物結合部分は、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む。従って、分析物は捕獲−粒子内の領域に効果的に保持される。分析物と分析物結合領域との間の力は、共有結合、ファンデルワールス力、疎水性−疎水性、水素結合、親水性の引力、イオン性の引力、またはそれらの任意の組み合わせの力であり得る。
【0071】
別の実施態様において、捕獲粒子は、約2と約20ナノメートルとの間の孔径を含み、その間の全ての個々の値を伴う。
【0072】
別の実施態様において、捕獲粒子は、約100nm未満の孔径を含み、この範囲内の全ての個々の値を含む。
【0073】
別の実施態様において、捕獲粒子は、約60kDaよりも大きい大きさを有する分子を排除するようにされた孔径を含む。
【0074】
別の実施態様において、捕獲粒子は、アルブミンを排除するようにされた孔径を含む。
【0075】
別の実施態様において、捕獲粒子は、アルブミンを排除する一方で1404Daの大きさの分子、約60kDaよりも大きな大きさを有する分子、またはその両方の浸透を許容するのに十分な大きさにされた孔を含む。
【0076】
本明細書中に記載される例は、本発明の例証であり、それらに制限されることは意図されない。本発明の異なる実施態様が、本発明に従って記載されてきた。多くの改変および変化が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載および説明される技術に対してなされ得る。従って、実施例は例証のみであり、そして本発明の範囲を制限しない。
【実施例】
【0077】
(実施例1)
スマートナノ粒子の合成および特徴づけ
「スマートポリマー」マイクロゲル粒子の製作、およびタンパク質および他の小分子の、それらの選択的な取り込みの試験が以下に記載される。
【0078】
粒子を、N−イソプロピルアクリルアミド(NIP Am)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)モノマー(例示的な方法について、実施例8)を使用して合成した。溶液に添加された架橋剤(Bis)の量は機能的な孔隙率を影響するので、2つの異なる濃度の架橋剤(2%または5%のいずれか)を使用して、マイクロゲルを作製した。2%および5%マイクロゲルの大きなバッチを合成した(それぞれ20グラムよりも大きい)。ゲルマトリクス内に電荷ベースの親和性バイトを伴う粒子を作製するために、マイクロゲル粒子をNIP Am、BIS、およびアクリル酸(AAc)を使用して作製した。粒子内へのアクリル酸の取り込みは、pH調節可能な親和性部分を提供する。例えば、低いpH(3.5)にて、AAcは優先的にプロトン化されるが、より高いpH条件下で、AAc部分は部分的にまたは優先的にのいずれかで脱プロトン化され、これは粒子内に含まれる内因性の、電荷ベースの親和性エレメントを作製する。
【0079】
(実施例2)
合成された粒子の顕微鏡評価
粒子は、光学顕微鏡を使用して試験され、そして単分散の均一な集団(直径:1ミクロン)を示す(図6)。粒子とFITEとのインキュベーション、および蛍光顕微鏡を使用する可視化は、粒子による色素の内在化、および粒子の均一な集団を示した(図7)。
【0080】
(実施例3)
大きさによる分子隔離
粒子の分子排除特性を調査するために、2%架橋剤濃度を使用して作製された粒子を、3つの分子種:FITC(MW389)、小分子(アンジオテンシンII[MW1404])に連結されたフルオレセイン、およびアルブミン(MW66000)に連結されたFITCとともにインキュベートした。3つのタイプの分子の溶液中での分離を行った。3つの蛍光分子のそれぞれについて(以下を参照のこと)、0.2mLの精製マイクロゲルを1.5mL遠心分離チューブ中に置いた。これに対して、0.015mLのFITC、FITC−アルブミン、またはフルオレセイン−ペプチド(発光される蛍光シグナル強度に対して正規化される)を添加し、そしてボルテックス上で穏やかに混合した。各サンプルをさらなる調査の直前に1.215mLに希釈した。粒子による蛍光の取り込みを、FACScan(Becton Dickinson)を使用して測定した。2%粒子の取り込みについての蛍光色素の代表的なヒストグラムが図8において示される。これらの実験は、小さなFITC分子は粒子中に容易に移行されることを示す。蛍光標識されたペプチドはまた粒子中に移行されるが、FITCに比較される場合、小さな強度のシグナル移行を伴い、粒子が大きさ媒介性の選択性を有することを示す。FITC標識化ペプチドおよびフルオレセイン標識化ペプチドの両方について、内在化のレベルは、粒子の5%架橋剤集団におけるよりも、2%架橋剤集団において高かった(データ示さず)。このことは、より高度に架橋された粒子集団内のより小さなナノ孔径の大きさで一貫する。2%および5%の集団の両方において、アルブミンは排除された。アルブミンが粒子から排除されるという知見は、スマート粒子プログラムの目標が、アルブミンのような非常に豊富な常在タンパク質から、候補の低量の生体分子を隔離および集積する粒子を作製することであるので、重要な開始工程である。
【0081】
(実施例4)
異種タンパク質混合物からのペプチドの隔離
異種混合物から小分子を単離するために粒子が使用され得たか否かを決定するために、
2%架橋剤を伴って作製された粒子を、水中で1:10に希釈した血清とともにインキュベートし、そして上記のフルオレセイン−ペプチドでスパイクした。インキュベーション後、ペプチドを洗浄し、そして取り込まれたペプチドを、フローサイトメトリーを使用して検出した。結果は図9において示される。顕著なことに、粒子は、通常の粒子、またはスパイクされたペプチドを伴わない異種タンパク質混合物とともにインキュベートされた粒子と比較した場合、蛍光強度において顕著な遷移を示した。この実験は、粒子の隔離特性の実証を提供する。
【0082】
(実施例5)
熱応答性粒子を使用する血清の分画化
2%架橋剤のナノ粒子ふるいを、水中で1:10に希釈した血清とともにインキュベートした。血清を、24℃にて(孔が最大に拡大される温度)、30分間インキュベートした。次いで、粒子/血清混合物を、粒子の孔径を縮小し、そして粒子内に分子を捕獲するために、37℃の環境に15分間置いた。次いで、粒子を15分間37℃にて遠心分離した。上清(未捕獲のタンパク質)をSDS−PAGE解析のために保存した。粒子を水で2回、15分間、37℃で洗浄し、続いて37℃にて遠心分離した。隔離されたタンパク質を溶出するために、粒子を15分間24℃にてインキュベートし、これは孔をより広く開け、続いて24℃にて遠心分離した。上清、または溶離液を回収し、そしてSDS−PAGEゲル上で泳動した。ゲルは、粒子による血清タンパク質の有意な分画を実証した。この技術を介して分画された分子を同定するために、ゲル切片をゲルから切り出し、そしてエレクトロスプレイイオン化質量分析を使用して解析した。タンデムな質量スペクトルをヒトデータベース(国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)からダウンロードした)に対して、トリプシン切断拘束を使用してSEQUEST(16)で検索した。正当に同定されると考えられるペプチドについて、これは[M+H]1+について1.5、[M+2H]2+について2.0、[M+3H]3+について2.5の相互相関スコア、ならびに0.001の無作為同定の最大確立を達成しなければならなかった。2%粒子から放出された60,000Daを下回る分子のサブセットは、図10において列挙される。これらの配列は、血清タンパク質の採集のために、これらの分子採集粒子を使用する可能性を実証する。
【0083】
(実施例6)
本実施例は、2%粒子によるFITCの用量依存性の取り込みを示す。
【0084】
10μlの容量の2%ヒドロゲル粒子を、90μlのFITC水溶液中に、異なる濃度(すなわち、0、0.2、1、5、20、100、500μM)で希釈した。サンプルを一晩インキュベートし、次いで室温にて、16.1rcfにて、および5分間、遠心分離した。次いでペレットを100μlのMilliQ水中に再懸濁し、そして同じパラメーターで再度遠心分離した。ペレットを1mlの水中に再懸濁し、そして蛍光シグナルをフローサイトメーターにより解析してFITC取り込みを評価した。
【0085】
以下は、以下の各FITC濃度についての蛍光シグナルの平均を報告する棒グラフである。
【0086】
【表1】
【0087】
上述のデータは、粒子によるFITCの用量依存性の取り込みを実証する。
【0088】
(実施例7)
本実施例は、2%粒子によるインスリン−フルオレセインまたはFITCの取り込みを示す。
【0089】
10μlの容量の2%ヒドロゲル粒子を、FITCまたはインスリン−フルオレセインのいずれかとともに、90μlの水溶液中に希釈した。サンプルを一晩インキュベートし、次いで室温にて、16.1rcfにて、および5分間、遠心分離した。次いでペレットを100μlのMilliQ水中に再懸濁し、そして同じパラメーターで再度遠心分離した。ペレットを1mlの水中に再懸濁し、そして蛍光シグナルをフローサイトメーターにより解析して、FITC取り込みを評価した。
【0090】
以下の棒グラフは、各サンプルについての蛍光シグナルの中央値を示す。
【0091】
コントロール:さらなる蛍光分子をなんら有しない粒子
【0092】
【表2】
【0093】
上述のデータは、インスリン(約6kDa)およびFITC(1kDa未満)の用量依存性の取り込みを実証する。
【0094】
(実施例8)
「スマートポリマー」採集粒子技術の製作。
【0095】
界面活性剤非含有沈殿重合により、N−イソプロピルアクリルアミド(NIP Am)およびN,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)を取り込むミクロンの大きさのマイクロゲルが調製され得る。BISは架橋剤として使用される。さらに、アクリル酸(AAc)を含有する粒子の調製は、電荷ベースの親和性バイトを粒子中に取り込むために製作され得る。
【0096】
化学物質。N−イソプロピルアクリルアミド(NIP Am)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、過硫酸アンモニウム(APS)、アクリル酸(AAc)は、Sigmaから購入され得る。反応、洗浄、および負荷のための水は、Millipore Milli−Q水精製系で、18MΩの耐性に精製され得、そして0.2μmフィルターを通過される。
【0097】
一連の分子量排除クラス:50kDa未満、20kDa未満、および5kDa未満を伴うハイドロゲルふるいナノ粒子の合成および特徴づけ。
【0098】
マイクロゲルは、以前に報告されるように(12)、水中での沈殿重合を介して合成され得る。全モノマー濃度(NIP AmおよびBIS)は、0.3Mである。BIS:NIP Amモノマー比は、得られる網密度、従って平均孔径を決定する。粒子は、重合化の間、種々の量の架橋剤を使用して作製され得、粒子の孔径を変化するために2%および5%の総濃度の架橋剤を含む。図11を参照のこと。モノマーは、コンデンサーおよび温度計が装備された丸底の150mL 3つ口フラスコの内部で、中程度の攪拌速度(磁性攪拌器)にて100mLの水中に十分に溶解される。溶液は70℃を超えて。1時間、窒素流の下で加熱される。安定な最大攪拌速度が達成され、そして重合化が6mM APSの1.0mL溶液を用いて開始される。反応は、窒素下、3時間進行することが許容される。室温への一晩の冷却後、マイクロゲル溶液の0.5mLアリコートは、個々の1.5mL容量の遠心チューブに置かれ、そして1.0mLの水で希釈される。次いで、サンプルはEppendorf 5415R遠心分離を使用して、20分間、23℃および16,100rcfで遠心分離される。上清は移され、そしてマイクロゲルは水中に、再度1.5mLの容量に再分散される。このプロセスは、合計5回の濃縮/再分散工程について反復される。均一性および大きさの範囲は、光学顕微鏡、および蛍光顕微鏡の可視化を伴う蛍光色素の取り込みを使用して評価される。フローサイトメトリーはまた、市販の蛍光標識される識別粒子の、標準としての使用を介して、相対的な大きさが割り当てられることを可能にする。
【0099】
親和性バイトを含有するナノ粒子ふるいの合成および特徴づけ。
【0100】
調節可能な親和性部分を粒子マトリクス内に有するポリ(NIP Am−co−AAc)マイクロゲル粒子が製作され得る。例示的な反応として、NIP Am(1.3g)、BIS(0.10)g、およびAAc(0.072g)が、150mLのH2O中に溶解され得る。APSは、上記のように開始剤として使用される。粒子中へのAAcの取り込みとともに、荷電された化学エレメントは粒子の構造の部分である。例えば、低いpH(3.5)にて、AAcは優先的にプロトン化され、より高いpH条件にて、AAc分子は部分的にまたは優先的のいずれかで脱プロトン化され、これは粒子内に含まれる内因性の、電荷ベースの親和性エレメントを作製する。
【0101】
(実施例9)
収穫粒子技術を使用する、規定された分子混合物からのタンパク質の特異的な精製および単離。
【0102】
粒子が溶液中で自動的に(一工程において)サイズ排除クロマトグラフィーおよび/または親和性クロマトグラフィーを行う能力は、達成可能である。粒子集団の孔径および親和性特性を調節することにより、タンパク質の非常に特異的なサブセットが、タンパク質混合物から捕獲され、そして富化される。これらの研究のためのプロテオーム道具キットとしては、キャピラリー電気泳動、フローサイトメトリー、PrepCellゲル溶出による低分子タンパク質のサイズクロマトグラフィー分離、ゲル電気泳動、およびナノフロー逆相液体クロマトグラフィー−タンデムMS(nanoRPLC−MS/MS)が挙げられる。
【0103】
粒子によるサイズベースの分子取り込みの実証。
【0104】
タンパク質研究セットの構築。重要な最初の工程は、異なる物理化学的特性を伴うタンパク質試薬のパネルをアセンブリすること、およびタンパク質サブセットについての粒子調製物の選択性を試験するためにそれらを使用することである。図12は、6000Da〜45,000Daから選択されるタンパク質(ならびにアルブミン)を用いた、このような例示的パネルを示す。これらのタンパク質は様々な等電点を有し、これは所与のpHにて様々な荷電状態を提供する。この参照セットは、規定された合成および天然のペプチド、例えばアンジオテンシンおよびPro−B−型ナトリウム利尿ペプチドが補充され得る。
【0105】
研究セットタンパク質の標識化:研究セットからのタンパク質は、フルオレセインおよびローダミンのような蛍光色素で標識され得る。それらは市販の供給源から購入され得るか、または標準的な結合技術を使用して、実験室内で結合され得る。タンパク質の蛍光修飾の程度が測定および正規化され得る。上記のように、蛍光的に標識されたアンジオテンシンペプチドおよびアルブミンは、フローサイトメトリーを使用する研究を実現可能にするために作製および適用されている。
【0106】
タンパク質の取り込み/排除の研究:蛍光的に標識された、異なる大きさの分子は、2つの異なる粒子集団:2%架橋粒子(より大きな孔径)および5%架橋粒子(より小さな孔径)のタンパク質取り込み特性を理解するために、マイクロゲル収穫粒子とともにインキュベートされ得る。粒子は、フローサイトメトリー系について検出可能な大きさの範囲である。このことは、ローダミンまたはフルオレセインのような色素で標識されたタンパク質が粒子と関連して検出され得る系を提供する。アルブミンよりも小さな蛍光的に標識された分子の取り込みを示す一方、粒子からの、蛍光的に標識されるアルブミンの排除を実証し得る。架橋濃度は、参照セットを使用して、以下のカテゴリーa)<50kDa、b)<20kDa、およびc)<5kDaにおけるサイズ排除を達成するために漸増され得る。簡潔には、蛍光的に標識されたタンパク質のモル等価物は、規定された時間(分〜日)、温度(24〜37C)、および緩衝液条件(水性[酸性、塩基性、生理学的pH]および有機溶媒)について、マイクロゲル粒子とともにインキュベートされ得る。粒子孔径の温度およびpH依存性は、それらを、注意深く制御された環境条件を必要とする動的構造にする。次いで積載された粒子は、温度制御遠心分離により上清から分離され得る(Eppendorf温度制御マイクロ遠心、16,100rcf)。次いで、粒子は水中で洗浄され得、続いて再度、温度制御遠心分離が行われる。次いで、粒子による標的タンパク質の取り込みが、Becton Dickinson FACScan Cytometerを使用する、フローサイトメトリーにより実証される。保持プロフィールが、タンパク質の大きさおよび表面特性、ならびに負荷が最適に生じる温度および緩衝液条件に基づいて測定される。至適な「取り込み」温度が同定され得、その温度で標的タンパク質は、粒子により最も効果的に隔離される。
【0107】
粒子による親和性ベースの分子取り込みの実証。さらなる識別特徴、すなわちアクリル酸(AAc)荷電親和性部分は、3つの標的サイズ排除クラス内で粒子中に取り込まれ得る。AAcを使用して、粒子バイトの荷電状態は、それらが懸濁される溶液のpHに基づいて調節され得る。より低いpH(3.5)にて、AAc部分は優先的にプロトン化される。他方、より高いpH条件にて、AAc分子は、部分的にまたは優先的のいずれかで、脱プロトン化され、これは、溶媒条件に基づいて調節される粒子内に含まれる、内因性の、電荷ベースの親和性エレメントを作製する。
【0108】
