説明

サーバ装置、動画像配信システム、及びサーバプログラム

【課題】携帯端末にFlashの動画像を配信するシステムにおいて、携帯端末に動画表示されるSWFファイルのキャラクタの色を、携帯端末からの入力データに基づいて動的に変更して表示できるようにする。
【解決手段】予め定められたキャラクタの動画像データのファイルが格納された動画ファイル格納部22と、通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信手段24と、送受信手段24での受信データに基づいて、動画像データのファイルを解析する解析手段25と、動画像データのファイルに記述されたパラメータを書き換えるパラメータ変更手段26と、を備える。パラメータ変更手段26は、携帯端末からの入力データに含まれるキャラクタの色を表すパラメータに従い、当該キャラクタを構成する複数のオブジェクトの内の所定の対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、解析手段25で抽出された動画像データのファイルを書き換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の画面上で表示される種々の動画の色、特にキャラクタの色をユーザの要求に基づいて変更するための技術に関し、より詳しくは、Flash(登録商標)の動画像を構成するSWF(Shockwave Flash)ファイルの複数のムービークリップに対して任意の色設定を行うためのサーバ装置、動画像配信システム、及びサーバプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信技術の急速な発展により、ネットワークを介してサーバから提供される種々のコンテンツやゲームなどの動画像を通信端末で表示することが一般的になった。かかる動画像の代表例としては、Adobe社のソフトウェア“FLASH”により著作されるSWFファイルが挙げられ、SWFファイルを再生するためのフラッシュ・プレーヤー(Flash Player)などのソフトウェア(プラグイン)が広く普及している。
【0003】
また、近年の携帯端末、特に携帯電話機に関する通信技術の発展はめざましく、通常の電話通信機能、メール送受信機能、写真撮影機能等のみならず、インターネットに接続して種々のゲームや動画像の配信を受ける機能を有する携帯電話機が増えている。
【0004】
携帯電話機でインターネットを介してゲームや動画像の配信を受ける場合には、携帯電話機内のwebブラウザにFlash Liteが実装(プラグイン)され、サーバから供給されたSWFファイルによる動画像をFlash Liteで再生するようにする方式が広く普及している。
【0005】
ここで、Flash Liteは、実装容量や作業メモリ(RAM)容量が比較的少ない携帯端末用に設計されているため、パーソナルコンピュータ(PC)用の同種のソフトウェアと比較して動作が軽いなどの特徴を有しているが、一方で、データ転送速度の制限や、携帯端末側でのFlash動画像データを加工する際の制限がある。
【0006】
より具体的には、例えばFlash Liteのバージョン1.1の場合は、PC用のFlash Playerの古いバージョン(バージョン4程度)に相当すると言われており、かつ、使用される携帯電話機等の機種にもよるが、例えば、ファイルサイズ(再生対象となるコンテンツファイルの最大データサイズ)が100KB程度に制限される、コンテンツが実行される際のメモリサイズが1000KB程度に制限される、画面サイズが大幅に小さくなる(例えば240ピクセル×240ピクセル)などの特有の制限がある。また、Flash動画像データの加工、例えば、Flash動画像に含まれるムービークリップの色をパラメータ等の受け渡し(指定)により変更できないなどの制限がある。
【0007】
下記特許文献1では、携帯端末から送られてきた文字または画像のデータと、サーバで予め準備されたFlashの基本動作とを合成することにより、Flash動画像をサーバで動的に自動生成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−066303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1ではサーバが行う具体的な処理動作の詳細までは開示していない。
【0010】
最近では、サーバから携帯端末用に様々な種類の動画像データが配信されるようになり、このため、携帯端末側で動画像データに含まれる各種パラメータを加工して、自機の表示部に様々の形態で表示させることに対するニーズが高まっている。特に、特徴的なキャラクタが登場するゲームなどの動画像データにつき、当該キャラクタの色を場面や行動(アクション)に応じて種々の形態で表示するように動的に変更することが出来れば、一層魅力的な携帯端末用コンテンツを構築する途が開かれるが、現在の携帯端末用の動画像配信システムでは、未だこの段階まで至っていない。
【0011】
この問題を解決するための方策として、例えば、変更が予想される各種の形態の動画像データを全てサーバで予め用意しておくこと、すなわち、サーバ側で各種パラメータ毎に全ての動画像のファイルをライブラリとして予め格納しておくことも考えられる。しかしながら、この場合には、格納データ量が膨大となり、コストの点で実用的ではない。例えば、1個60KBのファイルをハードディスク内に予めフルカラー(16777215色)分格納しようとすると、約1000GBの容量が必要となる。
【0012】
一方、最近ではFlash Liteのバージョンが上がり(2.1や3.0など)、これらでは携帯端末機側で動画像のパラメータを変更可能な仕様も現れてきたが、バージョンアップされたFlash Liteについては、未だ普及率が低く全ての携帯端末では対応できないこと、また、携帯端末機側での実装容量や作業メモリ(RAM)容量さらには処理の負荷が増えるなどの問題点がある。
【0013】
本発明の目的は、携帯端末にFlashの動画像を配信するシステムにおいて、携帯端末に動画表示されるSWFファイルのキャラクタの色を、携帯端末からの入力データに基づいて動的に変更して表示できるようにしたサーバ装置、かかるサーバ装置が用いられた動画像配信システム、及びサーバプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決した本発明に係るサーバ装置の第1の主たる構成は、予め定められたキャラクタの動画像データのファイルが格納された動画ファイル格納部と、通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信手段と、送受信手段で受信されたデータに基づいて、動画像データのファイルを解析する解析手段と、動画像データのファイルに記述されたパラメータを書き換えるパラメータ変更手段と、を備え、解析手段は、送受信手段で受信された携帯端末からの入力データに基づいて、動画ファイル格納部から動画像データのファイルを抽出し、パラメータ変更手段は、携帯端末からの入力データに含まれるキャラクタの色を表すパラメータに従い、当該キャラクタを構成する複数のオブジェクトの内の所定の対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、前記抽出された動画像データのファイルを書き換え、送受信手段は、当該色パラメータ変更後の動画像データのファイルを、SWFフォーマットデータとして、携帯端末宛に通信網へ送信することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