説明

サーバー、ネットワーク機器、クライアント及びこれらから構成されるネットワークシステム

【課題】ベストエフォートの環境において、それぞれのアプリケーションがサービス品質に関する情報を得ることができるように、すべてのトラフィックデータに対応した品質通知プロトコルを提供することができるネットワークシステムを得る。
【解決手段】ネットワークインターフェース部13は、サービス提供部11から送出されてきたサービスデータ1011に、サーバー側サービス提供能力1012、及び、トラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドを追加してデータパケット101を生成して、サービス提供能力測定部12から受け取った値をサーバー側サービス提供能力1012に書き込み、トラフィックパスパケット転送能力1013に所定の初期値を入れ、データパケット101をクライアント3に向けて送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPネットワーク等の通信基盤において品質情報を付加したデータパケットのデータ転送を実施するサーバー、ネットワーク機器、クライアント及びこれらから構成されるネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP電話及び音楽配信等に利用されるリアルタイムストリーミングの技術を動画配信サービスに適応させるための拡張等が盛んに行われており、その通信プロトコルとしてRTCP(RTP Control Protocol)、及び、そのRTCPを拡張したRTCP−XR(RTCP eXtended Reports)等がある。このRTCP及びRTCP−XRにおいては、データ送信者すなわちサーバーと、データ受信側すなわちクライアントとの間でメッセージが取り交わされるものであり、サーバーがクライアントに対してどれだけの品質を提供できたかを確認するというものである(例えば、非特許文献1参照)。この通信プロトコルにおいては、サーバー側から送信するRTP(Realーtime Transport Protocol)によるデータとは別のRTCPによるレポートパケットを送信し、クライアントがRTPによるデータを受信した情報に対しRTCPによるレポートパケットを返信パケットとして送信する。これによって、電気通信事業者がIP電話サービス等を提供する際に、一定の品質値以上でサービスが提供できていることを確認することができるものであった。
【0003】
また、非特許文献1に記載されたものと同じ構成において、中継に利用される通信機器が、クライアントにRTPによるデータパケットを中継するために受信した際に、クライアントと同様にRTPによるデータパケットを収集・計算した結果をレポートパケットとして変換することを特徴としている。これによって、万が一サービス品質が劣化する状況が発生した場合には、サービス提供者がネットワークのどの部分において品質劣化が発生したかを知ることができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−94877号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】RTCP/RTCP−XR(RFC3550/RFC3661)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1及び特許文献1において、利用されているRTCP及びRTCP−XR等の通信プロトコルは、あくまでリアルタイムストリームであるRTPによるデータ通信におけるレポート情報を利用するものであり、これらはNGN(Next Generation Network)のような電話を主とするIPネットワークにおいては有益な技術であるが、既存のThe Internetのような多種多様のネットワークが混在するIPネットワークにおいてはほとんどのアプリケーションがネットワーク性能を考慮しないため、ベストエフォートの環境におけるRTPトラフィックの性能評価という意味合いしか有さず、それ以上の価値をIPネットワークに提供しないという問題点がある。
【0007】
そのため、ベストエフォートの環境において、それぞれのアプリケーションがサービス品質に関する情報を得ることができるように、すべてのトラフィックデータに対応した品質通知プロトコルを提供することができるネットワークシステムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るサーバーは、外部のネットワークに接続され、そのネットワークとデータの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、そのネットワークインターフェース部に接続しているネットワークに接続された機器に対して送信するためのデータである送信データを生成するサービス提供部と、サービス提供能力として、CPUの処理状況、メモリー利用状況、動作中のアプリケーションが利用しているCPUの占有率、そのアプリケーションに割り当てられたメモリー量、ディスクI/Oの割り込み状況、及び、ネットワークインターフェース部の利用状況のうち、少なくとも1つを測定し、数値化してサーバー側サービス提供能力値としてネットワークインターフェース部に送出するサービス能力測定部と、を備え、ネットワークインターフェース部は、送信データに、サービス能力測定部から受け取ったサーバー側サービス提供能力値を入れたサーバー側サービス提供能力フィールドを付加してデータパケットを生成し、ネットワークに対して送信するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るネットワークシステムは、サーバーが送出するデータパケットに対して
サーバー側サービス提供能力及びトラフィックパスパケット転送能力のフィールドを付加してクライアントに提供することによって、クライアントが求めるサービスを受けられるかどうか、また、受けられない原因はサーバーにあるのかネットワークにあるのかいう情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの構成図の例である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムにおけるサーバー1の内部構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムを構成するスイッチ又はルーター等のデータの中継をするネットワーク機器2の内部構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムにおけるクライアント3の内部構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの動作説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムにおけるサーバー1の内部構成図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムを構成するスイッチ又はルーター等のデータの中継をするネットワーク機器2の内部構成図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムにおけるクライアント3の内部構成図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムの動作説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムにおけるサーバー1の内部構成図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムにおけるサーバー1が生成するデータパケット101cのデータ構成である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムを構成するスイッチ又はルーター等のデータの中継をするネットワーク機器2の内部構成図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムにおけるクライアント3の内部構成図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムにおけるサーバー1が生成するデータパケット101dのデータ構成である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
(ネットワークシステムの構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの構成図の例である。
図1で示されるように、サーバー1aはISP(Internet Services Provider)2aに接続しており、サーバー1bはISP2bに接続している。また、ユーザー端末3aは、ホームゲートウェイ3bを介してISP2cに接続している。そして、ISP2cは、ISP2a及びISP2b、それぞれに接続している。
なお、以上のような構成でネットワークシステムが構成されているが、図1で示されるネットワークシステムの構成は例示であり、サーバー、ISP、ユーザー端末がその他の構成によってネットワークシステムを構成していてもよく、また、それぞれの機器が接続される数についても図1で示されるネットワークシステムの構成に限定されるものでもない。
【0012】