タンパク質の取り込み/排除研究:上記の実験プラン(蛍光的に標識されるタンパク質研究セットおよびフローサイトメトリー)を使用して、異なる大きさのクラスの蛍光的に標識された分子は、AAc粒子のタンパク質取り込み特性に対する粒子遠心分離および排除サイズの効果を評価するために、マイクロゲル収穫タンパク質とともにインキュベートされ得る:取り込みは、通常の粒子のタンパク質取り込み特性と比較される。タンパク質は、規定された時間(分〜日)、温度(24〜37C)、および3.0から10のpHの範囲を伴う緩衝液条件についてマイクロゲル粒子とともにインキュベートされ得る。保持プロフィールが、タンパク質の大きさおよび表面特性、ならびに負荷が最適に生じる温度および緩衝液条件に基づいて測定され得る。
【0109】
規定された分子混合物からの標的タンパク質およびポリペプチドの制御された取り込みおよび放出の収率および時間的経過の評価。
【0110】
収穫粒子技術の重要な構成要素は、さらなる研究および測定のための標的タンパク質の制御放出である。粒子によるタンパク質の選択的な取り込みを基に、以下の実施例は粒子の放出特性を研究することに焦点を当てる。
【0111】
大きさおよび/または親和性の特性を有する粒子によるタンパク質の取り込み:
粒子は、粒子中に所与のタンパク質を負荷するための以前に決定された至適な温度、pH、時間、および粒子濃度を使用して、タンパク質研究セットからのタンパク質で負荷され得る。
【0112】
粒子からのタンパク質放出:粒子中に負荷されるタンパク質の放出は、温度変化(孔径の制御)、pH変化(AAc部分の電荷の変化)、粒子の化学的溶解、または粒子の物理的溶解(例えば、超音波処理)を介して達成され得る。負荷された条件の至適な放出条件は、標的分析物の親和性および存在量に依存して決定される。粒子調製物からのタンパク質の放出は、粒子を遠心分離によりペレット化し、そしてゲル電気泳動、質量分析、およびキャピラリー電気泳動を使用して、溶液中のタンパク質の濃度について上清を測定することにより測定される。100%の理論的収率を達成するために、血漿からの分離後に捕獲されたタンパク質を伴う粒子は化学的にまたは物理的に溶解され得ることに注目することは重要である。
【0113】
PrepCellゲル溶出によるタンパク質のサイズクロマトグラフィー分析。粒子から溶出されたタンパク質は、PrepCell技術を使用して分画され得る。血清のような多量の非常に複雑な混合物は、この技術を使用してサイズ個別カテゴリーに分離され得る。例として、100μlの血清が1×SDS−PAGE負荷緩衝液と混合され、10分間煮沸され、そしてPrepCell(Bio−Rad)に負荷される。2時間の電気泳動が行われ、そしてゲルの末端の連続的な流出の下で溶出される。低分子量のタンパク質はより速い時期にゲル外に移行され、そして回収チューブに溶出された。実質的に100%収率が達成され、くっきりとしたサイズ分割を伴った。このような手順からの例示的なゲルについて、図13を参照のこと。この技術は、負荷され、そして実質的にスマート粒子から放出されるタンパク質に適用され得る。溶出された画分は、溶液中、トリプシンで消化され、そして質量分析により配列決定される。
【0114】
ナノフロー逆相液体クロマトグラフィー−タンデムMS(ナノRPLC−MS/MS)およびビオチンフォーマット解析
PrepCellから溶出されたタンパク質は、洗浄剤処理マイクロキットProteoSpin(Norgen、Canada)を通過され得、質量分析解析を妨げ得る溶出緩衝液中のSDSを除去する。洗浄されたタンパク質は10mM DTTにより還元され、50mM ヨウ化アセトアミドによりアルキル化され、そしてトリプシンにより、37℃にて一晩消化される。トリプシンペプチドはさらに、Sep−Pakカートリッジ(Waters)により精製され、そして線状イオン−捕獲質量分析器(LTQ、ThermoElectron))を使用する逆相液体クロマトグラフィーナノスプレイタンデム質量分析により解析される。分離カラムは、レーザーがけん引されたチップを備える100μmi.d.×10cmの長の融合化シリカゲルキャピラリー(Polymicro Technologies)中、5μm、200Å(オングストローム)孔径C18樹脂(Michrom BioResources)でスラリー−パックされる。サンプルの注入後、カラムは移動相A(0.4%酢酸)で5分間洗浄され、そして250ナノリットル/分で30分間、0%移動相B(0.4%酢酸、80%アセトニトリル)から50%移動相Bまでの、次いでさらに5分間、100%Bまでの線状勾配を使用して溶出される。LTQ質量分析器は、データ依存性の態様において操作され、各全MSスキャン後に5つのMS/MSスキャンが続き、ここでは5つの最も豊富な分子イオンが、正規化された35%の衝突エネルギーを使用して、衝突誘導性の解離(CID)について動的に選択される。タンデムな質量スペクトルが、ヒトデータベース(国立バイオテクノロジー情報センターからダウンロードされる)に対して、トリプシン切断拘束を使用してSEQUESTで検索される。正当に同定されると考えられるペプチドについて、これは[M+H]1+について1.5、[M+2H]2+について2.0、[M+3H]3+について2.5の相互相関スコア、ならびに0.001の無作為同定の最大確立を達成しなければならない。生成されるタンパク質のリストは、粒子からのタンパク質の放出を記録するために使用される(16)。
【0115】
キャピラリー電気泳動。キャピラリー電気泳動(CE)は、複雑なサンプルの迅速な分画を可能にする。CEにおいて、キャピラリーはあるpH値で緩衝液である伝導性の液体で充填される。サンプルは、圧力を使用してキャピラリーの一端から導入され、そして高電圧が生じ、大きさおよび電荷に基づく分離を伴う。移行する分子は、光供給源を通過し、これは存在する分子のスペクトルが生成されることを可能にする。CEベースの検出を使用して、粒子は、規定された環境条件(温度など)において特定の粒子により取り込まれることが以前に示されたタンパク質とともに負荷される。負荷に続いて、粒子は水中で洗浄され、続いて遠心分離される(16,100rcf、15分間)。粒子は再懸濁され、そして温度、pH、ならびに化学的および/または物理的破壊を使用して溶出される。CEは放出されたタンパク質を検出するために行われる。このアッセイを行う前に、標的タンパク質のスペクトルプロフィールがCE上で測定される。
【0116】
標準およびヒト血清/血漿を使用する安定化および保存。
【0117】
質量分析ベースの検出を使用して、CE,およびフローサイトメトリーは、参照血清のような異種混合物中に、添加、またはスパイクされた、標的タンパク質分析物の隔離、保存、および制御された放出を実証し得る。
【0118】
マイクロゲル粒子は、参照血清中にそれらがスパイクされる後、酵素分解から標的分析物を保護し得る。
【0119】
粒子負荷を記録するためのフローサイトメトリー研究。マイクロゲル粒子のクラス(様々な架橋剤濃度またはAAc親和性バイト)は、規定された分子量の蛍光標識化タンパク質でスパイクされた血清とともにインキュベートされ得る。至適な負荷条件は、上記のように規定され得る(すなわち、温度、pH、時間)。インキュベーション後、粒子は遠心分離され、そして一回洗浄され、続いて遠心分離される。ペプチド取り込みは、上記のようにフローサイトメトリーを使用して検出される。上記のように、本発明者らは、血清中にスパイクされたFITC標識化ペプチドは、粒子中に非常に高効率に隔離され得ることを実証した。これらの知見は、蛍光的に標識化されたPSA(市販される)およびプロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(PBNP)のような、公知の濃度にて血清中にスパイクされる他の分子を含むように拡大適用され得る。PSAは雌性血清中にスパイクされ得る(0.5〜25ng/mlにわたり、これは健常者からガン保有患者におよぶPSAの臨床的に関連する範囲である)。PBNPは、0.5〜5ng/mlの濃度にて血清中にスパイクされ得る。これらの分子の両方は、それぞれ、前立腺疾患および心疾患を伴う患者について臨床的有意性を有する。これらの分子における臨床目的のために、多くの研究が、日常的な操作条件下でのこれらの分子の安定性に対して行われた(24、25)。これらのスパイクされた分子の取り込みは、上記のようにフローサイトメトリーを使用して記録され得る。
【0120】
粒子からのタンパク質放出(溶出)を記録するための研究。粒子が、血清中にスパイクされたPSAまたはRBNPで負荷され得ることが一旦実証されると、さらなる研究が、標的分析物が粒子から放出され得ることを実証するために行われ得る。至適な溶出条件が、上記のように規定される(すなわち、温度、pH、時間、粒子の物理的および/または化学的破壊)。上記のように、PrepCell技術が、予期される大きさの範囲内に溶出されたタンパク質の画分を単離するために使用され得る。次いで、これらは、ビオチンフォーマット解析と併用してナノフロー逆相液体クロマトグラフィー−タンデムMS(ナノRPLC−MS/MS)を使用して解析される。粒子からの溶離液中の標的分析物、PSAまたはPBNPの存在は、それゆえ、高感度で検出される。PSAまたはPBNP分析物の定量は、市販のELISAフォーマットを使用してタンパク質溶離液を測定することを介して達成され得る。ELISAフォーマットのみが、粒子から溶出された生体マーカーの定量を許容するのではなく、分析物増幅研究が同様に行われ得る。PSAでスパイクされたNIST参照血清は、マクロゲル粒子のあるクラスとともにインキュベートされ得る。負荷に適切な以前に規定された環境条件を使用して、粒子は遠心分離により採集され得、そして残存する血清溶液は除去される。血清参照のさらなるアリコートは、粒子に添加され得る。再度、粒子は血清とともにインキュベートされ得、次いで遠心分離により単離され得る。このサイクルは、負荷プラトーを研究するために「n」回継続され得る。次いで、粒子は溶出または放出の条件(時間、温度、物理的または化学的破壊)で処理され、そして溶離液中に存在するPSAの量が、ELISAを使用する一回の血清曝露と比較される。このタイプの分析物増幅は、キャリアタンパク質が血清中で果たす役割を模倣し、小さな、低量の分析物についての隔離および集積のために部位を提供することによる。この増幅の戦略を通して、技術は、上記の臨床的必要性、すなわち、血清からの低量の疾患マーカーの増幅および単離を満たす。
【0121】
マイクロゲル粒子による公知の血清タンパク質、ポリペプチド、および他の小分子の大きさベースのおよび/または親和性ベースの負荷/放出の実証。重要な臨床的必要性は、重要な生体マーカーをプロテイナーゼによる分解から保護する保存様式の開発である。分子生体マーカーが、マイクロゲル粒子中に見出されるように、マトリクス中に隔離され得る場合、これらは酵素分解プロセスから保護され得る。PSAは、PSA/粒子の対合に至適になるように予め決定された負荷条件を使用して、マイクロゲル粒子の存在を伴ってまたは伴わないで、トリプシンとともにインキュベートされ得る。切断フラグメントの存在は、キャピラリー電気泳動またはナノRPLC−MS/MSのいずれかにより検出され得る。インキュベートされ、そして粒子により内在化されたタンパク質は、タンパク質分解を回避する。PSAでスパイクされたNIST血清参照標準は、保護的なマイクロゲル粒子の存在を伴わずに、さまざまな時間、インキュベートされ得る。全PSA対内因的にまたは外因的に添加されたプロテイナーゼによりフラグメント化されたPSAの相対は、さまざまな濃度および時間について、Bland Altman Plot(24、25)を使用して評価され得る。PBNPは同様に研究され得る。
【0122】
マイクロゲル粒子が、参照血清中の公知のおよび以前に知られない低量のタンパク質およびペプチドを隔離することの実証。
【0123】
AAc親和性バイトを含有する粒子を含む、種々のクラスのマイクロゲル粒子は、水中で1:10希釈された血清とともに、種々の温度、時間、およびさまざまな物理的条件(圧力または超音波)にてインキュベートされ得る。負荷されたタンパク質は、種々の時間、温度を37℃に変化することにより、孔径を顕著に縮小して捕獲され得る。粒子は、未負荷のタンパク質を除去するために37℃にて複数回洗浄され得る。隔離されたタンパク質を溶出するために、粒子は、さまざまな時間、温度、溶媒、および物理的破壊技術を使用して、インキュベートされ得る。粒子および粒子フラグメントは遠心分離によりペレット化され得る。上清、または溶離液は、溶出されたタンパク質をサイズ分画するために、PrepCell装置上で泳動され得る。次いで、分画された溶離液は、ナノRPLC−MS/MSにより解析され得る。タンデムな質量スペクトルが、ヒトデータベース(国立バイオテクノロジー情報センターからダウンロードされる)に対して、トリプシン切断拘束を使用してSEQUEST(16)で検索される。正当に同定されると考えられるペプチドについて、これは[M+H]1+について1.5、[M+2H]2+について2.0、[M+3H]3+について2.5の相互相関スコア、ならびに0.001の無作為同定の最大確立を達成する。配列同一性のセットは分類整理され、そして特定のマイクロゲルアッセイについて使用された負荷および放出条件に対して関連づけられる。
【0124】
(実施例10)
本実施例は、経時的研究における2%粒子によるFITCの取り込みを示す。
【0125】
10μlの容量の2%ヒドロゲル粒子を、90μlのFITC水溶液中に20μMにて希釈した。サンプルを一晩インキュベートし、次いで室温にて、16.1rcfにて、および5分間、遠心分離した。次いでペレットを100μlのMilliQ水中に再懸濁し、そして同じパラメーターを用いて再度遠心分離した。ペレットを1mlの水中に再懸濁し、そして蛍光シグナルをフローサイトメーターにより解析して、FITC取り込みを評価した。
【0126】
以下は、中央値データを報告する棒グラフである。
【0127】
【表3】
【0128】
上述のデータは、粒子のFITCとの、30〜180分の間のインキュベーションが、FITC取り込みの検出において有意な変化を何ら示さないことを実証する。
【参考文献】
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【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】熱応答性粒子は、温度の変化とともに形状を変化する。
【図2】温度に伴う半径の変化。
【図3】粒子はタンパク質分解酵素からの保護を提供する。
【図4】本発明の1つの実施態様の模式図。
【図5】本発明の1つの実施態様の模式図。
【図6】マイクロゲル粒子の光学顕微鏡画像。
【図7】FITCで負荷されたマイクロゲル粒子の蛍光顕微鏡画像。
【図8】FITCおよび標識されたペプチドの、粒子による取り込みを示すフローサイトメトリーデータ。
【図9】血清中にスパイクされたFITCの取り込みを示すフローサイトメトリーデータ。
【図10】粒子により分画される例示的な配列決定されたタンパク質またはタンパク質フラグメント。
【図11】より多くの(a)またはより少ない(b)架橋剤を伴うマトリクス。
【図12】参照タンパク質と、等電点および分子量。
【図13】PrepCellにより分画され、銀染色された低分子量タンパク質。100μlの血清が、PrepCellに負荷された。電気泳動の2時間後、タンパク質はゲルの外部に移行され、そして続いて異なる時間で溶出チャンバーから回収された。レーン1〜5:1/500の溶出タンパク質(0.18μlの原血清に等価)、15、45、60、90、および120分後に回収された;レーン6:0.18μlの原血清;レーン7:タンパク質マーカー。
【関連特許出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2005年9月27日に出願された米国仮出願第60/720,466号、および2006年1月18日に出願された同第60/759,574号からの優先権を主張し、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
プロテオーム生体マーカーの価値および臨床的可能性に興味が高まっている(1)。医学界における通説は、疾患の処置が早いほど、治療成果はより高まるということである(2)。従って、初期の段階の新生物疾患に特異的な生体マーカー試験の、日常的な臨床利用可能性は、現在利用される治療法を使用してさえも、公衆衛生を劇的に改善する大いなる可能性を有する。例えば、臨床ガン専門医は、胸、肺、卵巣、および結腸の、転移前の固形腫瘍の生体マーカー検出が、生存において有意な改善を導き得ると期待する(2)。残念なことに、迅速な臨床的必要性にもかかわらず、過去10年間、組み合わされる全ての疾患カテゴリーについて、ほんの一握りの新規な生体マーカーが、日常的に臨床使用されるようになったのみである(3)。診断研究における多大な努力にもかかわらず、遅延された生体マーカーパイプラインが存続する。この不成功の原因は、生体マーカー開発パイプラインから、臨床的評価を開始するための、生体マーカーの同定および測定にわたる、基本的な技術的および生物学的障害から生じる。これらの主な障害のうちの2つは:
低量:疾患に関連する生体マーカーは、アルブミンのような高量のタンパク質を含む体液タンパク質の複雑な混合物内に、極めて低濃度に存在し得る。
不安定性:血液または他の体液が(例えば、静脈穿刺により)回収される直後に、タンパク質の分解が生じ得、これは内因性または外因性のプロテイナーゼにより媒介される。
【0003】