るサーバ装置の第2の主たる構成は、SWFファイルの仕様を規定したデータが格納されるSWFファイルフォーマットデータ格納部と、予め定められたキャラクタの種々のアクションがアクション毎に一のSWFアクションファイルとして格納されたSWFアクションファイル格納部と、通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信手段と、前記送受信手段で受信された携帯端末からのキャラクタのアクション指定を含む入力データ及び前記SWFファイルフォーマットデータ格納部のデータに基づいて、使用されるSWFアクションファイルを解析する解析手段と、前記SWFアクションファイルに記述されたパラメータを書き換えるパラメータ変更手段と、を備え、解析手段は、送受信手段で受信された携帯端末からの入力データに基づいて、対応するSWFアクションファイルをSWFアクションファイル格納部から抽出し、パラメータ変更手段は、携帯端末からの入力データに含まれるキャラクタの色を表すパラメータに従い、当該キャラクタを構成する複数のオブジェクトの内の所定の対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、前記抽出されたSWFアクションファイルを書き換え、送受信手段は、当該色パラメータ変更後のファイルを、SWFフォーマットデータとして、携帯端末宛に通信網へ送信することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る動画像配信システムは、上記のサーバ装置(第1のサーバ装置)と、携帯端末と通信を行う第2のサーバ装置とを備え、第2のサーバ装置は、前記携帯端末の操作入力情報を受信し、該受信された操作入力情報に基づいて、携帯端末を介して前記第1のサーバ装置に送信するための前記キャラクタのアクション指定を含むhttpリクエストを生成し、該生成されたhttpリクエストを前記携帯端末に送信することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係るサーバプログラムは、携帯端末に提供する動画像の色を変更するために、サーバコンピュータを、予め定められたキャラクタの動画像データのファイルが格納された動画ファイル格納部、通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信手段、送受信手段で受信されたデータに基づいて、動画像データのファイルを解析する解析手段、及び、動画像データのファイルに記述されたパラメータを書き換えるパラメータ変更手段、として機能させ、解析手段を、送受信手段で受信された携帯端末からの入力データに基づいて、動画ファイル格納部から動画像データのファイルを抽出するように機能させるとともに、パラメータ変更手段を、携帯端末からの入力データに含まれるキャラクタの色を表すパラメータに従い、当該キャラクタを構成する複数のオブジェクトの内の所定の対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、前記抽出された動画像データのファイルを書き換えるように機能させ、送受信手段を、当該色パラメータ変更後の動画像データのファイルをSWFフォーマットデータとして、携帯端末宛に通信網へ送信するように機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯端末にFlashの動画像を配信するシステムにおいて、携帯端末に動画表示されるSWFファイルのキャラクタの色を、携帯端末からの入力データに基づいて、サーバ側で動的に変更して携帯端末で表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】フラッシュ動画像の一のSWFアクションシーンの構成を説明するためのデータ構造図である。
【図2】本発明を適用した動画像配信システムの全体概要図である。
【図3】ゲームサーバのブロック図である。
【図4】ゲームデータベースに格納されるユーザデータファイルの構造を示す図である。
【図5】ゲームデータベースに格納される操作・アクション定義ファイルの構造を示す図である。
【図6】画像合成サーバのブロック図である。
【図7】携帯端末と各サーバとの通信概要を示す信号フロー図である。
【図8】携帯端末の表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図9】入力データのフォーマットの一例を示すデータ構造図である。
【図10】画像合成サーバが行う処理を示すフローチャートである。
【図11】データ解析部の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図12】SWFアクションファイル内におけるキャラクタを構成するパーツ(シェィプ)とムービークリップとの関係を説明する図である。
【図13】ゲームデータベースに格納される色パラメータ定義ファイルの一例を示すデータ構造図である。
【図14】入力データのフォーマットの他の例を示すデータ構造図である。
【図15】入力データのフォーマットのさらに他の例を示すデータ構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
本発明を適用した実施の形態の動画像配信システムは、通信網を介してサーバに無線通信で接続した携帯端末が、サーバに要求すなわちリクエスト情報を送信することによって、一のSWFアクションシーンのフラッシュ動画像の供給を受けるものである。
【0022】
ここで、図1(a)に示すように、フラッシュ動画像の一のSWFアクションシーン1000は、複数のSWFアクションファイル1002(1002A,1002B,・・・1002n)を任意に連結して構成される。さらに、図1(b)に示すように、一のSWFアクションシーン1000の最前面にSWFフレームファイル1001が合成されることで、一のフラッシュ動画像が構成される。
【0023】
このうち、SWFアクションファイル1002は、キャラクタの1個のアクション(行動)を定義したSWFファイルであり、各ファイル毎に固有のファイル名(アクションファイル名)を有する。換言すると、アクションファイル名とは、キャラクタが具体的にどのような行動(アクション)をするのかを示すものである。一のSWFアクションファイルには1つ又は複数のムービークリップを含めることができる。なお、ムービークリップの説明は後述する。
【0024】
一方、SWFフレームファイル1001は、枠を書き込んだSWFファイルであり、かかるファイルも、各ファイル毎に固有のファイル名(フレームファイル名)を有する。
【0025】
そして、図2に示すように、本実施形態の動画像配信システムは、ユーザ毎のゲームのデータを管理するゲームサーバ1と、ユーザの要求に基づいて動画像を合成して送信する画像合成サーバ2と、ユーザが操作する携帯端末3と、を含んでいる。なお、実際には無線通信を行うための交換機等が介在されるが、簡明のため図示及び説明は省略する。本実施形態では、通信網としてインターネットを使用するが、他の専用回線網などを使用することも可能である。
【0026】
また、本実施形態では、ユーザの端末操作によりキャラクタの育成を行う育成ゲームについての構成例を説明するが、本発明はこれに限定されず、種々の画像配信のシステムに適用可能である。
【0027】