サーバー1aから、ISP2a、ISP2c及びホームゲートウェイ3bを経由してユーザー端末3aまで到達するまでの通信経路をトラフィックパス201とし、このトラフィックパス201をデータパケット102aが流れる。また、サーバー1bから、ISP2b、ISP2c及びホームゲートウェイ3bを経由してユーザー端末3aまで到達するまでの通信経路をトラフィックパス202とし、このトラフィックパス202をデータパケット102bが流れる。上記の図1で示されるデータパケット102a及びデータパケット102bのように、本実施の形態に係るネットワークシステムを流れるデータパケットの詳細については、後述する。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムにおけるサーバー1の内部構成図である。
図2で示されるように、サーバー1は、少なくとも、サービス提供部11、サービス提供能力測定部12、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部13を有する。このネットワークインターフェース部13は、サービス提供部11及びサービス提供能力測定部12にそれぞれ接続されている。
【0014】
サービス提供部11は、通常のサーバー機能としてのサービスを提供する部分である。
【0015】
サービス提供能力測定部12は、サーバー1におけるCPUの処理状況、メモリー利用状況、動作中のアプリケーションが利用しているCPUの占有率、そのアプリケーションに割り当てられたメモリー量、ディスクI/O等の割り込み状況、又は、後述するネットワークインターフェース部13の利用状況等の瞬時値等を測定してサーバー側サービス提供能力1012の値を算出し、その値をネットワークインターフェース部13に送出する部分である。
【0016】
ネットワークインターフェース部13は、サービス提供部11から送出されてきた図2で示されるようなサービスデータ1011に、サーバー側サービス提供能力1012、及び、トラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドを追加してデータパケット101を生成する。ここで、データパケット101には送信アドレス、送信ポート、受信アドレス、受信ポート、及び、チェックサム値等を含んだパケットヘッダーが含まれるが、図2、後述する図3及び図4におけるデータパケット101の表記において省略している。次に、ネットワークインターフェース部13は、サービス提供能力測定部12から受け取った値をサーバー側サービス提供能力1012に書き込み、トラフィックパスパケット転送能力1013に所定の初期値を入れる。そして、ネットワークインターフェース部13は、こうして生成したデータパケット101を後述するクライアント3に向けて送信する。
【0017】
なお、図1で示されるネットワークシステムにおいて、サーバー1a又はサーバー1bが、図2で示されるサーバー1と同一の構成となっているものとすればよい。
また、図1で示されるデータパケット102a及びデータパケット102bは、図2で示されるデータパケット101と同一の内容構成とすればよい。
また、本実施の形態におけるネットワークシステムにおいて、上記の機能を有するような図2で示されるサーバー1が、複数存在するものとしてもよいのは言うまでもない。
【0018】
なお、サービスデータ1011は、本発明の「送信データ」に相当するものである。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムを構成するスイッチ又はルーター等のデータの中継をするネットワーク機器2の内部構成図である。
図3で示されるように、ネットワーク機器2は、少なくとも、転送処理部21、転送能力測定部22、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部23を有する。このネットワークインターフェース部23は、転送処理部21及び転送能力測定部22にそれぞれ接続されている。
【0020】
転送処理部21は、ネットワークインターフェース部23が受信したデータパケット101を適切な転送先に転送するために、ルーティングテーブル又はARPテーブル等の経路表に基づいて転送先を決定し、ネットワークインターフェース部23から適切な出力先ポートから出力されるようにして、そのデータパケット101をネットワークインターフェース部23に送出する部分である。
【0021】
転送能力測定部22は、ネットワーク機器2が転送処理を実施するときのそのCPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均若しくは分散、利用するネットワークインターフェース部23の負荷、又は、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率若しくは伝送遅延等の瞬時値等を測定してトラフィックパスパケット転送能力1013の値を更新するためのネットワーク機器2自身の能力による品質劣化値を算出し、ネットワークインターフェース部23に送出する部分である。
【0022】
ネットワークインターフェース部23は、転送処理部21から受け取ったデータパケット101に、トラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドに値が設定されているかどうかを判定し、値が設定されていればトラフィックパスパケット転送能力1013の値から、転送能力測定部22から受け取った品質劣化値を引いた値に更新する。そして、ネットワークインターフェース部23は、こうして生成したデータパケット101を後述するクライアント3に向けて送信する。
【0023】
なお、図1で示されるネットワークシステムにおいて、ISP2a〜ISP2cを構成するネットワーク機器が、図3で示されるネットワーク機器2と同一の構成となっているものとすればよい。すなわち、図3で示されるネットワーク機器2が、本実施の形態に係るネットワークシステムにおいては、通常複数存在するものであり、その存在する数量は限定されるものではない。
【0024】
図4は、本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムにおけるクライアント3の内部構成図である。
図4で示されるように、クライアント3は、少なくとも、アプリケーション部31、品質処理部32、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部33を有する。このネットワークインターフェース部33は、アプリケーション部31及び品質処理部32にそれぞれ接続されている。さらに、アプリケーション部31は、品質処理部32にも接続されている。
【0025】
アプリケーション部31は、初めにサーバー1に対してサービス要求パケットをネットワークインターフェース部33を通して送信する部分であり、その要求に対するサービス提供を受ける部分である。また、アプリケーション部31は、品質処理部32から品質情報を受け取った際に、ユーザーに対して適切なアクションをとる部分である。ここで、ユーザーに対する適切なアクションとは、予め設定してある品質値に満たない場合に、「Service Unavailable」等のメッセージをクライアント3が有するLCD等の画面に表示してデータ転送をキャンセルする、又は、ユーザーにデータ転送に関する選択肢を提供してサービスレベルを落とさせる等の処理を示す。
なお、アプリケーション部31を構成するアプリケーションは、広くOSを含むものとしてもよい。
また、本実施の形態におけるネットワークシステムにおいて、上記のような機能を有するような図4で示されるクライアント3が、複数存在するものとしてもよいのは言うまでもない。
【0026】
品質処理部32は、ネットワークインターフェース部33からデータパケット101のうち、サーバー側サービス提供能力1012及びトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドを受け取り、サーバー1のサービス提供能力、及び、トラフィックパスのパケット転送能力を含有する品質情報をアプリケーション部31に送出する部分である。
【0027】
ネットワークインターフェース部33は、アプリケーション部31からのサービス要求パケットをサーバー1に対して送信し、サーバー1からその応答パケットであるデータパケット101を受信する部分である。また、ネットワークインターフェース部33は、サーバー1から受信した上記のデータパケット101に、サーバー側サービス提供能力1012又はトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドに値が設定されていた場合、それらのフィールドを品質処理部32に送出し、データパケット101のうち、残りのサービスデータ1011をアプリケーション部31に送出する部分である。
【0028】
(ネットワークシステムの動作)
図5は、本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの動作説明図である。以下、図5を参照しながら、本実施の形態に係るネットワークシステムの動作について説明する。
【0029】
(S1)
クライアント3のアプリケーション部31は、受けたいサービスを提供するサーバー1にリクエストするためのサービス要求パケットをネットワークインターフェース部33を介してサーバー1に送信する。そして、ステップS2へ進む。
【0030】
(S2)
サーバー1のサービス提供部11は、上記のサービス要求パケットをネットワークインターフェース部13を介して受信する。そして、ステップS3へ進む。
【0031】
(S3)
クライアント3からのサービス要求パケットを受信したサービス提供部11は、通常のサーバーと同様にサービスを提供するためのサービスデータ1011をクライアント3に送信するために、そのサービスデータ1011をネットワークインターフェース部13に送出する。そして、ステップS4へ進む。
【0032】
(S4)