高感度なおよび特異的な生体マーカーは、非常に低量に存在することが予測される。臨床研究セットにおいて利用可能な少量の血液中に存在する稀有な候補生体マーカーの収率を富化するための新規な方法を開発する多大な必要性がある。候補生体マーカーは、非常に低濃度に存在することが予測され、そしてアルブミンのような10億倍過剰に存在する高量の血液タンパク質から分離されなくてはならない。転移前のガンのような初期の段階の疾患病変は、組織内に0.10mL未満の量で生じ得る。この容量から発生する全ての推定の生体マーカーが、5,000mLの全血液量内に均一に分散されると仮定すると、希釈係数は50,000である。また、疾患に特異的な、大部分の生理学的に関連するタンパク質は、細胞プロテオームの小さな亜群を構成し得ることを合理的に仮定し得る。従って、生体マーカー発見の最大の難関は、非関連タンパク質により大規模に占められる血液タンパク質の非常に濃縮された複雑な混合物内の、非常に稀有な候補タンパク質の単離である。従って、分析感度は生体マーカー発見および測定のための第1の難関である。低量のタンパク質検出の問題は、発見から日常的な測定におよぶ。発見の段階の間、プールされたサンプルを含む、血漿または血清の多容量が、分析のために利用可能であり得るようである。対照的に、一旦候補マーカーが臨床治験に進められると、個々の患者のアッセイに利用可能な血液の量は、1.0mL未満であり得る。これらの要素の全てを考慮して、候補マーカーを測定するために使用される分析基盤は、サブフェムトモルまたはアトモル濃度においてマーカー濃度を確実に検出するのに十分な検出感度を有しなくてはならない。
【0004】
さらに、候補血液生体マーカーは非常に壊れやすい。循環するタンパク質生体マーカーは、血液調達直後に迅速なタンパク質分解的切断および修飾を受ける。分解のレベルは、静脈穿刺直後の回収の様式および保存の状態に依存する。血清の回収について、タンパク質は、凝固カスケードにおける活性な酵素による切断に供される。凝固の間のインキュベーションの時間および温度、ならびに分離された血清のその後の保存の温度に依存して、様々なタンパク質分解フラグメントは非常に可変性であり得る(4)。血漿が回収される場合、凝固酵素活性は抑制されるが、内因性プロテイナーゼがなお活性であり得る。さらに、血漿安定化の手段に依存して(例えば、ヘパリン対クエン酸)、血漿タンパク質の有意な化学的改変があり得る。血漿または血清プロテオミクスマーカーの不確かな安定性は、候補タンパク質生体マーカーの臨床的検証の間に認識される偏向の主な原因であった(5)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施態様において、本発明は:a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含む捕獲−粒子を記載し;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方はさらに、改変された孔隙率を有する架橋された領域を含む。
【0006】
本発明の他の実施態様において、分析物結合部分は、分析物を化学的にまたは静電的に結合および/または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含み得る。さらに、分析物結合部分は、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含み得る。捕獲−粒子はさらに、分析物結合部分に結合される分析物を含み得、当該分析物は:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0007】
他の実施態様において、分子ふるい部分は、内核を取り囲む外殻であり、当該内核は分析物結合部分を含む。さらなる実施態様において、約100μm未満の粒子の平均半径を有する。分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は:ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、N−アルキル置換ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ベンジルグルタミン酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(4−ビニルピリジン)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0008】
他の実施態様において、架橋された領域は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。他の実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、ヒドロゲルを含む。いくつかの実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約2〜約20nmの間の平均孔径を有する。他の実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約100nm未満の平均孔径を有する。
【0009】
他の実施態様において、捕獲−粒子は、物理的または化学的な処理に曝露される場合、結合されたまたは隔離された分析物を放出するか、容量を変化するか、またはその両方である。物理的または化学的な処理は:電荷、静水圧、pHにおける変化、温度における変化、酸性剤、塩基剤、UV、超音波、X線、またはそれらの組み合わせへの曝露を含む。
【0010】
他の実施態様において、捕獲−粒子は、アルブミンの実質的な取り込みを伴わずに1404Daペプチドを取り込む能力を有するか、インスリンを取り込む能力を有するか、またはその両方を有する。
【0011】
他の実施態様において、本発明は:a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含む捕獲−粒子を記載し;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を含む。さらなる実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、クラセリン、ウイルスタンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、高分子炭素、またはそれらの組み合わせを含む。他の実施態様において、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は:強誘電性液晶エラストマー、圧電性高分子、「スマート」ゲル、セラミック合金、シリカ、炭素ナノチューブ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0012】
他の実施態様において、分析物結合部分は、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む。他の実施態様において、分析物結合部分が、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0013】
別の実施態様において、捕獲−粒子は、分析物結合部分に結合される分析物を含み、当該分析物は:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0014】
他の実施態様において、本発明は、サンプルから分析物を単離するための方法であり、分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径の分析物を結合するのに有効な条件下で接触する工程を包含する。他の実施態様において、分子ふるい材料は、物理的または化学的な処理に応じて、容量を拡大し得るか、容量を縮小し得るか、その有効な孔径を変化し得るか、またはその任意の組み合わせであり得る。物理的処理は、エネルギーを適用され得、そして方法はさらに、該分析物が当該材料を浸透することを許容するように当該分子ふるい材料を拡大するために有効である量において、当該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程をさらに包含する。物理的または化学的な処理が、熱、電気、磁性、超音波、圧力、放射、レーザー、浸透圧、pH、または酵素の処理を含み得る。
【0015】
他の実施態様において、本発明の方法はさらに、当該捕獲−粒子の、前記分析物をそこに捕捉するのに有効な孔径を縮小、拡大、または変化するために有効である量において、当該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程を包含する。
【0016】
本発明の他の実施態様において、分子ふるい材料は、適用されるエネルギーに応じて、その有効な孔径を、縮小、拡大、または変化し得る高分子網目から構成される。
【0017】
他の実施態様において、高分子網目は、N−アルキル置換アクリルアミドを含む。他の実施態様において、捕獲−粒子は親和性リガンドをさらに含む。親和性リガンドは、抗体またはタンパク質、アプタマー、核酸、薬物、化学物質、代謝物、脂質、糖脂質、リン脂質、ポリペプチド、親和基、金属基、または任意のその組み合わせを含み得る。
【0018】
他の実施態様において、捕獲−粒子はさらに、検出可能な標識を含む。さらに、捕獲−粒子は、内核および外殻を含み得、ここで当該外殻は分子ふるい材料から構成される。内核は第2の分子ふるい材料および/または親和性リガンドを含み得る。
【0019】
他の実施態様において、方法は、少なくとも2つの異なるクラスの捕獲−粒子の使用を含む。各クラスは、異なる検出可能な標識を含み得る。本発明の他の実施態様において、方法は約100nm未満の大きさの直径である捕獲−粒子を使用する。
【0020】
別の実施態様において、本発明はサンプルから分析物を単離するための方法であり:
分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径および規定された親和性の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含し、ここで当該捕獲−粒子は、規定された粒径または分子量の分析物、および分析物と相互作用し得る親和性リガンドの通過を、排除または許容し得る、分子ふるい材料を含む。
【0021】
他の実施態様において、本発明は、サンプルから分析物を単離するための方法であり:分析物を含むサンプルと、液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含する。
【0022】
他の実施態様において、本発明は、疾患を診断する方法であり:a)分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が規定された分子量、粒径、または規定された親和性の分析物を選択的に結合するのに有効な条件下で、接触する工程、およびb)捕獲粒子に選択的に結合される分析物を同定する工程を包含し、ここでサンプル中の分析物の、同定された濃度での存在は、疾患状態に特徴的である。他の実施態様において、方法はさらに、以下:酵素結合免疫吸着法(ELISA)、分光法、放射性免疫アッセイ(RIA)、マイクロアレイ法、免疫蛍光、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびインサイチュハイブリダイゼーションからなる群より選択される方法を使用して分析物の存在を検出する工程を包含する。
【0023】
別の実施態様は、分析物を保存する方法を記載し:当該分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、当該捕獲−粒子は、a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含み;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える。
【0024】
他の実施態様において、本発明は、疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであり:当該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および当該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え;当該捕獲−粒子は:a)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含み;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む。
【0025】
他の実施態様において、疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであり:当該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および当該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え;当該捕獲−粒子はa)分子ふるい部分;およびb)分析物結合部分を含み;ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
1.生体マーカー富化および保存のためのナノ粒子技術
低量および保存の課題を直接取り組むために、本発明は、血漿のようなタンパク質の複雑な混合物に添加される場合、溶液中の選択されたクラスのタンパク質を採集する(集積する)「スマート」ナノ粒子を作製および評価することを目的とする。提供可能な技術は、大きさおよび/または親和性の両方に基づいて溶液中の分子を分別し得る独特な構造を有する、新規な多孔質採集粒子である。さらに、粒子の孔隙率は、捕獲された分析物(例えば、タンパク質)が分析のために後に放出され得るように熱的に改変可能であり得る(図1)。さらに、粒子内に捕獲されるタンパク質または化学実体は、酵素による分解または微生物増殖から保護され得る。
【0027】
この提案される技術は、血液、尿、および組織中の低量のタンパク質およびペプチドを富化、単離、および保存するための手段の必要性を取り組み得る。このような低量の分子は、小さな病変の状態についての最も特異的な情報を含むことが予期される。1つの実施態様において、提案される技術は、回収チューブに予め調合され得るスマートナノ粒子からなる。一旦ナノ粒子が体液、または例えば、組織溶解物内に懸濁されると、粒子は自動的に(一工程で)溶液中でアフィニティークロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーを行う。それゆえ、スマート粒子内に捕獲されるタンパク質および他の代謝物(候補生体マーカー)は、接着され、隔離され、そして実質的な分解から保護され得る。スマート粒子集団の孔径および親和性の特性を調節することにより、生体マーカーの非常に特異的なサブセットが捕獲され得、そして調達された液の全容量から富化され得る。このことは、低分子量のプロテオーム生体マーカーの室温保存および富化を可能にする。分析実験室への回収チューブの輸送後、ナノ粒子は容易に単離され得、それにより接着された/隔離された生体マーカー物資は、任意の分析技術を使用して、特徴づけのために放出され得る。代替の方法において、生体マーカーはナノ粒子の破壊的な処理を介して入手され得る。
【0028】
この技術は、低費用であり得、そして血液生体マーカーの均一な回収および迅速な保存のための日常的な臨床設定において適用可能であり得る。これは、大きな研究病院の環境を超え、そして個人開業に最も緊急に拡大適用され、ここではほとんどの患者が治療を受ける。大量の均一な1ミクロンの大きさの「スマート」ナノ粒子の製作は、確かに実現可能であるが、他の大きさのより大きなまたはより小さなものもまた可能であり、等しく適用可能である。以下に記載されるように、粒子は、血清のような、分子の複雑な混合物から分子の標識されたサブセットを捕獲、集積、および精製し得る。
【0029】
2.生体マーカー採集のためのスマート粒子の選択についての原理
熱応答性ポリマーゲルは一般に「スマートゲル」といわれ、そして局所的な溶液温度、pH、または外的エネルギー適用の変化に対して制御可能な、非線形的な応答を示す(6、7)。このようなポリマーは、ゲル容量の変化を導く熱動力学的に有利な相分離を受ける架橋された鎖から構成される(8、9)。ゲルは、容器の形状を呈するために大量に合成され得るか、または直径4nm〜100μmにわたる粒子中に合成され得る(10、11)。各場合において、材料の内部構造は、軟質な、多孔質構造を作製する柔軟な鎖から構成され、これは溶液の局所的な状態に従って可逆的に拡大または縮小され得る。「スマート」ポリマーの例は、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(pNIPAm)であり、これは水中で31℃の低臨界溶液温度(LCST)を有する(図2)(12)。この温度以下では、ポリマーマトリクスは、溶媒分子ともに膨張し、ここで水素結合が、ポリマー骨格に沿って水とアミド基との間に生じる(12)。温度がLCSTを超えて上昇するにつれ、水素結合は破壊され、そして水は内部マトリクスから排除され、一方疎水性相互作用がイソプロピル基間で顕著になり始め、全体の容量の減少を導く。この技術は、同定のための生体マーカーを分離するために適用され得る。
【0030】
本発明の1つの局面は、捕獲−粒子の分子ふるい部分を記載するのに対し、別の局面は分析物結合(バイト捕獲)部分に関連する。バイト捕獲と分子ふるいとを単一の粒子中に組あ合わせることは可能である。タンパク質の複雑な混合物を分画する一般的な手段は、親和性および分子の大きさに基づく2つのクラスの連続的なクロマトグラフィー工程を使用することである(14)。血漿のような複雑なおよび非常に濃縮された混合物の分析は通常、サンプルの希釈、ならびにクロマトグラフィーおよびゲル電気泳動の前の、アルブミンのような高量のタンパク質の除去から開始される。本明細書中に開示されるスマート粒子技術は、クロマトグラフィーまたは希釈の使用を伴わずに分離の両方の工程を達成する。より具体的には、付加される選択性は、生体マーカーの制限された集団を結合/隔離する粒子中へのバイト分子の添加を介して可能にされる。例えば、アクリル酸(AAc)は、粒子中に組込まれ得、そして調節可能な親和性樹脂として機能する。例えば、低いpH(3.5)において、粒子内のAAcは、優先的にプロトン化され、そのpHで正電荷を保有する。より高いpH条件下で、AAc分子は、部分的または優先的のいずれかで脱プロトン化され、これは内因性の、正に荷電されたタンパク質についての電荷ベースの親和性エレメントを作製する。マイクロゲルにAAcを組み込むことにより、電荷特性および粒子の孔系の両方が、血清のような複雑な混合物からタンパク質を二重に分画する手段を提供する。