ゲームサーバ1は、携帯端末3の操作入力情報を受信し、該受信された操作入力情報に基づいて、携帯端末3を介して画像合成サーバ2に送信するためのキャラクタのアクション指定を含むhttpリクエストを生成し、該生成されたhttpリクエストを携帯端末3に送信する機能を有する。具体的には、ゲームサーバ1は、図3に示すように、ゲームに関するデータを格納するゲームデータベース11と、ゲームについての種々の制御を行うゲーム制御部12と、種々のデータを一時的に格納するためのメモリ13と、携帯端末3との通信を行う通信制御部14と、このサーバ全体の制御を行う制御部(CPU)15と、を備えている。
【0028】
ゲームサーバ1のゲームデータベース11は、予め登録された各ユーザ毎のゲームに関するデータを記録・更新するためのユーザデータファイルを保有する。ユーザデータファイルの一例を図4に示す。図4に示すように、ユーザデータファイル1010は、各ユーザを識別するためのユーザ情報(ID、パスワード、ユーザ名など)1011と、ユーザが育成したキャラクタの現在の状態を表すキャラクタレベル情報1012と、ユーザが今までに行った操作の履歴を表す操作履歴情報1013と、が対応付けて記録される。
【0029】
このうち、キャラクタレベル情報1012は、図4に示すように、現在のキャラクタの成長段階の状態を表す状態情報と、現在のキャラクタの色を色パラメータ値(パラメータにつき図中「pm」で示した)で表す色情報と、が含まれる。ここで、色情報は、キャラクタを構成する所定のパーツ(シェイプ)毎に分けて設定されており、この例では、「色1」の情報が顔と胴体の色、「色2」の情報が手と足の色を示す色パラメータとなっている。また、操作履歴情報1013の一例としては、どの操作が何回行われたかを表すデータが格納される。
【0030】
上記ユーザデータファイル1010に関し、ゲームサーバ1は、ユーザが操作を行う度に、当該ユーザの操作履歴情報1013を更新し、また、ユーザの行った操作が増える(例えば所定回数に達する)にしたがって、キャラクタのレベル(状態)を(初期値が1で最大3まで)順次上げていくようにキャラクタレベル情報1012を更新する設定となっている。また、この実施形態では、ゲームサーバ1は、ユーザの行った操作の内の所定の操作(ここでは「アイスをあげる」操作)を行った場合に、当該操作内容(後述するアイスクリームの色)とキャラクタレベル情報1012の色情報とに基づいて、ユーザ端末3に表示されるキャラクタの色を変更するための処理を行うとともに、当該ユーザのキャラクタレベル情報1012の色情報を更新する設定となっている。
【0031】
また、ゲームサーバ1のゲームデータベース11は、ユーザが行うことのできる操作(換言するとキャラクタに発生するイベント名)に対して、キャラクタが行う行動(アクション)と使用するフレーム(枠や背景など)とを対応(定義)付けた操作・アクション定義ファイルを保有する。操作・アクション定義ファイルの一例を図5に示す。図5に示すように、操作・アクション定義ファイル1020は、ユーザが行うことのできる操作(換言するとキャラクタに発生するイベント)名を規定した操作(イベント)名情報1021と、各操作(イベント)に応じて発生するアクションを定義したアクション定義情報1022と、各操作(イベント)に応じて使用されるフレームを定義したフレーム定義情報1023と、が対応付けて登録される。
【0032】
図5に示す例では、一つの操作に対してキャラクタが最大で4つのアクションを実行するように、操作・アクション定義ファイル1020のアクション定義情報1022が記述されている。
【0033】
ここで、フレーム定義情報1023における各フレーム名(フレーム1,2,3,・・・)は、後述する画像合成サーバ2のSWFフレームファイルライブラリ23内に格納されたSWFフレームファイルのフレームファイル名(例えば「fr_0001.swf」,「fr_0002.swf」,「fr_0003.swf」,・・)と対応付けられている。また、アクション定義情報1022におけるキャラクタの各アクション名(「喜ぶ」、「歩く」、「笑う」、「リラックス」・・)は、画像合成サーバ2のSWFアクションファイルライブラリ22内に格納されたSWFアクションファイルのファイル名(例えば「ac_0001.swf」、「ac_0002.swf」、「ac_0003.swf」、「ac_0004.swf」・・)と対応付けられている。
【0034】
さらにまた、ゲームサーバ1は、上述したキャラクタレベルに応じたキャラクタの静止画のデータ、ユーザがキャラクタの種々の操作(育成操作など)を行うための後述する操作画面(図8参照)のデータを保有する。
【0035】
画像合成サーバ2は、図6に示すように、SWFファイルフォーマットを格納するSWFファイルフォーマットデータ格納部21と、複数のSWFアクションファイルを格納するSWFアクションファイルライブラリ22と、SWFフレームファイルを格納するSWFフレームファイルライブラリ23と、通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信部24と、携帯端末から送られて来たデータを解析するためのデータ解析部25と、SWFアクションファイルライブラリ22内のファイルのパラメータを変更するためのパラメータ変更部26と、複数のSWFアクションファイルを時系列的に連結して一のアクションシーンを合成する処理を行うアクションシーン連結合成部27と、連結された複数のSWFアクションファイルの最前面にSWFフレームのレイヤーを合成する処理を行うレイヤー合成部28と、を備える。
【0036】
具体的には、画像合成サーバ2では、図示しないサーバプログラムを自機のCPU20で読み込んで実行することにより、かかるCPU20が、上記のデータ解析部25、パラメータ変更部26、アクションシーン連結合成部27、及びレイヤー合成部28として機能する。これら各部(25〜28)は、画像合成サーバ2のCPU20の主要な機能を抽出して表したものである。なお、実際には、CPU20は、画像合成サーバ2全体を制御するために、他の種々の機能を有しているが、簡明のため、それらの図示等は省略する。
【0037】
また、SWFファイルフォーマットデータ格納部21と、SWFアクションファイルライブラリ22と、SWFフレームファイルライブラリ23は、図示しないハードディスクなどの記憶媒体に格納される。かかる記憶媒体には、他にも上記サーバプログラムなどの種々のデータが格納される。
【0038】
SWFファイルフォーマットデータ格納部21に格納されるSWFファイルフォーマットは、SWFファイルの仕様を規定するデータであり、本実施形態ではFlash Lite1.1のフォーマットを用いている。すなわち、現在ではFlash Liteのバージョンは3.0まで進んでいるが、高いバージョンのものは携帯端末のハードウェアに高いスペックが要求され、かつ、依然として携帯端末機への実装の普及がバージョン1.1程には進んでいないことから、現在の殆ど全ての携帯端末に適用可能とするために、Flash Lite1.1のフォーマットを用いることとする。
【0039】
SWFアクションファイルライブラリ22に格納されるSWFアクションファイルは、携帯端末で表示される動画像における、キャラクタのアクション(図5で例示した、喜ぶ、歩く、走る、笑う、食べる・・・などの行動)毎に規定されるファイルである。
【0040】
なお、SWFアクションファイルライブラリ22に格納されるSWFアクションファイルは、同じアクション(例えば「喜ぶ」)であっても、キャラクタの状態(すなわち図4の状態1〜3)が異なれば、相互に異なるファイル名となる。
【0041】