また、サーバー1のサービス提供能力測定部12は、その時間のサーバー1におけるCPUの処理状況、メモリー利用状況、動作中のアプリケーションが利用しているCPUの占有率、そのアプリケーションに割り当てられたメモリー量、ディスクI/O等の割り込み状況、又は、ネットワークインターフェース部13の利用状況等の瞬時値等を測定して、サービス提供能力を評価した値であるサーバー側サービス提供能力1012を生成し、このサーバー側サービス提供能力1012をネットワークインターフェース部13に送出する。このサーバー側サービス提供能力1012について、例えば、サーバー1のCPUの処理能力が60%以下であり、そのメモリーに20%以上空きがあり、アプリケーションの動作に十分なCPU処理能力及びメモリーが割り当てられており、ディスクI/O等の割り込みが十分に少なく、ネットワークインターフェース部13の利用状況が十分に少ない状態の場合に、サーバー側サービス提供能力1012の値を100とする、等と定義するものとすればよい。そして、ステップS5へ進む。
なお、サービス提供能力測定部12は、その時間のサーバー1におけるCPUの処理状況、メモリー利用状況、動作中のアプリケーションが利用しているCPUの占有率、そのアプリケーションに割り当てられたメモリー量、ディスクI/O等の割り込み状況、又は、ネットワークインターフェース部13の利用状況等の瞬時値等を測定するものとしているが、これに限定されるものではなく、それぞれの瞬時値ではなく、平均値、偏差値、又は、分散等を測定するものしてもよい。
また、このステップS4の処理はステップS3の処理後に実施されるものとしているが、これに限定されるものではなく、ステップS3及びステップS4は並列に処理されるものとしてもよい。
【0033】
(S5)
ネットワークインターフェース部13は、サービス提供部11から受け取ったサービスデータ1011と、サービス提供能力測定部12から受け取ったサーバー側サービス提供能力1012とを合わせて、さらに、経由するネットワーク機器2等がその値を更新することを可能にするトラフィックパスパケット転送能力1013に所定の初期値(例えば100)を入れたものを加えてデータパケット101を生成し、このデータパケット101をクライアント3に向けて送信する。そして、ステップS6へ進む。
【0034】
(S6)
ネットワーク機器2のネットワークインターフェース部23は、サーバー1からデータパケット101を受信し、そのデータパケット101を転送処理部21に送出する。そして、ステップS7へ進む。
【0035】
(S7)
転送処理部21は、ネットワークインターフェース部23から受け取ったデータパケット101を送出するポート及び転送先であるルーター等を決定し、再び、ネットワークインターフェース部23へデータパケット101を送出する。そして、ステップS8へ進む。
【0036】
(S8)
また、ネットワーク機器2の転送能力測定部22は、その時間のネットワーク機器2におけるCPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均若しくは分散、利用するネットワークインターフェース部23の負荷、又は、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率若しくは伝送遅延等の瞬時値等を測定して算出した品質劣化値をネットワークインターフェース部23に送出する。この品質劣化値について、例えば、ネットワーク機器2のCPUの処理能力が60%以下であり、キューバッファーにおけるキューの量が5%未満であり、ネットワークインターフェース部23の負荷が20%以下である場合にこの品質劣化値を0とする、等と定義するものとすればよい。そして、ステップS9へ進む。
なお、転送能力測定部22は、その時間のネットワーク機器2におけるCPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均若しくは分散、利用するネットワークインターフェース部23の負荷、又は、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率若しくは伝送遅延等の瞬時値等を測定するものとしているが、これに限定されるものではなく、それぞれの瞬時値ではなく、平均値、偏差値、又は、分散等を測定するものしてもよい。
また、このステップS8の処理はステップS7の処理後に実施されるものとしているが、これに限定されるものではなく、ステップS7及びステップS8は並列に処理されるものとしてもよい。
【0037】
(S9)
ネットワークインターフェース部23は、転送処理部21から受け取ったデータパケット101の中のトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドの値を、その値から転送能力測定部22から受け取った品質劣化値を引いた値に更新し、この更新されたトラフィックパスパケット転送能力1013を有するデータパケット101をクライアント3に向けて送信する。このデータパケット101は、他のネットワーク機器2を経由する度に少しずつトラフィックパスパケット転送能力1013の値が引かれてゆく。そして、ステップS10へ進む。
【0038】
(S10)
クライアント3のネットワークインターフェース部33は、ネットワーク機器2からデータパケット101を受信し、このデータパケット101にサーバー側サービス提供能力1012又はトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドに値が設定されていた場合、それらのフィールドを品質処理部32に送出し、残ったサービスデータ1011をアプリケーション部31に送出する。ネットワークインターフェース部33からサービスデータ1011を受け取ったアプリケーション部31は、品質処理部32からの割り込みが無ければ通常のデータ処理を実施する。そして、ステップS11へ進む。
【0039】
(S11)
品質処理部32は、ネットワークインターフェース部33からサーバー側サービス提供能力1012及びトラフィックパスパケット転送能力1013を受け取り、この2つのフィールドに基づいて品質情報を生成してアプリケーション部31に送出する。そして、ステップS12へ進む。
【0040】
(S12)
アプリケーション部31は、品質処理部32からの品質情報の割り込みを受け、ユーザーに対して適切なアクションをとる。ここで、ユーザーに対する適切なアクションとは、前述したとおりである。
【0041】
(実施の形態1における効果)
以上のネットワークシステムの構成及び動作のように、サーバー1から送出するサービスデータ1011を含むデータパケット101に対して、サーバー側サービス提供能力1012及びトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドを付加してクライアント3に提供することによって、クライアント3が求めるサービスを受けられるかどうか、また、受けられない原因はサーバー1にあるのかネットワークにあるのかという情報を提供することができる。
また、サービス品質の劣化を起こすようなネットワーク状況の場合、低い品質のサービスをキャンセルできるクライアントを実現することができ、それらのトラフィックの軽減効果によって、ネットワークに流れるトラフィックが軽減されるため、接続されている他の多数のクライアントが十分に高いサービスを受けることができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、上記のステップS5において、サーバー1がデータパケット101を作成する際に、トラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドを作成し所定の初期値を入れるものとしているが、これに限定されるものではなく、サーバー1においてはトラフィックパスパケット転送能力1013を作成せず、ネットワーク機器2が受信したデータパケットにトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドがない場合、ネットワーク機器2がトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドを作成し、自身の品質劣化値に基づいた値を入れるものとしてもよい。
また、本実施の形態において、すべてのデータパケット101に対して、サーバー側サービス提供能力1012及びトラフィックパスパケット転送能力1013を含めるのではなく、例えば、数分に1回、又は、数パケットに1回という間隔で含めるものとしてもよい。
また、本実施の形態においては、データパケット101にサーバー側サービス提供能力1012及びトラフィックパスパケット転送能力1013の双方のフィールドが含まれているが、これに限定されるものではなく、どちらかいずれかのフィールドのみを含めるものとし、クライアント3において、サーバー1のサービス品質の劣化のみ、又は、ネットワーク機器2の転送品質の低下のみが確認できる構成としてもよい。
また、本実施の形態に係るネットワークシステムは、サーバー1及びクライアント3等で構成されるサーバー・クライアント型ネットワークであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、P2P(Peer to Peer)型ネットワークのように、ネットワークを構成するコンピューターがサーバーとしての動作及びクライアントとしての動作の両方の動作をするものが含まれるネットワークシステムに適用されるものとしてもよい。
さらに、本実施の形態に係るネットワークシステムは、データの送信元であるサーバ−1とデータの受信先でありユーザー端末であるクライアント3との間という、互いが通信の終端装置であるような構成について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、サーバー1と、図1におけるホームゲートウェイ3bとの間といったように、少なくとも一方が通信の中継装置であるような構成にも適用してもよい。
【0043】
実施の形態2.