【0031】
本発明の別の局面は、分析物の隔離/結合による保存を扱い、それゆえ、室温にて溶液中の分析物(例えば、候補生体マーカー)を安定化することを許容する。このことは、多孔質ナノ粒子内へのそれらの隔離により達成され得る。ナノ粒子内に隔離されたタンパク質または分子は、液相分解酵素による接近に利用可能でないと仮説される。このような酵素は、それらのより大きな大きさのために粒子の孔を浸透し得ないかもしれない。
【0032】
さらに、候補生体マーカー分子の親和性捕獲および固定化は、酵素基質複合体が粒子内で機能的に形成し得ないように生体マーカー分子の3−D利用能を妨げる(図3)。この概念は、沈降または沈降固定によるタンパク質の安定化にいくらか類似する。キャピラリー電気泳動および分光配列決定を適用することで、本発明者らは、外因性セリンまたはメタロプロテイナーゼにより誘導される分解を研究し得、そして粒子中に捕獲されたタンパク質対溶液中に遊離するそれらの、フラグメント化の速度を比較し得る。公知のおよび予め特徴付けられた、または予め標識された規定された混合物から開始して、本発明者らはヒト血清および血漿参照サンプル内のタンパク質捕獲および安定化を進め得た。
【0033】
3.捕獲−粒子
本発明は、サンプルから分子種を分離および捕獲するための、方法および組成物を提供する。本発明の1つの実施態様において、規定された分子の大きさ、質量、および/または親和性特徴を有する分子種を特異的に捕獲する能力を有するスマート粒子は、様々な大きさを伴う、異なる複数の分子種を典型的に含むサンプルから目的の分子を単離するために使用される。粒子はサンプルに添加され得、次いで目的の分子種を捕獲するために利用され得る。
【0034】
粒子は、1つ以上の以下の機能性を有し得る:a)捕獲される分子の大きさ、質量、および/または親和性特性を選択する能力、ならびに/またはb)物理的または化学的な処理に応じて所望の分子を捕獲および/または放出する能力。粒子は、この課題を微量中で達成し得、親和性カラム、逆相カラム、ならびに他の標準的な精製試薬および装置を利用する従来の多段階の手順についての必要性を排除する。さらに、異なるクラスの捕獲−粒子が使用され得、それぞれは、それらが捕獲し得る分子種に関して異なる特性を有し、従って複数の種の全体的な抽出プロフィールを単一工程において行うことを可能にする。
【0035】
本発明の1つの局面は、液相捕獲−粒子、およびサンプルから分析物を単離するにおいてそれらを使用する方法を提供し、当該方法は、1つ以上の以下を含む工程:分析物を含むサンプルと液相捕獲−粒子とを、当該捕獲−粒子が選択的におよび必要に応じて可逆的に、規定された分子量または粒径の分析物を捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含し、ここで当該捕獲−粒子は、規定された粒径または分子量の分析物を捕捉し得、必要に応じて放出し得る分子ふるい材料を含む。本発明の他の局面は、以下により詳細に記載されるように、不可逆的に分析物を補足する特定の捕獲−粒子を用いる。
【0036】
4.サンプル
任意のサンプルが制限なく利用され得、血液、血液成分、脳脊髄液、リンパ、細胞溶解物、組織溶解物、排泄物、尿、リンパ、腹水、精液、眼の硝子体などのような生物学的液体;土壌サンプルまたは抽出物、海洋、池、もしくは川の水のような環境的サンプル;給水塔および飲料水サンプル;化学合成反応由来のサンプル;食物サンプル;食品加工サンプル(例えば、鶏肉処理工場由来の)などが挙げられる。例えば、方法は、食品、飲料、水、および環境サンプル中の汚染を検出するために使用され得る。
【0037】
5.分析物
用語「分析物」は、目的の任意の分子をいい、有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。分析物は、制限されないが、細胞表面から流れる、細胞から放出される(例えば、エキソサイトーシス、溶解などにより)生体分子、代謝物、分解産物、プロテアーゼ消化産物などを包含する。本発明の1つの局面において、方法は、生物学的液体中の低分子量の分子、特に通常の糸球体(腎臓)濾過により身体から排除され、液体中で可溶性でありおよび浮遊するか、またはキャリアタンパク質と会合される分子(例えば、30,000ダルトン未満の分子)を捕捉することを利用する。概して、本発明は、制限されないが約60,000Da未満、約50,000Da未満、約40,000Da未満、約30,000Da未満、約20,000Da未満、約10,000Da未満、約8,000Da未満、約6,000Da未満、約4,000Da未満、約2,000Da未満、約1,000Da未満を含む、その検出が所望される目的の任意の分析物を捕獲するために使用され得、各記載された範囲内の全ての個々の値を含む。
【0038】
体液に関して、本発明の捕獲−粒子はまた、外因性分子、すなわち、サンプルが得られた被験体の身体に導入された分子を検出するために使用され得る。外因性分子は、被験体に積極的にまたは受動的に導入され得る。外因性分子の例としては、薬物、食品、タバコ、環境的産物、および汚染物(例えば、農薬、一酸化炭素など)、および任意の経路を介して被験体に入る本質的に任意の分子中に存在する、またはその形態における分子が挙げられる。外因性分子はまた、身体中でプロセスまたは転換される場合、それらの代謝物、副生成物、および分解産物を包含する。
【0039】
捕獲粒子は、インビボ、エクスビボ、およびインビトロを含む任意の環境において利用され得る。例えば、粒子はまた、インビボまたはエクスビボの情況において血液から毒素を清浄する道具として使用され得る。例えば、粒子は、血液からクレアチニンおよび尿素のような毒性の老廃物を除去するために利用され得、従来の透析についての必要性を置き換える。
【0040】
6.分子ふるい材料
本発明の捕獲−粒子は、分子ふるい材料(または分子ふるい部分)から構成され得る。これにより、材料は、多孔質、レタス様、ハチの巣状であるか、または規定された分子の質量または重さの分析物の、他の分子を排除しながらの通過を許容する。ふるい孔の大きさは、分析物が捕獲−粒子を浸透し得るか否かの決定因子である。粒子は、それ自体、任意の適切な大きさ、例えば、約10μm、約10μmと約1μmとの間、約1μmと約100nmとの間、約1nmと約100nmとの間、約5nmと約50nmとの間;約10nmと約20nmとの間;約10nmと約1nmとの間であり得、各記載される範囲内の全ての個々の値を含む。
【0041】
ふるい材料中の孔は、所望されない分子の排除に必要な直径に対して、提供される方法に基づいて設計され得る。約2〜約20nm、1nm〜1μm、1nm〜10nm、1nm〜50nm、10nm〜50nm、50nm〜100nm、10nm〜200nm、50nm〜500nm、1nm〜10nm、1nm〜5nm、および他の範囲の平均孔径が想定される。
【0042】
捕獲−粒子の必要に応じた特徴は、一旦分析物がふるい材料に入ると、これを「捕捉する」その能力である。捕捉することは、物理的または化学的な処理に応じて縮小および/または拡大し得るふるい材料を使用することにより達成され得る。例えば、材料は、化学的または物理的処理に供される場合、分析物を縮小あるいは縮ませ、それにより分析物を内部に捕捉する材料が使用され得る。このような材料はまた、「スマート材料」といわれ得、これは物理的または化学的な処理に供することにより、形状および大きさを変化する能力を有する。この特性を有する任意の材料が制限なく使用され得、例えば、ポリアクリルアミドおよびその誘導体(例えば、JonesおよびLyon、Macromolecules、36:1988〜1993、2003;JonesおよびLyon、Macromolecules、33:8310〜8306、2000)および他のN−アルキル置換アクリルアミド;ポリ(N−ビニルアルキルアミド);ポリ(メタクリル酸);ポリ(ベンジルグルタメート);ポリ(2−エチルアクリル酸);ポリ(4−ビニルピリジン);強誘電性液晶エラストマー;圧電性ポリマー;「スマート」ゲル、セラミクス、合金、およびポリマーなどが挙げられるが、これらに制限されない。例えば、Galaevら、835〜849頁;Zentel;850〜860頁;HarrisonおよびOunaies、860〜873頁;Encyclopedia of Smart Materialsにおいて、第1〜2巻、Schwartz、Melによる編集(c)2002 John Wiley & Sonsをまた参照のこと。捕獲−粒子は当該分野において知られるように、または上記の参考文献のいずれかにおいて記載されるように、日常的に調製され得る。
【0043】
本発明の1つの実施態様において、捕獲−粒子はポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)構成要素を何ら含まない。さらに、この実施態様における捕獲粒子はまた、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−コ−アクリル酸)を排除する。
【0044】
a.ふるい材料の物理的または化学的な処理
ふるい材料を縮小および/または拡大するために利用され得る物理的および/または化学的な処理は、熱、電気、磁性、超音波、圧力、放射、光線、浸透圧、pH、塩、酵素、酸化/還元、脱水/再水和、紫外線、照射、強い赤色光の処理を含み得る。
【0045】
ふるい材料は、可逆的にまたは不可逆的に縮小あるいは縮み得る。例えば、捕獲−粒子は溶液中に置かれ得、ここでは分析物は浸透され得、次いで分析物を捕獲するために不可逆的に縮み得る。このことは、目的が溶液から混入物を取り除くことである場合に有用であり得、そして捕獲された分析物の性質を分析する、またはさらに評価する必要がなく、従ってこれが拡大されることを要求しない。あるいは、不可逆的な捕獲−粒子は、粒子の完全性を破壊する超音波または他の破壊的な力により分解され得る。
【0046】
1つの実施態様において、捕獲−粒子は分析物の捕獲および/または隔離を許容するために拡大および縮小し得る。
【0047】
別の実施態様において、捕獲−粒子は、分析物の取り込みを増加または減少し得る任意の有意な程度に拡大または縮小されない。すなわち、粒子の容量が実質的に固定される。このような捕獲粒子の例としてはウイルスタンパク質、クラセリン(Clatherin)、炭素ナノチューブ、または以前に記載される拡大/縮小を許容しない種を含む粒子が挙げられる。クラセリンからの多角形の構造の調製を説明する例は、本明細書中に参考として援用される、Jaarsveldら、Biochemistry 1981、20、4129〜4135において記載される。
【0048】
7.分析物結合(親和性)部分
捕獲粒子は、選択的な分析物結合のために表面タンパク質特性を含み得るか、および/またはこのような結合特性を付与する部分の付着により改変され得る。
【0049】
捕獲−粒子はさらに、分析物を結合する、親和性リガンドあるいは「バイト」を含み得る。このような用語は、目的の分析物を特異的に付着し得る物質を言及し得る。典型的な例としては、抗体およびそれらの誘導体(例えば、Fabフラグメントおよび単鎖抗体);結合タンパク質(例えば、特異的なリガンドについての受容体またはそれらのフラグメント);結合対(例えば、ストレプトアビジン/ビオチン);基質;金属;キレート化剤;核酸;アプタマー;酵素結合ポケット;レクチン;および/または目的の分析物に特異的である親和性基が挙げられるが、これらに制限されない。用語「特異的」は、親和性リガンドが、サンプル中の目的の分析物を選択的に結合し、非標的分析物からそれを区別するために使用され得る。これが背景ノイズ(「非特異的結合」)を上回る分析物を検出するために使用され得るという意味において、これは特異的である。親和性リガンドは、これが、サンプル中の他の成分よりも、目的の分析物について高い親和性を有するように選択され得、分析物について、任意のネイティブな結合タンパク質と競合しないことを可能にする。
【0050】
親和性リガンドは、任意の適切な様式において、捕獲−粒子と会合され得る。例えば、それらは、その周りで捕獲−粒子を形成するためにふるい材料が重層または沈着/核形成され得る核として使用され得;それらは、粒子を形成する前にふるい材料に直接的に
取り込まれ得(すなわち、ここではリガンドは、ふるい材料の成分である);それらはふるい材料の孔表面に通常結合され得る(共有結合的にまたは非共有結合的に);などである。親和性リガンドはまた、リガンドを収容するのに十分大きい孔隙率を達成するために適切な物理的または化学的な処理を介してふるい材料を拡大し、次いでこれが粒子中に入るのに有効な条件下でふるい材料とリガンドとを接触することにより、捕獲粒子中に負荷され得る。一旦粒子が親和性リガンドとともに負荷されると、これは、適切な物理的または化学的な処理により縮められ得、それによりふるい材料の孔隙率を減少し、そのため標的分析物はなお粒子を浸透し得るが、より大きな分析物は排除される。ふるい孔隙率は、親和性リガンド負荷工程の後に、親和性リガンドの分散をブロックするのに十分に小さい孔径に減少され得、親和性リガンドをふるい材料に連結することを不必要にする。しかし、所望であれば、結合プロセスが、これをふるい材料に連結するために使用され得る。
【0051】
親和性リガンドでバイトされた捕獲−粒子は、分析物の大きさまたは質量についての選択に加えて、分析物選択工程を提供する。例えば、捕獲−粒子は、分析物がその中に浸透することを可能にするために拡大され得、次いで分析物はさらに、捕獲−粒子と会合される親和性リガンドに特異的に結合するその能力により選択され得る。結合工程が達成された後(例えば、平衡が達成された後)、粒子は、分離され、そして未結合の非標的分析物を除去するための洗浄工程に供され、次いで必要に応じて化学的または物理的な処理により縮められる。
【0052】
捕獲−粒子はまた、親和性部分として抗体をさらに含み得る。他の候補親和性部分としては、可溶性受容体、ポリアミンアナログ、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAiポリヌクレオチド、リボザイムなどが挙げられる。抗体および可溶性の受容体は、それらが目的の分析物を標的する親和性の部分として特に興味深い。
【0053】
i.抗体
親和性部分としては、抗体および分析物を特異的に結合するそれらの機能的等価物が挙げられる。「免疫グロブリン」および「抗体」は、交換可能におよびそれらの最も広い意味において、本明細書中で使用される。従って、それらは、無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無傷の抗体から構成される多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および抗体フラグメントを、それらが所望の生物学的活性を示す限り包含する。
【0054】
抗体の重鎖および軽鎖の可変領域は、同種の抗体の特定のエピトープを認識するか、またはそれに結合する。用語「エピトープ」は、免疫グロブリンの可変領域を結合する抗原上の特異的な結合部位または抗原決定子をいうために使用される。エピトープは、線状、すなわち、アミノ酸残基の配列、免疫グロブリンが3−D構造を認識するような配座、またはそれらの組み合わせから構成され得る。
【0055】
ii.モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体
本発明の免疫グロブリンは、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、および当該分野において周知の任意の方法により生成され得る。
【0056】
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連の抗原およびアジュバントの複数の皮下(sc)、腹腔内(ip)、または筋肉内(im)注射により動物に若起される。免疫される種において免疫原性であるタンパク質に関連の抗原を結合させることは有用であり得る。さらに、ミョウバンのような凝集剤が、免疫応答を増強するために適切に使用される。
【0057】
用語「モノクローナル抗体」は、実質的に相同な抗体の集団から得られる抗体をいう。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して指向される。さらに、異なる決定子に対して指向される異なる抗体を、典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、このようなモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定子に対して指向される。
【0058】
それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが他の免疫グロブリンにより未汚染でありながら、合成され得るという点で有利である。例えば、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法によりまたは組換えDNA法により生成され得る。モノクローナル抗体はまた、ファージ抗体ライブラリーから単離され得る。
【0059】
iii.抗体フラグメント
「抗体フラグメント」は、無傷の抗体の部分、好ましくはその抗原結合領域または可変領域を含む。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、二重特異性抗体の最小単位(diabody)、線状抗体、単鎖抗体分子、および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。