ここで、キャラクタとは、携帯端末の画面に表示される各種事物(オブジェクト)のうちのキャラクタとして動作するオブジェクトを意味し、例えばゲームキャラクタが含まれる。一方、携帯端末の画面に表示される各種事物のうちキャラクタ以外のオブジェクトは、後述するSWFフレームファイルライブラリ23内に格納される「フレーム」として扱われる。
【0042】
また、通常、動画における一のキャラクタは、シェイプと呼ばれる複数のオブジェクト(例えば動物などの場合は、胴体、足、手、顔面、目、口、・・・などのパーツ)からなり、各パーツが相互に異なった色で表示され、相互に異なる位置で異なった動きをする。このため、各パーツ毎にムービークリップが存在し、一のSWFアクションファイルには複数のムービークリップが含まれ、各ムービークリップがレイヤーとして合成されることになる。
【0043】
なお、一のSWFアクションファイル内に含まれるキャラクタ(すなわち動作対象となる物)の数は特に限定されないが、簡明のため、ここでは、一のSWFアクションファイル内に含まれるキャラクタが1個である場合について説明する。
【0044】
SWFフレームファイルライブラリ23は、複数のSWFフレームファイルを格納するものであり、それぞれのSWFフレームファイルには固有のフレームファイル名が付される。上述のように、SWFフレームファイルは、枠を書き込んだSWFファイルであり、換言すると、SWFアクションシーンの枠(フレーム)を規定するファイルである。
【0045】
ここで、フレームの概念としては、静止物、すなわち一連の動作を通じて画面中で動かない箇所(例えば、背景の模様、壁、飾りなど)も含まれる。本実施形態では、複数のSWFアクションファイルからなる一のSWFアクションシーンに対して一のSWFフレームファイルが付加される。
【0046】
携帯端末3は、通信網を介して各種端末とのデータ通信が可能な携帯型の装置であり、各種携帯電話機やPDAなどが含まれる。図示しないが、携帯端末3は、通信網を介したデータ通信を行うためのブラウザを含む通信部、ユーザが操作を行うための各種キーボタンを含む操作入力部、通信結果や操作内容などの各種表示を行うためのLCDなどの表示部、装置全体を制御するための制御部を備える。
【0047】
また、携帯端末3は、サーバから受信されたFlashファイルの動画像を再生するためのソフトウェア(プラグイン)として、Adobe Flash Lite(登録商標)が実装される。上述のように、画像合成サーバ2ではFlash Lite1.1のフォーマットを使用するため、携帯端末3に実装されているAdobe Flash Liteが1.1以上のバージョンであれば適応可能である。
【0048】
次に、図7を参照して、ゲームサーバ1と画像合成サーバ2と携帯端末3との間で行われる情報の送受信の概要を説明する。
【0049】
ステップS1で、携帯端末3は、ユーザによって操作入力部が操作されることで、通信網を介してゲームサーバ1と接続する。具体的には、携帯端末3は、事業者が提供する所定の育成ゲーム提供サービスのサイトにアクセスすることにより、自機の通信部がゲームサーバ1の通信制御部14と接続される。
【0050】
このとき、ゲームサーバ1は、通信制御部14で不図示の認証サーバにアクセスすることにより、携帯端末3に対して登録IDやパスワードなどの認証情報の要求を併せて行うことができる。携帯端末3から受信された認証情報は、メモリ13に一時記憶される。さらには、有料のサービスの場合には、ゲームサーバ1は、不図示の決済サーバにアクセスすることにより、決済に関する情報も付加情報として携帯端末3に送信することができる。
【0051】
接続後のステップS2で、ゲームサーバ1のゲーム制御部12は、ゲームデータベース11のユーザデータファイル1010から当該ユーザのキャラクタレベル情報1012における状態情報及び色情報(図4参照)を読み出し、当該状態及び色に対応したキャラクタのデータを、操作画面のデータとともにステップS3で携帯端末3に送信する。
【0052】
図8に、携帯端末3の表示部に表示される操作画面の一例を示す。この例では、ユーザがステップS4で携帯端末3の操作入力部を操作することで、画面上に表示されたキャラクタの育成に関するイベント名(「水をあげる」、「さわる」、「アイスをあげる」など)を示すアイコン1041(1041a,b,c)を選択するようになっている。また、この他の各種操作(例えば図5の「移動する」など)については、携帯端末3のキーボタンで直接操作する設定となっている。そして、ステップS4の操作により、キャラクタの育成に関するイベント名を示す操作情報が携帯端末3からゲームサーバ1に送信される(ステップS5)。
【0053】
ゲームサーバ1は、かかる操作情報を受信すると、該情報をメモリ13に一時記憶し、ゲームデータベース11のユーザデータファイル1010(図4)、及び操作・アクション定義ファイル1020(図5)のデータとの照合を行い、操作・アクション定義ファイル1020から、当該操作(イベント)に対応するフレーム定義情報1023のフレーム、アクション定義情報1022のアクションファイル名1乃至4を抽出し、ユーザ端末3に表示されるキャラクタの上述した色1(すなわち顔と胴体の色)及び色2(すなわち手と足の色)の色パラメータ値を決定し、ユーザデータファイル1010における当該ユーザの操作履歴情報1013及びキャラクタレベル情報1012(図4参照)を更新する(ステップS6)。
【0054】
ここで、ゲームサーバ1が行う色パラメータ値の決定は、受信された操作情報が上述した所定の操作(すなわち「アイスをあげる」操作)である場合に、当該アイス(アイスクリーム)の有する色(色パラメータ値)と、当該ユーザのキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値とを比較して色の変化量を算出し、該算出された変化量に従った色になるように、色1(顔と胴体の色)及び色2(手と足の色)の色パラメータ値を決定する。一例としては、ゲームサーバ1は、色1(顔と胴体の色)及び色2(手と足の色)が、アイスクリームの色との中間色になるように、これら色パラメータ値を決定することができる。また、他の例として、ゲームサーバ1は、色1(顔と胴体の色)及び色2(手と足の色)が、アイスクリームの色にできるだけ近づくように、これら色パラメータ値を決定することもできる。
【0055】
一方、受信された操作情報に「アイスをあげる」操作が含まれていない場合には、ゲームサーバ1は、当該ユーザのキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値をそのまま色1(顔と胴体の色)及び色2(手と足の色)の値として決定する。
【0056】
ゲームサーバ1は、このようにして決定された色1及び色2の色パラメータ値がキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の値になるように、適宜、当該ユーザのキャラクタレベル情報1012を更新する。具体的には、受信された操作情報が「アイスをあげる」操作である場合にのみキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の値が更新されることになる。また、ゲームサーバ1は、受信された操作情報に応じて当該ユーザの操作履歴情報1013(図4参照)を更新し、所定の操作回数に達した場合には、キャラクタのレベル(状態)を上げるように当該ユーザのキャラクタレベル情報1012を更新する。
【0057】
そして、ゲームサーバ1は、当該決定されたキャラクタの色1(顔と胴体の色)及び色2(手と足の色)の色パラメータ値、及び当該抽出されたアクションファイル名1乃至4の情報を、画像合成サーバ2のサイト(URL)情報とともに、リクエスト情報(httpリクエスト)として、携帯端末3に送信する(ステップS7)。