本実施の形態においては、実施の形態1に係るネットワークシステムと相違する点を中心に説明する。
【0044】
(ネットワークシステムの構成)
図6は、本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムにおけるサーバー1の内部構成図である。
図6で示されるように、サーバー1は、少なくとも、サービス提供部11a、サービス提供能力測定部12、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部13aを有する。このネットワークインターフェース部13aは、サービス提供部11a及びサービス提供能力測定部12にそれぞれ接続されている。
【0045】
サービス提供部11aは、実施の形態1に係るサービス提供部11と同様の動作をすることに加え、さらに、クライアント3から品質に関する調査パケットを受信すると、それに対する調査応答パケット1014を生成して、ネットワークインターフェース部13aに送出する部分である。
【0046】
サービス提供能力測定部12は、実施の形態1と同様の動作をするものである。
【0047】
ネットワークインターフェース部13aは、実施の形態1に係るネットワークインターフェース部13と同様の動作をすることに加え、さらに、サービス提供部11aから調査パケットに対する調査応答パケット1014を受け取った場合に、その調査応答パケット1014にサービス提供能力測定部12から受け取った値を書き込んだサーバー側サービス提供能力1012のフィールドのみを付加して生成したデータパケット101aをクライアント3に送信する部分である。ここで、データパケット101a及び後述するデータパケット101bには送信アドレス、送信ポート、受信アドレス、受信ポート、及び、チェックサム値等を含んだパケットヘッダーが含まれるが、図6におけるデータパケット101a、及び、後述する図7及び図8におけるデータパケット101bの表記において省略している。
【0048】
なお、調査応答パケット1014は、本発明の「送信データ」に相当するものである。
【0049】
図7は、本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムを構成するスイッチ又はルーター等のデータの中継をするネットワーク機器2の内部構成図である。
図7で示されるように、ネットワーク機器2は、少なくとも、転送処理部21a、転送能力測定部22a、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部23aを有する。このネットワークインターフェース部23aは、転送処理部21及び転送能力測定部22aにそれぞれ接続されている。
【0050】
転送処理部21aは、ネットワークインターフェース部23aが受信したデータパケット101aを適切な転送先に転送するために、ルーティングテーブル又はARPテーブル等の経路表に基づいて転送先を決定し、ネットワークインターフェース部23aから適切な出力先ポートから出力されるようにして、そのデータパケット101aをネットワークインターフェース部23aに送出する部分である。
【0051】
転送能力測定部22aは、ネットワーク機器2が転送処理を実施するときのそのCPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均若しくは分散、利用するネットワークインターフェース部23の負荷、又は、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率若しくは伝送遅延等の瞬時値等を測定して、ネットワーク機器2自身の転送能力を評価した値を算出し、ネットワークインターフェース部23に送出する部分である。
【0052】
ネットワークインターフェース部23aは、転送処理部21aから受け取ったデータパケット101aに、転送能力測定部22aから受け取った転送能力を評価した値、及び、ネットワーク機器2のIPアドレス等のID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力を追加してデータパケット101bを生成する。そして、ネットワークインターフェース部23aは、こうして生成したデータパケット101bを後述するクライアント3に向けて送信する。
【0053】
図8は、本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムにおけるクライアント3の内部構成図である。
図8で示されるように、クライアント3は、少なくとも、アプリケーション部31a、品質処理部32a、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部33aを有する。このネットワークインターフェース部33aは、アプリケーション部31a及び品質処理部32aにそれぞれ接続されている。さらに、アプリケーション部31aは、品質処理部32aにも接続されている。
【0054】
アプリケーション部31aは、実施の形態1に係るアプリケーション部31と同様の動作等を実施してサービス品質が不十分であることを検出した場合に、サーバー1に対して品質調査のための調査パケットをネットワークインターフェース部33aを通して送信する部分である。また、アプリケーション部31aは、品質処理部32aからサービス品質劣化の原因となっている箇所(サーバー1、又は、複数のネットワーク機器2のいずれか)を示す品質情報を受け取った際に、適切なアクションをとる部分である。ここで、適切なアクションとは、ユーザーに対し、クライアント3が有するLCD等の画面にサービスエラーとして表示したり、ユーザーに対してサービス品質が満たないことを通知してサービスの継続若しくは中止の判断をしたり、又は、ISP等のネットワーク事業者に対してレポートを送信する等してネットワーク運用に貢献する等の処理を示す。
【0055】
品質処理部32aは、ネットワーク機器2からネットワークインターフェース部33aを介してデータパケット101bを受信し、品質情報をアプリケーション部31aに送出する部分である。
【0056】
ネットワークインターフェース部33aは、実施の形態1に係るネットワークインターフェース部33と同様の動作をすることに加え、調査パケットに対する応答であるデータパケット101bを受信し、そのデータパケット101bを品質処理部32a、及び、必要な場合、アプリケーション部31aに送出する部分である。
【0057】
(ネットワークシステムの動作)
図9は、本発明の実施の形態2に係るネットワークシステムの動作説明図である。以下、図9を参照しながら、本実施の形態に係るネットワークシステムの動作について説明する。
【0058】
(S21)
クライアント3のアプリケーション部31aは、受けたいサービスを提供するサーバー1にリクエストするためのサービス要求パケットをネットワークインターフェース部33aを介してサーバー1に送信する。そして、ステップS22へ進む。
【0059】
(S22)
ここで、クライアント3は、実施の形態1において説明した動作によりデータパケット101を受信することによって、サーバー1から十分な品質のサービスが得られないという情報を得たものとする。そして、ステップS23へ進む。
なお、既存のインターネットにおけるアプリケーションと同様に、クライアント3において、ユーザーがなんらかのサービスの品質の劣化を感じたものとしてもよく、又は、クライアント3においてその他の手段によってサービスの品質の劣化を検出した場合としてもよい。
【0060】
(S23)
次に、アプリケーション部31は、サービスの品質が不十分である原因を調べるために、調査パケットをネットワークインターフェース部33aを介してサーバー1に送信する。そして、ステップS24へ進む。
【0061】
(S24)
サーバー1のサービス提供部11aは、上記の調査パケットをネットワークインターフェース部13aを介して受信する。そして、ステップS25へ進む。
【0062】
(S25)
クライアント3からの調査パケットを受信したサービス提供部11aは、その調査パケットに対する調査応答パケット1014を生成し、ネットワークインターフェース部13aに送出する。そして、ステップS26へ進む。
【0063】
(S26)
また、サーバー1のサービス提供能力測定部12は、実施の形態1と同様にサーバ−1のサービス提供能力を測定して、サーバー側サービス提供能力1012を生成し、このサーバー側サービス提供能力1012をネットワークインターフェース部13aに送出する。そして、ステップS27へ進む。
なお、このステップS26の処理はステップS25の処理後に実施されるものとしているが、これに限定されるものではなく、ステップS25及びステップS26は並列に処理されるものとしてもよい。
【0064】
(S27)
ネットワークインターフェース部13aは、サービス提供部11aから受け取った調査応答パケット1014に、サービス提供能力測定部12から受け取ったサーバー側サービス提供能力1012を追加してデータパケット101aを生成し、このデータパケット101aをクライアント3に向けて送信する。そして、ステップS28へ進む。