【0060】
種々の技術が、抗体フラグメントの生成のために開発されている。伝統的に、これらのフラグメントは目的の抗体のタンパク質分解を介して得られる。当該分野において周知である2つの分解方法論としては、パパイン分解およびペプシン処理が挙げられる。抗体フラグメントは現在さらに、組換え宿主細胞により直接的に生成され得る。
【0061】
iv.二重特異性抗体
本発明の二重特異性抗体は、2つの抗原結合部位を伴う小さな抗体フラグメントである、各フラグメントは、同じポリペプチド鎖内に軽鎖可変ドメインに連結された重鎖可変ドメインを含む。短かすぎて同じ鎖状の2つのドメイン間での対合を許容しないリンカーを使用することにより、ドメインは、別の鎖の相補的なドメインと対合することを余儀なくされ、そして2つの抗原結合部位を作製する。
【0062】
二重特異性抗体を作製するための方法は、当該分野において周知である。完全長の二重特異性抗体の伝統的な生成は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づき、ここでは2つの鎖は異なる特異性を有する。しかし、二重特異性抗体はまた、ロイシンジッパーを使用して生成され得る。
【0063】
捕獲−粒子はまた、検出可能な標識をさらに含み得る。用語「検出可能な標識」により、任意の手段により検出され得る任意の部分または物質が意味される。これらとしては、量子ドット、蛍光標識、酵素、磁性粒子などが挙げられる。検出可能な標識は、捕獲−粒子の任意の領域と会合され得、その孔および外部表面を包含する。検出可能な標識は、多くの方法において有用であり、異なるクラスの捕獲−粒子を分別するための方法を包含する。例えば、異なるクラスの捕獲−粒子が生成され得、ここでは各クラスは異なる特性を保有し(例えば、異なる孔径および/または異なる親和性リガンド)、そしてそれぞれは、各クラスの粒子と会合される、異なる検出可能な標識を保有する。このことは、粒子のクラスの特性(例えば、特異的な抗原に結合し得る)が、それが保持する検出可能な標識を決定することにより同定されることを可能にする。例えば、PSAについての単鎖抗体を伴う粒子は、FITCで標識され得、[α]−メチルアシル−CoAラセマーゼ(AMACR)についての抗体を含有する粒子が、TRITCで標識され得る。捕捉工程を行った後、粒子は、蛍光活性化セルソーティングを使用してフローサイトメトリーにより分別され得、AMACRを含有する粒子からHAを含有する粒子を分離する。
【0064】
8.精製法
本発明の捕獲粒子は、サンプルから目的の分析物を単離するための精製プロトコルにおいて使用され得る。上記のように、捕獲粒子は、大きさおよび親和性に基づく分析物の精製を許容し、そして本発明は、目的の分析物を保存および研究するために、サンプルからの目的の分析物の迅速な単離を許容する。これらの分析物は、サンプル中の酵素または他の分子からの分解を防止するために、捕獲粒子中に保存される。
【0065】
9.診断法
本発明はまた、規定された分子量、粒径、または規定された親和性の分析物を、捕獲−粒子が選択的に結合するために有効な条件下で、分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを接触し、次いで捕獲粒子に選択的に結合される分析物を同定することにより、疾患を診断する方法を包含する。同定された濃度でのサンプル中の分生物の存在は、疾患状態の特徴である。分析物の存在を検出することは、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、分光法、放射性免疫アッセイ(RIA)、マイクロアレイ法、免疫蛍光、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびインサイチュハイブリダイゼーションのような当業者に周知の方法を使用して行われ得た。
【0066】
10.キット
あるキットの実施態様において、捕獲粒子は、精製および診断の方法における使用に適切な形態において提供される。キットは一般に、捕獲粒子、ならびに説明書、および精製または診断の方法を行うために必要な物質を提供する。これらのキットは、サンプルを保存する医療機関における医師による、または血清分析物の精製および単離を開始するその他の人による使用について想定される。
【0067】
上述で引用された全ての刊行物の開示は、それぞれが個別に参考として援用されるのと同じ程度に、それらの全体が本明細書中に参考として明らかに援用される。
【0068】
いくつかの実施態様において、捕獲−粒子は分子ふるい部分および分析物結合部分を含み、ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施態様において、捕獲粒子は、分子ふるい部分および分析物結合部分を含み、ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きな分子を排除するのに十分な孔の寸法を含む。
【0070】
1つの実施態様において、当該分析物結合部分は、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む。従って、分析物は捕獲−粒子内の領域に効果的に保持される。分析物と分析物結合領域との間の力は、共有結合、ファンデルワールス力、疎水性−疎水性、水素結合、親水性の引力、イオン性の引力、またはそれらの任意の組み合わせの力であり得る。
【0071】
別の実施態様において、捕獲粒子は、約2と約20ナノメートルとの間の孔径を含み、その間の全ての個々の値を伴う。
【0072】
別の実施態様において、捕獲粒子は、約100nm未満の孔径を含み、この範囲内の全ての個々の値を含む。
【0073】
別の実施態様において、捕獲粒子は、約60kDaよりも大きい大きさを有する分子を排除するようにされた孔径を含む。
【0074】
別の実施態様において、捕獲粒子は、アルブミンを排除するようにされた孔径を含む。
【0075】
別の実施態様において、捕獲粒子は、アルブミンを排除する一方で1404Daの大きさの分子、約60kDaよりも大きな大きさを有する分子、またはその両方の浸透を許容するのに十分な大きさにされた孔を含む。
【0076】
本明細書中に記載される例は、本発明の例証であり、それらに制限されることは意図されない。本発明の異なる実施態様が、本発明に従って記載されてきた。多くの改変および変化が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載および説明される技術に対してなされ得る。従って、実施例は例証のみであり、そして本発明の範囲を制限しない。
【実施例】
【0077】
(実施例1)
スマートナノ粒子の合成および特徴づけ
「スマートポリマー」マイクロゲル粒子の製作、およびタンパク質および他の小分子の、それらの選択的な取り込みの試験が以下に記載される。
【0078】
粒子を、N−イソプロピルアクリルアミド(NIP Am)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)モノマー(例示的な方法について、実施例8)を使用して合成した。溶液に添加された架橋剤(Bis)の量は機能的な孔隙率を影響するので、2つの異なる濃度の架橋剤(2%または5%のいずれか)を使用して、マイクロゲルを作製した。2%および5%マイクロゲルの大きなバッチを合成した(それぞれ20グラムよりも大きい)。ゲルマトリクス内に電荷ベースの親和性バイトを伴う粒子を作製するために、マイクロゲル粒子をNIP Am、BIS、およびアクリル酸(AAc)を使用して作製した。粒子内へのアクリル酸の取り込みは、pH調節可能な親和性部分を提供する。例えば、低いpH(3.5)にて、AAcは優先的にプロトン化されるが、より高いpH条件下で、AAc部分は部分的にまたは優先的にのいずれかで脱プロトン化され、これは粒子内に含まれる内因性の、電荷ベースの親和性エレメントを作製する。
【0079】
(実施例2)
合成された粒子の顕微鏡評価
粒子は、光学顕微鏡を使用して試験され、そして単分散の均一な集団(直径:1ミクロン)を示す(図6)。粒子とFITEとのインキュベーション、および蛍光顕微鏡を使用する可視化は、粒子による色素の内在化、および粒子の均一な集団を示した(図7)。
【0080】
(実施例3)
大きさによる分子隔離
粒子の分子排除特性を調査するために、2%架橋剤濃度を使用して作製された粒子を、3つの分子種:FITC(MW389)、小分子(アンジオテンシンII[MW1404])に連結されたフルオレセイン、およびアルブミン(MW66000)に連結されたFITCとともにインキュベートした。3つのタイプの分子の溶液中での分離を行った。3つの蛍光分子のそれぞれについて(以下を参照のこと)、0.2mLの精製マイクロゲルを1.5mL遠心分離チューブ中に置いた。これに対して、0.015mLのFITC、FITC−アルブミン、またはフルオレセイン−ペプチド(発光される蛍光シグナル強度に対して正規化される)を添加し、そしてボルテックス上で穏やかに混合した。各サンプルをさらなる調査の直前に1.215mLに希釈した。粒子による蛍光の取り込みを、FACScan(Becton Dickinson)を使用して測定した。2%粒子の取り込みについての蛍光色素の代表的なヒストグラムが図8において示される。これらの実験は、小さなFITC分子は粒子中に容易に移行されることを示す。蛍光標識されたペプチドはまた粒子中に移行されるが、FITCに比較される場合、小さな強度のシグナル移行を伴い、粒子が大きさ媒介性の選択性を有することを示す。FITC標識化ペプチドおよびフルオレセイン標識化ペプチドの両方について、内在化のレベルは、粒子の5%架橋剤集団におけるよりも、2%架橋剤集団において高かった(データ示さず)。このことは、より高度に架橋された粒子集団内のより小さなナノ孔径の大きさで一貫する。2%および5%の集団の両方において、アルブミンは排除された。アルブミンが粒子から排除されるという知見は、スマート粒子プログラムの目標が、アルブミンのような非常に豊富な常在タンパク質から、候補の低量の生体分子を隔離および集積する粒子を作製することであるので、重要な開始工程である。
【0081】
(実施例4)
異種タンパク質混合物からのペプチドの隔離
異種混合物から小分子を単離するために粒子が使用され得たか否かを決定するために、
2%架橋剤を伴って作製された粒子を、水中で1:10に希釈した血清とともにインキュベートし、そして上記のフルオレセイン−ペプチドでスパイクした。インキュベーション後、ペプチドを洗浄し、そして取り込まれたペプチドを、フローサイトメトリーを使用して検出した。結果は図9において示される。顕著なことに、粒子は、通常の粒子、またはスパイクされたペプチドを伴わない異種タンパク質混合物とともにインキュベートされた粒子と比較した場合、蛍光強度において顕著な遷移を示した。この実験は、粒子の隔離特性の実証を提供する。
【0082】
(実施例5)
熱応答性粒子を使用する血清の分画化
2%架橋剤のナノ粒子ふるいを、水中で1:10に希釈した血清とともにインキュベートした。血清を、24℃にて(孔が最大に拡大される温度)、30分間インキュベートした。次いで、粒子/血清混合物を、粒子の孔径を縮小し、そして粒子内に分子を捕獲するために、37℃の環境に15分間置いた。次いで、粒子を15分間37℃にて遠心分離した。上清(未捕獲のタンパク質)をSDS−PAGE解析のために保存した。粒子を水で2回、15分間、37℃で洗浄し、続いて37℃にて遠心分離した。隔離されたタンパク質を溶出するために、粒子を15分間24℃にてインキュベートし、これは孔をより広く開け、続いて24℃にて遠心分離した。上清、または溶離液を回収し、そしてSDS−PAGEゲル上で泳動した。ゲルは、粒子による血清タンパク質の有意な分画を実証した。この技術を介して分画された分子を同定するために、ゲル切片をゲルから切り出し、そしてエレクトロスプレイイオン化質量分析を使用して解析した。タンデムな質量スペクトルをヒトデータベース(国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)からダウンロードした)に対して、トリプシン切断拘束を使用してSEQUEST(16)で検索した。正当に同定されると考えられるペプチドについて、これは[M+H]1+について1.5、[M+2H]2+について2.0、[M+3H]3+について2.5の相互相関スコア、ならびに0.001の無作為同定の最大確立を達成しなければならなかった。2%粒子から放出された60,000Daを下回る分子のサブセットは、図10において列挙される。これらの配列は、血清タンパク質の採集のために、これらの分子採集粒子を使用する可能性を実証する。
【0083】
(実施例6)
本実施例は、2%粒子によるFITCの用量依存性の取り込みを示す。
【0084】
10μlの容量の2%ヒドロゲル粒子を、90μlのFITC水溶液中に、異なる濃度(すなわち、0、0.2、1、5、20、100、500μM)で希釈した。サンプルを一晩インキュベートし、次いで室温にて、16.1rcfにて、および5分間、遠心分離した。次いでペレットを100μlのMilliQ水中に再懸濁し、そして同じパラメーターで再度遠心分離した。ペレットを1mlの水中に再懸濁し、そして蛍光シグナルをフローサイトメーターにより解析してFITC取り込みを評価した。
【0085】
以下は、以下の各FITC濃度についての蛍光シグナルの平均を報告する棒グラフである。
【0086】
【表1】
【0087】
上述のデータは、粒子によるFITCの用量依存性の取り込みを実証する。
【0088】
(実施例7)
本実施例は、2%粒子によるインスリン−フルオレセインまたはFITCの取り込みを示す。
【0089】
10μlの容量の2%ヒドロゲル粒子を、FITCまたはインスリン−フルオレセインのいずれかとともに、90μlの水溶液中に希釈した。サンプルを一晩インキュベートし、次いで室温にて、16.1rcfにて、および5分間、遠心分離した。次いでペレットを100μlのMilliQ水中に再懸濁し、そして同じパラメーターで再度遠心分離した。ペレットを1mlの水中に再懸濁し、そして蛍光シグナルをフローサイトメーターにより解析して、FITC取り込みを評価した。
【0090】
以下の棒グラフは、各サンプルについての蛍光シグナルの中央値を示す。
【0091】
コントロール:さらなる蛍光分子をなんら有しない粒子
【0092】
【表2】
【0093】
上述のデータは、インスリン(約6kDa)およびFITC(1kDa未満)の用量依存性の取り込みを実証する。
【0094】
(実施例8)
「スマートポリマー」採集粒子技術の製作。
【0095】
界面活性剤非含有沈殿重合により、N−イソプロピルアクリルアミド(NIP Am)およびN,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)を取り込むミクロンの大きさのマイクロゲルが調製され得る。BISは架橋剤として使用される。さらに、アクリル酸(AAc)を含有する粒子の調製は、電荷ベースの親和性バイトを粒子中に取り込むために製作され得る。
【0096】
化学物質。N−イソプロピルアクリルアミド(NIP Am)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、過硫酸アンモニウム(APS)、アクリル酸(AAc)は、Sigmaから購入され得る。反応、洗浄、および負荷のための水は、Millipore Milli−Q水精製系で、18MΩの耐性に精製され得、そして0.2μmフィルターを通過される。
【0097】
一連の分子量排除クラス:50kDa未満、20kDa未満、および5kDa未満を伴うハイドロゲルふるいナノ粒子の合成および特徴づけ。
【0098】
マイクロゲルは、以前に報告されるように(12)、水中での沈殿重合を介して合成され得る。全モノマー濃度(NIP AmおよびBIS)は、0.3Mである。BIS:NIP Amモノマー比は、得られる網密度、従って平均孔径を決定する。粒子は、重合化の間、種々の量の架橋剤を使用して作製され得、粒子の孔径を変化するために2%および5%の総濃度の架橋剤を含む。図11を参照のこと。モノマーは、コンデンサーおよび温度計が装備された丸底の150mL 3つ口フラスコの内部で、中程度の攪拌速度(磁性攪拌器)にて100mLの水中に十分に溶解される。溶液は70℃を超えて。1時間、窒素流の下で加熱される。安定な最大攪拌速度が達成され、そして重合化が6mM APSの1.0mL溶液を用いて開始される。反応は、窒素下、3時間進行することが許容される。室温への一晩の冷却後、マイクロゲル溶液の0.5mLアリコートは、個々の1.5mL容量の遠心チューブに置かれ、そして1.0mLの水で希釈される。次いで、サンプルはEppendorf 5415R遠心分離を使用して、20分間、23℃および16,100rcfで遠心分離される。上清は移され、そしてマイクロゲルは水中に、再度1.5mLの容量に再分散される。このプロセスは、合計5回の濃縮/再分散工程について反復される。均一性および大きさの範囲は、光学顕微鏡、および蛍光顕微鏡の可視化を伴う蛍光色素の取り込みを使用して評価される。フローサイトメトリーはまた、市販の蛍光標識される識別粒子の、標準としての使用を介して、相対的な大きさが割り当てられることを可能にする。
【0099】
親和性バイトを含有するナノ粒子ふるいの合成および特徴づけ。
【0100】
調節可能な親和性部分を粒子マトリクス内に有するポリ(NIP Am−co−AAc)マイクロゲル粒子が製作され得る。例示的な反応として、NIP Am(1.3g)、BIS(0.10)g、およびAAc(0.072g)が、150mLのH2O中に溶解され得る。APSは、上記のように開始剤として使用される。粒子中へのAAcの取り込みとともに、荷電された化学エレメントは粒子の構造の部分である。例えば、低いpH(3.5)にて、AAcは優先的にプロトン化され、より高いpH条件にて、AAc分子は部分的にまたは優先的のいずれかで脱プロトン化され、これは粒子内に含まれる内因性の、電荷ベースの親和性エレメントを作製する。