【0058】
そして、かかるhttpリクエストを受信した携帯端末3は、画像合成サーバ2のURLにアクセスすることで画像合成サーバ2と接続するとともに、ゲームサーバ1から受信されたキャラクタの色1(顔と胴体の色)及び色2(手と足の色)の各色パラメータ値とアクションファイル名1乃至4の情報を、入力データとして画像合成サーバ2に送信(転送)する。携帯端末3から画像合成サーバ2に転送される入力データのフォーマットの一例を図9に示す。
【0059】
図9に示すように、入力データ1050は、ヘッダ情報1051と、使用するフレームを指定するためのフレーム情報1052と、表示されるキャラクタの色を指定するためのキャラクタ色情報1053と、キャラクタの行うアクションを指定するためのアクション情報1054と、からなる構造となっており、例えば、
nd1|ff-fr_0001|nc-0-008000-ff00ff|na-0-ac_00001-ac_00002-ac_00003-ac_00001
のようなデータ形式で画像合成サーバ2に転送される。
【0060】
上記例示されたデータにつき、ヘッダ情報1051としての「nd1」は提供されるゲームの種類(コード)を表す固定文字列、フレーム情報1052の内、「ff」はフレームを表す固定文字列で、「fr_0001」はフレームファイル名、キャラクタ色情報1053の内、「nc」は色を表す固定文字列、「0」は表示されるキャラクタの数(ここでは1体)を表すキャラクタ番号、「008000」は上述した色1(顔と胴体)の色パラメータ値、「ff00ff」は色2(手と足)の色パラメータ値、アクション情報1054の内、「na」はアクションを表す固定文字列、「0」は表示されるキャラクタの数(1体)を表すキャラクタ番号、「ac_00001」,「ac_00002」,「ac_00003」及び「ac_00001」はこの順序で生じる4つのアクションの各アクションファイル名を、それぞれ示すものである。
【0061】
なお、操作(イベント)名に対応するアクションが3つ以下の場合(例えばイベントが図5の「アイスをあげる」、「移動する」の場合)、ゲームサーバ1は、アクション情報1054内に、当該使用する3つ以下のアクションファイル名を指定してhttpリクエストを生成すればよい。
【0062】
画像合成サーバ2は、ユーザ端末3から転送された入力データ1050の情報を受信すると、ステップS8で、対象となるSWFファイルの色変更のための処理を行った後に、当該処理後のSWFファイルをステップS9で合成し、かかる合成後の動画像データをステップS10でhttpレスポンスとして携帯端末3に送信する。
【0063】
そして、かかる動画像データを受信した携帯端末3は、ステップS11で、自機内のFlash Liteを使用して当該動画像を再生表示する。
【0064】
次に、図10を参照して、画像合成サーバ2の動作を説明する。図10において、ステップS81〜S83が図7のステップS8のサブルーチンであり、ステップS91及びS92がステップS9のサブルーチンに該当する。
【0065】
ステップS81で、画像合成サーバ2は、携帯端末3からの入力データが受信されたか否かを判定し、受信されたと判定されるまでステップS81で待機し、受信されたと判定した場合に、当該入力データを一時記憶してステップS82に移行し、使用対象となるSWFアクションファイルをデータ解析部25で解析する。
【0066】
ステップS82のサブルーチンを、図11のステップS821〜S823に示す。ステップS821で、画像合成サーバ2のデータ解析部25は、受信されたアクションファイル名に対応した各SWFアクションファイルを、SWFアクションファイルライブラリ22から抽出して一時記憶する。続くステップS822で、データ解析部25は、SWFファイルフォーマットデータ格納部21を参照して、抽出された各SWFアクションファイルに記述された種々の情報(例えば、SWFの再生時間、階層構造、ムービークリップ(シェイプ)の情報など)を解析して、各SWFアクションファイルのムービークリップ(シェイプ)を特定する。すなわち、上述のように一のキャラクタは、通常、シェイプと呼ばれるパーツが複数構成されてなり、動画では各パーツが相互に異なった位置で異なった動きをする。このため、各パーツ毎にムービークリップが存在し、一のSWFアクションファイルには複数のムービークリップが階層化された構造で含まれる。したがって、ステップS822で、データ解析部25は、使用される各SWFアクションファイルに含まれる各ムービークリップ(シェイプ)の階層位置や表示位置などを把握するとともに、各SWFアクションファイルの再生に要する時間の算出などを行う。
【0067】
ここで、一のSWFアクションファイル内におけるキャラクタを構成するパーツ(シェィプ)とムービークリップとの関係を図12に示す。
【0068】
図12に示すように、1のキャラクタは階層化された複数のパーツからなり、各パーツ(頭、顔面、目、口、・・)のそれぞれに対してムービークリップが割り当てられる。したがって、表示される色の初期値がムービークリップ毎に割り当てられている。
【0069】
そして、この実施形態では、キャラクタを構成する各パーツの内、上述した色1及び色2に対応し色変更の対象となるパーツ(以下、「対象オブジェクト」ともいう。)と、色変更の対象とならないパーツと、がSWFアクションファイル22の各SWFアクションファイル内に予め規定された構成となっている。例えば、図12の色区分欄に示すように、一のキャラクタを構成する複数のパーツの内、顔の内の顔面(MC_2−1)及び胴体(MC_3)が上述の「色1」として、また、手(MC_4)及び足(MC_5)が上述の「色2」として色変更の対象となり、その他のパーツ(頭(MC_1)、顔の内の目(MC_2−2)、口(MC_2−3)など)は色変更の対象とならない、などである。かかる色区分の規定内容は、この実施形態では各SWFアクションファイル毎に共通であることを前提としているが、他の実施形態として、各SWFアクションファイル毎あるいは各シーン(SWFアクションシーン1000)毎に別個の規定内容とすることもできる。
【0070】
したがって、画像合成サーバ2のデータ解析部25は、ステップS822で各ムービークリップの情報を解析した後のステップS823で、色変更の対象となるパーツ(対象オブジェクト)の色パラメータを特定する。
【0071】
そして、ステップS83で、画像合成サーバ2は、パラメータ変更部26で、上述した一のキャラクタの各パーツの内の色変更の対象となる対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、対応するSWFアクションファイルを書き換える。具体的には、パラメータ変更部26は、ステップS82の解析結果に基づいて、ステップS81で一時記憶された各SWFアクションファイル中の対象オブジェクトの色パラメータが記述されている箇所のタグを、ステップS7の入力データ1050で指定された色の値になるように書き換える。
【0072】
次のステップS91で、画像合成サーバ2は、ステップS83で色パラメータの書き換えが完了された複数のSWFアクションファイルを連結合成部27で連結することで、SWFアクションシーンを合成する。この実施形態では、連結合成部27は、最大で4つのSWFアクションファイルが時系列的に繋がるように各ファイルを連結させる処理を行う。
【0073】