【0065】
(S28)
ネットワーク機器2のネットワークインターフェース部23aは、サーバー1からデータパケット101aを受信し、そのデータパケット101aを転送処理部21aに送出する。そして、ステップS29へ進む。
【0066】
(S29)
転送処理部21aは、ネットワークインターフェース部23aから受け取ったデータパケット101aを送出するポート及び転送先であるルーター等を決定し、再び、ネットワークインターフェース部23aへデータパケット101aを送出する。そして、ステップS30へ進む。
【0067】
(S30)
また、ネットワーク機器2の転送能力測定部22aは、その時間のネットワーク機器2におけるCPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均若しくは分散、利用するネットワークインターフェース部23aの負荷、又は、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率若しくは伝送遅延等の瞬時値等を測定して算出した転送能力評価値をネットワークインターフェース部23aに送出する。この転送能力評価値について、例えば、ネットワーク機器2のCPUの処理能力が60%以下であり、キューバッファーにおけるキューの量が5%未満であり、ネットワークインターフェース部23の負荷が20%以下である場合にこの転送能力評価値を100とする、等と定義するものとすればよい。そして、ステップS31へ進む。
なお、このステップS30の処理はステップS29の処理後に実施されるものとしているが、これに限定されるものではなく、ステップS29及びステップS30は並列に処理されるものとしてもよい。
【0068】
(S31)
ネットワークインターフェース部23aは、転送処理部21aから受け取ったデータパケット101aに、転送能力測定部22aから受け取った転送能力評価値、及び、ネットワーク機器2のIPアドレス等のID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力(1)1013aを追加してデータパケット101bを生成し、クライアント3に向けて送信する。すなわち、ネットワーク機器2を経由する度に、各ネットワーク機器2に対応した転送能力を示すトラフィックパスパケット転送能力(1)1013a、トラフィックパスパケット転送能力(2)1013b、・・・が追加され、データパケット101bの情報量が大きくなる。そして、ステップS32へ進む。
【0069】
(S32)
クライアント3のネットワークインターフェース部33aは、ネットワーク機器2からデータパケット101bを受信し、このデータパケット101bを品質処理部32aに送出し、また、必要があれば、アプリケーション部31aにも送出する。そして、ステップS33へ進む。
【0070】
(S33)
品質処理部32aは、ネットワークインターフェース部33aからデータパケット101bを受け取り、このデータパケット101bに含まれるサーバー側サービス提供能力1012と、複数のトラフィックパスパケット転送能力の中から、サービス品質劣化の原因となっている箇所(サーバー1、又は、複数のネットワーク機器2のいずれか)を閾値等に基づいて品質情報を導出し、その品質情報をアプリケーション部31aに送出する。具体的には、データパケット101bには、サーバー側サービス提供能力1012のフィールド、及び、ネットワーク機器2のID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力(図7及び図8で示されるトラフィックパスパケット転送能力(1)1013a及びトラフィックパスパケット転送能力(2)1013b等に相当する)のフィールドが複数含まれている。この2種類のフィールドについて、それぞれ閾値を定めてやり、サーバー側サービス提供能力1012の値が閾値を下回った場合はサーバー1のサービス提供能力不足によるサービスの品質の劣化であることがわかる。また、トラフィックパスパケット転送能力の値が閾値を下回った場合は、そのフィールドに付帯しているID情報を持ったネットワーク機器2の転送能力不足によるサービスの品質の劣化であることがわかる。そして、ステップS34へ進む。
なお、品質の劣化を引き起こすネットワーク機器2は複数台存在している場合もあることは言うまでもない。
【0071】
(S34)
アプリケーション部31aは、品質処理部32aからの品質情報の割り込みを受け、適切なアクションをとる。ここで、適切なアクションとは、前述したとおりである。
【0072】
(実施の形態2における効果)
以上のような構成及び動作によって、品質の調査パケットとその応答パケットであるデータパケット102a及びデータパケット102bによって、品質調査用のデータパケットとして単独でその機能を果たすため、実施の形態1に係るネットワークシステムのように多くのデータパケットに品質情報を含める場合と比較して、ネットワーク資源の有効に活用できるという利点がある。
また、実施の形態1に係るデータパケット101によって、又は、ユーザーによって品質が劣化したと体感した等、サービス品質が劣化した場合、サーバー1が原因なのか、経由するどのネットワーク機器2が原因なのかをクライアント3が確認することができる。すなわち、クライアント3から送信された調査パケットに応答してサーバー1から送信され、ネットワーク機器2を経由するデータパケット101bには、サーバー側サービス提供能力1012のフィールドと、ネットワーク機器2のID情報が含まれているトラフィックパケット転送能力のフィールドが含まれており、そのデータパケット101bを受信したクライアント3は、それぞれのフィールドの値に対して閾値との比較処理を実施することによって品質劣化を引き起こしている機器(サーバー1又はネットワーク機器2)を特定することができるからである。このとき、品質劣化を引き起こしている機器は複数台存在している場合もあるのは言うまでもない。
また、上記のような、クライアントに送信されたサービス品質の劣化となるサーバー又はネットワーク機器等の情報をISP等のネットワーク事業者に対して通知することが可能となる。このとき、ネットワークシステムの多数のクライアントから通知された品質劣化の原因となっているサーバー又はネットワーク機器は、過負荷状態又は故障等の疑いがあるため、管理できるものであればそれらを再起動又はリプレースする等、原因を取り除くことでネットワークオペレーションの健全化に役立てることができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、実施の形態1において説明した動作によりデータパケット101を受信することによって、サーバー1から十分な品質のサービスが得られないという情報を得た場合、又は、クライアント3において、ユーザーがなんらかの品質の劣化を感じた場合に、調査パケットをサーバー1に送信する構成としているが、これに限定されるものではなく、定期的に、又は、ネットワークの品質に問題が発生した場合に、調査パケットをサーバー1に送信するものとしてもよい。
また、本実施の形態においては、調査応答パケット1014を含んだデータパケット101a又はデータパケット101bに対して、経由するネットワーク機器2ごとにそのID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力を追加するものとしているが、実施の形態1のように、経由するネットワーク機器2ごとに1つのトラフィックパスパケット転送能力のフィールドの値からその品質劣化値を引いた値に更新するものとしてもよい。
また、本実施の形態においては、調査応答パケット1014を含んだデータパケット101bに対して、経由するネットワーク機器2ごとにID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力を追加する動作としているが、実施の形態1においてサービスデータ1011を含んだデータパケット101に対して、経由するネットワーク機器2ごとに1つのトラフィックパスパケット転送能力1013の値からその品質劣化値を引いた値に更新するのではなく、本実施の形態のように経由するネットワーク機器2ごとにID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力を追加する動作としてもよい。このような動作は、ネットワーク負荷の少ない小規模なネットワーク、又は、経由するネットワーク機器2の台数が比較的少ないネットワークにおいて有用である。
さらに、本実施の形態においては、データパケット101bにサーバー側サービス提供能力1012及びトラフィックパスパケット転送能力の双方のフィールドが含まれているが、これに限定されるものではなく、どちらかいずれかのフィールドのみを含めるものとし、クライアント3において、サーバー1のサービス品質の劣化のみ、又は、ネットワーク機器2の転送品質の劣化のみが確認できる構成としてもよい。
【0074】
実施の形態3.