【0101】
(実施例9)
収穫粒子技術を使用する、規定された分子混合物からのタンパク質の特異的な精製および単離。
【0102】
粒子が溶液中で自動的に(一工程において)サイズ排除クロマトグラフィーおよび/または親和性クロマトグラフィーを行う能力は、達成可能である。粒子集団の孔径および親和性特性を調節することにより、タンパク質の非常に特異的なサブセットが、タンパク質混合物から捕獲され、そして富化される。これらの研究のためのプロテオーム道具キットとしては、キャピラリー電気泳動、フローサイトメトリー、PrepCellゲル溶出による低分子タンパク質のサイズクロマトグラフィー分離、ゲル電気泳動、およびナノフロー逆相液体クロマトグラフィー−タンデムMS(nanoRPLC−MS/MS)が挙げられる。
【0103】
粒子によるサイズベースの分子取り込みの実証。
【0104】
タンパク質研究セットの構築。重要な最初の工程は、異なる物理化学的特性を伴うタンパク質試薬のパネルをアセンブリすること、およびタンパク質サブセットについての粒子調製物の選択性を試験するためにそれらを使用することである。図12は、6000Da〜45,000Daから選択されるタンパク質(ならびにアルブミン)を用いた、このような例示的パネルを示す。これらのタンパク質は様々な等電点を有し、これは所与のpHにて様々な荷電状態を提供する。この参照セットは、規定された合成および天然のペプチド、例えばアンジオテンシンおよびPro−B−型ナトリウム利尿ペプチドが補充され得る。
【0105】
研究セットタンパク質の標識化:研究セットからのタンパク質は、フルオレセインおよびローダミンのような蛍光色素で標識され得る。それらは市販の供給源から購入され得るか、または標準的な結合技術を使用して、実験室内で結合され得る。タンパク質の蛍光修飾の程度が測定および正規化され得る。上記のように、蛍光的に標識されたアンジオテンシンペプチドおよびアルブミンは、フローサイトメトリーを使用する研究を実現可能にするために作製および適用されている。
【0106】
タンパク質の取り込み/排除の研究:蛍光的に標識された、異なる大きさの分子は、2つの異なる粒子集団:2%架橋粒子(より大きな孔径)および5%架橋粒子(より小さな孔径)のタンパク質取り込み特性を理解するために、マイクロゲル収穫粒子とともにインキュベートされ得る。粒子は、フローサイトメトリー系について検出可能な大きさの範囲である。このことは、ローダミンまたはフルオレセインのような色素で標識されたタンパク質が粒子と関連して検出され得る系を提供する。アルブミンよりも小さな蛍光的に標識された分子の取り込みを示す一方、粒子からの、蛍光的に標識されるアルブミンの排除を実証し得る。架橋濃度は、参照セットを使用して、以下のカテゴリーa)<50kDa、b)<20kDa、およびc)<5kDaにおけるサイズ排除を達成するために漸増され得る。簡潔には、蛍光的に標識されたタンパク質のモル等価物は、規定された時間(分〜日)、温度(24〜37C)、および緩衝液条件(水性[酸性、塩基性、生理学的pH]および有機溶媒)について、マイクロゲル粒子とともにインキュベートされ得る。粒子孔径の温度およびpH依存性は、それらを、注意深く制御された環境条件を必要とする動的構造にする。次いで積載された粒子は、温度制御遠心分離により上清から分離され得る(Eppendorf温度制御マイクロ遠心、16,100rcf)。次いで、粒子は水中で洗浄され得、続いて再度、温度制御遠心分離が行われる。次いで、粒子による標的タンパク質の取り込みが、Becton Dickinson FACScan Cytometerを使用する、フローサイトメトリーにより実証される。保持プロフィールが、タンパク質の大きさおよび表面特性、ならびに負荷が最適に生じる温度および緩衝液条件に基づいて測定される。至適な「取り込み」温度が同定され得、その温度で標的タンパク質は、粒子により最も効果的に隔離される。
【0107】
粒子による親和性ベースの分子取り込みの実証。さらなる識別特徴、すなわちアクリル酸(AAc)荷電親和性部分は、3つの標的サイズ排除クラス内で粒子中に取り込まれ得る。AAcを使用して、粒子バイトの荷電状態は、それらが懸濁される溶液のpHに基づいて調節され得る。より低いpH(3.5)にて、AAc部分は優先的にプロトン化される。他方、より高いpH条件にて、AAc分子は、部分的にまたは優先的のいずれかで、脱プロトン化され、これは、溶媒条件に基づいて調節される粒子内に含まれる、内因性の、電荷ベースの親和性エレメントを作製する。
【0108】
タンパク質の取り込み/排除研究:上記の実験プラン(蛍光的に標識されるタンパク質研究セットおよびフローサイトメトリー)を使用して、異なる大きさのクラスの蛍光的に標識された分子は、AAc粒子のタンパク質取り込み特性に対する粒子遠心分離および排除サイズの効果を評価するために、マイクロゲル収穫タンパク質とともにインキュベートされ得る:取り込みは、通常の粒子のタンパク質取り込み特性と比較される。タンパク質は、規定された時間(分〜日)、温度(24〜37C)、および3.0から10のpHの範囲を伴う緩衝液条件についてマイクロゲル粒子とともにインキュベートされ得る。保持プロフィールが、タンパク質の大きさおよび表面特性、ならびに負荷が最適に生じる温度および緩衝液条件に基づいて測定され得る。
【0109】
規定された分子混合物からの標的タンパク質およびポリペプチドの制御された取り込みおよび放出の収率および時間的経過の評価。
【0110】
収穫粒子技術の重要な構成要素は、さらなる研究および測定のための標的タンパク質の制御放出である。粒子によるタンパク質の選択的な取り込みを基に、以下の実施例は粒子の放出特性を研究することに焦点を当てる。
【0111】
大きさおよび/または親和性の特性を有する粒子によるタンパク質の取り込み:
粒子は、粒子中に所与のタンパク質を負荷するための以前に決定された至適な温度、pH、時間、および粒子濃度を使用して、タンパク質研究セットからのタンパク質で負荷され得る。
【0112】
粒子からのタンパク質放出:粒子中に負荷されるタンパク質の放出は、温度変化(孔径の制御)、pH変化(AAc部分の電荷の変化)、粒子の化学的溶解、または粒子の物理的溶解(例えば、超音波処理)を介して達成され得る。負荷された条件の至適な放出条件は、標的分析物の親和性および存在量に依存して決定される。粒子調製物からのタンパク質の放出は、粒子を遠心分離によりペレット化し、そしてゲル電気泳動、質量分析、およびキャピラリー電気泳動を使用して、溶液中のタンパク質の濃度について上清を測定することにより測定される。100%の理論的収率を達成するために、血漿からの分離後に捕獲されたタンパク質を伴う粒子は化学的にまたは物理的に溶解され得ることに注目することは重要である。
【0113】
PrepCellゲル溶出によるタンパク質のサイズクロマトグラフィー分析。粒子から溶出されたタンパク質は、PrepCell技術を使用して分画され得る。血清のような多量の非常に複雑な混合物は、この技術を使用してサイズ個別カテゴリーに分離され得る。例として、100μlの血清が1×SDS−PAGE負荷緩衝液と混合され、10分間煮沸され、そしてPrepCell(Bio−Rad)に負荷される。2時間の電気泳動が行われ、そしてゲルの末端の連続的な流出の下で溶出される。低分子量のタンパク質はより速い時期にゲル外に移行され、そして回収チューブに溶出された。実質的に100%収率が達成され、くっきりとしたサイズ分割を伴った。このような手順からの例示的なゲルについて、図13を参照のこと。この技術は、負荷され、そして実質的にスマート粒子から放出されるタンパク質に適用され得る。溶出された画分は、溶液中、トリプシンで消化され、そして質量分析により配列決定される。
【0114】
ナノフロー逆相液体クロマトグラフィー−タンデムMS(ナノRPLC−MS/MS)およびビオチンフォーマット解析
PrepCellから溶出されたタンパク質は、洗浄剤処理マイクロキットProteoSpin(Norgen、Canada)を通過され得、質量分析解析を妨げ得る溶出緩衝液中のSDSを除去する。洗浄されたタンパク質は10mM DTTにより還元され、50mM ヨウ化アセトアミドによりアルキル化され、そしてトリプシンにより、37℃にて一晩消化される。トリプシンペプチドはさらに、Sep−Pakカートリッジ(Waters)により精製され、そして線状イオン−捕獲質量分析器(LTQ、ThermoElectron))を使用する逆相液体クロマトグラフィーナノスプレイタンデム質量分析により解析される。分離カラムは、レーザーがけん引されたチップを備える100μmi.d.×10cmの長の融合化シリカゲルキャピラリー(Polymicro Technologies)中、5μm、200Å(オングストローム)孔径C18樹脂(Michrom BioResources)でスラリー−パックされる。サンプルの注入後、カラムは移動相A(0.4%酢酸)で5分間洗浄され、そして250ナノリットル/分で30分間、0%移動相B(0.4%酢酸、80%アセトニトリル)から50%移動相Bまでの、次いでさらに5分間、100%Bまでの線状勾配を使用して溶出される。LTQ質量分析器は、データ依存性の態様において操作され、各全MSスキャン後に5つのMS/MSスキャンが続き、ここでは5つの最も豊富な分子イオンが、正規化された35%の衝突エネルギーを使用して、衝突誘導性の解離(CID)について動的に選択される。タンデムな質量スペクトルが、ヒトデータベース(国立バイオテクノロジー情報センターからダウンロードされる)に対して、トリプシン切断拘束を使用してSEQUESTで検索される。正当に同定されると考えられるペプチドについて、これは[M+H]1+について1.5、[M+2H]2+について2.0、[M+3H]3+について2.5の相互相関スコア、ならびに0.001の無作為同定の最大確立を達成しなければならない。生成されるタンパク質のリストは、粒子からのタンパク質の放出を記録するために使用される(16)。
【0115】
キャピラリー電気泳動。キャピラリー電気泳動(CE)は、複雑なサンプルの迅速な分画を可能にする。CEにおいて、キャピラリーはあるpH値で緩衝液である伝導性の液体で充填される。サンプルは、圧力を使用してキャピラリーの一端から導入され、そして高電圧が生じ、大きさおよび電荷に基づく分離を伴う。移行する分子は、光供給源を通過し、これは存在する分子のスペクトルが生成されることを可能にする。CEベースの検出を使用して、粒子は、規定された環境条件(温度など)において特定の粒子により取り込まれることが以前に示されたタンパク質とともに負荷される。負荷に続いて、粒子は水中で洗浄され、続いて遠心分離される(16,100rcf、15分間)。粒子は再懸濁され、そして温度、pH、ならびに化学的および/または物理的破壊を使用して溶出される。CEは放出されたタンパク質を検出するために行われる。このアッセイを行う前に、標的タンパク質のスペクトルプロフィールがCE上で測定される。
【0116】
標準およびヒト血清/血漿を使用する安定化および保存。
【0117】
質量分析ベースの検出を使用して、CE,およびフローサイトメトリーは、参照血清のような異種混合物中に、添加、またはスパイクされた、標的タンパク質分析物の隔離、保存、および制御された放出を実証し得る。
【0118】
マイクロゲル粒子は、参照血清中にそれらがスパイクされる後、酵素分解から標的分析物を保護し得る。
【0119】
粒子負荷を記録するためのフローサイトメトリー研究。マイクロゲル粒子のクラス(様々な架橋剤濃度またはAAc親和性バイト)は、規定された分子量の蛍光標識化タンパク質でスパイクされた血清とともにインキュベートされ得る。至適な負荷条件は、上記のように規定され得る(すなわち、温度、pH、時間)。インキュベーション後、粒子は遠心分離され、そして一回洗浄され、続いて遠心分離される。ペプチド取り込みは、上記のようにフローサイトメトリーを使用して検出される。上記のように、本発明者らは、血清中にスパイクされたFITC標識化ペプチドは、粒子中に非常に高効率に隔離され得ることを実証した。これらの知見は、蛍光的に標識化されたPSA(市販される)およびプロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(PBNP)のような、公知の濃度にて血清中にスパイクされる他の分子を含むように拡大適用され得る。PSAは雌性血清中にスパイクされ得る(0.5〜25ng/mlにわたり、これは健常者からガン保有患者におよぶPSAの臨床的に関連する範囲である)。PBNPは、0.5〜5ng/mlの濃度にて血清中にスパイクされ得る。これらの分子の両方は、それぞれ、前立腺疾患および心疾患を伴う患者について臨床的有意性を有する。これらの分子における臨床目的のために、多くの研究が、日常的な操作条件下でのこれらの分子の安定性に対して行われた(24、25)。これらのスパイクされた分子の取り込みは、上記のようにフローサイトメトリーを使用して記録され得る。
【0120】
粒子からのタンパク質放出(溶出)を記録するための研究。粒子が、血清中にスパイクされたPSAまたはRBNPで負荷され得ることが一旦実証されると、さらなる研究が、標的分析物が粒子から放出され得ることを実証するために行われ得る。至適な溶出条件が、上記のように規定される(すなわち、温度、pH、時間、粒子の物理的および/または化学的破壊)。上記のように、PrepCell技術が、予期される大きさの範囲内に溶出されたタンパク質の画分を単離するために使用され得る。次いで、これらは、ビオチンフォーマット解析と併用してナノフロー逆相液体クロマトグラフィー−タンデムMS(ナノRPLC−MS/MS)を使用して解析される。粒子からの溶離液中の標的分析物、PSAまたはPBNPの存在は、それゆえ、高感度で検出される。PSAまたはPBNP分析物の定量は、市販のELISAフォーマットを使用してタンパク質溶離液を測定することを介して達成され得る。ELISAフォーマットのみが、粒子から溶出された生体マーカーの定量を許容するのではなく、分析物増幅研究が同様に行われ得る。PSAでスパイクされたNIST参照血清は、マクロゲル粒子のあるクラスとともにインキュベートされ得る。負荷に適切な以前に規定された環境条件を使用して、粒子は遠心分離により採集され得、そして残存する血清溶液は除去される。血清参照のさらなるアリコートは、粒子に添加され得る。再度、粒子は血清とともにインキュベートされ得、次いで遠心分離により単離され得る。このサイクルは、負荷プラトーを研究するために「n」回継続され得る。次いで、粒子は溶出または放出の条件(時間、温度、物理的または化学的破壊)で処理され、そして溶離液中に存在するPSAの量が、ELISAを使用する一回の血清曝露と比較される。このタイプの分析物増幅は、キャリアタンパク質が血清中で果たす役割を模倣し、小さな、低量の分析物についての隔離および集積のために部位を提供することによる。この増幅の戦略を通して、技術は、上記の臨床的必要性、すなわち、血清からの低量の疾患マーカーの増幅および単離を満たす。
【0121】
マイクロゲル粒子による公知の血清タンパク質、ポリペプチド、および他の小分子の大きさベースのおよび/または親和性ベースの負荷/放出の実証。重要な臨床的必要性は、重要な生体マーカーをプロテイナーゼによる分解から保護する保存様式の開発である。分子生体マーカーが、マイクロゲル粒子中に見出されるように、マトリクス中に隔離され得る場合、これらは酵素分解プロセスから保護され得る。PSAは、PSA/粒子の対合に至適になるように予め決定された負荷条件を使用して、マイクロゲル粒子の存在を伴ってまたは伴わないで、トリプシンとともにインキュベートされ得る。切断フラグメントの存在は、キャピラリー電気泳動またはナノRPLC−MS/MSのいずれかにより検出され得る。インキュベートされ、そして粒子により内在化されたタンパク質は、タンパク質分解を回避する。PSAでスパイクされたNIST血清参照標準は、保護的なマイクロゲル粒子の存在を伴わずに、さまざまな時間、インキュベートされ得る。全PSA対内因的にまたは外因的に添加されたプロテイナーゼによりフラグメント化されたPSAの相対は、さまざまな濃度および時間について、Bland Altman Plot(24、25)を使用して評価され得る。PBNPは同様に研究され得る。
【0122】
マイクロゲル粒子が、参照血清中の公知のおよび以前に知られない低量のタンパク質およびペプチドを隔離することの実証。
【0123】
AAc親和性バイトを含有する粒子を含む、種々のクラスのマイクロゲル粒子は、水中で1:10希釈された血清とともに、種々の温度、時間、およびさまざまな物理的条件(圧力または超音波)にてインキュベートされ得る。負荷されたタンパク質は、種々の時間、温度を37℃に変化することにより、孔径を顕著に縮小して捕獲され得る。粒子は、未負荷のタンパク質を除去するために37℃にて複数回洗浄され得る。隔離されたタンパク質を溶出するために、粒子は、さまざまな時間、温度、溶媒、および物理的破壊技術を使用して、インキュベートされ得る。粒子および粒子フラグメントは遠心分離によりペレット化され得る。上清、または溶離液は、溶出されたタンパク質をサイズ分画するために、PrepCell装置上で泳動され得る。次いで、分画された溶離液は、ナノRPLC−MS/MSにより解析され得る。タンデムな質量スペクトルが、ヒトデータベース(国立バイオテクノロジー情報センターからダウンロードされる)に対して、トリプシン切断拘束を使用してSEQUEST(16)で検索される。正当に同定されると考えられるペプチドについて、これは[M+H]1+について1.5、[M+2H]2+について2.0、[M+3H]3+について2.5の相互相関スコア、ならびに0.001の無作為同定の最大確立を達成する。配列同一性のセットは分類整理され、そして特定のマイクロゲルアッセイについて使用された負荷および放出条件に対して関連づけられる。