続くステップS92で、画像合成サーバ2は、レイヤー合成部28が、対応するSWFフレームファイルをSWFフレームファイルライブラリ23から読み出し、該読み出されたSWFフレームを、ステップS91で連結合成されたSWFアクションファイルにレイヤーとして合成する処理を行う。ここで、レイヤー合成部28は、ステップS7の入力データ1050で指定されステップS81で一時記憶されたフレームファイル名に対応するSWFフレーム(背景等)を、SWFフレームファイルライブラリ23から読み出してレイヤー合成を行う。
【0074】
次のステップS93で、画像合成サーバ2は、ステップS92で合成されたSWFフォーマットによるデータを送受信部24から携帯端末3宛に送信するように、通信網に出力する。
【0075】
したがって、かかるSWFフォーマットによる動画像データを受信した携帯端末3では、自機のFlash Liteで当該動画像データを再生することにより、キャラクタの所定のパーツ(対象オブジェクト)の色が、当該ユーザの現在の状態(すなわちユーザデータファイル1010(図4)のキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値)に従った色で表示され動作するアクション動画像が再生される。また、かかる携帯端末3では、所定の操作(ここでは「アイスをあげる」操作)を行うことで、ユーザデータファイル1010のキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値が、当該「色1」及び「色2」及び当該アイスクリームの色に基づいた色の値に変更されるとともに、該変更された色でキャラクタが表示され動作するアクション動画像が再生される。
【0076】
具体的には、ユーザ情報0001のユーザ(図4参照)が携帯端末3を操作して例えば「水をあげる」の操作(図5、図8参照)を行った場合を仮定すると、かかる操作に対応した「喜ぶ」、「飲む」、「走る」、「喜ぶ」の各動作につき、ユーザデータファイル1010におけるキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値(すなわちpm3及びpm4)に対応する色でキャラクタが表示される。また、このとき、かかるユーザの操作履歴情報1013の「水をあげる」の数値(図4参照)が1から2になるように更新される一方、キャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値は更新されない。
【0077】
これに対して、同じユーザが携帯端末3を操作して「アイスをあげる」の操作(図5、図8参照)を行った場合には、当該ユーザの操作履歴情報1013の「アイスをあげる」の数値(図4参照)が2から3になるように更新され、かつ、キャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値が、当該「色1」及び「色2」の色パラメータ値と当該アイスクリームの色の色パラメータ値との変化量に従った値の色(例えばpm20及びpm21)に更新され、当該操作に対応した「食べる(キャラクタの色が変わる)」の動作につき、かかる更新値による「色1」及び「色2」の色パラメータ値(pm20及びpm21)に対応する色でキャラクタが表示される。
【0078】
上述の実施形態では、パラメータ変更部26が、対象オブジェクトの色パラメータを、複数のアクションからなるシーン(SWFアクションシーン1000)単位で変更する構成とした。他の構成例としては、パラメータ変更部26が、対象オブジェクトの色パラメータを各アクション(SWFアクションファイル1002)単位で変更する構成とすることもできる。この場合には、ゲームサーバ1は、例えば図13に示すように、各アクション毎にキャラクタの色パラメータ(色1及び色2)の値を定義した色パラメータ定義ファイル1030を使用することができる。
【0079】
具体的には、かかる色パラメータ定義ファイル1030を使用した場合には、ゲームサーバ1は、上述したステップS6の「色1」及び「色2」の色パラメータ値の決定処理において、さらに色パラメータ定義ファイル1030も参照して決定する。すなわち、ゲームサーバ1は、使用されるアクションファイル名(1乃至4)に対応する「色1」及び「色2」の色パラメータ値が色パラメータ定義ファイル1030に規定されているか否かをチェックし、規定されている場合には、当該アクションについては、(ユーザデータファイル1010におけるキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の値に係わらず、)色パラメータ定義ファイル1030で規定された色パラメータを指定するように決定する。なお、かかる指定結果は、ステップS7のhttpリクエスト生成時に、例えば、図9のデータフォーマットの後段に付加情報として付加するように組み込むことができる。
【0080】
かかる付加情報を用いた入力データのフォーマットを図14に示す。図14に示す入力データ1050Aは、ヘッダ情報1051と、使用するフレームを指定するためのフレーム情報1052と、表示されるキャラクタの色を指定するためのキャラクタ色情報1053と、キャラクタの行うアクションを指定するためのアクション情報1054と、個別に色を変更すべきアクションファイル名と変更する色(色パラメータ値)とを指定するための付加情報1055と、からなる構造となっている。ここで、付加情報1055のデータ形式は、上述した図9の例で「ac_0002」及び「ac_0003」のアクションファイルにおける「色1」及び「色2」を個別に変更する場合には、例えば、
na_0002_nc_006000_ff11ff-na_0003_nc_007000_ff22ff
のように関連付けたデータ形式とすることができる。なお、付加情報1055は、これ以外にも、個別に色を変更すべきアクションファイル名と変更する色とを指定する形式であればよい。
【0081】
そして、ユーザ情報0001のユーザ(図4参照)が携帯端末3を操作して例えば「水をあげる」の操作(図5、図8参照)を行った場合を仮定すると、図13の色パラメータ定義ファイル1030を使用しない場合には、「喜ぶ」、「飲む」、「走る」、「喜ぶ」の全ての動作につき、ユーザデータファイル1010におけるキャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値(すなわちpm3及びpm4)に対応する色でキャラクタが表示される。これに対して、図13の色パラメータ定義ファイル1030を使用する場合には、「喜ぶ」、「飲む」、「走る」、「喜ぶ」の各動作の内、「喜ぶ」動作については「色1」及び「色2」の値が色パラメータ定義ファイル1030に規定されていないので、キャラクタレベル情報1012の「色1」及び「色2」の色パラメータ値(pm3及びpm4)に対応する色でキャラクタが表示され、一方、「飲む」及び、「走る」動作については、「色1」及び「色2」の値が色パラメータ定義ファイル1030に規定されているので、「飲む」動作では「色1」がpm7、「色2」がpm8、「走る」動作では「色1」がpm9、「色2」がpm10に対応する色でキャラクタが表示されることになる。
【0082】
また、上述した例では、一のSWFアクションシーン1000でキャラクタを1体表示させる場合について説明したが、キャラクタを複数体、すなわちn個のキャラクタ(キャラクタ1乃至n)を一のSWFアクションシーン1000で同時に表示させることも可能であり、この場合には、例えば、ステップS91の連結合成時に、キャラクタ1のSWFアクションファイルからキャラクタnのSWFアクションファイルまでを一度にレイヤー合成するように処理する。この場合には、各キャラクタ毎に異なる色に変更するようにSWFアクションファイル内に記述された色パラメータを書き換えることにより、携帯端末3に表示されるn個のキャラクタの色を種々のものにすることが可能となる。