本実施の形態においては、実施の形態1に係るネットワークシステムと相違する点を中心に説明する。
【0075】
(ネットワークシステムの構成)
図10は本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムにおけるサーバー1の内部構成図であり、図11は、サーバー1が生成するデータパケット101cのデータ構成である。
図10で示されるように、サーバー1は、少なくとも、サービス提供部11、サービス提供能力測定部12、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部13bを有する。このネットワークインターフェース部13bは、サービス提供部11及びサービス提供能力測定部12にそれぞれ接続されている。
【0076】
サービス提供部11は、実施の形態1と同様の動作をする。
【0077】
サービス提供能力測定部12は、実施の形態1と同様の動作をする。
【0078】
ネットワークインターフェース部13bは、サービス提供部11から送出されてきた図10で示されるようなサービスデータ1011に、サーバー側サービス提供能力1012、及び、トラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドを追加してデータパケット101cを生成する。ここで、データパケット101cには、図11で示されるように、送信アドレス、送信ポート、受信アドレス、受信ポート、及び、チェックサム値等を含んだパケットヘッダー1015が含まれるが、図10、後述する図12及び図13におけるデータパケット101cの表記において省略している。次に、ネットワークインターフェース部13bは、サービス提供能力測定部12から受け取った値をサーバー側サービス提供能力1012に書き込み、トラフィックパスパケット転送能力1013に所定の初期値を入れる。また、ネットワークインターフェース部13bは、パケットヘッダー1015、サービスデータ1011及びサーバー側サービス提供能力1012についてはチェックサムカバー範囲としてチェックサムを算出してパケットヘッダー1015に含め、トラフィックパスパケット転送能力1013についてはチェックサムカバー範囲外とする。そして、ネットワークインターフェース部13bは、こうして生成したデータパケット101cを後述するクライアント3に向けて送信する。
【0079】
図12は、本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムを構成するスイッチ又はルーター等のデータの中継をするネットワーク機器2の内部構成図である。
図12で示されるように、ネットワーク機器2は、少なくとも、転送処理部21、転送能力測定部22、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部23bを有する。このネットワークインターフェース部23bは、転送処理部21及び転送能力測定部22にそれぞれ接続されている。
【0080】
転送処理部21は、実施の形態1と同様の動作をする。
【0081】
転送能力測定部22は、実施の形態1と同様の動作をする。
【0082】
ネットワークインターフェース部23bは、転送処理部21から受け取ったデータパケット101cに、トラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドに値が設定されているかどうかを判定し、値が設定されていればトラフィックパスパケット転送能力1013の値から、転送能力測定部22から受け取った品質劣化値を引いた値に更新する。ここで、上記のトラフィックパスパケット転送能力1013の値の更新処理後、データパケット101cについてのチェックサムは演算しない。そして、ネットワークインターフェース部23bは、こうして生成したデータパケット101cを後述するクライアント3に向けて送信する。
【0083】
図13は、本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムにおけるクライアント3の内部構成図である。
図13で示されるように、クライアント3は、少なくとも、アプリケーション部31、品質処理部32、及び、外部のネットワークと通信するためのネットワークインターフェース部33bを有する。このネットワークインターフェース部33bは、アプリケーション部31及び品質処理部32にそれぞれ接続されている。さらに、アプリケーション部31は、品質処理部32にも接続されている。
【0084】
アプリケーション部31は、実施の形態1と同様の動作をする。
【0085】
品質処理部32は、実施の形態1と同様の動作をする。
【0086】
ネットワークインターフェース部33bは、実施の形態1に係るネットワークインターフェース部33と同様の動作をするが、サーバ−1から受信したデータパケット101cにおけるパケットヘッダー1015、サービスデータ1011及びサーバー側サービス提供能力1012の部分についてはチェックサムとの整合性をチェックし、転送エラー等がないデータであることを確認する。また、ネットワークインターフェース部33bは、データパケット101cのトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドについては転送エラー等のチェックを実施しない。そして、ネットワークインターフェース部33bは、サーバー1から受信した上記のデータパケット101cに、サーバー側サービス提供能力1012又はトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドに値が設定されていた場合、それらのフィールドを品質処理部32に送出し、データパケット101cのうち、残りのサービスデータ1011をアプリケーション部31に送出する。
【0087】
(ネットワークシステムの動作)
本実施の形態に係るネットワークシステムの動作は、実施の形態1と基本的に同様であるが、処理が異なるステップについてのみ、図5を参照しながら以下に説明する。このとき、本実施の形態において、実施の形態1において説明されている「データパケット101」、「ネットワークインターフェース部13」、「ネットワークインターフェース部23」及び「ネットワークインターフェース部33」はそれぞれ、「データパケット101c」、「ネットワークインターフェース部13b」、「ネットワークインターフェース部23b」及び「ネットワークインターフェース部33b」と読み替えるものとする。
【0088】
(S5)
ネットワークインターフェース部13bは、送信アドレス、送信ポート、受信アドレス、受信ポート、及び、チェックサム値等を含んだパケットヘッダー1015と、サービス提供部11から受け取ったサービスデータ1011と、サービス提供能力測定部12から受け取ったサーバー側サービス提供能力1012とを合わせて、さらに、経由するネットワーク機器2等がその値を更新することを可能にするトラフィックパスパケット転送能力1013に所定の初期値(例えば100)を入れたものを加えてデータパケット101cを生成する。また、ネットワークインターフェース部13bは、パケットヘッダー1015、サービスデータ1011及びサーバー側サービス提供能力1012についてはチェックサムカバー範囲としてチェックサムを算出してパケットヘッダー1015に含め、トラフィックパスパケット転送能力1013についてはチェックサムカバー範囲外としてチェックサムを算出せず、データパケット101cをクライアント3に向けて送信する。そして、ステップS6へ進む。
【0089】
(S9)
ネットワークインターフェース部23bは、転送処理部21から受け取ったデータパケット101cの中のトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドの値を、その値から転送能力測定部22から受け取った品質劣化値を引いた値に更新し、この更新されたトラフィックパスパケット転送能力1013を有するデータパケット101cをクライアント3に向けて送信する。このデータパケット101は、他のネットワーク機器2を経由する度に少しずつトラフィックパスパケット転送能力1013の値が引かれてゆく。このとき、ネットワークインターフェース部23bは、上記のトラフィックパスパケット転送能力1013の値の更新処理後、データパケット101cについてのチェックサムは算出しない。そして、ステップS10へ進む。
【0090】
(S10)
クライアント3のネットワークインターフェース部33bは、ネットワーク機器2からデータパケット101cを受信し、このデータパケット101cにおけるパケットヘッダー1015、サービスデータ1011及びサーバー側サービス提供能力1012の部分についてはチェックサムとの整合性をチェックし、転送エラー等がないデータであることを確認する。また、ネットワークインターフェース部33bは、データパケット101cのトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドについては転送エラー等のチェックを実施しない。そして、ネットワークインターフェース部33bは、データパケット101cにサーバー側サービス提供能力1012又はトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドに値が設定されていた場合、それらのフィールドを品質処理部32に送出し、残ったサービスデータ1011をアプリケーション部31に送出する。ネットワークインターフェース部33bからサービスデータ1011を受け取ったアプリケーション部31は、品質処理部32からの割り込みが無ければ通常のデータ処理を実施する。そして、ステップS11へ進む。