【0124】
(実施例10)
本実施例は、経時的研究における2%粒子によるFITCの取り込みを示す。
【0125】
10μlの容量の2%ヒドロゲル粒子を、90μlのFITC水溶液中に20μMにて希釈した。サンプルを一晩インキュベートし、次いで室温にて、16.1rcfにて、および5分間、遠心分離した。次いでペレットを100μlのMilliQ水中に再懸濁し、そして同じパラメーターを用いて再度遠心分離した。ペレットを1mlの水中に再懸濁し、そして蛍光シグナルをフローサイトメーターにより解析して、FITC取り込みを評価した。
【0126】
以下は、中央値データを報告する棒グラフである。
【0127】
【表3】
【0128】
上述のデータは、粒子のFITCとの、30〜180分の間のインキュベーションが、FITC取り込みの検出において有意な変化を何ら示さないことを実証する。
【参考文献】
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【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】熱応答性粒子は、温度の変化とともに形状を変化する。
【図2】温度に伴う半径の変化。
【図3】粒子はタンパク質分解酵素からの保護を提供する。
【図4】本発明の1つの実施態様の模式図。
【図5】本発明の1つの実施態様の模式図。
【図6】マイクロゲル粒子の光学顕微鏡画像。
【図7】FITCで負荷されたマイクロゲル粒子の蛍光顕微鏡画像。
【図8】FITCおよび標識されたペプチドの、粒子による取り込みを示すフローサイトメトリーデータ。
【図9】血清中にスパイクされたFITCの取り込みを示すフローサイトメトリーデータ。
【図10】粒子により分画される例示的な配列決定されたタンパク質またはタンパク質フラグメント。
【図11】より多くの(a)またはより少ない(b)架橋剤を伴うマトリクス。
【図12】参照タンパク質と、等電点および分子量。
【図13】PrepCellにより分画され、銀染色された低分子量タンパク質。100μlの血清が、PrepCellに負荷された。電気泳動の2時間後、タンパク質はゲルの外部に移行され、そして続いて異なる時間で溶出チャンバーから回収された。レーン1〜5:1/500の溶出タンパク質(0.18μlの原血清に等価)、15、45、60、90、および120分後に回収された;レーン6:0.18μlの原血清;レーン7:タンパク質マーカー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲−粒子であって、以下:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分を含み;
ここで、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、修飾された孔隙率を有する架橋領域をさらに含む、捕獲−粒子。
【請求項2】
前記分析物結合部分が、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項3】
分析物結合部分が、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項4】
分析物結合部分に結合される分析物をさらに含む請求項1に記載の捕獲−粒子であって、該分析物が:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、捕獲−粒子。
【請求項5】
分子ふるい部分が、内核を取り囲む外殻であり、該内核は分析物結合部分を含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項6】
約100μm未満の粒子の平均半径を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項7】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が:ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、N−アルキル置換ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ベンジルグルタミン酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(4−ビニルピリジン)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項8】
架橋された領域が、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項9】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、ヒドロゲルを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項10】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約2〜約20nmの間の平均孔径を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項11】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約100nm未満の平均孔径を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項12】
前記捕獲−粒子が、物理的または化学的な処理に曝露される場合、結合されたまたは隔離された分析物を放出するか、容量を変化するか、またはその両方である、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項13】
物理的または化学的な処理が:電荷、静水圧、pHにおける変化、温度における変化、酸性剤、塩基剤、UV、超音波、X線、またはそれらの組み合わせへの曝露を含む、請求項12に記載の捕獲−粒子。
【請求項14】
アルブミンの実質的な取り込みを伴わずに1404Daペプチドを取り込む能力を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項15】
インスリンを取り込む能力を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項16】
捕獲−粒子であって、以下:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える、捕獲−粒子。
【請求項17】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、クラセリン、ウイルスタンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、高分子炭素、またはそれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項18】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が:強誘電性液晶エラストマー、圧電性高分子、「スマート」ゲル、セラミック合金、シリカ、炭素ナノチューブ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項19】
分析物結合部分が、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項20】
分析物結合部分が、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項21】
分析物結合部分に結合される分析物をさらに含む請求項16に記載の捕獲−粒子であって、該分析物が:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、捕獲−粒子。
【請求項22】
分子ふるい部分が、内核を取り囲む外殻であり、該内核は分析物結合部分を含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項23】
約100μm未満の粒子の平均半径を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項24】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が:ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、N−アルキル置換ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ベンジルグルタミン酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(4−ビニルピリジン)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項25】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、ヒドロゲルを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項26】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約2〜約20nmの間の平均孔径を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項27】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約100nm未満の平均孔径を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項28】
前記捕獲−粒子が、物理的または化学的な処理に曝露される場合、結合されたまたは隔離された分析物を放出するか、容量を変化するか、またはその両方である、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項29】
物理的または化学的な処理が:電荷、静水圧、pHにおける変化、温度における変化、酸性剤、塩基剤、UV、超音波、X線、またはそれらの組み合わせへの曝露を含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項30】
アルブミンの実質的な取り込みを伴わずに1404Daペプチドを取り込む能力を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項31】
インスリンを取り込む能力を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項32】
サンプルから分析物を単離するための方法であって:
分析物を含むサンプルと、請求項16に記載の捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径の分析物を結合するのに有効な条件下で接触する工程を包含する、方法。
【請求項33】
前記分子ふるい材料が、物理的または化学的な処理に応じて、容量を拡大し得るか、容量を縮小し得るか、その有効な孔径を変化し得るか、またはその任意の組み合わせであり得る、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記物理的処理が、エネルギーを適用される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記分子ふるい材料が、該分析物が該材料を浸透することを許容するように前記捕獲−粒子を拡大するのに有効である量において、該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程をさらに包含する、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記捕獲−粒子の、前記分析物をそこに捕捉するのに有効な孔径を縮小、拡大、または変化するために有効である量において、該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程をさらに包含する、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記分子ふるい材料が、適用されるエネルギーに応じて、その有効な孔径を、縮小、拡大、または変化し得る高分子網目から構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記物理的または化学的な処理が、熱、電気、磁性、超音波、圧力、放射、レーザー、浸透圧、pH、または酵素の処理を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記高分子網目が、N−アルキル置換アクリルアミドを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記捕獲−粒子が親和性リガンドをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記親和性リガンドが、抗体またはタンパク質、アプタマー、核酸、薬物、化学物質、代謝物、脂質、糖脂質、リン脂質、ポリペプチド、親和基、金属基、または任意のその組み合わせを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記捕獲−粒子が検出可能な標識をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記捕獲−粒子が内核および外殻を含み、ここで該外殻は分子ふるい材料から構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記内核が第2の分子ふるい材料および/または親和性リガンドを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも2つの異なるクラスの捕獲−粒子を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
各クラスが異なる検出可能な標識を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記捕獲−粒子が約100nm未満の大きさの直径である、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
サンプルから分析物を単離するための方法であって:
分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径および規定された親和性の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、ここで該捕獲−粒子が、規定された粒径または分子量の分析物、および分析物と相互作用し得る親和性リガンドの通過を、排除または許容し得る、分子ふるい材料を含む、方法。
【請求項49】
サンプルから分析物を単離するための方法であって:
分析物を含むサンプルと、液相捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が、規定された分子量または粒径の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含する、方法。
【請求項50】
疾患を診断する方法であって:
a)分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が、規定された分子量、粒径、または規定された親和性の分析物を選択的に結合するのに有効な条件下で、接触する工程、
b)捕獲−粒子に選択的に結合される分析物を同定する工程を包含し、
ここでサンプル中の分析物の、同定された濃度での存在は、疾患状態に特徴的である、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、以下:酵素結合免疫吸着法(ELISA)、分光法、放射性免疫アッセイ(RIA)、マイクロアレイ法、免疫蛍光、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびインサイチュハイブリダイゼーションからなる群より選択される方法を使用して分析物の存在を検出する工程をさらに包含する、方法。
【請求項52】
分析物を保存する方法であって:該分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、該捕獲−粒子は、
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える、方法。
【請求項53】
分析物を保存する方法であって:該分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、該捕獲−粒子は
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む、方法。
【請求項54】
疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであって:
該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および
該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え;該捕獲−粒子は:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む、キット。
【請求項55】
疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであって:
該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および
該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え、該捕獲−粒子は:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える、キット。
【請求項1】
捕獲−粒子であって、以下:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分を含み;
ここで、分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、修飾された孔隙率を有する架橋領域をさらに含む、捕獲−粒子。
【請求項2】
前記分析物結合部分が、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項3】
分析物結合部分が、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項4】
分析物結合部分に結合される分析物をさらに含む請求項1に記載の捕獲−粒子であって、該分析物が:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、捕獲−粒子。
【請求項5】
分子ふるい部分が、内核を取り囲む外殻であり、該内核は分析物結合部分を含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項6】
約100μm未満の粒子の平均半径を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項7】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が:ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、N−アルキル置換ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ベンジルグルタミン酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(4−ビニルピリジン)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項8】
架橋された領域が、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項9】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、ヒドロゲルを含む、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項10】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約2〜約20nmの間の平均孔径を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項11】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約100nm未満の平均孔径を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項12】
前記捕獲−粒子が、物理的または化学的な処理に曝露される場合、結合されたまたは隔離された分析物を放出するか、容量を変化するか、またはその両方である、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項13】
物理的または化学的な処理が:電荷、静水圧、pHにおける変化、温度における変化、酸性剤、塩基剤、UV、超音波、X線、またはそれらの組み合わせへの曝露を含む、請求項12に記載の捕獲−粒子。
【請求項14】
アルブミンの実質的な取り込みを伴わずに1404Daペプチドを取り込む能力を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項15】
インスリンを取り込む能力を有する、請求項1に記載の捕獲−粒子。
【請求項16】
捕獲−粒子であって、以下:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える、捕獲−粒子。
【請求項17】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、クラセリン、ウイルスタンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、高分子炭素、またはそれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項18】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が:強誘電性液晶エラストマー、圧電性高分子、「スマート」ゲル、セラミック合金、シリカ、炭素ナノチューブ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項19】
分析物結合部分が、分析物を化学的にまたは静電的に結合または隔離し得る少なくとも1つのタイプの部分を含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項20】
分析物結合部分が、カルボキシ基、アミン基、脂質、リンタンパク質、リン脂質、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、アクリル基、チオール基、アクリル酸、抗体、結合タンパク質、結合対、金属、キレート化剤、核酸、アプタマー、酵素結合ポケット、レクチン、薬理作用のある物質、合成ペプチド、抗体フラグメント、疎水性表面、親水性表面、それらの任意の誘導体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項21】
分析物結合部分に結合される分析物をさらに含む請求項16に記載の捕獲−粒子であって、該分析物が:有機分子、無機分子、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、捕獲−粒子。
【請求項22】
分子ふるい部分が、内核を取り囲む外殻であり、該内核は分析物結合部分を含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項23】
約100μm未満の粒子の平均半径を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項24】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が:ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、N−アルキル置換ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルアルキルアミド)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ベンジルグルタミン酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(4−ビニルピリジン)、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項25】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、ヒドロゲルを含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項26】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約2〜約20nmの間の平均孔径を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項27】
分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方が、約100nm未満の平均孔径を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項28】
前記捕獲−粒子が、物理的または化学的な処理に曝露される場合、結合されたまたは隔離された分析物を放出するか、容量を変化するか、またはその両方である、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項29】
物理的または化学的な処理が:電荷、静水圧、pHにおける変化、温度における変化、酸性剤、塩基剤、UV、超音波、X線、またはそれらの組み合わせへの曝露を含む、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項30】
アルブミンの実質的な取り込みを伴わずに1404Daペプチドを取り込む能力を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項31】
インスリンを取り込む能力を有する、請求項16に記載の捕獲−粒子。
【請求項32】
サンプルから分析物を単離するための方法であって:
分析物を含むサンプルと、請求項16に記載の捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径の分析物を結合するのに有効な条件下で接触する工程を包含する、方法。
【請求項33】
前記分子ふるい材料が、物理的または化学的な処理に応じて、容量を拡大し得るか、容量を縮小し得るか、その有効な孔径を変化し得るか、またはその任意の組み合わせであり得る、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記物理的処理が、エネルギーを適用される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記分子ふるい材料が、該分析物が該材料を浸透することを許容するように前記捕獲−粒子を拡大するのに有効である量において、該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程をさらに包含する、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記捕獲−粒子の、前記分析物をそこに捕捉するのに有効な孔径を縮小、拡大、または変化するために有効である量において、該捕獲−粒子にエネルギーを適用する工程をさらに包含する、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記分子ふるい材料が、適用されるエネルギーに応じて、その有効な孔径を、縮小、拡大、または変化し得る高分子網目から構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記物理的または化学的な処理が、熱、電気、磁性、超音波、圧力、放射、レーザー、浸透圧、pH、または酵素の処理を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記高分子網目が、N−アルキル置換アクリルアミドを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記捕獲−粒子が親和性リガンドをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記親和性リガンドが、抗体またはタンパク質、アプタマー、核酸、薬物、化学物質、代謝物、脂質、糖脂質、リン脂質、ポリペプチド、親和基、金属基、または任意のその組み合わせを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記捕獲−粒子が検出可能な標識をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記捕獲−粒子が内核および外殻を含み、ここで該外殻は分子ふるい材料から構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記内核が第2の分子ふるい材料および/または親和性リガンドを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも2つの異なるクラスの捕獲−粒子を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
各クラスが異なる検出可能な標識を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記捕獲−粒子が約100nm未満の大きさの直径である、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
サンプルから分析物を単離するための方法であって:
分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が規定された分子量または粒径および規定された親和性の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、ここで該捕獲−粒子が、規定された粒径または分子量の分析物、および分析物と相互作用し得る親和性リガンドの通過を、排除または許容し得る、分子ふるい材料を含む、方法。
【請求項49】
サンプルから分析物を単離するための方法であって:
分析物を含むサンプルと、液相捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が、規定された分子量または粒径の分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で、接触する工程を包含する、方法。
【請求項50】
疾患を診断する方法であって:
a)分析物を含有するサンプルと、液相捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が、規定された分子量、粒径、または規定された親和性の分析物を選択的に結合するのに有効な条件下で、接触する工程、
b)捕獲−粒子に選択的に結合される分析物を同定する工程を包含し、
ここでサンプル中の分析物の、同定された濃度での存在は、疾患状態に特徴的である、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、以下:酵素結合免疫吸着法(ELISA)、分光法、放射性免疫アッセイ(RIA)、マイクロアレイ法、免疫蛍光、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびインサイチュハイブリダイゼーションからなる群より選択される方法を使用して分析物の存在を検出する工程をさらに包含する、方法。
【請求項52】
分析物を保存する方法であって:該分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、該捕獲−粒子は、
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える、方法。
【請求項53】
分析物を保存する方法であって:該分析物を含むサンプルと、捕獲−粒子とを、該捕獲−粒子が分析物を選択的に捕捉するのに有効な条件下で接触する工程を包含し、該捕獲−粒子は
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む、方法。
【請求項54】
疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであって:
該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および
該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え;該捕獲−粒子は:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、改変された孔隙率を有する架橋された領域をさらに含む、キット。
【請求項55】
疾患状態を診断、予後診断、または監視するためのキットであって:
該疾患状態の指標である分析物を含む液体を回収するための容器;および
該分析物の取り込みおよび除去のためのある量の捕獲−粒子を備え、該捕獲−粒子は:
a)分子ふるい部分;および
b)分析物結合部分
を含み;
ここで分子ふるい部分、分析物結合部分、またはその両方は、約60kDaよりも大きい分子を排除するのに十分な孔の寸法を備える、キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−510442(P2009−510442A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533525(P2008−533525)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/037508
【国際公開番号】WO2007/038523
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508093355)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/037508
【国際公開番号】WO2007/038523
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508093355)
【Fターム(参考)】
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