【0083】
例えば、一のSWFアクションシーン1000で表示されるキャラクタが2体の場合には、携帯端末3から画像合成サーバ2に転送される入力データのフォーマットの一例として、図15に示すデータ構造が使用できる。図9と比較して分かるように、この場合の入力データ1050Bは、上述したヘッダ情報1051及びフレーム情報1052と、表示されるキャラクタ1の色を指定するためのキャラクタ色情報1053Aと、キャラクタ1の行うアクションを指定するためのアクション情報1054Aと、表示されるキャラクタ2の色を指定するためのキャラクタ色情報1053Bと、キャラクタ2の行うアクションを指定するためのアクション情報1054Bと、からなる構造となっており、例えば nd1|ff-fr_00001|nc-0-008000-ff00ff|na-0-ac_00001-ac_00002|nc-1-ff0000-008080|na-1-ac_00003-ac_00002
のようなデータ形式で画像合成サーバ2に転送される。上記例では簡明のため、2つのキャラクタがそれぞれ2つのアクションを行う場合について記載したが、2体表示であってもそれぞれのキャラクタが最大4アクションずつ行うように入力データ1050Bで設定することが可能である。
【0084】
上記の内、ヘッダ情報の「nd1」からキャラクタ1のアクション情報1054A「na-0-ac_00001-ac_00002」までは図9の例と同様であり、さらに、入力データ1050Bでは、キャラクタ2の色情報1053Bとアクション情報1054Bが付加された構造であることが分かる。ここで、キャラクタ2のキャラクタ色情報1053Bの内、「nc」は色を表す固定文字列、「1」は表示されるキャラクタの数(ここでは2体目)を表すキャラクタ番号、「ff0000」は上述した色1(顔と胴体)の色パラメータ値、「008080」は色2(手と足)の色パラメータ値、アクション情報1054Bの内、「na」はアクションを表す固定文字列、「1」は表示されるキャラクタの数(2体目)を表すキャラクタ番号、「ac_00003」,及び「ac_00002」はこの順序で生じる2つのアクションの各アクションファイル名を、それぞれ示すものである。
【0085】
なお、上述の説明では、簡明のため、一のSWFアクションファイルに含まれる各ムービークリップを一つのフレームで表示し、ムービークリップ(シェイプ)単位で色変更する場合について説明したが、各ムービークリップを複数のフレームで表示することも可能である。各ムービークリップを複数のフレームで表示する場合には、色変更をムービークリップ(シェイプ)単位のみならず、フレーム単位でも行うことが可能になる。
【0086】
このように、本実施形態の動画像配信システムは、表示される動画像に関してユーザが選択する事項につき、予めサーバ側で各ファイルに格納しておく事項(各レベル毎のキャラクタのデザインや各アクション動作)と画像合成時に個別に変更する事項(対象オブジェクトの色)とを区別し、予め複数のファイルで作成・格納すると格納領域が膨大化する事項については、対象となるファイルのパラメータ(タグ)を配信に先立つ画像合成時に書き換えるようにしたので、サーバ側で各色毎のキャラクタのファイルを予め格納しておく必要がなく、サーバ側のハードディスク等の資源を効率的に使用し、経済的に実現することができる。
【0087】
そして、本実施形態によれば、予め作成されたSWFアクションファイルのデータを分解することなしに、SWFファイル中に含まれる複数のムービークリップに対してサーバ側で任意の色設定を行うことが可能となり、SWFファイル中に記述された色パラメータをリアルタイムで動的に変更して携帯端末に提供することが可能になる。
【0088】
また、本実施形態の動画像配信システムは、SWFファイルフォーマットデータ格納部21でSWFファイルの仕様としてFlash Lite1.1のフォーマットデータを格納しているので、Flash Liteを実装している既存の殆ど全ての携帯端末に適用することができる。
【0089】
上述した実施形態では、携帯端末3と通信するサーバが2台であるいわゆるインタラクティブフラッシュの方式であったが、他の実施形態として、1台のサーバで通信するインラインフラッシュの方式とすることも可能である。この場合には、ゲームサーバ1が画像合成サーバ2の機能(図6のブロック)を併せ持つ構成とすればよい。
【0090】
さらに、上述した実施形態では、画像合成サーバ1に入力される入力データをゲームサーバ1側で生成する構成としたが、他の実施形態として、かかる入力データを携帯端末3で生成する構成とすることも可能であり、この場合には、携帯端末3がゲームサーバ1の機能(図3のブロック)を併せ持つ構成とすればよい。
【符号の説明】
【0091】
1 ゲームサーバ(第2のサーバ装置)
11 ゲームデータベース
12 ゲーム制御部
13 メモリ
14 通信制御部
15 CPU
2 画像合成サーバ(第1のサーバ装置)
20 CPU
21 SWFファイルフォーマットデータ格納部
22 SWFアクションファイルライブラリ(動画ファイル格納部)
23 SWFフレームファイルライブラリ
24 データ送受信部(送受信手段)
25 データ解析部(解析手段)
26 パラメータ変更部(パラメータ変更手段)
27 アクションシーン連結合成部
28 レイヤー合成部
3 携帯端末
1000 SWFアクションシーン
1001 SWFフレームファイル
1002(1002A,1002B,・・・1002n) SWFアクションファイル
1010 ユーザデータファイル
1011 ユーザ情報
1012 キャラクタレベル情報
1013 操作履歴情報
1020 操作・アクション定義ファイル
1021 操作(イベント)名情報
1022 アクション定義情報
1023 フレーム定義情報
1024 色パラメータ情報
1030 色パラメータ定義ファイル
1031 アクション名情報
1032 キャラクタ色情報
1033 色パラメータ情報
1041(1041a,b,c) アイコン
1050,1050A,1050B 入力データ
1051 ヘッダ情報
1052 フレーム情報
1053 キャラクタ色情報
1054 アクション情報
1053A キャラクタ1のキャラクタ色情報
1053B キャラクタ2のキャラクタ色情報
1054A キャラクタ1のアクション情報
1054B キャラクタ2のアクション情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められたキャラクタの動画像データのファイルが格納された動画ファイル格納部と、
通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信手段と、
前記送受信手段で受信されたデータに基づいて、前記動画像データのファイルを解析する解析手段と、
前記動画像データのファイルに記述されたパラメータを書き換えるパラメータ変更手段と、を備え、
前記解析手段は、前記送受信手段で受信された携帯端末からの入力データに基づいて、動画ファイル格納部から動画像データのファイルを抽出し、
前記パラメータ変更手段は、前記携帯端末からの入力データに含まれるキャラクタの色を表すパラメータに従い、当該キャラクタを構成する複数のオブジェクトの内の所定の対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、前記抽出された動画像データのファイルを書き換え、