【0091】
(実施の形態3における効果)
以上の構成及び動作のように、サーバー1によってデータパケット101cのチェックサムをその中に含まれるパケットヘッダー1015、サービスデータ1011及びサーバー側サービス提供能力1012のみチェックサムを算出し、ネットワーク機器2はデータパケット101cに対して新たにチェックサムを算出して更新しないことにより、データパケット101cに対するエラー訂正機能を弱めることによって、ネットワーク機器2のデータ処理の負荷を軽減することができ、ネットワーク機器2の性能低下を抑制することができる。
また、クライアント3は、データパケット101cについてトラフィックパスパケット転送能力1013のフィールドについては転送エラー等のチェックを実施しないので、クライアント3における処理負荷を軽減することもできる。
【0092】
なお、本実施の形態においては、サービスデータ1011を含んだデータパケット101cに対して、経由するネットワーク機器2ごとに1つのトラフィックパスパケット転送能力1013の値からその品質劣化値を引いた値に更新するものとしているが、実施の形態2のように、経由するネットワーク機器2ごとにそのID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力を追加する動作としてもよく、この場合にも、データパケット101cについて、追加したトラフィックパスパケット転送能力を加味したチェックサムを算出しないものとすれば、上記と同様の効果を得ることができる。
また、図14で示されるデータパケット101dは、実施の形態2におけるクライアント3からの調査パケットに対する応答パケットであるデータパケット101bと実質的に同様のパケットであるが、このデータパケット101dについて、サーバー1において、パケットヘッダー1015、調査応答パケット1014及びサーバー側サービス提供能力1012についてのみチェックサムカバー範囲としてチェックサムを算出するものとしてもよい。このとき、ネットワーク機器2は、データパケット101dに対し、自身のID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力のみを追加するのみとし、データパケット101dに対して新たにチェックサムを算出して更新しないものとすればよく、このようにすることによって、上記と同様の効果を得ることができる。
さらに、図14で示されるデータパケット101dは、経由するネットワーク機器2ごとにそのID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力(図14において、トラフィックパスパケット転送能力(1)1013a及びトラフィックパスパケット転送能力(2)1013b等)を追加するものとしているが、実施の形態1のように、経由するネットワーク機器2ごとに1つのトラフィックパスパケット転送能力のフィールドの値からその品質劣化値を引いた値に更新するものとしてもよい。この場合においても、サーバー1において、パケットヘッダー1015、調査応答パケット1014及びサーバー側サービス提供能力1012についてのみチェックサムカバー範囲としてチェックサムを算出するものとすればよい。
【符号の説明】
【0093】
1、1a、1b サーバー、2 ネットワーク機器、2a〜2c ISP、3 クライアント、3a ユーザー端末、3b ホームゲートウェイ、11、11a サービス提供部、12 サービス提供能力測定部、13、13a、13b ネットワークインターフェース部、21、21a 転送処理部、22、22a 転送能力測定部、23、23a、23b ネットワークインターフェース部、31、31a アプリケーション部、32、32a 品質処理部、33、33a、33b ネットワークインターフェース部、101、101a〜101d、102a、102b データパケット、201、202 トラフィックパス、1011 サービスデータ、1012 サーバー側サービス提供能力、1013 トラフィックパスパケット転送能力、1013a トラフィックパスパケット転送能力(1)、1013b トラフィックパスパケット転送能力(2)、1014 調査応答パケット、1015 パケットヘッダー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部のネットワークに接続され、該ネットワークとデータの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
該ネットワークインターフェース部に接続している前記ネットワークに接続された機器に対して送信するためのデータである送信データを生成するサービス提供部と、
サービス提供能力として、CPUの処理状況、メモリー利用状況、動作中のアプリケーションが利用しているCPUの占有率、そのアプリケーションに割り当てられたメモリー量、ディスクI/Oの割り込み状況、及び、前記ネットワークインターフェース部の利用状況のうち、少なくとも1つを測定し、数値化してサーバー側サービス提供能力値として前記ネットワークインターフェース部に送出するサービス能力測定部と、
を備え、
前記ネットワークインターフェース部は、前記送信データに、前記サービス能力測定部から受け取った前記サーバー側サービス提供能力値を入れたサーバー側サービス提供能力フィールドを付加してデータパケットを生成し、前記ネットワークに対して送信する
ことを特徴とするサーバー。
【請求項2】
外部のネットワークに接続され、該ネットワークとデータの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
該ネットワークインターフェース部に接続している前記ネットワークに接続された機器に対して送信するためのデータである送信データを生成するサービス提供部と、
を備え、
前記ネットワークインターフェース部は、前記送信データに、前記ネットワークに接続された機器において、その転送能力を評価する値を入れるためのトラフィックパスパケット転送能力フィールドを付加して、該トラフィックパスパケット転送能力フィールドに所定の初期値を入れたデータパケットを生成し、前記ネットワークに対して送信する
ことを特徴とするサーバー。
【請求項3】
前記送信データは、前記ネットワークに接続された機器に対してサービスを提供するためのサービスデータである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサーバー。
【請求項4】
前記送信データは、前記サービス提供部が前記ネットワークに接続された機器から前記ネットワークの品質に関する調査を指示する調査パケットを前記ネットワークインターフェース部を介して受信した際に生成する調査応答パケットである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のサーバー。
【請求項5】
前記ネットワークインターフェース部は、前記データパケットのうち、該データパケットの送受信アドレス等を含むパケットヘッダー、前記送信データ及び前記サーバー側サービス提供能力フィールドに対してチェックサムを算出して、その算出値を前記パケットヘッダーに含める
ことを特徴とする請求項1記載のサーバー。
【請求項6】
前記ネットワークインターフェース部は、前記データパケットのうち、前記トラフィックパスパケット転送能力フィールド以外のデータ部分に対してチェックサムを算出して、その算出値を、前記データパケットにおける該データパケットの送受信アドレス等を含むパケットヘッダーに含める
ことを特徴とする請求項2記載のサーバー。
【請求項7】
外部のネットワークを介して請求項2記載のサーバーに接続され、該ネットワークと前記データパケットの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
該ネットワークインターフェース部を介して前記データパケットを受信し、該データパケットの転送先を該データパケットに反映させて前記ネットワークインターフェース部に送出する転送処理部と、
転送処理能力として、CPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均又は分散、利用する前記ネットワークインターフェース部の負荷、及び、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率又は伝送遅延のうち、少なくとも1つを測定し、数値化して転送品質劣化値として前記ネットワークインターフェース部に送出する転送能力測定部と、
を備え、