前記送受信手段は、当該色パラメータ変更後の動画像データのファイルを、SWFフォーマットデータとして、携帯端末宛に通信網へ送信する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
SWFファイルの仕様を規定したデータが格納されるSWFファイルフォーマットデータ格納部と、
予め定められたキャラクタの種々のアクションがアクション毎に一のSWFアクションファイルとして格納されたSWFアクションファイル格納部と、
通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信手段と、
前記送受信手段で受信された携帯端末からのキャラクタのアクション指定を含む入力データ及び前記SWFファイルフォーマットデータ格納部のデータに基づいて、使用されるSWFアクションファイルを解析する解析手段と、
前記SWFアクションファイルに記述されたパラメータを書き換えるパラメータ変更手段と、を備え、
前記解析手段は、前記送受信手段で受信された携帯端末からの入力データに基づいて、対応するSWFアクションファイルを前記SWFアクションファイル格納部から抽出し、
前記パラメータ変更手段は、前記携帯端末からの入力データに含まれるキャラクタの色を表すパラメータに従い、当該キャラクタを構成する複数のオブジェクトの内の所定の対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、前記抽出されたSWFアクションファイルを書き換え、
前記送受信手段は、当該色パラメータ変更後のファイルを、SWFフォーマットデータとして、携帯端末宛に通信網へ送信する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
前記SWFアクションファイル格納部に格納されるSWFアクションファイルのそれぞれには、キャラクタを構成する各パーツに対応した複数のムービークリップが含まれ、
前記パラメータ変更手段は、対象オブジェクトの色パラメータをムービークリップ単位で変更するように、前記抽出されたSWFアクションファイルを書き換えることを特徴とする請求項2記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記パラメータ変更手段は、対象オブジェクトの色パラメータを複数のアクションからなるシーン単位で変更するように、前記抽出されたSWFアクションファイルを書き換えることを特徴とする請求項3記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記パラメータ変更手段は、対象オブジェクトの色パラメータを各アクション単位で変更するように、前記抽出されたSWFアクションファイルを書き換えることを特徴とする請求項3記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記パラメータ変更手段は、対象オブジェクトの色パラメータが記述されている箇所のタグを、前記入力データで指定された色の値にするように、前記抽出されたSWFアクションファイルを書き換えることを特徴とする請求項3記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記解析手段は、使用されるSWFアクションファイルに含まれた情報のうち、少なくともムービークリップの階層構造を含むムービークリップの情報を解析する
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか記載のサーバ装置。
【請求項8】
SWFフレームのファイルが格納されたSWFフレームファイル格納部と、
前記色パラメータ変更後の複数のSWFアクションファイルを連結して出力する連結合成手段と、
前記送受信手段で受信された携帯端末からの入力データに基づいて、対応するSWFフレームファイルを前記SWFフレームファイル格納部から読み出して、前記連結された複数のSWFアクションファイルの最前面に、読み出されたSWFフレームのレイヤーを合成してSWFフォーマットデータとして出力するレイヤー合成手段と、を含み、
前記送受信手段は、前記レイヤー合成手段により合成されたSWFフォーマットデータを、当該携帯端末宛に通信網へ送信することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記SWFファイルフォーマットデータ格納部には、SWFファイルの仕様として、Flash Lite1.1のフォーマットデータが格納されることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか記載のサーバ装置。
【請求項10】
請求項2乃至9のいずれか記載の第1のサーバ装置と、
前記携帯端末と通信を行う第2のサーバ装置とを備え、
第2のサーバ装置は、前記携帯端末の操作入力情報を受信し、該受信された操作入力情報に基づいて、携帯端末を介して前記第1のサーバ装置に送信するための前記キャラクタのアクション指定を含むhttpリクエストを生成し、該生成されたhttpリクエストを前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする動画像配信システム。
【請求項11】
前記第2のサーバ装置は、ユーザが行う操作とキャラクタが行う複数のアクションとを対応付けたファイルを保有し、
前記キャラクタが行う各アクションに対して前記第1のサーバ装置の前記SWFアクションファイル格納部内に格納されたSWFアクションファイルが対応付けられた
ことを特徴とする請求項10記載の動画像配信システム。
【請求項12】
前記第2のサーバ装置は、各ユーザ毎のゲームに関するデータのデータベースを保持するゲームサーバであることを特徴とする請求項10又は11記載の動画像配信システム。
【請求項13】
携帯端末に提供する動画像の色を変更するために、サーバコンピュータを、
予め定められたキャラクタの動画像データのファイルが格納された動画ファイル格納部、
通信網を介して携帯端末とのデータの送受信を行うための送受信手段、
前記送受信手段で受信されたデータに基づいて、前記動画像データのファイルを解析する解析手段、及び、
前記動画像データのファイルに記述されたパラメータを書き換えるパラメータ変更手段、として機能させ、
前記解析手段を、前記送受信手段で受信された携帯端末からの入力データに基づいて、動画ファイル格納部から動画像データのファイルを抽出するように機能させるとともに、
前記パラメータ変更手段を、前記携帯端末からの入力データに含まれるキャラクタの色を表すパラメータに従い、当該キャラクタを構成する複数のオブジェクトの内の所定の対象オブジェクトの色パラメータを変更するように、前記抽出された動画像データのファイルを書き換えるように機能させ、
前記送受信手段を、当該色パラメータ変更後の動画像データのファイルをSWFフォーマットデータとして、携帯端末宛に通信網へ送信するように機能させるサーバプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−244206(P2010−244206A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90481(P2009−90481)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(505205812)エヌエイチエヌ コーポレーション (408)
【出願人】(501333021)NHNJapan株式会社 (29)
【Fターム(参考)】