前記ネットワークインターフェース部は、前記転送処理部から受け取った前記データパケットの前記トラフィックパスパケット転送能力フィールドの値から前記転送品質劣化値を減算した値を新たな前記トラフィックパスパケット転送能力フィールドの値として更新し、前記ネットワークに対して送信する
ことを特徴とするネットワーク機器。
【請求項8】
外部のネットワークを介して請求項1記載のサーバーに接続され、該ネットワークと前記データパケットの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
該ネットワークインターフェース部を介して前記データパケットを受信し、該データパケットの転送先を該データパケットに反映させて前記ネットワークインターフェース部に送出する転送処理部と、
転送処理能力として、CPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均又は分散、利用する前記ネットワークインターフェース部の負荷、及び、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率又は伝送遅延のうち、少なくとも1つを測定し、数値化して転送品質劣化値として前記ネットワークインターフェース部に送出する転送能力測定部と、
を備え、
前記ネットワークインターフェース部は、
前記転送処理部から受け取った前記データパケットに、前記ネットワークに接続された機器において、その転送能力を評価する値を入れるためのトラフィックパケットフィールド転送能力フィールドが付加されていない場合、該トラフィックパス転送能力フィールドを付加して、該トラフィックパス転送能力フィールドに所定の初期値を入れた前記データパケットを生成し、
前記転送処理部から受け取った前記データパケットの前記トラフィックパスパケット転送能力フィールドの値から前記転送品質劣化値を減算した値を新たな前記トラフィックパスパケット転送能力フィールドの値として更新し、前記ネットワークに対して送信する
ことを特徴とするネットワーク機器。
【請求項9】
外部のネットワークを介して請求項1記載のサーバーに接続され、該ネットワークと前記データパケットの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
該ネットワークインターフェース部を介して前記データパケットを受信し、該データパケットの転送先を該データパケットに反映させて前記ネットワークインターフェース部に送出する転送処理部と、
転送処理能力として、CPU負荷、キューバッファーにおけるキューの量、データを転送するために要する時間の平均又は分散、利用する前記ネットワークインターフェース部の負荷、及び、利用するネットワークポートに接続されたリンクのパケットロス率又は伝送遅延のうち、少なくとも1つを測定し、数値化して転送能力評価値として前記ネットワークインターフェース部に送出する転送能力測定部と、
を備え、
前記ネットワークインターフェース部は、前記転送処理部から受け取った前記データパケットに、前記転送能力評価値、及び、自身のアドレス等であるID情報を含んだトラフィックパスパケット転送能力フィールドを追加し、前記ネットワークに対して送信する
ことを特徴とするネットワーク機器。
【請求項10】
前記ネットワークインターフェース部は、
前記ネットワークを介して請求項5記載のサーバーに接続され、
前記データパケットに対してチェックサムの算出をしない
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載のネットワーク機器。
【請求項11】
前記ネットワークインターフェース部は、
前記ネットワークを介して請求項6記載のサーバーに接続され、
前記データパケットに対してチェックサムの算出をしない
ことを特徴とする請求項7記載のネットワーク機器。
【請求項12】
外部のネットワークを介して請求項1記載のサーバーに接続され、前記ネットワークと前記データパケットの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
前記サーバーから前記ネットワーク及び前記ネットワークインターフェース部を介して、サービスの提供を受けるアプリケーション部と、
前記ネットワークインターフェース部が受信した前記データパケットのうち少なくとも前記サーバー側サービス提供能力フィールドを受け取り、少なくとも該サーバー側サービス提供能力フィールドを含有する品質情報を前記アプリケーション部に送出する品質処理部と、
を備え、
前記アプリケーション部は、前記品質処理部から受け取った前記品質情報に基づいて、前記サーバーから所定の品質以上のサービスが受けられないと判断した場合、前記サーバーとの通信をキャンセル、又は、前記サーバーとのデータ転送に関するサービスレベルを低下させる等の処理を実施する
ことを特徴とするクライアント。
【請求項13】
外部のネットワークを介して請求項7又は請求項8記載のネットワーク機器に接続され、前記ネットワークと前記データパケットの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
前記サーバーから前記ネットワークにおける前記ネットワーク機器、及び、前記ネットワークインターフェース部を介して、サービスの提供を受けるアプリケーション部と、
前記ネットワークインターフェース部が受信した前記データパケットのうち少なくとも前記トラフィックパスパケット転送能力フィールドを受け取り、少なくとも該トラフィックパスパケット転送能力フィールドを含有する品質情報を前記アプリケーション部に送出する品質処理部と、
を備え、
前記アプリケーション部は、前記品質処理部から受け取った前記品質情報に基づいて、
前記サーバーから所定の品質以上のサービスが受けられないと判断した場合、前記サーバーとの通信をキャンセル、又は、前記サーバーとのデータ転送に関するサービスレベルを低下させる等の処理を実施する
ことを特徴とするクライアント。
【請求項14】
外部のネットワークを介して請求項9記載のネットワーク機器に接続され、前記ネットワークと前記データパケットの送受信を実施するネットワークインターフェース部と、
前記サーバーから前記ネットワークにおける前記ネットワーク機器、及び、前記ネットワークインターフェース部を介して、サービスの提供を受けるアプリケーション部と、
前記ネットワークインターフェース部が受信した前記データパケットのうち少なくとも前記転送能力評価値及び前記ID情報を含んだ前記トラフィックパスパケット転送能力フィールドを受け取り、少なくとも該トラフィックパスパケット転送能力フィールドを含有する品質情報を前記アプリケーション部に送出する品質処理部と、
を備え、
前記アプリケーション部は、前記品質処理部から受け取った前記品質情報に含まれる前記トラフィックパスパケット転送能力フィールドの前記転送能力評価値と、所定の閾値とを比較し、1つ又は複数の前記ネットワーク機器のうちいずれが転送能力不足であるかを判断する
ことを特徴とするクライアント。
【請求項15】
前記ネットワークインターフェース部は、
外部のネットワークを介して請求項5記載のサーバーに接続され、
前記データパケットの前記パケットヘッダーに含まれる前記チェックサムの値に基づいて転送エラーの有無を確認する
ことを特徴とする請求項12記載のクライアント。
【請求項16】
請求項1記載のサーバーと、
請求項12記載のクライアントと、
を備えた
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項17】
請求項7又は請求項8記載のネットワーク機器と、
請求項13記載のクライアントと、
を備えた
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項18】
請求項9記載のネットワーク機器と、
請求項14記載のクライアントと、
を備えた
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項19】
請求項1記載のサーバーと、
請求項8記載のネットワーク機器と、
請求項13記載のクライアントと、
を備えた
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項20】
請求項1記載のサーバーと、
請求項9記載のネットワーク機器と、
請求項14記載のクライアントと、
を備えた
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項21】
請求項2記載のサーバーと、
請求項7記載のネットワーク機器と、
請求項13記載のクライアントと、
を備えた
ことを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−77793(P2011−77793A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226621(P2009−226621)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/次世代ネットワーク(NGN)基盤技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】